JP7354843B2 - 成形構造体の製造方法、及び成形構造体 - Google Patents

成形構造体の製造方法、及び成形構造体 Download PDF

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本発明は、成形構造体の製造方法、及び成形構造体に関する。
従来、繊維と熱可塑性樹脂を含む基材に対して樹脂成形体を一体的に形成した成形構造体が知られている。下記特許文献1には、一対の成形型によって基材をプレス成形した後、成形型に設けられた成形空間(基材と成形型とによって囲まれた空間)を通して基材上に溶融樹脂を射出することで樹脂成形体を成形する製造方法が記載されている。基材上に射出された溶融樹脂は、基材を構成する熱可塑性樹脂と混ざり合う。この結果、樹脂成形体は基材に対して接合される。
特許第5186883号公報
しかしながら、特許文献1に開示の成形構造体の製造方法では、成形空間を熱可塑性樹脂(溶融樹脂)が流動する際に、成形空間の末端に空気や熱可塑性樹脂から発生する気体等(以下、種々の気体と呼ぶ)が溜まることで、熱可塑性樹脂が当該末端までうまく流動しないことがある。すると、所望の形をなす樹脂成形体を含む成形構造体が得られず、当該成形構造体の剛性が低下する虞がある。
本発明は上記のような事情に基づいて完成されたものであって、剛性が向上する成形構造体を提供することを目的の一つとする。また、所望の形をなす成形構造体を提供することをさらなる目的の一つとする。
本発明は、成形構造体の製造方法であって、少なくとも繊維と熱可塑性樹脂とにより構成される繊維樹脂体を成形型の成形面によって押圧して板状の基材を作製する押圧工程と、前記基材を前記成形型の成形面によって押圧しつつ、前記成形型に設けられた凹状の凹部に対し、少なくとも熱可塑性樹脂を射出することで前記基材に接合した樹脂成形部を作製する射出工程と、を含み、前記凹部は、射出された前記熱可塑性樹脂が流入する部分である流入凹部と、前記流入凹部側から流入した前記熱可塑性樹脂の流動方向における末端の部分である末端凹部と、を備え、前記押圧工程では、前記基材において、前記末端凹部の周辺に位置する成形面によって押圧された部分の密度が、前記流入凹部の周辺に位置する成形面によって押圧された部分の密度よりも低くなる条件で前記繊維樹脂体を押圧することに特徴を有する。
このような成形構造体の製造方法によると、押圧工程にて、基材のうち、成形型の末端凹部の周辺に位置する成形面によって押圧された部分(低密度部と呼ぶ)の密度を、流入凹部の周辺に位置する成形面によって押圧された部分(高密度部と呼ぶ)の密度よりも低くなる条件としているため、射出工程にて凹部に対し熱可塑性樹脂を射出したときに、低密度部を種々の気体が通過することができ、凹部の末端凹部まで熱可塑性樹脂が充満することができる。そして、所望の形の樹脂成形部が基材に接合した、高剛性の成形構造体を得ることができる。
また、前記押圧工程では、前記基材において、前記末端凹部の周辺に位置する成形面によって押圧された部分の板厚が、前記流入凹部の周辺に位置する成形面によって押圧された部分の板厚よりも厚くなるように前記繊維樹脂体を押圧することとすることができる。このような成形構造体の製造方法によると、低密度部と高密度部とを有する基材に所望の形の樹脂成形部が接合した高剛性の成形構造体を容易に作製することができる。
また、前記押圧工程では、前記基材において、前記流入凹部の周辺に位置する成形面によって押圧された部分側から前記末端凹部の周辺に位置する成形面によって押圧された部分側へ向かうほど密度が徐々に低くなる条件で前記繊維樹脂体を押圧することとすることができる。このような成形構造体の製造方法によると、射出工程にて凹部に対し熱可塑性樹脂を射出したときに、末端凹部側に向かうほど種々の気体が徐々に基材を通過することができ、末端凹部まで熱可塑性樹脂が好適に充満することができる。
また、前記押圧工程では、前記流入凹部の周辺に位置する成形面によって、前記繊維樹脂体の端部を押圧することとすることができる。このような成形構造体の製造方法によると、基材の端部が樹脂成形部によって補強された高剛性の成形構造体を作製することができる。
また、本発明は、成形構造体であって、少なくとも繊維と熱可塑性樹脂とにより構成される板状の基材と、少なくとも熱可塑性樹脂により構成され、前記基材に接合した樹脂成形部と、を備え、前記樹脂成形部は、本体部と、前記本体部に繋がり、前記本体部から離れる方向に延びる形で設けられた延設部と、を備え、前記延設部は、前記本体部側に配された基端部と、前記基端部よりも前記本体部から離れる方向に配された先端部と、を備え、前記基材は、前記基端部が接合した高密度部と、前記先端部が接合し、前記高密度部よりも密度が低い低密度部と、を備えることに特徴を有する成形構造体である。このような成形構造体によると、基材において、高密度部から低密度部に至るまで樹脂成形部が接合した剛性の高い成形構造体を提供することができる。
また、上記構成において、前記本体部は、前記基材の端部に配されていることとすることができる。このような成形構造体によると、基材の端部が樹脂成形部によって補強された高剛性の成形構造体を提供することができる。
本発明によれば、剛性が向上する成形構造体を提供することが可能となる。また、所望の形をなす成形構造体を提供することが可能となる。
実施形態に係るピラーガーニッシュを車室内側から視た斜視図 ピラーガーニッシュを車室外側から視た斜視図 リブとその周辺を拡大した斜視図 リブとその周辺の断面図(図3のIV-IV線断面) リブとその周辺の断面図(図4のV-V線断面) 開いた状態の成形型を示す断面図 閉じた状態の成形型を示す断面図 閉じた状態の成形型を示す断面図(図7のVIII-VIII線断面) 閉じた状態の成形型を示す断面図(図7のIX-IX線断面) 成形型の凹部に対し熱可塑性樹脂を射出した状態を示す断面図
<実施形態>
本発明の実施形態を図1から図10によって説明する。本実施形態では、乗物としての自動車(車両)において、天井を下方から支持する柱状のセンターピラー(Bピラー)に取り付けられるピラーガーニッシュ(成形構造体)1について説明する。尚、矢印方向FRを前方、矢印方向RRを後方、矢印方向UPを上方、矢印方向DWを下方、矢印方向INを車室内側、矢印方向OUTを車室外側として各図を説明する。
図1に示すように、ピラーガーニッシュ1は、板金からなるセンターピラーに対し、クリップ等の取付部材を用いて車室内側から取り付けられる乗物用内装材である。ピラーガーニッシュ1は、板状の主壁部1Aと、主壁部1Aの前端から車室外側に曲がった板状の前側壁部1Bと、主壁部1Aの後端から車室外側に曲がった板状の後側壁部1Cと、を備え、全体として、上下方向を長手とする曲板状体である。ピラーガーニッシュ1は、繊維と熱可塑性樹脂とにより構成される板状の基材10(白色で示す部分)と、熱可塑性樹脂により構成され、基材10に接合した樹脂成形部30(網掛けで示す部分)と、を備える。基材10の中央部分には、車室内外方向に長方形状に開口した開口部15が設けられている。
基材10を構成する繊維としては、植物における、幹、茎、枝、葉、根等に由来する繊維がそのまま用いられていてもよく、これらが、熱処理、乾燥処理、粉砕処理、化学処理等により加工されてなる繊維が用いられていてもよい。このような植物性繊維としては、ケナフ、ジュート麻、マニラ麻、サイザル麻、亜麻、苧麻、ヘンプ、雁皮、三椏、椿、バナナ、パイナップル、ココヤシ、トウモロコシ、サトウキビ、バガス、ヤシ(アブラヤシ等)、パピルス、葦、エスパルト、サバイグラス、トッサ、麦、稲、竹、針葉樹(杉、檜等)、広葉樹、カポック、綿花等に由来する線状繊維体を採用することができる。これらの中でも、木質茎を有し、成長が極めて早い一年草であり、優れた二酸化炭素吸収性を有し、大気中の二酸化炭素量の削減、森林資源の有効利用等に貢献するアオイ科植物であるケナフに由来する線状繊維体(ケナフ繊維)であることが特に好ましい。このケナフとしては、学名におけるHibiscus cannabinus及びHibiscus sabdariffa等、通称名における紅麻、キューバケナフ、洋麻、タイケナフ、メスタ、ビムリ、アンバリ麻、及びボンベイ麻等が挙げられる。
基材10及び樹脂成形部30を構成する熱可塑性樹脂としては、ポリオレフィン系樹脂(ポリプロピレン、ポリエチレン等)、ポリエステル系樹脂(ポリ乳酸、ポリカプロラクトン等の脂肪族ポリエステル樹脂、ポリエチレンテレフタレート等の芳香族ポリエステル樹脂)等の樹脂を採用することができる。これらの中でも、ポリプロピレン樹脂が好ましい。基材10を構成する熱可塑性樹脂と樹脂成形部30を構成する熱可塑性樹脂は、同種の熱可塑性樹脂であってもよく、異種の熱可塑性樹脂であってもよい。
図1及び図2に示すように、樹脂成形部30は、基材10における外側の端部11の全周を囲み、その表面(車室内側の面)30Aが基材10の表面10Aと面一となる形で基材10の端部11に接合した本体部31を備える。また、樹脂成形部30は、本体部31に繋がり、本体部31から基材10における内側(開口部15側)の方向(本体部31から離れる方向)であって、基材10の裏面(車室外側の面)10B側に延びる形で設けられた長板状の複数のリブ(延設部)32を備える。複数のリブ32は、ピラーガーニッシュ1の側壁部1B,1Cの裏面から主壁部1Aの前後方向における端部の裏面に至るまで延設されており、基材10の裏面10Bに対して垂直に立ち上がる形で立設していることで、基材10や樹脂成形部30の本体部31を補強するものとされる。
図2に示すように、基材10の裏面10B側には、先述した複数のリブ32と、開口部15の上側に配されたクリップ座40と、が設けられている。クリップ座40は、樹脂成形部30と同種の熱可塑性樹脂により構成され、基材10の裏面10Bから車室外側に向けて立設している。クリップ座40にクリップ等の取付部材を取り付けることで、センターピラーに対しピラーガーニッシュ1を車室内側から取り付けることができる。クリップ座40は、大部分をなす台座部41と、台座部41から離れる方向に延びる形で設けられ、台座部41を補強する複数の補強部42を備える。
図3は、樹脂成形部30における複数のリブ32のうちの一つ(図2において前下方に配されたリブ32D)の周辺を拡大した図である。リブ32は、本体部31側(基材10における外側の端部11側)に位置する部分である基端部33と、基端部33よりも基材10における内側(開口部15側)の方向(本体部31から離れる方向)に位置する部分である先端部34と、を備え、全体として基端部33から先端部34に向かうほど先細る形をなしている。
基材10は、基端部33が接合した周辺に位置する部分としての高密度部16と、先端部34が接合した周辺に位置する部分としての低密度部17と、を備える。また、高密度部16と低密度部17の間に位置する部分が、徐変部18とされている。図4及び図5に示すように、低密度部17は、高密度部16よりも板厚が厚く、密度が低い部分とされる。低密度部17は、当該低密度部17の周辺に位置する部分よりも裏面側に盛り上がった部分であるともいえる。徐変部18は、高密度部16から低密度部17に向かうほど板厚が徐々に厚くなり、密度が徐々に低くなる部分とされる。低密度部17よりもさらに内側(開口部15側)の方向に位置する部分19は、高密度部16と同様に、低密度部17よりも板厚が薄く、密度が高い部分とされる。
続いて、ピラーガーニッシュ1を製造する製造装置としての成形型2について説明する。図6に示すように、成形型2は、繊維と熱可塑性樹脂とにより構成される繊維樹脂体9を上下方向(ピラーガーニッシュ1における車室内外方向)から押圧して基材10を成形するものとされる。成形型2は、上方に配され、繊維樹脂体9を基材10における裏面10Bとなる面側から押圧する成形面50Aを有する上型50と、上型50に対向するように下方に配され、繊維樹脂体9を基材10における表面10Aとなる面側から押圧する成形面60Aを有する下型60と、を備える。尚、繊維樹脂体9を構成する繊維及び熱可塑性樹脂は、上記ピラーガーニッシュ1の基材10を構成する繊維及び熱可塑性樹脂に等しい。
上型50は、図示しない駆動装置(例えば、電動モータ、エアシリンダ、油圧シリンダ等)によって、下型60に対し上下方向へ移動が可能な可動型とされる。図6では、上型50が下型60から離間する方向へ移動して成形型2が開いた状態を示している。図7では、上型50が下型60に近接する方向へ移動して成形型2が閉じた状態を示している。成形型2が閉じた状態では、上型50の凹部51,52,53(後述する)と押圧された繊維樹脂体9(基材10)との間に空間(成形空間)Sが形成される。尚、図7及び図10では、点線と基材10との間の領域であって紙面奥側の部分に、成形空間Sが広がっているものとする。
上型50の上側には、溶融した熱可塑性樹脂を射出可能な射出装置70と、射出装置70から射出される熱可塑性樹脂を成形空間Sに流動させるための孔状のスプルー72とが設けられている。射出装置70は、スプルー72を介して成形空間Sに溶融した熱可塑性樹脂を射出することができる。射出装置70から射出される熱可塑性樹脂としては、上記ピラーガーニッシュ1の樹脂成形部30を構成する熱可塑性樹脂に等しい。
上型50は、成形面50A側に設けられた凹状の凹部51,52,53を備える。凹部51,52,53は、スプルー72に繋がり、樹脂成形部30の本体部31を構成する熱可塑性樹脂が流動する部分である本体凹部51と、本体凹部51に繋がり、本体凹部51から熱可塑性樹脂が流入する部分であって、リブ32(図4参照)の基端部33を構成する熱可塑性樹脂が流動する部分である流入凹部52と、流入凹部52に繋がり、流入凹部52に流入した熱可塑性樹脂の流動方向における末端の部分であって、リブ32の先端部34を構成する熱可塑性樹脂が流動して充満する部分である末端凹部53と、を備える。流入凹部52は、上下方向に延設されているのに対し、末端凹部53は、流入凹部52の下端部から左右方向(ピラーガーニッシュ1における車両前後方向)に徐々に曲がる形で延設されている。図7に示すように、成形型2が閉じた状態にて、上型50の凹部51,52,53と押圧された繊維樹脂体9(基材10)との間に形成される成形空間Sは、本体凹部51側から末端凹部53側に向かうほど先細る形をなしている。
図6及び図7に示すように、流入凹部52の周辺には、繊維樹脂体9を基材10における高密度部16(図4参照)の裏面となる面側から押圧する高密度成形面52Aが位置している。また、末端凹部53の周辺には、繊維樹脂体9を基材10における低密度部17の裏面となる面側から押圧する低密度成形面53Aが位置している。さらに、高密度成形面52Aと低密度成形面53Aの間には、繊維樹脂体9を基材10における徐変部18の裏面となる面側から押圧する徐変成形面54Aが位置している。図9に示すように、成形型2が閉じた状態では、下型60の成形面60Aと低密度成形面53Aとの間の距離L1は、図8に示すように、下型60の成形面60Aと高密度成形面52Aとの間の距離L2よりも長い。また、図7に示すように、下型60の成形面60Aと徐変成形面54Aとの間の距離は、高密度成形面52A側から低密度成形面53Aに向かうほど徐々に長くなる。
続いて、ピラーガーニッシュ1の製造方法について説明する。ピラーガーニッシュ1の製造方法は、大別すると、繊維樹脂体9を成形型2によって押圧して板状の基材10を作製する押圧工程と、基材10を成形型2によって押圧しつつ、上型50の凹部51,52,53と押圧された基材10との間に形成される成形空間Sに対し熱可塑性樹脂を射出することで基材10に接合した樹脂成形部30を作製する射出工程と、を含む。
図6及び図7に示すように、押圧工程では、開いた状態の成形型2を加熱し、上型50と下型60との間に繊維樹脂体9を配する。そして、上型50を下型60に近接させ、成形型2を閉じた状態にして繊維樹脂体9を上下方向から押圧することで、繊維樹脂体9よりも厚みが薄い基材10を成形する。繊維樹脂体9は、基材10における表面10A(図1参照)となる面である表面9Aが、下型60の成形面60Aに押圧されることで、当該成形面60Aの形に倣うように成形される。また、繊維樹脂体9は、基材10における裏面10B(図2参照)となる面である裏面9Bが、上型50の成形面50Aに押圧されることで、当該成形面50Aの形に倣うように成形される。
図6、図7、及び図8に示すように、下型60の成形面60Aと上型50の高密度成形面52Aとによって押圧された繊維樹脂体9の端部9Cは、基材10における高密度部16として成形される。また、図6から図9に示すように、下型60の成形面60Aと上型50の低密度成形面53Aとによって押圧された繊維樹脂体9の一部9Dは、成形型2が閉じた状態にて、下型60の成形面60Aと低密度成形面53Aとの間の距離L1が、下型60の成形面60Aと高密度成形面52Aとの間の距離L2よりも長いので、基材10において、高密度部16よりも厚みが厚く密度が低い低密度部17として成形される。さらに、下型60の成形面60Aと上型50の徐変成形面54Aとによって押圧された繊維樹脂体9の一部9Eは、成形型2が閉じた状態にて、下型60の成形面60Aと徐変成形面54Aとの間の距離が、高密度成形面52A側から低密度成形面53Aに向かうほど徐々に長くなるので、基材10において、高密度部16から低密度部17に向かうほど板厚が徐々に厚くなり密度が徐々に低くなる徐変部18として成形される。
次に、射出工程では、図10に示すように、所定温度に加熱した成形型2によって繊維樹脂体9(基材10)を押圧しつつ、溶融した熱可塑性樹脂を射出装置70から成形空間S(凹部51,52,53)に射出する。射出装置70から射出された熱可塑性樹脂(成形空間Sにおいて複数のドットで示す)は、スプルー72を介して本体凹部51を流動した後に、流入凹部52に流入する。流入凹部52を下方(車室内側の方向)へ流動した熱可塑性樹脂は、徐変部18に沿ってその流動方向を左方(車両後方)に変え、末端凹部53に充満する。そして、成形空間Sに充満した熱可塑性樹脂は、基材10を構成する熱可塑性樹脂と混ざり合う。この状態を所定時間保持した後、成形型2を冷却することで、本体凹部51に流動した熱可塑性樹脂は、図4に示すように、基材10の端部11に接合した本体部31となる。また、流入凹部52に流動した熱可塑性樹脂は、基材10の高密度部16に接合した基端部33となり、末端凹部53に流動した熱可塑性樹脂は、基材10の低密度部17に接合した先端部34となる。このようにして、基材10にリブ32が接合してなるピラーガーニッシュ1を製造する。
続いて、本実施形態の効果について説明する。本実施形態では、ピラーガーニッシュ1の製造方法であって、繊維と熱可塑性樹脂とにより構成される繊維樹脂体9を成形型2の成形面50A,60Aによって押圧して板状の基材10を作製する押圧工程と、基材10を成形型2の成形面50A,60Aによって押圧しつつ、成形型2の上型50に設けられた凹状の凹部52,53に対し、熱可塑性樹脂を射出することで基材10に接合した樹脂成形部30を作製する射出工程と、を含み、凹部52,53は、射出された熱可塑性樹脂が流入する部分である流入凹部52と、流入凹部52側から流入した熱可塑性樹脂の流動方向における末端の部分である末端凹部53と、を備え、押圧工程では、基材10において、末端凹部53の周辺に位置する成形面である低密度成形面53Aによって押圧された部分としての低密度部17の密度が、流入凹部52の周辺に位置する成形面である高密度成形面52Aによって押圧された部分としての高密度部16の密度よりも低くなる条件で繊維樹脂体9を押圧するピラーガーニッシュ1の製造方法を示した。
このようなピラーガーニッシュ1の製造方法によると、押圧工程にて、基材10のうち、成形型2の低密度成形面53Aによって押圧された低密度部17の密度を、高密度成形面52Aによって押圧された高密度部16の密度よりも低くなる条件としているため、射出工程にて凹部52,53に対し熱可塑性樹脂を射出したときに、低密度部17を種々の気体が通過することができ、末端凹部53まで熱可塑性樹脂が充満することができる。そして、所望の形の樹脂成形部30が基材10に接合した、高剛性のピラーガーニッシュ1を得ることができる。
また、押圧工程では、基材10において、末端凹部53の周辺に位置する成形面である低密度成形面53Aによって押圧された部分としての低密度部17の板厚が、流入凹部52の周辺に位置する成形面である高密度成形面52Aによって押圧された部分としての高密度部16の板厚よりも厚くなるように繊維樹脂体9を押圧する。このようなピラーガーニッシュ1の製造方法によると、低密度部17と高密度部16とを有する基材10に所望の形の樹脂成形部30が接合した高剛性のピラーガーニッシュ1を容易に作製することができる。
また、押圧工程では、基材10において、流入凹部52の周辺に位置する成形面である高密度成形面52Aによって押圧された部分としての高密度部16側から末端凹部53の周辺に位置する成形面である低密度成形面53Aによって押圧された部分としての低密度部17側へ向かうほど密度が徐々に低くなる条件で繊維樹脂体9を押圧する。このようなピラーガーニッシュ1の製造方法によると、射出工程にて凹部52,53に対し熱可塑性樹脂を射出したときに、末端凹部53側に向かうほど種々の気体が徐々に通過することができ、末端凹部53まで熱可塑性樹脂が好適に充満することができる。
また、押圧工程では、流入凹部52の周辺に位置する成形面としての高密度成形面52Aによって、繊維樹脂体9の端部9Cを押圧する。このようなピラーガーニッシュ1の製造方法によると、基材10の端部11が樹脂成形部30によって補強された高剛性のピラーガーニッシュ1を作製することができる。
また、本実施形態では、ピラーガーニッシュ1であって、繊維と熱可塑性樹脂とにより構成される板状の基材10と、熱可塑性樹脂により構成され、基材10に接合した樹脂成形部30と、を備え、樹脂成形部30は、本体部31と、本体部31に繋がり、本体部31から離れる方向に延びる形で設けられたリブ32と、を備え、リブ32は、本体部31側に配された基端部33と、基端部33よりも本体部31から離れる方向に配された先端部34と、を備え、基材10は、基端部33が接合した高密度部16と、先端部34が接合し、高密度部16よりも密度が低い低密度部17と、を備えるピラーガーニッシュ1を示した。このようなピラーガーニッシュ1によると、基材10において、高密度部16から低密度部17に至るまで樹脂成形部30が接合した剛性の高いピラーガーニッシュ1を提供することができる。
また、本体部31は、基材10の端部11に配されている。このようなピラーガーニッシュ1によると、基材10の端部11が樹脂成形部30によって補強された高剛性のピラーガーニッシュ1を提供することができる。
<他の実施形態>
本発明は上記記述及び図面によって説明した実施形態に限定されるものではなく、例えば次のような実施形態も本発明の技術的範囲に含まれ、さらに、下記以外にも要旨を逸脱しない範囲内で種々変更して実施することができる。
(1)上記実施形態以外にも、成形型の構成は適宜変更可能である。例えば、アンダーカット形状を有する成形構造体を製造する場合には、成形型は、アンダーカット形状を成形するためのスライド型を備えていてもよい。
(2)上記実施形態において示した成形構造体の製造方法は、高密度部を板詰めする板詰工程を含んでいてもよい。具体的には、流入凹部の周辺に位置する成形面(高密度成形面)が、下型の方向に凸状をなす形とされ、押圧工程において、高密度部の厚みを他部よりも薄くする(板詰めする)ように繊維樹脂体を押圧することとしてもよい。
(3)上記実施形態では、樹脂成形部は、基材における外側の端部に対し接合しているものとしたが、これに限られない。例えば、樹脂成形部は、基材における内側の端部であって開口部の端部に対し接合しているものとしてもよい。また、樹脂成形部は、クリップ座としてもよい。その場合、本体部は台座部とされ、延設部は補強部とされる。
(4)上記実施形態以外にも、成形構造体は適宜変更可能である。上記実施形態では、成形構造体は、ピラーガーニッシュとしたが、これに限られない。例えば、成形構造体は、ドアトリム、インストルメントパネル、カウルサイドトリム等、その他の乗物用内装材でであってもよい。
(5)上記実施形態で例示した成形構造体の製造方法、及び成形構造体は、車両用の内装材に提供されるもの限られず、種々の乗物の内装材において提供されるものであってもよい。例えば、地上の乗物としての列車や遊戯用車両、飛行用乗物としての飛行機やヘリコプター、海上や海中用乗物としての船舶や潜水艇などの乗物の内装材についても上記成形構造体の製造方法、及び成形構造体を適用することができる。
1…ピラーガーニッシュ(成形構造体)、2…成形型、9…繊維樹脂体、10…基材、16…高密度部、17…低密度部、18…徐変部、30…樹脂成形部、31…本体部、32…リブ(延設部)、33…基端部、34…先端部、52…流入凹部(凹部)、52A…高密度成形面(流入凹部の周辺に位置する成形面)、53…末端凹部(凹部)、53A…低密度成形面(末端凹部の周辺に位置する成形面)

Claims (5)

  1. 少なくとも繊維と熱可塑性樹脂とにより構成される繊維樹脂体を成形型の成形面によって押圧して板状の基材を作製する押圧工程と、
    前記基材を前記成形型の成形面によって押圧しつつ、前記成形型に設けられた凹状の凹部に対し、少なくとも熱可塑性樹脂を射出することで前記基材に接合した樹脂成形部を作製する射出工程と、を含み、
    前記凹部は、射出された前記熱可塑性樹脂が流入する部分である流入凹部と、前記流入凹部側から流入した前記熱可塑性樹脂の流動方向における末端の部分である末端凹部と、を備え、
    前記押圧工程では、前記基材において、前記末端凹部の周辺に位置する成形面によって押圧された部分の密度が、前記流入凹部の周辺に位置する成形面によって押圧された部分の密度よりも低くなる条件であって、前記末端凹部の周辺に位置する成形面によって押圧された部分の板厚が、前記流入凹部の周辺に位置する成形面によって押圧された部分の板厚よりも厚くなるように前記繊維樹脂体を押圧することを特徴とする成形構造体の製造方法。
  2. 前記押圧工程では、前記基材において、前記流入凹部の周辺に位置する成形面によって押圧された部分側から前記末端凹部の周辺に位置する成形面によって押圧された部分側へ向かうほど密度が徐々に低くなる条件で前記繊維樹脂体を押圧することを特徴とする請求項1に記載の成形構造体の製造方法。
  3. 前記押圧工程では、前記流入凹部の周辺に位置する成形面によって、前記繊維樹脂体の端部を押圧することを特徴とする請求項1または請求項に記載の成形構造体の製造方法。
  4. 少なくとも繊維と熱可塑性樹脂とにより構成される板状の基材と、
    少なくとも熱可塑性樹脂により構成され、前記基材に接合した樹脂成形部と、を備え、
    前記樹脂成形部は、本体部と、前記本体部に繋がり、前記本体部から離れる方向に延びる形で設けられた延設部と、を備え、
    前記延設部は、
    前記本体部側に配された基端部と、
    前記基端部よりも前記本体部から離れる方向に配された先端部と、を備え、
    前記基材は、
    前記基端部が接合した高密度部と、
    前記先端部が接合し、前記高密度部よりも密度が低い低密度部と、を備えることを特徴とする成形構造体。
  5. 前記本体部は、前記基材の端部に配されていることを特徴とする請求項に記載の成形構造体。
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