JP7354858B2 - 成形構造体の製造方法及び成形構造体 - Google Patents

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本発明は、成形構造体の製造方法及び成形構造体に関する。
従来、繊維と熱可塑性樹脂を含む基材に対して樹脂成形体を一体的に形成した成形構造体(乗物用内装材)が知られている。下記特許文献1には、成形型によって基材を押圧した後、基材上に溶融した熱可塑性樹脂を射出することで樹脂成形体を形成する製造方法が記載されている。基材上に射出された熱可塑性樹脂は、基材を構成する熱可塑性樹脂と混ざり合う。その結果、樹脂成形体は基材に対して接合される。
特許第5186883号公報
しかしながら、特許文献1に開示の構成では、繊維と熱可塑性樹脂とからなる基材と、熱可塑性樹脂からなる樹脂成形体の収縮率が異なるため、溶融した熱可塑性樹脂が冷却して硬化する際に、例えば基材が樹脂成形体に引っ張られるように変形し、成形構造体が全体的に撓んでしまう場合がある。また、このような撓みは、例えば成形構造体を乗物に搭載する等して長期間使用する場合においても気温等の温度変化により生じる虞がある。
本発明は上記のような事情に基づいて完成されたものであって、全体として所望の形を維持できる成形構造体を提供することを目的とする。
本発明は、基材と前記基材に接合した樹脂部とからなる成形構造体の製造方法であって、少なくとも繊維と熱可塑性樹脂とにより構成される板状体を一対の成形型の型閉じにより押圧して前記基材を作製する押圧工程と、型閉じした前記一対の成形型の間に設けられる成形空間に対し熱可塑性樹脂を射出して前記基材の端部に対しその板面方向に沿う形で接合した前記樹脂部を形成する射出工程と、を含み、前記押圧工程では、前記成形型として、前記基材の端部と対向する成形面に凸部を備えたものを用い、前記一対の成形型の型閉じにより、前記基材の端部における前記凸部に対応する位置に、前記基材の板厚方向に欠肉してなる欠肉部を形成し、前記射出工程では、前記欠肉部への熱可塑性樹脂の流入を、型閉じした前記一対の成形型で防ぎつつ、前記成形空間に対し熱可塑性樹脂を射出することに特徴を有する。
このような成形構造体の製造方法によると、射出された熱可塑性樹脂が、欠肉部に流入することなく成形空間に充満する。これにより、成形空間に射出された熱可塑性樹脂が樹脂部として硬化し、収縮したとしても、樹脂部に接合する基材の端部に形成された欠肉部が追従してその空間を狭める形で変形することで、成形構造体が全体的に撓んでしまうことを防ぐことができる。
また、上記工程において、前記押圧工程では、前記欠肉部を、前記基材を平面視した場合に前記基材の板面における内側方向に先細る形となるように形成することができる。このような成形構造体の製造方法によると、成形空間に射出された熱可塑性樹脂が樹脂部として硬化し、収縮したとしても、樹脂部に接合する基材の端部において、基材を平面視した場合に基材の板面における内側方向に先細る形で形成された欠肉部が、好適にその間隙を狭めて樹脂部に追従することができる。
また、上記工程において、前記押圧工程では、前記欠肉部を、他部よりも前記基材の板厚方向に薄肉状をなす形となるように形成することができる。このような成形構造体の製造方法によると、基材と樹脂部との接合強度を維持しつつ、樹脂部の収縮に追従可能な欠肉部を形成することができる。
また、上記工程において、前記押圧工程では、前記欠肉部を、前記基材の板厚方向に貫通したスリット状となるように形成することができる。このような成形構造体の製造方法によると、樹脂部の収縮に対し、より好適に追従可能な欠肉部を形成することができる。
また、本発明は、成形構造体であって、少なくとも繊維と熱可塑性樹脂とにより構成される板状の基材と、少なくとも熱可塑性樹脂により構成され、前記基材の端部に対しその板面方向に沿う形で接合した樹脂部と、を備え、前記基材は、前記樹脂部が接合された端部において、その板厚方向に欠肉してなる欠肉部を有し、前記欠肉部は、前記樹脂部に面していることに特徴を有する。
このような成形構造体によると、例えば気温等の温度変化により樹脂部が基材よりも収縮したとしても、樹脂部に接合する基材の端部に形成された欠肉部が追従して変形することで、成形構造体が全体的に撓むことを防ぐことができる。
上記構成において、前記欠肉部は、その複数が前記基材と前記樹脂部との境界に沿って並設されるとともに、その各々が前記境界の伸びる方向に対し交わる方向に向かって延設していることとすることができる。このような成形構造体によると、収縮する樹脂部に対し複数の欠肉部が追従し、成形構造体が全体的に撓むことを好適に防ぐことができる。
本発明によれば、全体として所望の形を維持できる成形構造体を提供することが可能となる。
実施形態1に係るピラーガーニッシュを表面側から視た斜視図 ピラーガーニッシュを裏面側から視た斜視図 ピラーガーニッシュの後側壁部の一部(基材と樹脂部の境界部分)を拡大した図 開いた状態の成形型の一部を示す断面図 閉じた状態の成形型の一部を示す断面図 成形型を閉じた状態において、基材の後端部付近であって凸部とその周辺を縦方向に切った場合の拡大断面図 成形型を閉じた状態において、基材の後端部付近であって凸部とその周辺を横方向に切った場合の拡大断面図 射出工程における基材の後端部付近であって凸部とその周辺を縦方向に切った場合の拡大断面図 射出工程における基材の後端部付近であって凸部とその周辺を横方向に切った場合の拡大断面図 成形型からピラーガーニッシュを取り外した直後における、図7Aに相当する箇所の拡大断面図 成形型からピラーガーニッシュを取り外した直後における、図7Bに相当する箇所の拡大断面図 実施形態2に係る成形型を閉じた状態において、基材の後端部付近の図6Bと同様の切断面を示す拡大断面図 成形型からピラーガーニッシュを取り外した直後における、基材の後端部付近の図8Bと同様の切断面を示す拡大断面図
<実施形態1>
本発明の実施形態1を図1から図8Bによって説明する。本実施形態では、乗物としての自動車(車両)において、天井を下方から支持する柱状のセンターピラー(Bピラー)に取り付けられるピラーガーニッシュ(成形構造体)1について説明する。尚、矢印方向FRを前方、矢印方向RRを後方、矢印方向UPを上方、矢印方向DWを下方、矢印方向INを車室内側、矢印方向OUTを車室外側として各図を説明する。
図1に示すように、ピラーガーニッシュ1は、板金からなるセンターピラーに対し、クリップ等の取付部材を用いて車室内側から取り付けられる乗物用内装材である。ピラーガーニッシュ1は、板状の主壁部1Aと、主壁部1Aの前端から車室外側に曲がって延在した板状の前側壁部1Bと、主壁部1Aの後端から車室外側に曲がって延在した板状の後側壁部1Cと、を備え、全体として、上下方向を長手とする曲板状体をなしている。ピラーガーニッシュ1は、繊維と熱可塑性樹脂とにより構成される板状の基材10(白色で示す部分)と、熱可塑性樹脂により構成され、基材10に接合した樹脂部30(網掛けで示す部分)と、を備える。基材10の中央部分には、車室内外方向に長方形状に開口した開口部15が設けられている。
基材10を構成する繊維としては、植物における、幹、茎、枝、葉、根等に由来する繊維がそのまま用いられていてもよく、これらが、熱処理、乾燥処理、粉砕処理、化学処理等により加工されてなる繊維が用いられていてもよい。このような植物性繊維としては、ケナフ、ジュート麻、マニラ麻、サイザル麻、亜麻、苧麻、ヘンプ、雁皮、三椏、椿、バナナ、パイナップル、ココヤシ、トウモロコシ、サトウキビ、バガス、ヤシ(アブラヤシ等)、パピルス、葦、エスパルト、サバイグラス、トッサ、麦、稲、竹、針葉樹(杉、檜等)、広葉樹、カポック、綿花等に由来する線状繊維体を採用することができる。これらの中でも、木質茎を有し、成長が極めて早い一年草であり、優れた二酸化炭素吸収性を有し、大気中の二酸化炭素量の削減、森林資源の有効利用等に貢献するアオイ科植物であるケナフに由来する線状繊維体(ケナフ繊維)であることが特に好ましい。このケナフとしては、学名におけるHibiscus cannabinus及びHibiscus sabdariffa等、通称名における紅麻、キューバケナフ、洋麻、タイケナフ、メスタ、ビムリ、アンバリ麻、及びボンベイ麻等が挙げられる。
基材10及び樹脂部30を構成する熱可塑性樹脂としては、ポリオレフィン系樹脂(ポリプロピレン、ポリエチレン等)、ポリエステル系樹脂(ポリ乳酸、ポリカプロラクトン等の脂肪族ポリエステル樹脂、ポリエチレンテレフタレート等の芳香族ポリエステル樹脂)等の樹脂を採用することができる。これらの中でも、ポリプロピレン樹脂が好ましい。基材10を構成する熱可塑性樹脂と樹脂部30を構成する熱可塑性樹脂は、同種の熱可塑性樹脂であってもよく、異種の熱可塑性樹脂であってもよい。
樹脂部30は、基材10の端部11,12,13,14に対し基材10の表面10Aの板面に沿って面一となる形で接合している。具体的には、基材10において、上側の端部を上端部11、下側の端部を下端部12、前側かつ車室外側の端部を前端部13、後側かつ車室外側の端部を後端部14とすると、樹脂部30の上側部31は、基材10の上端部11に対し等しい厚みとなるように一体的に接合している。同様に、樹脂部30において、下側部32、前側部33、及び後側部34は、基材10の下端部12、前端部13、及び後端部14に対し各々が等しい厚みとなるように一体的に接合している。樹脂部30は、基材10の端部11,12,13,14を囲む形で、基材10の全周に亘って接合しているともいえる。
図2に示すように、樹脂部30は、前側部33及び後側部34が、車室外側に向かうほど基材10の内側(開口部15側)に曲がったアンダーカット形状をなしている。また、樹脂部30は、基材10の裏面10B側において、基材10の内側に延びる形で設けられた長板状の複数のリブ35と、上側部31から車室外側に立設したクリップ座36と、を備える。複数のリブ35は、基材10や樹脂部30自身を補強する構成とされ、基材10の裏面10Bに対して垂直に立ち上がる形をなしている。クリップ座36に対しクリップ等の取付部材を取り付けることで、センターピラーに対しピラーガーニッシュ1を車室内側から取り付けることができる。
図3は、ピラーガーニッシュ1の後側壁部1Cの一部(基材10と樹脂部30の境界部分)を後方から視た(平面視した)拡大図である。基材10は、樹脂部30の後側部34が接合された後端部14において、その板厚方向に欠肉してなる複数の筋状の欠肉部16を備える。複数の欠肉部16は、基材10の後端部14と樹脂部30の後側部34との境界Eに沿って上下方向に並設されている。また、各々の欠肉部16は、境界Eの伸びる方向(上下方向)に対し交わる方向(車室内外方向)に向かって延設しており、樹脂部30の後側部34に面している。欠肉部16は、筋状の隙間により構成され、筋状の隙間が詰まった形をなすものであって極僅かな隙間を有する形のものも含むものとされる。尚、複数の欠肉部16は、図1に示すように、基材10の上端部11と樹脂部30の上側部31との境界、基材10の下端部12と樹脂部30の下側部32との境界、及び、基材10の前端部13と樹脂部30の前側部33との境界付近においても同様に設けられている。
続いて、ピラーガーニッシュ1を製造する製造装置としての一対の成形型2について説明する。尚、以降は、図4及び図5に示すように、成形型2の一部(基材10における後端部14側を押圧する部分)を拡大して説明するが、成形型2の他部(基材10における後端部14以外の端部11,12,13側を押圧する部分)においても同様の構成であるとする。図4に示すように、一対の成形型2は、繊維と熱可塑性樹脂とにより構成される板状体9を上下方向(ピラーガーニッシュ1における車室内外方向)から押圧して基材10を成形するものとされる。一対の成形型2は、上方に配され、板状体9を基材10における裏面10Bとなる面9B側から押圧する成形面50Aを有する上型50と、上型50に対向するように下方に配され、板状体9を基材10における表面10Aとなる面9A側から押圧する成形面60Aを有する下型60と、を備える。尚、板状体9は、上記ピラーガーニッシュ1の基材10を構成する繊維及び熱可塑性樹脂として採用される素材と同じ素材のものが交絡してなる板状の構造体とされる。
上型50は、図示しない駆動装置(例えば、電動モータ、エアシリンダ、油圧シリンダ等)によって、下型60に対し近接する方向へ移動が可能な可動型とされる。上型50における下型60側には、当該上型50と同様に図示しない駆動装置によって下型60に対し近接ないし離間する方向へ移動が可能なスライド型51が設けられている。図4では、上型50が下型60から離間する方向へ移動して成形型2が開いた状態を示している。図5では、上型50及びスライド型51が、下型60に近接する方向へ移動して成形型2が閉じた状態(型閉じした状態)を示している。成形型2が閉じた状態では、上型50、スライド型51、及び下型60の間に空間(成形空間)Sが設けられる。
また、上型50には、溶融した熱可塑性樹脂を射出可能な射出装置70が設けられている。射出装置70は、成形空間Sに溶融した熱可塑性樹脂を射出することができる。射出装置70から射出される熱可塑性樹脂としては、上記ピラーガーニッシュ1の樹脂部30を構成する熱可塑性樹脂に等しい。
スライド型51は、板状体9のうち、基材10の後端部14となる端部9Cと対向する成形面50Aに凸設された凸部52を備える。図6A及び図6Bに示すように、凸部52は、基材10の裏面10Bと平行な面における断面が、基材10の内側の方向(図2に示す開口部15に近づく方向)に向かうほど先細る三角形状をなしており、全体として下型60に向かって凸設した三角柱状をなしている。凸部52は、基材10の後端部14に沿って上下方向に複数並設されている。成形型2を型閉じした状態では、凸部52の先端面52Aと下型60の成形面60Aとの間に間隔が設けられる。
続いて、ピラーガーニッシュ1の製造方法について説明する。ピラーガーニッシュ1の製造方法は、板状体9を一対の成形型2の型閉じにより押圧して基材10を作製する押圧工程と、型閉じした一対の成形型2の間に設けられる成形空間Sに対し熱可塑性樹脂を射出して基材10の端部11,12,13,14に対しその板面方向に沿う形で接合した樹脂部30を形成する射出工程と、を含む。尚、以降は、基材10の後端部14を作成して当該後端部14に樹脂部30の後側部34を接合する工程を説明するが、基材10の後端部14以外の端部11,12,13に樹脂部30を接合する工程においても、同様の工程であるとする。
図4に示すように、押圧工程では、開いた状態の成形型2を加熱し、上型50と下型60との間に板状体9を配する。そして、上型50を下型60に近接させ、成形型2を閉じた状態にして板状体9を上下方向から押圧することで、板状体9よりも厚みが薄い基材10を成形する。板状体9の表面9Aは、下型60の成形面60Aに押圧されることで、当該成形面60Aの形に倣うように成形され、基材10の表面10Aとなる。また、板状体9の裏面10Bは、上型50の成形面50Aに押圧されることで、当該成形面50Aの形に倣うように成形され、基材10の裏面10Bとなる。
板状体9の後側の端部9Cは、スライド型51に凸設された凸部52とその周辺部分に押圧されることにより、基材10の後端部14として成形される。図6Bに示すように、基材10の後端部14のうち、凸部52に対応する位置に配された部分であって、凸部52の先端面52Aによって押圧された部分が、他部よりも基材10の板厚方向に薄肉状をなす形で欠肉してなる欠肉部16として成形される。欠肉部16は、凸部52の先端面52Aと下型60の成形面60Aとの間の距離と同じ板厚となる。また、図6Aに示すように、欠肉部16は、基材10をその裏面10B側から平面視した場合に基材10の板面における内側の方向(図2に示す開口部15に近づく方向)に向かうほど先細る三角形状となるように形成される。欠肉部16は、基材10の後端部14に沿って上下方向に複数並設されている。
図7A及び図7Bに示すように、射出工程では、欠肉部16への熱可塑性樹脂Rの流入を、型閉じした一対の成形型2で防ぎつつ、成形空間Sに対し熱可塑性樹脂Rを射出する。具体的には、成形型2を型閉じし、スライド型51の凸部52で欠肉部16を埋めた状態(凸部52の先端面52Aと欠肉部16とを密着させた状態)を保ちながら、射出装置70(図5参照)から成形空間Sに対し溶融した熱可塑性樹脂Rを射出する。射出された熱可塑性樹脂Rは、欠肉部16に流入することなく、スライド型51の凸部52や基材10の後端部14の端面14Cに密着する。成形空間Sに充満した熱可塑性樹脂Rは、基材10を構成する熱可塑性樹脂と混ざり合う。
成形空間Sに熱可塑性樹脂Rが充満した状態で、一対の成形型2を所定時間保持した後、冷却することで、熱可塑性樹脂Rを硬化させて樹脂部30を形成する。図8A及び図8Bに示すように、硬化した樹脂部30の後側部34は、基材10の後端部14と端面14Cに対し、基材10の板面方向に沿う形で接合する。後側部34に形成された欠肉部16は、一対の成形型2を開いた直後においては、車両前後方向を高さ方向とする三角柱状の隙間を形成しているが、時間の経過とともに上下方向に熱収縮する樹脂部30の後側部34に追従することで、図3に示すように、その三角柱状の隙間が詰まって筋状となる。このようにして、ピラーガーニッシュ1の製造を完了する。
続いて、本実施形態の効果について説明する。本実施形態では、基材10と基材10に接合した樹脂部30とからなるピラーガーニッシュ1の製造方法であって、少なくとも繊維と熱可塑性樹脂とにより構成される板状体9を一対の成形型の型閉じにより押圧して基材10を作製する押圧工程と、型閉じした一対の成形型の間に設けられる成形空間Sに対し熱可塑性樹脂を射出して基材10の端部に対しその板面方向に沿う形で接合した樹脂部30を形成する射出工程と、を含み、押圧工程では、成形型として、基材10の端部と対向する成形面50Aに凸部52を備えたものを用い、一対の成形型の型閉じにより、基材10の端部における凸部52に対応する位置に、基材10の板厚方向に欠肉してなる欠肉部16を形成し、射出工程では、欠肉部16への熱可塑性樹脂の流入を、型閉じした一対の成形型で防ぎつつ、成形空間Sに対し熱可塑性樹脂を射出するピラーガーニッシュ1の製造方法を示した。
このようなピラーガーニッシュ1の製造方法によると、射出された熱可塑性樹脂が、欠肉部16に流入することなく成形空間Sに充満する。これにより、成形空間Sに射出された熱可塑性樹脂が樹脂部30として硬化し、収縮したとしても、樹脂部30に接合する基材10の端部に形成された欠肉部16が追従してその空間(隙間)を狭める形で変形することで、ピラーガーニッシュ1が全体的に撓んでしまうことを防ぐことができる。
また、押圧工程では、欠肉部16が、基材10を平面視した場合に基材10の板面における内側方向に先細る形となるように形成する。このようなピラーガーニッシュ1の製造方法によると、成形空間Sに射出された熱可塑性樹脂が樹脂部30として硬化し、収縮したとしても、樹脂部30に接合する基材10の端部において、基材10を平面視した場合に基材10の板面における内側方向に先細る形で形成された欠肉部16が、好適にその間隙を狭めて樹脂部30に追従することができる。
また、押圧工程では、欠肉部16を、他部よりも基材10の板厚方向に薄肉状をなす形となるように形成する。このようなピラーガーニッシュ1の製造方法によると、基材10と樹脂部30との接合強度を維持しつつ、樹脂部30の収縮に追従可能な欠肉部16を形成することができる。
また、本実施形態では、少なくとも繊維と熱可塑性樹脂とにより構成される板状の基材10と、少なくとも熱可塑性樹脂により構成され、基材10の端部に対しその板面方向に沿う形で接合した樹脂部30と、を備え、基材10は、樹脂部30が接合された端部において、その板厚方向に欠肉してなる欠肉部16を有し、欠肉部16は、樹脂部30に面しているピラーガーニッシュ1を示した。
このようなピラーガーニッシュ1によると、例えば気温等の温度変化により樹脂部30が基材10よりも収縮したとしても、樹脂部30に接合する基材10の端部に形成された欠肉部16が追従して変形することで、ピラーガーニッシュ1が全体的に撓むことを防ぐことができる。
また、欠肉部16は、その複数が基材10と樹脂部30との境界Eに沿って並設されるとともに、その各々が境界Eの伸びる方向に対し交わる方向に向かって延設している。このようなピラーガーニッシュ1によると、収縮する樹脂部30に対し複数の欠肉部16が追従し、ピラーガーニッシュ1が全体的に撓むことを好適に防ぐことができる。
<実施形態2>
次に、本発明の実施形態2を図9および図10によって説明する。本実施形態では、上記実施形態とは欠肉部や成形型の構成等が異なる成形構造体及び成形構造体の製造方法を例示する。尚、本実施形態では、上記実施形態と同じ部位には、同一の符号を用い、構造、製造工程、作用及び効果について重複する説明は省略する。
図9に示すように、上型250に設けられたスライド型251は、基材210の後端部214と対向する成形面250Aに凸設された凸部252を備える。凸部252は、その先端部252Aが刃状となっており、成形型202を型閉じした状態では、先端部252Aが下型60の成形面60Aに当接する。凸部252が上型250の成形面250Aから下型60の方向に突出した高さは、図示しない板状体を成形型202で押圧して所望の厚みにしてなる基材210の後端部214の厚みと等しいものとされる。
押圧工程では、板状体がスライド型251により押圧されてなる基材210の後端部214において、その一部が凸部252の先端部252Aによって切断されることで、基材210の板厚方向に貫通したスリット状をなす欠肉部216が形成される。これにより、後述する樹脂部30の収縮に対し、より好適に追従可能な欠肉部216を形成することができる。射出工程では、欠肉部216への熱可塑性樹脂の流入を、型閉じした一対の成形型202で防ぎつつ、成形空間Sに対し熱可塑性樹脂を射出する。具体的には、成形型202を型閉じし、スライド型251の凸部252で欠肉部216を埋めた状態(凸部252の先端部252Aと下型60の成形面60Aとを密着させた状態)を保ちながら、図示しない射出装置から成形空間Sに対し溶融した熱可塑性樹脂を射出する。射出された熱可塑性樹脂は、欠肉部216に流入することなく、スライド型251の凸部252や基材210の後端部214の端面214C(図10参照)に密着する。成形空間Sに充満した熱可塑性樹脂は、基材210を構成する熱可塑性樹脂と混ざり合う。
成形空間Sに熱可塑性樹脂が充満した状態で、一対の成形型202を所定時間保持した後、冷却することで、熱可塑性樹脂を硬化させて樹脂部30を形成する。図10に示すように、硬化した樹脂部30の後側部34は、基材210の後端部214の端面214Cに対し、基材210の板面方向に沿う形で接合する。このようにして、ピラーガーニッシュ201の製造を完了する。
<他の実施形態>
本発明は上記記述及び図面によって説明した実施形態に限定されるものではなく、例えば次のような実施形態も本発明の技術的範囲に含まれ、さらに、下記以外にも要旨を逸脱しない範囲内で種々変更して実施することができる。
(1)上記実施形態以外にも、欠肉部の形状は適宜変更可能である。例えば、欠肉部は、基材を裏面側から平面視した場合に長方形状をなしていてもよく、また、断面視した場合に板厚方向に先細るV字状をなしていてもよい。
(2)上記実施形態以外にも、成形構造体は適宜変更可能である。上記実施形態では、成形構造体は、ピラーガーニッシュとしたが、これに限られない。例えば、成形構造体としては、ドアトリム、インストルメントパネル、及びルーフライニング等であってもよい。
(3)上記実施形態で例示した成形構造体及び成形構造体の製造方法は、車両用に提供されるもの限られず、種々の乗物において提供されるものであってもよい。例えば、地上の乗物としての列車や遊戯用車両、飛行用乗物としての飛行機やヘリコプター、海上や海中用乗物としての船舶や潜水艇などの乗物についても上記成形構造体及び成形構造体の製造方法を適用することができる。
1…ピラーガーニッシュ(成形構造体)、2…成形型、9…板状体、10…基材、11,12,13,14…基材の端部、16…欠肉部、30…樹脂部、50…上型、50A…成形面、52…凸部、E…境界、S…成形空間

Claims (5)

  1. 基材と前記基材に接合した樹脂部とからなる成形構造体の製造方法であって、
    少なくとも繊維と熱可塑性樹脂とにより構成される板状体を一対の成形型の型閉じにより押圧して前記基材を作製する押圧工程と、
    型閉じした前記一対の成形型の間に設けられる成形空間に対し熱可塑性樹脂を射出して前記基材の端部に対しその板面方向に沿う形で接合した前記樹脂部を形成する射出工程と、を含み、
    前記押圧工程では、前記成形型として、前記基材の端部と対向する成形面に凸部を備えたものを用い、前記一対の成形型の型閉じにより、前記基材の端部における前記凸部に対応する位置に、前記基材の板厚方向に欠肉してなり、前記基材を平面視した場合に前記基材の板面における内側方向に先細る形となる欠肉部を形成し、
    前記射出工程では、前記欠肉部への熱可塑性樹脂の流入を、型閉じした前記一対の成形型で防ぎつつ、前記成形空間に対し熱可塑性樹脂を射出することを特徴とする成形構造体の製造方法。
  2. 前記押圧工程では、前記欠肉部を、他部よりも前記基材の板厚方向に薄肉状をなす形となるように形成することを特徴とする請求項1に記載の成形構造体の製造方法。
  3. 前記押圧工程では、前記欠肉部を、前記基材の板厚方向に貫通したスリット状となるように形成することを特徴とする請求項1に記載の成形構造体の製造方法。
  4. 基材と前記基材に接合した樹脂部とからなる成形構造体の製造方法であって、
    少なくとも繊維と熱可塑性樹脂とにより構成される板状体を一対の成形型の型閉じにより押圧して前記基材を作製する押圧工程と、
    型閉じした前記一対の成形型の間に設けられる成形空間に対し熱可塑性樹脂を射出して前記基材の端部に対しその板面方向に沿う形で接合した前記樹脂部を形成する射出工程と、を含み、
    前記押圧工程では、前記成形型として、前記基材の端部と対向する成形面に凸部を備えたものを用い、前記一対の成形型の型閉じにより、前記基材の端部における前記凸部に対応する位置に、前記基材の板厚方向に欠肉してなり、前記基材の板厚方向に貫通したスリット状となる欠肉部を形成し、
    前記射出工程では、前記欠肉部への熱可塑性樹脂の流入を、型閉じした前記一対の成形型で防ぎつつ、前記成形空間に対し熱可塑性樹脂を射出することを特徴とする成形構造体の製造方法。
  5. 少なくとも繊維と熱可塑性樹脂とにより構成される板状の基材と、
    少なくとも熱可塑性樹脂により構成され、前記基材の端部に対しその板面方向に沿う形で接合した樹脂部と、を備え、
    前記基材は、前記樹脂部が接合された端部において、その板厚方向に欠肉してなる欠肉部を有し、
    前記欠肉部は、前記樹脂部に面しており、
    前記欠肉部は、その複数が前記基材と前記樹脂部との境界に沿って並設されるとともに、その各々が前記境界の伸びる方向に対し交わる方向に向かって延設していることを特徴とする成形構造体。
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