JP7353855B2 - ローラとその製造方法 - Google Patents

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本発明は、弾性体にシャフトが挿通されたローラとその製造方法に関する。
弾性体にシャフトが挿通されたローラは、例えば、電子写真装置の帯電ローラに当接して該帯電ローラの表面をクリーニングするクリーニングローラや、像担持体にトナーを供給するトナー供給ローラや、紙送りローラ等に使用されている。
従来のローラとして、ホットメルト接着剤を加熱溶融してシャフトの外面に塗布し、冷却後のシャフトを弾性体に挿通し、その後にホットメルト接着剤を加熱硬化させて弾性体をシャフトの外面に接着したものがある。
また、ホットメルト接着剤を用いる例として、ホットメルト接着剤が塗布された金属製芯金を弾性体に挿入し、金属製芯金を高周波誘導加熱手段で加熱することにより、ホットメルト接着剤を熱溶融させて金属製芯金と弾性体を接着させる方法がある(特許文献1)。
その他、シャフトの外面に塗布する接着剤として湿気硬化型接着剤を使用するものや、瞬間接着剤を使用するもの、あるいはエマルジョン系接着剤を使用するものや、溶剤型接着剤を使用するものなどがある。
特開2003-140476号公報
しかし、ホットメルト接着剤を加熱溶融してシャフトに塗布する方法は、ホットメルト接着剤をシャフトの外面に塗布する工程から、弾性体にシャフトを挿通した後の接着工程までの作業工数が多く、しかもホットメルト接着剤の溶融及び冷却に長い時間を要するため、製造時間が長い問題がある。
また、ホットメルト接着剤の加熱溶融に高周波誘導加熱手段を使用する方法は、ホットメルト接着剤の加熱時間については短縮できるが、冷却に必要な時間については短縮できないため、依然として製造時間が長い問題がある。
一方、湿気硬化型接着剤を使用する方法は、湿気硬化型接着剤の硬化に数日必要な場合がある。
また、瞬間接着剤を使用する方法は、シャフトの外面に塗布した瞬間接着剤の硬化が速いため、弾性体にシャフトを挿通するまでの時間が短すぎ、作業性の問題がある。
また、エマルジョン系接着剤を使用する方法は、エマルジョン系接着剤をシャフトの外面に塗布した後、エマルジョン系接着剤に含まれる水分の揮発に長い時間が必要となる。
また、溶剤型接着剤を使用する方法は、溶剤による環境汚染の問題や、溶剤が弾性体に染み込んで物性低下を生じさせるおそれがある。
本発明は、前記の点に鑑みなされたものであり、弾性体とシャフトの接着に必要な作業を簡略なものにでき、かつ接着時間が短く、弾性体とシャフトの接着性が良好なローラとその製造方法の提供を目的とする。
第1の態様は、弾性体と、前記弾性体に挿通されたシャフトとよりなり、前記弾性体で覆われた前記シャフトの外面に設けられた接着剤の硬化によって前記弾性体が前記シャフトの外面に接着されているローラにおいて、前記弾性体は紫外線が透過する材質からなり、前記接着剤は紫外線硬化樹脂からなり、前記弾性体を透過した紫外線によって硬化したことを特徴とする。
第2の態様は、第1の態様において、前記弾性体の厚みが0.1~6mmであることを特徴とする。
第3の態様は、弾性体にシャフトが挿通されたローラの製造方法において、前記弾性体は、紫外線が透過する材質からなり、前記シャフトの外面に紫外線硬化樹脂からなる接着剤を塗布する接着剤塗布工程と、前記接着剤塗布済みのシャフトを前記弾性体に挿通するシャフト挿通工程と、前記弾性体に紫外線を照射し、前記弾性体を透過した紫外線によって前記弾性体で覆われた前記シャフトの外面の前記接着剤を硬化させる紫外線照射・接着剤硬化工程と、を含み、前記紫外線による前記接着剤の硬化によって前記弾性体を前記シャフトの外面に接着することを特徴とする。
本発明のローラによれば、弾性体で覆われたシャフトの外面に設けられた接着剤を紫外線硬化樹脂とし、弾性体を紫外線が透過する材質としたことにより、ローラの製造時に、弾性体の外側から紫外線を照射して接着剤を硬化させることができ、熱硬化性樹脂を使用する場合に必要となる熱硬化性樹脂の加熱溶融作業、その後の冷却硬化作業が何れも不要になるとともに、加熱溶融及び冷却に必要な時間も無くすことができる。また、湿気硬化型接着剤のように硬化に長時間かかることもなく、弾性体とシャフトの接着性も良好なものになる。さらに、溶剤型接着剤のような環境汚染の問題や、溶剤が弾性体に染み込むことによる問題もない。
本発明のローラの製造方法によれば、弾性体を、紫外線が透過する材質とし、シャフトの外面に紫外線硬化樹脂からなる接着剤を塗布する接着剤塗布工程と、接着剤塗布済みのシャフトを弾性体に挿通するシャフト挿通工程と、弾性体に紫外線を照射し、弾性体を透過した紫外線によって弾性体で覆われたシャフトの外面の接着剤を硬化させる紫外線照射・接着剤硬化工程とを行うことにより、弾性体をシャフトの外面に接着することができるため、熱硬化性樹脂を使用する場合に必要となる熱硬化性樹脂の加熱溶融作業、その後の冷却硬化作業が何れも不要になるとともに、加熱溶融及び冷却に必要な時間を無くすことができる。また、湿気硬化型接着剤のような硬化に長時間かかることもなく、弾性体とシャフトの接着性を良好に行うことができる。さらに、溶剤型接着剤のような環境汚染の問題や、溶剤が弾性体に染み込むことによる問題もない。また、紫外線を照射するまで接着剤の硬化が開始されないため、瞬間接着剤を使用する場合のように、シャフトの外面に接着剤を塗布した後、弾性体へのシャフトの挿通が間に合わなくなる恐れがなく、作業性が良好なものになる。
本発明のローラの一実施形態を示す斜視図である。 図1の2-2拡大断面図である。 本発明のローラの製造方法における一実施形態の工程を示す図である。 各実施例の構成と硬化時間及び接着力の評価を示す表である。 各比較例の構成と硬化時間及び接着力の評価を示す表である。
図1及び図2に示すローラ10は、弾性体11と、弾性体11に挿通されたシャフト21とよりなり、弾性体11で覆われたシャフト21の外面に設けられた接着剤25の硬化によって弾性体11がシャフト21の外面に接着されたものである。ローラ10は、電子写真装置の帯電ローラの表面をクリーニングするクリーニングローラや、像担持体にトナーを供給するトナー供給ローラや、紙送りローラ等に好適である。
弾性体11は、外形が円筒形からなり、中心にはシャフト21を挿通するための貫通孔13が形成されている。弾性体11の径及び長さは、ローラの用途や装着される機器等に応じて決定される。
弾性体11の材質は、弾性体を紫外線が透過する材質からなり、紫外線の透過を妨げない弾性体であればよく、特に限定されない。例えば、紫外線の透過を妨げる物質を含まないポリウレタン発泡体、メラミン発泡体、シリコーン発泡体、EPDM発泡体、ポリスチレン発泡体、ポリエチレン発泡体等の発泡体を挙げることができる。紫外線を妨げる物質としては、カーボン等の顔料、炭酸カルシウム、タルク、硫黄等の添加剤等を挙げることができる。
弾性体11の厚みは、0.1~6mmが好ましい。0.1mm未満では、ローラ10における弾性体11の効果が得にくくなる。一方、6mmを超える場合は、ローラの用途によっては適さないことがある。なお、弾性体11の厚みは、弾性体11の貫通孔13の内周面と弾性体11の外周面との間の部分の厚みである。
弾性体11の密度は、9.2~250kg/mが好ましい。密度が低すぎるとローラ10の機能として好ましくなく、密度が高すぎると弾性体として機能しなくなる。
シャフト21は、金属や樹脂等からなる棒状体で構成されており、ローラ10の芯材を構成する。金属製のシャフトは、耐久性に優れ、一方、樹脂製のシャフトは、軽量性に優れる。樹脂としては、CFRPやポリエチレン・ポリプロピレン等を挙げることができる。
接着剤25は、紫外線硬化樹脂からなる。紫外線硬化樹脂としては、アクリル系樹脂(ポリマー型アクリレート)、ウレタン系樹脂(ウレタンアクリレート)、ビニルエステル系樹脂、ポリエステル・アルキド樹脂(エポキシアクリレート)等を挙げることができる。
紫外線硬化樹脂からなる接着剤25は、シャフト21が弾性体11に挿通される前にシャフト21の外面に塗布され、シャフト21が弾性体11に挿通されて弾性体11で覆われた後、弾性体11の外方から紫外線が照射されて弾性体11を透過した紫外線により硬化し、弾性体11とシャフト21とを接着する。シャフト21に塗布される紫外線硬化樹脂は、シャフトの外面への塗布性、弾性体に挿通されるまでのシャフト外面における紫外線硬化樹脂の保持性の点から、未硬化時(塗布時)の粘度が0.5~50Pa・sであるのが好ましい。0.5Pa・s未満の時は、シャフトに接着剤を保持しにくく、膜厚を得にくい。50Pa・sを超える時は、接着剤を均一に塗布しにくく、弾性体内へのシャフトの挿入不具合を生じやすくなる。
ローラ10の製造方法は、少なくとも接着剤塗布工程と、シャフト挿通工程と、紫外線照射・接着剤硬化工程とを含み、必要に応じてその後に行われる研磨工程などが含まれる。各工程について、図3を用いて説明する。なお、図3に示す各製造工程では、各部材の符号を数字の後に「A」を付けたものとして図1及び図2の数字のみのものと区別したが、図3と図1及び図2とにおいて数字の部分が同一の部材は、同一の材質からなる。
接着剤塗布工程では、シャフト21Aの外面に紫外線硬化樹脂からなる接着剤25Aを塗布する。シャフト21Aは、金属製または樹脂製からなる。接着剤25Aの塗布は、シャフトを円周方向に回転させながら行うダイコート方式、または、ディピング方式、スプレー方式などにより行うことができる。接着剤25Aの塗布厚みは、50~600μmが好ましい。
シャフト挿通工程では、紫外線が透過する材質からなる弾性体11Aに、紫外線硬化樹脂からなる接着剤25Aを塗布した後のシャフト21Aを挿通し、シャフト21Aの外面の接着剤25Aを弾性体11Aで覆う。弾性体11Aの中心には、シャフト21Aを挿通するための貫通孔13Aを回転ドリルなどにより形成しておく。弾性体11Aに形成する貫通孔13Aの内径は、シャフト21Aの外径と同一またはそれより小としてもよい。弾性体11Aの外形は、製品と同様の円筒形に限られず、断面が多角形からなる角筒形のものであってもよい。なお、弾性体11Aの外形が、製品の外形と異なる場合、後述の研磨工程を行って製品の外形にする。ここで使用する弾性体11Aの厚み(弾性体11Aの貫通孔13Aの内周面と弾性体11Aの外周面との間の厚み)は、6mm以下が好ましい。弾性体11Aの厚みが大きすぎると、後の紫外線照射・接着剤硬化工程で紫外線が効率よく弾性体を透過できなくなる。
紫外線照射・接着剤硬化工程では、弾性体11Aの外方から、紫外線を照射して弾性体11Aで覆われたシャフト21Aの外面に塗布されている紫外線硬化樹脂からなる接着剤25Aを硬化させ、その硬化によって弾性体11Aをシャフト21Aの外面に接着する。紫外線の照射は、アイグラフィック株式会社製ECS-4011GX(ランプ120W/cm、3kW)装置により行うことができる。紫外線の照射量は、使用する紫外線硬化樹脂によって最適量が異なるが、100~1,000mW/cm(アイグラフィック株式会社製照度計PD-365)、照射時間は5~90秒が好ましい。
研磨工程では、弾性体11Aの外周面を研磨ローラ等の研磨具31Aで研磨し、製品形状及び寸法にする。研磨方法は特に限定されない。例えば、シャフト21Aの両端を回転装置に取り付け、シャフト21Aと共に弾性体11Aを回転させ、弾性体11Aの外周面に押し当てた研磨具31Aをシャフト21Aと平行方向に移動させる方法を挙げる。なお、シャフト21Aを挿通した弾性体11Aの形状によっては、研磨工程が不要なこともある。
さらに、ローラの用途等によっては、研磨工程の後に、例えば研磨粉除去工程や表面熱プレス工程等を行う場合もある。
・実施例1
シャフトとして、外径4mm×長さ240mm、SUS303の金属製シャフトを用い、弾性体として、外径16mm×長さ220mmのポリウレタン発泡体(密度70kg/m、顔料及び無機充填剤を含まない、品名:EP-70、株式会社イノアックコーポレーション製)の中心に直径4mmの貫通孔を形成した厚み6mmのものを用い、紫外線硬化樹脂からなる接着剤としてウレタンアクリレート系、品名:CREAレジン、品番:FLR-010、株式会社イノアックコーポレーション製、粘度180Pa・sを用い、次のようにして実施例1のローラを製造した。
シャフトの外面に、長さ220mmの範囲にわたって、厚み180μmの厚みで紫外線硬化樹脂から成る接着剤をロールコーターにより塗布した。紫外線硬化樹脂からなる接着剤塗布後のシャフトを、弾性体の貫通孔に挿通し、シャフト外面の紫外線硬化樹脂からなる接着剤を弾性体で覆った。その後、弾性体の外面にアイグラフィック株式会社製ECS-4011GX(ランプ120W/cm、3kW)装置によって主波長365nmの紫外線を20秒間照射し、紫外線硬化樹脂からなる接着剤を硬化させて、シャフトに弾性体が接着したローラを製造した。
・実施例2
弾性体として、外径16mm×長さ220mmのポリウレタン発泡体(密度70kg/m、顔料及び無機充填剤を含まない、品名:EFF、株式会社イノアックコーポレーション製)の中心に直径4mmの貫通孔を形成した厚み6mmのものを用い、紫外線の照射時間を20秒とした以外、実施例1と同様にして実施例2のローラを製造した。
・実施例3
弾性体として、外径16mm×長さ220mmのポリウレタン発泡体(密度21kg/m、顔料及び無機充填剤を含まない、品名:EFF、株式会社イノアックコーポレーション製)の中心に直径4mmの貫通孔を形成した厚み6mmのものを用い、紫外線の照射時間を20秒とした以外、実施例1と同様にして実施例3のローラを製造した。
・実施例4
弾性体として、外径16mm×長さ220mmのポリウレタン発泡体(密度65kg/m、染料及び老化防止剤含有、品名:XP-278、株式会社イノアックコーポレーション製)の中心に直径4mmの貫通孔を形成した厚み6mmのものを用い、紫外線の照射時間を20秒とした以外、実施例1と同様にして実施例4のローラを製造した。
・実施例5
弾性体として、外径16mm×長さ220mmのメラミン発泡体(密度9.2kg/m、品名:W、株式会社イノアックコーポレーション製)の中心に直径4mmの貫通孔を形成した厚み6mmのものを用い、紫外線の照射時間を20秒とした以外、実施例1と同様にして実施例5のローラを製造した。
・実施例6
弾性体として、外径16mm×長さ220mmのシリコーン発泡体(密度250kg/m、品名:XS-004、株式会社イノアックコーポレーション製)の中心に直径4mmの貫通孔を形成した厚み6mmのものを用い、紫外線の照射時間を20秒とした以外、実施例1と同様にして実施例6のローラを製造した。
・実施例7
弾性体として、外径16mm×長さ220mmのEPDM発泡体(液状パーオキサイドを含む、密度150kg/m、品名:XE-012、株式会社イノアックコーポレーション製)の中心に直径4mmの貫通孔を形成した厚み6mmのものを用い、紫外線の照射時間を20秒とした以外、実施例1と同様にして実施例7のローラを製造した。
また、実施例3と同様の弾性体を用い、接着剤を異ならせた比較例1~比較例5、弾性体としてカーボン含有ポリウレタン発泡体を用いた比較例6、不純物を多く含有する天然ゴム発泡体を用いた比較例7、硫黄を含有するEPDM発泡体を用いた比較例8のローラを製造した。
・比較例1
比較例1は、接着剤としてオレフィン系ホットメルト接着剤、品名:NタックNSH-784、株式会社中川商会製を用い、そのホットメルト接着剤を180℃に加熱して溶融し、その溶融したホットメルト接着剤を、厚み180μmでシャフトの外面に塗布し、その後に冷却したシャフトを弾性体の貫通孔に挿通して高周波誘導加熱装置により180℃に加熱し、その後室温で冷却して、シャフトに弾性体が接着したローラを製造した。
・比較例2
比較例2は、接着剤として酢酸ビニル系接着剤(溶媒は水、エマルジョンタイプ)、品名:KE60、コニシ株式会社製を用い、その酢酸ビニル系接着剤を厚み180μmでシャフトの外面に塗布し、そのシャフトを弾性体の貫通孔に挿通して硬化させることにより、シャフトに弾性体が接着したローラを製造した。
・比較例3
比較例3は、接着剤として合成ゴム系接着剤(有機溶剤タイプ)、品名:5430LF、セメダイン株式会社製を用い、その合成ゴム系接着剤を厚み180μmでシャフトの外面に塗布し、そのシャフトを弾性体の貫通孔に挿通して硬化させることにより、シャフトに弾性体が接着したローラを製造した。
・比較例4
比較例4は、接着剤としてシアノアクリレート系の湿気硬化型接着剤、品名:3000スーパー、セメダイン株式会社製を用い、その湿気硬化型接着剤を厚み180μmでシャフトの外面に塗布し、そのシャフトを弾性体の貫通孔に挿通して硬化させることにより、シャフトに弾性体が接着したローラを製造した。
・比較例5
比較例5は、接着剤としてシリコーン系の湿気硬化型接着剤、品名:KE-3475、信越化学工業株式会社製を用い、その湿気硬化型接着剤を厚み180μmでシャフトの外面に塗布し、そのシャフトを弾性体の貫通孔に挿通して硬化させることにより、シャフトに弾性体が接着したローラを製造した。
・比較例6
比較例6は、弾性体として、カーボンを含有するポリウレタン発泡体(密度70kg/m、品名:EP-70C、株式会社イノアックコーポレーション製)の中心に直径4mmの貫通孔を形成した厚み6mmのものを用いた以外、実施例1と同様にした。
・比較例7
比較例7は、弾性体として、不純物を多く含有する天然ゴム発泡体(密度150kg/m、品名:XN-021、株式会社イノアックコーポレーション製)の中心に直径4mmの貫通孔を形成した厚み6mmのものを用い、紫外線の照射時間を20秒とした以外、実施例1と同様にした。
・比較例8
比較例8は、弾性体として、硫黄を含有するEPDM発泡体(密度150kg/m、品名:XE-013、株式会社イノアックコーポレーション製)の中心に直径4mmの貫通孔を形成した厚み6mmのものを用い、紫外線の照射時間を20秒とした以外、実施例1と同様にした。
各実施例及び各比較例のローラについて、接着剤塗布後のシャフトを弾性体に挿通完了した時点から接着剤の硬化完了時点までの時間(硬化時間)を測定した。なお、各実施例及び各比較例における接着剤の硬化時間は次の時点とした。紫外線硬化樹脂接着剤を用いる実施例1~7及び比較例6~8の硬化完了時点は、弾性体を破壊し、接着剤が液状・ペースト状でなく、固化している時点とした。ホットメルト接着剤を用いる比較例1のローラの硬化完了時点は、シャフトが自然冷却によって35℃になった時点とした。酢酸ビニル系接着剤(エマルジョンタイプ)を用いる比較例2のローラ、及び合成ゴム系接着剤(有機溶剤タイプ)を用いる比較例3のローラの硬化完了時点は、実施例と同様に、弾性体を破壊し、接着剤が液状・ペースト状でなく、固化している時点とした。湿気硬化型接着剤を用いる比較例4のローラ及び比較例5のローラの硬化完了時点は、実施例と同様に、弾性体を破壊し、接着剤が液状・ペースト状でなく、固化している時点とした。
また、各実施例及び各比較例のローラについて、接着力を評価した。接着力の評価方法は、シャフトの両端を固定し、弾性体を周方向へ回転させた際に、弾性体がシャフトの外周で回転(空転)しない、あるいは弾性体が破壊された場合に合格とし、回転(空転)した場合に不合格とした。
各実施例及び各比較例について、硬化タイプ、接着剤組成、硬化時間、接着力の評価結果を図4と図5に示す。
紫外線硬化樹脂接着剤を用いる各実施例のローラは、硬化時間が0.25分と短く、接着力の評価についても合格であった。
一方、ホットメルト接着剤を用いる比較例1のローラは、硬化時間が120分と長く、接着力の評価については合格であった。
酢酸ビニル系接着剤(エマルジョンタイプ)を用いる比較例2のローラは、硬化時間が1440分と長く、接着力の評価については合格であった。
合成ゴム系接着剤(有機溶剤タイプ)を用いる比較例3のローラは、硬化時間が30分と長く、接着力の評価については合格であった。
湿気硬化型のシアノアクリレート系接着剤を用いる比較例4のローラは、硬化時間が10分と長く、接着力の評価については不合格であった。
湿気硬化型のシリコーン系接着剤を用いる比較例5のローラは、硬化時間が2880分と最も長く、接着力の評価については合格であった。
また、弾性体として、カーボンを含有するポリウレタン発泡体を用い、接着剤として紫外線硬化樹脂接着剤を用いる比較例6は、弾性体に含まれるカーボンによって紫外線の透過が妨げられるため、弾性体で覆われたシャフト外面の紫外線硬化樹脂が硬化せず、接着力が不合格であった。
弾性体として、不純物を多く含有する天然ゴム発泡体を用い、接着剤として紫外線硬化樹脂接着剤を用いる比較例7は、弾性体に含まれる不純物によって紫外線の透過が妨げられるため、弾性体で覆われたシャフト外面の紫外線硬化樹脂が硬化せず、接着力が不合格であった。
弾性体として、硫黄を含有するEPDM発泡体を用い、接着剤として紫外線硬化樹脂接着剤を用いる比較例8は、弾性体に含まれる硫黄によって紫外線の透過が妨げられるため、弾性体で覆われたシャフト外面の紫外線硬化樹脂が硬化せず、接着力が不合格であった。
このように、紫外線硬化樹脂接着剤を用い、紫外線が透過する発泡体を弾性体として用いる実施例のローラは、ホットメルト接着剤や、エマルジョン型接着剤、有機溶剤型接着剤、湿気硬化型接着剤などの他のタイプの接着剤を用いる比較例のローラよりも、接着剤の硬化に必要な時間が短く、しかもホットメルト接着剤のように予め加熱溶融させる必要がないため、接着作業を簡略なものにでき、かつ、弾性体とシャフトの接着性が良好である。
10 ローラ
11、11A シャフト
13、13A 弾性体の貫通孔
21、21A 弾性体
25、25A 接着剤
31A 研磨具

Claims (3)

  1. 弾性体と、前記弾性体に挿通されたシャフトとよりなり、前記弾性体で覆われた前記シャフトの外面に設けられた接着剤の硬化によって前記弾性体が前記シャフトの外面に接着されているローラにおいて、
    前記弾性体は紫外線が透過する材質からなる発泡体であり
    前記接着剤は紫外線硬化樹脂からなり、前記弾性体を透過した紫外線によって硬化したことを特徴とするローラ。
  2. 前記弾性体の厚みが0.1~6mmであることを特徴とする請求項1に記載のローラ。
  3. 弾性体にシャフトが挿通されたローラの製造方法において、
    前記弾性体は、紫外線が透過する材質からなる発泡体であり
    前記シャフトの外面に紫外線硬化樹脂からなる接着剤を塗布する接着剤塗布工程と、
    前記接着剤塗布済みのシャフトを前記弾性体に挿通するシャフト挿通工程と、
    前記弾性体に紫外線を照射し、前記弾性体を透過した紫外線によって前記弾性体で覆われた前記シャフトの外面の前記接着剤を硬化させる紫外線照射・接着剤硬化工程と、
    を含み、
    前記紫外線による前記接着剤の硬化によって前記弾性体を前記シャフトの外面に接着することを特徴とするローラの製造方法。
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