JP7353339B2 - 二次電池 - Google Patents

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Description

本発明の一態様は、二次電池、及び、二次電池を備えた電子機器に関する。
なお、本発明の一態様は、上記の技術分野に限定されない。本明細書等で開示する発明の
一態様の技術分野は、物、方法、または、製造方法に関するものである。または、本発明
の一態様は、プロセス、マシン、マニュファクチャ、または、組成物(コンポジション・
オブ・マター)に関するものである。そのため、より具体的に本明細書で開示する本発明
の一態様の技術分野としては、半導体装置、表示装置、発光装置、蓄電装置、記憶装置、
それらの駆動方法、または、それらの製造方法、を一例として挙げることができる。
なお、本明細書中において電子機器とは、二次電池を有する装置全般を指し、二次電池
を有する電気光学装置、二次電池を有する情報端末装置、二次電池を有する車両などは全
て電子機器である。
近年、頭部に装着する表示装置など人体に装着して使用される表示装置が提案され、ヘッ
ドマウントディスプレイや、ウェアラブルディスプレイと呼ばれている。表示装置に限ら
ず、人体に装着して使用される電子機器(ウェアラブルデバイスとも呼ぶ)、例えば補聴
器などは軽量化、小型化が求められている。
ウェアラブルデバイスや携帯情報端末は、繰り返し充電または放電が可能な二次電池を搭
載することが多く、ウェアラブルデバイスや携帯情報端末は、その軽量、小型であるがゆ
えに、ウェアラブルデバイスや携帯情報端末の操作時間が限られてしまう問題がある。ウ
ェアラブルデバイスや携帯情報端末に搭載する二次電池としては、軽量、且つ、小型であ
り、長時間の使用が可能であることが求められている。
また、電子機器の軽量化に伴い、電子機器に電力を供給する二次電池についても、軽量化
、及び小型化が求められている。
また、可撓性を有する表示装置を備えた電子書籍リーダーが特許文献1及び特許文献2に
開示されている。
特開2010-282181 特開2010-282183
ウェアラブルデバイスに適した二次電池を提供することを課題の一とする。または、新規
な蓄電装置を提供することを課題の一とする。
または、新規な構造の電子機器を提供する。具体的には、さまざまな外観形状にすること
ができる新規な構造の電子機器を提供する。または、さまざまな外観形状を有する新規な
構造の電子機器、及びその形状に適した形状の二次電池を提供することも課題の一とする
なお、これらの課題の記載は、他の課題の存在を妨げるものではない。なお、本発明の一
態様は、必ずしも、これらの課題の全てを解決する必要はない。なお、これら以外の課題
は、明細書、図面、請求項などの記載から、自ずと明らかとなるものであり、明細書、図
面、請求項などの記載から、これら以外の課題を抽出することが可能である。
可撓性を有する二次電池を作製及び使用する場合、または曲げられた二次電池を作製する
場合、複数の電極を曲げると、それぞれ異なる曲率で曲げられる。曲率中心に近い電極と
比べて曲率中心に遠い電極のほうが湾曲されて、端部の位置がずれる、或いは引っ張られ
るような状態となる。電極の端部には、リードと電気的に接する部分(電極タブとも呼ば
れる)がある。
薄型の二次電池を作製する場合、外装体で囲われた領域に第1の電極(正極)と活物質層
と第2の電極(負極)との組み合わせを複数積層させる。また、複数の第1の電極は、第
1の電極同士を重ねた後、端部を固定するために超音波溶接などを行う。また、同様に第
2の電極も、第2の電極同士を重ねた後、端部を固定するために超音波溶接などを行う。
積層数が多くなればなるほど容量が大きくなり、厚さも厚くなるため、曲率中心に近い電
極と比べて曲率中心に遠い電極のほうが湾曲されて、端部の位置が大きくずれる、或いは
引っ張られる。
そこで、二次電池で用いる電極の一部を切削加工し、複雑な形状とすることで、曲率中心
に近い電極と比べて曲率中心に遠い電極のほうが湾曲されて、端部の位置が曲率中心に近
い電極の位置とずれることを抑える、或いは曲率中心に遠い電極に負荷される張力を緩和
する。
具体的には、集電体に活物質層を形成した後、レーザ光などを用いて照射領域の集電体の
一部及び活物質層の一部を除去するレーザ加工を行う。レーザ加工によって切削されて形
成できる開口や、切れ目や、裂け目は、直線形状、幾何学形状(多角形、不定形など)、
円形とすることができる。規則的に複数の開口や複数の切れ目を形成してもよいし、不規
則に複数の開口や複数の切れ目を形成してもよい。そして、一部が切り抜かれた形状また
は一部に切れ目が入った形状の電極を用いて二次電池を作製する。例えば交互に切れ目(
長い切れ目や、ギザギザの切れ目など)が入った形状の電極を有する二次電池を作製する
二次電池で用いる正極または負極の少なくとも一方、または両方にレーザ加工を行っても
よい。
曲げられた二次電池であれば、曲率中心に近い電極と、曲率中心に遠い電極との上下関係
が決まっているので、少なくとも曲率中心に最も遠い電極の一部にレーザ加工による切削
を行えばよい。切削によって集電体が二つに分かれないように加工する。曲率中心に最も
遠い電極の場合、電極への張力が緩和するように切れ目を設ける。また、曲率中心に近い
電極の場合、電極への圧縮力が緩和するように切れ目を設ける。
また、可撓性を有する二次電池であれば、どちら側にも曲げられるように、ある方向に曲
げた場合において、少なくとも最も外側に位置する電極(即ち、最上層の正極と、最下層
の正極と、最上層の負極と最下層の負極)に対してレーザ加工による切削を行うことが好
ましい。
なお、可撓性を有する二次電池とは、二次電池の一部を複数回曲げることが可能である二
次電池のことを指し、曲げられた二次電池とは電子機器に内蔵する製造工程の際に一回曲
げられた状態で固定された二次電池のことを指す。
また、レーザ加工によって集電体の一部及び活物質層の一部を除去することに限定されず
、カッター、ハサミなどの刃物や、旋盤やフライス盤などの切削器具を用いて切削加工を
行ってもよい。また、集電体の一部及び活物質層の一部にレーザ光を走査して切削するこ
とに代えて、集電体の一部及び活物質層の一部に超高圧水を走査することで集電体の一部
及び活物質層の一部を除去してもよい。
また、張力を緩和する部分を集電体に形成するために切れ目や開口を形成するが、特に限
定されず、局所的に膜厚の薄い部分を設けて、二次電池を曲げた時の張力を緩和させても
よい。その場合、集電体は、少なくとも異なる2つの傾斜面を有し、2つの傾斜面の間に
、曲面を有する形状となる。2つの傾斜面のなす角度は、90°以上180°未満、好ま
しくは120°以上170°以下である。また、2つの傾斜面の間の曲面有する領域は、
他の領域よりも膜厚が薄い形状を有する。また、切れ目や、開口や、膜厚の薄い部分を組
み合わせ、さらにそれらを複数有する集電体としてもよい。
集電体に張力を緩和する部分を設けない場合には、二次電池を曲げた時の張力によって裂
傷やひびが形成され、繰り返し曲げを繰り返すと裂傷やひびが拡大し、集電体の断裂(分
裂)する恐れがある。集電体が断裂すると、電気の流れる面積が縮小され、その部分に電
界が集中して短絡の発生、または二次電池の劣化などが進行される場合がある。また、裂
傷やひびの部分の密着性(集電体と活物質層との界面の密着性)が低下し、二次電池とし
て機能しなくなる場合もある。
可撓性を有する二次電池または曲げられた二次電池を実現できる。
また、二次電池が曲げられ、その二次電池の電極も曲げられた時、電極の一部が切削され
ているため、電極の端部が引っ張られて電極にクラックが入ることを防ぐ。その結果、曲
げることのできる二次電池または曲げられた二次電池の信頼性を向上することができる。
また、電子機器の筐体をフレキシブルな筐体とすれば、電池を含めて電子機器の一部また
は全部を曲げることができる。
本発明の一態様を示す斜視図および断面図である。 本発明の一態様を示す斜視図、上面図、および断面図である。 本発明の一態様を示す平面図である。 本発明の一態様を示す斜視図である。 本発明の一態様を示す斜視図である。 本発明の一態様を示す電子機器及び二次電池の外観斜視図である。 本発明の一態様を示す電子機器及び二次電池の外観斜視図である。 電子機器の平面図および断面図である。 電子機器の外観斜視図である。 二次電池を有する車両を説明する図である。 面の曲率半径について説明する図である。 曲率中心について説明する図である。 (A)は正極の平面図であり、(B)は負極の平面図である。 サンプルのX線CT像である。 外形観察写真、サンプルのX線CT像、取り出した電極の観察写真である。 サンプルのX線CT像、外形観察写真、及び充放電特性である。 充電特性及び放電特性を示す図である。
以下では、本発明の実施の形態について図面を用いて詳細に説明する。ただし、本発明は
以下の説明に限定されず、その形態および詳細を様々に変更し得ることは、当業者であれ
ば容易に理解される。また、本発明は以下に示す実施の形態の記載内容に限定して解釈さ
れるものではない。
(実施の形態1)
本実施の形態では、複数箇所に切れ目を有する集電体を用い、外装体としてフィルムにエ
ンボス加工を行い、模様を有するフィルムを用いてリチウムイオン二次電池を作製する例
を示す。
まず、可撓性基材からなるシートを用意する。シートは、積層体を用い、金属フィルムの
一方の面または両方の面に接着層(ヒートシール層とも呼ぶ)を有するものを用いる。接
着層は、ポリプロピレンやポリエチレンなどを含む熱融着性樹脂フィルムを用いる。本実
施の形態では、シートとして、アルミニウム箔の表面にナイロン樹脂を有し、アルミニウ
ム箔の裏面に耐酸性ポリプロピレン膜と、ポリプロピレン膜の積層が設けられている金属
シートを用いる。
このシートをカットしてフィルムを用意し、エンボス加工を行ってフィルムに凹凸を形成
し、視認可能な模様を形成する。本実施の形態では、フィルムの両面に凹凸を設けて模様
を形成し、図1(A)に示すように、矩形であれば、中央で折り曲げたフィルム11にお
ける2つの辺を重ね、3辺を接着層で封止する構造とする。
曲げることのできる二次電池または曲げられた二次電池を作製するため、外装体となるフ
ィルムなどは、応力によって生じるひずみを緩和する構造とすることが好ましい。フィル
ムの凹部または凸部は、プレス加工、例えばエンボス加工により形成される。
エンボス加工とは、プレス加工の一種であり、表面に凹凸のあるエンボスロールをフィル
ムに圧接させ、エンボスロールの凹凸に対応する凹凸をフィルムに形成する処理のことを
指している。エンボスロールは、表面に模様を彫刻したロールである。
エンボス加工によりフィルムに形成された凹部または凸部は、フィルムを封止構造の壁の
一部とする空間の容積が可変な閉塞空間を形成する。この閉塞空間は、フィルムの凹部ま
たは凸部が蛇腹構造、ベローズ構造となって形成されるとも言える。また、プレス加工の
一種であるエンボス加工に限らず、フィルムの一部に浮き彫り(レリーフ)が形成できる
手法であればよい。
二次電池の構造としては、様々な構造があるが、外装体をフィルムとする構造とする。な
お、外装体に用いるフィルムは金属フィルム(アルミニウム、ステンレス、ニッケル鋼な
ど)、有機材料からなるプラスチックフィルム、有機材料(有機樹脂や繊維など)と無機
材料(セラミックなど)とを含むハイブリッド材料フィルム、炭素含有フィルム(カーボ
ンフィルム、グラファイトフィルムなど)から選ばれる単層フィルムまたはこれら複数か
らなる積層フィルムを用いる。金属フィルムは、エンボス加工を行いやすく、エンボス加
工を行って凹部または凸部を形成すると外気に触れるフィルムの表面積が増大するため、
放熱効果に優れている。
上記構成において、二次電池の外装体は、曲率半径10mm以上好ましくは曲率半径30
mm以上曲率半径150mm以下の範囲で変形することができる。二次電池の外装体であ
るフィルムは、1枚または2枚で構成されており、ラミネートフィルムを用いた封止構造
の二次電池(ラミネート構造の二次電池とも呼ぶ)である場合、湾曲させて電池の断面形
状を円弧とするとフィルムの2つの曲面で挟まれた構造となる。
面の曲率半径について、図11を用いて説明する。図11(A)において、曲面1700
を切断した平面1701において、曲面1700に含まれる曲線1702の一部を円の弧
に近似して、その円の半径を曲率半径1703とし、円の中心を曲率中心1704とする
。図11(B)に曲面1700の上面図を示す。図11(C)に、平面1701で曲面1
700を切断した断面図を示す。曲面を平面で切断するとき、曲面に対する平面の角度や
切断する位置に応じて、断面に現れる曲線の曲率半径は異なるものとなるが、本明細書等
では、最も小さい曲率半径を面の曲率半径とする。
2枚のフィルムを外装体として電極・電解液など1805を挟む二次電池を湾曲させた場
合には、二次電池の曲率中心1800に近い側のフィルム1801の曲率半径1802は
、曲率中心1800から遠い側のフィルム1803の曲率半径1804よりも小さい(図
12(A))。二次電池を湾曲させて断面を円弧状とすると曲率中心1800に近いフィ
ルムの表面には圧縮応力がかかり、曲率中心1800から遠いフィルムの表面には引っ張
り応力がかかる(図12(B))。外装体の表面に凹部または凸部で形成される模様を形
成すると、このように圧縮応力や引っ張り応力がかかったとしても、ひずみによる影響を
許容範囲内に抑えることができる。そのため、二次電池は、曲率中心に近い側の外装体の
曲率半径が10mm以上好ましくは30mm以上となる範囲で変形することができる。
なお、二次電池の断面形状は、単純な円弧状に限定されず、一部が円弧を有する形状にす
ることができ、例えば図12(C)に示す形状や、波状(図12(D))、S字形状など
とすることもできる。二次電池の曲面が複数の曲率中心を有する形状となる場合は、複数
の曲率中心それぞれにおける曲率半径の中で、最も曲率半径が小さい曲面において、2枚
の外装体の曲率中心に近い方の外装体の曲率半径が、10mm以上好ましくは30mm以
上となる範囲で二次電池が変形することができる。
2枚のフィルムを外装体として電解液などを挟む二次電池を湾曲させた場合には、第1の
フィルムの曲率半径は、第2のフィルムの曲率半径よりも小さい。さらに、二次電池の第
1のフィルムの模様と、第2のフィルムの模様は異なる。二次電池を湾曲させて断面を円
弧状とすると曲率中心に近いフィルム表面は圧縮応力がかかり、曲率中心に遠いフィルム
表面は引っ張り応力がかかる。このように圧縮応力や引っ張り応力がかかったとしても、
外装体に凹部または凸部で形成される模様を有しているため、ひずみによる影響を許容範
囲内に抑えることができる。
次に、図1(B)に示すように二次電池を構成する正極集電体12、セパレータ13、負
極集電体14を積層したものを用意する。
正極集電体12や負極集電体14などの集電体としては、ステンレス、金、白金、亜鉛、
鉄、ニッケル、銅、アルミニウム、チタン、タンタル等の金属、及びこれらの合金など、
導電性の高く、リチウム等のキャリアイオンと合金化しない材料を用いることができる。
また、シリコン、チタン、ネオジム、スカンジウム、モリブデンなどの耐熱性を向上させ
る元素が添加されたアルミニウム合金を用いることができる。また、シリコンと反応して
シリサイドを形成する金属元素で形成してもよい。シリコンと反応してシリサイドを形成
する金属元素としては、ジルコニウム、チタン、ハフニウム、バナジウム、ニオブ、タン
タル、クロム、モリブデン、タングステン、コバルト、ニッケル等がある。また、集電体
は、箔状、板状(シート状)、パンチングメタル状、エキスパンドメタル状等の形状を適
宜用いることができる。集電体は、厚みが5μm以上30μm以下のものを用いるとよい
。なお、ここでは説明を簡略にするため、正極集電体12、セパレータ13、負極集電体
14の積層の組み合わせを1つにして外装体に囲われた領域に収納する例を示したが、二
次電池の容量を大きくするために組み合わせを複数重ねて外装体に囲われた領域に収納す
ることが好ましい。
また、図1(B)に示すように正極集電体12は複数の切れ目21を有する形状である。
正極集電体12を複数の切れ目21を有する形状とすることで、曲げられた時に正極集電
体12が全体として広げられる。そのため端部の位置のずれを小さくできる。また、曲げ
られた時に正極集電体12の一部がねじれた形状、即ち湾曲部を有する形状となる。従っ
て、正極集電体12は異なる傾斜面を有する集電体とも言うことができる。また、正極集
電体12は2つの傾斜面の間に、切れ目または開口を有する集電体とも言うことができる
。また、正極集電体12は2つの傾斜面の間に、曲面を有する集電体とも言うことができ
る。
正極集電体12の複数の切れ目21を形成するレーザ加工のレーザ光源としては、発振波
長約1065nmのML-7320DL(ミヤチテクノス社製)を用いることができる。
該レーザ光源を用いてレーザ光を照射し、ステージを移動させてレーザ光の走査を行う。
また、正極集電体12の片面または両面に活物質層を形成した後にレーザ加工を行うこと
が好ましい。レーザ光を照射して形成された切断面は、強いエネルギーが与えられて集電
体と活物質層が強固に固着するため、望ましい。
次に、図1(C)に示す封止層15を有するリード電極16aおよびリード電極16bを
用意する。リード電極16aおよびリード電極16bはリード端子とも呼ばれ、二次電池
の正極または負極を外装フィルムの外側へ引き出すために設けられる。リード電極16a
は正極に電気的に接続される。リード電極16aの材料としてはアルミニウムなど正極集
電体に用いることができる材料を用いることができる。またリード電極16bは負極に電
気的に接続される。リード電極16bの材料としては銅など負極集電体に用いることがで
きる材料を用いることができる。
一つのリード電極と、正極集電体12の突出部を超音波溶接などにより、電気的に接続す
る。また、もう一つのリード電極と、負極集電体14の突出部を超音波溶接などにより、
電気的に接続する。
そして、電解液を入れるための一辺を残すため、フィルム11の2辺に対して熱圧着を行
って封止する。熱圧着の際、リード電極に設けられた封止層15も溶けてリード電極とフ
ィルム11との間を固定される。そして、減圧雰囲気下、或いは不活性雰囲気下で所望の
量の電解液をフィルム11が袋状となった内側に滴下する。そして、最後に、熱圧着をせ
ずに残していたフィルムの周縁に対して熱圧着を行って封止する。
こうして図1(D)に示す二次電池40を作製することができる。
また、図1(D)中の鎖線A-Bで切断した断面の一例を図1(E)に示す。
図1(E)に示すように、フィルム11の凹凸は、正極集電体12と重なる領域と、熱圧
着領域17で異なる。なお、図1(E)に示すように、正極集電体12、正極活物質層1
8、セパレータ13、負極活物質層19、負極集電体14の順で積層されたものが、折り
曲げたフィルム11に挟まれ、さらに端部において接着層30で封止されており、その他
の空間には電解液20を有している。
得られた二次電池40の正極集電体12は、切れ目を有しており、図2(C)に曲げた時
の状態の模式断面図(長手方向の断面図)を示す。なお、図2(A)は、二次電池40の
フィルム内部に配置されている正極集電体12と、セパレータ13、負極集電体14の積
層の位置関係を示す斜視図である。
また、図2(C)に上面図である図2(B)の鎖線X-X’で切断した断面模式図を示す
。図2(C)に示すように、二次電池を曲げた際の内部では、切れ目を挟んで異なる傾斜
面を有する正極集電体12が配置されることとなる。このように切れ目を有する正極集電
体12は形状を変化させることができ、曲げた時に部分的に変形することで二次電池を曲
げた時に加わる応力を緩和する。図2(C)において、鎖線X-X’で切断した断面にお
いて切れ目は2か所あるため、第1傾斜面と第2傾斜面は角度β1をなし、第2傾斜面と
第3傾斜面は角度β2をなしている。角度β1または角度β2は、90°以上180°未
満、好ましくは120°以上170°以下である。図2(C)では、一方向に湾曲させる
例を示したが、逆側に曲げる場合であっても第1傾斜面と第2傾斜面は角度を有する。ま
た、図2(C)に示すように正極活物質層18も切れ目を有している。正極活物質層18
に柔軟性を有するバインダを用いている場合、正極活物質層18に切れ目が入っていなく
てもよい。
正極活物質層18に用いる正極活物質としては、オリビン型の結晶構造、層状岩塩型の結
晶構造、またはスピネル型の結晶構造を有する複合酸化物等がある。正極活物質として、
例えばLiFeO、LiCoO、LiNiO、LiMn、V、Cr
、MnO等の化合物を用いる。
または、複合材料(一般式LiMPO(Mは、Fe(II)、Mn(II)、Co(I
I)、Ni(II)の一以上))を用いることができる。一般式LiMPOの代表例と
しては、LiFePO、LiNiPO、LiCoPO、LiMnPO、LiFe
NiPO、LiFeCoPO、LiFeMnPO、LiNiCo
PO、LiNiMnPO(a+bは1以下、0<a<1、0<b<1)、LiF
NiCoPO、LiFeNiMnPO、LiNiCoMnPO
(c+d+eは1以下、0<c<1、0<d<1、0<e<1)、LiFeNi
MnPO(f+g+h+iは1以下、0<f<1、0<g<1、0<h<1、0
<i<1)等のリチウム化合物を材料として用いることができる。
または、一般式Li(2-j)MSiO(Mは、Fe(II)、Mn(II)、Co(
II)、Ni(II)の一以上、0≦j≦2)等の複合材料を用いることができる。一般
式Li(2-j)MSiOの代表例としては、Li(2-j)FeSiO、Li(2
-j)NiSiO、Li(2-j)CoSiO、Li(2-j)MnSiO、Li
(2-j)FeNiSiO、Li(2-j)FeCoSiO、Li(2-j
FeMnSiO、Li(2-j)NiCoSiO、Li(2-j)Ni
MnSiO(k+lは1以下、0<k<1、0<l<1)、Li(2-j)Fe
CoSiO、Li(2-j)FeNiMnSiO、Li(2-j)Ni
CoMnSiO(m+n+qは1以下、0<m<1、0<n<1、0<q<1)
、Li(2-j)FeNiCoMnSiO(r+s+t+uは1以下、0<r
<1、0<s<1、0<t<1、0<u<1)等のリチウム化合物を材料として用いるこ
とができる。
また、正極活物質として、A(XO(A=Li、Na、Mg、M=Fe、M
n、Ti、V、Nb、Al、X=S、P、Mo、W、As、Si)の一般式で表されるナ
シコン型化合物を用いることができる。ナシコン型化合物としては、Fe(MnO
、Fe(SO、LiFe(PO等がある。また、正極活物質として
、LiMPOF、LiMP、LiMO(M=Fe、Mn)の一般式で表
される化合物、NaFeF、FeF等のペロブスカイト型フッ化物、TiS、Mo
等の金属カルコゲナイド(硫化物、セレン化物、テルル化物)、LiMVO等の逆
スピネル型の結晶構造を有する酸化物、バナジウム酸化物系(V、V13、L
iV等)、マンガン酸化物、有機硫黄化合物等の材料を用いることができる。
なお、キャリアイオンが、リチウムイオン以外のアルカリ金属イオンや、アルカリ土類金
属イオンの場合、正極活物質として、リチウムの代わりに、アルカリ金属(例えば、ナト
リウムやカリウム等)、アルカリ土類金属(例えば、カルシウム、ストロンチウム、バリ
ウム、ベリリウム、マグネシウム等)を用いてもよい。
セパレータ13としては、セルロース(紙)、または空孔が設けられたポリプロピレン、
ポリエチレン等の絶縁体を用いることができる。
電解液は、電解質として、キャリアイオンを有する材料を用いる。電解質の代表例として
は、LiPF、LiClO、LiAsF、LiBF、LiCFSO、Li(
CFSON、Li(CSON等のリチウム塩がある。これらの電解
質は、一種を単独で用いてもよく、二種以上を任意の組み合わせ及び比率で用いてもよい
なお、キャリアイオンが、リチウムイオン以外のアルカリ金属イオンや、アルカリ土類金
属イオンの場合、電解質として、上記リチウム塩において、リチウムの代わりに、アルカ
リ金属(例えば、ナトリウムやカリウム等)、アルカリ土類金属(例えば、カルシウム、
ストロンチウム、バリウム、ベリリウム、マグネシウム等)を用いてもよい。
また、電解液の溶媒としては、キャリアイオンが移動可能な材料を用いる。電解液の溶媒
としては、非プロトン性有機溶媒が好ましい。非プロトン性有機溶媒の代表例としては、
エチレンカーボネート(EC)、プロピレンカーボネート、ジメチルカーボネート、ジエ
チルカーボネート(DEC)、エチルメチルカーボネート(EMC)、γーブチロラクト
ン、アセトニトリル、ジメトキシエタン、テトラヒドロフラン等があり、これらの一つま
たは複数を用いることができる。また、電解液の溶媒としてゲル化される高分子材料を用
いたり、電解液にゲル化のための高分子材料を添加することで、漏液性等に対する安全性
が高まる。また、蓄電池の薄型化及び軽量化が可能である。ゲル化される高分子材料の代
表例としては、シリコーンゲル、アクリルゲル、アクリロニトリルゲル、ポリエチレンオ
キサイド、ポリプロピレンオキサイド、フッ素系ポリマー等がある。また、電解液の溶媒
として、難燃性及び難揮発性であるイオン液体(常温溶融塩)を一つまたは複数用いるこ
とで、蓄電池の内部短絡や、過充電等によって内部温度が上昇しても、蓄電池の破裂や発
火などを防ぐことができる。なお、イオン液体は、流動状態にある塩であり、イオン移動
度(伝導度)が高い。また、イオン液体は、カチオンとアニオンとを含む。イオン液体と
しては、エチルメチルイミダゾリウム(EMI)カチオンを含むイオン液体、またはN-
メチル-N-プロピルピペリジニウム(PP13)カチオンを含むイオン液体などがある
また、電解液の代わりに、硫化物系や酸化物系等の無機物材料を有する固体電解質や、P
EO(ポリエチレンオキシド)系等の高分子材料を有する固体電解質を用いることができ
る。固体電解質を用いる場合には、セパレータやスペーサの設置が不要となる。また、電
池全体を固体化できるため、漏液のおそれがなくなり安全性が飛躍的に向上する。
また、負極活物質層19の負極活物質としては、リチウムの溶解・析出、又はリチウムイ
オンとの可逆的な反応が可能な材料を用いることができ、リチウム金属、炭素系材料、合
金系材料等を用いることができる。
リチウム金属は、酸化還元電位が低く(標準水素電極に対して-3.045V)、重量及
び体積当たりの比容量が大きい(それぞれ3860mAh/g、2062mAh/cm
)ため、好ましい。
炭素系材料としては、黒鉛、易黒鉛化性炭素(ソフトカーボン)、難黒鉛化性炭素(ハー
ドカーボン)、カーボンナノチューブ、グラフェン、カーボンブラック等がある。
黒鉛としては、メソカーボンマイクロビーズ(MCMB)、コークス系人造黒鉛、ピッチ
系人造黒鉛等の人造黒鉛や、球状化天然黒鉛等の天然黒鉛がある。
黒鉛はリチウムイオンが黒鉛に挿入されたとき(リチウム-黒鉛層間化合物の生成時)に
リチウム金属と同程度に卑な電位を示す(0.1~0.3V vs.Li/Li)。こ
れにより、リチウムイオン二次電池は高い作動電圧を示すことができる。さらに、黒鉛は
、単位体積当たりの容量が比較的高い、体積膨張が小さい、安価である、リチウム金属に
比べて安全性が高い等の利点を有するため、好ましい。
負極活物質として、リチウムとの合金化・脱合金化反応により充放電反応を行うことが可
能な合金系材料も用いることができる。キャリアイオンがリチウムイオンである場合、例
えば、Al、Si、Ge、Sn、Pb、Sb、Bi、Ag、Au、Zn、Cd、In、G
a等のうち少なくとも一つを含む材料がある。このような元素は炭素に対して容量が大き
く、特にシリコンは理論容量が4200mAh/gと飛躍的に高い。このため、負極活物
質にシリコンを用いることが好ましい。このような元素を用いた材料としては、例えば、
SiO、MgSi、MgGe、SnO、SnO、MgSn、SnS、VSn
、FeSn、CoSn、NiSn、CuSn、AgSn、AgSb、
NiMnSb、CeSb、LaSn、LaCoSn、CoSb、InSb
、SbSn等がある。なお、SiOとは、ケイ素リッチの部分を含むケイ素酸化物の粉末
を指しており、SiO(2>y>0)とも表記できる。例えばSiOは、Si
Si、またはSiOから選ばれた単数または複数を含む材料や、Siの粉末と二
酸化ケイ素SiOの混合物も含む。また、SiOは他の元素(炭素、窒素、鉄、アルミ
ニウム、銅、チタン、カルシウム、マンガンなど)を含む場合もある。即ち、単結晶Si
、アモルファスSi、多結晶Si、Si、Si、SiO、SiOから選
ばれる複数を含む材料を指しており、SiOは有色材料である。SiOではないSiO
(Xは2以上)であれば無色透明、或いは白色であり、区別することができる。ただし、
二次電池の材料としてSiOを用いて二次電池を作製した後、充放電を繰り返すなどによ
って、SiOが酸化した場合には、SiOに変質する場合もある。
また、負極活物質として、二酸化チタン(TiO)、リチウムチタン酸化物(Li
12)、リチウム-黒鉛層間化合物、(Li)、五酸化ニオブ(Nb
)、酸化タングステン(WO)、酸化モリブデン(MoO)等の酸化物を用いること
ができる。
また、負極活物質として、リチウムと遷移金属の窒化物である、LiN型構造をもつL
3-xN(M=Co、Ni、Cu)を用いることができる。例えば、Li2.6
0.4は大きな充放電容量(900mAh/g、1890mAh/cm)を示し
好ましい。
リチウムと遷移金属の窒化物を用いると、負極活物質中にリチウムイオンを含むため、正
極活物質としてリチウムイオンを含まないV、Cr等の材料と組み合わせる
ことができ好ましい。なお、正極活物質にリチウムイオンを含む材料を用いる場合でも、
あらかじめ正極活物質に含まれるリチウムイオンを脱離させておくことで負極活物質とし
てリチウムと遷移金属の窒化物を用いることができる。
また、コンバージョン反応が生じる材料を負極活物質として用いることもできる。例えば
、酸化コバルト(CoO)、酸化ニッケル(NiO)、酸化鉄(FeO)等の、リチウム
と合金化反応を行わない遷移金属酸化物を負極活物質に用いてもよい。コンバージョン反
応が生じる材料としては、さらに、Fe、CuO、CuO、RuO、Cr
等の酸化物、CoS0.89、NiS、CuS等の硫化物、Zn、CuN、G
等の窒化物、NiP、FeP、CoP等のリン化物、FeF、BiF
等のフッ化物でも起こる。なお、上記フッ化物の電位は高いため、正極活物質として用い
てもよい。
また、負極活物質層19には、上述した負極活物質の他、活物質の密着性を高めるための
結着剤(バインダ)、負極活物質層19の導電性を高めるための導電助剤等を有してもよ
い。
二次電池の構成は、例えば、セパレータ13の厚さは約25μm、正極集電体12は約1
0μm以上約40μm以下、正極活物質層18は約100μm、負極活物質層19は約1
00μm、負極集電体14は約8μm以上約40μm以下である。フィルム11の厚さは
、0.113mmである。また、フィルム11へのエンボス加工深さは、約500μmで
ある。フィルム11へのエンボス加工深さが2mm以上の場合には、二次電池全体の厚さ
が厚すぎてしまうため、エンボス加工深さは1mm以下、好ましくは500μm以下とす
る。なお、図1(E)では接着層30が部分的にしか図示していないが、フィルムにはポ
リプロピレンからなる層がフィルム11表面に設けられ、熱圧着した部分のみが接着層3
0となる。
また、図1(E)では、フィルム11の下側を固定して圧着している例を示している。こ
の場合には上側が大きく曲げられ、段差が形成されるため、折り曲げたフィルム11の間
に上記積層の組み合わせを複数、例えば8つ以上設ける場合には、その段差が大きくなり
、上側のフィルム11に応力がかかりすぎる恐れがある。また、そのため、上側のフィル
ムの端面と、下側のフィルムの端面の位置ずれが大きくなる恐れもある。その場合、端面
に位置ずれがないように、下側のフィルムにも段差を設け、応力が均等化するように中央
で圧着する構成としてもよい。
また、得られた二次電池40は、外装体となるフィルム11に凹凸を有する模様を有して
いる。また、図1(D)中の点線と端面の領域は熱圧着領域17であり、その部分にも凹
凸を有する模様を有する。中央部に比べると熱圧着領域17の凹凸は小さいが、二次電池
を曲げた時に加わる応力を緩和することができる。
ここで図1(F)を用いて二次電池の充電時の電流の流れを説明する。リチウムを用いた
二次電池を一つの閉回路とみなした時、リチウムイオンの動きと電流の流れは同じ向きに
なる。なお、リチウムを用いた二次電池では、充電と放電でアノード(陽極)とカソード
(陰極)が入れ替わり、酸化反応と還元反応とが入れ替わることになるため、反応電位が
高い電極を正極と呼び、反応電位が低い電極を負極と呼ぶ。したがって、本明細書におい
ては、充電中であっても、放電中であっても、逆パルス電流を流す場合であっても、充電
電流を流す場合であっても、正極は「正極」または「+極(プラス極)」と呼び、負極は
「負極」または「-極(マイナス極)」と呼ぶこととする。酸化反応や還元反応に関連し
たアノード(陽極)やカソード(陰極)という用語を用いると、充電時と放電時とでは、
逆になってしまい、混乱を招く可能性がある。したがって、アノード(陽極)やカソード
(陰極)という用語は、本明細書においては用いないこととする。仮にアノード(陽極)
やカソード(陰極)という用語を用いる場合には、充電時か放電時かを明記し、正極(プ
ラス極)と負極(マイナス極)のどちらに対応するものかも併記することとする。
図1(F)に示す2つの端子には充電器が接続され、二次電池40が充電される。二次電
池40の充電が進めば、電極間の電位差は大きくなる。図1(F)では、二次電池40の
外部の端子から、正極集電体12の方へ流れ、二次電池40の中において、正極集電体1
2から負極集電体14の方へ流れ、負極集電体14から二次電池40の外部の端子の方へ
流れる電流の向きを正の向きとしている。つまり、充電電流の流れる向きを電流の向きと
している。
また、切れ目の位置や、大きさは特に限定されず、例えば図3(B)に示すように一箇所
である正極集電体12cとしてもよいし、図3(C)に示す正極集電体12bとしてもよ
い。図3(C)に示す正極集電体12bの場合、図2(B)とは切れ目の方向が異なるた
め、図2(B)で湾曲された方向とは異なる方向に湾曲させることができる。また、図3
(A)に示すようにスリットのような開口27を複数有する正極集電体12aとしてもよ
いし、図3(D)に示すように矩形の開口27を複数有する正極集電体12dとしてもよ
い。また、開口と切れ目との組み合わせを有する正極集電体としてもよい。また、図3(
E)に示すように正極集電体の上面形状を蛇行させた部分を有する正極集電体12eや、
図3(F)に示すように蛇行させた部分を複数有する上面形状を有する正極集電体12f
としてもよい。
なお、本実施の形態では、正極集電体12及び正極活物質層18に切れ目を入れる例を示
したが、特に限定されず、負極集電体14及び負極活物質層19に切れ目を入れてもよい
。また、正極集電体12の切れ目と、負極集電体14の切れ目とを異ならせてもよく、例
えば二次電池が曲げられて大きく変形する側の集電体の切れ目の数をもう一方よりも多く
することで応力の緩和の効果をより得ることができる。
また、図1(E)に示す二次電池40はわかりやすくするために、一つの正極集電体、一
つのセパレータ、一つの負極集電体を用いて説明したが、実際には、複数の正極集電体と
複数の負極集電体を用いる。例えば、図4(B)に示すように、正極集電体12と、セパ
レータ13と、負極集電体14を重ねた組み合わせを8つ用い、それらを外装フィルムで
囲まれた領域内に収納する。正極集電体12には片面に正極活物質層が設けられる。なお
、1枚のセパレータを折り曲げてその間に正極集電体12を挟む構造としたため、図4(
B)にはセパレータが16、即ち8枚を折り曲げるが、折り曲げずに用いる場合は、セパ
レータは15でよい。また、セパレータは袋状にしてもよい。また、二次電池40の厚さ
を薄くする場合には、図4(A)に示すように正極集電体12と、セパレータ13と、負
極集電体14を重ねた組み合わせ一つとする。図4(A)では、さらに2枚目のセパレー
タを設けているが、2枚目のセパレータは省略することができる。
また、集電体の片面に活物質を塗工する場合は、図4(C)に示すように、正極集電体の
正極活物質を塗工していない面同士、および負極集電体の負極活物質を塗工していない面
同士が接するように重ねることができる。このような順で集電体を重ねることで、セパレ
ータの数を半減させることができ好ましい。
また、図5には、2つの組み合わせの斜視図を示している。なお、正極集電体12には両
面に正極活物質層が設けられた例である。詳細に説明すると、負極集電体14、負極活物
質層、セパレータ13、正極活物質層、正極集電体12、正極活物質層、セパレータ、負
極活物質層、負極集電体という順に配置されている。図5(A)に示す負極集電体14に
はレーザ処理で形成する幾何学模様の切れ目が複数設けられている。幾何学模様としては
、縞模様、市松模様、メアンダー模様などを含む模様を指している。なお、図5において
セパレータは2つ図示している例を示しているが、1枚のセパレータを折り曲げて、折り
曲げた2面の間に正極集電体12を収納する構造とすることも可能である。また、セパレ
ータは袋状にしてもよい。
また、負極集電体の両面にも負極活物質層を設けることも可能であり、図5(B)には、
片面のみに負極活物質層を有する2つの負極集電体の間に、両面に負極活物質層を有する
3つの負極集電体と、両面に正極活物質層を有する4つの正極集電体と、8枚のセパレー
タを挟んだ二次電池を構成する例を示している。
本実施の形態では、携帯情報端末などに用いる小型の電池の例を示したが、特に限定され
ず、車両などに搭載する大型の電池にも適用することができる。
なお、本実施の形態では、リチウムイオン二次電池に適用した場合の例を示したが、本発
明の一態様は、これに限定されない。様々な二次電池、例えば、鉛蓄電池、リチウムイオ
ンポリマー二次電池、ニッケル・水素蓄電池、ニッケル・カドミウム蓄電池、ニッケル・
鉄蓄電池、ニッケル・亜鉛蓄電池、酸化銀・亜鉛蓄電池、固体電池、空気電池、などに適
用することも可能である。または、様々な蓄電装置に適用することが可能であり、例えば
、一次電池、コンデンサ、リチウムイオンキャパシタなどに適用することも可能である。
さらに、太陽電池、光センサ、タッチセンサ、表示装置、FPC(フレキシブルプリント
基板)、光学フィルム(偏光板、位相差板、プリズムシート、光反射シート、光拡散シー
トなど)などに適用することも可能である。
(実施の形態2)
本実施の形態では、実施の形態1を用いて得られるリチウムイオン二次電池を組み込んだ
電子機器の一例を示す。
実施の形態1を用いて得られる二次電池は、外装体が薄く柔軟性を有するフィルムであり
、曲面を有する支持構造体に貼り付け、支持構造体の曲率半径の大きい領域の曲面部分に
追随して変形させることができる。
フレキシブルな形状を備える蓄電装置を適用した電子機器として、例えば、ヘッドマウン
トディスプレイやゴーグル型ディスプレイのような表示装置(テレビ、又はテレビジョン
受信機ともいう)、デスクトップ型やノート型等のパーソナルコンピュータ、コンピュー
タ用などのモニタ、デジタルカメラ、デジタルビデオカメラ、デジタルフォトフレーム、
電子手帳、電子書籍端末、電子翻訳機、玩具、マイクロフォン等の音声入力機器、電気シ
ェーバ、電動歯ブラシ、電子レンジ等の高周波加熱装置、電気炊飯器、電気洗濯機、電気
掃除機、温水器、扇風機、毛髪乾燥機、加湿器や除湿器やエアコンディショナ等の空気調
和設備、食器洗い器、食器乾燥器、衣類乾燥器、布団乾燥器、電気冷蔵庫、電気冷凍庫、
電気冷凍冷蔵庫、DNA保存用冷凍庫、懐中電灯、電動工具、煙感知器、ガス警報装置や
防犯警報装置等の警報装置、産業用ロボット、補聴器、心臓ペースメーカ、X線撮影装置
、放射線測定器、電気マッサージ器や透析装置等の健康機器や医療機器、携帯電話機(携
帯電話、携帯電話装置ともいう)、携帯型ゲーム機、携帯情報端末、照明装置、ヘッドホ
ン、ステレオ、リモートコントローラ、置き時計や壁掛け時計等の時計、コードレス電話
子機、トランシーバ、歩数計、電卓、デジタルオーディオプレーヤ等の携帯型又は据置型
の音響再生装置、パチンコ機などの大型ゲーム機などが挙げられる。
また、フレキシブルな形状を備える蓄電装置を、家屋やビルの内壁または外壁や、自動
車の内装または外装の曲面に沿って組み込むことも可能である。
図6(A)は、携帯電話機の一例を示している。携帯電話機7400は、筐体7401
に組み込まれた表示部7402の他、操作ボタン7403、外部接続ポート7404、ス
ピーカ7405、マイク7406などを備えている。なお、携帯電話機7400は、蓄電
装置7407を有している。
図6(B)は、携帯電話機7400を湾曲させた状態を示している。携帯電話機740
0を外部の力により変形させて全体を湾曲させると、その内部に設けられている蓄電装置
7407も湾曲される。また、その時、曲げられた蓄電装置7407の状態を図6(C)
に示す。蓄電装置7407はラミネート構造の蓄電池(フィルム外装電池とも呼ばれる)
である。蓄電装置7407は曲げられた状態で固定されている。なお、蓄電装置7407
は集電体7409と電気的に接続されたリード電極7408を有している。例えば、蓄電
装置7407の外装体のフィルムにエンボス加工を行っており、切れ目を有する集電体を
用い、蓄電装置7407が曲げられた状態での信頼性が高い構成となっている。
図6(D)は、バングル型の携帯電話の一例を示している。携帯電話7100は、筐体
7101、表示部7102、操作ボタン7103、及び蓄電装置7104を備える。また
、図6(E)に曲げることのできる蓄電装置7104の状態を示す。蓄電装置7104は
曲げられた状態で使用者の腕への装着時に、筐体が変形して蓄電装置7104の一部また
は全部の曲率が変化する。具体的には、曲率半径が10mm以上150mm以下の範囲内
で筐体または蓄電装置7104の主表面の一部または全部が変化する。なお、蓄電装置7
104は集電体7106と電気的に接続されたリード電極7105を有している。例えば
、蓄電装置7104の外装体のフィルムに複数の凹凸を形成するプレス加工を行っており
、切れ目を有する集電体を用い、蓄電装置7104が曲率を変化させて曲げられる回数が
多くとも高い信頼性を維持できる構成となっている。
図7(A)は、掃除機の一例を示している。掃除機に二次電池を備えることでコードレス
とすることができ、掃除機内部はゴミを吸い取り収納する集塵スペースを確保するため、
蓄電装置7604の占める空間は小さければ小さいほど好ましい。従って、薄型であり、
外側表面と集塵スペースとの間に曲げることのできる蓄電装置7604を配置することは
有用である。掃除機7600は、操作ボタン7603、及び蓄電装置7604を備える。
また、図7(B)に曲げることのできる蓄電装置7604の状態を示す。蓄電装置760
4は、外装体のフィルムにエンボス加工を行っており、切れ目を有する集電体を用い、蓄
電装置7604が曲げられた状態での信頼性が高い構成となっている。蓄電装置7604
は負極と電気的に接続されたリード電極7601と、正極と電気的に接続されたリード電
極7602を有する。
また、外装体の一つの短辺に2つのリード電極を露出させている蓄電装置7604の他の
例として、図7(C)に曲げることのできる蓄電装置7605の状態を示す。蓄電装置7
605は、外装体の2つの短辺にそれぞれ集電体またはリード電極を露出される構成であ
る。
また、蓄電装置7605の内部構成の一例を図7(D)に示す。図7(D)に示すように
、正極集電体12、セパレータ13、2つの負極集電体14で構成されている。2つの負
極集電体14は切れ目を有しており、その切れ目は、蓄電装置7605の曲げる方向に垂
直な方向に伸びている。また、セパレータ13は折り曲げており、その間に正極集電体1
2を有している。また、正極集電体12の両面には正極活物質層を有している。
また、実施の形態1を用いて得られるリチウムイオン二次電池を組み込んだ電子機器の一
例を図8、及び図9に示す。
電子機器7700は、折り曲げることのできる表示部7702を有しており、図8(A)
は、表示部7702を開いた状態の平面図を示している。また、電子機器7700の断面
図を図8(B)に示しており、蓄電装置7704が内部に設けられている。また、表示部
7702を開いた状態の外観斜視図が図9(A)に相当する。
また、折り曲げるためのヒンジ7701、7703が設けられており、表示部7702は
、プラスチック基板上に有機EL素子を有するアクティブマトリクス型表示装置であり、
フレキシブル表示パネルである。例えば、酸化物半導体層を有するトランジスタを有し、
そのトランジスタと有機EL素子が電気的に接続し、トランジスタ及び有機EL素子は、
2枚のプラスチック基板の間に配置されている。図8、及び図9に示す電子機器は、ヒン
ジ7701、7703が設けられている部分で折り曲げることで小型化することのできる
電子機器7700の一例である。
また、折り曲げた状態の断面図が図8(C)であり、その外観斜視図が図9(B)に相当
する。2つのヒンジ7701、7703を用いて2か所を折り曲げる例を示したが特に限
定されず、表示部7702のサイズを大きくしてヒンジを増やすことで3か所以上折り曲
げる電子機器としてもよい。また、1つのヒンジを用いて1か所を折り曲げる電子機器と
してもよい。
また、電子機器7700の筐体の材料(シリコンゴムやプラスチック材料)を選定し、フ
レキシブルな筐体とすれば、内部に設けられた蓄電装置7704も曲げることができ、電
子機器7700の全体または一部を曲げることもできる。
また、曲げることのできる蓄電装置を車両に搭載すると、ハイブリッド車(HEV)、電
気自動車(EV)、又はプラグインハイブリッド車(PHEV)等の次世代クリーンエネ
ルギー自動車を実現できる。また、農業機械、電動アシスト自転車を含む原動機付自転車
、自動二輪車、電動車椅子、電動カート、小型又は大型船舶、潜水艦、固定翼機や回転翼
機等の航空機、ロケット、人工衛星、宇宙探査機や惑星探査機、宇宙船などの移動体に曲
げることのできる蓄電装置を搭載することもできる。
図10において、本発明の一態様を用いた車両を例示する。図10(A)に示す自動車8
100は、走行のための動力源として電気モーターを用いる電気自動車である。または、
走行のための動力源として電気モーターとエンジンを適宜選択して用いることが可能なハ
イブリッド自動車である。ラミネート構造の二次電池を車両に搭載する場合、複数のラミ
ネート構造の二次電池を集積させたバッテリーモジュールを一箇所または複数個所に設置
する。本発明の一態様を用いることで、蓄電装置自体を小型軽量化することができ、例え
ば、タイヤの内側に曲面を有する蓄電装置を設け、航続距離の長い車両を実現することが
できる。また、様々な形状とした蓄電装置を車両の隙間に配置することができ、トランク
のスペースや車内の乗車スペースを確保できる。また、自動車8100は蓄電装置を有す
る。蓄電装置は電気モーター8106を駆動するだけでなく、ヘッドライト8101やル
ームライト(図示せず)などの発光装置に電力を供給することができる。
また、蓄電装置は、自動車8100が有するスピードメーター、タコメーターなどの表示
装置に電力を供給することができる。また、蓄電装置は、自動車8100が有するナビゲ
ーションゲーションシステムなどの半導体装置に電力を供給することができる。
図10(B)に示す自動車8200は、自動車8200が有する蓄電装置にプラグイン方
式や非接触給電方式等により外部の充電設備から電力供給を受けて、充電することができ
る。図10(B)に、地上設置型の充電装置8021から自動車8200に搭載された蓄
電装置に、ケーブル8022を介して充電を行っている状態を示す。充電に際しては、充
電方法やコネクタの規格等はCHAdeMO(登録商標)やコンボ等の所定の方式で適宜
行えばよい。充電装置8021は、商用施設に設けられた充電ステーションでもよく、ま
た家庭の電源であってもよい。例えば、プラグイン技術によって、外部からの電力供給に
より自動車8200に搭載された蓄電装置8024を充電することができる。充電は、A
CDCコンバータ等の変換装置を介して、交流電力を直流電力に変換して行うことができ
る。
また、図示しないが、受電装置を車両に搭載し、地上の送電装置から電力を非接触で供給
して充電することもできる。この非接触給電方式の場合には、道路や外壁に送電装置を組
み込むことで、停車中に限らず走行中に充電を行うこともできる。また、この非接触給電
の方式を利用して、2台の車両どうしで電力の送受信を行ってもよい。さらに、車両の外
装部に太陽電池を設け、停車時や走行時に蓄電装置の充電を行ってもよい。このような非
接触での電力の供給には、電磁誘導方式や磁界共鳴方式を用いることができる。
本発明の一態様によれば、蓄電装置の設置場所の自由度が上がり、車の車両設計を効率よ
く行うことができる。また、本発明の一態様によれば、蓄電装置の特性を向上することが
でき、よって、蓄電装置自体を小型軽量化することができる。蓄電装置自体を小型軽量化
できれば、車両の軽量化に寄与するため、航続距離を向上させることができる。また、車
両に搭載した蓄電装置を車両以外の電力供給源として用いることもできる。この場合、電
力需要のピーク時に商用電源を用いることを回避することができる。
なお、ある一つの実施の形態の中で述べる内容(一部の内容でもよい)は、その実施の形
態で述べる別の内容(一部の内容でもよい)、及び/又は、一つ若しくは複数の別の実施
の形態で述べる内容(一部の内容でもよい)に対して、適用、組み合わせ、又は置き換え
などを行うことが出来る。
なお、実施の形態の中で述べる内容とは、各々の実施の形態において、様々な図を用いて
述べる内容、又は明細書に記載される文章を用いて述べる内容のことである。
なお、ある一つの実施の形態において述べる図(一部でもよい)は、その図の別の部分、
その実施の形態において述べる別の図(一部でもよい)、及び/又は、一つ若しくは複数
の別の実施の形態において述べる図(一部でもよい)に対して、組み合わせることにより
、さらに多くの図を構成させることが出来る。
なお、明細書の中の図面や文章において規定されていない内容について、その内容を除く
ことを規定した発明の一態様を構成することが出来る。または、ある値について、上限値
と下限値などで示される数値範囲が記載されている場合、その範囲を任意に狭めることで
、または、その範囲の中の一点を除くことで、その範囲を一部除いた発明の一態様を規定
することができる。これらにより、例えば、従来技術が本発明の一態様の技術的範囲内に
入らないことを規定することができる。
具体例としては、ある回路において、第1乃至第5のトランジスタを用いている回路図が
記載されているとする。その場合、その回路が、第6のトランジスタを有していないこと
を発明として規定することが可能である。または、その回路が、容量素子を有していない
ことを規定することが可能である。さらに、その回路が、ある特定の接続構造をとってい
るような第6のトランジスタを有していない、と規定して発明を構成することができる。
または、その回路が、ある特定の接続構造をとっている容量素子を有していない、と規定
して発明を構成することができる。例えば、ゲートが第3のトランジスタのゲートと接続
されている第6のトランジスタを有していない、と発明を規定することが可能である。ま
たは、例えば、第1の電極が第3のトランジスタのゲートと接続されている容量素子を有
していない、と発明を規定することが可能である。
別の具体例としては、ある値について、例えば、「ある電圧が、3V以上10V以下であ
ることが好適である」と記載されているとする。その場合、例えば、ある電圧が、-2V
以上1V以下である場合を除く、と発明の一態様を規定することが可能である。または、
例えば、ある電圧が、13V以上である場合を除く、と発明の一態様を規定することが可
能である。なお、例えば、その電圧が、5V以上8V以下であると発明を規定することも
可能である。なお、例えば、その電圧が、概略9Vであると発明を規定することも可能で
ある。なお、例えば、その電圧が、3V以上10V以下であるが、9Vである場合を除く
と発明を規定することも可能である。なお、ある値について、「このような範囲であるこ
とが好ましい」、「これらを満たすことが好適である」となどと記載されていたとしても
、ある値は、それらの記載に限定されない。つまり、「好ましい」、「好適である」など
と記載されていたとしても、必ずしも、それらの記載には、限定されない。
別の具体例としては、ある値について、例えば、「ある電圧が、10Vであることが好適
である」と記載されているとする。その場合、例えば、ある電圧が、-2V以上1V以下
である場合を除く、と発明の一態様を規定することが可能である。または、例えば、ある
電圧が、13V以上である場合を除く、と発明の一態様を規定することが可能である。
別の具体例としては、ある物質の性質について、例えば、「ある膜は、絶縁膜である」と
記載されているとする。その場合、例えば、その絶縁膜が、有機絶縁膜である場合を除く
、と発明の一態様を規定することが可能である。または、例えば、その絶縁膜が、無機絶
縁膜である場合を除く、と発明の一態様を規定することが可能である。または、例えば、
その膜が、導電膜である場合を除く、と発明の一態様を規定することが可能である。また
は、例えば、その膜が、半導体膜である場合を除く、と発明の一態様を規定することが可
能である。
別の具体例としては、ある積層構造について、例えば、「A膜とB膜との間に、ある膜が
設けられている」と記載されているとする。その場合、例えば、その膜が、4層以上の積
層膜である場合を除く、と発明を規定することが可能である。または、例えば、A膜とそ
の膜との間に、導電膜が設けられている場合を除く、と発明を規定することが可能である
なお、本明細書等において記載されている発明の一態様は、さまざまな人が実施すること
が出来る。しかしながら、その実施は、複数の人にまたがって実施される場合がある。例
えば、送受信システムの場合において、A社が送信機を製造および販売し、B社が受信機
を製造および販売する場合がある。別の例としては、トランジスタおよび発光素子を有す
る発光装置の場合において、トランジスタが形成された半導体装置は、A社が製造および
販売する。そして、B社がその半導体装置を購入して、その半導体装置に発光素子を成膜
して、発光装置として完成させる、という場合がある。
このような場合、A社またはB社のいずれに対しても、特許侵害を主張できるような発明
の一態様を、構成することが出来る。つまり、A社のみが実施するような発明の一態様を
構成することが可能であり、別の発明の一態様として、B社のみが実施するような発明の
一態様を構成することが可能である。また、A社またはB社に対して、特許侵害を主張で
きるような発明の一態様は、明確であり、本明細書等に記載されていると判断する事が出
来る。例えば、送受信システムの場合において、送信機のみの場合の記載や、受信機のみ
の場合の記載が本明細書等になかったとしても、送信機のみで発明の一態様を構成するこ
とができ、受信機のみで別の発明の一態様を構成することができ、それらの発明の一態様
は、明確であり、本明細書等に記載されていると判断することが出来る。別の例としては
、トランジスタおよび発光素子を有する発光装置の場合において、トランジスタが形成さ
れた半導体装置のみの場合の記載や、発光素子を有する発光装置のみの場合の記載が本明
細書等になかったとしても、トランジスタが形成された半導体装置のみで発明の一態様を
構成することができ、発光素子を有する発光装置のみで発明の一態様を構成することがで
き、それらの発明の一態様は、明確であり、本明細書等に記載されていると判断すること
が出来る。
なお、本明細書等においては、能動素子(トランジスタ、ダイオードなど)、受動素子(
容量素子、抵抗素子など)などが有するすべての端子について、その接続先を特定しなく
ても、当業者であれば、発明の一態様を構成することは可能な場合がある。つまり、接続
先を特定しなくても、発明の一態様が明確であると言える。そして、接続先が特定された
内容が、本明細書等に記載されている場合、接続先を特定しない発明の一態様が、本明細
書等に記載されていると判断することが可能な場合がある。特に、端子の接続先が複数の
ケース考えられる場合には、その端子の接続先を特定の箇所に限定する必要はない。した
がって、能動素子(トランジスタ、ダイオードなど)、受動素子(容量素子、抵抗素子な
ど)などが有する一部の端子についてのみ、その接続先を特定することによって、発明の
一態様を構成することが可能な場合がある。
なお、本明細書等においては、ある回路について、少なくとも接続先を特定すれば、当業
者であれば、発明を特定することが可能な場合がある。または、ある回路について、少な
くとも機能を特定すれば、当業者であれば、発明を特定することが可能な場合がある。つ
まり、機能を特定すれば、発明の一態様が明確であると言える。そして、機能が特定され
た発明の一態様が、本明細書等に記載されていると判断することが可能な場合がある。し
たがって、ある回路について、機能を特定しなくても、接続先を特定すれば、発明の一態
様として開示されているものであり、発明の一態様を構成することが可能である。または
、ある回路について、接続先を特定しなくても、機能を特定すれば、発明の一態様として
開示されているものであり、発明の一態様を構成することが可能である。
なお、本明細書等においては、ある一つの実施の形態において述べる図または文章におい
て、その一部分を取り出して、発明の一態様を構成することは可能である。したがって、
ある部分を述べる図または文章が記載されている場合、その一部分の図または文章を取り
出した内容も、発明の一態様として開示されているものであり、発明の一態様を構成する
ことが可能であるものとする。そして、その発明の一態様は明確であると言える。そのた
め、例えば、能動素子(トランジスタ、ダイオードなど)、配線、受動素子(容量素子、
抵抗素子など)、導電層、絶縁層、半導体層、有機材料、無機材料、部品、装置、動作方
法、製造方法などが単数もしくは複数記載された図面または文章において、その一部分を
取り出して、発明の一態様を構成することが可能であるものとする。例えば、N個(Nは
整数)の回路素子(トランジスタ、容量素子等)を有して構成される回路図から、M個(
Mは整数で、M<N)の回路素子(トランジスタ、容量素子等)を抜き出して、発明の一
態様を構成することは可能である。別の例としては、N個(Nは整数)の層を有して構成
される断面図から、M個(Mは整数で、M<N)の層を抜き出して、発明の一態様を構成
することは可能である。さらに別の例としては、N個(Nは整数)の要素を有して構成さ
れるフローチャートから、M個(Mは整数で、M<N)の要素を抜き出して、発明の一態
様を構成することは可能である。さらに別の例としては、「Aは、B、C、D、E、また
は、Fを有する」と記載されている文章から、一部の要素を任意に抜き出して、「Aは、
BとEとを有する」、「Aは、EとFとを有する」、「Aは、CとEとFとを有する」、
または、「Aは、BとCとDとEとを有する」などの発明の一態様を構成することは可能
である。
なお、本明細書等においては、ある一つの実施の形態において述べる図または文章におい
て、少なくとも一つの具体例が記載される場合、その具体例の上位概念を導き出すことは
、当業者であれば容易に理解される。したがって、ある一つの実施の形態において述べる
図または文章において、少なくとも一つの具体例が記載される場合、その具体例の上位概
念も、発明の一態様として開示されているものであり、発明の一態様を構成することが可
能である。そして、その発明の一態様は、明確であると言える。
なお、本明細書等においては、少なくとも図に記載した内容(図の中の一部でもよい)は
、発明の一態様として開示されているものであり、発明の一態様を構成することが可能で
ある。したがって、ある内容について、図に記載されていれば、文章を用いて述べていな
くても、その内容は、発明の一態様として開示されているものであり、発明の一態様を構
成することが可能である。同様に、図の一部を取り出した図についても、発明の一態様と
して開示されているものであり、発明の一態様を構成することが可能である。そして、そ
の発明の一態様は明確であると言える。
本実施例では、正極と、セパレータと、負極と、を複数組用意して、外装体となるラミネ
ートフィルムで囲って封止し、複数の正極と接続された正極リードと、複数の負極と接続
された負極リードが突出している二次電池のサンプルを作製し、そのサンプルを湾曲させ
る動作を繰り返す実験を行い、実験後にX線CT像を撮影して内部の電極に破損がないか
どうかを確認した。
まず、正極として図13(A)に示す上面形状を有する電極を作製した。正極集電体には
アルミニウムを用いた。
上記の正極に対してレーザ加工を行い幅0.5mm以上5mm以下のスリットを形成した
。本実施例では、図13(A)に示すように2箇所に幅2mmのスリットを形成した。第
1のスリットと、第2のスリットのなす角度αは90度未満とした。
また、負極として図13(B)に示す上面形状を有する電極を作製した。負極集電体には
銅を用いた。
上記の負極に対してレーザ加工を行い、2箇所に幅2mmのスリットを形成した。第1の
スリットと、第2のスリットのなす角度βは90度未満とした。
次に、レーザ加工を行った正極および負極と、セパレータとの組み合わせを6組(すなわ
ち正極と負極の合計12枚)用意して重ねた。そしてこれらを、エンボス加工を行ったラ
ミネートフィルムで囲んだ。そして複数の正極集電体の突出部と一つのリード電極を超音
波溶接により電気的に接続した。また複数の負極集電体の突出部ともう一つのリード電極
を同様に接続した。
次に、ラミネートフィルムにより囲われた領域に電解液を注入し、ラミネートフィルムを
熱圧着により接着して電極および電解液を封止し、二次電池のサンプルを作製した。
このサンプルを複数回折り曲げて電極タブ周辺で切断などが生じないかどうかをX線CT
像にて確認した。図14は、サンプルのX線CT像である。図14ではサンプル内部で損
傷が見られていないことから、図13(A)及び図13(B)に示す電極形状は、サンプ
ルを曲げた場合に電極の端部が引っ張られて電極タブ周辺にクラックなどが入ることを防
ぐ効果がある。
本実施例では、本発明の一態様を用いた蓄電装置として、実施例1で示したような薄型の
二次電池(リチウムイオン二次電池)を作製し、曲げ試験装置を用いて、初期および曲げ
試験後の充放電特性について評価を行った。
本実施例でサンプルとして用いた二次電池の材料および作製方法について述べる。
まず正極については、正極活物質にはLiCoOを用い、これに導電助剤およびバイン
ダとしてアセチレンブラック(AB)およびPVDFを混合した。これらの混合割合は、
LiCoOを90重量%、ABを5重量%、PVDFを5重量%とした。また正極集電
体には、厚さ20μmのアルミニウムを用い、正極集電体の両面または片面に、LiCo
、ABおよびPVDFの混合物を塗工したのち、図13(A)に示す上面形状を有す
るよう、2箇所に幅2mmのスリットを形成するレーザ加工を行った。レーザ加工後、正
極をエタノールで洗浄した。
次に負極については、負極活物質には黒鉛を用い、これに導電助剤およびバインダとして
気相法炭素繊維(VGCF)、カルボキシメチルセルロース(CMC)およびスチレン・
ブタジエンゴム(SBR)を混合した。これらの混合割合は、黒鉛を96重量%、VGC
Fを約1重量%、CMCを約1重量%、SBRを約1重量%とした。また負極集電体には
厚さ18μmの銅を用いた。負極集電体の両面または片面に、黒鉛、VGCF、CMCお
よびSBRの混合物を塗工したのち、図13(B)に示す上面形状を有するよう、2箇所
に幅2mmのスリットを形成するレーザ加工を行った。レーザ加工後、負極をエタノール
で洗浄した。
本実施例では、正極として、両面に正極活物質、導電助剤およびバインダを塗工した電極
を3枚用いた。また負極として、両面に負極活物質、導電助剤およびバインダを塗工した
電極を2枚と、片面に負極活物質、導電助剤およびバインダを塗工した電極を2枚用いた
。すなわち、正極負極あわせて計7枚の金属箔を用いた。
次に、電解液には、EC:DEC:EMC:=3:6:1(重量比)で混合した有機溶媒
中に、1.2mol/LのLiPFを溶解させ、添加剤としてプロパンスルトン(PS
)を0.5重量%、ビニレンカーボネート(VC)を0.5重量%加えたものを用いた。
また、セパレータにはポリプロピレンを用いた。
また、外装体にはエンボス加工を行ったラミネートフィルムを用いた。ラミネートフィル
ムは、金属フィルム(ここではアルミニウムフィルム)を一層とし、有機材料からなるプ
ラスチックフィルム(ここでは熱融着性樹脂フィルム)を一層として含む多層構造のフィ
ルムである。
上記のレーザ加工した正極、負極と、セパレータとを積み重ね、ラミネートフィルムで囲
んだ。そして複数の正極集電体の突出部と一つのリード電極を超音波溶接により電気的に
接続した。また複数の負極集電体の突出部ともう一つのリード電極を同様に接続した。
そして、電解液を入れるための一辺を残すため、ラミネートフィルムの2辺に対して熱圧
着を行って封止した。熱圧着の際、リード電極に設けられた封止層も溶けてリード電極と
ラミネートフィルムとの間が固定された。そして、減圧雰囲気下、或いは不活性雰囲気下
で所望の量の電解液をラミネートフィルムが袋状となった内側に滴下した。そして、最後
に、熱圧着をせずに残していたフィルムの周縁に対して熱圧着を行って封止した。
上記のようにして、約300mAhの容量を有する二次電池のサンプルを作製した。
二次電池を曲げて、曲率半径が約40mmの曲面を有する枠に固定した。その観察写真が
図15(A)である。
また、枠に固定した状態で二次電池のX線CT写真を撮影した図が図15(B)に相当す
る。
また、充電後にリチウムイオン二次電池を分解し、取り出してピンセットで持っている正
極の写真が図15(C)であり、負極の写真が図15(D)である。
また、合計10000回の曲げ試験の中で、0回、1000回、3000回、6000回
、10000回の時点でそれぞれX線CT写真を撮影し、内部にダメージがあるかどうか
を確認した。それぞれ、図16(A)、図16(B)、図16(C)、図16(D)、図
16(E)に示す。また、各X線CT分析の後に充放電を行い、電池特性の確認も行った
。充放電特性を図16(G)に示す。曲げ試験は、後述する充電中の曲げ試験と同様に行
った。
なお、10000回の曲げ試験を終えた後の二次電池の外観写真を図16(F)に示す。
また、充電開始から満充電の間の充電中に曲げ試験を繰り返し数1000回行いながら測
定した、リチウムイオン二次電池の充電特性を図17(A)に示す。曲げ試験は、曲げ試
験装置を用い、二次電池の電極部を上下から薄い金属板で挟んで、最大曲率半径150m
mと最小曲率半径40mmの変形を繰り返し与えることにより行った。曲げ試験の期間中
、最大曲率半径150mmと最小曲率半径40mmの繰り返しは10秒間隔で1000回
行った。また充電は、0.2Cに相当する61mAで4.1Vに至るまで定電流で充電し
たのち、4.1Vにて電流値が3mAに至るまで定電圧充電を行った。
また、放電開始から放電終了の間の放電中に曲げ試験を繰り返し数1000回行いながら
測定した、リチウムイオン二次電池の放電特性を図17(B)に示す。曲げ試験は、上記
の充電中の曲げ試験と同様に行った。また放電は、0.2Cに相当する61mAで2.5
Vに至るまで定電流放電を行った。
ここで、充電レートおよび放電レートについて説明する。例えば、ある容量[Ah]の二
次電池を定電流充電する際に、充電レート1Cとは、ちょうど1時間で充電終了となる電
流値I[A]のことであり、充電レート0.2Cとは、I/5[A](すなわち、ちょう
ど5時間で充電終了となる電流値)のことである。同様に、放電レート1Cとは、ちょう
ど1時間で放電終了となる電流値I[A]のことであり、放電レート0.2Cとは、I/
5[A](すなわち、ちょうど5時間で放電終了となる電流値)のことである。
図17(A)及び図17(B)の結果から、充放電中に曲げ試験を実施した場合でも電圧
変動などの悪影響は観察されなかった。
11 フィルム
12 正極集電体
12a 正極集電体
12b 正極集電体
12c 正極集電体
12d 正極集電体
13 セパレータ
14 負極集電体
15 封止層
16a リード電極
16b リード電極
17 熱圧着領域
18 正極活物質層
19 負極活物質層
20 電解液
21 切れ目
27 開口
30 接着層
40 二次電池
1700 曲面
1701 平面
1702 曲線
1703 曲率半径
1704 曲率中心
1800 曲率中心
1801 フィルム
1802 曲率半径
1803 フィルム
1804 曲率半径
7100 携帯電話
7101 筐体
7102 表示部
7103 操作ボタン
7104 蓄電装置
7105 リード電極
7106 集電体
7400 携帯電話機
7401 筐体
7402 表示部
7403 操作ボタン
7404 外部接続ポート
7405 スピーカ
7406 マイク
7407 蓄電装置
7408 リード電極
7409 集電体
7600 掃除機
7601 リード電極
7602 リード電極
7603 操作ボタン
7604 蓄電装置
7605 蓄電装置
7700 電子機器
7701 ヒンジ
7702 表示部
7703 ヒンジ
7704 蓄電装置
8021 充電装置
8022 ケーブル
8024 蓄電装置
8100 自動車
8101 ヘッドライト
8106 電気モーター
8200 自動車

Claims (2)

  1. L字形状の部分を有する集電体を有する二次電池であって、
    前記集電体は、前記L字形状の部分の内側をなす、第1の辺と、第2の辺と、を有し、
    前記第1の辺と前記第2の辺との間に、湾曲する部分を有し、
    前記第1の辺の延伸上と前記第2の辺の延伸上の交点において、前記集電体を有さない二次電池。
  2. L字形状の部分を有する集電体を有する二次電池であって、
    前記集電体は、前記L字形状の部分の内側をなす、第1の辺と、第2の辺と、を有し、
    前記第1の辺と前記第2の辺との間に、湾曲する部分を有し、
    前記湾曲する部分は、前記集電体の内側に向かって形状を有する二次電池。
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