JP7352895B2 - 電子機器 - Google Patents

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Description

本開示は、電子機器に関する。
特許文献1には、第1のケース本体と第2のケース本体とをヒンジ部によって開閉可能に連結した電子機器が開示されている。
特開2009-181280号公報
本開示は、機械的強度を向上させた電子機器を提供することを目的する。
本開示の一態様の電子機器は、
金属材料で形成される筐体を備え、
前記筐体は、第1主面と、前記第1主面と反対側の第2主面と、を有する板状部材を備え、
前記板状部材には、前記板状部材の厚み方向に貫通孔が設けられており、
前記貫通孔を画定する前記板状部材の内壁は、
前記板状部材の前記第1主面から前記第2主面に向かって、前記貫通孔の寸法を小さくする方向に傾斜する傾斜面と、
前記板状部材の前記第1主面から前記第2主面に向かう方向に延び、且つ前記傾斜面と前記板状部材の前記第2主面とを接続する接続面と、
を有する。
本開示によれば、機械的強度を向上させた電子機器を提供することができる。
本開示に係る実施の形態1の電子機器の一例を示す概略斜視図である。 図1の電子機器の第2筐体の一例を示す概略斜視図である。 本開示に係る実施の形態1の電子機器における第1ケースと第2ケースとの固定の一例を示す概略斜視図である。 本開示に係る実施の形態1における第2ケースの一例の概略斜視図である。 図4のZ2部分の概略拡大図である。 図5の第2ケースをA1-A1線で切断した概略断面図である。 図5の第2ケースをB1-B1線で切断した概略断面図である。 本開示に係る実施の形態1における第2ケースの第1孔を作製する方法の一例を示す概略図である。 本開示に係る実施の形態1における固定部材の一例を示す概略斜視図である。 本開示に係る実施の形態1における固定部材による第1ケースと第2ケースとの固定の一例を示す概略拡大斜視図である。 本開示に係る実施の形態1における第1ケースと第2ケースとの固定の一例を示す概略断面図である。 本開示に係る実施の形態1における第1ケースと第2ケースとの固定の一例を示す概略断面図である。 本開示に係る実施の形態1におけるLIDスイッチの設置の一例を示す概略断面図である。
(本開示に至った経緯)
電子機器として、例えば、ノートブック型コンピュータ(ラップトップPC)が挙げられる。ノートブック型コンピュータは、表示部を有する第1筐体と、入力部を有する第2筐体と、第1筐体と第2筐体とを回動可能に接続するヒンジ部と、を備える。また、ノートブック型コンピュータは、第1筐体と第2筐体とが回動し、表示部と入力部とが対面する位置に配置される。
このようなコンピュータにおいて、金属材料で形成される筐体に設けられた板状部材に物体を挿入するための貫通孔が設けられている。物体としては、例えば、固定部材、電子部品、ケーブルなどが挙げられる。当該貫通孔に物体を挿入する際に、物体の貫通孔への位置決めを行うために貫通孔を画定する内壁に傾斜面を設ける場合がある。傾斜面に物体の先端を接触させながら、物体を貫通孔へ挿入することによって、傾斜面が物体の先端を貫通孔へと案内する。
しかしながら、薄い板状部材において、貫通孔を画定する内壁に傾斜面を設ける場合、傾斜面と板状部材の主面とで形成されるエッジ部分の厚みが薄くなる。このため、エッジ部分に物体の先端が接触すると、エッジ部分が削れてしまい、削れた金属粉が電子部品上に落下する。これにより、金属粉によって短絡するなどの問題が生じる。
そこで、本発明者らは、貫通孔を画定する内壁において、傾斜面と主面とを接続する接続面を形成し、傾斜面と板状部材の主面とで形成されるエッジ部分の厚みを大きくすることを見出し、以下の開示に至った。
本開示の一態様の電子機器は、
金属材料で形成される筐体を備え、
前記筐体、第1主面と、前記第1主面と反対側の第2主面と、を有する板状部材を備え、
前記板状部材には、前記板状部材の厚み方向に貫通孔が設けられており、
前記貫通孔を画定する前記板状部材の内壁は、
前記板状部材の前記第1主面から前記第2主面に向かって、前記貫通孔の寸法を小さくする方向に傾斜する傾斜面と、
前記板状部材の前記第1主面から前記第2主面に向かう方向に延び、且つ前記傾斜面と前記板状部材の前記第2主面とを接続する接続面と、
を有する。
このような構成により、機械的強度を向上させることができる。
本開示の第2態様の電子機器においては、
前記板状部材の前記第1主面と前記第2主面とのうち少なくともいずれか一方には、前記板状部材の厚み方向において前記板状部材から離れる方向に突出し、前記貫通孔を画定する前記内壁に接続される突出部が設けられていてもよい。
このような構成により、より機械的強度を向上させることができる。
本開示の第3態様の電子機器においては、
前記突出部の突出量は、前記板状部材の厚みの0.1倍以上1倍以下であってもよい。
このような構成により、より機械的強度を向上させることができる。
本開示の第4態様の電子機器においては、
前記貫通孔は、長手方向を有する矩形状に形成されており、
前記傾斜面及び前記接続面は、前記貫通孔の長手方向の両側に設けられていてもよい。
このような構成により、より機械的強度を向上させることができる。
本開示の第5態様の電子機器においては、
前記板状部材の厚みは、0.3mm以上1mm以下である。
このような構成により、機械的強度を向上させることができる。
以下、本開示の実施形態について、添付の図面を参照しながら説明する。また、各図においては、説明を容易なものとするため、各要素を誇張して示している。
(実施の形態1)
[電子機器]
図1は、本開示に係る実施の形態1の電子機器1の一例を示す概略斜視図である。図2は、図1の電子機器1の第2筐体3の一例を示す概略斜視図である。図2においては、第1筐体2及びヒンジ部7の表示を省略している。なお、図中のX,Y,Z方向は、それぞれ、電子機器1の幅方向、奥行き方向、高さ方向を示す。
図1及び図2に示すように、電子機器1は、ノートブック型のパーソナルコンピュータ(ラップトップPC)である。電子機器1は、第1筐体2と、第2筐体3と、を備える。第1筐体2及び第2筐体3は、薄い箱型の外郭を有しており、上面側から見て矩形状を有する。
第1筐体2は、表示部として、液晶パネル4を収納する。第2筐体3は、入力部として、キーボード5と、タッチパッド6と、を収納する。なお、本明細書では、液晶パネル4を表示部4と称し、キーボード5及びタッチパッド6を入力部5,6と称する場合がある。
第1筐体2と第2筐体3とは、ヒンジ部7を介して接続されている。ヒンジ部7は、第1筐体2と第2筐体3とを回動可能に接続している。ヒンジ部7によって、第1筐体2及び/又は第2筐体3が回動し、電子機器1を開閉することができる。具体的には、ヒンジ部7によって、電子機器1をオープン状態、クローズ状態、タブレット状態にすることができる。なお、「オープン状態」とは、第1筐体2と第2筐体3とが離れて、表示部4及び入力部5,6が露出している状態を意味する。「クローズ状態」とは、第1筐体2と第2筐体3とが対向して配置され、表示部4と入力部5,6とが対面しており、表示部4及び入力部5,6が露出していない状態を意味する。「タブレット状態」とは、第1筐体2と第2筐体3とを360°開くことによって、第1筐体2と第2筐体3とが対向して配置され、表示部4及び入力部5,6が露出している状態を意味する。
第2筐体3は、第1ケース10と、第1ケース10と勘合する第2ケース20と、を有する。
第1ケース10は、キーボード5及びタッチパッド6が設けられる側に配置される。言い換えると、第1ケース10は、第1筐体2の液晶パネル4と対面する側に配置される。
第2ケース20は、第1ケース10の反対側に位置する。第2ケース20には、脱着可能なカバー21が取り付けられている。カバー21は、例えば、バッテリーを覆っている。
第1ケース10及び第2ケース20は、金属材料で形成されている。金属材料としては、例えば、マグネシウム合金などの材料が挙げられる。
図3は、本開示に係る実施の形態1の電子機器1における第1ケース10と第2ケース20との固定の一例を示す概略斜視図である。図3においては、カバー21とバッテリーの図示を省略している。図3に示すように、第1ケース10と第2ケース20とは、固定部材30によって固定されている。実施の形態1では、固定部材30は、第2筐体3の中央において、第1ケース10と第2ケース20とを固定している。なお、第2筐体3の外周部分においては、第1ケース10と第2ケース20とは、複数のねじによって固定されている。
固定部材30は、第2筐体3の中央において、バッテリーが配置される空間に配置されている。固定部材30は、バッテリーの位置決めをすると共に、第2筐体3内の電子部品を覆っている。このように、第2筐体3の中央において、第1ケース10と第2ケース20とは、固定部材30によって固定される。実施の形態1では、固定部材30は、電子部品を覆うカバーであり、且つバッテリーの位置決めを行う。
次に、固定部材30による第1ケース10と第2ケース20との固定の一例について説明する。
図4は、本開示に係る実施の形態1における第2ケース20の一例の概略斜視図である。図5は、図4の第2ケース20のZ1部分の概略拡大図である。図6は、図5の第2ケース20をA1-A1線で切断した概略断面図である。図7は、図5の第2ケース20をB1-B1線で切断した概略断面図である。
図4-図7に示すように、第2ケース20は、第1ケース10に向かって延びる板状部材22を有する。具体的には、板状部材22は、第2ケース20の内壁から第1ケース10に向かう方向(Z方向)に延びている。板状部材22は、バッテリーを配置する空間とキーボード5などの電子部品が配置される空間とを区切る仕切り部としても機能する。
板状部材22の厚みt1は、例えば、0.3mm以上1mm以下である。好ましくは、板状部材22の厚みt1は、0.4mm以上0.9mm以下である。より好ましくは、板状部材22の厚みt1は、0.5mm以上0.8mm以下である。
板状部材22は、第1主面PS1と、第1主面PS1と反対側の第2主面PS2と、を有する。第1主面PS1は、バッテリーが配置される側であって、固定部材30が配置される側に設けられる面である。第2主面PS2は、キーボード5などの電子部品が配置される側に設けられる面である。
板状部材22には、複数の第1孔23A,23Bと、第2孔24と、が設けられている。実施の形態1では、板状部材22には、2つの第1孔23A,23Bと、1つの第2孔24と、が設けられている。また、板状部材22において、第2孔24は、2つの第1孔23A,23Bとの間に設けられている。本明細書では、複数の第1孔23A,23Bと、第2孔24とを、貫通孔と称する場合がある。
図4-図6に示すように、複数の第1孔23A,23Bは、板状部材22を、板状部材22の厚み方向(Y方向)に貫通する貫通孔である。言い換えると、複数の第1孔23A,23Bは、第1主面PS1側の開口と第2主面PS2側の開口とが板状部材22の内壁を通じて連通している。
複数の第1孔23A,23Bは、板状部材22の厚み方向(Y方向)から見て矩形状を有している。複数の第1孔23A,23Bは、X方向に長手方向を有し、Z方向に短手方向を有する。
第2孔24は、板状部材22の厚み方向(Y方向)から見て矩形状を有している。第2孔24は、X方向に長手方向を有し、Z方向に短手方向を有する。実施の形態1では、第2孔24の長手方向(X方向)の寸法は、複数の第1孔23A,23Bの長手方向(X方向)の寸法よりも大きい。また、第2孔24は、板状部材22において、複数の第1孔23A,23Bよりも第2ケース20側に設けられている。
第1孔23Aについて説明する。図6に示すように、第1孔23Aを画定する板状部材22の内壁は、第1傾斜面25Aと、第1接続面25Bと、を有する。実施の形態1では、第1傾斜面25Aおよび第1接続面25Bは、矩形状の第1孔23Aの長手方向(X方向)の両側に設けられている。
第1傾斜面25Aは、板状部材22の第1主面PS1から第2主面PS2に向かって、第1孔23Aの寸法を小さくする方向に傾斜している。具体的には、第1傾斜面25Aは、板状部材22の第1主面PS1から第2主面PS2に向かって、第1孔23Aの長手方向(X方向)における寸法を小さくする方向に傾斜している。第1傾斜面25Aは、連続したフラット面であってもよいし、連続した湾曲面であってもよい。
第1傾斜面25Aは、第1孔23Aに物体を挿入する際のガイドとして機能する。例えば、第1孔23Aに物体を挿入する際に、物体の先端を第1傾斜面25Aに接触させながら、第1孔23Aへ挿入することができる。このように、第1傾斜面25Aは、第1孔23Aに物体を挿入する際にガイドとして機能し、挿入する物体の位置決めを容易に行うことができる。実施の形態1では、第1孔23Aには、後述する固定部材30の第1挿入部31A(図10参照)が挿入される。
第1接続面25Bは、板状部材22の第1主面PS1から第2主面PS2に向かう方向に延び、且つ第1傾斜面25Aと板状部材22の第2主面PS2とを接続する。第1接続面25Bは、板状部材22の厚み方向に延びている。第1接続面25Bと第2主面PS2とのなす角度は、第1傾斜面25Aと第2主面PS2となす角度よりも大きい。例えば、第1接続面25Bは、第1傾斜面25Aの端部から板状部材22の第2主面PS2と直交する方向に延び、板状部材22の第2主面PS2と接続される。第1傾斜面25Aと板状部材22の第2主面PS2とが第1接続面25Bを介して接続されることによって、第1孔23Aの内壁と第2主面PS2とで形成されるエッジ部分の厚みを大きくしている。
例えば、第1接続面25Bを介さずに第1傾斜面25Aと板状部材22の第2主面PS2とが接続される場合、第1孔23Aの内壁と第2主面PS2とで形成されるエッジ部分の厚みが小さい。このため、第1傾斜面25Aに物体を接触させながら第1孔23Aに挿入すると、エッジ部分が削れやすい。また、第1孔23Aに物体が挿入された後も、第1孔23A内を物体が動き、エッジ部分に接触する場合がある。この場合にもエッジ部分が削れてしまうことがある。
第2ケース20は、金属材料で形成されているため、エッジ部分の削れた金属材料が電子部品などに落下すると短絡などの問題が生じる場合がある。
そこで、第1傾斜面25Aと板状部材22の第2主面PS2とを第1接続面25Bを介して接続する。これにより、第1孔23Aの内壁と第2主面PS2とで形成されるエッジ部分の厚みを大きくすることができる。その結果、物体がエッジ部分に接触しても、エッジ部分が削れることを抑制している。
実施の形態1では、板状部材22の第2主面PS2には、突出部26が設けられている。突出部26は、板状部材22の厚み方向(Y方向)において板状部材22の第2主面PS2から板状部材22と離れる方向に突出し、第1孔23Aを画定する板状部材22の内壁に接続されている。第1接続面25Bは、突出部26の側壁に形成されている。なお、「板状部材22の第2主面PS2から板状部材22と離れる方向」とは、板状部材22の第1主面PS1側から第2主面PS2側へ向かう方向を意味する。
突出部26は、矩形状の第1孔23Aの長手方向(X方向)の両側に設けられている。突出部26は、第1孔23Aの長手方向(X方向)の両側において、板状部材22の第2主面PS2から板状部材22と離れる方向に突出している。これにより、第1孔23Aの内壁に第1接続面25Bを形成することができる。言い換えると、第1接続面25Bは、突出部26の側壁によって形成される。
また、突出部26の突出量t2を調整することによって、第1接続面25BのY方向の寸法を調整することができる。即ち、突出部26の突出量t2を調整することによって、エッジ部分の厚みを調整することができる。
突出部26の突出量t2は、板状部材22の厚みt1の0.1倍以上1倍以下である。好ましくは、突出部26の突出量t2は、板状部材22の厚みt1の0.3倍以上0.8倍以下である。より好ましくは、突出部26の突出量t2は、板状部材22の厚みt1の0.4倍以上0.7倍以下である。
実施の形態1では、第1孔23Bは、第1孔23Aと同様の構造を有するため、説明を省略する。
次に、第2孔24について説明する。図7に示すように、第2孔24を画定する板状部材22の内壁は、第2傾斜面27Aと、第2接続面27Bと、を有する。実施の形態1では、第2傾斜面27Aおよび第2接続面27Bは、矩形状の第2孔24の長手方向の両側に設けられている。
第2傾斜面27Aは、板状部材22の第1主面PS1から第2主面PS2に向かって、第2孔24の寸法を小さくする方向に傾斜している。具体的には、第2傾斜面27Aは、板状部材22の第1主面PS1から第2主面PS2に向かって、第2孔24の長手方向(X方向)における寸法を小さくする方向に傾斜している。第2傾斜面27Aは、連続したフラット面であってもよいし、連続した湾曲面であってもよい。
第2傾斜面27Aは、第1傾斜面25Aと同様に、第2孔24に物体を挿入する際のガイドとして機能する。実施の形態1では、第2孔24には、後述する固定部材30の第2挿入部32(図10参照)が挿入される。
第2接続面27Bは、板状部材22の第1主面PS1から第2主面PS2に向かう方向に延び、且つ第2傾斜面27Aと板状部材22の第2主面PS2とを接続する。具体的には、第2接続面27Bは、第2傾斜面27Aの端部から板状部材22の第2主面PS2と直交する方向に延び、板状部材22の第2主面PS2と接続される。第2傾斜面27Aと板状部材22の第2主面PS2とが第2接続面27Bを介して接続されることによって、第2孔24の内壁と第2主面PS2とで形成されるエッジ部分の厚みを大きくしている。これにより、第2孔24内に物体が挿入される際に、物体がエッジ部分に接触して削れることを抑制している。
実施の形態1では、板状部材22の第1主面PS1には、突出部28が設けられている。突出部28は、板状部材22の厚み方向(Y方向)において板状部材22の第1主面PS1から板状部材22と離れる方向に突出し、第2孔24を画定する板状部材22の内壁に接続されている。第2傾斜面27Aは、突出部28の側壁に形成されている。なお、「板状部材22の第1主面PS1から板状部材22と離れる方向」とは、板状部材22の第2主面PS2側から第1主面PS1側へ向かう方向を意味する。
突出部28は、矩形状の第2孔24の長手方向(X方向)の両側に設けられている。突出部28は、第2孔24の長手方向(X方向)の両側において、板状部材22の第1主面PS1から板状部材22と離れる方向に突出している。これにより、突出部28の側壁に、第2傾斜面27Aを形成し、第2孔24の内壁に第2接続面27Bを形成することができる。
また、突出部28の突出量t3を調整することによって、第2接続面27BのY方向の寸法を調整することができる。即ち、突出部28の突出量t3を調整することによって、エッジ部分の厚みを調整することができる。突出部28の突出量t3は、突出部26の突出量t2と同様である。
図8は、本開示に係る実施の形態1における第2ケース20の第1孔23Aを作製する方法の一例を示す概略図である。図8に示すように、第2ケース20の第1孔23Aは、NCフライス40を用いて作製される。具体的には、板状部材22の第1主面PS1側からNCフライス40を接触させ、水平方向(X方向)に移動させることによって、板状部材22を削る。これにより、矩形状の第1孔23Aが作製される。なお、第1孔23B及び第2孔24についても、第1孔23Aの作製方法と同様の方法で作製することができる。
図9は、本開示に係る実施の形態1における固定部材30の一例を示す概略斜視図である。図9に示すように、固定部材30は、板状の本体部30Aと、複数の第1挿入部31A,31Bと、第2挿入部32と、を備える。固定部材30は、例えば、樹脂材料で形成されている。
本体部30Aは、矩形状の板部材で形成されている。本体部30Aの一端には、複数の第1挿入部31A,31Bおよび第2挿入部32が設けられている。本体部30Aは、例えば、複数のねじによって第1ケース10に固定されている。
実施の形態1では、固定部材30の本体部30Aの一端には、2つの第1挿入部31A,31Bと、1つの第2挿入部32と、が設けられている。また、本体部30Aの一端において、第2挿入部32は、2つの第1挿入部31A,31Bとの間に設けられている。
複数の第1挿入部31A,31B及び第2挿入部32は、第2ケース20の板状部材22に設けられた複数の第1孔23A,23Bおよび第2孔24に挿入される。複数の第1挿入部31A,31B及び第2挿入部32の位置は、板状部材22の複数の第1孔23A,23Bおよび第2孔24の位置に対応している。
第1挿入部31Aについて説明する。第1挿入部31Aは、板状に形成されている。第1挿入部31Aは、凹状に湾曲する湾曲部33を有する。
湾曲部33は、第1挿入部31Aを側方から見て、即ちX方向から見てU字状に形成されている。第1挿入部31Aに湾曲部33を形成することによって、第1挿入部31Aにばね性を持たすことができる。
例えば、湾曲部33は、本体部30A側に近い位置に設けられている。これにより、第1挿入部31Aが第1孔23Aに配置された状態において、湾曲部33は、第1孔23Aの外側に配置される。
実施の形態1では、第1挿入部31Bは、第1挿入部31Aと同様であるため、第1挿入部31Bの説明を省略する。
第2挿入部32は、板状に形成されている。実施の形態1では、第2挿入部32のX方向の寸法は、複数の第1挿入部31A,31BのX方向の寸法より大きい。
第2挿入部32は、第1ケース10から第2ケース20に向かう方向(Z方向)に屈曲し、且つ板状部材22側に屈曲している。具体的には、第2挿入部32の先端は、X方向から見て逆L字状に形成されている。
図10は、本開示に係る実施の形態1における固定部材30による第1ケース10と第2ケース20との固定の一例を示す概略拡大斜視図である。図11及び図12は、本開示に係る実施の形態1における第1ケース10と第2ケース20との固定の一例を示す概略断面図である。なお、図11は、第1挿入部31Aが第1孔23Aに挿入されている状態を示し、図12は、第2挿入部32が第2孔24に挿入されている状態を示す。
図10-図12に示すように、複数の第1挿入部31A,31B及び第2挿入部32は、それぞれ、第2ケース20の板状部材22に設けられた複数の第1孔23A,23Bおよび第2孔24に挿入される。
図11に示すように、第1ケース10は、第2ケース20に向かって延びる凸部11を有する。凸部11は、板状部材22で仕切られた空間のうち、キーボード5などの電子部品が配置される空間に配置される。凸部11において、板状部材22と対面する側の側壁には、凹部12が設けられている。
第1挿入部31Aの先端は、凸部11の側壁に設けられた凹部12に配置される。これにより、第1挿入部31Aの先端は、凹部12を画定する内壁に接触する。第1挿入部31Aのうち第1孔23A内に配置される部分は、Z方向において第1孔23Aを画定する板状部材22の内壁に接触する。これにより、第1挿入部31Aを第1ケース10側に引き込むことができるため、第1ケース10と第2ケース20とを強固に固定することができる。
図12に示すように、第2挿入部32のうち第2孔24内に配置される部分は、Z方向において第2孔24を画定する板状部材22の内壁に接触する。これにより、第2挿入部32がZ方向において第2孔24を画定する板状部材22の内壁を支持し、第1ケース10と第2ケース20との固定の強度を担保することができる。
次に、LIDスイッチの設置の一例について図13を用いて説明する。図13は、本開示に係る実施の形態1におけるLIDスイッチ50,51の設置の一例を示す概略断面図である。
図13に示すように、第1ケース10には、第2ケース20に向かって延びる板状のリブ13が設けられている。リブ13には、リブ13の厚み方向(X方向)に突出するリブ側壁14が設けられている。リブ側壁14には、リブ13の厚み方向(X方向)に窪んだ溝15が設けられている。
複数のLIDスイッチ50,51は、電子機器1の開閉状態を検出するために用いられるスイッチである。複数のLIDスイッチ50,51は、電子機器1の開閉状態を検出するために、Z方向に間隔を有して配置される。電子機器1の開閉状態とは、オープン状態、クローズ状態、タブレット状態とを含む。
複数のLIDスイッチ50,51は、例えば、磁気センサである。
複数のLIDスイッチ50,51は、フレキシブルプリント回路基板52に搭載されている。本明細書では、フレキシブルプリント回路基板52は、FPC52と称する場合がある。
FPC52は、リブ13の側面に配置されている。FPC52は、例えば、接着剤によってリブ13の側面に張り付けられている。FPC52は、リブ側壁14に設けられた溝15に嵌め込まれることによって、リブ13に位置決めされる。
このような構成により、複数のLIDスイッチ50,51をZ方向に間隔を有して配置する構造を、別途部品などを用いることなく実現することができる。また、複数のLIDスイッチ50,51をFPC52に搭載し、FPC52をリブ13の側面に配置することによって、省スペース化を実現することができる。
[効果]
実施の形態1の電子機器1によれば、以下の効果を奏することができる。
電子機器1は、金属材料で形成される筐体3を備える。筐体3は、第1主面PS1と、第1主面PS1と反対側の第2主面PS2と、を有する板状部材22を備える。板状部材22には、板状部材22の厚み方向(Y方向)に貫通孔23A,23B,24が設けられている。貫通孔23A,23B,24を画定する板状部材22の内壁は、傾斜面25A,27Aと、接続面25B,27Bと、を有する。傾斜面25A,27Aは、板状部材22の第1主面PS1から第2主面PS2に向かって、貫通孔23A,23B,24の寸法を小さくする方向に傾斜する。接続面25B,27Bは、板状部材22の第1主面PS1から第2主面PS2に向かう方向に延び、且つ傾斜面25A,27Aと板状部材22の第2主面PS2とを接続する。
このような構成により、貫通孔23A,23B,24を画定する板状部材22の内壁と第2主面PS2とで形成されるエッジ部分の厚みを大きくすることができる。これにより、エッジ部分に物体が接触しても、エッジ部分が削れることを抑制することができる。このように、機械的強度を向上させることができる。
板状部材22の第1主面PS1と第2主面PS2とのうち少なくともいずれか一方には、板状部材22の厚み方向(Y方向)において板状部材22から離れる方向に突出し、貫通孔23A,23B,24を画定する内壁に接続される突出部26,28が設けられている。このような構成により、突出部26,28の側壁に、接続面25B,27Bを形成することができる。このため、薄い板状部材22においても接続面25B,27Bを形成することができ、より機械強度を向上させることができる。
突出部26、28の突出量t2、t3は、板状部材22の厚みt1の0.1倍以上1倍以下である。このような構成により、より機械強度を向上させることができる。
貫通孔23A,23B,24は、長手方向を有する矩形状に形成されている。傾斜面25A,27A及び接続面25B,27Bは、貫通孔23A,23B,24の長手方向の両側に設けられている。このような構成により、より機械強度を向上させることができる。
板状部材22の厚みt1は、0.3mm以上1mm以下である。このような薄い板状部材であっても、機械的強度を向上させることができる。
なお、実施の形態1では、電子機器1として、ノートブック型パソコン(ラップトップPC)を例として説明したが、これ限定されない。
実施の形態1では、板状部材22には、2つの第1孔23A,23Bと、1つの第2孔24と、が形成されている例について説明したが、これに限定されない。板状部材22には、1つ又は複数の第1孔23A,23Bが形成されていればよい。板状部材22には、1つ又は複数の第2孔24が形成されていてもよい。板状部材22には、第2孔24が形成されていなくてもよい。
実施の形態1では、固定部材30が電子部品を覆うカバーである例について説明したが、これに限定されない。固定部材30は、他の部品で形成されていてもよい。
実施の形態1では、固定部材30が2つの第1挿入部31A,31Bと、第2挿入部32と、を有する例について説明したが、これに限定されない。固定部材30は、1つ又は複数の第1挿入部31A,31Bを有していればよい。固定部材30は、1つ又は複数の第2挿入部32を有していてもよい。固定部材30は、第2挿入部32を有していなくてもよい。
実施の形態1では、複数の第1挿入部31A、31Bが湾曲部33を有する例について説明したが、これに限定されない。複数の第1挿入部31A,31Bは、湾曲部33を有していなくてもよい。
実施の形態1では、第1ケース10が凸部11を有する例について説明したが、これに限定されない。第1ケース10は凸部11を有していなくてもよい。
実施の形態1では、板状部材22がバッテリーを配置する空間とキーボード5などの電子部品が配置される空間とを区切っている例について説明したが、これに限定されない。板状部材22は、薄い厚みの部材であればよい。
実施の形態1では、板状部材22が第2ケース20に設けられる例について説明したが、これに限定されない。第1ケース10と第2ケース20とは、互いに置換可能である。例えば、板状部材22は、第1ケース10に設けられていてもよい。この場合、第2ケース20に固定部材30が取り付けられてもよい。
実施の形態1では、板状部材22の複数の第1孔23A,23Bおよび第2孔24には、固定部材30の複数の第1挿入部31A,31Bおよび第2挿入部32が挿入される例について説明したが、これに限定されない。複数の第1孔23A,23Bおよび第2孔24には、複数の第1挿入部31A,31Bおよび第2挿入部32以外の物体が挿入されてもよい。
実施の形態1では、複数の第1孔23A,23Bおよび第2孔24の長手方向両側には、板状部材22から突出する突出部26,28が設けられる例について説明したが、これに限定されない。突出部26,28は、必須の構成ではない。
本開示は、添付図面を参照しながら好ましい実施の形態に関連して充分に記載されているが、この技術に熟練した人々にとっては種々の変形や修正は明白である。そのような変形や修正は、添付した請求の範囲による本開示の範囲から外れない限りにおいて、その中に含まれると理解されるべきである。
本開示は、筐体の生産コストを低減することができるため、電子機器(例えば、ラップトップPCなど)に有用である。
1 電子機器
2 第1筐体
3 第2筐体
4 液晶パネル
5 キーボード
6 タッチパッド
7 ヒンジ部
10 第1ケース
11 凸部
12 凹部
13 リブ
14 リブ側壁
15 溝
20 第2ケース
21 カバー
22 板状部材
23A,23B 第1孔
24 第2孔
25A 第1傾斜面
25B 第1接続面
26 突出部
27A 第2傾斜面
27B 第2接続面
28 突出部
30 固定部材
30A 本体部
31A,31B 第1挿入部
32 第2挿入部
33 湾曲部
40 NCフライス
50 LIDスイッチ
51 LIDスイッチ
52 フレキシブルプリント回路基板

Claims (5)

  1. 金属材料で形成される筐体を備え、
    前記筐体は、第1主面と、前記第1主面と反対側の第2主面と、を有する板状部材を備え、
    前記板状部材には、前記板状部材の厚み方向に貫通孔が設けられており、
    前記貫通孔を画定する前記板状部材の内壁は、
    前記板状部材の前記第1主面から前記第2主面に向かって、前記貫通孔の寸法を小さくする方向に傾斜する傾斜面と、
    前記板状部材の前記第1主面から前記第2主面に向かう方向に延び、且つ前記傾斜面と前記板状部材の前記第2主面とを接続する接続面と、
    を有し、
    前記貫通孔には、前記筐体を固定する固定部材の挿入部が前記第1主面側から前記第2主面側に向かって挿入される、電子機器。
  2. 前記板状部材の前記第1主面と前記第2主面とのうち少なくともいずれか一方には、前記板状部材の厚み方向において前記板状部材から離れる方向に突出し、前記貫通孔を画定する前記内壁に接続される突出部が設けられている、
    請求項1に記載の電子機器。
  3. 前記突出部の突出量は、前記板状部材の厚みの0.1倍以上1倍以下である、
    請求項2に記載の電子機器。
  4. 前記貫通孔は、長手方向を有する矩形状に形成されており、
    前記傾斜面及び前記接続面は、前記貫通孔の長手方向の両側に設けられている、
    請求項1~3のいずれか一項に記載の電子機器。
  5. 前記板状部材の厚みは、0.3mm以上1mm以下である、
    請求項1~4のいずれか一項に記載の電子機器。
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