JP7352229B1 - 飛行体および導通検査方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】本発明の課題は、構造物の側面に導体を備わる場合であっても、導体の導通検査を安全にかつ簡易に行うことを可能とすることである。【解決手段】本発明の飛行体100は、構造物Wbの側面に備わる導体Lcに対する導通検査を行うための飛行体100であって、飛行体本体110と、導体Lcに接触させるための導電性部材120と、導電性部材120を飛行体本体110の略鉛直方向上方向における遠位位置と近位位置との間で移動可能な移動機構130とを備え、導電性部材120は、飛行体本体110の略鉛直方向に沿った第1の接触面120aを備える、飛行体100。【選択図】図1

Description

本発明は、飛行体および導通検査方法に関し、特に、風車のブレード側面に備わる導体の導通検査を行うための飛行体、およびこの飛行体を用いた導通検査方法に関するものである。
従来から、風車のブレードには落雷対策が施されている。例えば、風車ブレードには、雷撃を受け止めるレセプタ(金属製受雷部)および避雷導線(ダウンコンダクタ)が設けられている。ところで、このような落雷対策が施された建造物では、レセプタおよびダウンコンダクタの導通検査を行う必要がある。
例えば、風車のブレードでは、レセプタとアースとの間がダウンコンダクタを介して電気的接続が確保されていない場合、レセプタへの着雷時にスパークが発生し、風車のブレードなどが損傷を受けるおそれがあることから、レセプタ等(ダウンコンダクタを含む)の導体の導通検査を行う必要がある。
これまでは、風車のハブに取り付けられた状態の風車のブレードに対してレセプタ等の導体の導通検査を行うには、人による高所での作業が必要となり、導通検査は危険性が高く容易に行うことができなかった。それを解消する方法としてレセプタなどの導体の導通検査を安全に行う飛行体の開発が行われている(特許文献1を参照)。
特許第6847437号公報
しかしながら、従来の風車のブレードに設けられたレセプタなどの導体の導通検査を行う飛行体は、レセプタなどの導体がブレードの先端に設けられた状態においては良好に行えるが、導体がブレードの側面に備わる状態においては導通検査を容易に行うことは難しかった。
本発明は、導体が構造物の側面に備わる場合であっても、導体の導通検査を安全にかつ簡易に行うことを可能とする飛行体およびこのような飛行体を用いた導通検査方法を提供することを目的とする。
本発明は以下の項目を提供する。
(項目1)
構造物の側面に備わる導体に対する導通検査を行うための飛行体であって、
飛行体本体と、
前記導体に接触させるための導電性部材と、
前記導電性部材を前記飛行体本体の略鉛直方向上方向における遠位位置と近位位置との間で移動可能な移動機構と
を備え、
前記導電性部材は、前記略鉛直方向に沿った第1の接触面を備える、飛行体。
(項目2)
前記導電性部材は、さらに前記飛行体本体の略水平方向に沿った第2の接触面を備えるように構成されている、項目1に記載の飛行体。
(項目3)
前記第1の接触面は前記略水平方向に沿った位置と前記略鉛直方向に沿った位置との間で回動可能に構成されており、前記略鉛直方向に沿った位置のときに前記第1の接触面は前記略鉛直方向に沿った面を形成する、項目2に記載の飛行体。
(項目4)
前記第1の接触面は、前記第2の接触面が前記ブレードの先端に接触したことに基づき、前記略水平方向に沿った位置から前記略鉛直方向上方向に沿った位置へと回動されるように構成されている、項目3に記載の飛行体。
(項目5)
前記導電性部材は、回転ローラである、項目1に記載の飛行体。
(項目6)
構造物の側面に備わる導体に対する導通検査を行うための飛行体であって、
飛行体本体と、
前記導体に接触させるための導電性部材と、
前記導電性部材を前記飛行体本体の略鉛直方向上方向における遠位位置と近位位置との間で移動可能な移動機構と
を備え、
前記導電性部材は、前記飛行体本体の略水平方向に沿った第2の接触面を備えるとともに、少なくとも1つの開口部を有する可撓性部材を含み、
前記ブレードの先端が前記開口に挿通させることによって、前記可撓性部材が前記導体に接触可能なように構成されている、飛行体。
(項目7)
前記導電性部材は、底部と一対の側壁を有する支持体を備え、
前記可撓性部材は、前記一対の側壁間を覆うように構成されている、項目6に記載の飛行体。
(項目8)
飛行体を用いて構造物の側面に備わる導体に対する導通検査を実行する方法であって、
前記飛行体は、
飛行体本体と、
前記構造物の側面に備わる導体に接触させるための導電性部材と、
前記導電性部材を前記飛行体本体の略鉛直方向上方向における遠位位置と近位位置との間で移動可能な移動機構と、
前記移動機構は、前記導電性部材を前記略鉛直方向上方向に直線移動可能に構成されているとともに、
前記導電性部材は、前記導体に接触させるための前記略鉛直方向上方向に沿った第1の接触面を備えており、
前記方法は、
前記導電性部材を前記近位位置の状態で、前記飛行体を前記構造物の先端の下方位置もしくは側方位置に移動させることと、
前記移動機構によって前記導電性部材を前記略鉛直方向上方向に移動させる、または前記略鉛直方向に直交する略水平方向に移動させることにより前記導電性部材の前記第1の接触面を前記構造物の側面に備わる前記導体に接触させて導通検査を実行することと
を含む方法。
(項目9)
飛行体を用いて構造物の側面に備わる導体に対する導通検査を実行する方法であって、
前記飛行体は、
飛行体本体と、
前記構造物の側面に備わる導体に接触させるための導電性部材と、
前記導電性部材を前記飛行体本体の略鉛直方向上方向における遠位位置と近位位置との間で移動可能な移動機構と、
前記移動機構は、前記導電性部材を前記略鉛直方向上方向に直線移動可能に構成されているとともに、
前記導電性部材は、前記略鉛直方向に沿った第1の接触面と、前記飛行体本体の略水平方向に沿った第2の接触面を備えており、
前記方法は、
前記導電性部材を前記近位位置の状態で、前記飛行体を前記構造物の先端の下方位置に移動させることと、
前記移動機構によって前記導電性部材を前記略鉛直方向上方向に直線移動させることにより、前記第2の接触面を前記構造物の先端に接触させることと、前記第1の接触面を前記ブレード側面に有する前記導体に接触させて導通検査を実行することと
を含む方法。
(項目10)
前記飛行体本体を前記飛行体本体の略水平方向に移動させることによって、前記第1の接触面を前記構造物の側面に備わる前記導体に接触させる、請求項9に記載の方法。
(項目11)
飛行体を用いて構造物の側面に備わる導体に対する導通検査を実行する方法であって、
前記飛行体は、
飛行体本体と、
前記構造物の側面に備わる導体に接触させるための導電性部材と、
前記導電性部材を前記飛行体本体の略鉛直方向上方向における遠位位置と近位位置との間で移動可能な移動機構と、
前記移動機構は、前記導電性部材を前記略鉛直方向上方向に直線移動可能に構成されており、
前記方法は、
前記構造物の側面が略水平状態となるように配置することと、
前記導電性部材を前記近位位置の状態で、前記飛行体を前記構造物の側面の有する前記導体の下方位置に移動させることと、
前記移動機構によって前記導電性部材を前記略鉛直方向上方向に直線移動させることにより、前記導電性部材を前記導体に接触させて導通検査を実行することと
を含む方法。
(項目12)
前記構造物の導体は、風車のブレードの側面に設けられたレセプタである、項目8、9または11のいずれか一項に記載の方法。
本発明によれば、本発明は、導体が構造物の側面に備わる場合であっても、導体の導通検査を安全にかつ簡易に行うことを可能とする飛行体およびこのような飛行体を用いた導通検査方法を提供することができる。
本発明の実施形態1における飛行体100の一例を示す図。 図1に示す飛行体100の移動機構130の具体的な構成を示す図。 図2に示す機構とは異なる機構を有する移動機構130を示す図。 本発明の実施形態1による飛行体における導体の導通検査方法を説明する図。 本発明の実施形態1の変形例1における飛行体101および飛行体101における導通検査方法を説明する図。 本発明の実施形態2における飛行体200および飛行体200における導通検査方法を説明する図。 本発明の実施形態2の変形例1における飛行体201および飛行体201による導通検査方法を説明する図。 本発明の実施形態3における飛行体300および飛行体300における導通検査方法を説明する図。 本発明の実施形態4における飛行体400および飛行体400における導通検査方法を説明する図。 本発明における導通検査における構造物の配置を説明する図。
以下、本発明を説明する。本明細書において使用される用語は、特に言及しない限り、当該分野で通常用いられる意味で用いられることが理解されるべきである。したがって、他に定義されない限り、本明細書中で使用される全ての専門用語および科学技術用語は、本発明の属する分野の当業者によって一般的に理解されるのと同じ意味を有する。矛盾する場合、本明細書(定義を含めて)が優先する。
本明細書において、「約」とは、後に続く数字の±10%の範囲内をいう。
本発明は、構造物の側面に備わる導体の導通検査を安全にかつ簡易に行うことを可能とする飛行体を提供することを課題とし、
飛行体本体と、
前記導体に接触させるための導電性部材と、
前記導電性部材を前記飛行体本体の略鉛直方向上方向における遠位位置と近位位置との間で移動可能な移動機構と
を備え、
前記導電性部材は、前記略鉛直方向に沿った第1の接触面を備える、飛行体を提供することにより、上記の課題を解決したものである。
すなわち、本発明の飛行体では、構造物の側面に備えられた導体に接触させるための導電性部材が、飛行体本体の略鉛直方向に沿った第1の接触面を有しているとともに、移動機構により飛行体本体の遠位位置と近位位置との間で移動可能となっているので、導電性部材を近位位置の状態で飛行体を構造物の先端の下方位置に移動させ、その後、導電性部材を構造物の側面に沿った方向(構造物の軸に沿った方向であり、すなわち、近位位置から遠位位置に向かう方向)に移動させることにより導電性部材が構造物の側面に備える導体に接触することになり、導通検査を行うことが可能となる。
このように、飛行体および移動機構が構造物の先端の下方位置から略鉛直上方向に移動するため、この際に、飛行体本体が構造物に衝突する恐れはほとんどなく、飛行体の導電性部材と構造物の導体との接触を安全かつ簡単に行うことが可能となる。
また、導電性部材が飛行体本体の略鉛直方向に沿った第1の接触面を有していることから、飛行体を構造物の先端の下方位置から略鉛直上方向に移動させることによって、構造物の先端からブレード側面に向かって導電性部材が移動することが可能となり、その結果、構造物の側面に備える導体にも容易に接触させることが可能となる。
従って、本発明の飛行体は、風車のブレード側面に備える導体に接触させるための導電性部材と、導電性部材を飛行体本体の遠位位置と近位位置との間で移動可能な移動機構とを有するものであれば、導電性部材および移動機構の具体的な構成、さらには、飛行体におけるその他の構成は、特に限定されるものではなく、任意であり得る。
(構造物)
本発明では、構造物およびその導体は、特に限定されるものではなく、任意であり得る。例えば、構造物は、送電線の鉄柱、高層ビル、風車などの背の高い構造物であり、構造物の導体は、例えば、送電線の鉄柱の先端や高層ビルの屋上に設けられた避雷針、好ましくは、風車のブレードである。
そして、本発明の導通検査の対象となる導体は、構造物の側面に備えられたものが好ましくは、特に好ましくは風車のブレードの側面に備えられたレセプタである。
(飛行体本体)
飛行体本体は任意の形態であり得る。例えば、ヘリコプターであってもよいし、ドローンなどのマルチコプターであってもよい。また、飛行体本体は有人飛行体であってもよいし、無人飛行体であってもよい。好ましい実施形態において、遠隔操作が可能なドローンなどの無人飛行体である。無人飛行体とすることによって、安全に導通検査を行うことが可能となる。
(導電性部材)
導電性部材は、構造物の導体に接触させるための導電性を有する部材であれば、その他の構成は任意であり得る。例えば、導電性部材の材質は、導電性のものであれば、金属に限らず、カーボンやプラスチックでもよく、固形部材であっても良いし、可撓性部材であってもよい。さらに具体的な部材としては、金網、縞鋼板、針状金属(金たわしまた金属ブラシ)、導電性ゴム、導電性スポンジ、導電性ワイヤー(電線、導電性繊維、導電性スプリング)、導電性グリス又は導電性オイル、研磨部材、およびパンチングボードのうちの少なくとも1つを含み得る。
例えば、導電性部材の1つの実施形態において、所定の大きさ(例えば、φ約60mm)の金網の上に内部に流体(例えば、酸素、空気であり、液体であってもよい)が充填されている可撓性球体(例えば、バランスボール)を複数固着させ、さらにその上に金属メッシュシート(例えば、金属は電気伝導性の良い銅)を被せるものを採用し得る。このような導電性部材とすることにより、可撓性球体が一体的なクッションとなり、飛行体と構造物との衝突などによる損傷をさらに防ぐことが可能となる。また、複数の可撓性球体の間に窪みが形成され、その窪みに導体部分が嵌ることで、導電性部材と導体との接触また、可撓性球体を含め導電性部材は透過性を有するのが好ましい。透過性を有することにより目視による導電性部材を導体に接触させる際の飛行状態の確認性を向上させることが可能となる。
導電性部材の形状および大きさは、接触させる構造物の導体の大きさや形状、またブレード先端から導体が備えられている側面の位置までの長さなどに応じて調整し得る。例えば、導電性部材の構造物の導体と接触させる面の形状は、略多角形(三角形、四角形、五角形など)であってもよいし、略円形(円形、楕円形など)であってもよいし、回転ローラなどの回転部材であってもよい。導電性部材は、構造物の導体への接触面積を増やす点で大きい方が良いが、大きくすると重くなり、また風の影響も受けて飛行が不安定になるので、両者のバランスを考えて設定さえ得る。
例えば、構造物が地表面に対して略鉛直状態で配置されている場合においては、導電性部材は飛行体本体の略鉛直方向に沿った第1の接触面を有するのが好ましい。このような接触面を備えることにより、飛行体を構造物の先端の下方の位置に配置し、飛行体および/または移動機構によって導電性部材を飛行体本体の略鉛直方向上方向に移動させることによって、導電性部材が安全かつ容易に構造物の先端から側面に向かって移動することができ、その結果、構造物の側面に備わる導体に接触することが可能となる。さらに、好ましくは飛行体本体の略水平方向に沿った第2の接触面を備える。導電性部材が第1の接触面および第2の接触面を有することにより、飛行体を構造物の先端の下方の位置に配置し、飛行体および/または移動機構によって導電性部材を飛行体本体の略鉛直方向上方向に移動させることによって第2の接触面が構造物の先端に当接し、導電性部材の構造物に対する上下方向の位置が固定された状態となり、第1の接触面が構造物の側面に当接するのを安定かつ確実に行うことが可能となる。
また、第1の接触面は、飛行体本体の略水平方向に沿った位置と略鉛直方向に沿った位置との間で回動可能であってもよい。このようにすることにより、通常飛行の際の空気抵抗を抑えることが可能となり、安定飛行および飛行時間の延長化を図ることが可能となる。なお、回動機構は任意の機構であり得る。例えば、飛行体本体の略鉛直方向の位置に向かって付勢する部材を設けるとともに略水平方向の位置に固定するストッパを有し、そのストッパが例えば外部からの力が作用した際に外れるように構成してもよい。このようにすることで、例えば、第2の接触面または第1の接触面が構造物に当接した際にストッパが外れることで第1の接触面が略水平方向に沿った位置から略鉛直方向に沿った位置に配置されるようになる。略鉛直方向に沿った位置から略水平方向に沿った方向の位置に戻す手段もモータなどの駆動手段など任意の手段であり得る。
しかし本発明は、これに限定されない。また、可撓性部材であって構造物の先端が挿通可能な開口部を有する場合であれば、導電性部材が飛行体本体に略水平な方向に沿った第2の接触面のみ有するものであってもよい。また、構造物が地表面に対して略水平状態で配置された場合においては、導電性部材は飛行体本体に略水平な方向に沿った第2の接触面のみ有している場合であってもよい。
また、導電性部材には、構造物の導体に固定するための固定手段を備えていてもよい。固定手段は任意の構成であり得る。固定手段は、例えば、磁力の力で導体に固定させる磁力発生機構であってもよいし、導電性粘着テープなどであってもよいし、エアー吸引手段による吸着固定であってもよい。
(移動機構)
移動機構は、導電性部材を飛行体本体の略鉛直方向における遠位位置と近位位置との間で移動させることが可能であれば、任意の形態であり得る。
例えば、移動機構は、導電性部材を支持する複数の支持アーム及び複数のリンク機構から構成されていてもよい。複数のリンク機構によって複数の支持アームを折り畳んだ状態とすることで導電性部材を近位位置に配置し、複数のリンク機構を伸ばすことで導電性部材を遠位位置に配置することが可能となる。なお、本発明はこれに限定されずジャッキ機構、マジックハンド機構やテレスコ機構であってもよい。好ましくは、移動機構は、導電性部材を近位位置と遠位位置との間で略鉛直方向において直線移動するものを採用する。
なお、好ましくはリンク機構である。リンク機構は装置の構造が簡単で軽量化を図ることが可能となる。
移動機構による導電性部材の移動方向は、任意の形態であり得る。例えば、導電性部材の移動方向は、例えば、飛行体本体の略鉛直方向であってもよいし、略水平方向であってもよいし、傾斜方向であってもよい。好ましくは、移動機構は飛行体本体の略鉛直方向に導電性部材を直線移動させる。ドローンなどの飛行体は略鉛直方向への移動が略水平方向への移動に対して容易に行うことが可能であるため、移動機構が飛行体本体の略鉛直方向に導電性部材を直線移動可能とした方が簡単に導電性部材を構造物の導体に接触させることができる。また、移動機構が、飛行体本体の略鉛直方向に導電性部材を移動させる場合には、横風などで飛行体本体が略水平方向に揺られても飛行体本体が構造物に衝突することを避けることが可能となる。
また、移動機構が、飛行体本体の略鉛直方向に導電性部材を移動させる場合において、遠位位置を近位位置に対して略鉛直方向上方向の位置としてもよいし、略鉛直方向下方向の位置としてもよい。飛行体本体を遠隔操作するなどの場合に、飛行体本体を構造物の導体に接近させる方法としては、飛行体本体を構造物の下方から接近させる方が、操作者が視認しやすくことが容易である。このような場合には、移動機構は、飛行体本体の略鉛直方向に導電性部材を移動させ、遠位位置は、近位位置に対して略鉛直方向上方向の位置とすることが好ましい。
さらに、導電性部材と移動機構との間に接続構造を有するが、その形態は任意であり得る。例えば、導電性部材と移動機構との接続は、移動機構に対する導電性部材の姿勢(支持機構に対する回転方向や回転角度)が固定されるような連結部材により連結されていてもよいし、導電性部材と移動機構とは、移動機構に対する導電性部材の姿勢(支持機構に対する回転方向や回転角度)が任意に変更可能なように連結部材により連結されていてもよい。
例えば、移動機構に対する導電性部材の姿勢を任意に変更可能なように連結する連結部材としては、例えば、ボールジョイントやユニバーサルジョイントなどを含む自在継手であってもよいし、複数の可撓性部材を備え、複数の可撓性部材が支持ロッドの軸周りに所定の角度の間隔を持って配置されるものであってもよい。ここで、可撓性部材は、任意の形態であり得る。例えば、板バネやコイルバネなどのバネ部材であってもよいし、弾性を有するワイヤー(金属製、樹脂製など)などであってもよいし、ゴム製の支柱またはエアチューブ、電動又はエアーシリンダ、スポンジであってもよいし、パラレルリンク機構を備える支柱などであってもよい。
また、可撓性部材の個数は複数であれば任意であり得る。可撓性部材の個数を増やすことによって、姿勢の向きを様々な方向に変位可能となる。また、可撓性部材を支持機構の軸周りに配置する際の角度の間隔は任意であり得る。好ましい実施形態において、複数の可撓性部材を支持機構の軸周りに配置する際の角度は均等である。このようにすることで、支持機構に対する導電性部材の姿勢が、どの方向に対しても均等に変位可能となる。1つの実施形態において、可撓性部材は4個であって、支持機構の軸周りにそれぞれ約90°の間隔で配置される。しかしながら、本発明はこれに限定されない。隣接する可撓性部材の間の角度がそれぞれ異なる角度で配置されてもよい。好ましい実施形態において、ボールジョイントのように、どの方向への力がかかっても、その方向への回転(変位)が容易に達成させることが可能なものを採用する。
以下、本発明の実施形態について図面を参照しながら説明する。
(実施形態1)
図1は、本発明の実施形態1による飛行体100を説明するための図である。
実施形態1の飛行体100は、図1に示すように、飛行体本体110と、構造物の導体に接触させるための触手である導電性部材120と、導電性部材120を飛行体本体110の遠位位置と近位位置との間で移動可能な移動機構130とを備える。そして導電性部材120は支持機構130の先端部に連結部材150を介して取り付けられている。
(飛行体本体110)
飛行体本体110は、筐体110bと、推力発生部110aと、筐体110bに対して推力発生部110aを支持する各支持アーム110cと、筐体110bに取り付けられた脚部とを有する機体である。ここで、各推力発生部110aは、プロペラ111と駆動モータ(図示せず)とを有する。各支持アーム110dの根元部分は筐体110bに固定されている。各支持アーム110dの先端部分にはそれぞれ駆動モータが取り付けられ、各駆動モータの回転軸にはそれぞれプロペラ111が取り付けられている。
また、筐体110bには、コントローラとバッテリ(いずれも図示せず)とが搭載されている。バッテリは、駆動モータを駆動するための電源であり、さらに、移動機構130の駆動部(図示せず)の電源も兼ねている。コントローラ10aは、無線通信部を含み、無縁リモコンからの操作信号を受信して各駆動モータの回転数を制御することにより飛行体100の飛行制御を行う制御部である。また、この制御部は、移動機構130の駆動部(図示せず)を制御して導電性部材120の移動制御も行うものである。
図に示す実施形態においては、推力発生部および支持アームを4つ備えるものとして説示しているが、本発明はこれに限定されない。推力発生部および支持アームの個数は任意であり得る。
(導電性部材120)
導電性部材120は、測定ケーブル(図示せず)により地上の測定装置に電気的に接続されている。導電性部材120は、飛行体本体110の略鉛直方向に沿った第1の接触面120aと、飛行体本体110の略水平方向に沿った第2の接触面120bを有している。ただし、導電性部材120は、剛体であってもよいし、可撓性部材であってもよい。
(移動機構130)
移動機構130は、飛行体本体110の筐体110bに搭載されており、導電性部材120を近位位置(筐体110bの上方向)と遠位方向(筐体110bの上方向)との間で移動可能にする。図2を用いて移動機構130を詳しく説明する。
図2は、図1に示す飛行体100の移動機構130の具体的な構成を説明する図である。図2に示す様に、移動機構120は複数の支持アーム130aと隣接する支持アーム130a同士を回動可能に接続する回動節130bとを含むリンク機構である。このような構成とすることで、図2(1)に示す様に移動機構120における支持アーム130aが折り畳まれた状態(近位位置)から、回動節130bを回動させることで図2(2)に示す様に折り畳まれたから支持アーム130aが延びる状態となり、最終的には図2(3)に示す様に複数の支持アーム130aが一直線上に並ぶ位置(遠位位置)まで延びる状態となる。本発明の移動機構130は近位位置と遠位位置との間での導電性部材の移動において、常に導電性部材の位置が略鉛直方向において直線S上で移動するようになっている。
なお、リンク機構の回動節130bの回動はモータ(電気モータ、エアモータ、油圧モータなど)などの駆動源によって駆動される。
また、図2における移動機構130とは異なるその他の移動機構を図3に示す。本発明の移動機構130は、図3(a)に示すような複数の支持アーム131aとボルトネジ132bと回動節131cとを有するジャッキアップ機構であってもよいし、図3(b)に示すような、複数の支持アーム132aと回動節130cとが交差するリンク機構を複数備えたマジックハンド機構であってもよい。いずれの形態も図2に示すリンク機構と同様に、常に近位位置と遠位位置との間での導電性部材の移動において、常に導電性部材の位置が略鉛直方向において直線S上で移動するようになっている。
(連結部材150)
図1には、移動機構130の先端部分を拡大した図を示しており、支持機構130の先端には導電性部材120を取り付けるための連結部材150が配置されている。具体的には、連結部材150は、複数の弾性を有する金属ワイヤーからなる可撓性部材150aを備え、複数の可撓性部材150aは、移動機構130の先端の軸周りに所定の角度の間隔を持って配置されている。ここでは、4つの可撓性部材23が90°の角度間隔で移動機構130の軸周りに配置されている。ただし、4つの可撓性部材150aは、導電性部材120を所定の姿勢(例えば、水平状態)に支持可能であり、導電性部材120が風車のブレードWbに当接したときに変形するものであれば、金属ワイヤー部材に限定されるものではなく、コイルスプリングや板バネでもよいし、あるいは弾性を有する樹脂やゴムであってもよい。なお、連結部材150は有さなくてもよい。
次にこのような構成の飛行体100を用いて風車のブレード側面に備わる導体であるレセプタ等の導通検査を行う方法を説明する。
図3は、図1に示す飛行体100を用いてレセプタ等の導通検査を行う方法を説明する図であり、図3(a)は図1の飛行体100の昇降動作を示し、図3(b)は図1の飛行体100の導電性部材120の上方移動の動作を示す。
図1に示す飛行体100を用いて風車のブレードなどの構造物に対する導通検査を実行する方法は、少なくとも以下のステップを含む。
(第1ステップ)
第1ステップは、導電性部材120を飛行体本体110に対する近位位置に保持した状態で、飛行体100を構造物の導体の下方位置に移動させるステップである。
具体的には、構造物の導体は風車のブレードWbの側面に備わるレセプタLcであり、飛行体100の操作は無線リモコンで行うものとする。飛行体100のコントローラは無線リモコンからの操作信号に従って各推力発生部110aでの推力(駆動モータの回転数)を制御し、さらに、操作信号に従って移動機構130の昇降を制御する。これにより飛行体100の飛行および導電性部材120の移動は操作者の意図の通りに行われることとなる。
第1ステップでは、飛行体100は、操作者の操作により導電性部材120を飛行体100の筐体110bに最も近い位置(飛行体本体110に対する近位位置)に保持した安定な状態で地表面Grから離陸し、風車のブレードWbの先端の下側近傍位置まで飛行する(図4(a)参照)。そして、好ましくは、飛行体100は下側近傍位置において浮揚させる(ホバリング)。
(第2ステップ)
第2ステップは、導電性部材120を飛行体本体110に対する遠位位置に移動させることにより導電性部材120を構造物の導体に接触させて導通検査を実行するステップである。
具体的には、第2ステップでは、飛行体100をブレードWbの先端の下側近傍位置に浮揚させた状態で、導電性部材120を飛行体本体110に対する近位位置から飛行体本体110に対する遠位位置に移動させる(図4(b)参照)。
導電性部材120が飛行体本体110に対する近位位置から飛行体本体110に対する遠位位置に移動することにより、略水平方向に沿った第2の接触面120bがまずブレード先端に当接することで、導電性部材120の略鉛直方向の位置が固定されやすくなる。その状態で飛行体100を略水平方向に沿って移動させることによって導電性部材120の略鉛直方向に沿った第1の接触面がブレードWbの側面に備わるレセプタLcに当接することとなり、飛行体100の導電性部材120と風車のブレードWbのレセプタLcとの電気的な接続が行われる。これにより、風車のブレードWbのレセプタLcが飛行体100の導電性部材120および測定ケーブル(図示せず)を介して地上の測定装置に接続され、地上の測定装置では、レセプタとアースとの間のダウンコンダクタを介しての電気的接続の良否判定が行われる。
なお、第2ステップでは、導電性部材120を飛行体本体110に対する近位位置から飛行体本体110に対する遠位位置に移動させるときに、飛行体100をブレードWbの先端の下側近傍位置に浮揚させた状態にしておくのではなく、飛行体100をブレードWbの先端に向けて上昇させるようにしてもよい。導電性部材120をレセプタLcに接触させて導通検査を行った後、導電性部材120を飛行体本体110に対する近位位置に戻して飛行体100を安定させた状態で、飛行体100を下降させて地表面Grに着陸させる(図4(a)参照)。
このように、本実施形態1の飛行体100では、飛行体本体110と、構造物の側面に備わる導体に接触させるための飛行体本体110の略鉛直方向に沿った第1の接触面120aと飛行体本体110の略水平方向に沿った第2の接触面120bとを有する導電性部材120と、導電性部材120を飛行体本体100の遠位位置と近位位置との間で移動可能な移動機構130とを備えているので、導体であるレセプタLcがブレードWbの側面に備わる場合であっても安全かつ簡易に導通検査を行うことが可能となる。
本件発明において、導電性部材120は飛行体本体110の略鉛直方向に沿った第1の接触面121を有しているため、ブレードWbの側面に沿って広い範囲で導電性部材120を接触させることができるため、容易にブレードWbの側面に備わるレセプタLcに接触することができる。
この実施形態1の飛行体200では、風などの力で導電性部材120がブレードWbのレセプタLcに接触する接触点がずれた場合でも、移動機構130に対する導電性部材120の姿勢(支持機構130に対する回転方向や回転角度)が風の力に合わせて変化することで、導電性部材120がレセプタLcに接触する状態を維持しつつ飛行体100のバランスが崩れることを回避することが可能となる。
また、導電性部材120を移動機構によって飛行体本体から離れた遠位位置に配置した状態で、レセプタLcに導電性部材120を接触させるようにしたことにより、横風などの影響で飛行体本体110が揺れ動いたとしても、飛行体本体110が構造物(風車のブレード)Wbに衝突する恐れを回避することが可能となる。そのため、本発明の飛行体100は、風車のブレードWbの導体であるレセプタLcの導通検査を安全にかつ簡易に行うことを可能とする。
図3に示す実施形態において、飛行体100は、レセプタLcの下方から上昇させて導電性部材120をレセプタLcに接触させる場合について説示したが、本発明はこれに限定されない。飛行体100をレセプタLcの上方向から下降させて導電性部材120をレセプタLcに接触させてもよいし、飛行体100をレセプタLcの横方向から略水平移動させて導電性部材120をレセプタLcに接触させてもよい。好ましい実施形態において、飛行体100は、レセプタLcの下方から上昇させて導電性部材120をレセプタLcに接触させる。このようにすることにより、横風などを受けて飛行体100が揺れ動いても風車のブレードWbに衝突する怖れを低減することが可能となる。また、ドローンやヘリコプターなどの飛行体は、その機構上、飛行体100を略水平移動させるよりも、上下方向に移動させる方が飛行体の状態を安定した状態に保つことができるため、飛行体100を略水平移動させるよりも安定してレセプタLcに接触させることが可能となる。
(実施形態1の変形例1)
図5は、実施形態1の変形例1による飛行体101および飛行体101における導通検査方法を説明する図である。実施形態1の変形例1の飛行体101は、実施形態1の導電性部材120とは異なる導電性部材121を備えたものである。導電性部材121以外については実施形態1と同じ構成である。なお、連結部材150は有さなくてもよい。
図5に示す様に、導電性部材121は、飛行体本体110の略水平方向に沿った第2の接触面121bと、回動軸121cと、回動軸121cにより第2の接触面121bに対して略水平方向に沿った位置と略鉛直方向に沿った位置との間で回動可能な第1の接触面121aとを有する。さらに回動軸121cには第1の接触面121bの上に押圧体121dを有する。
実施形態1の変形例1の飛行体101における導通検査方法は、導電性部材がこのような構成を有することで、飛行体本体110がブレードWbの先端の下方位置に配置された状態で、移動機構130により導電性部材121を近位位置から遠位位置に移動させることによって、第1の接触面121bの上に配置されている押圧体121dがブレードWbの先端によって下向きに押圧される。その下向きの押圧によって押圧体121dが固定されている回動軸121cが下向きに回動することになり、その回動によって第1の接触面121aが飛行体本体110の略水平方向に沿った位置から略鉛直方向に沿った位置に移動することなり、その結果、第1の接触面121aがブレードWbの側面に備わるレセプタLcに接触することが可能となる。また、第1の接触面121aとレセプタLcとの接触による導通検査が終了した後に、導電性部材121をブレードWbから遠ざけることによって、導電性部材121bとブレードWbの先端との当接状態が解除されることによって、回動軸121cの動きによって第1の接触面121aが飛行体本体110の略鉛直方向に沿った位置から略水平方向に沿った位置に自動的に移動することが可能となる。
なお、図5に示した導電性部材121の回動機構は、動物の捕獲罠であるトラバサミの構造を応用したものであるが、図5で説示した構造以外にもバネやワイヤなどを用いたくくり罠の構造などを応用してもよい。
飛行体101のブレードWbへの接近を飛行体101の飛行状態が安定しやすい略鉛直方向への移動によって行うことが可能となり、安定して導電性部材121をレセプタに接触させることが可能となり、安全かつ安定して導通検査を行うことが可能である。また、横風などを受けて飛行体101が揺れ動いてもブレードWbに衝突する怖れを低減することができる。
(実施形態2)
図6は、本発明の実施形態2による飛行体200および飛行体200による導通検査方法を説明するための図である。
実施形態2の飛行体200は、実施形態1(実施形態1の変形例1も含む)の導電性部材120、121とは異なる導電性部材122を備えたものである。導電性部材122および連結部材の取付位置以外については実施形態1(実施形態1の変形例1も含む)と同じ構成である。なお、連結部材150は有さなくてもよい。
図6に示すように、導電性部材122は飛行体本体110の略鉛直方向に沿った第1の接触面を有しており、支持機構130の支持アーム130aの側面に連結部材150を介して取り付けられている。
実施形態2の飛行体200における導通検査方法は、飛行体本体110をブレードWbの先端の下方位置に配置させ、その後移動機構130により導電性部材122を近位位置から遠位位置まで飛行体本体110の略鉛直方向上方向(構造物の側面に沿った方向の場合も含む)に移動させることにより、導電性部材122をブレードWbの側面に沿って移動することにより、略鉛直方向に沿った第1の接触面を持つ導電性部材122が先端部から側面に沿ってスライド移動しながらブレードWbの側面に備わるレセプタLcに接触することができる。または、飛行体本体110をブレードWbの側面に備わるレセプタLcの側方位置に配置させ、その後飛行体200を直接ブレードWbに向かって略水平方向に移動させることによって導電性部材122をレセプタLcに接触させることが可能となる。なお、導電性部材122は飛行体本体110の略鉛直方向に沿った第1の接触面を有しているため、ブレードWbの側面に沿って広い範囲で導電性部材を接触させることができるため、容易にブレードWbの側面に備わるレセプタLcに接触させることができる。なお、図6においては導電性部材122を、連結部材150を介して支持機構130に取り付けているものを示しているが、連結部材150を介さずに直接移動機構130に導電性部材122を取り付けてよい。
(実施形態2の変形例1)
図7は、本発明の実施形態2の変形例1による飛行体201および飛行体201における導通検査方法を説明する図である。
実施形態2の変形例1の飛行体201は、実施形態2の導電性部材122とは異なる導電性部材122を備えたものである。導電性部材122以外については実施形態1と同じ構成である。
図7に示すように、導電性部材123は飛行体本体110の略水平方向に沿った回転軸を有するブラシ状素材からなる回転ローラであり、移動機構130の先端に連結部材150を介して取り付けられている。なお、連結部材150は有さなくてもよい。回転ローラは従動ローラであってもよいし、駆動源を備えたローラであってもよい。実施形態2の変形例1からなる飛行体201における導通検査方法は、飛行体本体110をブレードWbの先端の下方位置に配置するとともに、移動機構130により導電性部材123を近位位置から遠位位置に飛行体本体110の略鉛直方向(ブレードWbの軸方向であってブレードWbに沿った方向)に移動する際に、導電性部材が回転ローラであるためスムーズにブレードWbの側面を移動可能であり、ブレードWbの側面に備わるレセプタLcに容易に接触させることが可能となり、容易に導通検査を行うことができる。また、回転ローラを回転させながらブレードWbの側面を移動するためブレードWbの側面に付着している付着物や塗装の剥がれなどを除去することも可能である。
(実施形態3)
図8は、本発明の実施形態3による飛行体300および飛行体300における導通検査方法を説明する図である。
実施形態3の飛行体300は、実施形態1および2(それぞれの変形例を含む)の導電性部材とは異なる導電性部材122を備えたものである。導電性部材以外の構成については実施形態1および2(それぞれの変形例を含む)と同じ構成である。 図8に示すように、導電性部材123は移動機構130の先端に連結部材150を介して取り付けられている。導電性部材123は可撓性部材を含み、飛行体本体110の略水平方向に沿った接触面123を有し、接触面123にはブレードWbが挿通可能な開口部123bを少なくとも1つ有している。なお、連結部材150は有さなくてもよい。
また、導電性部材123は接触面123aを有する可撓性部材を支持する支持体123cを備えていても良い。支持体123cは、底部と一対の側壁を備え、接触面123aは一対の側壁の間を覆うように支持体123cに取り付けられる。
実施形態3による飛行体300における導通検査方法は、飛行体本体110をブレードWbの先端の下方位置に配置するととともに、移動機構130により導電性部材123を略鉛直方向(ブレードWbの軸方向であってブレードWbに沿った方向)に近位位置から遠位位置に移動させる際に、導電性部材123の接触面123aがまずブレードWbの先端に接触するとともに、さらに移動を続けることにより導電性部材123の接触面123aに存在する開口部123bを介してブレードWbの先端が可撓性部材である導電性部材123に挿通することになり、その結果、ブレードWbの側面に備わるレセプタLcが導電性部材123の接触面123aに接触することが可能となる。
このように導電性部材123が飛行体本体110の略水平方向に沿った接触面を有したものであって、ブレードWbの先端の下方位置に配置された飛行体300から移動機構130による導電性部材123を略鉛直方向(ブレードWbの軸方向であってブレードWbに沿った方向)に近位位置から遠位位置に移動させる動作のみによって容易にブレードWbの側面に備わるレセプタLcに接触でき、容易に導通検査を行うことが可能となる。
飛行体300のブレードWbへの接近を飛行体300の飛行状態が安定しやすい略鉛直方向への移動によって行うことが可能となり、安定して導通検査を行うことが可能である。横風などを受けて飛行体300が揺れ動いてもブレードWbに衝突する怖れを低減することができる。
なお、開口部123bはスリットや貫通孔であってもよい。また開口部123bは導電性部材123が所定の大きさの導電性シートの上に内部に流体が充填されている複数の可撓性球体が配置されたものにおける隣接する可撓性球体間の窪みであってもよい。
(実施形態4)
図9は、本発明の実施形態4による飛行体400および飛行体400における導通検査方法を説明する図である。
実施形態4の飛行体400は、実施形態1~3(それぞれの変形例を含む)の導電性部材とは異なる導電性部材124を備えたものである。導電性部材以外の構成については実施形態1~3(それぞれの変形例を含む)と同じ構成である。
図9に示すように、導電性部材124は移動機構130の先端に連結部材150を介して取り付けられている。なお、連結部材150は有さなくてもよい。導電性部材124は可撓性部材を含み、飛行体本体110の略水平方向に沿った接触面を有している。
実施形態4の飛行体400における導通検査方法は、まずブレードWbを略水平方向に沿った状態とする。その後、飛行体100をブレードWbの側面に備わるレセプタLcの下方位置に配置させ、移動機構130により導電性部材124を飛行体本体110の略鉛直方向に沿って近位位置から遠位位置へ移動させることによって、導電性部材124をレセプタLcに接触させることができ、導通検査を行うことが可能となる。
ブレードWbを略水平方向に沿った状態とすることにより、飛行体400のブレードWbへの接近を飛行体400の飛行状態が安定しやすい略鉛直方向への移動によって行うことが可能となり、安定して導通検査を行うことが可能である。横風などを受けて飛行体400が揺れ動いてもブレードWbに衝突する怖れを低減することができる。
(導通検査に行う際の構造物の配置)
図10は、導通検査を行う際の構造物の配置を説明する図である。
図10(a)は3つある構造物(ブレード)Wbの1つを地表面に対して略鉛直方向に下向き(残りの2つのブレードWbが逆ハの字状態)に配置した状態の図であり、(b)は3つある構造物(ブレード)Wbの1つを地表面に対して略鉛直方向上向き(残りの2つのブレードWbがハの字状態)に配置した状態の図であり、(c)は3つある構造物(ブレード)Wbの1つを地表面に対して略水平に配置した状態を示す。
本発明における実施形態1~3の飛行体による導通検査方法は、図10(a)および(b)に示す状態に構造物(ブレード)Wbを配置した場合において、有効な検査方法である。特に、図10(b)の状態においては、ハの字状態に配置されている2つの構造物(ブレード)Wbの1つの方に移動し、ブレードWbの側面の導体Lcの導通検査をまず行い、その後に、もう一つの構造物(ブレード)Wbの方に移動し、ブレードWbの側面の導体(レセプタ)Lcの導通検査を行うことが可能となり、1つの構造物(ブレード)Wbの導体(レセプタ)Lcの導通検査毎に、構造物(ブレード)Wbの配置を変更する必要が無くなり、作業の効率がさらに向上させることが可能となる。なお、ハの字状態に配置する際の構造物(ブレード)Wbの地表面の略鉛直方向との角度αは、0度を超えて約60度の範囲で任意であり得る。また、図10においては構造物(ブレード)の数を3つにしたが、その数は任意であり得る。
そして、本発明の実施形態4における飛行体による導通検査方法は、図10(c)
または(b)に示す状態に構造物(ブレード)Wbを配置した場合において、有効な検査方法である。
以上のように、本発明の好ましい実施形態を用いて本発明を例示してきたが、本発明は、この実施形態に限定して解釈されるべきものではない。本発明は、特許請求の範囲によってのみその範囲が解釈されるべきであることが理解される。当業者は、本発明の具体的な好ましい実施形態の記載から、本発明の記載および技術常識に基づいて等価な範囲を実施することができることが理解される。本明細書において引用した文献は、その内容自体が具体的に本明細書に記載されているのと同様にその内容が本明細書に対する参考として援用されるべきであることが理解される。
本発明は、風車のブレード側面に導体を有する場合であっても、導体の導通検査を安全にかつ簡易に行うことを可能とする飛行体およびこのような飛行体を用いた導通検査方法を提供することができるものとして有用である。
100、101、200、201、300、400 飛行体
110 飛行体本体
120~124 導電性部材
120a、121a、123a 第1の接触面
120b、121b、123b 第2の接触面
130 移動機構
150 連結部材
Lc 導体(レセプタ)
Wb 構造物(ブレード)

Claims (5)

  1. 構造物の側面に備わる導体に対する導通検査を行うための飛行体であって、
    飛行体本体と、
    前記導体に接触させるための導電性部材と、
    前記導電性部材を前記飛行体本体の略鉛直方向上方向における近位位置と遠位位置との間で移動可能な移動機構と
    を備え、
    前記導電性部材は、略L字状であって、前記略鉛直方向に沿った第1の接触面と、前記第1の接触面に接続される前記飛行体本体の略水平方向に沿った第2の接触面とを備え、
    前記導体と接触する前記第1の接触面は前記第2の接触面側に面する、飛行体。
  2. 構造物の側面に備わる導体に対する導通検査を行うための飛行体であって、
    飛行体本体と、
    前記導体に接触させるための導電性部材と、
    前記導電性部材を前記飛行体本体の略鉛直方向上方向における近位位置と遠位位置との間で移動可能な移動機構と
    を備え、
    前記導電性部材は、前記略鉛直方向に沿った第1の接触面を備えるとともに、さらに前記飛行体本体の略水平方向に沿った第2の接触面を備え、
    前記第1の接触面は前記略水平方向に沿った位置と前記略鉛直方向に沿った位置との間で回動可能に構成されており、前記略鉛直方向に沿った位置のときに前記第1の接触面は前記略鉛直方向に沿った面を形成する、飛行体。
  3. 前記第1の接触面は、前記第2の接触面が前記構造物の先端に接触したことに基づき、前記略水平方向に沿った位置から前記略鉛直方向上方向に沿った位置へと回動されるように構成されている、請求項に記載の飛行体。
  4. 飛行体を用いて構造物の側面に備わる導体に対する導通検査を実行する方法であって、
    前記飛行体は、
    飛行体本体と、
    前記構造物の側面に備わる導体に接触させるための導電性部材と、
    前記導電性部材を前記飛行体本体の略鉛直方向上方向における遠位位置と近位位置との間で移動可能な移動機構と、
    前記移動機構は、前記導電性部材を前記略鉛直方向上方向に直線移動可能に構成されているとともに、
    前記導電性部材は、略L字状であって、前記略鉛直方向に沿った第1の接触面と、前記第1の接触面に接続する前記飛行体本体の略水平方向に沿った第2の接触面を備えており、
    前記導体と接触する前記第1の接触面は前記第2の接触面側に面しており、
    前記方法は、
    前記導電性部材を前記近位位置の状態で、前記飛行体を前記構造物の先端の下方位置に移動させることと、
    前記移動機構によって前記導電性部材を前記略鉛直方向上方向に直線移動させることにより、まず前記第2の接触面を前記構造物の先端に接触させることと、
    次に前記第2の接触面を前記第2の接触面を前記構造物の先端に接触させた状態で、前記飛行体本体を前記飛行体本体の略略水平方向に移動することによって前記第1の接触面を前記構造物の側面に有する前記導体に接触させて導通検査を実行することと
    を含む方法。
  5. 前記構造物の導体は、風車のブレードの側面に設けられたレセプタである、請求項に記載の方法。
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