JP7349292B2 - 光硬化性樹脂組成物、硬化被膜付き基材およびその製造方法 - Google Patents
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Description
[1] ウレタン(メタ)アクリレート(A)、反応性無機粒子(B)、多官能(メタ)アクリレートモノマー(C)、および光重合開始剤(D)を含有する光硬化性樹脂組成物であって、
前記ウレタン(メタ)アクリレート(A)が、イソシアヌレート骨格含有イソシアネート化合物および脂肪族ジオールに由来する構成単位を有し、
前記反応性無機粒子(B)が、有機無機ハイブリッド樹脂である、光硬化性樹脂組成物。
[2] 前記有機無機ハイブリッド樹脂が、加水分解性シリル基を有するウレタン(メタ)アクリレートと、シリカとのハイブリッド樹脂を含む、[1]に記載の光硬化性樹脂組成物。
[3] 前記脂肪族ジオールがエチレングリコールを含む、[1]または[2]に記載の光硬化性樹脂組成物。
[4] 前記ウレタン(メタ)アクリレート(A)の含有量が、光硬化性樹脂組成物の固形分換算100質量%を基準として5質量%以上30質量%以下である、[1]~[3]のいずれかに記載の光硬化性樹脂組成物。
[5] 前記多官能(メタ)アクリレートモノマー(C)が、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、およびジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレートからなる群から選択される少なくとも1種を含む、[1]~[4]のいずれかに記載の光硬化性樹脂組成物。
[6] 無機分量が、光硬化性樹脂組成物の固形分換算100質量%を基準として、20質量%以上70質量%以下である、[1]~[5]のいずれかに記載の光硬化性樹脂組成物。
[7] [1]~[6]のいずれかに記載の光硬化性樹脂組成物から形成される硬化被膜。
[8] 基材表面の少なくとも一部に、[1]~[6]のいずれかに記載の光硬化性樹脂組成物から形成された硬化被膜を有する硬化被膜付き基材。
[9] ディスプレイ用のハードコートフィルムに用いられる、[8]に記載の硬化被膜付き基材。
[10] [1]~[6]のいずれかに記載の光硬化性樹脂組成物を基材の少なくとも一方の面に塗布する塗布工程と、
前記塗布工程の後、紫外線照射により前記光硬化性樹脂組成物を硬化させて硬化被膜を形成する硬化工程と、
を含む、硬化被膜付き基材の製造方法。
なお、本明細書において、「(メタ)アクリレート」はアクリレートおよびメタクリレートを表し、「(メタ)アクリル」はアクリルおよびメタクリルを表し、「(メタ)アクリロイル」は、アクリロイルおよびメタクリロイルを表す。
「固形分」とは、光硬化性樹脂組成物から有機溶剤等の揮発成分を除いたものであり、硬化させたときに硬化被膜を構成する成分を示す。
本発明による光硬化性樹脂組成物は、特定のウレタン(メタ)アクリレート(A)、特定の反応性無機粒子(B)、多官能(メタ)アクリレートモノマー(C)、および光重合開始剤(D)を含有するものである。本発明においては、光硬化性樹脂組成物が(A)~(D)成分を含有することで、硬化時の耐カール性、熱処理後の耐カール性、硬度、耐傷性、および耐候性に優れる硬化被膜を形成することができる。したがって、本発明による光硬化性樹脂組成物から形成された硬化被膜は、製造工程において熱処理が加わるディスプレイ内部のハードコートフィルムのハードコート層として好適である。以下、光硬化性樹脂組成物を構成する(A)~(D)の各成分について詳述する。
ウレタン(メタ)アクリレート(A)が、イソシアヌレート骨格含有イソシアネート化合物および脂肪族ジオールに由来する構成単位を有するものである。ウレタン(メタ)アクリレート(A)は、ポリマーであってもよいし、オリゴマーであってもよい。ウレタン(メタ)アクリレート(A)が、イソシアヌレート骨格を有し、かつ、脂肪族ジオール(a2)に由来する構造を有することで、硬化時の耐カール性、熱処理後の耐カール性、硬度、耐傷性、および耐候性に優れる硬化被膜を形成することができる。
反応性無機粒子(B)は、樹脂に無機粒子を化学的に結合させ、複合化した有機無機ハイブリッド樹脂である。反応性無機粒子(B)として有機無機ハイブリッド樹脂を用いることで、特に熱処理後の耐カール性や耐傷性を向上させることができる。
(1)反応性(メタ)アクリロイル基を有するシラン化合物を加水分解させた後、これとシリカ粒子とを混合し、加熱、攪拌操作を行う方法、
(2)反応性(メタ)アクリロイル基を有するシラン化合物の加水分解をシリカ粒子の存在下に行う方法、
などにより製造することができる。
多官能(メタ)アクリレートモノマーとは、分子内に官能基として少なくとも2個の(メタ)アクリロイルオキシ基を有する化合物を意味する。多官能(メタ)アクリレートモノマーを用いることで、硬化時の耐カール性、熱処理後の耐カール性、硬度、耐傷性、および耐候性に優れる硬化被膜を形成することができる。
光重合開始剤は、特に限定されず、従来公知の紫外線硬化用の光重合開始剤を用いることができる。光重合開始剤としては、例えば、アセトフェノン系重合開始剤、フォスフィンオキサイド系重合開始剤、ベンゾイルホルメート系重合開始剤、チオキサントン系重合開始剤、オキシムエステル系重合開始剤、ヒドロキシベンゾイル系重合開始剤、ベンゾフェノン系重合開始剤、α-アミノアルキルフェノン系重合開始剤等が挙げられる。
フォスフィンオキサイド系重合開始剤としては、ビス(2,4,6-トリメチルベンゾイル)-フェニルフォスフィンオキサイドおよび2,4,6-トリメチルベンゾイルジフェニルホスフィンオキサイド等が挙げられる。
ベンゾイルホルメート系重合開始剤としては、メチルベンゾイルホルメート等が挙げられる。
チオキサントン系重合開始剤としては、イソプロピルチオキサントン等が挙げられる。
オキシムエステル系重合開始剤としては、1,2-オクタンジオン,1-[4-(フェニルチオ)-,2-(O-ベンゾイルオキシム)]およびエタノン,1-[9-エチル-6-(2-メチルベンゾイル)-9H-カルバゾール-3-イル]-,1-(O-アセチルオキシム)等が挙げられる。
ヒドロキシベンゾイル系重合開始剤としては、2-ヒドロキシ-2-メチル-1-フェニルプロパン-1-オン、1-ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトンおよびベンゾインアルキルエーテル等が挙げられる。
ベンゾフェノン系重合開始剤としては、ベンゾフェノン、4-クロロベンゾフェノン、および4,4′-ジアミノベンゾフェノン等が挙げられる。
α-アミノアルキルフェノン系重合開始剤としては、2-メチル-1-(4-メチルチオフェニル)-2-モルフォリノプロパン-1-オン、2-ベンジル-2-ジメチルアミノ-1-(4-モルフォリノフェニル)-ブタノン-1等が挙げられる。
これらは1種のみで用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
本発明による光硬化性樹脂組成物には、本発明の目的を損なわない範囲で、上記(A)~(D)成分以外の他の成分を含んでもよい。他の成分としては、帯電防止剤、重合禁止剤、非反応性希釈剤、つや消し剤、消泡剤、分散剤、沈降防止剤、レベリング剤、分散剤、熱安定剤、紫外線吸収剤、光安定剤、密着性向上剤、光増感剤、抗菌剤、防カビ剤、抗ウイルス剤、シランカップリング剤、可塑剤等を必要に応じて配合することができる。
本発明による光硬化性樹脂組成物は、上記の各成分を、従来公知の混合機、分散機、撹拌機等の装置を用いて、混合・撹拌することにより得られる。このような装置としては、たとえば混合・分散ミル、ホモディスパー、モルタルミキサー、ロール、ペイントシェーカー、ホモジナイザー等が挙げられる。
本発明による光硬化性樹脂組成物から形成された硬化被膜は、厚さ4~5μmの場合、JIS K 7136に準拠して測定したヘイズが、1%未満であることが好ましく、0.7%以下であることがより好ましく、0.5%以下であることがさらに好ましい。また、厚さ4~5μmの硬化被膜は、JIS K 7361-1に準拠して測定した全光線透過率が、90%以上であることが好ましく、91%以上であることがより好ましい。ヘイズおよび全光線透過率が上記範囲内であれば、透明性に優れる。
本発明による硬化被膜付き基材は、基材表面の少なくとも一部に、上記の光硬化性樹脂組成物から形成された硬化被膜を備えるものである。基材としては特に限定されず、各種のプラスチックフィルムを用いることができる。プラスチックフィルムとしては、例えば、ポリエステル樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリオレフィン樹脂、ポリエーテルスルフォン樹脂、アクリロニトリル-スチレン共重合樹脂、ポリアミド樹脂、 セ ルロース樹脂、ポリアリレート樹脂、ポリメチルメタクリル樹脂、ポリメタクリルイミド樹脂等のフィルムが挙げられる。なお、本発明の光硬化性樹脂組成物は全光線透過率が高く、ヘイズが低い、透明な硬化被膜を形成することが可能なため、透明なプラスチックフィルムを用いることが好ましい。
本発明による塗膜付き基材は、上記の光硬化性樹脂組成物を基材の少なくとも一方の面に塗布する塗布工程と、
塗布工程の後、紫外線照射により上記の光硬化性脂組成物を硬化させて硬化被膜を形成する硬化工程と、
を含むものである。以下、各工程について、詳細に説明する。
塗布工程は、基材の片面に、従来公知の方法により、上記の光硬化性樹脂組成物を塗布する工程である。塗布には、例えば、バーコーター、グラビアコーター、ロールコーター(ナチュラルロールコーターおよびリバースロールコーター等)、エアナイフコーター、スピンコーターおよびブレードコーター等の塗布機が使用できる。これらの中でも、作業性および生産性の観点からグラビアコーターを用いた塗布方法が好ましい。
硬化工程は、基材の塗布面に紫外線を照射して、塗布された光硬化性樹脂組成物を硬化させて、硬化被膜を形成する工程である。紫外線で硬化させる方法としては、200~500nm波長域の光を発する高圧水銀ランプ、メタルハライドランプ、キセノンランプ、ケミカルランプ、UV-LED等を用いて、紫外線を照射する方法等が挙げられる。紫外線の照射量は、光硬化性樹脂組成物の硬化性および硬化物の可撓性の観点から、好ましくは100~3,000mJ/cm2であり、より好ましくは200~1,000mJ/cm2である。
攪拌器、還流冷却器、温度計を取り付けた4つ口フラスコに、2-ヒドロキシエチルアクリレート220.4g、エチレングリコール37.2g、メチルエチルケトン557.7g、ジラウリン酸ジブチルスズ0.25g、4-メトキシフェノール0.085g、ジブチルヒドロキシトルエン0.25gを入れ、オイルバスにて80℃まで加温した。80℃まで到達したら、コロネートHX(東ソー製HDIイソシアヌレート)579gを2時間かけて滴下し、滴下後さらに2時間反応させることで、イソシアヌレート骨格含有ウレタン(メタ)アクリレート(A1)を得た。なお、反応の終点は赤外吸収分析でイソシアネート基に由来したピークの消失により確認した。
攪拌器、還流冷却器、温度計を取り付けた4つ口フラスコに、2-ヒドロキシエチルアクリレート60.9g、メチルエチルケトン104.6g、ジラウリン酸ジブチルスズ 0.047g、4-メトキシフェノール0.016g、ジブチルヒドロキシトルエン0.047gを入れ、オイルバスにて80℃まで加温した。80℃まで到達したら、コロネートHX(東ソー製HDIイソシアヌレート)96.0gを2時間かけて滴下し、滴下後さらに2時間反応させることで、イソシアヌレート骨格含有ウレタン(メタ)アクリレート(A2)を得た。なお、反応の終点は赤外吸収分析でイソシアネート基に由来したピークの消失により確認した。
攪拌器、還流冷却器、温度計を取り付けた4つ口フラスコに、イソホロンジイソシアネート200.1g、ジラウリン酸ジブチルスズ0.5g、メチルエチルケトン186.8gを入れ、オイルバスにて75℃まで加温した。75℃まで到達したら、メルカプトプロピルトリメトキシシラン98.2gを1時間かけて滴下し、滴下後さらに6時間反応させた。続いて反応液中に4-メトキシフェノール0.2g、ジブチルヒドロキシトルエン0.34gを入れた後に、ビスコート300(大阪有機化学工業製ペンタエリスリトールトリアクリレート)673.5g、ジラウリン酸ジブチルスズ0.9gを75℃で1時間かけて滴下した。滴下後、アロニクスM-402(東亞合成製ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート)320.6g、メチルエチルケトン69gを投入し、80℃まで加温した。80℃まで到達したら、8時間反応させることでシラン化合物(b)を得た。なお、反応の終点は赤外吸収分析でイソシアネート基に由来したピークの消失により確認した。
攪拌器、還流冷却器、温度計を取り付けた4つ口フラスコに、MEK-ST-40(日産化学製シリカ)267.8g、イオン交換水0.3gを入れ、オイルバスにて60℃まで加温した。60℃まで到達したら、シラン化合物(b)55.8gを2時間かけて滴下し、滴下後さらに3時間反応させた。続いて反応液中にオルトギ酸メチル1.8gを入れた後に、さらに1時間反応させることで有機無機ハイブリッド樹脂(B1)を得た。
攪拌器、還流冷却器、温度計を取り付けた4つ口フラスコに、MEK-ST-40(日産化学製シリカ)216.2g、イオン交換水0.3gを入れ、オイルバスにて60℃まで加温した。60℃まで到達したら、シラン化合物(b)50.4gを2時間かけて滴下し、滴下後さらに3時間反応させた。続いて反応液中にオルトギ酸メチル1.8gを入れた後に、さらに1時間反応させることで有機無機ハイブリッド樹脂(B2)を得た。
・ウレタンアクリレート1:上記で合成したイソシアヌレート骨格含有エチレングリコール変性ウレタンアクリレート(A1)
・ウレタンアクリレート2:上記で合成したイソシアヌレート骨格含有ウレタンアクリレート(A2)(エチレングリコール変性無し)
・ウレタンアクリレート3:ウレタンアクリレート(イソシアヌレート骨格無し、根上工業株式会社製、商品名:ART RESIN UN-954)
・ウレタンアクリレート4:ウレタンアクリレート(イソシアヌレート骨格無し、根上工業株式会社製、商品名:ART RESIN UN-3320HA)
・アクリレート1:2官能ビスフェノールA型エポキシアクリレート(ダイセル・オルネクス株式会社、商品名:EBECRYL3700)
・アクリレート2:酸性基含有 アクリルアクリレート(ダイセル・オルネクス株式会社、商品名:ACA Z230A)
・アクリレート3:ポリエステルアクリレート(東亞合成株式会社、商品名:アロニクスM-8560)
・アクリレート4:フルオレン骨格アクリレート(共栄社化学株式会社、商品名:HIC-GL)
・アクリレート5:トリス(2-アクリロイルオキシエチル)イソシアヌレート(日立化成株式会社、商品名:FA-731A)
・無機粒子1:上記で合成した有機無機ハイブリッド樹脂(B1)(固形分中のシリカ含有量70%)
・無機粒子2:上記で合成した有機無機ハイブリッド樹脂(B2)(固形分中のシリカ含有量67%)
・無機粒子3:反応性シリカ(固形分中のシリカ含有量87.5%、日産化学株式会社製、商品名:MEK-AC-2140Z)
・無機粒子4:反応性シリカ(固形分中のシリカ含有量100%、日揮触媒化成株式会社製、商品名:ELECOM V-8803)
・無機粒子5:シリカ(反応性無し、固形分中のシリカ含有量100%、日産化学株式会社製、商品名:MEK-ST40)
・多官能モノマー:ジペンタエリスリトールヘキサアクリレートおよびジペンタエリスリトールペンタアクリレート(日本化薬株式会社、商品名:KAYARAD DPHA)
・光重合開始剤1(IGM Resin社製、商品名:Omnirad 184)
・光重合開始剤2(IGM Resin社製、商品名:Omnirad 907)
・光重合開始剤3(IGM Resin社製、商品名:Omnirad 127)
・光重合開始剤4(IGM Resin社製、商品名:Omnirad TPO)
・溶剤(メチルエチルケトン)
メチルエチルケトン7.4質量部に、上記で合成したイソシアヌレート骨格含有ウレタン(メタ)アクリレート(A)を含む組成物を20.7質量部、(B)成分を66.1質量部、(C)成分を5.1質量部、(D)成分を0.7質量部添加し、溶解させて、光硬化性樹脂組成物を得た。
表1に記載の配合に従って、各成分の配合量を変更した以外は、実施例1と同様にして、光硬化性樹脂組成物を得た。なお、比較例11の光硬化性樹脂組成物はゲル化のため、以下の硬化被膜付き基材を製造できなかった。
PETフィルム基材(厚さ=25μm)に、上記で調製した各光硬化性樹脂組成物を乾燥膜厚が約5μmとなるように1回塗布し、80℃で1分間乾燥させた。続いて、該PETフィルム基材の塗布面に、高圧水銀ランプにて紫外線を照射することで(照射量:200mJ/cm2)、塗膜を硬化させ、硬化被膜を形成し、硬化被膜付き基材を得た。
(光学特性)
上記で製造した硬化被膜付き基材について、ヘイズメーター(日本電色工業株式会社製、型番:NDH4000)を用いて、JIS K 7136に準拠してヘイズ(HZ)を測定し、JIS K 7361-1に準拠して全光線透過率(TT)を測定した。測定結果を表3および4に示した。また、下記の基準にて光学特性を判定した。
[HZ判定基準]
〇:1%未満であった。
×:1%以上であった。
[TT判定基準]
〇:90%以上であった。
×:90%未満であった。
上記で製造した硬化被膜付き基材を5cm×5cmのサイズのサンプルに切り出した。サンプルを恒温恒湿室(23℃、50%)に1時間放置した。その後、サンプルの中央部分が測定台に接するように置き、サンプルの四隅の測定台(水平面)からの浮き上がりを測定し、平均値を算出した。下記の基準(「○」が合格)にて硬化時の耐カール性を判定し、結果を表3および4に示した。
[硬化時の耐カール性の判定基準]
○:四隅の浮き上がりの平均値が5mm未満であった。
△:四隅の浮き上がりの平均値が5mm以上10mm未満であった。
×:四隅の浮き上がりの平均値が10mm以上であった。
上記で製造した硬化被膜付き基材を5cm×5cmのサイズのサンプルに切り出した。サンプルを乾燥機(120℃)に10分間放置した。その後、サンプルの中央部分が測定台に接するように置き、サンプルの四隅の測定台(水平面)からの浮き上がりを測定し、平均値を算出した。下記の基準(「○」が合格)にて熱処理後の耐カール性を判定し、結果を表3および4に示した。
[熱処理後の耐カール性の判定基準]
○:四隅の浮き上がりの平均値が5mm未満であった。
△:四隅の浮き上がりの平均値が5mm以上10mm未満であった。
×:四隅の浮き上がりの平均値が10mm以上であった。
上記で製造した硬化被膜付き基材について、JIS K5600に準拠して、鉛筆硬度(750g荷重)を測定した。下記の基準(「○」が合格)にて硬度を判定し、結果を表3および4に示した。
[硬度の判定基準]
○:硬度がF以上であった。
×:硬度がHB以下であった。
上記で製造した硬化被膜付き基材について、平面摩耗試験機(株式会社大栄科学精器製作所製、型番:PAS-400)にてスチールウール#0000、500g/cm2荷重、10往復させた際の傷の本数を測定した。下記の基準(「○」が合格)にて耐傷性を判定し、結果を表3および4に示した。
[耐傷性の判定基準]
○:傷の本数は0本であった。
△:傷の本数は1本以上4本以下であった。
×:傷の本数は5本以上であった。
耐候性の評価は、塗膜の黄変度によって以下の通り評価した。
上記で製造した硬化被膜付き基材について、促進耐候性試験機(スガ試験機株式会社製、型番:スーパーキセノンウェザーメーターSX2D-75、照度:180mW/m2、ブラックパネル温度:63℃、降雨18分を含む2時間を1サイクルとし、これを24サイクル行った。促進耐候試験後の塗膜の黄変度は、JIS Z8722:2000に準拠して、色差計(JP7100F、株式会社カラーテクノシステム製)を用いて測定した。促進耐候試験の前後におけるb*値の差(Δb*)を下記の基準(「○」が合格)で判定し、結果を表3および4に示した。
[硬度の判定基準]
○:Δb*≦1.0
×:Δb*>1.0
Claims (9)
- ウレタン(メタ)アクリレート(A)、反応性無機粒子(B)、多官能(メタ)アクリレートモノマー(C)、および光重合開始剤(D)を含有する光硬化性樹脂組成物であって、
前記ウレタン(メタ)アクリレート(A)が、イソシアヌレート骨格含有イソシアネート化合物および脂肪族ジオールに由来する構成単位を有し、
前記反応性無機粒子(B)が、加水分解性シリル基を有するウレタン(メタ)アクリレートと、シリカとのハイブリッド樹脂を含む有機無機ハイブリッド樹脂である、光硬化性樹脂組成物。 - 前記脂肪族ジオールがエチレングリコールを含む、請求項1に記載の光硬化性樹脂組成物。
- 前記ウレタン(メタ)アクリレート(A)の含有量が、光硬化性樹脂組成物の固形分換算100質量%を基準として5質量%以上30質量%以下である、請求項1または2に記載の光硬化性樹脂組成物。
- 前記多官能(メタ)アクリレートモノマー(C)が、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、およびジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレートからなる群から選択される少なくとも1種を含む、請求項1~3のいずれか一項に記載の光硬化性樹脂組成物。
- 無機分量が、光硬化性樹脂組成物の固形分換算100質量%を基準として、20質量%以上70質量%以下である、請求項1~4のいずれか一項に記載の光硬化性樹脂組成物。
- 請求項1~5のいずれか一項に記載の光硬化性樹脂組成物から形成される硬化被膜。
- 基材表面の少なくとも一部に、請求項1~5のいずれか一項に記載の光硬化性樹脂組成物から形成された硬化被膜を有する硬化被膜付き基材。
- ディスプレイ用のハードコートフィルムに用いられる、請求項7に記載の硬化被膜付き基材。
- 請求項1~5のいずれか一項に記載の光硬化性樹脂組成物を基材の少なくとも一方の面に塗布する塗布工程と、
前記塗布工程の後、紫外線照射により前記光硬化性樹脂組成物を硬化させて硬化被膜を形成する硬化工程と、
を含む、硬化被膜付き基材の製造方法。
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