JP7348073B2 - 植物細胞パックの自動化された形質転換のための方法 - Google Patents

植物細胞パックの自動化された形質転換のための方法 Download PDF

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Description

本発明は、培養植物細胞を形質転換するための方法に関するものであって、その方法はa) 形質転換されるべき培養植物細胞の植物細胞パッケージ(PCP)を提供すること、b) 前記PCPを一定のインキュベーション時間の間、形質転換作用物質を含有する液体と接触させること、c) 前記の形質転換作用物質を含有する液体を除去すること;ならびにそれによってd) 前記培養植物細胞を形質転換すること、を含んでいるが、この形質転換作用物質を含有する液体はステップb)において、自動化された装置によって、好ましくは最大50μl/sの流量でPCPに適用される。さらに、本発明は、形質転換された植物細胞、それにかかわる使用および方法に関する。
二次代謝産物もしくはタンパク質を組換え生産するための、植物に基づくシステムを提供するために多くの努力がなされてきた。植物細胞培養物は、インタクトな植物と同様に、原則的に、このような目的のために使用することができる。代謝において必要な変化を達成し、組換え遺伝子もしくはその産物を植物細胞に産生させるために、原則として2つの方法を使用することができるが、それはすなわち、一方では、安定したトランスジェニック植物もしくは植物細胞培養物を提供する方法、または、他方では、一過性にトランスフェクトされた植物もしくは植物細胞培養物を提供する方法である。形質転換のために、通常、不活性なキャリア粒子(たとえば金から作られた微小粒子、「遺伝子銃」)、細菌(特にアグロバクテリウム・ツメファシエンス(Agrobacterium tumefaciens)株)、ウイルス(たとえば、タバコモザイクウイルス、TMV)または後者の2つの組み合わせ(「マグニフェクション(magnifection)、WO 2002088369 A1」)を使用することができる。
一般に、一過性形質転換は、選択圧の下でトランスジェニック細胞およびその培養物を選択する必要がないため、安定した形質転換が必要でない場合、および、速やかに結果を得なければならない場合には有利である。これはインタクトな植物にはなおさら当てはまる。
導入遺伝子のための最適な構築物を提供するために、通常、プレスクリーニング実験を行って、多数の可能性のある候補および/または条件を小さな規模で調べる。現時点では、材料の葉に形質転換溶液を手動で注入してプレスクリーニングを行い、手作業でサンプルを採取して抽出することが一般的である。しかしながら、葉の位置、葉の齢の差異、ならびに異なる植物間の遺伝子型もしくは表現型の小さな相違によっても引き起こされる、激しい変動がレプリカ群の中に存在する可能性があり、これはトランスファラビィティおよびスケーラビリティの観点からこうした実験の価値を減少させる。さらに、調べる構築物の数が増えるにつれて、作業量、ひいては時間およびコストが大幅に増加する。
植物細胞パッケージ(PCP)は、均一な植物細胞集団を提供するという利点を有し、植物細胞培養物において、プレスクリーニング実験を実施することができる可能性を提供する(EP 2623603 A1)が、この培養物はたとえば、EP 3136841 A1によって教示されるバッチ培養で得ることができる。さらに、PCPを用いた実験では、温度、栄養供給などの環境パラメータを、インタクトな植物より容易に制御することができる。
PCP以外に無細胞発現系も提案されているが、これは小胞体の微小胞を含有する系を含んでおり、したがってタンパク質の翻訳後修飾を提供する(たとえば、WO 2015165583 A1およびBuntru et al. (2014), BMC Biotechnol. 14:37を参照されたい)。
国際公開2002088369号 欧州特許出願公開第2623603号A1 欧州特許出願公開第3136841号A1 国際公開2015165583号
Buntru et al. (2014), BMC Biotechnol. 14:37
プレスクリーニングシステムの前記の進歩にもかかわらず、時間と費用のかかる手動ステップ数のせいで、依然として、このようなスクリーニングを行うための改善された手段および方法が必要である。したがって、本発明の目的は、前記の必要に合致し、先行技術の不都合を少なくとも部分的に回避する、手段および方法を提供することである。
前記の問題は、本明細書に記載の方法および手段によって解決される。好ましい実施形態は、単独で、または任意の組み合わせで実現されうるが、それらは従属クレームに列挙され、本明細書に記載されている。
したがって、本発明は培養植物細胞を形質転換するための方法に関するものであって、その方法は
a) 形質転換されるべき培養植物細胞の植物細胞パッケージ(PCP)を提供すること、
b) 前記PCPを一定のインキュベーション時間の間、形質転換作用物質を含有する液体と接触させること、
c) 前記の形質転換作用物質を含有する液体を除去すること;ならびにそれによって、
d) 前記培養植物細胞を形質転換すること、
を含んでおり、
この形質転換作用物質を含有する液体は、ステップb)において、自動化された装置によって最大50μl/sの流量でPCPに適用される。
下記で使用されるように、「有する」、「含んでなる」もしくは「含む」という用語、またはそれらの任意の文法的語尾変化形は、非排他的に使用される。したがって、これらの用語は、この文脈で説明される実体の中に、これらの用語によって導き入れられる様相のほかに、それ以上の様相が存在しない状況、ならびに1つもしくは複数の様相が存在する状況の双方を指す場合がある。たとえば、「AはBを有する」、「AはBを含んでなる」、ならびに「AはBを含む」は、B以外に、Aに他の要素が存在しない状況(すなわちAは単独で排他的にBのみで構成される状況)、ならびに、実体Aの中に、Bのほかに、1つもしくは複数の要素、たとえば要素C、要素CおよびD、またはさらにそれ以上の要素が存在する状況の両方を指す場合がある。
さらに、下記で使用されるように、「好ましくは」、「より好ましくは」、「もっとも好ましくは」、「詳細には」、「より詳細には」、「具体的には」、「より具体的には」、または類似の用語は、それ以上の可能性を制限することなく、選択肢の様相とともに使用される。したがって、これらの用語によって導き入れられる様相は選択肢の様相であって、けっして請求の範囲を制限するものではない。当業者には明らかなように、本発明は、ほかに代わりうる様相を用いることによって実施することができる。同様に、「本発明の実施形態において」または類似の表現によって導き入れられる様相は、選択肢の様相であることを意図するものであって、本発明のそれ以上の実施形態について制限することなく、発明の範囲について制限することもなく、このようにして導き入れられた様相と、本発明の他の選択肢の様相、または選択肢でない様相とを組み合わせる可能性を制限することもない。さらに、特記されない限り、「約」という用語は、関連分野で一般的に受け入れられている技術的な正確さをもって示される値に関するものであって、好ましくは表示値 ± 20%、より好ましくは表示値 ± 10%、もっとも好ましくは表示値 ± 5%に関する。
本発明の方法は、好ましくは、in vitro法である。また、上記で明示的に記載されたもののほかに、ステップを含んでいてもよい。たとえば、追加ステップは、ステップa)について特定の条件下で植物細胞を増殖させること、またはステップd)の後に植物細胞パックの中で植物細胞を溶解すること、などに関する可能性がある。さらに、前記ステップのうち1つもしくはいくつかは、本明細書において下記に指定される自動化された装置によって実施することができる。ステップa)~c)のうち、好ましくは少なくとも1つ、より好ましくは少なくとも2つ、さらにより好ましくは3つすべてのステップが自動化された装置によって行われる。好ましくは形質転換作用物質を含有する液体を提供するステップを含めて、すべてのステップが自動化された装置によって行われることがもっとも好ましい。本発明の方法において、培地および装置は滅菌されることが好ましいが、より好ましくは、サンプル取り扱い中に無菌性のために特別な予防措置は講じられない。したがって、本方法のステップは、好ましくは、無菌性を確保する条件下、たとえば層流デバイス下で行ってもよい;しかしながら、より好ましくは、唯一の無菌予防措置として、滅菌された培地および装置を使用することが好ましい。
「植物細胞」という用語は、真核生物ドメイン内の植物界の構成員である任意の細胞に関することが当業者に知られている。好ましくは、植物細胞は、上科である緑色植物亜界、好ましくは維管束植物門、より好ましくは種子植物亜門、もっとも好ましくは単子葉および双子葉植物に属する植物に由来する細胞であって、こうした植物には、飼料マメ科植物、鑑賞植物、食用作物、樹木もしくは低木がある。好ましくは、植物細胞は、カエデ属(Acer spp.)、マタタビ属(Actinidia spp.)、トロロアオイ属(Abelmoschus spp.)、サイザルアサ(Agave sisalana)、コムギダマシ属(Agropyron spp.)、コヌカグサ(Agrostis stolonifera)、ネギ属(Allium spp.)、ヒユ属(Amaranthus spp.)、ビーチグラス(Ammophila arenaria)、パイナップル(Ananas comosus)、バンレイシ属(Annona spp.)、セロリ(Apium graveolens)、ラッカセイ属(Arachis spp)、パンノキ属(Artocarpus spp.)、アスパラガス(Asparagus officinalis)、カラスムギ属(Avena spp.)(たとえば、エンバク(Avena sativa)、カラスムギ(Avena fatua)、アカエンバク(Avena byzantina)、Avena fatua var. sativa、Avena hybrida))、スターフルーツ(Averrhoa carambola)、ホウライチク属(Bambusa sp.)、トウガン(Benincasa hispida)、ブラジルナッツ(Bertholletia excelsa)、ビート(Beta vulgaris)、アブラナ属(Brassica spp.)(たとえば、セイヨウアブラナ(Brassica napus)、ブラッシカ・ラパ(Brassica rapa ssp.)(キャノーラ、ナタネ、カブ))、Cadaba farinosa、チャノキ(Camellia sinensis)、ダンドク(Canna indica)、アサ(Cannabis sativa)、トウガラシ属(Capsicum spp.)、Carex elata、パパイア(Carica papaya)、オオバナカリッサ(Carissa macrocarpa)、ペカン属(Carya spp.)、ベニバナ(Carthamus tinctorius)、クリ属(Castanea spp.)、カポック(Ceiba pentandra)、エンダイブ(Cichorium endivia)、ニッケイ属(Cinnamomum spp.)、スイカ(Citrullus lanatus)、ミカン属(Citrus spp.)、ココヤシ属(Cocos spp.)、コーヒーノキ属(Coffea spp.)、サトイモ(Colocasia esculenta)、コラノキ属(Cola spp.)、ツナソ属(Corchorus sp.)、コリアンダー(Coriandrum sativum)、ハシバミ属(Corylus spp.)、サンザシ属(Crataegus spp.)、サフラン(Crocus sativus)、カボチャ属(Cucurbita spp.)、キュウリ属(Cucumis spp.)、チョウセンアザミ属(Cynara spp.)、ニンジン(Daucus carota)、ヌスビトハギ属(Desmodium spp.)、リュウガン(Dimocarpus longan)、ヤマノイモ属(Dioscorea spp.)、カキノキ属(Diospyros spp.)、ヒエ属(Echinochloa spp.)、アブラヤシ属(Elaeis)(たとえば、ギニアアブラヤシ(Elaeis guineensis)、アメリカアブラヤシ(Elaeis oleifera))、シコクビエ(Eleusine coracana)、テフ(Eragrostis tef)、Erianthus sp.、ビワ(Eriobotrya japonica)、ユーカリ属(Eucalyptus sp.)、ピタンガ(Eugenia uniflora)、ソバ属(Fagopyrum spp.)、ブナ属(Fagus spp.)、オニウシノケグサ(Festuca arundinacea)、イチジク(Ficus carica)、キンカン属(Fortunella spp.)、オランダイチゴ属(Fragaria spp.)、イチョウ(Ginkgo biloba)、ダイズ属(Glycine spp.)(たとえば、ダイズ(Glycine max、Soja hispidaもしくはSoja max)、ワタ(Gossypium hirsutum)、ヒマワリ属(Helianthus spp.)(たとえば、ヒマワリ(Helianthus annuus))、ワスレグサ(Hemerocallis fulva)、フヨウ属(Hibiscus spp.)、オオムギ属(Hordeum spp.)(たとえば、オオムギ(Hordeum vulgare))、サツマイモ(Ipomoea batatas)、クルミ属(Juglans spp.)、レタス(Lactuca sativa)、レンリソウ属(Lathyrus spp.)、レンズマメ(Lens culinaris)、アマ(Linum usitatissimum)、レイシ(Litchi chinensis)、ミヤコグサ属(Lotus spp.)、トカドヘチマ(Luffa acutangula)、ルピナス属(Lupinus spp.)、オオスズメノヤリ(Luzula sylvatica)、トマト属(Lycopersicon spp.)(たとえば、トマト(Lycopersicon esculentum、Lycopersicon lycopersicum、Lycopersicon pyriforme))、Macrotyloma spp.、リンゴ属(Malus spp.)、アセロラ(Malpighia emarginata)、Mammea americana、マンゴー(Mangifera indica)、イモノキ属(Manihot spp.)、サポジラ(Manilkara zapota)、ムラサキウマゴヤシ(Medicago sativa)、シナガワハギ属(Melilotus spp.)、ハッカ属(Mentha spp.)、ススキ(Miscanthus sinensis)、ツルレイシ属(Momordica spp.)、クロミグワ(Morus nigra)、バショウ属(Musa spp.)、タバコ属(Nicotiana spp.)、オリーブ属(Olea spp.)、オプンティア属(Opuntia spp.)、Ornithopus spp.、イネ属(Oryza spp.)(たとえば、イネ(Oryza sativa)、野生稲(Oryza latifolia))、キビ(Panicum miliaceum)、Panicum virgatum、パッションフルーツ(Passiflora edulis)、パースニップ(Pastinaca sativa)、チカラシバ属(Pennisetum sp.)、ワニナシ属(Persea spp.)、パセリ(Petroselinum crispum)、クサヨシ(Phalaris arundinacea)、インゲンマメ属(Phaseolus spp.)、オオアワガエリ(Phleum pratense)、ナツメヤシ属(Phoenix spp.)、ヨシ(Phragmites australis)、ホオズキ属(Physalis spp.)、マツ属(Pinus spp.)、ピスタチオ(Pistacia vera)、エンドウ属(Pisum spp.)、イチゴツナギ属(Poa spp.)、ヤマナラシ属(Populus spp.)、プロソピス属(Prosopis spp.)、サクラ属(Prunus spp.)、バンジロウ属(Psidium spp.)、ザクロ(Punica granatum)、セイヨウナシ(Pyrus communis)、コナラ属(Quercus spp.)、ダイコン(Raphanus sativus)、ルバーブ(Rheum rhabarbarum)、スグリ属(Ribes spp.)、トウゴマ(Ricinus communis)、キイチゴ属(Rubus spp.)、サトウキビ属(Saccharum spp.)、ヤナギ属(Salix sp.)、ニワトコ属(Sambucus spp.)、ライムギ(Secale cereale)、ゴマ属(Sesamum spp.)、シロガラシ属(Sinapis sp.)、ナス属(Solanum spp.)(たとえば、ジャガイモ(Solanum tuberosum)、Solanum integrifolium、またはトマト(Solanum lycopersicum))、モロコシ(Sorghum bicolor)、ホウレンソウ属(Spinacia spp.)、フトモモ属(Syzygium spp.)、マンジュギク属(Tagetes spp.)、タマリンド(Tamarindus indica)、カカオ(Theobroma cacao)、シャジクソウ属(Trifolium spp.)、イースタンガマグラス(Tripsacum dactyloides)、Triticosecale rimpaui、コムギ属(Triticum spp.)(たとえば、コムギ(Triticum aestivum)、デュラムコムギ(Triticum durum)、Triticum turgidum、Triticum hybernum, Triticum macha、Triticum sativum、ヒトツブコムギ(Triticum monococcum)またはTriticum vulgare)、Tropaeolum minus、キンレンカ(Tropaeolum majus)、スノキ属(Vaccinium spp.)、ソラマメ属(Vicia spp.)、ササゲ属(Vigna spp.)、ニオイスミレ(Viola odorata)、ブドウ属(Vitis spp.)、トウモロコシ(Zea mays)、およびワイルドライス(Zizania palustris)、ナツメ属(Ziziphus spp.)からなるリストから選択される植物に由来する細胞である。より好ましくは、植物細胞は、タバコ(Nicotiana tabacum)細胞、ニンジン(Daucus carota)細胞、またはコムギ(Triticum aestivum)細胞である。植物細胞は、植物全体、植物部分、植物器官、または植物組織からの細胞、または植物全体、植物部分、植物器官、または植物組織に由来する細胞とすることができる。したがって、この用語は、好ましくは、種子、シュート、茎、葉、根(塊茎を含める)および花からの細胞、ならびに、種子、シュート、茎、葉、根(塊茎を含める)、および花に由来する細胞を含む。
本明細書で使用される「培養植物細胞」という用語は、プロトプラストを含めて、培地中で、単一細胞として、または細胞集合体として維持される植物細胞に関する。好ましくは、培養植物細胞は、懸濁培養中で維持される植物細胞である。カルス形成を誘導し、植物細胞の懸濁培養を開始するための方法および培地は当技術分野で知られている。細胞の懸濁培養のための好ましい培地はムラシゲ・スクーグ培地(Murashige & Skoog (1962), Physiologia Plantarum. 15 (3): 473)である。細胞は、本明細書に記載の形質転換法を適用する前に、好ましくは少なくとも1週間、より好ましくは少なくとも2週間、バッチ懸濁培養、より好ましくは連続懸濁培養で維持される。植物細胞を培養するための好ましい方法はたとえば、WO 2015/165583 A1に記載されている。好ましい実施形態において、植物細胞は、形質転換の前に単個細胞状態に到達するまで培養される。好ましくは、培養植物細胞は、形質転換の前に、25 g/lから200 g/l、好ましくは75 g/lから100 g/lの湿質量密度まで増殖させる。「湿質量密度」という用語は当業者に理解される;好ましくは、この用語は、培養液量当たりの細胞の質量に関するものであって、遠心分離して、規定量の培地中に含まれる細胞の質量を量ることによって、測定される。培養植物細胞は、好ましくは減圧濾過もしくは遠心分離によって、より好ましくは沈降によって植物細胞パックに変換される前に、湿質量密度が最大で300 g/lとなるまで、好ましくは最大で200 g/lとなるまで濃縮されることが好ましい。培養植物細胞は、本明細書に記載の形質転換法を適用する前に、10 g/l~50 g/lショ糖、好ましくは15 g/l~35 g/lショ糖、より好ましくは約20 g/lショ糖を含んでなる培地中で、好ましくは少なくとも1週間、より好ましくは少なくとも2週間維持されることが好ましい。また、培養植物細胞は、本明細書に記載の形質転換法を適用する前に、1 mM~10 mMリン酸イオン、好ましくは2 mM~5 mMリン酸イオン、より好ましくは約2.7 mMリン酸イオンを含んでなる培地中で、好ましくは少なくとも1週間、より好ましくは少なくとも2週間維持されることが好ましい。PCPの作製のために培養植物細胞を分注するために、植物細胞を含有する培地は、振盪もしくは攪拌することによって、より好ましくは攪拌することによって、もっとも好ましくはマグネティックスターラーを用いて攪拌することによってかき混ぜることが好ましい。
「植物細胞パッケージ」(もしくは「PCP」)という用語は、植物細胞のぎっしり詰まったパッケージ、たとえば植物細胞のペレットに関するものであることが、たとえばEP 2 623 603 A1から当業者に知られている。EP 2 623 603 A1に記載のように、PCPは、多孔性担体に培養植物細胞を加え、その多孔性担体に減圧をかけて培地を除去することによって提供することができる。好ましくは、PCPは培養植物細胞を遠心分離することによって調製される。PCPは、培養細胞を、500g~3500g、好ましくは1500g~2000gで遠心分離することによって提供されることが好ましいが、前記遠心分離は少なくとも15秒、好ましくは少なくとも30秒間行われる。より好ましくは、前記遠心分離は15秒~10分間、好ましくは30秒~1分間行われる。遠心分離後に上清を除去することが好ましい。より好ましくは、PCPは、培養植物細胞を多孔性担体上に遠心することによって与えられる;好ましくは、多孔性担体はフィルターであるか、またはフィルターを含んでなり、より好ましくは、多孔性担体はフィルタープレートであり、もっとも好ましくはマルチウェルフィルタープレートである。マルチウェルフィルタープレートは、大体において当業者に知られており、さまざまな形式で市販されている。好ましくは、多孔性担体は平均孔径1μm~200μmの孔を有するが、好ましくは30μm~40μmである。好ましくはPCPはぎっしり詰まった植物細胞のパッケージであるが、より好ましくは0.1 g/cm3 ~0.9 g/cm3の質量密度を有し、もっとも好ましくは0.4 g/cm3~0.6 g/cm3の質量密度を有する。PCPの作製は完全に自動化されることが好ましく、すなわち、好ましくは事前調整された湿質量密度を有する培養植物細胞の適当量を、ピペットで適当な容器、好ましくはマルチウェルフィルタープレートに入れ、そのマルチウェルフィルタープレートを遠心分離するステップは、好ましくはユーザーによる相互作用なしに、自動化された装置で行われることが好ましい。好ましくは、PCPはマルチウェル(マルチクラスター)プレート内で提供されるが、より好ましくは、そのプレートはウェル当り最大0.5 mlの液体を収容し、好ましくはウェル当り最大0.25 mlを収容する。
好ましくは、植物細胞パッケージを提供するために、適当量の細胞集団を多孔性担体、好ましくはフィルター上に遠心する。「適当量の細胞集団」という用語は当業者に理解されるが、基本的に、次のステップに必要とされる細胞量、ならびにPCPを維持するために選択される容器によって提供されるスペースによって決まってくるものである。したがって、たとえば、96ウェルプレートの1つのウェルについて、好ましくは50 mg~100 mg、より好ましくは約65 mgの細胞量を用いることができる。好ましくは、PCPを提供する際に、固形化する手段が含まれる。本明細書で使用される「固形化手段」という用語は、PCPの全般的な安定性を高めるのに適したすべての手段を含む。したがって、固形化手段は、柔軟性のある固形化手段、または柔軟性のない固形化手段(非柔軟性固形化手段)とすることができる。柔軟性のある固形化手段は、好ましくは、PCPの細胞集合体がPCP構造体に組み込まれた状態になることによって、はずれないようにする手段である;したがって、好ましくは、柔軟性のある固形化手段は繊維性化合物であり、より好ましくはセルロース繊維を含んでなる、またはセルロース繊維からなる、繊維性化合物である。柔軟性のない固形化手段は、好ましくは、PCP構造用の骨格を提供することでPCPの細胞集合体がはずれないようにする手段である。したがって、好ましくは、柔軟性のない固形化手段は、PCPを外部および/または内部で支える硬質もしくは半硬質化合物である;したがって、柔軟性のない固形化手段は、培養細胞が適用される前に多孔性担体に加えることができるが、多孔性担体の一部となっていてもよい。
明確化のために、「植物細胞培養物」という用語は、本明細書において、植物細胞に典型的な懸濁培養状態の植物細胞培養物、またはプロトプラストとして与えられる懸濁培養状態の植物細胞培養物について使用されるのに対して、「植物細胞パッケージ」という用語は、記載されたように提供された植物細胞のぎっしり詰まったパッケージについて使用される。当業者には当然のことながら、植物細胞培養物およびPCPはいずれも、培養された植物細胞を含有するが、植物細胞培養物とPCPとの相違は、好ましくは、残存する自由細胞外液(すなわち、好ましくは培地)の量にあり、その量は、PCP中の細胞および細胞集合体が基本的に、その相対的な位置に固定されているようなPCPにおいては少ない。当然のことながら、前記PCPと、形質転換作用物質を含有する液体との接触は、PCPの構造をゆがませない程度に低い容量の前記液体を適用することを含む。したがって、好ましくは、本発明の方法は、形質転換プロセスの全体にわたって培養植物細胞をPCPとして維持することを含む。
本明細書で使用される「形質転換」という用語は、好ましくは異種のポリヌクレオチドを植物細胞に導入することに関する。導入されたポリヌクレオチドは、植物細胞および/またはその色素体および/またはミトコンドリアのゲノム内に安定して組み込まれる可能性がある。必要に応じて、ポリヌクレオチドは、CRISPR/Casタンパク質複合体の特異的作用を引き起こすガイドRNAを含んでいてもよい。導入されたポリヌクレオチドは安定的に組み込まれないことが好ましく、したがって、形質転換は一過性形質転換であることが好ましい。より好ましくは、形質転換は一過性核形質転換である。
本明細書で使用される「ポリヌクレオチド」という用語は、直鎖状もしくは環状核酸分子に関する。本発明のポリヌクレオチドは、好ましくは、単離されたポリヌクレオチドとして(すなわちその自然な環境から切り離されて)、遺伝子組換え型として、または本明細書の下記に記載のベクター中に含まれて、与えられるものとする。この用語は、DNAおよびRNAを包含するが、好ましくはポリヌクレオチドはDNAである;また、この用語は一本鎖および二本鎖ポリヌクレオチドを含む。さらに、化学修飾されたヌクレオチドも含まれるが、これには、天然に存在する修飾ポリヌクレオチド、たとえばグリコシル化またはメチル化ポリヌクレオチドなど、または人工的な修飾誘導体、たとえばビオチン化ポリヌクレオチドなどがある。好ましくは、ポリヌクレオチドは、異種ポリヌクレオチド、すなわち、形質転換された植物細胞中に自然には存在しない核酸配列を含んでなるポリヌクレオチドである。より好ましくは、ポリヌクレオチドは目的の遺伝子、たとえば、目的のポリペプチドをコードする発現可能な配列をコードする。
本発明のポリヌクレオチドはベクター中に含まれていてもよい。「ベクター」という用語は、好ましくはプラスミドおよびウイルスベクター、ならびに人工染色体、たとえば細菌もしくは酵母の人工染色体を包含する。さらに、この用語は、ターゲティング構築物にもかかわるが、これはゲノム、プラスミド、および/またはミトコンドリアDNAへのそのターゲティング構築物のランダムもしくは部位特異的組込みを可能にするものである。こうしたターゲティング構築物は好ましくは、相同もしくは非相同組換えに十分な長さを有するDNAを含む。本発明のポリヌクレオチドを包含するベクターは、好ましくはさらに、細菌および/または植物細胞内での増殖および/または選択のための選択可能なマーカーを含む。
より好ましくは、本発明のベクターにおいて、ポリヌクレオチドは、植物細胞またはその分離された画分における発現を可能にする発現制御配列に、機能しうるように連結される。したがって、ベクターは、好ましくは発現ベクターであり、より好ましくは一過性発現ベクターである。ポリヌクレオチドの発現は、好ましくは翻訳可能なmRNAへの、ポリヌクレオチドの転写を含む。真核細胞、好ましくは植物細胞での発現を確実にする調節エレメントは当技術分野でよく知られている。その調節エレメントは好ましくは、転写および翻訳の開始を確実にする制御配列を含み、必要に応じて、翻訳の終結および転写物の安定化を確保するポリAシグナルを含む。追加の調節エレメントには転写エンハンサーおよび翻訳エンハンサーを含めることができる。さらに、誘導性発現制御配列を、本発明に包含される発現ベクターにおいて使用することができる。このような誘導ベクターは、tet(テトラサイクリン)オペレーター配列、または熱ショックもしくは他の環境因子によって誘導可能な配列を含んでいてもよい。適当な発現制御配列は当技術分野でよく知られている。好ましいベクターは、WO 2002/088369 A1およびその引用文献にも記載されている。
本明細書で使用される「接触させる」という用語は、2つの化合物が相互作用できるように、2つの化合物をごく近接した状態または混合した状態にすることに関する。
本明細書で使用される「形質転換作用物質」という用語は、細胞、好ましくは植物細胞の、形質転換を引き起こすのに適した任意の化合物もしくは化合物の混合物に関する。植物細胞形質転換のための形質転換作用物質は、大体において当技術分野で知られている。当業者は、特定の形質転換作用物質の適合性が、形質転換されるべき植物細胞の種、型および状態、ならびにその他の要因に左右される可能性があることを承知している。したがって、培養植物細胞がプロトプラストである場合、形質転換作用物質は、好ましくは形質転換を増進する化合物、たとえばポリエチレンイミンと混合した、上記の単離されたポリヌクレオチドもしくはベクターであることが好ましい。培養植物細胞は好ましくは、ウイルスおよび/または細菌ベクターを用いて、遺伝子銃の方法によって、または同様の方法で形質転換される。好ましくは、形質転換作用物質は植物ウイルス、より好ましくは、形質転換されるべき植物細胞に感染する組換え植物ウイルスであり、さらに好ましくは、ビルガウイルス科(Virgaviridae)、ポティウイルス科(Potyviridae)およびジェミニウイルス科(Geminiviridae)のうち1つに属する組換えウイルスであり、もっとも好ましくは、タバコモザイクウイルス、タバコエッチウイルス(Tobacco etch virus)、またはトウモロコシ条斑ウイルス(Maize streak virus)である。より好ましくは、形質転換作用物質は、好ましくは組換え型の、細菌であって、これは好ましくはリゾビウム科に由来し、より好ましくはアグロバクテリウム属に由来し、さらにより好ましくは、アグロバクテリウム・ツメファシエンス(Agrobacterium tumefaciens)、Agrobacterium radiobacter、またはRhizobium radiobacterであって、もっとも好ましくはアグロバクテリウム・ツメファシエンス(Agrobacterium tumefaciens)である。好ましくは、アグロバクテリウム・ツメファシエンス(Agrobacterium tumefaciens)は、アグロバクテリウム・ツメファシエンス(Agrobacterium tumefaciens) GV3101株であり、より好ましくはプラスミドpMP90RKを含有するアグロバクテリウム・ツメファシエンス(Agrobacterium tumefaciens) GV3101株である(アグロバクテリウム・ツメファシエンス(Agrobacterium tumefaciens) GV3101株:pMP90RK)。当業者には当然のことながら、当技術分野でよく知られている方法を、組換え形質転換作用物質の構築に使用することができる;たとえば、Sambrook, Molecular Cloning A Laboratory Manual, Cold Spring Harbor Laboratory (1989) N.Y. およびAusubel, Current Protocols in Molecular Biology, Green Publishing Associates and Wiley Interscience, N.Y. (1994)に記載の技法を参照されたい。
本明細書で使用される「形質転換作用物質を含有する液体」という表現は、PCPへの適用に適合し、その形質転換作用物質に適合する任意の液体であって、下記の形質転換作用物質を含有する前記液体に関する。好ましくは、液体は水性液体であり、より好ましくは水であり、さらにより好ましくはバッファーである。形質転換作用物質が細菌、たとえばアグロバクテリウム(Agrobacterium)である場合、好ましくは、液体は水性バッファー、より好ましくはショ糖、グルコース、必須無機質、および/またはアセトシリンゴンを含有するバッファー、もっとも好ましくは、約50 g/lの濃度のショ糖、約2 g/lの濃度のグルコース、約0.5 g/lの濃度の標準的な植物肥料(たとえば、Ferty 2 MEGA (Planta Duengemittel GmbH))、および約200μMの濃度のアセトシリンゴンを含有する、約5.6のpHを有するバッファーである。好ましくは、形質転換作用物質を含有する液体は、組換え細菌、好ましくはアグロバクテリウム細菌を、0.1~1.5、好ましくは0.2~1.0、より好ましくは0.3~0.7、もっとも好ましくは約0.5の、600 nmにおける光学密度(OD600)で含有する上記の溶液である。
好ましい実施形態において、培養植物細胞の形質転換のための方法は、形質転換作用物質を含有する液体を自動的に作製する1ステップまたは数ステップを含む。したがって、形質転換作用物質の密度を調整する、具体的には形質転換細菌の密度を調整するステップは、自動化された装置によって行われる。それに加えて、より好ましくは、形質転換細菌を収集し、それを再懸濁し、密度を測定する先行ステップも自動化された装置によって行われる。好ましくは、このような場合、細菌は、PCPを作製するために使用されるプレートと同数のウェルを有するマルチウェル(マルチクラスター)プレート内で培養される。また、好ましくは前記細菌は、増殖後に、1000 x g~3000 x g、好ましくは1300 x g~2300 x g、より好ましくは約1800 x gでの遠心分離によってペレット状にする。好ましい実施形態において、前記細菌は、増殖後に、500 x g~4000 x g、好ましくは1300 x g~3000 x g、より好ましくは約2400 x gでの遠心分離によってペレット状にする。また、好ましくは、前記細菌は、適当量のバッファーを加えて、少なくとも5分間マルチウェル(マルチクラスター)プレートを回転させることによって再懸濁する。また、好ましくは、前記の再懸濁した細菌の密度は、好ましくは自動プレートリーダーによって測定され、必要となる可能性のある希釈度は自動的に計算されて適用される。さらにより好ましくは、前記形質転換細菌を培養するもう1つの先行ステップも自動化された装置で行われる。したがって、形質転換作用物質が細菌である場合、もっとも好ましくは、その形質転換作用物質を含有する液体は自動化された方法によって提供され、好ましくは、前記細菌の培養から始まる全ステップを含んでなる、完全自動化された方法によって提供される。96ウェル形式において形質転換作用物質としてアグロバクテリウム細菌を含有する溶液を調製するための好ましい条件は、本明細書において実施例に記載される。
本発明によれば、形質転換作用物質を含有する液体は、自動化された装置によってステップb)においてPCPに適用される。好ましくは、形質転換作用物質を含有する液体は、好ましくは分注速度を調節できる自動ディスペンサーによってPCPに適用される。好ましくは、形質転換作用物質を含有する液体をPCPに適用する速度は、好ましくは単一開口ディスペンサーを使用する場合、最大で50μl/sである。より好ましくは、前記分注速度は、1 μl/s~50μl/s、さらにより好ましくは、10μl/s~50μl/sである。好ましくは、本発明にしたがって分注するために使用される自動化された装置は、滅菌ピペットチップを装備している。好ましくは、形質転換作用物質を含有する液体をPCPに適用するステップにおいて、自動化された装置の出口は、PCPのごく近くに導かれる。好ましくは、前記文脈における「ごく近く」は、自動化された装置の出口に生じる、形質転換作用物質を含有する液体の平均液滴の、直径に満たない距離を意味する。したがって、好ましくは、形質転換作用物質を含有する液体をPCPに適用するステップにおいて、PCP表面とディスペンサー出口との距離は、5 mm未満であり、好ましくは4 mm未満である。より好ましくは、形質転換作用物質を含有する液体をPCPに適用するステップにおいて、PCP表面とディスペンサー出口との距離は、0.5 mm~5 mm、さらにより好ましくは、1 mm~4 mmである。好ましくは、PCPのg当り0.5 ml~2 mlの形質転換作用物質を含有する液体が適用されるが、ここで、PCPのg当り1 ml~2 mlの形質転換作用物質を含有する液体が適用されることが好ましく、より好ましくは、PCPのg当り約1.5 mlの形質転換作用物質を含有する液体が適用される。好ましくはPCPの質量は培養物の湿質量密度、および使用されるその体積から見積もられる。
本明細書で使用される「インキュベーション時間」という用語は、形質転換作用物質を含有する液体を適用してからこの液体を除去するまでの時間に関する。理論に拘束されることを望むものではないが、インキュベーション時間は、形質転換作用物質を含有する液体の除去で流れ出さないように、形質転換作用物質の少なくとも一部が植物細胞と接触するのに必要な期間であると考えられる。したがって、インキュベーション時間は短くてもよく、好ましくは10分から3時間であり、好ましくは30分から60分であるが、好ましい実施形態においては20分から60分である。
「形質転換作用物質を含有する液体を除去する」という表現は当業者に理解される。好ましくは、前記の除去は、形質転換作用物質を除去する手段をとることなく、形質転換作用物質を含有する液体を除去することで構成される。したがって、好ましくは、前記の形質転換作用物質を含有する液体の除去は、PCPを、500 x g~3500 x gで、好ましくは1500 x g~2000 x gで、好ましくは多孔性担体上に、より好ましくはPCP作製に使用されたのと同じ多孔性担体上に、遠心分離することを含む。好ましくは、前記遠心分離は、少なくとも15秒、好ましくは少なくとも30秒間行われる;より好ましくは、前記遠心分離は15秒~10分、好ましくは30秒~1分の間、行われる。
本発明の形質転換の方法によれば、PCPは、形質転換作用物質を含有する液体の除去後、インキュベートされることが好ましい。好ましくは、先行ステップのように、前記インキュベーションは、培養植物細胞の最適な増殖温度において行われる。したがって、その温度は好ましくは20℃~35℃、より好ましくは25℃~30℃、もっとも好ましくは約26℃である。好ましくは、PCPがインキュベートされる雰囲気は周囲の空気であるが、相対湿度が50%~100%であることが好ましく、好ましくは少なくとも50%、より好ましくは少なくとも70%、さらにより好ましくは少なくとも80%、もっとも好ましくは少なくとも90%である。当業者には当然のことながら、インキュベーションは形質転換が生じうるように、そして必要に応じて、遺伝子発現を可能にするように行われる。したがって、PCPのインキュベーションは少なくとも12時間、好ましくは少なくとも1日、より好ましくは少なくとも2日、さらにより好ましくは少なくとも5日間であるが、もっとも好ましい実施形態において少なくとも3日間である;あるいは、インキュベーションは12時間から3週間までの間であり、好ましくは3日から2週間までの間、より好ましくは4日から8日までの間、もっとも好ましくは5または6日間である。好ましい実施形態において、PCPのインキュベーションは、12時間から3週間までの間であり、好ましくは2日から2週間までの間、より好ましくは3日から8日までの間、もっとも好ましくは4または5日間である。好ましくは、PCPは上記のフィルタープレート内で、より好ましくは上下さかさまにして、すなわち穴を床方向に向けて、インキュベートされる。もっとも好ましくは、PCPは、フィルタープレート内で、穴を、水をためる容器に向けて、さかさまにするやり方で、インキュベートされる。
必要に応じて、培養植物細胞を形質転換するための方法は、前記培養植物細胞を溶解する追加ステップ、好ましくは前記植物細胞を溶解バッファーを用いて溶解する追加ステップを含む。好ましくは、溶解バッファーは、界面活性剤、好ましくは陰イオン界面活性剤、もっとも好ましくはドデシル硫酸ナトリウム、および/または2価マグネシウムカチオン(Mg2+)をキレートする物質を含有する。より好ましくは、溶解バッファーは、ドデシル硫酸ナトリウムを0.1% (w/v)~10% (w/v)、好ましくは1% (w/v)の濃度で、ならびにエチレンジアミン四酢酸(EDTA)を1 mM~200 mM、好ましくは約50 mMの濃度で含有する。好ましい実施形態において、溶解バッファーは、pH値8.0~10.0、好ましくは約9.0において、トリス(ヒドロキシメチル)アミノメタン(Tris)を10 mM~200 mM、好ましくは約100 mMの濃度で含有する。典型的には、PCP生物量g当り約1~6 mlの前記溶解バッファーを接触させるが、好ましくは、PCP生物量g当り約2~4 mlの前記溶解バッファーが添加される。好ましくは、前記溶解バッファーの添加は、PCPの作製のために使用されたのと同じ多孔性担体において行われる。より好ましくは、その添加は自動的に行われる。好ましくは溶解バッファーの作用は、22~100℃の高温で、より好ましくは10~60分間、好ましくは、200~2000 rpm、より好ましくは1000 rpmの速度の振盪機において、PCPを溶解バッファーとともにインキュベートすることによって強められる。より好ましくは、高温での水分の蒸発を防ぐために鉱油を添加する;鉱油の量は好ましくは、50~200μL、より好ましくは60~80μLである。PCPを構成する植物細胞を溶解した後、好ましくはPCPの作製時に使用された同じ多孔性担体を用いて、好ましくは200 x g~2000 x gの、より好ましくは約1000 x gの遠心分離によって、細胞残渣を除去する。好ましい実施形態において、細胞残渣は、好ましくはPCPの作製時に使用された同じ多孔性担体を用いて、500 x g~4000 x gの、より好ましくは約1000 x gの遠心分離によって、除去される。好ましくは、このような場合、細胞残渣のない細胞溶解物は、多孔性担
体の入っているマルチウェルプレートと同数の穴を有するマルチウェルプレートに集められるが、この場合、残渣のない細胞溶解物を集めるために使用されるプレートは、遠心分離の前に多孔性担体を有するプレートの下方に配置された。好ましくは1ステップ、より好ましくは全ステップが自動化された装置を用いて行われる。
「自動化された装置」という用語は、当業者に理解される。好ましくは、この用語は、ひとたび構築されたら人間のオペレーターとの相互作用を必要としないように、指定の1ステップもしくは数ステップを行う、任意の装置、または装置の組み合わせに関する。したがって、方法が確立されたあとは、原則として、相互作用をコントロールする必要なしに、何回でも、自動化された装置によって行うことができる。適当な自動化された装置、たとえば本明細書の実施例に記載の装置は当業者に知られており、市販されている。
好都合にも、また驚くべきことに、本発明の基礎となる研究において、自動化された装置によってPCPに形質転換溶液を適用することが、より一貫性のある形質転換率を可能にすることが明らかになった。本明細書の下記の実施例で示すように、本発明の方法におけるウェルごとのばらつきはきわめて小さい。この方法は小型化された(たとえば96ウェル)形式で実施することができるので、ハイスループットな応用に非常に適している。好ましく、また好都合なことに、遠心分離によるPCPからの液体の除去が、減圧による液体の除去に比べて、全体としてより高い形質転換をもたらし、形質転換効率のより少ないばらつきをもたらすことがさらに明らかになった。さらに、遠心分離によるPCPからの液体の除去は、形質転換作用物質を含有する液体中で、より高いショ糖濃度を可能にすることが明らかになった。
上記の定義は以下に準用する。以下でさらになされる追加の定義および説明も、本明細書に記載されるすべての実施形態に準用する。
本発明はさらに、本発明による培養植物細胞の形質転換のための方法に準じた方法によって、得られた、または得られうる、形質転換された植物細胞に関する。
本明細書で使用される「形質転換された植物細胞」という用語は、少なくとも1つの異種ポリヌクレオチドを含有する植物細胞に関する。したがって、本発明の培養植物細胞の形質転換のための方法に準じた方法によって得られた、または得られうる、形質転換された植物細胞は、少なくとも1つの異種ポリヌクレオチドを含有する植物細胞であって、前記異種ポリヌクレオチドは、本発明の前記方法によって前記植物細胞に導入されたものである。形質転換は安定な形質転換である可能性があり、植物は前記の形質転換された細胞から再生される可能性があるので、本発明はまた、前記の形質転換された植物細胞の少なくとも1つを含んでなる、植物もしくは植物部位に関する。
本発明はまた、ハイスループットスクリーニングのための本発明の方法にしたがって得られた、または得られうる、形質転換された植物細胞の使用に関する。
本発明はさらに、形質転換された植物細胞の溶解物を提供するための方法に関するが、その方法は
a) 本発明の培養植物細胞の形質転換のための方法にしたがって得られたPCPを提供すること、ならびにさらに
b) 形質転換が生じるのに適した条件下でPCPをインキュベートするステップ、
c) PCPに含まれる植物細胞を溶解するステップ、およびそれによって
d) 形質転換された植物細胞の溶解物を提供するステップ
を含む。
本発明の溶解物を提供するための方法は、好ましくは、in vitro法である。さらに、その方法は上記に明記されたステップのほかに追加してステップを含んでいてもよい。たとえば、追加のステップは、例として、ステップa)の前に植物細胞を培養すること、またはステップd)の後に細胞成分を抽出および/または分析すること、に関するものである可能性がある。さらに、前記ステップの1つもしくはいくつか、好ましくはすべてを、自動化された装置で行うことができる。
本明細書で使用される「溶解物」という用語は、形質転換された植物細胞の細胞成分を含有し、好ましくはインタクトな植物細胞をまったく含まないか、または少数しか含まない、任意の抽出物に関する。好ましくは、インタクトな植物細胞の数は1000/ml未満であり、より好ましくは100/ml未満である。当然のことながら、本発明の形質転換法の形質転換効率は典型的には100%未満となるが、好ましくは80%を上回り、溶解物は、形質転換細胞および未形質転換細胞の細胞成分の混合物となる。PCPをインキュベートし、植物細胞を溶解するための好ましい方法は、本明細書において上記で検討された。
さらに、本発明は、本発明の溶解物を提供するための方法によって得られる植物細胞溶解物に関する。
本発明はまた、無細胞系においてin vitroで、少なくとも1つの核酸配列の転写、ならびに、必要に応じて翻訳を、引き起こすための方法に関するものであって、その方法は
a) ポリヌクレオチドの転写および/または翻訳に必要とされる細胞成分を含有する、無細胞抽出物を提供すること
b) 発現可能な核酸配列を含むヌクレオチドと、ステップa)の無細胞抽出物を接触させること、ならびに、それによって
c) 前記核酸配列の転写を引き起こし、さらに場合によっては、翻訳を引き起こすこと
を含む。
本発明の転写を引き起こすための方法は、好ましくはin vitro法である。さらに、その方法は、上記に明記されたステップのほかに追加してステップを含んでいてもよい。たとえば、追加のステップは、例として、ステップa)の前に植物細胞を培養すること、またはステップc)の後に遺伝子発現産物を抽出および/または分析することに関するものである可能性がある。また、その方法は、ステップb)の前に発現可能な核酸配列を含むヌクレオチドの濃度を所定の目標値に調整することを含んでいてもよい。さらに、前記ステップの1つもしくはいくつか、好ましくはすべてを、自動化された装置で行うことができる。
本明細書で使用される「無細胞抽出物」という用語は、転写、ならびに場合によっては翻訳が生じるために必要とされる全成分を機能的な形で含有する抽出物に関する。本明細書で使用される「無細胞」という用語は、絶対的な意味で使用されるのではなく、相対的な意味で使用される。好ましくは、インタクトな植物細胞を含まないか、または少数しか含まない抽出物は無細胞とみなされる。したがって、好ましくは、抽出物は、インタクトな植物細胞の数が1000/ml未満、より好ましくは100/ml未満であるならば、無細胞である。適当な無細胞抽出物を提供するための手段は、たとえばWO 2015/165583 A1に記載されている。
好ましくは、転写を引き起こすための方法において、無細胞抽出物は、自動化された装置によって全自動でマルチクラスタープレートのウェル内に分注される。また好ましくは、その後のピペッティングステップの一部、より好ましくは全部が完全に自動化される。好ましくは、発現可能な核酸配列を含むヌクレオチドの濃度測定、ならびに目標値への濃度調整も、特にその方法がマルチウェル(マルチクラスター)プレート形式で行われる場合は、自動化された装置によって行われる。好ましくは、その方法はさらに、前記無細胞抽出物を異種RNAポリメラーゼ、好ましくはT7 RNAポリメラーゼと接触させることを含む;ならびに/または、無細胞抽出物を、異種RNAポリメラーゼ、好ましくはT7 RNAポリメラーゼをコードする発現可能な遺伝子を含有するポリヌクレオチドと接触させることを含む。また、好ましくは、無細胞抽出物は、本発明の植物細胞を形質転換するための方法にしたがって得られた植物細胞から得られたか、または前記無細胞抽出物は、本発明のトランスジェニック植物細胞の溶解物である。
本明細書に引用される参考文献はすべて、その開示内容全体、および本明細書において特に言及された開示内容について、参考として本明細書に組み入れられる。
上記を考慮して、以下の実施形態が好ましい:
1. a) 形質転換されるべき培養植物細胞の植物細胞パッケージ(PCP)を提供すること、
b) 前記PCPを、形質転換作用物質を含有する液体と、(ある)インキュベーション時間の間、接触させること、
c) 前記の形質転換作用物質を含有する液体を除去すること;ならびに、それによって
d) 前記培養植物細胞を形質転換すること、
を含む、培養植物細胞を形質転換するための方法であって、
ステップb) において、形質転換作用物質を含有する液体が自動化された装置によって、好ましくは最大50μl/sの速度で、PCPに適用される、前記方法。
2. 前記の植物細胞パッケージの提供が、適当量の細胞集団を多孔性担体、好ましくはフィルター上に遠心分離することを含む、実施形態1の方法。
3. 前記多孔性担体が、平均孔径1μm~200μm、好ましくは30μm~40μmの孔を有する、実施形態2の方法。
4. 前記多孔性担体がマルチウェルプレートである、実施形態1~3のうちいずれか1つの方法。
5. 前記PCPが、ウェル当り最大0.5 ml、好ましくはウェル当り最大0.25 mlを収容できるマルチクラスタープレート内で提供される、実施形態1~4のいずれか1つの方法。
6. 前記PCPが、好ましくは、0.1 g/cm3 ~0.9 g/cm3、好ましくは0.4 g/cm3 ~0.6 g/cm3の質量密度を有する、植物細胞のぎっしり詰まったパッケージである、実施形態1~5のいずれか1つの方法。
7. 前記PCPが、500g~3500g、好ましくは1500g~2000gで前記培養細胞を遠心分離することによって提供される、実施形態1~6のいずれか1つの方法。
8. 前記遠心分離が、少なくとも15秒、好ましくは少なくとも30秒間行われる、実施形態7の方法。
9. 前記遠心分離が15秒~10分、好ましくは30秒~1分間、行われる、実施形態7または8の方法。
10. 前記方法が、前記培養植物細胞に固形化手段を加えることを含む、実施形態1~9のいずれか1つの方法。
11. 前記固形化手段が、柔軟性のある固形化手段、好ましくはセルロースを含む繊維であって、それがステップa)の前に培養植物細胞に加えられる、実施形態10の方法。
12. 前記固形化手段が、柔軟性のない固形化手段であって、細胞が当該の柔軟性のない固形化手段の中へ施用される、実施形態10の方法。
13. 前記培養植物細胞が、ステップa)の前に懸濁培養で培養される、実施形態1~12のいずれか1つの方法。
14. 前記培養植物細胞が、ステップa)の前に、25 g/l~200 g/l、好ましくは75 g/l~100 g/lの湿質量密度を有する、実施形態1~13のいずれか1つの方法。
15. 前記細胞が、ステップa)の前に、最大300 g/l、好ましくは最大200 g/lの湿質量密度となるまで濃縮される、実施形態1~14のいずれか1つの方法。
16. 前記細胞が、ステップa)の前に、10 g/l~50 g/lのショ糖、好ましくは15 g/l~35 g/lのショ糖、より好ましくは約20 g/lのショ糖を含有する培地中で培養される、実施形態1~15のいずれか1つの方法。
17. 前記細胞が、ステップa)の前に、1 mM~10 mMのリン酸イオン、好ましくは2 mM~5 mMのリン酸イオン、より好ましくは約2.7 mMのリン酸イオンを含有する培地中で培養される、実施形態1~16のいずれか1つの方法。
18. 前記の形質転換作用物質が、単離された組換えポリヌクレオチド、組換え植物ウイルス、および組換え細菌からなる一群から選択され、好ましくは組換え細菌である、実施形態1~17のいずれか1つの方法。
19. 前記の組換え植物ウイルスが、ビルガウイルス科(Virgaviridae)、ポティウイルス科(Potyviridae)およびジェミニウイルス科(Geminiviridae)のうち1つに属する組換えウイルスであり、好ましくは、タバコモザイクウイルス、タバコエッチウイルス(Tobacco etch virus)、またはトウモロコシ条斑ウイルス(Maize streak virus)である、実施形態1~18のいずれか1つの方法。
20. 前記の組換え細菌が、リゾビウム科、好ましくは、アグロバクテリウム・ツメファシエンス(Agrobacterium tumefaciens)、Agrobacterium radiobacter、もしくはRhizobium radiobacterの細菌であって、より好ましくはアグロバクテリウム・ツメファシエンス(Agrobacterium tumefaciens) GV3101株、もっとも好ましくはアグロバクテリウム・ツメファシエンス(Agrobacterium tumefaciens) GV3101: pMP90RK株の細菌である、実施形態1~18のいずれか1つの方法。
21. 形質転換作用物質を含有する液体が、組換えアグロバクテリウム細菌を、0.1~1.5、好ましくは0.2~1.0、より好ましくは0.3~0.7、もっとも好ましくは約0.5の、600 nmにおいて測定される光学密度(OD600)で含有する水溶液である、実施形態1~20のいずれか1つの方法。
22. 前記の形質転換作用物質を含有する液体が、自動化された方法によって提供され、好ましくは、前記アグロバクテリウム細菌の培養から始まる全ステップを含む、完全に自動化された方法によって提供される、実施形態21の方法。
23. 前記組換えポリヌクレオチドがDNAまたはRNAであって、前記培養植物細胞が植物細胞プロトプラストである、実施形態1~18のいずれか1つの方法。
24. インキュベーション時間が、10分~3時間、好ましくは30分~60分である、実施形態1~23のいずれか1つの方法。
25. 前記の、形質転換作用物質を含有する前記液体を除去することが、前記PCPを500g~3500g、好ましくは1500g~2000gにおいて遠心分離することを含む、実施形態1~24のいずれか1つの方法。
26. 前記遠心分離が、少なくとも15秒、好ましくは少なくとも30秒間行われる、実施形態25の方法。
27. 前記遠心分離が15秒~10分、好ましくは30秒~1分の間、行われる、実施形態25または26の方法。
28. PCPのg当り0.5 ml~2 mlの形質転換作用物質を含有する液体が適用され、好ましくは、PCPのg当り1 ml~2 mlの形質転換作用物質を含有する液体が適用され、より好ましくは、PCPのg当り約1.5 mlの形質転換作用物質を含有する液体が適用される、実施形態1~27のいずれか1つの方法。
29. ステップc)の後、前記植物細胞がPCPとして、少なくとも12時間、好ましくは少なくとも1日、より好ましくは少なくとも2日、さらにより好ましくは少なくとも5日間インキュベートされる、実施形態1~28のいずれか1つの方法。
30. ステップc)の後、前記植物細胞がPCPとして、12時間から3週間までの間、好ましくは3日から2週間までの間、より好ましくは4日から8日までの間、もっとも好ましくは5または6日の間インキュベートされる、実施形態1~29のいずれか1つの方法。
31. 前記PCPが、形質転換が生じるのに適した条件下で維持され、好ましくは、前記PCPが、少なくとも湿度50%、より好ましくは少なくとも70%、さらにより好ましくは少なくとも80%、もっとも好ましくは少なくとも湿度90%の大気中で、20℃~35℃、より好ましくは25℃~30℃、もっとも好ましくは約26℃の温度において維持される、実施形態29または30の方法。
32. 前記方法が、さらに、ステップc)の後に、前記培養植物細胞を溶解する追加ステップ、好ましくは、前記植物細胞を溶解バッファーを用いて溶解する追加ステップを含む、実施形態1~31のいずれか1つの方法。
33. 前記溶解バッファーが、界面活性剤、および/または2価マグネシウムカチオン(Mg2+)キレート剤を含有する、実施形態32の方法。
34. 前記の形質転換が一過性形質転換である、実施形態1~33のいずれか1つの方法。
35. 前記方法が完全に自動化された方法である、実施形態1~33のいずれか1つの方法。
36. ステップa)~c)のうち少なくとも1つ、好ましくは少なくとも2つ、より好ましくは3つすべてが自動化された装置によって行われる、実施形態1~35のいずれか1つの方法。
37. 全ステップが自動化された装置によって行われる、実施形態1~36のいずれか1つの方法。
38. 実施形態1~37のいずれか1つの方法に準じる方法によって得られた、または得られうる、形質転換された植物細胞。
39. 実施形態1~38のいずれか1つの方法にしたがって得られた、または得られうる、形質転換された植物細胞の、ハイスループットスクリーニングのための使用。
40. a) 実施形態1~38のいずれか1つの方法にしたがって得られたPCPを提供すること、ならびに、追加のステップである
b) 形質転換が生じるのに適した条件下でPCPをインキュベートすること、
c) PCPに含まれる植物細胞を溶解すること、および、それによって
d) 形質転換された植物細胞の溶解物を提供すること、
を含む、形質転換された植物細胞の溶解物を提供するための方法。
41. 実施形態40に記載の方法によって得られた、または得られうる、植物細胞溶解物。
42. a) ポリヌクレオチドの転写および/または翻訳のために必要とされる細胞成分を含有する、無細胞抽出物を提供すること
b) 発現可能な核酸配列を含有するポリヌクレオチドと、ステップa)の無細胞抽出物を接触させること、ならびにそれによって
c) 前記核酸配列の転写、および、必要に応じて翻訳を引き起こすこと
を含む、無細胞系においてin vitroで、少なくとも1つの核酸配列の転写、および、必要に応じて、翻訳を引き起こすための方法。
43. 前記ステップa)およびb)の少なくとも1つが、自動化された装置によって行われる、実施形態42の方法。
44. 前記無細胞抽出物が、実施形態1~38のいずれか1つの方法にしたがって得られた植物細胞から得られたものであり、または前記無細胞抽出物が実施形態40に記載のトランスジェニック植物細胞の溶解物である、実施形態42または43の方法。
45. 前記方法が、前記無細胞抽出物を、異種RNAポリメラーゼ、好ましくはT7 RNAポリメラーゼと接触させることを含み;ならびに/または、前記無細胞抽出物を、異種RNAポリメラーゼ、好ましくはT7 RNAポリメラーゼをコードする発現可能な遺伝子を含有するポリヌクレオチドと接触させることを含む、実施形態42~44のいずれか1つの方法。
46. 前記植物細胞が、単子葉もしくは双子葉植物から選択される細胞であり、より好ましくはタバコ(Nicotiana tabacum)、ニンジン(Daucus carota)、またはコムギ(Tricium aestivum)から選択される細胞である、前記実施形態のいずれか1つの主題。
図の説明
図1:A) 指定の細胞コンパートメントを標的とするDsRed-Fusion 構築物をコードするプラスミドにより形質転換された細胞から、浸潤バッファー中に50 g L-1ショ糖を用いて、実施例に記載のように得られた、植物細胞抽出物の蛍光。B) A)に示す抽出物の蛍光の数値化;各ウェルについて蛍光を測定し、それぞれのウェルについて測定された値の平均値を求めた;変動係数(CV)を示す;y軸:任意の蛍光単位(AFU)における平均DsRed蛍光。 図1-1の続きである。 図2:浸潤バッファー中50 g L-1ショ糖を用いて、実施例7にしたがって調製された細胞および抽出物の蛍光定量。A) 平均表面蛍光に基づく蛍光;B) 平均抽出物蛍光;変動係数(CV)を示す;y軸:任意の蛍光単位における平均DsRed蛍光(AFU)。 図3:浸潤バッファー中50 g L-1ショ糖を用いて、実施例7にしたがって減圧もしくは遠心分離によって作製されたタバコ(Nicotiana tabacum)BY-2 PCPにおけるDsRed蛍光パターンの比較。PCPセクション(平行線を引いたエリア)のDsRedは蛍光顕微鏡(530Ex/590Em)により可視化された。 図4:実施例7にしたがって減圧および遠心分離により作製されたPCPにおけるDsRed発現に及ぼす浸潤バッファー中のショ糖濃度の影響。A. 浸潤4日後のPCPの表面蛍光(559Ex/585Em, x ± SD, n=16)。B. 浸潤4日後の、減圧により作製されたPCPにおけるDsRed発現マップ、平行線 = 発現、灰色 = 発現なし。C. 浸潤4日後の、遠心分離によって作製されたPCPにおけるDsRed発現マップ。 図4-1の続きである。
以下の実施例は単に本発明を説明するだけのものとする。それらは、何であれ少しも、本発明の範囲を制限すると解釈されるべきでない。
装置および制御
すべてのピペット操作ステップおよびプレートの移動は、自動化されたピペット操作ステーションJANUS G3 (PerkinElmer)によって行われた。移すべき容量に応じて、適当な使い捨てチップおよびピペッティングパラメーターを選択した。制御および周辺機器間のデータ交換は、JANUS WinPREPソフトウェア (Version 5.1)によって提供された。体積計算は、ユーザー提供スクリプトによって行われた。
PCP浸潤用のアグロバクテリウム・ツメファシエンス(Agrobacterium tumefaciens)の調製
植物発現ベクターpTRAc-rfp-H、pTRAc-rfp-ERH、pTRAc-rfp-AHまたはpTRAc-TPrfp-Hのうち1つを保有し、これらのベクターがすべてpTRA(Sack et al. (2015), Plant Biotechnol. J. 13: 1094)に基づくものである、アグロバクテリウム・ツメファシエンス(Agrobacterium tumefaciens)GV3101(pMP90RK)細胞を、96ウェル ”Deep-Well“ マルチクラスタープレートにおいてウェル当り500μlのPAM培地(ソイペプトン20 g/l;酵母エキス0.5 g/l;フルクトース5 g/l;硫酸マグネシウム(MgSO4) 1 g/l、pH 7.0;カルベニシリン(50 mg/l)およびカナマイシン(25 mg/l)を添加)中で、28℃にて、2 mmの振幅を有する一体型ロータリーシェーカー上で1000 rpmとして、OD600 が6.0となるまで増殖させた。細菌細胞は、188gにて4分間でペレットとし、上清を捨てた。ペレットを、1000 rpmおよび振幅2 mmにて8分間、200μl滅菌浸潤バッファー(ショ糖50 g/l;グルコース一水和物2 g/l;0.5 g/l Ferty 2 MEGA (Planta Duengemittel GmbH);200μM アセトシリンゴン;pH 5.6)中で再懸濁した。1:20希釈物のOD600を一体型プレートリーダーによって96ウェルプレートにおいて測定し、それぞれのウェル中のすべての細菌懸濁液を、OD600 0.4に標準化して、新たな96ウェルプレートに入れた。
PCPの作製
タバコ(Nicotiana tabacum)BY-2は、80 g/lの湿質量密度に達するまで、26℃にて、ムラシゲ・スクーグ培地(ショ糖20 g/l;MS塩類(最小限の有機物、Fa. Duchefa)4,3 g/l;KH2PO4 200 mg/l;ミオイノシトール100 mg/l;塩酸チアミン1 mg/l;2,4-ジクロロフェノキシ酢酸0.2 mg/l、pH 5.0)中で連続培養にて増殖させた。2 lの培養物を取り出して、約45分間沈降させておき、培地をデカントすることによって、湿質量密度200 g/l ± 5%まで濃縮した。
滅菌容器から、マグネティックスターラーで恒常的に攪拌しながら、ウェル当り300μlの濃縮された培養物を、Agroprep Advance PP/PE 30-40μmフィルタープレート(Fa. Pall)に移し、蓋で覆った。そのプレートを一体型遠心機に搭載した;1800 x gで1分間の遠心分離によって培地を除去し、フィルタープレートの下にリザーバープレートを敷いて集めた。
アグロバクテリウム浸潤
実施例3のPCPに、それぞれ90μlの標準化されたアグロバクテリウム懸濁液を滴下して添加し、続いて22℃にて60分間インキュベートした。その後、プレートは装置内の遠心機に再度搭載され、1800 x gで1分間遠心分離して浸潤溶液を除去した。
PCPのインキュベーション
浸潤させたPCPを有するフィルタープレートは、1ウェル”Deep-Well“リザーバー上で80%の相対湿度で26℃にて72時間、裏返してインキュベートした。リザーバーは150 ml H2Oで満たされ、160 cm3の空きスペースを有した;フィルタープレートとリザーバーの間の接合部は気密シールされた。
PCPの蛍光測定
インキュベーション後、PCPを含有するフィルタープレートは、一体型プレートリーダーに移され、PCP中のDsRedタンパク質を直接測定した(励起:559 nm;発光585 nm)。その後、フィルタープレートを、あらかじめ作られた隔壁開口部を有するSilicone/PTFEマット(Webseal mat M115, Fa. Thermo Scientific)でシールし、200μlの抽出バッファー(ドデシル硫酸ナトリウム1 g/l;エチレンジアミン四酢酸(EDTA) 50 mM; pH 8.0)を各ウェルに添加した。
溶解のために、フィルタープレートを一体型ロータリーシェーカー上で65℃にて30分間2 mmの振幅で800 rpmに保持した。溶解後、フィルタープレートを一体型遠心機に移し、1800 x gにおいて1分間遠心したが、その溶解物は、フィルタープレートの下に配置された96ウェルプレート内に回収された。回収された抽出物を用いて、上記のように蛍光測定を行った;結果を図1に示す。
培地除去法の比較
連続培養されたBY-2細胞を、フレッシュな生物量が200 g/lとなるまで濃縮し、細胞懸濁液300μlを滅菌Agroprep Advance PP/PE 30-40μmフィルタープレート(Pall GmbH, Dreieich, Germany)に移した。余分な培地を、1800 rcfで1分間の遠心分離によって、またはChromabond Vacuum Manifold(Macherey-Nagel, Dueren, Germany)上で約10秒間800 mbarの減圧を適用することによって除去した。
PAM液体培地(カルベニシリン50μg/ml、カナマイシン25μg/ml)中で増殖させたアグロバクテリウム・ツメファシエンス(Agrobacterium tumefaciens)細胞を、1x 浸潤バッファー(0.5 g/l Fertilizer MEGA2、50 - 100 g/lショ糖、2 g/lグルコース一水和物、200μM アセトシリンゴン)中に再懸濁してOD600nmを0.4に調整し、100μlをそれぞれのPCP上に滴下して、1時間インキュベートした後、上記のように遠心分離もしくは減圧によって除去した。
プレートは、シールされたエッジを有する1ウェル”Deep-Well“プレート上150 ml H2Oの上で裏返し、26℃にて80%の相対湿度(RH)で3日間インキュベートした。
PCPの表面蛍光、ならびに、続いて、ビーズミル(MM 300, Retsch GmbH, Han, Germany)を用いた抽出バッファー(40 mMリン酸水素二ナトリウム、10 mMリン酸二水素ナトリウム、10 mMメタ重亜硫酸ナトリウム;グラム生物量当たり3 mL)中での機械的溶解によって作製された抽出物の蛍光を、559nm (励起) / 585nm (発光)において、ウェルの中心について3回の読み取りで測定した。
約0.5-1 mmの厚さの切片をPCPから切り出した。PCP切片におけるDsRed発現の局在を530nm (励起) / 590 nm (発光)において蛍光顕微鏡によって可視化した。
結果:PCP(n=5)の平均表面蛍光は、減圧もしくは遠心分離により作製されたPCPについて、類似した発現レベルの細胞質ゾル赤色蛍光タンパク質(rfp)(約2700任意蛍光単位(AFU))および分泌rfp(約1100 AFU)を示した。しかしながら、減圧により作製されたPCPの変動係数(CV)は、遠心分離で作製されたPCPと比べて、細胞質ゾルrfpの場合約2倍高く、分泌rfpの場合は約2倍低かった(図2A)。
遠心分離により作製されたPCPの平均抽出物蛍光は、細胞質ゾルrfp(約3200 AFU)および分泌rfp(約1000 AFU)のいずれについても減圧法と比べて、約2倍高かった。遠心分離により作製されたPCPのCVはそれぞれ、細胞質ゾルrfpについて約4倍低く、分泌rfpについては約2倍低かった(5.4%、4.9%、図2B)。
減圧により作製されたPCPにおける590 nmの蛍光は、主としてPCPの表面上で検出されたが、遠心分離により作製されたPCPはPCPの全体にわたって蛍光を示した(図3)。
これは、遠心分離による方法についてはPCP全体を通じて、より高くより均一な組換えタンパク質発現を示すのに対して、減圧により作製されたPCPは主に、PCPの表面上においてのみ、比較的高い発現レベルを示す。
遠心分離により作製されたPCPは、浸潤バッファー中のショ糖濃度60 g/lから崩壊し始め(図4A)、結果的にサンプル間の変動が大きくなり(変動係数>70%)(図4B)、4日間のインキュベーション後 >70 g/lショ糖濃度においてDsRed発現は検出できなかった。減圧により作製されたPCPはインタクトなままであって、90 g/lのショ糖濃度まで、均一に組換えDsRedタンパク質を発現した(図4A、C)。
(付記)
(付記1)
培養植物細胞を形質転換するための方法であって、その方法が
a) 形質転換されるべき培養植物細胞の植物細胞パッケージ(PCP)を提供すること、
b) 前記PCPを、形質転換作用物質を含有する液体と、インキュベーション時間の間、接触させること、
c) 前記の形質転換作用物質を含有する液体を除去すること;ならびに、それによって
d) 前記培養植物細胞を形質転換すること、
を含み、ステップb) において、形質転換作用物質を含有する液体が自動化された装置によって、好ましくは最大50μl/sの速度で、PCPに適用される、前記方法。
(付記2)
前記の植物細胞パッケージの提供が、適当量の細胞集団を多孔性担体、好ましくはフィルター上に遠心分離することを含む、付記1に記載の方法。
(付記3)
前記多孔性担体が、マルチウェルフィルタープレートであり、該マルチウェルフィルタープレートが好ましくは平均孔径30μm~40μmの孔を有する、付記1または2に記載の方法。
(付記4)
前記PCPが、植物細胞のぎっしり詰まったパッケージであり、該植物細胞のぎっしり詰まったパッケージが好ましくは、0.1 g/cm 3 ~0.9 g/cm 3 、好ましくは0.4 g/cm 3 ~0.6 g/cm 3 の質量密度を有する、付記1~3のいずれか1項に記載の方法。
(付記5)
前記方法が、前記培養植物細胞の固形化手段を追加することを含む、付記1~4のいずれか1項に記載の方法。
(付記6)
前記細胞が、ステップa)の前に、10 g/l~50 g/lのショ糖、好ましくは15 g/l~35 g/lのショ糖、より好ましくは約20 g/lのショ糖を含有する培地中で培養される、付記1~5のいずれか1項に記載の方法。
(付記7)
前記細胞が、ステップa)の前に、1 mM~10 mMのリン酸イオン、好ましくは2 mM~5 mMのリン酸イオン、より好ましくは約2.7 mMのリン酸イオンを含有する培地中で培養される、付記1~6のいずれか1項に記載の方法。
(付記8)
前記の形質転換作用物質が、単離された組換えポリヌクレオチド、組換え植物ウイルス、および組換え細菌からなる一群から選択され、好ましくは組換え細菌である、付記1~7のいずれか1項に記載の方法。
(付記9)
前記の組換え細菌が、リゾビウム(Rhizobiaceae)科、好ましくは、アグロバクテリウム・ツメファシエンス(Agrobacterium tumefaciens)、Agrobacterium radiobacter、もしくはRhizobium radiobacterの細菌であって、より好ましくはアグロバクテリウム・ツメファシエンス(Agrobacterium tumefaciens) GV3101株、もっとも好ましくはアグロバクテリウム・ツメファシエンス(Agrobacterium tumefaciens) GV3101: pMP90RK株の細菌である、付記1~8のいずれか1項に記載の方法。
(付記10)
前記の形質転換作用物質を含有する液体が、自動化された方法によって提供され、好ましくは、前記アグロバクテリウム細菌の培養から始まる全ステップを含んでなる、完全に自動化された方法によって提供される、付記1~10のいずれか1項に記載の方法。
(付記11)
前記の形質転換が一過性形質転換である、付記1~10のいずれか1項に記載の方法。
(付記12)
前記方法が完全に自動化された方法である、付記1~11のいずれか1項に記載の方法。
(付記13)
付記1~12のいずれか1項に記載の方法によって得られた、または得られうる、形質転換された植物細胞。
(付記14)
付記1~12のいずれか1項に記載の方法にしたがって得られた、または得られうる、形質転換された植物細胞の、ハイスループットスクリーニングのための使用。
(付記15)
形質転換された植物細胞の溶解物を提供するための方法であって、その方法が
a) 付記1~12のいずれか1項に記載の方法にしたがって得られたPCPを提供すること、ならびに、追加のステップである
b) 形質転換が生じるのに適した条件下でPCPをインキュベートすること、
c) PCPに含まれる植物細胞を溶解すること、および、それによって
d) 形質転換された植物細胞の溶解物を提供すること、
を含む、前記方法。
(付記16)
無細胞系においてin vitroで、少なくとも1つの核酸配列の転写、および、必要に応じて、翻訳を引き起こすための方法であって、その方法が
a) ポリヌクレオチドの転写および/または翻訳のために必要とされる細胞成分を含有する、無細胞抽出物を提供すること
b) 発現可能な核酸配列を含有するポリヌクレオチドと、ステップa)の無細胞抽出物を接触させること、ならびにそれによって
c) 前記核酸配列の転写、および、必要に応じて、翻訳を引き起こすこと
を含み、
前記無細胞抽出物が付記1~12のいずれか1項に記載の方法にしたがって得られた植物細胞からえられ、または前記無細胞抽出物が付記13に記載の形質転換された植物細胞の溶解物である、前記方法。
(付記17)
前記方法が、前記無細胞抽出物を、異種RNAポリメラーゼ、好ましくはT7 RNAポリメラーゼと接触させることを含む;ならびに/または、前記無細胞抽出物を、異種RNAポリメラーゼ、好ましくはT7 RNAポリメラーゼをコードする発現可能な遺伝子を含有するポリヌクレオチドと接触させることを含む、付記16に記載の方法。
(付記18)
前記植物細胞が、単子葉もしくは双子葉植物から選択される細胞であり、より好ましくはタバコ(Nicotiana tabacum)、ニンジン(Daucus carota)、またはコムギ(Tricium aestivum)から選択される細胞である、付記1~17のいずれか1項に記載の主題。

Claims (21)

  1. 培養植物細胞を形質転換するための方法であって、その方法が
    a) 形質転換されるべき培養植物細胞の植物細胞パッケージ(PCP)を提供すること、
    b) 前記PCPを、形質転換作用物質を含有する液体と、インキュベーション時間の間、接触させること、
    c) 前記の形質転換作用物質を含有する液体を除去すること;ならびに、それによって
    d) 前記培養植物細胞を形質転換すること、
    を含み、ステップb) において、形質転換作用物質を含有する液体が自動化された装置によって、PCPに適用され、
    前記PCPが、培養植物細胞のぎっしり詰まったパッケージであり、
    工程a)のPCPを提供すること及び工程c)の前記の形質転換作用物質を含有する液体を除去することが、PCPを1500 x g~2000 x gで多孔性担体上に遠心分離することを含む、前記方法。
  2. 形質転換作用物質を含有する液体が、最大50μl/sの速度で、PCPに適用される、請求項1に記載の方法。
  3. 工程a)のPCPを提供すること及び工程c)の前記の形質転換作用物質を含有する液体を除去することが、適当量の細胞集団を多孔性担体上に遠心分離することを含み、遠心分離は少なくとも15秒間行われる、請求項1または2に記載の方法。
  4. 前記多孔性担体が、マルチウェルフィルタープレートである、請求項1~3のいずれか1項に記載の方法。
  5. 前記マルチウェルフィルタープレートが平均孔径30μm~40μmの孔を有する、請求項1~4のいずれか1項に記載の方法。
  6. 前記培養植物細胞のぎっしり詰まったパッケージが、0.1 g/cm3 ~0.9 g/cm3の質量密度を有する、請求項1~3のいずれか1項に記載の方法。
  7. 前記方法が、前記培養植物細胞の固形化手段を追加することを含む、請求項1~6のいずれか1項に記載の方法。
  8. 前記細胞が、ステップa)の前に、10 g/l~50 g/lのショ糖を含有する培地中で培養される、請求項1~7のいずれか1項に記載の方法。
  9. 前記細胞が、ステップa)の前に、1 mM~10 mMのリン酸イオンを含有する培地中で培養される、請求項1~8のいずれか1項に記載の方法。
  10. 前記の形質転換作用物質が、単離された組換えポリヌクレオチド、組換え植物ウイルス、および組換え細菌からなる一群から選択される、請求項1~9のいずれか1項に記載の方法。
  11. 前記の組換え細菌が、リゾビウム(Rhizobiaceae)科の細菌である、請求項1~10のいずれか1項に記載の方法。
  12. 前記の形質転換作用物質を含有する液体が、自動化された方法によって提供される、請求項1~11のいずれか1項に記載の方法。
  13. 前記の形質転換作用物質を含有する液体が、前記アグロバクテリウム細菌の培養から始まる全ステップを含んでなる、完全に自動化された方法によって提供される、請求項1~12のいずれか1項に記載の方法。
  14. 前記の形質転換が一過性形質転換である、請求項1~13のいずれか1項に記載の方法。
  15. 前記方法が完全に自動化された方法である、請求項1~14のいずれか1項に記載の方法。
  16. 請求項1~15のいずれか1項に記載の方法にしたがって得られた、または得られうる、形質転換された植物細胞を含むPCPを、ハイスループットスクリーニングに使用する方法。
  17. 形質転換された植物細胞の溶解物を提供するための方法であって、その方法が
    a) 請求項1~15のいずれか1項に記載の方法にしたがって得られたPCPを提供すること、ならびに、追加のステップである
    b) 形質転換が生じるのに適した条件下でPCPをインキュベートすること、
    c) PCPに含まれる植物細胞を溶解すること、および、それによって
    d) 形質転換された植物細胞の溶解物を提供すること、
    を含む、前記方法。
  18. 無細胞系においてin vitroで、少なくとも1つの核酸配列の転写、および、必要に応じて、翻訳を引き起こすための方法であって、その方法が
    a) ポリヌクレオチドの転写および/または翻訳のために必要とされる細胞成分を含有する、無細胞抽出物を提供すること
    b) 発現可能な核酸配列を含有するポリヌクレオチドと、ステップa)の無細胞抽出物を接触させること、ならびにそれによって
    c) 前記核酸配列の転写、および、必要に応じて、翻訳を引き起こすこと
    を含み、
    前記無細胞抽出物が請求項1~15のいずれか1項に記載の方法にしたがって得られた植物細胞からえられ、前記方法。
  19. 前記方法が、前記無細胞抽出物を、異種RNAポリメラーゼと接触させることを含む;ならびに/または、前記無細胞抽出物を、異種RNAポリメラーゼをコードする発現可能な遺伝子を含有するポリヌクレオチドと接触させることを含む、請求項18に記載の方法。
  20. 前記植物細胞が、単子葉もしくは双子葉植物から選択される細胞である、請求項1~19のいずれか1項に記載の方法。
  21. 前記植物細胞が、タバコ(Nicotiana tabacum)、ニンジン(Daucus carota)、またはコムギ(Tricium aestivum)の細胞である、請求項20に記載の方法。
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