JP7347297B2 - インバータおよびエレベーター - Google Patents

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Description

本発明は、インバータおよびエレベーターに関する。
特許文献1は、インバータの例を開示する。インバータにおいて、入力される三相交流は、整流部によって直流に変換される。インバータにおいて、変換された直流を平滑化する直流平滑部が設けられる。
特開2011-239667号公報
IGBT(Insulated Gate Bipolar Transistor)またはサイリスタなどのインバータのスイッチング素子のゲート電源部に電解コンデンサが用いられることがある。ここで、電解コンデンサは、時間の経過によって劣化する。しかしながら、特許文献1のインバータは、時間の経過によるインバータの特性の変化を観測しない。このため、電解コンデンサの劣化が想定より進んでいても、インバータがそのまま継続して使用される可能性がある。この場合に、電解コンデンサの劣化によってインバータに異常が発生する可能性がある。
本発明は、このような課題を解決するためになされた。本発明の目的は、電解コンデンサの劣化による異常の発生を抑えられるインバータおよびエレベーターを提供することである。
本発明に係るインバータは、ゲート電源の電圧のリプルを除去する第1電解コンデンサと、出力する電力のオンおよびオフを切り替える第1スイッチング素子のゲート端子へのゲート指令を、第1電解コンデンサがリプルを除去した電圧によって第1ゲート駆動回路に出力させるインバータ制御手段と、電圧の基準値として第1電圧および第2電圧が設定され、時間の基準値として第1基準時間が設定され、第1スイッチング素子のゲート端子のゲート電圧が第1電圧から第2電圧になるまでの時間差を計測し、時間差が第1基準時間より長い場合に第1劣化信号を出力する劣化診断手段と、を備え、劣化診断手段は、時間の基準値として第1基準時間より短い第2基準時間が設定され、時間差が第2基準時間より長い場合に第2劣化信号を出力し、インバータ制御手段は、劣化診断手段から第2劣化信号が入力されるときに、ゲート指令のデッドタイムの設定を長くする
本発明に係るエレベーターは、インバータと、インバータが出力する電力によってかごを走行させるメインモータと、かごの走行を制御するエレベーター制御手段と、を備え、インバータは、ゲート電源の電圧のリプルを除去する第1電解コンデンサと、出力する電力のオンおよびオフを切り替える第1スイッチング素子のゲート端子へのゲート指令を、第1電解コンデンサがリプルを除去した電圧によって第1ゲート駆動回路に出力させるインバータ制御手段と、電圧の基準値として第1電圧および第2電圧が設定され、時間の基準値として第1基準時間が設定され、第1スイッチング素子のゲート端子のゲート電圧が第1電圧から第2電圧になるまでの時間差を計測し、時間差が第1基準時間より長い場合に第1劣化信号を出力する劣化診断手段と、を備え、劣化診断手段は、時間の基準値として第1基準時間より長い第3基準時間が設定され、時間差が第3基準時間より長い場合に第3劣化信号を出力し、エレベーター制御手段は、劣化診断手段から第3劣化信号が入力されるときに、かごの走行が停止した後の走行の再開を制限する
本発明に係るエレベーターは、インバータと、インバータが出力する電力によってかごを走行させるメインモータと、かごの走行を制御するエレベーター制御手段と、を備え、インバータは、ゲート電源の電圧のリプルを除去する第1電解コンデンサと、出力する電力のオンおよびオフを切り替える第1スイッチング素子のゲート端子へのゲート指令を、第1電解コンデンサがリプルを除去した電圧によって第1ゲート駆動回路に出力させるインバータ制御手段と、電圧の基準値として第1電圧および第2電圧が設定され、時間の基準値として第1基準時間が設定され、第1スイッチング素子のゲート端子のゲート電圧が第1電圧から第2電圧になるまでの時間差を計測し、時間差が第1基準時間より長い場合に第1劣化信号を出力する劣化診断手段と、を備え、エレベーター制御手段は、かごが走行を開始してから停止するまでの間に診断信号を出力し、劣化診断手段は、診断信号が入力されるときに時間差を計測し、エレベーター制御手段は、乗客を輸送しないときに診断運転を行い、診断運転を行っているときに診断信号を出力し、インバータは、出力電流が制御信号によって可変であり、エレベーター制御手段は、診断運転を行うときに、インバータの出力電流を大きくする。
本発明に係るインバータおよびエレベーターであれば、電解コンデンサの劣化による異常の発生が抑えられる。
実施の形態1に係るエレベーターの構成図である。 実施の形態1に係るインバータの構成を示すブロック図である。 実施の形態1に係るインバータにおける信号の変化を示す図である。 実施の形態1に係るインバータにおける信号の変化を示す図である。 実施の形態1に係るインバータの動作の例を示すフローチャートである。
本発明を実施するための形態について添付の図面を参照しながら説明する。各図において、同一または相当する部分には同一の符号を付して、重複する説明は適宜に簡略化または省略する。
実施の形態1.
図1は、実施の形態1に係るエレベーターの構成図である。
図1のエレベーター1は、複数の階床を有する建物に適用される。建物において、昇降路2が、複数の階床にわたって設けられる。建物の複数の階床の各々において、乗場3が設けられる。乗場3において、乗場ドア4が設けられる。乗場ドア4は、昇降路2および乗場3を区画する機器である。エレベーター1は、巻上機5と、主ロープ6と、かご7と、釣合錘8と、制御装置9と、を備える。
巻上機5は、例えば昇降路2の上部または下部などに設けられる。巻上機5は、シーブ10およびメインモータ11を有する。シーブ10は、メインモータ11の回転軸に接続される。メインモータ11は、シーブ10を回転させる駆動力を発生させる機器である。この例において、メインモータ11は、PWM制御(PWM:Pulse Width Modulation)によって動作する三相モータである。主ロープ6は、シーブ10に巻き掛けられる。かご7および釣合錘8は、昇降路2において主ロープ6によって吊られている。かご7は、昇降路2の内部を鉛直方向に走行することで乗客などを複数の階床の間で輸送する機器である。かご7は、かごドア12と、ドアモータ13と、を備える。かごドア12は、乗場3が設けられる階床に停止しているかご7に乗客が当該乗場3から乗降しうるように、乗場ドア4を連動させて開閉する機器である。ドアモータ13は、かごドア12を開閉させる駆動力を発生させる機器である。釣合錘8は、主ロープ6を通じてシーブ10にかかる荷重の釣合いをかご7との間でとる機器である。かご7および釣合錘8は、シーブ10の回転によって主ロープ6が移動することで、昇降路2において互いに反対方向に走行する。
制御装置9は、エレベーター1の動作を制御する機器である。エレベーター1の動作は、かご7の走行を含む。ここで、かご7の走行は、複数の階床のいずれかに停止しているかご7が昇降を開始してから他の階床に停止するまでの動作である。制御装置9は、例えば昇降路2の上部または下部などに配置される。制御装置9は、複数の部分から構成されていてもよい。制御装置9は、外部電源14から電力の供給を受ける。外部電源14は、例えば商用電源である。この例において、外部電源14は、三相交流の電力を供給する。制御装置9は、第1制御部15と、インバータ16と、を備える。第1制御部15は、エレベーター1の全体の動作を制御する部分である。第1制御部15は、エレベーター制御手段の例である。第1制御部15は、例えばかご7の走行を制御する。インバータ16は、第1制御部15からの制御信号に応じて、外部電源14から入力される電力を変換する機器である。この例において、インバータ16は、三相交流を出力するPWMインバータである。インバータ16が変換する電力は、メインモータ11に出力される。
図2は、実施の形態1に係るインバータの構成を示すブロック図である。
インバータ16は、ブリッジ17と、二次側ダイオード18と、複数の電解コンデンサCと、複数のゲート駆動回路Dと、複数のゲート抵抗Rと、第2制御部19と、劣化診断部20と、を備える。
ブリッジ17は、入力される直流を変換する部分である。この例において、ブリッジ17は、入力される直流を三相交流に変換する。ブリッジ17は、U相、V相、W相の三相それぞれに対応する3つのレグ21を含む。3つのレグ21の各々は、正側の母線Pおよび負側の母線Nの間にわたって接続される。正側の母線Pおよび負側の母線Nの間において、母線電圧が印可されている。3つのレグ21の各々は、2つのアーム22を含む。一方のアーム22は、正側の母線Pに接続される上アームである。他方のアーム22は、負側の母線Nに接続される下アームである。すなわち、ブリッジ17は、6つのアーム22を含む。6つのアーム22の各々は、スイッチング素子Sを有する。スイッチング素子Sは、ゲート端子に入力されるゲート指令に基づいてオンまたはオフを切り替える素子である。ゲート指令は、スイッチング素子Sが設けられるアーム22に電力を出力させる指令信号である。ゲート指令は、例えば電圧信号である。この例において、スイッチング素子Sは、IGBTである。ここで、複数のスイッチング素子Sの各々を特定する場合に、符号に通し番号を付して説明する。例えば、スイッチング素子S1は、U相のレグ21の下アームのスイッチング素子Sである。スイッチング素子S2は、U相のレグ21の上アームのスイッチング素子Sである。また、複数のスイッチング素子Sのいずれかを特定しない場合に、符号の通し番号を省略する。
二次側ダイオード18は、スイッチング素子Sを駆動するゲート電源のダイオードである。
複数の電解コンデンサCの各々は、ゲート電源の電圧のリプルを除去する素子である。ここで、リプルは、直流電圧に重畳している変動電圧である。複数の電解コンデンサCの各々は、複数のスイッチング素子Sのいずれかに対応する。ここで、複数の電解コンデンサCの各々を特定する場合に、対応するスイッチング素子Sと同じ通し番号を符号に付して説明する。図2において、スイッチング素子S1に対応する電解コンデンサC1が示される。また、複数の電解コンデンサCのいずれかを特定しない場合に、符号の通し番号を省略する。
複数のゲート駆動回路Dの各々は、複数のスイッチング素子Sのいずれかに対応する。複数のゲート駆動回路Dの各々は、入力される制御信号に基づいて、対応するスイッチング素子Sにゲート指令を出力する回路である。ここで、複数のゲート駆動回路Dの各々を特定する場合に、対応するスイッチング素子Sと同じ通し番号を符号に付して説明する。図2において、スイッチング素子S1に対応するゲート駆動回路D1が示される。また、複数のゲート駆動回路Dのいずれかを特定しない場合に、符号の通し番号を省略する。
複数のゲート抵抗Rの各々は、複数のスイッチング素子Sのいずれかに対応する。ゲート抵抗Rは、対応するスイッチング素子Sのゲート端子に接続される抵抗器である。ゲート抵抗Rは、当該スイッチング素子Sに対応するゲート駆動回路Dの出力端子に接続される。ここで、複数のゲート抵抗Rの各々を特定する場合に、対応するスイッチング素子Sと同じ通し番号を符号に付して説明する。図2において、スイッチング素子S1に対応するゲート抵抗R1が示される。また、複数のゲート抵抗Rのいずれかを特定しない場合に、符号の通し番号を省略する。
図2において、スイッチング素子S1以外のスイッチング素子Sに対応する電解コンデンサC、ゲート駆動回路D、およびゲート抵抗Rの図示は、省略される。図示が省略される電解コンデンサC、ゲート駆動回路D、およびゲート抵抗Rは、電解コンデンサC1、ゲート駆動回路D1、およびゲート抵抗R1のスイッチング素子S1への接続と同様に、対応するスイッチング素子Sに接続される。
ここで、インバータ16が電力を出力するときに、例えば電解コンデンサC、ゲート駆動回路D、およびゲート抵抗Rなどにおいて熱が発生する。電力の出力に伴う熱を受けやすい位置は、インバータ16の回路配置などによって定まる。ここで、電力の出力に伴う熱をより受けやすい位置は、例えばインバータ16が動作しているときに温度がより高くなる位置である。インバータ16の複数の素子の各々は、電力の出力に伴う発熱を回路上の配置に応じて受ける。例えば、複数の電解コンデンサCのいずれか1組は、回路上の配置に応じて互いに異なる熱を受ける。当該1組の電解コンデンサCのうち、熱を受けやすい電解コンデンサCは、第1電解コンデンサの例である。当該1組の電解コンデンサCのうち、熱を受けにくい電解コンデンサCは、第2電解コンデンサの例である。第1電解コンデンサは、例えば複数の電解コンデンサCのうちで最も熱を受けやすい位置に配置される電解コンデンサCである。また、第2電解コンデンサは、例えば複数の電解コンデンサCのうちで最も熱を受けにくい位置に配置される電解コンデンサCである。第1電解コンデンサが対応するスイッチング素子Sは、第1スイッチング素子である。当該スイッチング素子Sに対応するゲート駆動回路Dは、第1ゲート駆動回路である。当該スイッチング素子Sに対応するゲート抵抗Rは、第1ゲート抵抗である。同様に、第2電解コンデンサが対応するスイッチング素子Sは、第2スイッチング素子である。当該スイッチング素子Sに対応するゲート駆動回路Dは、第2ゲート駆動回路である。当該スイッチング素子Sに対応するゲート抵抗Rは、第2ゲート抵抗である。この例において、電解コンデンサC1を第1電解コンデンサとして説明する。第1電解コンデンサは、他の電解コンデンサCであってもよい。
第2制御部19は、複数のゲート駆動回路Dの各々に制御信号を出力する部分である。第2制御部19は、インバータ制御手段の例である。第2制御部19が出力する制御信号は、例えば第1制御部15などから入力される信号に基づいて出力される。第2制御部19は、制御信号を入力することによって、ゲート駆動回路Dにゲート指令を出力させる。第2制御部19において、上アームおよび下アームの間のアーム短絡を防ぐように、デッドタイムが設定される。デッドタイムは、同じレグ21の上アームおよび下アームについて、一方のスイッチング素子Sに対応するゲート駆動回路Dに出力する制御信号と他方のスイッチング素子Sに対応するゲート駆動回路Dに出力する制御信号との間に空けられる時間である。
劣化診断部20は、電解コンデンサCの劣化を診断する部分である。劣化診断部20は、劣化診断手段の例である。劣化診断部20は、複数のスイッチング素子Sの少なくともいずれかのゲート端子に接続される。劣化診断部20は、スイッチング素子S1のゲート電圧の電位の基準に接続される。
劣化診断部20は、抽出部23と、第1比較器24と、第2比較器25と、判定部26と、を備える。
抽出部23は、ゲート電圧の信号を抽出する部分である。抽出部23は、第1分圧抵抗Raと、第2分圧抵抗Rbと、絶縁アンプ27と、を備える。第1分圧抵抗Raおよび第2分圧抵抗Rbは、劣化診断部20が接続されるゲート端子のゲート電圧を分圧する抵抗器である。ゲート電圧は、分圧によって絶縁アンプ27に入力しうる電圧に変換される。第1分圧抵抗Raおよび第2分圧抵抗Rbは、電位の基準とゲート端子との間に直列に接続される。絶縁アンプ27は、分圧によって変換されたゲート電圧の信号を増幅して出力する。
第1比較器24は、抽出部23の絶縁アンプ27から出力される信号が表すゲート電圧の値を第1電圧と比較する素子である。第1電圧は、例えば電圧の基準値として予め設定される電圧である。第1比較器24において、第1参照信号が入力される。第1参照信号は、第1電圧に対応する信号である。第1比較器24は、ゲート電圧が第1電圧より高いときに計時開始信号を出力する。
第2比較器25は、抽出部23の絶縁アンプ27から出力される信号が表すゲート電圧の値を第2電圧と比較する素子である。第2電圧は、例えば電圧の基準値として予め設定される電圧である。この例において、第2電圧は、第1電圧より高い。第2比較器25において、第2参照信号が入力される。第2参照信号は、第2電圧に対応する信号である。第2比較器25は、ゲート電圧が第2電圧より高いときに計時終了信号を出力する。
判定部26は、電解コンデンサCの劣化を判定する部分である。判定部26は、第1比較器24の計時開始信号が入力されてから第2比較器25の計時終了信号が入力されるまでの時間差を計測する。判定部26が計測する時間差は、ゲート電圧が第1電圧から第2電圧になるまでの時間差である。判定部26は、計測した時間差に基づいて電解コンデンサCの劣化を診断する。判定部26は、診断した結果を第2制御部19に出力する。
判定部26は、例えばパルス生成回路およびパルスストレッチャ回路を備える。パルス生成回路は、第1比較器24の計時開始信号が入力されるときに立ち上がり、第2比較器25の計時終了信号が入力されるときに立ち下がるパルスを生成する回路である。パルスストレッチャ回路は、パルス生成回路が生成したパルスの時間幅を拡張する回路である。判定部26は、例えば時間幅が拡張されたパルスによって時間差を計測してもよい。
続いて、判定部26のハードウェア構成の例について説明する。判定部26の各機能は、処理回路により実現し得る。処理回路は、少なくとも1つのプロセッサ26bと、少なくとも1つのメモリ26cと、を備える。処理回路は、プロセッサ26bおよびメモリ26cと共に、あるいはそれらの代用として、少なくとも1つの専用のハードウェア26aを備えてもよい。専用のハードウェア26aは、例えばパルス生成回路およびパルスストレッチャ回路を含んでもよい。
判定部26の各機能は、ソフトウェア、ファームウェア、またはソフトウェアとファームウェアとの組み合わせで実現される。ソフトウェアおよびファームウェアの少なくとも一方は、プログラムとして記述される。そのプログラムはメモリ26cに格納される。プロセッサ26bは、メモリ26cに記憶されたプログラムを読み出して実行することにより、判定部26の各機能を実現する。計測された時間差に基づいて電解コンデンサCの劣化を診断する判定部26の機能は、例えばプロセッサ26bおよびメモリ26cによって実現される。
プロセッサ26bは、CPU(Central Processing Unit)、処理装置、演算装置、マイクロプロセッサ、マイクロコンピュータ、DSPともいう。メモリ26cは、例えば、RAM、ROM、フラッシュメモリ、EPROM、EEPROMなどの、不揮発性または揮発性の半導体メモリなどにより構成される。
処理回路が専用のハードウェア26aを備える場合、処理回路は、例えば、単一回路、複合回路、プログラム化したプロセッサ、並列プログラム化したプロセッサ、ASIC、FPGA、またはこれらの組み合わせで実現される。
判定部26の各機能は、それぞれ処理回路で実現することができる。あるいは、判定部26の各機能は、まとめて処理回路で実現することもできる。判定部26の各機能について、一部を専用のハードウェア26aで実現し、他部をソフトウェアまたはファームウェアで実現してもよい。このように、処理回路は、専用のハードウェア26a、ソフトウェア、ファームウェア、またはこれらの組み合わせで判定部26の各機能を実現する。
続いて、図3および図4を用いて、劣化診断部20による電解コンデンサCの劣化の診断の例を説明する。
図3および図4は、実施の形態1に係るインバータにおける信号の変化を示す図である。
図3および図4において、ゲート指令が入力されるときのスイッチング素子Sのゲート電圧およびコレクタ-エミッタ間電圧の変化が示される。スイッチング素子Sは、例えばU相のレグ21の下アームのスイッチング素子S1である。横軸は、時間の経過を表す。上段のグラフは、スイッチング素子Sに入力されるゲート指令を表す。中段のグラフは、ゲート指令が入力されるスイッチング素子Sのゲート電圧を表す。下段のグラフは、当該スイッチング素子Sのコレクタ-エミッタ間電圧を表す。
図3において、電解コンデンサCが劣化していない状態のインバータ16における信号の変化が示される。
ゲート指令がゲート端子に入力されると、時刻t1から時刻t2までの間、ゲート-エミッタ間の容量が充電される。この間、ゲート電圧は時間の経過とともに上昇する。時刻t2において、ゲート電圧の変化が飽和する。時刻t2から時刻t3までの間、ゲート-コレクタ間の容量が充電される。この間、ゲート電圧は一定である。このときのゲート電圧は、スイッチング素子SであるIGBTのミラー電圧である。時刻t2から時刻t3までの期間は、ミラー期間である。時刻t2から時刻t3までの間、コレクタ-エミッタ間の電圧が時間の経過とともに下降する。時刻t3において、コレクタ-エミッタ間の電圧の変化が飽和する。これにより、コレクタ-エミッタ間のスイッチングが行われる。時刻t3より後において、ゲート指令が入力されている間、コレクタ-エミッタ間の電圧は一定である。時刻t3から時刻t4までの間、ゲート電圧は時間の経過とともに上昇する。時刻t4において、ゲート電圧の変化が飽和する。
この例において、第1比較器24に設定される第1電圧は、IGBTのミラー電圧より低い電圧である。第1電圧は、ゲート指令が入力されていないときのゲート電圧より高い。また、第2比較器25に設定される第2電圧は、IGBTのミラー電圧より高い電圧である。第2電圧は、コレクタ-エミッタ間のスイッチングが行われた後に飽和したときのゲート電圧より低い。
時刻t1から時刻t2までの間に、劣化診断部20の第1比較器24は、ゲート電圧が第1電圧まで上昇したことを検出する。ゲート電圧が第1電圧より高いときに、第1比較器24は、計時開始信号を出力する。その後、ミラー期間の間、ゲート電圧はミラー電圧で一定となる。時刻t3から時刻t4までの間に、劣化診断部20の第2比較器25は、ゲート電圧が第2電圧まで上昇したことを検出する。ゲート電圧が第2電圧より高いときに、第2比較器25は、計時終了信号を出力する。判定部26は、ゲート電圧が立ち上がるときに、計時開始信号および計時終了信号の入力に基づいて、ゲート電圧が第1電圧から第2電圧になるまでの時間差Δtを計測する。
この例において、判定部26は、診断信号が入力されるときに時間差Δtを計測する。診断信号は、第1制御部15から出力される制御信号である。第1制御部15は、かご7が走行を開始してから停止するまでの間に、診断信号を出力する。この例において、第1制御部15は、かご7が走行を開始してから停止するまでの間に、診断信号を高々一回出力する。この場合に、判定部26は、かご7が走行を開始してから停止するまでの間に、高々一回時間差Δtを計測する。第1制御部15は、かご7が一回走行するたびに、一回診断信号を出力してもよい。あるいは、第1制御部15は、予め設定された期間の間に一回だけ診断信号を出力してもよい。設定される期間は、例えば1時間、1日、1週間、10日、または1か月などである。
図4において、電解コンデンサCが劣化した状態のインバータ16における信号の変化が示される。
電解コンデンサCは、時間の経過によって、劣化する。電解コンデンサCの劣化は、例えば電解液のドライアップなどによる。電解コンデンサCのESR(Equivalent Series Resistance)は、例えば劣化によって増加する。電解コンデンサCの容量は、例えば劣化によって低下する。これにより、例えばゲート駆動回路Dが出力するゲート指令の電圧が低下することなどによって、ゲート電圧の立ち上がり時間が遅くなる。この例において、時刻t1から時刻t2までの間におけるゲート電圧の上昇が緩やかになる。また、時刻t2から時刻t3までのミラー期間が長くなる。また、時刻t3から時刻t4までの間におけるゲート電圧の上昇が緩やかになる。これによって、ゲート電圧が第1電圧から第2電圧になるまでの時間差Δtが長くなる。このため、電解コンデンサCの劣化は、判定部26が測定する時間差Δtに基づいて診断できる。
この例の判定部26において、第1基準時間が設定される。第1基準時間は、時間の基準値として予め設定される時間である。第1基準時間は、例えばデッドタイムと同程度のオーダーの時間である。この例において、第1基準時間は、デッドタイムより短い時間に設定される。判定部26は、計測した時間差Δtが第1基準時間より長い場合に、第1劣化信号を出力する。第1劣化信号は、電解コンデンサCの劣化の程度を表す信号である。第1劣化信号は、例えば第1制御部15に出力される。第1制御部15は、第1劣化信号が入力されるときに、異常を発報する。第1制御部15は、例えばエレベーター1の情報を収集する情報センタのオペレータまたは保守員、もしくはエレベーター1の管理者などに対して異常を発報する。
また、判定部26において、第2基準時間が設定される。第2基準時間は、時間の基準値として予め設定される時間である。第2基準時間は、第1基準時間より短い。判定部26は、計測した時間差Δtが第2基準時間より長い場合に、第2劣化信号を出力する。第2劣化信号は、電解コンデンサCの劣化の程度を表す信号である。第2劣化信号は、第1劣化信号が表す電解コンデンサCの劣化より程度の軽い劣化を表す。第2劣化信号は、例えば第2制御部19に出力される。第2制御部19は、第2劣化信号が入力されるときに、デッドタイムの設定値を長くする。第2制御部19は、例えば第2劣化信号が入力される度に一定値を加算することでデッドタイムの設定値を長くする。あるいは、第2制御部19は、例えば第2劣化信号が入力されるときに、計測された時間差Δtに応じてデッドタイムの設定値を長く変更してもよい。
また、判定部26において、第3基準時間が設定される。第3基準時間は、時間の基準値として予め設定される時間である。第3基準時間は、第1基準時間より長い。判定部26は、計測した時間差Δtが第3基準時間より長い場合に、第3劣化信号を出力する。第3劣化信号は、電解コンデンサCの劣化の程度を表す信号である。第3劣化信号は、第1劣化信号が表す電解コンデンサCの劣化よりさらに進んだ劣化を表す。第3劣化信号は、例えば第1制御部15に出力される。第1制御部15は、第3劣化信号が入力されるときに、時間差Δtが測定されてからかご7が走行を停止した後のかご7の走行の再開を制限する。すなわち、第1制御部15は、時間差Δtが測定されてからかご7が走行を停止した後に、再び走行を開始することを禁止する。あるいは、第1制御部15は、時間差Δtが測定されてからかご7が走行を停止した後に、かご7が走行できる回数の上限を定めてもよい。
続いて、図5を用いて、インバータ16の動作の例を説明する。
図5は、実施の形態1に係るインバータの動作の例を示すフローチャートである。
ステップST1において、判定部26は、診断信号が入力されたかを判定する。判定結果がNoの場合に、インバータ16の動作は、再びステップST1の始めに進む。判定結果がYesの場合に、インバータ16の動作は、ステップST2に進む。
ステップST2において、判定部26は、ゲート電圧が第1電圧から第2電圧になるまでの時間差を計測する。その後、インバータ16の動作は、ステップST3に進む。
ステップST3において、判定部26は、計測した時間差が第2基準時間より長いかを判定する。判定結果がNoの場合に、インバータ16の動作は、ステップST1に進む。判定結果がYesの場合に、インバータ16の動作は、ステップST4に進む。
ステップST4において、判定部26は、第2劣化信号を第2制御部19に出力する。第2劣化信号が入力されるときに、第2制御部19は、デッドタイムの設定値を長くする。その後、インバータ16の動作は、ステップST5に進む。
ステップST5において、判定部26は、計測した時間差が第1基準時間より長いかを判定する。判定結果がNoの場合に、インバータ16の動作は、ステップST1に進む。判定結果がYesの場合に、インバータ16の動作は、ステップST6に進む。
ステップST6において、判定部26は、第1劣化信号を第1制御部15に出力する。第1劣化信号が入力されるときに、第1制御部15は、異常を発報する。その後、インバータ16の動作は、ステップST7に進む。
ステップST7において、判定部26は、計測した時間差が第3基準時間より長いかを判定する。判定結果がNoの場合に、インバータ16の動作は、ステップST1に進む。判定結果がYesの場合に、インバータ16の動作は、ステップST8に進む。
ステップST8において、判定部26は、第3劣化信号を第1制御部15に出力する。第3劣化信号が入力されるときに、第1制御部15は、かご7が停止した後のかご7の走行の再開を制限する。その後、インバータ16の動作は、ステップST1に進む。
なお、判定部26は、ゲート電圧が立ち下がるときに、ゲート電圧が第1電圧から第2電圧になるまでの時間差を計測してもよい。このとき、第1電圧は第2電圧より高く設定される。第1電圧は、例えばIGBTのミラー電圧より高い電圧である。また、第2電圧は、例えばIGBTのミラー電圧より低い電圧である。
以上に説明したように、実施の形態1に係るインバータ16は、電解コンデンサCと、第2制御部19と、劣化診断部20と、を備える。電解コンデンサCは、ゲート電源の電圧のリプルを除去する。第2制御部19は、スイッチング素子Sのゲート端子へのゲート指令を、電解コンデンサCがリプルを除去した電圧によってゲート駆動回路Dに出力させる。スイッチング素子Sは、インバータ16が出力する電力のオンおよびオフを切り替える。劣化診断部20において、電圧の基準値として第1電圧および第2電圧が設定される。劣化診断部20において、時間の基準値として第1基準時間が設定される。劣化診断部20は、スイッチング素子Sのゲート端子のゲート電圧が第1電圧から第2電圧になるまでの時間差を計測する。劣化診断部20は、当該時間差が第1基準時間より長い場合に第1劣化信号を出力する。
また、実施の形態1に係るエレベーター1は、インバータ16と、メインモータ11と、第1制御部15と、を備える。メインモータ11は、インバータ16が出力する電力によってかご7を走行させる。第1制御部15は、かご7の走行を制御する。
ゲート電圧の立ち上がりの時間または立ち下りの時間は、電解コンデンサCの劣化によって長くなる。このため、劣化診断部20は、ゲート電圧が第1電圧から第2電圧になるまでの時間差に基づいて、電解コンデンサCの劣化を診断できる。立ち上がりの時間または立ち下がりの時間が長くなると、スイッチング素子Sのスイッチングに要する時間が長くなる。スイッチング素子Sにおいて、スイッチング途中の時間が長くなると、スイッチング素子Sにおいて発生する熱が増加する。この熱によって、過熱または故障などの異常がインバータ16に発生する可能性がある。このような異常の発生を防ぐために、劣化した電解コンデンサCの交換が有効である。ここで、劣化診断部20が出力する第1劣化信号によって、電解コンデンサCが劣化したことの把握が容易になる。このため、電解コンデンサCの交換時期などの把握ができるようになる。これにより、電解コンデンサCの劣化によるインバータ16の異常の発生が抑えられる。また、電解コンデンサCの劣化によるインバータ16の異常の発生が抑えられるので、エレベーター1の運転中にインバータ16に異常が発生することによる乗客の閉じ込めの発生が抑制される。
また、劣化診断部20において、第1電圧および第2電圧は、スイッチング素子Sのミラー電圧が第1電圧および第2電圧の間の電圧になるように設定される。
判定部26が計測する時間差は、スイッチング素子Sのミラー期間を含む期間の時間差である。このため、判定部26が計測する時間差は、少なくともミラー期間より長くなる。判定部26は、ミラー期間と同程度の時間差が計測可能であればよい。このため、判定部26は、時間差を計測しやすくなる。
また、劣化診断部20において、時間の基準値として第1基準時間より短い第2基準時間が設定される。劣化診断部20は、時間差が第2基準時間より長い場合に第2劣化信号を出力する。第2制御部19は、劣化診断部20から第2劣化信号が入力されるときに、ゲート指令のデッドタイムの設定を長くする。
電解コンデンサCの劣化によってスイッチング素子Sのスイッチングに要する時間がデッドタイムより長くなると、上アームおよび下アームの間のアーム短絡が発生する可能性がある。この場合に、第2制御部19は、デッドタイムの設定を長くする。これにより、電解コンデンサCの劣化の状況に応じて、アーム短絡を予防するデッドタイムが設定される。インバータ16において、必要以上に長いデッドタイムを予防的に設定する必要がない。
また、インバータ16は、複数の電解コンデンサCを備える。複数の電解コンデンサCの各々は、ゲート電源の電圧のリプルを除去する。リプルが除去された電圧によって、インバータ16における複数のスイッチング素子Sの各々にゲート指令が出力される。複数の電解コンデンサCのうち劣化診断部20が時間差を計測する電解コンデンサCは、インバータ16が電力を出力するときにインバータ16において発生する熱を他の電解コンデンサCより受けやすい位置に配置される。ここで、各々の電解コンデンサCが受ける熱は、例えば各々の電解コンデンサC、各々のゲート駆動回路D、および各々のゲート抵抗Rなどの一部または全部において発生する。
電解コンデンサCは、熱によって劣化が早く進む。劣化診断部20は、複数の電解コンデンサCのうち、劣化がより早く進む電解コンデンサCについて時間差を計測する。これにより、電解コンデンサCの劣化によるインバータ16の異常の発生がより抑えられる。なお、複数の電解コンデンサCのうち劣化診断部20が時間差を測定する電解コンデンサCは、例えば実機または試験機による測定、実験による測定、もしくはシミュレーションなどの結果に基づいて選択されてもよい。
また、第1制御部15は、劣化診断部20から第1劣化信号が入力されるときに、異常を発報する。
これにより、電解コンデンサCの劣化が速やかに把握される。これにより、電解コンデンサCの劣化によるインバータ16の異常の発生がより確実に抑えられる。
また、劣化診断部20において、時間の基準値として第3基準時間が設定される。第3基準時間は、第1基準時間より長い。劣化診断部20は、時間差が第3基準時間より長い場合に第3劣化信号を出力する。第1制御部15は、劣化診断部20から第3劣化信号が入力されるときに、かご7の走行が停止した後の走行の再開を制限する。
これにより、電解コンデンサCの劣化が進んでいる場合に、かご7の走行が制限される。これにより、電解コンデンサCの劣化によるインバータ16の異常が、かご7が走行しているときに発生することが抑制される。このため、第1制御部15は、隣接する階床の間などにおいてかご7が異常の発生によって停止することを予防する。このため、インバータ16の異常などによる乗客の閉じ込めの発生が抑制される。
また、第1制御部15は、かご7が走行を開始してから停止するまでの間に診断信号を出力する。劣化診断部20は、診断信号が入力されるときに時間差を計測する。
ゲート指令は、インバータ16が動作している間に頻繁に出力される。ゲート指令は、例えばPWMのパルスを出力する頻度で出力される。一方、電解コンデンサCの劣化の状態は、かご7が走行を開始してから停止するまでの間に変化しない。劣化診断部20は、ゲート指令の毎回の入力に対しては時間差を計測しないので、時間差の計測および劣化の診断などについての演算資源を節約できる。
なお、第1制御部15は、インバータ16の出力電流が予め設定された閾値より大きいときに診断信号を出力してもよい。
インバータ16の出力電流が大きくなると、ゲート電圧の立ち上がりの時間または立ち下りの時間が長くなる。このため、劣化診断部20は、時間差を計測しやすくなる。ここで、インバータ16の出力電流は、例えば乗客を輸送しないときの下降運転において、停止状態から加速して一定速度になる直前などに大きくなる。第1制御部15は、このときに診断信号を出力してもよい。第1制御部15は、出力電流の位相タイミングに合わせて診断信号を出力してもよい。
また、第1制御部15は、乗客を輸送しないときに診断運転を行ってもよい。この場合に、第1制御部15は、診断運転を行っているときに診断信号を出力する。
診断運転において、劣化診断部20が時間差をより計測しやすくなるように運転の条件が設定されてもよい。また、第1制御部15は、例えば深夜などの同じ時間帯に診断運転を行ってもよい。これにより、劣化診断部20は、条件を揃えて時間差を計測できる。このため、電解コンデンサCの劣化の診断の精度が高まる。また、第1制御部15は、エレベーター1における他の機器を診断するための診断運転において診断信号を出力してもよい。
また、インバータ16は、出力電流が制御信号によって可変であってもよい。第1制御部15は、診断運転を行うときに、インバータ16の出力電流を大きくしてもよい。制御信号は、例えば第1制御部15からインバータ16に入力される。出力電流の大きさは、例えばd軸電流の増加などによって変えられる。
第1制御部15は、診断運転を行うときに、インバータ16に出力電流を高くする制御信号を出力する。これにより、診断運転において、劣化診断部20が時間差を計測しやすくなる。
また、インバータ16は、ドアモータ13に適用されてもよい。このとき、インバータ16は、エレベーター1のドアモータ13を動作させる電力を出力する。
また、劣化診断部20は、ゲート電圧が第1電圧から第2電圧になるまでの時間の複数回の測定の結果に基づいて時間差を計測してもよい。劣化診断部20は、例えば複数回の測定の結果の平均値などを、計測した時間差としてもよい。あるいは、劣化診断部20は、例えば複数回の測定の結果の最大値などを、計測した時間差としてもよい。このとき、劣化診断部20は、外れ値検出の手法などによって外れ値を除外してもよい。劣化診断部20は、複数回の測定の結果に基づいて計測した時間差が第1基準時間より長い場合に、第1劣化信号を出力してもよい。劣化診断部20は、同様の判定によって第2劣化信号および第3劣化信号を出力してもよい。
第1電解コンデンサは、複数の電解コンデンサCのうちのいずれであってもよい。すなわち、劣化診断部20は、複数の電解コンデンサCのうちのいずれの劣化を診断してもよい。劣化診断部20は、例えば複数の電解コンデンサCのうちで最も熱を受けにくい位置に配置される電解コンデンサCの劣化を診断してもよい。
インバータ16は、劣化診断部20を複数備えてもよい。インバータ16は、複数のスイッチング素子Sの各々に対応する電解コンデンサCの各々について、劣化診断部20を備えていてもよい。複数の劣化診断部20は、例えば判定部26などの部分の全部または一部を共有していてもよい。
スイッチング素子Sは、IGBTでなくてもよい。スイッチング素子Sは、例えばパワートランジスタ、またはパワーMOSFET(MOSFET:Metal-Oxide-Semiconductor Field-Effect Transistor)などであってもよい。
第2制御部19は、第1制御部15に搭載されていてもよい。エレベーター制御手段およびインバータ制御手段の各々は、同一のハードウェアの機能として実装されていてもよい。
1 エレベーター、 2 昇降路、 3 乗場、 4 乗場ドア、 5 巻上機、 6 主ロープ、 7 かご、 8 釣合錘、 9 制御装置、 10 シーブ、 11 メインモータ、 12 かごドア、 13 ドアモータ、 14 外部電源、 15 第1制御部、 16 インバータ、 17 ブリッジ、 18 二次側ダイオード、 19 第2制御部、 20 劣化診断部、 21 レグ、 22 アーム、 23 抽出部、 24 第1比較器、 25 第2比較器、 26 判定部、 26a ハードウェア、 26b プロセッサ、 26c メモリ、 27 絶縁アンプ、 C、C1 電解コンデンサ、 D、D1 ゲート駆動回路、 P、N 母線、 R、R1 ゲート抵抗、 Ra 第1分圧抵抗、 Rb 第2分圧抵抗、 S、S1~S6 スイッチング素子

Claims (11)

  1. ゲート電源の電圧のリプルを除去する第1電解コンデンサと、
    出力する電力のオンおよびオフを切り替える第1スイッチング素子のゲート端子へのゲート指令を、前記第1電解コンデンサがリプルを除去した電圧によって第1ゲート駆動回路に出力させるインバータ制御手段と、
    電圧の基準値として第1電圧および第2電圧が設定され、時間の基準値として第1基準時間が設定され、前記第1スイッチング素子のゲート端子のゲート電圧が前記第1電圧から前記第2電圧になるまでの時間差を計測し、前記時間差が前記第1基準時間より長い場合に第1劣化信号を出力する劣化診断手段と、
    を備え
    前記劣化診断手段は、時間の基準値として前記第1基準時間より短い第2基準時間が設定され、前記時間差が前記第2基準時間より長い場合に第2劣化信号を出力し、
    前記インバータ制御手段は、前記劣化診断手段から前記第2劣化信号が入力されるときに、ゲート指令のデッドタイムの設定を長くする、
    インバータ。
  2. 前記劣化診断手段は、前記第1スイッチング素子のミラー電圧が前記第1電圧および前記第2電圧の間の電圧になるように、前記第1電圧および前記第2電圧が設定される
    請求項1に記載のインバータ。
  3. ゲート電源の電圧のリプルを除去する第2電解コンデンサ
    を備え、
    前記インバータ制御手段は、出力する電力のオンおよびオフを切り替える第2スイッチング素子のゲート端子へのゲート指令を、前記第2電解コンデンサがリプルを除去した電圧によって第2ゲート駆動回路に出力させ、
    前記第1電解コンデンサは、電力を出力するときにインバータにおいて発生する熱を前記第2電解コンデンサより受けやすい位置に配置される
    請求項1または請求項2に記載のインバータ。
  4. ンバータと、
    前記インバータが出力する電力によってかごを走行させるメインモータと、
    前記かごの走行を制御するエレベーター制御手段と、
    を備え
    前記インバータは、
    ゲート電源の電圧のリプルを除去する第1電解コンデンサと、
    出力する電力のオンおよびオフを切り替える第1スイッチング素子のゲート端子へのゲート指令を、前記第1電解コンデンサがリプルを除去した電圧によって第1ゲート駆動回路に出力させるインバータ制御手段と、
    電圧の基準値として第1電圧および第2電圧が設定され、時間の基準値として第1基準時間が設定され、前記第1スイッチング素子のゲート端子のゲート電圧が前記第1電圧から前記第2電圧になるまでの時間差を計測し、前記時間差が前記第1基準時間より長い場合に第1劣化信号を出力する劣化診断手段と、
    を備え、
    前記劣化診断手段は、時間の基準値として前記第1基準時間より長い第3基準時間が設定され、前記時間差が前記第3基準時間より長い場合に第3劣化信号を出力し、
    前記エレベーター制御手段は、前記劣化診断手段から前記第3劣化信号が入力されるときに、前記かごの走行が停止した後の走行の再開を制限する、
    エレベーター。
  5. 前記エレベーター制御手段は、前記かごが走行を開始してから停止するまでの間に診断信号を出力し、
    前記劣化診断手段は、前記診断信号が入力されるときに前記時間差を計測する
    請求項4に記載のエレベーター。
  6. 前記エレベーター制御手段は、乗客を輸送しないときに診断運転を行い、前記診断運転を行っているときに前記診断信号を出力する
    請求項5に記載のエレベーター。
  7. 前記インバータは、出力電流が制御信号によって可変であり、
    前記エレベーター制御手段は、前記診断運転を行うときに、前記インバータの出力電流を大きくする
    請求項6に記載のエレベーター。
  8. ンバータと、
    前記インバータが出力する電力によってかごを走行させるメインモータと、
    前記かごの走行を制御するエレベーター制御手段と、
    を備え
    前記インバータは、
    ゲート電源の電圧のリプルを除去する第1電解コンデンサと、
    出力する電力のオンおよびオフを切り替える第1スイッチング素子のゲート端子へのゲート指令を、前記第1電解コンデンサがリプルを除去した電圧によって第1ゲート駆動回路に出力させるインバータ制御手段と、
    電圧の基準値として第1電圧および第2電圧が設定され、時間の基準値として第1基準時間が設定され、前記第1スイッチング素子のゲート端子のゲート電圧が前記第1電圧から前記第2電圧になるまでの時間差を計測し、前記時間差が前記第1基準時間より長い場合に第1劣化信号を出力する劣化診断手段と、
    を備え、
    前記エレベーター制御手段は、前記かごが走行を開始してから停止するまでの間に診断信号を出力し、
    前記劣化診断手段は、前記診断信号が入力されるときに前記時間差を計測し、
    前記エレベーター制御手段は、乗客を輸送しないときに診断運転を行い、前記診断運転を行っているときに前記診断信号を出力し、
    前記インバータは、出力電流が制御信号によって可変であり、
    前記エレベーター制御手段は、前記診断運転を行うときに、前記インバータの出力電流を大きくする、
    エレベーター。
  9. 前記エレベーター制御手段は、前記インバータの出力電流が予め設定された閾値より大きいときに前記診断信号を出力する
    請求項5から請求項8のいずれか一項に記載のエレベーター。
  10. 前記エレベーター制御手段は、前記劣化診断手段から前記第1劣化信号が入力されるときに、異常を発報する
    請求項4から請求項9のいずれか一項に記載のエレベーター。
  11. 前記劣化診断手段は、時間の基準値として前記第1基準時間より短い第2基準時間が設定され、前記時間差が前記第2基準時間より長い場合に第2劣化信号を出力し、
    前記インバータ制御手段は、前記劣化診断手段から前記第2劣化信号が入力されるときに、ゲート指令のデッドタイムの設定を長くする
    請求項4から請求項10のいずれか一項に記載のエレベーター。
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JP2017218278A (ja) 2016-06-07 2017-12-14 三菱電機株式会社 エレベータの制御装置

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