JP7346835B2 - 発電量推定装置、発電量推定方法及び発電量推定用プログラム - Google Patents

発電量推定装置、発電量推定方法及び発電量推定用プログラム Download PDF

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Description

本発明は、発電量推定装置、発電量推定方法及び発電量推定用プログラムに関し、例えば、太陽光発電部に入射する太陽光を減衰する太陽光減衰物の影響を考慮した太陽光発電の発電量推定装置、太陽光発電の発電量推定方法及び太陽光発電の発電量推定用プログラムに関する。
近年、太陽光(PV:Photovoltaic)及び風力などの再生可能エネルギーが発電の中心となってきており、太陽光発電の普及が急速に拡大している。例えば、九州地方は、世界的にみても高い太陽光発電の普及率を有している。太陽光発電は、気象変動による発電量の変動が大きく、電力の安定供給のためには、気象予測に応じて発電計画を高精度に立案し、火力発電及び揚水発電などの他の発電所と共に運用する必要がある。
太陽光発電は、太陽光パネルで太陽光を受光して発電するので、気象状況などにより太陽光パネルに入射する太陽の日射量が変化すると発電量が変化する。そこで、日射計の日射量データに基づいて太陽光発電の出力を推定する太陽光発電出力の推定方法が提案されている(例えば、特許文献1参照)。特許文献1に記載の太陽光発電出力の推定方法では、日射計によって測定された日射量に基づいて太陽光パネルが配置された管轄内の単位時間及び単位面積当たりの平均日射量を算出し、算出した平均日射量から推定関数に基づいて発電出力を推定する。これにより、日射計の設置地点と太陽光発電設備の設置地点とが異なる地点であった場合であっても、日射計の日射量データに基づいて管轄内の太陽光発電の総出力を推定することができる。
特開2016-152644号公報
太陽光発電の発電量は、一般的に、全天日射量(雲量)、気温、風速、太陽光パネルの設置角、設備容量などの指標を用いた物理式もしくは、各指標を用いた統計的方法もしくは機械学習的方法により推定して予測されている。例えば、太陽光の発電量の予測は、回帰分析などを用いて行われる。
しかしながら、従来の太陽光発電の発電量推定方法では、主に全天日射量(雲量)から太陽光パネルへ到達する日射量推定値が算出されるので、算出された太陽光パネルへの日射量推定値と太陽光パネル表面に実際に到達する日射量とが必ずしも一致するわけではない。例えば、太陽光パネル表面に積雪した場合には、太陽光パネル表面に到達する日射量推定値が大きい場合であっても、実際に太陽光パネル表面に到達する日射量が積雪によって遮られて少ないことがある。このような場合には、同一気象条件であっても積雪量によって太陽光発電量が大きく変動し、太陽光発電の発電量の予測が困難となり、電力を安定運用する上で大きな課題となる。実際に関東地区で大雪が降った際に、太陽光パネル表面に大量の積雪が残り、従来の太陽光発電の予測方法では対応ができなかった実例もある。
このように、従来の太陽光発電の発電量推定方法では、太陽光パネル表面への積雪などの太陽光減衰物が太陽光発電部の発電量へ及ぼす影響を考慮することはできず、太陽光発電の発電量の推定値と発電量の実測値とが大きく乖離してしまう場合があった。また、太陽光発電の発電量推定値をオペレータの経験によって調整して対応することも行われていたが、太陽光発電量の定量的な予測は困難であった。
本発明は、このような実情に鑑みてなされたものであり、太陽光発電部へ入射する太陽光を減衰する太陽光減衰物の影響がある場合であっても、太陽光発電の発電量を精度よく推定できる発電量推定装置、発電量推定方法及び発電量推定用プログラムを提供することを目的とする。
本発明に係る発電量推定装置は、日射量情報に基づいて太陽光発電部の基準発電量を算出する発電量算出部と、前記太陽光発電部へ入射する太陽光を減衰する太陽光減衰物の減衰物情報に基づいて発電量減衰率を算出する減衰率算出部と、前記基準発電量及び前記発電量減衰率に基づいて前記太陽光発電部の発電量推定値を算出する発電量推定部とを備えたことを特徴とする。
本発明に係る発電量推定装置によれば、発電量算出部が日射量情報に基づいて算出した基準発電量を、減衰率算出部が減衰物情報に基づいて算出した発電量減衰率を用いて補正することができる。これにより、発電量推定装置は、太陽光減衰物の影響を考慮して太陽光発電部の発電量推定値を算出することができるので、太陽光発電部への太陽光減衰物の影響がある場合であっても、太陽光発電の発電量を精度よく推定して予測することが可能となる。
本発明に係る発電量推定装置においては、前記減衰率算出部は、下記式(A)に基づいて前記発電量減衰率を算出することが好ましい。この構成により、発電量推定装置は、各パラメータを考慮した下記式(A)によって太陽光減衰物の影響を考慮した太陽光発電の発電量減衰率を算出することができるので、太陽光減衰物の影響がある場合の太陽光発電の発電量をより精度よく推定して予測することが可能となる。
Figure 0007346835000001
(式(A)中、Plossは、発電量減衰率を表し、kextは、吸光係数を表し、hは、減衰物深を表し、hshiftは、hの補正値を表し、h>hshiftを満たす。)
本発明に係る発電量推定装置においては、前記減衰率算出部は、前記減衰物情報に基づいて予め取得した減衰率係数を用いて前記発電量減衰率を算出することが好ましい。この構成により、発電量推定装置は、予め取得した減衰物情報に基づいた減衰率係数によって、太陽光減衰物の影響を考慮した太陽光発電の発電量減衰率を算出することができるので、太陽光減衰物の影響がある場合の太陽光発電の発電量をより精度よく推定して予測することが可能となる。
本発明に係る発電量推定装置においては、さらに、地域情報に基づいて前記減衰率係数を取得することが好ましい。この構成により、発電量推定装置は、地域情報も考慮した減衰率係数によって、太陽光減衰物の影響を考慮した太陽光発電の発電量減衰率を算出することができるので、太陽光減衰物の影響がある場合の太陽光発電の発電量をより一層精度よく推定して予測することが可能となる。
本発明に係る発電量推定装置においては、前記太陽光減衰物が雪であることが好ましい。この構成により、発電量推定装置は、雪の影響を考慮して太陽光発電部の発電量を推定できるので、太陽光発電部の発電量をより精度よく推定して予測することが可能となる。
本発明に係る発電量推定方法は、日射量情報に基づいて太陽光発電部の基準発電量を算出する発電量算出工程と、前記太陽光発電部へ入射する太陽光を減衰する太陽光減衰物の減衰物情報に基づいて発電量減衰率を算出する減衰率算出工程と、前記基準発電量及び前記発電量減衰率に基づいて前記太陽光発電部の発電量推定値を算出する発電量推定工程とを含むことを特徴とする。
本発明に係る発電量推定方法によれば、発電量算出部が日射量情報に基づいて算出した基準発電量を、減衰率算出部が減衰物情報に基づいて算出した発電量減衰率を用いて補正することができる。これにより、発電量推定方法は、太陽光減衰物の影響を考慮して太陽光発電部の発電量推定値を算出することができるので、太陽光発電部への太陽光減衰物の影響がある場合であっても、太陽光発電の発電量を精度よく推定して予測することが可能となる。
本発明の発電量推定用コンピュータプログラムは、日射量情報に基づいて太陽光発電部の基準発電量を算出する発電量算出ステップと、前記太陽光発電部へ入射する太陽光を減衰する太陽光減衰物の減衰物情報に基づいて発電量減衰率を算出する減衰率算出ステップと、前記基準発電量及び前記発電量減衰率に基づいて前記太陽光発電部の発電量推定値を算出する発電量推定ステップとを含むことを特徴とする。
本発明に係る発電量推定用コンピュータプログラムによれば、発電量算出部が日射量情報に基づいて算出した基準発電量を、減衰率算出部が減衰物情報に基づいて算出した発電量減衰率を用いて補正することができる。これにより、発電量推定用コンピュータプログラムは、太陽光減衰物の影響を考慮して太陽光発電部の発電量推定値を算出することができるので、太陽光発電部への太陽光減衰物の影響がある場合であっても、太陽光発電の発電量を精度よく推定して予測することが可能となる。
本発明によれば、太陽光発電部へ入射する太陽光を減衰する太陽光減衰物の影響がある場合であっても、太陽光発電の発電量を精度よく推定できる発電量推定装置、発電量推定方法及び発電量推定用プログラムを実現できる。
図1は、本発明の実施の形態に係る発電量推定装置の機能ブロック図である。 図2は、第1の実施の形態に係る日射量減衰率と積雪深との関係を示す図である。 図3は、第1の実施の形態に係る発電量推定装置における積雪後の日数と積雪深及び日射量減衰率との関係を示す図である。 図4は、第1の実施の形態に係る発電量推定装置における積雪後の日数と太陽光発電量及び積雪深の変化との関係を示す図である。 図5Aは、第1の実施の形態に係る太陽光パネルの発電量と積雪後の経過日数との関係を示す図である。 図5Bは、第1の実施の形態に係る太陽光パネルの発電量と積雪後の経過日数との関係を示す図である。 図5Cは、第1の実施の形態に係る太陽光パネルの発電量と積雪後の経過日数との関係を示す図である。 図6は、第1の実施の形態に係る積雪後の発電量実測値と発電量推定値とに基づいて算出した平均平方二乗誤差(RMSE値)を示す図である。 図7は、第1の実施の形態に係る積雪後の経過日時と誤差率との関係を示す図である。 図8は、本発明の実施の形態に係る発電量推定装置における太陽光パネルに対する太陽光の入射角度の説明図である。 図9は、本発明の実施の形態に係る発電量推定方法の概略を示すフロー図である。
近年、太陽光発電の普及が進んでおり、太陽光発電の発電量を正確に予測するニーズが高まっている。一般的に、太陽光発電の発電量は、全天日射量(雲量)、気温、風速などの気象条件に基づいて予測されている。しかしながら、太陽光発電では、積雪などにより太陽光パネルに到達する日射量が遮られると同一気象条件でも発電量が大きく減少する。この場合、太陽光発電の発電量の予測が困難となり、電力の安定運用の上で大きな課題となっている。
本発明者は、上述した積雪などの太陽光パネルへ到達する太陽光を減衰する太陽光減衰物が太陽光発電の発電量に及ぼす影響に着目した。そして、本発明者は、太陽光減衰物による太陽光発電の発電量減衰率を算出し、算出した発電量減衰率を用いて太陽光発電部の発電量を補正することを着想した。これにより、本発明者は、太陽光減衰物の影響があった場合であっても、太陽光発電の発電量を従来より正確に推定して精度よく予測できることを見出し、本発明を完成させるに至った。
以下、本発明の一実施の形態について、添付図面を参照して詳細に説明する。なお、本発明は、以下の実施の形態によって何ら限定されるものではない。なお、以下の実施の形態においては、太陽光減衰物が雪である場合について説明するが、太陽光減衰物は、雪に限定されるものではない。太陽光減衰物としては、例えば、雪、氷などの含水物、及び火山灰などの各種太陽光を減衰する媒体を対象とすることが可能である。
図1は、本発明の一実施の形態に係る発電量推定装置の機能ブロック図である。図1に示すように、本実施の形態に係る発電量推定装置1は、日射量及び雪の影響を考慮して太陽光発電部(太陽光パネル)の発電量を精度よく推定するものである。発電量推定装置1は、演算処理部11と記憶部20とを含むコンピュータにより実現される。発電量推定装置1は、入出力装置30と電気的に接続されている。
演算処理部10は、例えば、中央演算装置(CPU:Centra1 Processing Unit)及びメモリを含む。演算処理部10は、各種演算を実行する際にコンピュータプログラムを記憶部20から読み込んでメモリに展開する。メモリに展開されたコンピュータプログラムは、太陽光発電の発電量推定に関する各種処理を実行する。演算処理部10は、例えば、記憶部20から予め記憶された各種処理に係るデータを必要に応じて適宜メモリ上の自身に割り当てられた領域に展開し、展開したデータに基づいて太陽光発電の発電量推定値の算出に関する各種処理を実行する。
演算処理部10は、発電量算出部11と、減衰率算出部12と、発電量推定部13とを備える。発電量算出部11は、予め設定された太陽光発電部(例えば、太陽光パネル)の位置情報、設備容量、自家消費率及び太陽位置などの太陽光発電に用いられる各種太陽光発電装置情報を記憶部20などから取得する。また、発電量算出部11は、全天日射量、気温及び温度などの気象情報を記憶部20及び外部サーバなどから取得する。発電量算出部11は、取得した気象情報及び各種太陽光発電装置情報に基づいて太陽光発電部の基準発電量を算出する。なお、発電量算出部11は、外部サーバなどから定期的に気象情報を取得してもよく、オペレータによる入出力装置30からの入力により気象情報を取得してもよい。
減衰率算出部12は、雪情報(減衰物情報)を外部サーバなどから取得し、取得した雪情報に基づいて太陽光発電部の発電量減衰率を算出する。ここでの雪情報としては、太陽光発電部の発電量減衰率を算出できるものであれば特に制限はなく、積雪量を表す積雪深情報(減衰物量を表す減衰物深情報)であってもよく、降雪量情報であってもよい。また、減衰率算出部12は、外部サーバなどから定期的に雪情報を取得してもよく、オペレータによる入出力装置30からの入力により雪情報を取得してもよい。減衰率算出部12は、後述するように、所定の関係式を用いて太陽光発電部の発電量減衰率を算出してもよく、雪情報及び地域情報などに基づいて作成した減衰率の減衰率係数の係数表を用いて太陽光発電部の発電量減衰率を算出してもよい。
発電量推定部13は、発電量算出部11によって算出された太陽光発電部の基準発電量及び減衰率算出部12によって算出された太陽光発電部の発電量減衰率に基づいて、雪の影響を考慮した太陽光発電部の発電量推定値を算出する。発電量推定部13によって算出された発電量推定値は、入出力部30を介してオペレータに通知される。
記憶部20は、ハードディスク装置、光磁気ディスク装置、フラッシュメモリ及びCD-ROMなどの読み出しのみが可能な記録媒体である不揮発性のメモリ、並びに、RAM(Random Access Memory)のような読み出し及び書き込みが可能な記録媒体である揮発性のメモリが適宜組み合わせられる。また、記憶部20は、外部サーバなどの他の装置内にあってもよい。
入出力部30は、キーボード、マウスなどの入力デバイスを含む入力装置31と、液晶表示装置などの表示用デバイスを含む表示装置32とを備える。入力装置31は、太陽光発電装置の各種情報及び気象情報などの演算処理部10及び記憶部20への入力に用いられる。表示装置32は、演算処理部10で算出された太陽光発電装置の発電量推定値などを表示する。
次に、減衰率算出部12による発電量減衰率の算出について詳細に説明する。太陽光発電装置では、積雪による太陽光発電の発電量の損失は、太陽光パネル表面への積雪により日射が遮られることにより発生する。本発明者は、太陽光発電装置における日射量と太陽光発電の発電量とが比例関係であることに基づき、積雪の影響がない場合の太陽光発電の基準発電量に、積雪による日射量減衰率を乗算して積雪の影響を受けた太陽光発電装置の発電量を予測することを着想した。以下、減衰率算出部12による発電量減衰率の各実施の形態について詳細に説明する。
(第1の実施の形態)
第1の実施の形態では、本発明者は、雪が光を透過する物質であることを考慮し、物質による光の吸収を定式化した法則であるランベルト・ベール則(Lambert-Beer Law)を用いて日射量減衰率を算出することを着想した。以下、第1の実施の形態に係る日射量減衰率の算出方法について詳細に説明する。
まず、本発明者は、ランベルト・ベール則に基づいた下記式(1)を日射量減衰率に関する下記式(2)に変形し、下記式(2)を用いて日射量減衰率を算出した。
Figure 0007346835000002
(上記式(1)において、G(h)は、雪表面から積雪深hにおける日射量を表し、G(0)は、雪表面における日射量を表し、kextは、吸光係数を表し、hは、積雪深を表す。)
Figure 0007346835000003
(上記式(2)において、Plossは、日射量減衰率を表し、kextは、吸光係数を表し、hは、積雪深を表す。)
また、本発明者は、太陽光発電装置に雪の影響がある場合には、地表面と太陽光パネル表面とでは、積雪量である積雪深にずれがあることを見出した。この場合、ランベルト・ベール則に基づいた上記式(1)で用いられる積雪深は、太陽光発電装置(例えば、太陽光パネル)表面の積雪深とする必要がある。
本実施の形態では、本発明者は、上述した地表面の積雪深と太陽光パネル表面の積雪深との間のずれを考慮し、上述したランベルト・ベール則を日射量減衰率算出用に拡張した拡張ランベルト・ベール則を用いて太陽光発電量を推定することを着想した。すなわち、本発明者は、上記式(1)に加えて、雪情報に含まれる地表面に対する積雪深(h)と太陽光発電の太陽光パネル表面の積雪深とのずれを積雪深の補正値(hshift:正の値)として規定して下記式(3)とした。そして、本発明者は、下記式(3)を日射量減衰率に関する下記式(4)に変形し、変形した下記式(4)を用いて日射量減衰率を算出した。
Figure 0007346835000004
(上記式(3)において、G(h)は、雪表面からの積雪深hにおける日射量を表し、G(0)は、雪表面における日射量を表し、kextは、吸光係数を表し、hは、積雪深を表し、hshiftは、hの補正値を表し、h>hshiftを満たす。)
Figure 0007346835000005
(上記式(4)において、Plossは、日射量減衰率を表し、kextは、吸光係数を表し、hは、積雪深を表し、hshiftは、hの補正値を表し、h>hshiftを満たす。)
上記式(3)、(4)における補正値(hshift)は、太陽光パネル表面の積雪深と地表面の積雪深との差異を表す指標である。補正値(hshift)は、以下のパラメータに依存する物理量である。補正値(hshift)は、太陽光パネルの設置角が大きいほど大きくなる傾向がある。太陽光パネルは、設置角が大きければ太陽光パネル表面上の積雪が滑り落ちやすくなり、積雪量が多くても積雪の影響は軽減されるためである。また、補正値(hshift)は、外気温が高いほど大きくなる傾向がある。太陽光パネルに積雪した場合、外気温が高ければ融雪が進むので、積雪の影響は小さくなるからである。また、補正値(hshift)は、風速が大きくなるほど大きくなる傾向がある。太陽光パネルに積雪した際、太陽光パネル表面の積雪が粉雪などの雪結晶が細かい雪質の場合、風速が大きければ積雪が取り除かれやすくなるためである。なお、風速は太陽光パネルの表面を冷却する効果があり、風速が大きくなると、太陽光発電量が大きくなる。
また、補正値(hshift)は、日射量が大きくなると大きくなる。日射による太陽エネルギーが太陽光パネル表面の雪を融雪させるためである。補正値(hshift)は、湿度が大きくなると小さくなる傾向がある。湿度が大きくなると水分が蒸発しにくくなり、太陽光パネル表面の雪が解けにくくなるので、長期間積雪の影響が残るためである。また、補正値(hshift)は、湿度が大きくなると小さくなる傾向がある。ぼた雪のような雪結晶が大きく湿った雪の場合には、風速が大きければ表面が凍り、積雪が取り除かれにくくなるからである。
以上のようにして、上記式(3)、(4)における吸光係数(kext)及び補正値(hshift)は、過去の積雪時のデータから一般的な統計モデル及び機械学習モデルであるグリッドサーチ(Grid―Search)、勾配法、確率的勾配降下法(SGD:Stochastic Gradient Descent)、回帰分析などにより統計的に求めることができる。
吸光係数(kext)については、雪密度及び雪結晶の大きさなどの積雪状態から算出することも可能である。この場合、吸光係数(kext)は、例えば、下記式(5)に基づいて算出してもよい。
Figure 0007346835000006
(上記式(5)中、ρは、雪密度を表し、ρiは、氷密度を表し、refは、雪結晶の有効半径を表す。)
補正値(hshift)については、上述した各種パラメータより算出することが可能である。また、補正値(hshift)は、太陽光パネルに近接する地域での地表面の積雪深を測定し、太陽光パネル表面の積雪深と地表面の積雪深との差異に基づいて設定してもよい。
また、吸光係数(kext)及び補正値(hshift)は、同一気象条件における積雪の影響がある太陽光パネルの発電量実測値を基準とし、上記式(4)における吸光係数(kext)及び補正値(hshift)の各パラメータ値をグリッドサーチなどにより変更して算出した太陽光パネルの発電量予測値と上記発電量実測値とを比較して決定してもよい。この場合、上記式(4)で求めた減衰量予測値(P’t_loss)と、減衰量実測値(Pt_loss)とが近似するように各パラメータを設定する。減衰量予測値(P’t_loss)と、減衰量実測値(Pt_loss)との数値の近さの指標としては、下記式(6)で表される二乗誤差値(SE値:Squared Error値)を用いてもよい。この場合、二乗誤差値を小さくすることにより太陽光発電量の予測精度が向上する。なお、減衰量予測値(P’t_loss)と、減衰量実測値(Pt_loss)との数値の近さの指標としては、二乗誤差に限定されるものではなく、絶対誤差及び最尤誤差などを用いてもよい。これらを用いた場合にも、絶対誤差及び最尤誤差を小さくすることにより、太陽光発電量の予測精度が向上する。
Figure 0007346835000007
(上記式(6)中、SEは、二乗誤差値を表し、P’t_lossは、減衰量予測値を表し、P_lossは、減衰量実測値を表す。)
次に、上述した拡張ランベルト・ベール則を用いた発電量推定値について詳細に説明する。図2は、第1の実施の形態に係る日射量減衰率と積雪深との関係を示す図である。なお、図2においては、横軸に関東及び山梨県における積雪深(h)の平均値を示し、縦軸に日射量減衰率(Ploss)を示している。また、図2においては、吸光係数(kext)を1.85とし、補正値(hshift)を1.9として上記式(4)に基づいて算出した日射量減衰率(Ploss)を実線L1で表し、吸光係数(kext)を1.85として上記式(2)に基づいて算出した日射量減衰率(Ploss)を点線L2で表している。さらに、図2においては、積雪深(h)が約15となった積雪後1日目以降は積雪後4日目まで晴天となった場合の積雪深(h)及び日射量減衰率(Ploss)の実測値と積雪後の経過日数との関係をプロットで表している。
図2に示すように、積雪直後の後1日目は、積雪深(h)が15であり、日射量減衰率(Ploss)が0.9付近であったが、積雪後の日時経過と共に積雪深(h)及び日射量減衰率(Ploss)が徐々に減少する。ここで、上記式(4)に基づいて算出した日射量減衰率(Ploss)の実線L1と積雪後1日目から積雪後4日目までの積雪深(h)及び日射量減衰率(Ploss)の実測値のプロットとを対比すると、いずれの期間においても、実線L1と日射量減衰率(Ploss)とが精度よく一致していることが分かる。
これに対して、上記式(2)に基づいて算出した日射量減衰率(Ploss)の点線L2と積雪後1日目から積雪後4日目までの積雪深(h)及び日射量減衰率(Ploss)の実測値のプロットとを対比すると、積雪後の日数経過と共に点線L2が積雪深(h)及び日射量減衰率(Ploss)の実測値のプロットから離れる傾向となる。そして、日射量減衰率(Ploss)が0の際の積雪深(h)は、上記式(2)に基づいて算出した点線L2の積雪深(h)が0cmであるのに対し、上記式(4)に基づいて算出した積雪深(h)が2cmであり、両者の間に積雪深(h)2cm程度のずれが生じていることが分かる。この結果は、上述したように、地表面に対する積雪深の雪情報と、太陽光パネル表面に対する実際の積雪深との間のずれに起因していると考えられる。これらの結果から、拡張ランベルト・ベール則に基づいた上記式(4)を用いて発電量減衰率を算出することにより、雪の影響による太陽光パネルの実際の発電量減衰率と高い精度で一致することが分かる。
図3は、第1の実施の形態に係る発電量推定装置における積雪後の日数と日射量減衰率との関係を示す図である。なお、図3においては、横軸に積雪後の経過時間を示し、縦軸に積雪深を示し、積雪深(h)の実測値を点線L3に示し、上記式(4)に基づいて算出した日射量減衰率(Ploss)を実線L4に示している。
図3に示すように、積雪深(h)の実測値は、積雪後1日目~4日目の昼間に急減すると共に昼間以外の時間では略一定となり、積雪後の経過時間に応じて段階的に減少する。一方で、上記式(4)に基づいて算出した日射量減衰率(Ploss)は、積雪深と同様に、積雪後1日目~積雪後4日目の昼間に急減すると共に昼間以外の時間では略一定となり、積雪後の経過時間に応じて段階的に減少する。このように、上記式(4)に基づいて算出した日射量減衰率(Ploss)は、積雪深と同様の傾向で減少する結果となり、太陽光パネルに対する雪の影響が反映されていることが分かる。
図4は、第1の実施の形態に係る積雪後の日数と太陽光発電量及び積雪深の変化との関係を示す図である。なお、図4においては、横軸に積雪後の経過日数を示し、縦軸左に発電量推定値を表し、縦軸右に積雪深を示している。また、積雪深の実測値を二点鎖線L5で示し、積雪を考慮しない太陽光発電の基準発電量を一点鎖線L6で示し、発電量実測値を点線L7で示し、上記式(4)に基づいて算出した発電量推定値を実線L8で示している。なお、積雪後1日目~積雪後4日後はいずれも晴天での結果を示している。
図4に示すように、積雪深(h)は、図3で説明した例と同様に、積雪後の経過時間に応じて段階的に減少する。基準発電量は、積雪深(h)と無関係に気象情報に含まれる全日射量に基づいて算出されるので、雲量に応じて若干の増減はあるものの積雪後1日目~積雪後4日にかけていずれも高い値となっている。これに対して、発電量実測値は、全日射量及び太陽光パネル上の積雪により変化するので、積雪後の経過日数に応じた積雪深の減少と共に徐々に発電量が復帰する傾向となる。また、上記式(4)に基づいて算出した発電量推定値は、発電量実測値と略一致し、積雪深の減少と共に発電量が復帰していく傾向となることが分かる。また、上記式(4)に基づいて算出した発電量推定値は、同日中でも積雪深が減少する午後の方が午前中に対して発電量が増大する傾向も発電量実測値と略一致することが分かる。
次に、本発明者は、図4に示した条件において、出力電圧が異なる太陽光パネルを用いた場合の発電量予測値と発電量実測値との関係を調べた。図5A~図5Cは、太陽光パネルの発電量と積雪後の経過時間との関係を示す図である。なお、図5Aにおいては、太陽光パネルの出力電圧が低圧の場合を示し、図5Bにおいては、太陽光パネルの出力電圧が高圧の場合を示し、図5Cにおいては、太陽光パネルの出力電圧が特別高圧の場合を示している。また、図5A~図5Cにおいては、発電量実測値を実線L9~L11で示し、上記式(4)に基づいて算出した発電量推定値を点線L12~L14に示している。
図5A~図5Cに示すように、太陽光パネルの発電量の実測値は、いずれの出力電圧の条件においても、図4に示した例と同様に、積雪後の経過日数に応じて発電量が復帰する傾向となる。また、太陽光パネルの出力電圧が低圧の場合の発電量実測値(図5Aの実線L9参照)と発電量推定値(図5Aの点線L12参照)とは精度よく一致し、太陽光パネルの出力電圧が高圧の場合の発電量実測値(図5Bの実線L10参照)と発電量推定値(図5Bの点線L13参照)とは精度よく一致し、太陽光パネルの出力電圧が特別高圧の場合の発電量実測値(図5Cの実線L11参照)と発電量推定値(図5Cの点線L14参照)とは精度よく一致する。この結果から、上記第1の実施の形態によれば、太陽光パネルの出力電圧によらずに、発電量実測値と発電量推定値とが高い精度で一致することが分かる。
図6は、第1の実施の形態に係る積雪後の発電量実測値と発電量推定値とに基づいて算出した平均平方二乗誤差値(RMSE:Root Mean Square Error値)を示す図である。なお、図6においては、横軸に時間を示し、縦軸にRMSE値を示し、時間毎のRMSE値を示すと共に全体の平均値を併記している。また、図6においては、各時間帯の左側に上記式(4)で算出した発電量推定値を示し、右側に基準発電量の値を示している。なお、図6におけるRMSE値は、下記式(7)に基づいて算出した値である。
Figure 0007346835000008
(式(7)中、RMSEは、平均平方二乗誤差値を表し、fiは、発電量実測値を表し、aiは、発電量予測値を表す。)
図6に示すように、上記式(4)で算出した発電推定値は、各時間帯及び全体の平均値のいずれにおいても発電量実測値と比較して大幅にRMSE値を低減できることが分かる。この結果から、上記式(4)で算出した発電推定値を用いることにより、高い精度で雪の影響を考慮した太陽光発電の発電量の予測が可能となることが分かる。
次に、本発明者は、積雪後の経過日時と発電量推定値と発電量実測値との関係について調べた。図7は、第1の実施の形態に係る積雪後の経過日時と誤差率との関係を示す図である。なお、図7においては、横軸に積雪後の経過日時を示し、縦軸に誤差率を示している。また、図7においては、各時間帯の左側に上記式(4)で算出した発電量推定値を示し、右側に基準発電量の値を示している。なお、図7における誤差率は、下記式(8)に基づいて算出した値である。
Figure 0007346835000009
(式(8)中、fiは、発電量実測値を表し、aiは、発電量予測値を表す。)
図7に示すように、積雪後の経過日時と発電量推定値と発電量実測値とは、積雪後1日目~積雪後4日目にかけて、8:00~16:00の範囲で精度よく一致していることが分かる。この結果から、上記時間帯においては、上記第1の実施の形態に係る発電量予測装置を用いることにより、発電量実測値を高い精度で推定できることが分かる。一方で、各日の7:00の時間帯に関しては、他の時間帯に対して相対的に誤差率が高くなる結果となっている。
図8は、本実施の形態に係る太陽光パネルに対する太陽光の入射角度の説明図である。図8に示すように、太陽光発電装置100の太陽光パネル101は、一般的にパネル表面101Aが地表面Gに対して所定の傾斜角度をとって配置される。この太陽光パネル101のパネル表面101Aには、時間によって異なる角度から太陽光が入射する。例えば、昼12:00頃の時間帯では、太陽102Aの位置が高くなるので、太陽光パネル101のパネル表面101Aに対する太陽光の入射角度θ1が大きくなる。この結果、太陽光パネル101の表面に付着した積雪103の表面とパネル表面101Aとの間の太陽光の光路の距離(図8のhd参照)が、積雪103表面とパネル表面101Aとの積雪深に近くなるので、太陽光パネル101に入射された太陽光の積雪103による減衰量が小さくなり、太陽光パネル101に効率よく太陽光が入射する。
これに対して、7:00の時間帯では、太陽102Bの位置が低くなるので、太陽光パネル101の表面101Aに対する太陽光の入射角度θ2は、入射角度θ1に対して大幅に小さくなる。この結果、太陽光パネル101の表面に付着した積雪103の表面とパネル表面101Aとの間の太陽光の光路の距離(図8のhm参照)が、積雪103の表面とパネル表面101Aとの積雪深より大幅に長くなるので、太陽光パネル101に入射された太陽光の積雪103による減衰量が大きくなり、太陽光パネル101に入射する太陽光が減少する。以上の結果から、図7に示した例では、他の時間帯に対して、7:00の時間帯で誤差率が増大したと考えられる。この場合には、時間帯ごとに補正値(hshift)を適切に設定することにより上述した時間帯による誤差率の増大を防ぐことができる。
このように、上記第1の実施の形態によれば、拡張ランベルト・ベール則に基づいた上記式(4)によって雪の影響を考慮した太陽光発電の発電量減衰率を算出するので、雪の影響がある場合の太陽光発電の発電量を精度よく推定して予測することが可能となる。
(第2の実施の形態)
第2の実施の形態では、本発明者は、減衰率算出部12は、雪情報(減衰物情報)に基づいて予め取得した減衰率係数の係数表を用いて日射量減衰率を算出することを着想した。減衰率算出部12で用いられる減衰率係数の係数表の一例を下記表1に示す。下記表1に記載の減衰率係数の係数表は、雪情報に加えて地域情報を含む。下記表1では、雪情報として積雪量に基づいた積雪深レベルを用いた例について示しているが、雪情報としては、降雪後の経過日数を用いてもよい。また、ここでの地域情報は、例えば、山間部、都市部などの地域単位、都道府県単位、行政区単位により適宜設定される。また、地域情報は、各単位の所定期間における平均降水量、平均降雪量、平均気温、平均湿度などに基づいて適宜設定してもよい。なお、下記表1では、雪情報である積雪深に加えて地域情報を含む減衰率係数の係数表を用いて日射量減衰率を算出する例について説明するが、地域情報は必ずしも用いる必要はない。
Figure 0007346835000010
上記表1に示す減衰率係数の係数表では、雪情報を積雪深のない状態である積雪深レベル0、積雪深が浅い状態である積雪深レベル1、積雪深が中程度の状態である積雪深レベル2、積雪深が深い状態である積雪深レベル3の4段階に区分している。また、上記表1に示す減衰率係数の係数表では、地域を相互に積雪の影響が異なる地域A(積雪の影響大)、地域B(積雪の影響中)、地域C(積雪の影響小)に区分している。これらの積雪深レベルデータ及び地域データは、予め取得して用いる。
本実施の形態では、減衰率算出部12は、表1に示した係数を用いて太陽光パネル表面に到達する日射量の減衰率を算出する。例えば、減衰率算出部12取得した雪情報の積雪深が積雪深レベルAであって、地域情報が地域Aである場合には、太陽光発電部に到達する日射量減衰率を0.9として算出する。また、減衰率算出部12取得した雪情報の積雪深が積雪深レベルBであって、地域情報が地域Bである場合には、太陽光発電部に到達する日射量減衰率を0.87として算出する。このように日射量を算出することにより、太陽光発電部が配置された地点の積雪量及び地域情報に基づいた適切な減衰率を算出できるので、雪の影響を考慮した太陽光の発電量を推定して予測することができる。
このように、上記第2の実施の形態によれば、予め取得した雪情報及び地域情報に基づいた減衰率係数の係数表によって、雪の影響を考慮した太陽光発電の発電量減衰率を算出することができるので、雪の影響がある場合の太陽光発電の発電量をより精度よく推定して予測することが可能となる。
次に、図9を参照して本実施の形態に係る太陽光発電の発電量推定方法について詳細に説明する。図9は、本実施の形態に係る太陽光発電の発電量推定方法の概略を示すフロー図である。図9に示すように、本実施の形態に係る発電量推定方法は、日射量情報に基づいて太陽光パネルの基準発電量を算出する発電量算出工程ST11と、雪情報に基づいて発電量減衰率を算出する減衰率算出工程ST12と、基準発電量及び発電量減衰率に基づいて太陽光パネルの発電量推定値を算出する発電量推定工程ST13とを含む。以下、各工程について詳細に説明する。
発電量算出工程ST11では、まず、発電量算出部11が全天日射量、気温及び温度などの気象情報を外部サーバなどから取得する。そして、発電量算出部11は、取得した気象情報と記憶部20などに格納された太陽光発電部の太陽光パネルの位置情報、設備容量、自家消費率及び太陽位置などの太陽光発電に用いられる各種太陽光発電装置情報とに基づいて太陽光発電部の基準発電量を算出する。
減衰率算出工程ST12では、まず、減衰率算出部12は、積雪深などの雪情報を外部サーバから取得する。そして、減衰率算出部12は、取得した雪情報に基づいて太陽光発電部の発電量減衰率を算出する。ここでは、減衰率算出部12は、上記式(4)に基づいて発電量減衰率を算出してもよく、上記表1に示した減衰率係数の係数表を用いて発電量減衰率を算出してもよい。
発電量推定工程ST13では、発電量推定部13は、発電量算出部11によって算出された基準発電量及び減衰率算出部12によって算出された発電量減衰率に基づいて太陽光パネルの発電量推定値を算出する。ここでは、発電量推定部13は、基準発電量と発電量減衰率とを乗算することにより、基準発電量を補正して発電量推定値を算出する。以上により、太陽光発電部への雪の影響を考慮した発電量推定値を得ることが可能となる。
以上説明したように、上記実施の形態によれば、発電量算出部11が日射量情報に基づいて算出した基準発電量を、減衰率算出部12が減衰物情報に基づいて算出した発電量減衰率を用いて補正する。これにより、発電量推定装置1は、太陽光減衰物の影響を考慮して太陽光発電部の発電量推定値を算出することができるので、太陽光発電部への太陽光減衰物の影響がある場合であっても、太陽光発電の発電量を精度よく予測して推定することが可能となる。したがって、上記実施の形態によれば、太陽光発電部へ入射する太陽光を減衰する太陽光減衰物の影響がある場合であっても、太陽光発電の発電量を精度よく推定できる発電量推定装置、発電量推定方法及び発電量推定用プログラムを実現することが可能となる。
本発明は、太陽光発電部へ入射する太陽光を減衰する太陽光減衰物の影響がある場合であっても、太陽光発電の発電量を精度よく推定できるという効果を有し、特に、各種太陽光発電装置の発電量の予測に好適に用いることができる。
1 発電量予測装置
11 発電量算出部
12 減衰率算出部
13 発電量推定部
20 記憶部
30 入出力部
31 入力装置
32 表示装置
100 太陽光発電装置
101 太陽光パネル
101A パネル表面
102A,102B 太陽
103 積雪

Claims (4)

  1. 日射量情報に基づいて太陽光発電部の基準発電量を算出する発電量算出部と、
    前記太陽光発電部へ入射する太陽光を減衰する太陽光減衰物の減衰物情報に基づいて発電量減衰率を算出する減衰率算出部と、
    前記基準発電量及び前記発電量減衰率に基づいて前記太陽光発電部の発電量推定値を算出する発電量推定部とを備え、
    前記減衰率算出部は、下記式(A)に基づいて前記発電量減衰率を算出する、発電量推定装置。


    (式(A)中、Plossは、発電量減衰率を表し、kextは、吸光係数を表し、hは、減衰物深を表し、hshiftは、hの補正値を表し、h>hshiftを満たす。)
  2. 前記太陽光減衰物が雪である、請求項1に記載の発電量推定装置。
  3. 日射量情報に基づいて太陽光発電部の基準発電量を算出する発電量算出工程と、
    前記太陽光発電部へ入射する太陽光を減衰する太陽光減衰物の減衰物情報に基づいて発電量減衰率を算出する減衰率算出工程と、
    前記基準発電量及び前記発電量減衰率に基づいて前記太陽光発電部の発電量推定値を算出する発電量推定工程とを含み、
    前記減衰率算出工程は、下記式(A)に基づいて前記発電量減衰率を算出する、発電量推定方法。


    (式(A)中、Plossは、発電量減衰率を表し、kextは、吸光係数を表し、hは、減衰物深を表し、hshiftは、hの補正値を表し、h>hshiftを満たす。)
  4. 日射量情報に基づいて太陽光発電部の基準発電量を算出する発電量算出ステップと、
    前記太陽光発電部へ入射する太陽光を減衰する太陽光減衰物の減衰物情報に基づいて発電量減衰率を算出する減衰率算出ステップと、
    前記基準発電量及び前記発電量減衰率に基づいて前記太陽光発電部の発電量推定値を算出する発電量推定ステップとを含み、
    前記減衰率算出ステップは、下記式(A)に基づいて前記発電量減衰率を算出する、発電量推定用コンピュータプログラム。


    (式(A)中、Plossは、発電量減衰率を表し、kextは、吸光係数を表し、hは、減衰物深を表し、hshiftは、hの補正値を表し、h>hshiftを満たす。)
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