JP2008184838A - ダム流入量予測装置、ダム流入量予測方法、およびダム流入量予測プログラム - Google Patents

ダム流入量予測装置、ダム流入量予測方法、およびダム流入量予測プログラム Download PDF

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Abstract

【課題】ダム流入量の予測精度を向上すること。
【解決手段】フーリエ貯水位平滑化計算部200は、フーリエ級数による貯水位平滑化を行って振動ノイズが除去された高精度の実測流入量を算出する。降雨予測計算部300は、地理情報を考慮して評価した高精度の予測雨量を算出する。流入量予測計算部400は、得られた高精度の実測流入量および予測雨量を流入量予測モデルへの入力値とする一方で、流入量予測モデルとして3手法(一般化貯留関数モデル、1段タンク型貯留関数モデル、2段タンク型貯留関数モデル)の中から、発生洪水に最も適合するモデルを自動的に選択し、選択した最適モデルを用いてダム流入量を予測する。
【選択図】図1

Description

本発明は、ダム流入量予測装置、ダム流入量予測方法、およびダム流入量予測プログラムに関する。
ダム貯水池への流入量(ダムの上流域に降った雨が所定時間後に当該ダムに流れ込む量)を予測することは、治水および利水の両面からダム管理上極めて重要な事項である。そのため、従来から、ダム流入量を予測する手法が数多く提案されている。このほとんどは、降雨量(実測値および予測値)ならびに実測流入量を入力値とし、流出モデルにより予測流入量を算定している。ここで、実測流入量は、通常、貯水位および放流量から逆算されている。
例えば、非特許文献1には、観測雨量、実測流入量、および予測雨量を入力値とし、貯留関数型の流出モデル(1段タンク型貯留関数モデルおよび2段タンク型貯留関数モデル)を用いて予測流入量を計算する手法が記載されている。なお、1段タンク型貯留関数モデルおよび2段タンク型貯留関数モデルについては、後で詳述する。
片山直樹、外2名、「2003年台風10号による沙流川二風谷ダム流入量予測」、土木学会年次学術講演会平成16年度 中村興一、「北海道内ダム貯水池の振動特性とその平滑化について」、平成14年度土木学会北海道支部論文報告集、2003年、第59号、pp.422-425 中村興一、外2名、「ダム貯水池振動特性と貯水位平滑化について」、水工学論文集、2004年2月、第48巻、pp.1-6 中村興一、外1名、「2003年台風10号洪水時での二風谷ダム効果の検証」、水文・水資源学会誌、2005年、18巻、pp.35-43 椎葉充晴、外2名、「移流モデルによる短時間降雨予測手法の検討」、第28回水理講演会論文集、1984年2月、pp.423-428 片山直樹、外2名、「北海道開発局洪水予測システムの改良」、土木学会第60回年次学術講演会(平成17年9月)、2-055、pp.109-110 佐々木靖博、外3名、「北海道における損失項を含む総合化貯留関数法」、土木学会北海道支部論文報告集、2000年、第56号、pp.151-156 片山直樹、外2名、「予測雨量の誤差を考慮した実用的洪水予測モデルの開発」、土木学会北海道支部論文報告集、2004年、第60号、pp.292-295 松木賢治、外2名、「2段タンク型貯留関数法による流出解析と河道追跡計算」、土木学会第59回年次学術講演会(平成16年9月)、2-035、pp.69-70
しかしながら、従来のダム流入量予測手法においては、予測雨量にかなりの誤差が含まれていること、貯水位から逆算される実測流入量には風やゲート操作に起因する貯水位振動による誤差が発生していることから、予測精度には一定の限界がある。
この点は、非特許文献1記載の手法においても同様である。すなわち、非特許文献1記載の手法においては、予測雨量については、従来の流出予測で多用されてきた過去3時間の移動平均雨量を用いており、また、予測流入量についても、振動ノイズを除去していない値を用いているため、やはり予測精度には一定の限界がある。
本発明は、かかる点に鑑みてなされたものであり、ダム流入量の予測精度を向上することができるダム流入量予測装置、ダム流入量予測方法、およびダム流入量予測プログラムを提供することを目的とする。
本発明のダム流入量予測装置は、ダム流域内の実測雨量を入力する実測雨量入力手段と、フーリエ貯水位平滑化手法を用いてダムへの実測流入量を算出する実測流入量算出手段と、地理情報を用いてダム流域内の予測雨量を算出する予測雨量算出手段と、複数種類の流入量予測モデルを内蔵し、前記実測雨量入力手段によって入力された実測雨量、前記実測流入量算出手段によって算出された実測流入量、および前記予測雨量算出手段によって算出された予測雨量に基づいて、前記複数種類の流入量予測モデルのうち最適なモデルを用いてダムへの予測流入量を算出する予測流入量算出手段と、を有する構成を採る。
本発明のダム流入量予測方法は、ダム流域内の実測雨量を入力する実測雨量入力ステップと、フーリエ貯水位平滑化手法を用いてダムへの実測流入量を算出する実測流入量算出ステップと、地理情報を用いてダム流域内の予測雨量を算出する予測雨量算出ステップと、あらかじめ複数種類の流入量予測モデルを内蔵しておき、前記実測雨量入力ステップで入力した実測雨量、前記実測流入量算出ステップで算出した実測流入量、および前記予測雨量算出ステップで算出した予測雨量に基づいて、前記複数種類の流入量予測モデルのうち最適なモデルを用いてダムへの予測流入量を算出する予測流入量算出ステップと、を有するようにした。
本発明のダム流入量予測プログラムは、ダム流域内の実測雨量を入力する実測雨量入力ステップと、フーリエ貯水位平滑化手法を用いてダムへの実測流入量を算出する実測流入量算出ステップと、地理情報を用いてダム流域内の予測雨量を算出する予測雨量算出ステップと、あらかじめ複数種類の流入量予測モデルを内蔵しておき、前記実測雨量入力ステップで入力した実測雨量、前記実測流入量算出ステップで算出した実測流入量、および前記予測雨量算出ステップで算出した予測雨量に基づいて、前記複数種類の流入量予測モデルのうち最適なモデルを用いてダムへの予測流入量を算出する予測流入量算出ステップと、をコンピュータに実行させるためのものである。
本発明によれば、ダム流入量の予測精度を向上することができる。
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照して詳細に説明する。
図1は、本発明の一実施の形態に係るダム流入量予測装置を含むダム流入量予測システムの全体構成を示すブロック図である。
図1に示すダム流入量予測システムは、大別して、ダム10およびダム流入量予測装置100から構成されている。ダム10には、貯水位を測定する水位計12と、ダム10に貯留された水を放流するためのゲート14と、ゲート14の開度を測定する開度計16とが設けられている。通常、ゲート14は複数個設けられており、各ゲート14には対応する開度計16が取り付けられている。
水位計12は、貯水位を2秒毎にmm単位で計測する(計測貯水位)。計測貯水位の1分間平均値は「1次平滑貯水位」と呼ばれ、2秒毎に更新される。ダム流入量予測装置100では、この2秒毎または毎正分時のmm単位の貯水位データを入力データとして用いる。すなわち、本実施の形態において、「貯水位」は、水位計12によって計測される2秒毎mm単位の水位または毎正分時mm単位の水位を意味する。水位計12は、mm単位の計測が可能であれば、どのような方式であってもよい。
ダム流入量予測装置100は、外部との通信手段を備えたコンピュータで構成されており、大別して、データ入力部110、フーリエ貯水位平滑化計算部200、降雨予測計算部300、および流入量予測計算部400を有する。なお、図示しないが、ダム流入量予測装置100は、データ格納部を有する。このデータ格納部には、データ入力部110で入力されたデータ、各計算部200〜400で計算された中間データおよび最終データ、ならびに各計算部200〜400での計算に必要な定数など、各種データが格納(蓄積)される。
データ入力部110は、外部から提供されるデータを入力処理して、計算に必要なデータを各計算部200〜400にそれぞれ出力する。例えば、水位計12に基づく貯水位データ(2秒毎または毎正分時のmm単位貯水位)、開度計16の測定結果(ゲート開度)、雨量実況データ、および気象予測データが、データ入力部110を介してダム流入量予測装置100に入力される。雨量実況データは、例えば、ダム流域内雨量データ、気象庁アメダス雨量データ、気象庁レーダー雨量データである。また、気象予測データは、例えば、GPV(Grid Point Value:格子点)データである。
ダム流域内雨量データは、ダム実況データの1つである。ダム実況データは、ダム流域内の気象データ(例えば、気温、湿度、降水量、風向風速、日射量、日照時間、気圧、および積雪深)と水象データ(例えば、流入量、貯水位、および放流量)の実測データである。ダム流域内雨量データは、ダム実況データの1つとして、ダム管理所やテレメータから送信され、また、日または時間単位で測定される。
気象庁アメダス雨量データは、気象庁が発表するアメダスデータの1つである。気象庁アメダス雨量データは、気象庁アメダスデータの1つとして、気象庁から一定の時間間隔で配信される(定時配信)。また、気象庁レーダー雨量データは、同じく気象庁が発表するレーダーデータの1つである。気象庁レーダー雨量データも、気象庁レーダーデータの1つとして、気象庁から一定の時間間隔で配信される(定時配信)。
GPVデータは、気象予測データの1つであり、24時間先の気象データ(例えば、気温、湿度、降水量、風向風速、雲量、気圧)を20kmメッシュ単位で予測したものである。GPVデータは、例えば、気象庁から一定の時間間隔で配信される(定時配信)。
なお、図示しないが、ダムには、通常、ダム管理用制御処理施設(通称:ダムコン)があり、このダムコンには、ダム諸量データが収集・蓄積されている。ダム諸量データには、例えば、2秒周期mm単位貯水位(2秒毎のmm単位貯水位)、1次平滑貯水位(毎正分時のmm単位貯水位)、全放流量、流入量、各ゲート放流量、各デート開度などがある。したがって、データ入力部110は、水位計12や開度計16から計測結果をそれぞれ入力する代わりに、ダムコンから、通信手段を介して、必要なデータを取得することも可能である。
フーリエ貯水位平滑化計算部200は、中村らが提案したフーリエ貯水位平滑化手法(非特許文献2、非特許文献3、非特許文献4)を用いて貯水位平滑化計算を行うことで、実測流入量を補正する。すなわち、フーリエ貯水位平滑化計算部200は、実測流入量に関して、フーリエ級数による貯水位平滑化を行い補正した値(振動ノイズが除去された実測流入量)を入力値として流入量予測計算部400に与える。
図2は、フーリエ貯水位平滑化計算部200の構成の一例を示すブロック図である。
このフーリエ貯水位平滑化計算部200は、図2に示すように、入力部210、貯水位平滑化部220、貯留量計算部230、放流量計算部240、および流入量計算部250を有する。
入力部210は、データ入力部110を介して外部から取得された貯水位データおよびゲート開度データを入力処理して、貯水位平滑化部220および放流量計算部240にそれぞれ出力する。具体的には、貯水位データは、貯水位平滑化部220に出力され、ゲート開度データは、放流量計算部240に出力される。
貯水位平滑化部220は、フーリエ貯水位平滑化手法を用いて平滑化貯水位を算出する。算出された平滑化貯水位は、貯留量計算部230に出力される。フーリエ貯水位平滑化手法の基礎式は、次の式(1)で与えられる。
Figure 2008184838
ここで、x(t)は平滑化貯水位(mm)、xはΔT時間内毎mm単位貯水位(mm)、NはΔT時間毎に計測されたmm単位の貯水位データ数である。
すなわち、上記の計算方法は、次の通りである。2秒毎に計測されたT秒間分のN=T/2+1個の貯水位データをx=[x,x,x,…,x,…,x]としたとき、kは貯水位データの番号であり、k番目の観測時刻tは、t=2kとなり、これを1次の有限フーリエ級数で近似して、上記の式(1)で表す。
フーリエ級数を用いた貯水位平滑化は、次の手順で行われる。
(1)フーリエ・スペクトル解析から得られた貯水池振動の最長卓越周期を平滑化時間間隔Tとする。
(2)この区間データで上記の式(1)を用いて1次フーリエ級数近似を行い、t=T/2からt=5T/6の範囲の計算時刻で近似貯水位(平滑化貯水位)を求める。
(3)この計算を貯水位データが更新される2秒毎に行う。
図3は、貯水位平滑化部220による貯水位平滑化の結果を示す概念図である。フーリエ級数による貯水位平滑化を行うことによって、図3に示すように、貯水位は平滑化される。
貯留量計算部230は、貯水位に基づいて、貯留量を算出する。算出された貯留量は、流入量計算部250に出力される。ここで、「貯留量」とは、ダム貯水池に貯留される流量を意味する。算出式(貯水位−貯留量変換式:計測された貯水位から貯留量を算出する式であって、H−V曲線とも呼ばれる)は、例えば、次の式(2)で与えられる。
V=aH+bH+cH+d …(2)
ここで、Vは貯留量(m)、Hは貯水位(m)、a、b、c、dは定数である。貯留量計算部230は、貯水位Hとして、貯水位平滑化部220で得られた平滑化貯水位を用いる。
なお、本実施の形態では、算出式(貯水位−貯留量変換式)として、上記の式(2)を用いているが、これは単なる一例であって、式の形はこれに限定されない。また、算出式(貯水位−貯留量変換式)に代えて、あらかじめ準備された貯水位−貯留量の対応表を用いることも可能である。
放流量計算部240は、貯水位およびゲート開度に基づいて、放流量を算出する。ここで、「放流量」とは、ダムから放流される全放流量を意味する。全放流量は、各ゲートからの放流量(各ゲート放流量)の合計値である。各ゲート放流量は、貯水位やゲート開度などを入力値とする放流量算出式によって計算される。放流量算出式は、例えば、次の式(3)で与えられる。
Q=e{(H−H)1.5−(H−H−G)1.5} …(3)
ここで、Qは放流量(m/s)、Hは貯水位(m)、Hはゲート敷高(m)、Gはゲート開度(m)、eは定数である。放流量計算部240は、貯水位Hとして、入力部210に入ってくる平滑化前の貯水位を用いる。また、ゲート開度Gとして、開度計16の測定結果を用いる。算出された放流量(各ゲート放流量の合計値である全放流量)は、流入量計算部250に出力される。
なお、本実施の形態では、放流量計算部240を設けて各ゲート開度から全放流量を計算するようにしているが、これに限定されない。例えば、上記のように、ダムには、通常、ダムコンがあるため、ダムコンから全放流量データを取得することも可能である。この場合、放流量計算部240は不要となる。
流入量計算部250は、貯留量計算部230で算出された貯留量および放流量計算部240で算出された放流量に基づいて、平滑化された流入量(平滑化流入量)を算出する。ここで、「流入量」とは、ダム貯水池への全流入量を意味する。この流入量は、貯留量の変化量と全放流量との和から求められる。流入量算出の基礎式は、次の式(4)で与えられる。
Figure 2008184838
ここで、Q(t)は時刻tにおけるダム流入量(m/s)、V(t)は時刻tにおける平滑化貯水位から求められる貯留量(m)、O(t-i)は時刻tからi分前までの毎正分時の全放流量(m/s)、Tは貯水位変化に要した時間(つまり、流入量算出時間間隔)(分)(最小は10分)、NはT時間内に計測された全放流量データ数である。
上記のように、ダム貯水池への流入量は、一定時間内におけるダム貯留量の変化量から算出される「貯留量分流入量」と、この間の平均放流量である「放流量分流入量」との和から求められる。いずれの値も貯水位観測値が必要となるが、貯水位単位当たり変化量に対する計算流入量の増減は、貯留量分流入量のほうがはるかに大きい。このダム貯水池流入量の計算精度を上げるためには、貯水位の測定精度を高くすればよい。この点、本実施の形態では、フーリエ貯水位平滑化手法を用いて貯水位を平滑化するため、振動ノイズが除去された高精度の貯水位データ(平滑化貯水位)を得ることができる。そして、この高精度の平滑化貯水位を用いて貯留量および放流量を算出し、得られた結果を用いて流入量を計算するため、振動ノイズが除去された高精度の流入量(平滑化流入量)を実測値として得ることができる。この平滑化流入量は、実測流入量として流入量予測計算部400に出力される。
降雨予測計算部300は、予測雨量の精度向上を図るため、標高などの地理情報(地形データ)を考慮して評価した予測雨量を算出する。算出された高精度の予測雨量は、入力値として流入量予測計算部400に出力される。
本実施の形態におけるダム流入量予測手法では、ダム流域の平均的な雨量(流域平均雨量)が使用され、ダム流入量予測精度はこの流域平均雨量の推定精度に依存する。特に、ダム流域は流域面積が小さく、降雨から出水までの時間が短いのが特徴であることから、ダム流入量予測の精度向上のためには、精度の高い現在の降雨状況の把握と、精度の高い短時間先の降雨予測とが要求される。
まず、降雨状況の把握精度向上について説明する。ダム流域の平均的な降雨状況を把握するためには、従来、流域内に雨量観測所を設け、この雨量観測所の支配面積の重みを付けた流域平均雨量(ティーセン法)を用いるのが一般的である。ダム流入量予測にも流域平均雨量の観測値や予測値を使用する。ティーセン法は、観測所数が多く平坦な地形の場合には精度が高いが、観測所数が少なく局地的な豪雨のように流域内の降雨分布の偏りが大きいと、算出される流域平均雨量の誤差が大きくなり、精度が低くなる。気象レーダーによる雨量情報を、流域周辺を含めた雨量観測データで補正(ハイブリッドメッシュ)することによって、流域平均雨量(ティーセン法)よりも精度が向上するのが一般的である。そこで、本実施の形態では、1kmメッシュ単位のハイブリッドメッシュを用いてダム流域の降雨状況の把握精度向上を図る。
次に、短時間降雨予測精度の向上について説明する。数時間先の降雨予測を行う場合、気象庁では、メッシュ化した現在の降雨状況が、今後も同様の雨域の進行が継続すると仮定した運動学的手法(例えば、非特許文献5参照)を用いている。この手法の精度向上の1つは、現在の降雨状況の把握精度を上げることである。現在の降雨状況の把握にハイブリッドメッシュを用い、運動学的な手法に適用することで、短時間先の降雨予測の精度向上を確認することができる。
図4は、降雨予測計算部300の構成の一例を示すブロック図である。なお、図5は、降雨予測計算部300における降雨予測計算手法の概要を示す図である。
この降雨予測計算部300は、図4に示すように、入力部310、ハイブリッドメッシュ計算部320、および予測雨量計算部330を有する。
入力部310は、データ入力部110を介して外部から取得された雨量実況データ(ダム流域内雨量データ、気象庁アメダス雨量データ、および気象庁レーダー雨量データ)ならびに気象予測データ(GPVデータ)を入力処理して、ハイブリッドメッシュ計算部320および予測雨量計算部330にそれぞれ出力する。具体的には、雨量実況データ(ダム流域内雨量データ、気象庁アメダス雨量データ、および気象庁レーダー雨量データ)は、ハイブリッドメッシュ計算部320に出力され、気象予測データ(GPVデータ)は、予測雨量計算部330に出力される。
ハイブリッドメッシュ計算部320は、入力部310で取得した雨量実況データ(ダム流域内雨量データ、気象庁アメダス雨量データ、および気象庁レーダー雨量データ)を用いて、1kmメッシュ毎の実況雨量を算出する。算出された実況メッシュ雨量は、予測雨量計算部330に出力される。
予測雨量計算部330は、入力部310で取得した予測データ(GPVデータ)およびハイブリッドメッシュ計算部320で算出された1kmメッシュ実況雨量に基づいて、運動学的手法を用いて、所定時間先(例えば、6時間先)までの1kmメッシュ毎の予測雨量(予測メッシュ雨量)を算出し、さらに、得られた予測メッシュ雨量を流域全体で平均化して、予測流域平均雨量を算出する。運動学的手法としては、椎葉らが提案した移動モデルによる降雨予測手法(非特許文献5)を基本として、地理情報を考慮したものを用いる。算出された予測流域平均雨量は、高精度の予測雨量として流入量予測計算部400に出力される。
流入量予測計算部400は、フーリエ貯水位平滑化計算部200の計算結果(平滑化流入量)、降雨予測計算部300の計算結果(予測雨量)、および実測雨量を入力値として、複数の流入量予測モデルの中から、発生洪水に最も適合するモデルを自動選択し、選択した最適モデルを用いてダム流入量を予測する。複数の流入量予測モデルとしては、有効雨量を用いた貯留関数法(以下「一般化貯留関数モデル」という)(非特許文献6)、損失項を含む貯留関数法(以下「1段タンク型貯留関数モデル」という)(非特許文献7、非特許文献8)、および地下流出成分を含む貯留関数法(以下「2段タンク型貯留関数モデル」という)(非特許文献1、非特許文献9)の3手法を採用する。
図6は、流入量予測計算部400の構成の一例を示すブロック図である。
この流入量予測計算部400は、図6に示すように、入力部410、一般化貯留関数モデル部420、1段タンク型貯留関数モデル部430、2段タンク型貯留関数モデル部440、および選択部450を有する。
入力部410は、データ入力部110を介して外部から取得された実測雨量データ、フーリエ貯水位平滑化計算部200の計算結果(平滑化流入量)、および降雨予測計算部300の計算結果(予測雨量)を入力処理して、一般化貯留関数モデル部420、1段タンク型貯留関数モデル部430、および2段タンク型貯留関数モデル部440にそれぞれ出力する。具体的には、実測雨量データ、平滑化流入量データ、および予測雨量データは、一般化貯留関数モデル部420、1段タンク型貯留関数モデル部430、および2段タンク型貯留関数モデル部440のいずれに対しても共通に出力される。
一般化貯留関数モデル部420は、一般化貯留関数モデルを内蔵しており、この一般化貯留関数モデルを用いて、実測雨量データ、平滑化流入量データ、および予測雨量データからダム貯水池への予測流入量を算出する。1段タンク型貯留関数モデル部430は、1段タンク型貯留関数モデルを内蔵しており、この1段タンク型貯留関数モデルを用いて、実測雨量データ、平滑化流入量データ、および予測雨量データからダム貯水池への予測流入量を算出する。2段タンク型貯留関数モデル部440は、2段タンク型貯留関数モデルを内蔵しており、この2段タンク型貯留関数モデルを用いて、実測雨量データ、平滑化流入量データ、および予測雨量データからダム貯水池への予測流入量を算出する。
図7は、本実施の形態で使用する流入量予測モデルの構成を示す図である。特に、図7(A)は、一般化貯留関数モデルの構成を示し、図7(B)は、1段タンク型貯留関数モデルの構成を示し、図7(C)は、2段タンク型貯留関数モデルの構成を示している。
一般化貯留関数モデルは、流出率(降雨に対する有効雨量の割合)という概念を用いた従来の洪水予測モデル(流出モデル)である。「有効雨量」は、水位・流量に影響を与える雨量である。基礎式は、次の式(5)および式(6)で与えられる。
Figure 2008184838
Figure 2008184838
ここで、sは貯留高(mm)、qは流出高(mm/h)、tは時間(h)、fは流出率、rは雨量強度(mm/h)、k、kはモデルパラメータ、p、pは貯留指数、nは等価粗度(s/m1/3)、iは平均斜面勾配、Aは流域面積(km)、rバーは平均有効雨量強度(mm/h)、fは流域粗度(未知定数)である。このとき、実測雨量および予測雨量の値はrに代入され、予測流入量はqの値によって与えられる。
1段タンク型貯留関数モデルは、流出率という概念を廃止して損失項を設けた洪水予測モデル(流出モデル)である。このモデルにおいて、損失流量は、地下に流出し水位・流量に影響を与えない成分である。基礎式は、次の式(7)および式(8)で与えられる。
Figure 2008184838
Figure 2008184838
ここで、sは貯留高(mm)、rは雨量強度(mm/h)、qは流出高(mm/h)、bは損失高(mm/h)、qは基底流出高(mm/h)、qは初期流出高(mm/h)、k11、k12は貯留係数、k13は損失係数、p、pは貯留指数、λは減衰係数、Aは流域面積(km)、rバーは平均雨量強度(mm/h)、c11、c12、c13はモデルパラメータ(未知定数)である。このとき、実測雨量および予測雨量の値はrに代入され、予測流入量はqの値によって与えられる。なお、貯留指数p、pは、上記の式(6)で示す値と同じである。
2段タンク型貯留関数モデルは、損失項を含む貯留関数法に地下流出成分を追加したものである。すなわち、2段タンク型貯留関数モデルは、全流出過程を表面・中間流出と地下水流出の2成分に分離し、両者を別々の貯留関数法によって表す洪水予測モデル(流出モデル)である。このモデルにおいて、地下流出成分は、地下に流出し遅れて出てくる成分である。地下に浸透する流出成分を含めた本モデルは、降雨浸透性が高い流域に適していると考えられる。基礎式は、次の式(9)および式(10)で与えられる。
Figure 2008184838
Figure 2008184838
ここで、sは1段目タンク貯留高(mm)、sは2段目タンク貯留高(mm)、rは雨量強度(mm/h)、qは全流出高(mm/h)、qは表面・中間流出高(mm/h)、qは地下流出高(mm/h)、bは1段目タンクから2段目タンクへの浸透供給量(mm/h)、k11、k12、k21、k22は貯留係数、k13は浸透係数、p、pは貯留指数、Aは流域面積(km)、rバーは平均雨量強度(mm/h)、c11、c12、c13はモデルパラメータ(未知定数)、c、cは確定値である。このとき、実測雨量および予測雨量の値はrに代入され、予測流入量はqの値によって与えられる。なお、貯留指数p、pは、上記の式(6)で示す値と同じである。
本実施の形態では、各貯留関数法(一般化貯留関数モデル、1段タンク型貯留関数モデル、2段タンク型貯留関数モデル)にカルマン・フィルター理論(非特許文献7参照)を適用して、逐次予測値とその誤差分散(予測精度)を算出する。ここで、カルマン・フィルター理論は、いわば予測流入量を補正する方法である。カルマン・フィルター理論では、予測流入量を補正するために、毎時モデル定数も算出(更新)する。
図8は、カルマン・フィルター理論を用いた予測流入量算出方法を説明するための図である。
カルマン・フィルター理論を用いた予測流入量算出方法では、図8に示すように、前ステップの流入量を基準として次ステップの流入量を推定する。したがって、例えば、これを3ステップ繰り返すことで、3時間先までの予測流入量を計算することができる。このように、ステップ毎に計算を行うことで、過去〜現在〜計算ステップまでのハイドログラフの傾きやバラツキを次ステップに伝えることができ、人間の感覚に近いハイドログラフを描くことができる。
カルマン・フィルター理論を適用した各貯留関数法(一般化貯留関数モデル、1段タンク型貯留関数モデル、2段タンク型貯留関数モデル)による予測流入量の算出方法は、具体的には、次の通りである。まず、計算開始時刻から現在時刻までの実測雨量(例えば、ダム管理所で計測された実測雨量)を貯留関数モデルに入力し、計算開始時刻から現在時刻までの計算流入量を算出する。そして、フーリエ貯水位平滑化計算部200の計算結果(平滑化流入量:フーリエ貯水位平滑化手法によって得られた流入量)を実測値として、上記計算流入量と比較し、カルマン・フィルター理論を用いてその誤差が最小となるモデルパラメータ(k、k;c11、c12、c13)を算出する。そして、算出されたモデルパラメータと降雨予測計算部300の計算結果(予測期間内の予測雨量:例えば、1時間先から3時間先までの降雨予測計算手法による予測雨量)とを貯留関数モデルに入力し、予測期間内(1時間先から3時間先まで)の予測流入量を算出する。
図9は、カルマン・フィルター理論を適用した各貯留関数法による予測流入量の算出結果を説明するための図である。図9に示すように、本手法によれば、予測期間内の予測流入量を、信頼限界(予測値の信頼区間)と共に求めることができる。例えば、図9の例では、信頼限界として、90%信頼限界を示している。
なお、本実施の形態では、各貯留関数法にカルマン・フィルター理論を適用しているが、これに限定されるわけではなく、カルマン・フィルター理論を使用しないことも、もちろん可能である。この場合は、貯留関数法で予測流入量を計算するために、現在時刻まででモデル定数を最適化しておく必要がある。モデル定数の最適値探索には、例えば、ニュートン法を用いることができる。
選択部450は、3つの貯留関数モデル(一般化貯留関数モデル、1段タンク型貯留関数モデル、2段タンク型貯留関数モデル)の中から、発生洪水に最も適合するモデルを自動選択する。具体的には、選択部450は、各貯留関数モデルの予測誤差を算出し、算出された予測誤差の値が最も小さい貯留関数モデルを最適モデルとして選択する。選択された貯留関数モデルの予測流入量は、最適モデルの予測流入量として出力される。
ここで、各貯留関数モデルの予測誤差は、例えば、次の式(11)によって算出される。すなわち、本実施の形態では、予測誤差として、RMSE(平均2乗誤差の平方根)を用いる。RMSEの値が小さいほど精度は良好となる。
Figure 2008184838
ここで、予測流入量は、各貯留関数モデルの出力であり、フーリエ平滑化流入量は、フーリエ貯水位平滑化計算部200の計算結果である。
なお、本実施の形態では、予測誤差としてRMSEを用いているが、これに限定されるわけではない。評価基準(予測誤差)として、例えば、次の式(12)で表されるJRE(ハイドログラフの相対誤差)を用いることも可能である。
Figure 2008184838
次いで、上記構成を有するダム流入量予測装置100の動作について、図10〜図15に示すフローチャートを用いて説明する。図10は、ダム流入量予測装置100の全体動作を示すメインフローチャートである。図11は、図10のフーリエ貯水位平滑化計算処理(S2000)の内容を示すフローチャートである。図12は、図10の降雨予測計算処理(S3000)の内容を示すフローチャートである。図13は、図12のハイブリッドメッシュ計算処理(S3200)の内容を示すフローチャートである。図14は、図12の予測雨量計算処理(S3300)の内容を示すフローチャートである。図15は、図10の流入量予測計算処理(S4000)の内容を示すフローチャートである。なお、図10〜図15に示すフローチャートは、コンピュータのROMなどに制御プログラムとして記憶されており、CPUによって実行される。
まず、ステップS1000では、データ入力部110で、計算に必要なデータを入力する。具体的には、例えば、上記のように、水位計12に基づく貯水位データ(2秒毎または毎正分時のmm単位貯水位)、開度計16の測定結果(ゲート開度)、雨量実況データ(ダム流域内雨量データ、気象庁アメダス雨量データ、気象庁レーダー雨量データ)、および気象予測データ(GPVデータ)を入力する。
そして、ステップS2000では、フーリエ貯水位平滑化計算部200で、フーリエ貯水位平滑化手法を用いたフーリエ貯水位平滑化計算処理を行う。このフーリエ貯水位平滑化計算処理は、図11のフローチャートに示す手順に従って行われる。
まず、ステップS2100では、フーリエ貯水位平滑化計算部200内の入力部210で、ステップS1000で入力した貯水位データおよびゲート開度データを、計算に必要なデータとして取り込む。
そして、ステップS2200では、フーリエ貯水位平滑化計算部200内の貯水位平滑化部220で、平滑化貯水位の算出を行う。具体的には、ステップS2100で取り込んだ貯水位データを用いて、上記の式(1)によって、平滑化貯水位を算出する。
そして、ステップS2300では、フーリエ貯水位平滑化計算部200内の貯留量計算部230で、貯留量の算出を行う。具体的には、ステップS2200で算出した平滑化貯水位を用いて、例えば、上記の式(2)によって、貯留量を算出する。なお、上記のように、算出式に代えて、貯水位−貯留量の対応表を用いることも可能である。
そして、ステップS2400では、フーリエ貯水位平滑化計算部200内の放流量計算部240で、放流量の算出を行う。具体的には、ステップS2100で取り込んだ平滑化前の貯水位データおよびゲート開度データを用いて、例えば、上記の式(3)によって、放流量(ダムから放流される全放流量)を算出する。
なお、上記のように、ダムコンから全放流量データを取得する場合は、このステップは省略可能である。また、平滑化貯水位算出処理と貯留量算出処理のペアと、この放流量算出処理とは、逆の処理順序であってもよい。
そして、ステップS2500では、フーリエ貯水位平滑化計算部200内の流入量計算部250で、平滑化流入量の算出を行う。具体的には、ステップS2300で算出された貯留量およびステップS2400で算出された放流量を用いて、上記の式(4)によって、平滑化された流入量(平滑化流入量)を算出する。この平滑化流入量は、振動ノイズが除去された高精度の値であり、実測流入量として流入量予測計算部400に与えられる。
そして、ステップS2600では、ステップS2500で算出した平滑化流入量を、上記データ格納部に格納した後、図10のフローチャートにリターンする。
そして、図10のステップS3000では、降雨予測計算部300で、降雨予測計算処理を行う。この降雨予測計算処理は、図12のフローチャートに示す手順に従って行われる。
まず、ステップS3100では、降雨予測計算部300内の入力部310で、ステップS1000で入力した雨量実況データ(ダム流域内雨量データ、気象庁アメダス雨量データ、気象庁レーダー雨量データ)および気象予測データ(GPVデータ)を、計算に必要なデータとして取り込む。
そして、ステップS3200では、降雨予測計算部300内のハイブリッドメッシュ計算部320で、ハイブリッドメッシュ計算処理を行う。このハイブリッドメッシュ計算処理は、図13のフローチャートに示す手順に従って行われる。
まず、ステップS3210では、ステップS3100で取り込んだ雨量実況データ(ダム流域内雨量データ、気象庁アメダス雨量データ、気象庁レーダー雨量データ)を取得する。ダム流域内雨量データおよび気象庁アメダス雨量データは、地上の雨量データであり、気象庁レーダー雨量データは、上空の雨量データである。
そして、ステップS3220では、ステップS3210で取得した雨量実況データ(ダム流域内雨量データ、気象庁アメダス雨量データ、気象庁レーダー雨量データ)を用いて、地上雨量データ(ダム流域内雨量データ、気象庁アメダス雨量データ)と、これらの観測点の直上における気象庁レーダー雨量データとの比(以下「レーダー補正係数」という)を算出する。
そして、ステップS3230では、ステップS3220で算出した観測点毎のレーダー補正係数を空間的に補間して(1kmメッシュ化)、メッシュ毎のレーダー補正係数を算出する。補間の方法としては、例えば、変分法などを用いることができる。
そして、ステップS3240では、ステップS3230で算出したメッシュ毎のレーダー補正係数を用いて、ステップS3210で取得した気象庁レーダー雨量データを補正する。具体的な補正方法としては、気象庁レーダー雨量データにレーダー補正係数を掛け算する。これによって、1kmメッシュ毎の雨量が実況雨量として算出される。
そして、ステップS3250では、ステップS3240で算出した実況メッシュ雨量を上記データ格納部に格納した後、図12のフローチャートにリターンする。
そして、図12のステップS3300では、降雨予測計算部300内の予測雨量計算部330で、予測降雨計算処理を行う。この予測降雨計算処理は、図14のフローチャートに示す手順に従って行われる。
まず、ステップS3310では、ステップS3100で取り込んだ気象予測データ(GPVデータ)およびステップS3200で算出した1kmメッシュ実況雨量を取得する。また、上記データ格納部から、移動モデルを用いた計算に必要な、雨域の発達・減衰効果のパラメータファイルを取得する。ここで取得するGPVデータは、予測風向風速データである。また、雨域の発達・減衰効果のパラメータファイルは、あらかじめ、標高などの地理情報(地形データ)から算出され、上記データ格納部に格納されている。
そして、ステップS3320では、ステップS3310で取得したGPVデータ(予測風向風速データ)、1kmメッシュ実況雨量、および雨域の発達・減衰効果のパラメータファイルを所定の移流モデルに入力して、移動ベクトル、雨域移動量、地形による雨域の発達・減衰効果を算出し、最終的に所定時間先(例えば、6時間先)までの1kmメッシュ毎の予測雨量(予測メッシュ雨量)を算出する。
そして、ステップS3330では、ステップS3320で算出した予測メッシュ雨量(1kmメッシュ毎の予測雨量)を流域全体で平均化する(流域平均化)。これによって、所定時間先(6時間先)までの予測流域平均雨量が算出される。
そして、ステップS3340では、ステップS3330で得られた所定時間先(6時間先)までの予測流域平均雨量を上記データ格納部に格納した後、図12のフローチャート、さらには図10のフローチャートにリターンする。
そして、図10のステップS4000では、流入量予測計算部400で、流入量予測計算処理を行う。この流入量予測計算処理は、図15のフローチャートに示す手順に従って行われる。
まず、ステップS4100では、流入量予測計算部400内の入力部410で、ステップS1000で入力した実測雨量、ステップS2000で算出した平滑化流入量、およびステップS3000で算出した予測雨量(予測流域平均雨量)を、計算に必要なデータとして取り込む。
そして、ステップS4200では、貯留関数モデルの種類を示すフラグkの値を0にリセットする。例えば、k=1は、一般化貯留関数モデル、k=2は、1段タンク型貯留関数モデル、k=3は、2段タンク型貯留関数モデルをそれぞれ示す。
そして、ステップS4300では、フラグkの値を1だけインクリメントする。
そして、ステップS4400では、流入量予測計算部400内のフラグkの値に対応する貯留関数モデル部420〜440で、予測流入量の算出を行う。具体的には、一般化貯留関数モデル部420の場合は、ステップS1000で入力した実測雨量、ステップS2000で算出した平滑化流入量、およびステップS3000で算出した予測雨量(予測流域平均雨量)を用いて、上記の式(5)および式(6)によって、予測流入量を算出する。また、1段タンク型貯留関数モデル部430の場合は、ステップS1000で入力した実測雨量、ステップS2000で算出した平滑化流入量、およびステップS3000で算出した予測雨量(予測流域平均雨量)を用いて、上記の式(7)および式(8)によって、予測流入量を算出する。また、2段タンク型貯留関数モデル部440の場合は、ステップS1000で入力した実測雨量、ステップS2000で算出した平滑化流入量、およびステップS3000で算出した予測雨量(予測流域平均雨量)を用いて、上記の式(9)および式(10)によって、予測流入量を算出する。このとき、本実施の形態では、上記のように、各貯留関数法(一般化貯留関数モデル、1段タンク型貯留関数モデル、2段タンク型貯留関数モデル)にカルマン・フィルター理論を適用して予測流入量を逐次算出する。
そして、ステップS4500では、流入量予測計算部400内の選択部450で、予測誤差の算出を行う。具体的には、ステップS2000で算出した平滑化流入量(フーリエ平滑化流入量)およびステップS4400で算出した当該モデルの予測流入量を用いて、予測誤差として、上記の式(11)によって、RMSE(平均2乗誤差の平方根)を算出する。
そして、ステップS4600では、フラグkの値が3(k=3)か否か、つまり、すべての貯留関数モデル部420〜440について予測流入量および予測誤差の算出が終了したか否かを判断する。この判断の結果として、フラグkの値が3の場合は(k=3)(S4600:YES)、すべての貯留関数モデル部420〜440について予測流入量および予測誤差の算出が終了したものと判断して、ステップS4700に進み、フラグkの値が3でない場合は(k<3)(S4600:NO)、ステップS4300に戻って、次の貯留関数モデル部420〜440について予測流入量および予測誤差の算出を行う。
ステップS4700では、流入量予測計算部400内の選択部450で、最適モデルの選択を行う。具体的には、ステップS4500で算出した各貯留関数モデル部420〜440の予測誤差(RMSE)を比較して、予測誤差(RMSE)の値が最も小さいモデルを最適モデルとして選択する。
そして、ステップS4800では、ステップS4400で算出した各貯留関数モデル部420〜440の予測流入量の中から、ステップS4700で選択した最適モデルに対応する予測流入量を選択し、当該ダム流入量予測装置100の計算値として上記データ格納部に格納した後、図10のフローチャートにリターンする。
そして、図10のステップS5000では、ステップS4000で得た予測流入量を、所定の形態で出力する。具体的には、例えば、図9に示すように、所定の予測期間内(1時間先から3時間先)の予測流入量を、所定の信頼限界(90%信頼限界)と共に、所定の出力フォーマットで、ディスプレイに表示したり、プリンタで印刷したり、あるいは、通信手段によって外部に送信(配信)したりする。
本発明者は、本実施の形態におけるダム流入量予測手法の有効性を確認するため、実測データを用いてシミュレーションを行った。本シミュレーションでは、実測データへの適用例として、滝里ダム地点(流域面積1662km)平成15年8月10日2時〜8月13日24時洪水を対象に、本実施の形態におけるダム流入量予測装置100を用いて、1時間〜3時間先予測までの流入量予測シミュレーションを行った。比較のため、シミュレーションは、本実施の形態におけるモデルの自動選択を行った場合に加えて、一般化貯留関数モデルのみを用いた場合、1段タンク型貯留関数モデルのみを用いた場合、および2段タンク型貯留関数モデルのみを用いた場合についても行った。
図16は、一般化貯留関数モデルのみを用いた場合のシミュレーション結果を示す図、図17は、1段タンク型貯留関数モデルのみを用いた場合のシミュレーション結果を示す図、図18は、2段タンク型貯留関数モデルのみを用いた場合のシミュレーション結果を示す図、図19は、本実施の形態におけるモデルの自動選択を行った場合のシミュレーション結果を示す図である。また、図20は、図16〜図19の見方を説明するための図である。
図16〜図18のシミュレーション結果によれば、実測流入量(フーリエ貯水位平滑化手法から得られた流入量)に対する予測値(1時間先予測値、2時間先予測値、3時間先予測値)の適合度は、特にピーク近傍において予測期間が先になればなるほど若干低下するものの、概して良好であることがわかる。また、図19のシミュレーション結果によれば、本実施の形態におけるモデルの自動選択を行った場合は、モデルの自動選択を行わない場合(図16〜図18)と比較して、より一層適合度が上がっていることがわかる。
このように、本実施の形態によれば、フーリエ級数による貯水位平滑化を行って振動ノイズが除去された高精度の実測流入量を求めるとともに、地理情報を考慮して評価した高精度の予測雨量を求め、得られた高精度の実測流入量および予測雨量を流入量予測モデルへの入力値とする一方で、流入量予測モデルとして3手法(一般化貯留関数モデル、1段タンク型貯留関数モデル、2段タンク型貯留関数モデル)の中から、発生洪水に最も適合するモデルを自動的に選択し、選択した最適モデルを用いてダム流入量を予測する。このため、流入量予測モデルへの2系統の入力値の精度がいずれも向上し、かつ、流入量予測モデル自体についても誤差が最小な最適モデルを選択することで流入量予測モデル自体の計算精度が向上する。したがって、ダム流入量予測システム全体として、精度の高いダム流入量の予測が可能となる、つまり、ダム流入量の予測精度を向上することができる。
なお、本実施の形態では、フーリエ貯水位平滑化計算部200および降雨予測計算部300をダム流入量予測装置100に設けているが、これに限定されるわけではない。例えば、フーリエ貯水位平滑化計算部200および降雨予測計算部300のいずれか一方または両方をダム流入量予測装置の外部に設けておき、そこで計算された高精度のフーリエ平滑化流入量および/または予測雨量をダム流入量予測装置に入力するように構成することも可能である。
本発明に係るダム流入量予測装置およびダム流入量予測方法は、ダム流入量の予測精度を向上することができるダム流入量予測装置およびダム流入量予測方法として有用である。
本発明の一実施の形態に係るダム流入量予測装置を含むダム流入量予測システムの全体構成を示すブロック図 図1に示すフーリエ貯水位平滑化計算部の構成の一例を示すブロック図 図2に示す貯水位平滑化部による貯水位平滑化の結果を示す概念図 図1に示す降雨予測計算部の構成の一例を示すブロック図 図1に示す降雨予測計算部における降雨予測計算手法の概要を示す図 図1に示す流入量予測計算部の構成の一例を示すブロック図 本実施の形態で使用する流入量予測モデルの構成を示す図であり、(A)は、一般化貯留関数モデルの構成を示す図、(B)は、1段タンク型貯留関数モデルの構成を示す図、(C)は、2段タンク型貯留関数モデルの構成を示す図 カルマン・フィルター理論を用いた予測流入量算出方法を説明するための図 カルマン・フィルター理論を適用した各貯留関数法による予測流入量の算出結果を説明するための図 本実施の形態に係るダム流入量予測装置の全体動作を示すメインフローチャート 図10のフーリエ貯水位平滑化計算処理(S2000)の内容を示すフローチャート 図10の降雨予測計算処理(S3000)の内容を示すフローチャート 図12のハイブリッドメッシュ計算処理(S3200)の内容を示すフローチャート 図12の予測雨量計算処理(S3300)の内容を示すフローチャート 図10の流入量予測計算処理(S4000)の内容を示すフローチャート 一般化貯留関数モデルのみを用いた場合のシミュレーション結果を示す図 1段タンク型貯留関数モデルのみを用いた場合のシミュレーション結果を示す図 2段タンク型貯留関数モデルのみを用いた場合のシミュレーション結果を示す図 本実施の形態におけるモデルの自動選択を行った場合のシミュレーション結果を示す図 図16〜図19の見方を説明するための図
符号の説明
10 ダム
12 水位計
14 ゲート
16 開度計
100 ダム流入量予測装置
110 データ入力部
200 フーリエ貯水位平滑化計算部
210、310、410 入力部
220 貯水位平滑化部
230 貯留量計算部
240 放流量計算部
250 流入量計算部
300 降雨予測計算部
320 ハイブリッドメッシュ計算部
330 予測雨量計算部
400 流入量予測計算部
420 一般化貯留関数モデル部
430 1段タンク型貯留関数モデル部
440 2段タンク型貯留関数モデル部
450 選択部

Claims (9)

  1. ダム流域内の実測雨量を入力する実測雨量入力手段と、
    フーリエ貯水位平滑化手法を用いてダムへの実測流入量を算出する実測流入量算出手段と、
    地理情報を考慮したメッシュ化および運動学的手法を用いてダム流域内の予測雨量を算出する予測雨量算出手段と、
    複数種類の流入量予測モデルを内蔵し、前記実測雨量入力手段によって入力された実測雨量、前記実測流入量算出手段によって算出された実測流入量、および前記予測雨量算出手段によって算出された予測雨量に基づいて、前記複数種類の流入量予測モデルのうち最適なモデルを用いてダムへの予測流入量を算出する予測流入量算出手段と、
    を有するダム流入量予測装置。
  2. ダムの貯水位を入力する貯水位入力手段、をさらに有し、
    前記実測流入量算出手段は、
    前記貯水位入力手段によって入力された貯水位に基づいて、フーリエ貯水位平滑化手法を用いて、平滑化された貯水位を算出する平滑化貯水位算出手段と、
    前記平滑化貯水位算出手段によって算出された平滑化貯水位に基づいて、貯水位と貯留量との所定の対応関係を用いて、ダムの貯留量を算出する貯留量算出手段と、
    前記貯留量算出手段によって算出された貯留量に基づいて、所定の算出式を用いて、平滑化された流入量を実測流入量として算出する平滑化流入量算出手段と、
    を有する請求項1記載のダム流入量予測装置。
  3. ダムのゲート開度を入力するゲート開度入力手段と、
    前記貯水位入力手段によって入力された貯水位および前記ゲート開度入力手段によって入力されたゲート開度に基づいて、所定の算出式を用いて、ダムの放流量を算出する放流量算出手段と、をさらに有し、
    前記平滑化流入量算出手段は、
    前記貯留量算出手段によって算出された貯留量および前記放流量算出手段によって算出された放流量に基づいて、所定の算出式を用いて、平滑化された流入量を実測流入量として算出する、
    請求項2記載のダム流入量予測装置。
  4. ダムの放流量を入力する放流量入力手段、をさらに有し、
    前記平滑化流入量算出手段は、
    前記貯留量算出手段によって算出された貯留量および前記放流量入力手段によって入力された放流量に基づいて、所定の算出式を用いて、平滑化された流入量を実測流入量として算出する、
    請求項2記載のダム流入量予測装置。
  5. 前記複数種類の流入量予測モデルは、有効雨量を用いた一般化貯留関数モデル、損失項を含む1段タンク型貯留関数モデル、および地下流出成分を含む2段タンク型貯留関数モデルである、
    請求項1記載のダム流入量予測装置。
  6. 前記予測流入量算出手段は、
    前記実測雨量入力手段によって入力された実測雨量、前記実測流入量算出手段によって算出された実測流入量、および前記予測雨量算出手段によって算出された予測雨量に基づいて、有効雨量を用いた一般化貯留関数モデルを用いて、ダムへの予測流入量を算出する第1予測流入量算出手段と、
    前記実測雨量入力手段によって入力された実測雨量、前記実測流入量算出手段によって算出された実測流入量、および前記予測雨量算出手段によって算出された予測雨量に基づいて、損失項を含む1段タンク型貯留関数モデルを用いて、ダムへの予測流入量を算出する第2予測流入量算出手段と、
    前記実測雨量入力手段によって入力された実測雨量、前記実測流入量算出手段によって算出された実測流入量、および前記予測雨量算出手段によって算出された予測雨量に基づいて、地下流出成分を含む2段タンク型貯留関数モデルを用いて、ダムへの予測流入量を算出する第3予測流入量算出手段と、
    前記第1予測流入量算出手段、前記第2予測流入量算出手段、および前記第3予測流入量算出手段によってそれぞれ算出された予測流入量のうち、誤差が最も小さい予測流入量を選択する選択手段と、
    を有する請求項1記載のダム流入量予測装置。
  7. 前記選択手段は、
    誤差の評価基準として、平均2乗誤差の平方根(RMSE)を用いる、
    請求項6記載のダム流入量予測装置。
  8. ダム流域内の実測雨量を入力する実測雨量入力ステップと、
    フーリエ貯水位平滑化手法を用いてダムへの実測流入量を算出する実測流入量算出ステップと、
    地理情報を考慮したメッシュ化および運動学的手法を用いてダム流域内の予測雨量を算出する予測雨量算出ステップと、
    あらかじめ複数種類の流入量予測モデルを内蔵しておき、前記実測雨量入力ステップで入力した実測雨量、前記実測流入量算出ステップで算出した実測流入量、および前記予測雨量算出ステップで算出した予測雨量に基づいて、前記複数種類の流入量予測モデルのうち最適なモデルを用いてダムへの予測流入量を算出する予測流入量算出ステップと、
    を有するダム流入量予測方法。
  9. ダム流域内の実測雨量を入力する実測雨量入力ステップと、
    フーリエ貯水位平滑化手法を用いてダムへの実測流入量を算出する実測流入量算出ステップと、
    地理情報を考慮したメッシュ化および運動学的手法を用いてダム流域内の予測雨量を算出する予測雨量算出ステップと、
    あらかじめ複数種類の流入量予測モデルを内蔵しておき、前記実測雨量入力ステップで入力した実測雨量、前記実測流入量算出ステップで算出した実測流入量、および前記予測雨量算出ステップで算出した予測雨量に基づいて、前記複数種類の流入量予測モデルのうち最適なモデルを用いてダムへの予測流入量を算出する予測流入量算出ステップと、
    をコンピュータに実行させるためのダム流入量予測プログラム。
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