JP7346824B2 - プレススルーパック包装体 - Google Patents

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Description

本発明は、タブレット形状食品、カプセル剤、錠剤の薬剤(以下、錠剤等と称す。)を収納するためのプレススルーパック包装体に関する。より詳しくは、前記包装体に包装された錠剤等を取り出す際に、小さな力で取り出すことができ、なおかつ取り出した錠剤等が飛び散らないプレススルーパック包装体に関する。
従来のプレススルーパック包装体(以下、PTPと略記する。)は、アルミ箔とヒートシール層からなる蓋材と、ポケット部を形成した成形シートとから構成されている。錠剤等を収納したポケット部の凸部(外側から見て)の背面を手指で押し込み、前記蓋材を破断させ、錠剤等を取り出した後、これを服用する。
しかしながら、患者、老人及び幼児などの手指の力の弱い者にとっては、錠剤等を押し出す力が不足し、PTPから薬剤を取り出しにくいという難点があった。さらに、押し出した錠剤等が、勢いよく転がり出し、散逸してしまう難点もあった。
上記の問題を解決することを目的に、以下の技術が提案されている。
特許文献1において、前記成形シートと前記蓋材を接合した際に、前記成形シートの錠剤等を収納する凹部であるポケット部から、前記ポケット部以外の領域であるフランジ部へ渡っている領域に対して、そこと相対している前記蓋材の領域に切り込み線が設けられている。なお、前記蓋材のポケット部の位置と、前記切り込み線の位置は、特段の位置合わせを行っていない。
特許文献2において、蓋材の層を構成するポリエステルフィルムに微細凹部または微細孔を形成することによる易開封加工が施されている。
特許文献3において、蓋材の層を構成するプラスチックフィルムに、レーザー光線によって、前記蓋材のポケット部の一方に、切り込み線を設ける技術が提案されている。
特許文献1から3によれば、PTPから錠剤等を容易に取り出すことができるとしている。
特許第5133350号公報 特開2002-178450号公報 実登2583616号公報
しかしながら、上記の特許文献1の発明では、ポケット部と切り込み線の位置が特定されずにランダムとなることから、錠剤等を取り出す際に必要な力が、PTPの製造ロット毎に、あるいは1つのPTPにおけるポケット部毎に、安定することが難しい。
また、上記の特許文献2の発明では、蓋材の層を構成するポリエステルフィルムの蓋材のポケット部の領域に、微細凹部または微細孔を形成することによる易開封加工が施されており、錠剤等を取り出す際に必要な力が低減されているものの、切り込み線を施すことに比べて充分な低減とはなっていない。
また、特許文献3の発明では、切り込み線が、蓋材のポケット部の一方にのみ存在することから、錠剤等を取り出す際には、特定の位置を押すように留意しなくてはならず、また、切り込み線の施す位置も開示されていない。
本発明は、上記の従来技術の問題を解決するためになされたものであり、PTPから錠剤等を取り出す際に、必要とする手指の力が小さくて済むことに加え、錠剤等を取り出す力が安定することから、過剰な押出し力は不要となり、錠剤等が勢いよく転がり出して、散逸しないPTPを提供することを目的とする。
本発明のプレススルーパック包装体は、
少なくともプラスチックフィルム、アルミ箔、接着層がこの順に積層された蓋材と、
前記蓋材の接着層を介して前記蓋材に接合されるフランジ部、及びポケット部を有する
成形シートを備え、
前記プラスチックフィルムには、少なくとも前記ポケット部に対応する領域内に易開封
部を備え、
前記易開封部には切り込み線が設けられており、
前記切り込み線が複数あり、一方の前記切り込み線と隣接する前記切り込み線との最短距離が、2本の前記切り込み線のうち長い方の長さよりも長いこと、
を特徴としている。
上記の手段によれば、PTPから錠剤等を取り出す際に、取り出す力を低減させる易開封部と切り込み線が蓋材のポケット部に併存しており、前記錠剤等の取り出す力が低減し、かつ安定になる。
また、切り込み線は蓋材のプラスチックフィルムにのみ存在し、アルミ箔は傷が生じないことから、ガスバリア性、遮光性などは保持することができる。
本発明によれば、PTPから錠剤等を取り出す際に、必要とする手指の力が小さくて済むことから、患者、老人及び幼児などの手指の力の弱い者でも錠剤等を容易に取り出すことができて、また錠剤等を取り出す力が安定することから、過剰な押出し力は不要となり、錠剤等が勢いよく転がり出して、散逸しないPTPを提供することができる。
本発明のプレススルーパック包装体の斜視図である。 本発明のプレススルーパック包装体の断面図である。(図1のA-A断面である。) 本発明のプレススルーパック包装体のポケット部の平面図である。 本発明の切り込み線の存在する領域の説明図である。 本発明のプレススルーパック包装体の切り込み線の実施形態の説明図である。 従来技術のプレススルーパック包装体の切り込み線の実施形態の説明図である。
以下、本発明について図面を用いながら説明する。但し、本発明はこれら具体的に例示された形態や、各種の具体的に記載された構造に限定されるものではない。
なお、各図においては、分かり易くする為に、部材の大きさや比率を変更または誇張して記載することがある。また、見やすさの為に説明上不要な部分や繰り返しとなる符号は省略することがある。
図1は、本発明の実施の形態におけるPTP1を蓋材10の側から見た斜視図である。また、図2は、図1のA-A線に沿う断面図である。図1および図2において、このPTP1は、蓋材10と成形シート11とが接着されて形成されており、図1では図示されていない錠剤等15は、成形シート11のポケット部21に収納されている。
成形シート11における平坦部であるフランジ部22は、蓋材10と当接し、接着される部分となる。
成形シート11のポケット部21に対応する位置に、ポケット部21と同じ形状であり、非接着である蓋材10のポケット部31が形成されている。前記蓋材10のポケット部31は平滑であり、前記成形シート11のポケット部21に対応した領域である。前記蓋材10のポケット部31の周囲は、前記成形シート11のフランジ部22と接着される際に、通常は接着強度を高めるため、プレス加工で凹凸模様を付されながら接着されるので、微細な凹凸模様が付され、蓋材10のポケット部31を際立たせている。なお、前記蓋材10のポケット部31の周囲の領域を、蓋材10のフランジ部32と称する。平面的に見て蓋材10のポケット部31と成形シート11のポケット部21とは、ほぼ重なり合う。
図1において、ポケット部21は、PTPの長手方向に沿うように5個、短手方向に2個が配置されている。
短手方向に、蓋材10と成形シート11のフランジ部22とを貫通するミシン目26が設けられ、錠剤を2錠ずつ区分け分離しやすくしてある。但し、近年では小分けしたPTPの誤飲を防止するために、ミシン目26を施さないこともある。
また、前記PTP1の周縁部の1辺に耳部27を設けて、薬剤の名称、形式名、ロット番号等を記載することができる。
図2にて、蓋材10の層構成を説明する。蓋材10は、プラスチックフィルム14と、アルミ箔13と、接着層12とで構成される。プラスチックフィルム14とアルミ箔13とは、図示しない接着剤で接着されている。プラスチックフィルム14には、開封を容易とするための切り込み線16が設けられている。
次に、PTP1を構成要素ごとに、詳細に説明する。
(蓋材のプラスチックフィルム)
本発明のPTP1の蓋材10に用いるプラスチックフィルム14は、厚み6~50μmのプラスチックフィルムを用いることが好ましい。さらに好ましくは厚み6~25μmのプラスチックフィルムを用いるのがよい。厚み6μm未満では、強度が充分でなく、PTP1の輸送や保管の際に破断する虞れがある。他方、50μmを超えると強度が必要以上に大きくなり過ぎ、錠剤等の易開封性を阻害する虞れがある。よってプラスチックフィルム14の厚みを6~50μmの範囲内とすれば、易開封性と強度を併せ持つことができる。プラスチックフィルム14の種類は特に制限されるものではないが、ポリエチレン系フィルム、ポリプロピレン系フィルム、ポリエステル系フィルム、ポリアミド(ナイロン)系フィルム、(メタ)アクリル系樹脂、ポリ塩化ビニル系樹脂、ポリスチレン系樹脂、ポリ塩化ビニリデン系樹脂、エチレン-酢酸ビニル共重合体ケン化物、ポリビニルアルコール、ポリカーボネート系樹脂、ポリ酢酸ビニル系樹脂、アセタール系樹脂、その他各種の樹脂のフィルムを使用することができる。これらのプラスチックフィルムは、一軸ないし二軸方向に延伸されているものでもよく、無延伸のものであってもよい。
(易開封部)
易開封部について説明する。前記易開封部33は前記プラスチックフィルム14のみに存在し、複数個の微細加工が面状に展開している。前記易開封部33は、微細凹部又は微細孔からなる。微細凹部のみ、あるいは微細孔のみが存在してもよく、微細凹部と微細孔が並存してもよい。前記微細凹部は、前記プラスチックフィルム14の外面(アルミ箔と接合される反対面)に開口部を有するが貫通はしていない。開口部が略円形の場合は、その直径は0.3から1.5mm程度である。開口部が略円形でない場合は、開口部の面積は前記略円形の場合とほぼ同じである。また、開口部は線状でもよく、その場合も貫通しない。
前記微細凹部が貫通していないことにより、前記プラスチックフィルム14と前記アルミ箔13を接着剤にて接合した場合、前記接着剤が前記プラスチックフィルム14の外面側に染み出さない。
また前記微細孔が前記プラスチックフィルム14を貫通しており、開口部が略円形の場合は、その直径は0.1から1mm程度である。開口部が略円形でない場合は、開口部の面積は前記略円形の場合とほぼ同じである。また、開口部は線状でもよく、その場合も貫通する。
前記微細孔が、プラスチックフィルム14を貫通しており、孔加工作業を前記プラスチックフィルム14の厚みの途中で止めることなく、厚み全てを切断することから、孔加工の深さの精密な管理が不要であり、加工速度を上げることができる。
前記易開封部33は、前記プラスチックフィルム14の少なくとも前記ポケット部31の領域にある。図2に示した例では、前記ポケット部31と易開封部33が略同じ領域になっているが、前記易開封部33は前記ポケット部31の領域を超えて存在してもよく、PTP1の全面に存在してもよい。
また、前記易開封部33は、前記ポケット部31の領域の内側において、前記ポケット部31の面積よりも小さく存在してもよいが、前記切り込み線16の一部もしくは全部が前記易開封部の領域と重なることが望ましい。
(切り込み線)
図3は、蓋材10のポケット部31の平面図である。図1、図2及び図3には切り込み線16が記載されており、以下、前記切り込み線16について、説明する。
前記切り込み線16は、プラスチックフィルム14のみに設けられており、アルミ箔13には及んでいない。前記切り込み線16を、蓋材10を積層化する前のプラスチックフィルム14に加工して、その後に積層化してもよい。前記切り込み線16を入れる方法は特に限定されるものではないが、トムソン抜き方式、ロータリーダイカット方式、CADカット方式、レーザーカット方式など公知の抜き方法で抜かれる。前記抜き方法は、生産数量、生産速度、品質要求、コストなどを考慮したうえで、適宜に選定される。
また蓋材10の積層後に、切り込み線16を設けてもよい。この場合は、アルミ箔が積層される場合は、加工方法はレーザー加工が好んで用いられる。特に炭酸ガスレーザーは、その波長がプラスチックフィルム14には吸収されて発熱し、前記プラスチックフィルム14が熱にて溶断されるのに対して、前記炭酸ガスレーザーはアルミ箔13には吸収されないので、アルミ箔13は溶断されない。したがって、炭酸ガスレーザーを前記蓋材10のプラスチックフィルム14の側から照射すれば、前記プラスチックフィルム14のみを切断できる。
切り込み線16の加工位置について説明する。
図4(a)は、円形ポケットの場合における、前記切り込み線16の加工領域である。
前記切り込み線16は、前記蓋材10のポケット部31の領域内に設けられる。より望ましくは、前記ポケット部31の中心点24より、前記ポケット部31の外周部23との距離が近い領域である加工領域25にのみに、切り込み線16を加工する。即ち、前記蓋材10のポケット部31の中心点24付近ではなく、外周部23に近い領域に加工する。
錠剤等15を取り出す際に、成形シート11の外側の凸部を押すが、その押圧力が錠剤等15を介して蓋材10に伝わる。その際に錠剤等15の外周部の角(面取り状に曲面を有する場合を含む)が、前記プラスチックフィルム14に当接したときに、狭い面積で接触することから、強い圧力がかかることになり、前記プラスチックフィルム14が破断しやすくなる。その位置に切り込み線16が存在すると、より小さな力でPTP1を開封できる。
なお、錠剤等15の外周部は、前記蓋材10のポケット部の外周部23に近いため、上記のような切り込み線16の加工領域25内に、切り込み線16を加工することが望ましい。
また、前記切り込み線16は少なくとも前記易開封部の領域の一部にかかっていればよく、より好ましくは前記切り込み線16の全部が前記易開封部に存在することである。
図4(b)は、角部が円弧である長方形ポケットの場合における、前記切り込み線16の加工領域25である。上記の円形ポケットの時と同様、前記蓋材10のポケット部31において、前記ポケット部31の中心点24より、前記ポケット部31の外周部23との距離が近い領域である加工領域25にのみに、切り込み線16を加工する。即ち、前記蓋材10のポケット部31の中心点24付近ではなく、外周部23に近い領域に加工する。作用、効果については、円形ポケットの時と同様であるので、説明を割愛する。
前記切り込み線16を配置する方向について説明する。
前記ポケット部31の中心点24と前記切り込み線16の中心点17とを結ぶ線、及び前記切り込み線16とが成す角度θのうち、小さいほうの角度θが45°以上となることが望ましい。小さい方の角度とは、2本の直線が交わった際の鋭角(直角を含む)の角度のことである。即ち上記の2本の直線は、なるべく直交に近い角度で交差することが望ましい。これは、蓋材10の開封時の破断が、前記ポケット部31の中心点24を通る直線と直交方向に破断しやすいためである。
前記切り込み線16が曲線の場合は、前記切り込み線16の中心点17における接線と、前記切り込み線16の中心点17と前記ポケット部31の中心点24とを結ぶ直線との成す角度θに読み替える。
前記切り込み線16が中心点17で折れ曲がる場合は、その中心点17で分断される2つのそれぞれ線と、前記切り込み線16の中心点17と前記ポケット部31の中心点24とを結ぶ直線とが成すそれぞれの角度θのうち、小さい方の角度θが45°以上あればよい。
前記切り込み線16が中心点17で不連続な曲線の場合は、前記切り込み線16の中心点17の接線と、前記ポケット部31の中心点24を通る直線との成す角度θに読み替える。
前記切り込み線16が複数存在した時の、配置について説明する。
前記切り込み線16が複数ある場合、一本の切り込み線と他の隣接する切り込み線との最短距離が、上記の2本の切り込み線16のうち長い方の長さよりも長くなっている。
もし、隣接する切り込み線16同士が近いと、錠剤等15の取り出し時に、前記蓋材10の破断が急激に進み、これにより手指での押圧に対するPTP1の抵抗力が急減する。この際に過剰な押圧力が成形シート11の凸部(外側から見て)にかかり、その力が錠剤等15にもかかり、錠剤等15が転がり出して、散逸する虞れがあった。
本発明のような配置にすることで、前記蓋材10の急激な破断を防止できて、錠剤等15が転がり出さずに、散逸しないようにできる。
(アルミ箔)
本発明のPTP1の蓋材10のアルミ箔13は、低コスト、ガスバリア性、易開封性などの観点から多く用いられる。
本発明のPTP1の蓋材10に用いるアルミ箔13は、厚み6~30μm程度のJIS H4160 合金番号1N30材、8021材、8079材などの硬質材を採用することができる。また、JIS等で規定されているアルミ箔以外のアルミ箔、たとえばAl-Mn系アルミ合金箔も採用することができる。なお、アルミ箔13とプラスチックフィルム14の積層方法は特に制限されるものではないが、押し出しラミネート法やドライラミネート法が使用できる。
(接着層)
本発明のPTP1の蓋材10に用いる接着層12は、前記成形シート11のポケット部21の外周部であるフランジ部22にヒートシール(超音波加熱シール、高周波加熱シール、電熱ヒーターヘッド加熱シールなど公知の加熱方法を含む)の可能なポリオレフィン系(ポリエチレン系、ポリプロピレン系)の熱接着性樹脂、又はこれらの無延伸又は延伸されたフィルムが使用できる。
また、前記アルミ箔13にヒートシールラッカーを、グラビア印刷など公知の方法で塗布してもよい。
(蓋材の表面)
本発明のPTP1の蓋材10の外面には、印刷や着色を施してもよく、OP(オーバープリント)層、プライマー層、アンカーコート層等を必要に応じて積層してもよく、また防曇剤、滑剤、防滑剤、各種のコート剤を任意の層の表面にコーティングしてもよい。また、本発明の効果を損なわない範囲で、紙、合成紙等を積層してもよい。各層の積層方法も上記に限定されるものではなく、公知の方法を採用することができる。
(蓋材の層構成)
PTP1が完成した形態において、前記蓋材10の外側から、
〔外側〕 プラスチックフィルム14/アルミ箔13/接着層12 〔成形シート側〕
の構成となる。
前記プラスチックフィルム14は、コストと性能のバランスからポリエチレンテレフタレート(以下、PETと省略することがある。)を用いることが多い。
前記プラスチックフィルム14とアルミ箔13の接合はドライラミネート法で接合する。また、溶融したポリエチレン樹脂などの熱可塑性樹脂を、前記プラスチックフィルム14とアルミ箔13の間に押し出して接合する押し出し法でもよい。
前記接着層12は、前記アルミ箔13にヒートシールラッカーを塗布する方法でもよい。また、前記アルミ箔13とシーラントフィルムをドライラミネート法で接合してもよい。シーラントフィルムの材質としては、低密度ポリエチレン、直鎖状低密度ポリエチレン、ポリプロピレンなどを用いることができる。
また、溶融したポリエチレン樹脂などの熱可塑性樹脂を、前記プラスチックフィルム14と、前記接着層12となる予め準備されたシーラントフィルムとの間に押し出して接合する押し出し法でもよい。
また、前記アルミ箔13のプラスチックフィルム14の反対側の面に、溶融した熱可塑性樹脂を膜状に押し出して、冷却・固化して前記接着層12を形成する押し出し法を用いてもよい。上記の押し出し法に使用する樹脂としては、低密度ポリエチレン、直鎖状低密度ポリエチレン、ポリプロピレンなどを用いることができる。
(成形シート)
本発明のPTP1に用いる成形シート11は、フランジ部22に囲まれるように多数のポケット部21を形成した公知の容器であって、例えばポリプロピレン、塩化ビニル、ポリエチレンテレフタレートなどの樹脂シートを用いて、プラグアシスト成形、真空成形、圧空成形、真空圧空成形、熱プレスなどにより成形できる。前記成形シート11に錠剤等15を収納後、開口部に蓋材10を被せてヒートシールすることにより封緘する。
(ミシン目、耳部)
本発明のPTP1には、上市されているPTPと同じく、蓋材10と成形シート11の接着する領域を貫通するように分離用のミシン目26を設けてもよい。1回当たりの服用量に分離することや、必要量の薬剤を提供する際に前記ミシン目26で分離すればよい。
また、PTP1の周縁の少なくとも一辺には図1に示すような耳部27を設けることができ、薬剤の名称、形式名、ロット番号等を記載することができる。
(錠剤等の包装)
錠剤等15を前記成形シート11のポケット部21に充填して、上記の蓋材10と位置合わせを行いながら接合し、次に適切なサイズに打ち抜き、所定仕様のPTPが完成する。
本発明を実施例によりさらに具体的に説明する。用いた試験体は実施例1~4と、比較例1~2であり、すべての試験体において同じ材料を使用しており、積層工程も同一である。また、容器のポケット部のピッチは17mmであり、ポケット部の形状は円形であり、外径は10mmである。
(実施例1)
蓋材の層構成は以下の通りである。
〔外側〕 ポリエチレンテレフタレート(PET)フィルム12μm(東洋紡株式会社製 型式 T-4102) / 低密度ポリエチレン15μm(日本ポリエチレン株式会社製 ノバテックLC502) / アルミ箔9μm(株式会社UACJ製箔製 JIS H4160 合金番号 1N30) / ポリプロピレンフィルム20μm(プライムポリマー株式会社製 F329RA) 〔成形シート側〕
また、成形シートの成形前の原反はポリプロピレンシート250μm(住友ベークライト株式会社製 型式 NS3450)のシートである。
上記の蓋材の製造方法について説明する。
まず、蓋材のPETフィルムの接合される成形シート側の面に、裏刷りにて絵柄や文字などをグラビア印刷する。
次に、印刷したPETフィルムを、表面微細孔加工機にて、前記ポケット部の全面に微細孔加工による易開封部を設ける。要求仕様によっては、易開封部は蓋材の全面に加工してもよい。
前記微細孔の加工は、グラビア印刷機の内部で実施してもよく、グラビア印刷後に別工程で実施してもよい。グラビア印刷機の内部で実施する場合は、印刷ユニットに孔加工用ロールを取り付けて加工することができる。前記微細孔加工と切り込み線加工は、同一ロールにて微細孔加工と切り込み線加工を行ってもよく、独立したロールにて、別々に加工してもよい。
前記微細孔の直径は約0.3mmであり、約50個/cm2で加工されている。
さらに、前記PETフィルムの適切な箇所に、表面切り込み線加工機にて、切り込み線を入れる。切り込み線は、ポケット部の中心を通り、直交する2本の直線である。前記切り込み線の長さは、ポケット部の直径の半分、すなわち半径と同じである。(図5(a)参照)
前記切り込み線は直線であるが、開封性を損なわないのであれば、曲線であってもよい。曲線としては、円弧状であれば、ポケット部の外周の円弧と同じ程度の曲率半径であってもよく、あるいは、ポケット部の外周の円弧の半分程度の曲率半径でもよい。
前記PETフィルムの印刷面に、押し出し法にて溶融した低密度ポリエチレン15μmを接合し、さらに予め用意したアルミ箔9μmを重ね合わせた後に、冷却ロールにて冷却する。冷却することにより、低密度ポリエチレンが冷却・固化して、上記三層の積層体が完成する。次に、上記にて接合したPETフィルムとアルミ箔の積層体において、成形シート側になるアルミ箔の面に押し出し法にてポリプロピレンフィルム20μmを製膜した後に、冷却ロールにて冷却する。冷却することにより、ポリプロピレンフィルムが固化して、蓋材の積層体が完成する。
なお、切り込み線加工及び/又は微細孔加工は、蓋材の積層体が完成後に、レーザー加工法で加工してもよい。
以前の段落にて記述したように、切り込み線加工及び/又は微細孔加工は、PETフィルムの印刷工程の後に行ってもよい。
上記のいずれの加工工程、加工方法でもよく、切り込み線加工とは微細孔加工とは、別の工程で行ってもよい。
ポケット部を有する成形シートは、ポリプロピレンシート250μmを圧空成形にてポケット部を成形させたものである。
前記成形シートのポケット部に錠剤を充填した後に、前記成形シートと前記蓋材との位置を合わせてから、ヒートシールを行う。
その後に、錠剤が内包された前記成形シートと蓋材がヒートシールされた部材の外形をトリミングして、PTPが完成する。
(実施例2)
実施例2は、切り込み線を、前記ポケット部の中心点との距離より、前記ポケット部の外周部との距離の方が近い領域内に4本設けている。前記切り込み線は、その延長線がポケット部の中心点を通り、前記中心点を基準にして円周方向に4等分に均等に配置されている。前記切り込み線の一方の端部は前記ポケット部の外周上にあり、他方の端部は前記中心から半径2.5mmの円上にある。
本実施例では、前記ポケット部の外周が半径5mmの円形であるので、ポケットの中心点を共通とする半径5mmの円と半径2.5mmの円からなる2つの同心円において、前記半径5mmの円の内側領域であり、かつ前記半径2.5mmの円の外側領域となる領域に存在する。なお、上記の2つの円の周上は、領域に含む。(図5(b)参照)
その他の、材質、形状、加工方法、切り込み線の形状などは、実施例1と同じである。
(実施例3)
実施例3は、切り込み線を、前記ポケット部の中心点との距離より、前記ポケット部の外周部との距離の方が近い領域内に4本設けている。前記ポケット部の中心点を通る直線と、前記切り込み線の中心点とを結ぶ線と、前記切り込み線とが成す角度θのうち、小さいほうの角度が60°である。
さらに、前記切り込み線は、ポケット部の中心点を基準にして円周方向に4等分の等間隔に配置されている。前記切り込み線の長さは5mmであり、前記ポケット部の中心点と、前記切り込み線の中心点の距離は3.5mmである。(図5(c)参照)
その他の、材質、形状、加工方法などは、実施例1と同じである。
(実施例4)
実施例4は、前記切り込み線を、前記ポケット部の中心点との距離より、前記ポケット部の外周部との距離の方が近い領域内に4本設けている。かつ前記ポケット部の中心点と前記切り込み線の中心点とを結ぶ線、及び前記切り込み線とが成す角度θのうち、小さいほうの角度θが45°である。前記切り込み線の長さは3mmであり、前記ポケット部の中心点と前記切り込み線の中心点の距離は3.5mmである。(図5(d)参照)
さらに、前記切り込み線は、ポケット部の中心を基準にして円周方向に4等分の等間隔に配置されている。かつ、一方の切り込み線と他の隣接する切り込み線との最短距離が、2本の前記切り込み線のうち長い方の長さよりも長い。
その他の、材質、形状、加工方法などは、実施例1と同じである。
(比較例1)
プラスチックフィルムのポケット部の全域に微細孔を加工した。但し、切り込み線は形成していない。(図6(a)参照)
その他の材質、形状、加工方法などは、実施例1と同じである。
(比較例2)
プラスチックフィルムには、易開封加工を実施していない。切り込み線の形状については実施例4と同じである。(図6(b)参照)
その他の材質、形状、加工方法などは、実施例1と同じである。
(PTPの開封性の評価)
錠剤を充填して作製した上記の実施例1から4、及び比較例1と2を用いて、PTPの開封性の評価を行った。各サンプルを10個づつ作製したのち、開封性の評価を実施した。評価については、評価人が手による感触と、目視にて実施した。
その結果を表1に示す。
Figure 0007346824000001
表1の評価項目である、PTPの開封のしやすさの判断基準は以下の通りである。
◎:切り込み線から開封の切っ掛けが生じており、開封抵抗力が充分に小さい。
○:切り込み線から開封の切っ掛けが生じており、開封抵抗力が大きめだが、
許容できる範囲である。
×:開封の切っ掛けがないため、開封抵抗力が大きく、開封が困難である。
表1の評価項目である、錠剤の飛び出し抑制の判断基準は以下の通りである。
◎:開封時の抵抗が適切に増大して、錠剤の押し出し速度が適切にコントロール
されるため、錠剤が飛び出しにくい。
○:開封時の抵抗が徐々に増大して、錠剤の押し出し速度がコントロール
されるため、錠剤がやや飛び出しにくい。◎よりは劣る。
×:開封時には、いきなり開口するので、錠剤の押し出し速度が大きくなり、錠剤が
飛び出す。
開封のしやすさについては、実施例2、3、4が◎であり、実施例1と比較例2が○であり、比較例1が×である。
錠剤の飛び出し抑制については、実施例4が◎であり、実施例1、2、3と比較例1が○であり、比較例2が×である。
PTPの使い勝手の良さとは、上記の開封のしやすさ及び錠剤の飛び出し抑制が並立することが望ましい。総合評価は、上記2つの評価項目を鑑みて評価している。総合評価の判断基準は、以下の通りである。
◎:とても使いやすいPTPである。
○:使いやすいPTPである。
×:使いにくいPTPである。
総合評価については、実施例4が◎であり、実施例1、2、3が○であり、比較例1と比較例2が×である。
本発明によれば、PTPから錠剤等を取り出す際に、必要とする手指の力が小さくて済むことから、患者、老人及び幼児などの手指の力の弱い者でも容易に取り出すことができる。また、錠剤等を取り出す力が安定することから、過剰な押出し力は不要となり、錠剤等が勢いよく転がり出さず、散逸しないPTPを提供することができる。
したがって、使用しやすいPTPを提供することにより、患者の服薬が容易になる。
1 プレススルーパック包装体(PTP)
10 蓋材
11 成形シート
12 接着層
13 アルミ箔
14 プラスチックフィルム
15 錠剤等
16 切り込み線
17 切り込み線の中心点
18 ポケット部の中心点と切り込み線の中心点を結ぶ直線
21 成形シートのポケット部
22 成形シートのフランジ部
23 ポケット部の外周部
24 ポケット部の中心点
25 切り込み線の加工領域
26 ミシン目
27 耳部
28 ポケット部の中心を通る直線
31 蓋材のポケット部
32 蓋材のフランジ部
33 蓋材の易開封部
34 ポケット部の中心点と、ポケット部の外周部との距離の半分となる位置を
示す線
θ 切り込み線と、ポケット部の中心点と切り込み線の中心点を結ぶ直線が成す
角度

Claims (4)

  1. 少なくともプラスチックフィルム、アルミ箔、接着層がこの順に積層された蓋材と、
    前記蓋材の接着層を介して前記蓋材に接合されるフランジ部、及びポケット部を有する成形シートを備え、
    前記プラスチックフィルムには、少なくとも前記ポケット部に対応する領域内に易開封部を備え、
    前記易開封部には切り込み線が設けられており、
    前記切り込み線が複数あり、一方の前記切り込み線と隣接する前記切り込み線との最短距離が、2本の前記切り込み線のうち長い方の長さよりも長いこと、
    を特徴とするプレススルーパック包装体。
  2. 前記易開封部は、微細凹部及び/又は微細孔を面状に形成することを特徴とする請求項1に記載のプレススルーパック包装体。
  3. 前記切り込み線は、前記ポケット部の中心との距離より、前記ポケット部の外周部との距離の方が近い領域である加工領域に存在することを特徴とする請求項1または2のいずれか1項に記載のプレススルーパック包装体。
  4. 前記ポケット部の中心点と前記切り込み線の中心点とを結ぶ線と、前記切り込み線とが成す角度のうち、小さいほうの角度が45°以上となることを特徴とする請求項1から3のいずれか1項に記載のプレススルーパック包装体。
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