JP7345477B2 - 耐熱性離型剤組成物 - Google Patents

耐熱性離型剤組成物 Download PDF

Info

Publication number
JP7345477B2
JP7345477B2 JP2020538463A JP2020538463A JP7345477B2 JP 7345477 B2 JP7345477 B2 JP 7345477B2 JP 2020538463 A JP2020538463 A JP 2020538463A JP 2020538463 A JP2020538463 A JP 2020538463A JP 7345477 B2 JP7345477 B2 JP 7345477B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
rubber
mold release
antioxidants
release agent
heat
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2020538463A
Other languages
English (en)
Other versions
JPWO2020040249A1 (ja
Inventor
翔 作道
信志 平松
千貴 菅田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Neos Co Ltd
Original Assignee
Neos Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Neos Co Ltd filed Critical Neos Co Ltd
Publication of JPWO2020040249A1 publication Critical patent/JPWO2020040249A1/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP7345477B2 publication Critical patent/JP7345477B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Classifications

    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B29WORKING OF PLASTICS; WORKING OF SUBSTANCES IN A PLASTIC STATE IN GENERAL
    • B29CSHAPING OR JOINING OF PLASTICS; SHAPING OF MATERIAL IN A PLASTIC STATE, NOT OTHERWISE PROVIDED FOR; AFTER-TREATMENT OF THE SHAPED PRODUCTS, e.g. REPAIRING
    • B29C33/00Moulds or cores; Details thereof or accessories therefor
    • B29C33/56Coatings, e.g. enameled or galvanised; Releasing, lubricating or separating agents
    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B29WORKING OF PLASTICS; WORKING OF SUBSTANCES IN A PLASTIC STATE IN GENERAL
    • B29CSHAPING OR JOINING OF PLASTICS; SHAPING OF MATERIAL IN A PLASTIC STATE, NOT OTHERWISE PROVIDED FOR; AFTER-TREATMENT OF THE SHAPED PRODUCTS, e.g. REPAIRING
    • B29C33/00Moulds or cores; Details thereof or accessories therefor
    • B29C33/56Coatings, e.g. enameled or galvanised; Releasing, lubricating or separating agents
    • B29C33/60Releasing, lubricating or separating agents
    • B29C33/62Releasing, lubricating or separating agents based on polymers or oligomers
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C08ORGANIC MACROMOLECULAR COMPOUNDS; THEIR PREPARATION OR CHEMICAL WORKING-UP; COMPOSITIONS BASED THEREON
    • C08LCOMPOSITIONS OF MACROMOLECULAR COMPOUNDS
    • C08L101/00Compositions of unspecified macromolecular compounds
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C09DYES; PAINTS; POLISHES; NATURAL RESINS; ADHESIVES; COMPOSITIONS NOT OTHERWISE PROVIDED FOR; APPLICATIONS OF MATERIALS NOT OTHERWISE PROVIDED FOR
    • C09KMATERIALS FOR MISCELLANEOUS APPLICATIONS, NOT PROVIDED FOR ELSEWHERE
    • C09K3/00Materials not provided for elsewhere

Landscapes

  • Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Mechanical Engineering (AREA)
  • Organic Chemistry (AREA)
  • Materials Engineering (AREA)
  • Health & Medical Sciences (AREA)
  • Chemical Kinetics & Catalysis (AREA)
  • Medicinal Chemistry (AREA)
  • Polymers & Plastics (AREA)
  • Compositions Of Macromolecular Compounds (AREA)
  • Moulds For Moulding Plastics Or The Like (AREA)

Description

本発明は、耐熱性離型剤組成物に関する。
従来、離型性、撥水撥油性、低表面張力などの表面機能性を発揮させるために、炭素原子数が8以上のパーフルオロアルキル基を有する含フッ素モノマーが重合されてなる含フッ素(メタ) アクリル系重合体が表面処理剤として用いられてきた(例えば、特許文献1)。近年、炭素原子数が8以上のパーフルオロアルキル基を有する化合物は、製造時、及び、廃棄後、分解により、パーフルオロオクタン酸(PFOA)やパーフルオロオクタンスルホン酸(PFOS) 等を生成することが問題となり、炭素数が6以下のパーフルオロアルキル基を有する化合物への代替が進められている。しかしながら、炭素原子数が6以下になると炭素原子数8以上のパーフルオロアルキル基を有する化合物のような結晶性を示さないため、撥水撥油性、低表面張力、離型性等の表面機能性が劣ることが新たな問題となっている。例えば離型剤として使用する場合、炭素数6以下のパーフルオロアルキル基を含有する含フッ素重合物は一回の塗布での複数回脱型(連続脱型性)の性能が十分ではない(例えば、特許文献2)。
特許文献3は、フッ素含有量が質量で1%~10%である含フッ素共重合体と縮合ヒドロキシ脂肪酸を含有する表面改質剤を用いた硬化膜の作製を開示する。
上記のような表面処理剤を用いた離型剤は、高温成型時に黄変、固化などにより型汚れが生じる不具合がある。
特開平03-256310号公報 WO2009/119445 特開2016-44210号公報
本発明は離型性及び耐熱性に優れる離型剤を提供することを課題とする。
本発明は、以下の耐熱性離型剤組成物を提供するものである。
項1. 高分子系樹脂付着防止剤と耐熱性向上剤を含む耐熱性離型剤組成物。
項2. 高分子系樹脂付着防止剤が、ポリオレフィン系樹脂付着防止剤、アクリル系樹脂付着防止剤、シリコーン系樹脂付着防止剤及びフッ素系樹脂付着防止剤からなる群から選ばれる少なくとも1種である、項1に記載の耐熱性離型剤組成物。
項3. 耐熱性向上剤が、ヒンダードフェノール系酸化防止剤、ベンゾトリアゾール(BTZ)系酸化防止剤、ヒドロキシフェニルトリアジン(HPT)系酸化防止剤、ヒンダードアミン(HALS)系酸化防止剤、フェノール系酸化防止剤、キノン系酸化防止剤、ベンゾフェノン系酸化防止剤、リン系酸化防止剤、イオウ系酸化防止剤、アスコルビン酸及びエリソルビン酸からなる群から選ばれる少なくとも1種である、項1又は2に記載の耐熱性離型剤組成物。
項4. 耐熱性向上剤が、質量で高分子系樹脂付着防止剤に対して7~1200%配合される、項1~3のいずれか1項に記載の耐熱性離型剤組成物。
項5. ウレタンゴム、H-NBR(水素化ニトリルゴム)、NBR(二トリルゴム)、シリコーンゴム、EPDM(エチレン・プロピレン・ジエンゴム)、CR(クロロプレンゴム)、NR(天然ゴム)、フッ素ゴム、SBR(スチレン・ブタジエンゴム)、BR(ブタジエンゴム)、IIR(イソブチレン・イソプレンゴム)、IR(イソプレンゴム)、ウレタンフォーム、熱硬化性樹脂、及び熱可塑性樹脂からなる群から選択される少なくとも1種の成型体の離型に用いるための離型剤である、項1~4のいずれか1項に記載の耐熱性離型剤組成物。
本発明は、以下の態様をも包含する。
項A. 高分子系樹脂付着防止剤と耐熱性向上剤を含む組成物の、耐熱性離型剤としての使用。
項B. 耐熱性離型剤として使用するための、高分子系樹脂付着防止剤と耐熱性向上剤を含む組成物。
項C. 高分子系樹脂付着防止剤と耐熱性向上剤を含む組成物の、耐熱性離型剤を製造するための使用。
項D. 高分子系樹脂付着防止剤と耐熱性向上剤を含む耐熱性離型剤組成物を金型の表面上に塗布し、離型剤膜を形成する工程を含む、離型剤膜の形成方法。
項E. (i)高分子系樹脂付着防止剤と耐熱性向上剤を含む耐熱性離型剤組成物を金型の表面上に塗布し、離型剤膜を形成する工程、(ii)離型剤膜が形成された金型に成型材料を充填し、成型体を得る工程、及び(iii)得られた成型体を金型から外す工程を含む、成型体の製造方法。
項F. 成型の温度が、20~300℃である、項Eに記載の方法。
本発明の耐熱性離型剤組成物は、高分子系樹脂付着防止剤に耐熱性向上剤(酸化防止剤)を添加することで、高温成型時の樹脂付着防止膜(離型剤膜)の黄変と固化を防止でき、高温成型時の樹脂付着防止膜の黄変及び固化の問題が無く、型汚れを防止することができ、さらに、連続脱型回数を増加させることができる。
ヒンダードフェノール系酸化防止剤を使用すると、100℃を超える成型時であっても黄変及び固化を効果的に防止することができる。
さらに、ヒンダードフェノール系酸化防止剤は、リン系やイオウ系の酸化防止剤と併用することでさらに効果が高まる。
離型剤とは、一般に、成型体の製造時に、離型性を向上させ、金型から成型体を取り出すことを容易にするための材料をいう。
本発明の耐熱性離型剤組成物は、耐熱性を有する。本明細書において耐熱性とは、本発明の耐熱性離型剤組成物が形成する樹脂付着防止膜(離型剤膜)が、高温成型時においても黄変及び固化の問題が低減または抑止され、型汚れを低減または抑止できることを指す。
高分子系樹脂付着防止剤としては、ポリオレフィン系樹脂付着防止剤、アクリル系樹脂付着防止剤、シリコーン系樹脂付着防止剤、フッ素系樹脂付着防止剤などが挙げられる。
ポリオレフィン系樹脂付着防止剤としては、パラフィンワックス、ポリエチレンワックス、ポリプロピレンワックス、酸化ワックスなどが挙げられる。
アクリル系樹脂付着防止剤としては、(メタ)アクリル酸グリシジルと炭素数16~22の直鎖アルキル(メタ)アクリル酸エステルとの共重合体などの長鎖アルキル基を有するアクリル系樹脂付着防止剤が挙げられる。
シリコーン系樹脂付着防止剤としては、例えば、ポリジメチルシロキサンからなるシリコーンオイル、ポリジメチルシロキサンのメチル基の一部がフェニル基に置換されたシリコーンオイル、ポリジメチルシロキサンのメチル基の一部が水素や炭素数2以上のアルキル基に置換されたシリコーンオイル、ポリジメチルシロキサンのメチル基の一部がハロゲン化フェニル基に置換されたシリコーンオイル、ポリジメチルシロキサンのメチル基の一部がフルオロエステル基に置換されたシリコーンオイル、エポキシ基を有するポリジメチルシロキサンのようなエポキシ変性シリコーンオイル、アミノ基を有するポリジメチルシロキサンのようなアミノ変性シリコーンオイル、ジメチルシロキサンとフェニルメチルシロキサンのようなアルキルアラルキルシリコーンオイル、ジメチルシロキサン単位のメチル基の一部がポリエーテルに置換された構造を有するポリジメチルシロキサンのようなポリエーテル変性シリコーンオイル、ジメチルシロキサン単位のメチル基の一部がポリエーテルに置換されたジメチルシロキサンとフェニルメチルシロキサンとのポリマーのようなアルキルアラルキルポリエーテル変性シリコーンオイル等が挙げられる。
シリコーン系樹脂付着防止剤の市販品としては、例えば、信越化学工業(株)製のKF-351、KF-353、KF-615A、KF-6016、東レ・ダウコーニング・シリコーン(株)製のSH3749、SH8400、東芝シリコーン(株)製のTSF4440、TSF4452などのアルコキシ基含有シリコーン、チッソ(株)製のサイラプレーンFM-0411、FM-0413、FM-0415、FM-0421、FM-0425、FM-D411、FM-D421、FM-D425、信越化学工業(株)製の信越シリコーンX-22-170A、X-22-170B、X-22-170D、X-22-176B、X-22-176D、X-22-176DX、X-22-178A、X-22-178Bなどの水酸基含有シリコーン、オーエンス-イリノイス社製のGR100、GR150、GR650、GR908及びGR950等のオルガノシルセスキオキサン、信越化学工業社製のKF-96-100、KF-96-1000等の変性なしのシリコーン化合物;信越化学工業社製のKF-868、 KF-859、KF-8021等のアミノ変性シリコーン化合物;東レ・ダウコーニング社製のSF 8417、BY16-872、BY16-871等のアミノ変性シリコーン化合物;信越化学工業社製のKF-101、KF-1005等のエポキシ変性シリコーン化合物;東レ・ダウコーニング社製のSF 8411、FZ 3736等のエポキシ変性シリコーン化合物;東レ・ダウコーニング社製のBY16-880等のカルボキシル変性シリコーン化合物;東レ・ダウコーニング社製のSF 8427等のカルビノール変性シリコーン化合物;信越化学工業社製のKF-6000、X-22-4039等のカルビノール変性シリコーン化合物;信越化学工業社製のKF-353、X-22-4515等のポリエーテル変性シリコーン化合物;信越化学工業社製のKF-412、KF-414、KF-4701等のアルキル変性シリコーン化合物;東レ・ダウコーニング社製のSH 203、SF 8419等のアルキル変性シリコーン化合物;信越化学工業社製のKF-50-100、KF-50-500等のフェニル変性シリコーン化合物;東レ・ダウコーニング社製のFS 1265等のフロロ変性シリコーン化合物、信越化学工業社製のX-22-164、X-22-164AS、X-22-164A、X-22-164B、X-22-164C、X-22-164E等の両末端にメタクリロイルオキシ基を有するシリコーン化合物;信越化学工業社製のX-22-174DX、X-22-2426、X-22-2475等の片末端にメタクリロイルオキシ基を有するシリコーン化合物;ダイセルサイテック社製のEBECRYL350、EBECRYL1360等のアクリロイルオキシ基を有するシリコーン化合物;東亞合成社製のAC-SQ TA-100、AC-SQ SI-20等のアクリロイルオキシ基を有するシリコーン化合物;東亞合成社製のMAC-SQ TM-100、MAC-SQ SI-20、MAC-SQ HDM等のメタクリロイルオキシ基を有するシリコーン化合物が挙げられる。
また、エボニックデグサジャパン(株)製の「Tego Rad2100」(官能基としてアルキル変性アクリロイルオキシ基を有する5官能の反応性シリコーン)、「Tego Rad2010」(官能基としてアクリロイルオキシ基を有する5官能の反応性シリコーン)、「Tego Rad2250」(官能基としてアクリロイルオキシ基を有する2官能の反応性シリコーン)、「Tego Rad2300」(官能基としてアルキル変性アクリロイルオキシ基を有する2官能の反応性シリコーン)、「Tego Rad2600」(官能基としてアルキル変性アクリロイルオキシ基を有する8官能の反応性シリコーン);JNC(株)製の「サイラプレーンFM-0711」(官能基として片末端にアルキル変性アクリロイルオキシ基を有する反応性シリコーン)、「サイラプレーンFM-7711」(官能基として両末端にアルキル変性アクリロイルオキシ基を有する反応性シリコーン)を挙げることもできる。
フッ素系樹脂付着防止剤は、フッ素原子を含有し、樹脂付着防止作用を有する高分子であれば特に限定されないが、例えばポリフッ化ビニリデン、ポリテトラフルオロエチレン、テトラフルオロエチレン/ペルフルオロ(アルキルビニルエーテル)系共重合体、テトラフルオロエチレン/エチレン系共重合体、テトラフルオロエチレン/プロピレン系共重合体、テトラフルオロエチレン/ヘキサフルオロプロピレン系共重合体、フッ化ビニリデン/テトラフルオロエチレン/ヘキサフルオロプロピレン系共重合体、含フッ素アクリレート系重合体、主鎖に含フッ素脂肪族環構造を有する重合体、ポリフッ化ビニル、ポリクロロトリフルオロエチレン、クロロトリフルオロエチレン/エチレン系共重合体、クロロトリフルオロエチレン/炭化水素系アルケニルエーテル系共重合体、フッ化ビニリデン/ヘキサフルオロプロピレン系共重合体、含フッ素環状重合体などが挙げられる。
フッ素系樹脂付着防止剤の好ましい例として、フルオロアルキル基もしくはフルオロアルケニル基、特に炭素数が6以下のパーフルオロアルキル基を有する化合物が挙げられる。
含フッ素アクリレート系重合体としては、例えば、下記式(I)もしくは(II)で表される含フッ素モノマーのホモポリマー、または、下記式(I)もしくは(II)で表される含フッ素モノマーと他のオレフィン系モノマー(フッ素を有していても有していなくてもよい)との共重合体を含む:
Figure 0007345477000001
[式中、Rfaは下記式(1)または(2)で示される基である。
Figure 0007345477000002
1は炭素原子数が2~50の二価の基である。R2はHまたはメチル基またはFまたはClまたはCF3である。]、
Figure 0007345477000003
[式中、RfbはCF3CF2CF2CF2CF2CF2-を示し、R2はHまたはメチル基またはFまたはClまたはCF3を示す。]
1で表される炭素原子数が2~50の二価の基としては、以下の基が挙げられる。
-(CH2n1- (n1=2~50)
-X-Y-(CH2n2- (n2=2~43)
-X-(CH2n3- (n3=1~44)
-CH2CH2(OCH2CH2n4- (n4=1~24)
-XCO(OCH2CH2n5- (n5=1~21)
(式中、Xは炭素数1~3のアルキル基(メチル、エチル、プロピル)、炭素数1~4のアルコキシ基(例えば、メトキシ、エトキシ、プロポキシ、ブトキシなど)、ハロゲン原子(F,Cl,Br,I)からなる群から選ばれる置換基を1~3個有していてもよいフェニレン、ビフェニレンもしくはナフチレンを示す。Yは、-O-CO-、-CO-O-、-CONH-または-NHCO-を示す。)
Xは1,2-フェニレン、1,3-フェニレン、1,4-フェニレンが好ましく、1,4-フェニレンが特に好ましい。
特に好ましいR1で表される炭素原子数が2~50の二価の基としては、具体的に以下の構造の二価の基が挙げられる。
-(CH2n1- (n1=2~10)
-C64OCO(CH2n2- (n2=2~10)
-C64(CH2n3- (n3=1~10)
-CH2CH2(OCH2CH2n4- (n4=1~10)
-C64CO(OCH2CH2n5- (n5=1~10)
2はHまたはメチル基であり、好ましくはメチル基である。
フッ素系樹脂付着防止剤の市販品としては、フロラードFC-430、FC-431(住友スリーエム社製)、サーフロン「S-382」(旭硝子社製)、EFTOP「EF-122A、122B、122C、EF-121、EF-126、EF-127、MF-100」(トーケムプロダクツ社製)、PF-636、PF-6320、PF-656、PF-6520(いずれもOMNOVA社)、フタージェント250、フタージェント251、DFX-18(いずれも(株)ネオス社製)、ユニダインDS-401、DS-403、DS-451、R-2020、M-2020、R-3833、M-3833、ダイエルラテックスDPA-382(いずれもダイキン工業社製)、メガファック171、172、173、178K、178A、780F、F-171、F-172、F-179A、ディフェンサMCF-300(いずれもDIC社製)、FC-109(ファインケミカルジャパン社製)、デュラサーフHD-1100シリーズ,デュラサーフHD-2100シリーズ(株式会社ハーベス製)などが挙げられる。
高分子系樹脂付着防止剤の使用量は、好ましくは耐熱性離型剤組成物全体の7~93質量%、より好ましくは8~90質量%、さらに好ましくは10~85質量%である。
本発明の耐熱性離型剤組成物に含まれる耐熱性向上剤としては、ヒンダードフェノール系酸化防止剤、ベンゾトリアゾール(BTZ)系酸化防止剤、ヒドロキシフェニルトリアジン(HPT)系酸化防止剤、ヒンダードアミン(HALS)系酸化防止剤、フェノール系酸化防止剤、キノン系酸化防止剤、ベンゾフェノン系酸化防止剤、リン系酸化防止剤、イオウ系酸化防止剤、アスコルビン酸、エリソルビン酸が挙げられ、ヒンダードフェノール系酸化防止剤がより好ましい。酸化防止剤の使用により離型剤組成物の耐熱性を高めることができる。
ヒンダードフェノール系酸化防止剤としては、好ましくはフェノール性水酸基のオルト位にt-ブチル基が置換した構造を有するものが挙げられる。ヒンダードフェノール系酸化防止剤としては、具体的には、ペンタエリスリトールテトラキス[3-(3,5-ジ-t-ブチル-4-ヒドロキシフェニル)プロピオネート]、オクタデシル-3-(3,5-ジ-t-ブチル-1-ヒドロキシフェニル)プロピオネート、N,N'-へキサン-1,6-ジイルビス[3-(3,5-ジ-t-ブチル-4-ヒドロキシフェニル)プロピオンアミド]、ベンゼンプロパン酸,3,5-ビス(1,1-ジメチルエチル)-4-ヒドロキシ,C7-C9側鎖アルキルエステル、3,3',3",5,5',5"-ヘキサ-t-ブチル-a,a',a"-(メシチレン-2,4,6-トリル)トリ-p-クレゾール、カルシウムジエチルビス[[[3,5-ビス(1,1-ジメチルエチル)-4-ヒドロキシフェニル]メチル]ホスホネート]、エチレンビス(オキシエチレン)ビス[3-(5-t-ブチル-4-ヒドロキシ-m-トリル)プロピオネート]、ヘキサメチレンビス[3-(3,5-ジ-t-ブチル-4-ヒドロキシフェニル)プロピオネート]、1,3,5-トリス(3,5-ジ-t-ブチル-4-ヒドロキシベンジル)-1,3,5-トリアジン-2,4,6(1H,3H,5H)-トリオン、1,3,5-トリス[(4-t-ブチル-3-ヒドロキシ-2,6-キシリル)メチル]-1,3,5-トリアジン-2,4,6(1H,3H,5H)-トリオン、N-フェニルベンゼンアミンと2,4,4-トリメチルベンゼンとの反応生成物、ジエチル[[3,5-ビス(1,1-ジメチルエチル)-4-ヒドロキシフェニル]メチル]ホスホネート、2,4-ジメチル-6-(1-メチルペンタデシル)フェノール、オクタデシル-3-(3,5-t-ブチル-4-ヒドロキシフェニル)プロピオネート、2',3-ビス[3-(3,5-ジ-t-ブチル-4-ヒドロキシフェニル)プロピオニル]プロピオノヒドラジド等が挙げられる。
ベンゾトリアゾール(BTZ)系酸化防止剤としては、1-[ジ(2-エチルヘキシル)アミノメチル]ベンゾトリアゾール、1-[ジ(2-エチルヘキシル)アミノメチル]メチルベンゾトリアゾール、2-(2-ヒドロキシ-3,5-ジ-t-ペンチルフェニル)-2H-ベンゾトリアゾール、2-[2-ヒドロキシ-3,5-ビス(1,1-ジメチルベンジル)フェニル]-2H-ベンゾトリアゾール、2-(2-ヒドロキシ-5-メチルフェニル)-2H-ベンゾトリアゾール、2-(2-ヒドロキシ-3,5-ジ-t-ペンチルフェニル)-2H-ベンゾトリアゾール、2-(2-ヒドロキシ-3,5-ジ-t-ブチルフェニル)-2H-ベンゾトリアゾール、2-(2-ベンゾトリアゾイル)-4,6-ジ-t-ブチルフェノール、2-(2-ベンゾトリアゾイル)-4-t-オクチルフェノール、ビス[2-ヒドロキシ-5-t-オクチル-3-(ベンゾトリアゾイル)フェニル]メタン、ビス[2-ヒドロキシ-5-t-ブチル-3-(ベンゾトリアゾイル)フェニル]メタン、2,4-ジーt-ブチル-6-(5-クロロベンゾトリアゾール-2-イル)フェノール、2ーt-ブチル-6-(5-クロロベンゾトリアゾイル)-4-メチルフェノール、2-(2-ヒドロキシ-5-t-ブチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2-(2-ヒドロキシ-5-メチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2-(2-ヒドロキシ-3-ドデシル-5-メチルフェニル)ベンゾトリアゾール等が挙げられる。
ヒドロキシフェニルトリアジン(HPT)系酸化防止剤としては、ヒドロキシフェニルトリアジン、2-(4,6-ジフェニル-1,3,5-トリアジン-2-イル)-5-ヘキシルオキシフェノール、2-(4,6-ジフェニル-1,3,5-トリアジン-2-イル)-5-メチルオキシフェノール、2-(4,6-ジフェニル-1,3,5-トリアジン-2-イル)-5-エチルオキシフェノール、2-(4,6-ジフェニル-1,3,5-トリアジン-2-イル)-5-プロピルオキシフェノール、2-(4,6-ジフェニル-1,3,5-トリアジン-2-イル)-5-ブチルオキシフェノールなどが挙げられる。
フェノール系酸化防止剤としては、ハイドロキノン、カテコール、レゾルシノール、t-ブチルヒドロキノン、ブチルヒドロキシアニソール、ヒドロキノンモノメチルエーテルおよびジ-t-ブチル-p-クレゾールなどが挙げられる。
キノン系酸化防止剤としては、ヒドロキノン、2-t-ブチルヒドロキノン、ヒドロキノンモノメチルエーテル、メタキノン、ベンゾキノンなどが挙げられる。
ベンゾフェノン系酸化防止剤としては、2-ヒドロキシベンゾフェノン、3-ヒドロキシベンゾフェノン、4-ヒドロキシベンゾフェノン、2-ヒドロキシ-5-クロロベンゾフェノン、4-オクチロキシ-2-ヒドロキシベンゾフェノン、4-デシロキシ-2-ヒドロキシベンゾフェノン、4-ドデシロキシ-2-ヒドロキシベンゾフェノン、2-ヒドロキシ-5-ノニルベンゾフェノン、4-メトキシ-2-ヒドロキシベンゾフェノン、2,2'-ジヒドキシ-4-オクチロキシベンゾフェノン等が挙げられる。
ヒンダードアミン(HALS)系酸化防止剤は、好ましくは2級又は3級アミノ基の窒素原子に結合する2つのメチレン基に、メチル基が2つずつ置換している構造を有するものが挙げられる。ヒンダードアミン系酸化防止剤としては、具体的には、2,2,6,6-テトラメチル-4-ピペリジルメタクリレート、1,2,2,6,6-ペンタメチル-4-ピペリジルメタクリレート、4-ベンゾイルオキシ-2,2,6,6-テトラメチルピペリジン、3-ドデシル-1-(2,2,6,6-テトラメチル-4-ピペリジル)ピロリジン-2,5-ジオン、N-メチル-3-ドデシル-1-(2,2,6,6-テトラメチル-4-ピペリジル)ピロリジン-2,5-ジオン、N-アセチル-3-ドデシル-1-(2,2,6,6-テトラメチル-4-ピペリジル)ピロリジン-2,5-ジオン、8-アセチル-3-ドデシル-7,7,9,9-テトラメチル-1,3,8-トリアザスピロ[4,5]デカン-2,4-ジオン、ビス(2,2,6,6-テトラメチル-4-ピペリジル)セバケート、ビス(1,2,2,6,6-ペンタメチル-4-ピペリジル)セバケート、ビス(1-オクチロキシ-2,2,6,6-テトラメチル-4-ピペリジニル)セバケート、ビス(1-ウンデカノキシ-2,2,6,6-テトラメチルピペリジン-4-イル)カーボネート、ビス(1,2,2,6,6-ペンタメチル-4-ピペリジル)[[3,5-ビス(1,1-ジメチルエチル)-4-ヒドロキシフェニル]メチル]ブチルマロネート、テトラキス(1,2,2,6,6-ペンタメチル-4-ピペリジル)ブタン-1,2,3,4-テトラカルボキシレート、テトラキス(2,2,6,6-テトラメチル-4-ピペリジル)ブタン-1,2,3,4-テトラカルボキシレート、コハク酸ジメチル-1-(2-ヒドロキシエチル)-4-ヒドロキシ-2,2,6,6-テトラメチルピペリジンおよびその縮合物、ポリ[{6-(1,1,3,3-テトラメチルブチル)イミノ-1,3,5-トリアジン-2,4-ジイン}{(2,2,6,6-テトラメチル-4-ピペリジル)イミノ}ヘキサメチレン{(2,2,6,6-テトラメチル-4-ピペリジル)イミノ}]等が挙げられる。
リン系酸化防止剤としては、トリス(2,4-ジ-t-ブチルフェニル)フォスファイト、トリス[2-[[2,4,8,10-テトラ-t-ブチルジベンゾ[d,f][1,3,2]ジオキサフォスフェフィン-6-イル]オキシ]エチル]アミン、ビス(2,4-ジ-t-ブチルフェニル)ペンタエリスリトールジフォスファイト、ビス[2,4-ビス(1,1-ジメチルエチル)-6-メチルフェニル]エチルエステル亜リン酸、亜リン酸トリエチル、テトラキス(2,4-ジ-t-ブチルフェニル)[1,1-ビフェニル]-4,4'-ジイルビスホスフォナイトが挙げられる。
イオウ系酸化防止剤としては、2,6-ジ-t-ブチル-4-(4,6-ビス(オクチルチオ)-1,3,5-トリアジン-2-イルアミノ)フェノール、4,6-ビス(オクチルチオメチル)-o-クレゾール、4,6-ビス(ドデシルチオメチル)-o-クレゾール、ジエチル-3,3'-チオジプロピオネート、ジプロピル-3,3'-チオジプロピオネート、ジブチル-3,3'-チオジプロピオネート、ジヘキシル-3,3'-チオジプロピオネート、ジオクチル-3,3'-チオジプロピオネート、ジドデシル-3,3'-チオジプロピオネート、ジトリデシル-3,3-チオジプロピオネート、ジテトラデシル-3,3'-チオジプロピオネート、ジオクタデシル-3,3'-チオジプロピオネートジメチル-3,3'-チオジプロピオネート、チオジエチレンビス[3-(3,5-ジ-t-ブチル-4-ヒドロキシフェニル)プロピオネート]、ペンタエリスリトールテトラキス(3-メチルチオプロピオネート)、ペンタエリスリトールテトラキス(3-エチルチオプロピオネート)、ペンタエリスリトールテトラキス(3-プロピルチオプロピオネート)、ペンタエリスリトールテトラキス(3-ブチルチオプロピオネート)、ペンタエリスリトールテトラキス(3-ヘキシルチオプロピオネート)、ペンタエリスリトールテトラキス(3-オクチルチオプロピオネート)、ペンタエリスリトールテトラキス(3-ドデシルチオプロピオネート)、ペンタエリスリトールテトラキス(3-トリデシルチオプロピオネート)、ペンタエリスリトールテトラキス(3-テトラデシルチオプロピオネート)、ペンタエリスリトールテトラキス(3-ヘキサデシルチオプロピオネート)、ペンタエリスリトールテトラキス(3-フェニルチオプロピオネート)等が挙げられる。
耐熱性向上剤は、ヒンダードフェノール系とリン系、またはヒンダードフェノール系とイオウ系の酸化防止剤を併用することが好ましい。
耐熱性向上剤の使用量は、好ましくは耐熱性離型剤組成物全体の7~93質量%、より好ましくは8~90質量%、さらに好ましくは10~85質量%である。
耐熱性向上剤は、高分子系樹脂付着防止剤に対して、質量で下限は7%、8%、9%又は10%であり、上限は1200%、1000%、800%、600%、500%、400%、300%、200%、100%、90%、80%、70%、60%又は50%である。耐熱性向上剤は、高分子系樹脂付着防止剤に対して、質量で例えば7~1200%、好ましくは8~1000%、より好ましくは9~800%、特に好ましくは10~600%である。
高分子系樹脂付着防止剤の重量平均分子量(Mw)は通常、2000~100000であり、好ましくは5000~60000である。重量平均分子量は、標準ポリスチレンを用いたGPC法により測定できる。
本発明の耐熱性離型剤組成物は、本発明の目的を阻害しない範囲内において、防錆剤、触媒、抗菌剤、難燃剤、界面活性剤等を適宜配合してもよい。
本発明の耐熱性離型剤組成物の形態は、特に限定されず用途に応じて適宜選択することができる。例えば、溶液、エマルション、エアゾール等の形態で使用することができ、好ましくは水性エマルションである。水性エマルションである場合は、乳化重合法により製造した高分子系樹脂付着防止剤をそのまま、または水または溶媒で希釈して使用することができる。
本発明の耐熱性離型剤組成物は、水性エマルションである場合、乳化剤、乳化助剤、連鎖移動剤を含有していてもよい。乳化剤、乳化助剤、連鎖移動剤は乳化重合での高分子系樹脂付着防止剤製造時と同一の化合物を使用することができる。
本発明の耐熱性離型剤組成物は、溶液である場合、溶媒は高分子系樹脂付着防止剤が溶解するものであれば特に限定されない。例えばメタノール、エタノール、イソプロピルアルコール等のアルコール類、アセトン、メチルエチルケトン等のケトン類、酢酸エチル、酢酸ブチル等のエステル類、トルエン、キシレンなどの芳香族炭化水素、ジエチルエーテルなどのエーテル類、ジエチレングリコールモノエチルエーテルなどのアルキレングリコールモノエーテル類、ジエチレングリコールジエチルエーテルなどのアルキレングリコールジエーテル類、テトラヒドロフラン、1,4-ジオキサンなどの溶剤成分を挙げることができる。これらの溶剤成分は1種類でも使用でき、または2種以上を任意の割合で配合して使用してもよい。
本発明の耐熱性離型剤組成物を利用して離型される成型材料としては、特に限定されないが、例えば、ウレタンゴム、H-NBR(水素化ニトリルゴム)、NBR(二トリルゴム)、シリコーンゴム、EPDM(エチレン・プロピレン・ジエンゴム)、CR(クロロプレンゴム)、NR(天然ゴム)、フッ素ゴム、SBR(スチレン・ブタジエンゴム)、BR(ブタジエンゴム)、IIR(イソブチレン・イソプレンゴム)及びIR(イソプレンゴム)等のゴムや、ウレタンフォーム、エポキシ樹脂、フェノール樹脂及びFRP等の熱硬化性樹脂等やPP、PE、PVC、PS、PA等の熱可塑性樹脂等が挙げられる。特に、BRゴムなどのゴム用の金型の離型剤として有用である。成型材料は高温成型されるものが好ましく、高温成型の温度は、例えば20~300℃、好ましくは50~200℃が挙げられる。本発明の態様の1つにおいて、高温成型の温度の下限は100℃とすることができる。あるいは、本発明の別の態様において、高温成型の温度は100℃~200℃または160℃~200℃とすることもできる。なお、「高温成型の温度」とは、金型の最高温度を意味する。
本発明の耐熱性離型剤組成物は、例えば金型の離型剤として使用する場合は、金型表面に塗布し、乾燥させておくことにより使用することができる。塗布方法としては、特に制限されず、例えばスプレー塗布、刷毛塗布、ロールコーター塗布、ディッピング塗布などが挙げられる。乾燥方法としては風乾または加熱により溶媒を蒸発させて皮膜を形成する方法が挙げられる。金型に付着させる離型剤組成物中の不揮発成分の付着量は、一般的には0.01~10g/m2、好ましくは0.1~10g/m2であり、これによって、十分な離型性が得られる。
本発明の耐熱性離型剤組成物が塗布される金型の材質としては、鉄鋼材料及びアルミ合金、銅合金などの非鉄材料が挙げられる。
本発明は、離型剤膜の形成方法をも提供する。具体的には、本発明の耐熱性離型剤組成物を金型の表面上に塗布し、必要に応じて乾燥をさせて水、溶媒等を除去し、離型剤膜を形成する。離型剤組成物を塗布する金型の表面は、成型材料が充填されたときに成型材料と金型とが接する型の内側を指す。
本発明は、成型体の製造方法をも提供する。具体的には、(i)本発明の耐熱性離型剤組成物を金型の表面上に塗布し、必要に応じて乾燥をさせて水、溶媒等を除去し、離型剤膜を形成する工程、(ii)離型剤膜が形成された金型に成型材料を充填し、成型体を得る工程、及び(iii)得られた成型体を金型から外す工程を含む製造方法である。成型体の製造方法は高温成型であることが好ましく、具体的には成型材料の充填時の温度を例えば20~300℃、好ましくは50~200℃とすることができる。本発明の態様の1つにおいて、温度の下限は100℃とすることができる。
上記工程(i)~(iii)は適宜繰り返して行うことができる。
以下に実施例により本発明をさらに詳しく説明するが、本発明はこれら実施例のみに限定されるものではない。
実施例1
含フッ素アクリレート系重合体(高分子系樹脂付着防止剤)に対し、表1および表2に示す耐熱性向上剤を表1および表2に示す割合で配合し、得られた水性分散液を質量で1%になるようにイオン交換水で希釈し、BRゴムを用いて離型試験を行った。含フッ素アクリレート系重合体は、例えばAGC社製のAsahiGuard E-SERIES(商標)が挙げられ、具体的には、AG-E061、AG-E081、AG-E400、AG-E100、AG-E090、AG-E550Dなどである。これらの含フッ素アクリレート系重合体は、同様な結果が得られる。結果を表1および表2に示す。
Figure 0007345477000004
添加量は含フッ素アクリレート系重合体(高分子系樹脂付着防止剤)に対する耐熱性向上剤の質量での割合を意味する。
200℃ 5hr/160℃ 50hr/50℃ 50hr加熱での耐性において、「A」はフッ素アクリレート系高分子の黄変と固化がないことを意味し、「C」は黄変と固化の一方または両方がある事を意味する。
Figure 0007345477000005
添加量はフッ素アクリレート系高分子(高分子系樹脂付着防止剤)に対する耐熱性向上剤の質量での割合を意味する。
50℃、50hr加熱での耐性において、「A」はフッ素アクリレート系高分子の黄変と固化がないことを意味し、「C」は黄変と固化の一方または両方がある事を意味する。
実施例2
耐熱性向上剤としてシャインガードHP-12、Tinuvin 9945-DWを用い、耐熱性向上剤の添加量を変えて実施例1と同様の方法で離型試験を行った。結果を表3に示す。
Figure 0007345477000006
実施例3
実施例1と同様の方法で、連続脱型性を評価した。評価結果を表4に示す。
Figure 0007345477000007

Claims (2)

  1. 高分子系樹脂付着防止剤と耐熱性向上剤を含む耐熱性離型剤組成物であって、
    前記高分子系樹脂付着防止剤は、
    下記式(I)で表される含フッ素モノマーのホモポリマー、または、
    下記式(I)で表される含フッ素モノマーとフッ素を有していても有していなくてもよい他のオレフィン系モノマーとの共重合体を含む含フッ素アクリレート系重合体であり、
    前記耐熱性向上剤は、ヒンダードフェノール系酸化防止剤、ベンゾトリアゾール(BTZ)系酸化防止剤、ヒドロキシフェニルトリアジン(HPT)系酸化防止剤、ヒンダードアミン(HALS)系酸化防止剤、フェノール系酸化防止剤、キノン系酸化防止剤、ベンゾフェノン系酸化防止剤、リン系酸化防止剤、イオウ系酸化防止剤、アスコルビン酸及びエリソルビン酸からなる群から選ばれる少なくとも1種であり、
    前記耐熱性向上剤は、質量で前記高分子系樹脂付着防止剤に対して7~1200%配合される、耐熱性離型剤組成物
    [式中、Rf a は下記式(1)または(2)で示される基である。
    1 は炭素原子数が2~50の二価の基である。R 2 はHまたはメチル基またはFまたはClまたはCF 3 である。]
  2. ウレタンゴム、H-NBR(水素化ニトリルゴム)、NBR(二トリルゴム)、シリコーンゴム、EPDM(エチレン・プロピレン・ジエンゴム)、CR(クロロプレンゴム)、NR(天然ゴム)、フッ素ゴム、SBR(スチレン・ブタジエンゴム)、BR(ブタジエンゴム)、IIR(イソブチレン・イソプレンゴム)、IR(イソプレンゴム)、ウレタンフォーム、熱硬化性樹脂、及び熱可塑性樹脂からなる群から選択される少なくとも1種の成型体の離型に用いるための離型剤である、請求項1に記載の耐熱性離型剤組成物。
JP2020538463A 2018-08-23 2019-08-22 耐熱性離型剤組成物 Active JP7345477B2 (ja)

Applications Claiming Priority (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2018156174 2018-08-23
JP2018156174 2018-08-23
PCT/JP2019/032800 WO2020040249A1 (ja) 2018-08-23 2019-08-22 耐熱性離型剤組成物

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPWO2020040249A1 JPWO2020040249A1 (ja) 2021-09-24
JP7345477B2 true JP7345477B2 (ja) 2023-09-15

Family

ID=69592565

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2020538463A Active JP7345477B2 (ja) 2018-08-23 2019-08-22 耐熱性離型剤組成物

Country Status (3)

Country Link
JP (1) JP7345477B2 (ja)
TW (1) TW202019651A (ja)
WO (1) WO2020040249A1 (ja)

Families Citing this family (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
TW202311417A (zh) * 2021-08-04 2023-03-16 美商陶氏全球科技有限責任公司 含有電壓穩定劑化合物組合之聚烯烴配方

Citations (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2012007117A (ja) 2010-06-28 2012-01-12 Nippon Zeon Co Ltd 熱硬化性架橋環状オレフィン樹脂フィルム及びその製造方法
WO2018003432A1 (ja) 2016-06-27 2018-01-04 旭硝子株式会社 樹脂組成物、コーティング液、離型膜付き金型およびその製造方法

Family Cites Families (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2565780B2 (ja) * 1989-12-13 1996-12-18 三洋化成工業株式会社 電子写真トナー用離型剤組成物
CN108456385A (zh) * 2018-05-05 2018-08-28 宁波市石生科技有限公司 一种用于光固化3d打印的离型膜及其制造工艺

Patent Citations (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2012007117A (ja) 2010-06-28 2012-01-12 Nippon Zeon Co Ltd 熱硬化性架橋環状オレフィン樹脂フィルム及びその製造方法
WO2018003432A1 (ja) 2016-06-27 2018-01-04 旭硝子株式会社 樹脂組成物、コーティング液、離型膜付き金型およびその製造方法

Also Published As

Publication number Publication date
WO2020040249A1 (ja) 2020-02-27
TW202019651A (zh) 2020-06-01
JPWO2020040249A1 (ja) 2021-09-24

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP7345477B2 (ja) 耐熱性離型剤組成物
WO2012036036A1 (ja) 含フッ素共重合体
JP2010155998A (ja) 延長された耐用寿命を有するモールド製造用シリコーン組成物
RU2014120925A (ru) Применение гребенчатых или блок-сополимеров в качестве средств против повторного осаждения загрязнения и грязеотталкивающих средств в процессах стирки
US8697796B2 (en) Slidable resin composition and molded article thereof
JP7162523B2 (ja) 熱可塑性樹脂組成物、成形体、および成形体の製造方法
WO2015200003A1 (en) Silicon-containing polymer and method of making a silicon-containing polymer
US20210354338A1 (en) Mold release agent
JP7090652B2 (ja) 繰返し利用可能な医療用ボックス
JP6891702B2 (ja) 防曇塗料用樹脂及び防曇塗料
JP2012505285A (ja) コンクリート用のケイ素を含有する含フッ素処理剤
JP7284000B2 (ja) 含フッ素オリゴマーを有効成分とする表面改質剤
JP5144872B2 (ja) 芳香族ポリカーボネート樹脂組成物
JP2020073697A (ja) 熱可塑性樹脂組成物、及びこれを用いた成形品
JP3731098B2 (ja) 樹脂に撥水撥油性を付与するための添加剤
JP6676488B2 (ja) ポリカーボネート樹脂組成物
JP2021113294A (ja) 防曇組成物、硬化皮膜、および積層体
WO2007029732A1 (ja) アクリルゴム組成物、成形体及び自動車・電気・電子用部品
JP2017171810A (ja) ポリカーボネート樹脂組成物
WO2021161593A1 (ja) 含フッ素重合体を有効成分とする柔軟性撥水撥油剤
JP5301800B2 (ja) 摺動性樹脂組成物及びこれから形成された成形品
EP4267659A1 (en) Siloxane-imide copolymer and addition curable composition comprising same
JP2022160186A (ja) 水系ハードコート剤
US20010018488A1 (en) Silicone molding compositions having extended useful life
MXPA01004022A (en) Polycarbonate resin blends containing titanium dioxide

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20220603

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20230613

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20230804

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20230829

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20230905

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 7345477

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150