JP7345297B2 - 搬送ベルト - Google Patents

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Description

本発明は、物品を搬送する搬送ベルトに関するものである。
無端状の搬送ベルトは、様々な物品の搬送に用いられている。そして、物品として搬送される食品や医薬品や電子部品などを、搬送ベルト上で搬送しながら外観検査を行う際には、光透過性を有する搬送ベルトの裏面から光を当てて搬送ベルト上を明るくし、物品に対する異物混入、物品の欠けなどの異常を目視で検査することがある。
例えば、特許文献1には、コンベヤ上下に配置された透過型光電センサーの投光機と受光機の間を通過する、コンベヤと同系色の薄板上の搬送物の検出方法が提案されている。特許文献1では、コンベヤベルトとして光透過性を有する白色ウレタン製ベルトを使用し、光透過率が1%以上(好ましくは3%以上)であることが記載されている。
しかしながら、コンベヤと同系色で薄板状搬送物の通過を検出するのみであれば、上記透過率でも良いが、物品を搬送しながら異物や外観異常を目視検査する場合には、物品がよく観察できるよう、コンベヤベルト裏面から光を照射する必要がある。このように、搬送ベルトの裏面に光源を設置して、物品を目視検査する場合には、優れた視認性(光透過率)が要求される。
一方、搬送ベルトとして、様々な物品を安定的かつ長期的に搬送する強度や耐久性を確保するためには、搬送ベルトに、抗張体として芯体帆布を含む必要がある。例えば、特許文献2には、樹脂ベルト上で食品を搬送しながら裁断をおこなうために、樹脂層と、平織りして得られる芯体帆布によって構成された帆布層と、を交互に複数層ずつ積層させた樹脂ベルトが開示されている。
特開2005-239341号公報 特開2003-171006号公報
上記特許文献1、2を踏まえて、搬送しながら外観検査を行う際に使用する搬送ベルトとしては、光透過性が高い樹脂層と耐久性がある帆布層とを交互に複数層ずつ積層させた搬送ベルトを作製することが考えられる。
しかしながら、特許文献2のように、搬送ベルトに、平織りして得られる帆布層を複数層設けた場合、搬送ベルトの裏面から当てた光が複数の帆布層を透過する際に、光の干渉縞(規則正しい織り組織などの繰り返し模様を複数重ね合わせた時に、それらの周期のずれにより視覚的に発生する縞模様)が生じる場合がある(図3参照)。このように、搬送ベルトの裏面側から光を当てた場合に搬送ベルトに干渉縞が発生すると、搬送ベルト上で物品を搬送しながら外観検査を行う際に異常を発見しづらくなってしまう。
そこで、本発明は、物品の搬送に必要な強度や耐久性を確保しつつ、搬送ベルトの裏面に光源を設置して物品を目視検査する際に、光の干渉縞が生じることを防止して、優れた視認性を有する搬送ベルトを提供することを目的とする。
上記課題を解決するために、本発明の搬送ベルトは、
透明熱可塑性材料からなる接着剤を含浸した、90%以上の光透過性を有する第1芯体帆布と、
透明熱可塑性材料で形成された中間層と、
透明熱可塑性材料からなる接着剤を含浸した、90%以上の光透過性を有する第2芯体帆布とを積層し、
前記第1芯体帆布、及び、第2芯体帆布は、一方の織り組織が平織りであり、他方の織り組織が綾織り、又は、朱子織りであることを特徴としている。
上記構成によれば、搬送物の搬送に必要な搬送ベルトの強度や耐久性を確保することができる。また、第1芯体帆布に使用する織り組織と、第2芯体帆布に使用する織り組織とを異ならせて、第1芯体帆布の光の透過態様と第2芯体帆布の光の透過態様に違い(不規則性)を生じさせている。これにより、搬送ベルトの裏面に光源を設置して、搬送物を目視検査する場合に、優れた視認性を確保しつつ、光源から出た光が第1芯体帆布及び第2芯体帆布を含む搬送ベルトを透過する際に、光の干渉縞(規則正しい織り組織などの繰り返し模様を複数重ね合わせた時に、それらの周期のずれにより視覚的に発生する縞模様)が生じることを防止することができる。
また、上記搬送ベルトにおいて、前記平織りの経糸及び緯糸の繊度は、280~560dtexの範囲であり、
前記綾織りの経糸及び緯糸の繊度、又は、前記朱子織りの経糸及び緯糸の繊度は、56~560dtexの範囲であることを特徴としてもよい。
平織りの経糸及び緯糸の繊度が280dtexより小さくなると、ベルト強度が弱くなる場合がある。一方、平織りの経糸及び緯糸の繊度が560dtexより大きくなると、搬送ベルトの厚みが増し、搬送ベルトの光透過率が下がる場合がある。そこで、平織りの経糸及び緯糸の繊度を280~560dtexの範囲にすることにより、ベルト強度及び光透過率をバランスよく確保することができる。なお、綾織り、及び、朱子織りについても同様である。
また、上記搬送ベルトにおいて、前記平織りの経糸及び緯糸の繊度と、前記綾織りの経糸及び緯糸の繊度、又は、前記朱子織りの経糸及び緯糸の繊度とは、異なる値であることを特徴としてもよい。
上記構成によれば、第1芯体帆布に使用する織り組織の経糸・緯糸の繊度(太さ)と、第2芯体帆布に使用する織り組織の経糸・緯糸の繊度とを異ならせて、第1芯体帆布の光の透過態様と第2芯体帆布の光の透過態様とに違いをより生じさせている。これにより、搬送ベルトの裏面に光源を設置して、搬送物を目視検査する場合に、光源から出た光が第1芯体帆布及び第2芯体帆布を含む搬送ベルトを透過する際に、光の干渉縞が生じることをより防止することができる。
また、上記搬送ベルトの外周に、透明熱可塑性材料で形成されたカバー層が積層されていることを特徴としてもよい。
上記構成によれば、搬送物(食品等)に含まれる粉体や結晶(塩分等)が、第1芯体帆布や第2芯体帆布に擦りこまれて搬送ベルトが収縮する不具合を防止して、搬送ベルトの耐久性を更に向上させることができる。そして、搬送ベルトの裏面に光源を設置して、搬送物を目視検査する場合に、光源から出た光がカバー層、第1芯体帆布及び第2芯体帆布を含む搬送ベルトを透過したとしても、光の干渉縞が生じることを防止することができる。
物品の搬送に必要な強度や耐久性を確保しつつ、搬送ベルトの裏面に光源を設置して物品を目視検査する際に、光の干渉縞が生じることを防止して、優れた視認性を有する搬送ベルトを提供することができる。
本実施形態に係る搬送ベルトを示す断面図である。 本実施形態に係る搬送ベルトの接合部を示す図であり、(a)は平面図であり、(b)は断面図である。 比較例1の搬送ベルトの裏面から光源を照射した際の搬送ベルト表面の態様を写した写真である。 実施例1の搬送ベルトの裏面から光源を照射した際の搬送ベルト表面の態様を写した写真である。 比較例4の搬送ベルトの裏面から光源を照射した際の搬送ベルト表面の態様を写した写真である。 実施例4の搬送ベルトの裏面から光源を照射した際の搬送ベルト表面の態様を写した写真である。
本発明の実施の形態について図面を参照して説明する。
(実施形態)
実施形態に係る無端状の搬送ベルトについて、図1及び図2に基づいて、説明する。
図1に、実施形態に係る搬送ベルト1を示す。図1に示す搬送ベルト1は、図の上面側が外周側、下面側が内周側となり、図の長手方向がベルト周長方向となり、図の奥行き方向がベルト幅方向となる。
実施形態に係る搬送ベルト1は、搬送ベルト1の外周側から内周側へ順番に、表面カバー層2と、第1芯体帆布3と、中間層5と、第2芯体帆布6とが積層された構造として形成される。また、第1芯体帆布3には、透明熱可塑性エラストマーからなる接着剤が含浸されており、接着層4が形成されている。また、第2芯体帆布6にも、透明熱可塑性エラストマーからなる接着剤が含浸されており、接着層7が形成されている。搬送ベルト1全体の厚さは、例えば0.3~1.5mmであって、好ましくは、0.45から1.0mmである。物品の搬送に必要な搬送ベルト1の強度や耐久性を確保しつつ、高い光透過性を得るためである。
表面カバー層2は、搬送ベルト1の表面に設けられ、第1芯体帆布3及び第2芯体帆布6を保護するものである。例えば、搬送する物品が食品である場合、食品に含まれる粉体や結晶(塩分)等が第1芯体帆布3や第2芯体帆布6の内部に擦り込まれて搬送ベルト1が収縮するおそれがあるため、第1芯体帆布3の外周側(即ち、食品等の物品に接触する部分)に保護層となる表面カバー層2を積層して、第1芯体帆布3および第2芯体帆布6を保護しつつ、搬送ベルト1の耐久性を高めている。また、表面カバー層2の厚さは、例えば、0.1から0.5mmである。物品の搬送に必要な搬送ベルト1の強度や耐久性を確保しつつ、高い透過性を損なわないようにするためである。
表面カバー層2は、ポリウレタン、ポリエチレン・ポリプロピレンなどのポリオレフィン、ポリエステルからなる熱可塑性エラストマーから形成されている。表面カバー層2を形成する熱可塑性エラストマーは、光を透過させるため、無色透明の外観を呈し、顔料や染料、固体充填剤など光を隠蔽する成分を含まないものとする。表面カバー層2を形成する熱可塑性エラストマーは、特に、加工性や強度に優れたポリウレタンエラストマーであって、無黄変タイプのポリウレタンエラストマーが好ましい。更に、表面カバー層2を形成する熱可塑性エラストマーは、フェニル基を含まない無黄変ポリウレタンエラストマーであることが好ましい。表面カバー層2を形成する熱可塑性エラストマーとして、フェニル基を含むポリウレタンエラストマーを使用すると、フェニル基が紫外線と反応して、経時により黄変する虞があるからである。尚、表面カバー層2は、透明熱可塑性材料から形成されていればよく、透明熱可塑性樹脂から形成されていてもよい。
第1芯体帆布3は、本実施形態では、経糸と緯糸とをほぼ直角に交差させて織られた平織り布である。また、第1芯体帆布3は、光透過率が90%以上になるように、経糸と緯糸の材質、繊度、密度が決定される。第1芯体帆布3には、例えば、経糸密度63~125本/5cm、緯糸密度70~100本/5cmに織られた平織り布を使用することができる。
第1芯体帆布3の厚さは、例えば、0.15~0.7mmであって、特に0.2から0.5mmが好ましい。第1芯体帆布の厚みは、0.2mmよりも薄いと、物品の搬送に必要な搬送ベルト1の強度や耐久性が確保できず、0.5mmよりも厚いと、光透過性が低下してしまうため、第1芯体帆布の厚みを0.2~0.5mmとして、物品の搬送に必要な搬送ベルト1の強度や耐久性を確保しつつ、高い光透過性を得るためである。
第1芯体帆布3を構成する経糸、緯糸は、共に、繊度(糸の太さ)が、280~560dtexであることが好ましい。ここで、dtex(デシテックス)とは、10,000メートルの糸の質量をグラム単位で表したものである。繊度が280dtex未満の場合、ベルト張力が低くなり、物品搬送に支障がでる虞があり、繊度が560dtexを超えると、光透過率が悪くなるからである。
また、第1芯体帆布3を構成する経糸、緯糸の材質としては、ポリエステル、ビニロン、ポリ乳酸、ポリウレタンなどの合成繊維が用いられるが、光透過性を高くするため、透明、半透明、白色の外観を呈することが好ましい。
具体的には、第1芯体帆布3を構成する経糸として、ポリエステルマルチフィラメント、撚り合せ数1、繊度280から560dtexの繊維を使用することができる。また、第1芯体帆布3の緯糸として、ポリエステルモノフィラメント、繊度280から560dtexの繊維が使用することができる。
更に、第1芯体帆布3を構成する経糸には、白色導電性繊維が撚り込みされた導電性経糸を使用することが好ましい。第1芯体帆布3が白色導電性繊維を含むことにより、搬送ベルト1を帯電しにくくすることができるからである。尚、通常の経糸複数本に1本の割合で、導電性経糸を織り込んだものを、第1芯体帆布3の経糸として使用する。更に、導電性繊維は、白色に限らず、透明であってもよい。第1芯体帆布3を形成する繊維に導電性繊維を含ませることにより、静電気を放電させ、搬送ベルト1の帯電を防止することができるからである。
白色導電性繊維としては、ポリエステル繊維に白色導電セラミックスを練り込んだ、例えば、繊度28dtex、線抵抗108Ω/cm以下の繊維を用いることができる。具体的には、第1芯体帆布3を構成する経糸(ポリエステルマルチフィラメント、撚り合せ数1、繊度280から560dtex)に撚りを掛ける際に、白色導電性繊維を複数本(例えば、2本)一緒に撚り込み、導電性の経糸を作成する。
第1芯体帆布3の接着層4は、表面カバー層2と接合するために、第1芯体帆布3に接着処理がされて、形成される。第1芯体帆布3の接着層4は、表面カバー層2と同様の透明熱可塑性エラストマーを用いて、これを有機溶媒に溶かした接着剤を第1芯体帆布3にコーティングさせて形成される、または、第1芯体帆布3を接着剤に浸漬させて形成される。ここで、接着剤としては、特に、透明無黄変ポリウレタンエラストマーをメチルエチルケトン/シクロヘキサン/テトラヒドロフランの混合溶媒に溶解させたものが用いられる。尚、接着剤としては、透明熱可塑性材料を用いればよく、透明熱可塑性エラストマーの代わりに、透明熱可塑性樹脂を用いてもよい。
中間層5は、上述した表面カバー層2と同じ材質で形成されて、第1芯体帆布3と第2芯体帆布6とを接合する。中間層5の厚さは、例えば0.1から0.5mmである。物品の搬送に必要な搬送ベルト1の強度や耐久性を確保しつつ、高い透過性を損なわないようにするためである。
第2芯体帆布6は、中間層5を介して、第1芯体帆布3と接合される。第2芯体帆布6は、本実施形態では、経糸が2本の緯糸の上を通過した後、1本の緯糸の下を通過することを繰り返して織られた綾織り布である。また、第1芯体帆布3と同様であるが、光透過率が90%以上となるように、経糸と緯糸の材質、繊度、密度が決定される。また、第2芯体帆布6の厚さは、例えば、0.15~0.7mmであって、特に0.2から0.5mmが好ましい。
上記のように、本実施形態では、第1芯体帆布3の織り組織は平織りであり、第2芯体帆布6の織り組織は綾織りである。仮に、搬送ベルト1の、第1芯体帆布3及び第2芯体帆布6に同じ織り組織(例えば平織り)を採用すると、搬送ベルト1の内周側(裏面側)から光を当てた場合、織り組織により規則正しい繰り返し模様を形成する、第1芯体帆布3及び第2芯体帆布6が重ね合わされていることから、それらの周期のずれにより発生する光の干渉縞(モアレ)が視覚的に現れてしまう。そこで、本実施形態のように、第1芯体帆布3の織り組織には平織りを採用し、第2芯体帆布6の織り組織には綾織りを採用することにより、搬送ベルト1の内周側(裏面側)から光を当てた場合に光の干渉縞が発生するのを防止している。
第2芯体帆布6を構成する経糸、緯糸は、共に、繊度(糸の太さ)が、56~560dtexであることが好ましい。具体的には、経糸として、繊度56dtex、密度230本/3cm、緯糸として、繊度110dtex、密度135本/3cmのポリエステル、ビニロン、ポリ乳酸、ポリウレタンなどの合成繊維が用いられる。なお、経糸及び緯糸としては光透過性を高くするため、透明、半透明、白色の外観を呈することが好ましい。尚、第1芯体帆布3に導電性繊維を使用しているため、第2芯体帆布6には、導電性繊維を織り込まなくてもよい。
ここで、第1芯体帆布3に採用する経糸及び緯糸の繊度と、第2芯体帆布6に採用する経糸及び緯糸の繊度とは異なる値になるように形成されることが好ましい。同様に、第1芯体帆布3に採用する経糸及び緯糸の密度と、第2芯体帆布6に採用する経糸及び緯糸の密度とは異なる値になるように形成されることが好ましい。
このように、第1芯体帆布3に使用する織り組織の経糸・緯糸の繊度(太さ)・密度と、第2芯体帆布6に使用する織り組織の経糸・緯糸の繊度・密度とを異ならせて、第1芯体帆布3の光の透過態様と第2芯体帆布6の光の透過態様とに違いを生じさせている。これにより、搬送ベルト1の内周側(裏面)に光源を設置して、物品を目視検査する場合に、光源から出た光が第1芯体帆布3及び第2芯体帆布6を含む搬送ベルト1を透過する際に、光の干渉縞が生じることを防止することができる。
第2芯体帆布6の接着層7は、中間層5と接合するために、第2芯体帆布6に接着処理がされて、形成される。第2芯体帆布6の接着層7は、上述した第1芯体帆布3の接着層4と同じ材料で形成される。尚、第1芯体帆布3の接着層4と同様に、接着剤としては、透明熱可塑性材料を用いればよく、透明熱可塑性エラストマーの代わりに、透明熱可塑性樹脂を用いてもよい。
本実施形態に係る搬送ベルト1は、図2に示すように、両端を接合して、無端状の搬送ベルト1として使用される。図2は、搬送ベルト1の接合部の一例を示している。搬送ベルト1の両端の接合においては、まず、搬送ベルト1のベルト幅方向の両端をジグザグ状に切断し、互いに突き合わせ接合する。次に、上述の表面カバー層2と同様の材質(透明無黄変ポリウレタンエラストマー)のエンドレスシート8により、搬送ベルト1のベルト幅方向の両端部を接合した接合部を覆うように貼り合せる。そして、熱板プレス機を用いて、エンドレスシート8と共に搬送ベルト1の接合部を加圧して、接合する。ここで、エンドレスシート8は、厚さ0.15mm程度のものが好ましい。以上のように構成されることにより、接合部についても高い光透過性を得ることができる。
以上のように、本実施形態に係る搬送ベルト1によれば、90%以上の光透過性を有する、第1芯体帆布3及び第2芯体帆布6を用いて搬送ベルト1を形成しているため、物品の搬送に必要な搬送ベルト1の強度や耐久性を確保しつつ、搬送ベルト1の裏面に光源を設置して、搬送物を目視検査する場合に、優れた視認性を得ることができる。
また、第1芯体帆布3に使用する織り組織と、第2芯体帆布6に使用する織り組織とを異ならせて、第1芯体帆布3の光の透過態様と第2芯体帆布6の光の透過態様に違い(不規則性)を生じさせている。これにより、搬送ベルト1の内周側(裏面)に光源を設置して、物品を目視検査する場合に、優れた視認性を確保しつつ、光源から出た光が第1芯体帆布3及び第2芯体帆布6を含む搬送ベルト1を透過する際に、搬送ベルト1に光の干渉縞が生じることを防止することができる。
また、搬送ベルト1の外周に、透明熱可塑性材料で形成された表面カバー層2が積層されていることから、搬送する物品(食品等)に含まれる粉体や結晶(塩分等)が、第1芯体帆布3や第2芯体帆布6に擦りこまれて搬送ベルト1が収縮する不具合を防止して、搬送ベルト1の耐久性を更に向上させることができる。そして、搬送ベルト1の内周側(裏面)に光源を設置して、物品を目視検査する場合に、光源から出た光が表面カバー層2、第1芯体帆布3及び第2芯体帆布6を含む搬送ベルト1を透過したとしても、搬送ベルト1に光の干渉縞が生じることを防止することができる。
(搬送ベルトの製造方法)
本実施形態に係る搬送ベルトの製造方法について説明する。
透明熱可塑性エラストマーを押出機によってシート状に押出成形した表面カバー層2及び中間層5を形成する。また、第1芯体帆布3(平織り)には、透明熱可塑性エラストマーを用いて、これを有機溶媒に溶かした接着剤をコーティングするか、または、第1芯体帆布3を接着剤に浸漬させて、接着層4を形成する。同様に、第2芯体帆布6(綾織り)にも、透明熱可塑性エラストマーを用いて、これを有機溶媒に溶かした接着剤をコーティングするか、または、第2芯体帆布6を接着剤に浸漬させて、接着層7を形成する。そして、押出直後の高温、半溶融状態の表面カバー層2と、接着層4を形成した第1芯体帆布3と、押出直後の高温、半溶融状態の中間層5と、接着層7を形成した第2芯体帆布6と、積層する。最後に、ロール間で加圧して、表面カバー層2と第1芯体帆布3、そして、第1芯体帆布3と中間層5を、接着層4を介して積層接着すると共に、中間層5と第2芯体帆布6を、接着層7を介して積層接着して、本実施形態に係る搬送ベルト1を得る。
尚、平プレスにより、接着層4を介して表面カバー層2と第1芯体帆布3、そして、第1芯体帆布3と中間層5を、接着層7を介して中間層5と第2芯体帆布6を、ラミネーションして、本実施形態に係る搬送ベルト1を得ても良い。
(その他の実施形態)
上記実施形態に係る搬送ベルト1では、第1芯体帆布3の織り組織を平織り、第2芯体帆布6の織り組織を綾織りにしているが、第1芯体帆布3の織り組織を平織り、第2芯体帆布6の織り組織を朱子織り(経糸・緯糸のどちらかの糸の浮きが非常に少なく、経糸又は緯糸のみが表に表れているように見える織り組織)にしてもよい。また、第1芯体帆布3の織り組織を綾織り、第2芯体帆布6の織り組織を平織りにしてもよい。また、第1芯体帆布3の織り組織を朱子織り、第2芯体帆布6の織り組織を平織りにしてもよい。そして、第1芯体帆布3又は第2芯体帆布6において、平織りを採用する場合、平織りを構成する経糸、緯糸は、繊度(糸の太さ)が、280~560dtexであることが好ましい。また、第1芯体帆布3又は第2芯体帆布6において、綾織りを採用する場合、綾織りを構成する経糸、緯糸は、繊度が、56~560dtexであることが好ましい。また、第1芯体帆布3又は第2芯体帆布6において、朱子織りを採用する場合、朱子織りを構成する経糸、緯糸は、繊度が、56~560dtexであることが好ましい。更に、第1芯体帆布3に採用する織り組織の経糸及び緯糸の繊度と、第2芯体帆布6に採用する織り組織の経糸及び緯糸の繊度とは、異なる値であることが好ましい。
上記実施形態では、表面カバー層2を含む搬送ベルト1について説明したが、表面カバー層2は必須の構成ではなく、搬送ベルト1の構成から表面カバー層2を省いた構成の搬送ベルト11であってもよい。この場合、搬送ベルト11は、搬送ベルト11の外周側から内周側へ順番に、第1芯体帆布3と、中間層5と、第2芯体帆布6とが積層された構造として形成される。
表1に示す構成の5種類の芯体帆布A~Eを用意し、表2~表4に示すように、搬送ベルトの第1芯体帆布及び第2芯体帆布に、芯体帆布A~Eの何れかを採用して、比較例1~5及び実施例1~12に係る搬送ベルトを作製した。
比較例1は、第1芯体帆布と第2芯体帆布とに、繊度、及び密度が同じ平織りの芯体帆布Aを使用した搬送ベルトである。比較例2は、第1芯体帆布と第2芯体帆布とに、繊度、及び密度が同じ平織りの芯体帆布Bを使用した搬送ベルトである。比較例3は、第1芯体帆布に芯体帆布Aを使用し、第2芯体帆布に芯体帆布Cを使用して、第1芯体帆布と第2芯体帆布とに繊度及び密度が異なる平織りの芯体帆布を使用した搬送ベルトである。比較例4は、第1芯体帆布に芯体帆布Aを使用し、第2芯体帆布に芯体帆布Bを使用して、第1芯体帆布と第2芯体帆布とに繊度及び密度が異なる平織りの芯体帆布を使用した搬送ベルトである。比較例5は、第1芯体帆布に芯体帆布Bを使用し、第2芯体帆布に芯体帆布Cを使用して、第1芯体帆布と第2芯体帆布とに繊度及び密度が異なる平織りの芯体帆布を使用した搬送ベルトである。
一方、実施例1は、第1芯体帆布に芯体帆布A(平織り)を使用し、第2芯体帆布に芯体帆布D(綾織り:1/3破れ斜文織り)を使用して、第1芯体帆布と第2芯体帆布とに織り組織が異なる芯体帆布を使用した搬送ベルトである。実施例2は、第1芯体帆布に芯体帆布A(平織り)を使用し、第2芯体帆布に芯体帆布E(綾織り:2/2綾織り)を使用して、第1芯体帆布と第2芯体帆布とに織り組織が異なる芯体帆布を使用した搬送ベルトである。実施例3は、第1芯体帆布に芯体帆布B(平織り)を使用し、第2芯体帆布に芯体帆布E(綾織り:2/2綾織り)を使用して、第1芯体帆布と第2芯体帆布とに織り組織が異なる芯体帆布を使用した搬送ベルトである。実施例4は、第1芯体帆布に芯体帆布B(平織り)を使用し、第2芯体帆布に芯体帆布D(綾織り:1/3破れ斜文織り)を使用して、第1芯体帆布と第2芯体帆布とに織り組織が異なる芯体帆布を使用した搬送ベルトである。
また、実施例5は、第1芯体帆布に芯体帆布D(綾織り:1/3破れ斜文織り)を使用し、第2芯体帆布に芯体帆布A(平織り)を使用して、第1芯体帆布と第2芯体帆布とに織り組織が異なる芯体帆布を使用した搬送ベルトである。実施例6は、第1芯体帆布に芯体帆布E(綾織り:2/2綾織り)を使用し、第2芯体帆布に芯体帆布A(平織り)を使用して、第1芯体帆布と第2芯体帆布とに織り組織が異なる芯体帆布を使用した搬送ベルトである。実施例7は、第1芯体帆布に芯体帆布E(綾織り:2/2綾織り)を使用し、第2芯体帆布に芯体帆布B(平織り)を使用して、第1芯体帆布と第2芯体帆布とに織り組織が異なる芯体帆布を使用した搬送ベルトである。実施例8は、第1芯体帆布に芯体帆布D(綾織り:1/3破れ斜文織り)を使用し、第2芯体帆布に芯体帆布B(平織り)を使用して、第1芯体帆布と第2芯体帆布とに織り組織が異なる芯体帆布を使用した搬送ベルトである。
また、実施例9~12は、実施例5~8の各搬送ベルトの構成から、表面カバー層を省いた構成の搬送ベルトである(表4参照)。
そして、比較例1~5及び実施例1~12の各搬送ベルトについて、搬送ベルトの裏面に光源(例えば、LEDライトボード)を配置し、配置した光源から光を照射し、搬送ベルトの表面に干渉縞が生じるか否かを観察した。観察した結果、搬送ベルトの表面に、干渉縞が生じた場合、「×」と評価し、干渉縞が生じなかった場合、「〇」と評価した。その評価結果を、表2~表4に記載した。なお、比較例1の干渉縞が生じた搬送ベルトの表面の態様を図3の写真1に記載した。また、比較例4の干渉縞が生じた搬送ベルトの表面の態様を図5の写真3に記載した。また、実施例1の干渉縞が生じなかった搬送ベルトの表面の態様を図4の写真2に記載した。また、実施例4の干渉縞が生じなかった搬送ベルトの表面の態様を図6の写真4に記載した。
上記評価結果から、第1芯体帆布の織り組織に平織りを採用し、第2芯体帆布の織り組織に綾織りを採用した実施例1~4の搬送ベルトでは、搬送ベルトの裏面から光を当てた場合に光の干渉縞が発生するのを防止していることがわかった。
同様に、第1芯体帆布の織り組織に綾織りを採用し、第2芯体帆布の織り組織に平織りを採用した実施例5~8の搬送ベルトでも、搬送ベルトの裏面から光を当てた場合に光の干渉縞が発生するのを防止していることがわかった。
更に、第1芯体帆布の織り組織に綾織りを採用し、第2芯体帆布の織り組織に平織りを採用した実施例5~8の搬送ベルトの構成から、表面カバー層を省いた、実施例9~12の搬送ベルトでも、搬送ベルトの裏面から光を当てた場合に光の干渉縞が発生するのを防止していることがわかった。
以上、本発明の実施形態について図面に基づいて説明したが、具体的な構成は、これらの実施形態及び実施例に限定されるものでないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上記した実施形態及び実施例の説明だけではなく特許請求の範囲によって示され、さらに特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれる。
1 搬送ベルト
2 表面カバー層
3 第1芯体帆布
4 接着層
5 中間層
6 第2芯体帆布
7 接着層

Claims (4)

  1. 透明熱可塑性材料からなる接着剤を含浸した、90%以上の光透過性を有する第1芯体帆布と、
    透明熱可塑性材料で形成された中間層と、
    透明熱可塑性材料からなる接着剤を含浸した、90%以上の光透過性を有する第2芯体帆布とを積層し、
    前記第1芯体帆布、及び、第2芯体帆布は、一方の織り組織が平織りであり、他方の織り組織が綾織り、又は、朱子織りであることを特徴とする搬送ベルト。
  2. 前記平織りの経糸及び緯糸の繊度は、280~560dtexの範囲であり、
    前記綾織りの経糸及び緯糸の繊度、又は、前記朱子織りの経糸及び緯糸の繊度は、56~560dtexの範囲であることを特徴とする、請求項1に記載の搬送ベルト。
  3. 前記平織りの経糸及び緯糸の繊度と、前記綾織りの経糸及び緯糸の繊度、又は、前記朱子織りの経糸及び緯糸の繊度とは、異なる値であることを特徴とする、請求項1又は2に記載の搬送ベルト。
  4. 当該搬送ベルトの外周に、透明熱可塑性材料で形成されたカバー層が積層されていることを特徴とする、請求項1~3の何れかに記載の搬送ベルト。
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