JP6770901B2 - 搬送ベルトおよび搬送ベルトの製造方法 - Google Patents
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搬送ベルトの芯体帆布のベルト幅方向の長さは、搬送ベルトのベルト幅と同じである。つまり、搬送ベルトの端面には、芯体帆布の端が露出する。しかし、搬送ベルトの芯体帆布は、ベルト幅方向の両端部に、複数の緯糸のベルト幅方向の端部で構成されて、経糸を含まない緯糸単独部を有する。そのため、搬送ベルトの端面に経糸が露出することがない。よって、ベルト走行時に、搬送ベルトの端面がコンベア装置のフレーム等と接触しても、経糸のほつれや毛羽立ちを防止できる。
また、搬送ベルトのベルト幅方向両端部に緯糸単独部を設けることによって、搬送ベルトのベルト幅方向両端部が弾性体層だけで構成されている場合に比べて、搬送ベルトのベルト幅方向両端部の剛性を高めることができる。そのため、ベルト走行時に蛇行や片寄り等があっても、搬送ベルトのベルト幅方向端部に亀裂が生じにくい。また、たとえ搬送ベルトのベルト幅方向端部において弾性体層に亀裂が生じても、緯糸があることで断裂には至らない。
このように、本発明の搬送ベルトは、ベルト幅方向両端部の破損を抑制しつつ、経糸のほつれと毛羽立ちを防止できる。
また、端部カバー層のベルト幅方向の長さは、緯糸単独部の前記ベルト幅方向の長さよりも長いため、端部カバー層は、緯糸単独部だけでなく、経糸と緯糸で構成された部分も覆う。そのため、経糸のずれを防止できる。さらに、緯糸単独部のみを覆うよりも、搬送ベルトのベルト幅方向の端部の強度を向上できると共に、搬送ベルト全体の強度を向上できる。
通常、搬送ベルトの端が5mm以上摩耗した状態で使用されることはない。そのため、緯糸単独部のベルト幅方向の長さが5mmを超えても、経糸の露出を防止する効果に違いはない。また、緯糸単独部を長くするほど、経糸が少なくなるので、搬送ベルトのベルト長手方向の引張強度が低下する。そのため、緯糸単独部のベルト幅方向の長さが、5mm以下であることにより、搬送ベルトのベルト長手方向の引張強度が無駄に低下するのを抑制できる。
搬送ベルトの芯体帆布は、ベルト幅方向の両端部に、複数の緯糸の一部で構成されて、経糸を含まない緯糸単独部を有する。緯糸単独部は、ベルト幅方向の両端面に露出する。そのため、搬送ベルトの端面に経糸が露出することがない。よって、ベルト走行時に、搬送ベルトの端面がコンベア装置のフレーム等と接触しても、経糸のほつれや毛羽立ちを防止できる。
また、搬送ベルトのベルト幅方向両端部に緯糸単独部を設けることによって、搬送ベルトのベルト幅方向両端部が弾性体層だけで構成されている場合に比べて、搬送ベルトのベルト幅方向両端部の剛性を高めることができる。そのため、ベルト走行時に蛇行や片寄り等があっても、搬送ベルトのベルト幅方向端部に亀裂が生じにくい。また、たとえ搬送ベルトのベルト幅方向端部において弾性体層に亀裂が生じても、緯糸があることで断裂には至らない。
このように、本発明の搬送ベルトの製造方法によって製造された搬送ベルトは、ベルト幅方向両端部の破損を抑制しつつ、経糸のほつれと毛羽立ちを防止できる。
この製造方法では、第1工程において、芯体帆布から、2つ以上の搬送ベルトのベルト幅方向両端部に対応する部分の経糸を除去して、3つ以上の緯糸単独部を形成する。3つ以上の緯糸単独部のうち、両端の緯糸単独部は、芯体帆布の端に形成される場合がある。一方、3つ以上の緯糸単独部のうち、両端以外の緯糸単独部は、芯体帆布の端から離れた位置に形成される。そのため、この緯糸単独部は、複数の緯糸を平行に揃えた状態を確保しやすい。したがって、芯体帆布の両端に緯糸単独部を形成して、1つのベルト成形体から1つの搬送ベルトを製造する場合に比べて、高品質の搬送ベルトをより容易に製造できる。
通常、搬送ベルトの端が5mm以上摩耗した状態で使用されることはない。そのため、搬送ベルトの緯糸単独部のベルト幅方向の長さが5mmを超えても、経糸の露出を防止する効果に違いはない。また、緯糸単独部を長くするほど、経糸が少なくなるので、搬送ベルトのベルト長手方向の引張強度が低下する。そのため、搬送ベルトの緯糸単独部のベルト幅方向の長さが、5mm以下であることにより、搬送ベルトのベルト長手方向の引張強度が無駄に低下するのを抑制できる。
以下、本発明の第1の実施の形態について説明する。
本実施形態に係る搬送ベルト1は、無端状の平ベルトであって、例えば図1のようなコンベア装置10に用いられる。コンベア装置10は、食品や電子部品などの物品を搬送する。コンベア装置10は、駆動プーリ11と、複数の従動プーリ12と、複数の支持ローラ14とを有する。搬送ベルト1は、駆動プーリ11および複数の従動プーリ12に巻き掛けられる。複数の支持ローラ14は、搬送ベルト1の物品を搬送する部分を支持する。なお、本発明の搬送ベルトが使用されるコンベア装置の構成は、図1に示すコンベア装置10の構成に限定されない。
なお、図2および図3では、複数の経糸2aは等間隔に配置されており、経糸2aのピッチPは一定であるが、例えば、繊度の異なる複数種類の経糸2aを使う場合などには、経糸2aのピッチPが複数種類あってもよい。経糸2aのピッチPが複数種類ある場合、長さLはピッチPの最大値よりも大きい。
なお、接着層3は、熱可塑性エラストマーの代わりに、熱可塑性樹脂が用いられていてもよい。
まず、芯体帆布2として、搬送ベルト1のベルト幅よりも若干大きい幅を有する矩形状の織布を用意する。そして、この織布の幅方向両端部の長さLよりも若干長い範囲の経糸2aを除去して、2つの緯糸単独部2cを形成する。言い換えると、ベルト幅方向の両端部に対応する部分の経糸2aを除去して、2つの緯糸単独部2cを形成する。なお、経糸除去工程は、本発明の搬送ベルトの製造方法における第1工程に相当する。
次に、熱可塑性エラストマーを有機溶剤に溶解させた接着剤を、芯体帆布2に塗布するか、もしくは、上記接着剤に、芯体帆布2を浸漬させる。接着剤を芯体帆布2に塗布する場合、芯体帆布2の一方の面に糊引き処理によって塗布する。それにより、接着剤は芯体帆布2の他方の面まではみ出して他方の面を覆う。その後、有機溶剤の蒸発により熱可塑性エラストマーが硬化することで、芯体帆布2の両面を覆うように接着層3、3が形成される。
次に、熱可塑性エラストマーを押出機によってシート状に押出成形してカバー層4を形成する。同様にカバー層5を形成する。
押出し直後の高温、半溶融状態のカバー層4、5を、接着層3、3で両面が覆われた芯体帆布2と積層する。そして、2本の回転ロール間で加圧して、カバー層4、5と芯体帆布2とを接着層3、3によって接着する。これにより、芯体帆布2、カバー層4、5および接着層3、3がベルト厚み方向に積層された矩形状のベルト成形体7(図4参照)が形成される。なお、接着層形成工程と積層接着工程は、本発明の搬送ベルトの製造方法における第2工程に相当する。
次に、形成された矩形状のベルト成形体7の両端部を切断する。このとき、搬送ベルト1のベルト幅の間隔を空けてベルト長手方向に沿って切断する。この切断工程により、ベルト成形体7のベルト幅方向の両端には、緯糸2b(緯糸単独部2c)が露出する。
また、図4に示すように、ベルト成形体7のベルト長手方向の両端部をジグザグ状に切断する。続いて、ベルト成形体7のベルト長手方向の両端部を突き合わせて、その両面に、カバー層4、5と同様の材料で形成された2枚の補強部材8、9を配置する。そして、突き合わせた両端部を補強部材と共に加熱加圧して、両端同士を接合する。以上の工程によって、ベルト幅方向の両端面に緯糸単独部2cが露出した搬送ベルト1が製造される。なお、切断工程および接合工程は、本発明の搬送ベルトの製造方法における第3工程に相当する。
まず、芯体帆布2として、搬送ベルト1のベルト幅の2倍以上の幅を有する矩形状の織布(芯体帆布)102を用意する。織布(芯体帆布)102の幅は、例えば、ベルト幅の20〜30倍であってもよい。そして、図5に示すように、この織布(芯体帆布)102のベルト幅方向の両端部に対応する部分の経糸2aを除去して、3つ以上の緯糸単独部2c、2dを形成する。3つ以上の緯糸単独部2c、2dのうち、両端以外の緯糸単独部2dのベルト幅方向の長さは、搬送ベルト1の緯糸単独部2cのベルト幅方向の長さLの2倍とする。緯糸単独部2dのベルト幅方向の長さは、2mm以上10mm以下が好ましい。また、3つ以上の緯糸単独部2c、2dのうち、両端の緯糸単独部2cは、織布(芯体帆布)102の端に形成してもよいが、織布(芯体帆布)102の端から離した位置に形成してもよい。織布(芯体帆布)2の端から離した位置に緯糸単独部2cを形成することにより、緯糸単独部2cの複数の緯糸2bを平行に揃えたまま、次の工程を行うことができる。なお、経糸除去工程は、本発明の搬送ベルトの製造方法における第1工程に相当する。
次に、熱可塑性エラストマーを有機溶剤に溶解させた接着剤を、織布(芯体帆布)102に塗布するか、もしくは、上記接着剤に、織布(芯体帆布)102を浸漬させる。その後、有機溶剤の蒸発により熱可塑性エラストマーが硬化することで、織布(芯体帆布)102の両面を覆うように接着層3、3が形成される。
次に、熱可塑性エラストマーを押出機によってシート状に押出成形してカバー層4を形成する。同様にカバー層5を形成する。
押出し直後の高温、半溶融状態のカバー層4、5を、接着層3、3で両面が覆われた織布(芯体帆布)102と積層する。そして、2本の回転ロール間で加圧して、カバー層4、5と織布(芯体帆布)102とを接着層3、3によって接着する。これにより、図6(a)に示すように、織布(芯体帆布)102、カバー層4、5および接着層3、3がベルト厚み方向に積層された矩形状のベルト成形体107が形成される。なお、図6では、接着層3の表示を省略している。接着層形成工程と積層接着工程は、本発明の搬送ベルトの製造方法における第2工程に相当する。
次に、図6(a)および図6(b)に示すように、ベルト成形体107を、搬送ベルト1のベルト幅の間隔を空けてベルト長手方向に沿って切断して、複数のベルト成形体107aを形成する。図6(a)には切断位置を破線で示した。このとき、ベルト成形体107を、緯糸単独部2dの中間の位置で切断する。織布(芯体帆布)102は、複数の芯体帆布2に分断されて、緯糸単独部2dは、2つの緯糸単独部2cに分断される。さらに、3つ以上の緯糸単独部2c、2dのうち、両端の緯糸単独部2cの位置でも、第1の例と同様に切断する。ベルト成形体107aのベルト幅方向の両端には、緯糸2b(緯糸単独部2c)が露出する。
その後、上述した第1の例の接合工程と同じ手順で、ベルト成形体107aのベルト長手方向の両端を接合する。以上の工程によって、ベルト幅方向の両端面に緯糸単独部2cが露出した搬送ベルト1が製造される。なお、切断工程および接合工程は、本発明の搬送ベルトの製造方法における第3工程に相当する。
搬送ベルト1の芯体帆布2のベルト幅方向の長さは、搬送ベルト1のベルト幅と同じである。つまり、搬送ベルト1の端面1aには、芯体帆布2の端が露出する。しかし、搬送ベルト1の芯体帆布2は、ベルト幅方向の両端部に、複数の緯糸2bのベルト幅方向の端部で構成されて、経糸2aを含まない緯糸単独部2cを有する。そのため、搬送ベルト1の端面1aに経糸2aが露出することがない。よって、ベルト走行時に、搬送ベルト1の端面1aがコンベア装置10の図示しないカバーやフレーム等と接触しても、経糸2aのほつれや毛羽立ちを防止できる。
また、搬送ベルト1のベルト幅方向両端部に緯糸単独部2cを設けることによって、搬送ベルト1のベルト幅方向両端部がカバー層4、5だけで構成されている場合に比べて、搬送ベルト1のベルト幅方向両端部の剛性を高めることができる。そのため、ベルト走行時に蛇行や片寄り等があっても、搬送ベルト1のベルト幅方向端部に亀裂が生じにくい。また、たとえ搬送ベルト1のベルト幅方向端部においてカバー層4、5に亀裂が生じても、緯糸2bがあることで断裂には至らない。
このように、搬送ベルト1は、ベルト幅方向両端部の破損を抑制しつつ、経糸2aのほつれと毛羽立ちを防止できる。
緯糸単独部2cのベルト幅方向の長さが、1mm以上であることにより、ベルト走行時に、搬送ベルト1のベルト幅方向の端面1aにコンベア装置10のフレーム等が接触してカバー層4、5が摩耗しても、搬送ベルト1の端面1aに経糸2aが露出するのを防止できる。よって、搬送ベルト1を長期間使用しても、経糸2aのほつれや毛羽立ちを防止できる。
通常、搬送ベルトの端が5mm以上摩耗した状態で使用されることはない。そのため、緯糸単独部2cのベルト幅方向の長さが5mmを超えても、経糸2aの露出を防止する効果に違いはない。また、緯糸単独部2cを長くするほど、経糸2aが少なくなるので、搬送ベルト1のベルト長手方向の引張強度が低下する。そのため、緯糸単独部2cのベルト幅方向の長さが5mm以下であることにより、搬送ベルト1のベルト長手方向の引張強度が無駄に低下するのを抑制できる。
この製造方法では、経糸除去工程において、芯体帆布2から、2つ以上の搬送ベルト1のベルト幅方向両端部に対応する部分の経糸2aを除去して、3つ以上の緯糸単独部2c、2dを形成する。3つ以上の緯糸単独部2c、2dのうち、両端の緯糸単独部2cは、芯体帆布2の端に形成される場合がある。一方、3つ以上の緯糸単独部2c、2dのうち、両端以外の緯糸単独部2dは、芯体帆布2の端から離れた位置に形成される。そのため、この緯糸単独部2dは、複数の緯糸2bを平行に揃えた状態を確保しやすい。したがって、芯体帆布2の両端に緯糸単独部2cを形成して、1つのベルト成形体7から1つの搬送ベルト1を製造する第1の例に比べて、高品質の搬送ベルト1をより容易に製造できる。
次に、本発明の第2の実施の形態について説明する。但し、上記第1実施形態と同様の構成を有するものについては、同じ符号を用いて適宜その説明を省略する。本実施形態の搬送ベルト201の用途は、第1実施形態の搬送ベルト1と同じである。
押出機から押し出された直後の高温、半溶融状態の熱可塑性エラストマーのシートを、所定の寸法に切断して、端部カバー層204a、204a、205a、205aを形成する。そして、接着層3、3で両面が覆われた芯体帆布2のベルト幅方向の両端部に、端部カバー層204a、204a、205a、205aを積層する。そして、熱板プレスにより、芯体帆布2の両端部を端部カバー層204a、204a、205a、205aと共に加熱加圧して、端部カバー層204a、204a、205a、205aと芯体帆布2とを接着層3、3によって接着する。これにより、矩形状のベルト成形体が形成される。なお、この接着工程においては、熱板プレスによる接合以外に、高周波溶着による接合を用いてもよい。
ベルト成形体のベルト長手方向の両端部の一部(カバー層204、205を含む部分)を重ね合わせる。重ね合わせた両端部を熱板プレスにより加熱加圧して、両端部同士を接合する。
例えば図8(a)および図9(a)に示すように、1つの芯体帆布2と、1つのカバー層5、205とを有する搬送ベルト301、601であってもよい。
例えば図8(b)および図9(b)に示すように、2つの芯体帆布2と、2つの芯体帆布2の間に配置された中間層6と、カバー層5、205とを有する搬送ベルト401、701であってもよい。
また、例えば図8(c)および図9(c)に示すように、2つの芯体帆布2と、2つの芯体帆布2の間に配置された中間層6と、2つのカバー層4、5、204、205とを有する搬送ベルト501、801であってもよい。
図8(b)、図8(c)、図9(b)および図9(c)に示す中間層6は、本発明における弾性体層に相当する。中間層6の材質、硬度、寸法および製法は、上記第1実施形態のカバー層4、5と同様である。なお、図8(b)に示す搬送ベルト401を製造する際には、押出し直後の高温、半溶融状態のカバー層5と中間層6を、接着層3、3で両面が覆われた2つの芯体帆布2と積層し、2本の回転ロール間で加圧して接着する。その他の工程は、上記第1実施形態と同様である。また、図8(c)に示す搬送ベルト501を製造する際には、押出し直後の高温、半溶融状態のカバー層4、5と中間層6を、接着層3、3で両面が覆われた2つの芯体帆布2と積層し、2本の回転ロール間で加圧して接着する。その他の工程は、上記第1実施形態と同様である。
実施例1として、図2および図3に示す上記第1実施形態の搬送ベルト1と同様の構成の搬送ベルトを、上述した第1の例の製造方法により作成した。実施例1の搬送ベルトのカバー層(4、5)は、ポリエーテル系ポリウレタンエラストマーで形成し、厚み0.3mm、JIS−A硬度90度とした。実施例1の搬送ベルトの芯体帆布(2)の経糸(2a)には、糸番手#20のポリエステルスパン糸を使用し、緯糸(2b)には、繊度1100dtexのポリエステルモノフィラメント糸を使用した。芯体帆布(2)の緯糸単独部(2c)を除く部分の経糸(2a)の密度は、140本/5cmとし、緯糸(2b)の密度は、56本/5cmとした。実施例1の搬送ベルトの接着層(3)は、ポリエーテル系ポリウレタンエラストマーを、メチルエチルケトン/シクロヘキサン/テトラヒドロフランの混合溶液に溶解させた接着剤に、芯体帆布(2)を浸漬させて形成した。実施例1の搬送ベルトの緯糸単独部(2c)の長さは、5mmとした。実施例1の搬送ベルトのベルト幅は100mmとし、ベルト周長は1500mmとした。
実施例1の搬送ベルトの耐久走行試験を行った。この試験で使用した5軸走行試験機は、図1に示すコンベア装置10から複数の支持ローラ14を除去した構成とほぼ同じであった。5軸走行試験機の駆動プーリ(11)および複数の従動プーリ(12)としては、直径20mmのものを用いた。5軸走行試験機にベルト張力が4N/mmになるように搬送ベルトを巻き掛けて、ベルトの屈曲回数が600万回になるまで走行させた。走行時間は200時間であった。
実施例2として、ベルト周長が実施例1と異なり、その他の構成が実施例1と同じ搬送ベルトを、上述した第1の例の製造方法により作成した。実施例2の搬送ベルトのベルト周長は、1800mmとした。
比較例として、ベルト幅方向の両端部が熱可塑性材料だけで形成される搬送ベルトを作成した。具体的には、芯体帆布として、ベルト幅よりも短い幅の織布を用いた。そして、上記第1実施形態の搬送ベルト1の製造工程のうち経糸除去工程を省いて、それ以外は実施例2の搬送ベルトと同じ手順で搬送ベルトを作成した。比較例の搬送ベルトのベルト幅方向の端から芯体帆布の端までの長さは、5mmとした。
実施例2の搬送ベルトと比較例の搬送ベルトのベルト幅方向の端部の剛性を比較する試験を行った。この試験は、図11(a)に示す2軸走行試験機20を用いて行った。2軸走行試験機20は、駆動プーリ21と、従動プーリであるフランジ付プーリ22とを有する。駆動プーリ21としては、直径が50mmのものを用いた。フランジ付プーリ22は、プーリ本体22aと、プーリ本体22aの両側に設けられたフランジ22bとを有する。フランジ付プーリ22としては、プーリ本体22aの直径が50mmで、フランジ22bのフランジ高さH(プーリ本体22aの外周面からフランジ22bの外周面までの径方向長さ)が5mmのものを用いた。
2、102、902、1002 芯体帆布
2a 経糸
2b 緯糸
2c、2d 緯糸単独部
3 接着層
4、5、204、205 カバー層(弾性体層)
6 中間層(弾性体層)
7、107、107a ベルト成形体
204a、205b 端部カバー層
Claims (7)
- ベルト長手方向に延びる複数の経糸、および、ベルト幅方向に延びる複数の緯糸を有する少なくとも1つの芯体帆布と、
弾性材料で形成された少なくとも1つの弾性体層と、
それぞれが前記芯体帆布の片面全体を覆っており、前記弾性体層と前記芯体帆布とを接着する少なくとも1つの接着層とを備える搬送ベルトであって、
前記芯体帆布の前記ベルト幅方向の長さが、前記搬送ベルトのベルト幅と同じであり、
前記芯体帆布は、前記ベルト幅方向の両端部に、前記複数の緯糸の前記ベルト幅方向の端部で構成されて、前記経糸を含まない緯糸単独部を有し、
前記少なくとも1つの弾性体層のうち前記搬送ベルトの外面を構成する1つまたは2つの前記弾性体層は、当該搬送ベルトの前記ベルト幅方向の両端部に配置された2つの端部カバー層で構成され、
前記端部カバー層の前記ベルト幅方向の長さが、前記緯糸単独部の前記ベルト幅方向の長さよりも長いことを特徴とする、搬送ベルト。 - 前記少なくとも1つの弾性体層のうち前記2つの端部カバー層で構成されない弾性体層は、前記ベルト幅方向の長さが、前記搬送ベルトのベルト幅と同じであることを特徴とする請求項1に記載の搬送ベルト。
- 前記緯糸単独部の前記ベルト幅方向の長さが、1mm以上5mm以下であることを特徴とする請求項1又は2に記載の搬送ベルト。
- 前記弾性体層および前記接着層は、熱可塑性エラストマーで形成されていることを特徴とする請求項1〜3の何れかに記載の搬送ベルト。
- 複数の経糸と複数の緯糸とが直交するように織られた芯体帆布から、ベルト幅方向の両端部に対応する部分のベルト長手方向に延びる前記経糸を除去することにより、前記複数の緯糸の一部で構成されて前記経糸を含まない複数の緯糸単独部を形成する第1工程と、
前記第1工程により前記芯体帆布の前記複数の緯糸単独部と、ベルト幅方向の長さが、前記緯糸単独部の前記ベルト幅方向の長さよりも長い、弾性材料で形成された複数の端部カバー層とを、接着層を介して接着して、前記緯糸単独部と前記端部カバー層と前記接着層とがベルト厚み方向に積層された部分を有するベルト成形体を形成する第2工程と、
前記第2工程で作成された前記ベルト成形体を、所定のベルト幅の間隔を空けて前記ベルト長手方向に沿って切断して、前記ベルト幅方向の両端部に前記端部カバー層が配置され、前記ベルト幅方向の両端面に前記緯糸単独部と前記端部カバー層が露出した搬送ベルトを作成する第3工程と、を有することを特徴とする搬送ベルトの製造方法。 - 前記第1工程において、前記ベルト幅の2倍以上の前記ベルト幅方向の長さを有する前記芯体帆布に、3つ以上の緯糸単独部を形成し、
前記第3工程において、前記ベルト成形体を切断して、2つ以上の前記搬送ベルトを作成することを特徴とする請求項5に記載の搬送ベルトの製造方法。 - 前記第1工程において、前記3つ以上の緯糸単独部のうち、両端以外の前記緯糸単独部の前記ベルト幅方向の長さが、2mm以上10mm以下であって、
前記第3工程により形成される前記搬送ベルトの前記緯糸単独部の前記ベルト幅方向の長さが、1mm以上5mm以下であることを特徴とする請求項6に記載の搬送ベルトの製造方法。
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