JP6770901B2 - 搬送ベルトおよび搬送ベルトの製造方法 - Google Patents

搬送ベルトおよび搬送ベルトの製造方法 Download PDF

Info

Publication number
JP6770901B2
JP6770901B2 JP2017003859A JP2017003859A JP6770901B2 JP 6770901 B2 JP6770901 B2 JP 6770901B2 JP 2017003859 A JP2017003859 A JP 2017003859A JP 2017003859 A JP2017003859 A JP 2017003859A JP 6770901 B2 JP6770901 B2 JP 6770901B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
belt
width direction
weft
transport
belt width
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2017003859A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2017193441A (ja
Inventor
邦王 森本
邦王 森本
健二 山下
健二 山下
高広 佐々木
高広 佐々木
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Mitsuboshi Belting Ltd
Original Assignee
Mitsuboshi Belting Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Mitsuboshi Belting Ltd filed Critical Mitsuboshi Belting Ltd
Publication of JP2017193441A publication Critical patent/JP2017193441A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6770901B2 publication Critical patent/JP6770901B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Belt Conveyors (AREA)

Description

本発明は、物品を搬送する搬送ベルトおよびその製造方法に関する。
食品や電子部品などの物品を搬送する際に、無端状の搬送ベルトが使用されている。搬送ベルトは、芯体となる帆布と、熱可塑性エラストマー等からなる弾性体層と、帆布と弾性体層との接着性を高めるために芯体帆布に接着処理を施すことで形成された接着層とを有する。芯体帆布は、ベルト長手方向(周長方向)に延びる経糸と、ベルト幅方向に延びる緯糸で織られた平織り等の織布である。通常、このような搬送ベルトを製造する際には、幅広のベルト成形体を形成してから、このベルト成形体を所定のべルト幅に切断して、1つのベルト成形体から複数本の搬送ベルトを製造する。このようにして製造された搬送ベルトの端面には、芯体帆布の端が露出する。よって、搬送ベルトの端面には、芯体帆布の経糸が周方向に沿って露出する。
ベルト走行時の蛇行や片寄り等によって、搬送ベルトの端面がコンベア装置のフレームやカバー等と接触すると、搬送ベルトの端面に露出した経糸がほつれて端面から飛び出す、いわゆるポップアウトが生じたり、搬送ベルトの端面に露出する経糸が摩耗によって毛羽立ちした状態になることがある。経糸がほつれて飛び出していたり、毛羽立ちしていると、搬送物に経糸が付着したり混入する恐れがある。特に、搬送物が食品である場合は、食品衛生や品質管理の面で重大な問題となる。なお、搬送ベルトの端面には緯糸も露出しているが、緯糸は端しか露出しないので、緯糸が摩耗によって毛羽立ちしても問題とならない。
これに対して、特許文献1では、経糸として、長繊維を使う代わりに、短繊維を撚り合せた紡績糸(スパン糸)を使用している。これにより、搬送ベルトの端面に露出した経糸のほつれを抑制している。しかし、特許文献1の搬送ベルトは、経糸の毛羽立ちが生じやすい。
また、搬送ベルトのベルト幅方向端部に、熱可塑性材料だけで形成された部分を設けた搬送ベルトが提案されている(例えば特許文献2参照)。この搬送ベルトの端面には、芯体帆布が露出しないので、経糸のほつれと毛羽立ちを防止できる。例えば特許文献2では、端面に芯体帆布の端が露出した従来の搬送ベルトのベルト幅方向両端部を加熱加圧して、熱可塑性材料からなる弾性体層を溶融させて芯体帆布のベルト幅方向の外側まで移動させることで、搬送ベルトのベルト幅方向端部に、熱可塑性材料だけで形成された部分を設けている。
特開平11−130222号公報 特表2011−507724号公報
しかしながら、搬送ベルトのベルト幅方向の両端部が、熱可塑性材料だけで形成される場合、ベルト幅方向の両端部の剛性が低い。そのため、ベルト走行時の蛇行や片寄り等によって、搬送ベルトのベルト幅方向端部に亀裂や断裂などの破損が生じやすい。
そこで、本発明は、ベルト幅方向両端部の破損を抑制しつつ、経糸のほつれと毛羽立ちを防止できる搬送ベルトおよびその製造方法を提供することを目的とする。
本発明の搬送ベルトは、ベルト長手方向に延びる複数の経糸、および、ベルト幅方向に延びる複数の緯糸を有する少なくとも1つの芯体帆布と、弾性材料で形成された少なくとも1つの弾性体層と、それぞれが前記芯体帆布の片面全体を覆っており、前記弾性体層と前記芯体帆布とを接着する少なくとも1つの接着層とを備える搬送ベルトであって、前記芯体帆布の前記ベルト幅方向の長さが、前記搬送ベルトのベルト幅と同じであり、前記芯体帆布は、前記ベルト幅方向の両端部に、前記複数の緯糸の前記ベルト幅方向の端部で構成されて、前記経糸を含まない緯糸単独部を有することを特徴とする(第1の発明)。
この構成によると、搬送ベルトは、芯体帆布と、弾性材料で形成された弾性体層と、弾性体層と芯体帆布とを接着する接着層とを備える。芯体帆布は、ベルト長手方向に延びる複数の経糸およびベルト幅方向に延びる複数の緯糸を有する。芯体帆布は、搬送ベルトに与えられるベルト長手方向(周長方向)の引張力を主に受け持つ。
搬送ベルトの芯体帆布のベルト幅方向の長さは、搬送ベルトのベルト幅と同じである。つまり、搬送ベルトの端面には、芯体帆布の端が露出する。しかし、搬送ベルトの芯体帆布は、ベルト幅方向の両端部に、複数の緯糸のベルト幅方向の端部で構成されて、経糸を含まない緯糸単独部を有する。そのため、搬送ベルトの端面に経糸が露出することがない。よって、ベルト走行時に、搬送ベルトの端面がコンベア装置のフレーム等と接触しても、経糸のほつれや毛羽立ちを防止できる。
また、搬送ベルトのベルト幅方向両端部に緯糸単独部を設けることによって、搬送ベルトのベルト幅方向両端部が弾性体層だけで構成されている場合に比べて、搬送ベルトのベルト幅方向両端部の剛性を高めることができる。そのため、ベルト走行時に蛇行や片寄り等があっても、搬送ベルトのベルト幅方向端部に亀裂が生じにくい。また、たとえ搬送ベルトのベルト幅方向端部において弾性体層に亀裂が生じても、緯糸があることで断裂には至らない。
このように、本発明の搬送ベルトは、ベルト幅方向両端部の破損を抑制しつつ、経糸のほつれと毛羽立ちを防止できる。
本発明の搬送ベルトにおいて、前記少なくとも1つの弾性体層は、前記ベルト幅方向の長さが、前記搬送ベルトのベルト幅と同じであってもよい。
この構成によると、搬送ベルトの表面の弾性体層が、ベルト幅方向の全域にわたって設けられる。搬送物によっては、搬送ベルトの搬送面に耐水性、耐熱性、及び耐薬品性などが必要な場合がある。本発明では、その要求に応じて素材を選択した弾性体層を設けることで、多種多様の搬送物を搬送することができる。
本発明の搬送ベルトは、前記少なくとも1つの弾性体層のうち前記搬送ベルトの外面を構成する1つまたは2つ弾性体層は、前記搬送ベルトの前記ベルト幅方向の両端部に配置された2つの端部カバー層で構成され、前記端部カバー層の前記ベルト幅方向の長さが、前記緯糸単独部の前記ベルト幅方向の長さよりも長く、前記少なくとも1つの弾性体層のうち前記2つの端部カバー層で構成されない弾性体層は、前記ベルト幅方向の長さが、前記搬送ベルトのベルト幅と同じであってもよい。
この構成によると、搬送ベルトの内周面または/および外周面において、端部カバー層が、ベルト幅方向の両端部に設けられる。そのため、搬送ベルトの搬送面が芯体帆布となり、搬送面に弾性体層を設けないので低コストである。さらに、搬送ベルトが薄厚のため屈曲性を向上できる。耐水、耐熱、耐薬品性が不要で、むしろ屈曲性や低コストを優先したり、あるいは、滑り性や非粘着性が必要な用途で用いる場合に適している。
また、端部カバー層のベルト幅方向の長さは、緯糸単独部の前記ベルト幅方向の長さよりも長いため、端部カバー層は、緯糸単独部だけでなく、経糸と緯糸で構成された部分も覆う。そのため、経糸のずれを防止できる。さらに、緯糸単独部のみを覆うよりも、搬送ベルトのベルト幅方向の端部の強度を向上できると共に、搬送ベルト全体の強度を向上できる。
本発明の搬送ベルトは、前記緯糸単独部の前記ベルト幅方向の長さが、1mm以上5mm以下であることが好ましい。
この構成によると、緯糸単独部のベルト幅方向の長さが、1mm以上であることにより、ベルト走行時に、搬送ベルトのベルト幅方向の端面にコンベア装置のフレーム等が接触して弾性体層が摩耗しても、搬送ベルトの端面に経糸が露出するのを防止できる。よって、搬送ベルトを長期間使用しても、経糸のほつれや毛羽立ちを防止できる。
通常、搬送ベルトの端が5mm以上摩耗した状態で使用されることはない。そのため、緯糸単独部のベルト幅方向の長さが5mmを超えても、経糸の露出を防止する効果に違いはない。また、緯糸単独部を長くするほど、経糸が少なくなるので、搬送ベルトのベルト長手方向の引張強度が低下する。そのため、緯糸単独部のベルト幅方向の長さが、5mm以下であることにより、搬送ベルトのベルト長手方向の引張強度が無駄に低下するのを抑制できる。
本発明の搬送ベルトにおいて、前記弾性体層および前記接着層は、熱可塑性エラストマーで形成されていることが好ましい。この構成によると、芯体帆布(特に緯糸単独部)を、弾性体層と積層して接着する際に加工性が良い。
本発明の搬送ベルトの製造方法は、複数の経糸と複数の緯糸とが直交するように織られた芯体帆布から、ベルト幅方向の両端部に対応する部分のベルト長手方向に延びる前記経糸を除去することにより、前記複数の緯糸の一部で構成されて前記経糸を含まない複数の緯糸単独部を形成する第1工程と、前記第1工程により前記複数の緯糸単独部が形成された前記芯体帆布と、弾性材料で形成された弾性体層とを、接着層を介して接着して、少なくとも1つの前記芯体帆布と少なくとも1つの前記弾性体と少なくとも1つの前記接着層とがベルト厚み方向に積層されたベルト成形体を形成する第2工程と、前記第2工程で作成されたベルト成形体を、所定のベルト幅の間隔を空けて前記ベルト長手方向に沿って切断して、前記ベルト幅方向の両端面に前記緯糸単独部が露出した搬送ベルトを作成する第3工程と、を有することを特徴とする。
この構成によると、搬送ベルトは、芯体帆布と、弾性材料で形成された弾性体層と、弾性体層と芯体帆布とを接着する接着層とを備える。芯体帆布は、ベルト長手方向に延びる複数の経糸およびベルト幅方向に延びる複数の緯糸を有する。芯体帆布は、搬送ベルトに与えられるベルト長手方向(周長方向)の引張力を主に受け持つ。
搬送ベルトの芯体帆布は、ベルト幅方向の両端部に、複数の緯糸の一部で構成されて、経糸を含まない緯糸単独部を有する。緯糸単独部は、ベルト幅方向の両端面に露出する。そのため、搬送ベルトの端面に経糸が露出することがない。よって、ベルト走行時に、搬送ベルトの端面がコンベア装置のフレーム等と接触しても、経糸のほつれや毛羽立ちを防止できる。
また、搬送ベルトのベルト幅方向両端部に緯糸単独部を設けることによって、搬送ベルトのベルト幅方向両端部が弾性体層だけで構成されている場合に比べて、搬送ベルトのベルト幅方向両端部の剛性を高めることができる。そのため、ベルト走行時に蛇行や片寄り等があっても、搬送ベルトのベルト幅方向端部に亀裂が生じにくい。また、たとえ搬送ベルトのベルト幅方向端部において弾性体層に亀裂が生じても、緯糸があることで断裂には至らない。
このように、本発明の搬送ベルトの製造方法によって製造された搬送ベルトは、ベルト幅方向両端部の破損を抑制しつつ、経糸のほつれと毛羽立ちを防止できる。
本発明の搬送ベルトの製造方法は、前記第1工程において、前記ベルト幅の2倍以上の前記ベルト幅方向の長さを有する前記芯体帆布に、3つ以上の緯糸単独部を形成し、前記第3工程において、前記ベルト成形体を切断して、2つ以上の前記搬送ベルトを作成することが好ましい。
この構成によると、ベルト成形体の芯体帆布のベルト幅方向の長さは、搬送ベルトのベルト幅の2倍以上であって、ベルト成形体を切断して2つ以上の搬送ベルトを作成する。したがって、1つのベルト成形体から1つの搬送ベルトを製造する場合に比べて、搬送ベルトを効率的に製造できる。
この製造方法では、第1工程において、芯体帆布から、2つ以上の搬送ベルトのベルト幅方向両端部に対応する部分の経糸を除去して、3つ以上の緯糸単独部を形成する。3つ以上の緯糸単独部のうち、両端の緯糸単独部は、芯体帆布の端に形成される場合がある。一方、3つ以上の緯糸単独部のうち、両端以外の緯糸単独部は、芯体帆布の端から離れた位置に形成される。そのため、この緯糸単独部は、複数の緯糸を平行に揃えた状態を確保しやすい。したがって、芯体帆布の両端に緯糸単独部を形成して、1つのベルト成形体から1つの搬送ベルトを製造する場合に比べて、高品質の搬送ベルトをより容易に製造できる。
本発明の搬送ベルトの製造方法は、前記第1工程において、前記3つ以上の緯糸単独部のうち、両端以外の前記緯糸単独部の前記ベルト幅方向の長さが、2mm以上10mm以下であって、前記第3工程により形成される前記搬送ベルトの前記緯糸単独部の前記ベルト幅方向の長さが、1mm以上5mm以下であることが好ましい。
この構成によると、搬送ベルトの緯糸単独部のベルト幅方向の長さが、1mm以上であることにより、ベルト走行時に、搬送ベルトのベルト幅方向の端面にコンベア装置のフレーム等が接触して弾性体層が摩耗しても、搬送ベルトの端面に経糸が露出するのを防止できる。よって、搬送ベルトを長期間使用しても、経糸のほつれや毛羽立ちを防止できる。
通常、搬送ベルトの端が5mm以上摩耗した状態で使用されることはない。そのため、搬送ベルトの緯糸単独部のベルト幅方向の長さが5mmを超えても、経糸の露出を防止する効果に違いはない。また、緯糸単独部を長くするほど、経糸が少なくなるので、搬送ベルトのベルト長手方向の引張強度が低下する。そのため、搬送ベルトの緯糸単独部のベルト幅方向の長さが、5mm以下であることにより、搬送ベルトのベルト長手方向の引張強度が無駄に低下するのを抑制できる。
本発明の搬送ベルトは、芯体帆布のベルト幅方向の両端部に、経糸を含まない緯糸単独部を設けた。それにより、ベルト幅方向両端部の破損を抑制しつつ、経糸のほつれと毛羽立ちを防止できる。
搬送ベルトが適用されたコンベア装置の斜視図である。 本発明の第1実施形態の搬送ベルトの断面図である。 図2の紙面上方から搬送ベルトを見た平面図であって、芯体帆布より上方の部材の図示を省略した図である。 搬送ベルトの製造工程の一部を説明するための斜視図である。 搬送ベルトの製造工程の一部を説明するための断面図である。 搬送ベルトの製造工程の一部を説明するための断面図である。 本発明の第2実施形態の搬送ベルトの断面図である。 本発明の他の実施形態の搬送ベルトの断面図である。 本発明の他の実施形態の搬送ベルトの断面図である。 本発明の他の実施形態の搬送ベルトの断面図である。 (a)は、試験で使用した2軸走行試験機のベルト長手方向に沿って切断した断面図であって、(b)は(a)に示すB−B線断面図である。
<第1実施形態>
以下、本発明の第1の実施の形態について説明する。
本実施形態に係る搬送ベルト1は、無端状の平ベルトであって、例えば図1のようなコンベア装置10に用いられる。コンベア装置10は、食品や電子部品などの物品を搬送する。コンベア装置10は、駆動プーリ11と、複数の従動プーリ12と、複数の支持ローラ14とを有する。搬送ベルト1は、駆動プーリ11および複数の従動プーリ12に巻き掛けられる。複数の支持ローラ14は、搬送ベルト1の物品を搬送する部分を支持する。なお、本発明の搬送ベルトが使用されるコンベア装置の構成は、図1に示すコンベア装置10の構成に限定されない。
図2は、搬送ベルト1をベルト幅方向に沿って切断した断面図である。図2に示すように、搬送ベルト1は、芯体帆布2と、2つの接着層3、3と、2つのカバー層4、5とを有する。芯体帆布2は、搬送ベルト1に与えられるベルト長手方向(周長方向)の引張力を主に受け持つ部材である。カバー層4、5は、芯体帆布2の両側に配置される。接着層3、3は、芯体帆布2とカバー層4、5とを接着する。カバー層4、5は、それぞれ、本発明における弾性体層に相当する。芯体帆布2と接着層3、3とカバー層4、5のベルト幅方向の長さは、全て同じである。つまり、芯体帆布2のベルト幅方向の長さは、搬送ベルト1のベルト幅と同じである。また、接着層3、3は、それぞれ、芯体帆布2の片面全体を覆っている。
図3は、図2の紙面上方から搬送ベルト1を見た平面図であって、カバー層5とカバー層5に接着される接着層3の図示を省略している。図2および図3に示すように、芯体帆布2は、経糸2aと緯糸2bとを交差させて織られた織布である。図2および図3に示す芯体帆布2は、平織りの織布であるが、芯体帆布2は、綾織りや朱子織等の織布であってもよい。芯体帆布2は、複数の経糸2aと複数の緯糸2bを有する。複数の経糸2aは、ベルト長手方向に沿って延びている。複数の経糸2aは、ベルト幅方向に所定のピッチPで配列されている。緯糸2bは、ベルト幅方向に沿って延びており、全体的に見て縦糸とほぼ直交する。複数の緯糸2bの両端は、搬送ベルト1のベルト幅方向の両端面1aに露出する。
搬送ベルト1の芯体帆布2は、ベルト幅方向の両端部に、緯糸単独部2cを有する。緯糸単独部2cは、複数の緯糸2bの端部のみで構成されており、経糸2aを含まない。搬送ベルト1の緯糸単独部2cのベルト幅方向の長さをLとする。長さLは、ピッチPより長い。長さLは、例えば、1mm以上5mm以下が好ましい。長さLは、ピッチPの2倍以上10倍以下が好ましい。また、搬送ベルト1の芯体帆布2の緯糸単独部2c以外の部分のベルト幅方向の長さは、緯糸単独部2cの長さLの4倍以上が好ましい。
なお、図2および図3では、複数の経糸2aは等間隔に配置されており、経糸2aのピッチPは一定であるが、例えば、繊度の異なる複数種類の経糸2aを使う場合などには、経糸2aのピッチPが複数種類あってもよい。経糸2aのピッチPが複数種類ある場合、長さLはピッチPの最大値よりも大きい。
経糸2aおよび緯糸2bの材質は、例えば、ポリエステル繊維、芳香族ポリアミド繊維、ナイロン繊維などである。経糸2aおよび緯糸2bは、フィラメント(長繊維)を引き揃えたり、撚り合せたマルチフィラメント糸、1本の長繊維であるモノフィラメント糸、短繊維を撚り合せたスパン糸(紡績糸)のいずれであってもよい。フィラメント糸である場合、経糸2aおよび緯糸2bの繊度は、例えば、280〜1670dtexである。dtex(デシテックス)とは、10000メートルの糸の質量をグラム単位で表したものである。スパン糸(紡績糸)である場合、経糸2aおよび緯糸2bの繊度は、例えば、10〜30番手である。番手とは、重さが1ポンド(453.6g)で長さが840ヤード(768.1m)ある糸の太さを1番手と言い、数字が大きくなるほど細い糸であることを示す。なお、本明細書において、「X〜Y」で表した数値範囲は、X以上Y以下を意味する。芯体帆布2の緯糸単独部2cを除く部分の経糸2aの密度は、例えば、70〜150本/5cmである。緯糸2bの密度は、例えば、45〜80本/5cmである。芯体帆布2の緯糸単独部2cを除く部分の厚みは、例えば、0.3〜2.0mmであって、0.5〜1.2mmが特に好ましい。芯体帆布2の厚みが0.5mmよりも薄いと、物品の搬送に必要な搬送ベルト1の強度や耐久性を確保しにくくなる。一方、芯体帆布2の厚みが1.2mmよりも厚いと、搬送ベルト1の屈曲性が低下する。屈曲性が低いと、特に小径のプーリの場合に、プーリへの巻き付きが悪い状態での走行となり、芯体帆布の経糸に大きな負荷が掛かる。その結果、経糸が切断されて、最悪の場合、搬送ベルトが切断される恐れがある。
カバー層4、5は、弾性材料で形成される。カバー層4、5の材質は、例えば、ポリウレタン系、ポリ塩化ビニル系、およびポリオレフィン系等の熱可塑性エラストマーである。ポリウレタン系、ポリ塩化ビニル系、およびポリオレフィン系の熱可塑性エラストマーは、耐摩耗性に優れている。ポリウレタン系の熱可塑性エラストマーは、加工性や強度に優れるため、カバー層4、5の材質として特に好ましい。その中でも、耐加水分解性に優れたポリエーテル系ポリウレタンエラストマー、または、耐熱性および耐薬品性に優れたカーボネート系ポリウレタンエラストマーがより好ましい。カバー層4とカバー層5の材質は同じであることが好ましいが、異なっていてもよい。カバー層4、5の厚みは、例えば、0.2〜1.0mmである。カバー層4とカバー層5の厚みは、同じであっても異なっていてもよい。カバー層4、5のJIS−A硬度は、例えば、60〜95度である。カバー層4とカバー層5の硬度は、同じであっても異なっていてもよい。
接着層3、3は、芯体帆布2とカバー層4、5とを接着するために設けられる。接着層3の材質は、熱可塑性エラストマーである。接着層3、3は、熱可塑性エラストマーを有機溶剤に溶解させた接着剤を、芯体帆布2に塗布するか、もしくは、上記接着剤に、芯体帆布2を浸漬させた後、有機溶剤を蒸発除去することで形成される。接着層3の熱可塑性エラストマーの具体例は、カバー層4、5の熱可塑性エラストマーの具体例と同じである。接着層3の熱可塑性エラストマーの種類は、カバー層4、5の熱可塑性エラストマーの種類と同じであることが好ましいが、異なっていてもよい。接着層3は、ポリエーテル系ポリウレタンエラストマーを、メチルエチルケトンとシクロヘキサンとテトラヒドロフランの混合溶媒に溶解させた接着剤を使って形成することが特に好ましい。
なお、接着層3は、熱可塑性エラストマーの代わりに、熱可塑性樹脂が用いられていてもよい。
次に、搬送ベルト1の製造方法の第1の例について説明する。
[経糸除去工程]
まず、芯体帆布2として、搬送ベルト1のベルト幅よりも若干大きい幅を有する矩形状の織布を用意する。そして、この織布の幅方向両端部の長さLよりも若干長い範囲の経糸2aを除去して、2つの緯糸単独部2cを形成する。言い換えると、ベルト幅方向の両端部に対応する部分の経糸2aを除去して、2つの緯糸単独部2cを形成する。なお、経糸除去工程は、本発明の搬送ベルトの製造方法における第1工程に相当する。
[接着層形成工程]
次に、熱可塑性エラストマーを有機溶剤に溶解させた接着剤を、芯体帆布2に塗布するか、もしくは、上記接着剤に、芯体帆布2を浸漬させる。接着剤を芯体帆布2に塗布する場合、芯体帆布2の一方の面に糊引き処理によって塗布する。それにより、接着剤は芯体帆布2の他方の面まではみ出して他方の面を覆う。その後、有機溶剤の蒸発により熱可塑性エラストマーが硬化することで、芯体帆布2の両面を覆うように接着層3、3が形成される。
[カバー層形成工程]
次に、熱可塑性エラストマーを押出機によってシート状に押出成形してカバー層4を形成する。同様にカバー層5を形成する。
[積層接着工程]
押出し直後の高温、半溶融状態のカバー層4、5を、接着層3、3で両面が覆われた芯体帆布2と積層する。そして、2本の回転ロール間で加圧して、カバー層4、5と芯体帆布2とを接着層3、3によって接着する。これにより、芯体帆布2、カバー層4、5および接着層3、3がベルト厚み方向に積層された矩形状のベルト成形体7(図4参照)が形成される。なお、接着層形成工程と積層接着工程は、本発明の搬送ベルトの製造方法における第2工程に相当する。
[切断工程]
次に、形成された矩形状のベルト成形体7の両端部を切断する。このとき、搬送ベルト1のベルト幅の間隔を空けてベルト長手方向に沿って切断する。この切断工程により、ベルト成形体7のベルト幅方向の両端には、緯糸2b(緯糸単独部2c)が露出する。
[接合工程]
また、図4に示すように、ベルト成形体7のベルト長手方向の両端部をジグザグ状に切断する。続いて、ベルト成形体7のベルト長手方向の両端部を突き合わせて、その両面に、カバー層4、5と同様の材料で形成された2枚の補強部材8、9を配置する。そして、突き合わせた両端部を補強部材と共に加熱加圧して、両端同士を接合する。以上の工程によって、ベルト幅方向の両端面に緯糸単独部2cが露出した搬送ベルト1が製造される。なお、切断工程および接合工程は、本発明の搬送ベルトの製造方法における第3工程に相当する。
次に、搬送ベルト1の製造方法の第2の例について説明する。
[経糸除去工程]
まず、芯体帆布2として、搬送ベルト1のベルト幅の2倍以上の幅を有する矩形状の織布(芯体帆布)102を用意する。織布(芯体帆布)102の幅は、例えば、ベルト幅の20〜30倍であってもよい。そして、図5に示すように、この織布(芯体帆布)102のベルト幅方向の両端部に対応する部分の経糸2aを除去して、3つ以上の緯糸単独部2c、2dを形成する。3つ以上の緯糸単独部2c、2dのうち、両端以外の緯糸単独部2dのベルト幅方向の長さは、搬送ベルト1の緯糸単独部2cのベルト幅方向の長さLの2倍とする。緯糸単独部2dのベルト幅方向の長さは、2mm以上10mm以下が好ましい。また、3つ以上の緯糸単独部2c、2dのうち、両端の緯糸単独部2cは、織布(芯体帆布)102の端に形成してもよいが、織布(芯体帆布)102の端から離した位置に形成してもよい。織布(芯体帆布)2の端から離した位置に緯糸単独部2cを形成することにより、緯糸単独部2cの複数の緯糸2bを平行に揃えたまま、次の工程を行うことができる。なお、経糸除去工程は、本発明の搬送ベルトの製造方法における第1工程に相当する。
[接着層形成工程]
次に、熱可塑性エラストマーを有機溶剤に溶解させた接着剤を、織布(芯体帆布)102に塗布するか、もしくは、上記接着剤に、織布(芯体帆布)102を浸漬させる。その後、有機溶剤の蒸発により熱可塑性エラストマーが硬化することで、織布(芯体帆布)102の両面を覆うように接着層3、3が形成される。
[カバー層形成工程]
次に、熱可塑性エラストマーを押出機によってシート状に押出成形してカバー層4を形成する。同様にカバー層5を形成する。
[積層接着工程]
押出し直後の高温、半溶融状態のカバー層4、5を、接着層3、3で両面が覆われた織布(芯体帆布)102と積層する。そして、2本の回転ロール間で加圧して、カバー層4、5と織布(芯体帆布)102とを接着層3、3によって接着する。これにより、図6(a)に示すように、織布(芯体帆布)102、カバー層4、5および接着層3、3がベルト厚み方向に積層された矩形状のベルト成形体107が形成される。なお、図6では、接着層3の表示を省略している。接着層形成工程と積層接着工程は、本発明の搬送ベルトの製造方法における第2工程に相当する。
[切断工程]
次に、図6(a)および図6(b)に示すように、ベルト成形体107を、搬送ベルト1のベルト幅の間隔を空けてベルト長手方向に沿って切断して、複数のベルト成形体107aを形成する。図6(a)には切断位置を破線で示した。このとき、ベルト成形体107を、緯糸単独部2dの中間の位置で切断する。織布(芯体帆布)102は、複数の芯体帆布2に分断されて、緯糸単独部2dは、2つの緯糸単独部2cに分断される。さらに、3つ以上の緯糸単独部2c、2dのうち、両端の緯糸単独部2cの位置でも、第1の例と同様に切断する。ベルト成形体107aのベルト幅方向の両端には、緯糸2b(緯糸単独部2c)が露出する。
[接合工程]
その後、上述した第1の例の接合工程と同じ手順で、ベルト成形体107aのベルト長手方向の両端を接合する。以上の工程によって、ベルト幅方向の両端面に緯糸単独部2cが露出した搬送ベルト1が製造される。なお、切断工程および接合工程は、本発明の搬送ベルトの製造方法における第3工程に相当する。
なお、芯体帆布2として、矩形状の織布を用いる代わりに筒状の織布を用いて、筒状のベルト成形体を形成してもよい。そして、切断工程において、筒状のベルト成形体を、ベルト幅に切断することで、搬送ベルト1を得てもよい。この場合、接合工程は不要である。筒状の織布としては、継ぎ目のないシームレス状に織られた織布を用いてもよく、矩形状の織布の両端部を継ぎ合わせることによって筒状に形成されたものを用いてもよい。
以上、本実施形態の搬送ベルト1について説明した。本実施形態の搬送ベルト1は、以下の特徴を有する。
搬送ベルト1の芯体帆布2のベルト幅方向の長さは、搬送ベルト1のベルト幅と同じである。つまり、搬送ベルト1の端面1aには、芯体帆布2の端が露出する。しかし、搬送ベルト1の芯体帆布2は、ベルト幅方向の両端部に、複数の緯糸2bのベルト幅方向の端部で構成されて、経糸2aを含まない緯糸単独部2cを有する。そのため、搬送ベルト1の端面1aに経糸2aが露出することがない。よって、ベルト走行時に、搬送ベルト1の端面1aがコンベア装置10の図示しないカバーやフレーム等と接触しても、経糸2aのほつれや毛羽立ちを防止できる。
また、搬送ベルト1のベルト幅方向両端部に緯糸単独部2cを設けることによって、搬送ベルト1のベルト幅方向両端部がカバー層4、5だけで構成されている場合に比べて、搬送ベルト1のベルト幅方向両端部の剛性を高めることができる。そのため、ベルト走行時に蛇行や片寄り等があっても、搬送ベルト1のベルト幅方向端部に亀裂が生じにくい。また、たとえ搬送ベルト1のベルト幅方向端部においてカバー層4、5に亀裂が生じても、緯糸2bがあることで断裂には至らない。
このように、搬送ベルト1は、ベルト幅方向両端部の破損を抑制しつつ、経糸2aのほつれと毛羽立ちを防止できる。
また、搬送ベルト1の表面を構成するカバー層4、5は、ベルト幅方向の長さが、搬送ベルト1のベルト幅と同じである。搬送物によっては、搬送ベルト1の搬送面に耐水性、耐熱性、及び耐薬品性などが必要な場合がある。本実施形態では、その要求に応じて素材を選択したカバー層4、5を設けることで、多種多様の搬送物を搬送することができる。
さらに、緯糸単独部2cのベルト幅方向の長さが、1mm以上5mm以下の場合、以下の効果が得られる。
緯糸単独部2cのベルト幅方向の長さが、1mm以上であることにより、ベルト走行時に、搬送ベルト1のベルト幅方向の端面1aにコンベア装置10のフレーム等が接触してカバー層4、5が摩耗しても、搬送ベルト1の端面1aに経糸2aが露出するのを防止できる。よって、搬送ベルト1を長期間使用しても、経糸2aのほつれや毛羽立ちを防止できる。
通常、搬送ベルトの端が5mm以上摩耗した状態で使用されることはない。そのため、緯糸単独部2cのベルト幅方向の長さが5mmを超えても、経糸2aの露出を防止する効果に違いはない。また、緯糸単独部2cを長くするほど、経糸2aが少なくなるので、搬送ベルト1のベルト長手方向の引張強度が低下する。そのため、緯糸単独部2cのベルト幅方向の長さが5mm以下であることにより、搬送ベルト1のベルト長手方向の引張強度が無駄に低下するのを抑制できる。
また、カバー層4、5および接着層3は、熱可塑性エラストマーで形成されている。そのため、芯体帆布2(特に緯糸単独部2c)を、カバー層4、5と積層して接着する際に加工性がよい。
搬送ベルト1の製造方法の第2の例において、ベルト成形体107の芯体帆布2のベルト幅方向の長さは、搬送ベルト1のベルト幅の2倍以上であって、ベルト成形体107を切断して2つ以上の搬送ベルト1を作成する。したがって、1つのベルト成形体7から1つの搬送ベルト1を製造する第1の例に比べて、搬送ベルト1を効率的に製造できる。
この製造方法では、経糸除去工程において、芯体帆布2から、2つ以上の搬送ベルト1のベルト幅方向両端部に対応する部分の経糸2aを除去して、3つ以上の緯糸単独部2c、2dを形成する。3つ以上の緯糸単独部2c、2dのうち、両端の緯糸単独部2cは、芯体帆布2の端に形成される場合がある。一方、3つ以上の緯糸単独部2c、2dのうち、両端以外の緯糸単独部2dは、芯体帆布2の端から離れた位置に形成される。そのため、この緯糸単独部2dは、複数の緯糸2bを平行に揃えた状態を確保しやすい。したがって、芯体帆布2の両端に緯糸単独部2cを形成して、1つのベルト成形体7から1つの搬送ベルト1を製造する第1の例に比べて、高品質の搬送ベルト1をより容易に製造できる。
<第2実施形態>
次に、本発明の第2の実施の形態について説明する。但し、上記第1実施形態と同様の構成を有するものについては、同じ符号を用いて適宜その説明を省略する。本実施形態の搬送ベルト201の用途は、第1実施形態の搬送ベルト1と同じである。
図7は、搬送ベルト201をベルト幅方向に沿って切断した断面図である。図7に示すように、搬送ベルト201は、芯体帆布2と、2つの接着層3、3と、カバー層204、205とを有する。カバー層204、205は、それぞれ、本発明における弾性体層に相当する。カバー層204、205は、搬送ベルト201のベルト幅方向の両端部にのみ設けられる。接着層3、3の一部は、外部に露出する。接着層3は、芯体帆布2への水や油等の液体の浸潤を防止する役割を果たす。カバー層204は、搬送ベルト201のベルト幅方向の両端部に配置された2つの端部カバー層204a、204aで構成される。カバー層205は、搬送ベルト201のベルト幅方向の両端部に配置された2つの端部カバー層205a、205aで構成される。カバー層204、205の材質、厚み、硬度は、第1実施形態のカバー層4、5と同様である。
2つの端部カバー層204a、204aのベルト幅方向の長さは互いに同じである。2つの端部カバー層205a、205aのベルト幅方向の長さは互いに同じである。また、端部カバー層204aのベルト幅方向の長さDと、端部カバー層205aのベルト幅方向の長さDは同じである。なお、端部カバー層204aのベルト幅方向の長さDと、端部カバー層205aのベルト幅方向の長さDは異なっていてもよい。端部カバー層204a、205aのベルト幅方向の長さDは、芯体帆布2の緯糸単独部2cのベルト幅方向の長さLよりも長い。端部カバー層204a、205aのベルト幅方向の長さDは、長さLよりも1mm以上長いことが好ましい。また、端部カバー層204a、205aのベルト幅方向の長さDは、芯体帆布2の緯糸単独部2c以外の部分の長さよりも短いことが好ましい。芯体帆布2の緯糸単独部2cのベルト幅方向の長さLは、第1実施形態と同じである。
搬送ベルト201は、例えば以下の製造方法によって製造される。第1実施形態で述べた第1の例と積層接着工程および接合工程が異なるが、その他の工程は同じである。以下、この製造方法における積層接着工程および接合工程について説明する。
[積層接着工程]
押出機から押し出された直後の高温、半溶融状態の熱可塑性エラストマーのシートを、所定の寸法に切断して、端部カバー層204a、204a、205a、205aを形成する。そして、接着層3、3で両面が覆われた芯体帆布2のベルト幅方向の両端部に、端部カバー層204a、204a、205a、205aを積層する。そして、熱板プレスにより、芯体帆布2の両端部を端部カバー層204a、204a、205a、205aと共に加熱加圧して、端部カバー層204a、204a、205a、205aと芯体帆布2とを接着層3、3によって接着する。これにより、矩形状のベルト成形体が形成される。なお、この接着工程においては、熱板プレスによる接合以外に、高周波溶着による接合を用いてもよい。
[接合工程]
ベルト成形体のベルト長手方向の両端部の一部(カバー層204、205を含む部分)を重ね合わせる。重ね合わせた両端部を熱板プレスにより加熱加圧して、両端部同士を接合する。
なお、積層接着工程と接合工程の実施順序は、上記と逆であってもよい。つまり、接着層3、3で両面が覆われた芯体帆布2のベルト長手方向の両端部を接合し、筒状にしておき、その後に、筒状の芯体帆布2のベルト幅方向の両端部にカバー層204、205を積層接着してもよい。
本実施形態の搬送ベルト201は、第1実施形態の搬送ベルト1と同様に、芯体帆布2のベルト幅方向の両端部に、緯糸単独部2cを設けたことにより、ベルト幅方向両端部の破損を抑制しつつ、経糸2aのほつれと毛羽立ちを防止できる。
また、端部カバー層204aは、搬送ベルト201の内周面におけるベルト幅方向の両端部に設けられる。端部カバー層205aは、搬送ベルト201の外周面におけるベルト幅方向の両端部に設けられる。搬送ベルト201の搬送面が芯体帆布2となり、搬送面にカバー層を設けないので低コストである。さらに、搬送ベルト1が薄厚のため屈曲性を向上できる。本実施形態の搬送ベルト201は、耐水、耐熱、耐薬品性が不要で、むしろ屈曲性や低コストを優先したり、あるいは、滑り性や非粘着性が必要な用途で用いる場合に適している。
さらに、カバー層204を構成する端部カバー層204aのベルト幅方向の長さは、緯糸単独部2cのベルト幅方向の長さよりも長い。カバー層205を構成する端部カバー層205aのベルト幅方向の長さは、緯糸単独部2cのベルト幅方向の長さよりも長い。よって、端部カバー層204a、205aは、緯糸単独部2cだけでなく、経糸2aと緯糸2bで構成された部分も覆う。そのため、経糸2aのずれを防止できる。さらに、緯糸単部2cのみを覆うよりも、搬送ベルト201のベルト幅方向の端部の強度を向上できると共に、搬送ベルト201全体の強度を向上できる。
以上、本発明の好適な実施の形態について説明したが、本発明は上述の第1および第2実施形態に限られるものではなく、特許請求の範囲に記載した限りにおいて様々な変更が可能である。
上記第1および第2実施形態の搬送ベルト1は、1つの芯体帆布2と、2つのカバー層4、5、204、205を有するが、本発明の搬送ベルトの構成はこれに限らない。
例えば図8(a)および図9(a)に示すように、1つの芯体帆布2と、1つのカバー層5、205とを有する搬送ベルト301、601であってもよい。
また、本発明の搬送ベルトは、2つ以上の芯体帆布を有してもよい。
例えば図8(b)および図9(b)に示すように、2つの芯体帆布2と、2つの芯体帆布2の間に配置された中間層6と、カバー層5、205とを有する搬送ベルト401、701であってもよい。
また、例えば図8(c)および図9(c)に示すように、2つの芯体帆布2と、2つの芯体帆布2の間に配置された中間層6と、2つのカバー層4、5、204、205とを有する搬送ベルト501、801であってもよい。
図8(b)、図8(c)、図9(b)および図9(c)に示す中間層6は、本発明における弾性体層に相当する。中間層6の材質、硬度、寸法および製法は、上記第1実施形態のカバー層4、5と同様である。なお、図8(b)に示す搬送ベルト401を製造する際には、押出し直後の高温、半溶融状態のカバー層5と中間層6を、接着層3、3で両面が覆われた2つの芯体帆布2と積層し、2本の回転ロール間で加圧して接着する。その他の工程は、上記第1実施形態と同様である。また、図8(c)に示す搬送ベルト501を製造する際には、押出し直後の高温、半溶融状態のカバー層4、5と中間層6を、接着層3、3で両面が覆われた2つの芯体帆布2と積層し、2本の回転ロール間で加圧して接着する。その他の工程は、上記第1実施形態と同様である。
図8(a)、図8(b)、図9(a)および図9(b)では、1つの接着層3の全体が外部に露出する。この接着層3は、搬送ベルト301、501の内周側に設けられる。搬送する物品によっては、搬送ベルトの外周側に設けられてもよい。
図10(a)および図10(b)に示す搬送ベルト901、1001のように、芯体帆布902、1002は、ベルト幅方向の途中に、少なくとも1つの緯糸単独部2dを有していてもよい。この搬送ベルト901、1001を、第2の例の製造方法で製造する場合、経糸除去工程において、織布(芯体帆布)102のベルト幅方向の途中に対応する部分に、緯糸単独部2dを設けることになる。また、切断工程において、複数の緯糸単独部2dのうちの一部の緯糸単独部2dのみを切断する。
本発明の搬送ベルトは、平ベルトに限らない。本発明の搬送ベルトは、例えば、歯付ベルト、または、断面がV字状のVベルトであってもよい。
<実施例1>
実施例1として、図2および図3に示す上記第1実施形態の搬送ベルト1と同様の構成の搬送ベルトを、上述した第1の例の製造方法により作成した。実施例1の搬送ベルトのカバー層(4、5)は、ポリエーテル系ポリウレタンエラストマーで形成し、厚み0.3mm、JIS−A硬度90度とした。実施例1の搬送ベルトの芯体帆布(2)の経糸(2a)には、糸番手#20のポリエステルスパン糸を使用し、緯糸(2b)には、繊度1100dtexのポリエステルモノフィラメント糸を使用した。芯体帆布(2)の緯糸単独部(2c)を除く部分の経糸(2a)の密度は、140本/5cmとし、緯糸(2b)の密度は、56本/5cmとした。実施例1の搬送ベルトの接着層(3)は、ポリエーテル系ポリウレタンエラストマーを、メチルエチルケトン/シクロヘキサン/テトラヒドロフランの混合溶液に溶解させた接着剤に、芯体帆布(2)を浸漬させて形成した。実施例1の搬送ベルトの緯糸単独部(2c)の長さは、5mmとした。実施例1の搬送ベルトのベルト幅は100mmとし、ベルト周長は1500mmとした。
〔耐久走行試験〕
実施例1の搬送ベルトの耐久走行試験を行った。この試験で使用した5軸走行試験機は、図1に示すコンベア装置10から複数の支持ローラ14を除去した構成とほぼ同じであった。5軸走行試験機の駆動プーリ(11)および複数の従動プーリ(12)としては、直径20mmのものを用いた。5軸走行試験機にベルト張力が4N/mmになるように搬送ベルトを巻き掛けて、ベルトの屈曲回数が600万回になるまで走行させた。走行時間は200時間であった。
走行試験後、実施例1の搬送ベルトのベルト幅方向の両端面を目視で確認したところ、経糸のほつれと毛羽立ちはいずれも生じていなかった。
<実施例2>
実施例2として、ベルト周長が実施例1と異なり、その他の構成が実施例1と同じ搬送ベルトを、上述した第1の例の製造方法により作成した。実施例2の搬送ベルトのベルト周長は、1800mmとした。
<比較例>
比較例として、ベルト幅方向の両端部が熱可塑性材料だけで形成される搬送ベルトを作成した。具体的には、芯体帆布として、ベルト幅よりも短い幅の織布を用いた。そして、上記第1実施形態の搬送ベルト1の製造工程のうち経糸除去工程を省いて、それ以外は実施例2の搬送ベルトと同じ手順で搬送ベルトを作成した。比較例の搬送ベルトのベルト幅方向の端から芯体帆布の端までの長さは、5mmとした。
〔剛性比較試験〕
実施例2の搬送ベルトと比較例の搬送ベルトのベルト幅方向の端部の剛性を比較する試験を行った。この試験は、図11(a)に示す2軸走行試験機20を用いて行った。2軸走行試験機20は、駆動プーリ21と、従動プーリであるフランジ付プーリ22とを有する。駆動プーリ21としては、直径が50mmのものを用いた。フランジ付プーリ22は、プーリ本体22aと、プーリ本体22aの両側に設けられたフランジ22bとを有する。フランジ付プーリ22としては、プーリ本体22aの直径が50mmで、フランジ22bのフランジ高さH(プーリ本体22aの外周面からフランジ22bの外周面までの径方向長さ)が5mmのものを用いた。
図11(b)に示すように、実施例2の搬送ベルトBのベルト幅方向の一端部を、フランジ22bの外周面に載せつつ、ベルト張力が4N/mmになるように搬送ベルトBを駆動プーリ21とフランジ付プーリ22に巻き掛けて、走行速度50m/minでベルトの屈曲回数が17000回になるまで走行させた。走行時間は5時間であった。比較例の搬送ベルトについても同様の走行試験を行った。
走行試験後、実施例2と比較例の搬送ベルトを目視で確認した。実施例2の搬送ベルトには、破損が生じていなかった。一方、比較例の搬送ベルトは、芯体帆布の端の位置で断裂していた。これにより、実施例2の搬送ベルトは比較例の搬送ベルトよりも端部の剛性が高いことがわかる。
1、301、401、501、601、701、801、901、1001 搬送ベルト
2、102、902、1002 芯体帆布
2a 経糸
2b 緯糸
2c、2d 緯糸単独部
3 接着層
4、5、204、205 カバー層(弾性体層)
6 中間層(弾性体層)
7、107、107a ベルト成形体
204a、205b 端部カバー層

Claims (7)

  1. ベルト長手方向に延びる複数の経糸、および、ベルト幅方向に延びる複数の緯糸を有する少なくとも1つの芯体帆布と、
    弾性材料で形成された少なくとも1つの弾性体層と、
    それぞれが前記芯体帆布の片面全体を覆っており、前記弾性体層と前記芯体帆布とを接着する少なくとも1つの接着層とを備える搬送ベルトであって、
    前記芯体帆布の前記ベルト幅方向の長さが、前記搬送ベルトのベルト幅と同じであり、
    前記芯体帆布は、前記ベルト幅方向の両端部に、前記複数の緯糸の前記ベルト幅方向の端部で構成されて、前記経糸を含まない緯糸単独部を有し、
    前記少なくとも1つの弾性体層のうち前記搬送ベルトの外面を構成する1つまたは2つの前記弾性体層は、当該搬送ベルトの前記ベルト幅方向の両端部に配置された2つの端部カバー層で構成され、
    前記端部カバー層の前記ベルト幅方向の長さが、前記緯糸単独部の前記ベルト幅方向の長さよりも長いことを特徴とする、搬送ベルト。
  2. 前記少なくとも1つの弾性体層のうち前記2つの端部カバー層で構成されない弾性体層は、前記ベルト幅方向の長さが、前記搬送ベルトのベルト幅と同じであることを特徴とする請求項1に記載の搬送ベルト。
  3. 前記緯糸単独部の前記ベルト幅方向の長さが、1mm以上5mm以下であることを特徴とする請求項1又は2に記載の搬送ベルト。
  4. 前記弾性体層および前記接着層は、熱可塑性エラストマーで形成されていることを特徴とする請求項1〜3の何れかに記載の搬送ベルト。
  5. 複数の経糸と複数の緯糸とが直交するように織られた芯体帆布から、ベルト幅方向の両端部に対応する部分のベルト長手方向に延びる前記経糸を除去することにより、前記複数の緯糸の一部で構成されて前記経糸を含まない複数の緯糸単独部を形成する第1工程と、
    前記第1工程により前記芯体帆布の前記複数の緯糸単独部と、ベルト幅方向の長さが、前記緯糸単独部の前記ベルト幅方向の長さよりも長い、弾性材料で形成された複数の端部カバー層とを、接着層を介して接着して、前記緯糸単独部と前記端部カバー層と前記接着層とがベルト厚み方向に積層された部分を有するベルト成形体を形成する第2工程と、
    前記第2工程で作成された前記ベルト成形体を、所定のベルト幅の間隔を空けて前記ベルト長手方向に沿って切断して、前記ベルト幅方向の両端部に前記端部カバー層が配置され、前記ベルト幅方向の両端面に前記緯糸単独部と前記端部カバー層が露出した搬送ベルトを作成する第3工程と、を有することを特徴とする搬送ベルトの製造方法。
  6. 前記第1工程において、前記ベルト幅の2倍以上の前記ベルト幅方向の長さを有する前記芯体帆布に、3つ以上の緯糸単独部を形成し、
    前記第3工程において、前記ベルト成形体を切断して、2つ以上の前記搬送ベルトを作成することを特徴とする請求項5に記載の搬送ベルトの製造方法。
  7. 前記第1工程において、前記3つ以上の緯糸単独部のうち、両端以外の前記緯糸単独部の前記ベルト幅方向の長さが、2mm以上10mm以下であって、
    前記第3工程により形成される前記搬送ベルトの前記緯糸単独部の前記ベルト幅方向の長さが、1mm以上5mm以下であることを特徴とする請求項6に記載の搬送ベルトの製造方法。
JP2017003859A 2016-03-22 2017-01-13 搬送ベルトおよび搬送ベルトの製造方法 Active JP6770901B2 (ja)

Applications Claiming Priority (4)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2016056805 2016-03-22
JP2016056805 2016-03-22
JP2016080928 2016-04-14
JP2016080928 2016-04-14

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2017193441A JP2017193441A (ja) 2017-10-26
JP6770901B2 true JP6770901B2 (ja) 2020-10-21

Family

ID=60154440

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2017003859A Active JP6770901B2 (ja) 2016-03-22 2017-01-13 搬送ベルトおよび搬送ベルトの製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP6770901B2 (ja)

Also Published As

Publication number Publication date
JP2017193441A (ja) 2017-10-26

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP2011133029A (ja) 平ベルト
JP2009197896A (ja) 平ベルト
TWI741999B (zh) 纖維機械用皮帶
WO2015174480A1 (ja) 無端状平ベルトおよびその製造方法
JP6804847B2 (ja) 搬送ベルト及びその製造方法
JP6770901B2 (ja) 搬送ベルトおよび搬送ベルトの製造方法
JP6900242B2 (ja) 伝動ベルトの製造方法
WO2015108074A1 (ja) 無端状平ベルトおよびその製造方法
JP5873355B2 (ja) シームレスベルト
JP2013180832A (ja) シームレスベルトおよびその製造方法
JP2008081318A (ja) 樹脂コンベヤベルト
JP6118220B2 (ja) シームレスベルト、シームレスベルトの芯体の製造方法、並びに、成形機
JP2011126235A (ja) ベルト端部接合方法、無端ベルト製造方法、および無端平ベルト
JP2003171006A (ja) 食品裁断兼用搬送ベルト
JP7260253B2 (ja) 搬送ベルト
JP2000168930A (ja) 耐屈曲性搬送ベルト
JP6062292B2 (ja) 搬送ベルト
JPH10217347A (ja) 樹脂製コンベヤベルト
JP7260297B2 (ja) 搬送用コンベヤベルト
JP2023087672A (ja) 搬送ベルトおよびその製造方法
JP6867261B2 (ja) 六角ベルト、及び六角ベルトの製造方法
JP2008081319A (ja) 樹脂コンベヤベルト
JP2015131711A (ja) 平ベルトおよび平ベルトの製造方法
JP2005154146A (ja) 搬送ベルト及びその製造方法
JP4558302B2 (ja) 搬送用平ベルト

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20190617

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20200317

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20200407

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20200601

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20200923

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20200928

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 6770901

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250