JP7260297B2 - 搬送用コンベヤベルト - Google Patents

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Description

本発明は、搬送用コンベヤベルトに関する。
食品業界では、HACCP(ハサップ)に沿った衛生管理が義務化され、食への安全対策がこれまでよりも強く求められている。これに伴い、食品搬送時に混入する異物対策も注目されている。
食品搬送時に混入し得る異物としては外部から飛来するものもあるが、搬送用コンベヤベルト自体の端部のほつれ(耳ほつれ)により、搬送用コンベヤベルトを構成する帆布から剥ぎ取られた糸くずが異物となる場合もある。
このような耳ほつれを防止した搬送用コンベヤベルトとして帆布にスパン糸を用いたコンベヤベルトが提案されている(特開平11-130222号公報参照)。この従来のコンベヤベルトでは、所定長さの紡績糸で編成されたスパン糸を帆布に用いることで耳ほつれが防止可能となるとされている。
しかしながら、スパン糸を使用した帆布は熱収縮が大きいため、高温での使用や熱水洗浄によりベルトの収縮が発生し易い。このベルトの収縮により、ベルトコンベヤのプーリが曲がったり、洗浄後のコンベヤベルトを取り付けられなかったりするような不都合が生じるおそれがある。
特開平11-130222号公報
本発明はこのような不都合に鑑みてなされたものであり、熱収縮が発生し難く、かつ耳ほつれの防止できる搬送用コンベヤベルトの提供を目的とする。
上記課題を解決するためになされた発明は、幅方向に配設される緯糸及び搬送方向に配設される経糸により編まれた帆布と、この帆布に含浸する接着剤層とを備え、上記緯糸が、600デシテックス以上の平均太さを有する芯鞘複合糸である搬送用コンベヤベルトである。
芯鞘複合糸は、ヒートセットを行うことで鞘部が溶融し、交差する糸と密着させることができる。当該搬送用コンベヤベルトでは、上記下限以上の平均太さを有する芯鞘複合糸を緯糸に用いるので、糸の種類に関わらず経糸が芯鞘複合糸に固定され、耳ほつれを防止することができる。また、当該搬送用コンベヤベルトは、接着剤層を帆布に含浸させることで緯糸と経糸との密着性をさらに高められるので、耳ほつれ防止効果が高められる。さらに、経糸にスパン糸を使う必要がないので、当該搬送用コンベヤベルトは、熱収縮の発生を抑止できる。
上記芯鞘複合糸の芯部の繊維が高融点ポリエステル繊維であり、鞘部の繊維が低融点ポリエステル繊維であるとよい。このように芯鞘複合糸の芯部の繊維を高融点ポリエステル繊維とし、鞘部の繊維を低融点ポリエステル繊維とすることで、幅方向の伸縮を抑止し易くなるので、搬送用コンベヤベルトの剛性を維持し易い。また、芯部の繊維と鞘部の繊維とが共にポリエステル繊維であるので、搬送用コンベヤベルトの製造時に緯糸の形状を保持し易い。なお、「高融点」及び「低融点」とは、互いの融点の大小関係を意味するものであり、すなわち鞘部のポリエステル繊維が、芯部のポリエステル繊維の融点より融点が低いことを意味する。
上記経糸が、フィラメント糸であるとよい。このように上記経糸をフィラメント糸とすることで、搬送方向の熱収縮の発生抑止効果を高められる。
上記フィラメント糸がタスラン加工されているとよい。このように上記フィラメント糸をタスラン加工することで、経糸が嵩高くなるため、緯糸との密着性を高められる。また、経糸が接着剤層となじみ易くなるため、帆布と樹脂層との接着力を高められる。
当該搬送用コンベヤベルトは、上記帆布の搬送面側に上記接着剤層を介して積層される樹脂層を備えるとよい。搬送面側に樹脂層を備えることで、樹脂層との接着により帆布の耳ほつれ防止効果をさらに高められる。
以上説明したように、本発明の搬送用コンベヤベルトは、熱収縮が発生し難く、かつ耳ほつれの防止できる。
本発明の一実施形態に係る搬送用コンベヤベルトの模式的断面図である。 図1の搬送用コンベヤベルトの帆布を示す模式的平面図である。 図1の搬送用コンベヤベルトに緯糸として用いられる芯鞘複合糸を説明する模式的斜視図である。 実施例の耳ほつれ試験に用いたベルト試験片を示す模式的平面図である。
以下、本発明の一実施形態について適宜図面を参照しつつ詳説する。
図1に示す搬送用コンベヤベルトは、帆布1と、この帆布1に含浸する接着剤層2と、帆布1の搬送面側に積層される樹脂層3とを備える。当該搬送用コンベヤベルトは、食品搬送用途など異物混入の回避が強く求められる搬送用途に好適に用いられ、特に食品の高温搬送に適している。
当該搬送用コンベヤベルトの平均幅は、用途に応じて適宜決定されるが、例えば25mm以上1800mm以下とできる。また、当該搬送用コンベヤベルトの長さは、用途に応じて適宜決定される。
<帆布>
帆布1は、図2に示すように、幅方向(搬送方向である図2の矢印の方向に直交する方向)に配設される複数の緯糸11及び搬送方向(図2の矢印の方向)に配設される複数の経糸12により編まれている。
(緯糸)
緯糸11は、芯鞘複合糸である。つまり緯糸11は、図3に示すように、芯部11aと、芯部11aの周囲を取り囲む鞘部11bとを有する。芯部11aの本数は、図3に示すように1本であってもよいが、複数本とすることもできる。
芯鞘複合糸にあっては、芯部11aの融点は、鞘部11bの融点よりも高い。芯鞘複合糸を用いた編み物では、編んだ後に鞘部11bの融点以上かつ芯部11aの融点以下の温度で加熱すること(ヒートセット)により、鞘部11bのみが溶け、これと接触する糸と固着する。当該搬送用コンベヤベルトでは、緯糸11に芯鞘複合糸を用いるので、この緯糸11を交差する経糸12に密着させることができる。
芯部11aの融点の下限としては、230℃が好ましく、250℃がより好ましい。芯部11aの融点が上記下限未満であると、鞘部11bを選択的に溶かすことが困難となるおそれがある。一方、芯部11aの融点の上限は特に限定されないが、芯部11aの融点は、通常300℃以下とされる。
鞘部11bの融点の下限としては、140℃が好ましく、160℃がより好ましい。一方、鞘部11bの融点の上限としては、220℃が好ましく、200℃がより好ましい。鞘部11bの融点が上記下限未満であると、高温搬送時に緯糸11と経糸12との密着性が低下し、耳ほつれが生じ易くなるおそれがある。逆に、鞘部11bの融点が上記上限を超えると、芯部11aとの融点の差が確保し難くなり、適切なヒートセットを行うことが困難となるおそれがある。
芯部11aの融点と鞘部11bの融点との温度差の下限としては、30℃が好ましく、50℃がより好ましい。一方、上記温度差の上限としては、100℃が好ましく、80℃がより好ましい。上記温度差が上記下限未満であると、適切なヒートセットを行うことが困難となるおそれがある。逆に、上記温度差が上記上限を超えると、芯部11a及び鞘部11bを構成する繊維の選択が限られるため、経糸12の緯糸11への固定効果が十分に得られないおそれがある。
芯鞘複合糸の芯部11a及び鞘部11bの繊維としては、ポリエステル繊維、ナイロン繊維、アクリル繊維等を用いることができる。芯部11a及び鞘部11bは、種類の異なる繊維で構成することもできるが、融点の異なる同種の繊維で構成することが好ましい。芯部11aの繊維と鞘部11bの繊維とを共に同種の繊維で構成することで、当該搬送用コンベヤベルトの製造時に緯糸11の形状を保持し易い。
また、芯鞘複合糸の芯部11aの繊維が高融点ポリエステル繊維であり、鞘部11bの繊維が低融点ポリエステル繊維であるとよい。このように芯鞘複合糸の芯部11aの繊維を高融点ポリエステル繊維とし、鞘部11bの繊維を低融点ポリエステル繊維とすることで、幅方向の伸縮が抑止されるので、当該搬送用コンベヤベルトの剛性を確保し易い。
芯部11aの繊維を構成する高融点ポリエステルとしては、ポリエチレンテレフタレート、ポリプロピレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレン2,6ナフタレート等を挙げることができる。中でも芯鞘複合糸の製造コストの観点からポリエチレンテレフタレートが好ましい。
鞘部11bの繊維を構成する低融点ポリエステルとしては、例えばイソフタル酸やアジピン酸等の共重合ポリエステルなどを挙げることができる。
緯糸11の平均太さの下限としては、600デシテックスであり、1000デシテックスがより好ましい。緯糸11の平均太さが上記下限未満であると、経糸12の緯糸11への固定効果が十分に得られないおそれがある。一方、緯糸11の平均太さの上限としては特に限定されないが、当該搬送用コンベヤベルトの搬送方向の柔軟性の観点から例えば5000デシテックスとできる。
緯糸11のピッチ(搬送方向1mm当たりの本数)の下限としては、1本/mmが好ましく、1.5本/mmがより好ましい。一方、緯糸11のピッチの上限としては、5本/mmが好ましく、3本/mmがより好ましい。緯糸11のピッチが上記下限未満であると、経糸12の緯糸11への固定効果が十分に得られないおそれがある。逆に、緯糸11のピッチが上記上限を超えると、緯糸11が搬送方向に密に存在するため、当該搬送用コンベヤベルトの搬送方向の柔軟性やベルト幅方向のトラフ性が低下するおそれがある。
(経糸)
経糸12は、緯糸11の鞘部11bの融点よりも高い融点を有する限り特に限定されず、フィラメント糸、スパン糸等を用いることができる。中でも経糸12がフィラメント糸であるとよい。このように経糸12をフィラメント糸とすることで、当該搬送用コンベヤベルトの搬送方向の熱収縮の発生抑止効果を高められる。
上記フィラメント糸としては、モノフィラメント糸であってもよいが、マルチフィラメント糸とすることが好ましい。上記フィラメント糸をマルチフィラメント糸とすることで、当該搬送用コンベヤベルトの搬送方向の柔軟性を高められる。
また、上記フィラメント糸がタスラン加工されているとよい。タスラン加工とは、フィラメント糸にエアーを吹き付けることで、嵩高くループ状に強く結束した糸とする加工方方である。上記フィラメント糸にこのタスラン加工を施すことで、経糸12が嵩高くなるため、緯糸11との密着性を高められる。また、経糸12が接着剤層2となじみ易くなるため、帆布1と樹脂層3との接着力を高められる。
経糸12の糸(フィラメント糸あるいはスパン糸)を構成する繊維としては、ポリエステル繊維、ナイロン繊維、アクリル繊維等を用いることができる。
経糸12の平均太さの下限としては、300デシテックスが好ましく、400デシテックスがより好ましい。一方、経糸12の平均太さの上限としては、2000デシテックスが好ましく、1500デシテックスがより好ましい。経糸12の平均太さが上記下限未満であると、帆布1の強度が不足するおそれがある。逆に、経糸12の平均太さが上記上限を超えると、当該搬送用コンベヤベルトの搬送方向の柔軟性が不足し、特にプーリの径の小さいベルトコンベヤに使用し難くなるおそれがある。
経糸12のピッチ(幅方向1mm当たりの本数)の下限としては、0.5本/mmが好ましく、0.8本/mmがより好ましい。一方、経糸12のピッチの上限としては、5本/mmが好ましく、3本/mmがより好ましい。経糸12のピッチが上記下限未満であると、帆布1の強度が不足するおそれがある。逆に、経糸12のピッチが上記上限を超えると、当該搬送用コンベヤベルトの搬送方向の柔軟性が低下するおそれがある。
<接着剤層>
接着剤層2は、帆布1と樹脂層3とを接着する。接着剤層2は、図1に示すように、接着剤層2が帆布1に少なくとも搬送面側から含浸している(図1の含浸領域4)。このように接着剤層2を帆布1に含浸させることで、緯糸11と経糸12との密着性をさらに高められるので、耳ほつれ防止効果を高められる。なお、図1は模式図であり、実際の厚さの比率を示すものではない。
図1では接着剤層2は、帆布1の裏面(搬送面と反対側の面)までは含浸していない。接着剤層2を帆布1の裏面まで含浸させないことで、当該搬送用コンベヤベルトの搬送方向の柔軟性を確保し易くできる。一方、接着剤層2は、帆布1の裏面まで含浸していてもよい。接着剤層2を帆布1の裏面まで含浸させることで、緯糸11と経糸12との密着性をさらに高められる。
また、図1では接着剤層2が帆布1と樹脂層3との間にも積層されている。接着剤層2はこのように積層することもできるが、接着剤層2の表面が帆布1の搬送面と面一となり、樹脂層3が帆布1と接触するように積層されてもよい。同様に、接着剤層2が帆布1の裏面まで含浸している場合についても、接着剤層2は帆布1の裏面と面一であってもよいし、帆布1の裏面から厚さ方向にはみ出していてもよい。
接着剤層2に用いる接着剤としては、帆布1及び樹脂層3を接着できる限り特に限定されないが、エポキシ樹脂系接着剤、ポリエステル系接着剤、ポリウレタン系接着剤、ポリアミド系接着剤、シリコーン系接着剤、ポリ塩化ビニル系接着剤などを挙げることができる。
<樹脂層>
樹脂層3を構成する樹脂としては、熱可塑性のポリエステル、ポリアミド、ポリウレタン、ポリ塩化ビニル、ポリオレフィン等を挙げることができる。中でも耐摩耗性に優れる熱可塑性ウレタンが好ましい。
樹脂層3の平均厚さは、当該搬送用コンベヤベルトに要求される強度等により適宜決定されるが、例えば0.1mm以上3mm以下とできる。
<搬送用コンベヤベルトの製造方法>
当該搬送用コンベヤベルトは、例えば帆布作製工程と、接着剤層含浸工程と、樹脂層積層工程とを備える製造方法により製造することができる。
(帆布作製工程)
帆布作製工程では、緯糸11及び経糸12により編まれた生地にヒートセットを行う。
上記ヒートセットの温度は、芯鞘複合糸である緯糸11の鞘部11bの融点以上かつ芯部11aの融点以下の温度とされる。これにより、緯糸11は、鞘部11bが溶け、これと接触する経糸12と固着する。これにより帆布1が作製される。
(接着剤層含浸工程)
接着剤層含浸工程では、上記帆布作製工程で作製した帆布1に接着剤層2を含浸させる。具体的には、帆布1の搬送面側から内部に接着剤を含浸させた後、加熱及び加圧する。
接着剤の含浸量は、主に塗布速度及び加圧力により決まる。上記塗布速度としては、例えば2m/分以上8m/分以下とできる。上記加圧力としては、例えば0.5kg/cm以上5.0kg/cm以下とできる。
また、接着剤の乾燥温度としては、例えば80℃以上180℃以下とでき、乾燥時間としては0.5分以上10分以下とできる。
あるいは、帆布1を接着剤を蓄えた貯留槽に浸漬することで、帆布1に接着剤層2を含浸させることもできる。この場合、接着剤層2は帆布1全体に含浸する。また、接着剤の含浸量は主に浸漬時間により決まる。
(樹脂層積層工程)
樹脂層積層工程では、帆布1の搬送面側に樹脂層3を積層する。
上記接着剤層含浸工程で、帆布1は、搬送面側から接着剤層2を含浸させているので、その搬送面側には接着剤が塗布された状態である。このため、帆布1の搬送面側に樹脂層3を重ね合わせ、加熱及び加圧することで、接着剤層2を介して樹脂層3が積層される。
この樹脂層積層工程は、上記接着剤層含浸工程後に行ってもよいが、上記接着剤層含浸工程で接着剤を塗布した後、樹脂層3を帆布1に重ね合わせ、接着剤層2の含浸と樹脂層3の積層とを同時に行ってもよい。
<利点>
当該搬送用コンベヤベルトでは、600デシテックス以上の平均太さを有する芯鞘複合糸を緯糸11に用いるので、糸の種類に関わらず経糸12が芯鞘複合糸に固定され、耳ほつれを防止することができる。また、当該搬送用コンベヤベルトは、接着剤層2を帆布1に含浸させることで緯糸11と経糸12との密着性をさらに高められるので、耳ほつれ防止効果が高められる。さらに、経糸12にスパン糸を使う必要がないので、当該搬送用コンベヤベルトは、熱収縮の発生を抑止できる。
[その他の実施形態]
本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、上記態様の他、種々の変更、改良を施した態様で実施することができる。
上記実施形態では、帆布の搬送面側に上記接着剤層を介して積層される樹脂層を備える場合を説明したが、樹脂層は必須の構成要件ではない。例えば帆布及び接着剤層のみで構成される搬送用コンベヤベルトも本発明の意図するところである。
帆布の搬送面側に樹脂層を備えない、つまり帆布及び接着剤層のみで構成される搬送用コンベヤベルトにあっては、接着剤層は裏面側から含浸させてもよい。この場合、接着剤層2は、帆布1の搬送面まで含浸していてもよいし、含浸していなくともよい。
以下、実施例及び比較例を挙げて本発明をさらに詳細に説明するが、当該発明は以下の実施例に限定されるものではない。
[実施例1]
緯糸として平均太さ1100デシテックスの芯鞘複合糸を用い、経糸として平均太さ560デシテックスのマルチフィラメント糸を用いた帆布を準備した。なお、芯鞘複合糸の芯部及び鞘部は共にポリエステル繊維で構成した。なお、芯部の融点は250℃、鞘部の融点は160℃とした。また、マルチフィラメント糸はポリエステル繊維で構成した。
上記帆布に接着剤層を含浸させた。具体的には、ポリウレタン系接着剤を帆布に浸漬した。
接着剤層を含浸させた上記帆布の搬送面側に樹脂層を重ね合わせ、含浸させた接着剤層で帆布に接着した。なお、樹脂層を構成する樹脂には、ポリウレタンを用い、樹脂層の平均厚さは0.3mmとした。
以上のようにして、実施例1の搬送用コンベヤベルトを得た。
[実施例2]
経糸をタスラン加工したマルチフィラメント糸とした以外は、実施例1と同様にして実施例2の搬送用コンベヤベルトを得た。
[実施例3]
緯糸の平均太さを1670デシテックスとした以外は、実施例1と同様にして実施例3の搬送用コンベヤベルトを得た。
[比較例1]
緯糸として平均太さ660デシテックスのモノフィラメント糸を用いた以外は、実施例1と同様にして比較例1の搬送用コンベヤベルトを得た。なお、モノフィラメント糸を構成する繊維は、実施例1のマルチフィラメント糸を構成する繊維と同様とした。
[比較例2]
緯糸として平均太さ1100デシテックスのモノフィラメント糸を用い、経糸として20番手を2本撚り合わせたスパン糸を用いた以外は、実施例1と同様にして比較例2の搬送用コンベヤベルトを得た。
[比較例3]
緯糸の平均太さを560デシテックスとした以外は、実施例1と同様にして比較例3の搬送用コンベヤベルトを得た。
[比較例4]
実施例1の緯糸と経糸との種類を入れ換えた、すなわち緯糸としてマルチフィラメント糸を用い、経糸として芯鞘複合糸を用いた以外は実施例1と同様にして比較例4の搬送用コンベヤベルトを得た。
[評価]
実施例1~3、及び比較例1~4について、帆布の経糸引抜力、樹脂層と帆布との接着力、乾熱収縮量、耳ほつれ試験、及び曲げ剛性を評価した。以下に、各項目の評価方法について説明する。
<経糸引抜力>
搬送方向に54mmの長さに渡って切り取り、耳ほつれを防止するため両端から2mmに位置する緯糸を抜き取って試験片を作製した。つまり、試験片の実質的な長さ(経糸引抜力の試験に供する部分の長さ)は50mmとなる。
上記試験片の搬送方向の一端を固定し、他端の中央部付近の隣合う2本の経糸をクリップで留め、このクリップを50m/分の速度で引っ張りながらオートグラフで引き抜くときの力のピークを測定した。結果を表1に示す。
なお、経糸引抜力は、搬送用コンベヤベルトに加え(表1の「ベルト」欄)、接着剤層を含浸させる前の帆布単体(表1の「帆布単体」欄)についても測定を行った。
<接着力>
接着力は、JIS K 6256-1:2013に準拠し、50mm/分の引っ張り速度で180℃剥離試験を行い、幅25mm×長さ150mmの試験片の層間接着力(N/mm)として算出した。結果を表1に示す。
<乾熱収縮量>
幅20mm×長さ250mmの試験片を切り出し、150℃で30分間保持する前後の搬送方向の長さを測定し、その収縮量を保持する前の長さを基準として算出した。結果を表1に示す。
<耳ほつれ試験>
試験片として、図4に示すように、搬送用コンベヤベルトの端辺側の一部を、2本分の経糸12の幅を有する帯状に切り取った。このとき、図4に示すように、幅方向の切り口は、2本分の経糸12と接する。
この2本分の経糸12と接する切り口の幅方向内側の角部Cに金属板を荷重0.4kgfで1万回当てた。その後、上記切り口において、ほつれて突出している糸の長さを測定した。結果を表1に示す。
<曲げ剛性>
幅25mm×長さ150mmの試験片を切り出し、樹脂層が外側となるように曲げて(正曲げして)リング状にした。このリング状のベルトを高さ2cmとなるように変形させ、その時に必要な荷重を測定した。結果を表1に示す。
Figure 0007260297000001
表1で、「接着力」の欄の「剥離不可」は、上述の試験方法では樹脂層を剥離することができなかったこと、すなわち強力に接着されていることを意味する。また、「耳ほつれ試験」の欄の「0」は、耳ほつれが認められなかったことを意味する。
表1の結果から、実施例1から実施例3の搬送用コンベヤベルトは、熱収縮が発生し難く、かつ耳ほつれが防止できることが分かる。これに対し、比較例1の搬送用コンベヤベルトは、緯糸に芯鞘複合糸を用いていないため、耳ほつれが発生したと考えられる。また、比較例2の搬送用コンベヤベルトでは、緯糸にモノフィラメント糸を用い、経糸にスパン糸を用いているため、熱収縮が発生したと考えられる。比較例3の搬送用コンベヤベルトでは、緯糸の平均太さが600デシテックス未満であるため、耳ほつれが発生したと考えられる。さらに、比較例4の搬送用コンベヤベルトは、熱収縮が発生し難く、かつ耳ほつれが防止されるが、実施例1から実施例3の搬送用コンベヤベルトと比較すると、搬送方向の曲げ剛性に劣り、特にプーリの径の小さいベルトコンベヤの使用に適さない。
以上から、帆布の緯糸を、600デシテックス以上の平均太さを有する芯鞘複合糸とすることで、熱収縮が発生し難く、かつ耳ほつれの防止できる搬送用コンベヤベルトが得られると言える。
さらに詳細に見ると、接着剤層が帆布に含浸している搬送用コンベヤベルトの経糸引抜力は、いずれの実施例及び比較例においても接着剤層を含浸させる前の帆布単体の経糸引抜力より大きい。このことから、接着剤層を帆布に含浸させることで、帆布の緯糸と経糸との密着性をさらに高められることが分かる。
実施例1と実施例2とを比較すると、経糸をタスラン加工した実施例2の方が搬送用コンベヤベルトの経糸引抜力が大きい。このことから、フィラメント糸をタスラン加工することで、経糸が嵩高くなるため、緯糸との密着性を高められることが分かる。
また、実施例1と実施例2とを比較すると、実施例2の方が接着力が高い。このことから、フィラメント糸をタスラン加工することで、経糸が接着剤層となじみ易くなり、帆布と樹脂層との接着力を高められることが分かる。
本発明の搬送用コンベヤベルトは、熱収縮が発生し難く、かつ耳ほつれが防止できる。
1 帆布
11 緯糸
11a 芯部
11b 鞘部
12 経糸
2 接着剤層
3 樹脂層
4 含浸領域
C 角部

Claims (4)

  1. 幅方向に配設される緯糸及び搬送方向に配設される経糸により編まれた帆布と、
    この帆布に含浸する接着剤層と
    を備え、
    上記緯糸が、600デシテックス以上の平均太さを有する芯鞘複合糸であり、
    上記芯鞘複合糸の芯部の繊維が高融点ポリエステル繊維であり、鞘部の繊維が低融点ポリエステル繊維である搬送用コンベヤベルト。
  2. 上記経糸が、フィラメント糸である請求項1に記載の搬送用コンベヤベルト。
  3. 上記フィラメント糸がタスラン加工されている請求項2に記載の搬送用コンベヤベルト。
  4. 上記帆布の搬送面側に上記接着剤層を介して積層される樹脂層を備える請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の搬送用コンベヤベルト。
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