JP5796981B2 - シューター - Google Patents

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本発明は、シューター用布帛に関するものである。
火災時や緊急を有する場合、またはその他の様々な状況において、高所から低所へと人や物を移動させることが必要となることが多い。そのための手段としてシューターが用いられている。このようなシューターとしては、布帛にて構成されたものが知られており、この布帛をシューターの横断面において湾曲した形となるように設置することで、人や物を受け止めた状態でシュートさせることが可能である。
このようなシューターに多く用いられる布帛として、一般的に、帆布などの生機布帛、ターポリン生地、または布帛に合成ゴム等をコーティングしたコーティング加工布などが知られている。これらの布帛に用いられている繊維としては、化学繊維や天然繊維など様々な繊維が挙げられる。
シューターの形態も様々であり、例えば、特許文献1には、エア注入により滑降部とその両側のサポート部からなるシューターを展張させて、滑り台のような形状とされた脱出用シューターが記載されている。また、特許文献2には、シートの状態で使用される木材等搬送用シューターが記載されている。
一般に、シューターの使用場所や使用状況により、勾配の程度は様々に変わるものである。そして、勾配が小さい場所においては、人や物を滑らせることが困難となり、該人や物がシューターの途中で止まってしまう場合があった。そこで、これを改善する方法として、例えば、シューター用布帛となる織物の表面にコーティング加工などの後加工を施すことにより、滑り性を向上させることが考えられる。しかしながら、コーティング加工の際には、コーティング剤を選定することが困難であり、コスト面においても不利になるという問題があった。また、コーティング加工などの後加工を施すことにより、質量が増加し、シューターとして用いる際の作業性を著しく低下させるという問題も発生していた。
特許第3933947号公報 特開平09−156732号公報
本発明は、この様な状況に鑑みてなされたもので、勾配が小さい場所での使用においても対象物が途中で止まってしまうことのない、摩擦抵抗が低く、滑り性に優れたシューター用布帛を提供することを目的とする。
本発明者らは、上記課題を解決すべく鋭意検討した結果、本発明に到達した。
すなわち、本発明は以下を要旨とするものである。
(1)高所から低所へ人や物を移動させるシューターであって、
シューターは織物製の布帛から構成され、
該織物の織組織が平織であり、
織物の表面に、それぞれ複数の畝部および平坦部が交互に形成され
畝部が、織物を構成する緯糸または経糸のどちらか一方のみに配された数本おきの太い糸により形成され、
畝部の長さ方向が、人や物を滑らせる方向と直交する方向であることを特徴とするシューター。
(2)太い糸の繊度が、他の糸の繊度に対して、繊度比で5倍以上大きいことを特徴とする()のシューター。
(3)太い糸が、熱融着複合繊維によって構成される糸であることを特徴とする(1)または(2)のシューター。
)該織物表面における畝部と平坦部の面積比が、(畝部)/(平坦部)≦1/1であることを特徴とする(1)〜()のいずれかに記載のシューター。
本発明のシューター用布帛は、該布帛を構成する織物表面に、人や物を滑らせる方向と畝部の長さ方向とが交差するように、それぞれ複数の平坦部と畝部が、交互に形成されている。そして、本発明によれば、布帛の摩擦抵抗を軽減させることができることから、勾配が小さい場所においても対象物が途中で止まってしまうことのない、滑り性に優れたシューター用布帛を提供することができる。
本発明のシューター用布帛の一態様を示す平面図である。 本発明のシューター用布帛の一態様における一部を切り出して示す斜視図である。 本発明のシューター用布帛の別の態様を示す平面図である。 図4にて示されるシューター用布帛を構成する織物の拡大図である。 本発明にて用いられるカルゼ織の織物における組織図を示す図である。 本発明のシューター用布帛が実使用に供された状態を示す概略図である。
以下、本発明を具体的に説明する。
本発明のシューター用布帛(以下、「布帛」と略称する場合がある)は、織物にて構成されるものである、該織物表面には、それぞれ複数の平坦部と畝部が人や物を滑らせる方向と畝部の長さ方向とが交差するように交互に形成されている。
本発明のシューター用布帛について、図1および図2を用いて以下に説明する。
図1は、平織組織の織物から構成されたシューター用布帛1を示す平面図である。図2は、図1に示される平織組織の織物から構成されたシューター用布帛1から一部を切り出して示す斜視図である。図1および図2にて示された、平織組織の織物から構成された本発明のシューター用布帛は、緯糸において数本おきに太い糸が配された織物、あるいは経糸において数本おきに太い糸が配された織物から構成されている。そして、該織物の表面において、太い緯糸あるいは太い経糸が配される箇所が畝部2を形成し、該畝部2が平行線状に並ぶように、かつ人や物を滑らせる方向と畝部2の長さ方向とが交差するように、畝部2と平坦部3が形成されている。本発明においては、シューター用布帛における対象物を滑らせる方向の長さにもよるが、緯糸において数本おきに太い糸が配された織物が好ましく用いられる。
図3は、カルゼ織組織の織物から構成されたシューター用布帛1を示す平面図である。図4は、図3にて示されるカルゼ織組織の織物から構成されたシューター用布帛1を構成する織物の表面の拡大図である。図3および図4に示されたカルゼ組織の織物から構成された本発明のシューター用布帛は、織組織に由来して、経糸が緯糸の上に出る、いわゆる「浮き」の部分が布帛の斜め方向に連なって存在することとなる。それにより、該織物の表面において、人や物を滑らせる方向と畝部2の長さ方向とが交差するように、複数の畝部2が斜めに並ぶ形状で、畝部2と平坦部3が形成されている。つまり、織物表面において畝部と平坦部とを形成するためには、上述のように、平織組織において緯糸あるいは経糸のどちらか一方のみにおいて、数本おきに太い糸を配することや、カルゼ織組織において経糸と緯糸の間に織組織に由来する高低差を発現させることが肝要である。なお、図5に、カルゼ織組織の組織図を示す。
織物を構成する糸について、以下に詳述する。
織物を構成する経糸および緯糸は、本発明の効果を発現させるものであれば、特に限定されず、合成繊維、天然繊維、再生繊維のいずれを用いてもよい。合成繊維としては、ポリアミド、脂肪族ポリエステル、芳香族ポリエステル、ビニロン、ポリプロピレン、アラミドなどが挙げられる。天然繊維としては、綿などが挙げられる。再生繊維としては、レーヨン等が挙げられる。これらの繊維の形態は、長繊維であっても短繊維であってもよいが、対象物と布帛の間の摩擦抵抗をより効果的に低減できることから、長繊維が好ましく用いられる。そして、マルチフィラメント糸、モノフィラメント糸、紡績糸、合撚糸などの形態で用いることができる。
織物を構成する繊維の繊維断面の形状は、特に限定されず、丸断面、扁平断面、異形断面のいずれであってもよい。また、織物を構成する繊維には、本発明の効果を損なわない範囲で、必要に応じて、着色剤、抗菌剤、耐候剤、平滑剤などの添加剤が含有されていてもよい。また、織物を構成する繊維は先染め糸であってもよい。
織物を構成する糸としては、強度を考慮して、一般的に撚糸が用いられる。該撚糸の撚り係数は、2000〜4000であることが好ましく、2350〜3650であることがより好ましい。撚り係数が2000未満である場合は、撚りが弱くなって糸自体が潰れてしまい、得られる織物の表面に十分な高低差を有する畝部と平坦部を形成することができない場合がある。一方、4000を超えると、トルクが入りやすくなり、織物を得る際における製織工程での取扱性が低下する場合がある。
撚り係数kは下記式から算出される。
k=(D/ρ)1/2×T
なお、上記式中、Dは織物を構成する繊維の繊度(dtex)を示す。ρは織物を構成する繊維の密度(g/cm)を示す。Tは撚数(T/m)を示す。
織物を構成する糸の繊度は、280〜2200dtexが好ましく、560〜1670dtexがより好ましい。280dtex未満であると得られる布帛が破断しやすくなり、一方、2200dtexを超えると、得られる布帛の質量が増加しすぎて作業性が著しく低下する場合があるため好ましくない。なお、該織物が平織組織の場合には、上述のように、緯糸あるいは経糸のどちらか一方のみにおいて、織物を構成する他の糸よりも太い糸を数本おきに配するが、この場合、畝部と平坦部を効果的に形成させ、滑り性効果をよりいっそう向上させる観点から、太い糸の繊度は、他の糸の繊度よりも5倍以上大きい繊度の糸であることが好ましい。具体的には、他の糸が280dtexのときには、太い糸は1400dtex以上であることが好ましく、他の糸が2200dtexのときには、太い糸は11000dtex以上であることが好ましい。
織物について以下に述べる。
本発明において、織物表面における平坦部と畝部の面積比は、(畝部)/(平坦部)≦1/1であることが好ましい。なお、(畝部)/(平坦部)の下限は1/20程度とする。
本発明の布帛を構成する織物の織組織としては、平織、またはカルゼ織の織物を用いることが肝要である、平織の組織においては、上述したように、緯糸のみにおいて他の糸と比べて太い糸が数本おきに配されている織物、あるいは経糸のみにおいて他の糸と比べて太い糸が数本おきに配されている織物を用いる。緯糸のみにおいて太い糸が配される織物をシューター用布帛とする場合は、人や物を滑らせる方向は、織物の経糸の方向(布帛の機械方向)となる。一方、経糸のみにおいて太い糸が配される織物をシューター用布帛とする場合には、人や物を滑らせる方向は、織物の緯糸の方向(布帛の機械方向と直交する方向)となる。
太い糸を数本おきに配するにあたっては、太い糸および他の糸の太さにもよるが、また、畝部と平坦部との面積比に応じて適宜選択すればよいが、3〜25本おきに太い糸を配するとよい。
太い糸は、他の糸と同様に、マルチフィラメント糸、モノフィラメント糸、紡績糸、合撚糸を用いることができる。畝部の形状をより安定した形態とし、人や物が載ったときに糸の形状が重みでつぶれないように畝部を効果的に保持するためには、1本のモノフィラメント糸により形成されることが好ましい。あるいは、熱融着複合繊維によって構成されるマルチフィラメント糸や紡績糸、あるいは合撚糸を用い、製織した後に、熱処理を施すことによって、熱融着複合繊維の熱融着成分である低融点ポリマーを溶融させて、糸を構成している繊維同士を固着により一体化させて固着してなる糸(モノフィラメント糸化した糸)とすることにより、太い糸としてもよい。1本のモノフィラメント化した太い糸、あるいは、複数の繊維同士が固着によりモノフィラメント糸化した糸は、重みによる形状変化が起こりにくく、畝部の高さを効果的に保持することができる。また、形状変化がしにくい太い糸が、滑らせる方向と直交する方向に平行して複数本存在することにより、人や物の重みで湾曲しにくく、滑らせる対象物と布帛との接触面積が大きくならないため、摩擦抵抗を低減させることができ、傾斜が小さい場合であっても良好にシュートすることが可能となる。
この平織の織物では、畝部の長さ方向は、人や物を滑らせる方向とほぼ直交する。本発明者らは、本発明における平織の布帛が、摩擦抵抗をより効果的に低減しうる理由について、下記のように推定する。すなわち、畝部が、例えば、太い緯糸の箇所に形成される場合、畝部における経糸は緯糸の上に出ているため、いわゆる「浮き」となっている。そして、「浮き」を形成する糸(経糸)の長手方向が滑らせる方向と一致することにより、より効果的に対象物と布帛との間の摩擦抵抗を低減させることが可能となると推定する。
また、カルゼ織の組織である場合、上述のように、その織組織に由来して経糸と緯糸との間で高低差を発現させ、畝部と平坦部を形成することが可能となる。カルゼ織の畝部における繊維同士の密着度を示す指標であるカバーファクター(以下、「CF」と称する場合がある)は、700〜1200が好ましく、800〜1000であることがより好ましい。畝部におけるCFが700未満であると、織物表面に畝部と平坦部との高低差を十分に生じさせることが非常に困難となる場合がある。一方、畝部のCFが1200を超えると、対象物を滑らせる際に、対象物と織物との接触面積が増加し、摩擦抵抗を十分低減させることができない場合がある。
本発明においては、平織組織の織物を用いることがより好ましい。平織であると、耐磨耗性に優れ、かつ対象物を滑らせたときに、布帛の張り感と剛性をより効果的に発現させることができ、摩擦抵抗を顕著に低減しうるシューター用布帛を得ることが可能となる。
CFは下記式から算出される。
CF=(D/ρ)1/2×N
なお、上記式中、Dは織物を構成する繊維の繊度(dtex)を示す。ρは織物を構成する繊維の密度(g/cm)を示す。Nは織物の織密度(本/吋)を示す。
本発明のシューター用布帛を構成する織物の目付は、その取扱性、運搬性などの観点から、200〜350g/mであることが好ましく、250〜350g/mであることがより好ましい。
本発明のシューター用布帛は、人や物といった対象物が繰り返し滑るものである。そのため、該布帛を構成する織物の目ズレが発生しやすいという問題がある。また、対象物を滑らせている際に、不意に鋭利なもので織物を突き刺してしまうという状況も想定される。そこで、本発明のシューター布帛は、織物の目ズレや突き刺しを防止するために、織物の一部に熱融着繊維を使用することで熱融着により固着された織物としてもよい。
熱融着繊維としては、全融タイプ、または芯部を構成するポリマーの融点より低い融点のポリマーが鞘部に配されている芯鞘複合繊維などが挙げられる。これらの熱融着繊維を所定の温度雰囲気下で熱処理することにより、繊維同士が強固に固着し、目ズレや突き刺しが防止された布帛を得ることができる。
これらの熱融着繊維は、経糸、緯糸のいずれに使用されていてもよい。その使用量に関して、織物中の熱融着繊維の割合を100%とすると、得られる布帛の風合いが硬くなり、作業性や収納性が低下するため好ましくない。熱融着繊維と、熱融着繊維以外の繊維(その他の繊維)との比率は、質量比で、(熱融着繊維)/(その他の繊維)=50/50〜5/95であることが好ましく、40/60〜10/90であることがより好ましい。熱融着繊維の比率が50%を超えると、得られる布帛の風合いが硬くなる場合がある。また、熱融着繊維の比率が5%未満であると、目ズレや突き刺し防止効果が不十分となる場合がある。
熱融着繊維が芯鞘複合繊維である場合、芯部と鞘部とがいずれもポリエステル系重合体であることがより好ましい。すなわち、芯鞘複合繊維の芯部がポリエステル系重合体からなり、且つ鞘部が芯部のポリエステル系重合体より融点の低いポリエステル系共重合体からなることが好ましい。このような繊維としては、例えば芯部に高粘度ポリエステルが配され鞘部に共重合ポリエステルが配された芯鞘構造を有する、ユニチカ社製の「メルセット(商品名)」などを用いることが好適である。また、芯鞘複合繊維を一部に用いて、マルチフィラメント、紡績糸などの形態をとることができる。
また、熱融着繊維が芯鞘複合繊維である場合、芯鞘複合繊維の鞘部を構成するポリマーと、芯鞘複合繊維以外の繊維を構成するポリマーとが同じポリマーから構成されていることが好ましい。芯鞘複繊維を構成するポリマーと、芯鞘複合繊維以外の繊維を構成するポリマーとが異なる場合、芯鞘複合繊維とその他の繊維との相溶性が低下する場合がある。その結果として、熱融着の際に互いに固着し難くなり、得られる布帛を引っ張った場合に、繊維間での抜けが発現しやすくなる。
本発明のシューター用布帛を実使用に供した場合の状態を図6に示す。図6において、4はシューター用布帛上を滑らせる対象物を示し、5は対象物を滑らせる方向を示す。滑り性を向上させる観点から、畝部の長さ方向に交差する方向に対象物を滑らせるように、本発明のシューター用布帛を使用することが必要である。
以下、本発明を実施例により具体的に説明するが、本発明はこの実施例により限定されるものではない。なお、実施例中の値の測定および評価は以下のように行った。
(1)動摩擦係数測定試験
「オートグラフ AG−I型」(島津製作所社製)を用いて、JIS K 7125に従って測定をおこなった。試験テーブルとして木材板を用い、該木材板の上に試験片を設置し、試験片の上に荷重をかけた状態で試験片を引張り移動させた。測定条件は、荷重50kg/m、引張速度1000mm/分とした。試験片のサイズは、100mm×64mmとした。
実施例1
経糸として、ポリエチレンテレフタレート(以下、「PET」と称する場合がある)のマルチフィラメント(融点:260℃、繊度:560dtex/96f、撚り数:120T/m、S字撚)を用いた。緯糸として、PETのマルチフィラメント(融点:260℃、繊度:560dtex/96f、撚り数:180T/m、S字撚)、および芯部に高粘度ポリエステル(融点:260℃)、鞘部に共重合ポリエステル(融点:160℃)が配された熱融着繊維である芯鞘複合繊維からなるマルチフィラメント(繊度:1670dtex/96f)を撚り数100T/m(S字撚)で2本合撚して得た合撚糸(3340dtex)を太い糸として用いた。経糸の織り密度45本/吋、緯糸の織り密度35本/吋で、(PETのマルチフィラメント):(芯鞘複合繊維によって構成される合撚糸)=9:1(質量比)となるように、平織の組織で製織することによって織物を得た。該布帛に対して、芯鞘複合繊維の鞘部を構成する共重合ポリエステルの融点以上、かつ芯部を構成する高粘度ポリエステルの融点未満の温度域である180℃で、2分間熱処理することにより、実施例1のシューター用布帛を得た。
実施例2
太い糸として、熱融着繊維である芯鞘複合繊維からなるマルチフィラメント(繊度:1670dtex/96f)を撚り数70T/m(S字撚)で4本合撚して得た合撚糸を用いた以外は、実施例1と同様にして、実施例2のシューター用布帛を得た。
比較例1
経糸および緯糸として、PETのマルチフィラメント(融点:260℃、繊度:560dtex/96f、撚り数:120T/m、S字撚)を用い、経糸の織り密度を69本/吋、緯糸の織り密度を75本/吋として、緯糸の2重織の綾組織で製織することによって織物を得た。得られた織物を、180℃で2分間熱処理することにより、比較例1の布帛を得た。
実施例1および2、比較例1で得られたシューター用布帛の動摩擦係数測定試験結果を表1に示す。なお、実施例1および実施例2においては、畝部の長さ方向に交差する方向に対象物を滑らせて、動摩擦係数測定試験をおこなった。
Figure 0005796981
表1から明らかなように、実施例1および2の動摩擦係数は、比較例1の動摩擦係数と比較すると低い値となり、対象物が滑りやすい結果となった。すなわち、比較例1の動摩擦係数と比較すると、実施例1の動摩擦係数は約8.6%低減されており、実施例2の動摩擦係数は約14.4%低減されていた。その要因は、実施例1および2においては、平織組織の緯糸に太い繊維を用いることで、対象物を滑らせる方向と畝部の長さ方向とが交差するように、織物表面に畝部および平坦部が形成されているため、布帛と試験片との接触面積が少なくなったことに起因する滑り性向上効果が得られたためであると推測される。
特に、実施例2においては、動摩擦係数がより顕著に低減されているが、この理由は以下のようであると推測される。つまり、織物を構成する繊維の繊度が高いため、畝部がより大きく盛り上がり、畝部と平坦部との高低差がより大きくなっている。そのため、対象物に起因する負荷により畝部が多少潰れた場合であっても、布帛には十分な高低差が残存するからであると推測される。
また、実施例1および比較例1で得られた布帛を用いて、下記の滑り試験をおこなった。
滑り試験
得られたシューター用布帛を、長さ30m×幅1mに切断した。これを、長手方向に傾斜角度12度となるように、4隅を固定して展張し、張った状態で設置した。その上部から木材を滑らせて、滑り性および布帛の張り具合を目視で確認した。
実際に木材を滑らせた結果、実施例1は滑り性がよく、木材を手動にて押し動かした際にも容易に動かせるものであった。また、布帛の展張具合が良好で、湾曲度合いがほとんど無かった。実施例1は滑り方向と直交する方向に硬化した太い糸を複数本配しているため、布帛の自重による弛みが抑えられており、滑り性をさらに向上させることが可能であった。一方、比較例1においては、木材を手動にて動かしても木材を滑らせることが困難であり、滑り性に劣るものであった。
1 シューター用布帛
2 畝部
3 平坦部
4 布帛上を滑らせる対象物
5 対象物を滑らせる方向

Claims (4)

  1. 高所から低所へ人や物を移動させるシューターであって、
    シューターは織物製の布帛から構成され、
    該織物の織組織が平織であり、
    織物の表面に、それぞれ複数の畝部および平坦部が交互に形成され
    畝部が、織物を構成する緯糸または経糸のどちらか一方のみに配された数本おきの太い糸により形成され、
    畝部の長さ方向が、人や物を滑らせる方向と直交する方向であることを特徴とするシューター。
  2. 太い糸の繊度が、他の糸の繊度に対して、繊度比で5倍以上大きいことを特徴とする請求項に記載のシューター。
  3. 太い糸が、熱融着複合繊維によって構成される糸であることを特徴とする請求項1または2に記載のシューター。
  4. 該織物表面における畝部と平坦部の面積比が、(畝部)/(平坦部)≦1/1であることを特徴とする請求項1〜のいずれかに記載のシューター。
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