JP4794079B2 - 塗装用ローラとその製造方法 - Google Patents

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【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、パイル糸のほつれを防止した塗装用ローラと、その製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
図6〜9は、従来の塗装用ローラの形成方法を示している。すなわち、図6に示したように、パイプ1にローラ用のストリップ2を螺旋状に巻き付けて、ロールを形成する。上記ローラ用ストリップ2は、図7に示すように、幅の広いローラ用反物3をカッター4で長さ方向に平行に切り、幅の狭い複数本のストリップ2とする。
上記ローラ用反物3は、ベースとなる生地に、パイル糸を織り込んで形成している。図8に示したのは、上記ローラ用反物3のベース生地7を示したものであり、このベース生地7は、縦糸5と横糸6とを交互に平織りにしている。
【0003】
図9が、上記ベース生地7にローラの毛先となるパイル糸8を織り込んだ状態を表したものである。このようにパイル糸8をベース生地7に織り込むことによって、パイル糸8がベース生地7から抜けたりしないようにしている。なお、上記ベース生地7の縦糸5と横糸6とは、熱可塑性の樹脂製の糸を使用している。
【0004】
上記のようなローラ用反物3を切断して形成したストリップ2をパイプ1に螺旋状に巻き付けるが、これを巻き付けるとき、ストリップ2とストリップ2との間を接着剤などで接着する。上記ストリップ2とストリップ2とを接着したら、接着した境目を目立たないようにするために、巻き付けたストリップ2の表面全体をブラッシングする。また、このようにブラッシングすることによって、パイル糸8をローラ表面全体に、均一に整えることができる。
上記のようにブラッシングしたら、上記ストリップ2を巻き付けたパイプ1に図示しないハンドルを挿入し、これを塗装用ローラとして用いる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
上記のような塗装ローラにおいて、ローラ用反物3をストリップ2に切断すると、その切断面から、パイル糸8がほつれてきてしまう。その理由を以下に説明する。すなわち、図9のローラ反物のA−A線でこれを切断しストリップ2にすると、パイル糸8を支持していた縦糸5がなくなってしまうので、パイル糸8は図の左方向に対してフリーな状態になる。このようにパイル糸8がフリーになると、これが図の左側からほつれてきてしまう。
【0006】
上記のようにパイル糸8がほつれてしまうと、上記ストリップ2を螺旋状に巻いたとき、ストリップ2とストリップ2との間のパイル糸8の密度が小さくなる。このようにパイル糸8の密度が小さくなってしまうと、塗装にムラができてしまうという問題がある。さらに、上記パイル糸8の密度が少なくなると、ストリップ2とストリップ2とのつなぎ目が目立ってしまう。このようにつなぎ目が目立つと、商品価値が低下してしまうという問題もある。
【0007】
さらに、上記ストリップ2を螺旋状に巻いた後、これをブラッシングするが、このブラッシングの際にも、ストリップ2の切断面のパイル糸8がほつれてきてしまう。なぜなら、ブラッシングによって、パイル糸8に強い引っ張り方向の力が作用するからである。したがって、ブラッシングする前にはほつれなくても、このブラッシングによってほつれてしまうパイル糸8がある。
【0008】
また、ほつれる可能性のある切断面のパイル糸8が、ブラッシング時にすべて抜けてしまえば、それほど問題はないが、上記ブラッシング時に抜けなかったパイル糸8が塗装中にほつれてきてしまうことがある。塗装中にほつれてきてしまうと、上記ブラッシング時にほつれたときよりも大きな問題になる。なぜなら、せっかく塗装した塗装面に、ほつれたパイル糸8が付着してしまうからである。
【0009】
このように、塗装中にパイル糸8がほつれるのは、特に気温が高くなる夏が多い。すなわち、気温が高くなると、塗料が揮発しやすく、この揮発にともなって、塗料の乾燥速度が速くなる。乾燥が早くなると、ローラに浸透した塗料が、塗装している間に硬くなり、その粘着性が高くなる。このように塗料の粘着性が高い状態でローラを転がすと、塗料によってパイル糸8が引っ張られ、これがほつれてしまう。そして、ほつれたパイル糸8は塗装面に付着してしまう。
【0010】
上記パイル糸8のほつれを防止するために、ローラ用反物3を加熱しながら切断するということが考えられる。加熱しながら切断することによって、樹脂製のベース生地7が熱で溶融する。すなわち、ストリップ2の切断面のベース生地7が熱で溶融し、この溶融によってほつれ止めをすることができる。この加熱による切断の具体的手段として、例えば、レーザーカットによって切断したり、超音波カッターや熱刃によってカットしたりすることが考えられる。
しかし、上記レーザーカットや超音波によるカットは、非常にコストが高い。このようなコストの高い方法を使用すると、ローラ全体のコストが高くなってしまうという問題があった。
【0011】
また、上記レーザーカットや熱刃によるカットは、カーテンやリボンなどといった比較的薄い生地を切断するのに用いられることが多い。しかし、ローラ用反物3は、上記カーテンやリボンに比べるとその厚さが厚い。したがって、上記ローラ用反物3を切断しようとすると、レーザーカットの場合は、レーザーの照射時間を長くしなければならないし、熱刃によるカットの場合には、熱刃の温度を上げなければならない。
【0012】
上記レーザーカットの照射時間を長くすれば、ストリップ2の切断面が焦げてしまうという問題があった。また、熱刃を高温にすると、熱刃がその高温に耐えきれないという問題があった。
いずれにしても、上記レーザーカットや超音波、あるいは熱刃によるカットは、現実的に採用できる方法ではなかった。
【0013】
この発明の目的は、ローラ用反物からストリップを切断したとき、切断面からパイル糸がほつれることがなく、しかも低コストな塗装用ローラと、この塗装用ローラの製造方法を提供することである。
【0014】
【課題を解決するための手段】
第1の発明は、パイプと、パイプに巻き付けるストリップとを備え、上記ストリップは、ローラ用反物を切断して形成するとともに、このストリップは、縦糸と横糸を平織りにしたベース生地にパイル糸を編み込む構成にした塗装用ローラであって、上記ストリップの切断面と底面とを熱で溶融し、上記パイル糸のほつれを防止するほつれ防止部を形成し、このほつれ防止部を構成する切断面と底面とを直角に維持したことを特徴とする
【0015】
第2の発明は、ローラ用反物を搬送する第1搬送手段と、第2搬送手段と、上記第1搬送手段および第2搬送手段の間に設けたカッターと、このカッターの下流に設けたヒーターとを備え、上記第1搬送手段から第2搬送手段に向けてローラ用反物を搬送し、第1搬送手段から搬送されたローラ用反物をカッターで切断してストリップを形成し、このストリップの切断面をヒーターで加熱して上記ストリップの切断面にほつれ防止部を形成し、このストリップをパイプに巻き付けることを特徴とした。
【0016】
第3の発明は、ヒーターに、基部と凸部とを備え、上記凸部の先端に尖状部を形成するとともに、上記基部でストリップの底面を加熱し、上記凸部でストリップの切断面を加熱する構成にしたことを特徴とする。
第4の発明は、第1搬送手段と第2搬送手段に、それぞれ一対の搬送ベルトで構成するとともに、上記搬送ベルトの表面に凹凸を形成し、各対の搬送ベルトの間でローラ用反物を挟む構成にしたことを特徴とする。
【0017】
【発明の実施の形態】
図1〜5は、この発明の一実施形態を示したものである。この実施形態の説明において、従来例と同じ構成要素には、従来例と同じ符号を用いる。
図1は、ローラ用反物3を切断してストリップ2にするとともに、このストリップ2の切断面を熱で溶融するための塗装用ローラの製造装置Dの側面図である。図2は、図1で示した塗装用ローラの製造装置Dの概略斜視図である。
【0018】
図1、2に示したように、リール9に巻かれたローラ用反物3を、ガイドローラgを介して、第1搬送手段である環状の第1搬送ベルト10、11の間に導く。
上記第1搬送ベルト10は、ガイドローラ12a、12bで支持するとともに、このガイドローラ12a、12bの外側を回転するようにしている。同様に、第1搬送ベルト11を、ガイドローラ13a、13bで支持し、上記ガイドローラ13bを図示しないモータで回転するようにしている。したがって、第1搬送ベルト11は、矢印X方向に回転する。
【0019】
また、上記第1搬送ベルト10、11の上流側には、蛇行センサ14を備えている。この蛇行センサ14は、上記第1搬送ベルト10、11に導かれる直前の、ローラ用反物3の側面の位置を検出するものである。したがって、上記ローラ用反物3の側面の位置がずれていると、ローラ用反物3が蛇行していると判断する。この蛇行センサ14で、ローラ用反物3の蛇行が確認されると、上記第1搬送ベルト10、11が、ローラ用反物3の幅方向に移動して、このローラ用反物3の蛇行を修正する。
【0020】
上記のように蛇行を修正したローラ用反物3は、第1搬送手段から第2搬送手段である第2搬送ベルト15、16の間に導かれる。上記第2搬送ベルト15は、ガイドローラ17a、17bによって支持され、第2搬送用ベルト16は、ガイドローラ18a、18bによって支持されるようにしている。
また、上記ガイドローラ18bを図示しないモータで回転するようにしている。したがって、第2搬送ベルト16は、矢印Y方向に回転する。
【0021】
上記のようにして、リール9に巻いたローラ用反物3を第1搬送ベルト10、11の間を介して、第2搬送ベルト15、16に導く、このように導いたら、第1搬送ベルト10を図の下方向に移動させ、上記第1搬送ベルト10と第1搬送ベルト11とでローラ用反物3を挟むようにしている。同様に、第2搬送ベルト15を第2搬送ベルト16方向に移動させ、上記ローラ用反物3を挟むようにしている。
【0022】
このように、ローラ用反物3を第1搬送ベルト10、11および第2搬送ベルト15、16で挟むように支持すると、第1搬送ベルト11および第2搬送ベルト16の回転にともなって、ローラ用反物3が図右方向に移動する。さらに、このローラ用反物3を挟んでいる第1搬送ベルト10と第2搬送ベルト15が、上記ローラ用反物3の移動にともなって回転する。
また、上記第1、2搬送ベルト10、11、15、16の表面には、凹凸を設け、これらの間に挟んだローラ用反物3がすべらないようにしている。このように、第1搬送ベルト10、11および第2搬送ベルト15、16でローラ用反物3をすべらないように支持しているので、このローラ用反物3はピンと張られることになる。
【0023】
また、上記第1搬送ベルト10、11と第2搬送ベルト15、16との間には、ローラ用反物3を切断してストリップ2に形成するカッター19と、切断したストリップ2の切断面を加熱するヒーター20とを備えている。そして、上記ピンと張ったローラ用反物3を上記カッター19で切断するようにしている。
【0024】
また、図1のカッター19の下方に、予備のカッター21を備えている。そして、上記ローラ用反物3の種類などに応じて下方の予備のカッター21を上方に押し上げて、カッターの交換ができるようにしている。なぜなら、上記ローラ用反物3は、その種類によって、厚さや幅などが異なり、さらに、切断するストリップ2の幅なども異なるので、これらローラ用反物3の種類やストリップ2の幅などに応じて、カッターを交換しなければならないからである。
このように予備のカッター7をカッター19の下方に備えることによって、容易にカッターを交換できる。
【0025】
さらに、上記ヒーター20も上下動可能にしている。すなわち、上記ヒーター20を使用しないときには、図1の実線の位置に下げているが、使用時には、一点鎖線の位置まで上げる。なぜなら、ヒーター20は非常に高温なので、これを使用していないときにも上げていると、この熱で、ローラやカッター19の寿命が短くなってしまうからである。
【0026】
また、上記カッター19とヒーター20との間には、遮熱板23を設けている。この遮熱板23は上記ヒーター20の上下動にあわせて上下に移動するようにしている。すなわち、ヒーター20が上がっているときには、上記遮断板18は下がるようにし、ヒーター20が下がったときには、遮断板18が上がって、ヒーター20の熱からカッター19を守るようにしている。
【0027】
上記のような構成において、ローラ用反物3をピンと張った状態で、第1搬送ベルト10、11から第2搬送ベルト15、16に搬送し、カッター19を上方に上げる。このようにカッター19を上方に上げると、このカッター19が上記ローラ用反物3を切断し、ストリップ2とする。そして、ストリップ2の切断面をヒーター20で加熱するとともに、このストリップ2を上記第2搬送ベルト15、16から排出する。
【0028】
ここで、上記ストリップ2が切断されて、加熱されるまでの様子を詳しく説明する。
図3は、カッター19とヒーター20との拡大斜視図である。この図3では、カッター19でローラ用反物3を切断するとともに、この切断面をヒーター20で加熱している様子を示している。図4は、上記ヒーター20の拡大断面図である。
【0029】
図示したように、ヒーター20は、基部24と凸部25とからなり、この凸部25の先端に尖状部26を形成している。また、上記凸部25の側面25aは、基部24に対してほぼ垂直になるようにしている。さらに、上記凸部25の側面25aの高さは、ローラ用反物3のベース生地7の厚さとほぼ同じにしている。
【0030】
図4に示したように、上記ヒーター20の凸部25を、上記カッター19の刃の延長線上に設けるようにしている。そして、上記カッター19でローラ用反物3を切断してこれをストリップ2とするとともに、このストリップ2の切断面をヒーター20で加熱する。
すなわち、ローラ用反物3を上記カッター19で切断してストリップ2にすると、このストリップ2が、上記凸部25の側面25aに沿って移動する。
【0031】
このように、切断面が側面25aに沿って移動すると、この切断面がヒーター20の熱によって溶融する。このとき、ヒーター20に基部24と凸部25を設けているので、ストリップ2はL字型に溶融される。すなわち、ストリップ2は、側面25aに接触する切断面と、基部24に接触する底面2aとが溶融される。
【0032】
上記のように、切断面を加熱することによって、図5の左端の縦糸、横糸が溶融し、ほつれ防止部22が形成される。このようにほつれ防止部22が形成されることによって、左端のパイル糸8がほつれてしまうことがない。しかも、上記ほつれ防止部22は、ベース生地7を溶融して形成しているので、このほつれ防止部22は、ベース生地7と一体となっている。したがって、ベース生地7からほつれ防止部22が容易にとれてしまうことがない。ほつれ防止部22が容易にとれることがないので、ブラッシング時や塗装時にパイル糸8が強く引っ張られても、これがほつれてしまうことがない。
【0033】
また、ヒーター20の基部24によってストリップ2底面2aを加熱することによって、この底面2aの縦糸5と横糸6と溶融する。このように底面2aの縦糸5と横糸6とが溶融すると、これら縦糸5と横糸6との中に編み込まれたパイル糸8の編み込み部分が縦糸5と横糸6に溶着する。したがって、パイル糸8をより一層強固に保持することができる。
【0034】
さらに、上記凸部25を基部24に対して垂直にしているので、この凸部25によって溶融されたストリップ2の切断面も垂直にすることができる。このように、切断面を垂直にすることによって、このストリップ2を螺旋に巻いてこれを接着したとき、切断面同士がぴったりと接触するので、より強固な接着にすることができる。
しかも、上記のように切断面同士がぴったりと接触することによって、つなぎ目が目立たなくなる。したがって、つなぎ目が目立って商品価値が低下するのを防止することができる。
【0035】
また、カッター19が摩耗したときには、上記ストリップ2の切断面がぼさぼさになってしまう。このように切断面ががたがたになってしまうと、切断面同士の接着が難しく、しかもつなぎ目が目立ってしまう。したがって、上記のようにカッター19が摩耗したときに、溶融によって直角に切断面を仕上げることの効果が特に発揮される。
さらに、上記ストリップ2の切断面と底面2aをL字型に溶融することによって、ストリップ2の側面と下面とが直角になり、ストリップ2をパイプ1に巻き付けたときに、その仕上がりをより一層きれいにすることができる。
【0036】
また、上記凸部25には、尖状部26を形成しているので、この尖状部26が切断面と切断面との間に容易に入り込むことができる。このように尖状部26が切断面と切断面との間に入り込むことによって、この切断面を上記凸部25の側面25aに誘導することができる。したがって、切断面は上記凸部25からずれることなく、確実に側面25aに接触し、この側面25aにほつれ防止部22を形成することができる。
【0037】
また、この実施形態において、第1搬送ベルト10、11で、ローラ用反物3を挟むようにして支持しているので、このローラ用反物3が搬送している間にずれてしまうことがない。しかも、この第1搬送用ベルト10、11の表面には凹凸を形成しているので、より一層しっかりとローラ用反物3を支持することができる。
【0038】
同様に、第2搬送ベルト15、16の表面にも凹凸を形成し、これらで挟むようにして切断されたローラ用反物3、すなわちストリップ2を支持しているので、これがずれてしまうことがない。
しかも、上記第1搬送ベルト10、11と、第2搬送ベルト15、16とで、上記ローラ用反物3をピンと張りながら支持しているので、カッター19での切断位置がずれたりしない。
【0039】
さらに、この実施形態では、カッター19でローラ用反物3をカッター19で切断した後に、この切断面を溶融するようにしている。したがって、カッターをレーザーや熱刃に換える必要がない。すなわち、従来のカッターをそのまま用いることができる。したがって、カッターを換えるようなコストを必要としない。
しかも、ヒーターは上記レーザーや熱刃に比べると、非常に安価であり、このヒーターを採用することにより、低コストでストリップ2のほつれ止めを実現することができる。
【0040】
また、この実施形態において、ヒーター20を用いて加熱するようにしているので、ローラ用反物3の厚さに応じてヒーター20の熱を容易に換えることができる。すなわち、厚さが薄い場合には温度を低く設定することによって、必要以上にストリップ2が溶融するのを防止することができる。また、ローラ用反物3の厚さが熱い場合には、このヒーター20の温度を高く設定することによって、確実にストリップ2の切断面を溶融することができる。
【0041】
なお、上記実施形態では、ベース生地7にパイル糸8を編み込み、これをそのままロール用反物3として用いているが、これ以外にも、ベース生地7にパイル糸8を編み込んだ後、上記ベース生地7の裏側に樹脂を含浸させたものを用いることもできる。このようにベース生地7の裏側に樹脂を含浸させることによって、ストリップ2全体のパイル糸8の防止を図ることができる。さらに、上記樹脂の含浸によって、ストリップ2の強度を維持することができる。このようにストリップ2の強度が維持されることによって、これをパイプ1に巻き付けるときに巻き付けやすい。
【0042】
さらに、上記のようにベース生地7の裏側に樹脂を含浸させたロール用反物3を、この実施形態で用いた塗装用ローラの製造装置Dで切断し、ストリップ2とするとともに、この切断面をヒーター20で加熱すると、より一層パイル糸8のほつれを防止することができる。それは以下の理由からである。
すなわち、上記裏側に樹脂を含浸させたローラ用反物をストリップ2にして、これをヒーター20で、L字型に加熱すると、この切断面にはほつれ防止部が形成さる。しかも、一部の底面2aでは、縦糸5と横糸6に加えて、含浸させた樹脂も溶着され、これらによってパイル糸8を強固に保持することができる。したがって、より一層パイル糸8のほつれを防止することができるようになる。
【0043】
【発明の効果】
第1の発明によれば、ストリップの両側面を熱で溶融し、ほつれ防止部を形成することとしたので、パイル糸がほつれてしまうことがない。パイル糸がほつれたりしないので、これが塗装面に付着してしまうこともなくなる。また、上記ほつれ防止部をベース生地の溶融によって形成することとしたので、ほつれ防止部とベース生地とは一体となっており、このほつれ防止部がベース生地から容易にとれてしまうことがない。
ストリップの底面を加熱することによって、この底面におけるベース生地を構成する縦糸と横糸とが溶融される。このように底面の縦糸と横糸とが溶融されれば、これら縦糸と横糸との中に編み込まれたパイル糸の編み込み部分が縦糸と横糸に溶着するので、パイル糸はより一層強固に保持される。
さらに、ほつれ防止部における切断面と底面とを直角に維持しているので、ストリップをパイプに巻き付けたとき、その巻き付け面の仕上がりをきれいにできる。

【0044】
第2の発明によれば、カッターの下流にストリップの切断面を溶融するヒーターを設けることとしたので、ストリップの端部がほつれてしまうことがない。しかも、上記ほつれ止めのためにカッターを高価なものに換える必要がない。したがって、上記ヒーターを設けるだけで、低コストでストリップのほつれ止めをすることができる。
【0045】
第3の発明によれば、ヒーターに基部と凸部とを備え、上記凸部の先端に尖状部を形成することとしたので、この尖状部でストリップの切断面を上記凸部に誘導することができる。さらに、上記基部によって、ストリップの底面を溶着することができる。したがって、より一層ストリップの切断面のほつれを防止することができる。
【0046】
第4の発明は、第1搬送手段と第2搬送手段に、それぞれ一対の搬送ベルトを備えるとともに、上記搬送ベルトの表面には凹凸を形成し、各搬送ベルトの間にローラ用反物を挟む構成にしたので、上記ローラ用反物をしっかりと保持することができ、ローラ用反物がずれてしまうのを防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】ストリップの切断面を熱で溶融するための塗装用ローラの製造装置Dの側面図である。
【図2】図1で示した塗装用ローラの製造装置Dの概略の斜視図である
【図3】カッターとヒーターとの拡大斜視図である。
【図4】ヒーターの拡大断面図である。
【図5】熱で溶融した後のストリップの拡大断面図である。
【図6】従来の塗装用ローラの形成するときの斜視図である。
【図7】従来のローラ用反物を切断してストリップにするときの斜視図である。
【図8】ストリップのベース生地の拡大図である。
【図9】ベース生地にパイル糸を編み込んだときの拡大図である。
【符号の説明】
1 パイプ
2 ストリップ
2a 底面
3 ローラ用反物
4 カッター
5 縦糸
6 横糸
7 ベース生地
8 パイル糸
10 第1搬送ベルト
11 第1搬送ベルト
15 第2搬送ベルト
16 第2搬送ベルト
19 カッター
20 ヒーター
22 ほつれ防止部
23 基部
24 凸部
25 尖状部
D 塗装用ローラの製造装置

Claims (4)

  1. パイプと、パイプに巻き付けるストリップとを備え、上記ストリップは、ローラ用反物を切断して形成するとともに、このストリップは、縦糸と横糸を平織りにしたベース生地にパイル糸を編み込む構成にした塗装用ローラであって、上記ストリップの切断面と底面とを熱で溶融し、上記パイル糸のほつれを防止するほつれ防止部を形成し、このほつれ防止部を構成する切断面と底面とを直角に維持したことを特徴とした塗装用ローラ。
  2. ローラ用反物を搬送する第1搬送手段と、第2搬送手段と、上記第1搬送手段および第2搬送手段の間に設けたカッターと、このカッターの下流に設けたヒーターとを備え、上記第1搬送手段から第2搬送手段に向けてローラ用反物を搬送し、第1搬送手段から搬送されたローラ用反物をカッターで切断してストリップを形成し、このストリップの切断面をヒーターで加熱して上記ストリップの切断面にほつれ防止部を形成し、このストリップをパイプに巻き付けることを特徴とした塗装用ローラの製造方法。
  3. ヒーターは、基部と凸部とを備え、上記凸部の先端に尖状部を形成するとともに、上記基部でストリップの底面を加熱し、上記凸部でストリップの切断面を加熱する構成にした請求項2記載の塗装用ローラの製造方法。
  4. 第1搬送手段と第2搬送手段は、それぞれ一対の搬送ベルトで構成するとともに、上記搬送ベルトの表面に凹凸を形成し、各対の搬送ベルトの間でローラ用反物を挟む構成にした請求項2または3記載の塗装用ローラの製造方法。
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