JP7344928B2 - ヘテロ環式化合物のバイオコンジュゲート - Google Patents

ヘテロ環式化合物のバイオコンジュゲート Download PDF

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Description

(関連出願の相互参照)
本出願は、合衆国法典第35編(すなわち米国特許法)の第119条に基づいて、「Bioconjugates Of Heterocyclic Compounds(ヘテロ環式化合物のバイオコンジュゲート)」という表題の、2015年4月6日に出願された米国仮出願第62/143,790号の優先権を主張する。この仮出願はその全体が参照することにより本書に援用される。
本発明は、生物学的に重要なヘテロ環式分子のバイオコンジュゲートに関する。本発明はまた、小分子-ビオチンのコンジュゲートおよびハプテン-ビオチンならびにその他のトレーサーのコンジュゲートおよびそれらの使用に関する。
本発明はさらに、バイオコンジュゲート化学に関する。より具体的には、本発明は、NHSエステルを生物学的に関心のある分子とコンジュゲートさせるための改良された方法に関する。本発明のコンジュゲートは、研究試薬、診断試薬として、イムノアッセイの改善、および治療に有用である。
さらに、本発明は、複雑な生物学的混合物から特定分子を同定、検出および/または単離するための生化学プローブを作製するために使用できる化合物に関する。
多くの物質は、体液および組織に存在し、特異的結合パートナーに結合することができるが、それ自体は免疫反応を引き起こすことができず、したがって、ハプテンと呼ばれ、特定の疾患または人体の健康状態のパラメータとして働く。ハプテンには、代謝産物、ホルモン、神経伝達物質、リポタンパク質、腫瘍マーカーおよびウイルスタンパク質が含まれる。さらに、薬物治療を監視するために、その検測がしばしば必要とされる大部分の薬物は、ハプテン類である。これらのハプテンはすべて非常に少量でしか存在しないため、イムノアッセイに基づく検出方法を使用する。種々の免疫学的測定方法は、均質系および不均質系方法に分類することができる。標識された成分の結合した分画を結合していないものから分離するために、固相反応が常に不均質系方法に関わる。このタイプの方法では、ラベルを容易に測定することができる。しかしながら、不均質系反応には、長い時間と数回の洗浄および分離が必要であるという欠点がある。
均質系方法では、結合した標識と非結合標識の分離がなく、結果として、結合標識と非結合標識との区別が他の方法によって行われなければならない。これにはさまざまな可能性がある。例えば、コンジュゲートしされた酵素は、ハプテン若しくは抗原に結合するとき、または測定すべき物質によって活性化されるとき、酵素的に活性化され、標識として使用することができる。さらなる可能性としては、測定すべき物質に結合することによって蛍光が別の波長範囲にシフトされるか、またはその分極が変化する蛍光物質を標識として使用することも可能である。
これらの既知の方法の特定の欠点は、試料がしばしば試験を干渉する成分を含み、したがってこれらの物質を除去するために試料の前処理を必要である。さらに、各パラメータに対して広範な最適化が必要である。例えば、酵素は、パラメータに依存する方法で修飾されなければならない。これらのすべての試験において、最適な特異度のためと最適な感度感のためには、相反する要件が存在する。その原因は、試料との充分な競合反応を可能にするために、特定な試薬の濃度を制限しなければならない一方、単位時間当たりの充分な信号変化を達成するために、高濃度かつ高度に標識された特定な試薬が必要である。これらの要件が互いに打ち消し合った結果、感度が限定され、干渉の影響も受けやすくなり、特定の試料前処理によってのみ排除されることが多い。
これらの問題を解決するため、欧州特許出願公開-A0394988号に、ある均質系測定方法が提案されており、ここで、試料溶液は、3つの受容体R1、R2およびR3とインキュベートする。R1とR2は互いに結合することができ、R3は測定すべき物質に特異的に結合することが可能である。受容体R1が特異的結合対Pの一つのパートナーと測定すべき物質に相当する、またはその類似体である、またはそのエピトープを有する物質Sのコンジュゲートである。R2はこの特異的結合パートナーに対する少なくとも2つの結合部位を有する。R3は少なくとも2つの結合部位を有し、その中に少なくとも1つが測定すべき物質のエピトープまたは物質Sに特異的に結合する。これらの3つの受容体と試料溶液のインキュベーションでは、検出されるべき物質が受容体R1と競合して受容体R3と競合し、受容体R2が受容体R1と結合する。受容体R1、R2およびR3が結合する場合にのみ、測光的にモニターすることができる凝集が生じる。測定すべき物質の受容体R3への結合は、凝集を防止し、したがって凝集は、検出される物質の含有量の間接的尺度である。この方法は、抗原、抗体およびハプテンのような免疫学的に活性な物質の検出に向いている。ハプテンの検出のために、特異的結合対の1つのパートナーとハプテンとのコンジュゲートを受容体R1として使用する。特に有利な1つの実施例では、ビオチンと物質Sとのコンジュゲートが受容体R1として用いられ、ストレプトアビジン(SA)で被覆されたラテックスが受容体R2として用いられ、検出されるべき物質に結合する抗体が受容体R3として使用される。ビオチン(Bio)-ハプテンコンジュゲートは、ビオチン部分を介してストレプトアビジン被覆ラテックスに結合する。抗体は、ハプテン部分を介してハプテン-ビオチン結合体に結合することができる。ストレプトアビジン被覆ラテックスとビオチン-ハプテン結合体との複合体2つが抗体に結合すると、濁りが生じ、評価することができる。このプロセスにおける濁度の発生が遅いほど、解析すべき物質の量が多くて、コンジュゲートの溶媒中の量が小さい。
SAは、Streptomyces avidiniiから単離された、分子量約60kDaの四量体タンパク質である。ビオチンは、244Daのビタミンであり、SAに対して高い親和性で結合する。それは既知の非共有結合的生物学的相互作用の中で最も強い(親和係数Ka≒10-15-1)である。SA-Bio複合体は非常に迅速に形成され、それが形成されると外的要因の影響を受けない。上記のタイプの方法においてハプテンの検出のために、ハプテンとビオチンのコンジュゲートが提供されなければならない。ハプテン-ビオチンコンジュゲートは実際には長い間知られていた。したがって、欧州特許A35317号には、スペーサーを介して一緒に連結された免疫学的活性分子および特異的結合パートナーからなる、いわゆる二座結合体が記載されている。スペーサーの長さがコンジュゲートの特性に影響を及ぼす程度を測定するための研究が行われた。その結果、この文献は、スペーサーの長さが約22.2オングストローム(これは約18個原子の鎖長に相当する)以上であるとき、コンジュゲートに良い効果をもたらし、一方、鎖の長さが20個原子を超えると、その感度が低下するということを確立した。加えて、5個を超えるヘテロ原子の存在は不利であると述べられている。しかしながら、これらのコンジュゲートでは、まだ満足のいく結果が達成されていない。
さらに、バイオコンジュゲーションが盛んに成長する研究分野であることが知られている。生物学的分子は、しばしば、生物分析または生物医薬品用途における使用のために、他の分子または化合物に結合される。生体分子と別の分子または化合物との共有結合は、一般に「コンジュゲート」と呼ばれる。リガンド発見、疾患診断、およびハイスループットスクリーニングなどの多くの用途のために、小分子、タンパク質、DNA、RNA、および炭水化物の軽度な、および部位特異的な誘導体化のための新規な方法が開発されている。これらの強力な方法は、現代の有機化学の驚異的な成果である、生理的条件下でのバイオコンジュゲーションを可能にする、化学選択的反応の発見によるものである。
生物分析または生物医薬品の応用では、化合物および生物学的分子を他の化合物または分子に結合させてコンジュゲートを形成することがしばしば必要である。例えば、「免疫複合体」とは、一般に、抗体または抗体のフラグメントと他の分子、例えば、標識化合物(例えば、フルオロフォア)、結合リガンド(例えば、ビオチン誘導体)または治療剤(例えば、治療用タンパク質または毒素)とのコンジュゲートである。これらの特定のコンジュゲートは、抗体の存在の報告、抗体の結合または捕捉、および治療剤の特定部位への送達の標的化にそれぞれ有用である。コンジュゲートの用途により、リンカーを介して、1つのコンジュゲート成分を他のコンジュゲート成分に結合させることにより、多種多様なコンジュゲートを調製することができる。事実上、特定の目的または必要に適したコンジュゲートを作製するために、生物学的分子と標識化合物、結合リガンドまたは治療剤との無数の組み合わせがすでに結合された。
典型的には、コンジュゲートは、コンジュゲート成分の一方を他方に共有結合することによって調製される。例えば、上に参照されたイムノコンジュゲートは、標識化合物、結合リガンド、または治療剤を抗体または抗体フラグメントにカップリングさせることによって調製することができる。しばしば、カップリングは、コンジュゲート成分の結合に役立つリンカー化合物または分子の使用を伴う。典型的には、リンカーは、2つの成分の間の安定な結合を提供し、その相互作用が起こり得る長さおよび/または幾何学構造を制御するように選択される。
例えば、ビオチンコンジュゲートは、生物科学において広く用いられている。ビオチンは、アビジンおよびストレプトアビジンに対して極めて高い結合親和性を有する天然に存在するビタミンである。アビジンに対するビオチンの高親和性がゆえに、ビオチン含有コンジュゲートは、イムノアッセイ、アフィニティークロマトグラフィー、免疫細胞化学、および核酸ハイブリダイゼーションを含む生物分析手順に広く使用されている。生物分析アッセイは、しばしば、ビオチンのアッセイ成分の1つへの共有結合により、アビジンに対するビオチンの高い結合親和性を利用する。ビオチンは、タンパク質、例えば、抗体、抗体断片、酵素、ホルモン;核酸、例えば、オリゴヌクレオチド、核酸プローブ;小分子、例えば、薬物または他の類似の化合物;を含む多くの異なるタイプの分子に共有結合され得る。さらに、いくつかの用途において、ビオチンは、固相または支持体に結合され得る。ビオチンと他の分子との共有結合は、適切な化学官能基と反応性ビオチン誘導体との間の化学反応による化学結合の形成を伴う。コンジュゲーションのための反応性ビオチン誘導体は、ビオチンから調製することができ、最も一般的にはカルボン酸誘導体、アミンまたはヒドラジド誘導体である。一般的な反応性ビオチン誘導体には、反応性ビオチンエステル、例えばN-ヒドロキシスクシンイミド(NHS)エステル、およびビオチンヒドラジドが含まれる。あるいは、反応性ビオチン誘導体は、Sigma(St.Louis, Mo.)、Pierce(Rockford, Ill.)、Molecular Biosciences(Boulder, Colo.)およびMolecular Probes(Eugene, Oreg.)を含む商業的供給源から得ることができる。ビオチン誘導体をタンパク質に結合させる方法は、多数の刊行物(Harlow and Lane, Antibodies: A Laboratory Manual, NY: Cold Spring Harbor Laboratory,1988, pp.340-341.及びRoseら.Bioconjug. Chem. 2: 154, 1991)に記載されている。
ビオチンに加えて、他の化合物もしばしば生物学的分析手順に使用するために生体分子と結合される。典型的には、これらの化合物は、検出するために生体分子を標識するのに有用である。一般的な標識化合物には、蛍光色素、ならびにそれぞれの結合パートナーへ結合するためのリガンドが含まれる。この目的に使用される一般的な蛍光色素の例には、フルオレセインおよびローダミンを含み、それらの結合パートナーに結合するためのリガンドの例には、ジゴキシゲニンまたはジゴキシンなどの薬物化合物およびβ-ラクタム抗生物質を含む。特異的結合技術における標識としての使用に適した多数の他の化合物も文献に記載されている。ビオチンと同様に、これらの化合物は、一般に、生物分子と容易に反応する官能基を含むように、誘導体化される。例えば、フルオレセインイソチオシアネートは、スルフヒドリル基を介してタンパク質に容易に結合され得る、反応性フルオレセイン誘導体である。さらに、複数並列したチオールまたはポリヒスチジン官能基の添付は、目的の分子を金またはニッケル表面のような固体表面に結合させ得る。
ビオチンまたは蛍光色素などの化合物の生体分子への効果的な結合は、一般に、得られた標識コンジュゲートが生物学的分子の生物活性を保持することを必要とする。コンジュゲートは、カップリングの際に、生物学的分子の機能的活性が減少または消失した場合に、その有用性が限られているかまたはその有用性がない可能性がある。例えば、抗体コンジュゲートでは、抗原結合活性の保持(免疫反応性)が最も重要である。いくつかの抗体が、その遊離アミノ基を標識すると、おそらく、これらの基がその抗原結合部位に存在するため、免疫反応性が失うので、標識と生体分子の結合部位が非常に重要である。同様に、いくつかの酵素は、それらの活性部位に遊離アミノ基を含み、それらを標識部位として使用された際に、酵素活性の喪失をもたらし得る。また、多くの酵素はその活性部位にスルフヒドリル基を含み、フルオレセインイソチオシアネートのようなスルフヒドリル反応性化合物による標識によって不活性化される。
生体活性を保持することに加えて、化合物の生体分子への結合に関するコンジュゲートの安定性もまた重要である。例えば、コンジュゲートからの標識の損失は、典型的には、生物学的分析手順においてコンジュゲートを追跡する能力の喪失をもたらす。安定な結合を提供する試みにおいて、コンジュゲートは、アミドおよびヒドラゾン結合を介して結合されることが多い。アミド結合は、アミノ基とカルボン酸基との間の反応によって形成され、ヒドラゾン結合は、カルボニル基(例えば、アルデヒド基)とヒドラジン基との反応から生じる。中性pHでのこれらの結合の比較的高い安定性は、コンジュゲーション技術におけるそれらの広範な使用をもたらした。しかし、これらの結合は、成分間の距離の制御とコンジュゲートの疎水性および親水性の制御に充分な柔軟性がない。アミド結合に加えて、他の官能基を用いて目的の分子とリンカーとを結合させることができる。例えば、アルコールおよびフェノールは、エーテル基またはウレタン基を介してカップリングされ得、アミンは、アルキル化され得るか、または尿素に変換され得る。ハロゲン化アリールは、種々の炭素-炭素カップリング方法、例えば、Heck氏またはStille氏カップリング反応で結合され得る。
したがって、当該分野において、生物学的小分子と、例えば、標識化合物、結合リガンドまたは試薬、または治療剤をコンジュゲートさせる結合方法を改善する必要性が存在する。そのような結合は、好ましくは、向上した安定性を有し、生体分子間の長さを制御する。
本発明の主な目的は、免疫学的アッセイにおけるそれらの特性が改善されるために、最適なリンカーを有する生体分子のコンジュゲートを提供することである。
本発明のさらなる目的は、免疫学的アッセイにおけるそれらの特性を改善するために、最適なリンカーを有する生体分子のコンジュゲートの作製方法を提供することである。
本発明のさらに別の目的は、改善された感度が有し、反応の速度、およびアッセイの総合性能が改善された非均質系および均質系イムノアッセイに適合した、ハプテン-ビオチンコンジュゲートを提供することである。
もう1つの目的は、サンプル中のSAMおよびSAHを定量するために、イムノアッセイにおいてバイオコンジュゲートを特徴づけることと使用すること、およびこれらの分子と他の生体分子との相互作用を研究することである。
本発明は、下記式の化合物を提供し、
式中、XおよびYが窒素を共有結合し得る多官能基リンカーであり、Zがトレーサー分子であり、Aが下記式の構造の縮合環系で、
式中、E、F、GおよびHが、C、N、O、SおよびPからなる群から独立して選択され、n=3-100であり、Bが酸素を1個有し、1個以上の水酸基を有する5員ヘテロ環であり、Cが、下記式の構造を有する原子団で、
式中、JがSおよびNからなる群から選択され、LがC-Cのアルキル基であり、ただしJが硫黄であり、LがC-Cアルキル基である場合、硫黄が正に荷電しており、m=0またが1であり、KがH、NH、または下記式の構造を有する原子団で、
XおよびYが窒素を共有結合することができる多官能基リンカーであり、Zがトレーサー分子である。
本発明はさらに、式Iの化合物に関し、
式中、A、B、CおよびDが独立して、C、N、O、SおよびPからなる群から選択され;n=3-100である。
本発明はまた、式IIの化合物を提供し、
式中、A、B、CおよびDが独立して、C、N、O、SおよびPからなる群から選択され;n=3-100である。
本発明はさらに、式IIIの化合物を提供し、
式中、A、B、CおよびDが、C、N、O、SおよびPからなる群から独立して選択され;n=3-100である。
本発明はまた、式IVの化合物を提供し、
式中、A、B、CおよびDが、C、N、O、SおよびPからなる群から独立して選択され;n=3-100である。
本発明はまた、エネルギードナーで標識された、ストレプトアビジンを含む第1の群およびエネルギーアクセプターで標識された、ビオチンを含む第2の群を含む、SAMまたはSAHを測定するためのルミネセンスエネルギー移動アッセイを提供する。ドナーは長い励起状態寿命の発光性ランタン族キレートであり、アクセプターは短い励起状態寿命の発光性標識または非発光性標識のいずれかである。ドナー標識からアクセプター標識へのエネルギー移動における、それらの間の距離の短縮または伸長に起因する増加または減少が測定される。長い励起状態寿命の発光性ランタン族キレートは、下記の1つ以上の特性を有することを特徴とする:高い発光収率、1ms以上の励起状態寿命、およびエネルギー移動に最適化された放射分布。
本発明はまた、生体液中のS-アデノシルメチオニン(SAM)またはS-アデノシルホモシステイン(SAH)を検出するための方法を提供する。この方法は以下のステップを含む:(a)以下の成分の準備:(i)SAM、SAM類似体またはSAHのバイオコンジュゲート;(ii)(i)のバイオコンジュゲートの中のトレーサーと特異的に結合するリガンドを有する、ドナーとしてのユーロピウム、テルビウムクリプテートまたは他のフルオロフォア;(iii)励起スペクトルがドナーの放射スペクトルと重複し、SAMまたはSAHへの特異的な抗体を標識されたアクセプター蛍光色素;(b)前記SAMまたはSAHを含有する生体液の添加;及び(c)ドナーおよびアクセプターの蛍光の分光測定。
フォーマット1(A):SAMまたはSAHに対する特異的抗体は、アクセプター色素に直接コンジュゲートされる。SAまたは抗ジゴキシンまたは抗ジゴキシゲニン抗体はドナー色素にコンジュゲートされる。異なるリンカーを有する、バイオコンジュゲートされた(またはジゴコンジュゲートされた)SAMまたはSAHは、ドナーおよびアクセプター色素を近接させ、アクセプター-特異的抗体-抗原-ビオチン-SA-ドナー、またはアクセプター-特異的抗体-抗原-ジゴ-抗ジゴ抗体-ドナー複合体を形成し、アクセプター色素が蛍光シグナルを発することを可能にし、適切なリーダーによって記録される。抗体-アクセプターに結合した、試料由来の遊離SAMまたはSAH分子(抗原-特異的抗体-アクセプター複合体)は、蛍光を放射せず、記録されない。フォーマット2(B):SAMまたはSAH分子は、リンカーを介してアクセプター色素にコンジュゲートされる。抗SAMまたは抗SAH抗体は、間接的にドナー色素にコンジュゲートされる。ドナー、アクセプター、特異的抗体、サンプルまたは標準物質を混合し、平衡状態に達した後、ドナー色素の励起で、アクセプター色素の特定部分(すなわちアクセプター-抗原-抗体-ドナー複合体)が蛍光を発する。他の部分、例えば、アクセプター-抗原-特異的抗体および抗原-特異的抗体-ドナー複合体は、発光せず、したがって読み取ることができない。フォーマット3(A):SAMまたはSAH(抗原)がLucにコンジュゲートされ、選択された蛍光色素(ドナーの発光性に依存する)が抗SAMまたは抗SAH抗体にコンジュゲートされる。Luc基質であるホタルルシフェリンを添加するとルシフェリンが発光し、一方、Luc-SAM/SAH-抗SAM/抗SAH抗体-アクセプター色素複合体が形成された条件下では、アクセプター色素が励起され、蛍光を発する。サンプルまたは標準品中のSAMまたはSAHによって形成された、いかなるドナーも含まない抗原-抗体複合体は、アクセプター色素を励起しなくて、抗原-抗体複合体の競合部分を構成する。
図2は、様々な量のSAをマイクロプレートにコーティングした後、Bio-12CN-aza-SAM(A)、Bio-6C-aza-SAM(B)、Bio-12CN-SAH(C)のシリーズ投与の結果を示す。ビオチン-ストレプトアビジン標識系を介してプレート上に捕捉された特異的な、様々な量のシグナルを検出するために、特異的HRP-抗SAMまたはHRP-抗SAH抗体が使用された。
図3は、マウス抗SAM抗体クローン118-6とBio-12CN-aza-SAM(A、125ng/ml;B、250ng/ml)を用いた、SAMを定量するためのcELISAの標準曲線を示す。
図4は、マウス抗SAM抗体クローン84-3とBio-12CN-aza-SAM(A、250ng/ml;B、500ng/ml)を用いた、SAMを定量するためのcELISAの標準曲線である。
(発明の詳細な説明)
したがって、本発明の目的は、感度が改善され、反応速度が増加された、均質系イムノアッセイ法に適したハプテン-ビオチンまたは他のトレーサーコンジュゲートを提供することである。
この目的は、ハプテンが、鎖中に6-100個の原子を有し、少なくとも5個のヘテロ原子を含むスペーサーを介してビオチンまたは他のトレーサーと結合することを特徴とする、ハプテン-ビオチンまたは他のトレーサーコンジュゲートを使うことによって達成される。
驚くべきことに、既知のコンジュゲートと比べ、本発明に従って定義されたハプテン-ビオチンまたは他のトレーサーコンジュゲートを使用することによって、シグナルの実質的な改善が達成され得、改善された溶媒和によって、非特異的結合の発生が減少され得、反応速度が上げられて試験の効能が改善され得ることが確立された。
本発明によれば、ハプテン-ビオチンまたは他のトレーサーコンジュゲートが提供され、ハプテンおよびビオチンまたは他のトレーサー分子は、6-100原子の鎖長を有し、少なくとも5個のヘテロ原子を含むスペーサーを介して連結される。
スペーサーのヘテロ原子は、窒素、酸素、硫黄、リンなどのような有機分子中に存在するヘテロ原子であることができる。スペーサーは、ヘテロ原子として窒素原子および酸素原子を含むことが好ましい。ヘテロ原子の数は少なくとも5でなければならない。ヘテロ原子のより高い割合が有利であり、最高の割合として、スペーサーの3個原子ごとに一個がヘテロ原子であることができる。したがって、例えば、記載された鎖長のポリエチレンオキサイドをスペーサーとして使用することができる。
スペーサーの長さは、鎖中に存在する原子のみが数えられると、原子の数が6-100個の範囲内である。6個以上の原子を有するスペーサーが特に有利な結果を得られる。
本発明によるコンジュゲートの製造は、ハプテンまたは小分子およびビオチンまたは他のトレーサー分子を二官能性スペーサー分子と反応させることによって行われ、ハプテンおよびビオチンまたはトレーサー分子中に存在する官能基がスペーサー分子の官能基と反応する。もう一つの可能性は、ハプテン/またはビオチンまたはトレーサー分子を誘導体化し、その後、必要に応じて、誘導体をスペーサー分子と再び反応させることである。誘導体およびスペーサー分子は、所望の長さおよび所望の数のヘテロ原子を有するスペーサーが形成されるように順番に選択される。
ハプテンおよびビオチンまたは他のトレーサー分子の誘導体化は、公知の方法で行われる。ホモまたはヘテロ二官能性リンカー、例えば、ジアルデヒド、ジカルボン酸、ジアミン、アミノ酸、メルカプトカルボン酸およびハロゲンカルボン酸がスペーサーとして適切である。コハク酸、グルタル酸、スベリン酸、エチレンジアミン、プロピレンジアミン、1,5-ジアミノペンタン、1,8-ジアミノ-3,6-ジオキサオクタン、1,12-ジアミノ-4,9-ジオキサドデカン、アミノ酪酸、アミノカプロン酸、チオグリコール酸、チオプロピオン酸、ブロモ酢酸および/またはヨード酢酸から合成されるスペーサーが好ましく使用される。これらの合成ビルディングブロックは、所望の長さおよび所望の数のヘテロ原子を有するスペーサーが形成されるように組み合わされなければならない。
さらに、この出願の至る所に、「反応性基」は、ここに記載されているように第1のユニットを第2のユニットに結合するのに適した様々な基のいずれかであり得る。例えば、反応性基はアミン反応性基であり得る、例えば、イソチオシアネート、イソシアネート、アシルアジド、NHSエステル、塩化スルホニルなどの酸塩化物、アルデヒドおよびグリオキサール、エポキシドおよびオキシラン、カーボネート、アリール化試薬、イミドエステル、カルボジイミド、無水物、アルキレンジアミンおよびこれらの組み合わせ。適切なチオール反応性官能基には、ハロアセチルおよびアルキルハライド、マレイミド、アジリジン、アクリロイル誘導体、アリール化剤、ピリジルジスルフィド、TNB-チオールおよびジスルフィド還元剤などのチオール-ジスルフィド交換試薬およびこれらの組み合わが含まれる。適切なカルボキシレート反応性官能基には、ジアゾアルカン、ジアゾアセチル化合物、カルボニルジイミダゾール化合物、およびカルボジイミドが含まれる。適切なヒドロキシル反応性官能基は、エポキシドおよびオキシラン、カルボニルジイミダゾール、N、N'-ジスクシンイミジルカーボネートまたはN-ヒドロキシスクシンイミジルクロロホルメート、過ヨウ素酸酸化化合物、酵素酸化、アルキルハロゲンおよびイソシアネートを含む。アルデヒドおよびケトン反応性官能基には、ヒドラジン、シッフ塩基、還元アミノ化生成物、マンニッヒ縮合生成物、およびそれらの組み合わせが含まれる。活性水素反応性化合物には、ジアゾニウム誘導体、マンニッヒ縮合生成物、ヨウ素化反応生成物、およびそれらの組み合わせが含まれる。光反応性化学官能基には、アリールアジド、ハロゲン化アリールアジド、ベンゾホノン、ジアゾ化合物、ジアジリン誘導体、およびそれらの組み合わせが含まれる。
水性溶媒混合物中のTSTU(O(N-スクシンイミジル)-1,1,3,3-テトラメチルウロニウムテトラフルオロボレートとカップリングする場合、プロセスは以下の通りである:
1.DMF/ジオキサン/水の2:2:1混合物に酸を溶解する。
2.3当量のジイソプロピルエチルアミンおよび1.3当量のTSTUを添加する。
3.-OSuエステルの形成が完了した後、1.5当量のアミンを加える。
4.反応が完了した後、溶媒を除去し、粗生成物を単離する。
NHSエステルを導入するための種々の他の試薬が知られている;しかしながら、これらの大部分は乾燥有機溶媒を必要とし、水性媒体中での使用には不向きである。試薬O-(N-スクシンイミジル)N,N,N',N'-テトラメチルウロニウムテトラフルオロボラート(TSTU)は、水中で幾分安定であるが、混合有機/水性媒体の中にはもっと安定である。TSTUは、有機溶媒中に低分子量分子のNHSエステルを形成するために使用されてきた。さらに、混合有機/水性媒体中に低分子量分子のNHSエステルを形成するために、TSTUおよび他のウロニウム塩が使用されている。
TSTUはまた、有機溶媒中の固相カルボキシル化ビーズの活性エステルを調製するために使用されている。TSTUのような試薬は、カルボジイミド/NHS法よりも有利である。なぜなら、OがNにシフトする反応またはLossen転位のような種々の副反応の可能性が減少するからである。 TSTUはまた、水性/有機混合溶媒中のカルボキシル化糖類を活性化し、続いてこの活性化した物質をタンパク質にカップリングさせるためにも使用される。
本発明によると、ハプテン-ビオチンまたは他のトレーサーコンジュゲートにより溶媒和の改善が達成され、それにより反応時間が短縮され、したがって反応効能が増加する。
1.11-炭素1-窒素リンカーを用いた、Aza-SAM(5'-N-メチル,5'-N-ブチリル-5'-デオキシアデノシン、または5'-[(3-カルボキシプロピル)メチルアミノ]-5'-デオキシ-アデノシン)とホースラディッシュペルオキシダーゼのコンジュゲーション(HRP-aza-SAM)
上記化合物は、スキーム1に示される合成スキームを用いて合成される。
スキーム1
2.10炭素2窒素リンカーを用いたAza-SAMとビオチンのコンジュゲーション(Bio-12CN-aza-SAM)
4-((((2R,3S,4R,5R)-3,4-ジヒドロキシ-5-(6-((E)-((Z)--((5-(5-((3aS,6R,6aR)-2-オキソヘキサヒドロ-1H-チエノ[3,4-d]イミダゾール-6-イル)ペンタンアミド)ペンチル)イミノ)ペンチリデン)アミノ)-9H-プリン-9-イル)テトラヒドロフラン-2-イル)メチル)(メチル)アミノ)ブタン酸
上記化合物は、スキーム2に示す合成スキームを用いて製造する。
3.10炭素2窒素リンカーを用いたSAHとビオチンのコンジュゲーション(Bio-12CN-SAH)
(S)-4-((((2S,3S,4R,5R)-5-(6-アミノ-9H-プリン-9-イル)-3,4-ジヒドロキシテトラヒドロフラン-2-イル)メチル)チオ)-2-((E)-((Z)--((5-(5-(3aR,6S,6aS)-2-オキソヘキサヒドロ-1H-チエノ[3,4-d]イミダゾール-6-イル)ペンタンアミド)ペンチル)イミノ)ペンチリデン)アミノ)ブタン酸
上記化合物は、スキーム3に示される合成スキームを用いて製造される。
4.6炭素リンカーを用いたAza-SAMとビオチンのコンジュゲーション(Bio-6C-aza-SAM)
4-((((2R,3S,4R,5R)-3,4-ジヒドロキシ-5-(6-(6-(5-((3aR,6S,6aS)-2-オキソヘキサヒドロ-1H-チエノ[3,4-d]イミダゾール-6-イル)ペンタンアミド)ヘキサンアミド)-9H-プリン-9-イル)テトラヒドロフラン-2-イル)メチル)(メチル)アミノ)ブタン酸
上記化合物は、スキーム4に示される合成スキームを用いて製造される。
5.6-炭素リンカーを用いたSAMとビオチンのコンジュゲーション(Bio-6C-SAM)
上記合成スキームを用いて上記化合物を製造する。
6.6炭素リンカーを用いたSAHとビオチンのコンジュゲーション(Bio-6C-SAH)
(S)-4-((((2S,3S,4R,5R)-5-(6-アミノ-9H-プリン-9-イル)-3,4-ジヒドロキシテトラヒドロフラン-2-イル)メチル)チオ)-2-(6-(5-((3aS,6R,6aR)-2-オキソヘキサヒドロ-1H-チエノ[3,4-d]イミダゾール-6-イル)ペンタンアミド)ヘキサンアミド)ブタン酸
上記合成スキームを用いて上記化合物を製造する。
上記合成化学と類似の化学を用いて、以下の追加の分子を調製する。
7.リンカーなしでのSAMとビオチンのコンジュゲーション(Bio-SAM)
8.リンカーなしでのSAHとビオチンのコンジュゲーション(Bio-SAH)
9.6炭素リンカーを用いたSAHとジゴキシゲニンのコンジュゲーション (Dign-6C-SAH)
10.6炭素リンカーを用いたSAHとジゴキシンのコンジュゲーション-ジゴキシンを6-ブロモカプロン酸を介してSAHのNH2に結合させた(Dig-6C-SAH)
11.11炭素窒素リンカーを用いたSAHとジゴキシゲニンまたは/およびジゴキシンのコンジュゲーション(Dign-13CN-SAH,Dig-13CN-SAH)
12.6-ブロモカプロン酸を用いたAza-SAMとジゴキシンのコンジュゲーション(Dig-6C-aza-SAM)
13.6-ブロモカプロン酸を用いたAza-SAMとジゴキシゲニンのコンジュゲーション(Dign-6C-aza-SAM)
14.12炭素1窒素リンカーを用いたAza-SAMとジゴキシンのコンジュゲーション(Dig-13CN-aza-SAM)
15.12炭素1窒素リンカーを用いたAza-SAMとジゴキシゲニンのコンジュゲーション(Dign-13CN-aza-SAM)
16.12炭素1窒素リンカーを用いたSAMとジゴキシンのコンジュゲーション(Dig-13CN-SAM)
17.12炭素1窒素リンカーを用いたSAMとジゴキシゲニンのコンジュゲーション (Dign-13CN-SAM)
18.リンカーの有無にかかわらず、SAM、SAMアナログおよびSAHとアクセプター色素のコンジュゲーション。リンカーは、本発明記載のストラテジーと同様にアクセプター色素のNH2基、例えば、d2部分に導入される。N-ヒドロキシスクシンイミド活性化d2色素(約1kDaの有機モチーフ)は、第1級アミンと反応して、温和な条件下で安定な色素複合体を形成する。Cisbio Bioassays Inc.の市販のラベリングキットを使用して、抗原-アクセプターコンジュゲートを調製する。推奨通り適切に保管する。
19.リンカーの有無にかかわらず、SAM、SAMアナログおよびSAHとルシフェラーゼドナーのコンジュゲーション。リンカーは、本発明記載のストラテジーと同様に導入され、次いでジシクロヘキシルカルボジイミドおよびN-ヒドロキシスクシンイミドによって、そのカルボキシル基で活性化され、生物発光酵素ルシフェラーゼにそのNH2基で共有結合される。SAM、aza-SAMまたはSAHの異なるモル比が試験された。1時間のインキュベーション後、未結合小分子はG-25スピンカラムを介して除去される。結合後、ルシフェラーゼ酵素活性が75%以上に保たれるように注意する必要がある。
本明細書において、A647は、Molecular Probe社のフルオロフォアalexa647を表す。XL665は、Cisbio Bioassaysから販売されている、アクセプターフルオロフォアとして使用される、架橋したアロフィコシアニンである。d2は、Cisbio BioassaysのXL665と同じ光物理学的特性を有する蛍光アクセプター化合物である。Cy5は、GE Healthcare社により販売されている、アクセプターフルオロフォアであるシアニン5である。
イムノアッセイにおけるバイオコンジュゲートの使用
競合ELISA(cELISA)は、液体サンプル中の検体を定量するのに適切である。しかし、サンプルサイズが小さく、感度が高く、迅速で、サンプル前処理がない、ワンステップで結果の利点を有する「添加と読み取り」タイプの均質系イムノアッセイは、ハイスループットアッセイ、より広範なサンプルタイプ(細胞など)への調節が好適で、広い範囲の臨床分析装置に適用することが可能である。臨床実践での患者投薬量および治療調整の個別化などのために、いくつかの検測の適用がより広く受け入れられるかもしれない。これらの技術および本発明に記載のバイオコンジュゲートを用いて、下記ことができる:(i)SAHおよびSAMを正確、敏感、簡便かつ迅速に測定すること;(ii)多くのタイプのバイオサンプルにおいてSAMまたは/およびSAHと相互作用する生体分子の発見を助けること;(iii)全部のSAMまたはSAHの何パーセントが自由形式または結合形式であるかを調べること;(iv)エピジェネティクス、炎症、シグナル伝達、成長、老化、死亡、発癌などの細胞生物学的プロセスおよび規制の視点から、SAMおよびSAHの利用可能性、ダイナミクスを研究すること。
SAMおよびSAH分子の非常に動的で不安定な性質の観点から、それらを迅速に測定できることは、それらの細胞内の生物学的活性を正確に反映する上で特に重要である。したがって、SAMおよびSAHに対する「添加と読み取り」タイプの均質系イムノアッセイを開発することは、有意義で実用的な意味を有する。
本発明はまた、検出において時間分解蛍光測定法を用いるエネルギー移動ベースの均質系アッセイの改良に関する。特定の改良は、エネルギードナーとして使用されるランタン族キレート標識のタイプ、規定されたアッセイのために最適化されたエネルギーアクセプター、最適化されたフィルターおよび時間窓を使用してエネルギー移動が測定される方法、試料由来のすべての可能な干渉を補正する方法、多成分分析および単純化されたアッセイプロトコールの開発に関する。
本明細書において、用語「発光」は、蛍光、燐光、化学発光、生物発光および電子生成発光、フォトルミネッセンス、ラジオルミネッセンス、音波ルミネッセンス、熱ルミネッセンスおよびトリボルミネッセンスを包含する。
会合が測定されるべきアッセイにおける好ましい配置は、発光性の、減衰時間の短いアクセプターおよび減衰時間の長いランタン族キレートベースのドナーを使用し、(アクセプターの直接励起から発する)アクセプターの直接的ルミネッセンスの干渉を回避するために、時間分解蛍光測定法において遅延時間を用いて、アクセプター分子の発光の後で行うことである。アクセプター分子が過剰であるようにアッセイを構築することが望ましく(時間分解モードでは、それらの干渉は無視できる)、結合試薬の会合はシグナルの増加をもたらす。
このようなシステムでは、好ましいキレート標識は、高い発光収率(ExΦ> 2000)、長い励起状態寿命(好ましくは1ms超)およびエネルギー移動に最適化された発光分布を有さなければならない。キレート化イオンの周囲の配位子場は、例えば次のようなものでなければならない:Euのキレートの70%以上はD0-F2(610-620nmの範囲)であり、590nmの範囲ではない(WO92/01225のEuクリプテートの発光;米国特許第5,324,825、米国特許第5,202,423号および米国特許第5,316,909号のテルピリジンのビスイミノアセテート誘導体の発光を参照)。好ましいキレートにおいて、590nmでの無用の磁気双極子遷移および700nm付近での発光が抑制された(LiとSelvin, J Amer Chem Soc 117;8132,1995)。本出願の特に良好なキレートは、高いモル吸収係数(G)、非常に長い励起状態の寿命および良好な量子収率(Φ)を有する、多色性ポリカルボキシレートで形成されたEuキレートである(Takaloら、Helv Chim Acta 79;789,1996)。Euに加えて、Tbは、その高い発光性キレートが使用されると、特に有望なエネルギードナーである。好ましいTbキレートは、イミノジアセテート基の結合側(Mukkalaら、J Alloys Compounds 225;507,1995)、または光吸収性芳香族構造から十分に隔離された結合アームを含むターピリジン誘導体で構成される。この用途のための特に良好なキレートは、ピリジン環の1つまたは2つがピラゾール(US08/548,174)またはトリアゾールおよびチアゾール環(PCT/FI91/00373)で置き換えられたターピリジン誘導体である。EuおよびTbに加えて、Sを使用することにより、二重または三重標識均質系エネルギー移動アッセイを行うことができる。Smは、非常に高い波長でエネルギーを与えることができるという利点があり、高い発光性のキレートの主な発光は643nmにあり、波長は近赤外まで持続的に拡張する機会を与えている(一連の良い近IR発光蛍光体はすでに異なる供給源から市販された)。Smのある好ましい安定なキレートは、Savitsky(Savitskyら、SPIE 2388;429,1995)に記載されているような、複数の形式の1,3-ジケトンで構成されている。別の第3の選択肢(第3の標識)は、650-660nmで長寿命燐光を発光する燐光性PtまたはPdコプロポルフィリン類である(WO 94/10568)。
ドナープローブ標識リガンドまたは結合試薬とアクセプタープローブ標識結合試薬との間の小さな距離を確認する好ましい方法は、結合試薬に直接結合した活性化プローブを使用することである(例えば、アクセプター標識したレセプタータンパク質、抗体または他の結合タンパク質)。別の方法は、間接的なラベル付け法を使用することである。例えば、アクセプターで標識された抗結合分子(例えば、抗アクセプター)抗体の使用、ビオチン標識した結合分子およびアクセプター標識した(ストレプト)アビジンの使用、または他のバイオアフィニティー反応を用いて実際の結合部位の近傍にアクセプター分子を導入する。ここで、ドナー標識されたコンポーネントが直接的または間接的に結合される。
各特定のアッセイのための結合成分の別個の標識を避ける更なる代替法は、高濃度のアクセプター分子を含む普遍的な捕捉表面のような固体担体(ポリマー、セラミック又はガラス等)を使用することである。適切な固体担体は、例えば、1500μmまでの直径を有するビーズまたは粒子、または任意の固体表面を含む。多種多様な発光プローブで標識されたマイクロビーズは、様々な供給源から入手可能である。担体に使用される好ましいプローブは、疎水性化合物であり、漏出を避けるために水に対する溶解度は無視できる程度である。そのような標識に適した様々なプローブが、シンチレーターおよびレーザー色素の間に見出され得る。高度に発光するビーズでは、多数のアクセプター分子がビーズコーティング後の長距離を補償し、発光ビーズは実際にエネルギー受容表面を提供する。ビーズがほとんどのドナー放射光を吸収することができる場合、単純な放射エネルギー移動を適用することができ、エネルギー移動は空間角の関数であり、10μmのビーズの臨界距離がマイクロメートルの範囲である。しかし、FRET(蛍光共鳴エネルギー移動)に基づくアッセイでは、プラスチックが膜アクセプターを固定化するために結合タンパク質(例えばアグルチニン)で最初にコーティングされると、遠距離のためにエネルギー移動が非効率的になる可能性がある。したがって、表面活性化ビーズを使用し、反応基の一部をアクセプター分子と結合するのに使用するか、またはアクセプター標識した結合表面(ローダミン標識したアグルチニンなど)を使用するか、またはコーティングされたタンパク質をその後にアクセプターで標識する。
会合反応(免疫結合、アクセプター-リガンド結合、ハイブリダイゼーション反応、酵素-基質結合など)の均質系アッセイにおいて、結合を測定するための好ましい方法は、アクセプターシグナル増加に従うことである。 アクセプターシグナルは、アクセプターの波長で良好な透過率を有する、使用されたドナーに対して最適化されたフィルターを用いて測定されるが、より重要なことには、ドナーの各発光ラインに対して完全に十分に遮断される。 フィルターは、ドナーの主発光線(例えば、Tbの545nmまたは490nm、Euの613-615nm)からの発光を漏れてはならない。加えて、エネルギー伝達フィルターは、使用されたドナーの小さな放射線が存在しない波長領域に配置されなければならない。適切な遅延の使用は、アクセプターの直接励起に由来する干渉を回避する(最適な遅延は、使用される励起パルスの長さに依存するが、少なくとも10倍長い)。
エネルギー移動励起したアクセプターの減衰は、ドナーの減衰およびエネルギー移動効率の関数である。したがって、アッセイ(競合結合アッセイまたは非競合アッセイなど)中、全体的な減衰は一定ではなく、分析物の関数である。特異的結合が低く、エネルギー移動効率が1%未満である会合アッセイにおいて、アクセプターのエネルギー移動放射の減衰時間は、かなり一定であり、ドナーの減衰時間に等しい。このような測定の遅延時間および計数時間は重要ではない。より高い効率のアッセイでは、結合の際に減衰時間は短くなり、短い遅延時間および妥当な短い計数時間を維持して急峻な応答を得ることができる。他方、ドナー発光が追従されると、エネルギー移動が起こると、全ドナー発光が減少し、その減衰時間が短くなるので、長い遅延時間を用いてより急峻な応答が得られる。任意のアッセイで最適化された結果を得るには、アッセイタイプ、特異的結合率、およびエネルギー移動効率に応じて計数ウインドウを最適化することが推奨される。
FRET技術は、ドナーフルオロフォアとアクセプターフルオロフォアとの間の距離の改変を引き起こす化学的または生物学的相互作用を研究するために一般的に好まれる技術である。その一般的な原理は、FRETパートナーを生物学的プロセスに関与する分子またはそのような分子を認識するプローブに結合させて蛍光コンジュゲートを調製すること、及び、ある刺激、例えば、培地に研究された生物学的プロセスに影響を及ぼす化合物を添加することで、応答したFRETの変動を測定することである。これらの化合物は、例えば、酵素反応の調節に関与し、タンパク質の三次元コンフォメーションの改変を引き起こし、分析物の生成および分析物/FRETパートナー複合体の形成を引き起こし得る。すべての場合において、研究された生物学的事象の改変は、蛍光ドナーとアクセプター化合物との間のFRETの改変を引き起こす。
簡単で安価に実施できる競合ELISAのような比色終点測定システムに加え、TR-FIA(時間分解蛍光イムノアッセイ)及びその他の類似技術もバイオコンジュゲートの素晴らしい応用領域。TR-FRET(時間分解蛍光共鳴エネルギー移動)は、2つのフルオロフォアが物理的および空間的に十分近接したとき、1つ(ドナー)からもう1つ(アクセプター)へエネルギー移動が起こる技術である。アクセプターの励起スペクトルがドナーの発光スペクトルと重なるとき、ドナーが高い量子収率でアクセプターを励起できる。ドナーとアクセプターの両方の粒子を結合できる部分の分子のみを反映する顕著な蛍光が測定される。この特性は、アッセイの独特な利点、すなわち良好な信号対バックグラウンド比;結合していないパートナーを結合複合体から分離する必要はないこと;シンプルな添加と読み取りタイプのアッセイであることをつくる。時間分解法を用いて、ドナー-アクセプター複合体上に発生した長寿命なアクセプター蛍光(50-100マイクロ秒の遅延)を遅延的読み取ることで、未結合のアクセプターの発光と試料化合物、緩衝液および他の試料成分の可能な自家蛍光等のバックグラウンド蛍光を、これらの非特異的蛍光シグナルの一時的な性質により、容易に排除することができる。生体分子間の分子相互作用は、各パートナーを蛍光標識とカップリングし、エネルギー移動のレベルを検出することによって評価することができる。
図1は、TR-FRET技術の2つのフォーマットが、本発明に記載のバイオコンジュゲートを用いてSAMおよびSAHを定量的に測定する際にどのように使用され得るかを示す単純図である。フォーマット1:SAMまたはSAHに対する特異的抗体は直接的に、またはアクセプター色素で標識されたウサギまたはヤギ抗マウスIgGを介して間接的にアクセプター色素と結合する。ドナー色素にコンジュゲートする2つの追跡方法、SA-ビオチンおよびDig-抗ジゴキシン抗体特異的結合パートナーが示されている。異なるリンカーでビオチンに結合した(またはDigに結合した)SAMまたはSAHは、ドナーおよびアクセプター色素を接近させ、おそらく100オングストローム(Å)未満で、ドナーがアクセプター色素を励起することを可能にする。ドナーとのエネルギー移動が起こり、アクセプター色素から特定の波長で放射された顕著な蛍光が測定され、ドナーとアクセプターを特異的に結合することができる部分の分子のみが反映される。試料中の遊離のSAMまたはSAH分子は、バイオコンジュゲートと競合して抗SAMまたは抗SAH抗体と結合するので、蛍光シグナルが減少する。競合的結合特性に基づいて競合的測定を確立することができる。フォーマット2:SAM、SAMアナログまたはSAHは、アクセプター色素に(リンカーを伴ってまたは伴わずに)コンジュゲートされ、試料からの遊離SAMまたはSAHと競合して、ウサギまたはヤギ抗マウスIgGを介して間接的にドナーに付着された抗SAMまたは抗SAH抗体へ結合する。アクセプター色素から放射された蛍光は、試料中のSAMまたはSAHに競合されていなかった、ドナー色素にコンジュゲートしたSAMまたはSAHの量、すなわちドナー-特異的抗体-抗原-アクセプター複合体を反映する。コンジュゲートしていないSAMまたはSAH分子に結合する特異的抗体は、読み取られる蛍光を有さなくて、競合アッセイにおいて競合相手の1つを構成する。ドナー色素とコンジュゲートしていない、遊離の抗SAMまたは抗SAH抗体は、もしあれば、標識抗原または非標識抗原のいずれかを消費する。ドナーおよびアクセプター蛍光シグナルの両方をTR-FRETマイクロプレートリーダーで読み取って、サンプル中のSAMまたはSAHを定量する際に使用するアクセプター蛍光/ドナー蛍光を計算することができる。
BRET(生物発光共鳴エネルギー移動)技術は、ドナー色素が生物発光酵素、例えば、ルシフェラーゼ(EC1.13.12.7)またはLucで置換されている点を除いて、TR-FRETまたはFRETに類似している。アクセプター色素は、その色素励起スペクトルとLuc生物発光スペクトルの間に最適なスペクトル重なり、およびより高い量子収率を有するように選択されるべきである。例えば、SAMまたはSAH(抗原)はLucにコンジュゲートされ、上記の基準を満たす蛍光色素は抗SAMまたは抗SAH抗体にコンジュゲートされる。Luc-抗原-抗体-アクセプター色素複合体が形成されると、Luc基質であるホタルルシフェリンを添加することで、ルシフェリンが発光し、一方、アクセプター色素が励起され、蛍光を発する。ドナー発光およびアクセプター蛍光の両方を記録し、BRET指数(アクセプター蛍光/ドナー発光)を計算することができる。サンプル由来のSAMまたはSAH抗原がより多く存在するほど、アクセプター蛍光が少なくなり、BRET指数が低下する。直線性、感度、回復性および再現性が満足できるように、あらゆる条件を最適化した後、SAMまたはSAHを定量するための競合的なBRET均質系イムノアッセイを確立することができる。図1Aの一部は、このプロセスがどのように機能するかをも示している。BRETベースの方法は、検出時にドナー色素のレーザー励起を必要としない。その代わりに、ルシフェラーゼの基質を加えるだけでよい。十分な基質が測定可能なルミネセンスを生成し始めると、特異的な抗原抗体によってその近接にもたらされたアクセプター蛍光物質も励起される。これは、ルシフェラーゼドナーと会合していないアクセプター蛍光色素を励起しない。したがって、測定された発光シグナルは、ドナー(バイオコンジュゲート)およびアクセプターの両方を含む抗原-抗体複合体の部分を反映し、抗体を介してアクセプターのみに会合する、試料または標準中のSAMまたはSAH抗原は反映されない。
HTRF(R)技術のさらなる応用として、他の生体分子(結合パートナー)とSAMまたはSAH代謝物との分子相互作用を発見するのにも役立つ。d2バイオコンジュゲート(SAMおよびSAHにコンジュゲートしたd2アクセプター)を用い、これらの代謝産物の結合パートナーは特異的結合または相互作用を介してHTRF(R)ドナーフルオロフォアに直接的または間接的にコンジュゲートまたは付着させることができる。我々が行う必要のあることは、d2-バイオコンジュゲートと調製された結合パートナーを一緒にHTRF(R)アッセイ系に入れ、相応のHTRF(R)測定をするだけである。
以下の実施例は、本発明のバイオコンジュゲートの有用性、調製方法、および本発明のイムノアッセイにおけるそれらの使用を実証するためのものであり、本発明の範囲を限定すると解釈されるべきではない。
11炭素1窒素リンカーを用いたAza-SAMとホースラディッシュペルオキシダーゼ(HRP)のコンジュゲーション(HRP-aza-SAM)
500mgのBOC-アミノカプロン酸を100mlの三口フラスコに添加し、次いで1.5倍のTSTU、1滴のトリエチルアミンおよび10mlのDMFを添加した。反応が完了した6時間後、エーテルを加えて生成物を沈殿させた。得られた50mgの生成物および20mgのaza-SAMを3mlの無水DMFに溶解した。反応を、薄層クロマトグラフィー(TLC)Rf=0.5でモニターして、aza-SAMが完全に反応したかどうかを調べた。次いで、過剰のBOC-アミノカプロン酸を除去した後、生成物を分離し、3mlのDMFに溶解し、ジクロロメタンを含むトリフルオロ酢酸を滴下方式で添加した。ジエチルエーテルを加えて生成物を沈殿させた。BOCフラグメントを高次真空乾燥機で除去した。生成物をDMFに完全に溶解して透明な溶液を得た。グルタルアルデヒドDMFをゆっくりと滴加し、窒素下、25℃で数時間、次いで68℃で数時間撹拌しながら反応させた。TLCは、aza-SAM反応が完了したことを示した。減圧下での蒸留でDMFを除去し、淡黄色油状液体を得た。エーテルを加えて3回洗浄して白色固体を得、それを6mlの水で完全に溶解し、2mlのHRPを添加し、暗所下で、4℃で3日間反応させた。再びTLCを用いて反応をモニターし、いくつかの遊離aza-SAMの存在を示した。余分なazaSAMを、0.01mMのPBS(pH7.4)溶液中、4℃で透析(MW 2000)によって除去した。透析緩衝液を2日間で4回交換した。1mlの溶液に凍結乾燥し、0-4℃で保存した。
10炭素2窒素リンカーを用いたAza-SAMとビオチンのコンジュゲーション(Bio-12CN-aza-SAM)
200mgのビオチンおよび296mgのTSTUを100mlの一口フラスコに加え、50mlの無水DMFを加えて溶解し、5mgのトリエチルアミンを加えて窒素下で反応させ、攪拌して30℃で3時間加熱した。次に、TLCヨウ素発色法でビオチン反応が完了したことを示した。4gのカダベリン(NH(CHNH)のDMF溶液を加え、一晩攪拌した。翌日、D-ビオチン.セレンの量を測定することにより反応をモニターした。完了後、溶媒を減圧下で除去した。カラムクロマトグラフィーにより淡黄色固体が得られ、DMFを50ml加えて完全に溶解させた後、グルタルアルデヒドを5g加え、60℃に保ち反応溶液の色が濃くなった。ニンヒドリン測色によりアミノが反応を完了したことが示された。溶媒を減圧下で除去し、過剰のアルデヒドをジエチルエーテルで洗い流して茶色の固体生成物を得た。過剰量の上記生成物および90mgのaza-SAMをDMFに溶解して3日間反応させた。aza-SAMがその反応を完了するまで、絶えずビオチンカダベリンアルデヒドを補給した。反応完了後、溶媒の大部分を減圧下で除去し、ジエチルエーテルを添加して固体を沈殿させ、アセトンで洗浄し、水切りし、クロマトグラフィー精製して50mgの生成物を得た。
10炭素2窒素リンカーを用いたSAHとビオチンのコンジュゲーション(Bio-12CN-SAH)
200mgのビオチンおよび296mのTSTUgを100mlの一口フラスコに加え、無水DMFを50ml加えて溶解し、トリエチルアミンを5mg加えて窒素下で反応させ、撹拌し、30℃で数時間加熱した。次に、TLCヨウ素発色法でビオチン反応が完了したことを示した。4gのカダベリン((NH(CHNH=1,5-ジアミノペンタン)のDMF溶液を添加し、一晩攪拌し、D-ビオチン.Seの量を測定することにより反応をモニターした。完了後、溶媒を減圧下で除去した。カラムクロマトグラフィーで淡黄色固体が得られ、DMFを50ml加えて完全に溶解させた後、グルタルアルデヒドを5g加え、60℃に保ち、反応液の色が濃くなった。ニンヒドリン比色分析によりアミノが反応を完了したことが示された。溶媒を減圧下で除去し、過剰のアルデヒドをジエチルエーテルで洗い流して茶色の固体生成物を得た。過剰の前記生成物と75mgのSAHをDMFに溶解して3日間反応させた。SAHが反応を完了するまで、ビオチンカダベリンアルデヒドを絶えず補充した。反応完了後、溶媒の大部分を減圧下で除去し、ジエチルエーテルを添加して固体を沈殿させ、アセトンで洗浄し、水切りし、クロマトグラフィー精製して50mgの生成物を得た。
6-炭素リンカーを用いたAza-SAMとビオチンのコンジュゲーション(Bio-6C-aza-SAM)
60mgのビオチンおよび45mgのTSTUを50mlの一口フラスコに加え、無水DMFを30ml加えて溶解し、窒素下で反応させ、数時間撹拌し、加熱した。次に、TLCヨウ素発色法でビオチン反応が完了したことを示した。DMF-アミノカプロン酸溶液を添加し、一晩攪拌した。翌日、D-ビオチンセレンの量を測定することにより反応をモニターした。完了後、溶媒を減圧下で除去した。酢酸エチルおよびメタノールで洗浄し、25mlの無水DMFおよびTSTUを加え、数時間攪拌した後、さらなる反応のために10mgのaza-SAMのDMF溶液を添加した。TLCがaza-SAM反応の完了を示されたとき、溶媒を除去し、ジエチルエーテル、アセトンおよび少量のメタノールで洗浄した。クロマトグラフィー分離および回転蒸発の後、粘着性固体物質が得られた。塩化水素ガスを含むメタノールを加えた後、エーテルを加え、白色固体を残し、0℃で保存した。
6-炭素リンカーを用いたSAMとビオチンのコンジュゲーション(Bio-6C-SAM)
実施例4と同じ手順を用いて、上記コンジュゲートを調製する。
6-炭素リンカーを用いたSAHとビオチンのコンジュゲーション(Bio-6C-SAH)
実施例4と同じ手順を用いて、上記コンジュゲートを調製する。
上記の類似化学を用いて、以下の追加のバイオコンジュゲートを調製する。
リンカーなしでのSAMとビオチンのコンジュゲーション(Bio-SAM)
リンカーなしでのSAHとビオチンのコンジュゲーション(Bio-SAH)
6炭素リンカーを用いたSAHとジゴキシゲニンのコンジュゲーション(Dign-6C-SAH)
6-炭素リンカーを用いたSAHとジゴキシンのコンジュゲーション
-ジゴキシンを6-ブロモカプロン酸を介してSAHのNH2に結合させる(Dig-6C-SAH)
11-炭素-窒素リンカーを用いたSAHとジゴキシゲニンまたは/およびジゴキシンのコンジュゲーション(Dign-13CN-SAH、Dig-13CN-SAH)
6-ブロモカプロン酸を用いたAza-SAMとジゴキシンのコンジュゲーション(Dig-6C-aza-SAM)
6-ブロモカプロン酸を用いたAza-SAMとジゴキシゲニンのコンジュゲーション(Dign-6C-aza-SAM)
12炭素1窒素リンカーを用いたAza-SAMとジゴキシンのコンジュゲーション(Dig-13CN-aza-SAM)
12炭素1窒素リンカーを用いたAza-SAMとジゴキシゲニンのコンジュゲーション(Dign-13CN-aza-SAM)
12炭素1窒素リンカーを用いたSAMとジゴキシンのコンジュゲーション(Dig-13CN-SAM)
12炭素1-窒素リンカーを用いたSAMとジゴキシゲニンのコンジュゲーション(Dign-13CN-SAM)
バイオコンジュゲートの特徴付け
Arthus BiosystemsのCat#IK00201、IK00201s、IK00202、IK00202s、IK00301、IK00301s、IK00302、IK00302sに使用される競合ELISA(cELISA)フォーマットのようなイムノアッセイにおいて、上記のバイオコンジュゲートの大部分は、(SAMまたはSAM類似体のバイオコンジュゲートの場合)SAM抗原と競合して特異的抗SAM抗体に結合し、(SAHバイオコンジュゲートの場合)SAH抗原と競合して特異的抗SAH抗体に結合することができることが検証されている。この結果は、バイオコンジュゲートがビオチンまたはジゴキシン(またはジゴキシゲニン)にコンジュゲートされる前と同様な小分子(SAM、SAM類似体、SAH)の抗原特性を保存することを示している。
サンドイッチ様イムノアッセイセッティングにおいてバイオコンジュゲートの他の特性を検討するために、以下の実験を行った:
(1)96ウェルマイクロタイタープレートをストレプトアビジン(Sigma)、すなわちSAで被覆し、続いて異なる量の化合物Bio-12CN-aza-SAMを添加し、約1時間インキュベートした。適切に希釈したHRP-抗SAM抗体を添加し、30分間インキュベートした。洗浄後、HRP基質を加えて約15分間発色させた。反応を停止し、OD450を読み取った。図2Aー2Cに示される結果は、OD450の値が、使用されたバイオコンジュゲートの量と十分に相関していることを示した。この非競合アッセイでは、バイオコンジュゲートのSAとの結合は、バイオコンジュゲートのその特異的抗体との結合を妨げない。
(2)96ウェルマイクロタイタープレートを、SAMまたはSAHに対する特異的抗体をインキュベートすることによって直接的に、またはまずヤギまたはウサギ抗マウスIgGでプレートをコーティングした後抗SAMまたは抗SAHマウスモノクローナル抗体を添加することによって間接的に、特異的抗SAMまたは抗SAH抗体でコーティングした。様々な量のバイオコンジュゲートをプレートに加え、約1時間インキュベートした。洗浄後、適切に希釈したSA-HRPを添加し、約30分間インキュベートした。バイオコンジュゲートの量は、HRP比色分析システムによって検出された。 結果は図2に示したものと類似であった。
競合ELISAにおけるバイオコンジュゲートの使用
96-ウェルマイクロタイタープレートにヤギ抗マウスIgGを1μg/mlでプレコートした。BSA(ウシ血清アルブミン)で適切にブロッキングした後、マウス抗SAM抗体クローン118-6および84-3の希釈系列(1mg/mlのストックから1:2000-1:64000)をプレートに添加した。125ng/ml、250ng/mlおよび500ng/mlの、異なる量のBio-12CN-aza-SAMをそれぞれSAM抗原と競合するために使用した。標準曲線に使用した遊離抗原投与量は、0-2000nMの範囲であった。結果を図3および図4に示す。使用したバイオコンジュゲートおよび抗体の量が異なると、わずかに異なる標準曲線が得られ、標準的に0-2μM以内で直線性は良好である。SAMを測定する際にどの条件がより良い感度、再現性および回収率をもたらすかを決定するために、さらなる試験を実施する必要がある。
SAHを定量的に測定するために、Bio-12CN-SAH、Bio-6C-SAHおよびDig-6C-SAHもcELISAにおいて同様に試験され、その直線性も良好である。
HTRF(R)のフォーマット1(図1A)におけるBio-12C-aza-SAMの使用
ウサギ抗マウスIgG-XL665およびSA-ユーロピウム(Eu3+)クリプテートは、Cisbio Bioassaysから購入した。100mMのpH7.0のPB、プロテアーゼフリーの0.1%のBSA、100mMのKF、0.1%Tween 20を含む緩衝液の中に、下記成分を注意深く最適化する:Bio-12C-aza-SAM、SA-Eu3+クリプテート、マウス抗SAM抗体118-6、およびウサギ抗マウスIgG-XL665。競合HTRFアッセイにおいて、SAM標準は、0-2000nMの範囲で使用される。Optiplates-96マイクロプレートを用いて、100μl/ウェルの最終容量で試験を行う。すべてのアッセイ成分を合わせ、室温で1時間インキュベートする。HTRFアッセイのため、アッセイプレートをBMG LABTECH CLARIOstarマイクロプレートリーダーで読み取る。時間分解蛍光を、各励起パルスの後に50μsの遅延で測定される。665nmでFRET発光シグナル(Aカウント)を測定し、620nmでEu(K)発光シグナル(Bカウント)を測定する。Bカウントは、バックグラウンドの吸光度の内部コントロールおよびインジケータとして、すべてのアッセイウェルについて同じでなければならない。蛍光シグナルを同時に測定し、その比((Aカウント-10,000)/Bカウント)を報告する。この比は、665nmと620nmの両方の信号が同様に影響を受けるため、吸光度の影響を最小限に抑える。SAM標準品の比および濃度は、標準曲線をプロットするために使用される。サンプルからのSAMの量が多いほど、Aカウントが小さくなり、したがって比が低くなる。
HTRF(R)のフォーマット2(図1B)におけるd2-6C-aza-SAMの使用
100mM、pH7.0のPB,プロテアーゼなしの0.1%BSA、100mMのKF、0.1%Tween 20を含む緩衝液中の以下の成分:d2-6C-aza-SAM、ヤギ抗マウスIgG-Eu3+クリプテート、マウス抗SAM抗体84-3のそれぞれの用量を最適化する。競合HTRFアッセイにおいて、SAM標準品は、0-2000nMの範囲で使用される。Optiplates-96マイクロプレートを用いて100μl/ウェルの最終容量で試験を行う。すべてのアッセイ成分を合わせ、室温で1時間インキュベートする。HTRFアッセイのため、アッセイプレートをBMG LABTECH CLARIOstarマイクロプレートリーダーで読み取る。時間分解蛍光は、各励起パルスの後に50μsの遅延で測定される。665nmでFRET発光シグナル(Aカウント)を測定し、620nmでEu(K)発光シグナル(Bカウント)を測定する。Bカウントは、バックグラウンドの吸光度の内部コントロールおよびインジケータとして、すべてのアッセイウェルについて同じでなければならない。 蛍光シグナルを同時に測定し、その比((Aカウント-10,000)/Bカウント)を報告する。この比は、665nmと620nmの両方の信号が同様に影響を受けるため、吸光度の影響を最小限に抑える。SAM標準品の比および濃度は、標準曲線をプロットするために使用される。サンプルからのSAMの量が多いほど、Aカウントが小さくなり、したがってこの比が低くなる。
HTRF(R)のフォーマット1(図1A)におけるDig-6C-SAHの使用
ウサギ抗マウスIgG-XL665およびユーロピウム(Eu3+)クリプテートは、Cisbio Bioassaysから購入した。マウス抗ジゴキシン又は抗ジゴキシゲニン抗体(抗Dig抗体,PerkinElmer)をEu3+クリプテートに標識する。100mMのpH7.0のPB、0.1%のプロテアーゼフリーBSA、100mMのKF、0.1%のTween 20を含む緩衝液の中に、下記成分を注意深く最適化する:Dig-6C-SAH、抗Dig抗体-Eu3+クリプテート、マウス抗SAH抗体301-3、およびウサギ抗マウスIgG-XL665。Optiplates-96マイクロプレートを用いて100μl/ウェルの最終容量で試験を行う。すべてのアッセイ成分を合わせ、室温で1時間インキュベートする。HTRFアッセイのため、アッセイプレートをBMG LABTECH CLARIOstarマイクロプレートリーダーで読み取る。時間分解蛍光は、各励起パルスの後に50μsの遅延で測定される。665nmでFRET発光シグナル(Aカウント)を測定し、620nmでEu(K)発光シグナル(Bカウント)を測定する。Bカウントは、バックグラウンドの吸光度の内部コントロールおよびインジケータとして、すべてのアッセイウェルについて同じでなければならない。蛍光シグナルを同時に測定し、その比((Aカウント-10,000)/ Bカウント)を報告する。この比は、665nmと620nmの両方の信号が同様に影響を受けるため、吸光度の影響を最小限に抑える。SAH標準品の比および濃度は、標準曲線をプロットするために使用される。サンプルからのSAHの量が多いほど、Aカウントが小さくなり、したがってこの比が低くなる。
HTRF(R)のフォーマット2におけるd2-12CN-SAHの使用
生物複合体がd2-6C-aza-SAMの代わりにd2-12CN-SAHであることを除いて、実施例21と同様の手順を用いる。
BRETのフォーマット3におけるルシフェラーゼ-6C-aza-SAMの使用
マウス抗SAM抗体118-6を、蛍光抗体標識キット(Thermo-Fisher)を用いてAlexa Fluor 610-xにコンジュゲートさせた。100mMのpH7.0のPB、プロテアーゼフリーの0.1%のBSA、100mMのKF、0.1%のTween20を含む緩衝液で、バイオコンジュゲートのルシフェラーゼに対するモル比、マウス抗SAM抗体のAlexa Fluor 610-xに対するモル比、Luciferase-6C-aza-SAM(ドナーLuc-SAM)、マウス抗SAM抗体、及び試料または標準からの競合的SAMの作用濃度を最適化する。BRETアッセイでは、SAM標準物は、0-2000nMの範囲で試験される。Optiplates-96マイクロプレートを用いて100μl/ウェルの最終容量で試験を行う。上記の3つのアッセイ成分および基質ルシフェラーゼを合わせ、室温で15-30分間インキュベートする。アッセイプレートを、BRETアッセイ用のBMG LABTECH CLARIOstarマイクロプレートリーダーで読み取る。時間分解蛍光は、各励起パルスの後に50μsの遅延で測定される。630nmでBRETの発光シグナル、550nmでルシフェリンの発光シグナルを測定する。BRET指数(FL-Ab/Luc-SAM)の適切なモル比を求める。適切なLuc-SAM(モル比Luc:SAMを1:20)およびFL-Ab(モル比FL:Abを4-8:1)結合体で結合させた抗体の量は、BRET指数と直線関係にあり、BRET指数およびSAM標準の濃度を使用して標準曲線をプロットする。サンプルからのSAMが多いほど、BRET指数は低くなる。
BRETにおけるルシフェラーゼ-13CN-aza-SAMの使用
バイオコンジュゲートがルシフェラーゼ-6C-aza-SAMの代わりにルシフェラーゼ-13CN-aza-SAMであることを除いて、実施例24と同様の手順を用いる。
BRETにおけるルシフェラーゼ-aza-SAMの使用
バイオコンジュゲートがルシフェラーゼ-6C-aza-SAMの代わりにルシフェラーゼ-aza-SAMであることを除いて、実施例24と同様の手順を用いる。
BRETにおけるルシフェラーゼ-13CN-SAHの使用
バイオコンジュゲートがルシフェラーゼ-6C-aza-SAMの代わりにルシフェラーゼ-aza-SAMであること、及び、抗SAM抗体の代わりに抗SAH抗体、SAM標準の代わりにSAH標準を使用することを除いて、実施例24と同様の手順を用いる。
BRETにおけるルシフェラーゼ-6C-SAHの使用
バイオコンジュゲートがルシフェラーゼ-6C-aza-SAMの代わりにルシフェラーゼ-6C-SAHであること、及び、抗SAM抗体の代わりに抗SAH抗体、SAM標準の代わりにSAH標準を使用することを除いて、実施例24と同様の手順を用いる。
BRETにおけるルシフェラーゼ-SAHの使用
バイオコンジュゲートがルシフェラーゼ-6C-aza-SAMの代わりにルシフェラーゼ-SAHであること、及び、抗SAM抗体の代わりに抗SAH抗体、SAM標準の代わりにSAH標準を使用することを除いて、実施例24と同様の手順を用いる。
本出願に引用された全ての特許、特許出願および刊行物は、それらの引用文献を含む、それらの全体が引用を通じて本書に援用される。
本発明の多くの実施形態は、上記に開示され、現在の好ましい実施形態を含んでいるが、本開示の範囲内および添付の特許請求の範囲内に、他の多くの実施形態および変形が可能である。したがって、提供される好ましい実施形態および実施例の詳細は、限定するものとして解釈されるべきではない。本明細書で使用される用語は、限定ではなく単に説明的であること、および、特許請求される本発明の精神または範囲から逸脱することなく、種々の変更、多数の等価物がなされ得ることを、理解されたいである。

Claims (3)

  1. 下記式を有する化合物で、
    式中、-NHX(CH2nYZの部分は、下記構造S1~S7のいずれか1つであり、
    構造S1中、pは3~5、qは3~5であり、構造S2中、mは3~5であり、
    1は結合部位を表し、
    Aが、下記構造の縮合環系で、
    式中、E、F、GおよびHがN原子であり、
    HN-A結合は、Aの前記縮合環系における6員ヘテロ環中の炭素原子と、窒素原子との結合を表し、
    Bが、1個の酸素原子を有しかつ1個以上のヒドロキシル基を有する5員ヘテロ環であり、前記Bは、Aの前記縮合環系における5員ヘテロ環中の窒素原子に結合し、
    Cが、下記構造式を有する部分であり、
    式中、Jが、SおよびNの原子からなる群から選択され、LがC1-C5アルキル基であり、ただしJが硫黄原子であり、LがC1-C5アルキル基である場合、硫黄原子が正に荷電しており、m=0または1であり、KがH、NH2、または上記構造S1~S7のいずれか1つであり、
    さらに、Kが上記構造S1~S7のいずれか1つである場合、Aに結合している-NHX(CH2nYZの部分は-NH2である、化合物
    ただし、下記に記載の式I~IVで表される構造を有する化合物ならびに化合物C1~C5、C7、C16、C19およびC26~C31のいずれかに該当する化合物を除く。
    (式Iで表される構造を有する化合物)
    式I中、縮合環系中のA、B、CおよびDはN原子であり、nはそれぞれ独立して3~5の範囲である、

    (式IIで表される構造を有する化合物)
    式II中、縮合環系中のA、B、CおよびDはN原子であり、nはそれぞれ独立して3~5の範囲である、
    (式IIIで表される構造を有する化合物)
    式III中、縮合環系中のA、B、CおよびDはN原子であり、nはそれぞれ独立して3~5の範囲である、
    (式IVで表される構造を有する化合物)
    式IV中、縮合環系中のA、B、CおよびDはN原子であり、n=3~5である、
    化合物C3において、縮合環系中のA、B、CおよびDはN原子であり、n 1 =3およびn 2 =5である、
    化合物C4において、縮合環系中のA、B、CおよびDはN原子であり、n 1 =3およびn 2 =5である、
    化合物C5において、縮合環系中のA、B、CおよびDはN原子であり、n=5である、
  2. (a) 以下の成分(i)~(iii)を準備するステップ;
    (i) 請求項1に記載の化合物であるバイオコンジュゲート;
    (ii) i)のバイオコンジュゲートの中の下記の部分M1、M2またはM3に特異的に結合するリガンドと結合したドナー蛍光色素

    (iii) 励起スペクトルが前記ドナー蛍光色素の放出スペクトルと重複するアクセプター蛍光色素であって、SAM、aza-SAM(5’-[(3-カルボキシプロピル)メチルアミノ]-5’-デオキシ-アデノシンを指す。)またはSAHの特異的な抗体と結合したアクセプター蛍光色素;
    (b) 前記成分(i)~(iii)、およびSAM、aza-SAMもしくはSAHを含むまたは含む疑いのある生物学的試料を混合するステップ
    (c) 混合物中のドナーの蛍光およびアクセプターからの蛍光を分光測定するステップ;および
    (d) 前記分光測定の結果に基づいて、前記試料中のSAM、aza-SAMもしくはSAHの存在もしくは非存在を検出する、または前記試料中のSAM、aza-SAMもしくはSAHを定量するステップ;
    を含むイムノアッセイ方法。
  3. 前記ドナー蛍光色素が、ユーロピウム、テルビウムクリプテートまたは他のフルオロフォアである、請求項2に記載の方法。
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