JP3905838B2 - 蛍光共鳴エネルギー転移(fret)測定用ダイペア - Google Patents

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Description

【0001】
発明の背景
本発明は、新規な蛍光ダイシステムに関し、特に、例えば得られた蛍光の時間分解測定と組み合わせた蛍光共鳴エネルギー転移測定のための新規な蛍光ダイシステムに関する。本発明はまた、例えば検体(analyte)の検出における、生体分子の標識および生体分子間の相互作用の均一系による測定のためのこれらのダイの使用に関する。
【0002】
検出または検査される生体分子と特異的に結合することができる結合パートナーは、生体分子の測定に非常によく用いられる。不均一系アッセイといわゆる均一系アッセイの基本的な相違点は、後者が試験を実施するために一回以上の洗浄工程を必要とするという点で特徴付けられるということである。
【0003】
いわゆる不均一系アッセイでは、少なくとも一つの生体分子にマーカー基を付ける。試験する検体分子の濃度は、このマーカー基を測定することにより最終的に決定される。もちろん、この決定は、結合した、および未結合の標識した結合パートナーを適当な洗浄工程により分離した後に測定を行う場合にのみ実益がある。
【0004】
従来の均一系アッセイにおいては、存在する検体分子の濃度に依存する濁度効果または散乱光効果による測定可能なシグナル変化が生成されるように試験条件を選択する。このようなアッセイにおいて生成されたシグナルを増幅するために粒子状の担体物質が頻繁に用いられる。
【0005】
近年になってようやく、マーカー基を用いた場合であっても、均一系による測定、すなわち中間の洗浄工程を必ずしも必要としない測定を行うことが可能となった。均一系によるイムノアッセイの分野におけるさらなる開発はすべて、分子が互いに直接近接している場合にのみ起こる、少なくとも二つのこれらの分子の相互作用に基づいている。「クローン化酵素ドナーイムノアッセイ」=CEDIA(Microgenics Inc. USA)、蛍光偏光=FPIA(Syva Co. USA)またはシンチレーション近接アッセイ(Amersham UK)の原理に基づく均一系アッセイは周知となっている。しかし、本明細書では、これらの方法のうち、蛍光共鳴エネルギー転移(FRET)の原理に基づく方法について特に言及する。蛍光エネルギー転移は、常に少なくとも二つのダイ分子を必要とする。エネルギードナーとして作用する第一のダイおよびエネルギーアクセプターとして作用する第二のダイである。ドナーとアクセプター間のエネルギー転移は、無放射線、すなわち放射線を放出することなく起こる。
【0006】
FRETの効率は、ドナーダイとアクセプターダイの距離に大きく依存する。FRETは、ドナーとアクセプターが互いに非常に近くにある場合にだけ効率的に起こる。
【0007】
通常、ドナー分子ならびにアクセプター分子は、各々生体親和性結合ペアの一つのパートナーと結合する。担体生体分子が相互作用して結合し、例えば抗原抗体複合体を形成すると、ドナー分子およびアクセプター分子も近接し、FRETが可能である。
【0008】
エネルギーアクセプターは、ドナーにより放出されたエネルギーを除去または消光するように選択するか(これをクエンチャーと呼ぶ)、または蛍光共鳴エネルギーアクセプター自体が蛍光エネルギーを放出するように、すなわち蛍光を発するように選択することができる(これらを蛍光分子団、または簡潔に蛍光分子と呼ぶ)。従来技術において、金属錯体が蛍光エネルギードナーならびに蛍光エネルギーアクセプターとして適していることが知られている。
【0009】
上記のように、蛍光分子団はまた、FRETシステムにおけるアクセプターとしても知られる。特に、アロフィコシアニン(APC)の群から選ばれるダイがこのような蛍光分子として用いられる。APCの既知の性質のうちのいくつかとして、高量子収量および非常に良好な吸光性がある(例えばEP 076 695)。
【0010】
しかし、フィコビリタンパク質には不利な点があり、例えば100,000 Daを越える高分子量のせいで、フィコビリタンパク質を選択的に生体分子と結合させること、すなわち、APC分子中の既定の位置を介して結合させることができない。この結合は、通常化学的であり、したがって統計的なものであるか、またはこの結合は、当業者に知られたストレプトアビジン/ビオチンシステムのような結合システムを用いた間接的なものである。また、感度、すなわちこれらのシステムの検出の下限は、例えば検出される検体分子が低濃度である場合、改良が必要なようである。
【0011】
市販のシステムは、Wallac, Oy, Turku, FinlandおよびPackard Instrument Company, Meriden, USAから入手できる。これらは、ドナー標識としてランタニドキレートを、アクセプター標識としてフィコビリタンパク質クラスのダイ、例えばアロフィコシアニンを用いる。ランタニドキレートは、発光寿命が数ミリ秒までの範囲内であり、すなわち対応する時間、アクセプター発光を観察することができる。したがって、ランタニドキレートにより放出されるエネルギーは、通常400〜600マイクロ秒の時間窓(time window)で測定する。これはまた必然的に、比較的長い遅れまたはむだ時間があることを意味する。また、ある試験条件下ではランタニドキレートの安定性が低下する。すなわち、例えばEDTA(エチレンジアミノテトラ酢酸)のような錯化剤が添加されると再キレート化が起こり得る。
【0012】
米国特許第5,998,146号は、蛍光分子またはクエンチャーと組み合わせたランタニドキレート錯体(特にユーロピウムおよびテルビウム錯体)の使用について記載している。この特許はまた、長寿命のランタニドキレート錯体の有利な特性について強調している。
【0013】
Blombergらは、Clinical Chemistry 45 (6) (1999) 855 ffで、新規なFRETペアにおけるユーロピウムまたはテルビウム錯体のドナーとしての使用、およびローダミンダイのアクセプターとしての使用について述べている。βhCG(ヒト絨毛性ゴナドトロピンのβサブユニット)の検出の感度は、0.43μg/Lであると記載されている。このように、ユーロピウムおよびテルビウムキレート錯体に基づくFRETアッセイは、アッセイの感度に関して、大きな改良とはならない。
【0014】
時間分解蛍光測定のためのルテニウム錯体の使用について、例えばEP-A2-439 036に説明されており、この場合、ルマジンがエネルギードナーとして、ルテニウム錯体がエネルギーアクセプターとして用いられている。
【0015】
Jounらは、Analytical Biochemistry 232 (1995) 24-30で、FRET原理に基づく均一系による測定のために、蛍光性ルテニウム錯体をエネルギードナーとして用いている。慣用名「リアクティブブルー(reactive blue)」として周知のダイが、共鳴エネルギーアクセプターとして用いられている。リアクティブブルーは、ルテニウム錯体により放出された蛍光を低減(消光)し、このため定量化は、ルテニウム錯体により最初に放出され低下した蛍光シグナルに基づく。
【0016】
WO 00/47693も、クエンチャーと組み合わせて蛍光エネルギードナーとしてルテニウムキレート錯体を用いることについて記載している。慣用名「フェアオークスレッド(Fair Oaks Red)(商標)」として周知のルテニウム錯体がエネルギードナーとして用いられた。このダイをヒト血清アルブミンに対する抗体に結合させた。抗原ヒト血清アルブミンを、「ライトグリーンイエロー(light green yellowish)」として知られる非発光性ダイで標識した。Jounら(上記を参照)と同様に、検体濃度(ヒト血清アルブミン)をシグナル低下の程度から最終的に決定した。
【0017】
生体分子のアッセイについて、少量の試験すべき検体分子の検出が必要な場合も非常に多い。検出の下限という用語は、測定システムの感度を特徴づけるためにしばしば用いられる。この検出下限が低いほど、試験システムの感度が高い。
【0018】
しかし、FRETダイの生体分子への結合の容易さ、およびとりわけFRET原理に基づく試験の感度に関して、いまだに大きな改良の余地がある。FRET測定に基づくより感度の高い均一系による試験手順は、より広くより多様な実用性を有しているため非常に望ましいだろう。
【0019】
したがって、本発明の目的は、従来技術における既知の欠点、例えば検出の下限に関する欠点を克服することができる新規なFRETペアを探索し、および場合によっては特徴付けることであった。
【0020】
驚くべきことに、例えば、FRET原理に基づく生体分子間の相互作用を測定するための感度の高い方法において、遷移元素のVIIおよびVIII族の金属イオンに基づく金属キレート錯体をエネルギードナーとして、低分子蛍光分子をエネルギーアクセプターとして組み合わせて用いると、非常に有利であることを発見した。
【0021】
発明の簡単な説明
本発明は、蛍光エネルギー転移の原理、および得られる蛍光の測定に基づいて、ドナーまたはアクセプターにより標識した生体分子間の相互作用を測定する方法に関し、VIIおよびVIII族の遷移元素の金属イオンに基づいた金属キレート錯体をエネルギードナーとして、300 Da〜3000 Daの分子量を有する低分子量蛍光分子をエネルギーアクセプターとして組み合わせて用いることを特徴とする。
【0022】
驚くべきことに、低分子量蛍光分子、特にローダミン、キサンテン、シアニンおよびオキサジンクラスのダイから選ばれる低分子量蛍光分子は、とりわけVIIおよびVIII族の遷移元素の金属イオンに基づく金属キレート錯体(特に、ルテニウムキレートドナー)と組み合わせ、改良FRETアッセイを構築するFRET測定に極めてよく適していることが判明した。
【0023】
本発明のFRETペアは、とりわけ得られたエネルギーの時間分解測定(TR-FRET)に適している。
【0024】
本発明のダイの組み合わせはまた、蛍光調節の原理に基づく、ドナーまたはアクセプターで標識した生体分子間の相互作用を決定する方法にも適している。
【0025】
本発明により、新規なFRETのペアは、とりわけFRETパートナーで標識した生体分子が始めは空間的に非常に近接しており、さらに相互作用の後に離れる場合、または反対に、例えば生体親和性結合ペアのパートナー間で複合体を形成することにより互いに非常に近づくことができる場合に、生体分子の相互作用を調べるために非常に有利に用いることができる。
【0026】
本発明は、とりわけいわゆる均一系による試験手順における多くの検体分子を検出する可能性を改良して広げ、したがってまた、VIIおよびVIII族の遷移元素の金属イオンに基づいた金属キレート錯体により標識した少なくとも一つの生体分子、とりわけルテニウムキレート錯体で標識した生体分子、および低分子量蛍光分子アクセプターにより標識した生体分子を含むサンプル中の検体を検出するための試験キットを包含する。
【0027】
発明の詳細な説明
本発明はとりわけ、VIIおよびVIII族の遷移元素の金属イオンに基づいた金属キレート錯体をエネルギードナーとして、300 Da〜3000 Daの分子量を有する低分子量蛍光分子をエネルギーアクセプターとして組み合わせ手用いることを特徴とする、蛍光エネルギー転移の原理および得られた蛍光の測定に基づいて、ドナーまたはアクセプターにより標識した生体分子間の相互作用を決定するための方法に関する。
【0028】
本発明の意味における相互作用は、FRET測定により検出することができる、生体分子間の距離の変化を意味する。この相互作用を検出するために、FRETドナーならびにFRETアクセプターを生体分子に連結させるか、またはそれぞれを結合ペアの一方のパートナーに結合させて、その相互作用によりドナーおよびアクセプター間の距離が変化することが必要である。
【0029】
好ましい実施形態において、生体親和性結合ペアの一方のパートナーがドナーにより標識され、もう一方がアクセプターにより標識される。ドナーおよびアクセプターは、生体親和性結合ペアのパートナー間に結合複合体が形成される結果、非常に近くに近接するようになり、FRETが可能となる。
【0030】
既知の生体親和性結合ペアの例は、特に相補的核酸配列(DNA、RNAまたはペプチド核酸)、リガンドおよびレセプター、抗原もしくはハプテンおよび抗体、またはレクチン類および糖類である。適当な条件下において、これらの結合ペアのパートナーは、結合して複合体を形成する。
【0031】
複合体形成の程度は、好ましくは検体分子の濃度の測定のために用いられる。この目的のためには、反応条件を、試験形式により、検体濃度によるシグナルの増加または減少のいずれかが起こるように、当業者に知られたようにして選択する。
【0032】
本発明の意味における相互作用の別の好ましい実施形態は、FRETが可能であるが、例えば酵素活性によりドナーおよびアクセプター結合部位間でFRETが妨げられるような条件下にドナーおよびアクセプターが最初から存在する場合である。
【0033】
蛍光エネルギー転移は、ドナーが可能な最小量の測定可能な蛍光エネルギーを放出する間のドナーダイからアクセプターダイへのエネルギーの転移(移動)として理解される。この方法において、蛍光ダイドナーは、例えば適当な波長の光により励起される。この結果、適当な第二のダイであるアクセプターに対して空間的に近接しているため、アクセプターへのいわゆる無放射(non-radiative)、すなわち放射のない(radiation-free)エネルギー転移を引き起こす(Van der Meer, et al., Resonance Energy Transfer VCH (1994))。第二のダイが蛍光分子または発光分子である場合、この分子から放出される特定の波長の光を、定性的ならびに定量的測定に用いることができる。
【0034】
このFRET原理に基づく多くの試験システムにおいて、ドナーとして働く発光分子団は、光子の吸収により励起されて基底状態から励起状態へと変換される。励起したドナー分子が適当なアクセプター分子に十分に近い場合、励起状態がドナーからアクセプターに転移することができる。このエネルギー転移により、ドナーの蛍光分子または発光分子の減少が起こり、アクセプター自身が発光性である場合、発光が増加する。アクセプターがクエンチャーである場合は、もちろんアクセプターは蛍光を発しない。
【0035】
エネルギー転移の効率は、ドナーおよびアクセプター分子間の距離に非常に強く依存する。シグナルの減少は、分離距離の6分の1乗に依存する。このドナーおよびアクセプター間の距離の劇的な効果により、FRETペア(FRETシステムとも呼ばれる)は、いくつのドナーおよびアクセプター分子が互いに近接して存在するかを調べるのに用いることができる。この性質は、例えば検体を特異的パートナーと接触させることにより、その検体の存在を測定するために用いられる。FRETシステムの多くの応用は従来から知られている。参照として、特にWO 00/47693、EP 76 695;Hemmila, Chemical Analysis 117, John Wiley & Sons, Inc. (1991) 135-139;および上記のVan der Meer, et al., Resonance Energy Transfer VCH (1994)を挙げる。
【0036】
FRETシステムの好ましい実施形態は、さらにFRETシステムからのシグナルの時間遅延測定を利用する検出方法である。時間分解FRETシグナルを測定するための基本的な装置および方法は、従来技術で説明されている。時間分解FRET測定の原理は、本質的に、例えばサンプル中の妨害物質による、妨害バックグラウンド蛍光が共に検出されず、エネルギー転移によって生成または低下した蛍光のみが測定されるように測定窓(measuring window)を選択することに基づく。
【0037】
得られたTR-FRETシステムの蛍光を、適した測定装置により測定する。
【0038】
このような時間分解検出システムfは、例えばパルスレーザーダイオード、発光ダイオード(LED)またはパルスダイレーザーなどを励起光源として用いる。測定は、適当な時間遅延の後、すなわち妨害バックグラウンドシグナルが減衰した後に起こる。このような測定装置の基本的なデザインを図1に示す。市販されている測定システム、例えばWallac Oy社のVictor(商標)のようなキセノンフラッシュライトに基づく装置は、本発明のFRETペアで要求されるような数μsの範囲の時間遅延蛍光の感度の高い測定には不適当であるが、10μsより長い寿命を有するFRETシステムにのみ適している。
【0039】
検出は、好ましくはまた、位相変調技術を用いて行われる。この場合、励起光の強度は、高周波および同様に放出の強度によっても調節される。寿命のため、蛍光放出の位相シフトおよび復調が起こる。対応するシステムの関連情報に関する明示的な参照文献をここに記載する(WO 00/47693;French et al., SPIE BiOS in Proc. SPIE v 3259 (1998) 209-218およびFrench, et al., SPIE BiOS in Proc. SPIE v 3603 (1999) 272-280)。当業者は、これらの文献から、このような蛍光調節システムにおいても、本発明のダイの組み合わせをうまく用いるための必要な情報を得ることができるだろう。以下では、主にTR-FRETにのみ関連するが、当技術分野の当業者には、位相変調技術を用いて本発明のFRETペアを測定することができることが明らかだろう。
【0040】
エネルギードナーとしての金属錯体およびエネルギーアクセプターとしてのフィコビリ蛋白質のクラスからのダイに基づくFRETシステムは、従来技術で公知である(EP 76 695;Hemmila, Chemical Analysis 117, John Wiley & Sons, Inc. (1991) 135-139)。確立された市販のシステム(例えばWallac Oy社またはCis Bio Packard社から入手されるもの)は、金属錯体としてのランタニドキレートおよびフィコビリ蛋白質からなるFRETペアを用いる。
【0041】
ランタニド−キレート錯体、特にユーロピウムおよびテルビウム錯体の有利な特性は公知であり、クエンチャーと組み合わせて、ならびに蛍光分子と組み合わせて用いることができる。このようなランタニド−キレート錯体と低分子量蛍光分子との組み合わせは、感度において、それほど改善はみられないようである(米国特許第5,998,146号および上記のBlombergら)。
【0042】
ルテニウム錯体自体は、蛍光分子または発光分子として、とりわけ電気化学発光に用いられる。好ましいルテニウム−キレート錯体は、例えばEP 178 450およびEP 772 616で知られるものであり、これらの文献には、これらの錯体を生体分子に結合するための好ましい方法についても記載されている。FRETシステムにおけるこれらのエネルギードナーとしての使用は、そこでは議論されていない。
【0043】
アロフィコシアニン類は、減衰係数が異常に高く(約700 000 L/M cm)、また放出係数も極端に高いといったような優れた性質を有している。これらの性質は、アロフィコシアニン類をFRETシステムにおいて蛍光分子アクセプターとして用いるのに理想的な前提条件である。さらにこれらのダイは、易水溶性であり、安定であることが知られている。
【0044】
低分子量蛍光分子の用語は、300〜3000 Daの分子量を有する蛍光分子性ダイを意味する。キサンテン、シアニン、ローダミンおよびオキサジンなどのこのような低分子量蛍光分子団は、重要な性質に関して、APCと比較して相当不利である。すなわち、例えばこれらの励起係数は実質的に低く、約100 000 L/M cmの範囲である。また、これらの発色団の疎水性が原因である非特異的結合により、FRETシステムにおいてこれらのダイをアクセプターとすることが不利である可能性があることが知られている。
【0045】
驚くべきことに、一方でVIIおよびVIII族の遷移元素(好ましくは、レ二ウム、オスミウム、イリジウムまたはルテニウム。特に好ましくはルテニウム)の金属イオンを含む金属キレート錯体、およびもう一方で低分子蛍光分子からなる本発明のFRETペアは、FRET測定において、とりわけ感度に関して、大きな利点を有することが本発明により判明した。
【0046】
驚くべきことに、本発明で説明するダイの組み合わせは、例えばFRETシステムにおける時間遅延測定の原理に基づく測定手順において、非常に感度の高い試験システム、さらには検出の下限の改善を提供することが判明した。
【0047】
600 nm〜750 nmの波長に吸収極大を有する上記のクラスのダイが特に適していることもわかった。このため、本発明の好ましい実施形態は、上記のような金属キレート錯体と600 nm〜750 nmの吸収極大を有する低分子量蛍光分子とを組み合わせて使用することを特徴とする、蛍光分子エネルギー転移の原理および例えば得られた蛍光の時間遅延測定に基づくドナーまたはアクセプターにより標識した生体分子間の相互作用の測定方法である。
【0048】
EP 178 450およびEP 772 616に記載されたようなルテニウム錯体を、FRETシステムにおいてドナーとして用いる場合、特に適したアクセプター分子は、600 nm〜750 nmの波長、とりわけ好ましくは、630 nm〜700 nmの範囲の波長で吸収極大を有するべきである。
【0049】
本発明の特に好ましい実施形態において、低分子量蛍光分子はさらに2000 Daより小さい、好ましくは1500 Daより小さい、または特に好ましくは1000 Daより小さい分子量を有することを特徴とする。この文脈において、例えば1000 Daの分子量とは、ダイの成分自体に関してであり、すなわち追加のリンカー構造または他の結合生成物に関してではない。低分子量蛍光分子は、好ましくは少なくとも300 Da、好ましくは少なくとも350 Daの分子量を有する。
【0050】
以下のクラスの物質から選ばれるダイが特に適していることが分かった:キサンテン類、シアニン類、ローダミン類およびオキサジン類。したがって、本発明の特に好ましい実施形態において、低分子量蛍光分子ダイはキサンテン類、シアニン類、ローダミン類およびオキサジン類からなる群より選択される。
【0051】
ローダミン群のダイについては、EP 567 622に詳細に説明されている。この出願はまた、吸収極大がより長い波長の方にシフトしたローダミンダイを得るためにいかなる手段を用いることができるかについても説明している。以下の一般式(式I)で表されるクラスのローダミン類より選ばれる蛍光分子は、低分子量蛍光分子として特に好ましい。 I :ローダミン類
【化3】
Figure 0003905838
式中、R1およびR13は同じであるかまたは異なっており、水素、1〜20の炭素原子を有するアルキル、ポリオキシヒドロカルビル単位、フェニル、アルキル鎖中に1〜3個の炭素原子を有するフェニルアルキル(アルキルまたは/およびフェニル残基は1個以上のヒドロキシ、ハロゲン、スルホ、カルボキシまたは、アルコキシが1〜4個の炭素原子を有することができるアルコキシカルボニル基により置換されていてもよい)を表し;R7は、1〜20個、好ましくは1〜7個の炭素原子を有し、かつ少なくとも1個のハロゲンにより置換されたアルキル基、または五環系に結合した炭素原子に対してo-位でカルボキシもしくはアルコキシカルボニル基により置換され、かつ少なくとも1個のハロゲンにより置換された(アルコキシは1〜4個の炭素原子を有することができる)フェニル基、またはカルボキシアルキル基、またはカルボキシメチレンオキシ−アルキルオキシ基を表し;
点線で表した二つの結合は、点線の結合により結合された二つの炭素原子が、互いに単結合または二重結合により結合できることを意味し;R14、R15および特定の記号で標識していない五環の基本構造の他の位置は、1〜20個の炭素原子を有するアルキル基により置換されていてもよく;Xは対イオンであり、少なくとも1個の残基R1、R7または/およびR13は生体分子に結合している。
【0052】
これらのローダミン類は、残基R7が強い電子求引基である場合にとりわけ好ましい。このようなR7上の電子求引基は、好ましくは、ポリハロゲンカルボキシフェニルおよびペルフルオロアルキル残基である。テトラクロロカルボキシフェニル残基およびポリハロゲンフェニル残基は、とりわけR7の位置に好ましい。これらは、広いpH範囲にわたって特に良好な安定性を示す。ローダミンダイの波長の微調整は、二重結合を導入すること、および残基R2、3、11、12、5および/または9上にさらにメチル置換をすることにより行うことができる。これらは好ましくは残基R1またはR13を介して生体分子と結合する。さらに、リンカーの長さを、試験性能のために最適化することもできる。
【0053】
このような五環ローダミンダイの親水性もまた、適当な親水基による置換によって、広い範囲にわたって変更することができる。原則としてどの位置でも導入することができるスルホン酸基を用いることが好ましい。スルホン酸基がR1およびR13の位置のうちの一方に導入される場合、もう一方の位置は、好ましくはカルボキシアルキルにより置換される。
【0054】
別の好ましい実施形態において、以下の一般式で表されるオキサジン類を、蛍光共鳴エネルギーアクセプターとして用いる。
II :オキサジン類
【化4】
Figure 0003905838
[式中、R1、R4、R5、R6、R7、R10は、水素、アルキル、ヒドロキシ、ハロゲン、カルボキシル、スルホニルまたはアミノを表し、
R2、R3は水素、アルキル、アルコキシ、ポリオキシヒドロキシカルボニル単位、フェニル、フェニルアルキルを表し、これらはヒドロキシ、スルホニル、カルボキシ、アミノ、アルコキシカルボニルにより置換されていてもよく、R2およびR1またはR3およびR4は、飽和または不飽和C4またはC5架橋を形成することが可能であり、
R8、R9は水素、アルキル、アルコキシ、ポリオキシヒドロキシカルボニル単位、フェニル、またはフェニルアルキルを表し、これらはヒドロキシ、スルホニル、カルボキシ、アミノ、アルコキシカルボニルにより置換されていてもよく、R2およびR1またはR3およびR4は、飽和または不飽和C4またはC5架橋を形成することが可能であり、
残基R2、R3、R8またはR9のうちの少なくとも一つは生体分子と結合する非架橋形成残基を表し、R2、R3、R8およびR9のうちの少なくとも一つは、場合によりアルキルにより置換されていてもよい架橋形成残基を表す]
【0055】
オキサジンおよび生体分子に対するその結合についてはEP 747 447に記載されている。オキサジンダイの説明および好ましい実施形態を参照する。量子収量の実質的な向上をもたらすことから、R3、R4および/またはR7、R8が環構造を形成することができるオキサジンダイが特に好ましい。吸収波長および親水性は、ローダミン類について上記したように微調整することができる。
【0056】
他の好ましいダイは、シアニン類(Mujumdar et al., Bioconjugate Chem. 7, 1996, 356-362を参照)またはキサンテン類(EP 1 054 039)のクラスから選択される。
【0057】
試験、検体および結合または検出試薬に応じて、調べるFRETペアの達成可能な感度を測定するための多くの試験が考えられ実行することができる。しかし、そのようなシステムは、明らかに相互比較可能性および他のシステムへの交換可能性を欠いている。
【0058】
検出の下限(LLD)の測定のための標準的なシステムとして、ビオチン−ストレプトアビジンシステムを使用することが都合がよい。低分子量ビオチンは、非常に強くストレプトアビジンにより結合される。この高い親和結合ペアのため、異なるFRETペアにより達成することができる感度の再現可能な比較測定が可能となる。
【0059】
調べるFRETペアの検出の下限を測定するためには、ビオチン−ストレプトアビジンシステムを用いることが好ましい。このためには、FRETエネルギードナー錯体を実施例1b)において説明するようにストレプトアビジンに結合する。低分子アクセプターダイは、リンカーとしてジアミノ−ジオキサ−オクタン(DADOO)を用いて(実施例1d)および1e)を参照)ビオチンと結合する。
【0060】
上記の手順は、検出の下限が改善されるような方法で、本発明のFRETペアを選択するために用いることができる。エネルギードナーとしてのVIIおよびVIII族の遷移元素の金属イオンおよび低分子量アクセプターから成り、上記に定義した条件下において3.0×10-13 Mの検出の下限を有するFRETペアが好ましい。好ましいFRETペアは2×10-13 Mの検出の下限を有し、特に好ましいFRETペアは1×10- 13 Mの検出の下限を有する。
【0061】
したがって、本発明はまた、エネルギードナーとしてのVIIおよびVIII族の遷移元素の金属イオンを含む金属キレート錯体を、エネルギーアクセプターとしての300 Da〜3000 Daの分子量を有する低分子量蛍光分子と組み合わせて用いることを特徴とする、蛍光共鳴エネルギー転移の原理および得られる蛍光の測定に基づく、ドナーまたはアクセプターにより標識した生体分子間の相互作用を測定するための改良された方法に関する。
【0062】
本発明の好ましい実施形態は、エネルギードナーとしてのVIIおよびVIII族の遷移元素の金属イオンを含む金属キレート錯体を、エネルギーアクセプターとしての300 Da〜3000 Daの分子量を有する低分子量蛍光分子と組み合わせて用いることを特徴とする、蛍光共鳴エネルギー転移の原理および得られる蛍光の測定に基づく、ドナーまたはアクセプターにより標識した生体分子間の相互作用を測定するための感度が改良された均一系による試験に関する。
【0063】
当業者は、本発明に基づいた各自の目的のために、最適なドナーおよびアクセプターの組み合わせを非常に容易に選択することができる。
【0064】
本発明の新規な感受性FRETペアは、分子の相互作用の測定に用いることが特に好ましい。このような相互作用の例として、特に、核酸のハイブリダイズ反応、生体分子の対応するレセプターへの結合、および抗原もしくはハプテンと抗体、または他の生体親和性結合ペア間(例えばレクチンと糖)の相互作用がある。
【0065】
しかし、FRETペアはまた、例えばドナーおよびアクセプター分子間の距離を測定するために用いることもできる。このような分子間の距離の変化は、例えば酵素活性を立証するために用いることができる。エネルギードナーとしての金属キレート錯体を、エネルギーアクセプターとしての低分子量蛍光分子と組み合わせて生体分子間の相互作用を測定するために用いることもしたがってまた、本発明の特に好ましい実施形態である。
【0066】
ルテニウム錯体の特に有利な点は、これらの寿命が50 ns-約10μsの範囲であり、このため繰り返し率(repetition rate)が高いのみならず、測定中の遅れ時間を短くできることである。寿命は、FRETシステムのエネルギーの半分が放射されるまでに経過する時間として理解される。ドナーとしてルテニウム錯体を用いる本発明のダイペアの短い寿命は、繰り返し、すなわち複数回の測定を行うことができるという理由により、特に有利である。例えばユーロピウムキレート錯体をドナーとして用いた場合、通常測定窓(measuring window)を、約300μs〜1msの時間範囲で選択し、通常約200μsの期間にわたって測定する。この手順は、励起したユーロピウム錯体が長寿命のために、測定窓が短くなり、不利である。対照的に、本発明のダイペアは、例えばルテニウム錯体をドナーとして用いた場合、大きな利点を有する。ルテニウム錯体は通常寿命が約50 ns〜10μsである。低分子量蛍光分子の寿命が非常に短いため、金属キレート錯体の寿命は、本発明のFRETペアを測定するための最適な時間窓(time window)に重要である。個々の測定サイクルは、約100μs以下の中で完結し、この測定サイクルを数回繰り返すことができる。このことにより、感度が顕著に改良される。このため寿命が50 ns〜10μsであるドナーとしてルテニウム錯体を用いるFRETダイペアが特に好ましい。100 ns〜8μsの寿命をもつペアがとりわけ好ましいことがわかっている。
【0067】
本発明のFRETペアは、好ましくは、例えば生体分子の存在または濃度を測定するために用いられる。この場合、FRETペアの一方のパートナーを先の生体分子の結合パートナーに結合させ、FRETペアのもう一方のパートナーを直接または間接的に先の生体分子に結合させるか、結合するようにすることが特に好ましい。この種の単純なシステムは、例えば、金属キレートにより標識した抗原および蛍光分子により標識した抗体(またはその逆)を用いる。対応するモデルおよび例は、方法のところで説明する。
【0068】
すでに述べたように、FRETシステム、とりわけTR-FRETシステムの特に有利な点は、生体分子間の相互作用が、洗浄工程なしに、すなわち、いわゆる均一系による測定方法で測定できることである。したがって、本発明のダイの組み合わせを用いた均一系による測定方法が特に好ましい。
【0069】
本発明のダイペアの二つのパートナー、すなわち一方が金属(VIIおよびVIII族の遷移元素)−キレートドナー、およびもう一方が低分子量蛍光分子であるものは、例えばEP 178 450およびEP 772 616(親水性金属錯体)またはEP 567 622またはEP 747 447に記載されているような既知の方法で生体分子に結合することができる。これらの結合産物は、易水溶性であり、輸送または貯蔵条件下で非常に安定している。したがって、これらはサンプル中の検体を検出できる試験または試薬キットを調製するのに非常によく適しており、この場合、金属キレート錯体で標識した少なくとも一つの生体分子および低分子量蛍光分子により標識した少なくとも一つの他の生体分子がこの試薬キットに含まれる。
【0070】
本発明の好ましい実施形態は、生体親和性結合ペアの一方のパートナーをVIIおよびVIII族の遷移元素の金属イオンを含む金属キレート錯体により標識し、この生体親和性結合ペアのもう一方のパートナーを300 Da〜<3000 Daの分子量を有する低分子量蛍光分子で標識することを特徴とする、生体親和性結合ペアのパートナー間の相互作用を測定するための試薬または試薬の組み合わせである。
【0071】
本発明の別の好ましい実施形態は、FRETパートナーにより標識した生体分子の他に、検体測定の実施に用いられるその他の有用な試薬、例えばある種の緩衝液およびコントロール試薬も含む試薬キットである。
【0072】
以下の実施例、引用文献、配列表、式および図は、保護範囲が特許請求の範囲により決まる本発明をさらに明らかにしている。説明される方法は、例示として理解されるべきであり、その変更後であっても本発明を説明しているものである。
【0073】
図1:測定装置の図
本発明の範囲内で、時間分解蛍光測定に用いる測定装置の略図である。この測定処理およびその使用法は以下の実施例でより詳細に説明し、明らかにする。
【0074】
【実施例】
実施例:
用いる略記
DADOO=1,8-ジアミノ-3,6-ジオキサオクタン
batho=バソフェンアンスロリンジスルホン酸
bpy=2,2’-ビピリジル-4-メチル-4’-ブチルカルボン酸
APC=アロフィコシアニン
HA=ヒトヘマグルチニン
HAペプチド=YPYDVPDYA
Osu=O-スクシンイミド
Strept.=ストレプトアビジン
Ru=ルテニウム
Eu=ユーロピウム
【0075】
実施例1:生体分子の合成および標識
a) Ru(batho) 2 bpy-Osu の合成
50 mg(3×10-5 mol)のRu(batho)2bpyをDMFに溶解し、12 mg(6×10-5 mol)のEDC(N-(3-ジメチルアミノプロピル)-N'-エチルカルボジイミド塩酸塩)および7mg(6×10-5 mol)のNHS(N-ヒドロキシスクシンイミド)を添加し、室温で一晩攪拌する。反応生成物をアセトンの添加により沈殿させる。沈殿物をろ過により分離し、真空中で乾燥させる。これをHPLCにより精製する。最終生成物をMALDI-MSにより解析し、式IIIと対応させる。式III:Ru(batho)2bpy-Osu
【化5】
Figure 0003905838
【0076】
b) ストレプトアビジン -Ru(batho) 2 bpy の合成
10 mg(1.9×10-7 mol)のストレプトアビジンを1mlのN NaHCO3溶液に溶解し、2mg(1.3×10-6 mol)のRu(batho)2bpy-Osu(0.1NのNaHCO3水溶液0.5mlに溶解されている)を滴下する。これを1時間室温で攪拌し、混合物をSephadex LH20カラム上でクロマトグラフィーにかけた(溶離液は0.1NのNaHCO3溶液)。生成物の画分、すなわち標識したストレプトアビジンを含む画分(タンパク質O.D.280 nm)を一晩H2Oに対して透析し、次いで凍結乾燥させる。
【0077】
標識の程度は280 nm(タンパク質)と460 nm(Ru2+錯体)の吸収とを比較することにより測定し、ストレプトアビジン当りの約3.6 Ru2+錯体として決定した。ストレプトアビジン分子当り平均3〜5Ru2+錯体を有するストレプトアビジン−ルテニウムコンジュゲートが感度の測定に適している。
【0078】
c) Ru(batho) 2 bpy MAB- HA への結合
1mg(0.65×10-6 mol)のRu(batho)2bpyOsu(0.1NのNaHCO3水溶液1.0mlに溶解されている)を300μl(3mg)のMBA-抗HAに滴下する。これを1時間室温で攪拌し、混合物をLH20カラム上でクロマトグラフィーにかけた(溶離液は0.1NのNaHCO3溶液)。生成物の画分、すなわち標識した抗体を含む画分(O.D.280 nm)を、0.1NのNaHCO3溶液としてプールし、凍結させる。
【0079】
この実験において、抗体毎に平均約7のルテニウム錯体が結合した。
【0080】
d) ビオチン− JA286 の調製
10.2mg(3×10-5 mol)のビオチン-DADOOおよび17.2mg(3×10-5 mol)のJA286を1mlのDMFに溶解し、15μlのトリエチルアミンを添加し、0℃に冷却した。5μlのDECP(ジエチルシアノホスホネート)を添加した後、この混合物を1時間0℃で攪拌し、次いで一晩室温で攪拌した。乾燥するまで蒸発させた後、粗生成物をHPLCにより精製する。最終生成物をMALDI-MSにより特性決定したところ、式IVに対応している。
式IV:ビオチン-JA286
【化6】
Figure 0003905838
【0081】
e) ビオチン -JA198 の合成
5mg(5.3×10-6 mol)のJA198-Osuおよび2mg(5.3×10-6 mol)のビオチン-DADOOをpH 7.5のリン酸緩衝液800μlに溶解し、室温で一晩暗所にて攪拌する。次いでこの混合物をHPLCにより精製する。生成物をESI-MSで調べたところ、式Vに対応している。
式V:ビオチン-JA198
【化7】
Figure 0003905838
【0082】
f) JA133 の合成 HA ペプチドへの結合
5mg(4.5×10-6 mol)のHAペプチド(YPYDVPDYA=配列番号:1)をpH 7.5のアセトニトリル/リン酸緩衝液(1:1)1mlに溶解し、4mg(4.5×10-6 mol)のJA133-Osuおよび500μlのアセトニトリルの溶液を攪拌しながら添加する。この混合物を一晩室温で攪拌する。
【0083】
真空中で乾燥するまで蒸発させた後、これをHPLCにより精製する。生成物をESI-MSで調べたところ、式VIに対応している。
式VI:HAペプチド-JA133
【化8】
Figure 0003905838
【0084】
実施例2:測定装置およびその説明
本発明で用いる時間分解蛍光測定のための測定装置について以下に述べ、図により説明する(図1)。
【0085】
パルス光源(1)−窒素レーザーまたはダイレーザーが、適当な波長の光パルス(13)により、測定サンプル(3)のドナーマーカーを励起させる。光パルスt= 0.7 nsの幅は、蛍光マーカーのうちの一つの減衰時間よりもはるかに短い。次いでエネルギー転移によりアクセプターマーカーを励起して蛍光を発光させる。この蛍光放射(14)は、光学システム(4、6)により、アクセプターマーカーの放出波長を通過させることができる光学フィルタ(カットオフフィルタ/帯域通過フィルタ)(5)を通って光電子増倍管(7)の光電陰極へと導かれる。個々の検出された光子は、増幅(8)および標準化(9)の後、ディジタルに計数することができる(10)電流パルス(光子計数法)を生成する。励起された光の一部(15)は、水晶板(2)により、予めセットした遅延時間(好ましくは1μs)経過後にカウンター(10)をスタートさせ、調節可能な測定窓の開口時間(好ましくは100μs)の後に再び計数工程を停止させるゲートスイッチ(12)を制御する光ダイオード(11)へと偏向される。遅延時間は、散光効果およびバックグラウンド蛍光がほとんど完全にこの時間内に減衰するように選択する。この方法において、計数された電流パルスの数は、バックグラウンドから分離して測定されるマーカー蛍光の強度に比例する。このような測定手順を、二つの新規なTR-FRETペアについて、実施例3および4で詳細に説明する。実施例5で説明する別の新規なFRETペアを同様の方法で測定するか、または実施例5のユーロピウム-APCシステムを従来技術で既知の装置および方法を用いて定量化する。
【0086】
実施例3:ドナーとしての Ru 2+ 錯体および蛍光アクセプターとしての JA-286 を含む FRET システムの感度を測定する手順
Ru2+錯体で標識した100 nMストレプトアビジンおよび300 nMビオチン-DADOO-JA-286を含む400μlの溶液(10 mM Naリン酸塩、150 mM NaCl、pH 7.2)をピペットを用いて測定キュベットに入れた。
【0087】
測定は、実施例2で説明し、図1に概略的に示した装置を用いて行う。ドナーは460 nmのダイレーザーにより励起する。光パルスの持続期間は1nsである。システムの蛍光は、光子計数技術を用いた先述の実験手順に従って光学カットオフフィルタKV550+RG645および光電子増倍管の組み合わせにより検出する。
【0088】
遅延時間を1μsに設定し、測定窓を100μsとする。バックグラウンドを同じ条件下で緩衝液の別個の測定により測定した。感度(検出の下限)は、次の関係により決定される限界濃度により得られる。
【数1】
Figure 0003905838
(式中、C0は限界濃度[M]であり、Bはバックグラウンド[カウント]であり、Sはシグナル[カウント]であり、Csはサンプル濃度[M]である)。
【0089】
このシステムの検出の下限は、7.4×10-14 Mストレプトアビジンである。
【0090】
実施例4:抗原抗体反応において、ドナーとしての Ru 2+ 錯体およびアクセプターとしての JA-133 を含む FRET システムの感度を測定する手順
この実施例において、FRETパートナーは、実施例1a)より得られるドナーとしてのRu2+錯体およびアクセプターとしてのJA-133である。1c)のところで説明したように、HAに対するモノクローナル抗体をドナーで標識する。抗原(HAペプチド)を1f)にしたがいアクセプターで標識する。ドナー−アクセプターペアを、FRETが可能であり、測定することができるように、抗原抗体反応により互いに十分に近くに持っていく。
【0091】
室温で10分間インキベーションした後、Ru2+錯体で標識した100 nMの抗HAおよび100 nM HA-JA-133を含む400μlの溶液(10 mM Naリン酸塩、150 mM NaCl、pH 7.2)を、ピペットを用いて測定キュベットに入れた。
【0092】
測定は、実施例2で説明した装置を用いて行う。ドナーは460 nmのダイレーザーにより460 nmで励起する。光パルスの持続期間は1nsである。システムの蛍光は、光子計数技術を用いた実験手順に従って光学カットオフフィルタKV550+RG645および光電子増倍管の組み合わせにより検出される。
【0093】
遅延時間を1μsに設定し、測定窓は100μsとする。バックグラウンドを同じ条件下で緩衝液の別個の測定により決定した。実施例1で記載したように、感度は限界濃度C0[mol/リットル]により得られる。
【0094】
このシステムの感度は、7.2×10-14 M HAである。
【0095】
実施例5:いくつかの新規な FRET ペアの組み合わせおよび従来技術における FRET ペアとの比較
a) TR-FRET ペア1:ストレプトアビジン -Bu(batho) 2 bpy /ビオチン -APC
実施例1b)で得られた標識したストレプトアビジンを100 nMの濃度で用い、APCビオチン(市販の製品:Europe Bioproducts Ltd., Cambridge, GBのAPC-XLビオチン)を300 nMの濃度で用いた。励起波長(λEX)は460 nmであり、放出または測定波長は(λEM)は634 nmであった。検出の下限の4.1×10-13mol/リットル(= M)が、このダイおよび試薬ペアで決定された。
【0096】
b) R-FRETペア2:ストレプトアビジン−Ru(batho)2bpy/ビオチン-JA198
【化9】
Figure 0003905838
【0097】
c) TR-FRETペア3:ストレプトアビジン−Ru(batho)2bpy/ビオチン-JA286
【化10】
Figure 0003905838
【0098】
c) TR-FRETペア4:MAB-抗HA-Ru(batho)2bpy/HA-JA133
【化11】
Figure 0003905838
【0099】
e+f) 市販されている粗物質を用いた別のFRETペア
Wallac, Oyより市販されているユーロピウムで標識したストレプトアビジン誘導体(Strept-Eu0062:AD0062ストレプトアビジン-W1024;AD0060ストレプトアビジン-W8044)を表1のFRETペア5、6に用いた。実施例5aに記載した市販されているビオチン-APCをアクセプターとして用いた。
【0100】
【表1】
表1:実験したいくつかの FRET ペアの検出の下限
Figure 0003905838
【0101】
感度は以下のように測定した:
1μsの遅延および100μsの測定窓、以下の式:
【数2】
Figure 0003905838
式中、C0は限界濃度[M]であり、Csは用いた濃度[M]であり、Bは(緩衝液の)バックグラウンド[カウント]であり、Sはシグナル[カウント]である。
【0102】
(#):測定窓:従来技術のところでEu-APC錯体について説明したように、400μsである。
【0103】
表1は、新規なFRETペアが、従来技術における既知のシステムと少なくとも同等か、またはそれよりも優れていることを明示している。本発明のFRETペアNo. 3は、7.4×10-14のLLDを有しており、これは従来技術の例であるNo. 5またはNo. 6よりも顕著に低い。
【0104】
参照文献のリスト
EP 178 450
EP 567 622
EP 747 447
EP 076 695
EP 772 616
EP 439 036
EP 1 054 039
米国特許第5,998,146号
WO 00/47693
Blomberg, et al., Clinical Chemistry 45 (1999) 855 ff
French, et al., fSPIE BiOS in Proc. SPIE v 3259 (1998) 209-218
French, et al., SPIE BiOS in Proc. SPIE v 3603 (1999) 272-280
Hemmila, et al., Chemical Analysis 117
John Wiley & Sons, Inc. (1991) 135-139
Joun, et al., Analytical Biochemistry 232 (1995) 24-30
Mujumdar, et al., Bioconjugate Chem. 7, 1996, 356-362
Van der Meer, et al., Resonance Energy Transfer VCH (1994)
【0105】
【配列表】
Figure 0003905838

【図面の簡単な説明】
【図1】 時間分解蛍光測定に用いる測定装置の略図である。
【符号の説明】
1・・・光源
2・・・水晶板
3・・・サンプル
4・・・集光レンズ
5・・・光学フィルタ
6・・・焦点レンズ
7・・・光電子増倍管
8・・・増幅器
9・・・識別器
10・・・カウンター
11・・・光ダイオード
12・・・ゲートスイッチ
13・・・励起光パルス
14・・・蛍光
15・・・ゲートスイッチを作動させる光パルス(トリガー)

Claims (9)

  1. VIIおよびVIII族の遷移元素の金属イオンを含む金属キレート錯体をエネルギードナーとして、300 Da〜3000 Daの分子量を有する低分子量蛍光分子をエネルギーアクセプターとして組み合わせて使用することを特徴とする、蛍光共鳴エネルギー転移の原理および生成する蛍光の測定に基づく、ドナーまたはアクセプターによりそれぞれ標識された生体分子間の相互作用の測定方法。
  2. 低分子量蛍光分子が、600 nm〜750 nmの吸収極大を有することを特徴とする、請求項1に記載の方法。
  3. 蛍光分子が、キサンテン類、シアニン類、ローダミン類およびオキサジン類からなる群より選択されることを特徴とする、請求項1または2に記載の方法。
  4. 以下の一般式I:
    Figure 0003905838
    [式中、R1およびR13は同じであるかまたは異なっており、水素、1〜20の炭素原子を有するアルキル、ポリオキシヒドロカルビル単位、フェニル、アルキル鎖中に1〜3個の炭素原子を有するフェニルアルキル(この場合、アルキルまたは/およびフェニル残基は1個以上のヒドロキシ、ハロゲン、スルホ、カルボキシまたはアルコキシが1〜4個の炭素原子を有することができるアルコキシカルボニル基により置換されていてもよい)を表し;R7は、少なくとも1個のハロゲンにより置換されており1〜20個、好ましくは1〜7個の炭素原子を有するアルキル基、または五環系に結合した炭素原子に対してo-位でカルボキシもしくはアルコキシカルボニル基(この場合、アルコキシは1〜4個の炭素原子を有することができる)により置換されかつ少なくとも1個のハロゲンにより置換されたフェニル基、またはカルボキシアルキル基、またはカルボキシメチレンオキシ−アルキルオキシ基を表し;点線で表した二つの結合は、点線の結合により結合された二つの炭素原子が、互いに単結合または二重結合により結合できることを意味し;R14、R15および特定の記号を付していない五環の基本構造の他の位置は、1〜20個の炭素原子を有するアルキル基により置換されていてもよく;Xは対イオンであり、少なくとも1個の残基R1、R7または/およびR13は生体分子に結合している]
    で表されるローダミンを蛍光分子として用いることを特徴とする、請求項1〜3のいずれか1項に記載の方法。
  5. 以下の一般式II:
    Figure 0003905838
    [式中、R1、R4、R5、R6、R7、R10は、水素、アルキル、ヒドロキシ、ハロゲン、カルボキシル、スルホニルまたはアミノを表し、
    R2、R3は水素、アルキル、アルコキシ、ポリオキシヒドロキシカルボニル単位、フェニル、フェニルアルキルを表し、これらはヒドロキシ、スルホニル、カルボキシ、アミノ、アルコキシカルボニルにより置換されていてもよく、R2およびR1またはR3およびR4は、飽和または不飽和C4またはC5架橋を形成することが可能であり、
    R8、R9は水素、アルキル、アルコキシ、ポリオキシヒドロキシカルボニル単位、フェニル、フェニルアルキルを表し、これらはヒドロキシ、スルホニル、カルボキシ、アミノ、アルコキシカルボニルにより置換されていてもよく、R2およびR1またはR3およびR4は、飽和または不飽和C4またはC5架橋を形成することが可能であり、
    残基R2、R3、R8またはR9のうちの少なくとも一つが生体分子と結合する非架橋形成残基を表し、R2、R3、R8およびR9のうちの少なくとも一つは、場合によりアルキルにより置換されていてもよい架橋形成残基を表す]
    で表されるオキサジンを蛍光分子として用いることを特徴とする、請求項1〜3のいずれか1項に記載の方法。
  6. サンプル中の少なくとも二つの生体分子間の相互作用を検出する方法における、300 Da〜3000 Daの分子量を有する低分子量蛍光分子と組み合わせたVIIおよびVIII族の遷移元素の金属イオンを含む金属キレート錯体の、蛍光共鳴エネルギードナーとしての使用。
  7. VIIおよびVIII族の遷移元素の金属イオンを含む金属キレート錯体により標識した少なくとも一つの生体分子、および300 Da〜3000 Daの分子量を有する低分子量蛍光分子で標識した少なくとも一つの別の生体分子を含むことを特徴とする、サンプル中の検体を検出するための試薬キット。
  8. 生体親和性結合ペアの一方のパートナーをVIIおよびVIII族の遷移元素の金属イオンを含む金属キレート錯体で標識し、この生体親和性結合ペアのもう一方のパートナーを300 Da〜3000 Daの分子量を有する低分子量蛍光分子で標識することを特徴とする、生体親和性結合ペアのパートナー間の相互作用を測定するための試薬の組み合わせ。
  9. VIIおよびVIII族の遷移元素の金属イオンを含む金属キレート錯体をエネルギードナーとして、300 Da〜3000 Daの分子量を有する低分子量蛍光分子をエネルギーアクセプターとして組み合わせて使用することを特徴とする、蛍光共鳴エネルギー転移の原理および生成する蛍光の測定に基づく、ドナーまたはアクセプターにより標識された生体分子間の相互作用を測定するための改善された方法。
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