ここでは、下記の順序に従って本発明の実施の形態について説明する。
(1)荷役支援システムの構成:
(1-1)管理者端末の構成:
(1-2)荷役支援端末の構成:
(1-3)荷役支援システムの構成:
(2)案内処理:
(3)荷役支援処理:
(4)他の実施形態:
(1)荷役支援システムの構成:
図1は、本発明にかかる荷役支援システム10の構成を示すブロック図である。本実施形態においては、複数の車両(トラック等の配達車両)を管理する管理会社に属する管理者が、各車両の荷役計画を作成し、車両に対して荷役計画を提示する。本実施形態において、各車両は、荷役計画を示す荷役計画情報に含まれる走行予定経路に従って走行する。利用者(配達者)は、出発地において複数の荷物を車両に荷積みする。また、利用者は車両を運転し、荷役計画情報において決められた到達順序で各荷役地点に行き、荷役地点において荷主(着荷主)に荷物を配達する。なお、走行予定経路は、予め決められた巡回経路であってもよいし、荷物に応じて決められる経路であってもよい。本実施形態において、車両の運転者である利用者は複数人存在し、車両も複数台存在し得るが、以下においては、主に、一人の利用者および一台の車両に着目して説明を行う。
(1-1)管理者端末の構成:
管理者端末200は、複数の車両の運行管理を行う管理者が使用する端末である。管理者端末200は、CPU,RAM,ROM等を備える図示しない制御部と、他の装置と通信を行うための図示しない通信部を備えている。また、管理者端末200は、管理者に対して各種の情報を提供し、管理者の入力を受け付けるための図示しないユーザI/F部を備えている。
管理者端末200は、ROM等に記録された図示しないプログラムを実行可能である。当該プログラムには、各車両における荷役の計画を示す荷役計画情報を生成するためのプログラムが含まれる。管理者は、管理者端末200において当該プログラムを実行し、ユーザI/F部を利用して、荷役計画情報を生成する。
図2Aは、本実施形態における荷役計画情報の例を示す図である。本実施形態においては出発地点Sと最終目的地Gが同一であり、これらの地点は車両に荷物を積み込む拠点である。図2Aに示す例において、車両で配達を行う利用者は、出発地点Sから荷役地点G1,G2,G3,G4、さらに最終目的地Gという順で車両を移動させる。すなわち、荷役地点の到達順序は、早い順にG1,G2,G3,G4である。
荷役地点のそれぞれには、荷役地点の識別情報(本実施形態においては、地点名)が対応づけられている。また、荷役地点のそれぞれには、荷卸すべき荷物の識別情報(D1等)が対応づけられている。さらに、荷役地点のそれぞれには、各荷役地点に到着する予定の時刻である到着時刻と、各荷役地点から出発する予定の時刻である出発時刻が対応づけられている。なお、図2Aに示す例においては、到着時刻および出発時刻が日時によって示されているが、定期的に一定の走行予定経路を走行することで配達が行われる場合、日付は省略されてもよい。
また、荷役計画情報には、駐車地点情報が含まれている。駐車地点情報は、荷役のために車両を駐車させる位置を示す情報であり、各荷役地点について定義され、各荷役地点に対応づけられる。本実施形態においては、一カ所の荷役地点に一カ所以上の駐車地点が対応づけられる。また、複数の駐車地点が荷役地点に対応づけられる場合、荷役地点に対応づけられた複数の駐車地点の中から最優先の駐車地点が決められる。図2Aにおいては、駐車地点情報が各荷役地点についてPmnとして示されている(mは荷役地点を示す自然数、nは自然数)。
なお、最優先の駐車地点は荷役地点に向けた走行予定経路の目的地となる地点であり、図2Aに示す例においてはPm1として示されている。最優先の駐車地点は、管理者によって決められてもよいし、既定の条件(例えば、荷役地点に最も近い等)によって決められてもよい。また、最優先の駐車地点以外の駐車地点について、優先順位が決められていてもよい。
さらに、荷役計画情報には、走行予定経路が含まれている。走行予定経路は、管理者端末200において、図示しない地図情報に基づいて各荷役地点に対応づけられた最優先の駐車地点を目的地とした経路が探索されることによって得られた経路である。図2Aにおいては、走行予定経路がノードの順列である例が示されている(ノードはNx(xはノードを示す数値)と表記。各荷役地点に対応した走行予定経路の最終地点(目的地)は荷役地点mに対応した駐車地点Pm1である)。むろん、走行予定経路の定義は種々の定義であってよく、リンクの順列等であってもよい。なお、到着時刻は、走行予定経路に基づいて決定されてよい。
さらに、荷役計画情報には、駐車ガイド情報が含まれている。駐車ガイド情報は、駐車地点に車両を駐車させる際に注意すべき情報であり、各荷役地点に対応づけられている。本実施形態において車両を運転する利用者が荷役地点における荷役を行うためには、車両を荷役地点に接近させて駐車させる必要がある。管理者は、管理者端末200を操作し、当該接近および駐車の一連の作業において注意すべき情報が駐車ガイド情報として定義する。
図2Aに示す駐車ガイド情報においては、注意すべき地点の座標がXn,Yn(nは自然数)で表記され、案内情報がSnで表記されている。なお、注意すべき特定の地点が存在せず、駐車ガイド情報の過程において注意すべき事項については案内情報が定義されるが、地点は対応づけられない。例えば、図2Aに示す例において、案内情報S2には地点が対応づけられていない。なお、荷役地点に対応づけられるガイド情報は、駐車ガイドに限定されず、荷役作業のガイド等が対応づけられ、案内に利用されても良い。
本実施形態においては、管理者が管理者端末200において荷役地点と、各荷役地点の到達順序と、各荷役地点における荷役対象の荷物とを指定する。指定が行われると、管理者端末200は図示しない地図情報に基づいて、走行予定経路を探索し、到達時刻を取得することで荷役計画情報を生成する。本実施形態において荷役計画情報は、管理者端末200によって各車両について生成され、荷役支援システム10に対して送信される。このような荷役計画情報の生成は一例であり、例えば、図2Aの少なくとも一部の情報が管理者端末200で生成され、残りの情報が荷役支援システム10で生成されてもよい。
(1-2)荷役支援端末の構成:
荷役支援端末300は、利用者のそれぞれが使用する端末であり、本実施形態においては車両に搭載されている。なお、荷役支援端末300の態様は限定されず、利用者が携帯する端末であってもよい。荷役支援端末300は、CPU,RAM,ROM等を備える制御部310を備えている。また、荷役支援端末300は、ユーザI/F部320と、GNSS受信部330と、車速センサ331と、ジャイロセンサ332と、通信部340と、記録媒体350とを備えている。
ユーザI/F部320は、管理者に対して各種の情報を提供する表示部(案内部)としてのディスプレイ、スピーカ等の出力部と、管理者の入力を受け付けるタッチパネル、ボタン等の入力部とを備えている。通信部340は、荷役支援端末300と情報の授受を行う回路を備えている。制御部310は、通信部340を介して荷役支援システム10と通信を行うことができる。
GNSS受信部330は、Global Navigation Satellite Systemの信号を受信する装置であり、航法衛星からの電波を受信し、図示しないインタフェースを介して車両の現在地点を算出するための信号を出力する。制御部310は、この信号を取得して車両の現在地点を取得する。車速センサ331は、車両が備える車輪の回転速度に対応した信号を出力する。制御部310は、図示しないインタフェースを介してこの信号を取得し、車速を取得する。ジャイロセンサ332は、車両の水平面内の旋回についての角加速度を検出し、車両の向きに対応した信号を出力する。制御部310は、この信号を取得して車両の進行方向を取得する。車速センサ331およびジャイロセンサ332等は、車両の走行軌跡を特定するために利用され、本実施形態においては、車両の出発位置と走行軌跡とに基づいて現在地点が特定され、当該出発位置と走行軌跡とに基づいて特定された車両の現在地点がGNSS受信部330の出力信号に基づいて補正される。なお、車両の現在地点を取得するためのセンサは図1に示す例に限定されず、例えば、GNSS受信部330を備えるが車速センサ331やジャイロセンサ332を備えない構成等であってもよいし、他のセンサ等で現在地点が特定されてもよい。
記録媒体350には荷役計画情報350aと地図情報350bとが記録される。荷役計画情報350aは、管理者端末200が生成した荷役計画情報の一部である。すなわち、管理者端末200で生成された荷役計画情報は、荷役支援システム10に送信されて保存される。荷役支援システム10は、保存された荷役計画情報から車両毎の情報を抽出し、各車両に送信する。記録媒体350に保存された荷役計画情報350aは、当該記録媒体350を備える荷役支援端末300が搭載された車両についての荷役計画である。なお、荷役計画情報350aは、荷役計画を案内するために利用される。従って、案内に利用されない情報は、荷役計画情報350aに含まれなくてもよい。例えば、到達時刻が案内に利用されないのであれば、荷役計画情報350aに含まれていなくてもよい。
荷役計画情報350aは、車両の出発前に作業日の荷役計画情報350aが一括して荷役支援システム10から取得されてもよいし、必要になった段階で必要な情報が荷役支援システム10から順次送信されてもよい。ここでは、情報が必要になった段階で荷役支援端末300から送信要求が行われ、必要な情報が都度荷役支援システム10から送信される構成を説明する。
地図情報350bは、経路の探索や車両の位置の特定に利用される情報であり、車両が走行する道路上に設定されたノードの位置を示すノードデータ,ノード間の道路の形状を特定するための形状補間点の位置を示す形状補間点データ,ノード同士の連結を示すリンクデータ,道路やその周辺に存在する地物の位置や属性等を示す地物データ等を含んでいる。これらの地物には荷役地点となり得る施設が含まれる。本実施形態において、地図情報350bには、各施設データが示す施設やリンクデータが示す道路区間、ノードデータが示す道路を描画するための情報も含まれている。駐車地点は施設データが示す施設内の地点(駐車場等)であってもよいし、道路上の地点(路上駐車可能な地点等)であってもよい。なお、本実施形態において、施設データには、施設の形状を示すポリゴン情報が含まれている。
制御部310は、記録媒体350やROMに記憶されたプログラムを実行することができる。本実施形態においては、このプログラムとして案内プログラム311を実行可能である。案内プログラム311は、経路案内部311aを備えている。経路案内部311aは、予め到達順序に従って複数の荷役地点に向けて移動する車両が次の到達順序の荷役地点に向かう場合に、次の到達順序の荷役地点に対応づけられた駐車地点を目的地とした経路案内を行う機能を制御部310に実行させるプログラムモジュールである。
本実施形態において制御部310は、地図上に走行予定経路を表示させることによって荷役計画を案内する。そこで、制御部310は、経路案内部311aの機能により、GNSS受信部330、車速センサ331、ジャイロセンサ332の出力信号に基づいて現在地点を取得する。また、制御部310は、次の荷役地点への出発前(例えば、ある荷役地点に到着した場合や、荷役完了後にエンジンがオンになった場合等)に、通信部340を介して次の荷役地点に関する荷役計画情報350aの送信要求を車両の識別情報および現在地点とともに荷役支援システム10に対して送信する。
荷役支援システム10は、当該送信要求に応じ、送信要求を行った車両の現在地に基づいて次の荷役地点を特定し、次の荷役地点に関する荷役計画情報を送信する。ここでは、荷役計画情報のうち、少なくとも駐車地点情報および走行予定経路を示す情報が送信される。制御部310は、通信部340を介して当該荷役計画情報を受信し、荷役計画情報350aとして記録媒体350に記録する。
そして、制御部310は、経路案内部311aの機能により、地図情報350bに基づいて、現在地点を含む地図をユーザI/F部320の出力部に表示させる。さらに、制御部310は、経路案内部311aの機能により、荷役計画情報350aを参照し、表示されている地図に含まれる走行予定経路を強調表示する。すなわち、制御部310は、荷役計画情報350aを参照し、当該荷役計画情報350aに含まれる走行予定経路としての道路区間を特定する。そして、制御部310は、現在表示中の地図に当該走行予定経路としての道路区間が含まれる場合に、当該道路区間を強調表示対象とする。強調表示対象が特定されると、制御部310は、ユーザI/F部320を制御して、強調表示対象の道路区間を強調表示(例えば、走行予定経路としての道路区間を他の道路区間と異なる色で表示する等)させる。
図2Bは、経路案内の例である。図2Bにおいては車両の現在地点を符号Cで示している。図2Bにおいては細い線で道路を示し、太い線で走行予定経路を示している。図2Bに示すG1は、荷役地点G1に向かう際の目的地である。本実施形態において走行予定経路は、各荷役地点に対応づけられた最優先の駐車地点(図2Aに示されるP11)が目的地となった走行予定経路であるため、図2Bに示されたG1の表示位置は駐車地点の位置に相当する。
以上の走行予定経路が表示される経路案内により、利用者は、最優先の駐車地点に対して容易に車両を移動させることができる。さらに、荷役計画情報350aに含まれる走行予定経路は、出発地点Sから荷役地点G1,G2,G3,G4に対応づけられた駐車地点を経由し、さらに最終目的地Gという順で車両を移動させる走行予定経路である。従って、利用者は、当該走行予定経路に従って車両を移動させることにより、決められた順序通りに荷役地点に行って荷役を行うことができる。むろん、経路案内部311aの機能によって案内される情報は、走行予定経路に限定されない。例えば、荷役計画情報として到達時刻や荷卸すべき荷物等が送信され、案内されてもよい。
さらに、本実施形態において制御部310は、経路案内部311aの機能により、荷役地点と駐車地点とを示す案内(駐車ガイド)を出力することが可能である。具体的には、車両が、駐車地点から既定距離以内の範囲に到達した場合、制御部310は、荷役地点と駐車地点とを示す案内をユーザI/F部320の表示部に出力させる。
すなわち、制御部310は、経路案内部311aの機能により、GNSS受信部330、車速センサ331、ジャイロセンサ332の出力信号に基づいて現在地点を取得する。制御部310は、経路案内部311aの機能により、荷役計画情報350aを参照し、次の荷役地点に対応づけられた駐車地点の位置を取得する。さらに、制御部310は、経路案内部311aの機能により、地図情報350bを参照し、各駐車地点と車両との距離(例えば、直線距離等)を特定する。当該距離が予め決められた既定距離以下である場合、制御部310は、通信部340を介して、駐車ガイドの送信要求を車両の識別情報および現在地点とともに荷役支援システム10に対して送信する。
荷役支援システム10は、当該送信要求に応じ、送信要求を行った車両の現在地に基づいて次の荷役地点を特定し、次の荷役地点に対応づけられた駐車ガイド情報を送信する。制御部310は、通信部340を介して当該駐車ガイド情報を受信し、荷役計画情報350aとして記録媒体350に記録する。
駐車ガイドが記録媒体350に記録されると、制御部310は、駐車ガイドをユーザI/F部320の出力部に表示させる。なお、荷役支援システム10から駐車ガイドを送信する際のトリガは、荷役支援システム10で生成してもよい。例えば、荷役支援端末300から定期的に車両の現在地点を荷役支援システム10に送信すれば、荷役支援システム10は、駐車地点と車両との距離が既定距離以下であるか否か判定することができる。
駐車ガイドの表示態様は、種々の態様とすることができる。本実施形態において制御部310は、経路案内部311aの機能により、地図情報350bを参照して、次の荷役地点と、次の荷役地点に対応づけられた駐車地点の全てと、が含まれる地図をユーザI/F部320の出力部に表示させる。さらに、制御部310は、経路案内部311aの機能により、荷役計画情報350aを参照し、次の荷役地点に対応づけられた駐車ガイドを表示させる。すなわち、制御部20は、地図情報350bを参照して荷役地点と駐車地点とを含む描画領域の道路の位置および形状を特定し、ユーザI/F部320の表示部に表示させる。また、制御部20は、施設データに基づいて、描画領域に含まれる施設のポリゴン情報を取得し、ユーザI/F部320の表示部にポリゴンを表示させる。制御部20は、このようにして表示された地図に、駐車ガイドを表示する。
なお、駐車ガイドには、注意すべき地点の座標Xn,Ynが対応づけられた情報と対応づけられていない情報が含まれる。制御部20は、注意すべき地点の座標Xn,Ynが対応づけられた情報は、当該座標と情報とを対応づけて表示させる。制御部310は、注意すべき地点の座標Xn,Ynが対応づけられていない情報は、既定の位置に列記して表示させる。
図3Aは、図2Aに示す荷役地点G1についての駐車ガイドの表示例を示す図である。図3Aにおいては、施設のポリゴンがグレーの矩形で例示されている。また、最優先の駐車地点P11までの経路が太線の矢印によって示されている。荷役地点G1の上部には道路が存在し、道路上および道路周辺の駐車地点P11,P12が表示されている。すなわち、この例においては、画面の右上に示されたように店舗(荷役地点G1)の前における駐車が禁止されている。
そこで、駐車ガイドには、駐車地点の座標が含まれており、制御部310は、駐車地点の座標上にアイコンによって駐車地点P11,P12を表示する。さらに、これらの駐車地点P11,P12の付近には座標が対応づけられた注意すべき情報が存在する。そこで、当該座標に対応づけた吹き出し内に騒音注意等の情報が表示されている。なお、図4Aに示す駐車ガイドにおいては、車両の現在地点Cが駐車ガイドとして表示された地図内に含まれているが、当該地図内に車両の現在地点Cが含まれない場合、図3Aに示す駐車ガイドが、図2Bに示す経路案内とともに、例えば、画面分割等によって表示されてもよい。
(1-3)荷役支援システムの構成:
本実施形態においては、複数の車両で利用される荷役支援端末300のそれぞれから出力される送信要求に応じて、荷役支援システム10から荷役計画情報を送信することにより、荷役支援端末300のユーザI/F部320において経路案内や駐車ガイドを出力させる。
このために、本実施形態においては、荷役計画を管理する荷役支援端末300が構成される。荷役支援端末300は、CPU,RAM,ROM等を備える制御部20を備えている。また、荷役支援端末300は、記録媒体30と通信部40とを備えている。通信部40は、管理者端末200、荷役支援端末300と情報の授受を行う回路を備えている。制御部20は、通信部40を介して荷役支援端末300と通信を行うことができる。
以上の構成において、制御部20が荷役支援プログラム21を実行することにより、荷役支援端末300のそれぞれに対して、当該荷役支援端末300が使用される車両の荷役計画情報を配信することが可能である。このような処理を行うため、荷役支援プログラム21は、荷役計画取得部21a、経路案内制御部21b、地点案内制御部21cを備えている。
荷役計画取得部21aは、複数の荷役地点と、荷役地点への到達順序と、荷役のために車両を駐車させる駐車地点であって荷役地点に対応づけられた駐車地点と、を取得する機能を制御部20に実行させるプログラムモジュールである。すなわち、制御部20は、荷役計画取得部21aの機能により、通信部40を介して管理者端末200から荷役計画情報を取得する。当該荷役計画情報は、複数の車両毎の荷役計画であり、車両の識別情報が対応づけられ、荷役計画情報30aとして記録媒体30に記録される。
経路案内制御部21bは、車両が次の到達順序の荷役地点に向かう場合に、当該荷役地点に対応づけられた駐車地点を目的地とした経路案内を案内部において行わせる機能を制御部20に実行させるプログラムモジュールである。すなわち、車両が次の荷役地点へ向かう前には、車両から荷役計画情報の送信要求が車両の識別情報および現在地点とともに荷役支援システム10に送信される。
制御部20は、通信部40を介して当該送信要求を受け付け、送信要求に含まれる識別情報に基づいて送信元の車両の荷役計画情報30aを抽出する。また、制御部20は、送信要求に含まれる車両の現在地点に基づいて、車両の次の荷役地点を特定し、次の荷役地点に関する荷役計画情報30aから経路案内に関する情報を取得する。例えば、図2Aに示す例において、次の荷役地点がG1である場合、制御部20は、駐車地点情報としてG1に対応づけられた駐車地点P11,P12、走行予定経路としてN0~P11の経路等を取得する。
そして、制御部20は、取得した荷役計画情報30aを、通信部40を介して、送信要求元の荷役支援端末300に送信する。この結果、荷役支援端末300は、荷役計画情報30aを、荷役計画情報350aとして保存し、当該情報に基づいて経路案内を行う。すなわち、図2Bに示されたように、荷役支援端末300のユーザI/F部320の表示部において、次の荷役地点に対応づけられた最優先の駐車地点までの経路が案内される。なお、荷役支援システム10から送信される荷役計画情報30aには、駐車地点や走行予定経路以外の情報、例えば、地点名、荷卸対象の荷物、到着時刻、出発時刻等が含まれ、案内されてもよい。
地点案内制御部21cは、車両が、駐車地点から既定距離以内の範囲に到達した場合、荷役地点と駐車地点とを示す案内を案内部に行わせる機能を制御部20に実行させるプログラムモジュールである。すなわち、車両が、駐車地点から既定距離以内の範囲に到達した場合、車両から駐車ガイドの送信要求が車両の識別情報および現在地点とともに荷役支援システム10に送信される。
制御部20は、通信部40を介して当該送信要求を受け付け、送信要求に含まれる識別情報に基づいて送信元の車両の荷役計画情報30aを抽出する。また、制御部20は、送信要求に含まれる車両の現在地点に基づいて、車両の次の荷役地点を特定し、次の荷役地点に関する荷役計画情報30aから駐車ガイド情報を取得する。例えば、図2Aに示す例において、次の荷役地点がG1である場合、制御部20は、駐車ガイド情報としてS1,S2等を取得する。
そして、制御部20は、取得した駐車ガイド情報としての荷役計画情報30aを、通信部40を介して、送信要求元の荷役支援端末300に送信する。この結果、荷役支援端末300は、荷役計画情報30aを、荷役計画情報350aとして保存し、当該情報に基づいて駐車ガイドの表示を行う。すなわち、図3Aに示されたように、荷役支援端末300のユーザI/F部320の表示部において、駐車地点および荷役地点を含む地図を表示させる。
以上の構成によれば、各荷役地点で荷役を行うために各荷役地点に向かう際、車両を運転する利用者に対して荷役地点での荷役を行うための駐車地点への経路が案内される。この結果、利用者は、荷役地点での荷役を行うための駐車地点に対して車両を容易に移動させることができる。
さらに、上述の構成によれば、車両が駐車地点から既定距離以内の範囲に到達した場合に、荷役地点と駐車地点とを含む地図が表示されるため、利用者は目的地である駐車地点と荷物の配達先である荷役地点との関係を容易に把握することができる。さらに、上述の構成によれば、車両が駐車地点から既定距離以内の範囲に到達した場合に駐車ガイドが表示されるため、利用者は、駐車地点において注意すべき事項に注意することができる。このため、駐車地点に車両を駐車させる際に生じ得るトラブルを未然に防止することができる。
さらに、上述の構成によれば、駐車ガイドにおいて駐車地点の全てが含まれる地図が表示されるため、例えば、利用者の好みや通行止め等の事情によって最優先の駐車地点Pm1に対して駐車させない場合であっても、荷役可能な地点に駐車させることが可能である。
(2)案内処理:
次に、制御部310が経路案内部311aの機能によって実行する案内処理を説明する。図4Aは、案内処理を示すフローチャートである。出発地である拠点で車両に荷物が積み込まれるなど、出発の準備が完了すると、利用者は荷役支援端末300において、制御部310に案内処理の実行を開始させる。案内処理が開始されると、制御部310は、次の荷役地点に対応づけられた走行予定経路の送信要求を出力する(ステップS100)。すなわち、制御部310は、GNSS受信部330、車速センサ331、ジャイロセンサ332の出力信号に基づいて車両の現在地点を取得する。また、制御部310は、通信部340を介して、当該現在地点と識別情報を含む送信要求を荷役支援システム10に出力する。
次に、制御部310は、走行予定経路に基づいて経路案内を行う(ステップS105)。すなわち、ステップS100の送信要求が行われると、荷役支援システム10から次の荷役地点に対応づけられた駐車地点を目的地とした走行予定経路を示す情報が駐車地点情報とともに送信される。そこで、制御部310は、ユーザI/F部320の表示部を制御し、車両の現在地点を含む地図を表示させ、走行予定経路を強調表示させる。
次に、制御部310は、駐車地点まで既定距離以内であるか否かを判定する(ステップS110)。すなわち、制御部310は、GNSS受信部330、車速センサ331、ジャイロセンサ332の出力信号に基づいて車両の現在地点を取得する。また、制御部310は、地図情報350bに基づいて、ステップS100の処理の結果送信された駐車地点のそれぞれと、車両の現在地点との距離を取得する。そして、当該距離が既定距離以内である駐車地点が一つでも存在する場合、制御部310は、駐車地点まで既定距離以内であると判定する。
ステップS110において、駐車地点まで既定距離以内であると判定された場合、制御部310は、次の荷役地点に対応づけられた駐車ガイドの送信要求を出力する(ステップS115)。すなわち、制御部310は、GNSS受信部330、車速センサ331、ジャイロセンサ332の出力信号に基づいて車両の現在地点を取得する。また、制御部310は、通信部340を介して次の荷役地点に対応づけられた駐車ガイドの送信要求を車両の識別情報および現在地点とともに荷役支援システム10に対して送信する。
次に、制御部310は、駐車ガイドを表示する(ステップS120)。すなわち、ステップS115の送信要求が行われると、荷役支援システム10から次の荷役地点に対応づけられた駐車ガイド情報が送信される。そこで、制御部310は、ユーザI/F部320の表示部を制御し、車両の現在地点および次の荷役地点に対応づけられた全ての駐車地点を含む地図を表示させ、走行予定経路を強調表示させる。
さらに、制御部310は、ユーザI/F部320の表示部を制御し、駐車ガイド情報に基づいて、駐車する際に注意すべき情報を表示させる。以上のように本実施形態においては、荷役地点に対応づけられた複数の駐車地点の中で車両が既定距離以内に接近した駐車地点が存在する場合には、駐車ガイドが表示される。そして、駐車ガイドとして表示される地図には、次の荷役地点に対応づけられた全ての駐車地点含まれる。従って、利用者は、駐車ガイドとして表示される地図内に、車両が接近した駐車地点を視認することができる。このため、仮に、利用者が、経路案内対象となっている最優先の駐車地点に向かっておらず他の駐車地点に向かっていることによって、当該他の駐車地点に近づいた場合であっても、当該他の駐車地点を地図上で確認することができる。
駐車ガイドが表示されると、制御部310は、車両が駐車地点に到着したか否かを判定する(ステップS125)。すなわち、制御部310は、GNSS受信部330、車速センサ331、ジャイロセンサ332の出力信号に基づいて車両の現在地点を取得する。そして、制御部310は、地図情報350bに基づいて、次の荷役地点に対応づけられた駐車地点の少なくとも1個と車両との距離が閾値以下になった場合に、駐車地点に到着したと判定する。なお、次の荷役地点が存在せず、次が最終目的地である場合、ステップS110~S120は省略され、ステップS125においては最終目的地に到着したか否か判定される。
ステップS125において、車両が駐車地点に到着したと判定されない場合、制御部310は、ステップS120以降の処理を繰り返す。一方、ステップS125において、車両が駐車地点に到着したと判定された場合、制御部20は、次の荷役地点が存在するか否かを判定する(ステップS130)。すなわち、制御部310は、ステップS125において到着したと判定された地点が最終目的地(図2Aに示す例であれば出発地点Sと同一の地点G)である場合、次の荷役地点が存在しないと判定する。ステップS125において到着したと判定された地点が最終目的地ではなく、次の荷役地点が存在する場合、制御部310は、ステップS100以降の処理を繰り返す。
以上のステップS105において制御部310は、荷役地点に対応づけられた複数の駐車地点の中の予め決められた駐車地点である最優先の駐車地点を目的地として経路案内を行う。そして、本実施形態において制御部310は、ステップS105の経路案内において、走行予定経路の再探索を行わない。すなわち、多くのナビゲーションシステムにおいて、車両が案内中の経路と異なる道路を走行すると、車両の現在地点から元の目的地までの走行予定経路が再探索される。また、既存の走行予定経路を消去し、再探索された走行予定経路によって経路案内が行われるように、表示が修正される。しかし、本実施形態においては、当該再探索や走行予定経路の修正は行われない。
図3Bは、図3Aに示す例において、車両が太線の矢印で示された走行予定経路外の道路を走行している例である。本実施形態においては、車両がこのように走行予定経路を外れた場合であっても再探索および走行予定経路の修正が行われない。従って、走行予定経路は図3Bに示されるように元の表示のままであり、車両の現在地点と一致しない。すなわち、荷役地点の周辺で駐車地点に車両を接近させる際には、利用者は、細街路を含め、各種の道路を走行し得る。従って、特に駐車地点に近い領域において、駐車地点に近くない領域よりも、車両が走行予定経路と異なる道路を走行する可能性が高くなる。このため、車両が走行予定経路と異なる道路を走行しているとしても、利用者が依然として駐車地点P11に向かっていることがあり得る一方で、駐車地点P12に向かっている可能性もある。
従って、利用者の意図が判然としない状態で、車両が走行予定経路から外れるたびに走行予定経路の再探索および修正が行われると、利用者が煩わしいと感じ、利用者に混乱を与える可能性がある。そこで、本実施形態のように再探索および修正を行わない構成とすれば、利用者が煩わしいと感じることはないし、混乱を生じさせることもない。なお、以上のような混乱等が発生する可能性は、車両が駐車地点に近づくにつれて高まる。従って、図2Bに示すような経路案内中は再探索および走行予定経路の修正が行われる構成としつつ、図3Aに示すような駐車ガイドが表示されると再探索および走行予定経路の修正が行われない構成としてもよい。なお、本実施形態においては、駐車地点の数にかかわらず、再探索や走行予定経路の修正が実行されない。すなわち、荷役地点に対応づけられた駐車地点が1カ所であったとしても、混乱等を防止するため、再探索や走行予定経路の修正は行われない。
さらに、本実施形態において、制御部310は、予め決められた駐車地点(最優先の駐車地点)と異なる駐車地点を目的地とした経路案内を実施しない。すなわち、本実施形態においては、目的地である最優先の駐車地点を、走行過程において自動的に修正するような処理は行われない。目的地の修正も、利用者の意図が判然としない状態で、例えば、車両が走行予定経路から外れたこと等に応じて実施したとしても、修正が正しくない可能性もあるため、利用者が煩わしいと感じ、利用者に混乱を与える可能性がある。そこで、本実施形態のように目的地の修正を行わない構成とすれば、利用者が煩わしいと感じることはないし、混乱を生じさせることもない。
(3)荷役支援処理:
次に、制御部20が実行する荷役支援処理を説明する。図4Bは、荷役支援処理を示すフローチャートである。制御部20は、一定期間毎(例えば、業務開始時刻前に一日一回等)に荷役支援プログラムを実行し、荷役支援処理を開始する。荷役支援処理において、制御部20は、荷役計画取得部21aの機能により、荷役計画情報を取得する(ステップS200)。すなわち、制御部20は、通信部40を介して管理者端末200と通信し、案内に利用され得る荷役計画情報(例えば、当日の荷役計画を示す荷役計画情報等)を、取得する。取得された荷役計画情報は、記録媒体30に荷役計画情報30aとして記録される。
次に、制御部20は、経路案内制御部21bの機能により、通信部40を監視し、走行予定経路の送信要求を受け付けたか否か判定する(ステップS205)。ステップS205において、走行予定経路の送信要求を受け付けたと判定された場合、制御部20は、経路案内制御部21bの機能により、次の荷役地点に対応づけられた走行予定経路を送信する(ステップS210)。すなわち、制御部20は、送信要求に含まれた識別情報に基づいて、参照すべき荷役計画情報30aを特定する。また、制御部20は、特定された荷役計画情報30aを参照し、送信要求に含まれた車両の現在地点に基づいて、車両の次の荷役地点を特定する。
そして、制御部20は、次の荷役地点に対応づけられた駐車地点情報および走行予定経路を示す情報を取得し、通信部40を介して送信要求元の荷役支援端末300に対して送信する。以上の処理により、制御部20は、荷役支援端末300に経路案内を行わせる。ステップS205において、走行予定経路の送信要求を受け付けたと判定されない場合、制御部20は、ステップS210をスキップする。
次に、制御部20は、地点案内制御部21cの機能により、通信部40を監視し、駐車ガイドの送信要求を受け付けたか否か判定する(ステップS215)。ステップS215において、駐車ガイドの送信要求を受け付けたと判定された場合、制御部20は、地点案内制御部21cの機能により、次の荷役地点に対応づけられた駐車ガイドを送信する(ステップS220)。すなわち、制御部20は、送信要求に含まれた識別情報に基づいて、参照すべき荷役計画情報30aを特定する。また、制御部20は、特定された荷役計画情報30aを参照し、送信要求に含まれた車両の現在地点に基づいて、車両の次の荷役地点を特定する。
そして、制御部20は、次の荷役地点に対応づけられた駐車ガイド情報を取得し、通信部40を介して送信要求元の荷役支援端末300に対して送信する。以上の処理により、制御部20は、荷役支援端末300に駐車ガイドを行わせる。ステップS205において、駐車ガイドの送信要求を受け付けたと判定されない場合、制御部20は、ステップS220をスキップする。荷役支援システム10は、以上の処理を繰り返すことにより、各車両からの送信要求に応じて、要求された荷役計画情報30aを送信し、各車両の荷役支援端末300における案内を実行させる。
(4)他の実施形態:
以上の実施形態は本発明を実施するための一例であり、駐車地点を目的地とした経路案内を行う構成としては、他にも種々の実施形態を採用可能である。例えば、走行予定経路は荷役支援システム10や荷役支援端末300で探索されてもよい。さらに、荷役は荷物の配達に限定されず、集荷が行われる構成であってもよい。さらに、荷役支援システム10は、車載装置ではなく携帯端末であってもよい。
上述の実施形態を構成する各システムは、機能を共有したより少ない装置で構成されても良い。このような例としては、図1に示す少なくとも1台のシステムが、他の1台以上のシステムと同一の装置で構成される例が挙げられる。例えば、荷役支援システム10と荷役支援端末300とが一体の装置で構成されていても良いし、荷役支援システム10と管理者端末200とが一体の装置で構成されても良いし、管理者端末200と荷役支援端末300とが一体の装置で構成されていても良い。。また、荷役支援システム10の一部(荷役計画取得部21a、経路案内制御部21b、地点案内制御部21cの少なくとも一部)の機能が荷役支援システム10で実現されても良い。さらに、図1に示すシステムがより多数のシステムで構成されても良い。例えば、荷役支援システム10、管理者端末200、荷役支援端末300の少なくとも一部がクラウドサーバで構成されても良い。
また、荷役支援システム10を構成する各部(荷役計画取得部21a、経路案内制御部21b、地点案内制御部21c)の少なくとも一部や荷役支援端末300を構成する経路案内部311a等が複数の装置に分かれて存在していても良い。さらに、上述の実施形態の一部の構成が省略される構成や、処理が変動または省略される構成も想定し得る。
荷役計画取得部は、複数の荷役地点と、荷役地点への到達順序と、荷役のために車両を駐車させる駐車地点であって荷役地点に対応づけられた駐車地点と、を取得することができればよい。すなわち、荷役計画取得部は、車両において予定されている荷役を示す荷役計画を取得することができればよい。荷役地点は、荷物の配達と荷物の集荷との少なくとも一方が予定された地点であれば良い。また、荷役地点は、配達される荷物または集荷される荷物の受け渡しが行われる地点であることが好ましく、例えば、荷主が居る施設等が荷役地点となり得る。
荷役地点は複数個存在し、各荷役地点への到達順序が予め決められる。到達順序は、種々の手法で決められてよく、出発地から近い順であってもよいし、探索された走行予定経路のコストが最小になるように順序が決められてもよい。むろん、到達順序は可変であってもよい。
駐車地点は、車両を駐車させる地点であり、当該駐車地点から荷役が開始される。すなわち、荷物の配達の場合、駐車地点に車両が駐車されると、荷卸が行われ、荷役地点に荷物が運搬され、運搬に使用した道具(パレットや台車等)が車両に運搬され、車両に積載される。荷物の集荷の場合、駐車地点に車両が駐車されると、利用者は必要に応じて道具(パレットや台車等)を運搬しつつ荷役地点に移動し、荷役地点で荷物を受け取る。この後、荷物が車両へ運搬され、運搬に使用した道具(パレットや台車等)とともに荷物が車両に積載される。
駐車地点は、荷役地点と同一の地点であってもよいし、異なる地点であってもよい。前者としては、例えば、荷役地点としての施設内の駐車場が駐車地点である例が挙げられる。一方、荷役地点としての施設等には駐車場が併設されていない場合がある。また、荷役地点の出入口が存在する道路には車両を駐車させることができない場合がある。このような場合には、荷役地点における荷役を行うために、荷役地点から離れた場所に車両を駐車させて荷役を行う必要がある。
このような場合、荷役地点が目的地となった経路案内では利用者が車両を駐車地点まで移動させることが困難になるが、駐車地点が目的地となって経路案内が実行されることにより、駐車地点に対して車両を容易に移動させることが可能になる。駐車地点は荷役地点に対応づけられていればよく、複数個存在してもよい。この場合、駐車地点の少なくとも一つを目的地とした経路案内が実行されることになる。
経路案内制御部は、車両が次の到達順序の荷役地点に向かう場合に、当該荷役地点に対応づけられた駐車地点を目的地とした経路案内を案内部において行わせることができればよい。すなわち、複数の荷役地点のそれぞれに対して到達順序に従って移動する場合に、各荷役地点に向かう過程で荷役地点に対応づけられた駐車地点を目的地とした経路案内が行われる。経路案内は、少なくとも次の荷役地点についての駐車地点まで実施されればよいが、複数の荷役地点に対応づけられた駐車地点のそれぞれを経由目的地とし、複数の荷役地点に渡る走行予定経路に基づいて経路案内が行われてもよい。
経路案内は、上述の実施形態のように表示部に表示された地図上で実施される構成に限定されず、交差点での進行方向を示す音声等を出力する案内であってもよい。また、HUD等によって道路の実風景に重畳された矢印等による案内であってもよく、種々の構成を採用可能である。
地点案内制御部は、車両が、駐車地点から既定距離以内の範囲に到達した場合、荷役地点と駐車地点とを示す案内を案内部に行わせることができればよい。すなわち、荷役地点と駐車地点とが離れて存在することが想定されるため、地点案内制御部は、両者の位置関係を利用者に認識させる案内を行わせる。荷役地点と駐車地点とを示す案内は、駐車地点から既定距離以内の範囲に到達した場合に実施されればよい。すなわち、利用者が荷役地点を認識するニーズや、駐車地点から荷役地点までの走行予定経路を認識するニーズが生じた段階で荷役地点と駐車地点とを示す案内が行われればよい。
荷役地点と駐車地点とを示す案内は、少なくとも両者が示されることにより、駐車地点に駐車した後における荷役作業を支援することができればよい。従って、上述の実施形態のように荷役地点と駐車地点とを含む地図が表示される構成に限定されず、他にも種々の態様で実施されてよい。例えば、駐車地点から荷役地点までの走行予定経路が文字や画像等によって示される構成であってもよいし、音声で順路が示される構成であってもよい。
また、荷役地点と駐車地点とを示す案内は、経路案内とともに実施されてもよいし、経路案内に代えて実施されてもよい。むろん、駐車地点から荷役地点への経路(徒歩によって移動すべき経路)が案内されてもよい。さらに、荷役地点における荷役を行う際に注意すべき情報(例えば、駐車地点から荷役地点への移動に際して騒音に注意すべき等の情報)が案内されてもよい。
駐車地点から既定距離以内の範囲は、種々の手法で決められてよく、駐車地点からの直線距離によって範囲が決められてもよいし、走行予定経路に沿った距離によって範囲が決められてよい。既定距離は、荷役地点と駐車地点とを示す案内を開始するトリガを特定するために予め設定された距離であれば良く、固定値であってもよいし可変値であってもよい。後者としては、例えば、荷役地点と駐車地点との距離に応じて既定の距離が変化する構成等を採用可能である。
さらに、上述の実施形態において駐車ガイドが表示される場合、次の荷役地点に対応づけられた全ての駐車地点が含まれる地図が表示されるが、このような構成には限定されない。例えば、車両が、駐車地点から既定距離以内の範囲に到達した場合に、当該駐車地点と荷役地点とを含む既定の縮尺の地図が表示される構成であってもよい。また、当該駐車地点と最優先の駐車地点(目的地としての駐車地点)と荷役地点とを含む既定の縮尺の地図が表示される構成であってもよい。
さらに、駐車地点に車両を駐車させる際に注意すべき情報は、車両が駐車地点から既定距離以内の範囲に到達し、かつ、車両が経路上に存在する場合に案内される構成であってもよい。この構成は、例えば、上述の実施形態と同様の構成において、図4AのステップS110で車両が駐車地点まで既定距離以内であると判定された後に、制御部310が、車両の現在地点が走行予定経路上に存在するか否か判定する構成によって実現可能である。すなわち、車両の現在地点が走行予定経路上に存在すると判定された場合にステップS115を実行し、車両の現在地点が走行予定経路上に存在すると判定されない場合に駐車地点に到着するまで経路案内を継続する。
この構成においては、車両が駐車地点から既定距離以内の範囲に到達しても、その段階で車両が経路上に存在しなければ駐車ガイドが案内されない。以上の構成によれば、利用者自身の判断等によって駐車地点に向かっていない状態で、駐車地点の近くを通過することで車両が駐車地点から既定距離以内の範囲に到達した場合に、駐車ガイドが表示されることは無い。従って、利用者にとって不要である可能性が高い情報が案内されることを防止することができる。なお、車両が駐車地点から既定距離以内の範囲に到達したという条件と組み合わせるべき他の条件は、種々の条件であってよい。例えば、車両が駐車地点から既定距離以内の範囲に到達し、かつ、車両が一度でも走行予定経路上を走行した場合には、駐車ガイドが案内される構成であってもよい。
さらに、本発明のように、駐車地点を目的地とした経路案内を行う手法は、プログラムや方法としても適用可能である。また、以上のようなシステム、プログラム、方法は、単独の装置として実現される場合もあれば、車両に備えられる各部と共有の部品を利用して実現される場合もあり、各種の態様を含むものである。また、一部がソフトウェアであり一部がハードウェアであったりするなど、適宜、変更可能である。さらに、装置を制御するプログラムの記録媒体としても発明は成立する。むろん、そのソフトウェアの記録媒体は、磁気記録媒体であってもよいし半導体メモリであってもよいし、今後開発されるいかなる記録媒体においても全く同様に考えることができる。