JP7343842B2 - 半導体レーザ光源装置 - Google Patents

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Description

本発明は、半導体レーザ光源装置に関する。
現在、CANパッケージと呼ばれるタイプのパッケージに半導体レーザ素子が収容された、半導体レーザ光源装置が実用化されている(例えば、特許文献1参照)。図26は、上記特許文献1に開示されている、従来のCANパッケージ型の半導体レーザ光源装置の構造を模式的に示す図面である。
図26に示すように、従来の半導体レーザ光源装置100は、ステム101と、ステム101の面上に突出して形成されたヒートシンク102と、ヒートシンク102の面上に載置されたサブマウント103と、サブマウント103の面上に載置された半導体レーザ素子104を備える。給電ピン105は、ステム101に設けられた貫通孔を貫通して配置され、サブマウント103を介して半導体レーザ素子104に対して給電を行う。
キャップ110は、円筒形状を呈しており、気密のためにステム101に対して被せられた状態で固定化される。キャップ110には窓部110aが設けられており、半導体レーザ素子104から出射された光は窓部110aを介して外部に取り出される。
特開2017-130385号公報
給電ピン105は、ステム101の貫通穴内に、絶縁材料としての低融点ガラスを介して挿入される。また、キャップ110は、ステム101に対して抵抗溶接によって固定されるのが一般的である。
かかる観点から、ステム101は、抵抗溶接の圧力に耐え得る程度に高い硬度を有し、且つ、低融点ガラスに近い熱膨張係数を示す材料であることが求められる。かかる観点から、ステム101は、Fe(鉄)やコバールなどの鉄合金が一般的に利用される。しかし、Feは熱伝導率が充分高い材料ではないため、半導体レーザ素子104の発光時に生じる熱を効率よく排熱することができない。かかる観点から、図26に示すように、Feよりも熱伝導率の高い材料からなるヒートシンク102がステム101とは別に配置され、このヒートシンク102の面上に、サブマウント103を介して半導体レーザ素子104が取り付けられる。
ヒートシンク102は、一般的にCu(銅)などの、Feよりは熱伝導率が高く、比較的安価に入手できる材料が用いられる。ヒートシンク102とステム101とは、銀ロウなどの金属ロウ材を介して接合される。
ところで、近年、高輝度の半導体レーザ光源装置の市場からの要請が高まりつつある。本発明者らは、図26に示されるような、従来のCANパッケージ型の半導体レーザ光源装置100において、複数の半導体レーザ素子104を並べることで、輝度を高めることを検討した。
しかし、複数の半導体レーザ素子104が狭い範囲内に並べられて構成される半導体レーザ光源装置100は、単独の半導体レーザ素子104を備える従来の半導体レーザ光源装置100と比較して、排熱性の問題が重要となる。本発明者らの鋭意研究により、図26に図示されるような、従来の半導体レーザ光源装置100の構造のままで、単に複数の半導体レーザ素子104を並べた場合には、充分高い排熱能力が確保できず、半導体レーザ素子104の出力の低下や、出射光の波長の変化、又は単寿命化といった問題を引き起こすおそれがあることを突き止めた。
本発明は、上記の課題に鑑み、複数の半導体レーザ素子を備え、高密度化と高排熱性の両者の実現を可能とする、半導体レーザ光源装置を提供することを目的とする。
本発明に係る半導体レーザ光源装置は、
第一面と、前記第一面に対して第一方向に位置する第二面と、一部領域に形成され前記第一面から前記第二面に達する第一貫通孔とを含み、第一金属材料で構成されたステムと、
少なくとも一部分が前記第一貫通孔内に嵌合するように配置されており、前記第一金属材料よりも熱伝導率の高い第二金属材料で構成された第一ヒートシンクと、
前記第一ヒートシンクの、前記第一貫通孔の前記第一面側に露出した領域内の面上に、前記第一方向に直交する第二方向に沿って複数配置された、サブマウントと、
複数の前記サブマウントのそれぞれの面上に配置された、複数の半導体レーザ素子とを有し、
前記ステムを前記第一方向から見たときに、前記第一貫通孔は前記第一方向及び前記第二方向に直交する第三方向に関して非対称な位置に形成され、
前記ステムは、前記第三方向に関して前記第一貫通孔の外側に位置する第一部分と、前記第一部分に対して前記第一貫通孔を隔てて前記第三方向に関して反対側に位置すると共に前記第一部分よりも前記第三方向に係る長さの短い第二部分とを有し、
複数の前記サブマウント及び複数の前記半導体レーザ素子は、前記第一ヒートシンクの面上のうち、前記第三方向に関して前記ステムの前記第一部分に近い位置に配置されていることを特徴とする。
例えば、図26に示されるような従来のCANパッケージ型の半導体レーザ光源装置100において、複数の半導体レーザ素子104を並べることを検討した場合、排熱性を確保するために、ヒートシンク102を大きくする必要がある。本発明者らの鋭意研究によれば、大型のヒートシンク102とステム101とを銀ロウなどの金属ロウ材からなる接合材で接合すると、ヒートシンク102が半導体レーザ素子104側を凸にして反りやすくなることが分かった。なお、ここでは、説明の便宜のために、ステム101から見て半導体レーザ素子104が配置されている向きを「上」と呼び、その逆向きを「下」と呼ぶ。この呼び方に倣って記載すると、本発明者らの鋭意研究によれば、ヒートシンク102が上凸に反りやすいことが分かった。
更なる排熱性を確保するためには、ステム101の、半導体レーザ素子104とは反対側の面、すなわち下側の面に、直接又はアルミダイキャストなどの基台を介して、フィンなどの空冷部材又は排水管などの水冷部材を有してなる冷却部材を配置する方法が考えられる。しかし、上述したように、ヒートシンク102が上凸に反ると、この冷却部材とヒートシンク102とを面接触させることができず、高い排熱性が確保できない。
ここで、上記の構成によれば、ステムを第一方向から見たときに、第三方向に関して非対称な位置に第一貫通孔が形成されている。すなわち、この第一貫通孔に貫通された第一ヒートシンクは、第一方向から見たときに、ステム上において第三方向に関して非対称な位置に配置されることになる。より詳細には、第一ヒートシンクは、第三方向に関して、ステムの第一部分と、第一部分よりも長さの短いステムの第二部分とに挟まれた位置に配置される。
第一ヒートシンクとステムとの接合においては、高温で接合材を構成する金属材料を溶融した後に常温まで冷却される工程が実行される。接合材としては、銀ロウなどの金属ロウ材、金属共晶半田材、金属接着剤などを利用することができる。
この接合工程の際に、第一ヒートシンクとステムの両材料が示す熱膨張係数の違いによって、上述したように、第一ヒートシンクは上凸に反りやすくなる。
ここで、第一ヒートシンクに対して生じる応力の大小は、隣接するステムの大きさによって左右される。つまり、第一ヒートシンクから見れば、大きさの大きな第一部分から受ける応力の方が、第一部分よりも小さい第二部分から受ける応力よりも大きくなる。この結果、第一ヒートシンクは、第一部分に近い側がより下方に引っ張られやすくなる。
つまり、上述したように第一ヒートシンクが上凸に反ってしまったとしても、ステムの第二面側に空冷部材や水冷部材などの冷却部材(本明細書内において、「第二ヒートシンク」に対応する。)を配置した場合には、ステムの第一部分に近い側における第一ヒートシンクは、第二ヒートシンクと接触しやすくなる。
従って、第一ヒートシンクの面上のうち、この第一部分に近い側の位置にサブマウント及び半導体レーザ素子を配置することで、第二ヒートシンクと接触している領域の近くに熱源となる半導体レーザ素子が配置される。この結果、短い排熱経路によって、半導体レーザ素子から生じた熱を、第一ヒートシンクを介して外部に排熱することができ、高い排熱性が確保される。
前記第一ヒートシンクは、前記第一方向に関して前記第二面よりも前記第一貫通孔から外側に突出しているものとしても構わない。
第一ヒートシンクが、第一貫通孔から第二面よりも外側に突出しているため、仮に第一ヒートシンクが上凸に反る形状であっても、上記第二ヒートシンクと接触しない状態が回避される。特に、ステムの第一部分側における第一ヒートシンクについては、第二ヒートシンクに対して面接触しやすくなり、高い排熱性が確保される。
前記半導体レーザ光源装置は、
前記ステムの前記第一部分内において、前記第一面から前記第二面に達するように形成された第二貫通孔と、
前記第二貫通孔の内壁に沿うように配置された、中空状の絶縁部材と、
前記絶縁部材の内側を通過して前記第二貫通孔を貫通するように配置され、複数の前記半導体レーザ素子に対して給電するための、給電ピンとを有するものとしても構わない。
上記構成によれば、第三方向に関して長さの長いステムの第一部分には、ステムの第二部分と比較して給電ピンを設置するための領域がすでに確保されている。このため、当該領域に、第二貫通孔を設け、この第二貫通孔を貫通する給電ピンが配置されることで、ステムの大型化を招くことなく、高い排熱性を示す半導体レーザ光源装置が実現される。
前記ステムの前記第二部分側に係る前記第一ヒートシンクの端部位置と、複数の前記半導体レーザ素子との間の、前記第三方向に係る離間距離は、隣接する前記半導体レーザ素子の前記第二方向に係る離間距離以上であるものとしても構わない。
複数の半導体レーザ素子は、相互に熱のクロストークが発生しないように、一定距離以上の離間を有して配置される必要がある。一方で、高密度に複数の半導体レーザ素子を配置するには、なるべく離間距離を短くする必要がある。かかる観点から、複数の半導体レーザ素子の第二方向に係る離間距離は、好ましくは、熱のクロストークが生じない範囲内でなるべく短い距離とされる。この距離をd0とすると、ステムの第二部分側に係る第一ヒートシンクの端部位置と半導体レーザ素子との間の第三方向に係る離間距離が仮にd0より短い場合には、各半導体レーザ素子から生じた熱を第三方向に充分に拡げることができず、効率的に排熱できない可能性がある。上記の構成とすることで、半導体レーザ素子の高密度配置と、更なる高い排熱性との両立が実現される。
複数の前記サブマウントは、前記第一ヒートシンクの面のうち、前記第一面と非平行な面上に配置され、
複数の前記半導体レーザ素子は、それぞれ前記第一方向に光を出射するように複数の前記サブマウントの面上に配置されているものとしても構わない。
前記第一ヒートシンクの面上に配置されたミラーを有し、
複数の前記サブマウントは、前記第一ヒートシンクの面のうち、前記第一面と平行な面上に配置され、
複数の前記半導体レーザ素子は、それぞれ前記第一方向及び前記第二方向の双方に直交する第三方向に光を出射するように、複数の前記サブマウントの面上に配置され、
前記ミラーは、複数の前記半導体レーザ素子から前記第三方向に向けて出射された光の進行方向を、前記第一方向に変換するものとしても構わない。
前記第一金属材料は、鉄、鉄合金からなる群より選択された1種以上の材料であり、
前記第二金属材料は、銅、銅合金からなる群より選択された1種以上の材料であるものとしても構わない。
本発明の半導体レーザ光源装置によれば、複数の半導体レーザ素子を備え、高密度化と高排熱性の両者の実現が可能となる。
半導体レーザ光源装置の第一実施形態の構造を模式的に示す斜視図である。 図1からキャップ及びミラーの図示を省略した図面である。 ステムの構造を示す模式的な平面図である。 図1に示す半導体レーザ光源装置をZ方向から見たときの模式的な平面図である。 図4内のA1-A1線断面図である。 図4内のA1-A1線断面図である。 第二ヒートシンクを含む半導体レーザ光源装置の第一実施形態の構造を模式的に示す断面図である。 図6に示す半導体レーザ光源装置をZ方向から見たときの模式的な図面である。 接合工程時に第一ヒートシンク及びステムに対してかかる応力を模式的に説明する図面である。 第一ヒートシンク及びステムを第二ヒートシンクに対して固定させる方法の一例を模式的に示す図面である。 図1に示す半導体レーザ光源装置の別実施例をZ方向から見たときの模式的な平面図を、図4にならって図示した図面である。 第一ヒートシンク上における半導体レーザ素子の載置位置を説明するための模式的な平面図である。 半導体レーザ光源装置の第二実施形態の構造を模式的に示す斜視図である。 図11からキャップの図示を省略した図面である。 図11に示す半導体レーザ光源装置をZ方向から見たときの模式的な平面図である。 図13内のA1-A1線断面図である。 第一ヒートシンク上における半導体レーザ素子の載置位置を説明するための模式的な平面図である。 半導体レーザ光源装置の第三実施形態の構造を模式的に示す斜視図である。 図15からキャップの図示を省略した図面である。 図15に示す半導体レーザ光源装置の模式的な断面図である。 第二ヒートシンクを含む半導体レーザ光源装置の第三実施形態の構造を模式的に示す断面図である。 半導体レーザ光源装置の第四実施形態の構造を模式的に示す斜視図である。 図19からキャップの図示を省略した図面である。 図19に示す半導体レーザ光源装置の模式的な断面図である。 検証に利用された実施例1の構造を模式的に示す図面である。 実施例1の半導体レーザ光源装置における面のZ座標位置の変化の様子を示すグラフである。 検証に利用された比較例1の構造を模式的に示す図面である。 別実施形態の半導体レーザ光源装置が備えるステムの構造を模式的に示す平面図である。 従来のCANパッケージ型の半導体レーザ光源装置の構造を模式的に示す図面である。
本発明に係る半導体レーザ光源装置の実施形態につき、図面を参照して説明する。以下の各図面は、模式的に示されたものであり、図面上の寸法比は必ずしも実際の寸法比とは一致していない。また、各図面間においても寸法比は必ずしも一致していない。
[第一実施形態]
本発明に係る半導体レーザ光源装置の第一実施形態について、説明する。図1は、本実施形態の半導体レーザ光源装置の構造を模式的に示す斜視図である。なお、図1は、理解の容易の観点から、後述するキャップ10の一部が切断された状態で図示されている。
以下の説明では、図1等に記載されたXYZ座標系が適宜参照される。
図1に示すように、半導体レーザ光源装置1は、X方向に沿って複数配列された半導体レーザ素子2と、各半導体レーザ素子2が載置されるサブマウント3と、サブマウント3が面上に載置される第一ヒートシンク4と、第一ヒートシンク4と連結されてなるステム5とを備える。
半導体レーザ素子2は、基板と基板上に積層された多層の半導体層とを含んであり、半導体層の構成材料に応じて決定される波長のレーザ光L2を出射する。例えば、前記半導体層が、InGaP、又はInGaAlPからなる活性層を含む場合、半導体レーザ素子2は、波長が600nm~800nm帯の、いわゆる赤色光のレーザ光L2を出射する。ただし、本発明において、半導体レーザ光源装置1が出射するレーザ光L2の波長は限定されない。
本実施形態の例では、図1に示すように、各半導体レーザ素子2はXY平面上においてX方向に整列するように配置されている。そして、半導体レーザ光源装置1は、各半導体レーザ素子2からY方向に出射されたレーザ光L2の進行方向を、Z方向に変換するためのミラー12を有する。ミラー12によって進行方向が変換されたレーザ光L2は、キャップ10に設けられた窓部10aを介して、半導体レーザ光源装置1の外部に取り出される。
キャップ10は、内部を気密にすることで、半導体レーザ素子2を保護する目的で設けられており、例えばステム5に対して抵抗溶接などの方法で接合されている。
本明細書において、Z方向が「第一方向」に対応し、X方向が「第二方向」に対応し、Y方向が「第三方向」に対応する。
サブマウント3は、例えば面上に不図示の電極配線が設けられることで、半導体レーザ素子2に対する給電のための電気的な接続が形成される。また、サブマウント3は、半導体レーザ素子2の発光時に生じる熱を、第一ヒートシンク4側に導く機能も有している。サブマウント3は、放熱性、絶縁性、半導体レーザ素子2との線膨張係数差などに鑑み、適宜材料が選択される。一例として、サブマウント3は、AlN、Al23、SiC、CuWなどの材料で構成される。
本実施形態において、各サブマウント3は、第一ヒートシンク4のXY平面に平行な面上に載置されている。図2は、理解の容易のために、図1からキャップ10及びミラー12の図示を省略した図面である。
ステム5は、第一面5aと、第一面5aに対してZ方向に向かい合う位置に第二面5bとを有する。ステム5は、図3に示すように、第一面5aから第二面5bに対してZ方向に貫通する、第一貫通孔21と第二貫通孔22とを有する。図3は、ステム5をZ方向から見たときの模式的な平面図である。図3に示すように、本実施形態の例では、ステム5は、1つの第一貫通孔21と、2つの第二貫通孔(22,22)を有している。
ステム5は、上述したように、抵抗溶接などの方法で第一面5aに対してキャップ10が接合される。このため、ステム5は、抵抗溶接などが可能な材料で構成されており、例えば、鉄、鉄合金などで構成される。
本実施形態では、ステム5の面上において、Y方向に関して非対称な位置に第一貫通孔21が形成されている。すなわち、ステム5は、Y方向に関して第一貫通孔21の外側の位置に、幅の広い領域(第一部分51)と、幅の狭い領域(第二部分52)とを有している。そして、ステム5の第一部分51内において、X方向に離間した2箇所の位置に第二貫通孔22が形成されている。
第一貫通孔21は、第一ヒートシンク4を嵌合するための孔部である。図1及び図2に示されるように、第一ヒートシンク4は、第一貫通孔21内にZ方向に嵌め込まれるように配置されている。本実施形態では、第一貫通孔21の、ステム5の第一面5a側に露出している第一ヒートシンク4の面上に、サブマウント3及び半導体レーザ素子2が載置されている。
第一ヒートシンク4は、半導体レーザ素子2の発光時に生じる熱を排熱させる機能を有している。このため、第一ヒートシンク4は、熱伝導率の高い材料で構成されるのが好ましい。より詳細には、第一ヒートシンク4は、ステム5よりも熱伝導率の高い材料で構成され、例えば、銅、銅合金などで構成される。
図2に示すように、本実施形態では、第一ヒートシンク4は、Z方向に関して、ステム5の第二面5bよりも長さd4だけ突出するように配置されている。
2箇所に設けられた第二貫通孔(22,22)は、給電ピン7を挿入するための孔部である。給電ピン7は、コバールなどの鉄合金などの導電性材料で構成される。より詳細には、第二貫通孔22内には、中空状(筒状)に形成された、低融点ガラスなどの絶縁部材13が嵌め込まれており、その内側に給電ピン7が挿入されることで、給電ピン7とステム5との間の絶縁性が確保されている。給電ピン7は、ステム5の第二面5b側の位置において後述される給電基板15と電気的に接続され、第一面5a側の位置において半導体レーザ素子2と電気的に接続される。これにより、給電基板15から、給電ピン7を介して半導体レーザ素子2に対して給電される。
第一ヒートシンク4とステム5とは、第一貫通孔21内において、接合材6によって接合されている。接合材6としては、銀ロウなどの金属ロウ材、金属共晶半田材、金属接着剤などを利用することができる。
本実施形態において、第一ヒートシンク4は、ステム5の第一面5a側において接合材6によってステム5と接合されている一方、第二面5b側にはステム5と接合されていない。この点につき、図4、図5A及び図5Bを参照して説明する。図4は、図1に示す半導体レーザ光源装置1をZ方向から見たときの模式的な平面図である。また、図5A及び図5Bは、いずれも図4内のA1-A1線断面図であるが、説明の都合上、表記の方法が異なっている。また、理解の容易のため、図5A及び図5Bでは一部の部材の大きさが誇張して図示されている。
上述したように、ステム5に形成された第一貫通孔21内に嵌め込まれた第一ヒートシンク4は、第一貫通孔21内において接合材6によってステム5と接合されている。また、第二貫通孔22内を貫通するように配置された給電ピン7は、低融点ガラスなどの絶縁部材13によってステム5との間の絶縁性が確保されている。なお、本実施形態の例では、ステム5の第二面5b側に露出している第一ヒートシンク4のZ方向の長さd4は、ステム5の第二面5b側に露出している給電ピン7の長さd7よりも長い。
図5A及び図5Bに示すように、第一ヒートシンク4は、Z方向に関して第一面5a側においてのみ接合材6によってステム5と接合されている。この結果、図5Bに示すように、第一ヒートシンク4は、Z方向に関して、接合材6によってステム5と固定された第一領域4aと、ステム5に対して固定されていない第二領域4bとを有する。
図6は、半導体レーザ光源装置1の構造を模式的に示す断面図であり、図5A及び図5Bと比較して、更に第二ヒートシンク31及び給電基板15が図示されている。給電基板15は、半導体レーザ素子2に対する給電を制御するための回路素子(不図示)が実装された基板である。なお、図6には、給電ピン7と半導体レーザ素子2を電気的に接続するためのワイヤ18が図示されている。
上述したように、第一ヒートシンク4は、半導体レーザ素子2で生じた熱を排熱する機能を有している。この排熱効果を更に高める観点からは、第一ヒートシンク4を、空冷部材や水冷部材からなる第二ヒートシンク31と接触させるのが好ましい。ここで、上記のように、第一ヒートシンク4は、Z方向に関してステム5と接合されていない第二領域4bを有しているため、接合材6を用いて第一ヒートシンク4とステム5との接合に際して加熱及び冷却の工程を経ることで、第一ヒートシンク4が変形したとしても、第二ヒートシンク31との面接触が容易に確保できる。この点については、後述される。
また、本実施形態の半導体レーザ光源装置1によれば、Z方向に関して、第一ヒートシンク4が、給電ピン7よりも更に突出して配置されている。この結果、図6に示すように、給電基板15を、ステム5の第二面5bと第二ヒートシンク31との間の位置に配置することが可能となる。
図7は、給電基板15を含む半導体レーザ光源装置1を、Z方向に見たときの模式的な平面図である。図6及び図7に示すように、給電基板15は、ステム5の第二面5b側において、X方向に延伸するように配置される。給電ピン7は、例えばハンダ材16によって給電基板15に対して電気的な接続が形成されている。
かかる構成によれば、給電ピン7は、第一ヒートシンク4よりもZ方向に係る突出長さが短いため、給電基板15を配置するための、アルミダイキャストなどの基台を介することなく、直接第一ヒートシンク4を第二ヒートシンク31に対して接触させることができる。アルミダイキャストなどの基台は、第二ヒートシンク31よりも熱伝導率が低いため、かかる構成とすることで、より排熱性が高められる。
更に、第一ヒートシンク4は、XY平面に平行な方向に一定程度の広さを有した形状であり、この広さを有したままで第一貫通孔21内に嵌め込まれている。これにより、排熱経路として利用される第一ヒートシンク4の断面積を大きく確保することができるため、排熱効率が高められる。
図8は、接合材6を用いて、第一ヒートシンク4とステム5とを接合する工程を経て、第一ヒートシンク4及びステム5に対してかかる応力を模式的に説明する図面である。
ステム5に形成された第一貫通孔21の内壁に金属ロウなどからなる接合材6が設けられ、その内側に第一ヒートシンク4が嵌め込まれる。その後、金属ロウの融点を超える温度(例えば800℃程度)に加熱されることで、融解された接合材6が、第一貫通孔21内に位置する第一ヒートシンク4の外壁に付着する。その後、室温下まで冷却されることで接合材6が凝固し、これによって、第一ヒートシンク4とステム5とが固定される。
図8において、(a)は、加熱前の時点における、第一ヒートシンク4及びステム5の状態を示す図面である。また、(b)は、加熱後、常温まで冷却された状態において、第一ヒートシンク4及びステム5に対して生じる応力を模式的に示す図面である。なお、図8(b)では、力の向きが矢印の方向で示され、力の大きさが矢印の長さで示されている。
加熱されることで、第一ヒートシンク4及びステム5は膨張する。ここで、第一ヒートシンク4がCu(銅)からなり、ステム5がFe(鉄)からなる場合、熱膨張係数は第一ヒートシンク4の方がステム5よりも大きい。このため、冷却時には、第一ヒートシンク4に対して、ステム5よりも大きく収縮しようとする力が働く。
ここで、上述したように、第一ヒートシンク4は、ステム5の第一面5a側において接合材6でステム5と固定されている。このため、第一ヒートシンク4の、ステム5の第一面5a側に近い領域(第一領域4a)は、接合材6で固定されたステム5によって、収縮しようとする力に対して抵抗を受ける。この結果、第一ヒートシンク4の第一領域4aは、ステム5から外側に向けて引張応力(Sr1a,Sr2a)を受ける。
一方、第一ヒートシンク4は、ステム5の第二面5b側においては、接合材6でステム5と固定されていない。このため、第一ヒートシンク4の第二領域4bは、ステム5からの引張り応力を受けることなく、収縮しようとする力(Sr3a,Sr4a)が働く。
逆に、ステム5については、第一面5aに近い領域においては、第一ヒートシンク4に対して収縮しようとする力が働くため、内側に向けて引張応力(Sr1b,Sr2b)を受ける。一方、第二面5bに近い領域においては、接合材6で第一ヒートシンク4と固定されていないため、第一ヒートシンク4からの引張応力を受けることなく、収縮しようとする力(Sr3b,Sr4b)が働く。ただし、ステム5の構成材料は、第一ヒートシンク4の構成材料よりも、熱膨張係数が低いため、第一ヒートシンク4の収縮力(Sr3a,Sr4a)と比較して、ステム5の収縮力(Sr3b,Sr4b)は小さい。
つまり、第一ヒートシンク4は、ステム5の第一面5a側では外側に引っ張られる応力(Sr1a,Sr2a)が働き、ステム5の第二面5b側では内側に収縮しようとする力(Sr3a,Sr4a)が働く。この結果、第一ヒートシンク4は、ステム5の第一面5a側、すなわち+Z方向を凸とした形状に反りやすくなる。
逆に、ステム5は、第一面5a側では内側に引っ張られる応力(Sr1b,Sr2b)が働き、第二面5b側では外側に収縮しようとする力(Sr3b,Sr4b)が働く。この結果、ステム5は、第二面5b側、すなわち-Z方向を凸とした形状に反りやすくなる。
この結果、図9に模式的に示すように、-Z方向を凸とした形状に反ったステム5を、押さえ部材33を介して-Z方向に押さえることで(外力P1)、第一ヒートシンク4を第二ヒートシンク31に対して面接触させやすくなる。これにより、半導体レーザ素子2で生じた熱を、経路Th2を介して効率的に排熱できる。図9は、第一ヒートシンク4及びステム5を第二ヒートシンク31に対して固定させる方法の一例を模式的に示す図面である。ただし、説明の都合上、反りなどの形状が極めて誇張して描かれている。
押さえ部材33としては、例えばアルミニウム、アルミニウム合金、鉄合金を用いることができる。また、ステム5の反りが大きい場合には、図9に示すように、ステム5と第二ヒートシンク31との間にスペーサ35を設けるものとしても構わない。スペーサ35は、例えば銅、銅合金、アルミニウム、アルミニウム合金、鉄合金を用いることができる。
更に、図4を参照して上述したように、本実施形態の半導体レーザ光源装置1では、半導体レーザ素子2は、第一ヒートシンク4の面上のうち、ステム5の第一部分51に近い側に配置される。Y方向に係る長さの長い第一部分51は、第一部分51よりもY方向に係る長さの短い第二部分52と比べて、冷却時に生じる引張応力が大きくなる。すなわち、図8において、応力Sr1aは、応力Sr2aよりも大きい。この結果、冷却工程の後、第一ヒートシンク4は、第一部分51に近い側がより-Z方向に変位する(上述したZ方向への反り量が大きくなる)。よって、かかる領域の近くに半導体レーザ素子2が配置されることで、第二ヒートシンク31との間の距離が近くなり、熱源となる半導体レーザ素子2が配置された側が確実に第二ヒートシンク31と接触するため、高い排熱効果が実現される。
なお、上記実施形態において、X方向に関して、第二貫通孔22が、半導体レーザ素子2と同一の座標位置に配置されている構造を例に挙げて説明した。すなわち、第二貫通孔22に貫通して配置されている給電ピン7が、半導体レーザ素子2と同一の座標位置に配置されている構造を例に挙げて説明した。しかし、図10Aに示すように、給電ピン7(及びこの給電ピン7が挿入される第二貫通孔22)は、必ずしもX方向に関して、半導体レーザ素子2と同一の座標位置に配置されていなくても構わない。以下の各実施形態においても共通である。
なお、複数の半導体レーザ素子2は、相互に熱のクロストークが発生しないように、一定距離以上の離間を有して配置される必要がある。一方で、半導体レーザ光源装置1において、高密度に複数の半導体レーザ素子2を配置するには、なるべく相互の離間距離を短くする必要がある。かかる観点から、X方向に離間して配置されている複数の半導体レーザ素子2同士の離間距離d0は、相互に熱のクロストークが生じない範囲内において、できるだけ短い距離として設定される(図10B参照)。
この場合において、第一ヒートシンク4上に載置されている各半導体レーザ素子2と、各半導体レーザ素子2の配置方向(X方向)と排熱方向(Z方向)とに直交する方向(ここではY方向)に係る端部位置(ここでは第一ヒートシンク4の+Y側の面4a)との間の離間距離d1は、上記X方向に係る複数の半導体レーザ素子2同士の離間距離d0よりも長くするのが好適である。より詳細には、ステム5の第二部分52側に係る第一ヒートシンク4の端部位置(面4a)と各半導体レーザ素子2とのY方向に係る離間距離d1を、X方向に係る複数の半導体レーザ素子2同士の離間距離d0よりも長くするのが好適である。かかる構成とすることで、半導体レーザ素子2から生じる熱を+Y方向に拡げつつ、第二ヒートシンク31側(-Z方向)に排熱することができる。これにより、高い排熱性が確保できる。第三実施形態においても同様である。
[第二実施形態]
本発明に係る半導体レーザ光源装置の第二実施形態につき、第一実施形態と異なる箇所を中心に説明する。
図11は、本実施形態の半導体レーザ光源装置の構造を模式的に示す斜視図であり、図1と同様に、キャップ10の一部が切断された状態で図示されている。図12は、図11からキャップ10の図示を省略した図面である。図13は、図11に示す半導体レーザ光源装置1をZ方向から見たときの模式的な平面図である。図14は、図13内のA2-A2線断面図であり、図5Bの表記方法にならって図示されたものである。
本実施形態では、第一実施形態と異なり、半導体レーザ光源装置1はミラー12を備えていない。各半導体レーザ素子2及び各サブマウント3は、第一ヒートシンク4の面のうち、ステム5の第一面5aとは非平行な面(ここではXZ平面に平行な面)上に配置されている。なお、各半導体レーザ素子2及び各サブマウント3が、X方向に整列して配置されている点においては、第一実施形態と共通である。
各半導体レーザ素子2は、Z方向にレーザ光L2を出射するように配置されている。これにより、このレーザ光L2は、キャップ10に設けられた窓部10aを介して、半導体レーザ光源装置1の外部に取り出される。
図14Aに示すように、本実施形態においても、半導体レーザ素子2は、第一ヒートシンク4の面上のうち、ステム5の第一部分51に近い側に配置される。上述したように、第一ヒートシンク4とステム5との接合工程を経た第一ヒートシンク4は、第一部分51に近い側が、より-Z方向に変位する。よって、かかる領域の近くに半導体レーザ素子2が配置されることで、第二ヒートシンク31との間の距離が近くなるため、高い排熱効果が実現される。
更に、本実施形態においても、第一ヒートシンク4は、Z方向に関して第一面5a側においてのみ接合材6によってステム5と接合されている。この結果、図14に示すように、第一ヒートシンク4は、Z方向に関して、接合材6によってステム5と固定された第一領域4aと、ステム5に対して固定されていない第二領域4bとを有する。これにより、第一実施形態の半導体レーザ光源装置1と同様に、第一ヒートシンク4を第二ヒートシンク31(図6参照)に対して面接触させやすくなり、排熱性の更なる向上が図られる。
更に、第一実施形態と同様に、ステム5の第二面5b側に露出している第一ヒートシンク4のZ方向の長さd4を、ステム5の第二面5b側に露出している給電ピン7の長さd7よりも長くするものとして構わない。かかる構成によれば、図6を参照して上述したように、給電基板15を配置するための、アルミダイキャストなどの基台を介することなく、直接第一ヒートシンク4を第二ヒートシンク31に対して接触させることができるため、排熱性が更に向上する。
更に、本実施形態においても、図14Bに示すように、第一ヒートシンク4上に載置されている各半導体レーザ素子2と、各半導体レーザ素子2の配置方向(X方向)と排熱方向(Z方向)とに直交する方向(ここではY方向)に係る端部位置(ここでは第一ヒートシンク4の+Y側の面4a)との間の離間距離d1は、上記X方向に係る複数の半導体レーザ素子2同士の離間距離d0よりも長くするのが好適である。より詳細には、ステム5の第二部分52側に係る第一ヒートシンク4の端部位置(面4a)と各半導体レーザ素子2とのY方向に係る離間距離d1を、X方向に係る複数の半導体レーザ素子2同士の離間距離d0よりも長くするのが好適である。かかる構成とすることで、半導体レーザ素子2から生じる熱を+Y方向に拡げつつ、第二ヒートシンク31側(-Z方向)に排熱することができる。これにより、高い排熱性が確保できる。第四実施形態においても同様である。
[第三実施形態]
本発明に係る半導体レーザ光源装置の第三実施形態につき、上記各実施形態と異なる箇所を中心に説明する。
図15は、本実施形態の半導体レーザ光源装置の構造を模式的に示す斜視図であり、図1と同様に、キャップ10の一部が切断された状態で図示されている。本実施形態の半導体レーザ光源装置1は、第一実施形態と比較して、給電ピン7がステム5の第二面5bからZ方向に突出する長さが、第一ヒートシンク4の突出長さより長い点のみが異なる。
図16は、図15からキャップ10及びミラー12の図示を省略した図面である。なお、本実施形態の半導体レーザ光源装置1の平面図は、図4に示す第一実施形態の半導体レーザ光源装置1の平面図と共通であるため、図示を省略する。図17は、本実施形態の半導体レーザ光源装置1において、図4内のA1-A1線で切断したときの模式的な平面図であり、図5Bの表記方法にならって図示されたものである。
本実施形態の半導体レーザ光源装置1は、給電ピン7のステム5の第二面5b側からZ方向に突出する長さが長い。このため、第一実施形態及び第二実施形態において上述したように、Z方向に関して、第一ヒートシンク4の-Z方向に係る端面とステム5の第二面5bとの間の位置に給電基板15を配置することができない。このため、半導体レーザ光源装置1は、例えば図18に示すように、給電基板15を配置するためのアルミダイキャストなどからなる基台37を設け、基台37に給電基板15を取り付けるものとすることができる。なお、基台37は、給電ピン7及び給電基板15を配置するための凹部37aが設けられているものとしても構わない。
かかる構成の場合、基台37の-Z側の面に接触するように、第二ヒートシンク31が配置される。
図17及び図18に示すように、本実施形態においても、半導体レーザ素子2は、第一ヒートシンク4の面上のうち、ステム5の第一部分51に近い側に配置される。上述したように、第一ヒートシンク4とステム5との接合工程を経た第一ヒートシンク4は、第一部分51に近い側が、より-Z方向に変位する。よって、かかる領域の近くに半導体レーザ素子2が配置されることで、基台37との間の距離が近くなるため、高い排熱効果が実現される。
また、本実施形態においても、第一ヒートシンク4は、Z方向に関して第一面5a側においてのみ接合材6によってステム5と接合されている。この結果、図17に示すように、第一ヒートシンク4は、Z方向に関して、接合材6によってステム5と固定された第一領域4aと、ステム5に対して固定されていない第二領域4bとを有する。これにより、第一ヒートシンク4を基台37に対して面接触しやすくなる。基台37は、第二ヒートシンク31よりは熱伝導率が低いため、第一実施形態の半導体レーザ光源装置1よりは排熱性が低下する。しかし、第一ヒートシンク4と基台37との接触面積が低下すると、更に排熱性が低下してしまう。すなわち、本実施形態のように、給電ピン7の突出長さが長く、基台37を備える構成である場合においても、第一ヒートシンク4のうち、ステム5の第一面5a側を接合材6によってステム5に対して固定し、ステム5の第二面5b側は接合材6を設けずにステム5に対して非固定とすることで、排熱性が高められる。
[第四実施形態]
本発明に係る半導体レーザ光源装置の第四実施形態につき、上記各実施形態と異なる箇所を中心に説明する。
図19は、本実施形態の半導体レーザ光源装置の構造を模式的に示す斜視図であり、図1と同様に、キャップ10の一部が切断された状態で図示されている。本実施形態の半導体レーザ光源装置1は、第二実施形態と比較して、給電ピン7がステム5の第二面5bからZ方向に突出する長さが、第一ヒートシンク4の突出長さより長い点のみが異なる。
図20は、図19からキャップ10の図示を省略した図面である。なお、本実施形態の半導体レーザ光源装置1の平面図は、図13に示す第二実施形態の半導体レーザ光源装置1の平面図と共通であるため、図示を省略する。図21は、本実施形態の半導体レーザ光源装置1において、図13内のA2-A2線で切断したときの模式的な平面図であり、図5Bの表記方法にならって図示されたものである。
図21に示すように、本実施形態においても、半導体レーザ素子2は、第一ヒートシンク4の面上のうち、ステム5の第一部分51に近い側に配置される。上述したように、第一ヒートシンク4とステム5との接合工程を経た第一ヒートシンク4は、第一部分51に近い側が、より-Z方向に変位する。よって、かかる領域の近くに半導体レーザ素子2が配置されることで、基台37との間の距離が近くなるため、高い排熱効果が実現される。
また、本実施形態においても、第三実施形態と同様に、給電ピン7のステム5の第二面5b側からZ方向に突出する長さが長いため、第三実施形態と同様に、給電基板15を配置するためのアルミダイキャストなどからなる基台37を設け、基台37に給電基板15を取り付けるものとすることができる。
本実施形態においても、第一ヒートシンク4は、Z方向に関して第一面5a側においてのみ接合材6によってステム5と接合されている。この結果、図21に示すように、第一ヒートシンク4は、Z方向に関して、接合材6によってステム5と固定された第一領域4aと、ステム5に対して固定されていない第二領域4bとを有する。これにより、第一ヒートシンク4を基台37に対して面接触しやすくなり、排熱性が高められる。
[検証]
以下、シミュレーションによる検証結果について説明する。
(検証1)
図22は、シミュレーションで用いられた実施例1の半導体レーザ光源装置1の構造を模式的に示す図面であり、(a)が平面図に対応し、(b)がA3-A3線断面図に対応する。
実施例1の半導体レーザ光源装置1における各寸法は以下の通りである。
・第一ヒートシンク4:X方向×Y方向×Z方向=9mm×7.1mm×1.7mm
・半導体レーザ素子2のX方向に係る離間距離=3mm
・ステム5:X方向×Y方向×Z方向=16.2mm×13.4mm×1.5mm
・半導体レーザ素子2の、ステム5の第一部分51からのY方向に係る離間距離=1.4mm
上記実施例1の半導体レーザ光源装置1を、室温(22℃)から800℃まで加熱した後、再び室温(22℃)に低下させた後の、第一ヒートシンク4及びステム5の-Z側の面(図22内の検証面SF1)のZ座標の変位をシミュレーションにより算出した。この結果を図23に示す。
図23に示すように、検証面SF1のうち、第一ヒートシンク4の面は+Z側を凸として反り、ステム5の面は-Z側を凸として反ることが分かる。なお、図23内には、便宜上「下面」と表記しているが、これは「-Z側の端面」と同義である。
また、図22によれば、第一ヒートシンク4の-Z側の端面は、Y座標の値が比較的小さい領域、すなわち、ステム5の第一部分51に近い領域の方が、より-Z側に変位していることが分かる。従って、第一部分51に近い位置に半導体レーザ素子2を設置することで、半導体レーザ素子2の設置位置の近くの第一ヒートシンク4を、より第二ヒートシンク31に対して接近させることができ、排熱性が向上する。
(検証2)
図24は、シミュレーションで用いられた比較例1の半導体レーザ光源装置の構造を模式的に示す図面であり、(a)が平面図に対応し、(b)がA4-A4線断面図に対応する。
比較例1の半導体レーザ光源装置は、半導体レーザ素子2の、ステム5の第一部分51からのY方向に係る離間距離を5.7mmとした点を除き、実施例1と共通の寸法とした。すなわち、比較例1は、各半導体レーザ素子2を、ステム5の第二部分52に近い位置に配置した点が、実施例1と異なっている。
この状態で実際に半導体レーザ素子2を同じ出力で点灯させると、実施例1では半導体レーザ素子2の近傍の温度が91.0℃であったのに対し、比較例1では半導体レーザ素子2の近傍の温度が98.8℃であった。この結果からも、半導体レーザ素子2を、ステム5の第一部分51に近い位置に配置することで、冷却性能が向上することが確認される。
[別実施形態]
以下、別実施形態につき説明する。
〈1〉上記実施形態では、第一貫通孔21内において、ステム5の第一面5a側にのみ接合材6が設けられている構成について言及した。しかし、第一実施形態及び第二実施形態のように、第一ヒートシンク4が、ステム5の第二面5bに対してZ方向に大きく突出する構成においては、当該突出している領域については、第一ヒートシンク4はステム5に対して固定されていない。このため、かかる構成においては、第一貫通孔21内においてZ方向に関して全体にわたって接合材6が設けられていても、加熱後の冷却工程において、第一ヒートシンク4及びステム5に対して、図8を参照して説明した応力と同様の応力が生じる。
つまり、かかる構成の下では、上述した実施形態と同様に、ステム5が-Z側を凸にして反るため、第一ヒートシンク4を第二ヒートシンク31に対して面接触させやすくなり、排熱性が向上する。
更に、第三実施形態及び第四実施形態の半導体レーザ光源装置1の構成においても、第一ヒートシンク4の-Z側の端面がステム5の第二面5bからZ方向に関して突出している場合には、第一貫通孔21内においてZ方向に関して全体にわたって接合材6が設けられていたとしても、当該突出している領域については第一ヒートシンク4はステム5に対して固定されていない。よって、上記と同様の理由により、ステム5が-Z側を凸にして反るため、第一ヒートシンク4を第二ヒートシンク31に対して面接触させやすくなり、排熱性が向上する。
〈2〉上記実施形態では、2つの第二貫通孔22が、第一貫通孔21に対してY方向に係る外側に設けられるものとして説明した。しかし、図25に示すように、2つの第二貫通孔22が、第一貫通孔21に対してX方向に係る外側に設けられるものとしても構わない。
〈3〉第一実施形態及び第二実施形態において、半導体レーザ光源装置1は、ステム5の第二面5b側に給電基板15を設け、第一ヒートシンク4を直接第二ヒートシンク31に接触させる構成であるものとして説明した。しかし、これらの実施形態においても、第三実施形態及び第四実施形態で説明したように、半導体レーザ光源装置1が給電基板15を設置するための基台37を備え、第一ヒートシンク4が基台37を介して第二ヒートシンク31に対して接触される構成としても構わない。
〈4〉上記実施形態では、ステム5に設けられる第二貫通孔22が2箇所であるものとして説明したが、3箇所以上に第二貫通孔22が形成されていても構わない。
〈5〉上記実施形態では、半導体レーザ素子2がX方向に一列に配置されている場合について説明したが、X方向及びY方向にマトリクス状に配置されているものとしても構わない。
1 : 半導体レーザ光源装置
2 : 半導体レーザ素子
3 : サブマウント
4 : 第一ヒートシンク
4a : 第一ヒートシンクの第一領域
4b : 第一ヒートシンクの第二領域
5 : ステム
5a : ステムの第一面
5b : ステムの第二面
6 : 接合材
7 : 給電ピン
10 : キャップ
10a : 窓部
12 : ミラー
13 : 絶縁部材
15 : 給電基板
16 : ハンダ材
18 : ワイヤ
21 : 第一貫通孔
22 : 第二貫通孔
31 : 第二ヒートシンク
33 : 押さえ部材
35 : スペーサ
37 : 基台
37a : 凹部
51 : ステムの第一部分
52 : ステムの第二部分
100 : 従来の半導体レーザ光源装置
101 : ステム
102 : ヒートシンク
103 : サブマウント
104 : 半導体レーザ素子
105 : 給電ピン
110 : キャップ
110a : 窓部
L2 : レーザ光
SF1 : 検証面

Claims (7)

  1. 第一面と、前記第一面に対して第一方向に位置する第二面と、一部領域に形成され前記第一面から前記第二面に達する第一貫通孔とを含み、第一金属材料で構成されたステムと、
    少なくとも一部分が前記第一貫通孔内に嵌合するように配置されており、前記第一金属材料よりも熱伝導率の高い第二金属材料で構成された第一ヒートシンクと、
    前記第一ヒートシンクの、前記第一貫通孔の前記第一面側に露出した領域内の面上に、前記第一方向に直交する第二方向に沿って複数配置された、サブマウントと、
    複数の前記サブマウントのそれぞれの面上に配置された、複数の半導体レーザ素子とを有し、
    前記ステムを前記第一方向から見たときに、前記第一貫通孔は前記第一方向及び前記第二方向に直交する第三方向に関して非対称な位置に形成され、
    前記ステムは、前記第三方向に関して前記第一貫通孔の外側に位置する第一部分と、前記第一部分に対して前記第一貫通孔を隔てて前記第三方向に関して反対側に位置すると共に前記第一部分よりも前記第三方向に係る長さの短い第二部分とを有し、
    複数の前記サブマウント及び複数の前記半導体レーザ素子は、前記第一ヒートシンクの面上のうち、前記第三方向に関して前記ステムの前記第一部分に近い位置に配置されており、
    前記第一ヒートシンクの、前記サブマウントが設置されている面とは反対側の面は、前記ステムの前記第二部分に近い箇所よりも、前記ステムの前記第一部分に近い箇所が、前記ステムの前記第一面から前記第二面に向かう前記第一方向に関して凸形状を呈することを特徴とする、半導体レーザ光源装置。
  2. 前記第一ヒートシンクは、前記第一方向に関して前記第二面よりも前記第一貫通孔から外側に突出していることを特徴とする、請求項1に記載の半導体レーザ光源装置。
  3. 前記ステムの前記第一部分内において、前記第一面から前記第二面に達するように形成された第二貫通孔と、
    前記第二貫通孔の内壁に沿うように配置された、中空状の絶縁部材と、
    前記絶縁部材の内側を通過して前記第二貫通孔を貫通するように配置され、複数の前記半導体レーザ素子に対して給電するための、給電ピンとを有することを特徴とする、請求項1又は2に記載の半導体レーザ光源装置。
  4. 前記ステムの前記第二部分側に係る前記第一ヒートシンクの端部位置と、複数の前記半導体レーザ素子との間の、前記第三方向に係る離間距離は、隣接する前記半導体レーザ素子の前記第二方向に係る離間距離以上であることを特徴とする、請求項1~3のいずれか1項に記載の半導体レーザ光源装置。
  5. 複数の前記サブマウントは、前記第一ヒートシンクの面のうち、前記第一面と非平行な面上に配置され、
    複数の前記半導体レーザ素子は、それぞれ前記第一方向に光を出射するように複数の前記サブマウントの面上に配置されていることを特徴とする、請求項1~4のいずれか1項に記載の半導体レーザ光源装置。
  6. 前記第一ヒートシンクの面上に配置されたミラーを有し、
    複数の前記サブマウントは、前記第一ヒートシンクの面のうち、前記第一面と平行な面上に配置され、
    複数の前記半導体レーザ素子は、それぞれ前記第一方向及び前記第二方向の双方に直交する第三方向に光を出射するように、複数の前記サブマウントの面上に配置され、
    前記ミラーは、複数の前記半導体レーザ素子から前記第三方向に向けて出射された光の進行方向を、前記第一方向に変換することを特徴とする、請求項1~4のいずれか1項に記載の半導体レーザ光源装置。
  7. 前記第一金属材料は、鉄、鉄合金からなる群より選択された1種以上の材料であり、
    前記第二金属材料は、銅、銅合金からなる群より選択された1種以上の材料であることを特徴とする、請求項1~6のいずれか1項に記載の半導体レーザ光源装置。
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