JP7342684B2 - 浸透乾燥型オフセット印刷用カラーインキ - Google Patents

浸透乾燥型オフセット印刷用カラーインキ Download PDF

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Description

本発明は、浸透乾燥型オフセット印刷用カラーインキ(以下、単に「印刷インキ」「インキ」ともいう)に関する。
浸透乾燥型オフセット印刷用インキは、インキを構成している、溶剤や植物油等が毛細管現象によって紙基材の内部に浸透し、一方で顔料や樹脂等の固形分が前記紙基材の表面に残留して画像を形成する、という乾燥及び画像形成メカニズムをとる。ヒートセット型オフセット印刷用インキの様な、加熱オーブンを用いてインキ中の溶剤成分を乾燥させる方式と区別するため、「浸透乾燥型」は「コールドセット型」とも呼ばれ、例えば新聞印刷で使用されている。
上述した浸透乾燥型オフセット印刷用インキを印刷機内に供給する方式には、壷方式、レール方式、キーレス方式等がある。近年の印刷高速化及び紙面品質の向上といった市場要求に応えるべく、上記のうち、壷方式及びレール方式の採用が増加傾向にある。
一方、インキの重要な物理的性状として流動性がある。壷方式またはレール方式を採用した場合、インキの流動性が高すぎると、壷垂れやレールスリットからの自然吐出、更には、ミスト、汚れなどが発生する原因となる。従って、浸透乾燥型オフセット印刷用インキの流動性のコントロールは、近年その重要度を増しているといえる。
従来、流動性を制御する手段として、炭酸カルシウム、カオリン、有機ベントナイト等の体質顔料の添加が行なわれてきた(特許文献1~2参照)。しかしながらこれらの材料は粉末あるいは固形状であり、インキ中に添加するとそれだけビヒクル分が減量されることになるため、インキの転移性が低下する恐れがあった。また、上記材料はいずれも乳化しやすい性質を有しているため、印刷機ローラー上で過乳化状態となり、インキ転移性が低下してしまう。加えて、上記の材料を過剰に添加するとインキのチキソトロピー性が強くなり、インキが締まりやすくなるという問題点も存在していた。
特に新聞印刷においては、インキ元ローラーとピックアップローラーとのギャップ転移を経て、版面へとインキを供給するタイプの印刷機が主流である。そのため、転移性が低下するとインキの供給が不安定となり、その結果、印刷中に印刷物の濃度が変動するトラブル(濃度変動)を引き起こしやすくなる。
濃度変動は特に画像面積が小さい箇所、いわゆる低画線部で発生しやすい傾向にある。低画線部は必要となるインキ量が少なく、印刷機のローラー上の膜厚が薄くなるため、ギャップ転移が不安定になりやすいこと、及び、インキ量が少ないため相対的に水量が多くなりローラー上で乳化が進行しやすいこと、が要因として考えられる。特に近年は、インキの使用量削減を目的として、顔料の含有量を高めた高濃度インキが主流となっており、結果としてローラー上のインキ膜厚が更に薄くなるため、より濃度変動が発生しやすい状況となっている。
加えて最近では、紙面品質向上と管理のため、自動紙面検査装置の導入が進んでおり、今までは見過ごされてきた微妙な紙面の濃度変動が検知できるようになったため、濃度変動によって損紙数及び生産性にも影響が出ることとなる。
そのため、インキ転移性の低下やインキ締まりの悪化を抑制しながら前記インキの流動性を制御し、トラブルを発生させることなく安定して使用できる、浸透乾燥型オフセット印刷用インキが要望されていた。
本出願人は以前、特許文献3にて、一次粒子径が2~50nmである粉末状シリカを添加することで、印刷中のローラー含水率上昇を抑制し濃度変動を防止する、という提案を行った。しかしながらこの方法では、併用する材料によってはインキ転移性が低くなる恐れがあり、近年の印刷高速化には対応できない可能性があった。また、併用する材料によっては、インキの保存安定性が悪くなる恐れもあるため、材料選択性の観点からも、必ずしも良好な方策とはいえなかった。
また本出願人は、高濃度のカーボンブラック、特定の酸価及び水酸基価を有するアルキッド樹脂、及び、特定の動粘度を有する石油系溶剤を含む印刷インキの提案も行っている(特許文献4参照)。前記特許文献4では、上記アルキッド樹脂と上記石油系溶剤とを用いることで、印刷濃度とインキの転移性の両立を図っている。しかしながら、特許文献4は顔料としてカーボンブラックを使用する墨インキである。一般にカーボンブラックは主として炭素原子のみからなる。それに対してカラーインキで一般に使用される有機顔料の中には、親水性の高い構造を持ったものもあり、墨インキに比べて乳化特性のコントロールが難しい。また一般に、新聞の絵柄構成上、カラーインキは墨インキよりも使用量が少なく、ローラー上の膜厚が薄くなりやすい。結果として、カラーインキは墨インキに比べて濃度変動が発生しやすい傾向にあり、上記構成をそのままカラーインキに転用しても、転移性が十分に向上するとはいえなかった。
特開2015-54877号公報 特開2017-14435号公報 特開2005-248058号公報 特開2019-70116号公報
本発明は、上記課題を解決すべくなされたものであって、その目的は、壺垂れを引き起こすことがなく、また優れたインキ転移性によって安定した紙面品質を確保でき、更にはインキ締まりが抑制された浸透乾燥型オフセット印刷用カラーインキを提供することにある。
本発明者らが鋭意研究した結果、以下に定める構成を有するロジン変性フェノール樹脂と、特定の動粘度を有する石油系溶剤とを含む浸透乾燥型オフセット印刷用カラーインキによって上記課題を解決できることを見出し、本発明を完成するに至った。
即ち、本発明は、有彩色顔料、ロジン変性フェノール樹脂、及び、石油系溶剤を含む浸透乾燥型オフセット印刷用カラーインキであって、
前記ロジン変性フェノール樹脂が、ロジン類と、フェノール樹脂とを含む樹脂原料の反応物であり、
前記ロジン変性フェノール樹脂原料の固形分全量を基準として、前記ロジン類成分を60~80質量%含み、
前記石油系溶剤が、パラフィン系溶剤またはナフテン系溶剤(A)を含み、
前記パラフィン系溶剤またはナフテン系溶剤(A)の、40℃における動粘度が120mm2/s以上1000mm2/s未満である、浸透乾燥型オフセット印刷用カラーインキに関する。

また、本発明は、前記石油系溶剤が、パラフィン系溶剤を含む、上記浸透乾燥型オフセット印刷用カラーインキに関する。
また、本発明は、前記パラフィン系溶剤またはナフテン系溶剤(A)の、アニリン点が100℃以上140℃以下である、上記浸透乾燥型オフセット印刷用カラーインキに関する。
また、本発明は、前記ロジン類成分が、α、β-不飽和カルボン酸及び/またはその酸無水物で変性した変性ロジン類を含む、上記浸透乾燥型オフセット印刷用カラーインキに関する。
また、本発明は、前記ロジン変性フェノール樹脂が、樹脂原料に更にポリオールを含み、
前記ポリオールの量が、前記ロジン類及び前記フェノール樹脂の総量を基準として、5~15質量%である、上記浸透乾燥型オフセット印刷用カラーインキに関する。
また、本発明は、上記浸透乾燥型オフセット印刷用カラーインキにより印刷された印刷物に関する。
本発明により、壺垂れを引き起こすことがなく、また優れたインキ転移性によって安定した紙面品質を確保でき、更にはインキ締まりが抑制された浸透乾燥型オフセット印刷用カラーインキを提供することができた。
背景技術でも説明したように、従来、流動性のコントロールに用いられている体質顔料は、ローラー上で過乳化を引き起こす原因となり、インキの転移性を悪化させてしまう。
また単に、使用する溶剤の粘度を調整して、インキの流動性を制御しようとした場合も、本発明の課題の全てを解決できるインキを得ることは難しい。具体的には、低粘度溶剤を使用した場合、微視的に低粘度となったインキによる壺垂れや、ローラー上での乾燥による転移性の悪化が起こる恐れがある。一方で高粘度溶剤を使用した場合、流動性と粘弾性のバランスを取ることができずにインキの転移性が悪化したり、顔料やロジン変性フェノール樹脂といった成分と均一に混ざり合わず、インキ締まりが悪化したりする可能性がある。
そこで前記課題を同時に解決すべく、本発明者らが鋭意検討した結果、特定構成のロジン変性フェノール樹脂と、40℃における動粘度が120mm2/s以上5000mm2/s未満である、ナフテン系溶剤またはパラフィン系溶剤とを組み合わせることで、壺垂れを引き起こすことがなく、またインキ転移性の向上によって安定した紙面品質が確保でき、更にはインキ締まりが抑制された浸透乾燥型オフセット印刷用カラーインキが得られることを見出した。
すなわち、本発明のインキに含まれるロジン変性フェノール樹脂は、ロジン類と、フェノール樹脂とを含む樹脂原料の反応物であり、前記ロジン変性フェノール樹脂原料の固形分全量を基準として、前記ロジン類を60~80質量%含む。また、本発明のインキに含まれる石油系溶剤は、40℃における動粘度が120mm2/s以上5000mm2/s未満であるナフテン系溶剤またはパラフィン系溶剤(A)である。ロジン類の量を上記範囲内に収めることで、詳細は不明ながら、動粘度が高く芳香環を構造(ほぼ)有さない、本発明におけるナフテン系溶剤またはパラフィン系溶剤との分子間相互作用の形成により、好適な粘弾性を有するインキとなり、インキ元ローラーとピックアップローラーとの間におけるインキ転移性が向上し、更には壺垂れも抑制できる。また、壺垂れ耐性を付与することを目的とした体質顔料の添加量を減少させることができるため、インキのチキソトロピー性が改善し、インキ締まりが抑制される。ここで、主として芳香環構造を有するアロマ系溶剤を過剰に使用してしまうと、同じく芳香環構造を多数有するロジン変性フェノール樹脂との分子間相互作用が過剰となってしまい、流動性と粘弾性のバランスが崩れ、インキ転移性が悪化する恐れがある。
以上のように、壺垂れの抑制、印刷機上でのインキ転移性、及び、インキ締まりの抑制の全てに優れたインキを得るためには、本発明のインキの構成が必須不可欠である。
続いて以下に、本発明のインキを構成する各材料について、その詳細を説明する。
[ロジン変性フェノール樹脂]
本発明では、インキ転移性を高め、壺垂れを抑制することを目的に、ロジン類とフェノール樹脂とを樹脂原料に含み、前記ロジン類の量が、原料の固形分全量を基準として60~80質量%であるロジン変性フェノール樹脂を用いる。なお前記ロジン類の量は、樹脂原料の固形分全量を基準として70~80質量%であることが好ましい。
本発明のロジン変性フェノール樹脂に使用するロジン類とは、環式ジテルペン骨格を有する一塩基酸を指し、共役二重結合を有するアビエチン酸、およびその共役化合物である、ネオアビエチン酸、パラストリン酸、レボピマル酸や、共役二重結合を有さないピマル酸、イソピマル酸、サンダラコピマル酸、及びデヒドロアビエチン酸等が挙げられる。
また、これらのロジン類を含有する天然樹脂として、ガムロジン、トール油ロジン、ウッドロジン、メルクシロジンなどの天然ロジンが使用でき、該天然ロジンから誘導される重合ロジン、天然ロジンや重合ロジンを不均化または水素添加して得られる安定化ロジンなども使用できる。
これらのロジン類は、単独で、または、2種以上を併用して使用することができる。
また、インキ転移性の更なる向上の観点から、上記ロジン類として、α、β-不飽和カルボン酸及び/またはその酸無水物で変性した変性ロジン類(以下、単に「酸変性ロジン類」とも呼ぶ)を用いるのが好ましい。酸変性ロジン類とは、上記のロジン類に、α、β-不飽和カルボン酸及び/またはその酸無水物を付加して得られる変性ロジンのことであり、例えば、マレイン酸変性ロジン、無水マレイン酸変性ロジン、フマル酸変性ロジン、イタコン酸変性ロジン、クロトン酸変性ロジン、ケイ皮酸変性ロジン、アクリル酸変性ロジン、メタクリル酸変性ロジンなどが挙げられる。
また、これらの変性を重合ロジンに施したもの(酸変性重合ロジン類)も、「酸変性ロジン類」に含まれるものとする。これらは1種を単独で用いてもよく、2種以上を混合して用いてもよい。また、酸変性ロジン類と、無変性のロジン類とを混合して使用することもできる。
酸変性ロジン類を用いる場合、変性に用いるα、β-不飽和カルボン酸及び/またはその酸無水物の量は、変性させるロジン類(天然ロジン、重合ロジン、及び、安定化ロジン)100質量%に対して、1~10質量%であることが好ましく、3~7質量%であることが特に好ましい。上記範囲内に収めることで、ナフテン系溶剤またはパラフィン系溶剤(A)に対する溶解性を好適なものにでき、また適度な量の極性基によって乳化率の極端な上昇を防ぐことで、過乳化によるトラブルも抑制できる。
一方、本発明のロジン変性フェノール樹脂を構成するフェノール樹脂は、従来既知のフェノール-アルデヒド付加縮合物が利用できる。当該フェノール-アルデヒド付加縮合物は、レゾール型であってもノボラック型であってもよいが、幅広い性状の付加縮合物が製造でき、本発明の効果の向上に加え、印刷適性などその他の特性にも優れたインキが得られることから、レゾール型であることが好ましい。
本発明において好適に使用できるレゾール型のフェノール-アルデヒド付加縮合物は、例えば、フェノール類とアルデヒド類を仕込み、揮発性有機溶剤(キシレン等)を添加したのち、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化カルシウム、水酸化リチウム、有機アミン等の公知の塩基性触媒の存在下で上記材料を縮合反応させることにより得られる。上記フェノール類としては、フェノール水酸基を持つすべての芳香族化合物が使用でき、例えば、石炭酸(フェノール)、クレゾール、p-アミルフェノール、ビスフェノールA、p-ブチルフェノール、p-オクチルフェノール、p-ノニルフェノール、p-ドデシルフェノール等が例示できる。中でも、アルキル置換基の炭素数が4~9のフェノール類が、転移性向上効果を発現しやすく好ましい。更に好ましくは、アルキル置換基の炭素数が4であるフェノール類を含む。これらのフェノール類は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を混合して用いてもよい。またアルデヒド類としては、ホルムアルデヒド(例えばパラホルムアルデヒド等)が使用できる。
本発明のロジン変性フェノール樹脂の製造方法としては、従来既知の方法を採用することができる。例えば、ロジン類とフェノール-アルデヒド付加縮合物(好ましくはレゾール型のフェノール-アルデヒド付加縮合物)とを容器中に添加し、180~280℃下で1~30時間反応させる。その後、必要に応じて、ポリオール、及び、触媒を添加し、150~300℃下で1~30時間エステル化反応させる方法;ロジン類、ポリオール、及び、必要に応じて触媒を容器中に添加し、150~300℃下で1~30時間エステル化反応させたのち、180~280℃下でフェノール-アルデヒド付加縮合物(好ましくはレゾール型フェノール-アルデヒド付加縮合物)を添加し、180~300℃下で1~20時間反応させる方法;等があげられる。
本発明で使用するロジン変性フェノール樹脂は、ロジン類及びフェノール樹脂に加えて、樹脂原料にポリオールを使用することが好ましい。そのようなロジン変性フェノール樹脂を使用することで、当該ロジン変性フェノール樹脂の重量平均分子量、粘度、溶剤及び植物油類への溶解性を好適なものにでき、乳化適性の良化及びインキ転移性の向上が実現できる。当該ポリオールとしては、例えば2価のポリオールとして、1,6-ヘキサンジオール、1,9-ノナンジオール、3-メチル-1,5-ペンタンジオール、2,2-ジエチル-1,3-プロパンジオール、2-ブチル-2-エチル-1,3-プロパンジオール、1,2-シクロヘキサンジオール、ジエチレングリコールなどが、また、3価以上のポリオールとして、グリセリン、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール、ジペンタエリスリトール、ソルビトール、イノシトール、セルロース等が使用できる。これらのポリオールは、単独または複数を、任意の量比で組み合わせて使用することが可能である。その使用量は、ロジン類成分及びフェノール樹脂成分の総量に対して、5~15質量%であることが好ましく、7~11質量%であることが特に好ましい。
また上記触媒としては、ベンゼンスルホン酸、p-トルエンスルホン酸、p-ドデシルベンゼンスルホン酸、メタンスルホン酸、エタンスルホン酸等の有機スルホン酸類;硫酸、塩酸等の鉱酸;トリフルオロメチル硫酸、トリフルオロメチル酢酸等が例示できる。更に、テトラブチルジルコネート、テトライソブチルチタネート等の金属錯体;酸化マグネシウム、水酸化マグネシウム、酢酸マグネシウム、酸化カルシウム、水酸化カルシウム、酢酸カルシウム、酸化亜鉛、酢酸亜鉛等の金属塩触媒等も使用可能である。これら触媒を添加する場合、ロジン類成分と、フェノール樹脂成分と、ポリオール(使用する場合)との総量に対して0.01~5質量%の範囲で使用される。なお、触媒使用による樹脂の着色を抑制するために、次亜リン酸、トリフェニルホスファイト、トリフェニルホスフェート、トリフェニルホスフィン等を併用してもよい。
本発明で使用できるロジン変性フェノール樹脂の重量平均分子量は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)によるポリスチレン換算値(溶媒:テトラヒドロフラン)で、5,000~40,000であることが好ましく、より好ましくは5,000~30,000である。5,000以上であるとインキの粘弾性が好適となり、壺垂れ及び印刷時の汚れ発生を抑制できる。また40,000以下であると、インキ転移性が好適となる。なお上記重量平均分子量は、JIS K 7252に基づいて測定できる。
またロジン変性フェノール樹脂の酸価は、5~35mgKOH/gであることが好ましく、より好ましくは10~30mgKOH/gである。酸価を前記範囲内とすることで、インキにしたときの乳化適性が好適となる。なお上記酸価は、JIS K 0070に基づいて測定できる。具体的には、ロジン変性フェノール樹脂1gを中和するのに要する水酸化カリウムのmg数によって測定できる。
[その他の樹脂]
本発明のインキは、ロジン変性フェノール樹脂以外の樹脂を含んでいてもよく、例えばアルキッド樹脂が使用できる。当該アルキッド樹脂としては、合成品を用いてもよいし、市販品を用いてもよいが、どちらの場合についても、インキ締まり抑制の観点から、水酸基価が10~60mgKOH/gであり、酸価が6~65mgKOH/gであるものを使用することが好ましい。なお前記水酸基価は18~40mgKOH/gであることがより好ましく、20~35mgKOH/gであることが特に好ましい。また前記酸価は8~40mgKOH/gであることがより好ましく、10~25mgKOH/gであることが特に好ましい。また、上記水酸基価はJIS K 0070に基づいて測定でき、酸価は上記ロジン変性フェノール樹脂の場合と同様にして測定できる。
[石油系溶剤]
本発明のインキは、石油系溶剤として、40℃における動粘度が120mm2/s以上5,000mm2/s未満であるパラフィン系溶剤またはナフテン系溶剤(A)を含む。なお、前記動粘度は250~1,200mm2/sであることが好ましく、500~1,000mm2/sであることがより好ましい。前記動粘度は、JIS K 2283によって測定できる。
また本発明では、上記パラフィン系溶剤またはナフテン系溶剤(A)として、アニリン点が100℃~140℃である溶剤を用いることが好ましく、115℃~125℃であることがより好ましい。100℃以上のアニリン点であれば、インキ転移性が十分なものとなり、濃度変動を引き起こすことがなくなる。なお上記アニリン点は、従来既知の方法、例えばJIS K 2256によって測定できる。
本発明では、パラフィン系溶剤またはナフテン系溶剤(A)として上記動粘度範囲に収まるパラフィン系溶剤またはナフテン系溶剤を1種以上使用する。なお、パラフィン系溶剤とナフテン系溶剤とを併用してもよい。中でも本発明では、上記に記載した効果、例えばロジン変性フェノール樹脂との分子間相互作用が好適となり、インキ転移性の向上及び壺垂れの抑制が実現できる点から、前記石油系溶剤(A)として、少なくともパラフィン系溶剤を含むことが好ましい。前記パラフィン系溶剤として、ノルマルパラフィン系溶剤、イソパラフィン系溶剤のどちらを用いてもよいし、併用してもよい。また、合成油を用いても、鉱物油等の天然由来のものを用いてもよく、両者を併用してもよい。前記石油系溶剤(A)として、好適に利用できる市販品の一例として、石油系炭化水素溶剤であるJXTGエネルギー社製スーパーオイルN150、320、460、1000、三共油化工業社製サンキョウSNH220、540、谷口石油精製社製NCL150、220、320を挙げることができる。
本発明のインキに含まれるパラフィン系溶剤またはナフテン系溶剤(A)の量は、前記インキ全量に対し、5~30質量%であることが好ましく、10~20質量%であることがより好ましい。特に、パラフィン系溶剤またはナフテン系溶剤(A)の量を15~20質量%とすることで、インキ転移性に特段に優れたインキとなる。
本発明では、石油系溶剤として、上述したパラフィン系溶剤またはナフテン系溶剤(A)に加えて、その他の石油系溶剤を使用してもよい。具体的には、上記動粘度範囲に収まらない、パラフィン系溶剤、ナフテン系溶剤、芳香族炭化水素系溶剤、及びこれらの混合溶剤が挙げられる。また特に、上記記載のように、ロジン変性フェノール樹脂との分子間相互作用が過剰とならないようにするため、芳香族炭化水素系溶剤の含有率が1質量%以下であることが好ましい。本発明において好適に用いることができる、その他の石油系溶剤として、主成分としてナフテンを含む石油系溶剤である、JXTGエネルギー社製AFソルベント5号、6号等がある。
[その他]
本発明に用いられる有彩色顔料として、従来既知の有機顔料が使用できる。例えば、アゾ系、フタロシアニン系などオフセットインキに従来用いられる顔料が相当し、銅フタロシアニン系顔料(C.I.Pigment Blue 15、15:1、15:2、15:3、15:4、15:6、C.I.Pigment Green 7、36)、モノアゾ系顔料(C.I.Pigment Red 3、4、5、23、48:1、48:2、48:3、48:4、49:1、49:2、53:1、57:1)、ジスアゾ系顔料(C.I.PigmentYellow 12、13、14、17、83)等が挙げられる。なお「有彩色」とは、黒(墨)色、灰色、白色のような無彩色を除く任意の色を表す。従って、淡色等も「有彩色」に含まれるものとする。
本発明のインキにおいて、上述した石油系溶剤に加えて、その他の溶剤を用いる場合、従来既知の溶剤を任意に用いることができる。中でも、上記ロジン変性フェノール樹脂との相溶性やインキ粘弾性、乾燥性を好適なものとし、インキ転移性の向上及びインキ締まりの抑制に有効である点から、植物油、及び、脂肪酸エステルから選ばれる少なくとも1種類を含むことが好ましい。なおこれらの材料は、単独で用いても良いし、2種類以上を併用しても良い。またその配合量は、インキ全量に対し10~40質量%であることが好ましく、15~35質量%であることが特に好ましい。
上記「植物油」とは、グリセリンと脂肪酸とのエステル化反応物であるトリグリセライド、エステル交換反応により生成されたモノグリセライド、ジグリセライドを表す。なお、前記脂肪酸は飽和脂肪酸でも不飽和脂肪酸でも良い。
植物油として代表的なものは、アサ実油、アマニ油、エノ油、オイチシカ油、オリーブ油、カカオ油、カポック油、カヤ油、カラシ油、キョウニン油、キリ油、ククイ油、クルミ油、ケシ油、ゴマ油、サフラワー油、ダイコン種油、大豆油、大風子油、ツバキ油、トウモロコシ油、ナタネ油、ニガー油、ヌカ油、パーム油、ヒマシ油、ヒマワリ油、ブドウ種子油、ヘントウ油、松種子油、綿実油、ヤシ油、落花生油、脱水ヒマシ油などが挙げられる。特に大豆油、ヤシ油、アマニ油、菜種油が好ましい。
本発明において使用される「脂肪酸エステル」としては、上記に列挙した1種類以上の植物油、例えば大豆油、綿実油、アマニ油、サフラワー油、トール油、脱水ヒマシ油、カノーラ油、菜種油等から製造される植物油エステルが挙げられる。その他の例としては、脂肪酸モノアルキルエステル化合物が挙げられる。このうちモノエステルを構成する脂肪酸としては、炭素数16~20の飽和または不飽和脂肪酸が好ましく、ステアリン酸、イソステアリン酸、ヒドロキシステアリン酸、オレイン酸、リノール酸、リノレン酸、エレオステアリン酸等が例示できる。脂肪酸モノエステルを構成するアルコール由来のアルキル基は、炭素数1~10のものが好ましく、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、t-ブチル、2-エチルヘキシル等のアルキル基が例示できる。これら脂肪酸モノエステルは、単独で、または2種以上を組み合わせて使用できる。
本発明のインキでは、本発明の効果を阻害しない範囲で体質顔料を使用してもよい。例えば、有機ベントナイト、炭酸カルシウム、硫酸バリウム、カオリンクレー、シリカ等を、適宜使用することができる。
本発明において、必要に応じて用いることができるゲル化剤としては、従来公知の材料、例えば、アルミニウムキレート化合物、金属石鹸、アルカノールアミン等がある。
本発明で使用できる助剤としては、分散剤、乾燥抑制剤、酸化防止剤、耐摩擦剤(ワックス)、裏移り防止剤、非イオン系界面活性剤、多価アルコール等の添加剤がある。
本発明のインキは、上述の通り、浸透乾燥型オフセット印刷に使用されるものである。そのため、印刷に使用する基材としては、紙基材、特に非塗工紙、微塗工紙、更紙のような、浸透乾燥を起こすものが適している。
次に、実施例に基づいて本発明を説明する。ただし、本発明の範囲は、以下の実施例に何等限定されるものではない。なお、本明細書において、「部」及び「%」は、特に断りのない限り、それぞれ「質量部」及び「質量%」を意味する。
(フェノール樹脂(レゾール型フェノール-アルデヒド付加縮合物)の合成例)
撹拌機、水分離器付き冷却器、温度計を備えた4つ口フラスコに、パラ-t-ブチルフェノール1000部、92%パラホルムアルデヒド480部、98%水酸化カルシウム3部、キシレン961部を加えて、90℃で4時間反応させた。その後、水道水240部を加え、更に98%硫酸を15部滴下した。よく撹拌したのち2相に分離するまで静置し、上相部を取り出した。得られた前記上相部は、不揮発分(固形分)60%のレゾール型フェノール樹脂のキシレン溶液であり、これをレゾール液Aとした。
(ロジン変性フェノール樹脂1~3、11~12の製造例)
撹拌機、水分離器付き冷却器、ガス導入管、温度計を備えた4つ口フラスコに、それぞれ下表1の配合量でガムロジンを仕込み、窒素を吹き込みながら180℃まで加熱し、前記ガムロジンを融解させた。次いで、前記4つ口フラスコ内の温度を200℃まで上げたのち、下表1に示した配合量のレゾール液Aを、3時間かけて滴下した。その後、前記4つ口フラスコ内の温度を260℃まで上げ、撹拌しながら、下表1の配合量のグリセリン(ポリオール)及びパラトルエンスルホン酸を添加し、260℃で12時間反応させることで、ロジン変性フェノール樹脂1~3、11~12を得た。
(ロジン変性フェノール樹脂4~10の製造例)
撹拌機、水分離器付き冷却器、ガス導入管、温度計を備えた4つ口フラスコに、それぞれ下表1の配合量でガムロジンを仕込み、窒素を吹き込みながら180℃まで加熱し、前記ガムロジンを融解させた。次いで、下表1の配合量で無水マレイン酸を添加し、180℃で更に1時間反応させた。その後、前記4つ口フラスコ内の温度を200℃まで上げたのち、下表1に示した配合量のレゾール液Aを、3時間かけて滴下した。そして、前記4つ口フラスコ内の温度を260℃まで上げ、撹拌しながら、下表1の配合量のグリセリン及びパラトルエンスルホン酸を添加し、260℃で12時間反応させることで、ロジン変性フェノール樹脂4~10を得た。
Figure 0007342684000001
なお表1には、ロジン変性フェノール樹脂1~12それぞれの、樹脂原料の固形分全量に対するロジン類成分の量、及び、前記ロジン類及びフェノール樹脂の総量に対するポリオールの量も記載した。
(ロジン変性フェノール樹脂ワニス製造例)
撹拌機、水分離器付き冷却器、温度計を備えた4つ口フラスコに、バインダー樹脂として、上記で製造したロジン変性フェノール樹脂1を45部、大豆油を44部、大豆油脂肪酸ノルマルブチルエステルを10部、アルミニウム系ゲル化剤(川研ファインケミカル社製ALCH、アルミニウム分9.8質量%)を1部、それぞれ投入した。そして、前記4つ口フラスコを190℃まで加熱し、1時間撹拌・混合して、ロジン変性フェノール樹脂ワニス1を得た。また、ロジン変性フェノール樹脂1をロジン変性フェノール樹脂2~12にそれぞれ変更した以外は、上記と同様の方法により、ロジン変性フェノール樹脂ワニス2~12を得た。
(インキの製造例)
上記で製造したロジン変性フェノール樹脂ワニス、アルキッド樹脂、C.I.Pigment Blue 15:3(トーヨーカラー社製)、石油系溶剤、及び、大豆油(植物油)を、それぞれ表2に示す配合量で混合した後、三本ロール及びミキサーを用いて混練混合することで、実施例1~24、及び比較例1~6のインキを製造した。
また、上記で製造したロジン変性フェノール樹脂ワニスと、C.I.Pigment Red 57:1(トーヨーカラー社製)とを表2に示す配合量で混合したのち、よく撹拌して水分を十分に取り除いた(フラッシング)。その後、アルキッド樹脂、石油系溶剤、及び、大豆油(植物油)を、それぞれ表3に示す配合量で混合し、更に三本ロール及びミキサーを用いて混練混合することで、実施例25~37、及び比較例7~10のインキを製造した。
更に、C.I.Pigment Red 57:1を、C.I.Pigment Yellow 12(トーヨーカラー社製)に変更し、各材料の配合量を表4に示した量とした以外は、上記実施例25~37、及び比較例7~10のインキと同様にして、実施例38~50、及び比較例11~14のインキを製造した。
Figure 0007342684000002
Figure 0007342684000003
Figure 0007342684000004
なお、表2~4中に記載した略称は、以下に示す通りである。
・石油系溶剤1:JXTGエネルギー株式会社製スーパーオイルN1000(パラフィン系、40℃における動粘度971mm2/s、アニリン点:123℃)
・石油系溶剤2:JXTGエネルギー株式会社製スーパーオイルN460(パラフィン系、40℃における動粘度523mm2/s、アニリン点:121℃)
・石油系溶剤3:JXTGエネルギー株式会社製スーパーオイルN320(パラフィン系、40℃における動粘度267mm2/s、アニリン点:120℃)
・石油系溶剤4:JXTGエネルギー株式会社製スーパーオイルN150(パラフィン系、40℃における動粘度141mm2/s、アニリン点:112℃)
・石油系溶剤5:三共油化工業株式会社製SNH540(ナフテン系、40℃における動粘度518mm2/s、アニリン点:89℃)
・石油系溶剤6:三共油化工業株式会社製SNH220(ナフテン系、40℃における動粘度218mm2/s、アニリン点:80℃)
・石油系溶剤7:JXTGエネルギー株式会社製スーパーオイルN100(パラフィン系、40℃における動粘度101mm2/s、アニリン点:105℃)
・石油系溶剤8:JXTGエネルギー株式会社製スーパーオイルN46(パラフィン系、40℃における動粘度46mm2/s、アニリン点:99℃)
・石油系溶剤9:三共油化工業株式会社製SNH46(ナフテン系、40℃における動粘度46mm2/s、アニリン点:73℃)
・石油系溶剤10:当栄ケミカル株式会社製380-S(パラフィン系、40℃における動粘度73mm2/s、アニリン点:120℃)
・AF-5号:JXTGエネルギー社製AFソルベント5号(ナフテン系、40℃における動粘度4mm2/s、アニリン点:92℃)
[実施例1~50、比較例1~14]
表2~4に示した実施例1~50、及び比較例1~14のインキを用いて、以下の評価を実施した。なお評価結果は、表2~4に併せて示した通りであった。
<壺垂れ耐性の評価方法>
インキ2.1ccを、60°に傾けた傾斜板の上にゆっくりと垂らし、10分間で流れた長さを測定した。数値が短いものほど壺垂れ耐性が優れていることを表すため、下記評価基準で2以上のものを、実用上問題ないレベルとした。

[評価基準]
4:30mm未満
3:30mm以上、60mm未満
2:60mm以上、90mm未満
1:90mm以上
<インキ締まりの評価方法>
各インキを、直径3cm、円筒状のアルミ製の缶にそれぞれ80g取り、25℃で24時間静置した。その後、質量80gの針を、インキに対して垂直に貫入させ、3cm浸入するまでにかかった時間を測定した。その時間が短いほど、インキの締まりが小さく、供給適性が高いことを表す。そのため、下記評価基準で2以上のものを、実使用上問題ないレベルとした。

[評価基準]
4:1分未満
3:1分以上、2分未満
2:2分以上、3分未満
1:3分以上
<インキ転移性の評価方法>
上記各インキについて、下記印刷条件の下で単色ベタと網点(10~100%の10%刻み)の絵柄を印刷した際、地汚れが発生しないスプレーダンプナー水量の最低値を調べ、その水量値を0とした。次いで、スプレーダンプナー水量値を20に設定し、下記印刷条件で500部印刷した。そして、50部ごとに単色ベタ部の印刷濃度を測定し、その最大値と最小値との差を求めることで、500部印刷における印刷濃度の変動幅を求め、転移性の評価を行った。前記印刷濃度の変動幅が小さい程、インキ転移性が良いことを表すため、下記評価基準で2以上のものを、実使用上問題ないレベルとした。

[評価基準]
4:0.05未満
3:0.05以上、0.10未満
2:0.10以上、0.15未満
1:0.15以上
[印刷条件]
印刷機 :2N-750型印刷機(東浜精機社製)
用 紙 :新聞用更紙(日本製紙社製)
湿し水 :NEWSKING(登録商標)ALKY(東洋インキ社製)の0.5%水道水溶液
印刷速度:12万部/時
版 :CTP版(富士フイルム社製)
[測色条件]
分光測色計 : X-Rite社製 eXact
フィルター : M0
イルミナント: D50
濃度ステータス: ISO ステータス T
濃度白色基準: 絶対値
表2~4に示したとおり、ロジン類の含有量が低いロジン変性フェノール樹脂を使用した比較例1、7、11では、インキ転移性が劣っていた。逆にロジン類成分の含有量が高いロジン変性フェノール樹脂を使用した比較例2、8、12では、インキ締まりが不良であった。また比較例3~6、9、10、13、14は、パラフィン系溶剤またはナフテン系溶剤(A)の替わりに40℃における動粘度が120mm2/s未満である石油系溶剤を使用した例であり、全ての例において壷垂れ耐性に劣ることが確認された。また上記のうち比較例4、5、10、14は、使用した石油系溶剤のアニリン点が100℃未満である例であり、壺垂れ耐性に加えインキ転移性も不十分であった。上記、比較例1~14のインキに対して、本発明のインキである実施例1~50のインキは、インキ転移性、壺垂れ耐性、インキ締まりのすべての評価項目において、実使用上問題なく使用できることが明らかとなった。

Claims (6)

  1. 有彩色顔料、ロジン変性フェノール樹脂、及び、石油系溶剤を含む浸透乾燥型オフセット印刷用カラーインキであって、
    前記ロジン変性フェノール樹脂が、ロジン類と、フェノール樹脂とを含む樹脂原料の反応物であり、
    前記ロジン変性フェノール樹脂原料の固形分全量を基準として、前記ロジン類成分を60~80質量%含み、
    前記石油系溶剤が、パラフィン系溶剤またはナフテン系溶剤(A)を含み、
    前記パラフィン系溶剤またはナフテン系溶剤(A)の、40℃における動粘度が120mm2/s以上1000mm2/s未満である、浸透乾燥型オフセット印刷用カラーインキ。
  2. 前記石油系溶剤が、パラフィン系溶剤を含む、請求項1記載の浸透乾燥型オフセット印刷用カラーインキ。
  3. 前記パラフィン系溶剤またはナフテン系溶剤(A)の、アニリン点が100℃以上140℃以下である、請求項1または2に記載の浸透乾燥型オフセット印刷用カラーインキ。
  4. 前記ロジン類成分が、α、β-不飽和カルボン酸及び/またはその酸無水物で変性した変性ロジン類を含む、請求項1~3いずれかに記載の浸透乾燥型オフセット印刷用カラーインキ。
  5. 前記ロジン変性フェノール樹脂が、樹脂原料に更にポリオールを含み、
    前記ポリオールの量が、前記ロジン類及び前記フェノール樹脂の総量を基準として、5~15質量%である、請求項1~4いずれかに記載の浸透乾燥型オフセット印刷用カラーインキ。
  6. 請求項1~5いずれかに記載の浸透乾燥型オフセット印刷用カラーインキにより印刷された印刷物。
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