JP7342246B2 - 感光性転写材料、樹脂パターンの製造方法、回路配線の製造方法及びタッチパネルの製造方法 - Google Patents
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Description
<1>仮支持体と、仮支持体上に配置された感光性樹脂層とを備え、仮支持体において、厚さ方向の中心より感光性樹脂層側の領域を第1領域とし、厚さ方向の中心より感光性樹脂層とは反対側の領域を第2領域としたとき、第1領域に含まれる異物の個数が第2領域に含まれる異物の個数よりも少ない、感光性転写材料。
<2>異物の個数は、長径2.5μm以上の異物の個数である、<1>に記載の感光性転写材料。
<3>仮支持体は、第1領域の表面から厚さ方向1μmまでの領域において、直径0.1μm以上の添加粒子の個数が10000個/mm2以下である、<1>又は<2>に記載の感光性転写材料。
<4>仮支持体は、第2領域の表面から厚さ方向1μmまでの領域において、直径0.1μm以上の添加粒子の個数が10000個/mm2以下である、<1>~<3>のいずれか1つに記載の感光性転写材料。
<5>添加粒子は、無機酸化物の粒子である、<3>又は<4>に記載の感光性転写材料。
<6>感光性樹脂層の厚さが10μm以下である、<1>~<5>のいずれか1つに記載の感光性転写材料。
<7>仮支持体と感光性樹脂層との間に、離間層をさらに備える、<1>~<6>のいずれか1つに記載の感光性転写材料。
<8><1>~<7>のいずれか1つに記載の感光性転写材料における感光性樹脂層の仮支持体と対向していない側の面と基板とを貼り合わせる工程と、貼り合わせる工程後の感光性転写材料における感光性樹脂層をパターン露光する工程と、パターン露光する工程後の感光性樹脂層を現像して樹脂パターンを形成する工程と、を含む、樹脂パターンの製造方法。
<9><1>~<7>のいずれか1つに記載の感光性転写材料における感光性樹脂層の仮支持体と対向していない側の面と基板とを貼り合わせる工程と、貼り合わせる工程後の感光性転写材料における感光性樹脂層をパターン露光する工程と、パターン露光する工程後の感光性樹脂層を現像して樹脂パターンを形成する工程と、樹脂パターンが配置されていない領域における基板をエッチング処理する工程と、を含む、回路配線の製造方法。
<10><1>~<7>のいずれか1つに記載の感光性転写材料における感光性樹脂層の仮支持体と対向していない側の面と基板とを貼り合わせる工程と、貼り合わせる工程後の感光性転写材料における感光性樹脂層をパターン露光する工程と、パターン露光する工程後の感光性樹脂層を現像して樹脂パターンを形成する工程と、樹脂パターンが配置されていない領域における基板をエッチング処理する工程と、を含む、タッチパネルの製造方法。
本明細書において、「(メタ)アクリル酸」はアクリル酸及びメタクリル酸の双方又はいずれか一方を表し、「(メタ)アクリレート」はアクリレート及びメタクリレートの双方又はいずれか一方を表し、「(メタ)アクリロイル」はアクリロイル及びメタクリロイルの双方、又は、いずれかを表す。
また、本明細書における化学構造式は、水素原子を省略した簡略構造式で記載する場合もある。
本明細書において「~」を用いて表される数値範囲は、「~」の前後に記載される数値を下限値及び上限値として含む範囲を意味する。
本明細書において、「質量%」と「重量%」とは同義であり、「質量部」と「重量部」とは同義である。
本明細書において「露光」とは、特に断らない限り、光を用いた露光のみならず、電子線及びイオンビーム等の粒子線を用いた描画も含む。また、露光に用いられる光としては、一般的に、水銀灯の輝線スペクトル、エキシマレーザに代表される遠紫外線、極紫外線
(EUV(Extreme ultraviolet lithography)光)、及び、X線等の活性光線(活性エネルギー線)が挙げられる。
G2000HxL(何れも東ソー(株)製の商品名)のカラムを使用したゲルパーミエーションクロマトグラフィ(GPC:Gel Permeation Chromatography)分析装置により、THF(テトラヒドロフラン)溶剤中の化合物を示差屈折計により検出し、標準物質としてポリスチレンを用いて換算した分子量である。
本明細書において、2以上の好ましい態様の組み合わせは、より好ましい態様である。
本明細書において、特段の断りがない限り、屈折率は、波長550nmでエリプソメーターを用いて測定した値である。
本明細書において、組成物の「固形分」とは、組成物を用いて作製する層を形成する成分を意味し、組成物が溶剤(有機溶剤、水等)を含む場合、溶剤を除いたすべての成分を意味する。また、上記層を形成する成分であれば、液体状の成分も固形分とみなす。
本明細書において、感光性転写材料が備える各層の層厚は、感光性転写材料の主面に対し垂直な方向の断面を走査型電子顕微鏡(SEM)により観察し、得られた観察画像に基づいて各層の厚さを任意の5点以上計測し、その平均値を算出することにより、測定される。
本開示に係る感光性転写材料は、仮支持体と、仮支持体上に配置された感光性樹脂層とを備え、仮支持体において、厚さ方向の中心より感光性樹脂層側の領域を第1領域とし、厚さ方向の中心より感光性樹脂層とは反対側の領域を第2領域としたとき、第1領域に含まれる異物の個数が第2領域に含まれる異物の個数よりも少ない。
感光性転写材料は、仮支持体と感光性樹脂層とが他の層を介さずに直接積層されていてもよいし、仮支持体と感光性樹脂層とが他の層を介して積層されていてもよい。また、感光性樹脂層の仮支持体に対向する面とは反対側の面に他の層が積層していてもよい。
仮支持体及び感光性樹脂層以外の他の層としては、例えば、熱可塑性樹脂層、中間層、屈折率調整層及びカバーフィルムが挙げられる。
また、各層は、単層であっても、2層以上の複層であってもよい。
(1)「仮支持体/感光性樹脂層/屈折率調整層/カバーフィルム」
(2)「仮支持体/感光性樹脂層/カバーフィルム」
(3)「仮支持体/中間層/感光性樹脂層/カバーフィルム」
(4)「仮支持体/熱可塑性樹脂層/中間層/感光性樹脂層/カバーフィルム」
なお、上記各構成において、感光性樹脂層は、ネガ型感光性樹脂層であることが好ましい。また、感光性樹脂層が着色樹脂層であることも好ましい。本開示に係る感光性転写材料は、後述するように配線保護膜用感光性転写材料として使用されてもよいし、エッチングレジスト用感光性転写材料として使用されてもよい。
配線保護膜用感光性転写材料とする場合、感光性転写材料の構成としては、例えば、上述した(1)又は(2)の構成であることが好ましい。
また、エッチングレジスト用感光性転写材料とする場合、感光性転写材料の構成としては、例えば、上述した(2)~(4)の構成であることが好ましい。
感光性転写材料のうねりの最大幅は、以下の手順により測定される値である。
まず、感光性転写材料を縦20cm×横20cmのサイズとなるように主面に垂直な方向に裁断し、試験サンプルを作製する。なお、感光性転写材料がカバーフィルムを有する場合には、カバーフィルムを剥離する。次いで、表面が平滑で且つ水平なステージ上に、上記試験サンプルを仮支持体の表面がステージに対向するように静置する。静置後、試験サンプルの中心10cm角の範囲について、試験サンプルの表面をレーザー顕微鏡(例えば、(株)キーエンス製VK-9700SP)で走査して3次元表面画像を取得し、得られた3次元表面画像で観察される最大凸高さから最低凹高さを引き算する。上記操作を10個の試験サンプルについて行い、その算術平均値を「感光性転写材料のうねり最大幅」とする。
以下において、第1実施形態の感光性転写材料について、一例を挙げて説明する。
図1に示す感光性転写材料20は、仮支持体11と、熱可塑性樹脂層13、中間層15、及び、感光性樹脂層17を含む転写層12と、カバーフィルム19とを、この順に有する。
なお、図1で示す感光性転写材料20は、カバーフィルム19を配置した形態であるが、カバーフィルム19は、配置されなくてもよい。
また、図1で示す感光性転写材料20は熱可塑性樹脂層13及び中間層15を配置した形態であるが、熱可塑性樹脂層13及び中間層15は、配置されなくてもよい。
以下において、第1実施形態の感光性転写材料を構成する各要素について説明する。
本開示に係る感光性転写材料は、仮支持体を備える。
仮支持体は、感光性樹脂層又は感光性樹脂層を含む積層体を支持し、かつ、剥離可能な支持体であることが好ましい。
仮支持体としては、例えば、基材のみからなるもの;基材と、基材の一方の面に配置されている粒子含有層と、を備える積層体;及び、基材と、基材の両面に配置されている粒子含有層と、を備える積層体が挙げられる。中でも、欠陥が低減された樹脂パターンを得る観点から、仮支持体は基材のみからなることが好ましい。
まず、仮支持体を偏光顕微鏡(製品名「BX60」に「U-POT」フィルターと「U-AN360」フィルターを挿入して簡易偏光顕微鏡としたもの、対物レンズ10倍、オリンパス社製)で観察し、偏光の乱れが発生している部分を異物として特定する。特定した異物を落射型レーザー顕微鏡(製品名「共焦点レーザー顕微鏡VL2000D」、Lasertec社製)で観察する。このとき、仮支持体内部の厚さ方向における存在位置を測定し、仮支持体の表面から厚さ方向1μmまでの領域に存在する異物を選択する。光学顕微鏡(製品名「BX60」、対物レンズ100倍、オリンパス社製)で観察し、選択した異物の中から、添加粒子を判別する。また、光学顕微鏡(製品名「BX60」、対物レンズ100倍、オリンパス社製)で添加粒子の直径を測定し、観察領域250mm2に含まれる、直径が0.1μm以上である添加粒子の個数を計測する。添加粒子の直径とは、長径と短径の平均値とする。なお、添加粒子の周辺に空隙が生じている場合、添加粒子の径、すなわち長径と短径は、添加粒子の周辺に生じる空隙の大きさも含めて計測する。
本開示に係る感光性転写材料は、感光性樹脂層を備える。感光性樹脂層を被転写体上に転写した後、露光及び現像を行うことにより、被転写体上にパターンを形成できる。
感光性樹脂層は、重合体A、重合性化合物B、及び光重合開始剤を含むことが好ましい。感光性樹脂層は、感光性樹脂層の全質量に対して、重合体Aを10質量%~90質量%、重合性化合物Bを5質量%~70質量%、光重合開始剤を0.01質量%~20質量%含むことが好ましい。以下、各成分を順に説明する。
(重合体A)
重合体Aは、アルカリ可溶性樹脂であることが好ましい。アルカリ可溶性樹脂は、アルカリ物質に溶け易い高分子を意味する。なお、本明細書において、「アルカリ可溶性」とは、22℃において炭酸ナトリウムの1質量%水溶液100gへの溶解度が0.1g以上であることを意味する。
本明細書においては、酸価の単位をmgKOH/gと記載する。酸価は、例えば、化合物中における酸基の平均含有量から算出できる。
これら(メタ)アクリル酸エステルの中でも、(メタ)アクリル酸シクロヘキシル、(メタ)アクリル酸(ノル)ボルニル、(メタ)アクリル酸イソボルニル、(メタ)アクリル酸-1-アダマンチル、(メタ)アクリル酸-2-アダマンチル、(メタ)アクリル酸フェンチル、(メタ)アクリル酸-1-メンチル又は(メタ)アクリル酸トリシクロデカンが好ましく、(メタ)アクリル酸シクロヘキシル、(メタ)アクリル酸(ノル)ボルニル、(メタ)アクリル酸イソボルニル、(メタ)アクリル酸-2-アダマンチル又は(メタ)アクリル酸トリシクロデカンがより好ましい。
感光性樹脂層は、重合性基を有する重合性化合物Bを含有する。
本明細書において「重合性化合物」とは、後述する重合開始剤の作用を受けて重合する化合物であって、上述した重合体Aとは異なる化合物を意味する。
感光性樹脂層は、一分子中に少なくとも1つの芳香環を有し、かつ、2つのエチレン性不飽和基を有する重合性化合物B1を含有することが好ましい。
重合性化合物B1以外の重合性化合物Bは、特に制限されず、公知の化合物の中から適宜選択できる。例えば、重合性化合物B1以外の重合性化合物Bとしては、一分子中に1つのエチレン性不飽和基を有する化合物(すなわち、単官能エチレン性不飽和化合物)、芳香環を有さない2官能エチレン性不飽和化合物、及び、3官能以上のエチレン性不飽和化合物が挙げられる。
15A(大成ファインケミカル社製)、UA-32P(新中村化学工業社製)、及び、UA-1100H(新中村化学工業社製)が挙げられる。
アクリレート、イソシアヌル酸トリ(メタ)アクリレート、グリセリントリ(メタ)アクリレート、並びに、これらのアルキレンオキサイド変性物が挙げられる。
感光性樹脂層は、重合体A及び重合性化合物B以外の成分を含有してもよい。
感光性樹脂層は、光重合開始剤を含有することが好ましい。
2,4,5-トリアリールイミダゾール二量体の誘導体としては、例えば、2-(o-クロロフェニル)-4,5-ジフェニルイミダゾール二量体、2-(o-クロロフェニル)-4,5-ジ(メトキシフェニル)イミダゾール二量体、2-(o-フルオロフェニル)-4,5-ジフェニルイミダゾール二量体、2-(o-メトキシフェニル)-4,5-ジフェニルイミダゾール二量体、及び、2-(p-メトキシフェニル)-4,5-ジフェニルイミダゾール二量体が挙げられる。
感光性樹脂層は、露光部及び非露光部の視認性、現像後のパターン視認性、並びに、解像性の観点から、発色時の波長範囲400nm~780nmにおける最大吸収波長が450nm以上であり、かつ、酸、塩基、又はラジカルにより最大吸収波長が変化する色素(以下、単に「色素N」ともいう。)を含有することが好ましい。色素Nを含有すると、詳細なメカニズムは不明であるが、隣接する層(例えば仮支持体及び中間層)との密着性が向上し、解像性により優れる。
染料としては、ブリリアントグリーン、エチルバイオレット、メチルグリーン、クリスタルバイオレット、ベイシックフクシン、メチルバイオレット2B、キナルジンレッド、ローズベンガル、メタニルイエロー、チモールスルホフタレイン、キシレノールブルー、メチルオレンジ、パラメチルレッド、コンゴーフレッド、ベンゾプルプリン4B、α-ナフチルレッド、ナイルブルー2B、ナイルブルーA、メチルバイオレット、マラカイトグリーン、パラフクシン、ビクトリアピュアブルー-ナフタレンスルホン酸塩、ビクトリアピュアブルーBOH(保土谷化学工業社製)、オイルブルー#603(オリヱント化学工業社製)、オイルピンク#312(オリヱント化学工業社製)、オイルレッド5B(オリヱント化学工業社製)、オイルスカーレット#308(オリヱント化学工業社製)、オイルレッドOG(オリヱント化学工業社製)、オイルレッドRR(オリヱント化学工業社製)、オイルグリーン#502(オリヱント化学工業社製)、スピロンレッドBEHスペシャル(保土谷化学工業社製)、m-クレゾールパープル、クレゾールレッド、ローダミンB、ローダミン6G、スルホローダミンB、オーラミン、4-p-ジエチルアミノフェニルイミノナフトキノン、2-カルボキシアニリノ-4-p-ジエチルアミノフェニルイミノナフトキノン、2-カルボキシステアリルアミノ-4-p-N,N-ビス(ヒドロキシエチル)アミノ-フェニルイミノナフトキノン、1-フェニル-3-メチル-4-p-ジエチルアミノフェニルイミノ-5-ピラゾロン、及び、1-β-ナフチル-4-p-ジエチルアミノフェニルイミノ-5-ピラゾロンが挙げられる。
感光性樹脂層は、得られる硬化膜の強度、及び、得られる未硬化膜の粘着性の観点から、熱架橋性化合物を含むことが好ましい。なお、本明細書においては、後述するエチレン性不飽和基を有する熱架橋性化合物は、エチレン性不飽和化合物としては扱わず、熱架橋性化合物として扱うものとする。
熱架橋性化合物としては、メチロール化合物、及びブロックイソシアネート化合物が挙げられる。中でも、得られる硬化膜の強度、及び、得られる未硬化膜の粘着性の観点から、ブロックイソシアネート化合物が好ましい。
ブロックイソシアネート化合物は、ヒドロキシ基及びカルボキシ基と反応するため、例えば、アルカリ可溶性樹脂及び/又はエチレン性不飽和化合物等が、ヒドロキシ基及びカルボキシ基の少なくとも一方を有する場合には、形成される膜の親水性が下がり、感光性樹脂層を硬化した膜を保護膜として使用する場合の機能が強化される傾向がある。
なお、ブロックイソシアネート化合物とは、「イソシアネートのイソシアネート基をブロック剤で保護(いわゆる、マスク)した構造を有する化合物」を指す。
ブロックイソシアネートの解離温度とは、「示差走査熱量計を用いて、DSC(Differential scanning calorimetry)分析にて測定した場合における、ブロックイソシアネートの脱保護反応に伴う吸熱ピークの温度」を意味する。
示差走査熱量計としては、例えば、セイコーインスツルメンツ(株)製の示差走査熱量計(型式:DSC6200)を好適に使用できる。但し、示差走査熱量計は、これに限定されない。
これらの中でも、解離温度が100℃~160℃であるブロック剤としては、例えば、保存安定性の観点から、オキシム化合物を含むことが好ましい。
イソシアヌレート構造を有するブロックイソシアネート化合物は、例えば、ヘキサメチレンジイソシアネートをイソシアヌレート化して保護することにより得られる。
イソシアヌレート構造を有するブロックイソシアネート化合物の中でも、オキシム化合物をブロック剤として用いたオキシム構造を有する化合物が、オキシム構造を有さない化合物よりも解離温度を好ましい範囲にしやすく、且つ、現像残渣を少なくしやすいという観点から好ましい。
重合性基としては、特に制限はなく、公知の重合性基を用いることができ、ラジカル重合性基が好ましい。
重合性基としては、(メタ)アクリロキシ基、(メタ)アクリルアミド基、スチリル基等のエチレン性不飽和基、並びに、グリシジル基等のエポキシ基を有する基が挙げられる。
中でも、重合性基としては、エチレン性不飽和基が好ましく、(メタ)アクリロキシ基がより好ましく、アクリロキシ基がさらに好ましい。
ブロックイソシアネート化合物の市販品の例としては、カレンズ(登録商標) AOI-BM、カレンズ(登録商標) MOI-BM、カレンズ(登録商標) MOI-BP等(以上、昭和電工(株)製)、ブロック型のデュラネートシリーズ(例えば、デュラネート(登録商標) TPA-B80E、デュラネート(登録商標) WT32-B75P等、旭化成ケミカルズ(株)製)が挙げられる。
また、ブロックイソシアネート化合物として、下記の構造の化合物を用いることもできる。
感光性樹脂層が熱架橋性化合物を含む場合、熱架橋性化合物の含有量は、感光性樹脂層の全質量に対して、1質量%~50質量%が好ましく、5質量%~30質量%がより好ましい。
感光性樹脂層は、厚さ均一性の観点から、界面活性剤を含有することが好ましい。
また、フッ素系界面活性剤は、フッ素原子を含有する官能基を持つ分子構造を有し、熱を加えるとフッ素原子を含有する官能基の部分が切断されてフッ素原子が揮発するアクリル系化合物も好適に使用できる。このようなフッ素系界面活性剤としては、DIC(株)製のメガファック(商品名)DSシリーズ(化学工業日報(2016年2月22日)、日経産業新聞(2016年2月23日))、例えばメガファック(商品名)DS-21が挙げられる。
フッ素系界面活性剤としては、ブロックポリマーを用いることもできる。フッ素系界面活性剤は、フッ素原子を有する(メタ)アクリレート化合物に由来する構成単位と、アルキレンオキシ基(好ましくはエチレンオキシ基、プロピレンオキシ基)を2以上(好ましくは5以上)有する(メタ)アクリレート化合物に由来する構成単位と、を含む含フッ素高分子化合物も好ましく用いることができる。
フッ素系界面活性剤としては、エチレン性不飽和基を側鎖に有する含フッ素重合体を用いることもできる。メガファック(商品名)RS-101、RS-102、RS-718K、RS-72-K(以上、DIC(株)製)等が挙げられる。
フッ素系界面活性剤として、例えば、炭素数が7以上の直鎖状パーフルオロアルキル基を有する化合物が使用されてもよい。ただし、環境適性向上の観点から、フッ素系界面活性剤として、ペルフルオロオクタン酸(PFOA)又はペルフルオロオクタンスルホン酸(PFOS)の代替材料が使用されることが好ましい。
シリコーン系界面活性剤の具体例としては、DOWSIL(商品名)8032 ADDITIVE、トーレシリコーンDC3PA、トーレシリコーンSH7PA、トーレシリコーンDC11PA、トーレシリコーンSH21PA、トーレシリコーンSH28PA、トーレシリコーンSH29PA、トーレシリコーンSH30PA、トーレシリコーンSH8400(以上、東レ・ダウコーニング(株)製)並びに、X-22-4952、X-22-4272、X-22-6266、KF-351A、K354L、KF-355A、KF-945、KF-640、KF-642、KF-643、X-22-6191、X-22-4515、KF-6004、KP-341、KF-6001、KF-6002(以上、信越化学工業(株)製)、F-4440、TSF-4300、TSF-4445、TSF-4460、TSF-4452(以上、モメンティブ・パフォーマンス・マテリアルズ社製)、BYK307、BYK323、BYK330(以上、ビックケミー社製)等が挙げられる。
感光性樹脂層は、上記成分以外に、必要に応じて公知の添加剤を含有してもよい。
感光性樹脂層は、所定量の不純物を含んでいてもよい。不純物としては、例えば、ナトリウム、カリウム、マグネシウム、カルシウム、鉄、マンガン、銅、アルミニウム、チタン、クロム、コバルト、ニッケル、亜鉛、スズ、ハロゲン及びこれらのイオンが挙げられる。中でも、ハロゲン化物イオン、ナトリウムイオン、及び、カリウムイオンは不純物として混入し易いため、下記の含有量にすることが好ましい。
感光性樹脂層は、上述した重合体Aの各構成単位に対応する残存モノマーを含む場合がある。
残存モノマーの含有量は、パターニング性、及び、信頼性の点から、アルカリ可溶性樹脂全質量に対して、5,000質量ppm以下が好ましく、2,000質量ppm以下がより好ましく、500質量ppm以下がさらに好ましい。下限は特に制限されないが、1質量ppm以上が好ましく、10質量ppm以上がより好ましい。
重合体Aの各構成単位の残存モノマーは、パターニング性、及び、信頼性の点から、感光性樹脂層の全質量に対して、3,000質量ppm以下が好ましく、600質量ppm以下がより好ましく、100質量ppm以下がさらに好ましい。下限は特に制限されないが、0.1質量ppm以上が好ましく、1質量ppm以上がより好ましい。
残存モノマーの量は、液体クロマトグラフィー、及び、ガスクロマトグラフィー等の公知の方法で測定できる。
感光性樹脂層の厚さは、10μm以下であることが好ましく、5μm以下であることがより好ましく、3μm以下であることがさらに好ましい。感光性樹脂層の厚さが10μm以下であると、感光性樹脂層の現像性が向上し、解像性が向上する。感光性樹脂層の厚さの下限値は、例えば、0.5μmである。
感光性樹脂層の形成方法は、上記の成分を含有する層を形成可能な方法であれば特に制限されない。
感光性樹脂組成物に含有される溶剤としては、重合体A、重合性化合物B及び上記の任意成分を溶解又は分散可能であれば特に制限されず、公知の溶剤を使用できる。
感光性樹脂組成物における溶剤の含有量は、感光性樹脂組成物中の全固形分100質量部に対し、50質量部~1,900質量部が好ましく、100質量部~900質量部がより好ましい。
本開示に係る感光性転写材料は、仮支持体と感光性樹脂層との間に、熱可塑性樹脂層を備えることが好ましい。仮支持体と感光性樹脂層との間に熱可塑性樹脂層が配置されると、基板との貼り合わせ工程における基板への追従性が向上して、基板と感光性転写材料との間の気泡の混入が抑制され、隣接する層(例えば仮支持体)との密着性が向上する。
(アルカリ可溶性樹脂)
熱可塑性樹脂層は、熱可塑性樹脂として、アルカリ可溶性樹脂を含有する。
なお、本明細書において、「アルカリ可溶性」とは、22℃において炭酸ナトリウムの1質量%水溶液100gへの溶解度が0.1g以上であることを意味する。
アルカリ可溶性樹脂の含有量は、現像性及び隣接する層との密着性の観点から、熱可塑性樹脂層の全質量に対して、10質量%~99質量%が好ましく、20質量%~90質量%がより好ましく、40質量%~80質量%がさらに好ましく、50質量%~70質量%が特に好ましい。
熱可塑性樹脂層は、発色時の波長範囲400nm~780nmにおける最大吸収波長が450nm以上であり、酸、塩基、又はラジカルにより最大吸収波長が変化する色素(単に「色素B」ともいう。)を含有することが好ましい。色素Bの好ましい態様は、後述する点以外は、色素Nの好ましい態様と同様である。
熱可塑性樹脂層は、光により酸、塩基又はラジカルを発生する化合物(単に「化合物C」ともいう。)を含有してもよい。
熱可塑性樹脂層は、解像性の観点から、光酸発生剤を含有することが好ましい。
光酸発生剤としては、上述した感光性樹脂層が含有してもよい光カチオン重合開始剤が挙げられ、後述する点以外は好ましい態様も同じである。
また、光酸発生剤は、以下の構造を有する光酸発生剤も好ましい。
熱可塑性樹脂層は、光ラジカル重合開始剤を含有してもよい。
光ラジカル重合開始剤としては、上述した感光性樹脂層が含有してもよい光ラジカル重合開始剤が挙げられ、好ましい態様も同じである。
熱可塑性樹脂層は、光塩基発生剤を含有してもよい。
光塩基発生剤としては、公知の光塩基発生剤であれば特に制限されず、例えば、2-ニトロベンジルシクロヘキシルカルバメート、トリフェニルメタノール、O-カルバモイルヒドロキシルアミド、O-カルバモイルオキシム、[[(2,6-ジニトロベンジル)オキシ]カルボニル]シクロヘキシルアミン、ビス[[(2-ニトロベンジル)オキシ]カルボニル]ヘキサン1,6-ジアミン、4-(メチルチオベンゾイル)-1-メチル-1-モルホリノエタン、(4-モルホリノベンゾイル)-1-ベンジル-1-ジメチルアミノプロパン、N-(2-ニトロベンジルオキシカルボニル)ピロリジン、ヘキサアンミンコバルト(III)トリス(トリフェニルメチルボレート)、2-ベンジル-2-ジメチルアミノ-1-(4-モルホリノフェニル)-ブタノン、2,6-ジメチル-3,5-ジアセチル-4-(2-ニトロフェニル)-1,4-ジヒドロピリジン、及び、2,6-ジメチル-3,5-ジアセチル-4-(2,4-ジニトロフェニル)-1,4-ジヒドロピリジンが挙げられる。
化合物Cの含有量は、露光部及び非露光部の視認性並びに解像性の観点から、熱可塑性樹脂層の全質量に対して、0.1質量%~10質量%が好ましく、0.5質量%~5質量%がより好ましい。
熱可塑性樹脂層は、解像性、隣接する層との密着性及び現像性の観点から、可塑剤を含有することが好ましい。
熱可塑性樹脂層は、厚さ均一性の観点から、界面活性剤を含有することが好ましい。界面活性剤としては、上述した感光性樹脂層が含有してもよい界面活性剤が挙げられ、好ましい態様も同じである。
熱可塑性樹脂層は、増感剤を含有してもよい。増感剤としては、特に制限されず、上述した感光性樹脂層が含有してもよい増感剤が挙げられる。
熱可塑性樹脂層は、上記成分以外に、必要に応じて公知の添加剤を含有してもよい。また、熱可塑性樹脂層については、特開2014-85643号公報の段落0189~0193に記載されており、この公報に記載の内容は本明細書に組み込まれる。
熱可塑性樹脂層の厚さは、特に制限されないが、隣接する層との密着性の観点から、1μm以上が好ましく、2μm以上がより好ましい。熱可塑性樹脂層の厚さの上限値は特に制限されない。熱可塑性樹脂層の厚さは、現像性及び解像性の観点から、20μm以下が好ましく、10μm以下がより好ましく、5μm以下がさらに好ましい。
熱可塑性樹脂層の形成方法は、上記の成分を含有する層を形成可能な方法であれば特に制限されない。
熱可塑性樹脂組成物に含有される溶剤としては、熱可塑性樹脂層に含有される上記成分を溶解又は分散可能であれば特に制限されない。
得られた熱可塑性樹脂組成物を仮支持体の表面に塗布し、熱可塑性樹脂組成物の塗膜を乾燥させることにより、熱可塑性樹脂層が形成される。
感光性転写材料は、熱可塑性樹脂層と感光性樹脂層との間に、中間層を備えることが好ましい。中間層を配置することにより、複数層を塗布する際及び塗布後の保存の際における成分の混合を抑制できる。
なお、本明細書において「水溶性」とは、液温が22℃であるpH7.0の水100gへの溶解度が0.1g以上であることを意味する。
中間層に含有される樹脂としては、例えば、ポリビニルアルコール系樹脂、ポリビニルピロリドン系樹脂、セルロース系樹脂、アクリルアミド系樹脂、ポリエチレンオキサイド系樹脂、ゼラチン、ビニルエーテル系樹脂、ポリアミド、及び、これらの共重合体等の樹脂が挙げられる。
また、中間層に含有される樹脂は、複数層間の成分の混合を抑制する観点から、感光性樹脂層に含有される重合体A、及び、熱可塑性樹脂層に含有され熱可塑性樹脂(アルカリ可溶性樹脂)のいずれとも異なる樹脂であることが好ましい。
また、中間層は、必要に応じて界面活性剤等の添加剤を含有してもよい。
感光性転写材料は、感光性樹脂層の仮支持体に対向していない面に接するカバーフィルムを備えることが好ましい。
以下、本明細書において、感光性樹脂層の仮支持体に対向する面を「第1面」ともいい、第1面とは反対側の面を「第2面」ともいう。
3次元光学プロファイラー(New View7300、Zygo社製)を用いて、以下の条件にてカバーフィルムの表面を測定し、光学フィルムの表面プロファイルを得る。測定・解析ソフトとしては、MetroPro ver8.3.2のMicroscope Applicationを用いる。次に、上記解析ソフトにてSurface Map画面を表示し、Surface Map画面中でヒストグラムデータを得る。得られたヒストグラムデータから、算術平均粗さを算出し、カバーフィルムの表面のRa値を得る。
カバーフィルムが感光性転写材料に貼り合わされている場合は、感光性転写材料からカバーフィルムを剥離して、剥離した側の表面のRa値を測定すればよい。
カバーフィルムを感光性樹脂層等に貼り合わせる方法は特に制限されず、公知の方法が挙げられる。
カバーフィルムを感光性樹脂層に貼り合わせる装置としては、真空ラミネーター、及び、オートカットラミネーター等の公知のラミネーターが挙げられる。
ラミネーターはゴムローラー等の任意の加熱可能なローラーを備え、加圧及び加熱ができるものであることが好ましい。
コントラストエンハンスメント層については、国際公開第2018/179640号の段落0134に記載されている。また、その他の層については特開2014-85643号公報の段落0194~0196に記載されている。これらの公報の内容は本明細書に組み込まれる。
また、感光性転写材料における感光性樹脂層、中間層及び熱可塑性樹脂層の総厚さは、解像性、及び、基板との密着性の観点から、20μm以下であることが好ましく、10μm以下であることがより好ましく、8μm以下であることがさらに好ましく、2μm以上8μm以下であることが特に好ましい。
本開示に係る感光性転写材料は、
感光性樹脂層を硬化した硬化膜の120℃における破断伸びが15%以上であり、
仮支持体の感光性樹脂層側の表面の算術平均粗さRaが50nm以下であり、
カバーフィルムの感光性樹脂層側の表面の算術平均粗さRaが150nm以下であることが好ましい。
X×Y<1,500 式(R1)
ここで、上記式(R1)中、Xは、感光性樹脂層を硬化した硬化膜の120℃における破断伸びの値(%)を表し、Yは、仮支持体の感光性樹脂層側の表面の算術平均粗さRaの値(nm)を表す。
X×Yは、750以下がより好ましい。
破断伸びは、厚さ20μmの感光性樹脂層を超高圧水銀ランプにより120mJ/cm2で露光して硬化した後、高圧水銀ランプで400mJ/cm2でさらに追加露光し、145℃で30分間加熱した後の硬化膜を用い、引っ張り試験によって測定する。
Y≦Z 式(R2)
ここで、上記式(R2)中、Yは、仮支持体の感光性樹脂層側の表面の算術平均粗さRaの値(nm)を表し、Zは、カバーフィルムの感光性樹脂層側の表面の算術平均粗さRaの値(nm)を表す。
本開示に係る感光性転写材料の製造方法は、特に制限されず、公知の製造方法、例えば、公知の各層の形成方法を用いることができる。
図1は、本開示に係る感光性転写材料の一実施態様における層構成の一例を示す概略断面図である。図1に示す感光性転写材料20は、仮支持体11と、熱可塑性樹脂層13と、中間層15と、感光性樹脂層17と、カバーフィルム19とがこの順に積層された構成を有する。また、転写される層である、熱可塑性樹脂層13と、中間層15と、感光性樹脂層17とを合わせて転写層12ともいう。
熱可塑性樹脂層13の表面への中間層組成物の塗布、及び/又は、中間層組成物の塗膜を有する積層体の保存期間における、熱可塑性樹脂層13に含有される成分と中間層15に含有される成分との混合を抑制できる。また、中間層15の表面への感光性樹脂組成物の塗布、及び/又は、感光性樹脂組成物の塗膜を有する積層体の保存期間における、中間層15に含有される成分と感光性樹脂層17に含有される成分との混合を抑制できる。
着色樹脂層の用途としては、上述した以外に、例えば、液晶表示装置(LCD)、並びに、固体撮像素子〔例えば、CCD(charge-coupled device)及びCMOS(complementary metal oxide semiconductor)〕に用いられるカラーフィルタ等の着色画素又はブラックマトリクスを形成する用途に好適である。
近年の電子機器が有する液晶表示窓には、液晶表示窓を保護するために、透明なガラス基板等の裏面周縁部に黒色の枠状遮光層が形成されたカバーガラスが取り付けられている場合がある。このような遮光層を形成するために着色樹脂層が使用し得る。
着色樹脂層における顔料以外の態様については、上述した態様と同様である。
着色樹脂層に用いられる顔料としては、所望とする色相に合わせて適宜選択すればよく、黒色顔料、白色顔料、黒色及び白色以外の有彩色の顔料の中から選択できる。中でも、黒色系のパターンを形成する場合には、顔料として黒色顔料が好適に選択される。
ここで、粒径とは、電子顕微鏡で撮影した顔料粒子の写真像から顔料粒子の面積を求め、顔料粒子の面積と同面積の円を考えた場合の円の直径を指し、数平均粒径は、任意の100個の粒子について上記の粒径を求め、求められた100個の粒径を平均して得られる平均値である。
また、酸化チタンの表面は、シリカ処理、アルミナ処理、チタニア処理、ジルコニア処理、又は有機物処理が施されていてもよく、二つ以上の処理が施されてもよい。これにより、酸化チタンの触媒活性が抑制され、耐熱性及び褪光性等が改善される。
加熱後の感光性樹脂層の厚さを薄くする観点から、酸化チタンの表面への表面処理としては、アルミナ処理及びジルコニア処理の少なくとも一方が好ましく、アルミナ処理及びジルコニア処理の両方が特に好ましい。
有彩色の顔料としては、例えば、ビクトリア・ピュアーブルーBO(Color Index(以下C.I.)42595)、オーラミン(C.I.41000)、ファット・ブラックHB(C.I.26150)、モノライト・エローGT(C.I.ピグメント・エロー12)、パーマネント・エローGR(C.I.ピグメント・エロー17)、パーマネント・エローHR(C.I.ピグメント・エロー83)、パーマネント・カーミンFBB(C.I.ピグメント・レッド146)、ホスターバームレッドESB(C.I.ピグメント・バイオレット19)、パーマネント・ルビーFBH(C.I.ピグメント・レッド11)、ファステル・ピンクBスプラ(C.I.ピグメント・レッド81)、モナストラル・ファースト・ブルー(C.I.ピグメント・ブルー15)、モノライト・ファースト・ブラックB(C.I.ピグメント・ブラック1)及びカーボン、C.I.ピグメント・レッド97、C.I.ピグメント・レッド122、C.I.ピグメント・レッド149、C.I.ピグメント・レッド168、C.I.ピグメント・レッド177、C.I.ピグメント・レッド180、C.I.ピグメント・レッド192、C.I.ピグメント・レッド215、C.I.ピグメント・グリーン7、C.I.ピグメント・ブルー15:1、C.I.ピグメント・ブルー15:4、C.I.ピグメント・ブルー22、C.I.ピグメント・ブルー60、C.I.ピグメント・ブルー64、及びC.I.ピグメント・バイオレット23等が挙げられる。中でも、C.I.ピグメント・レッド177が好ましい。
分散液は、黒色顔料と顔料分散剤とをあらかじめ混合して得られる混合物を、有機溶剤(又はビヒクル)に加えて分散機で分散させることによって調製されるものでもよい。顔料分散剤は、顔料及び溶剤に応じて選択すればよく、例えば市販の分散剤を使用することができる。なお、ビヒクルとは、顔料分散液とした場合に顔料を分散させている媒質の部分を指し、液状であり、黒色顔料を分散状態で保持するバインダー成分と、バインダー成分を溶解及び希釈する溶剤成分(有機溶剤)と、を含む。
以下において、第2実施形態の感光性転写材料について、一例を挙げて説明する。
図2に示す感光性転写材料10は、仮支持体1と、感光性樹脂層3及び屈折率調整層5を含む転写層2と、カバーフィルム7とを、この順に有する。また、転写される層である、感光性樹脂層3及び屈折率調整層5を転写層2ともいう。
また、図2で示す感光性転写材料10は屈折率調整層5を配置した形態であるが、屈折率調整層5は、配置されなくてもよい。
以下において、第2実施形態の感光性転写材料を構成する各要素について説明する。
第2実施形態の感光性転写材料に用いられる仮支持体及びカバーフィルムは、第1実施形態の感光性転写材料における仮支持体及びカバーフィルムと同様であり、好ましい態様も同様である。
感光性転写材料は、感光性樹脂層を有する。
感光性樹脂層を被転写体上に転写した後、露光及び現像を行うことにより、被転写体上にパターンを形成できる。
感光性樹脂層は、重合体Cを含むことが好ましい。重合体Cは、アルカリ可溶性樹脂であることが好ましい。
アルカリ可溶性樹脂としては、例えば、(メタ)アクリル樹脂、スチレン樹脂、エポキシ樹脂、アミド樹脂、アミドエポキシ樹脂、アルキド樹脂、フェノール樹脂、エステル樹脂、ウレタン樹脂、エポキシ樹脂と(メタ)アクリル酸との反応で得られるエポキシアクリレート樹脂、及び、エポキシアクリレート樹脂と酸無水物との反応で得られる酸変性エポキシアクリレート樹脂が挙げられる。
(メタ)アクリル酸エステルとしては、例えば、(メタ)アクリル酸アルキルエステル、(メタ)アクリル酸テトラヒドロフルフリルエステル、(メタ)アクリル酸ジメチルアミノエチルエステル、(メタ)アクリル酸ジエチルアミノエチルエステル、(メタ)アクリル酸グリシジルエステル、(メタ)アクリル酸ベンジルエステル、2,2,2-トリフルオロエチル(メタ)アクリレート、及び、2,2,3,3-テトラフルオロプロピル(メタ)アクリレートが挙げられ、(メタ)アクリル酸アルキルエステルが好ましい。
(メタ)アクリルアミドとしては、例えば、ジアセトンアクリルアミド等のアクリルアミドが挙げられる。
上記構成単位を形成する重合性単量体としては、(メタ)アクリル化合物と共重合可能な(メタ)アクリル化合物以外の化合物であれば特に制限されず、例えば、スチレン、ビニルトルエン、及び、α-メチルスチレン等のα位又は芳香族環に置換基を有してもよいスチレン化合物、アクリロニトリル及びビニル-n-ブチルエーテル等のビニルアルコールエステル、マレイン酸、マレイン酸無水物、マレイン酸モノメチル、マレイン酸モノエチル、及び、マレイン酸モノイソプロピル等のマレイン酸モノエステル、フマル酸、ケイ皮酸、α-シアノケイ皮酸、イタコン酸、並びに、クロトン酸が挙げられる。
これらの重合性単量体は、1種又は2種以上を組み合わせて用いてもよい。
中でも、(メタ)アクリル樹脂は、カルボキシ基を有する構成単位を有することがより好ましく、上記の(メタ)アクリル酸に由来する構成単位を有することがさらに好ましい。
また、(メタ)アクリル樹脂としては、メタクリル酸に由来する構成単位、メタクリル酸メチルに由来する構成単位、及び、アクリル酸エチルに由来する構成単位を有するアクリル樹脂も好ましい。
解像性の観点から、メタクリル酸に由来する構成単位及びメタクリル酸アルキルエステルに由来する構成単位の合計含有量は、アクリル酸に由来する構成単位及びアクリル酸アルキルエステルに由来する構成単位の合計含有量に対して、質量比で60/40~80/20が好ましい。
なお、(メタ)アクリル樹脂の末端部は、合成に用いた重合開始剤に由来する部位により構成される。末端にエステル基を有する(メタ)アクリル樹脂は、エステル基を有するラジカルを発生する重合開始剤を用いることにより合成できる。
また、重合体Cは、例えば、加熱により架橋成分と熱架橋し、強固な膜を形成しやすいという点から、酸価60mgKOH/g以上のカルボキシ基を有する樹脂(いわゆる、カルボキシ基含有樹脂)であることがより好ましく、酸価60mgKOH/g以上のカルボキシ基を有する(メタ)アクリル樹脂(いわゆる、カルボキシ基含有(メタ)アクリル樹脂)であることがさらに好ましい。
重合体Cがカルボキシ基を有する樹脂であると、例えば、ブロックイソシアネート化合物等の熱架橋性化合物を添加して熱架橋することで、3次元架橋密度を高めることができる。また、カルボキシ基を有する樹脂のカルボキシ基が無水化され、疎水化すると、湿熱耐性が改善し得る。
中でも、スチレン化合物が好ましく、スチレンがより好ましい。
また、重合体Cは、得られる硬化膜の透湿度及び強度の観点から、下記式(S)で表される構成単位(スチレンに由来する構成単位)を有することがより好ましい。
中でも、現像残渣抑制性、得られる硬化膜の強度、及び、得られる未硬化膜の粘着性の観点から、2環以上の脂肪族炭化水素環が縮環した環が好ましく、テトラヒドロジシクロペンタジエン環(トリシクロ[5.2.1.02,6]デカン環)がより好ましい。
脂肪族炭化水素環構造を有する構成単位を形成するモノマーとしては、ジシクロペンタニル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、及び、イソボルニル(メタ)アクリレートが挙げられる。
また、重合体Cは、現像残渣抑制性、得られる硬化膜の強度、及び、得られる未硬化膜の粘着性の観点から、下記式(Cy)で表される構成単位を有することがより好ましく、上記式(S)で表される構成単位、及び、下記式(Cy)で表される構成単位を有することがより好ましい。
式(Cy)におけるRCyは、現像残渣抑制性、得られる硬化膜の強度、及び、得られる未硬化膜の粘着性の観点から、炭素数5~20の脂肪族炭化水素環構造を有する一価の基であることが好ましく、炭素数6~16の脂肪族炭化水素環構造を有する一価の基であることがより好ましく、炭素数8~14の脂肪族炭化水素環構造を有する一価の基であることがさらに好ましい。
式(Cy)のRCyにおける脂肪族炭化水素環構造は、単環構造であっても、多環構造であってもよい。
また、式(Cy)のRCyにおける脂肪族炭化水素環構造は、現像残渣抑制性、得られる硬化膜の強度、及び、得られる未硬化膜の粘着性の観点から、シクロペンタン環構造、シクロヘキサン環構造、テトラヒドロジシクロペンタジエン環構造、ノルボルナン環構造、又は、イソボロン環構造であることが好ましく、シクロヘキサン環構造、又は、テトラヒドロジシクロペンタジエン環構造であることがより好ましく、テトラヒドロジシクロペンタジエン環構造であることがさらに好ましい。
さらに、式(Cy)のRCyにおける脂肪族炭化水素環構造は、現像残渣抑制性、得られる硬化膜の強度、及び、得られる未硬化膜の粘着性の観点から、2環以上の脂肪族炭化水素環が縮環した環構造であることが好ましく、2~4環の脂肪族炭化水素環が縮環した環であることがより好ましい。
さらに、式(Cy)におけるRCyは、現像残渣抑制性、得られる硬化膜の強度、及び、得られる未硬化膜の粘着性の観点から、式(Cy)における-C(=O)O-の酸素原子と脂肪族炭化水素環構造とが直接結合する基、すなわち、脂肪族炭化水素環基であることが好ましく、シクロヘキシル基、又は、ジシクロペンタニル基であることがより好ましく、ジシクロペンタニル基であることがさらに好ましい。
0.2≦nS/(nS+nCy)≦0.8 式(SCy)
0.30≦nS/(nS+nCy)≦0.75 式(SCy-1)
0.40≦nS/(nS+nCy)≦0.70 式(SCy-2)
上記酸基としては、カルボキシ基、スルホ基、ホスホン酸基、及び、リン酸基が挙げられ、カルボキシ基が好ましい。
上記酸基を有する構成単位としては、下記に示す、(メタ)アクリル酸由来の構成単位が好ましく、メタクリル酸由来の構成単位がより好ましい。
重合体Cが酸基を有する構成単位を有する場合、酸基を有する構成単位の含有量は、現像性、及び、基板との密着性の観点から、重合体Cの全構成単位に対して、5質量%~50質量%が好ましく、5質量%~40質量%がより好ましく、10質量%~30質量%がさらに好ましい。
また、重合体Cにおける酸基を有する構成単位の含有量は、現像性、及び、基板との密着性の観点、重合体Cの全構成単位に対して、5モル%~70モル%が好ましく、10モル%~50モル%がより好ましく、20モル%~40モル%がさらに好ましい。
さらに、重合体Cにおける(メタ)アクリル酸由来の構成単位の含有量は、現像性、及び、基板との密着性の観点から、重合体Cの全構成単位に対して、5モル%~70モル%が好ましく、10モル%~50モル%がより好ましく、20モル%~40モル%がさらに好ましい。
エチレン性不飽和基としては、アリル基又は(メタ)アクリロキシ基がより好ましい。
反応性基を有する構成単位の一例としては、下記に示すものが挙げられるが、これらに限定されない。
カルボン酸無水物構造は、鎖状カルボン酸無水物構造、及び、環状カルボン酸無水物構造のいずれであってもよいが、環状カルボン酸無水物構造であることが好ましい。
環状カルボン酸無水物構造の環としては、5員環~7員環が好ましく、5員環又は6員環がより好ましく、5員環がさらに好ましい。
Z1aとしては、炭素数2~4のアルキレン基が好ましく、炭素数2又は3のアルキレン基がより好ましく、炭素数2のアルキレン基がさらに好ましい。
n1aは、0以上の整数を表す。Z1aが炭素数2~4のアルキレン基を表す場合、n1aは、0~4の整数であることが好ましく、0~2の整数であることがより好ましく、0であることがさらに好ましい。
n1aが2以上の整数を表す場合、複数存在するRA1aは、同一でも異なっていてもよい。また、複数存在するRA1aは、互いに結合して環を形成してもよいが、互いに結合して環を形成していないことが好ましい。
感光性樹脂層が重合体C1を含む場合、解像性及び現像性の観点から、重合体C1の含有量は、感光性樹脂層の全質量に対して、0.1質量%~30質量%が好ましく、0.2質量%~20質量%がより好ましく、0.5質量%~20質量%がさらに好ましく、1質量%~20質量%がさらに好ましい。
なお、重合体Cの酸価は、JIS K0070:1992に記載の方法に従って、測定される値である。
重合体Cの分散度(重量平均分子量/数平均分子量)は、現像性の観点から、1.0~6.0が好ましく、1.0~5.0がより好ましく、1.0~4.0がさらに好ましく、1.0~3.0が特に好ましい。
重合体Cの含有量は、感光性、解像性及び現像性の観点から、感光性樹脂層の全質量に対して、10質量%~90質量%が好ましく、20質量%~80質量%がより好ましく、30質量%~70質量%がさらに好ましい。
感光性樹脂層は、重合性化合物Dを含んでいてもよい。
重合性化合物Dは、重合性基を有する化合物である。重合性基としては、例えば、ラジカル重合性基、及び、カチオン重合性基が挙げられ、ラジカル重合性基が好ましい。
エチレン性不飽和基としては、(メタ)アクリロキシ基が好ましい。
なお、本明細書における重合性化合物Dは、上記重合体C以外の化合物であり、分子量5,000未満であることが好ましい。
また、第2実施形態の感光性樹脂層に用いられる重合性化合物Dの好ましい態様としては、上述した第1実施形態の感光性樹脂層に用いられる重合性化合物Bの好ましい態様が挙げられる。
Q2-R1-Q1 式(M)
式(M)中、Q1及びQ2はそれぞれ独立に、(メタ)アクリロイルオキシ基を表し、R1は鎖状構造を有する二価の連結基を表す。
また、式(M)におけるQ1及びQ2は、反応性の点から、アクリロイルオキシ基であることが好ましい。
式(M)におけるR1としては、現像残渣抑制性、防錆性、得られる硬化膜の曲げ耐性の観点から、アルキレン基、アルキレンオキシアルキレン基(-L1-O-L1-)、又は、ポリアルキレンオキシアルキレン基(-(L1-O)p-L1-)が好ましく、炭素数2~20の炭化水素基、又は、ポリアルキレンオキシアルキレン基がより好ましく、炭素数4~20のアルキレン基がさらに好ましく、炭素数6~18の直鎖アルキレン基が特に好ましい。
上記炭化水素基は、少なくとも一部に鎖状構造を有していればよく、上記鎖状構造以外の部分としては、特に制限はなく、例えば、分岐鎖状、環状、又は、炭素数1~5の直鎖状アルキレン基、アリーレン基、エーテル結合、及び、それらの組み合わせのいずれであってもよく、アルキレン基、又は、2以上のアルキレン基と1以上のアリーレン基とを組み合わせた基が好ましく、アルキレン基がより好ましく、直鎖アルキレン基がさらに好ましい。
なお、上記L1はそれぞれ独立に、アルキレン基を表し、エチレン基、プロピレン基、又は、ブチレン基が好ましく、エチレン基又は1,2-プロピレン基がより好ましい。
pは2以上の整数を表し、2~10の整数であることが好ましい。
本明細書において、「Q1とQ2の間を連結する最短の連結鎖の原子数」とは、Q1に連結するR1における原子からQ2に連結するR1における原子までを連結する最短の原子数である。
上記化合物の中でも、現像残渣抑制性、防錆性、得られる硬化膜の曲げ耐性の観点から、1,6-ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、1,9-ノナンジオールジ(メタ)アクリレート、1,10-デカンジオールジ(メタ)アクリレート、及び、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレートよりなる群から選ばれた少なくとも1種の化合物であることが好ましく、1,6-ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、1,9-ノナンジオールジ(メタ)アクリレート、及び、1,10-デカンジオールジ(メタ)アクリレートよりなる群から選ばれた少なくとも1種の化合物であることがより好ましく、1,9-ノナンジオールジ(メタ)アクリレート、及び、1,10-デカンジオールジ(メタ)アクリレートよりなる群から選ばれた少なくとも1種の化合物であることがさらに好ましい。
本明細書において、「2官能以上のエチレン性不飽和化合物」とは、一分子中にエチレン性不飽和基を2つ以上有する化合物を意味する。
エチレン性不飽和化合物におけるエチレン性不飽和基としては、(メタ)アクリロイル基が好ましい。
エチレン性不飽和化合物としては、(メタ)アクリレート化合物が好ましい。
上記化合物M以外の2官能のエチレン性不飽和化合物としては、トリシクロデカンジメタノールジ(メタ)アクリレート、及び、1,4-シクロヘキサンジオールジ(メタ)アクリレートが挙げられる。
3官能以上のエチレン性不飽和化合物としては、ジペンタエリスリトール(トリ/テトラ/ペンタ/ヘキサ)(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトール(トリ/テトラ)(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ジトリメチロールプロパンテトラ(メタ)アクリレート、イソシアヌル酸(メタ)アクリレート、及び、グリセリントリ(メタ)アクリレート骨格の(メタ)アクリレート化合物が挙げられる。
ウレタン(メタ)アクリレートとしては、ウレタンジ(メタ)アクリレートが挙げられ、例えば、プロピレンオキサイド変性ウレタンジ(メタ)アクリレート、並びに、エチレンオキサイド及びプロピレンオキサイド変性ウレタンジ(メタ)アクリレートが挙げられる。
また、ウレタン(メタ)アクリレートとしては、3官能以上のウレタン(メタ)アクリレートも挙げられる。官能基数の下限としては、6官能以上がより好ましく、8官能以上がさらに好ましい。なお、官能基数の上限としては、20官能以下が好ましい。3官能以上のウレタン(メタ)アクリレートとしては、例えば、8UX-015A(大成ファインケミカル(株)製)、UA-32P(新中村化学工業(株)製)、U-15HA(新中村化学工業(株)製)、UA-1100H(新中村化学工業(株)製)、共栄社化学(株)製のAH-600(商品名)、並びに、UA-306H、UA-306T、UA-306I、UA-510H、及びUX-5000(いずれも日本化薬(株)製)等が挙げられる。
酸基としては、リン酸基、スルホ基、及び、カルボキシ基が挙げられる。
これらの中でも、酸基としては、カルボキシ基が好ましい。
酸基を有するエチレン性不飽和化合物としては、酸基を有する3官能~4官能のエチレン性不飽和化合物〔ペンタエリスリトールトリ及びテトラアクリレート(PETA)骨格にカルボキシ基を導入したもの(酸価:80mgKOH/g~120mgKOH/g)〕、酸基を有する5官能~6官能のエチレン性不飽和化合物(ジペンタエリスリトールペンタ及びヘキサアクリレート(DPHA)骨格にカルボキシ基を導入したもの〔酸価:25mgKOH/g~70mgKOH/g)〕等が挙げられる。
これら酸基を有する3官能以上のエチレン性不飽和化合物は、必要に応じ、酸基を有する2官能のエチレン性不飽和化合物と併用してもよい。
酸基を有するエチレン性不飽和化合物が、カルボキシ基を有する2官能以上のエチレン性不飽和化合物及びそのカルボン酸無水物よりなる群から選ばれる少なくとも1種であると、現像性及び膜強度がより高まる。
カルボキシ基を有する2官能以上のエチレン性不飽和化合物は、特に制限されず、公知の化合物の中から適宜選択できる。
カルボキシ基を有する2官能以上のエチレン性不飽和化合物としては、アロニックス(登録商標)TO-2349(東亞合成(株)製)、アロニックス(登録商標)M-520(東亞合成(株)製)、アロニックス(登録商標)M-510(東亞合成(株)製)が挙げられる。
これらは単独で又は2種類以上を組み合わせて使用される。
中でも、テトラメチロールメタン構造又はトリメチロールプロパン構造を有するエチレン不飽和化合物が好ましく、テトラメチロールメタントリ(メタ)アクリレート、テトラメチロールメタンテトラ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、又は、ジ(トリメチロールプロパン)テトラアクリレートがより好ましい。
エステル結合を含むエチレン性不飽和化合物としては、分子内にエステル結合を含むものであれば特に制限されないが、硬化性及び現像性に優れる観点から、テトラメチロールメタン構造又はトリメチロールプロパン構造を有するエチレン不飽和化合物が好ましく、テトラメチロールメタントリ(メタ)アクリレート、テトラメチロールメタンテトラ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、又は、ジ(トリメチロールプロパン)テトラアクリレートがより好ましい。
信頼性付与の点からは、エチレン性不飽和化合物としては、炭素数6~20の脂肪族基を有するエチレン性不飽和化合物と、上記のテトラメチロールメタン構造又はトリメチロールプロパン構造を有するエチレン不飽和化合物と、を含むことが好ましい。
炭素数6以上の脂肪族構造を有するエチレン性不飽和化合物としては、1,9-ノナンジオールジ(メタ)アクリレート、1,10-デカンジオールジ(メタ)アクリレート、及び、トリシクロデカンジメタノールジ(メタ)アクリレートが挙げられる。
上記エチレン性不飽和化合物としては、2環以上の脂肪族炭化水素環が縮環した環構造(好ましくは、トリシクロデカン構造及びトリシクロデセン構造よりなる群から選択される構造)を有するエチレン性不飽和化合物が好ましく、2環以上の脂肪族炭化水素環が縮環した環構造を有する2官能エチレン性不飽和化合物がより好ましく、トリシクロデカンジメタノールジ(メタ)アクリレートがさらに好ましい。
上記脂肪族炭化水素環構造としては、得られる硬化膜の透湿度及び曲げ耐性、並びに、得られる未硬化膜の粘着性の観点から、シクロペンタン構造、シクロヘキサン構造、トリシクロデカン構造、トリシクロデセン構造、ノルボルナン構造、又は、イソボロン構造が好ましい。
感光性樹脂層に含まれるエチレン性不飽和化合物のうち、分子量300以下のエチレン性不飽和化合物の含有量の割合は、感光性樹脂層に含まれる全てのエチレン性不飽和化合物の含有量に対して、30質量%以下が好ましく、25質量%以下がより好ましく、20質量%以下がさらに好ましい。
2官能のエチレン性不飽和化合物と、3官能以上のエチレン性不飽和化合物の含有量の質量比は10:90~90:10が好ましく、30:70~70:30がより好ましい。
全てのエチレン性不飽和化合物の合計量に対する、2官能のエチレン性不飽和化合物の含有量は、20質量%~80質量%が好ましく、30質量%~70質量%がより好ましい。
感光性樹脂層における2官能のエチレン性不飽和化合物の含有量は、感光性樹脂層の全質量に対し、10質量%~60質量%が好ましく、15質量%~40質量%がより好ましい。
また、感光性樹脂層の好適態様の一つとして、感光性樹脂層は、基板密着性、現像残渣抑制性、及び、防錆性の点から、化合物M、及び、酸基を有するエチレン性不飽和化合物を含むことが好ましく、化合物M、脂肪族炭化水素環構造を有する2官能エチレン性不飽和化合物、及び、酸基を有するエチレン性不飽和化合物を含むことがより好ましく、化合物M、脂肪族炭化水素環構造を有する2官能エチレン性不飽和化合物、3官能以上のエチレン性不飽和化合物、及び、酸基を有するエチレン性不飽和化合物を含むことがさらに好ましく、化合物M、脂肪族炭化水素環構造を有する2官能エチレン性不飽和化合物、3官能以上のエチレン性不飽和化合物、酸基を有するエチレン性不飽和化合物、及び、ウレタン(メタ)アクリレート化合物を含むことが特に好ましい。
また、感光性樹脂層の好適態様の一つとして、感光性樹脂層は、感光性樹脂層は、基板密着性、現像残渣抑制性、及び、防錆性の点から、1,9-ノナンジオールジアクリレート、及び、カルボン酸基を有する多官能エチレン性不飽和化合物を含むことが好ましく、1,9-ノナンジオールジアクリレート、トリシクロデカンジメタノールジアクリレート、及び、カルボン酸基を有する多官能エチレン性不飽和化合物を含むことが好ましく、1,9-ノナンジオールジアクリレート、トリシクロデカンジメタノールジアクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート、及び、カルボン酸基を有するエチレン性不飽和化合物を含むことがさらに好ましく、1,9-ノナンジオールジアクリレート、トリシクロデカンジメタノールジアクリレート、カルボン酸基を有するエチレン性不飽和化合物、及び、ウレタンアクリレート化合物を含むことが特に好ましい。
上記エチレン性不飽和化合物における2官能以上のエチレン性不飽和化合物の含有量は、感光性樹脂層に含まれる全てのエチレン性不飽和化合物の総含有量に対し、60質量%~100質量%が好ましく、80質量%~100質量%がより好ましく、90質量%~100質量%がさらに好ましい。
感光性樹脂層におけるエチレン性不飽和化合物の含有量は、感光性樹脂層の全質量に対して、1質量%~70質量%が好ましく、5質量%~70質量%がより好ましく、5質量%~60質量%がさらに好ましく、5質量%~50質量%が特に好ましい。
感光性樹脂層は、重合開始剤を含む。
重合開始剤としては、光重合開始剤が好ましい。
第2実施形態の感光性樹脂層に用いられる重合開始剤の好ましい態様としては、上述した第1実施形態の感光性樹脂層に用いられる重合開始剤の好ましい態様が挙げられる。
重合開始剤は、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用することもできる。
重合開始剤の含有量は、感光性樹脂層の全質量に対して、0.1質量%以上であることが好ましく、0.5質量%以上であることがより好ましく、1.0質量%以上であることがさらに好ましい。また、その上限値としては、感光性樹脂層の全質量に対して、10質量%以下であることが好ましく、5質量%以下であることより好ましい。
感光性樹脂層は、複素環化合物を含んでいてもよい。
複素環化合物が有する複素環は、単環及び多環のいずれの複素環でもよい。
複素環化合物が有するヘテロ原子としては、窒素原子、酸素原子及び硫黄原子が挙げられる。複素環化合物は、窒素原子、酸素原子及び硫黄原子よりなる群から選ばれる少なくとも1種の原子を有することが好ましく、窒素原子を有することがより好ましい。
上記の中でも、複素環化合物としては、トリアゾール化合物、ベンゾトリアゾール化合物、テトラゾール化合物、チアジアゾール化合物、トリアジン化合物、ローダニン化合物、チアゾール化合物、ベンゾイミダゾール化合物、及び、ベンゾオキサゾール化合物よりなる群から選ばれる少なくとも1種の化合物が好ましく、トリアゾール化合物、ベンゾトリアゾール化合物、テトラゾール化合物、チアジアゾール化合物、チアゾール化合物、ベンゾチアゾール化合物、ベンゾイミダゾール化合物、及び、ベンゾオキサゾール化合物よりなる群から選ばれる少なくとも1種の化合物がより好ましい。
感光性樹脂層が複素環化合物を含む場合、複素環化合物の含有量は、感光性樹脂層の全質量に対して、0.01質量%~20.0質量%が好ましく、0.10質量%~10.0質量%がより好ましく、0.30質量%~8.0質量%がさらに好ましく、0.50質量%~5.0質量%が特に好ましい。
感光性樹脂層は、脂肪族チオール化合物を含んでいてもよい。
感光性樹脂層が脂肪族チオール化合物を含むことで、脂肪族チオール化合物がエチレン性不飽和化合物との間でエン-チオール反応することで、形成される膜の硬化収縮が抑えられ、応力が緩和される。
上記の中でも、脂肪族チオール化合物としては、形成されるパターンの密着性(特に、露光後における密着性)の点から、多官能の脂肪族チオール化合物がより好ましい。
本明細書において、「多官能の脂肪族チオール化合物」とは、チオール基(「メルカプト基」ともいう。)を分子内に2個以上有する脂肪族化合物を意味する。
感光性樹脂層が脂肪族チオール化合物を含む場合、脂肪族チオール化合物の含有量は、感光性樹脂層の全質量に対して、5質量%以上が好ましく、5質量%~50質量%がより好ましく、5質量%~30質量%がさらに好ましく、8質量%~20質量%が特に好ましい。
感光性樹脂層は、得られる硬化膜の強度、及び、得られる未硬化膜の粘着性の点から、熱架橋性化合物を含むことが好ましい。
第2実施形態の感光性樹脂層に用いられる熱架橋性化合物としては、第1実施形態の感光性樹脂層において上述した熱架橋性化合物が好適に用いられる。
熱架橋性化合物は、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用することもできる。
感光性樹脂層が熱架橋性化合物を含む場合、熱架橋性化合物の含有量は、感光性樹脂層の全質量に対して、1質量%~50質量%が好ましく、5質量%~30質量%がより好ましい。
感光性樹脂層は、界面活性剤を含んでいてもよい。
第2実施形態の感光性樹脂層に用いられる界面活性剤としては、第1実施形態の感光性樹脂層において上述した界面活性剤が好適に用いられる。
界面活性剤は、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用することもできる。
感光性樹脂層が界面活性剤を含む場合、界面活性剤の含有量は、感光性樹脂層の全質量に対して、0.01質量%~3.0質量%が好ましく、0.01質量%~1.0質量%がより好ましく、0.05質量%~0.80質量%がさらに好ましい。
感光性樹脂層は、ラジカル重合禁止剤を含んでいてもよい。
第2実施形態の感光性樹脂層に用いられるラジカル重合禁止剤としては、第1実施形態の感光性樹脂層において上述したラジカル重合禁止剤が好適に用いられる。
ラジカル重合禁止剤は、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用することもできる。
感光性樹脂層がラジカル重合禁止剤を含む場合、ラジカル重合禁止剤の含有量は、感光性樹脂層の全質量に対して、0.01質量%~3質量%が好ましく、0.05質量%~1質量%がより好ましい。含有量が0.01質量%以上の場合、感光性樹脂層の保存安定性がより優れる。一方、含有量が3質量%以下である場合、感度の維持及び染料の脱色を抑制がより優れる。
感光性樹脂層は、水素供与性化合物を含んでいてもよい。
水素供与性化合物は、光重合開始剤の活性光線に対する感度を一層向上させる、及び、酸素による重合性化合物の重合阻害を抑制する等の作用を有する。
水素供与性化合物としては、例えば、アミン類、及び、アミノ酸化合物が挙げられる。
中でも、感度、硬化速度、及び、硬化性の観点から、アミン類としては、4,4’-ビス(ジエチルアミノ)ベンゾフェノン、及び、トリス(4-ジメチルアミノフェニル)メタンよりなる群から選ばれる少なくとも1種が好ましい。
中でも、感度、硬化速度、及び、硬化性の観点から、アミノ酸化合物としては、N-フェニルグリシンが好ましい。
感光性樹脂層が水素供与性化合物を含む場合、水素供与性化合物の含有量は、重合成長速度と連鎖移動のバランスとによる硬化速度の向上の点から、感光性樹脂層の全質量に対して、0.01質量%~10.0質量%が好ましく、0.01質量%~8.0質量%がより好ましく、0.03質量%~5.0質量%がさらに好ましい。
感光性樹脂層は、所定量の不純物を含んでいてもよい。
第2実施形態の感光性樹脂層における不純物については、第1実施形態の感光性樹脂層において上述した不純物の好ましい態様と同様である。
感光性樹脂層は、上述した重合体Cの各構成単位に対応する残存モノマーを含む場合がある。
第2実施形態の感光性樹脂層における重合体Cの各構成単位に対応する残存モノマーについては、第1実施形態の感光性樹脂層において上述した重合体Aの各構成単位に対応する残存モノマーの好ましい態様と同様である。
感光性樹脂層は、既述の成分以外の成分(以下、「他の成分」ともいう。)を含んでいてもよい。他の成分としては、例えば、着色剤、酸化防止剤、及び、粒子(例えば、金属酸化物粒子)が挙げられる。また、他の成分としては、特開2000-310706号公報の段落0058~0071に記載のその他の添加剤も挙げられる。
粒子としては、金属酸化物粒子が好ましい。
金属酸化物粒子における金属には、B、Si、Ge、As、Sb、及び、Te等の半金属も含まれる。
粒子の平均一次粒子径は、例えば、硬化膜の透明性の点から、1nm~200nmが好ましく、3nm~80nmがより好ましい。
粒子の平均一次粒子径は、電子顕微鏡を用いて任意の粒子200個の粒子径を測定し、測定結果を算術平均することにより算出される。なお、粒子の形状が球形でない場合には、最も長い辺を粒子径とする。
感光性樹脂層は、粒子を含まないか、又は、感光性樹脂層が粒子を含む場合には、粒子の含有量が感光性樹脂層の全質量に対して、0質量%超35質量%以下が好ましい。また、感光性樹脂層は、粒子を含まないか、又は、粒子の含有量が感光性樹脂層の全質量に対して、0質量%超10質量%以下がより好ましい。さらに、感光性樹脂層は、粒子を含まないか、又は、粒子の含有量が感光性樹脂層の全質量に対して0質量%超5質量%以下がさらに好ましい。また、感光性樹脂層は、粒子を含まないか、又は、粒子の含有量が感光性樹脂層の全質量に対して0質量%超1質量%以下がさらに好ましく、粒子を含まないことが特に好ましい。
感光性樹脂層は、着色剤(顔料、染料等)を含んでいてもよいが、例えば、透明性の点からは、着色剤を実質的に含まないことが好ましい。
感光性樹脂層が着色剤を含む場合、着色剤の含有量は、感光性樹脂層の全質量に対して、1質量%未満が好ましく、0.1質量%未満がより好ましい。
酸化防止剤としては、例えば、1-フェニル-3-ピラゾリドン(別名:フェニドン)、1-フェニル-4,4-ジメチル-3-ピラゾリドン、及び、1-フェニル-4-メチル-4-ヒドロキシメチル-3-ピラゾリドン等の3-ピラゾリドン類;ハイドロキノン、カテコール、ピロガロール、メチルハイドロキノン、及び、クロルハイドロキノン等のポリヒドロキシベンゼン類;パラメチルアミノフェノール、パラアミノフェノール、パラヒドロキシフェニルグリシン、及び、パラフェニレンジアミンが挙げられる。
中でも、保存安定性、及び、硬化性の観点から、酸化防止剤としては、3-ピラゾリドン類が好ましく、1-フェニル-3-ピラゾリドンがより好ましい。
感光性樹脂層の厚さ(層厚)は、特に制限されないが、現像性及び解像性の観点から、30μm以下が好ましく、20μm以下がより好ましく、15μm以下がさらに好ましく、10μm以下が特に好ましく、5.0μm以下が最も好ましい。下限としては、感光性樹脂層を硬化して得られる膜の強度が優れる点で、0.60μm以上が好ましく、1.5μm以上がより好ましい。
感光性樹脂層の屈折率は、1.47~1.56が好ましく、1.49~1.54がより好ましい。
感光性樹脂層は無彩色であることが好ましい。具体的には、全反射(入射角8°、光源:D-65(2°視野))が、CIE1976(L*,a*,b*)色空間において、L*値は10~90であることが好ましく、a*値は-1.0~1.0であることが好ましく、b*値は-1.0~1.0であることが好ましい。
具体的には、全反射(入射角8°、光源:D-65(2°視野))が、CIE1976(L*,a*,b*)色空間において、パターンのL*値は10~90であることが好ましく、パターンのa*値は-1.0~1.0であることが好ましく、パターンのb*値は-1.0~1.0であることが好ましい。
感光性樹脂層を硬化して得られるパターン(感光性樹脂層の硬化膜)の層厚40μmでの透湿度は、防錆性の観点から、500g/(m2・24hr)以下であることが好ましく、300g/(m2・24hr)以下であることがより好ましく、100g/(m2・24hr)以下であることがさらに好ましい。
なお、透湿度は、感光性樹脂層を、i線によって露光量300mJ/cm2にて露光した後、145℃、30分間のポストベークを行うことにより、感光性樹脂層を硬化させた硬化膜で測定する。
感光性転写材料は、屈折率調整層を有していることが好ましい。
屈折率調整層としては、公知の屈折率調整層を適用できる。屈折率調整層に含まれる材料としては、例えば、アルカリ可溶性樹脂、エチレン性不飽和化合物、金属塩、及び、粒子が挙げられる。
屈折率調整層の屈折率を制御する方法は、特に制限されず、例えば、所定の屈折率の樹脂を単独で用いる方法、樹脂と粒子とを用いる方法、及び、金属塩と樹脂との複合体を用いる方法が挙げられる。
金属酸化物粒子の種類は特に制限はなく、公知の金属酸化物粒子が挙げられる。金属酸化物粒子における金属には、B、Si、Ge、As、Sb、及び、Te等の半金属も含まれる。
粒子の平均一次粒子径は、電子顕微鏡を用いて任意の粒子200個の粒子径を測定し、測定結果を算術平均することにより算出される。なお、粒子の形状が球形でない場合には、最も長い辺を粒子径とする。
これらの中でも、金属酸化物粒子としては、例えば、屈折率を調整しやすいという点から、酸化ジルコニウム粒子及び酸化チタン粒子よりなる群から選ばれる少なくとも1種がより好ましい。
屈折率調整層における粒子の含有量は、屈折率調整層の全質量に対し、1質量%~95質量%が好ましく、20質量%~90質量%がより好ましく、40質量%~85質量%がさらに好ましい。
金属酸化物粒子として酸化チタンを用いる場合、酸化チタン粒子の含有量は、屈折率調整層の全質量に対して、1質量%~95質量%が好ましく、20質量%~90質量%がより好ましく、40質量%~85質量%がさらに好ましい。
屈折率調整層の屈折率は、1.50以上が好ましく、1.55以上がより好ましく、1.60以上がさらに好ましく、1.65以上が特に好ましい。屈折率調整層の屈折率の上限は、2.10以下が好ましく、1.85以下がより好ましく、1.78以下が特に好ましい。
第2実施形態においても、第1実施形態で記載した、仮支持体、感光性樹脂層及びカバーフィルムの関係を満たすことが好ましい。
第2実施形態の感光性転写材料の製造方法は特に制限されず、公知の方法を使用できる。
図2に示す感光性転写材料10の製造方法としては、例えば、仮支持体1の表面に感光性樹脂組成物を塗布して塗膜を形成し、さらにこの塗膜を乾燥して感光性樹脂層3を形成する工程と、感光性樹脂層3の表面に屈折率調整層形成用組成物を塗布して塗膜を形成し、さらにこの塗膜を乾燥して屈折率調整層5を形成する工程と、を含む方法が挙げられる。
第1実施形態の感光性転写材料の製造方法としては、屈折率調整層5の仮支持体1を有する側とは反対側の面に接するようにカバーフィルム7を設ける工程を含むことにより、仮支持体1、感光性樹脂層3、屈折率調整層5、及びカバーフィルム7を備える感光性転写材料10を製造することが好ましい。
上記の製造方法により感光性転写材料10を製造した後、感光性転写材料10を巻き取ることにより、ロール形態の感光性転写材料を作製及び保管してもよい。ロール形態の感光性転写材料は、後述するロールツーロール方式での基板との貼合工程にそのままの形態で提供できる。
また、上記の感光性転写材料10の製造方法としては、仮支持体1上に感光性樹脂層3を形成し、別途、カバーフィルム7上に屈折率調整層5を形成し、感光性樹脂層3とに屈折率調整層5とを貼り合わせて形成する方法であってもよい。
屈折率調整層形成用組成物としては、上述した屈折率調整層を形成する各種成分と溶剤とを含むことが好ましい。なお、屈折率調整層形成用組成物において、組成物の全固形分に対する各成分の含有量の好適範囲は、上述した屈折率調整層の全質量に対する各成分の含有量の好適範囲と同じである。
溶剤としては、屈折率調整層に含まれる成分を溶解又は分散可能であれば特に制限されず、水及び水混和性の有機溶剤よりなる群から選択される少なくとも1種が好ましく、水又は水と水混和性の有機溶剤との混合溶剤がより好ましい。
水混和性の有機溶剤としては、例えば、炭素数1~3のアルコール、アセトン、エチレングリコール、及びグリセリンが挙げられ、炭素数1~3のアルコールが好ましく、メタノール又はエタノールがより好ましい。
溶剤は、1種単独で使用してもよく、2種以上使用してもよい。
溶剤の含有量は、組成物の全固形分100質量部に対して、50質量部~2,500質量部が好ましく、50質量部~1,900質量部がより好ましく、100質量部~900質量部がさらに好ましい。
カバーフィルムを屈折率調整層に貼り合わせる方法は、特に制限されず、公知の方法が挙げられる。
カバーフィルムを屈折率調整層に貼り合わせる装置としては、真空ラミネーター、及び、オートカットラミネーター等の公知のラミネーターが挙げられる。
ラミネーターはゴムローラー等の任意の加熱可能なローラーを備え、加圧及び加熱ができるものであることが好ましい。
樹脂パターンの製造方法は、上記の感光性転写材料を用いる樹脂パターンの製造方法であれば、特に制限されない。
樹脂パターンの製造方法は、貼り合わせ工程を含むことが好ましい。
貼り合わせ工程においては、感光性樹脂層の第2面に基板(基板の表面に導電層が設けられている場合は導電層)を接触させ、感光性転写材料と基板とを圧着させることが好ましい。上記態様であると、感光性樹脂層の第2面と基板との密着性が向上するため、露光及び現像後のパターン形成された感光性樹脂層を、エッチングする際のエッチングレジストとして好適に用いることができる。
ロールツーロール方式とは、基板として、巻き取り及び巻き出しが可能な基板を用い、樹脂パターンの製造方法又は回路配線の製造方法に含まれるいずれかの工程の前に、基板又は基板を含む構造体を巻き出す工程(「巻き出し工程」ともいう。)と、いずれかの工程の後に、基板又は基板を含む構造体を巻き取る工程(「巻き取り工程」ともいう。)と、を含み、少なくともいずれかの工程(好ましくは、全ての工程、又は加熱工程以外の全ての工程)を、基板又は基板を含む構造体を搬送しながら行う方式をいう。
本開示に係る感光性転写材料を用いる樹脂パターンの形成に用いる基板としては、公知の基板を用いることができる。基板は、導電層を有する基板であることが好ましく、基材の表面に導電層を有する基板であることがより好ましい。
基材は透明であることが好ましい。本明細書において「透明である」とは、波長400nm~700nmの光の透過率が80%以上であることを意味する。また、基材の屈折率は、1.50~1.52であることが好ましい。
樹脂パターンの製造方法は、上記貼り合わせ工程の後、感光性樹脂層をパターン露光する工程(露光工程)を含むことが好ましい。
樹脂パターンの製造方法は、上記露光工程の後、露光された感光性樹脂層を現像して樹脂パターンを形成する工程(現像工程)を含むことが好ましい。
回路配線の製造方法は、上記貼り合わせ工程と、上記露光工程と、上記現像工程とを含む製造方法により製造された樹脂パターンがこの順で積層された積層体において、樹脂パターンが配置されていない領域における基板をエッチング処理する工程(エッチング工程)を含むことが好ましい。
回路配線の製造方法においては、残存する樹脂パターンを除去する工程(除去工程)を行うことが好ましい。
回路配線の製造方法は、上述した工程以外の任意の工程(その他の工程)を含んでもよい。例えば、以下の工程が挙げられるが、これらの工程に制限されない。
感光性転写材料がカバーフィルムを備える場合、樹脂パターンの製造方法は、感光性転写材料からカバーフィルムを剥離する工程を含むことが好ましい。カバーフィルムを剥離する方法は、特に制限されず、公知の方法を適用することができる。
回路配線の製造方法は、基板が備える導電層の一部又は全ての可視光線反射率を低下させる処理を行う工程を含んでいてもよい。
回路配線の製造方法は、回路配線の表面に絶縁膜を形成する工程と、絶縁膜の表面に新たな導電層を形成する工程と、を含むことも好ましい。上記の工程により、第一の電極パターンと絶縁した第二の電極パターンを形成することができる。
回路配線の製造方法により製造される回路配線は、種々の装置に適用することができる。上記の製造方法により製造される回路配線を備えた装置としては、例えば、入力装置が挙げられ、タッチパネルが好ましく、静電容量型タッチパネルがより好ましい。また、上記入力装置は、有機EL表示装置及び液晶表示装置等の表示装置に適用できる。
タッチパネルの製造方法は、上記の感光性転写材料を用いるタッチパネルの製造方法であれば特に制限されない。
図3に示されるパターンA、及び、図4に示されるパターンBにおいて、GRは非画像部(遮光部)であり、EXは画像部(露光部)であり、DLはアライメント合わせの枠を仮想的に示したものである。タッチパネルの製造方法において、例えば、図3に示されるパターンAを有するマスクを介して上記感光性樹脂層を露光することで、EXに対応するパターンAを有する回路配線が形成されたタッチパネルを製造できる。具体的には、国際公開第2016/190405号の図1に記載の方法で作製できる。製造されたタッチパネルの一例においては、露光部EXの中央部(資格が連結したパターン部分)は透明電極(タッチパネル用電極)が形成される部分であり、露光部EXの周縁部(細線部分)は周辺取出し部の配線が形成される部分である。
タッチパネルにおける検出方法としては、抵抗膜方式、静電容量方式、超音波方式、電磁誘導方式、及び、光学方式等の公知の方式が挙げられる。中でも、静電容量方式が好ましい。
タッチパネルとしては、例えば、特開2017-120435号公報の段落0229に記載のものが挙げられる。
感光性樹脂組成物を調製するために用いた各成分は以下のとおりである。
〔重合体A〕
以下の方法に従い、重合体Aを合成した。重合体Aの合成方法において、以下の略語は以下の化合物をそれぞれ表す。
St:スチレン(富士フイルム和光純薬社製)
MAA:メタクリル酸(富士フイルム和光純薬社製)
MMA:メタクリル酸メチル(富士フイルム和光純薬社製)
V-601:2,2’-アゾビス(イソ酪酸)ジメチル(富士フイルム和光純薬社製、重合開始剤)
PGMEA:プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート
・重合性化合物B-1:NKエステルBPE-500(2,2-ビス(4-(メタクリロキシペンタエトキシ)フェニル)プロパン、新中村化学工業社製)
・重合性化合物B-2:アロニックスM-270(ポリプロピレングリコールジアクリレート、東亞合成社製)
・B-CIM(光ラジカル重合開始剤、2-(2-クロロフェニル)-4,5-ジフェニルイミダゾール二量体、Hampford社製)
・SB-PI 701
・LCV(ロイコクリスタルバイオレット、東京化成工業社製、ラジカルにより発色する色素)
・TDP-G(フェノチアジン、川口化学工業社製)
・N-フェニルグリシン(東京化成工業社製)
・CBT-1(カルボキシベンゾトリアゾール、城北化学工業社製)
・フェニドン(東京化成工業社製)
・メガファックF552(DIC社製)
・重合体A(固形分濃度30.0質量%): 50.00部
・重合性化合物B-1:36.20部
・重合性化合物B-2:5.00部
・光重合開始剤: 7.00部
・増感剤: 0.50部
・色素:0.40部
・重合禁止剤:0.30部
・連鎖移動剤:0.20部
・防錆剤:0.10部
・酸化防止剤:0.01部
・界面活性剤: 0.29部
・メチルエチルケトン(三協化学社製):100.00部
・PGMEA(昭和電工社製):50.00部
・メタノール(三菱ガス化学社製):10.00部
以下の成分を混合して中間層組成物を調製した。
・イオン交換水:38.12部
・メタノール(三菱ガス化学社製):57.17部
・クラレポバールPVA-205(ポリビニルアルコール、(株)クラレ製):3.22部
・ポリビニルピロリドンK-30(日本触媒社製):1.49部
・メガファックF-444(フッ素系ノニオン性界面活性剤、DIC社製):0.0
015部
以下の成分を混合して熱可塑性樹脂組成物を調製した。
・ベンジルメタクリレート、メタクリル酸及びアクリル酸の共重合体(固形分濃度30.0質量%、Mw30000、酸価153mgKOH/g):42.85部
・NKエステルA-DCP(トリシクロデカンジメタノールジアクリレート、新中村化学工業社製):4.63部
・8UX-015A(多官能ウレタンアクリレート化合物、大成ファインケミカル社製):2.31部
・アロニックスTO-2349(カルボキシ基を有する多官能アクリレート化合物、東亞合成社製):0.77部
・下記に示す構造の化合物(光酸発生剤、特開2013-47765号公報の段落0227に記載の方法に従って合成した化合物。):0.32部
・メチルエチルケトン(三協化学社製):39.50部
・PGMEA(昭和電工社製):9.51部
仮支持体として厚さ16μmのポリエチレンテレフタレート(PET)フィルムを準備した。PETフィルムを、厚さ方向に向かって仮想的に2つの領域に分けた。各領域に含まれる異物の個数を、以下の方法で測定した。
[実施例1]
仮支持体のA面上に、スリット状ノズルを用いて塗布幅が1.0m、かつ、乾燥後の層厚が10μmとなるように感光性樹脂組成物を塗布した。感光性樹脂組成物の塗膜を80℃で40秒間かけて乾燥し、感光性樹脂層を形成し、感光性転写材料を得た。
感光性樹脂層の厚さを表2に記載の厚さに変更したこと以外は、実施例1と同様の方法で、感光性転写材料を得た。
仮支持体のA面上に、スリット状ノズルを用いて塗布幅が1.0m、かつ、乾燥後の層厚が3μmとなるように熱可塑性樹脂組成物を塗布した。形成された熱可塑性樹脂組成物の塗膜を80℃で40秒間かけて乾燥し、熱可塑性樹脂層を形成した。形成された熱可塑性樹脂層の表面に、スリット状ノズルを用いて塗布幅が1.0m、かつ、乾燥後の層厚が1.2μmとなるように中間層組成物を塗布した。中間層組成物の塗膜を80℃で40秒間かけて乾燥し、中間層を形成した。形成された中間層の表面に、スリット状ノズルを用いて塗布幅が1.0m、かつ、乾燥後の層厚が3μmとなるように感光性樹脂組成物を塗布した。感光性樹脂組成物の塗膜を80℃で40秒間かけて乾燥し、感光性樹脂層を形成し、感光性転写材料を得た。
仮支持体のA面上ではなくB面上に感光性樹脂組成物を塗布したこと以外は、実施例1と同様の方法で、感光性転写材料を得た。
仮支持体のA面上ではなくB面上に感光性樹脂組成物を塗布したこと以外は、実施例4と同様の方法で、感光性転写材料を得た。
まず、厚さ100μmのポリエチレンテレフタレート(PET)フィルム上に、スパッタ法にて厚さ200nmの銅層を形成することにより、銅層付きPET基板を作製した。
ロール形態の感光性転写材料を巻き出した後、感光性転写材料と銅層付きPET基板とを、感光性樹脂層と銅層とが互いに接触するように貼り合わせて、積層体を得た。貼り合わせ工程は、ロール温度120℃、線圧1.0MPa、線速度0.5m/minの条件で行った。
得られた積層体の仮支持体側から、フォトマスクを介して超高圧水銀灯(露光主波長:
365nm)を照射して、感光性樹脂層を露光した。露光に使用したフォトマスクは、透過領域と遮光領域の幅の比(Duty比)が1:1であり、かつ、ライン幅(及びスペース幅)が10μmであるラインアンドスペースパターンを有していた。
露光された積層体から仮支持体を剥離した後、積層体に対して、液温25℃の1.0質量%炭酸ナトリウム水溶液を用いて30秒間のシャワー現像を行った。その後、塩化第二鉄系エッチング液(関東化学社製)で銅層を60秒間エッチングし、幅10μmの配線パターンを作製した。光学顕微鏡(製品名「BX60」、対物レンズ100倍、オリンパス社製)で1000mm2の領域を観察し、配線パターンにおける欠陥の数を計測した。線幅の1/2以上が欠損している部分を欠陥とした。評価基準は以下のとおりである。3以上は実用上問題ないレベルである。
5:欠陥が0個である。
4:欠陥が1個又は2個である。
3:欠陥が3個以上5個以下である。
2:欠陥が6個以上10個以下である
1:欠陥が11個以上である。
まず、厚さ100μmのポリエチレンテレフタレート(PET)フィルム上に、スパッタ法にて厚さ200nmの銅層を形成することにより、銅層付きPET基板を作製した。
ロール形態の感光性転写材料を巻き出した後、感光性転写材料と銅層付きPET基板とを、感光性樹脂層と銅層とが互いに接触するように貼り合わせて、積層体を得た。貼り合わせ工程は、ロール温度120℃、線圧1.0MPa、線速度0.5m/minの条件で行った。
得られた積層体の仮支持体側から、フォトマスクを介して超高圧水銀灯(露光主波長:365nm)を照射して、感光性樹脂層を露光した。露光に使用したフォトマスクは、透過領域と遮光領域の幅の比(Duty比)が1:1であり、かつ、ライン幅(及びスペース幅)が1μmから20μmまで1μmおきに段階的に変化するラインアンドスペースパターンを有していた。
なお、フォトマスクのうち、ラインアンドスペースパターンのライン幅及びスペース幅が20μmである領域を通過した照射光によって露光されて形成される樹脂パターンのライン幅が20μmとなるように、感光性樹脂層に対する露光量を調整した。
露光された積層体から仮支持体を剥離した後、積層体に対して、液温25℃の1.0質量%炭酸ナトリウム水溶液を用いて30秒間のシャワー現像を行った。この現像工程により、積層体から、未露光の感光性樹脂層を除去し、銅層の表面に上記の段階的に変化するラインアンドスペースパターンを有する樹脂パターンを作製した。中間層及び熱可塑性樹脂層を積層した例では、この現像工程により、中間層及び熱可塑性樹脂層も除去した。
5:解像度が4μm以下である。
4:解像度が5μm又は6μmである。
3:解像度が7μm又は8μmである。
2:解像度が9μm又は10μmである。
1:解像度が11μm以上である。
下記表3に記載の成分を混合して、感光性樹脂組成物A-1~A-10を調製した。
(アルカリ可溶性樹脂P-1溶液)
-重合工程-
2000mLのフラスコに、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(三和化学産業製、商品名PGM-Ac)(60g)、プロピレングリコールモノメチルエーテル(三和化学産業製、商品名PGM)(240g)を導入した。得られた液体を、撹拌速度250rpm(round per minute;以下同じ。)で撹拌しつつ90℃に昇温した。
滴下液(1)の調製として、メタクリル酸(三菱レイヨン製、商品名アクリエステルM)107.1g、メタクリル酸メチル(三菱ガス化学製、商品名MMA)(5.46g)、及び、シクロヘキシルメタクリレート(三菱ガス化学製、商品名CHMA)(231.42g)を混合し、PGM-Ac(60g)で希釈することにより、滴下液(1)を得た。
滴下液(2)の調製として、ジメチル2,2’-アゾビス(2-メチルプロピオネート)(富士フイルム和光純薬社製、商品名V-601)(9.637g)をPGM-Ac(136.56g)で溶解させることにより、滴下液(2)を得た。
滴下液(1)と滴下液(2)とを同時に3時間かけて、上述した2000mLのフラスコ(詳細には、90℃に昇温された液体が入った2000mLのフラスコ)に滴下した。
次に、滴下液(1)の容器をPGM-Ac(12g)で洗浄し、洗浄液を上記2000mLのフラスコに滴下した。次に、滴下液(2)の容器をPGM-Ac(6g)で洗浄し、洗浄液を上記2000mLのフラスコに滴下した。これらの滴下中、上記2000mLのフラスコ内の反応液を90℃に保ち、撹拌速度250rpmで撹拌した。更に、後反応として、90℃で1時間撹拌した。
後反応後の反応液に、開始剤の追加添加1回目として、V-601(2.401g)を添加した。更に、V-601の容器をPGM-Ac(6g)で洗浄し、洗浄液を反応液に導入した。その後、90℃で1時間撹拌した。
次に、開始剤の追加添加2回目として、V-601(2.401g)を反応液に添加した。更にV-601の容器をPGM-Ac(6g)で洗浄し、洗浄液を反応液に導入した。その後90℃で1時間撹拌した。
次に、開始剤の追加添加3回目として、V-601(2.401g)を反応液に添加した。更に、V-601の容器をPGM-Ac(6g)で洗浄し、洗浄液を反応液に導入した。その後90℃で3時間撹拌した。
90℃で3時間撹拌後、PGM-Ac(178.66g)を反応液へ導入した。次に、テトラエチルアンモニウムブロミド(富士フイルム和光純薬社製)(1.8g)とハイドロキノンモノメチルエーテル(富士フイルム和光純薬社製)(0.8g)とを反応液に添加した。更にそれぞれの容器をPGM-Ac(6g)で洗浄し、洗浄液を反応液へ導入した。その後、反応液の温度を100℃まで昇温させた。
次に、グリシジルメタクリレート(日油社製、商品名ブレンマーG)(76.03g)を1時間かけて反応液に滴下した。ブレンマーGの容器をPGM-Ac(6g)で洗浄し、洗浄液を反応液に導入した。この後、付加反応として、100℃で6時間撹拌した。
次に、反応液を冷却し、ゴミ取り用のメッシュフィルター(100メッシュ)でろ過し、アルカリ可溶性樹脂P-1の溶液(1158g)を得た(固形分濃度36.3質量%)。得られたアルカリ可溶性樹脂P-1の重量平均分子量は27000、数平均分子量は15000、酸価は95mgKOH/gであった。
プロピレングリコールモノメチルエーテル82.4gをフラスコに仕込み窒素気流下90℃に加熱した。この液にスチレン38.4g、ジシクロペンタニルメタクリレート30.1g、メタクリル酸34.0gをプロピレングリコールモノメチルエーテル20gに溶解させた溶液、及び、重合開始剤V-601(富士フイルム和光純薬社製)5.4gをプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート43.6gに溶解させた溶液を同時に3時間かけて滴下した。滴下終了後、1時間おきに3回V-601を0.75g添加した。その後更に3時間反応させた。その後プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート58.4g、プロピレングリコールモノメチルエーテル11.7gで希釈した。空気気流下、反応液を100℃に昇温し、テトラエチルアンモニウムブロミド0.53g、p-メトキシフェノール0.26gを添加した。これにグリシジルメタクリレート(日油社製ブレンマーGH)25.5gを20分かけて滴下した。これを100℃で7時間反応させ、アルカリ可溶性樹脂P-2の溶液を得た。得られた溶液の固形分濃度は36.5質量%であった。アルカリ可溶性樹脂P-2の重量平均分子量は17000、数平均分子量は6200、分散度は2.4、ポリマーの酸価は94.5mgKOH/gであった。ガスクロマトグラフィーを用いて測定した残存モノマー量はいずれのモノマーにおいてもポリマー固形分に対し0.1質量%未満であった。
プロピレングリコールモノメチルエーテル113.5gをフラスコに仕込み窒素気流下90℃に加熱した。この液にスチレン172g、メタクリル酸メチル4.7g、メタクリル酸112.1gをプロピレングリコールモノメチルエーテル30gに溶解させた溶液、及び、重合開始剤V-601(富士フイルム和光純薬社製)27.6gをプロピレングリコールモノメチルエーテル57.7gに溶解させた溶液を同時に3時間かけて滴下した。滴下終了後、1時間おきに3回V-601を2.5g添加した。その後更に3時間反応させた。その後プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート160.7g、プロピレングリコールモノメチルエーテル233.3gで希釈した。空気気流下、反応液を100℃に昇温し、テトラエチルアンモニウムブロミド1.8g、p-メトキシフェノール0.86gを添加した。これにグリシジルメタクリレート(日油社製ブレンマーG)71.9gを20分かけて滴下した。これを100℃で7時間反応させ、アルカリ可溶性樹脂P-3の溶液を得た。得られた溶液の固形分濃度は36.2質量%であった。アルカリ可溶性樹脂P-3の重量平均分子量は18000、数平均分子量は7800、分散度は2.3、ポリマーの酸価は124mgKOH/gであった。ガスクロマトグラフィーを用いて測定した残存モノマー量はいずれのモノマーにおいてもポリマー固形分に対し0.1質量%未満であった。
アルカリ可溶性樹脂P-3の合成において、モノマーの種類と量を変更することにより、アルカリ可溶性樹脂P-4の固形分36.2質量%溶液(溶剤:プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート)を調製した。得られたアルカリ可溶性樹脂P-4の重量平均分子量は18000、数平均分子量は7800、分散度は2.3、酸価は114mgKOH/gであった。
下記表4に記載の成分を混合して、屈折率調整層形成用組成物B-1~B-4を調製した。
[実施例5~実施例10]
仮支持体のA面上に、スリット状ノズルを用いて塗布幅が1.0m、かつ、乾燥後の層厚が、表5に記載の値となるように感光性樹脂組成物を塗布した。感光性樹脂組成物の塗膜を80℃で40秒間かけて乾燥し、感光性樹脂層を形成した。さらに、感光性樹脂組成物上に、スリット状ノズルを用いて塗布幅が1.0m、かつ、乾燥後の層厚が、表5に記載の値となるように屈折率調整層形成用組成物を塗布した。屈折率調整層形成用組成物の塗膜を80℃で40秒間かけて乾燥し、感光性樹脂層を形成し、感光性転写材料を得た。
仮支持体のA面上ではなくB面上に感光性樹脂組成物を塗布したこと以外は、実施例5~実施例20と同様の方法で、感光性転写材料を得た。
まず、厚さ100μmのポリエチレンテレフタレート(PET)フィルム上に、スパッ
タ法にて厚さ100nmのITO(酸化インジウムスズ)層を形成することにより、ITO層付きPET基板を作製した。
ロール形態の感光性転写材料を巻き出した後、感光性転写材料とITO層付きPET基板とを、感光性樹脂層とITO層とが互いに接触するように貼り合わせて、積層体を得た。貼り合わせ工程は、ロール温度120℃、線圧1.0MPa、線速度0.5m/minの条件で行った。
得られた積層体の仮支持体側から、フォトマスクを介して超高圧水銀灯(露光主波長:
365nm)を照射して、感光性樹脂層を全面露光した。なお、ラインアンドスペースパターンのライン幅及びスペース幅が20μmである領域を通過した照射光によって露光されて形成される樹脂パターンのライン幅が20μmとなるように、感光性樹脂層に対する露光量を調整した。
露光された積層体から仮支持体を剥離した後、積層体に対して、液温25℃の1.0%
炭酸ナトリウム水溶液を用いて30秒間のシャワー現像を行った。全面ベタレジストパターンが得られた。光学顕微鏡(製品名「BX60」、対物レンズ100倍、オリンパス社製)で1000mm2の領域を観察し、レジストパターンにおけるピンホール欠陥の数を計測した。直径4μm以上のピンホールをピンホール欠陥とした。評価基準は以下のとおりである。3以上は実用上問題ないレベルである。
4:欠陥が2個以下である。
3:欠陥が3個以上5個以下である。
2:欠陥が6個以上10個以下である
1:欠陥が11個以上である。
Claims (10)
- 仮支持体と、前記仮支持体上に配置された感光性樹脂層とを備え、
前記仮支持体は、一方の面をキャスティングドラムと接触させて製造された仮支持体であり、
前記感光性樹脂層は、前記仮支持体の前記キャスティングドラムと接触していない面上に配置され、
前記仮支持体において、厚さ方向の中心より前記感光性樹脂層側の領域を第1領域とし、厚さ方向の中心より前記感光性樹脂層とは反対側の領域を第2領域としたとき、前記第1領域に含まれる異物の個数が前記第2領域に含まれる異物の個数よりも少なく、
前記異物は、前記仮支持体を偏光顕微鏡で観察した際に、周囲の領域との偏光の違いが観察可能な領域を有するものであり、
前記仮支持体を偏光顕微鏡で観察し、偏光の乱れが発生している部分を異物として特定した後、観察領域250mm 2 に含まれる異物の個数を計測し、
特定した異物を落射型レーザー顕微鏡で観察し、前記仮支持体内部の厚さ方向における異物の存在位置を測定し、前記仮支持体の厚さ方向の中心で分けた場合に、異物が前記第2領域及び前記第1領域のいずれの領域に存在するかを分類することにより、前記第1領域及び第2領域それぞれに含まれる異物の個数を算出する、
感光性転写材料。 - 前記異物の個数は、長径2.5μm以上の異物の個数である、請求項1に記載の感光性転写材料。
- 前記仮支持体は、前記第1領域の表面から厚さ方向1μmまでの領域において、直径0.1μm以上の添加粒子の個数が10000個/mm2以下である、請求項1又は請求項2に記載の感光性転写材料。
- 前記仮支持体は、前記第2領域の表面から厚さ方向1μmまでの領域において、直径0.1μm~10μmの添加粒子の個数が10000個/mm2以下である、請求項1~請求項3のいずれか1項に記載の感光性転写材料。
- 前記添加粒子は、無機酸化物の粒子である、請求項3又は請求項4に記載の感光性転写材料。
- 前記感光性樹脂層の厚さが10μm以下である、請求項1~請求項5のいずれか1項に記載の感光性転写材料。
- 前記仮支持体と前記感光性樹脂層との間に、離間層をさらに備える、請求項1~請求項6のいずれか1項に記載の感光性転写材料。
- 請求項1~請求項7のいずれか1項に記載の感光性転写材料における前記感光性樹脂層の前記仮支持体と対向していない側の面と基板とを貼り合わせる工程と、
前記貼り合わせる工程後の感光性転写材料における前記感光性樹脂層をパターン露光する工程と、
前記パターン露光する工程後の感光性樹脂層を現像して樹脂パターンを形成する工程と、を含む、樹脂パターンの製造方法。 - 請求項1~請求項7のいずれか1項に記載の感光性転写材料における前記感光性樹脂層の前記仮支持体と対向していない側の面と基板とを貼り合わせる工程と、
前記貼り合わせる工程後の感光性転写材料における前記感光性樹脂層をパターン露光する工程と、
前記パターン露光する工程後の感光性樹脂層を現像して樹脂パターンを形成する工程と、
前記樹脂パターンが配置されていない領域における基板をエッチング処理する工程と、を含む、回路配線の製造方法。 - 請求項1~請求項7のいずれか1項に記載の感光性転写材料における前記感光性樹脂層の前記仮支持体と対向していない側の面と基板とを貼り合わせる工程と、
前記貼り合わせる工程後の感光性転写材料における前記感光性樹脂層をパターン露光する工程と、
前記パターン露光する工程後の感光性樹脂層を現像して樹脂パターンを形成する工程と、
前記樹脂パターンが配置されていない領域における基板をエッチング処理する工程と、を含む、タッチパネルの製造方法。
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