JP7340814B2 - 機能性木材、建材、及び機能性木材の製造方法 - Google Patents

機能性木材、建材、及び機能性木材の製造方法 Download PDF

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Description

本開示は、一般に機能性木材、建材、及び機能性木材の製造方法に関し、より詳細には、厚み方向の両側に表面及び裏面を有する木材基板を備える機能性木材、建材、及び機能性木材の製造方法に関する。
特許文献1には、例えば、テレビのキャビネット、あるいはゲーム機器のケーシング等として用いる、比較的薄い木材(板材)を直線状の折曲げ線に沿って折曲げ加工する上で有効な技術が開示されている。このように、木材を加工する技術は種々検討されており、このような加工技術によって、何らかの機能が付された木材が提案されている。
特開平7-009416号公報
ただし、従前の機能性木材にあっては、何らかの加工がされていることは一目瞭然であり、その点において、木材本来の見栄えが損なわれる可能性がある。
本開示は、上記事由に鑑みてなされており、木材基板に機能を有しながらも見映えがよい、機能性木材、建材、及び機能性木材の製造方法を提供することを目的とする。
本開示の一態様に係る機能性木材は、木材基板を備える。前記木材基板は、厚み方向の両側に表面及び裏面を有する。前記木材基板には、少なくとも1つの貫通孔が形成されている。前記貫通孔は、前記厚み方向に沿った中心軸を有し、前記木材基板を前記厚み方向に貫通する。前記貫通孔の開口面積は前記裏面側よりも前記表面側で小さい。前記木材基板における前記貫通孔の内周面と前記貫通孔の周辺部との少なくとも一方には、焦げ目がある。前記焦げ目は、前記裏面側から見たときに前記表面側から見たときよりも視認されやすい。
本開示の一態様に係る建材は、前記機能性木材を用いて構成される凹部及び凸部を含む建材である。前記建材は、前記凸部の先端面に、前記表面側を前記凸部の突出方向に向けて前記木材基板が配置される。前記建材は、前記木材基板の前記裏面側から前記表面側に、前記貫通孔を通して、光と気体との少なくとも一方を透過させる。
本開示の一態様に係る建材は、前記機能性木材を用いて構成される建材である。前記木材基板における前記貫通孔は点描状に配置される。前記建材は、前記木材基板の前記裏面側から前記表面側に、前記貫通孔を通して、光と気体との少なくとも一方を透過させる。
本開示の一態様に係る機能性木材の製造方法は、前記機能性木材の製造方法である。前記製造方法は、前記木材基板の基材を準備する工程と、前記貫通孔を形成する工程と、を有する。前記貫通孔を形成する工程では、レーザ光を前記基材に間欠的に照射することで、前記基材に前記貫通孔を形成する。
本開示によれば、木材基板に機能を有しながらも見映えがよい、という利点がある。
図1Aは、実施形態1に係る機能性木材を表面側から見た概略図である。図1Bは、同上の機能性木材を裏面側から見た概略図である。図1Cは、同上の機能性木材の概略断面図である。 図2Aは、同上の機能性木材の概略斜視図である。図2Bは、図2Aの吹き出し内の視点V1から見た貫通孔付近の拡大図、及び、図2Aの吹き出し内の視点V2から見た貫通孔付近の拡大図を示す概略図である。 図3Aは、同上の機能性木材を表面側から撮影した写真である。図3Bは、同上の機能性木材を裏面側から撮影した写真である。 図4Aは、同上の機能性木材において複数の貫通孔を平行に設けた場合の概略図である。図4Bは、同上の機能性木材において複数の貫通孔を木材基板の裏面側に収束点を持つ放射状に設けた場合の概略図である。図4Cは、同上の機能性木材において複数の貫通孔を木材基板の表面側に収束点を持つ放射状に設けた場合の概略図である。 図5Aは、第1使用例に係る建材の概略図である。図5Bは、図5AのA1-A1断面図である。図5Cは、図5Bの領域Z1の拡大図である。 図6は、第2使用例に係る建材の概略図である。 図7A~図7Fは、貫通孔の形状についての変形例を示す概略断面図である。 図8A~図8Cは、機能性木材に光透過部材を設けた変形例を示す概略断面図である。 図9は、実施形態2に係る機能性木材の概略斜視図である。
(実施形態1)
(1)概要
まず、本実施形態に係る機能性木材10の概要について、図1A~図1Cを参照して説明する。
本実施形態に係る機能性木材10は、木材基板1を備えている。木材基板1は、厚み方向D1の両側に表面11及び裏面12を有している。機能性木材10は、例えば、光又は気体を透過させる機能を有している。また、機能性木材10の機能は、光又は気体の透過に限らず、例えば、吸湿、におい成分の吸収、又はアロマ成分の放出等であってもよい。
すなわち、本実施形態に係る機能性木材10は、一定以上の厚みを有する板状の木材基板1を備え、この木材基板1に何らかの機能を有する木材である。そして、機能性木材10においては、木材基板1の厚み方向D1の一面を表面11、他面を裏面12とする。ただし、本開示でいう「表面」及び「裏面」は、木材基板1の厚み方向D1の一面及び他面を区別するためのラベルとしての名称に過ぎず、機能性木材10の使用時における木材基板1の設置の向きを制限する趣旨ではない。
このような機能性木材10は、その機能の一例として、光と気体との少なくとも一方を透過させる機能を、木材基板1に有している。例えば、木材基板1が、光を透過させる機能を有する場合、木材基板1の裏面12側から木材基板1に入射する光が、木材基板1を透過して、木材基板1の表面11側から出射することが可能となる。このような機能があれば、機能性木材10は、一見すると木材でありながらも、その表面11側から見た人にとっては、あたかも木材基板1から光が出ているように見えたり、木材基板1の背後の映像等が見えたりすることで、通常の木材とは違った印象を受ける。したがって、この種の機能性木材10を、例えば、建物の内装又は外装に用いる建材に使用することで、例えば、建物を利用する人に対して、建物の内装又は外装の一部を通常の建材とは違った見せ方をすることが可能となる。
ところで、このような機能性木材10は、一見すると通常の木材に見えながらも、光の透過等の機能を有することに、大きな価値がある。そのため、この種の機能性木材10にとっては、木材基板1が一見して通常の木材に見えることも、重要な要素である。例えば、木材基板1が、上述したような光又は気体を透過させる機能であれば、木材基板1に孔が形成されることで、この孔を通して、光又は気体が木材基板1を透過可能であるものの、孔が目立つと、木材基板1が一見して通常の木材に見えなくなる。本実施形態に係る機能性木材10は、以下に説明する構成を採用することで、木材基板1に機能を有しながらも見映えがよい、機能性木材10を実現する。
すなわち、本実施形態に係る機能性木材10は、木材基板1を備える。木材基板1は、厚み方向D1の両側に表面11及び裏面12を有する。木材基板1には、少なくとも1つの貫通孔2が形成されている。貫通孔2は、厚み方向D1に沿った中心軸Ax1を有し、木材基板1を厚み方向D1に貫通する。貫通孔2の開口面積は裏面12側よりも表面11側で小さい。木材基板1における貫通孔2の内周面21と貫通孔2の周辺部22との少なくとも一方には、焦げ目3がある。焦げ目3は、裏面12側から見たときに表面11側から見たときよりも視認されやすい。
この構成の機能性木材10によれば、木材基板1を厚み方向D1に貫通する貫通孔2が少なくとも1つ形成されているので、貫通孔2を通して、例えば、光又は気体が木材基板1を透過可能となる。そして、貫通孔2の開口面積は裏面12側よりも表面11側で小さいので、少なくとも表面11側からでは、貫通孔2が目立ちにくい。さらに、貫通孔2の内周面21と貫通孔2の周辺部22との少なくとも一方にある焦げ目3は、裏面12側から見たときに表面11側から見たときよりも視認されやすい。言い換えれば、表面11側から木材基板1を見たときに視認される焦げ目3は、裏面12側から木材基板1を見たときに視認される焦げ目3よりも、視認されにくい。焦げ目3にて貫通孔2が実際のサイズよりも大きく見えるため、いくらサイズが小さな貫通孔2でも、焦げ目3が目立つと貫通孔2が目立つことになるところ、機能性木材10では、少なくとも表面11側からでは、このような焦げ目3が目立ちにくい。したがって、本実施形態に係る機能性木材10においては、少なくとも表面11側からでは、貫通孔2が目立ちにくく、木材基板1が一見して通常の木材と同様の見た目となる。結果的に、機能性木材10によれば、木材基板1に機能を有しながらも見映えがよい、という利点がある。
(2)定義
本開示でいう機能性木材10が有する「機能」は、木材基板1が有する付加的な、つまり木材本来の機能に付加された機能であって、例えば、光又は気体の透過、吸湿、におい成分の吸収、又はアロマ成分の放出等の機能を含む。このような機能を有することで、機能性木材10は、通常の木材、つまり上述したような機能を有さない木材とは異なる用途にも適用可能となる。本実施形態では一例として、機能性木材10が有する「機能」は、光L1(図2A参照)の透過であることとする。
本開示でいう「木材基板」は、一定以上の厚みを有する板状の木材である。ここでいう「木材」は、様々な樹木から得られる無垢材、突板、合板、ベニヤ板(単板)、集成材若しくはプリント合板、又はこれらのうち2つ以上の木材を積層して接着した木質材料を含む。本実施形態では一例として、比較的薄いシナの単板が芯材(ベニヤ)の両面に貼り付けられることにより、複数枚(例えば3枚)の単板が積層され接着されたシナベニヤ合板が、木材基板1である場合について説明する(図1C等参照)。
本開示でいう「焦げ目」は、物体が焦げることで物体に付く跡を意味し、物体の一部であって黒っぽい色(暗い色)、例えば、黒色、又は焦げ茶色等に変色した部位である。ここでいう「焦げ茶色」は、暗めの茶色(Dark brown)、黒味を帯びた茶色、又は濃い茶色を意味する。木材基板1における焦げ目3は、木材基板1のうちの焦げ目3以外の部位に比べて黒っぽい色に変色した部位である。本実施形態では一例として、木材基板1にレーザ光を照射するレーザ加工により木材基板1に生じる焦げ目3、つまりレーザ光によって生じる焦げ目3を例示する。
本開示でいう「レーザ光」は、誘導放出によって発生する光(Light Amplification by Stimulated Emission of Radiation)を意味する。レーザ光を発生する光源としては、例えば、半導体の再結合発光を利用した半導体レーザ(LD:Laser Diode)等がある。レーザ光は、発光ダイオード(LED:Light Emitting Diode)が発生する光に比較して、干渉性(coherence)が高く、出力(パワー密度)が高く、単色性(単一波長)が高く、かつ指向性が高い、という特性を持つ。
本開示でいう「貫通孔」は、木材基板1を厚み方向D1に貫通する孔である。つまり、木材基板1に形成された貫通孔2は、木材基板1の表面11から裏面12にかけて形成されている。ここで、貫通孔2の表面11側の開口面積は、図2Bに示すように、表面11に開口する、つまり表面11側から見て視認可能な貫通孔2の最外周縁で囲まれる領域の面積である。一方、貫通孔2の裏面12側の開口面積S2は、図2Bに示すように、裏面12に開口する、つまり裏面12側から見て視認可能な貫通孔2の最外周縁で囲まれる領域の面積である。貫通孔2は、木材基板1の厚み方向D1に沿った中心軸Ax1を有している。本開示でいう「中心軸」は、貫通孔2を厚み方向D1の一方から見たとき、貫通孔2の中心に位置する仮想軸であって、実体を有さない。
また、本開示でいう「沿う」とは、2者間が略平行、つまり2者が厳密に平行な場合に加えて、2者間の角度が数度(例えば10度未満)程度の範囲に収まる関係にあることをいう。例えば、貫通孔2の中心軸Ax1が木材基板1の厚み方向D1に沿うといえば、中心軸Ax1が、厚み方向D1に延びる直線に対して平行であることを意味する。
ただし、本開示でいう「平行」とは、2者間の角度が厳密に0度である、つまり2者が厳密に平行である場合に加えて、2者間の角度が数度(例えば10度未満)程度に収まる関係にあることを意味する。同様に、本開示でいう「直交」とは、2者間が略90度で交わる、つまり2者が厳密に直交する場合に加えて、2者間の角度が90度に対して数度(例えば10度未満)程度の誤差範囲に収まる関係にあることをいう。
また、厚み方向D1に直交する平面内において、互いに直交する2つの方向を、本開示では縦方向及び横方向ともいう。本開示でいう「縦方向」は、木材基板1を表面11から見たときの上下方向(鉛直方向)であって、「横方向」は、木材基板1を表面11から見たときの左右方向(水平方向)である。つまり、厚み方向D1、縦方向及び横方向は、互いに直交する方向である。ただし、これらの方向は、機能性木材10の使用時の向きを限定する趣旨ではない。例えば、機能性木材10は、厚み方向D1を鉛直方向に沿って配置されることで、「縦方向」及び「横方向」の両方が水平面に沿うように配置されてもよい。
本開示でいう貫通孔2の「周辺部」は、木材基板1を表面11側又は裏面12側から見たときに、貫通孔2の周辺に位置する部位を意味する。つまり、図2Bに示すように、表面11のうち、貫通孔2を囲む円環状の領域が貫通孔2の周辺部22となり、裏面12のうち、貫通孔2を囲む円環状の領域が貫通孔2の周辺部22となる。図2Bの例では、周辺部22の範囲を想像線(二点鎖線)で示している。
(3)構成
(3.1)全体構成
以下、本実施形態に係る機能性木材10の構成について、図1A~図4Cを参照して、詳しく説明する。
本実施形態に係る機能性木材10は、上述したように、厚み方向D1の両側に表面11及び裏面12を有する、木材基板1を備えている。そして、木材基板1には、木材基板1を厚み方向D1に貫通する、少なくとも1つの貫通孔2が形成されている。貫通孔2は、木材基板1を厚み方向D1に貫通するので、木材基板1の表面11側(図1A参照)、及び木材基板1の裏面12側(図1B参照)の両方に開口する。つまり、木材基板1を表面11側から見ても、裏面12側から見ても、貫通孔2が視認可能である。
本実施形態では、1枚の木材基板1に対して、複数(多数)の貫通孔2が形成されている。一例として、図1Aの例では、厚み方向D1の一方から見て、横方向に20個の貫通孔2が並ぶように、かつ縦方向にも複数個の貫通孔2が並ぶように、複数の貫通孔2が配置されている。特に、本実施形態では、複数の貫通孔2は、縦方向及び横方向において、等間隔(等ピッチ)で配置されている。具体的には、複数の貫通孔2は、厚み方向D1の一方から見て、格子点状に配置されている。ここで、複数の貫通孔2は、木材基板1の外周部を除く中央部に対して、一様に形成されている。言い換えれば、木材基板1の外周部には、貫通孔2が形成されていない。
また、本実施形態では、複数の貫通孔2は、共通の形状及び構成を有している。すなわち、以下の説明において、複数の貫通孔2のうちの1つについて述べる形状及び構成は、複数の貫通孔2のうちの残りの貫通孔2の形状及び構成についても同様である。
貫通孔2は、図1Cに示すように、木材基板1の厚み方向D1に沿った中心軸Ax1を有している。貫通孔2は、厚み方向D1の一方から見て、円形状に開口している。特に、本実施形態では、表面11側から見た貫通孔2の開口形状、及び裏面12側から見た貫通孔2の開口形状のいずれもが、円形状である。つまり、表面11における貫通孔2の開口面、及び裏面12における貫通孔2の開口面は、いずれも円形状である。
ここで、上述したように、貫通孔2の開口面積は裏面12側よりも表面11側で小さい。すなわち、貫通孔2の表面11側の開口面積は、図2Bに示すように、表面11に開口する、つまり表面11側から見て視認可能な貫通孔2の最外周縁で囲まれる領域の面積である。一方、貫通孔2の裏面12側の開口面積S2は、図2Bに示すように、裏面12に開口する、つまり裏面12側から見て視認可能な貫通孔2の最外周縁で囲まれる領域の面積である。そのため、図2Bに示すように、表面11側から見た貫通孔2の開口径φ1は、裏面12側から見た貫通孔2の開口径φ2よりも小さい(φ1<φ2)。本実施形態では一例として、裏面12側から見た貫通孔2の開口径φ2は、表面11側から見た貫通孔2の開口径φ1の2倍以上である。図2Bの右側には、表面11側から見た、つまり図2Aの吹き出し内の視点V1から見た、貫通孔2付近の拡大図を示す。図2Bの左側には、裏面12側から見た、つまり図2Aの吹き出し内の視点V2から見た、貫通孔2付近の拡大図を示す。
より詳細には、貫通孔2の開口径は、表面11側において20μm以上600μm以下である。要するに、図2Bに示すように、表面11側から見た貫通孔2の開口径φ1は、20μm以上600μm以下である。ここで、貫通孔2の開口径φ1は、機能性木材10の用途、又は木材基板1の材質若しくは厚み等によって、適宜調整されるが、機能性木材10としての機能を発揮しつつも、人が木材基板1を表面11側から見た際に、貫通孔2が視認されにくいことが好ましい。そのため、機能性木材10としての機能を突き詰めると、表面11側から見た貫通孔2の開口径φ1は、30μm以上であることが好ましく、40μm以上であることが好ましく、50μm以上であることが好ましく、100μm以上であることがより好ましい。さらに、表面11側から見た貫通孔2の開口径φ1は、150μm以上であってもよいし、200μm以上であってもよいし、300μm以上であってもよいし、400μm以上であってもよいし、500μm以上であってもよい。一方、貫通孔2が視認されにくい、つまり貫通孔2が目立たないことを突き詰めると、表面11側から見た貫通孔2の開口径φ1は、550μm以下であることが好ましく、500μm以下であることが好ましく、400μm以下であることがより好ましい。さらに、表面11側から見た貫通孔2の開口径φ1は、300μm以下であってもよいし、200μm以下であってもよいし、150μm以下であってもよいし、100μm以下であってもよいし、50μm以下であってもよい。一例として、表面11側から見た貫通孔2の開口径φ1は、200μmである。また、表面11における貫通孔2の開口率、つまり貫通孔2が無い場合の表面11の面積に占める表面11側から見た貫通孔2の総開口面積の比率は、0.2%以上20%以下であることが好ましい。
一方で、貫通孔2の開口径は、裏面12側においては表面11側よりも大きい。ここで、図2Bに示すように、裏面12側から見た貫通孔2の開口径φ2は、100μm以上3mm以下である。ここで、裏面12側から見た貫通孔2の開口径φ2は、300μm以上であることが好ましく、600μm以上であることが好ましく、900μm以上であることが好ましく、1000μm以上であることがより好ましい。さらに、裏面12側から見た貫通孔2の開口径φ2は、1.2mm以上であってもよいし、1.5mm以上であってもよいし、1.7mm以上であってもよいし、2.0mm以上であってもよいし、2.5mm以上であってもよい。一方、裏面12側から見た貫通孔2の開口径φ2は、2.7mm以下であることが好ましく、2.5mm以下であることが好ましく、2.0mm以下であることがより好ましい。さらに、裏面12側から見た貫通孔2の開口径φ2は、1.7mm以下であってもよいし、1.5mm以下であってもよいし、1.3mm以下であってもよいし、1.0mm以下であってもよいし、800μm以下であってもよい。本実施形態では一例として、裏面12側から見た貫通孔2の開口径φ2は、600μmであると仮定する。
木材基板1の厚み、つまり、木材基板1の厚み方向D1の寸法は、一例として0.2mm以上40mm以下である。木材基板1の厚みは、2mm以上であることが好ましく、3mm以上であることが好ましく、4mm以上であることが好ましく、5mm以上であることがより好ましい。さらに、木材基板1の厚みは、7mm以上であってもよいし、10mm以上であってもよいし、15mm以上であってもよいし、20mm以上であってもよいし、30mm以上であってもよい。また、木材基板1の厚みは、35mm以下であることが好ましく、30mm以下であることが好ましく、25mm以下であることが好ましく、20mm以下であることがより好ましい。さらに、木材基板1の厚みは、15mm以下であってもよいし、10mm以下であってもよいし、5mm以下であってもよいし、4mm以下であってもよいし、3mm以下であってもよい。本実施形態では一例として、木材基板1の厚みは、5mmであると仮定する。
ところで、本実施形態に係る機能性木材10においては、上述したように、木材基板1における、貫通孔2の内周面21と貫通孔2の周辺部22との少なくとも一方に、焦げ目3がある。焦げ目3は、裏面12側から見たときに表面11側から見たときよりも視認されやすい。図1B及び図2B等では、焦げ目3に網掛け(ドットハッチング)を付している。つまり、本実施形態では、貫通孔2の内周面21と貫通孔2の周辺部22とのうち、貫通孔2の内周面21のみに、焦げ目3がある。
本実施形態では、このような焦げ目3は、木材基板1のレーザ加工の際に、レーザ光によって木材基板1に生じる。詳しくは「(5)製造方法」の欄で説明するが、本実施形態では、機能性木材10の製造にあたり、木材基板1にレーザ光を照射することで、木材基板1の貫通孔2を形成するので、このときのレーザ光によって、貫通孔2の内周面21に焦げ目3が生じる。そして、このような焦げ目3は、図1A、図1B及び図2Bから明らかなように、木材基板1を裏面12側から見たときに、木材基板1を表面11側から見たときよりも視認されやすい。言い換えれば、表面11側から木材基板1を見たときに視認される焦げ目3は、裏面12側から木材基板1を見たときに視認される焦げ目3よりも、視認されにくく、目立ちにくい。木材基板1においては、このような焦げ目3によって貫通孔2が実際のサイズよりも大きく見えるため、いくらサイズが小さな貫通孔2でも、焦げ目3が目立つと貫通孔2が目立つことになる。一方で、本実施形態に係る機能性木材10では、少なくとも表面11側からでは、このような焦げ目3が目立ちにくい。したがって、本実施形態に係る機能性木材10においては、少なくとも表面11側からでは、貫通孔2が目立ちにくく、木材基板1が一見して通常の木材、つまり光L1の透過機能を有さない木材と同様の見た目となる。結果的に、機能性木材10によれば、木材基板1に機能を有しながらも見映えがよい、という利点がある。
また、本実施形態では、上述したように、機能性木材10は光L1を透過させる機能を有している。そのため、図2Aに示すように、機能性木材10は、裏面12側に配置される光源4からの光L1を、貫通孔2を通して表面11側に透過させる。言い換えれば、木材基板1の裏面12側には、光L1を出力する光源4が配置され、機能性木材10は、この光源4からの光L1を表面11側へと透過させる。光源4は、例えば、放電灯、白熱電球、発光ダイオード(LED:Light Emitting Diode)又は有機EL(Electro Luminescence)等を有し、電気エネルギーを光L1に変換して出力する。図2Aの例では、光源4は、一定以上の面積を持つ面全体が発光する面光源であって、例えば、導光板等を用いて実現される。本実施形態では、光源4は、機能性木材10の構成要素に含まれないこととする。
ここにおいて、本実施形態に係る機能性木材10では、少なくとも表面11側からでは、焦げ目3が目立ちにくいため、特に貫通孔2が目立ちにくく、木材基板1が一見して通常の木材、つまり光L1の透過機能を有さない木材と同様の見た目となる。要するに、機能性木材10にあっては、一見すると、貫通孔2が存在しないような木材基板1でありながらも、その貫通孔2を通して光L1を透過させることで、機能性木材10を表面11側から見る人は、一種の驚きにも似た体験することができる。つまり、あたかも通常の木材のような機能性木材10の一部から、光L1が出射されることになるため、機能性木材10を見る人にとっては、木材基板1自体が光っているように見える。したがって、本実施形態に係る機能性木材10によれば、通常の木材とは一線を画する新しい体験を提供できる。
図3A及び図3Bは、本実施形態に係る機能性木材10の一例を示す写真である。図3Aは、木材基板1を表面11側から撮影した写真であって、図3Bは、木材基板1を裏面12側から撮影した写真である。図3A及び図3Bからも、本実施形態に係る機能性木材10にあっては、表面11側から見た場合に、貫通孔2が目立たず、あたかも通常の木材のように見えることは明らかである。
(3.2)貫通孔の詳細
次に、貫通孔2についての詳細な形状及び構成を説明する。
本実施形態では、貫通孔2は、少なくとも表面11側から見た貫通孔2の開口径φ1が、裏面12側から見た貫通孔2の開口径φ2より小さくなるように、その内径(直径)が一定でなく、途中で変化するように構成されている。すなわち、図1C及び図2Aに示すように、貫通孔2は、厚み方向D1の少なくとも一部に、変化部23,25を含んでいる。変化部23,25は、貫通孔2における中心軸Ax1に直交する断面の面積を、厚み方向D1において変化させる。つまり、貫通孔2は、厚み方向D1の少なくとも一部に設けられた変化部23,25にて、中心軸Ax1に直交する貫通孔2の断面の面積が、一定ではなく厚み方向D1において変化する。
さらに、本実施形態では、貫通孔2は、変化部23,25に加えて、直線部24を備えている。直線部24は、貫通孔2における中心軸Ax1に直交する断面の面積を、厚み方向D1において変化させない。つまり、貫通孔2は、厚み方向D1の一部に設けられた直線部24においては、中心軸Ax1に直交する貫通孔2の断面の面積が、一定である。
これら変化部23,25及び直線部24は、表面11側から、変化部23、直線部24、変化部25の順に並んでいる。言い換えれば、一対の変化部23,25の間に直線部24が位置する。
変化部23及び変化部25は、いずれも表面11から裏面12に向けて、貫通孔2における中心軸Ax1に直交する断面の面積を徐々に大きくするように、形成されている。そのため、変化部23及び変化部25のうちの変化部23は、少なくとも表面11を起点として、裏面12に向けて貫通孔2の断面の面積を徐々に大きくするように、形成されている。言い換えれば、貫通孔2は、変化部23及び変化部25の各々において、裏面12側から表面11側に向けて内径(直径)が徐々に小さくなる。
特に、本実施形態では、変化部23及び変化部25は、いずれも貫通孔2の断面の面積が連続的に変化するように、形成されている。つまり、変化部23,25においては、貫通孔2の内周面21は、傾斜面(テーパ面)を構成する。言い換えれば、貫通孔2の内周面21は、変化部23,25においては中心軸Ax1に対して傾斜する傾斜面である。
本実施形態では、図1Cに示すように、中心軸Ax1に対する傾斜面(変化部23,25における内周面21)の傾斜角度θ1,θ2は、裏面12より表面11に近い部位(変化部23)と、表面11より裏面に近い部位(変化部25)と、で同一である。つまり、表面11側の変化部23における内周面21(傾斜面)の中心軸Ax1に対する傾斜角度θ1と、裏面12側の変化部25における内周面21(傾斜面)の中心軸Ax1に対する傾斜角度θ2と、は同一である(θ1=θ2)。ここでいう傾斜角度θ1,θ2は、平面角に限らず立体角であってもよい。
上記構成によれば、貫通孔2の内径及び断面積(中心軸Ax1に直交する断面の面積)は、貫通孔2の表面11側の開口から裏面12側の開口に向けて、変化部23にて徐々に大きくなり、直線部24では不変であって、変化部25で再び徐々に大きくなる。言い換えれば、貫通孔2の内径及び断面積は、貫通孔2の裏面12側の開口から表面11側の開口に向けて、変化部25にて徐々に小さくなり、直線部24では不変であって、変化部23で再び徐々に小さくなる。したがって、貫通孔2は、少なくとも表面11側から見た貫通孔2の開口径φ1が、裏面12側から見た貫通孔2の開口径φ2より小さくなる。
また、本実施形態では、図1Cに示すように、貫通孔2内を通すことができる直線L0の、中心軸Ax1に対する最大傾斜角度θ3は13度以下である。ここでいう直線L0は、貫通孔2内を通る仮想直線であって実在しない。つまり、貫通孔2内を通る仮想的な直線L0の中心軸Ax1に対する最大傾斜角度θ3は、13度以下である。言い換えれば、図1Cの例において、表面11における貫通孔2の開口の下端縁と、裏面12における貫通孔2の開口の上端縁と、を結ぶ直線L0の(最大)傾斜角度θ3は、13度以下である。
本実施形態では、上述したように、機能性木材10は、裏面12側に配置される光源4からの光L1を、貫通孔2を通して表面11側に透過させる。そして、この光L1の中心軸Ax1に対する最大照射角度は、上記最大傾斜角度θ3によって決まる。言い換えれば、直線L0の中心軸Ax1に対する最大傾斜角度θ3が、木材基板1の表面11から出射される光L1の広がりを規定する。本実施形態では、この最大傾斜角度θ3が、13度以下である。よって、貫通孔2を通して出力される光L1を視認可能な範囲は、貫通孔2の正面、つまり中心軸Ax1の延長線上から、上記最大傾斜角度θ3で規定される範囲に制限される。したがって、機能性木材10によれば、例えば、貫通孔2を通して出力される光L1を、木材基板1の表面11に対して正対する人、つまり木材基板1の正面に存在する人にのみ、視認させることが可能である。
また、上述した直線L0の中心軸Ax1に対する最大傾斜角度θ3は、1度以上であることが好ましく、2度以上であることが好ましく、3度以上であることが好ましく、4度以上であることがより好ましい。つまり、最大傾斜角度θ3に下限値が設定されるとすれば、下限値は、1度、2度、3度又は4度であることが好ましい。一方、上述した直線L0の中心軸Ax1に対する最大傾斜角度θ3は、10度以下であることが好ましく、9度以下であることが好ましく、8度以下であることが好ましく、7度以下であることがより好ましい。つまり、最大傾斜角度θ3の上限値は、上述した13度に限らず、10度、9度、8度又は7度であることがより好ましい。本実施形態では一例として、最大傾斜角度θ3は、13度である。
図4A~図4Cは、貫通孔2の「向き」の様々な構成例を示す概略図である。ここで示す構成例は、いずれも、貫通孔2が、木材基板1に複数形成されていることを前提とする。
図4Aの構成例では、複数の貫通孔2は平行に設けられている。つまり、図4Aでは、複数の貫通孔2のうち、互いに隣接する少なくとも2つの貫通孔2の中心軸Ax1は平行である。より詳細には、図4Aの例では、1枚の木材基板1に形成された複数(多数)の貫通孔2は、全て、その中心軸Ax1が平行となるように配置されている。したがって、図4Aに例示する機能性木材10によれば、例えば、貫通孔2を通して出力される光L1は、木材基板1を厚み方向D1に沿って透過し、平行光として木材基板1の表面11から出力されることになる。ただし、複数の貫通孔2の全ての中心軸Ax1が平行であることは必須ではなく、互いに隣接する少なくとも2つの貫通孔2の中心軸Ax1が平行であればよい。例えば、横方向に並ぶ複数の貫通孔2、又は縦方向に並ぶ複数の貫通孔2のように、一直線上に並ぶ複数の貫通孔2についてのみ、中心軸Ax1が平行となるように配置されていてもよい。あるいは、互いに隣接する2つの貫通孔2の中心軸Ax1のみが平行であってもよい。
図4Bの構成例では、複数の貫通孔2は、木材基板1の裏面12側に収束点を持つ放射状に設けられている。つまり、図4Bでは、複数の貫通孔2のうち、互いに隣接する少なくとも2つの貫通孔2の中心軸Ax1は、裏面12に対向する裏面側収束点P1を持つ放射状に配置されている。裏面側収束点P1は、木材基板1の裏面12に対向するように、裏面12から一定距離だけ離れた位置に設定される仮想点であって、実在しない。より詳細には、図4Bの例では、1枚の木材基板1に形成された複数(多数)の貫通孔2は、全て、その中心軸Ax1が、裏面側収束点P1から放射状に延びる直線上に配置されている。したがって、図4Bに例示する機能性木材10によれば、例えば、貫通孔2を通して出力される光L1は、木材基板1の表面11から放射状に広がるように出力されることになる。ただし、複数の貫通孔2の全ての中心軸Ax1が、裏面側収束点P1を持つ放射状に配置されることは必須ではなく、互いに隣接する少なくとも2つの貫通孔2の中心軸Ax1が裏面側収束点P1を持つ放射状に配置されていればよい。例えば、横方向に並ぶ複数の貫通孔2、又は縦方向に並ぶ複数の貫通孔2のように、一直線上に並ぶ複数の貫通孔2についてのみ、中心軸Ax1が裏面側収束点P1を持つ放射状に配置されていてもよい。あるいは、互いに隣接する2つの貫通孔2の中心軸Ax1のみが裏面側収束点P1を持つ放射状に配置されていてもよい。
図4Cの構成例では、複数の貫通孔2は、木材基板1の表面11側に収束点を持つ放射状に設けられている。つまり、図4Cでは、複数の貫通孔2のうち、互いに隣接する少なくとも2つの貫通孔2の中心軸Ax1は、表面11に対向する表面側収束点P2を持つ放射状に配置されている。表面側収束点P2は、木材基板1の表面11に対向するように、表面11から一定距離だけ離れた位置に設定される仮想点であって、実在しない。より詳細には、図4Cの例では、1枚の木材基板1に形成された複数(多数)の貫通孔2は、全て、その中心軸Ax1が、表面側収束点P2から放射状に延びる直線上に配置されている。したがって、図4Cに例示する機能性木材10によれば、例えば、貫通孔2を通して出力される光L1は、木材基板1の表面11から表面側収束点P2に集光するように出力されることになる。ただし、複数の貫通孔2の全ての中心軸Ax1が、表面側収束点P2を持つ放射状に配置されることは必須ではなく、互いに隣接する少なくとも2つの貫通孔2の中心軸Ax1が表面側収束点P2を持つ放射状に配置されていればよい。例えば、横方向に並ぶ複数の貫通孔2、又は縦方向に並ぶ複数の貫通孔2のように、一直線上に並ぶ複数の貫通孔2についてのみ、中心軸Ax1が表面側収束点P2を持つ放射状に配置されていてもよい。あるいは、互いに隣接する2つの貫通孔2の中心軸Ax1のみが表面側収束点P2を持つ放射状に配置されていてもよい。
(4)使用例
次に、本実施形態に係る機能性木材10の使用例について、図5A~図6を参照して説明する。特に、ここでは、機能性木材10が建材100に用いられる例を示す。
(4.1)第1使用例
第1使用例に係る建材100は、図5A~図5Cに示すように、凹部110及び凸部120を含んでいる。建材100は、図5Aに示すように、一例として、建物の内装材、具体的には、壁材として用いられる。図5Bは、図5AのA1-A1断面図、図5Cは、図5Bの領域Z1の拡大図である。
より詳細には、凹部110及び凸部120の各々は、いずれも室内の床面から天井面にかけて直線状に形成されている。建材100は、左右方向において凹部110と凸部120とが交互に周期的に並ぶことで、ルーバ形状、つまり縦格子形状に形成されている。
そして、このような建材100において、本実施形態に係る機能性木材10は、図5B及び図5Cに示すように、凸部120の先端面121に配置されている。具体的には、機能性木材10における木材基板1は、凸部120の先端面121に、表面11側を凸部120の突出方向に向けて配置される。言い換えれば、機能性木材10は、木材基板1の表面11を室内側に向けて配置される。つまり、凸部120の先端面121には、複数の貫通孔2が形成されている。ここでは、凸部120の先端面121の全域にわたって複数の貫通孔2が形成されていることとする。
さらに、建材100における凸部120の内部は中空であって、凸部120の内部に、光源4が配置される。そのため、光源4からの光L1は、貫通孔2を通して木材基板1を透過し、木材基板1の表面11から室内側に出力されることになる。
すなわち、図5A~図5Cに例示する建材100は、機能性木材10を用いて構成される凹部110及び凸部120を含む建材100である。凸部120の先端面121に、表面11側を凸部120の突出方向に向けて木材基板1が配置されている。建材100は、木材基板1の裏面12側から表面11側に、貫通孔2を通して、光L1と気体との少なくとも一方(本実施形態では光L1)を透過させる。
このような態様の建材100によれば、建材100を見る人(つまり室内にいる人)に対して、木製のルーバの先端(凸部120の先端面121)が光っているような、従前の建材にはない、新たな体験を与えることができる。特に、貫通孔2を通して出力される光L1を、木材基板1の表面11に対して正対する人、つまり木材基板1の正面に存在する人にのみ、視認させることとすれば、目の前の凸部のみが光っているように見え、必要以上の光でわずらわしさを感じることも少ない。
(4.2)第2使用例
第2使用例に係る建材100Aは、図6に示すように、貫通孔2が点描状に配置されている。建材100Aは、図6に示すように、一例として、建物の内装材、具体的には、壁材として用いられる。
より詳細には、建材100Aは、機能性木材10を用いて構成されている。ここでは、建材100Aの全体が機能性木材10である。そして、この建材100Aにおいては、木材基板1に形成される複数の貫通孔2は、点描状に配置されている。本開示でいう「点描」は、線を使わず、点の集まりで描かれた絵、画像、写真、図形、記号、文字又は数字等を意味する。つまり、建材100Aにおいては、複数の貫通孔2を点描の「点」として、木材基板1の表面11上に、絵、画像、写真、図形、記号、文字又は数字等が描画されている。図6の例では、バスケットボールを持ったバスケット選手の全身が、複数の貫通孔2を用いて点描として描かれている。
そして、このような建材100Aにおいて、本実施形態に係る機能性木材10は、木材基板1の表面11を室内側に向けて配置される。さらに、建材100Aの背後、つまり裏面12側となる壁裏は中空であって、建材100Aの背後には、光源4が配置される。そのため、光源4からの光L1は、貫通孔2を通して木材基板1を透過し、木材基板1の表面11から室内側に出力されることになる。
すなわち、図6に例示する建材100Aは、機能性木材10を用いて構成される建材100Aである。木材基板1における貫通孔2は点描状に配置される。建材100Aは、木材基板1の裏面12側から表面11側に、貫通孔2を通して、光L1と気体との少なくとも一方(本実施形態では光L1)を透過させる。
このような態様の建材100Aによれば、建材100Aを見る人(つまり室内にいる人)に対して、木製の壁面に描かれた絵又は画像等が光っているような、従前の建材にはない、新たな体験を与えることができる。特に、貫通孔2を通して出力される光L1を、木材基板1の表面11に対して正対する人、つまり木材基板1の正面に存在する人にのみ、視認させることとすれば、貫通孔2の正面にいるときにのみ、点描を視認させることもできる。さらに、光源4の消灯時には、貫通孔2が目立たないことから、点描も認識にされず、光源4が点灯してはじめて、点描が浮かびあがるように視認されることも、効果として期待できる。
(5)製造方法
次に、本実施形態に係る機能性木材10の製造方法について説明する。
すなわち、機能性木材10の製造方法は、木材基板1の基材を準備する工程(準備工程)と、貫通孔2を形成する工程(孔形成工程)と、を有している。貫通孔2を形成する工程では、レーザ光を基材に間欠的に照射することで、基材に貫通孔2を形成する。
より詳細には、木材基板1の基材を準備する準備工程では、一例として、シナベニヤ合板が基材として準備される。この段階で、基材としてのシナベニヤ合板は所望の大きさ及び形状に加工されていてもよいし、加工されていなくてもよい。
そして、貫通孔2を形成する孔形成工程では、例えば、パルス発振型の赤外線レーザ光源(レーザ発振器)を用いたレーザ加工機による基材の加工を行う。パルス発振型のレーザ光源を用いることで、レーザ光源がパルス発振して、レーザ光源から基材に対してレーザ光が間欠的に照射される。孔形成工程では、基材の裏面12側からレーザ光を照射する。ここで、レーザ加工機は、基材の厚み(つまり木材基板1の厚み)よりも短い焦点深度の光学系を持ち、焦点を、基材の裏面12又は基材の厚み方向D1の中央部付近に合わせる。
レーザ加工機によって照射されるレーザ光の波長は、一例として、9μm以上11μm以下である。レーザ加工機によって照射されるレーザ光の照射パルス幅(半値幅)は、50μs以上、600μs以下である。レーザ加工機によって照射されるレーザ光の、1パルス当たりの照射エネルギー密度は、一例として、10J/cm以上、2000J/cm以下である。また、レーザ加工機は、1つの貫通孔2に対してレーザ光を1回以上数回(例えば5回程度)以下の所定数だけ照射する。
以上説明したように、高ピーク出力の短パルスのレーザ光を用いることによって、基材におけるレーザ光の照射箇所の入熱を抑制でき、貫通孔2の内周面21又は貫通孔2の周辺部22に焦げ目3が生じにくくなる。
(6)変形例
実施形態1は、本開示の様々な実施形態の一つに過ぎない。実施形態1は、本開示の目的を達成できれば、設計等に応じて種々の変更が可能である。また、本開示で参照する図面は、いずれも模式的な図であり、図中の各構成要素の大きさ及び厚さそれぞれの比が、必ずしも実際の寸法比を反映しているとは限らない。以下、実施形態1の変形例を列挙する。以下に説明する変形例は、適宜組み合わせて適用可能である。
(6.1)貫通孔の形状についての変形例
まず、図7A~図7Fに、貫通孔2の形状についての変形例を示す。
図7A及び図7Bは、表面11側の変化部23における内周面21(傾斜面)の中心軸Ax1に対する傾斜角度θ1と、裏面12側の変化部25における内周面21(傾斜面)の中心軸Ax1に対する傾斜角度θ2と、が異なる例である。すなわち、図7A及び図7Bでは、貫通孔2の内周面21は、変化部23,25においては中心軸Ax1に対して傾斜する傾斜面である。そして、中心軸Ax1に対する傾斜面(変化部23,25における内周面21)の傾斜角度θ1,θ2は、厚み方向D1において、表面11より裏面12に近い部位(変化部25)と、裏面12より表面11に近い部位(変化部23)と、で異なる。
具体的には、図7Aの例では、表面11側の変化部23における内周面21(傾斜面)の中心軸Ax1に対する傾斜角度θ1は、裏面12側の変化部25における内周面21(傾斜面)の中心軸Ax1に対する傾斜角度θ2に比べて、小さい(θ1>θ2)。反対に、図7Bの例では、表面11側の変化部23における内周面21(傾斜面)の中心軸Ax1に対する傾斜角度θ1は、裏面12側の変化部25における内周面21(傾斜面)の中心軸Ax1に対する傾斜角度θ2に比べて、大きい(θ1>θ2)。
図7Cに示す変形例では、貫通孔2の変化部25が省略されている。つまり、図7Cでは、貫通孔2は、変化部23及び直線部24のみからなる。図7Dに示す変形例では、貫通孔2の変化部25及び直線部24が省略されている。つまり、図7Dでは、貫通孔2は、変化部23のみからなる。図7Eに示す変形例では、貫通孔2の変化部23が省略されている。つまり、図7Eでは、貫通孔2は、変化部25及び直線部24のみからなる。図7Fに示す変形例では、貫通孔2の変化部25が省略され、かつ変化部23は貫通孔2の断面の面積が非連続で(つまり離散的に)変化する。つまり、図7Fでは、貫通孔2は、変化部23及び直線部24のみからなり、かつ変化部23の内周面21は段差を構成する。
(6.2)光透過部材を設けた変形例
次に、図8A~図8Cに示すように、機能性木材10に光透過部材を設けた変形例について説明する。
すなわち、図8A~図8Cにおいては、貫通孔2は、光L1を透過させる光透過部材20にて塞がれている。光透過部材20は、木材基板1の裏面12側に配置される光源4からの光L1の少なくとも一部を透過させる、光透過性を有していればよく、無色透明であることは必須でない。ここでは一例として、光透過部材20は、貫通孔2を塞ぐように、木材基板1に付着した樹脂からなる。光透過部材20は、機能性木材10の構成要素に含まれる。
図8Aの例では、光透過部材20は、貫通孔2の内部を埋め尽くすように貫通孔2に充填されている。図8Bの例では、光透過部材20は、貫通孔2の内部の裏面12側の領域のみを埋めるように貫通孔2に充填されている。図8Cの例では、光透過部材20は、貫通孔2の裏面12側の開口を塞ぐように木材基板1の裏面12上に形成されている。さらに、図8A又は図8Bの変形例として、光透過部材20のうちの裏面12側の面は、裏面12と面一でなくてもよく、例えば、凸形状であってもよいし、凹形状であってもよい。これらの例に限らず、光透過部材20は、例えば、板状であって、複数の貫通孔2をまとめて塞ぐように、木材基板1の裏面12側又は表面11側に重ねて設置されてもよい。
このように、光透過部材20にて貫通孔2が塞がれることで、貫通孔2を通して光L1を出力可能としながらも、貫通孔2に塵埃等の異物が詰まる不具合が生じにくい。その結果、機能性木材10のメンテナンスが容易になるという利点がある。
(6.3)その他の変形例
機能性木材10の用途は、建材100,100Aに限らず、例えば、家具、什器、玩具、家電機器、又は自動車、電車、船舶若しくは航空機等の内外装に用いられてもよい。
また、機能性木材10が有する「機能」は、光の透過に限らず、その他の機能であってもよく、例えば、気体の透過、吸湿、におい成分の吸収、又はアロマ成分の放出等の機能であってもよい。さらに、機能性木材10は、光の透過を含めて、複数の機能を併せ持っていてよく、一例として、機能性木材10は、光の透過と、気体の透過と、の両方の機能を併せ持っていてもよい。
また、1枚の木材基板1に対して、複数(多数)の貫通孔2が形成されていることは、機能性木材10に必須の構成ではなく、1枚の木材基板1に対して、貫通孔2が1つだけ形成されていてもよい。
また、1枚の木材基板1に複数の貫通孔2が形成されている場合でも、これら複数の貫通孔2は、等間隔(等ピッチ)で配置される構成に限らず、例えば、表面11の部位によって粗密が生じるように、複数の貫通孔2が不均一に配置されてもよい。さらに、複数の貫通孔2の配置は、格子点状に限らず、例えば、千鳥状、波線状又はジグザグ状等、任意の配置を採用し得る。さらに、複数の貫通孔2は、木材基板1の外周部を除く中央部に形成される構成に限らず、木材基板1の中央部に代えて又は加えて、木材基板1の外周部に形成されていてもよい。
また、複数の貫通孔2が共通の形状及び構成を有することは、機能性木材10に必須の構成ではなく、複数の貫通孔2は形状及び構成が異なる貫通孔2を含んでいてもよい。さらに、貫通孔2の開口形状は、円形状に限らず、例えば、楕円形状、長円形状、三角形状、四角形状又はその他の多角形状であってもよい。
また、実施形態1では、光源4は、機能性木材10の構成要素に含まれないが、これに限らず、光源4は、機能性木材10の構成要素に含まれていてもよい。この場合、機能性木材10は、木材基板1と、光源4と、を備えることになる。
また、光源4は、照明装置のように、人工的な光を出力する構成のみならず、例えば、採光窓のように、自然光(太陽光等)を出力する構成であってもよい。すなわち、機能性木材10の裏面12側に、光源4としての採光窓が配置されている場合、光源4(採光窓)からの光L1は、貫通孔2を通して表面11側に透過することができる。
また、光源4は、面光源に限らず、線光源又は点光源であってもよい。点光源としての光源は、例えば、発光ダイオード等を用いて実現される。光源4が点光源である場合には、機能性木材10を表面11側から見る人に対して、きらめき感を与えることができる。また、光源4は、線光源又は点光源からなる発光要素を、複数有していてもよい。
また、建材100,100Aは、建物の壁材への適用に限らず、例えば、天井材、床材又は建具等に適用されてもよい。また、建材100,100Aは、建物の外装材として用いられてもよいし、さらには、建物以外に用いられてもよい。
(実施形態2)
本実施形態に係る機能性木材10Aは、図9に示すように、気流G1を透過させる機能を有する点で、実施形態1に係る機能性木材10と相違する。以下、実施形態1と同様の構成については、共通の符号を付して適宜説明を省略する。
すなわち、本実施形態に係る機能性木材10Aは、裏面12側に配置される送風源5からの気流G1を、貫通孔2を通して表面11側に透過させる。言い換えれば、木材基板1の裏面12側には、気流G1を発生する送風源5が配置され、機能性木材10Aは、この送風源5からの気流G1を表面11側へと透過させる。送風源5は、例えば、ファン、扇風機、換気扇又はサーキュレータ等を有し、電気エネルギーを動力に変換して気流G1を発生する。本実施形態では、送風源5は、機能性木材10Aの構成要素に含まれないこととするが、送風源5は、機能性木材10Aの構成要素に含まれてもよい。
ここにおいて、本実施形態に係る機能性木材10Aでは、少なくとも表面11側からでは、焦げ目3が目立ちにくいため、特に貫通孔2が目立ちにくく、木材基板1が一見して通常の木材、つまり気流G1の透過機能を有さない木材と同様の見た目となる。要するに、機能性木材10Aにあっては、一見すると、貫通孔2が存在しないような木材基板1でありながらも、その貫通孔2を通して気流G1を透過させることで、機能性木材10の表面11側にいる人に対して、一種の驚きにも似た体験をさせることができる。つまり、あたかも通常の木材のような機能性木材10Aの一部から、気流G1が出力されることになるため、機能性木材10Aの表面11側にいる人にとっては、木材基板1自体が気流G1を出しているように感じる。したがって、本実施形態に係る機能性木材10Aによれば、通常の木材とは一線を画する新しい体験を提供できる。
また、送風源5からの気流G1について、貫通孔2を通して表面11側に透過する効率の向上を図るためには、送風源5と木材基板1の裏面12との間には、閉空間からなる気流G1の流路が形成されていることが好ましい。要するに、送風源5と木材基板1の裏面12との間には、例えば、筒状部材が配置され、筒状部材の一方の開口を送風源5で閉塞し、他方の開口を裏面12で閉塞するように構成することで、筒状部材内に流路が形成されることが好ましい。このような構成によれば、送風源5で発生した気流G1は、流路買いに漏れることなく木材基板1(裏面12)に到達することになり、気流G1によって貫通孔2に加わる圧力を有効に利用できるので、気流G1が木材基板1を効率的に透過しやすくなる。
実施形態2の変形例として、送風源5は、ファンのように、人工的な気流G1を出力する構成のみならず、例えば、開口窓のように、自然風を出力する構成であってもよい。すなわち、機能性木材10Aの裏面12側に、送風源5としての開口窓が配置されている場合、送風源5(開口窓)からの気流G1は、貫通孔2を通して表面11側に透過することができる。
また、送風源5で発生する気流G1は、空気の流れに限らず、例えば、マイナスイオン等を含む特定の気体、又はアロマ成分等を含む気体の流れであってもよい。
また、実施形態2の他の変形例として、機能性木材10Aは、気流G1及び光L1の両方を透過させる機能を有していてもよい。この場合、機能性木材10Aにおける裏面12側には、送風源5と光源4との両方が配置される。
実施形態2で説明した種々の構成(変形例を含む)は、実施形態1で説明した種々の構成(変形例を含む)と適宜組み合わせて採用可能である。
(まとめ)
以上説明したように、第1の態様に係る機能性木材(10,10A)は、木材基板(1)を備える。木材基板(1)は、厚み方向(D1)の両側に表面(11)及び裏面(12)を有する。木材基板(1)には、少なくとも1つの貫通孔(2)が形成されている。貫通孔(2)は、厚み方向(D1)に沿った中心軸(Ax1)を有し、木材基板(1)を厚み方向(D1)に貫通する。貫通孔(2)の開口面積は裏面(12)側よりも表面(11)側で小さい。木材基板(1)における貫通孔(2)の内周面(21)と貫通孔(2)の周辺部(22)との少なくとも一方には、焦げ目(3)がある。焦げ目(3)は、裏面(12)側から見たときに表面(11)側から見たときよりも視認されやすい。
この態様によれば、木材基板(1)を厚み方向(D1)に貫通する貫通孔(2)が少なくとも1つ形成されているので、貫通孔(2)を通して、例えば、光(L1)又は気体が木材基板1を透過可能となる。そして、貫通孔(2)の開口面積は裏面(12)側よりも表面(11)側で小さいので、少なくとも表面(11)側からでは、貫通孔(2)が目立ちにくい。さらに、貫通孔(2)の内周面(21)と貫通孔(2)の周辺部(22)との少なくとも一方にある焦げ目(3)は、裏面(12)側から見たときに表面(11)側から見たときよりも視認されやすい。言い換えれば、表面(11)側から木材基板(1)を見たときに視認される焦げ目(3)は、裏面(12)側から木材基板(1)を見たときに視認される焦げ目(3)よりも、視認されにくい。したがって、機能性木材(10,10A)においては、少なくとも表面(11)側からでは、貫通孔(2)が目立ちにくく、木材基板(1)が一見して通常の木材と同様の見た目となる。結果的に、機能性木材(10,10A)によれば、木材基板(1)に機能を有しながらも見映えがよい、という利点がある。
第2の態様に係る機能性木材(10,10A)では、第1の態様において、貫通孔(2)は、厚み方向(D1)の少なくとも一部に、変化部(23,25)を含む。変化部(23,25)は、貫通孔(2)における中心軸(Ax1)に直交する断面の面積を、厚み方向(D1)において変化させる。
この態様によれば、貫通孔(2)の内部で貫通孔(2)の大きさを変化させることができる。
第3の態様に係る機能性木材(10,10A)では、第2の態様において、変化部(23,25)は、少なくとも表面(11)を起点として、裏面(12)に向けて貫通孔(2)の断面の面積を徐々に大きくするように、形成されている。
この態様によれば、少なくとも表面(11)を起点として、裏面(12)に向けて貫通孔(2)の断面の面積が徐々に大きくなるので、表面(11)側からでは、貫通孔(2)がより目立ちにくい。
第4の態様に係る機能性木材(10,10A)では、第2又は3の態様において、貫通孔(2)の内周面(21)は、変化部(23,25)においては中心軸(Ax1)に対して傾斜する傾斜面である。中心軸(Ax1)に対する傾斜面の傾斜角度(θ1,θ2)は、厚み方向(D1)において、表面(11)より裏面(12)に近い部位と、裏面(12)より表面(11)に近い部位と、で異なる。
この態様によれば、表面(11)側からでは、貫通孔(2)がより目立ちにくい。
第5の態様に係る機能性木材(10,10A)では、第1~4のいずれかの態様において、貫通孔(2)の開口径(φ1)は、表面(11)側において20μm以上600μm以下である。
この態様によれば、表面(11)側からでは、貫通孔(2)がより目立ちにくい。
第6の態様に係る機能性木材(10,10A)では、第1~5のいずれかの態様において、貫通孔(2)内を通すことができる直線の、中心軸(Ax1)に対する最大傾斜角度(θ3)は13度以下である。
この態様によれば、例えば、貫通孔(2)を透過する光(L1)が見える範囲を、比較的狭く制限することが可能である。
第7の態様に係る機能性木材(10,10A)では、第1~6のいずれかの態様において、貫通孔(2)は、木材基板(1)に複数形成されている。複数の貫通孔(2)のうち、互いに隣接する少なくとも2つの貫通孔(2)の中心軸(Ax1)は平行である。
この態様によれば、例えば、貫通孔(2)を通して出力される光(L1)は、木材基板(1)を厚み方向(D1)に沿って透過し、平行光として木材基板(1)の表面(11)から出力されることになる。
第8の態様に係る機能性木材(10,10A)では、第1~6のいずれかの態様において、貫通孔(2)は、木材基板(1)に複数形成されている。複数の貫通孔(2)のうち、互いに隣接する少なくとも2つの貫通孔(2)の中心軸(Ax1)は、裏面(12)に対向する裏面側収束点(P1)を持つ放射状に配置されている。
この態様によれば、例えば、貫通孔(2)を通して出力される光(L1)は、木材基板(1)の表面(11)から放射状に広がるように出力されることになる。
第9の態様に係る機能性木材(10,10A)では、第1~6のいずれかの態様において、貫通孔(2)は、木材基板(1)に複数形成されている。複数の貫通孔(2)のうち、互いに隣接する少なくとも2つの貫通孔(2)の中心軸(Ax1)は、表面(11)に対向する表面側収束点(P2)を持つ放射状に配置されている。
この態様によれば、例えば、貫通孔(2)を通して出力される光(L1)は、木材基板(1)の表面(11)から表面側収束点(P2)に集光するように出力されることになる。
第10の態様に係る機能性木材(10,10A)は、第1~9のいずれかの態様において、裏面(12)側に配置される光源(4)からの光(L1)を、貫通孔(2)を通して表面(11)側に透過させる。
この態様によれば、木材基板(1)自体が光っているように見せることができる。
第11の態様に係る機能性木材(10,10A)では、第1~10のいずれかの態様において、貫通孔(2)は、光(L1)を透過させる光透過部材(20)にて塞がれている。
この態様によれば、貫通孔(2)の目詰まりが生じにくい。
第12の態様に係る機能性木材(10,10A)は、第1~11のいずれかの態様において、裏面(12)側に配置される送風源(5)からの気流(G1)を、貫通孔(2)を通して表面(11)側に透過させる。
この態様によれば、木材基板(1)自体が気流(G1)を出しているように見せることができる。
第13の態様に係る建材(100,100A)は、第1~12のいずれかの態様に係る機能性木材(10,10A)を用いて構成される凹部(110)及び凸部(120)を含む建材(100,100A)である。建材(100,100A)は、凸部(120)の先端面(121)に、表面(11)側を凸部(120)の突出方向に向けて木材基板(1)が配置される。建材(100,100A)は、木材基板(1)の裏面(12)側から表面(11)側に、貫通孔(2)を通して、光(L1)と気体との少なくとも一方を透過させる。
この態様によれば、木材基板(1)に機能を有しながらも見映えがよい、という利点がある。
第14の態様に係る建材(100,100A)は、第1~12のいずれかの態様に係る機能性木材(10,10A)を用いて構成される建材(100,100A)である。木材基板(1)における貫通孔(2)は点描状に配置される。建材(100,100A)は、木材基板(1)の裏面(12)側から表面(11)側に、貫通孔(2)を通して、光(L1)と気体との少なくとも一方を透過させる。
この態様によれば、木材基板(1)に機能を有しながらも見映えがよい、という利点がある。
第15の態様に係る機能性木材(10,10A)の製造方法は、第1~12のいずれかの態様に係る機能性木材(10,10A)の製造方法である。製造方法は、木材基板(1)の基材を準備する工程と、貫通孔(2)を形成する工程と、を有する。貫通孔(2)を形成する工程では、レーザ光を基材に間欠的に照射することで、基材に貫通孔(2)を形成する。
この態様によれば、木材基板(1)に機能を有しながらも見映えがよい、という利点がある。
第2~12の態様に係る構成については、機能性木材(10,10A)に必須の構成ではなく、適宜省略可能である。
1 木材基板
2 貫通孔
3 焦げ目
4 光源
5 送風源
10,10A 機能性木材
11 表面
12 裏面
20 光透過部材
21 内周面
22 周辺部
23,25 変化部
100,100A 建材
110 凹部
120 凸部
121 先端面
Ax1 中心軸
D1 厚み方向
G1 気流
L1 光
P1 裏面側収束点
P2 表面側収束点
θ1,θ2 傾斜角度
θ3 最大傾斜角度
φ1 開口径

Claims (13)

  1. 厚み方向の両側に表面及び裏面を有する木材基板を備え、
    前記木材基板には、前記厚み方向に沿った中心軸を有し、前記木材基板を前記厚み方向に貫通する少なくとも1つの貫通孔が形成されており、
    前記貫通孔の開口面積は前記裏面側よりも前記表面側で小さく、
    前記木材基板における前記貫通孔の内周面と前記貫通孔の周辺部との少なくとも一方には、前記裏面側から見たときに前記表面側から見たときよりも視認されやすい、焦げ目があり、
    前記貫通孔は、前記厚み方向の少なくとも一部に、前記貫通孔における前記中心軸に直交する断面の面積を、前記厚み方向において変化させる変化部を含み、
    前記貫通孔の前記内周面は、前記変化部においては前記中心軸に対して傾斜する傾斜面であって、
    前記中心軸に対する前記傾斜面の傾斜角度は、前記厚み方向において、前記表面より前記裏面に近い部位と、前記裏面より前記表面に近い部位と、で異なる、
    機能性木材。
  2. 厚み方向の両側に表面及び裏面を有する木材基板を備え、
    前記木材基板には、前記厚み方向に沿った中心軸を有し、前記木材基板を前記厚み方向に貫通する少なくとも1つの貫通孔が形成されており、
    前記貫通孔の開口面積は前記裏面側よりも前記表面側で小さく、
    前記木材基板における前記貫通孔の内周面と前記貫通孔の周辺部との少なくとも一方には、前記裏面側から見たときに前記表面側から見たときよりも視認されやすい、焦げ目があり、
    前記貫通孔は、前記木材基板に複数形成されており、
    前記複数の貫通孔のうち、互いに隣接する少なくとも2つの貫通孔の前記中心軸は、前記裏面に対向する裏面側収束点を持つ放射状に配置されている、
    機能性木材。
  3. 厚み方向の両側に表面及び裏面を有する木材基板を備え、
    前記木材基板には、前記厚み方向に沿った中心軸を有し、前記木材基板を前記厚み方向に貫通する少なくとも1つの貫通孔が形成されており、
    前記貫通孔の開口面積は前記裏面側よりも前記表面側で小さく、
    前記木材基板における前記貫通孔の内周面と前記貫通孔の周辺部との少なくとも一方には、前記裏面側から見たときに前記表面側から見たときよりも視認されやすい、焦げ目があり、
    前記貫通孔は、前記木材基板に複数形成されており、
    前記複数の貫通孔のうち、互いに隣接する少なくとも2つの貫通孔の前記中心軸は、前記表面に対向する表面側収束点を持つ放射状に配置されている、
    機能性木材。
  4. 前記変化部は、少なくとも前記表面を起点として、前記裏面に向けて前記貫通孔の前記断面の面積を徐々に大きくするように、形成されている、
    請求項に記載の機能性木材。
  5. 前記貫通孔の開口径は、前記表面側において20μm以上600μm以下である、
    請求項1~4のいずれか1項に記載の機能性木材。
  6. 前記貫通孔内を通すことができる直線の、前記中心軸に対する最大傾斜角度は13度以下である、
    請求項1~5のいずれか1項に記載の機能性木材。
  7. 前記貫通孔は、前記木材基板に複数形成されており、
    前記複数の貫通孔のうち、互いに隣接する少なくとも2つの貫通孔の前記中心軸は平行である、
    請求項1又は4に記載の機能性木材。
  8. 前記貫通孔は、前記裏面側に配置される光源からの光を、前記表面側に透過させる、
    請求項1~7のいずれか1項に記載の機能性木材。
  9. 前記貫通孔は、光を透過させる光透過部材にて塞がれている、
    請求項1~8のいずれか1項に記載の機能性木材。
  10. 前記貫通孔は、前記裏面側に配置される送風源からの気流を、前記表面側に透過させる、
    請求項1~8のいずれか1項に記載の機能性木材。
  11. 請求項1~10のいずれか1項に記載の機能性木材を用いて構成される凹部及び凸部を含む建材であって、
    前記凸部の先端面に、前記表面側を前記凸部の突出方向に向けて前記木材基板が配置され、
    前記木材基板の前記裏面側から前記表面側に、前記貫通孔を通して、光と気体との少なくとも一方を透過させる、
    建材。
  12. 請求項1~10のいずれか1項に記載の機能性木材を用いて構成される建材であって、
    前記木材基板における前記貫通孔は点描状に配置され、
    前記木材基板の前記裏面側から前記表面側に、前記貫通孔を通して、光と気体との少な
    くとも一方を透過させる、
    建材。
  13. 請求項1~10のいずれか1項に記載の機能性木材の製造方法であって、
    前記木材基板の基材を準備する工程と、
    レーザ光を前記基材に間欠的に照射することで、前記基材に前記貫通孔を形成する工程と、を有する、
    機能性木材の製造方法。
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