JP7340452B2 - 米発酵ビールテイスト飲料およびその製法 - Google Patents

米発酵ビールテイスト飲料およびその製法 Download PDF

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Description

関連出願の参照
本特許出願は、先に出願された日本国における特許出願である特願2017-168709号(出願日:2017年9月1日)に基づく優先権の主張を伴うものである。この先の特許出願における全開示内容は、引用することにより本明細書の一部とされる。
本発明は、米由来糖質材料を発酵原料とし、かつ麦由来原料を発酵原料としない米発酵ビールテイスト飲料およびその製法に関する。
近年、グルテンを含む食品をとらない食事療法が知られ、日常的にできるだけグルテンフリーの食事をとる人も増えている。グルテンフリーの効能には個人差もあるが、例えば、冷えの解消、ニキビの抑制、便秘、むくみ、こり、生理痛、生理不順などの改善の他、ミネラルの吸収促進、免疫力の亢進、大腸癌の予防、腸内環境の改善、美肌効果、痩身効果等が期待できるといわれている。そして、麦を使ったグルテン含有食品の代わりに、米を主食とすることを推奨されることが多い。
ビールテイスト飲料の分野においても、麦をいっさい使用せずに、米を主原料とする発酵飲料が開発されている。例えば、特開平10-229868号公報(特許文献1)には、発芽米とビール酵母を用いて米発酵ビールテイスト飲料を製造したことが開示されている。
しかし、従来の米発酵ビールテイスト飲料は、米ぬか様の香りなどの米由来の香りが強く、ビールらしい香りが弱いという特徴があり、この点に改善の余地がある。
特開平10-229868号公報
本発明者らは、米発酵ビールテイスト飲料において、酢酸エチルと酢酸イソアミルの濃度を所定の範囲に調整することにより、ビールらしい香味が強調された米発酵ビールテイスト飲料が得られることを見出した。本発明はこの知見に基づくものである。
従って、本発明は、グルテンを含まず且つビールらしい香味が増強された米発酵ビールテイスト飲料およびその製法を提供することを目的とする。
すなわち、本発明によれば、以下の発明が提供される。
(1)米由来糖質材料を発酵原料とし、かつ麦由来原料を発酵原料としない米発酵ビールテイスト飲料であって、
飲料中の酢酸エチルの濃度および酢酸イソアミルの濃度が、
(a)酢酸エチルの濃度が5mg/L以上、7mg/L未満であり、かつ酢酸イソアミルの濃度が1.2~5mg/Lである、
(b)酢酸エチルの濃度が7mg/L以上、15mg/L未満であり、かつ酢酸イソアミルの濃度が0.7~5mg/Lである、
(c)酢酸エチルの濃度が15mg/L以上、40mg/L未満であり、かつ酢酸イソアミルの濃度が0.4~5mg/Lである、
のいずれかの条件を満たす、米発酵ビールテイスト飲料。
(2)飲料中の酢酸エチルの濃度および酢酸イソアミルの濃度が、
(b’)酢酸エチルの濃度が7mg/L以上、15mg/L未満であり、かつ酢酸イソアミルの濃度が2~5mg/Lである、
(c’)酢酸エチルの濃度が15mg/L以上、40mg/L未満であり、かつ酢酸イソアミルの濃度が0.7~5mg/Lである、
のいずれかの条件を満たす、前記(1)の米発酵ビールテイスト飲料。
(3)米由来糖質材料を発酵原料とし、かつ麦由来原料を発酵原料としない米発酵ビールテイスト飲料を製造する方法であって、少なくとも米由来糖質材料および水を含む混合物を発酵させる工程を含んでなり、
製造される飲料中の酢酸エチルの濃度および酢酸イソアミルの濃度が、
(a)酢酸エチルの濃度が5mg/L以上、7mg/L未満であり、かつ酢酸イソアミルの濃度が1.2~5mg/Lである、
(b)酢酸エチルの濃度が7mg/L以上、15mg/L未満であり、かつ酢酸イソアミルの濃度が0.7~5mg/Lである、
(c)酢酸エチルの濃度が15mg/L以上、40mg/L未満であり、かつ酢酸イソアミルの濃度が0.4~5mg/Lである、
のいずれかの条件を満たすように調整される、方法。
(4)製造される飲料中の酢酸エチルの濃度および酢酸イソアミルの濃度が、
(b’)酢酸エチルの濃度が7mg/L以上、15mg/L未満であり、かつ酢酸イソアミルの濃度が2~5mg/Lである、
(c’)酢酸エチルの濃度が15mg/L以上、40mg/L未満であり、かつ酢酸イソアミルの濃度が0.7~5mg/Lである、
のいずれかの条件を満たすように調整される、前記(3)の方法。
(5)以下の工程:
(i)米、糖化酵素、タンパク質分解酵素および水の混合物を40~60℃で15~90分間保持した後、70~90℃で30~90分間保持する工程、
(ii)工程(i)で得られた混合物の温度を40~60℃に調整し、該混合物に、タンパク、糖化酵素およびタンパク質分解酵素を添加し、得られた混合物を40~60℃で30~120分間保持した後、55~75℃で5~60分間保持する工程、
(iii)工程(ii)で得られた混合物の温度を70~90℃に調整した後、固液分離処理を行い、液体を採取する工程、
(iv)工程(iii)で得られた液体を煮沸する工程、ならびに
(v)工程(iv)で得られた煮沸後の液体を冷却した後に、これをビール酵母による発酵に供する工程
を含んでなり、工程(iii)以降のいずれかの段階でホップが添加される、前記(3)または(4)の方法。
本発明によれば、グルテンを含まず且つビールらしい香味が強調された米発酵ビールテイスト飲料が提供される。本発明の米発酵ビールテイスト飲料では、グルテンを含まず、ビールらしい香味が増強されるとともに、米ぬか様の香りなどの米由来の香りが抑制される。
発明の具体的説明
本発明の米発酵ビールテイスト飲料は、米由来糖質材料を発酵原料とし、かつ麦由来原料を発酵原料としない米発酵ビールテイスト飲料であって、飲料中の酢酸エチルの濃度および酢酸イソアミルの濃度が所定の条件を満たすものである。
本発明における「米発酵ビールテイスト飲料」とは、ビール(麦芽およびホップを原料として用い、ビール酵母による発酵によって得られるアルコール飲料)と同様の風味を有する、米由来糖質材料を発酵原料とする発酵飲料を意味する。本発明の米発酵ビールテイスト飲料は、発酵原料として米由来糖質材料を用いるが、糖化工程に麹を用いる日本酒(清酒)や焼酎とは異なり、麹は用いられない。また、本発明の米発酵ビールテイスト飲料は、ホップを原料として用いることによりホップの香気が付与された発酵飲料である。さらに、本発明の米発酵ビールテイスト飲料は、ビール酵母を用いた発酵工程を経て製造される発酵飲料である。また、本発明の米発酵ビールテイスト飲料は、ビールらしい色を呈するものであり、金色、黄色、ストロー色などと表現される色を呈するものである。このようなビールらしい色としては、例えば、色度(EBC)が1~12程度の色が挙げられる。さらに、本発明の米発酵ビールテイスト飲料は、グルテンを含有しない飲料である。
本発明における「麦由来原料」とは、大麦や小麦などの麦に由来する原料、例えば、これらの麦そのもの、これらを発芽させた麦芽、およびこれらから得られる麦芽エキスなどの加工品を意味する。
本発明に用いられる米由来糖質材料は、酵母による発酵の発酵原料として用いることのできる糖質を含有する米由来の材料であればよく、例えば、精米、玄米、発芽米、もみ付米等の米そのものや米粉、米シロップ等の米加工物などが挙げられる。また、米はいずれの品種のものであってもよい。本発明の好ましい実施態様によれば、米由来糖質材料は精米とされる。
本発明の米発酵ビールテイスト飲料中の酢酸エチルの濃度および酢酸イソアミルの濃度は、以下の条件:
(a)酢酸エチルの濃度が5mg/L以上、7mg/L未満であり、かつ酢酸イソアミルの濃度が1.2~5mg/Lである、
(b)酢酸エチルの濃度が7mg/L以上、15mg/L未満であり、かつ酢酸イソアミルの濃度が0.7~5mg/Lである、
(c)酢酸エチルの濃度が15mg/L以上、40mg/L未満であり、かつ酢酸イソアミルの濃度が0.4~5mg/Lである、
のいずれかの条件を満たす。
本発明の好ましい実施態様によれば、本発明の米発酵ビールテイスト飲料中の酢酸エチルの濃度および酢酸イソアミルの濃度は、以下の条件:
(b’)酢酸エチルの濃度が7mg/L以上、15mg/L未満であり、かつ酢酸イソアミルの濃度が2~5mg/Lである、
(c’)酢酸エチルの濃度が15mg/L以上、40mg/L未満であり、かつ酢酸イソアミルの濃度が0.7~5mg/Lである、
のいずれかの条件を満たす。
さらに、本発明の別の態様によれば、米由来糖質材料を発酵原料とし、かつ麦由来原料を発酵原料としない米発酵ビールテイスト飲料が提供され、飲料中の酢酸エチルの濃度および酢酸イソアミルの濃度は、以下の条件:
(a)酢酸エチルの濃度が5.5mg/L以上、10mg/L未満であり、かつ酢酸イソアミルの濃度が1.5~2.5mg/Lである;
(b)酢酸エチルの濃度が10mg/L以上、16.6mg/L未満であり、かつ酢酸イソアミルの濃度が1~2.5mg/Lである;
(c)酢酸エチルの濃度が16.6mg/L以上、25mg/L未満であり、かつ酢酸イソアミルの濃度が0.4~2.5mg/Lである
のいずれかの条件を満たす。
本発明の好ましい実施態様によれば、上述の米発酵ビールテイスト飲料中の酢酸エチルの濃度および酢酸イソアミルの濃度は、以下の条件:
(b’)酢酸エチルの濃度が10mg/L以上、16.6mg/L未満であり、かつ酢酸イソアミルの濃度が2~2.5mg/Lである;
(c’)酢酸エチルの濃度が16.6mg/L以上、25mg/L未満であり、かつ酢酸イソアミルの濃度が1~2.5mg/Lである
のいずれかの条件を満たす。
飲料中の酢酸エチルおよび酢酸イソアミルの濃度は、バイアル内で加温したビールサンプルの気相部をFID検出器付きガスクロマトグラフへ導入し、ガスクロマトグラムより酢酸エチルおよび酢酸イソアミルの面積を読み取り、内部標準物質(n-ブタノール)の面積に対する比から各成分量を算出することにより行うことができる。その際に、より正確な濃度測定のためには、既知の濃度を有する幾つかの対照サンプルの測定値に基づいて作成した検量線を用いることが望ましい。
本発明の米発酵ビールテイスト飲料は、米由来糖質材料を発酵原料とし、麦由来原料を発酵原料としない米発酵ビールテイスト飲料の製造において、米由来糖質材料および水を含む混合物を発酵させるとともに、製造される飲料中の酢酸エチルの濃度および酢酸イソアミルの濃度が上述の条件を満たすようにこれらの濃度を調整することによって製造することができる。この製法の具体的な手順は特に限定されるものではないが、好ましくは以下の工程:糖化酵素およびタンパク質分解酵素を用いた米の第一の糖化工程、米タンパクの存在下における糖化酵素およびタンパク質分解酵素を用いた米の第二の糖化工程、固液分離工程、煮沸工程、ならびにビール酵母による発酵工程が含まれる。このような米発酵ビールテイスト飲料の製法は、本発明の一つの態様を構成する。
米由来糖質材料の第一の糖化工程では、糖化酵素およびタンパク質分解酵素を用いた酵素反応が行われる。ここで用いられる糖化酵素およびタンパク質分解酵素は、ビールの醸造における糖化工程に用いられる標準的な酵素であればよい。本工程では、米由来糖質材料、糖化酵素、タンパク質分解酵素および水の混合物が40~60℃で15~90分間保持された後、70~90℃で30~90分間保持される。本発明の好ましい実施態様によれば、本工程では、米由来糖質材料、糖化酵素、タンパク質分解酵素および水の混合物が45~55℃で30~60分間保持された後、75~85℃で45~75分間保持される。
米由来糖質材料の第二の糖化工程では、タンパク(麦由来のタンパクを除く)の存在下において、糖化酵素およびタンパク質分解酵素を用いた酵素反応が行われる。ここで用いられるタンパクは、麦由来のタンパクを除けば、どのようなタンパクであってもよいが、好ましくは麦以外の穀物に由来するタンパク、例えば、米タンパク、大豆タンパク、コーンタンパク、ソルガムタンパク等が挙げられ、最も好ましくは米タンパクとされる。米タンパクは、玄米から得られるタンパク質であり、大豆たんぱく等と同様に市販されている。米タンパクの種類は特に制限されず、玄米由来のタンパク質であればいずれのものを用いてもよい。タンパクの使用量は特に制限されるものではないが、米由来糖質材料の量に対して、好ましくは0.5~4.5質量%、より好ましくは1.5~3.5質量%とされる。本工程で用いられる糖化酵素およびタンパク質分解酵素もまた、ビールの醸造における糖化工程に用いられる標準的な酵素であればよい。また、本工程で用いられる糖化酵素およびタンパク質分解酵素は、米の第一の糖化工程で用いられるものと同一であっても異なっていてもよい。本工程では、第一の糖化工程で得られた混合物の温度が40~60℃に調整され、該混合物に、タンパク、糖化酵素およびタンパク質分解酵素が添加され、得られた混合物が40~60℃で30~120分間保持された後、55~75℃で5~60分間保持される。本発明の好ましい実施態様によれば、本工程では、第一の糖化工程で得られた混合物の温度が45~55℃に調整され、該混合物に、タンパク、糖化酵素およびタンパク質分解酵素が添加され、得られた混合物が45~55℃で50~100分間保持された後、60~70℃で20~40分間保持される。
固液分離工程では、第二の糖化工程で得られた混合物の温度が70~90℃に調整された後、固液分離処理が行われ、液体の方が採取される。なお、本工程では、固液分離処理の後の混合物にショ糖が添加されてもよい。
煮沸工程では、固液分離工程により得られた液体を煮沸する。続いて、発酵工程では、煮沸後の液体が冷却され、これがビール酵母による発酵に供される。これらの工程は、通常のビールの製造において典型的に用いられる工程であり、本発明においても同様に実行すればよい。
本発明の方法では、いずれかの工程でホップ(ホップの加工品を含む)を添加することができる。ホップの添加量は、典型的には、発酵工程における発酵前液の容量に対して、0.1~3g/Lとなるように調整することができ、好ましくは0.1~2g/L、さらに好ましくは0.2~1.5g/Lとすることができる。
本発明の方法では、ホップ、米由来糖質材料、タンパク以外に、とうもろこし、こうりゃん、馬鈴薯、でんぷん、糖類(例えば、液糖)等の酒税法で定める副原料や、タンパク質分解物、酵母エキス等の窒素源、香料、色素、起泡・泡持ち向上剤、水質調整剤、発酵助成剤等のその他の添加物を醸造原料として使用することができる。ただし、本発明の方法では、麦由来の原料、例えば、麦、麦芽等は用いられない。
以下の例に基づいて本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらの例に限定されるものではない。
実施例1:米発酵ビールテイスト飲料の製造
本実施例では、麦や麦芽を一切使用せず、米を発酵原料とした米発酵ビールテイスト飲料を製造した。
100Lの湯を張ったマッシュタブに米40kgを投入し、糖化酵素およびタンパク質分解酵素を加え、50℃で50分間保持した。その後、80℃まで昇温し、80℃で60分間保持した。
得られた混合物を50℃まで冷却し、米タンパク1.5kgを投入し、さらに糖化酵素およびタンパク質分解酵素を加え、50℃で70分間保持した。その後、65℃まで昇温し、65℃で5分間保持した。
得られた混合物を78℃まで昇温した後、ロイタータブで固液分離を行い、ショ糖10kgを添加し、液体の方を採取した。
得られた液体にショ糖10kgを添加し、100℃で90分間煮沸した。その際、煮沸開始直後にホップを原単位(製品オリジナルエキス換算)0.223g/Lの量で添加し、煮沸開始後50分の時点でホップを原単位0.335g/Lの量で添加し、煮沸開始後85分の時点でホップを原単位0.558g/Lの量で添加した。
煮沸後の液体を冷却し、ビール酵母を添加して1週間主発酵を行い、その後さらに4日間後発酵を行うことにより、ビールテイスト発酵飲料のサンプルを調製した。得られたサンプルのアルコール濃度は5.25v/v%、pHは4.15、色度(EBC)は3.4であった。
得られたサンプルを試飲したところ、麦や麦芽などの麦由来原料を全く使用していないにもかかわらず、ビールらしい香味が強く感じられ、逆に、米ぬか様の香りなどの米由来の香りは低減していた。
さらに、得られたサンプルに含まれる様々なエステル成分を定量したところ、酢酸エチルの濃度が16.6mg/Lであり、酢酸イソアミルの濃度が1.5mg/Lであり、従来の米発酵ビールテイスト飲料と比べてこれらの濃度が特徴的であった。飲料中のエステル成分の濃度は、バイアル内で加温したビールサンプルの気相部をFID検出器付きガスクロマトグラフへ導入し、ガスクロマトグラムより各エステル成分の面積を読み取り、内部標準物質(n-ブタノール)の面積に対する比から各エステル成分量を算出することにより行った。
実施例2:米発酵ビールテイスト飲料における酢酸エチルおよび酢酸イソアミルの濃度とビールらしい香味との関係
本実施例では、試験醸造した米発酵ビールテイスト飲料に酢酸エチルおよび酢酸イソアミルを添加して、これらを様々な濃度で含有する試飲サンプルを調製し、官能評価を行って、米発酵ビールテイスト飲料における酢酸エチルおよび酢酸イソアミルの濃度とビールらしい香味との関係を調べた。
(1)試飲サンプルの調製
本実施例では、実施例1に記載の製法と比べて、ショ糖を添加しないなどの配合の変更をいくつか試し、実施例1で調製したサンプルよりも酢酸エチルおよび酢酸イソアミルの濃度が低減された米発酵ビールテイスト飲料の生地サンプルを調製した。この生地サンプルに酢酸エチルおよび/または酢酸イソアミルを添加することにより、これらを様々な濃度で含有する試飲サンプルを調製した。
(2)試飲サンプルの官能評価
上記(1)で得られた試飲サンプルについて、訓練された4名のパネルによる官能評価を行った。官能評価は、1(ビールらしい香味が感じられず、米ぬか様の香りが感じられる)~10(ビールらしい香味が強く感じられ、米ぬか様の香りは感じられない)の10段階のスコア(0.5きざみ)によって行い、4名のパネルのスコアの平均値をもって評価した。その際に、ビールらしい香味が感じられ、かつ、米ぬか様の香りは感じられないサンプル、つまり、主要な発酵原料として米を使用するとともに麦や麦芽を全く使用していないにもかかわらず、ビールらしい香味が感じられるサンプルを、その香味の強さに応じてスコア4~5.5とするように各パネルに指示した。また、特にビールらしい香味が強く感じられるサンプルを、その香味の強さに応じてスコア6~10とし、逆に、ビールらしい香味が感じられず、米ぬか様の香りが感じられるサンプルを、その米ぬか様の香りの強さに応じてスコア1~3.5とするように各パネルに指示した。
下記表1に、試飲サンプル中の酢酸エチル濃度、酢酸イソアミル濃度および官能評価結果をまとめて示す。
Figure 0007340452000001
表1に示されるように、酢酸エチル濃度が5.5mg/Lである試験区では、酢酸イソアミル濃度が1.5mg/Lおよび2.5mg/Lの場合に評価スコアが高かった(試験区3および4)。
酢酸エチル濃度が10mg/Lである試験区では、酢酸イソアミル濃度が1mg/L、1.5mg/Lおよび2.5mg/Lの場合に評価スコアが高く(試験区6~8)、特に酢酸イソアミル濃度が2.5mg/Lの場合に優れた評価スコアを示した(試験区8)。
酢酸エチル濃度が16.6mg/Lである試験区では、酢酸イソアミル濃度が0.4mg/L、1mg/L、1.5mg/Lおよび2.5mg/Lの場合に評価スコアが高く(試験区9~12)、特に酢酸イソアミル濃度が1mg/L、1.5mg/Lおよび2.5mg/Lの場合に優れた評価スコアを示した(試験区10~12)。
酢酸エチル濃度が25mg/Lである試験区では、酢酸イソアミル濃度が0.4mg/L、1mg/L、1.5mg/Lおよび2.5mg/Lの場合に評価スコアが高く(試験区13~16)、特に酢酸イソアミル濃度が1mg/L、1.5mg/Lおよび2.5mg/Lの場合に優れた評価スコアを示した(試験区14~16)。
ここで、実施例1において製造された米発酵ビールテイスト飲料のサンプルと同じ酢酸エチル濃度と酢酸イソアミル濃度を有する試験区11は、6.4という優れた評価スコアを示した。

Claims (5)

  1. 米由来糖質材料を発酵原料とし、かつ麦由来原料を発酵原料としない、ホップ(ホップの加工品を含む)を原料として使用した米発酵ビールテイスト飲料(発芽させていないエンドウから抽出したタンパク質の酵素分解物を原料として使用した発泡性アルコール飲料を除く)であって、
    飲料中の酢酸エチルの濃度および酢酸イソアミルの濃度が、
    (a)酢酸エチルの濃度が5mg/L以上、7mg/L未満であり、かつ酢酸イソアミルの濃度が1.2~5mg/Lである、
    (b)酢酸エチルの濃度が7mg/L以上、15mg/L未満であり、かつ酢酸イソアミルの濃度が0.7~5mg/Lである、
    (c)酢酸エチルの濃度が15mg/L以上、40mg/L未満であり、かつ酢酸イソアミルの濃度が0.4~5mg/Lである、
    のいずれかの条件を満たす、米発酵ビールテイスト飲料。
  2. 飲料中の酢酸エチルの濃度および酢酸イソアミルの濃度が、
    (b’)酢酸エチルの濃度が7mg/L以上、15mg/L未満であり、かつ酢酸イソアミルの濃度が2~5mg/Lである、
    (c’)酢酸エチルの濃度が15mg/L以上、40mg/L未満であり、かつ酢酸イソアミルの濃度が0.7~5mg/Lである、
    のいずれかの条件を満たす、請求項1に記載の米発酵ビールテイスト飲料。
  3. 米由来糖質材料を発酵原料とし、かつ麦由来原料を発酵原料としない、ホップ(ホップの加工品を含む)を原料として使用した米発酵ビールテイスト飲料(発芽させていないエンドウから抽出したタンパク質の酵素分解物を原料として使用した発泡性アルコール飲料を除く)を製造する方法であって、少なくとも米由来糖質材料および水を含む混合物を発酵させる工程を含んでなり、
    製造される飲料中の酢酸エチルの濃度および酢酸イソアミルの濃度が、
    (a)酢酸エチルの濃度が5mg/L以上、7mg/L未満であり、かつ酢酸イソアミルの濃度が1.2~5mg/Lである、
    (b)酢酸エチルの濃度が7mg/L以上、15mg/L未満であり、かつ酢酸イソアミルの濃度が0.7~5mg/Lである、
    (c)酢酸エチルの濃度が15mg/L以上、40mg/L未満であり、かつ酢酸イソアミルの濃度が0.4~5mg/Lである、
    のいずれかの条件を満たすように調整される、方法。
  4. 製造される飲料中の酢酸エチルの濃度および酢酸イソアミルの濃度が、
    (b’)酢酸エチルの濃度が7mg/L以上、15mg/L未満であり、かつ酢酸イソアミルの濃度が2~5mg/Lである、
    (c’)酢酸エチルの濃度が15mg/L以上、40mg/L未満であり、かつ酢酸イソアミルの濃度が0.7~5mg/Lである、
    のいずれかの条件を満たすように調整される、請求項3に記載の方法。
  5. 以下の工程:
    (i)米、糖化酵素、タンパク質分解酵素および水の混合物を40~60℃で15~90分間保持した後、70~90℃で30~90分間保持する工程、
    (ii)工程(i)で得られた混合物の温度を40~60℃に調整し、該混合物に、タンパク、糖化酵素およびタンパク質分解酵素を添加し、得られた混合物を40~60℃で30~120分間保持した後、55~75℃で5~60分間保持する工程、
    (iii)工程(ii)で得られた混合物の温度を70~90℃に調整した後、固液分離処理を行い、液体を採取する工程、
    (iv)工程(iii)で得られた液体を煮沸する工程、ならびに
    (v)工程(iv)で得られた煮沸後の液体を冷却した後に、これをビール酵母による発酵に供する工程
    を含んでなり、工程(iii)以降のいずれかの段階でホップが添加される、請求項3または4に記載の方法。
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