JP7340135B2 - 樹脂組成物および成形品 - Google Patents
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Description
特に、キシリレンジアミンとアジピン酸とから得られるMXD6はポリアミド6やポリアミド66等に比べて高い曲げ強さおよび高い曲げ弾性率を有するので、各種工業用材料として特に有用である。このようなポリアミド樹脂(MXD6)として、例えば、特許文献1には、ジアミン成分に由来する構成単位の70モル%以上がキシリレンジアミンに由来するものであり、かつジカルボン酸成分に由来する構成単位が主としてアジピン酸に由来するものであるポリアミド樹脂が開示されている。
本発明は、かかる課題を解決することを目的とするものであって、機械的強度に優れ、かつ、高温環境下でもその機械的強度を高い値で保持できる樹脂組成物および、前記樹脂組成物を用いた成形品を提供することを目的とする。
具体的には、下記手段により、上記課題は解決された。
<1>(A)ポリアミド樹脂97~30質量部と(B)ポリアミド樹脂3~70質量部とを含み、前記(A)ポリアミド樹脂が、ジアミン由来の構成単位とジカルボン酸由来の構成単位から構成され、前記ジアミン由来の構成単位の50モル%超がメタキシリレンジアミンに由来し、前記ジカルボン酸由来の構成単位の50モル%超がアジピン酸に由来し、前記(B)ポリアミド樹脂が、ジアミン由来の構成単位とジカルボン酸由来の構成単位から構成され、前記ジアミン由来の構成単位の50モル%超が直鎖脂肪族ジアミンに由来し、前記ジカルボン酸由来の構成単位の50モル%超がテレフタル酸に由来する、樹脂組成物。
<2>前記(B)ポリアミド樹脂の融点が290℃以上である、<1>に記載の樹脂組成物。
<3>前記(B)ポリアミド樹脂のガラス転移温度が120℃以上である、<1>または<2>に記載の樹脂組成物。
<4>前記(A)ポリアミド樹脂は、前記ジアミン由来の構成単位の70モル%以上がメタキシリレンジアミンに由来し、前記ジカルボン酸由来の構成単位の70モル%以上がアジピン酸に由来し、前記(B)ポリアミド樹脂は、前記ジアミン由来の構成単位の70モル%以上が炭素数5~12の直鎖脂肪族ジアミンに由来し、前記ジカルボン酸由来の構成単位の70モル%以上がテレフタル酸に由来する、<1>~<3>のいずれか1つに記載の樹脂組成物。
<5>前記(A)ポリアミド樹脂は、前記ジアミン由来の構成単位の70モル%以上がメタキシリレンジアミンに由来し、前記ジカルボン酸由来の構成単位の70モル%以上がアジピン酸に由来し、前記(B)ポリアミド樹脂は、前記ジアミン由来の構成単位の70モル%以上が1,10-デカンジアミンに由来し、前記ジカルボン酸由来の構成単位の70モル%以上がテレフタル酸に由来する、<1>~<3>のいずれか1つに記載の樹脂組成物。
<6>さらに、強化繊維を、(A)ポリアミド樹脂と(B)ポリアミド樹脂の合計100質量部に対し、30~300質量部含む、<1>~<5>のいずれか1つに記載の樹脂組成物。
<7>前記強化繊維が、ガラス繊維を含む、<6>に記載の樹脂組成物。
<8>前記(A)ポリアミド樹脂97~51質量部に対し、前記(B)ポリアミド樹脂を3~49質量部含む、<1>~<7>のいずれか1つに記載の樹脂組成物。
<9>前記樹脂組成物を4mm厚さのISO引張り試験片に成形し、80℃の条件下に20分静置した後の、ISO178に準拠した曲げ強さの保持率である(静置後の曲げ強さ/静置前の曲げ強さ)×100が76%以上である、<1>~<8>のいずれか1つに記載の樹脂組成物。
<10>前記樹脂組成物を4mm厚さのISO引張り試験片に成形し、80℃の条件下に20分静置した後の、ISO178に準拠した曲げ弾性率の保持率である(静置後の曲げ弾性率/静置前の曲げ弾性率)×100が78%以上である、<1>~<9>のいずれか1つに記載の樹脂組成物。
<11><1>~<10>のいずれか1つに記載の樹脂組成物から形成された成形品。
<12>エンジン部品に用いる、<11>に記載の成形品。
(A)ポリアミド樹脂は、機械的強度に優れるが、高温環境下で使用すると機械的強度が劣ってしまう場合があった。一方、(B)ポリアミド樹脂は、本来的に機械的強度が低い傾向にある樹脂であるが、(A)ポリアミド樹脂にブレンドすると、高温環境下で使用したときに、(A)ポリアミド樹脂が本来的に有する高い機械的強度を保持できることを見出した。また、(B)ポリアミド樹脂の含有量が多いと、機械的強度そのものが低下してしまう。本発明では、(A)ポリアミド樹脂と(B)ポリアミド樹脂のブレンド比を調整することにより、この点を回避し、本発明を完成するに至った。
本発明の樹脂組成物は、ジアミン由来の構成単位とジカルボン酸由来の構成単位から構成され、ジアミン由来の構成単位の50モル%超がメタキシリレンジアミンに由来し、ジカルボン酸由来の構成単位の50モル%超がアジピン酸に由来するポリアミド樹脂(A)を含む。
特に、メタキシリレンジアミン以外のジアミンとしては、パラキシリレンジアミンが好ましい。
ポリアミド樹脂(A)のガラス転移温度は、60℃以上であることが好ましく、70℃以上であることがより好ましく、80℃以上であることがさらに好ましい。前記ガラス転移温度の上限値としては、特に定めるものではないが、119℃以下が実際的であり、100℃以下であってもよい。
ポリアミド樹脂(A)の融点およびガラス転移温度は、以下の方法に従って測定される。ポリアミド樹脂(B)についても同様である。
熱流束示差走査熱量測定法に基づいて、10℃/分の昇温速度で25℃から予想される融点以上の温度まで昇温し、吸熱ピークのトップの温度を融点とする。次いで、溶融したポリアミド樹脂を、ドライアイスで急冷し、10℃/分の速度で融点以上の温度まで再度昇温し、ガラス転移温度を求める。測定装置は、例えば、島津製作所社(SHIMADZU CORPORATION)製「DSC-60」を用いることができる。
本発明の樹脂組成物は、ジアミン由来の構成単位とジカルボン酸由来の構成単位から構成され、前記ジアミン由来の構成単位の50モル%超が直鎖脂肪族ジアミンに由来し、前記ジカルボン酸由来の構成単位の50モル%超がテレフタル酸に由来するポリアミド樹脂(B)を含む。
(B)ポリアミド樹脂は、前記ジアミン由来の構成単位の70モル%以上が直鎖脂肪族ジアミンに由来することが好ましく、より好ましくは80モル%以上、さらに好ましくは90モル%以上、一層好ましくは95モル%以上が直鎖脂肪族ジアミンに由来する。
ポリアミド樹脂(B)のガラス転移温度は、120℃以上であることが好ましく、130℃以上であることがより好ましく、140℃以上であることがさらに好ましい。前記ガラス転移温度の上限値としては、特に定めるものではないが、170℃以下が実際的である。
本発明の樹脂組成物は、(A)ポリアミド樹脂97~30質量部と(B)ポリアミド樹脂3~70質量部とを含み、(A)ポリアミド樹脂97~51質量部に対し、(B)ポリアミド樹脂を3~49質量部含むことが好ましく、(A)ポリアミド樹脂97~70質量部に対し、(B)ポリアミド樹脂を3~30質量部含むことがより好ましく、(A)ポリアミド樹脂93~70質量部に対し、(B)ポリアミド樹脂を7~30質量部含むことがさらに好ましい。このような範囲とすることにより、本発明の効果がより効果的に発揮される。本発明では、(A)ポリアミド樹脂と(B)ポリアミド樹脂の合計量が100質量部としたときに、上記範囲を満たすことがより好ましい。
本発明の樹脂組成物は、また、強化繊維を含まない場合、(A)ポリアミド樹脂と(B)ポリアミド樹脂の合計が、樹脂組成物の90質量%以上を占めることが好ましく、95質量%以上を占めることがより好ましい。
また、本発明の樹脂組成物は、強化繊維を含む場合、(A)ポリアミド樹脂と(B)ポリアミド樹脂の合計が、樹脂組成物の強化繊維を除いた成分の90質量%以上を占めることが好ましく、95質量%以上を占めることがより好ましい。
(A)ポリアミド樹脂および(B)ポリアミド樹脂は、それぞれ1種のみ含んでいてもよいし、2種以上含んでいてもよい。2種以上含む場合、合計量が上記範囲となることが好ましい。
本発明の樹脂組成物は強化繊維を含むことが好ましい。
強化繊維は、有機強化繊維であっても、無機強化繊維であってもよく、無機強化繊維が好ましい。
強化繊維は、植物繊維、炭素繊維、ガラス繊維、アルミナ繊維、ボロン繊維、セラミック繊維、アラミド繊維等が好ましく、炭素繊維およびガラス繊維から選択されることがより好ましく、ガラス繊維であることがさらに好ましい。
ここでの円形は、幾何学的な意味での真円に加え、本発明の技術分野において通常円形と称されるものを含む趣旨である。
非円形断面の強化繊維は、特開2012-214819号公報の段落0048~0052に記載の扁平形状である強化繊維が例示され、これらの内容は本明細書に組み込まれる。
本発明の樹脂組成物における強化繊維(好ましくはガラス繊維)の含有量は、下限値が、樹脂組成物の25質量%以上であることが好ましく、35質量%以上であることがより好ましく、45質量%以上であることがさらに好ましい。前記含有量の上限値は、65質量%以下であることが好ましく、55質量%以下であることがより好ましい。上記下限値以上とすることにより、機械的強度が顕著に向上する傾向にある。一方、強化繊維の量を上記上限値以下とすることにより、成形性がより向上する傾向にある。
本発明の成形品は、強化繊維を、1種のみ含んでいても、2種以上含んでいてもよい。2種以上含む場合、合計量が上記範囲となることが好ましい。
本発明の樹脂組成物は、結晶化速度を調整するために、核剤を含んでいてもよい。核剤の種類は、特に、限定されるものではないが、タルク、窒化ホウ素、マイカ、カオリン、炭酸カルシウム、硫酸バリウム、窒化珪素、チタン酸カリウムおよび二硫化モリブデンが好ましく、タルクおよび窒化ホウ素がより好ましく、タルクがさらに好ましい。
本発明の樹脂組成物が核剤を含む場合、その含有量は、ポリアミド樹脂(A)とポリアミド樹脂(B)の合計100質量部に対し、0.01~10質量部であることが好ましく、0.1~8質量部がより好ましく、0.1~6質量部がさらに好ましい。
本発明の樹脂組成物は、核剤を、1種のみ含んでいてもよいし、2種以上含んでいてもよい。2種以上含む場合、合計量が上記範囲となることが好ましい。
本発明の樹脂組成物は、離型剤を含んでいてもよい。
離型剤としては、例えば、脂肪族カルボン酸、脂肪族カルボン酸の塩、脂肪族カルボン酸とアルコールとのエステル、脂肪族カルボン酸アミド、数平均分子量200~15,000の脂肪族炭化水素化合物、ポリシロキサン系シリコーンオイル、ワックスなどが挙げられる。
ワックスとしては、ポリオレフィンワックスまたはケトンワックス、アミドワックス、エステルワックス、パラフィンワックスが好ましく、ケトンワックスがより好ましい。
離型剤の詳細は、特開2017-115093号公報の段落0034~0039の記載、特開2018-184575号公報の段落0068~0091の記載を参酌でき、これらの内容は本明細書に組み込まれる。
本発明の樹脂組成物は、離型剤を、1種のみ含んでいてもよいし、2種以上含んでいてもよい。2種以上含む場合、合計量が上記範囲となることが好ましい。
本発明の樹脂組成物は、着色剤を含んでいてもよい。
着色剤としては、無機顔料(カーボンブラックなどの黒色顔料、酸化鉄赤などの赤色顔料、モリブデートオレンジなどの橙色顔料、酸化チタンなどの白色顔料)、有機顔料(黄色顔料、橙色顔料、赤色顔料、青色顔料、緑色顔料など)などが挙げられる。
着色剤の含有量は、樹脂組成物の0.01~2質量%であることが好ましい。着色剤は1種のみ含んでいても、2種以上含んでいてもよい。2種以上含む場合、合計量が上記範囲となることが好ましい。
本発明の樹脂組成物は、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で他の成分を含んでいてもよい。このような添加剤としては、強化繊維以外の充填剤、光安定剤、酸化防止剤、難燃剤、難燃助剤、紫外線吸収剤、蛍光増白剤、滴下防止剤、帯電防止剤、防曇剤、アンチブロッキング剤、流動性改良剤、可塑剤、分散剤、抗菌剤などが挙げられる。これらの成分は、1種のみを用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。これらの成分の含有量は、樹脂組成物の5質量%以下の範囲であることが好ましい。
なお、本発明の樹脂組成物は、各成分の合計が100質量%となるように、樹脂成分、および、強化繊維等の必要に応じて配合される他の添加剤の含有量が調整される。
本発明の樹脂組成物は、ISO178に準拠して、ISO引張り試験片(4mm厚)に成形したときの、23℃の温度における曲げ強さが350MPa以上であることが好ましく、360MPa以上であることがより好ましく、370MPa以上であることがさらに好ましい。前記曲げ強さの上限値は、特に定めるものではないが、500MPa以下が実際的である。
本発明の樹脂組成物は、4mm厚さのISO引張り試験片に成形し、80℃の条件下に20分静置した後の、ISO178に準拠した曲げ強さの保持率である、(静置後の曲げ強さ/静置前の曲げ強さ)×100が76%以上であることが好ましく、78%以上であることがより好ましい。上限値としては、特に定めるものではないが、例えば、85%以下が実際的である。
本発明の樹脂組成物は、4mm厚さのISO引張り試験片に成形し、90℃の条件下に20分静置した後の、ISO178に準拠した曲げ強さの保持率である、(静置後の曲げ強さ/静置前の曲げ強さ)×100が65%以上であることが好ましい。上限値は、特に定めるものではないが、例えば、76%以下が実際的である。
本発明の樹脂組成物は、4mm厚さのISO引張り試験片に成形し、80℃の条件下に20分静置した後の、ISO178に準拠した曲げ弾性率の保持率である、(静置後の曲げ弾性率/静置前の曲げ弾性率)×100が78%以上であることが好ましく、80%以上であることがより好ましい。上限値は、特に定めるものではないが、例えば、85%以下が実際的である。
本発明の樹脂組成物は、4mm厚さのISO引張り試験片に成形し、90℃の条件下に20分静置した後の、ISO178に準拠した曲げ弾性率の保持率である、(静置後の曲げ弾性率/静置前の曲げ弾性率)×100が60%以上であることが好ましく、62%以上であることがより好ましい。上限値は、特に定めるものではないが、例えば、75%以下が実際的である。
曲げ強さおよび曲げ弾性率は、後述する実施例に記載の方法で測定される。
本発明において、樹脂組成物の製造方法は、特に定めるものではなく、公知の熱可塑性樹脂組成物の製造方法を広く採用できる。具体的には、各成分を、タンブラーやヘンシェルミキサーなどの各種混合機を用い予め混合した後、バンバリーミキサー、ロール、ブラベンダー、単軸押出機、二軸押出機、ニーダーなどで溶融混練することによって樹脂組成物を製造することができる。
さらに、例えば、一部の成分を予め混合し押出機に供給して溶融混練することで得られる組成物をマスターバッチとし、このマスターバッチを再度残りの成分と混合し、溶融混練することによって、ペレットを製造することもできる。
本発明の成形品は、本発明の樹脂組成物から形成される。
本発明の成形品の製造方法は、特に定めるものではない。
例えば、本発明の成形品は、各成分を溶融混練した後、直接に各種成形法で成形してもよいし、各成分を溶融混練してペレット化した後、再度、溶融して、各種成形法で成形してもよい。
特に、本発明の成形品は、エンジン部品に好ましく用いられる。具体的には、エンジンカバー、エアインテークパイプ、タイミングベルトカバー、インテークマニホールド、フィラーキャップ、スロットルボディ、クーリングファンなどが例示される。
また、本発明の成形品は、特開2019-065122号公報の段落0165に記載されている各種用途にも好ましく用いられる。
MXD6:三菱ガス化学社製、#6000、融点237℃、ガラス転移温度85℃
<ポリアミド樹脂(B)>
10T:1,10-デカンジアミンとテレフタル酸から構成されるポリアミド樹脂、製造元:ユニチカ株式会社、品番:ゼコットXN400、融点315℃、ガラス転移温度150℃。上記融点およびガラス転移温度は以下の方法で測定した。
熱流束示差走査熱量測定法に基づいて、10℃/分の昇温速度で25℃から予想される融点以上の温度まで昇温し、吸熱ピークのトップの温度を融点とした。次いで、溶融したポリアミド樹脂を、ドライアイスで急冷し、10℃/分の速度で融点以上の温度まで再度昇温し、ガラス転移温度を求めた。
測定装置は、島津製作所社(SHIMADZU CORPORATION)製「DSC-60」を用いた。
5000A:タルク、林化成社製、ミクロンホワイト5000A
<強化繊維>
T-296GH:円形断面ガラス繊維、日本電気硝子株式会社製
<離型剤>
T-1:ジステアリルケトン、花王社製、カオワックスT-1
<着色剤>
CBMB:カーボンブラックマスターバッチ、三菱ケミカル製、カーボンブラック#45(ファーネスブラック、DBP吸収量53g/100cm3)
<コンパウンド>
後述する下記表1に記載のペレット(樹脂組成物)を製造した。
具体的には、後述する下記表1に示す各成分であって、ガラス繊維以外の成分を表1に示す割合(単位は、質量部である)をそれぞれ秤量し、ドライブレンドした後、二軸押出機(東芝機械社製、TEM26SS)のスクリュー根元から2軸スクリュー式カセットウェイングフィーダ(クボタ社製、CE-W-1-MP)を用いて投入した。また、ガラス繊維については振動式カセットウェイングフィーダ(クボタ社製、CE-V-1B-MP)を用いて押出機のサイドから上述の二軸押出機に投入し、樹脂成分等と溶融混練し、ペレットを得た。二軸押出機の温度設定は、330℃とした。
上記ペレットを120℃で3時間乾燥させた後、射出成形機(日精樹脂工業社製、「NEX140III」)にて、シリンダー温度320℃、金型温度130℃の条件で、ISO引張り試験片(4mm厚)を射出成形した。
成形品を、80℃または90℃の環境下に20分静置した後、前記80℃または90℃の環境下で、曲げ強さおよび曲げ弾性率を測定した。
具体的には、ISO178に準拠して、上記ISO引張り試験片(4mm厚)を用いて、曲げ強さ(単位:MPa)および曲げ弾性率(単位:GPa)を測定した。結果を下記表1に示す。
さらに、曲げ強さ保持率および曲げ弾性率保持率を以下の通り算出した。
曲げ強さ保持率=(静置後の曲げ強さ/静置前の曲げ強さ)×100(単位:100%)
曲げ弾性率保持率=(静置後の曲げ弾性率/静置前の曲げ弾性率)×100(単位:100%)
Claims (10)
- (A)ポリアミド樹脂97~30質量部と(B)ポリアミド樹脂3~70質量部とを含み、
前記(A)ポリアミド樹脂が、ジアミン由来の構成単位とジカルボン酸由来の構成単位から構成され、前記ジアミン由来の構成単位の70モル%以上がメタキシリレンジアミンに由来し、前記ジカルボン酸由来の構成単位の70モル%以上がアジピン酸に由来し、
前記(B)ポリアミド樹脂が、ジアミン由来の構成単位とジカルボン酸由来の構成単位から構成され、前記ジアミン由来の構成単位の70モル%以上が1,10-デカンジアミンに由来し、前記ジカルボン酸由来の構成単位の70モル%以上がテレフタル酸に由来する、樹脂組成物。 - 前記(B)ポリアミド樹脂の融点が290℃以上である、請求項1に記載の樹脂組成物。
- 前記(B)ポリアミド樹脂のガラス転移温度が120℃以上である、請求項1または2に記載の樹脂組成物。
- さらに、強化繊維を、(A)ポリアミド樹脂と(B)ポリアミド樹脂の合計100質量部に対し、30~300質量部含む、請求項1~3のいずれか1項に記載の樹脂組成物。
- 前記強化繊維が、ガラス繊維を含む、請求項4に記載の樹脂組成物。
- 前記(A)ポリアミド樹脂97~51質量部に対し、前記(B)ポリアミド樹脂を3~49質量部含む、請求項1~5のいずれか1項に記載の樹脂組成物。
- 前記樹脂組成物を4mm厚さのISO引張り試験片に成形し、80℃の条件下に20分静置した後の、ISO178に準拠した曲げ強さの保持率である(静置後の曲げ強さ/静置前の曲げ強さ)×100が76%以上である、請求項1~6のいずれか1項に記載の樹脂組成物。
- 前記樹脂組成物を4mm厚さのISO引張り試験片に成形し、80℃の条件下に20分静置した後の、ISO178に準拠した曲げ弾性率の保持率である(静置後の曲げ弾性率/静置前の曲げ弾性率)×100が78%以上である、請求項1~7のいずれか1項に記載の樹脂組成物。
- 請求項1~8のいずれか1項に記載の樹脂組成物から形成された成形品。
- エンジン部品に用いる、請求項9に記載の成形品。
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