以下、本発明を実施するための形態として、本発明の実施例を、図を参照しつつ詳しく説明する。
(A)部品実装機の構成
図1に、部品実装機10を示す。部品実装機10は、回路基材12に対する部品の実装作業を実行するための装置である。部品実装機10は、装置本体20、基材搬送保持装置22、部品装着装置24、撮像装置26,28、部品供給装置30、ばら部品供給装置32、制御装置(図12参照)34を備えている。なお、回路基材12として、回路基板、三次元構造の基材等が挙げられ、回路基板として、プリント配線板、プリント回路板等が挙げられる。
装置本体20は、フレーム40と、そのフレーム40に上架されたビーム42とによって構成されている。基材搬送保持装置22は、フレーム40の前後方向の中央に配設されており、搬送装置50とクランプ装置52とを有している。搬送装置50は、回路基材12を搬送する装置であり、クランプ装置52は、回路基材12を保持する装置である。これにより、基材搬送保持装置22は、回路基材12を搬送するとともに、所定の位置において、回路基材12を固定的に保持する。なお、以下の説明において、回路基材12の搬送方向をX方向と称し、その方向に直角な水平の方向をY方向と称し、鉛直方向をZ方向と称する。つまり、部品実装機10の幅方向は、X方向であり、前後方向は、Y方向である。
部品装着装置24は、ビーム42に配設されており、2台の作業ヘッド60,62と作業ヘッド移動装置64とを有している。各作業ヘッド60,62は、吸着ノズル(図2参照)66を有しており、吸着ノズル66によって部品を保持する。また、作業ヘッド移動装置64は、X方向移動装置68とY方向移動装置70とZ方向移動装置72とを有している。そして、X方向移動装置68とY方向移動装置70とによって、2台の作業ヘッド60,62は、一体的にフレーム40上の任意の位置に移動させられる。また、各作業ヘッド60,62は、図2に示すように、スライダ74,76に作業者が工具を用いることなくワンタッチで着脱可能に位置決めして着脱可能に装着されており、Z方向移動装置72は、スライダ74,76を個別に上下方向に移動させる。つまり、作業ヘッド60,62は、Z方向移動装置72によって、個別に上下方向に移動させられる。
撮像装置26は、下方を向いた状態でスライダ74に取り付けられており、作業ヘッド60とともに、X方向,Y方向およびZ方向に移動させられる。これにより、撮像装置26は、フレーム40上の任意の位置を撮像する。撮像装置28は、図1に示すように、フレーム40上の基材搬送保持装置22と部品供給装置30との間に、上を向いた状態で配設されている。これにより、撮像装置28は、作業ヘッド60,62の吸着ノズル66に保持された部品を撮像する。
部品供給装置30は、部品装着装置24のフレーム40の前後方向での一方側の端部に配設されている。部品供給装置30は、トレイ型部品供給装置78とフィーダ型部品供給装置(図示省略)とを有している。トレイ型部品供給装置78は、トレイ上に載置された状態の部品を供給する装置である。フィーダ型部品供給装置は、テープフィーダ(図示省略)、スティックフィーダ(図示省略)、ばらばらに散在された状態の複数の部品を供給するばら部品フィーダ装置などによって部品を供給する装置である。
ばら部品供給装置32は、部品装着装置24のフレーム40の前後方向での他方側の端部に配設されている。ばら部品供給装置32は、ばらばらに散在された状態の複数の部品を整列させて、整列させた状態で部品を供給する装置である。つまり、任意の姿勢の複数の部品を、所定の姿勢に整列させて、所定の姿勢の部品を供給する装置である。以下に、部品供給装置32の構成について詳しく説明する。なお、部品供給装置30および、ばら部品供給装置32によって供給される部品として、電子回路部品,太陽電池の構成部品,パワーモジュールの構成部品等が挙げられる。また、電子回路部品には、リードを有する部品,リードを有さない部品等が有る。
ばら部品供給装置32は、図3に示すように、本体80と、部品供給ユニット82と、2次元撮像装置84と、部品引渡し装置86とを有している。
(a)部品供給ユニット
部品供給ユニット82は、部品供給器(図7参照)88とフレーム89と部品散在装置(図4参照)90と部品戻し装置(図4参照)92とを含み、それら部品供給器88とフレーム89と部品散在装置90と部品戻し装置92とが一体的に構成されたものである。部品供給ユニット82は、本体80に作業者が工具を用いることなくワンタッチで着脱可能に位置決めして着脱可能に取り付けられており、ばら部品供給装置32では、5台の部品供給ユニット82が、X方向に1列に並んで配設されている。
部品供給器88は、図4乃至図7に示すように、概して直方体の箱形状をなし、Y方向に延びるように配設されている。なお、Y方向を部品供給器88の前後方向と記載し、部品供給ユニット82において、部品戻し装置92が配設されている側に向かう方向を、前方と記載し、部品供給器88が配設されている側に向かう方向を、後方と記載する。
部品供給器88は、上面と前面とにおいて開口しており、上面の開口は、部品の投入口97とされ、前面の開口は部品の排出口98とされている。部品供給器88では、投入口97の下方に、傾斜板104が配設されている。傾斜板104は、部品供給器88の後方側の端面から中央方向に向かって、下方に傾斜するように配設されている。
また、傾斜板104の前方側に、図5に示すように、コンベア装置106が配設されている。コンベア装置106は、傾斜板104の前方側端部から部品供給器88の前方に向かって、上方に傾斜するように配設されている。なお、コンベア装置106のコンベアベルト112は、電磁モータ(図12参照)116の駆動により、図5での反時計回りに回転する。つまり、コンベア装置106による搬送方向は、傾斜板104の前端部から前方に向かって斜め上方とされている。
また、コンベア装置106の前方側端部の下方には、傾斜板126が配設されている。傾斜板126は、部品供給器88の前方側の端面からコンベア装置106の下方に向かって配設されており、後方側の端部が斜め下方に傾斜している。さらに、その傾斜板126の下方にも、傾斜板128が配設されている。傾斜板128は、コンベア装置106の中央部の下方から部品供給器88の排出口98に向かって、前方側の端部が下方に位置するように傾斜している。
また、フレーム89は、図4に示すように、1対のサイドフレーム130と、連結フレーム132とにより構成されている。1対のサイドフレーム130は、対向した状態で互いに平行且つ、Y方向に延びるように立設されている。そして、1対のサイドフレーム130の下端に、連結フレーム132が架け渡されており、1対のサイドフレーム130が、連結フレーム132により連結されている。なお、フレーム89は、部品供給ユニット82の筐体として機能するものであるが、筐体として機能せずに、部品供給ユニット82の補強部材,外殻部材,ハウジング,カバー,ケーシング等であってもよい。また、1対のサイドフレーム130の間の距離は、部品供給器88の幅方向の寸法より僅かに大きくされており、1対のサイドフレーム130の間に、位置決めされた状態で部品供給器88がワンタッチで着脱可能に装着されている。なお、ワンタッチで着脱可能とは、作業者が工具等を用いることなく、再現可能に着脱されることを意味する。
また、部品散在装置90は、図4及び図5に示すように、部品支持部材150と部品支持部材移動装置152とを含む。部品支持部材150は、ステージ156と1対の側壁部158とによって構成されている。ステージ156は、概して長手形状の板形状をなし、1対のサイドフレーム130の間に装着された部品供給器88の下方から前方に延び出すように、配設されている。また、ステージ156の幅寸法は、1対のサイドフレーム130の間の寸法、つまり、フレーム89の幅寸法と同程度とされており、ステージ156の後端部が、1対のサイドフレーム130の間に位置している。なお、ステージ156の上面は、概して水平とされており、図5に示すように、後端部において、部品供給器88の傾斜板128の前端部と僅かなクリアランスのある状態で配設されている。また、1対の側壁部158は、図4に示すように、ステージ156の長手方向の両側部に立設された状態で固定されており、各側壁部158の上端は、ステージ156の上面より上方に延び出している。
また、部品支持部材移動装置152は、部品支持部材150をエアシリンダ(図12参照)166の作動によりY方向にスライドさせる。この際、部品支持部材150は、部品供給器88の下方に格納された格納状態(図6参照)と、部品供給器88の下方から露出した露出状態(図5参照)との間で移動する。
部品戻し装置92は、図8に示すように、部品収容容器180と容器搖動装置181とを含む。部品収容容器180は、概して箱状をなし、底面が円弧形状とされている。なお、部品収容容器180の幅寸法は、ステージ156の幅寸法と同程度とされている。その部品収容容器180は、ステージ156の前方側の端部において搖動可能に保持されており、容器搖動装置181の作動により、揺動する。この際、部品収容容器180は、開口を上方に向けた収容姿勢(図8参照)と、開口を部品支持部材150のステージ156の上面に向けた戻し姿勢(図9参照)との間で搖動する。
(b)2次元撮像装置
2次元撮像装置84は、図3に示すように、カメラ290とカメラ移動装置292とを含む。カメラ移動装置292は、ガイドレール296とスライダ298とを含む。ガイドレール296は、部品供給器88の上方において、ばら部品供給装置32の幅方向(X方向)に延びるように、本体80に固定されている。スライダ298は、ガイドレール296にスライド可能に取り付けられており、電磁モータ(図12参照)299の作動により、任意の位置にスライドする。また、カメラ290はひとつであり、下方を向いた状態でスライダ298に固定的に装着されている。なお、カメラ290は、立体的な撮像対象物の高さ情報や奥行き情報などを検出できる3次元カメラ、あるいは3次元画像処理装置を備えたものではなく、立体的な撮像対象物の高さ情報や奥行き情報などは検出できない2次元画像を撮像する2次元カメラである。また、カメラ290では、開口絞りがレンズの焦点位置にあるテレセントリックレンズでなく、一般的なレンズ、つまり、画角が0度でないレンズが用いられている。
(c)部品引渡し装置
部品引渡し装置86は、図3に示すように、部品保持ヘッド移動装置300と部品保持ヘッド302と2台のシャトル装置304とを含む。
部品保持ヘッド移動装置300は、X方向移動装置310とY方向移動装置312とZ方向移動装置314とを含む。Y方向移動装置312は、X方向に延びるように、部品供給ユニット82の上方に配設されたYスライダ316を有しており、Yスライダ316は、電磁モータ(図12参照)319の駆動により、Y方向の任意の位置に移動する。X方向移動装置310は、Yスライダ316の側面に配設されたXスライダ320を有しており、Xスライダ320は、電磁モータ(図12参照)321の駆動により、X方向の任意の位置に移動する。Z方向移動装置314は、Xスライダ320の側面に配設されたZスライダ322を有しており、Zスライダ322は、電磁モータ(図12参照)323の駆動により、Z方向の任意の位置に移動する。
部品保持ヘッド302は、図10に示すように、ヘッド本体330と吸着ノズル332とノズル旋回装置334とノズル回転装置335とを含む。ヘッド本体330は、Zスライダ322と一体的に形成されている。吸着ノズル332は、部品を保持するものであり、ホルダ340の下端部に着脱可能に装着されている。ホルダ340は、支持軸344において屈曲可能とされており、ノズル旋回装置334の作動により、ホルダ340が上方向に90度屈曲する。これにより、ホルダ340の下端部に装着されている吸着ノズル332は、90度旋回し、旋回位置に位置決めされ停止する。つまり、吸着ノズル332は、ノズル旋回装置334の作動により、非旋回位置と旋回位置との間で旋回する。もちろん、非旋回位置と旋回位置との間の角度で位置決め停止させることも可能である。また、ノズル回転装置335は、吸着ノズル332をそれの軸心周りに回転させる。
また、2台のシャトル装置304の各々は、図3に示すように、部品キャリヤ388と部品キャリヤ移動装置390とを含み、部品供給ユニット82の前方側に横方向に並んで、本体80に固定されている。部品キャリヤ388には、5個の部品受け部材392が、横方向に一列に並んだ状態で装着されており、各部品受け部材392に、部品が載置される。
なお、ばら部品供給装置32は、種々の部品を供給することが可能であり、部品受け部材392は、部品の形状に応じて種々のものが用意されている。ここでは、ばら部品供給装置32により供給される電子回路部品として、図11に示すように、リードを有するリード部品410に対応する部品受け部材392について説明する。リード部品410は、ブロック状の部品本体412と、部品本体412の底面から突出する2本のリード414とから構成されている。
また、部品受け部材392には、リード部品410に応じた形状の部品受容凹部416が形成されている。部品受容凹部416は、段付き形状の凹部であり、部品受け部材392の上面に開口する本体部受容凹部418と、その本体部受容凹部418の底面に開口するリード受容凹部420とから構成されている。そして、リード部品410は、リード414が下方を向く姿勢で、部品受容凹部416の内部に挿入される。これにより、リード414がリード受容凹部420に挿入されるとともに、部品本体412が本体部受容凹部418に挿入された状態で、リード部品410が部品受容凹部416の内部に載置される。
また、部品キャリヤ移動装置390は、図3に示すように、板状の長手部材であり、前後方向に延びるように、部品供給ユニット82の前方側に配設されている。部品キャリヤ移動装置390の上面には、部品キャリヤ388が前後方向にスライド可能に配設されており、電磁モータ(図12参照)430の駆動により、前後方向の任意の位置にスライドする。なお、部品キャリヤ388が、部品供給ユニット82に接近する方向にスライドした際には、部品保持ヘッド移動装置300による部品保持ヘッド302の移動範囲内に位置する部品受取位置までスライドする。一方、部品キャリヤ388が、部品供給ユニット82から離れる方向にスライドした際には、作業ヘッド移動装置64による作業ヘッド60,62の移動範囲内に位置する部品供給位置までスライドする。
また、制御装置34は、図12に示すように、統括制御装置450と、複数の個別制御装置(図では1つのみ図示されている)452と、画像処理装置454とを含む。統括制御装置450は、コンピュータを主体として構成されたものであり、基材搬送保持装置22,部品装着装置24,撮像装置26,撮像装置28,部品供給装置30,ばら部品供給装置32に接続されている。これにより、統括制御装置450は、基材搬送保持装置22,部品装着装置24,撮像装置26,撮像装置28,部品供給装置30,ばら部品供給装置32を統括して制御する。複数の個別制御装置452は、コンピュータを主体として構成されたものであり、基材搬送保持装置22,部品装着装置24,撮像装置26,撮像装置28,部品供給装置30,ばら部品供給装置32に対応して設けられている(図では、ばら部品供給装置32に対応する個別制御装置452のみが図示されている)。
ばら部品供給装置32の個別制御装置452は、部品供給器88,部品散在装置90,部品戻し装置92,カメラ移動装置292,部品保持ヘッド移動装置300,部品保持ヘッド302,シャトル装置304に接続されている。これにより、ばら部品供給装置32の個別制御装置452は、部品供給器88,部品散在装置90,部品戻し装置92,カメラ移動装置292,部品保持ヘッド移動装置300,部品保持ヘッド302,シャトル装置304を制御する。また、画像処理装置454は、2次元撮像装置84に接続されており、2次元撮像装置84により撮像された撮像データを処理する。その画像処理装置454は、ばら部品供給装置32の個別制御装置452に接続されている。これにより、ばら部品供給装置32の個別制御装置452は、2次元撮像装置84により撮像された2次元撮像データを取得する。
(B)部品実装機の作動
部品実装機10は、上述した構成によって、基材搬送保持装置22に保持された回路基材12に対して部品の装着作業が行われる。具体的には、回路基材12が、基材搬送保持装置22によって作業位置まで搬送され、その位置において、クランプ装置52によって固定的に保持される。次に、撮像装置26が、固定的に保持された回路基材12の上方に移動し、回路基材12を撮像する。これにより、回路基材12の保持位置の誤差に関する情報が得られる。また、部品供給装置30若しくは、ばら部品供給装置32は、所定の供給位置において、部品を供給する。なお、ばら部品供給装置32による部品の供給に関しては、後で詳しく説明する。そして、作業ヘッド60,62の何れかが、部品の供給位置の上方に移動し、吸着ノズル66によって部品を保持する。続いて、部品を保持した作業ヘッド60,62が、撮像装置28の上方に移動し、撮像装置28によって、吸着ノズル66に保持された部品が撮像される。これにより、部品の保持位置の誤差に関する情報が得られる。そして、部品を保持した作業ヘッド60,62が、回路基材12の上方に移動し、保持している部品を、回路基材12の保持位置の誤差,部品の保持位置の誤差等を補正し、回路基材12上に装着する。
(C)ばら部品供給装置の作動
ばら部品供給装置32では、ひとつの種類のリード部品410が、作業者によって、ひとつの部品供給器88の投入口97に投入され、その投入されたリード部品410が、部品供給ユニット82,部品引渡し装置86の作動により、部品キャリヤ388の部品受け部材392に載置された状態で供給される。
詳しくは、作業者は、部品供給器88の上面の投入口97毎に、ひとつの種類のリード部品410を投入する。この際、部品支持部材150は、部品支持部材移動装置152の作動により、部品供給器88の下方に移動しており、格納状態とされている(図6参照)。なお、部品支持部材150が格納状態とされている際に、部品支持部材150の前方側の端部に配設された部品収容容器180は、部品供給器88の前方に位置しており、部品収容容器180の開口を上方に向けた姿勢(収容姿勢)とされている。
部品供給器88の投入口97から投入されたリード部品410は、部品供給器88の傾斜板104の上に落下し、傾斜板104の前方側の下端まで転がり落ちる。この際、傾斜板104の前方側の下端まで転がり落ちたリード部品410は、傾斜板104の前方側の下端と、コンベア装置106の後方側の下端との間に山積される。そして、コンベア装置106が作動されることで、コンベア装置106のコンベアベルト112が図6での反時計回りに周回する。この際、傾斜板104とコンベアベルト112との間に山積されたリード部品410が、コンベアベルト112によって斜め上方に向かって搬送される。
そして、コンベアベルト112によって搬送されたリード部品410は、コンベア装置106の前方側の上端から傾斜板126の上に落下する。その傾斜板126の上に落下したリード部品410は、傾斜板126の上を後方に向かって転がり落ち、傾斜板128の上に落下する。その傾斜板128の上に落下したリード部品410は前方に向かって転がり落ち、部品供給器88の前方側の排出口98から排出される。
これにより、部品供給器88の排出口98から排出されたリード部品410は、部品収容容器180の内部に収容される。そして、部品供給器88から所定量のリード部品410が排出されると、つまり、コンベア装置106が一定量作動すると、コンベア装置106が停止する。次に、部品支持部材150が、部品支持部材移動装置152の作動により、格納状態から前方に向かって移動する。
そして、部品支持部材150が格納状態から所定量、露出状態となる前方に向かって移動したタイミングで、部品戻し装置92の容器搖動装置181が作動し、部品収容容器180が揺動する。これにより、部品収容容器180の姿勢が、開口を上方に向けた姿勢(収容姿勢)から、開口をステージ156に向けた姿勢(戻し姿勢)に勢いよく変化する。この際、部品収容容器180に収容されたリード部品410が、ステージ156に向かって勢いよく放出される。これにより、部品収容容器180からステージ156の上に、ひとつの種類のリード部品410が散在される。なお、リード部品410の散在は、リード部品410が重なった状態でばら撒かれる状態及び、リード部品410が重なることなく、バラバラの状態でばら撒かれる状態を含む概念である。
上述した手順に従って、部品供給器88から部品支持部材150のステージ156の上にリード部品410が散在されると、2次元撮像装置84のカメラ290が、カメラ移動装置292の作動により、部品支持部材150の上方に移動し、撮像位置で停止してリード部品410を撮像する。これにより、図13に示すように、部品支持部材150の上面に散在された複数のリード部品410の各々の2次元撮像データが得られる。そして、部品支持部材150の上面に散在された複数のリード部品410に対して、2次元撮像データに基づいて、部品支持部材150上での位置、リード部品410の姿勢等の情報が演算される。
そして、演算されたリード部品410の位置や姿勢に関する情報などに基づいて、リード部品の上方に、部品保持ヘッド302が、部品保持ヘッド移動装置300の作動により移動し、吸着ノズル332によってリード部品が吸着保持される。なお、吸着ノズル332によってリード部品が吸着保持される際には、吸着ノズル332は、非旋回位置に位置しており、その吸引口は下方を向き、吸引口である吸着面が水平面に対して並行な状態である。
次に、リード部品410が吸着ノズル332によって保持された後に、部品保持ヘッド302が部品キャリヤ388の上方に移動する。この際、部品キャリヤ388は、部品キャリヤ移動装置390の作動により、部品受取位置に移動している。また、部品保持ヘッド302が部品キャリヤ388の上方に移動する際に、吸着ノズル332は、旋回位置に旋回される。なお、旋回位置の吸着ノズル332に保持されたリード部品410のリード414が、鉛直方向での下方を向くように、吸着ノズル332は、ノズル回転装置335の作動により、旋回する。
部品保持ヘッド302が部品キャリヤ388の上方に移動すると、リード414が鉛直方向での下方を向いた状態のリード部品410が、部品受け部材392の部品受容凹部416内に挿入される。これにより、リード部品410は、図11に示すように、リード414を鉛直方向での下方に向けた状態で、部品受け部材392に載置される。
そして、リード部品410が部品受け部材392に載置されると、部品キャリヤ388は、部品キャリヤ移動装置390の作動により、部品供給位置に移動する。部品供給位置に移動した部品キャリヤ388は、作業ヘッド60,62の移動範囲に位置しているため、ばら部品供給装置32では、この位置においてリード部品410が部品実装機10に供給される。このように、ばら部品供給装置32では、部品受け部材392において、リード414が下方を向き、リード414が接続されている底面と対向する上面が上方を向いた状態で、リード部品410が供給される。このため、作業ヘッド60,62の吸着ノズル66は、適切にリード部品410を保持することができる。
このように、ばら部品供給装置32では、ひとつの種類の部品が部品供給器88からステージ156の上に散在され、そのステージ156の上に散在された部品が、カメラ290により撮像される。そして、その撮像データに基づいて、部品の位置や姿勢が演算され、演算された位置や姿勢を利用して、ステージ156の上に散在された部品が部品保持ヘッド302により保持される。ただし、ステージ156に散在された部品の撮像に用いられているカメラ290は、二次元カメラであり、さらに、カメラ290では、テレセントリックレンズが用いられていない。このため、撮像データに基づいて部品の位置や姿勢が演算される際に、部品の高さ寸法を考慮して、部品の位置や姿勢が演算される。
詳しくは、カメラ290によりステージ156の上の部品が撮像される際に、カメラ290は定点撮像を行う。具体的には、例えば、ステージ156の中央であり、かつ上方の所定の高さに、カメラ290が固定された状態で、カメラ290は、ステージ156の上面を一度撮像する。このため、ステージ156の中央以外の位置に部品が散在されている場合に、そのひとつの撮像データに基づいて演算された部品の位置(以下、「撮像部品位置」と記載する)と、実際に部品が載置されている位置(以下、「実部品位置」と記載する)とが異なる。詳しくは、図14に示すように、カメラ290の真下のステージの位置を原点(0)とし、その原点から離れた位置に、高さ寸法HRの部品500が載置されており、その部品500の上端面の4つの角部のうちの1の角部502が、原点からXRの距離に位置している場合について考えてみる。この場合に、カメラ290による撮像データに基づく画像では、部品500の角部502は、原点からX0の距離に位置している。これは、原点からXRの距離に位置する部品500の角部502と、原点からX0の距離に位置するステージ156の上面とが、カメラ290のひとつの主光線510上に位置するためである。このため、カメラ290による撮像データに基づいて、部品500の角部502の位置が演算されると、角部502は、原点からX0の距離に位置していると演算される。このように、部品500の角部502の実部品位置XRと、撮像部品位置X0とは異なる。
そこで、部品500の高さ寸法HRと、カメラ290の配設高さ寸法H0とを利用して、角部502の実部品位置が演算される。つまり、実部品位置XRと撮像部品位置X0との間には、下記式が成立する。
X0:XR=H0:(H0-HR)
このため、実部品位置XRは、下記式に従って演算される。
XR={X0×(H0-HR)}/H0
なお、カメラ290の真下、つまり、原点(0)であれば、部品の高さ寸法に関わらず、実部品位置と撮像部品位置とは一致する。
このように、部品500の角部502の実部品位置XRが演算されると、同様の手法により、部品500の残りの3つの角部の実部品位置XRも演算される。そして、部品500の4つの角部の実部品位置XRに基づいて、部品の保持位置が演算される。例えば、部品500の上端面の中央が保持予定位置である場合には、4つの角部の実部品位置XRの中央位置が、部品保持位置として演算される。
ただし、上記手法で演算される部品保持位置は、部品の上端面の高さ寸法が均一である場合のみ有効であり、部品の上端面の高さ寸法が均一でない場合において、演算された部品保持位置が、保持予定位置からズレる場合がある。詳しくは、図15に示す部品520では、部品500の一方の面は、平坦面とされているが、部品500の他方の面は、段差面521とされている。その段差面521は、長さ方向での一端部に位置する凸部522と、長さ方向での他端部に位置する凹部524とにより構成されている。そして、凸部522の高さ寸法は、H1とされており、凹部524の高さ寸法は、H2とされている。
このように、部品520では、2つの高さ寸法(H1,H2)があるが、上記手法では、1つの高さ寸法を用いて、部品保持位置が演算されるため、例えば、凸部522の高さ寸法(H1)を用いて、部品520の保持位置を演算してみる。具体的には、部品520の上端面の4つの角部526,528,530,532のうちの凸部522に位置する角部526,528を、高さ寸法(H1)を用いて演算する。この際、角部526,528の高さ寸法はH1であるため、高さ寸法(H1)を用いて、角部526,528の実部品位置を適切に演算することができる。また、部品520の上端面の4つの角部526,528,530,532のうちの凹部524に位置する角部530,532を、高さ寸法(H1)を用いて演算する。この際、角部530,532の高さ寸法はH2であるため、高さ寸法(H1)を用いて、角部530,532の実部品位置を適切に演算することができない。つまり、図16に示すように、原点からX2の距離に位置する角部530,532の位置が、高さ寸法(H1)を用いて演算されると、角部530,532の実部品位置は、X2であるにもかかわらず、X2より短いX1と演算される。そして、このように演算された角部530,532の位置を用いて部品保持位置が演算されると、図17に示すように、撮像データに基づいて演算された部品保持位置(〇印)は、保持予定位置(×印)と異なる位置となる。なお、部品520aは、カメラ290の真下に位置しており、部品の高さ寸法に関わらず、実部品位置と撮像部品位置とが一致するため、演算された部品保持位置(〇印)と、保持予定位置(×印)とが一致する。一方、部品520b,cは、カメラ290の光軸線である真下からズレており、角部530,532の実部品位置は、X2であるにもかかわらず、X2より短いX1と演算される。このため、部品520b,cの演算された部品保持位置(〇印)は、部品の保持に適した位置である保持予定位置(×印)からカメラ290の真下、つまり、部品520aに近い方向にズレる。
また、例えば、凹部524の高さ寸法(H2)を用いて、部品520の保持位置を演算してみる。具体的には、部品520の上端面の4つの角部526,528,530,532のうちの凹部524に位置する角部530,532、高さ寸法(H2)を用いて演算する。この際、角部530,532の高さ寸法はH2であるため、高さ寸法(H2)を用いて、角部530,532の実部品位置を適切に演算することができる。また、部品520の上端面の4つの角部526,528,530,532のうちの凸部522に位置する角部526,528を、高さ寸法(H2)を用いて演算する。この際、角部526,528の高さ寸法はH1であるため、高さ寸法(H2)を用いて、角部526,528の実部品位置を適切に演算することができない。つまり、図16に示すように、原点からX1の距離に位置する角部526,528の位置が、高さ寸法(H2)を用いて演算されると、角部526,528の実部品位置は、X1であるにもかかわらず、X1より長いX2と演算される。そして、このように演算された角部526,528の位置を用いて部品保持位置が演算されると、図18に示すように、演算された部品保持位置(〇印)は、保持予定位置(×印)と異なる位置となる。なお、部品520aは、カメラ290の真下に位置しており、部品の高さ寸法に関わらず、実部品位置と撮像部品位置とが一致するため、演算された部品保持位置(〇印)と、保持予定位置(×印)とが一致する。一方、部品520b,cは、カメラ290の真下からズレており、角部526,528の実部品位置は、X1であるにもかかわらず、X1より長いX2と演算される。このため、部品520b,cの演算された部品保持位置(〇印)は、保持予定位置(×印)からカメラ290の真下、つまり、部品520aから離れる方向にズレる。
このように、演算された部品保持位置(〇印)が、保持予定位置(×印)からズレると、部品を適切に保持することができない。このため、ばら部品供給装置32では、部品の上端面の高さ寸法が異なることを考慮して、保持対象の部品の異なる複数の高さ寸法が入力され、それら複数の高さ寸法を利用して、部品保持位置が演算される。具体的には、部品実装機10の作動を制御するためのプログラムの作成装置(図示省略)では、図19に示すように、入力画面550において、6つの入力欄552a~552fが表示される。入力欄552aは、保持高さを入力するための欄であり、部品保持ヘッド302による部品の保持高さが入力される。例えば、部品(図15参照)520では、凹部524の上面が部品保持ヘッド302による保持位置であるため、入力欄552aに凹部524の高さ寸法H2が入力される。また、入力欄552bは、保持面の傾斜角度を入力するための欄であり、部品保持ヘッド302による部品保持時の保持面の傾斜角度が入力される。例えば、部品520(図15参照)では、凹部524の上面が部品保持ヘッド302による保持面であり、凹部524の上面は水平面であるため、入力欄552bに0が入力される。
また、入力欄552c~552fは、部品の上端面の4辺の高さ寸法を入力するための欄である。例えば、部品520(図15参照)では、凸部522のみにより構成される辺、つまり、角部526と角部528とを含む辺の高さ寸法H1が入力欄552cに入力される。また、凹部524のみにより構成される辺、つまり、角部530と角部532とを含む辺の高さ寸法H2が入力欄552eに入力される。また、凸部522と凹部524とにより構成される辺、つまり、角部526と角部530とを含む辺、および、角部528と角部532とを含む辺の高さ寸法が入力欄552d及び、入力欄552fに入力される。ただし、凸部522と凹部524とにより構成される辺は、段差形状とされており、その辺の高い部分の高さ寸法はH1であり、その辺の低い部分の高さ寸法はH2である。そこで、その辺の占める面積の大きい部分の高さ寸法が、入力欄552d及び、入力欄552fに入力される。つまり、図15から分かるように、凸部522と凹部524とにより構成される辺では、凹部524の部分の面積が大きいため、入力欄552d及び、入力欄552fには、高さ寸法H2が入力される。
このように入力画面550に入力し記憶された部品520の保持高さ,保持面の傾斜角度,部品520の段差面521の4辺の高さ寸法を利用して、ステージ156に散在された部品520の保持作業が実行される。詳しくは、カメラ290によるステージ上の部品520の撮像データと、入力画面550に入力された部品520の段差面521の4辺の高さ寸法とに基づいて、部品520の各角部526,528,530,532の実部品位置が演算される。つまり、撮像データに基づいて、各角部526,528,530,532の撮像部品位置X0が演算される。そして、演算された撮像部品位置と、入力画面550に入力された4辺の高さ寸法とに基づいて、各角部526,528,530,532の実部品位置XRが演算される。
具体的には、入力画面550に入力された4辺の高さ寸法の平均値Havが演算される。つまり、部品520では、4辺の高さ寸法の平均値Hav(=(H1+3H2)/4)が演算される。そして、4辺の高さ寸法の平均値Havを、部品520の高さ寸法として、先に説明した式を用いて、部品520の各角部526,528,530,532の実部品位置XRが演算される。つまり、下記式に従って、実部品位置XRが演算される。
XR={X0×(H0-Hav)}/H0
そして、部品520の4つの角部526,528,530,532の実部品位置XRが演算されると、それら4つの角部526,528,530,532の実部品位置XRの中央位置が、部品520の部品保持位置として演算される。そして、部品保持ヘッド移動装置300の作動により、部品保持ヘッド302が演算された部品保持位置の上方に移動するように制御される。また、部品保持ヘッド302では、吸着ノズル332が、入力画面550に入力された保持面の傾斜角度と直行するように、ノズル旋回装置334の作動により、吸着ノズル332の旋回角度が制御される。そして、部品保持ヘッド移動装置300の作動により部品保持ヘッド302が下降し、入力画面550に入力された保持高さにおいて、部品520が吸着ノズル332により保持される。このように、4辺の高さ寸法の平均値Havを、部品520の高さ寸法として、部品520の部品保持位置が演算されると、図20に示すように、演算された部品保持位置(〇印)と、保持予定位置(×印)とが一致する。つまりは、ステージ上に散在された所定の位置の部品の実寸法と、その部品を撮像して認識した部品の寸法とは一致する。換言すれば、ステージ上に散在された部品の形状と、散在された位置と、散在された姿勢に基づいて、部品保持ヘッドが、目的とする部品を適切に保持することができる。これにより、適切な部品の保持作業を担保することが可能となる。なお、部品520の部品保持位置は、保持具が保持したときに重心となる位置にすることが望ましい。
また、部品520は、図15に示すように、段差面521を上方に向けた姿勢で部品保持ヘッド302により保持されるが、その姿勢だけでなく、図21に示すように、段差面521の反対側の平坦面533を上方に向けた姿勢においても、部品保持ヘッド302により保持される。このため、平坦面533を上方に向けた姿勢での部品520の4辺の高さ寸法などが、入力画面550において入力されている。
具体的には、部品520では、平坦面533を上方に向けた姿勢において、平坦面533は傾斜する。この際、段差面521の凹部524の上方に位置する平坦面533の角部534,536が、平坦面533の最も低い位置となり、その角部534,536の高さ寸法は、H3となる。一方、段差面521の凸部522の上方に位置する平坦面533の角部538,540が、平坦面533の最も高い位置となり、その角部538,540の高さ寸法は、H4となる。
このため、入力画面550において、平坦面533を上方に向けた姿勢での部品520に対して、平坦面533の角部534と角部536とを含む辺の高さ寸法H3が入力欄552cに入力される。また、平坦面533の角部538と角部540とを含む辺の高さ寸法H4が入力欄552eに入力される。また、平坦面533の角部534と角部538とを含む辺、および、角部536と角部540とを含む辺の高さ寸法が入力欄552d及び、入力欄552fに入力される。ただし、角部534と角部538とを含む辺、および、角部536と角部540とを含む辺は、傾斜しており、その辺の最も低い部分の高さ寸法はH3であり、その辺の最も高い部分の高さ寸法はH4である。そこで、その辺の平均の高さ寸法が、入力欄552d及び、入力欄552fに入力される。このため、角部534と角部538とを含む辺、および、角部536と角部540とを含む辺の高さ寸法として、入力欄552d及び、入力欄552fに、高さ寸法(H3+H4)/2が入力される。
なお、平坦面533を上方に向けた姿勢での部品520では、平坦面533の中央が部品の保持位置である。このため、入力画面550において、部品520の保持高さとして、角部534と角部536とを含む辺と、角部538と角部540とを含む辺との中央の高さ寸法、つまり、高さ寸法(H3+H4)/2が、入力欄552aに入力される。また、平坦面533を上方に向けた姿勢での部品520では、平坦面533が部品の保持面であり、平坦面533は傾斜しているため、入力画面550において、平坦面533の傾斜角度、例えば、30°が入力欄552bに入力される。
そして、入力画面550に入力された部品520の保持高さ,保持面の傾斜角度,部品520の平坦面533の4辺の高さ寸法を利用して、ステージ156に散在された部品520の保持作業が実行される。なお、平坦面533を上方に向けた姿勢での部品520の保持位置の演算手法、及び、その姿勢での部品520の保持作業の手法は、段差面521を上方に向けた姿勢での部品520と同じであるため、説明を省略する。ただし、平坦面533を上方に向けた姿勢での部品520の保持作業では、吸着ノズル332が、入力画面550に入力された保持面の傾斜角度、つまり、30°と直行するように、吸着ノズル332の旋回角度が調整された後に、その吸着ノズル332により部品520が保持される。換言すれば、吸着ノズル332の吸着口の面が傾斜した保持面と平行となるようにして、部品が保持される。
このように、ひとつの種類の部品520に対して、部品の姿勢毎、つまり、段差面521を上方に向けた姿勢と、平坦面533を上方に向けた姿勢との各々に対して、部品520の保持高さ,保持面の傾斜角度,部品520の4辺の高さ寸法が入力されている。これにより、様々な姿勢でステージ156に散在された部品520を適切に保持することが可能となる。なお、ひとつの種類の部品とは、同じ形状かつ、同じ外寸の部品であり、さらに、同じ機能を有する部品である。
また、ばら部品供給装置32では、部品供給器88に投入する部品の種類を変更することで、異なる種類の部品を供給することが可能とされている。このため、部品520と異なる種類の部品、具体的には、図22に示す部品560の4辺の高さ寸法などが、入力画面550において入力されている。
具体的には、部品560では、部品560の一方の面は、平坦面561とされているが、他方の面は、段差面562とされている。その段差面562は、長さ方向での中央部に位置する中央部563と、長さ方向での一端部に位置する凸部564と、長さ方向での他端部に位置する凹部566とにより構成されている。そして、中央部563の高さ寸法はH5とされており、凸部564の高さ寸法はH6とされており、凹部566の高さ寸法はH7とされている。
このため、段差面562を上方に向けた姿勢での部品560に対して、入力画面550において、凸部564のみにより構成される辺、つまり、角部568と角部570とを含む辺の高さ寸法H6が入力欄552cに入力される。また、凹部566のみにより構成される辺、つまり、角部572と角部574とを含む辺の高さ寸法H7が入力欄552eに入力される。また、中央部563と凸部564と凹部566とにより構成される辺、つまり、角部568と角部572とを含む辺、および、角部570と角部574とを含む辺の高さ寸法が入力欄552d及び、入力欄552fに入力される。ただし、中央部563と凸部564と凹部566とにより構成される辺は、段差形状とされているため、その辺の占める面積の大きい部分の高さ寸法が、入力欄552d及び、入力欄552fに入力される。つまり、図22から分かるように、その辺では、中央部563の部分の面積が大きく安定して吸着するのに適した面であるため、入力欄552d及び、入力欄552fには、中央部563の高さ寸法H5が入力される。
なお、段差面562を上方に向けた姿勢での部品560では、中央部563の中央が部品の保持位置である。このため、入力画面550において、部品560の保持高さとして、中央部563の高さ寸法H5が、入力欄552aに入力される。また、段差面562を上方に向けた姿勢での部品560では、中央部563が部品の保持面であり、中央部563は水平面であるため、入力欄552bに0が入力される。そして、入力画面550に入力された部品560の保持高さ,保持面の傾斜角度,段差面562の4辺の高さ寸法を利用して、段差面562を上方に向けた姿勢でステージ156に散在された部品560の保持作業が実行される。なお、段差面562を上方に向けた姿勢での部品560の保持位置の演算手法、及び、その姿勢での部品560の保持作業の手法は、段差面521を上方に向けた姿勢での部品520と同じであるため、説明を省略する。
また、部品560においても、部品520と同様に、段差面562を上方に向けた姿勢で部品保持ヘッド302により保持されるだけでなく、図23に示すように、段差面562の反対側の平坦面561を上方に向けた姿勢においても、部品保持ヘッド302により保持される。このため、平坦面561を上方に向けた姿勢での部品560の4辺の高さ寸法などが、入力画面550において入力されている。
具体的には、部品560においても、平坦面561を上方に向けた姿勢において、平坦面561は傾斜する。この際、段差面562の凹部566の上方に位置する平坦面561の角部576,578が、平坦面561の最も低い位置となり、その角部576,578の高さ寸法は、H8となる。一方、段差面562の凸部564の上方に位置する平坦面561の角部580,582が、平坦面561の最も高い位置となり、その角部580,582の高さ寸法は、H9となる。
このため、入力画面550において、平坦面561を上方に向けた姿勢での部品560に対して、平坦面561の角部576と角部578とを含む辺の高さ寸法H8が入力欄552cに入力される。また、平坦面561の角部580と角部582とを含む辺の高さ寸法H9が入力欄552eに入力される。また、平坦面561の角部576と角部580とを含む辺、および、角部578と角部582とを含む辺の高さ寸法が入力欄552d及び、入力欄552fに入力される。ただし、角部576と角部580とを含む辺、および、角部578と角部582とを含む辺は、傾斜しており、その辺の最も低い部分の高さ寸法はH8であり、その辺の最も高い部分の高さ寸法はH9である。そこで、その辺の平均の高さ寸法が、入力欄552d及び、入力欄552fに入力される。このため、角部576と角部580とを含む辺、および、角部578と角部582とを含む辺の高さ寸法として、入力欄552d及び、入力欄552fに、高さ寸法(H8+H9)/2が入力される。
なお、平坦面561を上方に向けた姿勢での部品560では、平坦面561の中央が部品の保持位置である。このため、入力画面550において、部品560の保持高さとして、角部576と角部578とを含む辺と、角部580と角部582とを含む辺との中央の高さ寸法、つまり、高さ寸法(H8+H9)/2が、入力欄552aに入力される。また、平坦面561を上方に向けた姿勢での部品560では、平坦面561が部品の保持面であり、平坦面561は傾斜しているため、入力画面550において、平坦面561の傾斜角度、例えば、20°が入力欄552bに入力される。
そして、入力画面550に入力された部品560の保持高さ,保持面の傾斜角度,部品560の平坦面561の4辺の高さ寸法を利用して、平坦面561を上方に向けた姿勢でステージ156に散在された部品560の保持作業が実行される。なお、平坦面561を上方に向けた姿勢での部品560の保持位置の演算手法、及び、その姿勢での部品560の保持作業の手法は、平坦面533を上方に向けた姿勢での部品520と同じであるため、説明を省略する。
このように、部品種毎、つまり、複数種類の部品の各々に対して、部品の保持高さ,保持面の傾斜角度,部品の4辺の高さ寸法が入力されている。これにより、複数種類の部品のうちの任意の種類の部品が部品供給器88に投入された場合において、その任意の種類の部品の保持作業を適切に行うことが可能となる。なお、複数種類の部品とは、異なる形状であったり、異なる外寸等の部品である。さらには、異なる機能を有する部品である場合もある。さらに、それら異なる種類の部品の各々においても、散在される部品の複数の姿勢毎に、部品の保持高さ,保持面の傾斜角度,部品の4辺の高さ寸法が入力されている。これにより、複数種類の部品のうちの任意の部品においても、様々な姿勢でステージ156に散在された部品を適切に保持することが可能となる。
ちなみに、ばら部品供給装置32は、部品保持装置の一例である。ステージ156は、ステージの一例である。カメラ290は、撮像装置の一例である。
なお、本発明は、上記実施例に限定されるものではなく、当業者の知識に基づいて種々の変更、改良を施した種々の態様で実施することが可能である。具体的には、例えば、上記実施例では、ステージ156の上に部品が散在されるが、部品が供給可能な面であれば良い。具体的には、例えば、コンベアベルトの上面をステージとして機能させても良いし、トレイなどのポケット型、あるいはバルクフィーダなどの振動を用いて、部品供給器内の部品を整列させて供給するステージであっても良い。これらの装置において、複数の同じ種類の部品を複数の姿勢で供給する場合においても、本実施例の態様を適用することができる。
また、上記実施例では、入力画面550において、ひとつの種類の部品のひとつの姿勢での異なる複数の高さ寸法として、部品の上方を向く面の4辺の高さ寸法が入力されているが、4辺のうちの2以上の異なる高さ寸法が入力されてもよい。また、上方を向く面の辺に限られず、角部などが入力されてもよい。また、部品の上方を向く面に限られず、部品の複数の面のうちの1以上の任意の面の高さ寸法を入力することができる。例えば、部品保持具として吸着ノズルが採用される場合には、部品の上方を向く面が保持面となることが多いため、部品の上方を向く面の高さ寸法が入力されるが、部品保持具としてチャックが採用される場合には、部品の側方を向く面が保持面となることが多いため、部品の側方を向く面の高さ寸法が入力されてもよい。ただし、保持面に限られず、部品の複数の面のうちの1以上の任意の面の高さ寸法を入力することができる。
また、上記実施例では、吸着ノズル332により部品が保持されているが、部品を保持可能なチャック,ロボットアームなど、種々の態様で部品を保持する保持具を採用して、保持面を保持することが可能である。
また、上記実施例では、テレセントリックレンズと異なるレンズが装着された二次元カメラが採用されているが、3次元カメラ、テレセントリックレンズが装着された二次元カメラなどを採用することが可能である。また、複数のカメラを用いたり、ひとつのカメラの位置を移動させたり角度を変えたりして、複数回撮像を行ない、その撮像データに基づいて、散在された部品の姿勢を判断してもよい。あるいは、これら様々な撮像装置で、2次元画像を取得してもよい。
また、実施例における部品の保持角度は自動で演算されてもよい。つまりは、制御装置によって、散在された部品の姿勢における各高さデータから、保持面の角度が算出されてもよい。あるいは、散在された部品の位置、および、その部品を保持するときの保持面の角度データのみを利用して、散在されたときの姿勢における部品の各高さデータの入力や記憶は省略してもよい。
また、上記実施例では、ばら部品供給装置32に本発明が適用されているが、部品を供給する装置でなく、部品を保持し、装着作業を実行する装置,単に部品を保持する装置などに、本発明を適用することが可能である。
また、保持対象の部品として、部品520,560等に限定されず、種々の種類の部品に本発明を適用することが可能である。具体的には、例えば、太陽電池の構成部品,パワーモジュールの構成部品,リードを有する電子回路部品,リードを有さない電子回路部品、チップ型小型電子部品等に、本発明を適用することが可能である。