JP7337523B2 - 重機等作業用の防振マット - Google Patents

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Description

本発明は、防振マットに関し、詳しくは、建設現場等において重機等から発生する振動が、地面に伝達されることを防止ないし低減させるために、地面に敷設される防振マットに関する。
建設現場等において、地面を養生するために鉄板が敷設されることがある。また、重機等の走行による振動が、地面に伝達されることを防止ないし低減させるために、この鉄板と地面との間に、防振マットが敷設されることがある。
従来から知られる防振マットは、耐久性や防汚性が十分でないため、繰り返しの使用に適していないという問題があった。この問題を解決するため、種々の技術が提案されている。
特許文献1に開示された技術は、ポリオレフィン系樹脂発泡体によって形成された板体を含む内体材を、合成樹脂性シート等からなる複合シート(外装材)で包んだ構成である。
この技術によれば、防振機能はあるが耐久性に欠けるという問題点を有するポリオレフィン系樹脂発泡体(内体材)を、耐久性や防汚性を有する複合シート(外装材)で包んだ構成であるため、耐久性や防汚性を有する防振マットを得ることができる。
しかし、この技術では、外装材の強度や耐久性が十分でないことに加え、内体材と外装材との間に結合性がなく、重機等から発生する振動によって内体材と外装材との間に隙間が生じ易く、外装材に切断、破裂、溶接ヤケ等の損傷が生ずるという問題があった。また、この損傷を修復するために、定期的な補修(パッチによるつぎはぎ等)、清掃、外装材の交換が必要であり、メンテナンスに時間とコストがかかるという問題があった。
特許文献2に開示された技術は、防振材として作用する加硫ゴムチップを、ターポリン等からなる外装体で包んだ構成である。
この技術によれば、防振機能はあるが成形性や耐久性に欠けるという問題点を有する加硫ゴムチップを、耐久性を有するターポリン等の外装体で包んだ構成であるため、耐久性を有する防振マットを得ることができる。
しかし、加硫ゴムチップを使用した構成では成形性が悪く、任意の形状に成形できないことに加え、外装体の強度・耐久性も十分でないという問題があった。また、重機等が積載された場合には大きく変形するため、重機等はバランスを崩すおそれがあり、安全性の確保という点においても問題があった。
また、特許文献1又は2に開示された技術では、防振マットを外装して耐久性を高めてはいるものの、あくまでも鉄板と地面との間に敷設することを前提としており、加重分散や、材料保護の観点から、鉄板の敷設は必要不可欠であった。
実用新案登録第3152250号公報 特開2014-238146号公報
そこで本発明の課題は、高い防振効果を有すると共に、耐久性が高く鉄板を敷設しなくても地面を養生・保護することができ、任意の形状に成形し、その形状を維持することができる防振マットを提供することにある。
上記課題を解決する本発明は、下記構成を有する。
1.重機等から生ずる振動が、地面に伝達されるのを低減させるために用いられる重機等作業用の防振マットにおいて、
ポリオレフィン系樹脂発泡体によって形成された板体を含む防振材部と、
前記防振材部に、硬質合成樹脂をコーティングすることによって形成された外装部と、から構成されたことを特徴とする防振マット。
2.硬質合成樹脂が、ポリウレア樹脂、ウレタン樹脂又は塩化ビニル樹脂であることを特徴とする請求項1に記載の防振マット。
3.上面又は下面の少なくとも一方に、複数の突部が設けられたことを特徴とする請求項1又は2に記載の防振マット。
4.複数の防振マットが上下に積層される構成であり、
前記積層された防振マット同士を固定するための上下連結部が設けられた構成であることを特徴とする請求項1~3のいずれかに記載の防振マット。
5.上下連結部が、
積層される上下それぞれの防振マットについて、上面から下面までを貫通する孔部が設けられ、前記孔部に、連結片が連通されることによって、上下の防振マットが固定される構成であることを特徴とする請求項4に記載の防振マット。
6.複数の防振マットを平面方向に連結することができる構成であり、
前記連結された防振マット同士を固定するための平面連結部を有することを特徴とする請求項1~5のいずれかに記載の防振マット。
7.平面連結部が、
平面方向に連結されるそれぞれの防振マットの端部について、嵌合凸部と嵌合凹部が交互に設けられ、連結される一方の防振マットの嵌合凸部と他方の防振マットの嵌合凹部とが嵌合することによって連結される構成であることを特徴とする請求項6に記載の防振マット。
8.端部が、丸められた形状であることを特徴とする請求項1~7のいずれかに記載の防振マット。
9.防振材部の外面のすべてが、外装部によって覆われ、
端部の側面のコーティング厚が、他のコーティング厚よりも薄く形成されたことを特徴とする請求項1~8のいずれかに記載の防振マット。
10.防振材部の上面と下面が、外装部によって覆われ、
端部の側面が、軟質材料で形成されたことを特徴とする請求項1~8のいずれかに記載の防振マット。
上記1に示す発明によれば、防振材として作用するポリオレフィン系樹脂発泡体を、高い耐久性や防汚性を有する硬質合成樹脂でコーティングする構成により、防振材部と外装部とが一体化され、防振性と耐久性とを併せ持つ防振マットを得ることができる。
具体的には、防振材部を外装部で覆う構成として、従来のように外装シートで包み込むのではなく、コーティングする構成であるため、防振材部と外装部は隙間なく一体化され、重機等による振動が加えられても、防振材部と外装部の間に空隙が生じず、防振マットに損傷が生じ難いという新規な効果がある。また、この効果に伴い、メンテナンス頻度を最小限に抑えることができる。
更に、防振材部と外装部は一体化され、外装部を構成する硬質合成樹脂の剛性・耐久性が高いため、本発明に係る防振マットを工事現場等の地面に敷設すれば、その上に鉄板を敷設しなくても、地面を養生・保護することができる。
更にまた、防振材部と外装部とが一体化される構成であるため、成形性が高く、任意の形状に成形することができると共に、外装部を形成する硬質合成樹脂の剛性が付加されることにより、防振マット全体の剛性が向上し、その形状を維持することができる。この作用効果により、例えば、防振マットに滑り止め等の突部を設けることや、他部材との連結手段を設けることが可能になる。
上記2に示す発明によれば、外装部を形成する硬質合成樹脂として、ポリウレア樹脂、ウレタン樹脂又は塩化ビニル樹脂を採用することにより、耐久性が極めて高い防振マットを得ることができる。
特に、ポリウレア樹脂は、耐衝撃性、強靭性、耐摩耗性、防食性、耐水性、耐薬品性等の極めて高い耐久性を有することで知られており、これで外装部を形成すれば、耐久性が極めて高く、メンテナンス性にも優れる防振マットを得ることができる。
また、ポリウレア樹脂は、コーティング材・塗装材としての態様でも供給されており、防振材部に対して、塗装、塗膜、被膜、被覆、塗布、膜状に付着等を含むコーティングをすることが可能であり、防振材部と外装部とをコーティングにより一体化することが可能である。
更に、外装部としてポリウレア樹脂を採用すれば、その優れた耐久性により、防振マットの上に鉄板等の養生材を敷設しなくても、地面を保護・養生することができる。
上記3に示す発明によれば、防振マットの上面又は下面の少なくとも一方に、複数の突部が設けられた構成により、これらの突部が地面との滑り止め・ズレ止めの役割を果たすことができる。
なお、従来の防振材を外装シートで包む構成では、防振材と外装シートが一体化されておらず、凹凸などの形状に成形することは困難であったが、本発明の構成であれば、防振材部と外装部とが一体化されるため、突部を形成することが可能である。
上記4に示す発明によれば、上下連結部が設けられることによって、防振マットを上下に重ねて使用する場合において、重ねられた防振マット同士を固定することができる。
また、防振マットを上下に重ね合わせ、積層することによって、防振性能を向上させることができると共に、重機の走行やこれに伴う振動によって、重ねられた防振マットが滑ることや脱落すること等を防止・抑制することができる。
上記5に示す発明によれば、上下連結部の構成として、連結片を連通させる手段を採用
することにより、簡単な方法でありながら、強い固定性・結合性を得ることができる。
上記6に示す発明によれば、平面連結部が設けられることによって、防振マットを平面方向に連結して使用する場合において、連結された防振マット同士を固定することができる。
また、防振マットを平面方向に連結させることによって、広い範囲の地面を隙間なく保護・養生することができると共に、重機の走行やこれに伴う振動によって、連結された防振マットがそれぞれ異なる方向に移動し、防振マット同士の間に隙間が生ずること等を防止・抑制することができる。
上記7に示す発明によれば、平面連結部の構成として、それぞれの防振マットの端部に嵌合凸部と嵌合凹部とが交互に設けられ、これらが嵌合されることによって連結を保持する構成であり、簡単な方法でありながら、強い固定性・結合性を得ることができる。
上記8に示す発明によれば、防振マットの端部が丸められた構成であるため、この端部に重機等による荷重が加えられても、欠けや変形といった損傷が生じ難い。
上記9に示す発明によれば、端部の側面のコーティング厚が、他のコーティング厚よりも薄く形成された構成により、この端部の柔軟性が高く、端部に重機等による荷重があっても、欠けや変形といった損傷が生じ難い。
上記10に示す発明によれば、上面と下面は外装部で、即ち硬質合成樹脂でコーティングされた構成であるが、端部については軟質材料で形成された構成であり、この端部の柔軟性が高く、端部に重機等による荷重があっても、欠けや変形といった損傷が生じ難い。
本発明に係る防振マットの一実施例を表す概略斜視図 本発明に係る防振マットの一実施例を表す概略断面図 本発明に係る防振マットが積層された状態を表す概略説明図 端部の形状を表す概略部分断面図(丸められた構成) 端部の形状を表す概略部分断面図(薄く形成された構成) 端部の形状を表す概略部分断面図(軟質材料で形成された構成) 上下連結部の一実施例を表す概略図 (a)概略斜視図,(b)概略a-a断面図,(c)2枚の防振マットが積層された状態を表す概略a-a断面図 平面連結部の一実施例を表す概略図 (a)概略平面図,(b)4枚の防振マットが平面状に連結された状態を表す概略平面図 載荷実験により得られた結果を表す歪量-応力グラフ 従来の防振マットに、重機による荷重と振動が加えられる前後の状態を比較して表した概略説明図 本願に係る防振マットに、重機による荷重と振動が加えられる前後の状態を比較して表した概略説明図 図10及び図11において比較された状態について、その作用効果を表わした模式的なグラフ
次に、添付する図面に従って、本発明に係る防振マット(以下、単に「防振マット」ともいう。)1について、詳細に説明する。
図1は、防振マット1の外観の一実施例を表す概略斜視図である。また、図2は、防振マット1の基本構成を表す概略断面図である。
図2に示されるように、防振マット1は、板状に形成された防振材部2に、外装部3がコーティングにより形成された構成であり、上面11に突部4が形成された構成である。
本発明におけるコーティングとは、防振材部2の表面に、外装部3を形成する材料(例えば、硬質合成樹脂。)を付着させ、防振材部2の全部又は一部を覆うこと又はその施工手段をいう。即ち、このコーティングという用語は、塗装、塗膜、被膜、被覆、塗布、膜状に付着等を含む概念である。
また、本発明におけるコーティングとは、防振材部2に、袋状又はカバー状等の物体を被せることとは異なり、防振材部2の表面に何らかの材料を付着させ、防振材部2と外装部3とが容易に分離しないように隙間なく一体化させること又はその施工手段をいう。
コーティングの具体的手段について限定はないが、この種の技術分野で用いられる公知公用のコーティング手段を特別の制限なく採用することができる。例えば、液状の硬質合成樹脂を防振材部2に吹きつける、ディッピングする、手塗りする等の手段を挙げることができる。
また、コーティング厚についても限定はないが、防振マット1に要求される剛性と弾性とのバランスを考慮すると、0.5~5.0mmであることが好ましい。
防振材部2は、重機の走行等によって生じた振動を吸収し、この振動が地面に伝達されることを防止又は抑制するための部材である。
防振材部2は、ポリオレフィン系樹脂発泡体により形成される。ポリオレフィン系樹脂発泡体とは、ポリオレフィン系樹脂を原材料とした独立気泡の発泡プラスチックであり、ビーズ法架橋ポリエチレンフォームである。
本発明に使用されるポリオレフィン系樹脂発泡体について、以下に詳述する。
本発明に使用されるポリオレフィン系樹脂とは、次の(a)~(e)のいずれかに該当するものである。
(a)エチレン、プロピレン、ブテン等のα-オレフィンの単独重合体。
(b)2種以上のα-オレフィン同士の共重合体。
(c)α-オレフィン成分と他のモノマー成分とからなる共重合体であって、且つα-オレフィン単位成分比率が30重量%以上、好ましくは50重量%以上、より好ましくは70重量%以上、更に好ましくは80重量%以上、最も好ましくは90重量%以上の共重合体。
(d)上記(a)、(b)及び(c)の群から選ばれた2種以上の混合物。
(e)上記(a)、(b)、(c)及び(d)の群から選ばれた1種又は2種以上と、上記(a)、(b)、(c)又は(d)とは異なる他の合成樹脂成分又は/及び他のエラストマー成分との混合樹脂組成物であって、該組成物中のα-オレフィン成分単位比率が30重量%以上、好ましくは50重量%以上、より好ましくは70重量%以上、更に好ましくは80重量%以上、最も好ましくは90重量%以上の混合樹脂組成物。
また、上記ポリオレフィン系樹脂の中でも、防振性能とクリープや引裂き強度において特に優れることから、ポリエチレン系樹脂、更に架橋ポリエチレン系樹脂により形成されていることが好ましい。
なお、ポリエチレン系樹脂とは、次の(f)~(i)のいずれかに該当するものである。
(f)エチレンの単独重合体。
(g)エチレン成分と他のモノマー成分とからなる共重合体であって、且つエチレン単位成分比率が30重量%以上、好ましくは50重量%以上、より好ましくは70重量%以
上、更に好ましくは80重量%以上、最も好ましくは90重量%以上の共重合体。
(h)上記(f)及び(g)の群から選ばれた2種以上の混合物。
(i)上記(f)、(g)及び(h)の群から選ばれた1種又は2種以上と、上記(f)、(g)又は(h)とは異なる他の合成樹脂成分又は/及び他のエラストマー成分との混合樹脂組成物であって、該組成物中のエチレン成分単位比率が30重量%以上、好ましくは50重量%以上、より好ましくは70重量%以上、更に好ましくは80重量%以上、最も好ましくは90重量%以上の混合樹脂組成物。
また、架橋ポリエチレン系樹脂は、例えば、有機過酸化物等によりポリエチレン系樹脂に架橋構造を導入した周知のものであり、該架橋構造の有無は、沸騰キシレン不溶分の有無にて確認することができる。なお、架橋ポリエチレン系樹脂は、ゲル分率が5重量%以上、さらに10~90重量%、特に40~80重量%であることが好ましい。
上記ポリオレフィン系樹脂には、気泡調節剤、難燃剤、難燃助剤、無機充填剤等の各種添加剤を必要に応じて必要量を添加することができる。
また、防振材部2は、上記ポリオレフィン系樹脂を用い、好適には、ポリオレフィン系樹脂を球形状、円柱形状、筒形状等のビーズ状に発泡させてなる発泡粒子を成形金型内に充填し、所定の温度に加熱し、次いで冷却する成形方法、いわゆる型内成形方法により製造されたビーズ発泡成形体により形成されていることが好ましい。これは、ビーズ発泡成形体は、その表面に切断或いは切削加工面が無く、表面全体に緻密且つ滑らかなスキン層を有するため、カスの発生が少なく、且つ強度の向上が図れて欠けや割れが生じ難いために好ましい。
なおまた、本発明の防振材部2として用いられるポリオレフィン系樹脂発泡体について具体的に例示すれば、本出願人である株式会社ジェイエスピーが製造販売するポリプロピレン系樹脂発泡粒子成形体である商品名「ピーブロック」の内、密度が20~60g/Lのものや、同社のポリエチレン系樹脂発泡粒子成形体である商品名「ミラブロック」の内、密度が20~70g/Lのものが好ましく例示される。
ポリオレフィン系樹脂発泡体は、緩衝性能に優れると共に、表面の保護性、耐水性、耐熱性、浮揚性、耐油・耐薬品性等に優れた特性を有する。また、成形性、二次加工性にも優れた特性を有する。
これらの特性から、現在でも、重機が往来する建設現場等において、鉄板(敷き鉄板)と地面との間に挟まれるように敷設され、防振材・緩衝材として利用されている。
外装部3は、防振材部2の表面(外面)を保護して耐久性を向上させると共に、その高い剛性により防振マット1の形態を安定させ、更には、防振マット1の防振・緩衝性能(鉛直振動及び水平振動に対する振動の防止・抑制)を高めるために設けられる。
外装部3は、硬質合成樹脂により形成される。
本発明において硬質合成樹脂とは、防振材部2の原材料として用いられるポリオレフィン系樹脂発泡体よりも硬度が高い合成樹脂をいう。また、一定の柔軟性をも有する合成樹脂であることが好ましい。
硬質合成樹脂として、ポリウレタン樹脂、ウレタン樹脂又は塩化ビニル樹脂等の公知の合成樹脂を挙げることができるが、中でも、ポリウレア樹脂を採用することが好ましい。
なお、本発明に用いられる硬度とは、以下に示されるものである。
<本発明に用いられる硬度>
ショア硬度(ショア硬さ)、デュロメータ硬さ(ジュロメータ硬さ)、アスカー硬度、モ
ース硬度等が用いられることが多い。この他、ロックウェル硬さ(HRC)、ビッカース硬さ(HV)、ビリネル硬さ(HB)

硬度(硬さ)には、様々な測定手段(定義)とそれに対応する値(硬さの尺度)が存在するが、本発明に用いられる硬度の測定手段及びこれに対応する値は上述した通りである。即ち、上述したいずれかの硬度を用いても、そのうちの少なくとも1つの硬度について、防振材部2として用いられるポリオレフィン系樹脂発泡体よりも、外装部3として用いられる硬質合成樹脂の硬度が高ければよい。
ポリウレア樹脂は、イソシアネートとアミノ基との化学反応によって形成されるウレア結合が主体となった化合物であり、硬化時間が短いことから施工性が高く、ポリウレタン樹脂に比べても結合力が強く、加水分解しないため、耐水・耐食・耐薬品性に優れる等の特徴を有する。また、軍事機器の保護等にも用いられるなど、耐衝撃性に優れるという特性を有する。
本発明において用いられるポリウレア樹脂は、防振材部2として用いられるポリオレフィン系樹脂発泡体よりも、硬度が高いものである。なお、一般的に、軟質ポリウレア樹脂や硬質ポリウレア樹脂と区別して呼称されることがあるが、本発明に使用されるポリウレア樹脂は、この一般的に呼称される硬質又は軟質のポリウレア樹脂とは定義を別とし、防振材部2として用いられるポリオレフィン系樹脂発泡体よりも硬度が高いものが使用される。
また、硬質合成樹脂として好ましいウレタン樹脂は、ポリウレタン等と呼称されることもあり、同じく塩化ビニル樹脂は、ポリ塩化ビニル等と呼称されることもあり、共に、防振材部2として用いられるポリオレフィン系樹脂発泡体よりも硬質であるものが採用される。
外装部3は、防振材部2の表面の全部又は一部に、硬質合成樹脂をコーティングにより付着させる手段によって形成される。
例えば、ポリウレア樹脂からなる塗料を、防振材部3の表面(外面)に吹きつけ、ディッピング、塗装等する手段によって形成される。
なおこの際、複数枚の防振材部2を積層し、この上から硬質合成樹脂をコーティングにより付着させてもよい。
また、他の実施例として、防振材部2と他の部材とを積層させ、この上から硬質合成樹脂をコーティングにより付着させる構成を挙げることもできる。例えば、防振材部2の上に鉄板を積層し、この上から硬質合成樹脂をコーティングにより付着させる構成を挙げることもできる。
更にまた、他の実施例として、防振材部2の表面に外装部3を設けた上で、更にこの上から、外装部3と同じ硬質合成樹脂又は他の材料をコーティングにより付着させる構成を挙げることもできる。例えば、外装部3の上から、アクリル樹脂をコーティングにより付着させる構成を挙げることができる。
図1等に示されるように、平面状又は平板状に形成された防振マット1の上面11又は下面12のいずれか一方又は両方に、突部4を設けることが好ましい。なお、防振マット1について、図示された位置から上面11又は下面12と示しているが、これは説明の都合上、一方の面を上面11、他方の面を下面12と呼称するものであり、使用時において上下の方向に限定はない。
突部4は、板状に形成された防振マット1の上面11及び/又は下面12から突起した
部位である。突部4は、リブ等と言い表されることもある。
突部4の形成手段について、図2に示されるように、防振材部2に突部を設け、この上から外装部3をコーティングにより形成する手段によって形成される。防振材部2と外装部4とが一体化され、形状保持力が高い突部4を設けることができ、重機等による加重があっても、突部4はその形状を保持することができる(加重により一度は変形するが、加重が解かれれば形状を復元することができる。)。換言すれば、本発明は防振マット1を形成する手段として、防振材部2に外装部3をコーティングする手段を採用したことで、形状安定性の高い防振マット1を得ることができ、この作用効果を有することによって、同じく形状安定性の高い突部4を設けることができる構成である。
突部4が設けられることにより、この突部4が設けられた面を地面側に敷設すれば、地面と防振マット1とが水平方向にずれることを防止又は抑制すること、即ち滑り止めの役割を果たすことができる。
また、図3に示されるように、防振マット1を上下方向に重ねて使用する場合において、突部4が設けられた面同士を重ねることで、これらの重ねられた防振マット1同士が水平方向にずれることを防止又は抑制すること、即ち滑り止めの役割を果たすことができる。さらに、突部4の大きさを調節し、上下に重ねられる防振マット1の突部4が嵌合する構成にすれば、滑り止め効果を更に向上させることができる。
なお、図3においては、上段に、下面12に突部4が設けられた防振マット1が、下段に、上面11と下面12の両面に突部4が設けられた防振マット1が配置された構成であるが、この組み合わせに限定はない。なおまた、積層される防振マット1の数量にも限定はなく、図3に示されるように2枚の防振マット1を積層してもよいし、3枚以上の防振マット1を積層してもよい。
突部4の形状に限定はなく、例えば、図1等に示されるような切頭角錐体、即ち角錐台の形状とすることができる。その他、円錐台、円錐、円柱、角錐、角柱、半球状等の形状を採用してもよい。また、更に例示するとすれば、平板状の防振材部2に溝を掘ることによって線状の突部4を設けること、単に線状の突部4を設けること、防振材部2自体を断面視波型の形状に成形することで表面に凹凸を生じさせることを挙げることができ、更に複雑な形状を採用してもよい。
図1等に示される防振マット1は、平面視四角形の形状であるが、この形状に限定されるものではない。例えば、四隅の角部を丸みを帯びた形状に形成すれば、この角部に荷重が集中することによって生じ得る欠損や変形、又は外装部3に生じ得る皺等を防止又は抑制することができる。
続いて、防振マット1の端部13の構成について説明する。
端部13は、防振マット1に重機が乗り上げる際又は降りる際に、角部分に荷重が集中するため、欠損や変形が生じ易い。この問題を解消するために、端部13は、次のような構成を採用することが好ましい。
図4に示されるように、端部4を、丸められた形状に形成することが好ましい。丸められた形状とは、角が取られた形状であり、面取り等の用語で説明されることもある形状である。
図5に示されるように、端部4の側面のコーティング厚を、他のコーティング厚よりも薄く形成することが好ましい。詳述すると、図5に示される防振マット1は、防振材部2
の表面のすべてが外装部3によって覆われた構成であり、外装部3によるコーティング厚が、上面11及び下面12の方が厚く形成され、端部13(特に、上面11又は下面12と直交する面である端部13の側面。)の方が薄く形成された構成である。
この構成を採用することにより、端部13に荷重が生じた際に、外装部3が薄く形成されているために容易に変形するが、荷重が解かれた際には直ちに復元することができ、欠損が生じ難い。
なお、図5に示される構成は、図4を用いて説明した丸められた形状と相俟って、欠損や変形が生ずることを防止又は抑制する効果がより向上する。
図6に示されるように、端部13の構成として、防振材部2の上面と下面が外装部3にコーティングされ、防振材部4の端部には外装部3がコーティングされない構成であって、端部13の側面が、軟質材料14で形成されることが好ましい。
軟質材料とは、高い強度を有しながら、破壊歪が大きな材料を指し示す。また、外装部3として用いられる硬質合成樹脂よりも、軟らかい(硬度が低い)ものを指し示す。具体的な材料は限定されないが、例えば、ゴム、ポリウレタン、その他シート状のもの等、容易に変形することができる材料を挙げることができる。
作用効果については、図5に示される構成と近似するが、端部13に荷重が生じた際に、端部13が軟質材料14で形成されているために容易に変形するが、荷重が解かれた際には直ちに復元することができ、欠損が生じ難い。
また、図6に示される構成に近似するが、防振材部2の上面と下面が外装部3にコーティングされ、防振材部4の端部には外装部3がコーティングされない構成であって、端部13の側面が、布状の材料で形成される構成を挙げることもできる。布状の材料とは、繊維や不織布等を含む材料である。
図3でも示されたとおり、防振マット1は、重ね合わせて、換言すれば積層して用いることができる。この際、図3に示される構成では、突部4を滑り止めとして用いることで、上下の防振マット1同士がずれることを防止・抑制する構成である。
しかし、重機Jが走行する際に生ずる荷重や振動は大きく、これらの構成だけでは、上下に積層された防振マット1を確実に固定することができない場合がある。
そこで、防振マット1に上下連結部5を設けることが好ましい。
図7に示されるように、上下連結部5は、防振マット1の上面11から下面12までを貫通する孔部52が設けられ、この孔部52に棒状の連結片51を挿通し、これを上下の防振マット1それぞれの孔部52に連通させる構成を採用することができる。
この構成により、連結片51によって上下の防振マット1は固定され、これらがずれることを確実に防止することができる。
連結片51を形成する材質に限定はないが、例えば、防振材部2と同じく、ポリオレフィン系樹脂発泡体を採用してもよいし、防振マット1の構成と同じく、ポリオレフィン系樹脂発泡体に硬質合成樹脂をコーティングした構成としてもよいし、ゴム等の弾性部材を用いてもよい。ただし、重機から発生する振動により破断しない程度の強度は必要である。
また、図7に示される構成は1つの実施例であり、孔部52を設ける数量や、設ける位置について限定はない。
防振マット1は、複数の防振マット1を平面方向に連結して使用することができる。
しかし、防振マット1を平面方向に並べて敷設しただけでは、重機の走行による荷重や
振動によって、ずれが生ずるおそれがある。
そこで、防振マット1に平面連結部6を設けることが好ましい。
図8に示されるように、平面連結部6は、防振マット1の端部13について、嵌合凸部61と嵌合凹部62が交互に設けられる構成を採用することができる。嵌合凸部61と嵌合凹部62は、連結される一方の防振マット1の嵌合凸部61と他方の防振マット1の嵌合凹部62とが嵌合することによって連結される構成である。
この構成により、平面方向に並べられた防振マット1は固定され、これらがずれることを確実に防止することができる。
平面連結部6の形状は、図8に示される形状に限定されるものではなく、一方の防振マット1の端部と、他方の防振マット1の端部とが、嵌合や係止等の手段によって連結固定される形状であればよい。
続いて、本発明に係る防振マット1による作用効果について詳述する。
まず、防振マット1に突部4が設けられた構成による作用効果ついて説明する。
上述のとおり、防振マット1には、突部4が設けられることが好ましい。この突部4が設けられることによって、地面Gとの間に摩擦を生じさせるので、滑り止めの役割を果たす他、次のような効果を得ることもできる。
建設現場における重機J等から発生する振動は、走行による振動と、衝撃による振動とに大別することができる。
走行による振動とは、防振マット1、又は防振マット1に敷設された鉄板Tの上を、重機Jが走行する際に、即ち地面Gに対して水平方向に移動する際に生ずる振動であり、連続振動に近いものである。
一方、衝撃による振動とは、防振マット1、又は防振マット1に敷設された鉄板Tの上で、重機Jの上下動又は重機J自体の落下や重機Jが取り扱う物の落下等があった際に、即ち地面Gに対して鉛直方向に移動する際に生ずる振動であり、衝撃荷重による振動である。
衝撃による振動の方が、走行による振動よりも荷重力が大きい。
本発明に係る防振マット1は、走行による振動について、突部4の領域が変形することによって走行荷重を吸収することができ、衝撃による振動について、突部4以外の板状(平板)の部分の領域が変形することによって吸収することができる。即ち、従来の防振マットのように、板状の部分のみからなる構成と比べ、突部4が形成された防振マット1は、走行による振動と衝撃による振動の両方を吸収することができるという有意な効果を有する。
続いて、本発明による効果を確認するために行われた2通りの実験について、以下に説明する。2通りの実験とは、載荷実験(材料実験)及び現場実験である。詳しくは後述する。
これら実験は、本発明に係る防振マット1について、突部4が設けられた防振マット1(以下、「リブタイプ」という。)と、突部4が設けられず単に平板状の防振マット1(以下、「平板タイプ」という。)とを用いて、それぞれに荷重が加えられた場合における歪量を測定するという内容である。即ち、これらの実験は、本発明に係る防振マット1の突部4の有無について、歪量(%)-応力(kPa)を比較することを目的として行われた。
ここで、歪(歪量)とは、測定対象の材料(ここでは防振マット)の変形量であり、測
定対象は重機が載ることにより沈下するので、沈下量ということもでき、歪率として表わされることもある。
応力とは、載荷力を表示した物理量であり、材料(ここでは防振マット)に加えられる単位面積当たりの力である。詳しくは、材料に外部から力が作用するとき,その反作用として材料内に生ずる分布内力であり、単位面積に作用する内力の大きさである。本発明の属する技術分野である土木・建築の分野では、応力度と呼ばれることもある。
実験に使用したリブタイプの防振マットは、平板部分の厚さが25mm、突部の厚さ(高さ)が25mm、計50mmの厚みである。他方、平板タイプの防振マットは、平板部分のみで構成され、この平板部分の厚みが50mmである。
また、この実験に使用した防振マットは、防振材部2にポリオレフィン系樹脂発泡体を、外装部3にポリウレア樹脂を用いた。
上述の通り本実験は、実験室における載荷実験(材料実験)と、実際に重機を用いた現場実験の2通りの方法で行われ、それぞれについて結果を得た。
まず、実験室における載荷実験について説明する。この載荷実験は、「JIS K6767」に基づく方法に準拠して行われた。
載荷実験は、平面に載置されたリブタイプと平板タイプの防振マットそれぞれに対して、圧縮試験機で圧縮するように上部から徐々に力が加えられ、防振マットの歪量、即ち沈下量が計測された。十分な歪量になってから、圧縮試験機による加重は抜重され、換言すれば圧縮が開放され、その過程における歪量(沈下量)も計測された。
この載荷実験によって得られた結果を、図9に示す。
図9において、濃色で表わされた曲線(1)及び(1)’は「平板タイプ」の防振マットの結果であり、淡色で表わされた曲線(2)及び(2)’は「リブタイプ」の防振マットの結果を表すものである。また、曲線(1)及び(2)は、圧縮試験機により加えられる力を徐々に増加させた場合の結果であり、曲線(1)’及び(2)’は、圧縮試験機により加えられる力を抜重させた場合の結果を表すものである。
この図9に示される結果のうち、曲線(1)及び(2)によれば、圧縮試験機による加重を示す応力が0~64kPa程度の範囲において、平板タイプの歪量よりもリブタイプの歪量が著しく大きいことが分かった。この範囲の応力を、建設現場における重機の動きに置き換えて考えると、鉄板上を重機が走行した際に生ずる走行荷重と考えることができる。即ち、走行荷重のように定常的な載荷状況の場合は、リブタイプの防振マットの方が、突部が圧縮変形されることによって防振効果が高いということが分かった。
一方で、応力が64kPa程度以上の場合において、リブタイプと平板タイプの曲線を比較すると、その特性に大きな相違はみられなかった。この範囲の応力を、建設現場における重機の動きに置き換えて考えると、鉄板上の重機が大きく上下動した場合(例えば、重機の落下。)に生ずる衝撃荷重と考えることができる。即ち、衝撃荷重のように最大値的な荷重条件の場合は、突部の有無は歪量に影響が少ないといえ、防振マットにおける平板部分が、衝撃荷重によって圧縮変形して防振効果を発揮していることが分かった。
これらの実験結果を総合すると、リブタイプの防振マット、即ち突部4が設けられた防振マット1の方が、走行荷重と衝撃荷重の両方に防振効果を発揮することが分かった。
また、図9における曲線(1)’及び(2)’をみると、圧縮を抜重するにつれて歪量は軽減され、応力が0の場合には、歪量が限りなく0になっていることが分かる。即ち、本発明に係る防振マット1は、極めて高い復元性を有することが分かった。換言すれば、
永久歪み又は残留歪みが極めて小さいということが分かった。
次に、実際に重機を用いて行われた現場試験について説明する。
この現場実験は、複数の防振マット1を地面に敷設し、その上に鉄板を載置し、この鉄板の上に重機を載せて行われた。
複数の防振マット1同士は接触させず、一定の間隔を設けて配置した。また、この防振マット1の側方には、地面から鉄板に及ぶ高さ(防振マット1と同じ厚さ。)の粘土を設置し、この粘土の潰れた量を、防振マット1が沈んだ量(沈下量)、即ち、歪量とみなして測定を行った。また、防振マット1は、突部4があるタイプ(リブタイプ)が用いられた。
Figure 0007337523000001
この現場実験では、歪量の測定を、鉄板上面と粘土の部分で行った。
鉄板上面における測定は、沈下量を防振マットの上に載置された鉄板の上面で測定した結果であり、本実験では、鉄板に重機が載せられたことにより、61mmから28mmまで沈下した。即ち、沈下量は33mmであることから歪量は約54%であり、この時の応力は約64kPaであった。
粘土における測定は、鉄板の下であって防振マットと並列に配置された粘土の上下方向の変形量を測定した結果である。これを防振マットの沈下量とみなして測定した。本実験では、鉄板に重機が載せられたことにより、厚みが50mmあった粘土が、15mmまで沈下した。即ち、沈下量は35mmであることから歪量は70%であり、この時の応力は約140kPaであった。
鉄板上面における測定結果は、重機の走行といった定常的な荷重条件を、粘土における測定結果は、衝撃振動などの最大値的な荷重条件を表すものといえる。
この現場実験の結果を、図9に示される実験室における載荷実験の結果に当てはめると、走行時(応力が64kPaのとき)の歪量は、リブタイプが54%、平板タイプが25%であった。この曲線の下の面積が吸収エネルギーを表すので、これを計算すると概ねリブタイプの面積が平板タイプの面積の2倍となる。即ち、走行時の吸収エネルギーは、リブタイプの方が平板タイプに比べて約2倍大きく、振動を多く吸収することが分かった。
次に、同様に衝撃振動についてみてみると、応力が140kPaにおける歪量は、リブタイプが70%、平板タイプが54%であった。走行時における比較と同様に、図9の曲線の下の面積から計算すると、吸収エネルギーはほぼ同程度であった。
上述の通り、衝撃荷重に対しては、リブタイプと平板タイプとで防振性能に大きな相違はないが、走行荷重に対する防振性能はリブタイプの方が優れており、リブタイプの防振マット、即ち突部4が設けられた防振マット1の方が、走行荷重と衝撃荷重の両方に防振効果を発揮することが裏付けられた。
次に、防振マット1を複数枚重ねて使用することによる作用効果を、図10~図12に従って説明する。
図10は、従来の防振マットM(突部4がなく単に板状の構成)に、重機Jによる荷重と振動が加えられる前後の状態を比較して表した概略説明図、図11は、本願に係る防振マット1(突部4を有する構成)に、重機Jによる荷重と振動が加えられる前後の状態を比較して表した概略説明図、図12は、図10及び図11において比較された状態について、その作用効果を表わした模式的なグラフである。
まず、従来の防振マットMについて、図10に従って説明する。
従来の防振マットMでは、防振効果を高める際に、複数枚を積層して使用するが、上下のマットが滑って動くという問題があった。
また、防振効果を高めるために防振マットMの厚みを増すと、重機Jが載った際に、厚さを増したことによる不安定さから変位振幅が大きくなり、マット上を走行する重機Jに揺れが生じ、運転手が船酔いの如き不調を訴えることもあった。
一方で、本発明に係る防振マット1は、突部4が設けられることによって、積層して使用する場合にも上下の防振マット1がずれ難いばかりでなく、上下連結部5を備えた構成であれば、上下の防振マット1を確実に固定し、ずれを防止することができる構成である。このため、複数枚を積層して使用することができる。
また、従来の防振マットMと、本発明に係る防振マット1を同じ厚さに形成した場合には、本発明に係る防振マット1の方が荷重による沈下は大きい。
本発明に係る防振マット1は、防振マット1を積層して使用することによって、重機Jから生ずる振動を防止・抑制する効果をさらに向上させることができる。
上述した従来の防振マットMと、本発明に係る防振マット1の効果を比較した模式的なグラフを、図12に示す。
図12に示されるように、従来の防振マットMは、重機Jの走行により鉛直方向からの荷重が加わえられてもマットの沈下が小さく、鉛直変位が小さくなる。これにより、変位振幅と荷重振幅が小さく、振動が地面Gに伝わるので、防振効果が低いことがわかる。
一方で、本発明に係る防振マット1は、重機Jの走行により鉛直方向からの荷重が加えられると、マットの沈下が大きく、鉛直変位が大きい。よって、変位振幅と荷重振幅が共に従来の防振マットMよりも大きい。これにより、地面Gに伝わる振動を大きく抑制することができるので、防振効果が高いことがわかる。
以上の説明をまとめると、同じ重機載荷重の場合において、従来の防振マットMは沈下が小さく、本発明に係る防振マット1は沈下が大きいため、従来の防振マットMよりも防振性能が高いといえる。
これは、エネルギーの吸収量が大きい方が、防振性能が高いことが知られているところ、従来の防振マットMの吸収エネルギーE(図12において斜線で表わされた範囲)に比べ、本発明に係る防振マット1の吸収エネルギーE(図12において点で表わされた範囲)が大きいためである。
よって、突部4を有する本発明に係る防振マット1は、突部4がなく単に板状の防振マットに比べ、同じ厚さで比較すれば、走行及び衝撃の両振動をより多く吸収することができる。また、突部4を有する本発明に係る防振マット1は、吸収エネルギーが高く防振性能が高いため、厚さを薄く形成したとしても優れた防振性能を発揮することができる。
更に、突部4を有する構成であれば、上述した防振性能の他に、積層した防振マット1が水平方向にずれることを防止することもできる。
このように、防振マット1は突部4を設けることにより、突部がない防振マットに比して優れた効果を発揮することができる。また、突部4を任意の形状に形成し、この形状を保持するためには、硬質合成樹脂により外装部3を設けることが有効である。
1 防振マット
11 上面
12 下面
13 端部
14 軟質材料
2 防振材部
3 外装部
4 突部
5 上下連結部
51 連結片
52 孔部
6 平面連結部
61 嵌合凸部
62 嵌合凹部
G 地面
J 重機
T 鉄板
M 従来の防振マット

Claims (4)

  1. 重機等から生ずる振動が、地面に伝達されるのを低減させるために用いられる重機等作業用の防振マットにおいて、
    ポリオレフィン系樹脂発泡体によって形成された板体を含む防振材部と、
    前記防振材部に、硬質合成樹脂をコーティングすることによって形成された外装部と、から構成され、
    前記コーティングにより、前記防振材部に前記外装部が付着して隙間なく一体化され
    更に、端部が丸められた形状であることを特徴とする防振マット。
  2. 防振材部の外面のすべてが、外装部によって覆われ、
    端部の側面のコーティング厚が、他のコーティング厚よりも薄く形成されたことを特徴とする請求項に記載の防振マット。
  3. 防振材部の上面と下面が、外装部によって覆われ、
    端部の側面が、軟質材料で形成されたことを特徴とする請求項に記載の防振マット。
  4. 複数の防振マットが上下に積層される構成であり、
    前記積層された防振マット同士を固定するための上下連結部が設けられ、
    前記上下連結部が、積層される上下それぞれの防振マットについて、上面から下面までを貫通する孔部が設けられ、前記孔部に、連結片が連通されることによって、上下の防振マットが固定される構成であることを特徴とする請求項1~3のいずれかに記載の防振マット。
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