以下に、実施の形態に係る偏心調整装置、偏心調整方法、およびサーボモータの製造方法を図面に基づいて詳細に説明する。なお、この実施の形態により本開示が限定されるものではない。
実施の形態1.
図1は、実施の形態1にかかる偏心調整装置を示す構成の一例を示す図である。図1に示す偏心調整装置1は、サーボモータ2の製造工程で用いられる。
図1に示すように、サーボモータ2は、サーボモータ本体21と、サーボモータ本体21のシャフト22に取り付けられるカップリング23と、カップリング23を介してサーボモータ本体21のシャフト22に連結されるシャフト24とを備える。また、サーボモータ2は、シャフト22を回転可能に支持する不図示のベアリングが組み込まれたハウジング25と、シャフト24に固定されたボス26と、ボス26上に設けられるスケール円板27とを備える。スケール円板27は、シャフト22の回転位置を検出するロータリエンコーダを構成する構成要素であり、例えば、エンコーダが透過型エンコーダである場合、複数のスリットが形成される。ボス26は、被固定体の一例であり、スケール円板27は、被調整物の一例である。ボス26およびスケール円板27の各々の中央部には、シャフト24が挿通される開口が設けられている。
偏心調整装置1は、スケール円板27をボス26に固定する際、ボス26の回転中心に対するスケール円板27の回転中心の偏心量が規定値以下になるように調整を行う。ボス26の回転中心は、シャフト22,24の回転中心と同じである。偏心調整装置1が行う処理には、ボス26の回転中心に対するスケール円板27の回転中心の偏心量および偏心方向を計測する偏心計測処理と、偏心計測処理によって計測された偏心量および偏心方向に基づいて、偏心量を規定値以下にする偏心調整処理とが含まれる。
偏心調整装置1によって上記処理が行われる前に、ボス26とスケール円板27とを接着するための接着剤をボス26とスケール円板27とに塗布する前工程が行われる。例えば、前工程では、スケール円板27は接着剤が塗布されたボス26の上に配置される。そして、偏心調整装置1による上記処理の後に、接着剤を硬化する後工程が行われる。
偏心調整装置1は、モータ制御部11と、押さえ機構12と、計測部13と、偏心調整機構14と、主制御部15とを備える。モータ制御部11は、主制御部15からの要求に基づいて、サーボモータ本体21へ駆動電流を供給し、サーボモータ本体21のシャフト22を回転させる。
押さえ機構12は、ばね機構16と、荷重調整部17とを備える。ばね機構16は、圧縮ばねを有しており、荷重調整部17によって圧縮ばねが図1における上下方向に圧縮される。ばね機構16は、圧縮ばねが図1における上下方向に圧縮されると、スケール円板27に荷重を与える。これにより、スケール円板27がボス26に押さえ付けられる。
図2は、実施の形態1にかかるばね機構の構成の一例を示す図である。図2に示すばね機構16は、圧縮ばね31と、圧縮ばね31の一端部に取り付けられたばね押さえ32と、圧縮ばね31の他端部に取り付けられたばね押さえ33とを備える。ばね押さえ32,33およびスケール円板27の各々の中央部には、開口が設けられており、シャフト24は、ばね押さえ32の開口およびスケール円板27の開口に挿通される。
ばね押さえ33の開口には、リニアブッシュ34が組み込まれており、かかるリニアブッシュ34の開口にシャフト24が挿通される。リニアブッシュ34によって、ばね押さえ33がシャフト24に摺動可能に取り付けられる。ばね機構16の図2における上下方向の長さは、荷重調整部17によってばね機構16のばね押さえ33がばね押さえ32に対して近づくように移動させられることによって変化する。なお、ばね機構16は、リニアブッシュ34に代えて、リニアベアリングを有する構成であってもよい。また、ばね機構16は、リニアブッシュ34がない構成であってもよい。この場合、ばね機構16には、シャフト24とばね押さえ33との間に空隙が設けられる。
図1に戻って、偏心調整装置1の説明を続ける。偏心調整装置1の荷重調整部17は、ばね機構16のばね押さえ33に固定されるシリンダ41と、シリンダ41の配管として用いられるロータリージョイント42とを備える。シリンダ41は、例えば、エアシリンダである。シリンダ41がエアシリンダである場合、主制御部15によってロータリージョイント42を介するエアシリンダへのエアの供給が制御される。
押さえ機構12によってスケール円板27がボス26に押さえ付けられている状態で、サーボモータ本体21のシャフト22が回転することで、カップリング23、シャフト22、ボス26、スケール円板27、および押さえ機構12が共に回転する。
計測部13は、シャフト22の回転中心に対するスケール円板27の回転中心の偏心方向および偏心量を計測する。以下、シャフト22の回転中心に対するスケール円板27の回転中心の偏心方向および偏心量を単に偏心方向および偏心量と記載する場合がある。図3は、実施の形態1にかかる計測部の構成の一例を示す図であり、図4は、実施の形態1にかかるスケール円板の平面図である。
図3に示すように、計測部13は、撮像部51と、撮像部51によって撮像された画像から偏心方向および偏心量を算出する算出処理部52と、主制御部15およびモータ制御部11の各々との間で情報の送受信を行う通信部53とを備える。算出処理部52は、主制御部15からの計測要求が通信部53で受信された場合、撮像部51にスケール円板27およびシャフト22を含む領域を撮像させ、撮像部51によって撮像された画像から偏心方向および偏心量を算出する。通信部53は、算出処理部52によって算出された偏心方向および偏心量の情報を主制御部15へ送信する。
図4に示すように、スケール円板27には、計測用の真円パターン28が形成されている。計測部13の算出処理部52は、モータ制御部11によってサーボモータ本体21のシャフト22が回転させられている状態で、撮像部51にスケール円板27を含む領域を撮像させ、撮像部51によって撮像された画像から真円パターン28の位置を計測する。
具体的には、算出処理部52は、画像処理にて真円パターン28の位置を認識し、真円パターン28とボス26の回転中心C1の距離Aを計測する。図4において、ボス26の回転中心C1と真円パターン28の中心C2との差が偏心量αである。ボス26の回転中心C1は、上述したようにシャフト22,24の回転中心と同じである。なお、算出処理部52は、撮像部51による撮像範囲のうちボス26の回転中心C1として事前に設定された位置の情報を有する。算出処理部52は、撮像部51によって撮像される画像のうち事前に設定された位置を回転中心C1として距離Aを計測する。
サーボモータ本体21の回転角であるモータ回転角の情報は、モータ制御部11から無線または有線によって計測部13へ出力される。計測部13の算出処理部52は、通信部53を介してモータ制御部11からのサーボモータ2の回転角であるモータ回転角の情報を取得する。算出処理部52は、算出した距離Aと取得したモータ回転角の情報とに基づいて、偏心方向D1および偏心量αを計測する。
図5は、実施の形態1にかかる計測部による偏心方向および偏心量の計測方法を説明するための図である。図5においては、偏心したスケール円板27の真円パターン28と回転中心C1の距離Aを1回転分計測して得られる偏心特性が示されている。図5において、縦軸は、距離Aを示し、横軸は、モータ回転角を示す。
図5に示すように、算出処理部52は、距離Aの平均値Aaveと距離Aの最大値Amaxとの差から偏心量αを求め、距離Aの最大値Amaxの位置を偏心方向D1として求める。なお、算出処理部52は、スケール円板27の1回転の間に3箇所の距離Aを計測し、円の方程式から中心座標を求める方法を用いて、偏心量αと偏心方向D1を求めることもできる。
このように、スケール円板27は、偏心調整装置1による偏心計測の際、サーボモータ本体21のシャフト22の回転に伴って回転する。回転による角加速度によってスケール円板27に働く遠心力が静止摩擦力より大きければスケール円板27の位置がずれる。遠心力は、スケール円板27の質量、偏心計測時のスケール円板27の軸ずれ、およびスケール円板27の角加速度などにより生じる。また、静止摩擦力は、スケール円板27とボス26との間と、スケール円板27と押さえ機構12との間とに働く。
そこで、偏心調整装置1は、スケール円板27に働く遠心力よりもスケール円板27に働く静止摩擦力を大きくすることで、偏心計測時の位置のずれを防止し、高速な偏心計測を可能にする。具体的には、主制御部15は、荷重調整部17を制御することによってばね機構16をスケール円板27へ向かう方向へ第1の荷重でシリンダ41に押させる。これにより、押さえ機構12がスケール円板27をボス26に第1の荷重で押し付け、スケール円板27に働く遠心力よりもスケール円板27に働く静止摩擦力が大きくなる。
図6は、実施の形態1にかかる主制御部の構成の一例を示す図である。図6に示すように、主制御部15は、通信部71と、偏心計測制御部72と、偏心調整制御部73と、記憶部74とを備える。通信部71は、無線または有線によって、モータ制御部11、荷重調整部17、計測部13、および偏心調整機構14の各々との間で通信可能である。
偏心計測制御部72は、偏心計測処理において、モータ制御部11、荷重調整部17、および計測部13を制御し、計測部13に偏心方向D1および偏心量αを計測させる。具体的には、偏心計測制御部72は、荷重調整部17に対して制御信号を出力し、荷重調整部17のシリンダ41を駆動し押さえ機構12によってスケール円板27をボス26に第1の荷重で押し付けさせる。
次に、偏心計測制御部72は、モータ制御部11に対して制御信号を出力し、モータ制御部11にサーボモータ本体21のシャフト22を回転させることによって、スケール円板27を回転させる。また、偏心計測制御部72は、通信部71から計測部13へ計測要求を送信させ、計測部13に偏心方向D1および偏心量αを算出させる。その後、偏心計測制御部72は、計測部13から偏心方向D1および偏心量αの情報を取得し、取得した偏心方向D1および偏心量αの情報を記憶部74に記憶させる。
次に、偏心調整装置1による偏心調整処理について説明する。偏心調整制御部73は、記憶部74から偏心量αおよび偏心方向D1の情報を取得する。偏心調整制御部73は、取得した偏心量αおよび偏心方向D1の情報に基づいて、荷重調整部17、モータ制御部11、および偏心調整機構14を制御することによって、偏心調整処理を行う。
偏心調整機構14は、図1に示すように、ステージ81と、ステージ81上に配置され、図1における左右方向に移動可能なアクチュエータ82とを備える。偏心調整制御部73は偏心調整機構14を制御し偏心調整機構14のアクチュエータ82を図1における左右方向に移動させることができる。
偏心調整制御部73は、偏心調整処理において、荷重調整部17に制御信号を出力することによって、押さえ機構12でスケール円板27がボス26に第1の荷重で押し付けられた状態にする。偏心調整制御部73は、スケール円板27がボス26に第1の荷重で押し付けられた状態で、偏心方向D1の情報に基づいて、スケール円板27の偏心方向D1でスケール円板27とアクチュエータ82の先端部とが対向するように、サーボモータ本体21のシャフト22を回転させる移動要求をモータ制御部11へ出力する。モータ制御部11は、移動要求に基づき、サーボモータ本体21のシャフト22を回転させ、スケール円板27の偏心方向D1をアクチュエータ82と対向する方向にする。
次に、偏心調整制御部73は、スケール円板27の回転が停止している状態で、荷重調整部17に制御信号を出力することによって、押さえ機構12でスケール円板27がボス26に第1の荷重より小さい第2の荷重で押し付けられた状態にする。例えば、偏心調整制御部73は、荷重調整部17を制御し、スケール円板27がボス26に第1の荷重で押し付けられた状態から荷重調整部17のシリンダ41がばね機構16を押す力を低減させることで、スケール円板27がボス26に第2の荷重で押し付けられた状態にする。
その後、偏心調整制御部73は、スケール円板27がボス26に第2の荷重で押し付けられた状態で、偏心調整機構14へ偏心量αに応じた制御信号を出力する。これにより、偏心調整機構14は、アクチュエータ82を図1に示す左方向へ移動し、アクチュエータ82によりスケール円板27を偏心方向D1と逆方向に偏心量αだけ移動させる。
このように、偏心調整装置1は、スケール円板27を偏心方向D1と逆方向に偏心量αだけ移動させる期間において、スケール円板27をボス26に押し付ける力を小さくすることができる。これにより、スティックスリップ運動が起きにくくなることから、偏心調整装置1は、スケール円板27の微小な位置調整を行うことができる。なお、偏心調整制御部73は、スケール円板27に代えてステージ81を移動させて、スケール円板27の偏心方向D1をアクチュエータ82と対向する方向にすることもできる。また、偏心調整機構14は、スケール円板27を押すことに代えて、スケール円板27を引っ張ることでスケール円板27の偏心量αを調整する構成であってもよい。
ここで、偏心計測時および偏心調整時において、スケール円板27をボス26に押し付ける力の目安と計算方法について説明する。例えば、偏心計測時は、下記式(1)を満たすことでスケール円板27に遠心力による位置ずれが生じない。したがって、スケール円板27の質量、圧縮ばね31を用いたばね機構16の質量、および摩擦係数などの条件から、必要な角加速度に応じて押し付ける力を調整することができる。
上記式(1)において、「m」はスケール円板27の質量[kg]であり、「M」はばね機構16の質量[kg]であり、「e」はスケール円板27の回転中心に対する最大偏心量[mm]であり、「ω」は角加速度[rad/s2]であり、「g」は重力加速度[m/s2]である。また、上記式(1)において、「F1」はばね機構16がスケール円板27をボス26に押し付ける荷重[N]であり、「μ1」はスケール円板27とボス26との間に働く静摩擦係数であり、「μ2」はスケール円板27とばね機構16との間に働く静摩擦係数である。
「meω2」は遠心力である。「mgμ1」はスケール円板27の自重によるスケール円板27とボス26との間の静止摩擦力である。「Mgμ1」はスケール円板27の自重によるスケール円板27とボス26との間の静止摩擦力である。「F1μ1」はばね機構16がスケール円板27をボス26に押さえ付けることによって生じるスケール円板27とボス26との間に働く静止摩擦力である。「Mgμ2」はばね機構16の自重によるスケール円板27とばね機構16との間の静止摩擦力であり、「F1μ2」はばね機構16がスケール円板27をボス26に押さえ付けることによって生じるスケール円板27とばね機構16との間に働く静止摩擦力である。
例えば、m=0.1[kg]、e=0.002[m]、M=0.1[kg]、μ1=0.2、μ2=0.2、ω=157[rad/s2]であると仮定した場合、必要な荷重F1は、F1>10.8545[N]である。したがって、第1の荷重は、10.8545[N]よりも大きい値であることが好ましい。
ここで、非特許文献である「F.Heslot、T.Baumberger、B.Perrin、B.Caroli、C.Caroli、”Creep, stick-slip, and dry-friction dynamics: Experiments and a heuristic model”、Phys.Rev.E49.4973、1994」には、スティックスリップによるスリップ量についての実験結果が開示されている。
非特許文献に記載の実験では、荷重F1が11.8[N]の場合、スリップ量は8.4[μm]であり、荷重F1が7.31[N]の場合、スリップ量は、4.61[μm]であり、荷重F1が6.23[N]の場合、スリップ量は、0.49[μm]である。非特許文献に記載の実験と摩擦係数などの条件が同じであると仮定した場合、偏心量αを1[μm]単位で調整するためには、荷重F1が6[N]程度以下である必要がある。すなわち、第2の荷重は、6[N]程度以下であることが好ましい。
ここで、圧縮ばね31のばね定数を「k」とし、圧縮ばね31の縮み量を「x」とする。この場合、例えば、偏心計測時は、x≧10.8545/kとなり、偏心調整時は、x≦6/kとなるように、シリンダ41のストロークを調整することで偏心量αを1[μm]単位で調整することができる。
偏心計測制御部72は、偏心調整制御部73による偏心調整処理の後、荷重調整部17に制御信号を出力することによって押さえ機構12でスケール円板27がボス26に第1の荷重より小さい第2の荷重で押し付けられた状態にする。そして、偏心計測制御部72は、モータ制御部11に対して制御信号を出力し、モータ制御部11にサーボモータ本体21のシャフト22を回転させることによって、スケール円板27を回転させる。また、偏心計測制御部72は、通信部71から計測部13へ計測要求を送信させ、計測部13に偏心量αを算出させ、計測部13から偏心量αの情報を取得する。
偏心計測制御部72は、偏心量αが規定値以下であるか否かを判定する。偏心量αが規定値以下でない場合、偏心計測制御部72および偏心調整制御部73は、偏心量αが規定値以下になるまで偏心計測処理および偏心調整処理を繰り返し行う。
図7は、実施の形態1にかかる主制御部の処理の流れを示すフローチャートである。図7に示すように、偏心調整装置1の主制御部15は、荷重調整部17へ制御信号を出力し、押さえ機構12により第1の荷重でスケール円板27をボス26に押し付ける(ステップS11)。そして、主制御部15は、モータ制御部11へ制御信号を出力することでサーボモータ本体21のシャフト22を回転させ、スケール円板27を回転させる(ステップS12)。
主制御部15は、第1の荷重でスケール円板27がボス26に押し付けられた状態で、計測部13へ計測要求を送信し、計測部13にスケール円板27の偏心量αおよび偏心方向D1の計測を実行させる(ステップS13)。そして、主制御部15は、モータ制御部11へ制御信号を出力し計測された偏心方向D1に応じた角度にスケール円板27を回転させ(ステップS14)、スケール円板27の偏心方向D1をアクチュエータ82と対向する方向にする。
次に、主制御部15は、荷重調整部17へ制御信号を出力し、第2の荷重でスケール円板27をボス26に押し付ける(ステップS15)。そして、主制御部15は、偏心調整機構14へ偏心量αに応じた制御信号を出力し、アクチュエータ82でスケール円板27を偏心方向D1と逆方向に押してアクチュエータ82によりスケール円板27の偏心量αを調整する(ステップS16)。
次に、主制御部15は、荷重調整部17へ制御信号を出力し、押さえ機構12により第1の荷重でスケール円板27をボス26に押し付ける(ステップS17)。そして、主制御部15は、モータ制御部11へ制御信号を出力することでサーボモータ本体21のシャフト22を回転させ、スケール円板27を回転させる(ステップS18)。主制御部15は、ステップS13と同様の処理によって、偏心量αを計測する(ステップS19)。
次に、主制御部15は、ステップS19で計測した偏心量αが規定値以下であるか否かを判定する(ステップS20)。主制御部15は、偏心量αが規定値以下ではないと判定した場合(ステップS20:No)、処理をステップS11へ移行する。また、主制御部15は、偏心量αが規定値以下であると判定した場合(ステップS20:Yes)、図7に示す処理を終了する。
図8は、実施の形態1にかかる偏心調整装置の主制御部のハードウェア構成の一例を示す図である。図8に示すように、偏心調整装置1の主制御部15は、プロセッサ101と、メモリ102と、通信装置103とを備えるコンピュータを含む。
プロセッサ101、メモリ102、および通信装置103は、例えば、バス104によって互いにデータの送受信が可能である。記憶部74は、メモリ102によって実現される。通信部71は、通信装置103によって実現される。プロセッサ101は、メモリ102に記憶されたプログラムを読み出して実行することによって、偏心計測制御部72および偏心調整制御部73の機能を実行する。プロセッサ101は、例えば、処理回路の一例であり、CPU(Central Processing Unit)、DSP(Digital Signal Processor)、およびシステムLSI(Large Scale Integration)のうち一つ以上を含む。
メモリ102は、RAM(Random Access Memory)、ROM(Read Only Memory)、フラッシュメモリ、EPROM(Erasable Programmable Read Only Memory)、およびEEPROM(登録商標)(Electrically Erasable Programmable Read Only Memory)のうち一つ以上を含む。また、メモリ102は、コンピュータが読み取り可能なプログラムが記録された記録媒体を含む。かかる記録媒体は、不揮発性または揮発性の半導体メモリ、磁気ディスク、フレキシブルメモリ、光ディスク、コンパクトディスク、およびDVD(Digital Versatile Disc)のうち一つ以上を含む。なお、主制御部15は、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)およびFPGA(Field Programmable Gate Array)などの集積回路を含んでいてもよい。また、主制御部15は、計測部13の一部または全部を含む構成であってもよい。
以上のように、実施の形態1にかかる偏心調整装置1は、ボス26に固定されるスケール円板27のボス26に対する偏心量αを調整する。偏心調整装置1は、押さえ機構12と、計測部13と、偏心調整機構14とを備える。押さえ機構12は、スケール円板27をボス26に押さえ付ける。ボス26は、被固定体の一例であり、スケール円板27は、被調整物の一例である。計測部13は、押さえ機構12によってスケール円板27がボス26に第1の荷重で押さえ付けられた状態で、スケール円板27のボス26に対する偏心量αおよび偏心方向D1を計測する。偏心調整機構14は、押さえ機構12によってスケール円板27がボス26に第1の荷重よりも小さな第2の荷重で押さえ付けられた状態で、計測部13によって計測された偏心量αおよび偏心方向D1に基づいてスケール円板27の偏心量αを調整する。これにより、偏心調整装置1は、遠心力によるボス26に対するスケール円板27の移動を低減することで高速かつ高精度な偏心計測を行いつつ、スティックスリップ運動の影響を抑えることで偏心調整を高効率で行うことができる。
また、押さえ機構12は、ボス26にスケール円板27を押し付ける荷重を発生する圧縮ばね31と、圧縮ばね31の長さを変化させて圧縮ばね31に第1の荷重と第2の荷重とを選択的に発生させる荷重調整部17とを備える。これにより、偏心調整装置1は、簡易な構成で第1の荷重と第2の荷重とを選択的に発生させることができる。
また、荷重調整部17は、圧縮ばね31の長さを変化させるシリンダ41を備える。これにより、偏心調整装置1は、第1の荷重と第2の荷重とを精度よく発生させることができる。
また、サーボモータ2の製造方法は、計測工程と、調整工程とを含む。計測工程は、スケール円板27がボス26に第1の荷重で押さえ付けられた状態で、スケール円板27のボス26に対する偏心量αおよび偏心方向D1を計測する。調整工程は、スケール円板27がボス26に第1の荷重よりも小さな第2の荷重で押さえ付けられた状態で、偏心方向D1と逆方向からスケール円板27を押すことにより、スケール円板27の偏心量αを調整する。これにより、サーボモータ2の製造方法は、高速かつ高精度な偏心計測を行いつつ、スティックスリップ運動の影響を抑えることで偏心調整を高効率で行うことができる。
実施の形態2.
実施の形態2にかかる偏心調整装置は、押さえ機構とスケール円板との間にスラストベアリングが設けられる点で、実施の形態1にかかる偏心調整装置1と異なる。以下においては、実施の形態1と同様の機能を有する構成要素については同一符号を付して説明を省略し、実施の形態1の偏心調整装置1と異なる点を中心に説明する。
図9は、実施の形態2にかかる偏心調整装置の一部の構成の一例を示す図である。図9に示すように、実施の形態2にかかる偏心調整装置1Aは、押さえ機構12Aと、スラストベアリング29とを備える。スラストベアリング29は、押さえ機構12Aとスケール円板27との間に設けられる。押さえ機構12Aは、ばね機構16と荷重調整部17Aとを備える。荷重調整部17Aは、ロータリージョイント42が設けられていない点で、荷重調整部17と異なる。
偏心調整装置1Aでは、押さえ機構12Aとスケール円板27との間にスラストベアリング29が設けられるため、サーボモータ本体21のシャフト22が回転した場合であっても、押さえ機構12Aは回転しない。そのため、偏心調整装置1Aでは、シリンダ41に接続する配管の取り回しが簡単となる。また、偏心調整装置1Aでは、ロータリージョイント42で適応できない高速回転についても対応が可能となる。なお、スラストベアリング29は、ばね機構16と荷重調整部17Aとの間に設けられてもよい。この場合も、図9に示す偏心調整装置1Aと同様の効果を得ることができる。
実施の形態2にかかる偏心調整装置1Aは、押さえ機構12Aとスケール円板27との間またはばね機構16と荷重調整部17Aとの間に設けられるスラストベアリング29を備える。これにより、偏心調整装置1Aは、シリンダ41に接続する配管の取り回しが簡単となり、また、ロータリージョイント42で適応できない高速回転についても対応が可能となる。
実施の形態3.
実施の形態3にかかる偏心調整装置は、押さえ機構の荷重調整部の構成が実施の形態2にかかる偏心調整装置1Aと異なる。以下においては、実施の形態2と同様の機能を有する構成要素については図示を省略または同一符号を付して説明を省略し、実施の形態2の偏心調整装置1Aと異なる点を中心に説明する。
図10は、実施の形態3にかかる偏心調整装置の一部の構成の一例を示す図である。図10に示すように、実施の形態3にかかる偏心調整装置1Bは、荷重調整部17Aを有する押さえ機構12Aに代えて荷重調整部17Bを有する押さえ機構12Bを備える点で、偏心調整装置1Aと異なる。
荷重調整部17Bは、リンク43と、2つのピン44とを備える。リンク43の一端部は、アクチュエータ82にピン44で回転可能に連結され、リンク43の他端部は、ばね機構16のばね押さえ33にピン44で回転可能に連結される。なお、荷重調整部17Bにおいて、ピン44に代えてカムフォロアによってリンク43がばね押さえ33とアクチュエータ82とに連結されていてもよい。また、図10に示すリンク43は、直線状に延伸する棒状の部材で形成されているが、リンク43は、図10に示す形状に限定されない。
偏心計測時にはアクチュエータ82が後退しているため、ばね機構16のばね押さえ33の位置が低くなり荷重調整部17Bによって第1の荷重でスケール円板27がボス26に相対的に強く押し付けられる。また、偏心調整時は、アクチュエータ82がスケール円板27へ向けて前進するため、ばね機構16のばね押さえ33の位置が高くなり荷重調整部17Bによって第1の荷重よりも小さな第2の荷重でスケール円板27がボス26に相対的に弱く押し付けられる。これにより、高速かつ高精度な偏心計測を行いつつ、偏心調整を高効率で行うことができる。
なお、リンク43にかかるモーメントに関し、アクチュエータ82のモーメントは圧縮ばね31の復元力によるモーメント以上の大きさになるように設定されている。これにより、偏心調整装置1Bでは、圧縮ばね31の復元力によってはアクチュエータ82が移動しない。
また、図10に示す偏心調整装置1Bでは、スケール円板27と押さえ機構12Bとの間にスラストベアリング29が設けられているが、ばね機構16と荷重調整部17Bとの間にスラストベアリング29が設けられていてもよい。この場合、リンク43の他端部は、スラストベアリング29にピン44によって回転可能に取り付けられる。
以上のように、実施の形態3にかかる偏心調整装置1Bは、偏心調整機構14と、荷重調整部17Bとを備える。偏心調整機構14は、偏心方向D1と逆方向に移動しスケール円板27を押すアクチュエータ82を備える。荷重調整部17Bは、一端部がアクチュエータ82に取り付けられると共に他端部が圧縮ばね31を含むばね機構16またはスラストベアリング29に取り付けられ、アクチュエータ82の移動に伴って圧縮ばね31の長さを変更するリンク43を備える。これにより、偏心調整装置1Bは、図9に示すシリンダ41を設けずに、スケール円板27に加わる荷重を変更することができるため、図10における上下方向の設置スペースを小さくすることができる。
また、リンク43は、一端部がアクチュエータ82に回転可能に取り付けられ、他端部がばね機構16またはスラストベアリング29に回転可能に取り付けられる。そのため、偏心調整装置1Bは、例えば、直線状のリンクを用いてスケール円板27に加わる荷重を変更することができる。
実施の形態4.
実施の形態4にかかる偏心調整装置は、押さえ機構の荷重調整部の構成が実施の形態2にかかる偏心調整装置1Aと異なる。以下においては、実施の形態2と同様の機能を有する構成要素については図示を省略または同一符号を付して説明を省略し、実施の形態2の偏心調整装置1Aと異なる点を中心に説明する。
図11は、実施の形態4にかかる偏心調整装置の一部の構成の一例を示す図である。図11に示すように、実施の形態4にかかる偏心調整装置1Cは、荷重調整部17Aを有する押さえ機構12Aに代えて荷重調整部17Cを有する押さえ機構12Cを備える点で、偏心調整装置1Aと異なる。
荷重調整部17Cは、リンク43Cと、2つのピン44Cと、回転軸48とを備える。リンク43Cは、L字状の部材で形成され、一端部と他端部の各々に長孔45が形成される。リンク43Cの一端部は、長孔45およびピン44Cによってアクチュエータ82に移動可能に連結され、リンク43Cの他端部は、長孔45およびピン44Cによってばね機構16のばね押さえ33に移動可能に連結される。また、リンク43Cの中途部は、回転軸48によって回転可能に支持される。なお、荷重調整部17Cにおいて、ピン44Cに代えてカムフォロアによってリンク43Cがばね押さえ33とアクチュエータ82とに連結されていてもよい。
偏心計測時にはアクチュエータ82が後退しているため、ばね機構16のばね押さえ33の位置が低くなり荷重調整部17Cによって第1の荷重でスケール円板27がボス26に相対的に強く押し付けられる。また、偏心調整時は、アクチュエータ82がスケール円板27へ向けて前進するため、リンク43Cが図11における時計回りに回転する。そのため、偏心調整時は、ばね機構16のばね押さえ33の位置が高くなり荷重調整部17Cによって第1の荷重よりも小さな第2の荷重でスケール円板27がボス26に相対的に弱く押し付けられる。これにより、偏心調整装置1Cは、高速かつ高精度な偏心計測を行いつつ、偏心調整を高効率で行うことができる。
なお、リンク43Cにかかるモーメントに関し、アクチュエータ82のモーメントは圧縮ばね31の復元力によるモーメント以上の大きさになるように設定されている。これにより、偏心調整装置1Cでは、圧縮ばね31の復元力によってはアクチュエータ82が移動しない。
また、図11に示す偏心調整装置1Cでは、スケール円板27と押さえ機構12Cとの間にスラストベアリング29が設けられているが、ばね機構16と荷重調整部17Cとの間にスラストベアリング29が設けられていてもよい。この場合、リンク43Cの一端部は、スラストベアリング29にピン44Cによって回転可能に取り付けられる。なお、図11に示す例では、リンク43CはL字状に形成されているが、回転軸48によって中途部が回転可能に支持され、一端部がアクチュエータ82に移動可能に連結され、他端部がばね機構16のばね押さえ33またはスラストベアリング29に移動可能に連結されていればよく、L字状に限定されない。
以上のように、実施の形態4にかかる偏心調整装置1Cの荷重調整部17Cは、一端部がアクチュエータ82に取り付けられると共に他端部が圧縮ばね31を含むばね機構16またはスラストベアリング29に取り付けられ、アクチュエータ82の移動に伴って圧縮ばね31の長さを変更するリンク43Cを備える。そして、リンク43Cは、一端部がピン44Cを介してアクチュエータ82に移動可能に連結され、他端部がピン44Cを介してばね機構16またはスラストベアリング29に移動可能に連結され、中途部が回転可能に支持される。リンク43Cは、アクチュエータ82の移動に伴って回転する。これにより、偏心調整装置1Cは、図9に示すシリンダ41を設けずに、スケール円板27に加わる荷重を変更することができるため、図11における上下方向の設置スペースを小さくすることができる。また、偏心調整装置1Cは、アクチュエータ82とばね機構16との位置関係に応じてリンク43Cの大きさとピン44Cの位置を変更することにより、スケール円板27に加わる荷重を変更することができる。
実施の形態5.
実施の形態5にかかる偏心調整装置は、押さえ機構の荷重調整部の構成が実施の形態2にかかる偏心調整装置1Aと異なる。以下においては、実施の形態2と同様の機能を有する構成要素については図示を省略または同一符号を付して説明を省略し、実施の形態2の偏心調整装置1Aと異なる点を中心に説明する。
図12は、実施の形態5にかかる偏心調整装置の一部の構成の一例を示す図である。図12に示すように、実施の形態5にかかる偏心調整装置1Dは、押さえ機構12Aに代えて、押さえ機構12Dを備える点で、偏心調整装置1Aと異なる。押さえ機構12Dは、荷重調整部17Aに代えて荷重調整部17Dを有する点で、押さえ機構12Aと異なる。
荷重調整部17Dは、リンク43Dと、ピン44Dとを備える。リンク43Dは、L字状の部材で形成され、一端部に長孔45Dが形成される。リンク43Dの一端部は、長孔45Dおよびピン44Dによってアクチュエータ82に固定され、リンク43Dの他端部は、ばね機構16のばね押さえ33に移動可能に連結される。なお、荷重調整部17Dにおいて、ピン44Dに代えてカムフォロアによってリンク43Dがばね押さえ33に連結されていてもよい。
リンク43Dの長孔45Dは、アクチュエータ82が前進すればするほどピン44Dの位置が図12における上方になるように、アクチュエータ82の移動方向に対して斜めに形成されている。なお、リンク43Dは、長孔45Dに代えて、アクチュエータ82の移動方向に対して外形を斜めにしたカム板を有する構成であってもよい。
偏心計測時にはアクチュエータ82が後退しているため、ばね機構16のばね押さえ33の位置が低くなり荷重調整部17Dによって第1の荷重でスケール円板27がボス26に相対的に強く押し付けられる。また、偏心調整時は、アクチュエータ82がスケール円板27へ向けて前進するため、ばね機構16のばね押さえ33の位置が高くなり荷重調整部17Dによって第1の荷重よりも小さな第2の荷重でスケール円板27がボス26に相対的に弱く押し付けられる。これにより、偏心調整装置1Dは、高速かつ高精度な偏心計測を行いつつ、偏心調整を高効率で行うことができる。
また、図12に示す偏心調整装置1Dでは、スケール円板27と押さえ機構12Dとの間にスラストベアリング29が設けられているが、ばね機構16と荷重調整部17Dとの間にスラストベアリング29が設けられていてもよい。この場合、リンク43Dの一端部には長孔45Dまたはカム板が形成され、リンク43Dの一端部がスラストベアリング29にピン44Dによって回転可能に取り付けられる。なお、図12に示す例では、リンク43DはL字状に形成されているが、リンク43Dの形状は、L字状に限定されない。
以上のように、実施の形態5にかかる偏心調整装置1Dの荷重調整部17Dは、一端部がアクチュエータ82に取り付けられると共に他端部が圧縮ばね31を含むばね機構16またはスラストベアリング29に取り付けられ、アクチュエータ82の移動に伴って圧縮ばね31の長さを変更するリンク43Dを備える。そして、リンク43Dは、一端部がアクチュエータ82に固定され、他端部がばね機構16またはスラストベアリング29に移動可能に連結される。これにより、偏心調整装置1Dは、図9に示すシリンダ41を設けずに、スケール円板27に加わる荷重を変更することができるため、図12における上下方向の設置スペースを小さくすることができる。また、リンク43Dが回転しないため、偏心調整装置1Cに比べて、偏心調整装置1Dのサイズを小型化することができる。また、偏心調整装置1Dでは、偏心調整装置1Cに比べ、ピン44Dの数が少ないため、偏心調整装置1Dのサイズを小さくすることができる。
実施の形態6.
実施の形態6にかかる偏心調整装置は、押さえ機構の荷重調整部の構成が実施の形態2にかかる偏心調整装置1Aと異なる。以下においては、実施の形態2と同様の機能を有する構成要素については図示を省略または同一符号を付して説明を省略し、実施の形態2の偏心調整装置1Aと異なる点を中心に説明する。
図13は、実施の形態6にかかる偏心調整装置の一部の構成の一例を示す図である。図13に示すように、実施の形態6にかかる偏心調整装置1Eは、押さえ機構12Aに代えて押さえ機構12Eを有する点で、偏心調整装置1Aと異なる。
押さえ機構12Eは、ばね機構16と、荷重調整部17Eとを備える。荷重調整部17Eは、リンク43Eと、カム部材49とを備える。リンク43Eは、一端部がアクチュエータ82に固定され、他端部がカム部材49の傾斜面49aに当接する。リンク43Eは、一端部がアクチュエータ82に固定されるL字状の本体部46Eと、本体部46Eの他端部に回転可能に取り付けられるピン47Eとを備える。カム部材49は、図13における上部に凹曲面が形成されており、かかる凹曲面によって傾斜面49aが形成される。傾斜面49aは、スケール円板27をボス26に押し付ける方向に対して傾斜している。
ピン47Eは、カム部材49の傾斜面49aを移動可能にカム部材49に取り付けられ、図13における上方からカム部材49の傾斜面49aに当接する。なお、リンク43Eは、ピン47Eに代えてカムフォロアを有する構成であってもよい。
偏心計測時にはアクチュエータ82が後退しているため、ピン47Eはカム部材49の傾斜面49aの上部に接触し、ばね機構16のばね押さえ33の位置が低くなり荷重調整部17Eによって第1の荷重でスケール円板27がボス26に相対的に強く押し付けられる。また、偏心調整時は、アクチュエータ82がスケール円板27へ向けて前進するため、ピン47Eはカム部材49の傾斜面49aの下部に接触し、リンク43Eによってカム部材49が上方に押し上げられる。そのため、ばね機構16のばね押さえ33の位置が高くなり荷重調整部17Eによって第1の荷重よりも小さな第2の荷重でスケール円板27がボス26に相対的に弱く押し付けられる。これにより、高速かつ高精度な偏心計測を行いつつ、偏心調整を高効率で行うことができる。
また、図13に示す偏心調整装置1Eでは、スケール円板27と押さえ機構12Eとの間にスラストベアリング29が設けられているが、ばね機構16と荷重調整部17Eとの間にスラストベアリング29が設けられていてもよい。
以上のように、実施の形態6にかかる偏心調整装置1Eの荷重調整部17Eは、カム部材49と、リンク43Eとを備える。カム部材49は、ばね機構16に固定され、スケール円板27をボス26に押し付ける方向に対して傾斜した傾斜面49aを有する。リンク43Eは、一端部がアクチュエータ82に固定されると共に他端部がカム部材49の傾斜面49aに当接し、アクチュエータ82の移動に伴って他端部がカム部材49の傾斜面49aを移動して圧縮ばね31の長さを変更する。これにより、偏心調整装置1Eは、図9に示すシリンダ41を設けずに、スケール円板27に加わる荷重を変更することができるため、図13における上下方向の設置スペースを小さくすることができる。また、リンク43Eが回転しないため、偏心調整装置1Cに比べて、偏心調整装置1Eのサイズを小型化することができる。
実施の形態7.
実施の形態7にかかる偏心調整装置は、押さえ機構の構成が実施の形態1にかかる偏心調整装置1と異なる。以下においては、実施の形態1と同様の機能を有する構成要素については図示を省略または同一符号を付して説明を省略し、実施の形態1の偏心調整装置1と異なる点を中心に説明する。
図14は、実施の形態7にかかる偏心調整装置の構成の一例を示す図である。図14に示すように、実施の形態7にかかる偏心調整装置1Fは、押さえ機構12に代えて、押さえ機構12Fを備える。押さえ機構12Fは、荷重発生部61と、荷重調整部62とを備える。荷重発生部61は、電磁石63と、磁性体ワッシャ64とを備える。電磁石63は、スケール円板27およびボス26の下方に配置されており、荷重発生部61は、スケール円板27をボス26に押し付ける荷重を電磁石63の磁力により発生する。具体的には、電磁石63の磁力によって磁性体ワッシャ64が電磁石63へ向かう方向へ移動しようとするため、スケール円板27がボス26に押し付けられる。
荷重調整部62は、電磁石63に流れる電流を変化させることによって第1の荷重と第2の荷重を選択的に荷重発生部61に発生させる。具体的には、荷重調整部62は、偏心計測時には、電磁石63に流れる電流を大きくして電磁石63の磁力を強くし、スケール円板27をボス26に第1の荷重で磁性体ワッシャ64に押し付けさせる。また、荷重調整部62は、偏心調整時には、電磁石63に流れる電流を小さくして電磁石63の磁力を弱くし、スケール円板27をボス26に第2の荷重で磁性体ワッシャ64に押し付けさせる。
以上のように、実施の形態7にかかる偏心調整装置1Fの押さえ機構12Fは、荷重発生部61と、荷重調整部62とを備える。荷重発生部61は、スケール円板27をボス26に押し付ける荷重を電磁石63の磁力により発生する。荷重調整部62は、電磁石63に流れる電流を変化させることによって電磁石63に第1の荷重と第2の荷重を選択的に発生させる。これにより、偏心調整装置1Fは、図1に示すシリンダ41を設けずに、スケール円板27に加わる荷重を変更することができるため、図14における上下方向の設置スペースを小さくすることができる。
また、荷重発生部61は、電磁石63と、磁性体ワッシャ64とを備え、電磁石63の磁力によって磁性体ワッシャ64にスケール円板27をボス26に押し付けさせる。これにより、偏心調整装置1Fは、磁性体ワッシャ64がスケール円板27と共に回転するため、省部品化および省スペース化を実現することができる。なお、スケール円板27に傷がつくことを防止するために磁性体ワッシャ64とボス26の間にスペーサを挿入してもよく、その場合にも同様の効果が得られる。
実施の形態8.
実施の形態8にかかる偏心調整装置は、荷重発生部の構成が実施の形態7にかかる偏心調整装置1Fと異なる。以下においては、実施の形態7と同様の機能を有する構成要素については図示を省略または同一符号を付して説明を省略し、実施の形態7の偏心調整装置1Fと異なる点を中心に説明する。
図15は、実施の形態8にかかる偏心調整装置の構成の一例を示す図である。図15に示すように、実施の形態8にかかる偏心調整装置1Gは、押さえ機構12Fに代えて、押さえ機構12Gを備える。押さえ機構12Gは、荷重発生部61に代えて荷重発生部61Gを備える点で、押さえ機構12Fと異なる。荷重発生部61Gは、電磁石63と、磁性体ワッシャ64と、スラストベアリング76とを備える。
電磁石63およびスラストベアリング76は、スケール円板27の上方に配置されており、磁性体ワッシャ64は、ボス26の下方に配置される。荷重発生部61Gは、スケール円板27をボス26に押し付ける荷重を電磁石63の磁力により発生する。電磁石63の磁力によって電磁石63と磁性体ワッシャ64とが引き付け合おうとし、電磁石63と磁性体ワッシャ64とによってボス26、スケール円板27、およびスラストベアリング76が挟持される。ボス26はシャフト24に固定されているため、電磁石63によってスケール円板27がボス26に押し付けられる。
荷重調整部62は、偏心計測時には、電磁石63に流れる電流を大きくして電磁石63の磁力を強くし、スケール円板27をボス26に第1の荷重で電磁石63に押し付けさせる。また、荷重調整部62は、偏心調整時には、電磁石63に流れる電流を小さくして電磁石63の磁力を弱くし、スケール円板27をボス26に第2の荷重で電磁石63に押し付けさせる。これにより、偏心調整装置1Gは、偏心調整装置1Fに比べて、スケール円板27の下方における荷重調整部62と電磁石63との間の配線をなくすことができる。
なお、偏心調整装置1Gにおいて、ボス26が磁性体の場合、磁性体ワッシャ64は設けなくてもよい。この場合、偏心調整装置1Gでは、偏心調整装置1Fに比べて、ボス26の下方には部品の追加が不要となり、省スペース化および省部品化を図ることができる。
また、偏心調整装置1Gには、電磁石63とスケール円板27との間に、スラストベアリング76に代えてスペーサが設けられてもよい。この場合、スケール円板27と共に電磁石63も回転するため、電磁石63と荷重調整部62との接続は例えばスリップリングなどを介して行われる。
以上のように、実施の形態8にかかる偏心調整装置1Gの荷重発生部61Gは、電磁石63と、磁性体ワッシャ64と、電磁石63とスケール円板27との間に設けられるスラストベアリング76とを備える。荷重発生部61Gは、電磁石63の磁力によって電磁石63と磁性体ワッシャ64とでスラストベアリング76、スケール円板27、およびボス26を挟持することで電磁石63にスケール円板27をボス26に押し付けさせる。これにより、偏心調整装置1Gは、偏心調整装置1Fに比べて、スケール円板27の下方における荷重調整部62と電磁石63との間の配線をなくすことができる。
実施の形態9.
実施の形態9にかかる偏心調整装置は、押さえ機構の構成が実施の形態1にかかる偏心調整装置1と異なる。以下においては、実施の形態1と同様の機能を有する構成要素については図示を省略または同一符号を付して説明を省略し、実施の形態1の偏心調整装置1と異なる点を中心に説明する。
図16は、実施の形態9にかかる偏心調整装置の構成の一例を示す図である。図16に示すように、実施の形態9にかかる偏心調整装置1Hは、押さえ機構12に代えて、押さえ機構12Hを備える。押さえ機構12Hは、荷重発生部61Hと、荷重調整部62Hとを備える。
荷重発生部61Hは、スケール円板27にボス26を押し付ける荷重を内部の気体の圧力により発生する空気ばねである。荷重調整部62Hは、電空レギュレータ65と、ロータリージョイント66とを備える。荷重発生部61Hは、ロータリージョイント66を介して電空レギュレータ65から空気の供給を受ける。荷重調整部62Hの電空レギュレータ65は、主制御部15によって制御され、主制御部15から印加される電圧が変更されると、空気ばねである荷重発生部61H内の空気の圧力を変更する。
荷重調整部62Hは、偏心計測時には、荷重発生部61H内の空気の圧力を上げてスケール円板27をボス26に押し付ける力を強くし、偏心調整時には、荷重発生部61H内の空気の圧力を下げてスケール円板27をボス26に押し付ける力を小さくする。なお、荷重発生部61Hは、スケール円板27に直接載置されるため、偏心計測時、スケール円板27と共に回転する。
ここで、荷重発生部61Hである空気ばねのばね定数は、断熱過程の場合、下記式(2)で表される。下記式(2)において、「K」は、空気ばねのばね定数、「P」は、空気ばねの内圧、「A」は、空気ばねの受圧面積、「V」は、空気ばねの体積である。なお、空気ばねに使用する素材が弾性材料である場合は、空気ばねのばね定数を算出するための式には、弾性材料の弾性がパラメータとして含まれる。
偏心計測時には押し付ける力を10[N]に調整し、偏心調整時には押し付ける力を6[N]に調整する場合、荷重調整部62Hは、偏心計測時には下記式(3)を満たし、偏心調整時には下記式(4)を満たすように内圧Pを調整する。このように空気ばねの内圧Pを調整することによって、空気ばねの縮み量xを偏心計測時と偏心調整時とで変えることなく押し付ける力を調整することができる。空気ばねの縮み量xが変わらないため、スケール円板27の位置がずれる可能性が低い。
以上のように、実施の形態9にかかる偏心調整装置1Hは、荷重発生部61Hと荷重調整部62Hとを備える。荷重発生部61Hは、ボス26にスケール円板27を押し付ける荷重を内部の気体の圧力により発生する。荷重調整部62Hは、荷重発生部61Hの内部の気圧を変化させることによって第1の荷重と第2の荷重とを選択的に荷重発生部61Hに発生させる。これにより、偏心調整装置1Hは、遠心力によるボス26に対するスケール円板27の移動を低減することで高速かつ高精度な偏心計測を行いつつ、スティックスリップ運動の影響を抑えることで偏心調整を高効率で行うことができる。
また、荷重発生部61Hは、空気ばねである。これにより、例えば、シャフト22,24,またはハウジング25が磁性体材料で構成されている場合であっても、偏心調整装置1Hは、スケール円板27をボス26に精度よく押し付けることができる。また、偏心調整装置1Hは、空気ばねの圧力変更時にスケール円板27の位置がずれる可能性が低いため、高効率で偏心調整を行うことができる。
実施の形態10.
実施の形態10にかかる偏心調整装置は、空気ばねとスケール円板との間にリング状のスペーサが配置される点で、実施の形態9にかかる偏心調整装置1Hと異なる。以下においては、実施の形態9と同様の機能を有する構成要素については図示を省略または同一符号を付して説明を省略し、実施の形態9の偏心調整装置1Hと異なる点を中心に説明する。
図17は、実施の形態10にかかる偏心調整装置の構成の一例を示す図である。図17に示すように、実施の形態10にかかる偏心調整装置1Iは、押さえ機構12Hに代えて、押さえ機構12Iを備える。押さえ機構12Iは、荷重発生部61Hに代えて、荷重発生部61Iを備える。荷重発生部61Iは、空気ばね68と、リング状のスペーサ69とを備える。スペーサ69は、空気ばね68とスケール円板27との間に配置される。スペーサ69は、少なくとも一部が中空であり、かかる中空の部分にシャフト24が挿入される。シャフト24はスペーサ69の中空の部分に挿入されるため、空気ばね68は中空でなくてもよい。
以上のように、実施の形態10にかかる偏心調整装置1Iは、空気ばね68とスケール円板27との間に配置されるリング状のスペーサ69を有する。そのため、偏心調整装置1Iは、中空の部分を有しない空気ばね68を用いることができる。偏心調整装置1Iは、偏心調整装置1Hと同様に、空気ばね68の圧力変更時にスケール円板27の位置がずれる可能性が低いため、高効率で偏心調整を行うことができる。空気ばね68は、荷重調整部の一例である。
実施の形態11.
実施の形態11にかかる偏心調整装置は、空気ばねとスケール円板との間にスラストベアリングが配置される点で、実施の形態9にかかる偏心調整装置1Hと異なる。以下においては、実施の形態9と同様の機能を有する構成要素については図示を省略または同一符号を付して説明を省略し、実施の形態9の偏心調整装置1Hと異なる点を中心に説明する。
図18は、実施の形態11にかかる偏心調整装置の構成の一例を示す図である。図18に示すように、実施の形態11にかかる偏心調整装置1Jは、押さえ機構12Hに代えて、押さえ機構12Jを備える。押さえ機構12Jは、空気ばね68と、荷重調整部62Jとを備える。荷重調整部62Jは、空気ばね68へ空気の供給を供給する電空レギュレータであり、荷重調整部62Hの電空レギュレータ65と同様に、主制御部15によって制御される。
また、偏心調整装置1Jは、空気ばね68とスケール円板27との間にスラストベアリング29を備える。これにより、サーボモータ本体21のシャフト22が回転した場合であっても、押さえ機構12Jは回転しない。そのため、偏心調整装置1Jでは、空気ばね68に接続する配管の取り回しが簡単となる。また、偏心調整装置1Jでは、ロータリージョイント66で適応できない高速回転についても対応が可能となる。
実施の形態12.
実施の形態12にかかる偏心調整装置は、空気ばねに代えてエアシリンダが用いられる点で、実施の形態11にかかる偏心調整装置1Jと異なる。以下においては、実施の形態11と同様の機能を有する構成要素については図示を省略または同一符号を付して説明を省略し、実施の形態11の偏心調整装置1Jと異なる点を中心に説明する。
図19は、実施の形態12にかかる偏心調整装置の構成の一例を示す図である。図19に示すように、実施の形態12にかかる偏心調整装置1Kは、押さえ機構12Jに代えて押さえ機構12Kを備える点で偏心調整装置1Jと異なる。押さえ機構12Kは、荷重発生部61Kと、荷重調整部62Kとを備える。
荷重発生部61Kは、スケール円板27にボス26を押し付ける荷重を内部の気体の圧力により発生するエアシリンダである。荷重調整部62Kは、荷重発生部61Kへ空気を供給する電空レギュレータである。主制御部15は、偏心計測時および偏心調整時において荷重調整部62Kを制御して荷重発生部61Kがスケール円板27を図19における下方へ押している状態を維持する。主制御部15は、荷重調整部62Kに加える電圧を変更することでエアシリンダである荷重発生部61K内の空気の圧力を変更する。
荷重調整部62Kは、偏心計測時には、荷重発生部61K内の空気の圧力を上げてスケール円板27をボス26に押し付ける力を強くし、偏心調整時には、荷重発生部61K内の空気の圧力を下げてスケール円板27をボス26に押し付ける力を小さくする。なお、荷重発生部61Kは、スケール円板27との間にスラストベアリング29が介在するため回転しない。
以上のように、実施の形態12にかかる偏心調整装置1Kの荷重発生部61Kは、エアシリンダである。これにより、偏心調整装置1Kは、荷重発生部61Kであるシリンダの圧力変更時にスケール円板27の位置がずれる可能性が低いため、高効率で偏心調整を行うことができる。
実施の形態13.
実施の形態13にかかる偏心調整装置は、押さえ機構の構成が実施の形態1にかかる偏心調整装置1と異なる。以下においては、実施の形態1と同様の機能を有する構成要素については図示を省略または同一符号を付して説明を省略し、実施の形態1の偏心調整装置1と異なる点を中心に説明する。
図20は、実施の形態13にかかる偏心調整装置の構成の一例を示す図である。図20に示すように、実施の形態13にかかる偏心調整装置1Lは、押さえ機構12に代えて、押さえ機構12Lを備える。押さえ機構12Lは、ばね機構16Lと、荷重調整部17Lとを備える。ばね機構16Lは、形状記憶合金といった温度により弾性率が変わる素材を使用した圧縮ばねを有している。
図21は、実施の形態13にかかるばね機構の構成の一例を示す図である。図21に示すばね機構16Lは、圧縮ばね31Lと、圧縮ばね31Lの一端部に取り付けられたばね押さえ32と、圧縮ばね31Lの他端部に取り付けられたばね押さえ33とを備える。圧縮ばね31Lは、形状記憶合金などのように温度により弾性率が変わる素材によって形成される。ばね押さえ33は、シャフト24に固定される。なお、ばね押さえ33は、シャフト24に直接固定されてもよく、不図示の固定部材を介してシャフト24に固定されてもよい。一方、ばね押さえ32は、シャフト24の軸方向に沿って移動可能である。
荷重調整部17Lは、ばね機構16Lの圧縮ばね31Lの温度を変化させ圧縮ばね31Lの弾性率を変化させるヒータである。圧縮ばね31Lを形成する形状記憶合金は変態点より温度が高いと弾性率が高くなり、変態点より温度が低いと弾性率が低くなる。主制御部15は、荷重調整部17Lを制御し、偏心計測時には、圧縮ばね31Lの温度を変態点よりも下げて、スケール円板27をボス26に押し付ける力を強くし、偏心調整時には、圧縮ばね31Lの温度を変態点よりも上げて、スケール円板27をボス26に押さえ付ける力を弱くする。
荷重調整部17Lは、輻射熱により圧縮ばね31Lの温度を変えるヒータであってもよい。また、圧縮ばね31Lを形成する形状記憶合金の変態点が周囲温度よりも低い環境で偏心調整装置1Lが用いられる場合、荷重調整部17Lは、冷風による圧縮ばね31Lの温度を変える冷却器であってもよい。また、荷重調整部17Lは、圧縮ばね31Lの加熱と冷却のサイクルを高速で行うためにヒータと冷却器とを含む構成であってもよい。
なお、偏心調整装置1Lは、スケール円板27が温度に敏感な材料である場合などにおいて、ばね機構16Lとスケール円板27の間に断熱材が配置される構成であってもよい。
以上のように、実施の形態13にかかる偏心調整装置1Lは、ばね機構16Lと、荷重調整部17Lとを備える。ばね機構16Lは、温度により弾性率が変わる圧縮ばね31Lを有する。荷重調整部17Lは、圧縮ばね31Lの温度を変化させることによって第1の荷重と第2の荷重とを選択的にばね機構16Lに発生させる。これにより、偏心調整装置1Lは、圧縮ばね31Lの長さが変更される時にスケール円板27の位置がずれる可能性が低いため、高効率で偏心調整を行うことができる。
実施の形態14.
実施の形態14にかかる偏心調整装置は、押さえ機構の構成が実施の形態1にかかる偏心調整装置1と異なる。以下においては、実施の形態1と同様の機能を有する構成要素については図示を省略または同一符号を付して説明を省略し、実施の形態1の偏心調整装置1と異なる点を中心に説明する。
図22は、実施の形態14にかかる偏心調整装置の構成の一例を示す図である。図22に示すように、実施の形態14にかかる偏心調整装置1Mは、押さえ機構12に代えて、押さえ機構12Mを備える。押さえ機構12Mは、電動シリンダ70と、荷重調整部17Mとを備える。電動シリンダ70は、ロボットシリンダとも呼ばれる。
荷重調整部17Mは、電動シリンダ70に配置された力覚センサ75で計測されるボス26へのスケール円板27の押し付け力に基づいて電動シリンダ70を制御して第1の荷重と第2の荷重とを選択的に電動シリンダ70に発生させる。荷重調整部17Mは、偏心計測時には、力覚センサ75で計測される押し付け力が第1の荷重になるように電動シリンダ70を制御し、偏心調整時には、力覚センサ75で計測される押し付け力が第1の荷重になるように電動シリンダ70を制御する。
以上のように、実施の形態14にかかる偏心調整装置1Mは、電動シリンダ70と、荷重調整部17Mとを備える。荷重調整部17Mは、電動シリンダ70に配置された力覚センサ75で計測されるボス26へのスケール円板27の押し付け力に基づいて電動シリンダ70を制御して第1の荷重と第2の荷重とを選択的に電動シリンダ70に発生させる。これにより、偏心調整装置1Mは、電動シリンダ70の圧力変更時にスケール円板27の位置がずれる可能性が低いため、高効率で偏心調整を行うことができる。また、偏心調整装置1Mは、押し付け力の情報を荷重調整部17Mに設定することで、様々な条件のスケール円板27に対応することができる。
以上の実施の形態に示した構成は、一例を示すものであり、別の公知の技術と組み合わせることも可能であるし、実施の形態同士を組み合わせることも可能であるし、要旨を逸脱しない範囲で、構成の一部を省略、変更することも可能である。