JP7336305B2 - 透明導電性フィルム - Google Patents

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Description

本発明は、透明導電性フィルムに関し、詳しくは、光学用途に好適に用いられる透明導電性フィルムに関する。
従来から、インジウムスズ複合酸化物(ITO)からなる透明導電層を所望の電極パターンに形成した透明導電性フィルムが、タッチパネルなどの光学用途に用いられる。
このような透明導電性フィルムとして、例えば、透明プラスチックフィルムと、86%の全光線透過率を有し、27Ω/□の表面抵抗値を有する透明導電性薄膜とを備えた透明導電性フィルムが提案されている(例えば、特許文献1の実施例1参照。)。
特開2010-177161公報
近年、透明導電性フィルムには、さらに高い全光線透過率、および、さらに低い表面抵抗値が求められている。
一方、透明導電層の表面抵抗値は、透明導電層の厚みを大きくすることで、低くすることができるが、透明導電層の厚みを大きくすると、透明導電層に吸収される光の量が増え、その結果、全光線透過が低くなる傾向がある。
つまり、表面抵抗値と全光線透過率とは、トレードオフの傾向にあり、この傾向によれば、特許文献1の透明導電層よりも、全光線透過率をさらに高くし、かつ、表面抵抗値をさらに低くすることが困難である。
本発明は、より一層高い全光線透過率を有し、かつ、より一層低い表面抵抗値を有する透明導電層を備える透明導電性フィルムを提供することにある。
本発明[1]は、ガラス基材と、透明導電層とを順に備え、前記透明導電層が、87%以上の全光線透過率を有し、10Ω/□以下の表面抵抗値を有する、透明導電性フィルムである。
本発明[2]は、前記透明導電層の厚みが、120nm以上160nm以下である、上記[1]に記載の透明導電性フィルムを含んでいる。
本発明[3]は、前記透明導電層の、X線回折法における(400)面のピーク強度の、(222)面のピーク強度に対する比率((400)面のピーク強度/(222)面のピーク強度)が、0.8を超過する、上記[1]または[2]に記載の透明導電性フィルムを含んでいる。
本発明の透明導電性フィルムにおいて、透明導電層は、87%以上の全光線透過率を有し、10Ω/□以下の表面抵抗値を有する。
そのため、この透明導電性フィルムは、高い全光線透過率を有し、かつ、低い表面抵抗値を有する。
図1は、本発明の透明導電性フィルムの一実施形態の断面図を示す。 図2は、ITO層の厚みに対する反射量(反射率)に関するシミュレーションで用いるシミュレーションモデル図を示す。 図3は、ITO層の厚みに対する反射量(反射率)のシミュレーション結果を示す。
図1を参照して、本発明の透明導電性フィルムの一実施形態を説明する。
図1において、紙面上下方向は、上下方向(厚み方向)であって、紙面上側が、上側(厚み方向一方側)、紙面下側が、下側(厚み方向他方側)である。また、紙面左右方向および奥行き方向は、上下方向に直交する面方向である。具体的には、各図の方向矢印に準拠する。
1.透明導電性フィルム
透明導電性フィルム1は、所定の厚みを有するフィルム形状(シート形状を含む)を有し、厚み方向と直交する面方向に延び、平坦な上面および平坦な下面を有する。透明導電性フィルム1は、例えば、画像表示装置に備えられるタッチパネル用基材や電磁波シールドなどの一部品であり、つまり、画像表示装置ではない。すなわち、透明導電性フィルム1は、画像表示装置などを作製するための部品であり、OLEDモジュールなどの画像表示素子を含まず、部品単独で流通し、産業上利用可能なデバイスである。
具体的には、図1に示すように、透明導電性フィルム1は、ガラス基材2と、透明導電層3とをこの順に備える。透明導電性フィルム1は、より具体的には、ガラス基材2と、ガラス基材2の上面(厚み方向一方面)に配置される透明導電層3とを備える。
透明導電性フィルム1の厚みは、例えば、200μm以下、好ましくは、150μm以下であり、また、例えば、20μm以上、好ましくは、30μm以上である。
2.ガラス基材
ガラス基材2は、透明導電性フィルム1の機械強度を確保するための透明な基材である。すなわち、ガラス基材2は、透明導電層3を支持している。
ガラス基材2は、フィルム形状を有する。ガラス基材2は、透明導電層3の下面に接触するように、透明導電層3の下面全面に、配置されている。
ガラス基材2は、可撓性を有し、透明なガラスから形成されている。
ガラスとしては、例えば、無アルカリガラス、ソーダガラス、ホウケイ酸ガラス、アルミノケイ酸ガラスなどが挙げられる。
ガラス基材2の厚みは、例えば、150μm以下、好ましくは、120μm以下、より好ましくは、100μm以下である。また、例えば、10μm以上、好ましくは、40μm以上である。ガラス基材2の厚みが上記上限以下であれば、可撓性に優れる。また、ガラス基材2の厚みが上記下限以上であれば、機械的強度に優れ、搬送時の破損を抑制することができる。
ガラス基材2の厚みは、ダイヤルゲージ(PEACOCK社製、「DG-205」)を用いて測定することができる。
ガラス基材2の全光線透過率(JIS K 7375-2008)は、例えば、80%以上、好ましくは、85%以上である。
3.透明導電層
透明導電層3は、結晶質であり、優れた導電性を発現する透明な層である。
透明導電層3は、フィルム形状を有する。透明導電層3は、ガラス基材2の上面全面に、ガラス基材2の上面に接触するように、配置されている。
透明導電層3の材料としては、例えば、In、Sn、Zn、Ga、Sb、Ti、Si、Zr、Mg、Al、Au、Ag、Cu、Pd、Wからなる群より選択される少なくとも1種の金属を含む金属酸化物が挙げられる。金属酸化物には、必要に応じて、さらに上記群に示された金属原子をドープしていてもよい。
透明導電層3としては、具体的には、例えば、インジウムスズ複合酸化物(ITO)などのインジウム含有酸化物、例えば、アンチモンスズ複合酸化物(ATO)などのアンチモン含有酸化物などが挙げられ、好ましくは、インジウム含有酸化物、より好ましくは、ITOが挙げられる。
透明導電層3の材料としてITOを用いる場合、酸化スズ(SnO)含有量は、酸化スズおよび酸化インジウム(In)の合計量に対して、例えば、0.5質量%以上、好ましくは、3質量%以上であり、また、例えば、15質量%以下、好ましくは、13質量%以下である。酸化スズの含有量が上記下限以上であれば、ITO層の耐久性をより一層良好にすることができる。酸化スズの含有量が上記上限以下であれば、ITO層の結晶転化を容易にし、透明性や比抵抗の安定性を向上させることができる。
本明細書中における「ITO」とは、少なくともインジウム(In)とスズ(Sn)とを含む複合酸化物であればよく、これら以外の追加成分を含んでもよい。追加成分としては、例えば、In、Sn以外の金属元素が挙げられ、具体的には、Zn、Ga、Sb、Ti、Si、Zr、Mg、Al、Au、Ag、Cu、Pd、W、Fe、Pb、Ni、Nb、Cr、Gaなどが挙げられる。
透明導電層3は、結晶質である。
透明導電層3が、結晶質であれば、比抵抗および表面抵抗値を低くできる。
透明導電層3の結晶質性は、例えば、透明導電性フィルム1を塩酸(20℃、濃度5質量%)に15分間浸漬し、続いて、水洗および乾燥した後、透明導電層3側の表面に対して15mm程度の間の端子間抵抗を測定することにより判断できる。上記浸漬・水洗・乾燥後の透明導電性フィルム1において、15mm間の端子間抵抗が10kΩ以下である場合、透明導電層3は結晶質であり、一方、上記抵抗が10kΩを超過する場合、透明導電層3は非晶質である。
透明導電層3の上面の比抵抗は、例えば、2.0×10-4Ω・cm以下、好ましくは、1.8×10-4Ω・cm以下、より好ましくは、1.5×10-4Ω・cm以下、さらに好ましくは、1.2×10-4Ω・cm以下である。比抵抗は、JIS K7194に準拠して、4端子法により測定することができる。
透明導電層3の上面の表面抵抗値は、10Ω/□以下、好ましくは、9Ω/□以下であり、また、例えば、1Ω/□以上である。表面抵抗値は、JIS K7194に準拠して、4端子法により測定することができる。
また、透明導電層3の全光線透過率(JIS K 7375-2008)は、87%以上、好ましくは、88%以上である。
透明導電層3の厚みは、例えば、120nm以上、好ましくは、130nm以上であり、また、例えば、160nm以下、好ましくは、150nm以下である。
詳しくは後述するが、この透明導電性フィルム1では、好ましくは、透明導電層3の厚みを上記した所定の範囲に調整することによって、全光線透過率を高くする(具体的には、87%以上にする。)。
透明導電層3の厚みは、例えば、走査型蛍光X線分析装置を用いて測定することができる。
4.透明導電性フィルムの製造方法
透明導電性フィルム1を製造するには、例えば、ロールトゥロール工程において、ガラス基材2の上面に、透明導電層3を設ける。具体的には、長尺なガラス基材2を送出ロールから送出して搬送方向下流側に搬送しながら、ガラス基材2の上面に透明導電層3を設け、巻取ロールにて導電性フィルム1を巻き取る。以下、詳述する。
まず、送出ロールに巻回された長尺なガラス基材2を用意し、巻取ロールに巻回されるようにガラス基材2を搬送する。
搬送速度は、例えば、0.1m/分以上、好ましくは、0.2m/分以上であり、また、例えば、1.0m/分以下、好ましくは、0.5m/分以下である。
その後、必要に応じて、ガラス基材2と透明導電層3との密着性の観点から、ガラス基材2の表面に、例えば、スパッタリング、コロナ放電、火炎、紫外線照射、電子線照射、化成、酸化などのエッチング処理や下塗り処理を実施することができる。また、溶剤洗浄、超音波洗浄などによりガラス基材2を除塵、清浄化することができる。
次いで、ガラス基材2の上面に透明導電層3を設ける。例えば、乾式方法により、ガラス基材2の上面に透明導電層3を形成する。
乾式方法としては、例えば、真空蒸着法、スパッタリング法、イオンプレーティング法などが挙げられる。好ましくは、スパッタリング法が挙げられる。この方法により、薄膜であり、かつ、厚みが均一である透明導電層3を形成することができる。
スパッタリング法は、真空チャンバー内にターゲットおよび被着体(ガラス基材2)を対向配置し、ガスを供給するとともに電源から電圧を印加することによりガスイオンを加速しターゲットに照射させて、ターゲット表面からターゲット材料をはじき出して、そのターゲット材料を被着体表面に積層させる。
スパッタリング法としては、例えば、2極スパッタリング法、ECR(電子サイクロトロン共鳴)スパッタリング法、マグネトロンスパッタリング法、イオンビームスパッタリング法などが挙げられる。好ましくは、マグネトロンスパッタリング法が挙げられる。
スパッタリング法を採用する場合、ターゲット材料としては、透明導電層3を構成する上述の金属酸化物などが挙げられ、好ましくは、ITOが挙げられる。ITOの酸化スズ濃度は、ITO層の耐久性、結晶化などの観点から、例えば、0.5質量%以上、好ましくは、3質量%以上であり、また、例えば、15質量%以下、好ましくは、13質量%以下である。
ガスとしては、例えば、Arなどの不活性ガスが挙げられる。また、必要に応じて、酸素ガスなどの反応性ガスを併用することができる。
不活性ガスに対する反応性ガスの導入割合(以下、反応性ガス導入量とする。)は、例えば、0.1体積%以上、好ましくは、1体積%以上、より好ましくは、3体積%以上であり、また、例えば、10体積%以下、好ましくは、5体積%以下である。
スパッタリング時の気圧(以下、成膜気圧とする。)は、例えば、1Pa以下であり、好ましくは、0.5Pa以下であり、また、例えば、0.1Pa以上である。
電源は、例えば、DC電源、AC電源、MF電源およびRF電源のいずれであってもよく、また、これらの組み合わせであってもよい。
そして、このスパッタリングでは、スパッタリング前に、ガラス基材2を予め高温に加熱する。これにより、ガラス基材2の表面において透明導電層3を形成する粒子は高いエネルギー状態に置かれ、スパッタリングによる成膜と同時に結晶化(アズデポ結晶化)できる。その結果、透明導電層3の比抵抗を低くできる。
ガラス基材2の加熱温度(以下、基材温度とする。)は、例えば、350℃以上であり、また、例えば、600℃以下、好ましくは、550℃以下である。
ガラス基材2の加熱時間は、例えば、10秒以上、好ましくは、20秒以上であり、また、例えば、120秒以下、好ましくは、60秒以下である。
これにより、ガラス基材2の上面に透明導電層3を形成され、ガラス基材2と、透明導電層3とを順に備える透明導電性フィルム1が得られる。
5.作用効果
透明導電性フィルム1において、透明導電層3は、高い全光線透過率(87%以上)を有し、かつ、低い表面抵抗値(10Ω/□以下)を有する。
そのため、この透明導電性フィルム1は、高い全光線透過率を有し、かつ、低い表面抵抗値を有する。
そして、このような透明導電性フィルム1において、透明導電層3の全光線透過率を高くし、かつ、表面抵抗値を低くするために、好ましくは、透明導電層3の厚みを上記した所定の範囲(120nm以上160nm以下)に調整する。
詳しくは、透明導電層3の全光線透過率を高くするには、透明導電層3に吸収される光の量(以下、吸収量と称する。)を少なくし、かつ、透明導電層3に反射される光(詳しくは、550nmにおける反射)の量(以下、反射量と称する。)を少なくすることが検討される。
吸収量は、透明導電層3の厚みが大きくなると、高くなる傾向がある。このような傾向によれば、透明導電層3の全光線透過率は、透明導電層3の厚みが大きくなると、低くなる。
一方、透明導電層3の表面抵抗値は、透明導電層3の厚みを大きくすると、低くなる傾向がある。
つまり、上記の傾向によれば、透明導電層3の厚みを大きくすると、全光線透過率が低くなり、かつ、表面抵抗値が低くなる一方、透明導電層3の厚みを小さくすると、全光線透過率が高くなり、かつ、表面抵抗値が高くなる。
すなわち、表面抵抗値と全光線透過率とは、トレードオフの傾向にあり、この傾向によれば、透明導電層3の全光線透過率をより一層高くし、かつ、透明導電層3の表面抵抗値をより一層低くすることは困難である。
これに対して、透明導電性フィルム1では、好ましくは、透明導電層3の厚みを上記した所定の範囲(120nm以上160nm以下)に調整する。
透明導電層3の厚みを上記した所定の範囲に調整すれば、反射量を低くでき、その結果、全光線透過率を高くできる。詳しくは、吸収量が高くても、反射量を十分に低くできるため、全光線透過率を高くできる。
透明導電層3の厚みが、上記した所定の範囲(120nm以上160nm以下)であれば、反射量を低くできることは、シミュレーションによって、求めることができる。
具体的には、図2に示すように、シミュレーションのモデルとして、ガラス基材2と、ITO層4とを順に備えたシミュレーション用透明導電性フィルム5を準備し、ITO層4側から、入射角0度で光を入射した場合の反射率を、下記式(1)に基づいて、算出する。
Figure 0007336305000001
(上記式(1)において、Rは反射率、nは各波長における空気の屈折率、nは各波長におけるITO膜の屈折率、nは各波長におけるガラスの屈折率、λは各波長で、dはITOの膜厚を示す。)
なお、上記のシミュレーションにおいて、ガラス基材2の厚みは、50μmとし、ガラスの屈折率は、1.52とし、ITO層4の屈折率は、1.9とし、消衰係数は、0とする。
また、このようなシミュレーションは、例えば、TFCalc(Software Spectra社製)を用いて実施することができる。
そして、ITO層4の厚みを10nm~650nmの範囲で変更し、各厚みにおける550nmにおける反射率を求めると、図3のように示される。
図3によれば、透明導電層3の厚みを、120nm以上160nm以下にすれば、反射率(反射量)を12%以下に低くでき、好ましくは、ITO層4の厚みを、130nm以上150nm以下にすれば、反射率(反射量)を10%以下に低くできることがわかる。
つまり、透明導電層3の厚みを、120nm以上160nm以下(好ましくは、130nm以上150nm以下にすれば、)、反射率(反射量)を低くでき、その結果、全光線透過率を高くすることができる。
また、透明導電層3の厚みを、120nm以上160nm以下にすれば、透明導電層3の厚みが十分に大きいので、表面抵抗値を低くすることができる。
つまり、透明導電層3の厚みを、120nm以上160nm以下にすれば、透明導電層3の全光線透過率をより一層高くし、かつ、透明導電層3の表面抵抗値をより一層低くすることができる。
また、上記したように、透明導電層3がスパッタリング法により形成される場合には、スパッタリング前に、ガラス基材2を予め高温に加熱する。これにより、透明導電層3の比抵抗を低くすることができる。
詳しくは、スパッタリング前に、ガラス基材2を予め高温に加熱すると、透明導電層3の結晶性が向上する。具体的には、X線回折法におけるピークのうち、酸化インジウムの(400)面のピーク強度が、酸化インジウムの(222)面のピーク強度に対して、高くなる。
X線回折法における(400)面のピーク強度の、(222)面のピーク強度に対する比率((400)面のピーク強度/(222)面のピーク強度)が、例えば、0.8を超過、好ましくは、1以上、より好ましくは、2以上であり、また、例えば、10以下である。
上記の比率が、上記下限以上であれば、透明導電層3の比抵抗を低くできる。その結果、透明導電層3の表面抵抗値を低くすることができる。
6.変形例
上記した説明では、透明導電性フィルム1は、ガラス基材2と、透明導電層3とからなるが、ガラス基材2と透明導電層3と間に中間層を介在させることもできる。
中間層としては、ハードコート層が挙げられる。
ハードコート層は、透明導電性フィルム1を製造する際に、ガラス基材2に傷が発生することを抑制するための保護層である。また、ハードコート層は、透明導電性フィルム1を積層した場合に、透明導電層3に擦り傷が発生することを抑制するための耐擦傷層である。
ハードコート層は、例えば、ハードコート組成物から形成される。
ハードコート組成物は、樹脂成分を含有する。
樹脂成分としては、例えば、硬化性樹脂、熱可塑性樹脂(例えば、ポリオレフィン樹脂)などが挙げられる。
また、ハードコート組成物は、粒子を含有することもできる。
粒子としては、架橋アクリル系粒子などの有機粒子などの無機粒子などが挙げられる。
ハードコート層の厚みは、耐擦傷性の観点から、例えば、0.1μm以上、好ましくは、0.5μm以上であり、また、例えば、10μm以下、好ましくは、3μm以下である。ハードコート層の厚みは、例えば、瞬間マルチ測光システム(例えば、大塚電子社製、「MCPD2000」)を用いて観測される干渉スペクトルの波長に基づいて算出することができる。
また、中間層としては、光学調整層が挙げられる。
光学調整層は、透明導電層3のパターン視認を抑制したり、透明導電性フィルム1内の界面での反射を抑制しつつ、透明導電性フィルム1に優れた透明性を確保するために、透明導電性フィルム1の光学物性(例えば、屈折率)を調整する層である。
光学調整層は、例えば、光学調整組成物から形成される。
光学調整組成物は、上記の樹脂成分および上記の粒子を含有する。
光学調整層の厚みは、例えば、5nm以上、好ましくは、10nm以上であり、また、例えば、200nm以下、好ましくは、100nm以下である。光学調整層の厚みは、例えば、瞬間マルチ測光システムを用いて観測される干渉スペクトルの波長に基づいて算出することができる。
つまり、透明導電性フィルム1は、ガラス基材2と透明導電層3と間に、ハードコート層または光学調整層を介在させることもでき、また、透明導電性フィルム1は、ガラス基材2と透明導電層3と間に、ハードコート層および光学調整層を介在させることもできる。
好ましくは、透明導電性フィルム1は、ガラス基材2と、透明導電層3とからなる。
以下に実施例および比較例を示し、本発明をさらに具体的に説明する。なお、本発明は、何ら実施例および比較例に限定されない。また、以下の記載において用いられる配合割合(含有割合)、物性値、パラメータなどの具体的数値は、上記の「発明を実施するための形態」において記載されている、それらに対応する配合割合(含有割合)、物性値、パラメータなど該当記載の上限値(「以下」、「未満」として定義されている数値)または下限値(「以上」、「超過」として定義されている数値)に代替することができる。
1.透明導電性フィルムの製造
実施例1
ガラス基材として、ロール状に巻回された長尺な透明ガラス基材(厚み50μm、日本電気硝子社製、「G-Leaf」)を準備した。
この透明ガラス基材を送出ロールにセットして、搬送速度0.27m/分にて送り出し、スパッタリング装置(ターゲット部)を通過させて、巻取ロールに巻回した。DCスパッタリング法により、厚みが128nmであるITO層(透明導電層)をガラス基材の上面に形成した。スパッタリングは、アルゴンガス96%および酸素ガス4%(すなわち、酸素ガス導入量4体積%)を導入した気圧(成膜気圧)0.13Paの真空雰囲気下で、実施した。放電出力は、3kWとした。ターゲットは、87.5質量%の酸化インジウムおよび12.5質量%の酸化スズの焼結体を用いた。また、スパッタリング前に、スパッタリング装置内で、赤外線ヒータ(加熱部)を作動し、ヒーター温度(基材温度)を500℃に設定し、ガラス基材を25秒加熱した。
これにより、ガラス基材とITO層とを備え、ロール状に巻回された透明導電性フィルムを製造した。
実施例2および比較例1~比較例4
表1に従って、ITO層の厚み、基材温度、成膜気圧、搬送速度および酸素ガス導入量を変更した以外は、実施例1と同様にして、透明導電性フィルムを製造した。
2.評価
1)表面抵抗値
各実施例および各比較例のITO層の表面抵抗値を、JIS K7194に準拠して、4端子法により測定した。その結果を表1に示す。
2)比抵抗
各実施例および各比較例のITO層の比抵抗を、JIS K7194に準拠して、4端子法により測定した。その結果を表1に示す。
3)ITO層の膜厚
各実施例および各比較例のITO層の膜厚を走査型蛍光X線分析装置(株式会社リガク社製)「ZSX PrimusII」を用いて測定した。その結果を表1に示す。
4)全光線透過率
各実施例および各比較例のITO層の全光線透過率を分光光度計(日立ハイテクノロジー社製)「U4100」を用いて測定した。その結果を表1に示す。
5)X線回折測定
各実施例および各比較例の透明導電性フィルムにおいて、結晶配向性を全自動多目的X線回析装置(リガク社製、「SmartLab」)を用いて測定した。得られた(400)面のピーク強度および(222)面のピーク強度から、ピーク強度比((400)面のピーク強度/(222)面のピーク強度)を算出した。その結果を表1に示す。
Figure 0007336305000002
1 透明導電性フィルム
2 ガラス基材
3 透明導電層

Claims (2)

  1. ガラス基材と、透明導電層とを順に備え、
    前記透明導電層が、87%以上の全光線透過率を有し、10Ω/□以下の表面抵抗値を有し、
    前記透明導電層の、X線回折法における(400)面のピーク強度の、(222)面のピーク強度に対する比率((400)面のピーク強度/(222)面のピーク強度)が、0.8を超過することを特徴とする、透明導電性フィルム。
  2. 前記透明導電層の厚みが、120nm以上160nm以下であることを特徴とする、請求項1に記載の透明導電性フィルム。
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