JP7335963B2 - 感活性光線性又は感放射線性樹脂組成物、感活性光線性又は感放射線性膜、パターン形成方法、及び電子デバイスの製造方法 - Google Patents

感活性光線性又は感放射線性樹脂組成物、感活性光線性又は感放射線性膜、パターン形成方法、及び電子デバイスの製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、感活性光線性又は感放射線性樹脂組成物、感活性光線性又は感放射線性膜、パターン形成方法、及び電子デバイスの製造方法に関する。
化学増幅型レジスト組成物は、活性光線又は放射線の照射により露光部に酸を生成させ、この酸を触媒とする反応によって、活性光線又は放射線の照射部と非照射部の現像液に対する溶解性を変化させ、パターンを基板上に形成させるパターン形成材料である。
例えば、従来、特定のポジ型レジスト組成物を用いて膜厚1μm以上の厚膜レジスト膜を形成し、厚膜レジスト膜を選択的に露光後、厚膜レジスト膜を現像して、3次元パターンを形成するパターン形成方法が知られている(特許文献1参照)。
国際公開第2017/057226号公報
近年、各種電子デバイスの高機能化が求められており、それに伴い、微細加工に用いられるレジストパターンのより一層の特性向上が求められている。
このような中で、本発明者らは、従来の厚膜レジスト膜形成用のレジスト組成物について検討したところ、特に断面形状のアスペクト比(パターンの線幅又はパターンのスペース幅とパターンの膜厚の比、即ち、(パターンの膜厚)/(パターンの線幅又はパターンのスペース幅))が非常に大きいパターンを形成する場合、そのパターンの断面形状(特に、パターントップの形状)に関して、改善の余地があることを見出した。
厚膜レジスト膜形成用レジスト組成物を用いて、厚膜レジスト膜を形成する場合、高温での露光前加熱(PreBake)に晒されることがしばしばあり、かかる状況においても断面形状の矩形性に非常に優れたパターンを形成することが求められている。
本発明の課題は、厚膜の(例えば、1μm以上の厚さを有する)感活性光線性感放射線性膜から断面形状のアスペクト比が非常に高い(例えば、5以上)パターンを形成する場合においても、断面形状の矩形性に非常に優れたパターンを形成可能な感活性光線性又は感放射線性樹脂組成物、上記感活性光線性又は感放射線性樹脂組成物により形成される感活性光線性又は感放射線性膜、上記感活性光線性又は感放射線性樹脂組成物を用いたパターン形成方法、及び電子デバイスの製造方法を提供することにある。
本発明者らは鋭意検討の結果、酸拡散制御剤のハンセン溶解度パラメーターと上記樹脂のハンセン溶解度パラメーターの差の絶対値が5MPa0.5以下としつつ、特定の酸拡散制御剤を感活性光線性又は感放射線性樹脂組成物中に用いることにより、厚膜のレジスト膜の形成に用いられた場合において、パターンの断面形状の矩形性に優れることを見出した。
すなわち、本発明者らは、以下の構成により上記課題を達成することができることを見出した。
<1>
酸の作用により現像液に対する溶解性が変化する樹脂、
活性光線又は放射線の照射により酸を発生する化合物、及び
酸拡散制御剤を含む感活性光線性又は感放射線性樹脂組成物であって、
上記組成物が、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテル、乳酸エチル、3-エトキシプロピオン酸エチル、2-ヘプタノン、3-メトキシプロピオン酸メチル、酢酸3-メトキシブチル、及び酢酸ブチルからなる群より選ばれる少なくとも1種の溶剤を含み、
上記酸拡散制御剤の分子量が200以上であり、上記酸拡散制御剤が下記一般式(Q-1)又は下記一般式(Q-2)で表される化合物であり、
上記酸拡散制御剤のハンセン溶解度パラメーターが15~30MPa0.5であり、
上記酸拡散制御剤のハンセン溶解度パラメーターと上記樹脂のハンセン溶解度パラメーターの差の絶対値が、5MPa0.5以下である、感活性光線性又は感放射線性樹脂組成物。
Figure 0007335963000001

一般式(Q-1)中、
~Rは、それぞれ独立に水素原子又は置換基を表す。R~Rが結合して環構造(但し、芳香環構造を除く)を形成してもよい。
Xqは、-NR-、-S-、又は-O-を表す。Rは水素原子又は1価の有機基を表す。
一般式(Q-2)中、
、Rは、それぞれ独立に置換基を表す。
Xrは、-NRN1-、-S-、又は-O-を表す。RN1は水素原子又は1価の有機基を表す。
pは0~4の整数を示す。また、pが2以上の場合、複数のRが結合して環構造を形成してもよい。
<2>
上記樹脂が、アセタール構造を有さない<1>に記載の感活性光線性又は感放射線性樹脂組成物。
<3>
~R、及びRの少なくとも一つが、下記一般式(Q-3)で表される基である、<1>又は<2>に記載の感活性光線性又は感放射線性樹脂組成物。
Figure 0007335963000002

一般式(Q-3)中、Rは、水素原子又は置換基を表す。
mは、1以上の整数を表す。
pは、1以上の整数を表す。ただし、mとpは異なる整数を表す。
m1は、1以上の整数を表す。
p1は、0以上の整数を表す。
*は、結合手を表す。
<4>
~R、RN1の少なくとも一つが、下記一般式(Q-3)で表される基である、<1>又は<2>に記載の感活性光線性又は感放射線性樹脂組成物。
Figure 0007335963000003

一般式(Q-3)中、Rは、水素原子又は置換基を表す。
mは、1以上の整数を表す。
pは、1以上の整数を表す。ただし、mとpは異なる整数を表す。
m1は、1以上の整数を表す。
p1は、0以上の整数を表す。
*は、結合手を表す。
<5>
~R、及びRの少なくとも一つが、下記一般式(Q-4)又は下記一般式(Q-5)で表される基である、<1>~<3>のいずれか1項に記載の感活性光線性又は感放射線性樹脂組成物。
Figure 0007335963000004

一般式(Q-4)中、
は、水素原子又は置換基を表す。
nは、1以上の整数を表す。
*は、結合手を表す。
一般式(Q-5)中、
は、水素原子又は置換基を表す。
n1は、0以上の整数を表す。
n2は、1以上の整数を表す。
*は、結合手を表す。
<6>
~R、RN1の少なくとも一つが、下記一般式(Q-4)又は下記一般式(Q-5)で表される基である、<1>~<2>、<4>のいずれか1項に記載の感活性光線性又は感放射線性樹脂組成物。
Figure 0007335963000005

一般式(Q-4)中、
は、水素原子又は置換基を表す。
nは、1以上の整数を表す。
*は、結合手を表す。
一般式(Q-5)中、
は、水素原子又は置換基を表す。
n1は、0以上の整数を表す。
n2は、1以上の整数を表す。
*は、結合手を表す。
<7>
以下の式で表される、上記樹脂に対する上記酸拡散制御剤の質量比率が、0.1以下である、<1>~<6>のいずれか1項に記載の感活性光線性又は感放射線性樹脂組成物。
質量比率=(酸拡散制御剤の含有量)/(樹脂の含有量)
<8>
上記活性光線又は放射線の照射により酸を発生する化合物の含有量が、上記組成物の全固形分を基準として、20質量%未満である、<1>~<7>のいずれか1項に記載の感活性光線性又は感放射線性樹脂組成物。
<9>
上記組成物の固形分濃度が10質量%以上である、<1>~<8>のいずれか1項に記載の感活性光線性又は感放射線性樹脂組成物。
<10>
上記酸拡散制御剤のハンセン溶解度パラメーターが18MPa0.5以上22MPa0.5以下である、<1>~<9>のいずれか1項に記載の感活性光線性又は感放射線性樹脂組成物
<11
支持体上に、<1>~<10>のいずれか1項に記載の感活性光線性又は感放射線性樹脂組成物によって、感活性光線性又は感放射線性膜を形成する工程、
上記感活性光線性又は感放射線性膜に活性光線又は放射線を照射する工程、及び、
上記活性光線又は放射線が照射された感活性光線性又は感放射線性膜を、現像液を用いて現像する工程、を有するパターン形成方法。
12
11>に記載のパターン形成方法を含む電子デバイスの製造方法。
本発明は、上記<1>~<12>に係る発明であるが、以下、それ以外の事項(例えば、下記[1]~[13])についても記載している。
[1]
酸の作用により現像液に対する溶解性が変化する樹脂、
活性光線又は放射線の照射により酸を発生する化合物、及び
酸拡散制御剤を含む感活性光線性又は感放射線性樹脂組成物であって、
上記酸拡散制御剤の分子量が200以上であり、上記酸拡散制御剤が下記一般式(Q-1)又は下記一般式(Q-2)で表される化合物であり、
上記酸拡散制御剤のハンセン溶解度パラメーターと上記樹脂のハンセン溶解度パラメーターの差の絶対値が、5MPa0.5以下である、感活性光線性又は感放射線性樹脂組成物。
Figure 0007335963000006
一般式(Q-1)中、
~Rは、それぞれ独立に水素原子又は置換基を表す。R~Rが結合して環構造(但し、芳香環構造を除く)を形成してもよい。
Xqは、-NR-、-S-、又は-O-を表す。Rは水素原子又は1価の有機基を表す。
一般式(Q-2)中、
、Rは、それぞれ独立に置換基を表す。
Xrは、-NRN1-、-S-、又は-O-を表す。RN1は水素原子又は1価の有機基を表す。
pは0~4の整数を示す。また、pが2以上の場合、複数のRが結合して環構造を形成してもよい。
[2]
上記樹脂が、アセタール構造を有さない[1]に記載の感活性光線性又は感放射線性樹脂組成物。
[3]
~R、及びRの少なくとも一つが、下記一般式(Q-3)で表される基である、[1]又は[2]に記載の感活性光線性又は感放射線性樹脂組成物。
Figure 0007335963000007
一般式(Q-3)中、Rは、水素原子又は置換基を表す。
mは、1以上の整数を表す。
pは、1以上の整数を表す。ただし、mとpは異なる整数を表す。
m1は、1以上の整数を表す。
p1は、0以上の整数を表す。
*は、結合手を表す。
[4]
~R、RN1の少なくとも一つが、下記一般式(Q-3)で表される基である、[1]又は[2]に記載の感活性光線性又は感放射線性樹脂組成物。
Figure 0007335963000008
一般式(Q-3)中、Rは、水素原子又は置換基を表す。
mは、1以上の整数を表す。
pは、1以上の整数を表す。ただし、mとpは異なる整数を表す。
m1は、1以上の整数を表す。
p1は、0以上の整数を表す。
*は、結合手を表す。
[5]
~R、及びRの少なくとも一つが、下記一般式(Q-4)又は下記一般式(Q-5)で表される基である、[1]~[3]のいずれか1項に記載の感活性光線性又は感放射線性樹脂組成物。
Figure 0007335963000009
一般式(Q-4)中、
は、水素原子又は置換基を表す。
nは、1以上の整数を表す。
*は、結合手を表す。
一般式(Q-5)中、
は、水素原子又は置換基を表す。
n1は、0以上の整数を表す。
n2は、1以上の整数を表す。
*は、結合手を表す。
[6]
~R、RN1の少なくとも一つが、下記一般式(Q-4)又は下記一般式(Q-5)で表される基である、[1]~[2]、[4]のいずれか1項に記載の感活性光線性又は感放射線性樹脂組成物。
Figure 0007335963000010
一般式(Q-4)中、
は、水素原子又は置換基を表す。
nは、1以上の整数を表す。
*は、結合手を表す。
一般式(Q-5)中、
は、水素原子又は置換基を表す。
n1は、0以上の整数を表す。
n2は、1以上の整数を表す。
*は、結合手を表す。
[7]
以下の式で表される、上記樹脂に対する上記酸拡散制御剤の質量比率が、0.1以下である、[1]~[6]のいずれか1項に記載の感活性光線性又は感放射線性樹脂組成物。
質量比率=(酸拡散制御剤の含有量)/(樹脂の含有量)
[8]
上記活性光線又は放射線の照射により酸を発生する化合物の含有量が、上記組成物の全固形分を基準として、20質量%未満である、[1]~[7]のいずれか1項に記載の感活性光線性又は感放射線性樹脂組成物。
[9]
上記組成物の固形分濃度が10質量%以上である、[1]~[8]のいずれか1項に記載の感活性光線性又は感放射線性樹脂組成物。
[10]
上記酸拡散制御剤のハンセン溶解度パラメーターが18MPa0.5以上22MPa0.5以下である、[1]~[9]のいずれか1項に記載の感活性光線性又は感放射線性樹脂組成物。
[11]
[1]~[10]のいずれか1項に記載の感活性光線性又は感放射線性樹脂組成物を用いて形成された感活性光線性又は感放射線性膜。
[12]
支持体上に、[1]~[10]のいずれか1項に記載の感活性光線性又は感放射線性樹脂組成物によって、感活性光線性又は感放射線性膜を形成する工程、
上記感活性光線性又は感放射線性膜に活性光線又は放射線を照射する工程、及び、
上記活性光線又は放射線が照射された感活性光線性又は感放射線性膜を、現像液を用いて現像する工程、を有するパターン形成方法。
[13]
[12]に記載のパターン形成方法を含む電子デバイスの製造方法。
本発明によれば、厚膜の感活性光線性感放射線性膜から断面形状のアスペクト比が非常に高い(例えば、5以上)パターンを形成する場合においても、断面形状の矩形性に非常に優れたパターンを形成可能な感活性光線性又は感放射線性樹脂組成物、上記感活性光線性又は感放射線性樹脂組成物により形成される感活性光線性又は感放射線性膜、上記感活性光線性又は感放射線性樹脂組成物を用いたパターン形成方法、及び電子デバイスの製造方法を提供することができる。
以下、本発明について詳細に説明する。
以下に記載する構成要件の説明は、本発明の代表的な実施態様に基づいてなされることがあるが、本発明はそのような実施態様に限定されない。
本明細書中における「活性光線」又は「放射線」とは、例えば、水銀灯の輝線スペクトル、エキシマレーザーに代表される遠紫外線、極紫外線(EUV:Extreme Ultraviolet)、X線、軟X線、及び電子線(EB:Electron Beam)等を意味する。本明細書中における「光」とは、活性光線又は放射線を意味する。本明細書中における「露光」とは、特に断らない限り、水銀灯の輝線スペクトル、エキシマレーザーに代表される遠紫外線、極紫外線、X線、及びEUV等による露光のみならず、電子線、及びイオンビーム等の粒子線による描画も含む。
本明細書において、「~」とはその前後に記載される数値を下限値及び上限値として含む意味で使用される。
本明細書において、(メタ)アクリレートはアクリレート及びメタクリレートの少なくとも1種を表す。また(メタ)アクリル酸はアクリル酸及びメタクリル酸の少なくとも1種を表す。
本明細書において、樹脂の重量平均分子量(Mw)、数平均分子量(Mn)、及び分散度(分子量分布ともいう)(Mw/Mn)は、GPC(Gel Permeation Chromatography)装置(東ソー株式会社製HLC-8120GPC)によるGPC測定(溶剤:テトラヒドロフラン、流量(サンプル注入量):10μL、カラム:東ソー株式会社製TSK gel Multipore HXL-M、カラム温度:40℃、流速:1.0mL/分、検出器:示差屈折率検出器(Refractive Index Detector))によるポリスチレン換算値として定義される。
本明細書中における基(原子団)の表記について、置換及び無置換を記していない表記は、置換基を有さない基と共に置換基を有する基をも包含する。例えば、「アルキル基」とは、置換基を有さないアルキル基(無置換アルキル基)のみならず、置換基を有するアルキル基(置換アルキル基)をも包含する。また、本明細書中における「有機基」とは、少なくとも1個の炭素原子を含む基をいう。
また、本明細書において、「置換基を有していてもよい」というときの置換基の種類、置換基の位置、及び置換基の数は特に制限されない。置換基の数は例えば、1つ、2つ、3つ、又はそれ以上であってもよい。置換基の例としては水素原子を除く1価の非金属原子団を挙げることができ、例えば、以下の置換基Tから選択できる。
(置換基T)
置換基Tとしては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子及びヨウ素原子等のハロゲン原子;メトキシ基、エトキシ基及びtert-ブトキシ基等のアルコキシ基;フェノキシ基及びp-トリルオキシ基等のアリールオキシ基;メトキシカルボニル基、ブトキシカルボニル基及びフェノキシカルボニル基等のアルコキシカルボニル基;アセトキシ基、プロピオニルオキシ基及びベンゾイルオキシ基等のアシルオキシ基;アセチル基、ベンゾイル基、イソブチリル基、アクリロイル基、メタクリロイル基及びメトキサリル基等のアシル基;メチルスルファニル基及びtert-ブチルスルファニル基等のアルキルスルファニル基;フェニルスルファニル基及びp-トリルスルファニル基等のアリールスルファニル基;アルキル基;シクロアルキル基;アリール基;ヘテロアリール基;水酸基;カルボキシ基;ホルミル基;スルホ基;シアノ基;アルキルアミノカルボニル基;アリールアミノカルボニル基;スルホンアミド基;シリル基;アミノ基;モノアルキルアミノ基;ジアルキルアミノ基;アリールアミノ基;並びにこれらの組み合わせが挙げられる。
本明細書において、「質量%」と「重量%」とは同義であり、「質量部」と「重量部」とは同義である。
〔感活性光線性又は感放射線性樹脂組成物〕
本発明に係る感活性光線性又は感放射線性樹脂組成物(以下、「本発明の組成物」ともいう)は、酸の作用により現像液に対する溶解性が変化する樹脂、活性光線又は放射線の照射により酸を発生する化合物、及び酸拡散制御剤を含む感活性光線性又は感放射線性樹脂組成物であって、上記酸拡散制御剤の分子量が200以上であり、上記酸拡散制御剤が下記一般式(Q-1)又は下記一般式(Q-2)で表される化合物であり、上記酸拡散制御剤のハンセン溶解度パラメーターと上記樹脂のハンセン溶解度パラメーターの差の絶対値が5MPa0.5以下である、感活性光線性又は感放射線性樹脂組成物である。
Figure 0007335963000011
一般式(Q-1)中、
~Rは、それぞれ独立に水素原子又は置換基を表す。R~Rが結合して環構造(但し、芳香環構造を除く)を形成してもよい。
Xqは、-NR-、-S-、又は-O-を表す。Rは水素原子又は1価の有機基を表す。
一般式(Q-2)中、
、Rは、それぞれ独立に置換基を表す。
Xrは、-NRN1-、-S-、又は-O-を表す。RN1は水素原子又は1価の有機基を表す。
pは0~4の整数を示す。また、pが2以上の場合、複数のRが結合して環構造を形成してもよい。
本発明の組成物は、レジスト組成物であることが好ましく、ポジ型のレジスト組成物であっても、ネガ型のレジスト組成物であってもよい。また、アルカリ現像用のレジスト組成物であっても、有機溶剤現像用のレジスト組成物であってもよい。なかでも、ポジ型のレジスト組成物であることが好ましく、アルカリ現像用のレジスト組成物であることが好ましい。
また、本発明の組成物は、化学増幅型のレジスト組成物であることが好ましく、化学増幅型のポジ型レジスト組成物であることがより好ましい。
<酸拡散制御剤>
本発明に用いる酸拡散制御剤は、分子量が200以上であり、上記一般式(Q-1)又は上記一般式(Q-2)で表される化合物であり、酸拡散制御剤のハンセン溶解度パラメーターと後述の酸の作用により現像液に対する溶解性が変化する樹脂のハンセン溶解度パラメーターの差が、5MPa0.5以下である、酸拡散制御剤である。
上述の通り、断面形状のアスペクト比は、パターンの線幅又はパターンのスペース幅とパターンの膜厚の比、即ち、(パターンの膜厚)/(パターンの線幅又はパターンのスペース幅)を表す。
本発明者らは、鋭意検討の結果、酸拡散制御剤として用いる上記一般式(Q-1)又は(Q-2)で表される化合物の分子量を200以上とし、かつ、酸拡散制御剤のハンセン溶解度パラメーターと酸の作用により現像液に対する溶解性が変化する樹脂のハンセン溶解度パラメーターの差の絶対値を5MPa0.5以下とすることにより、厚膜の(例えば、1μm以上の厚さを有する)感活性光線性感放射線性膜から断面形状のアスペクト比が非常に高い(例えば、5以上)パターンを形成する場合においても、断面形状の矩形性に非常に優れたパターンを形成できることを見出した。
このような断面形状の矩形性に非常に優れたパターンを形成できるメカニズムとしては、詳細は明らかになっていないが、本発明者らは以下のように推定している。
先ず、感活性光線性感放射線性膜は、典型的には、基板上に感活性光線性感放射線性組成物を塗布して得られる塗布膜中の溶剤を揮発させることにより、形成されるものであるが、溶剤の揮発過程においては、上記塗布膜の表層から順次溶剤が揮発するものと考えられる。そのため、溶剤の揮発過程の初期から中期にかけては、塗布膜の表層において樹脂の濃度がより高くなっているものと考えられる。
ここで、本発明の組成物においては、酸拡散制御剤のハンセン溶解度パラメーターと酸の作用により現像液に対する溶解性が変化する樹脂のハンセン溶解度パラメーターの差の絶対値が5MPa0.5以下であるため、酸拡散制御剤と樹脂との親和性は大きいものと考えられる。
よって、塗布膜の表層においては、樹脂の濃度のみならず、樹脂との親和性が高い酸拡散制御剤の濃度もより高くなっており、その後、溶剤の揮発過程を終え、感活性光線性感放射線性膜が形成されても、樹脂及び酸拡散制御剤の膜表面側への上記偏在は、ある程度、維持されているものと考えられる。
ところで、アスペクト比が非常に高い(例えば、5以上)パターンを形成しようとする場合、換言すれば、そのパターン形成における露光領域の断面形状のアスペクト比が非常に高い(例えば、5以上)場合、しばしば、感活性光線性感放射線性膜中の、狭く、かつ、深さのある所定領域に対して露光する必要があるが、一般に、光は、膜の深さ方向に進むにつれて減衰する。そのため、膜底部に充分な量の光が到達するような露光量とした場合、かえって、膜の表面側が過露光となる傾向があり、ひいては、膜の表面側において、樹脂と、活性光線又は放射線の照射により酸を発生する化合物(酸発生剤)から発生する酸との反応が進行しすぎる結果、得られるパターンの断面形状における矩形性が損なわれる傾向となる。
このような現象は、特に、感活性光線性感放射線性膜の膜厚が厚膜(例えば、1μm以上)である場合、光が膜の深部により到達しにくいため、より顕著となっているものと考えられる。
しかしながら、本発明によれば、上述したように、感活性光線性感放射線性膜の膜表面側に、酸拡散制御剤がある程度偏在していることにより、厚膜の感活性光線性感放射線性膜から断面形状のアスペクト比が非常に高いパターンを形成する際に、上述のように、膜の表面側が過露光となったとしても、酸発生剤から発生した過剰の酸は、上記酸拡散制御剤に捕捉される傾向となるため、断面形状の矩形性に非常に優れたパターンを形成できたものと考えられる。
なお、後述するように、露光前に、残存する溶剤を揮発させる等の目的で、感活性光線性感放射線性膜を加熱する場合があり、特に、感活性光線性感放射線性膜の膜厚が厚膜である場合、残存溶剤の量がより多い傾向にあるため、例えば、より高温(例えば、150℃程度)による加熱処理を行うことが好ましい場合がある。ここで、酸拡散制御剤として分子量が200未満の化合物を使用した場合は、このような加熱処理により、酸拡散制御剤が膜表面側に移動しやすくなり過ぎることにより、膜の表面において、酸発生剤から発生した過剰の酸を捕捉する以上の過剰の酸拡散制御剤が偏在する結果、樹脂と酸との反応が所望に行われず、かえって、形成されるパターンの断面形状における矩形性が損なわれる傾向となる。
また、酸拡散制御剤のハンセン溶解度パラメーターと酸の作用により現像液に対する溶解性が変化する樹脂のハンセン溶解度パラメーターの差の絶対値を5MPa0.5超過とした場合は、酸拡散制御剤と樹脂との親和性が低く、塗布膜における溶剤の揮発過程を経ても、本発明のような酸拡散制御剤の膜表面側への偏在は起こりにくい。その結果、上述のような、膜の表面側における過露光に伴って酸発生剤から発生した過剰の酸は、未露光部においても、樹脂と反応しやすくなることから、形成されるパターンの断面形状における矩形性が損なわれる傾向となる。
(分子量)
本発明に用いる酸拡散制御剤の分子量は200以上である。酸拡散制御剤の分子量は、好ましくは250以上であり、更に好ましくは300以上である。
酸拡散制御剤の分子量が200未満の場合、パターンの断面形状における矩形性を担保することができない。
酸拡散制御剤の分子量の上限値は特に限定されないが、通常、1000以下であり、600以下が好ましい。
(一般式(Q-1)又は一般式(Q-2)で表される化合物)
本発明における酸拡散制御剤は、下記一般式(Q-1)又は下記一般式(Q-2)で表される化合物である。
Figure 0007335963000012
一般式(Q-1)中、
~Rは、それぞれ独立に水素原子又は置換基を表す。
Xqは、-NR-、-S-、又は-O-を表す。Rは水素原子又は1価の有機基を表す。
一般式(Q-2)中、
、Rは、それぞれ独立に置換基を表す。
Xrは、-NRN1-、-S-、又は-O-を表す。RN1は水素原子又は1価の有機基を表す。
pは0~4の整数を示す。また、pが2以上の場合、複数のRが結合して環構造を形成してもよい。
一般式(Q-1)中、R~Rは、それぞれ独立に水素原子又は置換基を表す。
~Rが置換基を表す場合の置換基中の総炭素数は、特に限定されないが、それぞれ、1~30であることが好ましく、3~25であることがより好ましく、5~20であることが更に好ましい。
置換基としては特に限定されないが、1価の有機基又はニトロ基であることが好ましい。1価の有機基としては、特に限定されないが、例えば、アルキル基(直鎖状でも分岐鎖状でもよく、炭素数1~20であることが好ましく、炭素数3~15であることがより好ましい)、アルコキシ基(直鎖状でも分岐鎖状でもよく、炭素数1~20であることが好ましく、炭素数3~15であることがより好ましく、炭素数5~10であることが更に好ましい)、アルキルカルボニル基(直鎖状でも分岐鎖状でもよく、炭素数2~20であることが好ましく、炭素数4~15であることがより好ましく、炭素数6~10であることが更に好ましい)、アルキルカルボニルオキシ基(直鎖状でも分岐鎖状でもよく、炭素数2~20であることが好ましく、炭素数4~15であることがより好ましく、炭素数6~10であることが更に好ましい)、アルキルカルボニルアミノ基(直鎖状でも分岐鎖状でもよく、炭素数2~20であることが好ましく、炭素数4~15であることがより好ましく、炭素数6~12であることが更に好ましい)、アルキルオキシカルボニル基(直鎖状でも分岐鎖状でもよく、炭素数2~20であることが好ましく、炭素数4~15であることがより好ましく、炭素数6~10であることが更に好ましい)、アルキルスルホニル基(直鎖状でも分岐鎖状でもよく、炭素数1~20であることが好ましく、炭素数1~10であることがより好ましい)、アリール基(炭素数6~20であることが好ましく、炭素数6~15であることがより好ましく、炭素数6~10であることが更に好ましい)、アリールオキシ基(炭素数6~20であることが好ましく、炭素数6~15であることがより好ましく、炭素数6~10であることが更に好ましい)、アリールカルボニル基(炭素数7~20であることが好ましく、炭素数7~15であることがより好ましく、炭素数7~10であることが更に好ましい)、アリールカルボニルオキシ基(炭素数7~20であることが好ましく、炭素数7~15であることがより好ましく、炭素数7~10であることが更に好ましい)、アリールオキシカルボニル基(炭素数7~20であることが好ましく、炭素数7~15であることがより好ましく、炭素数7~10であることが更に好ましい)、ヘテロアリール基(炭素数1~8であることが好ましく、1~6であることがより好ましい。具体例としては、チアゾリル基、イソチアゾリル基、オキサゾリル基、イソオキサゾリル基、ピロリル基、イミダゾリル基等が挙げられる)、シクロアルキル基(炭素数3~20であることが好ましく、炭素数4~15であることがより好ましく、炭素数5~10であることが更に好ましい)、シクロアルキルオキシ基(炭素数3~20であることが好ましく、炭素数4~15であることがより好ましく、炭素数5~10であることが更に好ましい)、シクロアルキルカルボニル基(炭素数4~20であることが好ましく、炭素数5~15であることがより好ましく、炭素数6~10であることが更に好ましい)、シクロアルキルオキシカルボニル基(炭素数4~20であることが好ましく、炭素数5~15であることがより好ましく、炭素数6~10であることが更に好ましい)、又はこれらを組み合わせてなる基等が挙げられる。
これらの1価の有機基は置換基を有していてもよく、上記置換基としては、上記置換基Tが挙げられ、好ましくは、水酸基、アルキル基、アルコキシ基、アルコキシカルボニル基、ハロゲン原子又はこれらを組み合わせてなる基が挙げられる。
~Rが結合して環構造(但し、芳香環構造を除く)を形成してもよい。
一般式(Q-1)中、Xqは、-NR-、-S-、又は-O-を表す。Rは水素原子又は1価の有機基を表す。
が1価の有機基を表す場合の1価の有機基としては、アルキル基(好ましくは炭素数1~10のアルキル基)、シクロアルキル基(好ましくは炭素数3~20のシクロアルキル基)、アリール基(好ましくは炭素数6~20のアリール基)等が挙げられる。これらの1価の有機基は置換基を有していてもよく、上記置換基としては、上記置換基Tが挙げられ、好ましくは、水酸基、アルキル基、アルコキシ基、アルコキシカルボニル基、ハロゲン原子又はこれらを組み合わせてなる基が挙げられる。
は、水素原子であることが好ましい。
Xqは、-NR-であることが好ましく、-NH-であることがより好ましい。
一般式(Q-2)中、
、Rは、それぞれ独立に置換基を表す。
Xrは、-NRN1-、-S-、又は-O-を表す。RN1は水素原子又は1価の有機基を表す。
pは0~4の整数を示す。また、pが2以上の場合、複数のRが結合して環構造を形成してもよい。
、Rの置換基としては、一般式(Q-1)のR~Rの置換基と同様のものを挙げることができる。
N1が1価の有機基を表す場合の1価の有機基としては、一般式(Q-1)のRの1価の有機基と同様のものを挙げることができる。
pは、0~3であることが好ましく、0~2であることがより好ましい。
は、好ましくはアリール基を表す。アリール基は置換基を有していてもよい。
pが2以上の場合、複数のRが結合して環構造を形成してもよい。複数のRが結合して形成される環構造は、環員として酸素原子を有していてもよい。
~R、及びRの少なくとも一つが、下記一般式(Q-3)で表される基であることが好ましい。
Figure 0007335963000013
一般式(Q-3)中、Rは、水素原子又は置換基を表す。
mは、1以上の整数を表す。
pは、1以上の整数を表す。ただし、mとpは異なる整数を表す。
m1は、1以上の整数を表す。
p1は、0以上の整数を表す。
*は、結合手を表す。
が置換基を表す場合の置換基としては、特に限定されないが、1価の有機基があげられ、具体的には、アルキル基(好ましくは炭素数1~10のアルキル基)、シクロアルキル基(好ましくは炭素数3~20のシクロアルキル基)、アリール基(好ましくは炭素数6~20のアリール基)等が挙げられる。
mは、1以上の整数を表す。mの上限値は特に限定されないが、10以下が好ましい。
pは、1以上の整数を表す。pの上限値は特に限定されないが、10以下が好ましい。
m1は、1以上の整数を表す。m1の上限値は特に限定されないが、15以下が好ましい。
p1は、1以上の整数を表す。p1の上限値は特に限定されないが、15以下が好ましい。
~R、RN1の少なくとも一つが、上記一般式(Q-3)で表される基であることが好ましい。
~R、及びRの少なくとも一つが、下記一般式(Q-4)又は下記一般式(Q-5)で表される基であることが好ましい。
Figure 0007335963000014
一般式(Q-4)中、
は、水素原子又は置換基を表す。
nは、1以上の整数を表す。
*は、結合手を表す。
一般式(Q-5)中、
は、水素原子又は置換基を表す。
n1は、0以上の整数を表す。
n2は、1以上の整数を表す。
*は、結合手を表す。
が置換基を表す場合の置換基としては、特に限定されないが、1価の有機基があげられ、具体的には、アルキル基(好ましくは炭素数1~10のアルキル基)、シクロアルキル基(好ましくは炭素数3~20のシクロアルキル基)、アリール基(好ましくは炭素数6~20のアリール基)等が挙げられる。
nは、1以上の整数を表す。nの上限値は特に限定されないが、10以下が好ましい。
nは、更に好ましくは1~5の整数である。
が置換基を表す場合の置換基としては、特に限定されないが、1価の有機基があげられ、具体的には、アルキル基(好ましくは炭素数1~10のアルキル基)、シクロアルキル基(好ましくは炭素数3~20のシクロアルキル基)、アリール基(好ましくは炭素数6~20のアリール基)等が挙げられる。
n1は、0以上の整数を表す。nの上限値は特に限定されないが、8以下が好ましい。
n1は、更に好ましくは0~2の整数である。
n2は、1以上の整数を表す。n2の上限値は特に限定されないが、8以下が好ましい。
n2は、更に好ましくは1~5の整数である。
~R、RN1の少なくとも一つが、上記一般式(Q-4)又は上記一般式(Q-5)で表される基であることが好ましい。
以下に本発明の酸拡散制御剤の具体例を示すが、これらに限定されるものではない。
Figure 0007335963000015
Figure 0007335963000016
Figure 0007335963000017
Figure 0007335963000018
(ハンセン溶解度パラメーター)
酸拡散制御剤のハンセン溶解度パラメーター(HSP)は、ハンセン溶解度パラメーター計算ソフト;HSPiP バージョン4.1.07(Hansen-Solubility.com)を用いて算出した。
酸拡散制御剤を2種以上有する場合、各酸拡散制御剤のHSPを混合比(質量比)に基づいて加重平均することによって、酸拡散制御剤のHSPを求める。
酸の作用により現像液に対する溶解性が変化する樹脂のハンセン溶解度パラメーターは、下記の方法で算出する。
(酸の作用により現像液に対する溶解性が変化する樹脂のハンセン溶解度パラメーターの算出方法)
酸の作用により現像液に対する溶解性が変化する樹脂のハンセン溶解度パラメーター(HSP(A))は、以下のようにして算出した。
酸の作用により現像液に対する溶解性が変化する樹脂を構成する各繰り返し単位のハンセン溶解度パラメーターをハンセン溶解度パラメーター計算ソフト;HSPiP バージョン4.1.07(Hansen-Solubility.com)を用いて算出し、各繰り返し単位のハンセン溶解度パラメーターを二乗した値に各繰り返し単位の重量比を掛け合わせたものの、平方根をとることで算出した。なお、各繰り返し単位のハンセン溶解度パラメーターは各繰り返し単位に対応するモノマーのハンセン溶解度パラメーターであり、上記計算ソフトで求める。
より具体的には、酸の作用により現像液に対する溶解性が変化する樹脂を構成する繰り返し単位を、(a)、(b)、(c)、・・・とした時、それぞれの繰り返し単位のハンセン溶解度パラメーター(HSP(a)、HSP(b)、HSP(c)、・・・)を上記計算ソフトを用いて算出する。酸の作用により現像液に対する溶解性が変化する樹脂を構成する繰り返し単位(a)、(b)、(c)、・・・の質量百分率を、mass%(a)、mass%(b)、mass%(c)、・・・とした時、酸の作用により現像液に対する溶解性が変化する樹脂のハンセン溶解度パラメーター(HSP(A))は以下の式(A)で算出した。
式(A)
HSP(A)=[{HSP(a)}×mass%(a)+{HSP(b)}×mass%(b)+{HSP(c)}×mass%(c)+・・・]0.5/100
本発明の組成物が2種類以上の酸の作用により現像液に対する溶解性が変化する樹脂を含有する場合、各酸の作用により現像液に対する溶解性が変化する樹脂のHSP(A)を混合比(質量比)に基づいて加重平均することによって、酸の作用により現像液に対する溶解性が変化する樹脂のHSP(A)を求める。
酸拡散制御剤のハンセン溶解度パラメーターと酸の作用により現像液に対する溶解性が変化する樹脂のハンセン溶解度パラメーターの差の絶対値が、5MPa0.5以下であり、好ましくは4MPa0.5以下であり、更に好ましくは、3MPa0.5以下である。
酸拡散制御剤のハンセン溶解度パラメーターと酸の作用により現像液に対する溶解性が変化する樹脂のハンセン溶解度パラメーターの差の絶対値の下限は特に限定されないが、0MPa0.5以上が好ましい。
酸拡散制御剤のハンセン溶解度パラメーターが酸の作用により現像液に対する溶解性が変化する樹脂のハンセン溶解度パラメーターより大きくてもよく、酸拡散制御剤のハンセン溶解度パラメーターが酸の作用により現像液に対する溶解性が変化する樹脂のハンセン溶解度パラメーターより小さくでもよい。
上記酸拡散制御剤のハンセン溶解度パラメーターは、上記酸拡散制御剤のハンセン溶解度パラメーターと上記酸の作用により現像液に対する溶解性が変化する樹脂のハンセン溶解度パラメーターの差の絶対値が、5MPa0.5以下となるものであれば、特に限定されないが、好ましくは、15~30MPa0.5であり、更に好ましくは、18MPa0.5以上22MPa0.5以下である。
また、以下の式で表される、上記酸の作用により現像液に対する溶解性が変化する樹脂(以下の式では、樹脂という)に対する上記酸拡散制御剤の質量比率が、0.1以下であることが好ましい。
質量比率=(酸拡散制御剤の含有量)/(樹脂の含有量)
上記式で表される質量比率は、0.05以下が更に好ましく、0.01以下が更に好ましい。
また、上記式で表される質量比率の下限値は、特に限定されないが、好ましくは0.0001以上である。
本発明の組成物において、酸拡散制御剤は1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
酸拡散制御剤の本発明の組成物中の含有量(複数種存在する場合はその合計)は、本発明の組成物の全固形分に対して、0.001~20質量%が好ましく、0.01~10質量%がより好ましい。
なお、本発明の組成物の全固形分とは、溶剤を除く他の成分(感活性光線性又は感放射線性膜を構成し得る成分)を意図する。
<酸の作用により現像液に対する溶解性が変化する樹脂>
本発明の感活性光線性又は感放射線性樹脂組成物は、酸の作用により現像液に対する溶解性が変化する樹脂を含有する。
酸の作用により現像液に対する溶解性が変化する樹脂は、酸の作用により現像液に対する溶解性が増大する樹脂する樹脂でも良いし、酸の作用により現像液に対する溶解性が減少する樹脂でも良い。
酸の作用により現像液に対する溶解性が変化する樹脂としては、酸の作用により分解し極性が増大する基(以下、「酸分解性基」とも言う)を有する樹脂(以下、「酸分解性樹脂」又は「樹脂(A)」ともいう)又は、酸の作用により構造が変化して、現像液に対する溶解性が減少する樹脂(例えば、酸の作用により架橋剤との架橋反応により構造が変化する樹脂、架橋性基を有する樹脂同士が架橋反応により構造が変化する樹脂等)が挙げられる。
酸の作用により現像液に対する溶解性が変化する樹脂が樹脂(A)である場合、本発明のパターン形成方法において、典型的には、現像液としてアルカリ現像液を採用した場合には、ポジ型パターンが好適に形成され、現像液として有機系現像液を採用した場合には、ネガ型パターンが好適に形成される。
酸の作用により現像液に対する溶解性が変化する樹脂が酸の作用により構造が変化して、現像液に対する溶解性が減少する樹脂である場合、本発明のパターン形成方法において、典型的には、現像液としてアルカリ現像液を採用した場合には、ネガ型パターンが好適に形成され、現像液として有機系現像液を採用した場合でも、ネガ型パターンが好適に形成される。
以下に好ましい実施態様である樹脂(A)について記載する。
樹脂(A)は、酸分解性基を有する繰り返し単位を有することが好ましい。
樹脂(A)としては、公知の樹脂を適宜使用することができる。例えば、米国特許出願公開2016/0274458A1号明細書の段落[0055]~[0191]、米国特許出願公開2015/0004544A1号明細書の段落[0035]~[0085]、米国特許出願公開2016/0147150A1号明細書の段落[0045]~[0090]に開示された公知の樹脂を樹脂(A)として好適に使用できる。
酸分解性基は、極性基が酸の作用により分解し脱離する基(脱離基)で保護された構造を有することが好ましい。
極性基としては、例えば、カルボキシル基、フェノール性水酸基、フッ素化アルコール基、スルホン酸基、スルホンアミド基、スルホニルイミド基、(アルキルスルホニル)(アルキルカルボニル)メチレン基、(アルキルスルホニル)(アルキルカルボニル)イミド基、ビス(アルキルカルボニル)メチレン基、ビス(アルキルカルボニル)イミド基、ビス(アルキルスルホニル)メチレン基、ビス(アルキルスルホニル)イミド基、トリス(アルキルカルボニル)メチレン基、及び、トリス(アルキルスルホニル)メチレン基等の酸性基(典型的には、2.38質量%テトラメチルアンモニウムヒドロキシド水溶液中で解離する基)、並びに、アルコール性水酸基等が挙げられる。
なお、アルコール性水酸基とは、炭化水素基に結合した水酸基であって、芳香環上に直接結合した水酸基(フェノール性水酸基)以外の水酸基をいい、水酸基としてα位がフッ素原子などの電子求引性基で置換された脂肪族アルコール(例えば、ヘキサフルオロイソプロパノール基など)は除く。アルコール性水酸基としては、pKa(酸解離定数)が12以上20以下の水酸基であることが好ましい。
中でも、極性基としては、カルボキシル基、フェノール性水酸基、フッ素化アルコール基(好ましくはヘキサフルオロイソプロパノール基)、又は、スルホン酸基が好ましい。
酸の作用により分解し脱離する基(脱離基)としては、例えば、式(Y1)~(Y4)で表される基が挙げられる。
式(Y1):-C(Rx)(Rx)(Rx
式(Y2):-C(=O)OC(Rx)(Rx)(Rx
式(Y3):-C(R36)(R37)(OR38
式(Y4):-C(Rn)(H)(Ar)
式(Y1)及び式(Y2)中、Rx~Rxは、各々独立に、アルキル基(直鎖状若しくは分岐鎖状)又はシクロアルキル基(単環若しくは多環)を表す。なお、Rx~Rxの全てがアルキル基(直鎖若しくは分岐)である場合、Rx~Rxのうち少なくとも2つはメチル基であることが好ましい。
なかでも、Rx~Rxは、各々独立に、直鎖状又は分岐鎖状のアルキル基を表すことが好ましく、Rx~Rxは、各々独立に、直鎖状のアルキル基を表すことがより好ましい。
Rx~Rxの2つが結合して、単環又は多環を形成してもよい。
Rx~Rxのアルキル基としては、メチル基、エチル基、n-プロピル基、イソプロピル基、n-ブチル基、イソブチル基、及び、t-ブチル基等の炭素数1~4のアルキル基が好ましい。
Rx~Rxのシクロアルキル基としては、シクロペンチル基、及び、シクロヘキシル基等の単環のシクロアルキル基、並びに、ノルボルニル基、テトラシクロデカニル基、テトラシクロドデカニル基、及び、アダマンチル基等の多環のシクロアルキル基が好ましい。
Rx~Rxの2つが結合して形成されるシクロアルキル基としては、シクロペンチル基、及び、シクロヘキシル基等の単環のシクロアルキル基、並びに、ノルボルニル基、テトラシクロデカニル基、テトラシクロドデカニル基、及び、アダマンチル基等の多環のシクロアルキル基が好ましく、炭素数5~6の単環のシクロアルキル基がより好ましい。
Rx~Rxの2つが結合して形成されるシクロアルキル基は、例えば、環を構成するメチレン基の1つが、酸素原子等のヘテロ原子、又は、カルボニル基等のヘテロ原子を有する基で置き換わっていてもよい。
式(Y1)又は式(Y2)で表される基は、例えば、Rxがメチル基又はエチル基であり、RxとRxとが結合して上述のシクロアルキル基を形成している態様が好ましい。
式(Y3)中、R36~R38は、各々独立に、水素原子又は1価の有機基を表す。R37とR38とは、互いに結合して環を形成してもよい。1価の有機基としては、アルキル基、シクロアルキル基、アリール基、アラルキル基、及び、アルケニル基等が挙げられる。R36は水素原子であることも好ましい。
式(Y3)としては、下記式(Y3-1)で表される基が好ましい。
Figure 0007335963000019
ここで、L及びLは、各々独立に、水素原子、アルキル基、シクロアルキル基、アリール基、又は、これらを組み合わせた基(例えば、アルキル基とアリール基とを組み合わせた基)を表す。
Mは、単結合又は2価の連結基を表す。
Qは、ヘテロ原子を含んでいてもよいアルキル基、ヘテロ原子を含んでいてもよいシクロアルキル基、ヘテロ原子を含んでいてもよいアリール基、アミノ基、アンモニウム基、メルカプト基、シアノ基、アルデヒド基、又は、これらを組み合わせた基(例えば、アルキル基とシクロアルキル基とを組み合わせた基)を表す。
アルキル基及びシクロアルキル基は、例えば、メチレン基の1つが、酸素原子等のヘテロ原子、又は、カルボニル基等のヘテロ原子を有する基で置き換わっていてもよい。
なお、L及びLのうち一方は水素原子であり、他方はアルキル基、シクロアルキル基、アリール基、又は、アルキレン基とアリール基とを組み合わせた基であることが好ましい。
Q、M、及び、Lの少なくとも2つが結合して環(好ましくは、5員若しくは6員環)を形成してもよい。
パターンの微細化の点では、Lが2級又は3級アルキル基であることが好ましく、3級アルキル基であることがより好ましい。2級アルキル基としては、イソプロピル基、シクロヘキシル基又はノルボルニル基が挙げられ、3級アルキル基としては、tert-ブチル基又はアダマンタン基を挙げることができる。これらの態様では、Tg(ガラス転移温度)や活性化エネルギーが高くなるため、膜強度の担保に加え、かぶりの抑制ができる。
式(Y4)中、Arは、芳香環基を表す。Rnは、アルキル基、シクロアルキル基又はアリール基を表す。RnとArとは互いに結合して非芳香族環を形成してもよい。Arはより好ましくはアリール基である。
樹脂(A)は、アセタール構造を有してもよく、有さなくてもよいが、アセタール構造を有さないことが好ましい。
アセタール構造は、例えば、カルボキシル基、フェノール性水酸基、フッ素化アルコール基などの極性基が、上記式(Y3)で表される基で保護された構造である。
酸分解性基を有する繰り返し単位としては、下記一般式(AP)で表される繰り返し単位が好ましい。
Figure 0007335963000020
1Aは、2価の連結基を表し、R~Rは、各々独立に、水素原子、又は1価の置換基を表し、Rは酸の作用によって分解し脱離する基を表す。
1Aは、2価の連結基を表す。2価の連結基としては、-CO-、-O-、-S―、-SO-、―SO-、炭化水素基(例えば、アルキレン基、シクロアルキレン基、アルケニレン基、アリーレン基等)、及び、これらの複数が連結した連結基等が挙げられる。中でも、L1Aとしては、-CO-、アリーレン基が好ましい。
アリーレン基としては、フェニレン基が好ましい。
アルキレン基は、直鎖状であっても、分岐鎖状であってもよい。アルキレン基の炭素数は特に制限されないが、1~10が好ましく、1~3がより好ましい。
~Rは、各々独立に、水素原子又は1価の置換基を表す。1価の置換基としては、例えば、アルキル基、シクロアルキル基、又はハロゲン原子が挙げられる。
アルキル基は、直鎖状であっても、分岐鎖状であってもよい。アルキル基の炭素数は特に制限されないが、1~10が好ましく、1~3がより好ましい。
シクロアルキル基は、単環型であってもよく、多環型であってもよい。このシクロアルキル基の炭素数は、好ましくは3~8とする。
ハロゲン原子としては、例えば、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、及びヨウ素原子が挙げられる。
は、酸の作用によって分解し脱離する基(脱離基)を表す。
中でも、脱離基としては、上記式(Y1)~(Y4)で表される基が挙げられ、上記式(Y3)で表される基が好ましい。
上記各基が置換基を有する場合、置換基としては、例えば、アルキル基(炭素数1~4)、ハロゲン原子、水酸基、アルコキシ基(炭素数1~4)、カルボキシル基、及び、アルコキシカルボニル基(炭素数2~6)等が挙げられる。置換基中の炭素数は、8以下が好ましい。
酸分解性基を有する繰り返し単位としては、一般式(AI)で表される繰り返し単位も好ましい。
Figure 0007335963000021
一般式(AI)において、
Xaは、水素原子、又は、アルキル基を表す。
Tは、単結合、又は、2価の連結基を表す。
Rx~Rxは、それぞれ独立に、アルキル基(直鎖状、又は、分岐鎖状)、又は、シクロアルキル基(単環、又は、多環)を表す。ただし、Rx~Rxの全てがアルキル基(直鎖状、又は、分岐鎖状)である場合、Rx~Rxのうち少なくとも2つはメチル基であることが好ましい。
Rx~Rxの2つが結合して、シクロアルキル基(単環若しくは多環)を形成してもよい。
Xaにより表される、アルキル基としては、例えば、メチル基又は-CH-R11で表される基が挙げられる。R11は、ハロゲン原子(フッ素原子等)、水酸基又は1価の有機基を表し、例えば、炭素数5以下のアルキル基、及び、炭素数5以下のアシル基が挙げられ、炭素数3以下のアルキル基が好ましく、メチル基がより好ましい。Xaとしては、水素原子、メチル基、トリフルオロメチル基、又は、ヒドロキシメチル基が好ましい。
Tの2価の連結基としては、アルキレン基、芳香環基、-COO-Rt-基、及び、-O-Rt-基等が挙げられる。式中、Rtは、アルキレン基、又は、シクロアルキレン基を表す。
Tは、単結合又は-COO-Rt-基が好ましい。Tが-COO-Rt-基を表す場合、Rtは、炭素数1~5のアルキレン基が好ましく、-CH-基、-(CH-基、又は、-(CH-基がより好ましい。
Rx~Rxのアルキル基としては、メチル基、エチル基、n-プロピル基、イソプロピル基、n-ブチル基、イソブチル基、及び、t-ブチル基等の炭素数1~4のアルキル基が好ましい。
Rx~Rxのシクロアルキル基としては、シクロペンチル基、及び、シクロヘキシル基等の単環のシクロアルキル基、又は、ノルボルニル基、テトラシクロデカニル基、テトラシクロドデカニル基、及び、アダマンチル基等の多環のシクロアルキル基が好ましい。
Rx~Rxの2つが結合して形成されるシクロアルキル基としては、シクロペンチル基、及び、シクロヘキシル基等の単環のシクロアルキル基が好ましく、その他にも、ノルボルニル基、テトラシクロデカニル基、テトラシクロドデカニル基、及び、アダマンチル基等の多環のシクロアルキル基が好ましい。中でも、炭素数5~6の単環のシクロアルキル基が好ましい。
Rx~Rxの2つが結合して形成されるシクロアルキル基は、例えば、環を構成するメチレン基の1つが、酸素原子等のヘテロ原子、又は、カルボニル基等のヘテロ原子を有する基で置き換わっていてもよい。
一般式(AI)で表される繰り返し単位は、例えば、Rxがメチル基又はエチル基であり、RxとRxとが結合して上述のシクロアルキル基を形成している態様が好ましい。
上記各基が置換基を有する場合、置換基としては、例えば、アルキル基(炭素数1~4)、ハロゲン原子、水酸基、アルコキシ基(炭素数1~4)、カルボキシル基、及び、アルコキシカルボニル基(炭素数2~6)等が挙げられる。置換基中の炭素数は、8以下が好ましい。
一般式(AI)で表される繰り返し単位としては、好ましくは、酸分解性(メタ)アクリル酸3級アルキルエステル系繰り返し単位(Xaが水素原子又はメチル基を表し、かつ、Tが単結合を表す繰り返し単位)である。
樹脂(A)は、酸分解性基を有する繰り返し単位を、1種単独で含んでもよく、2種以上を併用して含んでもよい。
樹脂(A)に含まれる酸分解性基を有する繰り返し単位の含有量(酸分解性基を有する繰り返し単位が複数存在する場合はその合計)は、樹脂(A)の全繰り返し単位に対して、10~90モル%が好ましく、20~80モル%がより好ましく、30~70モル%が更に好ましい。
(ラクトン基又はスルトン基を有する繰り返し単位)
樹脂(A)は、更にラクトン基又はスルトン基を有する繰り返し単位を有していてもよい。
ラクトン基又はスルトン基としては、ラクトン構造又はスルトン構造を有していればいずれの基でも用いることができるが、好ましくは5~7員環ラクトン構造又は5~7員環スルトン構造を有する基であり、5~7員環ラクトン構造にビシクロ構造、又は、スピロ構造を形成する形で他の環構造が縮環しているもの、又は5~7員環スルトン構造にビシクロ構造、又は、スピロ構造を形成する形で他の環構造が縮環しているもの、がより好ましい。下記一般式(LC1-1)~(LC1-21)のいずれかで表されるラクトン構造を有する基、又は下記一般式(SL1-1)~(SL1-3)のいずれかで表されるスルトン構造を有する基を有する繰り返し単位を有することがより好ましい。また、ラクトン構造又はスルトン構造を有する基が主鎖に直接結合していてもよい。好ましい構造としては、一般式(LC1-1)、一般式(LC1-4)、一般式(LC1-5)、一般式(LC1-6)、一般式(LC1-13)、及び、一般式(LC1-14)で表される基が好ましい。
Figure 0007335963000022
ラクトン構造部分又はスルトン構造部分は、置換基(Rb)を有していてもよい。好ましい置換基(Rb)としては、炭素数1~8のアルキル基、炭素数4~7のシクロアルキル基、炭素数1~8のアルコキシ基、炭素数1~8のアルコキシカルボニル基、カルボキシル基、ハロゲン原子、水酸基、シアノ基、及び、酸分解性基等が挙げられる。n2は、0~4の整数を表す。n2が2以上の時、複数存在するRbは、異なっていてもよく、また、複数存在するRb同士が結合して環を形成してもよい。
ラクトン構造又はスルトン構造を有する基を有する繰り返し単位としては、例えば、下記一般式(AQ)で表される繰り返し単位等が挙げられる。
Figure 0007335963000023
一般式(AQ)中、Rbは、水素原子、ハロゲン原子、又は、炭素数1~4のアルキル基を表す。
Rbのアルキル基が有していてもよい好ましい置換基としては、水酸基、及び、ハロゲン原子が挙げられる。
Rbのハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、及び、ヨウ素原子が挙げられる。Rbは、水素原子又はメチル基が好ましい。
Abは、単結合、アルキレン基、単環又は多環の脂環炭化水素構造を有する2価の連結基、エーテル基、エステル基、カルボニル基、カルボキシル基、又は、これらを組み合わせた2価の基を表す。なかでも、単結合、又は、-Ab-CO-で表される連結基が好ましい。Abは、直鎖状若しくは分岐鎖状のアルキレン基、又は、単環若しくは多環のシクロアルキレン基であり、メチレン基、エチレン基、シクロヘキシレン基、アダマンチレン基、又は、ノルボルニレン基が好ましい。
は、ラクトン構造又はスルトン構造を有する基を表す。
のラクトン構造又はスルトン構造を有する基としては、一般式(LC1-1)~(LC1-21)、一般式(SL1-1)~(SL1―3)のうちのいずれかで示される基が好ましい。
ラクトン構造又はスルトン構造を有する基を有する繰り返し単位は、通常、光学異性体が存在するが、いずれの光学異性体を用いてもよい。また、1種の光学異性体を単独で用いても、複数の光学異性体を混合して用いてもよい。1種の光学異性体を主に用いる場合、その光学純度(ee)は90以上が好ましく、95以上がより好ましい。
ラクトン構造又はスルトン構造を有する基を有する繰り返し単位の具体例を以下に挙げるが、本発明はこれらに限定されない。なお、式中RxはH、CH、CHOH、またはCFを表す。
Figure 0007335963000024
Figure 0007335963000025
ラクトン基又はスルトン基を有する繰り返し単位の含有量は、樹脂(A)中の全繰り返し単位に対し、1~60モル%が好ましく、5~50モル%がより好ましく、10~40モル%が更に好ましい。
(酸基を有する繰り返し単位)
樹脂(A)は、酸基を有する繰り返し単位を有していてもよい。
酸基としては、酸解離定数(pKa)が13以下の酸基が好ましい。
pKaは、後述の光酸発生剤から生成される酸のpKaにおけるpKaと同様である。
酸基を有する繰り返し単位としては、下記一般式(AB)で表される繰り返し単位が好ましい。
Figure 0007335963000026
31は、水素原子、又は、1価の有機基を表す。
1価の有機基としては、-L4A-R81で表される基が好ましい。L4Aは、単結合、又は、エステル基を表す。R81は、アルキル基、シクロアルキル基、アリール基、又は、これらを組み合わせた基が挙げられる。
41及びR51は、各々独立に、水素原子、ハロゲン原子、又は、アルキル基を表す。
ハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、又は、ヨウ素原子が挙げられる。
2Aは、単結合、又は、エステル基を表す。
3Aは、(n+m+1)価の芳香族炭化水素環基、又は、(n+m+1)価の脂環式炭化水素環基を表す。芳香族炭化水素環基としては、ベンゼン環基、及び、ナフタレン環基が挙げられる。脂環式炭化水素環基としては、単環であっても、多環であってもよく、例えば、シクロアルキル環基が挙げられる。
61は、水酸基、又は、フッ素化アルコール基(好ましくは、ヘキサフルオロイソプロパノール基)を表す。なお、R61が水酸基の場合、L3Aは(n+m+1)価の芳香族炭化水素環基であることが好ましい。
71は、ハロゲン原子を表す。ハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、又は、ヨウ素原子が挙げられる。
mは、1以上の整数を表す。mは、1~3の整数が好ましく、1~2の整数が好ましい。
nは、0又は1以上の整数を表す。nは、1~4の整数が好ましい。
なお、(n+m+1)は、1~5の整数が好ましい。
酸基を有する繰り返し単位としては、下記一般式(I)で表される繰り返し単位も好ましい。
Figure 0007335963000027
一般式(I)中、
41、R42及びR43は、それぞれ独立に、水素原子、アルキル基、シクロアルキル基、ハロゲン原子、シアノ基又はアルコキシカルボニル基を表す。但し、R42はArと結合して環を形成していてもよく、その場合のR42は単結合又はアルキレン基を表す。
は、単結合、-COO-、又は-CONR64-を表し、R64は、水素原子又はアルキル基を表す。
は、単結合又はアルキレン基を表す。
Arは、(n+1)価の芳香環基を表し、R42と結合して環を形成する場合には(n+2)価の芳香環基を表す。
nは、1~5の整数を表す。
一般式(I)におけるR41、R42、及び、R43のアルキル基としては、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、n-ブチル基、sec-ブチル基、ヘキシル基、2-エチルヘキシル基、オクチル基、及び、ドデシル基等の炭素数20以下のアルキル基が好ましく、炭素数8以下のアルキル基がより好ましく、炭素数3以下のアルキル基が更に好ましい。
一般式(I)におけるR41、R42、及び、R43のシクロアルキル基としては、単環型でも、多環型でもよい。なかでも、シクロプロピル基、シクロペンチル基、及び、シクロヘキシル基等の炭素数3~8個で単環型のシクロアルキル基が好ましい。
一般式(I)におけるR41、R42、及び、R43のハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、及び、ヨウ素原子が挙げられ、フッ素原子が好ましい。
一般式(I)におけるR41、R42、及び、R43のアルコキシカルボニル基に含まれるアルキル基としては、上記R41、R42、R43におけるアルキル基と同様のものが好ましい。
上記各基における好ましい置換基としては、例えば、アルキル基、シクロアルキル基、アリール基、アミノ基、アミド基、ウレイド基、ウレタン基、水酸基、カルボキシル基、ハロゲン原子、アルコキシ基、チオエーテル基、アシル基、アシロキシ基、アルコキシカルボニル基、シアノ基、及び、ニトロ基が挙げられる。置換基の炭素数は8以下が好ましい。
Arは、(n+1)価の芳香環基を表す。nが1である場合における2価の芳香環基は、置換基を有していてもよく、例えば、フェニレン基、トリレン基、ナフチレン基、及び、アントラセニレン基等の炭素数6~18のアリーレン基、又は、チオフェン環、フラン環、ピロール環、ベンゾチオフェン環、ベンゾフラン環、ベンゾピロール環、トリアジン環、イミダゾール環、ベンゾイミダゾール環、トリアゾール環、チアジアゾール環、及び、チアゾール環等のヘテロ環を含む芳香環基が好ましい。
nが2以上の整数である場合における(n+1)価の芳香環基の具体例としては、2価の芳香環基の上記した具体例から、(n-1)個の任意の水素原子を除してなる基が挙げられる。
(n+1)価の芳香環基は、更に置換基を有していてもよい。
上述したアルキル基、シクロアルキル基、アルコキシカルボニル基、アルキレン基、及び、(n+1)価の芳香環基が有し得る置換基としては、例えば、一般式(I)におけるR41、R42、及び、R43で挙げたアルキル基、メトキシ基、エトキシ基、ヒドロキシエトキシ基、プロポキシ基、ヒドロキシプロポキシ基、及び、ブトキシ基等のアルコキシ基;フェニル基等のアリール基;等が挙げられる。
により表わされる-CONR64-(R64は、水素原子又はアルキル基を表す)におけるR64のアルキル基としては、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、n-ブチル基、sec-ブチル基、ヘキシル基、2-エチルヘキシル基、オクチル基、及び、ドデシル基等の炭素数20以下のアルキル基が挙げられ、炭素数8以下のアルキル基が好ましい。
としては、単結合、-COO-、又は、-CONH-が好ましく、単結合、又は、-COO-がより好ましい。
におけるアルキレン基としては、メチレン基、エチレン基、プロピレン基、ブチレン基、ヘキシレン基、及び、オクチレン基等の炭素数1~8のアルキレン基が好ましい。
Arとしては、炭素数6~18の芳香環基が好ましく、ベンゼン環基、ナフタレン環基、及び、ビフェニレン環基がより好ましい。
一般式(I)で表される繰り返し単位は、ヒドロキシスチレン構造を備えていることが好ましい。即ち、Arは、ベンゼン環基であることが好ましい。
一般式(I)で表される繰り返し単位としては、下記一般式(1)で表される繰り返し単位が好ましい。
Figure 0007335963000028
一般式(1)中、
Aは水素原子、アルキル基、シクロアルキル基、ハロゲン原子、又はシアノ基を表す。
Rは、ハロゲン原子、アルキル基、シクロアルキル基、アリール基、アルケニル基、アラルキル基、アルコキシ基、アルキルカルボニルオキシ基、アルキルスルホニルオキシ基、アルキルオキシカルボニル基又はアリールオキシカルボニル基を表し、複数個ある場合には同じであっても異なっていてもよい。複数のRを有する場合には、互いに共同して環を形成していてもよい。Rとしては水素原子が好ましい。
aは1~3の整数を表す。
bは0~(3-a)の整数を表す。
以下、一般式(I)で表される繰り返し単位の具体例を示すが、本発明は、これに限定されるものではない。式中、aは1又は2を表す。
Figure 0007335963000029
Figure 0007335963000030
Figure 0007335963000031
なお、上記繰り返し単位のなかでも、以下に具体的に記載する繰り返し単位が好ましい。式中、Rは水素原子又はメチル基を表し、aは2又は3を表す。
Figure 0007335963000032
酸基を有する繰り返し単位の含有量は、樹脂(A)中の全繰り返し単位に対し、10~80モル%が好ましく、15~75モル%がより好ましく、20~70モル%が更に好ましい。
樹脂(A)は、上記した繰り返し構造単位以外にも、ドライエッチング耐性、標準現像液適性、基板密着性、レジストプロファイル、解像力、耐熱性、感度等を調節する目的などによって、様々な繰り返し単位を有していてもよい。
樹脂(A)は、常法(例えばラジカル重合)に従って合成できる。一般的な合成方法としては、例えば、(1)モノマー種及び開始剤を溶剤に溶解させ、加熱することにより重合を行う一括重合法、(2)モノマー種と開始剤を含有する溶液を1~10時間かけて滴下することにより加熱溶剤へ加える滴下重合法等が挙げられる。
上記酸の作用により現像液に対する溶解性が変化する樹脂(好ましくは、樹脂(A))のハンセン溶解度パラメーターは、上述の通りである。
上記酸の作用により現像液に対する溶解性が変化する樹脂のハンセン溶解度パラメーターは、上記酸拡散制御剤のハンセン溶解度パラメーターと上記酸の作用により現像液に対する溶解性が変化する樹脂のハンセン溶解度パラメーターの差の絶対値が、5MPa0.5以下となるものであれば、特に限定されないが、好ましくは、15MPa0.5~30MPa0.5であり、更に好ましくは、17MPa0.5以上23MPa0.5以下である。
樹脂(A)の重量平均分子量(Mw)は、1,000~200,000が好ましく、2,000~30,000がより好ましく、3,000~25,000が更に好ましい。分散度(Mw/Mn)は、通常1.0~3.0であり、1.0~2.6が好ましく、1.0~2.0がより好ましく、1.1~2.0が更に好ましい。
樹脂(A)は、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
本発明の組成物中、樹脂(A)の含有量は、全固形分中に対して、通常20質量%以上の場合が多く、40質量%以上が好ましく、50質量%以上がより好ましく、60質量%以上が更に好ましい。上限は特に制限されないが、99.5質量%以下が好ましく、99質量%以下がより好ましく、98質量%以下が更に好ましい。
なお、本発明の組成物の全固形分とは、溶剤を除く他の成分(感活性光線性又は感放射線性膜を構成し得る成分)を意図する。
<活性光線又は放射線の照射により酸を発生する化合物>
本発明の感活性光線性又は感放射線性樹脂組成物は、活性光線又は放射線の照射により酸を発生する化合物(以下、「光酸発生剤」又は「光酸発生剤(B)」ともいう)を含有する。
光酸発生剤は、活性光線又は放射線の照射により酸を発生する化合物である。
光酸発生剤としては、活性光線又は放射線の照射により有機酸を発生する化合物が好ましい。例えば、スルホニウム塩化合物、ヨードニウム塩化合物、ジアゾニウム塩化合物、ホスホニウム塩化合物、イミドスルホネート化合物、オキシムスルホネート化合物、ジアゾジスルホン化合物、ジスルホン化合物、及びo-ニトロベンジルスルホネート化合物が挙げられる。
光酸発生剤としては、活性光線又は放射線の照射により酸を発生する公知の化合物を、単独又はそれらの混合物として適宜選択して使用できる。例えば、米国特許出願公開2016/0070167A1号明細書の段落[0125]~[0319]、米国特許出願公開2015/0004544A1号明細書の段落[0086]~[0094]、及び、米国特許出願公開2016/0237190A1号明細書の段落[0323]~[0402]に開示された公知の化合物を好適に使用できる。
光酸発生剤としては、例えば、下記一般式(ZI)、一般式(ZII)又は一般式(ZIII)で表される化合物が好ましい。
Figure 0007335963000033
上記一般式(ZI)において、
201、R202及びR203は、各々独立に、有機基を表す。
201、R202及びR203としての有機基の炭素数は、一般的に1~30であり、好ましくは1~20である。
また、R201~R203のうち2つが結合して環構造を形成してもよく、環内に酸素原子、硫黄原子、エステル結合、アミド結合、又はカルボニル基を含んでいてもよい。R201~R203の内の2つが結合して形成する基としては、アルキレン基(例えば、ブチレン基、ペンチレン基)及び-CH-CH-O-CH-CH-が挙げられる。
は、アニオン(非求核性アニオンが好ましい。)を表す。
一般式(ZI)におけるカチオンの好適な態様としては、後述する化合物(ZI-1)、化合物(ZI-2)、一般式(ZI-3)で表される化合物(化合物(ZI-3))及び一般式(ZI-4)で表される化合物(化合物(ZI-4))における対応する基が挙げられる。
なお、光酸発生剤は、一般式(ZI)で表される構造を複数有する化合物であってもよい。例えば、一般式(ZI)で表される化合物のR201~R203の少なくとも1つと、一般式(ZI)で表されるもうひとつの化合物のR201~R203の少なくとも一つとが、単結合又は連結基を介して結合した構造を有する化合物であってもよい。
まず、化合物(ZI-1)について説明する。
化合物(ZI-1)は、上記一般式(ZI)のR201~R203の少なくとも1つがアリール基である、アリールスルホニウム化合物、すなわち、アリールスルホニウムをカチオンとする化合物である。
アリールスルホニウム化合物は、R201~R203の全てがアリール基でもよいし、R201~R203の一部がアリール基であり、残りがアルキル基又はシクロアルキル基であってもよい。
アリールスルホニウム化合物としては、例えば、トリアリールスルホニウム化合物、ジアリールアルキルスルホニウム化合物、アリールジアルキルスルホニウム化合物、ジアリールシクロアルキルスルホニウム化合物、及びアリールジシクロアルキルスルホニウム化合物が挙げられる。
アリールスルホニウム化合物に含まれるアリール基としては、フェニル基、又はナフチル基が好ましく、フェニル基がより好ましい。アリール基は、酸素原子、窒素原子、又は硫黄原子等を有する複素環構造を有するアリール基であってもよい。複素環構造としては、ピロール残基、フラン残基、チオフェン残基、インドール残基、ベンゾフラン残基、及びベンゾチオフェン残基等が挙げられる。アリールスルホニウム化合物が2つ以上のアリール基を有する場合に、2つ以上あるアリール基は同一であっても異なっていてもよい。
アリールスルホニウム化合物が必要に応じて有しているアルキル基又はシクロアルキル基は、炭素数1~15の直鎖状アルキル基、炭素数3~15の分岐鎖状アルキル基、又は炭素数3~15のシクロアルキル基が好ましく、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、n-ブチル基、sec-ブチル基、t-ブチル基、シクロプロピル基、シクロブチル基、及びシクロヘキシル基等が挙げられる。
201~R203のアリール基、アルキル基、及びシクロアルキル基は、各々独立に、アルキル基(例えば炭素数1~15)、シクロアルキル基(例えば炭素数3~15)、アリール基(例えば炭素数6~14)、アルコキシ基(例えば炭素数1~15)、ハロゲン原子、水酸基、又はフェニルチオ基を置換基として有してもよい。
次に、化合物(ZI-2)について説明する。
化合物(ZI-2)は、式(ZI)におけるR201~R203が、各々独立に、芳香環を有さない有機基を表す化合物である。ここで芳香環とは、ヘテロ原子を含む芳香族環も包含する。
201~R203としての芳香環を有さない有機基は、一般的に炭素数1~30であり、炭素数1~20が好ましい。
201~R203は、各々独立に、好ましくはアルキル基、シクロアルキル基、アリル基、又はビニル基であり、より好ましくは直鎖状又は分岐鎖状の2-オキソアルキル基、2-オキソシクロアルキル基、又はアルコキシカルボニルメチル基、更に好ましくは直鎖状又は分岐鎖状の2-オキソアルキル基である。
201~R203のアルキル基及びシクロアルキル基としては、好ましくは、炭素数1~10の直鎖状アルキル基又は炭素数3~10の分岐鎖状アルキル基(例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、及びペンチル基)、及び、炭素数3~10のシクロアルキル基(例えばシクロペンチル基、シクロヘキシル基、及びノルボルニル基)が挙げられる。
201~R203は、ハロゲン原子、アルコキシ基(例えば炭素数1~5)、水酸基、シアノ基、又はニトロ基によって更に置換されていてもよい。
次に、化合物(ZI-3)について説明する。
Figure 0007335963000034
一般式(ZI-3)中、Mは、アルキル基、シクロアルキル基、又はアリール基を表し、環構造を有するとき、上記環構造は、酸素原子、硫黄原子、エステル結合、アミド結合、及び炭素-炭素二重結合の少なくとも1種を含んでいてもよい。R6c及びR7cは、各々独立に、水素原子、アルキル基、シクロアルキル基、ハロゲン原子、シアノ基又はアリール基を表す。R6cとR7cとが結合して環を形成してもよい。R及びRは、各々独立に、アルキル基、シクロアルキル基、又はアルケニル基を表す。R及びRが結合して環を形成してもよい。また、M、R6c及びR7cから選ばれる少なくとも2つが結合して環構造を形成してもよく、上記環構造に炭素-炭素二重結合を含んでいてもよい。Zは、アニオンを表す。
一般式(ZI-3)中、Mで表されるアルキル基及びシクロアルキル基としては、炭素数1~15(好ましくは炭素数1~10)の直鎖状アルキル基、炭素数3~15(好ましくは炭素数3~10)の分岐鎖状アルキル基、又は炭素数3~15(好ましくは炭素数1~10)のシクロアルキル基が好ましく、具体的には、メチル基、エチル基、プロピル基、n-ブチル基、sec-ブチル基、t-ブチル基、シクロプロピル基、シクロブチル基、及びシクロヘキシル基、及びノルボルニル基等が挙げられる。
Mで表されるアリール基としては、フェニル基、又はナフチル基が好ましく、フェニル基がより好ましい。アリール基は、酸素原子又は硫黄原子等を有する複素環構造を有するアリール基であってもよい。複素環構造としては、フラン環、チオフェン環、ベンゾフラン環、及びベンゾチオフェン環等が挙げられる。
上記Mは、更に置換基(例えば、置換基T)を有していてもよい。この態様として、例えば、Mとしてベンジル基などが挙げられる。
なお、Mが環構造を有する場合、上記環構造は、酸素原子、硫黄原子、エステル結合、アミド結合、及び、炭素-炭素二重結合の少なくとも1種を含んでいてもよい。
6c及びR7cで表されるアルキル基、シクロアルキル基、及びアリール基としては、上述したMと同様のものが挙げられ、その好ましい態様も同じである。また、R6cとR7cは、結合して環を形成してもよい。
6c及びR7cで表されるハロゲン原子としては、例えば、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、及びヨウ素原子が挙げられる。
及びRで表されるアルキル基、及びシクロアルキル基としては、上述したMと同様のものが挙げられ、その好ましい態様も同じである。
及びRで表されるアルケニル基としては、アリル基又はビニル基が好ましい。
上記R及びRは、更に置換基(例えば、置換基T)を有していてもよい。この態様として、例えば、R及びRとして2-オキソアルキル基又はアルコキシカルボニルアルキル基などが挙げられる。
及びRで表される2-オキソアルキル基としては、例えば、炭素数1~15(好ましくは炭素数1~10)のものが挙げられ、具体的には、2-オキソプロピル基、及び2-オキソブチル基等が挙げられる。
及びRで表されるアルコキシカルボニルアルキル基としては、例えば、炭素数1~15(好ましくは炭素数1~10)のものが挙げられる。また、RとRは、結合して環を形成してもよい。
とRとが互いに連結して形成される環構造は、酸素原子、硫黄原子、エステル結合、アミド結合、又は、炭素-炭素二重結合を含んでいてもよい。
一般式(ZI-3)中、MとR6cとが結合して環構造を形成してもよく、形成される環構造は、炭素-炭素二重結合を含んでいてもよい。
上記化合物(ZI-3)は、なかでも、化合物(ZI-3A)であることが好ましい。
化合物(ZI-3A)は、下記一般式(ZI-3A)で表され、フェナシルスルフォニウム塩構造を有する化合物である。
Figure 0007335963000035
一般式(ZI-3A)中、
1c~R5cは、各々独立に、水素原子、アルキル基、シクロアルキル基、アリール基、アルコキシ基、アリールオキシ基、アルコキシカルボニル基、アルキルカルボニルオキシ基、シクロアルキルカルボニルオキシ基、ハロゲン原子、水酸基、ニトロ基、アルキルチオ基又はアリールチオ基を表す。
6c及びR7cとしては、上述した一般式(ZI-3)中のR6c及びR7cと同義であり、その好ましい態様も同じである。
及びRとしては、上述した上述した一般式(ZI-3)中のR及びRと同義であり、その好ましい態様も同じである。
1c~R5c中のいずれか2つ以上、RとRは、各々結合して環構造を形成してもよく、この環構造は、各々独立に酸素原子、硫黄原子、エステル結合、アミド結合、又は、炭素-炭素二重結合を含んでいてもよい。また、R5c及びR6c、R5c及びRは、各々結合して環構造を形成してもよく、この環構造は、各々独立に炭素-炭素二重結合を含んでいてもよい。また、R6cとR7cは、各々結合して環構造を形成してもよい。
上記環構造としては、芳香族又は非芳香族の炭化水素環、芳香族又は非芳香族の複素環、及びこれらの環が2つ以上組み合わされてなる多環縮合環が挙げられる。環構造としては、3~10員環が挙げられ、4~8員環が好ましく、5又は6員環がより好ましい。
1c~R5c中のいずれか2つ以上、R6cとR7c、及びRとRが結合して形成する基としては、ブチレン基、及びペンチレン基等が挙げられる。
5cとR6c、及びR5cとRが結合して形成する基としては、単結合又はアルキレン基が好ましい。アルキレン基としては、メチレン基、及びエチレン基等が挙げられる。
Zcは、アニオンを表す。
次に、化合物(ZI-4)について説明する。
化合物(ZI-4)は、下記一般式(ZI-4)で表される。
Figure 0007335963000036
一般式(ZI-4)中、
lは0~2の整数を表す。
rは0~8の整数を表す。
13は、水素原子、フッ素原子、水酸基、アルキル基、シクロアルキル基、アルコキシ基、アルコキシカルボニル基、又は単環若しくは多環のシクロアルキル骨格を有する基を表す。これらの基は置換基を有してもよい。
14は、複数存在する場合は各々独立して、アルキル基、シクロアルキル基、アルコキシ基、アルキルスルホニル基、シクロアルキルスルホニル基、アルキルカルボニル基、アルコキシカルボニル基、又は単環若しくは多環のシクロアルキル骨格を有するアルコキシ基を表す。これらの基は置換基を有してもよい。
15は、各々独立して、アルキル基、シクロアルキル基、又はナフチル基を表す。これらの基は置換基を有してもよい。2つのR15が互いに結合して環を形成してもよい。2つのR15が互いに結合して環を形成するとき、環骨格内に、酸素原子、又は窒素原子等のヘテロ原子を含んでもよい。一態様において、2つのR15がアルキレン基であり、互いに結合して環構造を形成することが好ましい。
は、アニオンを表す。
一般式(ZI-4)において、R13、R14及びR15のアルキル基は、直鎖状又は分岐鎖状である。アルキル基の炭素数は、1~10が好ましい。アルキル基としては、メチル基、エチル基、n-ブチル基、又はt-ブチル基等がより好ましい。
次に、一般式(ZII)、及び(ZIII)について説明する。
一般式(ZII)、及び(ZIII)中、R204~R207は、各々独立に、アリール基、アルキル基又はシクロアルキル基を表す。
204~R207のアリール基としてはフェニル基、又はナフチル基が好ましく、フェニル基がより好ましい。R204~R207のアリール基は、酸素原子、窒素原子、又は硫黄原子等を有する複素環構造を有するアリール基であってもよい。複素環構造を有するアリール基の骨格としては、例えば、ピロール、フラン、チオフェン、インドール、ベンゾフラン、及びベンゾチオフェン等が挙げられる。
204~R207のアルキル基及びシクロアルキル基としては、炭素数1~10の直鎖状アルキル基又は炭素数3~10の分岐鎖状アルキル基(例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、及びペンチル基)、又は、炭素数3~10のシクロアルキル基(例えばシクロペンチル基、シクロヘキシル基、及びノルボルニル基)が好ましい。
204~R207のアリール基、アルキル基、及びシクロアルキル基は、各々独立に、置換基を有していてもよい。R204~R207のアリール基、アルキル基、及びシクロアルキル基が有していてもよい置換基としては、例えば、アルキル基(例えば炭素数1~15)、シクロアルキル基(例えば炭素数3~15)、アリール基(例えば炭素数6~15)、アルコキシ基(例えば炭素数1~15)、ハロゲン原子、水酸基、及びフェニルチオ基等が挙げられる。
は、アニオンを表す。
一般式(ZI)におけるZ、一般式(ZII)におけるZ、一般式(ZI-3)におけるZc、及び一般式(ZI-4)におけるZとしては、下記一般式(3)で表されるアニオンが好ましい。
Figure 0007335963000037
一般式(3)中、
oは、1~3の整数を表す。pは、0~10の整数を表す。qは、0~10の整数を表す。
Xfは、フッ素原子、又は少なくとも1つのフッ素原子で置換されたアルキル基を表す。このアルキル基の炭素数は、1~10が好ましく、1~4がより好ましい。また、少なくとも1つのフッ素原子で置換されたアルキル基としては、パーフルオロアルキル基が好ましい。
Xfは、フッ素原子又は炭素数1~4のパーフルオロアルキル基であることが好ましく、フッ素原子又はCFであることがより好ましい。特に、双方のXfがフッ素原子であることが更に好ましい。
及びRは、各々独立に、水素原子、フッ素原子、アルキル基、又は少なくとも一つのフッ素原子で置換されたアルキル基を表す。R及びRが複数存在する場合、R及びRは、それぞれ同一でも異なっていてもよい。
及びRで表されるアルキル基は、置換基を有していてもよく、炭素数1~4が好ましい。R及びRは、好ましくは水素原子である。
少なくとも一つのフッ素原子で置換されたアルキル基の具体例及び好適な態様は一般式(3)中のXfの具体例及び好適な態様と同じである。
Lは、2価の連結基を表す。Lが複数存在する場合、Lは、それぞれ同一でも異なっていてもよい。
2価の連結基としては、例えば、-COO-(-C(=O)-O-)、-OCO-、-CONH-、-NHCO-、-CO-、-O-、-S-、-SO-、-SO-、アルキレン基(好ましくは炭素数1~6)、シクロアルキレン基(好ましくは炭素数3~15)、アルケニレン基(好ましくは炭素数2~6)及びこれらの複数を組み合わせた2価の連結基等が挙げられる。これらの中でも、-COO-、-OCO-、-CONH-、-NHCO-、-CO-、-O-、-SO-、-COO-アルキレン基-、-OCO-アルキレン基-、-CONH-アルキレン基-又は-NHCO-アルキレン基-が好ましく、-COO-、-OCO-、-CONH-、-SO-、-COO-アルキレン基-又は-OCO-アルキレン基-がより好ましい。
Wは、環状構造を含む有機基を表す。これらの中でも、環状の有機基であることが好ましい。
環状の有機基としては、例えば、脂環基、アリール基、及び複素環基が挙げられる。
脂環基は、単環式であってもよく、多環式であってもよい。単環式の脂環基としては、例えば、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、及びシクロオクチル基等の単環のシクロアルキル基が挙げられる。多環式の脂環基としては、例えば、ノルボルニル基、トリシクロデカニル基、テトラシクロデカニル基、テトラシクロドデカニル基、及びアダマンチル基等の多環のシクロアルキル基が挙げられる。中でも、ノルボルニル基、トリシクロデカニル基、テトラシクロデカニル基、テトラシクロドデカニル基、及びアダマンチル基等の炭素数7以上の嵩高い構造を有する脂環基が好ましい。
アリール基は、単環式であってもよく、多環式であってもよい。このアリール基としては、例えば、フェニル基、ナフチル基、フェナントリル基及びアントリル基が挙げられる。
複素環基は、単環式であってもよく、多環式であってもよい。多環式の方がより酸の拡散を抑制可能である。また、複素環基は、芳香族性を有していてもよいし、芳香族性を有していなくてもよい。芳香族性を有している複素環としては、例えば、フラン環、チオフェン環、ベンゾフラン環、ベンゾチオフェン環、ジベンゾフラン環、ジベンゾチオフェン環、及びピリジン環が挙げられる。芳香族性を有していない複素環としては、例えば、テトラヒドロピラン環、ラクトン環、スルトン環及びデカヒドロイソキノリン環が挙げられる。ラクトン環及びスルトン環の例としては、前述の樹脂において例示したラクトン構造及びスルトン構造が挙げられる。複素環基における複素環としては、フラン環、チオフェン環、ピリジン環、又はデカヒドロイソキノリン環が特に好ましい。
上記環状の有機基は、置換基を有していてもよい。この置換基としては、例えば、アルキル基(直鎖状及び分岐鎖状のいずれであってもよく、炭素数1~12が好ましい)、シクロアルキル基(単環、多環、及び、スピロ環のいずれであってもよく、炭素数3~20が好ましい)、アリール基(炭素数6~14が好ましい)、水酸基、アルコキシ基、エステル基、アミド基、ウレタン基、ウレイド基、チオエーテル基、スルホンアミド基、及びスルホン酸エステル基が挙げられる。なお、環状の有機基を構成する炭素(環形成に寄与する炭素)はカルボニル炭素であってもよい。
一般式(3)で表されるアニオンとしては、SO -CF-CH-OCO-(L)q’-W、SO -CF-CHF-CH-OCO-(L)q’-W、SO -CF-COO-(L)q’-W、SO -CF-CF-CH-CH-(L)q-W、SO -CF-CH(CF)-OCO-(L)q’-Wが好ましい。ここで、L、q及びWは、一般式(3)と同様である。q’は、0~10の整数を表す。
一態様において、一般式(ZI)におけるZ-、一般式(ZII)におけるZ-、一般式(ZI-3)におけるZc、及び一般式(ZI-4)におけるZ-としては、下記の一般式(4)で表されるアニオンも好ましい。
Figure 0007335963000038
一般式(4)中、
B1及びXB2は、各々独立に、水素原子、又はフッ素原子を有さない1価の有機基を表す。XB1及びXB2は、水素原子であることが好ましい。
B3及びXB4は、各々独立に、水素原子、又は1価の有機基を表す。XB3及びXB4の少なくとも一方がフッ素原子又はフッ素原子を有する1価の有機基であることが好ましく、XB3及びXB4の両方がフッ素原子又はフッ素原子を有する1価の有機基であることがより好ましい。XB3及びXB4の両方が、フッ素原子で置換されたアルキル基であることが更に好ましい。
L、q及びWは、一般式(3)と同様である。
一般式(ZI)におけるZ-、一般式(ZII)におけるZ-、一般式(ZI-3)におけるZc、及び一般式(ZI-4)におけるZ-は、ベンゼンスルホン酸アニオンであってもよく、分岐鎖状アルキル基又はシクロアルキル基によって置換されたベンゼンスルホン酸アニオンであることが好ましい。
一般式(ZI)におけるZ-、一般式(ZII)におけるZ-、一般式(ZI-3)におけるZc、及び一般式(ZI-4)におけるZ-としては、下記の一般式(SA1)で表される芳香族スルホン酸アニオンも好ましい。
Figure 0007335963000039
式(SA1)中、
Arは、アリール基を表し、スルホン酸アニオン及び-(D-B)基以外の置換基を更に有していてもよい。更に有してもよい置換基としては、フッ素原子及び水酸基等が挙げられる。
nは、0以上の整数を表す。nとしては、1~4が好ましく、2~3がより好ましく、3が更に好ましい。
Dは、単結合又は2価の連結基を表す。2価の連結基としては、エーテル基、チオエーテル基、カルボニル基、スルホキシド基、スルホン基、スルホン酸エステル基、エステル基、及び、これらの2種以上の組み合わせからなる基等が挙げられる。
Bは、炭化水素基を表す。
好ましくは、Dは単結合であり、Bは脂肪族炭化水素構造である。Bは、イソプロピル基又はシクロヘキシル基がより好ましい。
一般式(ZI)におけるスルホニウムカチオン、及び一般式(ZII)におけるヨードニウムカチオンの好ましい例を以下に示す。
Figure 0007335963000040
一般式(ZI)、一般式(ZII)におけるアニオンZ-、一般式(ZI-3)におけるZc、及び一般式(ZI-4)におけるZ-の好ましい例を以下に示す。
Figure 0007335963000041
Figure 0007335963000042
上記のカチオン及びアニオンを任意に組みわせて光酸発生剤として使用できる。
上記のカチオン又はアニオンは、ラクトン基又はスルトン基を有していても良い。
ラクトン基又はスルトン基としては、ラクトン構造又はスルトン構造を有していればいずれの基でも用いることができるが、好ましくは5~7員環ラクトン構造又は5~7員環スルトン構造を有する基であり、5~7員環ラクトン構造にビシクロ構造、又は、スピロ構造を形成する形で他の環構造が縮環しているもの、又は5~7員環スルトン構造にビシクロ構造、又は、スピロ構造を形成する形で他の環構造が縮環しているもの、がより好ましい。下記一般式(LC1-1)~(LC1-21)のいずれかで表されるラクトン構造を有する基、又は下記一般式(SL1-1)~(SL1-3)のいずれかで表されるスルトン構造を有する基がより好ましい。好ましい構造としては、一般式(LC1-1)、一般式(LC1-4)、一般式(LC1-5)、一般式(LC1-6)、一般式(LC1-13)、及び、一般式(LC1-14)で表される基が好ましい。
Figure 0007335963000043
ラクトン構造部分又はスルトン構造部分は、置換基(Rb)を有していてもよい。好ましい置換基(Rb)としては、炭素数1~8のアルキル基、炭素数4~7のシクロアルキル基、炭素数1~8のアルコキシ基、炭素数1~8のアルコキシカルボニル基、カルボキシル基、ハロゲン原子、水酸基、シアノ基、及び、酸分解性基等が挙げられる。n2は、0~4の整数を表す。n2が2以上の時、複数存在するRbは、異なっていてもよく、また、複数存在するRb同士が結合して環を形成してもよい。
上記光酸発生剤から生成される酸のpKaが-10以上5以下であることが好ましい。
pKa(酸解離定数)とは、水溶液中でのpKaのことを表し、化学便覧(II)(改訂4版、1993年、日本化学会編、丸善株式会社)に定義される。pKaの値が低いほど酸強度が大きいことを示す。水溶液中でのpKaは、具体的には、無限希釈水溶液を用い、25℃での酸解離定数を測定することにより実測できる。あるいは、下記ソフトウェアパッケージ1を用いて、ハメットの置換基定数及び公知文献値のデータベースに基づいた値を、計算により求めることもできる。本明細書中に記載したpKaの値は、全て、このソフトウェアパッケージを用いて計算により求めた値を示す。
ソフトウェアパッケージ1: Advanced Chemistry Development (ACD/Labs) Software V8.14 for Solaris (1994-2007 ACD/Labs)。
光酸発生剤は、低分子化合物の形態であってもよく、重合体の一部に組み込まれた形態であってもよい。また、低分子化合物の形態と重合体の一部に組み込まれた形態を併用してもよい。
光酸発生剤は、低分子化合物の形態であることが好ましい。
光酸発生剤が、低分子化合物の形態である場合、分子量は3,000以下が好ましく、2,000以下がより好ましく、1,000以下が更に好ましい。
光酸発生剤が、重合体の一部に組み込まれた形態である場合、前述した樹脂(A)の一部に組み込まれてもよく、樹脂(A)とは異なる樹脂に組み込まれてもよい。
光酸発生剤は、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
光酸発生剤の具体例を以下に記載するが、本発明は、これに限定されるものではない。
Figure 0007335963000044
また、光酸発生剤として、実施例で使用されている化合物B-1~B-17も好ましく挙げられるが、これに限定されない。
本発明の組成物中、光酸発生剤の含有量(複数種存在する場合はその合計)は、組成物の全固形分を基準として、0.1~35質量%が好ましく、0.5~30質量%がより好ましく、1~30質量%が更に好ましく、1~25質量%が特に好ましい。
好ましい一態様として、本発明の組成物中、光酸発生剤の含有量は、組成物の全固形分を基準として、20質量%未満であることが好ましい。
<アルカリ現像液の作用により分解し、アルカリ現像液中での溶解度が増大する基を有する含フッ素化合物>
本発明の感活性光線性又は感放射線性樹脂組成物は、アルカリ現像液の作用により分解し、アルカリ現像液中での溶解度が増大する基を有する含フッ素化合物(以下、「含フッ素化合物(C)」ともいう)を含有することが好ましい。
含フッ素化合物(C)は、フッ素を含むことで本発明の感活性光線性又は感放射線性膜の表面に偏在することができ、所望の性能を発揮することができる。
アルカリ現像液の作用により分解し、アルカリ現像液中での溶解度が増大する基は、「極性変換基」とも呼ばれ、具体例としては、ラクトン基、カルボン酸エステル基(-COO-)、酸無水物基(-C(O)OC(O)-)、酸イミド基(-NHCONH-)、カルボン酸チオエステル基(-COS-)、炭酸エステル基(-OC(O)O-)、硫酸エステル基(-OSOO-)、スルホン酸エステル基(-SOO-)などが挙げられる。
なお、アクリレートなどにおけるような、繰り返し単位の主鎖に直結したエステル基は、アルカリ現像液の作用により分解してアルカリ現像液に対する溶解性が増大する機能が劣るため、本発明における極性変換基には含まれない。
含フッ素化合物(C)は、表面偏在性の観点から、フルオロアルキル基を有することが好ましい。
含フッ素化合物(C)は、樹脂(「樹脂(C)ともいう」)であることがより好ましい。
含フッ素化合物(C)は、極性変換基を有する繰り返し単位(「繰り返し単位(c)」ともいう)を含む樹脂であることがより好ましい。
繰り返し単位(c)として、例えば、一般式(K0)で示される繰り返し単位を挙げることができる。
Figure 0007335963000045
一般式(K0)中、Rk1は水素原子、ハロゲン原子、水酸基、アルキル基、シクロアルキル基、アリール基又は極性変換基を含む基を表す。
k2はアルキル基、シクロアルキル基、アリール基又は極性変換基を含む基を表す。
但し、Rk1、Rk2の少なくとも一方は、極性変換基を有する。
なお、一般式(K0)に示されている繰り返し単位の主鎖に直結しているエステル基は、前述したように、本発明における極性変換基には含まれない。
極性変換基としては、一般式(KA-1)又は(KB-1)で表される部分構造におけるXで表される基であることが好ましい。
すなわち、繰り返し単位(c)は、一般式(KA-1)及び(KB-1)で表される部分構造の少なくとも1つを有し、極性変換基が一般式(KA-1)又は(KB-1)で表される部分構造中のXで表されることが好ましい。
Figure 0007335963000046
一般式(KA-1)又は(KB-1)におけるXは、カルボン酸エステル基:-COO-、酸無水物基:-C(O)OC(O)-、酸イミド基:-NHCONH-、カルボン酸チオエステル基:-COS-、炭酸エステル基:-OC(O)O-、硫酸エステル基:-OSOO-、スルホン酸エステル基:-SOO-を表す。
及びYは、それぞれ同一でも異なっても良く、電子求引性基を表す。
なお、繰り返し単位(c)は、一般式(KA-1)又は(KB-1)で表される部分構造を有する基を有することで、好ましい極性変換基を有するが、一般式(KA-1)で表される部分構造、Y及びYが1価である場合の(KB-1)で表される部分構造の場合のように、上記部分構造が結合手を有しない場合は、上記部分構造を有する基とは、上記部分構造における任意の水素原子を少なくとも1つ除いた1価以上の基を有する基である。
一般式(KA-1)又は(KB-1)で表される部分構造は、任意の位置で置換基を介して樹脂(C)の主鎖に連結している。
一般式(KA-1)で表される部分構造は、Xとしての基とともに環構造を形成する構造である。
一般式(KA-1)におけるXとして好ましくは、カルボン酸エステル基(即ち、KA-1としてラクトン環構造を形成する場合)、及び酸無水物基、炭酸エステル基である。より好ましくはカルボン酸エステル基である。
一般式(KA-1)で表される環構造は、置換基を有していてもよく、例えば、置換基Zka1をnka個有していてもよい。
ka1は、複数ある場合はそれぞれ独立して、アルキル基、シクロアルキル基、エーテル基、ヒドロキシル基、アミド基、アリール基、ラクトン環基、又は電子求引性基を表す。
ka1同士が連結して環を形成しても良い。Zka1同士が連結して形成する環としては、例えば、シクロアルキル環、ヘテロ環(環状エーテル環、ラクトン環など)が挙げられる。
nkaは0~10の整数を表す。好ましくは0~8の整数、より好ましくは0~5の整数、更に好ましくは1~4の整数、最も好ましくは1~3の整数である。
ka1としての電子求引性基は、ハロゲン原子に代表される後述のY及びYとしての電子求引性基と同様である。
なお、上記電子求引性基は、別の電子求引性基で置換されていてもよい。
ka1は好ましくは、アルキル基、シクロアルキル基、エーテル基、ヒドロキシル基、又は電子求引性基であり、より好ましくは、アルキル基、シクロアルキル基又は電子求引性基である。なお、エーテル基としては、アルキル基又はシクロアルキル基等で置換されたもの、すなわち、アルキルエーテル基等が好ましい。電子求引性基の好ましい例は、後述のY及びYとしての電子求引性基と同様である。
ka1としてのハロゲン原子はフッ素原子、塩素原子、臭素原子及びヨウ素原子等が挙げられ、フッ素原子が好ましい。
ka1としてのアルキル基は置換基を有していてもよく、直鎖、分岐のいずれでもよい。直鎖アルキル基としては、好ましくは炭素数1~30、更に好ましくは1~20であり、例えば、メチル基、エチル基、n-プロピル基、n-ブチル基、sec-ブチル基、t-ブチル基、n-ペンチル基、n-ヘキシル基、n-ヘプチル基、n-オクチル基、n-ノニル基、n-デカニル基等が挙げられる。分岐アルキル基としては、好ましくは炭素数3~30、更に好ましくは3~20であり、例えば、i-プロピル基、i-ブチル基、t-ブチル基、i-ペンチル基、t-ペンチル基、i-ヘキシル基、t-ヘキシル基、i-ヘプチル基、t-ヘプチル基、i-オクチル基、t-オクチル基、i-ノニル基、t-デカノイル基等が挙げられる。メチル基、エチル基、n-プロピル基、i-プロピル基、n-ブチル基、i-ブチル基、t-ブチル基などの炭素数1~4のものが好ましい。
ka1としてのシクロアルキル基は、置換基を有していてもよく、単環型でもよく、多環型でもよく、有橋式であってもよい。例えば、シクロアルキル基は橋かけ構造を有していてもよい。単環型としては、炭素数3~8のシクロアルキル基が好ましく、例えば、シクロプロピル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロブチル基、シクロオクチル基等を挙げることができる。多環型としては、炭素数5以上のビシクロ、トリシクロ、テトラシクロ構造等を有する基を挙げることができ、炭素数6~20のシクロアルキル基が好ましく、例えば、アダマンチル基、ノルボルニル基、イソボロニル基、カンファニル基、ジシクロペンチル基、α-ピネル基、トリシクロデカニル基、テトシクロドデシル基、アンドロスタニル基等が挙げられる。シクロアルキル基としては下記構造も好ましい。なお、シクロアルキル基中の炭素原子の一部が、酸素原子等のヘテロ原子によって置換されていてもよい。
Figure 0007335963000047
上記脂環部分の好ましいものとしては、アダマンチル基、ノルアダマンチル基、デカリン基、トリシクロデカニル基、テトラシクロドデカニル基、ノルボルニル基、セドロール基、シクロヘキシル基、シクロヘプチル基、シクロオクチル基、シクロデカニル基、シクロドデカニル基を挙げることができる。より好ましくは、アダマンチル基、デカリン基、ノルボルニル基、セドロール基、シクロヘキシル基、シクロヘプチル基、シクロオクチル基、シクロデカニル基、シクロドデカニル基、トリシクロデカニル基である。
これらの脂環式構造の置換基としては、アルキル基、ハロゲン原子、水酸基、アルコキシ基、カルボキシル基、アルコキシカルボニル基が挙げられる。アルキル基としてはメチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基等の低級アルキル基が好ましく、更に好ましくはメチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基を表す。上記アルコキシ基としては、好ましくはメトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、ブトキシ基等の炭素数1~4個のものを挙げることができる。アルキル基及びアルコキシ基が有してもよい置換基としては、水酸基、ハロゲン原子、アルコキシ基(好ましくは炭素数1~4)等を挙げることができる。
ka1のラクトン環基としては、後述する(KA-1-1)~(KA-1-17)のいずれかで表される構造から水素原子を除した基が挙げられる。
ka1のアリール基としては、例えば、フェニル基及びナフチル基が挙げられる。
ka1のアルキル基、シクロアルキル基及びアリール基が更に有し得る置換基としては、水酸基、ハロゲン原子(フッ素、塩素、臭素、ヨウ素)、ニトロ基、シアノ基、上記のアルキル基、メトキシ基、エトキシ基、ヒドロキシエトキシ基、プロポキシ基、ヒドロキシプロポキシ基、n-ブトキシ基、イソブトキシ基、sec-ブトキシ基、t-ブトキシ基等のアルコキシ基、メトキシカルボニル基、エトキシカルボニル基等のアルコキシカルボニル基、ベンジル基、フエネチル基、クミル基等のアラルキル基、アラルキルオキシ基、ホルミル基、アセチル基、ブチリル基、ベンゾイル基、シアナミル基、バレリル基等のアシル基、ブチリルオキシ基等のアシロキシ基、上記のアルケニル基、ビニルオキシ基、プロペニルオキシ基、アリルオキシ基、ブテニルオキシ基等のアルケニルオキシ基、上記のアリール基、フエノキシ基等のアリールオキシ基、ベンゾイルオキシ基等のアリールオキシカルボニル基等を挙げることができる。
一般式(KA-1)におけるXがカルボン酸エステル基であり、一般式(KA-1)が示す部分構造がラクトン環であることが好ましく、5~7員環ラクトン環であることが好ましい。
なお、下記(KA-1-1)~(KA-1-17)におけるように、一般式(KA-1)で表される部分構造としての5~7員環ラクトン環に、ビシクロ構造、スピロ構造を形成する形で他の環構造が縮環していることが好ましい。
一般式(KA-1)で表される環構造が結合してもよい周辺の環構造については、例えば、下記(KA-1-1)~(KA-1-17)におけるもの、又はこれに準じたものを挙げることができる。
一般式(KA-1)が示すラクトン環構造を含有する構造として、下記(KA-1-1)~(KA-1-17)のいずれかで表される構造がより好ましい。なお、ラクトン構造が主鎖に直接結合していてもよい。好ましい構造としては、(KA-1-1)、(KA-1-4)、(KA-1-5)、(KA-1-6)、(KA-1-13)、(KA-1-14)、(KA-1-17)である。
Figure 0007335963000048
上記ラクトン環構造を含有する構造は、置換基を有していても有していなくてもよい。好ましい置換基としては、上記一般式(KA-1)が示す環構造が有してもよい置換基と同様のものが挙げられる。
ラクトン構造は光学活性体が存在するものもあるが、いずれの光学活性体を用いてもよい。また、1種の光学活性体を単独で用いても、複数の光学活性体を混合して用いてもよい。1種の光学活性体を主に用いる場合、その光学純度(ee)が90%以上のものが好ましく、より好ましくは95%以上、最も好ましくは98%以上である。
一般式(KB-1)のXとして好ましくは、カルボン酸エステル基(-COO-)を挙げることができる。
一般式(KB-1)におけるY及びYは、それぞれ独立に、電子求引性基を表す。
電子求引性基は、下記式(EW)で示す部分構造であることが好ましい。式(EW)における*は(KA-1)に直結している結合手、又は(KB-1)中のXに直結している結合手を表す。
Figure 0007335963000049
式(EW)中、
ewは-C(Rew1)(Rew2)-で表される連結基の繰り返し数であり、0又は1の整数を表す。newが0の場合は単結合を表し、直接Yew1が結合していることを示す。
ew1は、ハロゲン原子、シアノ基、ニトリル基、ニトロ基、後述の-C(Rf1)(Rf2)-Rf3で表されるハロ(シクロ)アルキル基、ハロアリール基、オキシ基、カルボニル基、スルホニル基、スルフィニル基、及びこれらの組み合わせをあげることができ、電子求引性基は例えば下記構造であってもよい。なお、「ハロ(シクロ)アルキル基」とは、少なくとも一部がハロゲン化したアルキル基及びシクロアルキル基を表す。Rew3、Rew4は、各々独立して任意の構造を表す。Rew3、Rew4はどのような構造でも式(EW)で表される部分構造は電子求引性を有し、例えば樹脂の主鎖に連結していてもよいが、好ましくはアルキル基、シクロアルキル基、フッ化アルキル基である。
Figure 0007335963000050
ew1が2価以上の基である場合、残る結合手は、任意の原子又は置換基との結合を形成するものである。Yew1、Rew1、Rew2の少なくとも何れかの基が更なる置換基を介して樹脂(C)の主鎖に連結していてもよい。
ew1は、好ましくはハロゲン原子、又は、-C(Rf1)(Rf2)-Rf3で表されるハロ(シクロ)アルキル基又はハロアリール基である。
ew1、Rew2は、各々独立して任意の置換基を表し、例えば水素原子、アルキル基、シクロアルキル基又はアリール基を表す。
ew1、Rew2及びYew1の少なくとも2つが互いに連結して環を形成していてもよい。
ここでRf1はハロゲン原子、パーハロアルキル基、パーハロシクロアルキル基、又はパーハロアリール基を表し、より好ましくはフッ素原子、パーフルオロアルキル基又はパーフルオロシクロアルキル基、更に好ましくはフッ素原子又はトリフルオロメチル基を表す。
f2、Rf3は各々独立して水素原子、ハロゲン原子又は有機基を表し、Rf2とRf3とが連結して環を形成してもよい。有機基としては例えばアルキル基、シクロアルキル基、アルコキシ基等を表し、これらはハロゲン原子(好ましくはフッ素原子)で置換されていても良く、より好ましくは、Rf2、Rf3は、(ハロ)アルキル基である。Rf2はRf1と同様の基を表すか、又はRf3と連結して環を形成していることがより好ましい。
f1とRf3とは連結して環を形成してもよく、形成する環としては、(ハロ)シクロアルキル環、(ハロ)アリール環等が挙げられる。
f1~Rf3における(ハロ)アルキル基としては、例えば前述したZka1におけるアルキル基、及びこれがハロゲン化した構造が挙げられる。
f1~Rf3における、又は、Rf2とRf3とが連結して形成する環における(パー)ハロシクロアルキル基及び(パー)ハロアリール基としては、例えば前述したZka1におけるシクロアルキル基がハロゲン化した構造、より好ましくは-C(n)(2n-2)Hで表されるフルオロシクロアルキル基、及び、-C(n)(n-1)で表されるパーフルオロアリール基が挙げられる。ここで炭素数nは特に限定されないが、5~13のものが好ましく、6がより好ましい。
ew1、Rew2及びYew1の少なくとも2つが互いに連結して形成してもよい環としては、好ましくはシクロアルキル基又はヘテロ環基が挙げられ、ヘテロ環基としてはラクトン環基が好ましい。ラクトン環としては、例えば上記式(KA-1-1)~(KA-1-17)で表される構造が挙げられる。
なお、繰り返し単位中(c)中に、一般式(KA-1)で表される部分構造を複数、一般式(KB-1)で表される部分構造を複数、あるいは、一般式(KA-1)の部分構造と一般式(KB-1)の両方を有していてもよい。
なお、一般式(KA-1)の部分構造の一部又は全部が、一般式(KB-1)におけるY又はYとしての電子求引性基を兼ねてもよい。例えば、一般式(KA-1)のXがカルボン酸エステル基である場合、そのカルボン酸エステル基は一般式(KB-1)におけるY又はYとしての電子求引性基として機能することもあり得る。
繰り返し単位(c)が、1つの側鎖上に、フッ素原子と極性変換基とを有する繰り返し単位(c’)であっても、極性変換基を有し、かつ、フッ素原子を有さない繰り返し単位(c*)であっても、1つの側鎖上に極性変換基を有し、かつ、同一繰り返し単位内の上記側鎖と異なる側鎖上に、フッ素原子を有する繰り返し単位(c”)であってもよいが、樹脂(C)は繰り返し単位(c)として繰り返し単位(c’)を有することがより好ましい。すなわち、極性変換基を少なくとも1つ有する繰り返し単位(c)が、フッ素原子を有することがより好ましい。
なお、樹脂(C)が、繰り返し単位(c*)を有する場合、フッ素原子を有する繰り返し単位(後述する繰り返し単位(c1))とのコポリマーであることが好ましい。また、繰り返し単位(c”)における、極性変換基を有する側鎖とフッ素原子を有する側鎖とは、主鎖中の同一の炭素原子に結合している、すなわち下記式(K1)のような位置関係にあることが好ましい。
式中、B1は極性変換基を有する部分構造、B2はフッ素原子を有する部分構造を表す。
Figure 0007335963000051
また、繰り返し単位(c*)及び繰り返し単位(c”)においては、極性変換基が、一般式(KA-1)で示す構造における-COO-で表される部分構造であることがより好ましい。
樹脂(C)のアルカリ現像液に対する加水分解速度は0.001nm/sec以上であることが好ましく、0.01nm/sec以上であることがより好ましく、0.1nm/sec以上であることが更に好ましく、1nm/sec以上であることが最も好ましい。
ここで樹脂(C)のアルカリ現像液に対する加水分解速度は23℃のTMAH(テトラメチルアンモニウムハイドロオキサイド水溶液)(2.38質量%)に対して、樹脂(C)のみで樹脂膜を製膜した際の膜厚が減少する速度である。
本発明の樹脂(C)は、少なくとも2つ以上の極性変換基を有する繰り返し単位(c)を含有し、かつ、フッ素原子を有する樹脂(C1)であることが好ましい。
繰り返し単位(c)が少なくとも2つの極性変換基を有する場合、繰り返し単位(c)は、下記一般式(KY-1)で示す、2つの極性変換基を有する部分構造を有することが好ましい。なお、一般式(KY-1)で表される構造が、結合手を有さない場合は、上記構造における任意の水素原子を少なくとも1つ除いた1価以上の基である。
Figure 0007335963000052
一般式(KY-1)において、
ky1、Rky4はそれぞれ独立して、水素原子、ハロゲン原子、アルキル基、シクロアルキル基、カルボニル基、カルボニルオキシ基、オキシカルボニル基、エーテル基、ヒドロキシル基、シアノ基、アミド基、又はアリール基を表す。或いは、Rky1、Rky4が同一の原子と結合して二重結合を形成していてもよく、例えばRky1、Rky4が同一の酸素原子と結合してカルボニル基の一部(=O)を形成してもよい。
ky2、Rky3はそれぞれ独立して電子求引性基であるか、又はRky1とRky2が連結してラクトン環を形成するとともにRky3が電子求引性基である。形成するラクトン環としては、上記(KA-1-1)~(KA-1-17)の構造が好ましい。電子求引性基としては、上記式(KB-1)におけるY、Yと同様のものが挙げられ、好ましくはハロゲン原子、又は、上記-C(Rf1)(Rf2)-Rf3で表されるハロ(シクロ)アルキル基又はハロアリール基である。好ましくはRky3がハロゲン原子、又は、上記-C(Rf1)(Rf2)-Rf3で表されるハロ(シクロ)アルキル基又はハロアリール基であり、Rky2はRky1と連結してラクトン環を形成するか、ハロゲン原子を有さない電子求引性基である。
ky1、Rky2、Rky4はそれぞれ互いに連結して単環又は多環構造を形成しても良い。
ky1、Rky4は具体的には式(KA-1)におけるZka1と同様の基が挙げられる。
ky1とRky2が連結して形成するラクトン環としては、上記(KA-1-1)~(KA-1-17)の構造が好ましい。電子求引性基としては、上記式(KB-1)におけるY、Yと同様のものが挙げられる。
一般式(KY-1)で表される構造としては、下記一般式(KY-2)で示す構造であることがより好ましい。なお、一般式(KY-2)で表される構造は、上記構造における任意の水素原子を少なくとも1つ除いた1価以上の基である。
Figure 0007335963000053
式(KY-2)中、
ky6~Rky10は、各々独立して、水素原子、ハロゲン原子、アルキル基、シクロアルキル基、カルボニル基、カルボニルオキシ基、オキシカルボニル基、エーテル基、ヒドロキシル基、シアノ基、アミド基、又はアリール基を表す。
ky6~Rky10は、2つ以上が互いに連結して単環又は多環構造を形成しても良い。
ky5は電子求引性基を表す。電子求引性基は上記Y、Yにおけるものと同様のものが挙げられ、好ましくはハロゲン原子、又は、上記-C(Rf1)(Rf2)-Rf3で表されるハロ(シクロ)アルキル基又はハロアリール基である。
ky5~Rky10は具体的には式(KA-1)におけるZka1と同様の基が挙げられる。
式(KY-2)で表される構造は、下記一般式(KY-3)で示す部分構造であることがより好ましい。
Figure 0007335963000054
式(KY-3)中、
ka1、nkaは各々上記一般式(KA-1)と同義である。Rky5は上記式(KY-2)と同義である。
kyはアルキレン基、酸素原子又は硫黄原子を表す。Lkyのアルキレン基としてはメチレン基、エチレン基等が挙げられる。Lkyは酸素原子又はメチレン基であることが好ましく、メチレン基であることが更に好ましい。
繰り返し単位(c)は、付加重合、縮合重合、付加縮合、等、重合により得られる繰り返し単位であれば限定されるものではないが、炭素-炭素2重結合の付加重合により得られる繰り返し単位であることが好ましい。例として、アクリレート系繰り返し単位(α位、β位に置換基を有する系統も含む)、スチレン系繰り返し単位(α位、β位に置換基を有する系統も含む)、ビニルエーテル系繰り返し単位、ノルボルネン系繰り返し単位、マレイン酸誘導体(マレイン酸無水物やその誘導体、マレイミド、等)の繰り返し単位、等を挙げることが出来、アクリレート系繰り返し単位、スチレン系繰り返し単位、ビニルエーテル系繰り返し単位、ノルボルネン系繰り返し単位が好ましく、アクリレート系繰り返し単位、ビニルエーテル系繰り返し単位、ノルボルネン系繰り返し単位がより好ましく、アクリレート系繰り返し単位が最も好ましい。
繰り返し単位(c)のより具体的な構造としては、以下に示す部分構造を有する繰り返し単位が好ましい。
繰り返し単位(c)は、以下に示す部分構造を有する繰り返し単位であり得る。
Figure 0007335963000055
一般式(cc)において、
は、複数存在する場合はそれぞれ独立に、単結合、エーテル結合、エステル結合、アミド結合、ウレタン結合又はウレア結合を表し、好ましくはエステル結合を表す。
は、複数存在する場合はそれぞれ独立に、鎖状若しくは環状アルキレン基を表し、好ましくは、炭素数1若しくは2のアルキレン基又は炭素数5~10のシクロアルキレン基を表す。
Taは、それぞれ独立に、アルキル基、シクロアルキル基、アルコキシ基、ニトリル基、ヒドロキシル基、アミド基、アリール基又は電子求引性基(上記一般式(KB-1)におけるY及びYとしての電子求引性基と同義である)を表し、好ましくはアルキル基、シクロアルキル基、電子求引性基を表し、更に好ましくは電子求引性基を表す。Taが複数個ある場合には、Ta同士が結合して、環を形成しても良い。
は、単結合又はm+1価の炭化水素基(好ましくは炭素数20以下)を表し、好ましくは単結合を表す。Lとしての単結合は、mが1の場合である。Lとしてのm+1価の炭化水素基は、例えば、アルキレン基、シクロアルキレン基、フェニレン基、又は、これらの組み合わせから、任意の水素原子をm-1個除いたm+1価の炭化水素基を表す。
Lは、それぞれ独立に、カルボニル基、カルボニルオキシ基又はエーテル基を表す。
Tcは、水素原子、アルキル基、シクロアルキル基、ニトリル基、ヒドロキシル基、アミド基、アリール基又は電子求引性基(上記一般式(KB-1)におけるY及びYとしての電子求引性基と同義である)を表す。
*は、樹脂の主鎖又は側鎖への結合手を表す。すなわち、式(cc)で表される部分構造が主鎖に直結していてもよいし、樹脂の側鎖に、式(cc)で表される部分構造が結合していてもよい。なお、主鎖への結合手とは、主鎖を構成する結合中に存在する原子への結合手であり、側鎖への結合手とは、主鎖を構成する結合中以外に存在する原子への結合手である。
mは、1~28の整数を表し、好ましくは1~3の整数であり、更に好ましくは1である。
kは、0~2の整数を表し、好ましくは1である。
qは、基(Z-Z)の繰り返し数を示し、0~5の整数を表し、好ましくは0~2である。
rは、0~5の整数を表す。
なお、-(L)r-Tcの代わりに、上記-L-(Ta)mが置換していてもよい。
糖ラクトンの末端にフッ素原子を有する場合、そして同一繰り返し単位内の糖ラクトン側の側鎖と異なる側鎖上にフッ素原子を有する場合(繰り返し単位(c”))も好ましい。
としての鎖状アルキレン基は、直鎖アルキレン基の場合は好ましくは炭素数1~30、更に好ましくは1~20であり、分岐アルキレン基の場合は好ましくは炭素数3~30、更に好ましくは3~20である。Rとしての鎖状アルキレン基の具体例としては、上記したZka1としてのアルキル基の具体例から任意の水素原子を1個除いた基を挙げることができる。
としての環状アルキレン基は、好ましくは炭素数3~8であり、その具体例としては、上記したZka1としてのシクロアルキル基から任意の水素原子を1個除いた基を挙げることができる。
Ta及びTcとしてのアルキル基及びシクロアルキル基における好ましい炭素数、及び、具体例は、上記したZka1としてのアルキル基及びシクロアルキル基において記載したものと同様である。
Taとしてのアルコキシ基としては、好ましくは炭素数1~8であり、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、ブトキシ基等を挙げることができる。
Ta及びTcとしてのアリール基としては、好ましくは炭素数6~12のアリール基、例えば、フェニル基及びナフチル基を挙げることができる。
としてのアルキレン基、シクロアルキレン基の好ましい炭素数及びその具体例は、Zとしての鎖状アルキレン基及び環状アルキレン基で説明したものと同様である。
繰り返し単位(c)のより具体的な構造としては、以下に示す部分構造を有する繰り返し単位が好ましい。
Figure 0007335963000056
一般式(ca-2)及び(cb-2)において、
nは、0~11の整数を表し、好ましくは0~5の整数、より好ましくは1又は2を表す。
pは、0~5の整数を表し、好ましくは0~3の整数、より好ましくは1又は2を表す。
Tbは、独立に、アルキル基、シクロアルキル基、アルコキシ基、ニトリル基、ヒドロキシル基、アミド基、アリール基又は電子求引性基(上記一般式(KB-1)におけるY及びYとしての電子求引性基と同義である)を表し、好ましくはアルキル基、シクロアルキル基、電子求引性基を表す。Tbが複数個ある場合には、Tb同士が結合して、環を形成しても良い。
*は、樹脂の主鎖又は側鎖への結合手を表す。すなわち、式(ca-2)又は(cb-2)で表される部分構造が主鎖に直結していてもよいし、樹脂の側鎖に、式(ca-2)又は(cb-2)で表される部分構造が結合していてもよい。
、Z、Ta、Tc、L、*、m、q、rは、一般式(cc)におけるものと同義であり、好ましいものも同様である。
繰り返し単位(c)のより具体的な構造としては、以下に示す部分構造を有する繰り返し単位が好ましい。
Figure 0007335963000057
一般式(KY-4)に於いて、
は、鎖状若しくは環状アルキレン基を表し、複数個ある場合は、同じでも異なっていてもよい。
は、構成炭素上の水素原子の一部又は全部がフッ素原子で置換された、直鎖状、分岐状又は環状の炭化水素基を示す。
は、ハロゲン原子、シアノ基、ヒドロキシ基、アミド基、アルキル基、シクロアルキル基、アルコキシ基、フェニル基、アシル基、アルコキシカルボニル基、又はR-C(=O)-若しくはR-C(=O)O-で表される基(Rは、アルキル基若しくはシクロアルキル基を表す。)を表す。Rが複数個ある場合は、同じでも異なっていてもよく、また、2つ以上のRが結合し、環形成していても良い。
Xは、アルキレン基、酸素原子又は硫黄原子を表す。
Z、Zaは、複数存在する場合はそれぞれ独立に、単結合、エーテル結合、エステル結合、アミド結合、ウレタン結合又はウレア結合を表し、複数ある場合は、同じでも異なっていてもよい。
*は、樹脂の主鎖又は側鎖への結合手を表す。
oは、置換基数であって、1~7の整数を表す。
mは、置換基数であって、0~7の整数を表す。
nは、繰り返し数を表し、0~5の整数を表す。
-R-Z-の構造として好ましくは、-(CH-COO-で表される構造が好ましい(lは1~5の整数を表す)。
としての鎖状若しくは環状アルキレン基の好ましい炭素数範囲及び具体例は、一般式(cc)のZにおける鎖状アルキレン基及び環状アルキレン基で説明したものと同様である。
としての直鎖状、分岐状又は環状の炭化水素基の炭素数は、直鎖状の場合、好ましくは1~30、更に好ましくは1~20であり、分岐状の場合、好ましくは3~30、更に好ましくは3~20であり、環状の場合、6~20である。Rの具体例としては、上記したZka1としてのアルキル基及びシクロアルキル基の具体例を挙げることができる。
及びRとしてのアルキル基及びシクロアルキル基における好ましい炭素数、及び、具体例は、上記したZka1としてのアルキル基及びシクロアルキル基において記載したものと同様である。
としてのアシル基としては、炭素数1~6のものが好ましく、例えば、ホルミル基、アセチル基、プロピオニル基、ブチリル基、イソブチリル基、バレリル基、ピバロイル基などを挙げることができる。
としてのアルコキシ基及びアルコキシカルボニル基におけるアルキル部位としては、直鎖状、分岐状又は環状のアルキル部位を挙げることができ、アルキル部位の好ましい炭素数、及び、具体例は、上記したZka1としてのアルキル基及びシクロアルキル基において記載したものと同様である。
Xとしてのアルキレン基としては、鎖状若しくは環状アルキレン基を挙げることができ、好ましい炭素数及びその具体例は、Rとしての鎖状アルキレン基及び環状アルキレン基で説明したものと同様である。
より好ましくは一般式(KY-5)で表わされる部分構造を有する繰り返し単位である。
Figure 0007335963000058
一般式(KY-5)に於いて、
は、鎖状若しくは環状アルキレン基を表し、複数個ある場合は、同じでも異なっていてもよい。
は、構成炭素上の水素原子の一部又は全部がフッ素原子で置換され、直鎖状、分岐状又は環状の炭化水素基を示す。
は、ハロゲン原子、シアノ基、ヒドロキシ基、アミド基、アルキル基、シクロアルキル基、アルコキシ基、フェニル基、アシル基、アルコキシカルボニル基、又はR-C(=O)-若しくはR-C(=O)O-で表される基(Rは、アルキル基若しくはシクロアルキル基を表す。)を表す。Rが複数個ある場合は、同じでも異なっていてもよく、また、2つ以上のRが結合し、環を形成していても良い。
Xは、アルキレン基、酸素原子又は硫黄原子を表す。
Zは、単結合、エーテル結合、エステル結合、アミド結合、ウレタン結合又はウレア結合を表し、複数ある場合は、同じでも異なっていてもよい。
*は、樹脂の主鎖又は側鎖への結合手を表す。
nは、繰り返し数を表し、0~5の整数を表す。
mは、置換基数であって、0~7の整数を表す。
~R及びXにおける炭素数の好ましい範囲及び具体例は、一般式(KY-4)で説明したものと同様である。
-R-Z-の構造として好ましくは、-(CH-COO-で表される構造が好ましい(lは1~5の整数を表す)。
繰り返し単位(c)のより具体的な構造としては、以下に示す部分構造を有する繰り返し単位が好ましい。
Figure 0007335963000059
一般式(rf-1)及び(rf-2)中、
X´は、電子求引性の置換基を表し、好ましくは、カルボニルオキシ基、オキシカルボニル基、フッ素原子で置換されたアルキレン基、フッ素原子で置換されたシクロアルキレン基である。
Aは、単結合又は-C(Rx)(Ry)-で表される2価の連結基を表す。ここで、Rx、Ryは、それぞれ独立に、水素原子、フッ素原子、アルキル基(好ましくは炭素数1~6で、フッ素原子等で置換されていてもよい)、又はシクロアルキル基(好ましくは炭素数5~12で、フッ素原子等で置換されていてもよい)を表す。Rx,Ryとして好ましくは、水素原子、アルキル基、フッ素原子で置換されたアルキル基である。
Xは、電子求引性基を表し、好ましくは、フッ化アルキル基、フッ化シクロアルキル基、フッ素又はフッ化アルキル基で置換されたアリール基、フッ素又はフッ化アルキル基で置換されたアラルキル基である。
*は、樹脂の主鎖又は側鎖への結合手を表す。即ち、単結合あるいは連結基を通じて樹脂の主鎖に結合する結合手を表す。
なお、X´がカルボニルオキシ基又はオキシカルボニル基であるとき、Aは単結合ではない。
X´としてのフッ素原子で置換されたアルキレン基におけるアルキレン基としては、直鎖アルキレン基の場合は好ましくは炭素数1~30、更に好ましくは1~20であり、分岐アルキレン基の場合は好ましくは炭素数3~30、更に好ましくは3~20である。上記アルキレン基の具体例としては、上記したZka1としてのアルキル基の具体例から任意の水素原子を1個除いた基を挙げることができる。フッ素原子で置換されたアルキレン基としては、パーフルオロアルキレン基であることが好ましい。
X´としてのフッ素原子で置換されたシクロアルキレン基におけるシクロアルキレン基としては、好ましくは炭素数3~8であり、その具体例としては、上記したZka1としてのシクロアルキル基の具体例から任意の水素原子を1個除いた基を挙げることができる。フッ素原子で置換されたシクロアルキレン基としては、パーフルオロシクロアルキレン基であることが好ましい。
Xとしてのフッ化アルキル基におけるアルキル基としては、直鎖アルキル基の場合は好ましくは炭素数1~30、更に好ましくは1~20であり、分岐アルキル基の場合は好ましくは炭素数3~30、更に好ましくは3~20である。上記アルキル基の具体例としては、上記したZka1としてのアルキル基の具体例を挙げることができる。フッ化アルキル基としては、パーフルオロアルキル基であることが好ましい。
Xとしてのフッ化シクロアルキル基におけるシクロアルキル基としては、好ましくは炭素数3~8であり、その具体例としては、上記したZka1としてのシクロアルキル基の具体例を挙げることができる。フッ化シクロアルキル基としては、パーフルオロシクロアルキル基であることが好ましい。
Xとしてのフッ素又はフッ化アルキル基で置換されたアリール基におけるアリール基としては、好ましくは炭素数6~12のアリール基、例えば、フェニル基及びナフチル基を挙げることができる。また、フッ化アルキル基で置換されたアリール基におけるフッ化アルキル基の具体例としては、Xとしてのフッ化アルキル基で説明したものと同様である。
Xとしてのフッ素又はフッ化アルキル基で置換されたアラルキル基におけるアラルキル基としては、好ましくは炭素数6~12のアラルキル基、例えば、ベンジル基、フェネチル基、ナフチルメチル基、ナフチルエチル基、ナフチルブチル基等を挙げることができる。また、フッ化アルキル基で置換されたアラルキル基におけるフッ化アルキル基の具体例としては、Xとしてのフッ化アルキル基で説明したものと同様である。
樹脂(C)は、繰り返し単位(c)として、下記一般式(2)で表される繰り返し単位を有することが好ましい。
Figure 0007335963000060
一般式(2)中、R21は水素原子又は1価の有機基を表す。Xは二価の連結基を表す。R22及びR23はそれぞれ独立にフルオロアルキル基を表す。R24は水素原子、フッ素原子又は1価の有機基を表す。
一般式(2)中のXが表す二価の連結基としては、前述の極性変換基を有する二価の連結基が好ましく、ラクトン構造を有することが特に好ましい。
一般式(2)中、R21は水素原子又はアルキル基を表すことが好ましく、水素原子又は炭素数1~5のアルキル基を表すことがより好ましい。
一般式(2)中、R22及びR23はそれぞれ独立にフルオロアルキル基を表し、炭素数1~10のフルオロアルキル基を表すことが好ましく、炭素数1~5のフルオロアルキル基を表すことがより好ましい。
一般式(2)中、R24は水素原子、フッ素原子又は炭素数1~10のフルオロアルキル基を表すことが好ましく、水素原子、フッ素原子又は炭素数1~5のフルオロアルキル基を表すことがより好ましい。
極性変換基を有する繰り返し単位(c)の具体例を示すが、これらに限定されるものではない。
Raは水素原子、フッ素原子、メチル基又はトリフルオロメチル基を表す。
Figure 0007335963000061
Figure 0007335963000062
樹脂(C)における、繰り返し単位(c)の含有率は、樹脂(C)中の全繰り返し単位に対し、10~100モル%が好ましく、より好ましくは20~100モル%、更に好ましくは30~100モル%、最も好ましくは40~100モル%である。
繰り返し単位(c’)の含有率は、樹脂(C)中の全繰り返し単位に対し、10~100モル%が好ましく、より好ましくは20~100モル%、更に好ましくは30~100モル%、最も好ましくは40~100モル%である。
繰り返し単位(c*)の含有率は、樹脂(C)中の全繰り返し単位に対し、5~70モル%が好ましく、より好ましくは5~60モル%、更に好ましくは10~50モル%、最も好ましくは10~40モル%である。繰り返し単位(c*)と共に用いられる、フッ素原子を有する繰り返し単位の含有率は、樹脂(C)中の全繰り返し単位に対し、10~95モル%が好ましく、より好ましくは15~85モル%、更に好ましくは20~80モル%、最も好ましくは25~75モル%である。
繰り返し単位(c”)の含有率は、樹脂(C)中の全繰り返し単位に対し、10~100モル%が好ましく、より好ましくは20~100モル%、更に好ましくは30~100モル%、最も好ましくは40~100モル%である。
樹脂(C)におけるフッ素原子は、樹脂の主鎖中に有していても、側鎖に置換していてもよい。
樹脂(C)は、更に、その他の繰り返し単位を有していてもよい。その他の繰り返し単位の好ましい態様としては以下が挙げられる。
(cy1)フッ素原子を有し、かつ酸に対して安定であり、かつアルカリ現像液に対して難溶若しくは不溶である繰り返し単位。
(cy2)フッ素原子を有さず、かつ酸に対して安定であり、かつアルカリ現像液に対して難溶若しくは不溶である繰り返し単位。
(cy3)フッ素原子を有し、かつ、前掲の(x)、(z)以外の極性基を有する繰り返し単位。
(cy4)フッ素原子を有さず、かつ、前掲の(x)、(z)以外の極性基を有する繰り返し単位。
(cy1)、(cy2)の繰り返し単位における、アルカリ現像液に難溶若しくは不溶とは、(cy1)、(cy2)がアルカリ可溶性基、酸又はアルカリ現像液の作用によりアルカリ可溶性基を生じる基(例えば酸分解性基又は極性変換基)を含まないことを示す。
繰り返し単位(cy1)、(cy2)は極性基を持たない脂環炭化水素構造を有することが好ましい。
以下に繰り返し単位(cy1)~(cy4)の好ましい態様を示す。
繰り返し単位(cy1)、(cy2)としては、下記一般式(CIII)で表される繰り返し単位であることが好ましい。
Figure 0007335963000063
一般式(CIII)に於いて、
c31は、水素原子、フッ素原子で置換されていても良いアルキル基、シアノ基又は-CH-O-Rac基を表す。式中、Racは、水素原子、アルキル基又はアシル基を表す。Rc31は、水素原子、メチル基、ヒドロキシメチル基、トリフルオロメチル基が好ましく、水素原子、メチル基が特に好ましい。
c32は、アルキル基、シクロアルキル基、アルケニル基、シクロアルケニル基又はアリール基を有する基を表す。これら基は、珪素原子を含む基、フッ素原子等で置換されていても良い。
c3は、単結合又は2価の連結基を表す。
一般式(CIII)に於ける、Rc32のアルキル基は、炭素数3~20の直鎖若しくは分岐状アルキル基が好ましい。
シクロアルキル基は、炭素数3~20のシクロアルキル基が好ましい。
アルケニル基は、炭素数3~20のアルケニル基が好ましい。
シクロアルケニル基は、炭素数3~20のシクロアルケニル基が好ましい。
アリール基は、炭素数6~20のフェニル基、ナフチル基が好ましく、これらは置換基を有していてもよい。
c32は無置換のアルキル基又はフッ素原子で置換されたアルキル基が好ましい。Lc3の2価の連結基は、アルキレン基(好ましくは炭素数1~5)、オキシ基、フェニレン基、エステル結合(-COO-で表される基)が好ましい。
繰り返し単位(cy1)、(cy2)としては、下記一般式(C4)又は(C5)で表される繰り返し単位であることが好ましい。
Figure 0007335963000064
一般式(C4),(C5)中、
c5は少なくとも一つの環状構造を有し、水酸基及びシアノ基のいずれも有さない炭化水素基を表す。
Racは水素原子、フッ素原子で置換されていても良いアルキル基、シアノ基又は-CH-O-Rac基を表す。式中、Racは、水素原子、アルキル基又はアシル基を表す。Racは、水素原子、メチル基、ヒドロキシメチル基、トリフルオロメチル基が好ましく、水素原子、メチル基が特に好ましい。
c5が有する環状構造には、単環式炭化水素基及び多環式炭化水素基が含まれる。単環式炭化水素基としては、たとえば、炭素数3~12のシクロアルキル基、炭素数3~12のシクロアルケニル基が挙げられる。好ましい単環式炭化水素基としては、炭素数3から7の単環式炭化水素基である。
多環式炭化水素基には環集合炭化水素基、架橋環式炭化水素基が含まれる。架橋環式炭化水素環として、2環式炭化水素環、3環式炭化水素環、4環式炭化水素環などが挙げられる。また、架橋環式炭化水素環には、縮合環式炭化水素環(例えば、5~8員シクロアルカン環が複数個縮合した縮合環)も含まれる。好ましい架橋環式炭化水素環としてノルボニル基、アダマンチル基が挙げられる。
これらの脂環式炭化水素基は置換基を有していても良く、好ましい置換基としてはハロゲン原子、アルキル基、保護基で保護されたヒドロキシル基、保護基で保護されたアミノ基などが挙げられる。好ましいハロゲン原子としては臭素、塩素、フッ素原子、好ましいアルキル基としてはメチル、エチル、ブチル、t-ブチル基が挙げられる。上記のアルキル基は更に置換基を有していても良く、更に有していてもよい置換基としては、ハロゲン原子、アルキル基、保護基で保護されたヒドロキシル基、保護基で保護されたアミノ基を挙げることができる。
保護基としては、たとえばアルキル基、シクロアルキル基、アラルキル基、置換メチル基、置換エチル基、アルコキシカルボニル基、アラルキルオキシカルボニル基が挙げられる。好ましいアルキル基としては、炭素数1~4のアルキル基、好ましい置換メチル基としてはメトキシメチル、メトキシチオメチル、ベンジルオキシメチル、t-ブトキシメチル、2-メトキシエトキシメチル基、好ましい置換エチル基としては、1-エトキシエチル、1-メチル-1-メトキシエチル、好ましいアシル基としては、ホルミル、アセチル、プロピオニル、ブチリル、イソブチリル、バレリル、ピバロイル基などの炭素数1~6の脂肪族アシル基、アルコキシカルボニル基としては炭素数2~4のアルコキシカルボニル基などが挙げられる。
c6はアルキル基、シクロアルキル基、アルケニル基、シクロアルケニル基、アルコキシカルボニル基、アルキルカルボニルオキシ基を表す。これら基はフッ素原子、珪素原子で置換されていても良い。
c6のアルキル基は、炭素数1~20の直鎖若しくは分岐状アルキル基が好ましい。
シクロアルキル基は、炭素数3~20のシクロアルキル基が好ましい。
アルケニル基は、炭素数3~20のアルケニル基が好ましい。
シクロアルケニル基は、炭素数3~20のシクロアルケニル基が好ましい。
アルコキシカルボニル基は、炭素数2~20のアルコキシカルボニル基が好ましい。
アルキルカルボニルオキシ基は、炭素数2~20のアルキルカルボニルオキシ基が好ましい。
nは0~5の整数を表す。nが2以上の場合、複数のRc6は同一でも異なっていても良い。
c6は無置換のアルキル基又はフッ素原子で置換されたアルキル基が好ましく、トリフルオロメチル基、t-ブチル基が特に好ましい。
(cy1)、(cy2)としては、下記一般式(CII-AB)で表される繰り返し単位であることも好ましい。
Figure 0007335963000065
式(CII-AB)中、
c11’及びRc12’は、各々独立に、水素原子、シアノ基、ハロゲン原子又はアルキル基を表す。
Zc’は、結合した2つの炭素原子(C-C)を含み、脂環式構造を形成するための原子団を表す。
また、上記一般式(CII-AB)は、下記一般式(CII-AB1)又は一般式(CII-AB2)であることが更に好ましい。
Figure 0007335963000066
式(CII-AB1)及び(CII-AB2)中、
Rc13’~Rc16’は、各々独立に、水素原子、ハロゲン原子、アルキル基あるいはシクロアルキル基を表す。
また、Rcl3’~Rc16’のうち少なくとも2つが結合して環を形成してもよい。
nは0又は1を表す。
以下に(cy1)、(cy2)の具体例を以下に挙げるが、本発明はこれらに限定されない。式中、Raは、H、CH、CHOH、CF又はCNを表す。
Figure 0007335963000067
(cy3)、(cy4)としては、極性基として水酸基又はシアノ基を有する繰り返し単位であることが好ましい。これにより現像液親和性が向上する。水酸基又はシアノ基を有する繰り返し単位は、水酸基又はシアノ基で置換された脂環炭化水素構造を有する繰り返し単位であることが好ましい。水酸基又はシアノ基で置換された脂環炭化水素構造に於ける、脂環炭化水素構造としては、アダマンチル基、ジアマンチル基、ノルボルニル基が好ましい。好ましい水酸基又はシアノ基で置換された脂環炭化水素構造としては、モノヒドロキシアダマンチル基、ジヒドロキシアダマンチル基、モノヒドロキシジアマンチル基、ジヒドロキシアダマンチル基、シアノ基で置換されたノルボルニル基等が挙げられる。
上記原子団を有する繰り返し単位としては、下記一般式(CAIIa)~(CAIId)で表される繰り返し単位を挙げることができる。
Figure 0007335963000068
一般式(CAIIa)~(CAIId)に於いて、
cは、水素原子、メチル基、トリフロロメチル基又はヒドロキシメチル基を表す。
c~Rcは、各々独立に、水素原子、水酸基又はシアノ基を表す。ただし、Rc~Rcの内の少なくとも1つは、水酸基又はシアノ基を表す。好ましくは、Rc~Rcの内の1つ又は2つが、水酸基で、残りが水素原子である。一般式(CAIIa)に於いて、更に好ましくは、Rc~Rcの内の2つが、水酸基で、残りが水素原子である。
(cy3)、(cy4)で表される繰り返し単位の具体例を以下に挙げるが、本発明はこれらに限定されない。
Figure 0007335963000069
(cy1)~(cy4)で表される繰り返し単位の含有率は、樹脂(C)中の全繰り返し単位に対し、5~40mol%が好ましく、より好ましくは5~30mol%、更に好ましくは10~25mol%である。
樹脂(C)は(cy1)~(cy4)で表される繰り返し単位を複数有していてもよい。
樹脂(C)中のフッ素原子の含有率は、樹脂(C)の分子量に対し、5~80質量%であることが好ましく、10~80質量%であることがより好ましい。また、フッ素原子を含む繰り返し単位が、樹脂(C)中の全繰り返し単位に対し、10~100質量%であることが好ましく、30~100質量%であることがより好ましい。
偏在性向上の観点から、含フッ素化合物(C)の分子量は1000~100000であることが好ましい。
樹脂(C)の重量平均分子量は、好ましくは1000~100000で、より好ましくは1000~50000、更により好ましくは2000~15000である。
樹脂(C)の分子量分布(Mw/Mn、分散度ともいう)は、1~3の範囲が好ましく、より好ましくは1~2、更に好ましくは1~1.8、最も好ましくは1~1.5の範囲である。
樹脂(C)は、各種市販品を利用することもできるし、樹脂(A)同様に、常法に従って(例えばラジカル重合)合成することができる。
含フッ素化合物(C)は1種類単独又は2種類以上を組み合わせて使用することができる。
本発明の組成物中の含フッ素化合物(C)の含有率は、解像性の観点から、本発明の組成物の全固形分を基準として、0.01~10質量%であることが好ましく、より好ましくは0.1~10質量%、更に好ましくは0.1~5質量%である。
<ラクトン構造又はスルトン構造を有する化合物>
本発明の組成物は、ラクトン構造又はスルトン構造を有する化合物を含むことが好ましい。
上記ラクトン構造又はスルトン構造を有する化合物としては、上記樹脂(A)において、ラクトン基又はスルトン基を有する樹脂、及びラクトン基又はスルトン基を有する光酸発生剤を挙げることができる。
<溶剤>
本発明の組成物は、溶剤を含んでいてもよい。
本発明の組成物においては、公知のレジスト溶剤を適宜使用できる。例えば、米国特許出願公開2016/0070167A1号明細書の段落[0665]~[0670]、米国特許出願公開2015/0004544A1号明細書の段落[0210]~[0235]、米国特許出願公開2016/0237190A1号明細書の段落[0424]~[0426]、及び米国特許出願公開2016/0274458A1号明細書の段落[0357]~[0366]に開示された公知の溶剤を好適に使用できる。
組成物を調製する際に使用できる溶剤としては、例えば、アルキレングリコールモノアルキルエーテルカルボキシレート、アルキレングリコールモノアルキルエーテル、乳酸アルキルエステル、アルコキシプロピオン酸アルキル、環状ラクトン(好ましくは炭素数4~10)、環を有してもよいモノケトン化合物(好ましくは炭素数4~10)、アルキレンカーボネート、アルコキシ酢酸アルキル、及びピルビン酸アルキル等の有機溶剤が挙げられる。
有機溶剤として、構造中に水酸基を有する溶剤と、水酸基を有さない溶剤とを混合した混合溶剤を使用してもよい。
水酸基を有する溶剤、及び水酸基を有さない溶剤としては、前述の例示化合物を適宜選択できるが、水酸基を含む溶剤としては、アルキレングリコールモノアルキルエーテル又は乳酸アルキル等が好ましく、プロピレングリコールモノメチルエーテル(PGME:1-メトキシ-2-プロパノール)、プロピレングリコールモノエチルエーテル(PGEE)、2-ヒドロキシイソ酪酸メチル、又は乳酸エチルがより好ましい。また、水酸基を有さない溶剤としては、アルキレングリコールモノアルキルエーテルアセテート、アルキルアルコキシプロピオネート、環を有していてもよいモノケトン化合物、環状ラクトン、又は酢酸アルキル等が好ましく、これらの中でも、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(PGMEA:1-メトキシ-2-アセトキシプロパン)、エチルエトキシプロピオネート、2-ヘプタノン、γ-ブチロラクトン、シクロヘキサノン、シクロペンタノン、又は酢酸ブチルがより好ましく、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、γ-ブチロラクトン、エチルエトキシプロピオネート、シクロヘキサノン、シクロペンタノン、又は2-ヘプタノンが更に好ましい。水酸基を有さない溶剤としては、プロピレンカーボネートも好ましい。
水酸基を有する溶剤と水酸基を有さない溶剤との混合比(質量比)は、1/99~99/1が好ましく、10/90~90/10がより好ましく、20/80~60/40が更に好ましい。水酸基を有さない溶剤を50質量%以上含む混合溶剤が、塗布均一性の点で好ましい。
溶剤は、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートを含むことが好ましい。この場合、溶剤は、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート単独溶剤でもよいし、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートを含む2種類以上の混合溶剤でもよい。
また、本発明の組成物が含んでも良い溶剤の好ましい一形態として、上記溶剤は、光学異性体のL体またはD体のうち、一方の比率が他方の比率より1%以上高い乳酸エチル(以下、「光学純度が1%以上の乳酸エチル」ともいう)を含む態様が挙げられる。
一方の比率とは、乳酸エチル全量に対するL体又はD体の含有比(質量比)を表す。
本発明においては、乳酸エチル全量に対するL体の比率が、乳酸エチル全量に対するD体の比率より1%以上高くても良く、乳酸エチル全量に対するD体の比率が、乳酸エチル全量に対するL体の比率より1%以上高くても良い。
上記溶剤における乳酸エチルの光学純度は1%以上であるが、好ましくは20%以上であり、更に好ましくは50%以上である。
上記溶剤における乳酸エチルの光学純度の上限値は特に限定されないが、100%以下、典型的には99%以下である。
上記光学純度は、キラルGC(ガスクロマトグラフィー)により測定することができる。
光学純度が1%以上の乳酸エチルとしては、市販品の乳酸エチルを用いることもでき、また、ラセミ体の乳酸エチルから酵素を用いて製造することができる。
また、細菌を用いて光学純度が高い乳酸を製造し、得られた乳酸をエチルエステル化により光学純度が1%以上の乳酸エチルを製造することもできる。
また、光学純度が1%以上の乳酸エチルにおいて、光学純度の調整方法としては、所望の光学純度を有する乳酸エチルが上市されている場合には、市販品をそのまま使用してもよく、所望の光学純度を有する乳酸エチルを上記の手法等で製造してもよい。また、特定の光学純度を有する乳酸エチルと、これとは光学純度が異なる乳酸エチル(例えば光学純度が0の乳酸エチルのラセミ体など)とを混合して、所望の光学純度を有する乳酸エチルを得てもよい。
上記溶剤は、光学純度が1%以上の乳酸エチルのみを含んでも良く、光学純度が1%以上の乳酸エチルに加えて、乳酸エチル以外の溶剤(以下、「その他の溶剤」とも言う)を含んでも良い。
その他の溶剤としては、例えば、アルキレングリコールモノアルキルエーテルカルボキシレート、アルキレングリコールモノアルキルエーテル、乳酸エチル以外の乳酸アルキルエステル、アルコキシプロピオン酸アルキル、環状ラクトン(好ましくは炭素数4~10)、環を有してもよいモノケトン化合物(好ましくは炭素数4~10)、アルキレンカーボネート、アルコキシ酢酸アルキル、及びピルビン酸アルキル等の有機溶剤が挙げられる。
上記光学純度が1%以上の乳酸エチルの含有量は、上記溶剤の全量に対して、10質量%以上が好ましく、20質量%以上がより好ましく、50質量%以上が更に好ましい。
<界面活性剤>
本発明の組成物は、界面活性剤を更に含んでいてもよい。界面活性剤を含有することにより、波長が250nm以下、特には220nm以下の露光光源を使用した場合に、良好な感度及び解像度で、密着性及び現像欠陥のより少ないパターンを形成することが可能となる。
界面活性剤としては、フッ素系及び/又はシリコン系界面活性剤を用いることが特に好ましい。
フッ素系及び/又はシリコン系界面活性剤としては、例えば、米国特許出願公開第2008/0248425号明細書の[0276]に記載の界面活性剤が挙げられる。また、エフトップEF301若しくはEF303(新秋田化成(株)製);フロラードFC430、431若しくは4430(住友スリーエム(株)製);メガファックF171、F173、F176、F189、F113、F110、F177、F120若しくはR08(DIC(株)製);サーフロンS-382、SC101、102、103、104、105若しくは106(旭硝子(株)製);トロイゾルS-366(トロイケミカル(株)製);GF-300若しくはGF-150(東亜合成化学(株)製)、サーフロンS-393(セイミケミカル(株)製);エフトップEF121、EF122A、EF122B、RF122C、EF125M、EF135M、EF351、EF352、EF801、EF802若しくはEF601((株)ジェムコ製);PF636、PF656、PF6320若しくはPF6520(OMNOVA社製);又は、FTX-204G、208G、218G、230G、204D、208D、212D、218D若しくは222D((株)ネオス製)を用いてもよい。なお、ポリシロキサンポリマーKP-341(信越化学工業(株)製)も、シリコン系界面活性剤として用いることができる。
また、界面活性剤は、上記に示すような公知のものの他に、テロメリゼーション法(テロマー法ともいわれる)又はオリゴメリゼーション法(オリゴマー法ともいわれる)により製造されたフルオロ脂肪族化合物を用いて合成してもよい。具体的には、このフルオロ脂肪族化合物から導かれたフルオロ脂肪族基を備えた重合体を、界面活性剤として用いてもよい。このフルオロ脂肪族化合物は、例えば、特開2002-90991号公報に記載された方法によって合成することができる。
また、米国特許出願公開第2008/0248425号明細書の[0280]に記載されているフッ素系及び/又はシリコン系以外の界面活性剤を使用してもよい。
これら界面活性剤は、1種類を単独で用いてもよく、2種類以上を組み合わせて用いてもよい。
本発明の組成物が界面活性剤を含んでいる場合、その含有量は、組成物の全固形分を基準として、好ましくは0.00001~2質量%、より好ましくは0.0001~2質量%、更に好ましくは0.0005~1質量%である。
<その他の添加剤>
本発明の組成物は、上記に説明した成分以外にも、カルボン酸、カルボン酸オニウム塩、Proceeding of SPIE, 2724,355 (1996)等に記載の分子量3000以下の溶解阻止化合物、染料、可塑剤、光増感剤、光吸収剤、酸化防止剤などを適宜含有することができる。
特にカルボン酸は、性能向上のために好適に用いられることもできる。カルボン酸としては、安息香酸、ナフトエ酸などの、芳香族カルボン酸が好ましい。
本発明の組成物がカルボン酸を含む場合、カルボン酸の含有量は、組成物の全固形分に対して0.01~10質量%が好ましく、より好ましくは0.01~5質量%、更に好ましくは0.01~3質量%である。
(固形分含有量)
本発明の組成物は、固形分含有量(固形分濃度)が10質量%以上であることが好ましい。これにより、本発明の組成物を用いて、厚膜の感活性光線性又は感放射線性膜を形成することが容易となる。
本発明の組成物の固形分濃度は15質量%以上であることが好ましく、20質量%以上であることが好ましい。また、組成物の塗布性確保の観点から、本発明の組成物の固形分濃度は48質量%以下であることが好ましい。
なお、固形分濃度とは、本発明の組成物の総質量に対する、溶剤を除く他の成分(感活性光線性又は感放射線性膜を構成し得る成分)の質量の質量百分率を意味する。
<調製方法>
本発明の組成物は、上記の成分を所定の有機溶剤(好ましくは上記混合溶剤)に溶解し、これをフィルター濾過した後、所定の支持体(基板)上に塗布して用いることが好ましい。
フィルター濾過に用いるフィルターのポアサイズは0.1μm以下が好ましく、0.05μm以下がより好ましく、0.03μm以下が更に好ましい。また、組成物の固形分濃度が高い場合(例えば、20質量%以上)は、フィルター濾過に用いるフィルターのポアサイズは3μm以下が好ましく、0.5μm以下がより好ましく、0.3μm以下が更に好ましい。このフィルターは、ポリテトラフロロエチレン製、ポリエチレン製、又はナイロン製のフィルターが好ましい。フィルター濾過においては、例えば日本国特許出願公開第2002-62667号明細書(特開2002-62667)に開示されるように、循環的な濾過を行ってもよく、複数種類のフィルターを直列又は並列に接続して濾過を行ってもよい。また、組成物を複数回濾過してもよい。更に、フィルター濾過の前後で、組成物に対して脱気処理等を行ってもよい。
<用途>
本発明の組成物は、活性光線又は放射線の照射により反応して性質が変化する感活性光線性又は感放射線性樹脂組成物に関する。更に詳しくは、本発明の組成物は、IC(Integrated Circuit)等の半導体製造工程、液晶若しくはサーマルヘッド等の回路基板の製造、インプリント用モールド構造体の作製、その他のフォトファブリケーション工程、又は平版印刷版、若しくは酸硬化性組成物の製造に使用される感活性光線性又は感放射線性樹脂組成物に関する。本発明において形成されるパターンは、エッチング工程、イオンインプランテーション工程、バンプ電極形成工程、再配線形成工程、及びMEMS(Micro Electro Mechanical Systems)等において使用できる。
〔感活性光線性又は感放射線性膜〕
本発明は、本発明の感活性光線又は感放射線性組成物により形成された感活性光線性又は感放射線性膜(好ましくはレジスト膜)にも関する。
本発明の感活性光線性又は感放射線性膜の膜厚は、1μm以上であることが好ましく、2μm以上であることがより好ましく、加工段数を増やす、インプラ耐性を向上させる等の目的から、3μm以上がであることが更に好ましく、4μm以上が特に好ましく、5μm以上が最も好ましい。上限は特に限定されないが、例えば100μm以下である。
なお、後述するように、本発明の組成物からパターンを形成することができる。
形成されるパターンの膜厚は、1μm以上であることが好ましく、2μm以上であることがより好ましく、加工段数を増やす、インプラ耐性を向上させる等の目的から、3μm以上が更に好ましく、4μm以上が特に好ましく、5μm以上が最も好ましい。上限は特に限定されないが、例えば100μm以下である。
本発明によれば、厚膜の感活性光線性感放射線性膜から断面形状のアスペクト比(パターンの線幅又はパターンのスペース幅とパターンの膜厚の比、即ち、(パターンの膜厚)/(パターンの線幅又はパターンのスペース幅))が非常に高いパターンを形成する場合において、断面形状の矩形性に非常に優れたパターンを形成することができる。
アスペクト比は、特に限定されないが、5以上が好ましく、10以上がより好ましく、15以上が更に好ましい。
上限は特に限定されないが、例えば30以下である。
ところで、アスペクト比が非常に高い(例えば、5以上)パターンを形成しようとする場合、そのパターン形成における露光領域の断面形状のアスペクト比が非常に高い(例えば、5以上)ことが好ましい。
ポジ型パターンが得られる場合は、断面形状のアスペクト比は、パターンのスペース幅とパターンの膜厚の比、即ち、(パターンの膜厚)/(パターンのスペース幅)となる。
一方で、ネガ型パターンが得られる場合は、断面形状のアスペクト比は、パターンの線幅とパターンの膜厚の比、即ち、(パターンの膜厚)/(パターンの線幅)となる。
〔パターン形成方法〕
本発明は上記感活性光線性又は感放射線性樹脂組成物を用いたパターン形成方法にも関する。以下、本発明のパターン形成方法について説明する。
本発明のパターン形成方法は、
(i)支持体上に、上述した感活性光線性又は感放射線性樹脂組成物によって、感活性光線性又は感放射線性膜を形成する工程(レジスト膜形成工程)、
(ii)上記感活性光線性又は感放射線性膜に活性光線又は放射線を照射する工程(露光工程)、及び、
(iii)上記活性光線又は放射線が照射された感活性光線性又は感放射線性膜を、現像液を用いて現像する工程(現像工程)、を有する。
本発明のパターン形成方法は、上記(i)~(iii)の工程を含んでいれば特に限定されず、更に下記の工程を有していてもよい。
本発明のパターン形成方法は、(ii)露光工程における露光方法が、液浸露光であってもよい。
本発明のパターン形成方法は、(ii)露光工程の前に、(iv)前加熱(PB:PreBake)工程を含むことが好ましい。
本発明のパターン形成方法は、(ii)露光工程の後、かつ、(iii)現像工程の前に、(v)露光後加熱(PEB:Post Exposure Bake)工程を含むことが好ましい。
本発明のパターン形成方法は、(ii)露光工程を、複数回含んでいてもよい。
本発明のパターン形成方法は、(iv)前加熱工程を、複数回含んでいてもよい。
本発明のパターン形成方法は、(v)露光後加熱工程を、複数回含んでいてもよい。
本発明のパターン形成方法において、上述した(i)成膜工程、(ii)露光工程、及び(iii)現像工程は、一般的に知られている方法により行うことができる。
また、必要に応じて、レジスト膜と支持体との間にレジスト下層膜(例えば、SOG(SpinOn Glass)、SOC(SpinOn Carbon)、及び、反射防止膜)を形成してもよい。レジスト下層膜を構成する材料としては、公知の有機系又は無機系の材料を適宜用いることができる。
レジスト膜の上層に、保護膜(トップコート)を形成してもよい。保護膜としては、公知の材料を適宜用いることができる。例えば、米国特許出願公開第2007/0178407号明細書、米国特許出願公開第2008/0085466号明細書、米国特許出願公開第2007/0275326号明細書、米国特許出願公開第2016/0299432号明細書、米国特許出願公開第2013/0244438号明細書、国際特許出願公開第2016/157988A号明細書に開示された保護膜形成用組成物を好適に使用することができる。
上述したレジスト膜の上層に保護膜を形成してもよい。
支持体は、特に限定されるものではなく、IC等の半導体の製造工程、又は液晶若しくはサーマルヘッド等の回路基板の製造工程のほか、その他のフォトファブリケーションのリソグラフィー工程等で一般的に用いられる基板を用いることができる。支持体の具体例としては、シリコン、SiO、及びSiN等の無機基板等が挙げられる。
加熱温度は、(iv)前加熱工程において、140~200℃が好ましく、140~180℃がより好ましく、140~160℃が更に好ましく、140~150℃が最も好ましい。
加熱温度は、(v)露光後加熱工程において、70~150℃が好ましく、70~130℃がより好ましく、80~130℃が更に好ましく、80~120℃が最も好ましい。
加熱時間は、(iv)前加熱工程及び(v)露光後加熱工程のいずれにおいても、30~300秒が好ましく、30~180秒がより好ましく、30~90秒が更に好ましい。
加熱は、露光装置及び現像装置に備わっている手段で行うことができ、ホットプレート等を用いて行ってもよい。
露光工程に用いられる光源波長に制限はないが、例えば、赤外光、可視光、紫外光、遠紫外光、極紫外光(EUV)、X線、及び電子線等が挙げられる。これらの中でも遠紫外光が好ましく、その波長は250nm以下が好ましく、220nm以下がより好ましく、1~200nmが更に好ましい。具体的には、KrFエキシマレーザー(248nm)、ArFエキシマレーザー(193nm)、Fエキシマレーザー(157nm)、X線、EUV(13nm)、及び、電子線等であり、KrFエキシマレーザー、ArFエキシマレーザー、EUV又は電子線が好ましく、KrFエキシマレーザーがより好ましい。
(iii)現像工程においては、アルカリ現像液であっても、有機溶剤を含有する現像液(以下、有機系現像液ともいう)であってもよいが、アルカリ現像液であることが好ましい。
アルカリ現像液としては、通常、テトラメチルアンモニウムヒドロキシドに代表される4級アンモニウム塩が用いられるが、これ以外にも無機アルカリ、1~3級アミン、アルコールアミン、及び環状アミン等のアルカリ水溶液も使用可能である。
更に、上記アルカリ現像液は、アルコール類、及び/又は界面活性剤を適当量含有していてもよい。アルカリ現像液のアルカリ濃度は、通常0.1~20質量%である。アルカリ現像液のpHは、通常10~15である。
アルカリ現像液を用いて現像を行う時間は、通常10~300秒である。
アルカリ現像液のアルカリ濃度、pH、及び現像時間は、形成するパターンに応じて、適宜調整できる。
有機系現像液は、ケトン系溶剤、エステル系溶剤、アルコール系溶剤、アミド系溶剤、エーテル系溶剤、及び炭化水素系溶剤からなる群より選択される少なくとも1種の有機溶剤を含有する現像液であるのが好ましい。
ケトン系溶剤としては、例えば、1-オクタノン、2-オクタノン、1-ノナノン、2-ノナノン、アセトン、2-ヘプタノン(メチルアミルケトン)、4-ヘプタノン、1-ヘキサノン、2-ヘキサノン、ジイソブチルケトン、シクロヘキサノン、メチルシクロヘキサノン、フェニルアセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、アセチルアセトン、アセトニルアセトン、イオノン、ジアセトニルアルコール、アセチルカービノール、アセトフェノン、メチルナフチルケトン、イソホロン、及びプロピレンカーボネート等が挙げられる。
エステル系溶剤としては、例えば、酢酸メチル、酢酸ブチル、酢酸エチル、酢酸イソプロピル、酢酸ペンチル、酢酸イソペンチル、酢酸アミル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノブチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、エチル-3-エトキシプロピオネート、3-メトキシブチルアセテート、3-メチル-3-メトキシブチルアセテート、蟻酸メチル、蟻酸エチル、蟻酸ブチル、蟻酸プロピル、乳酸エチル、乳酸ブチル、乳酸プロピル、ブタン酸ブチル、2-ヒドロキシイソ酪酸メチル、酢酸イソアミル、イソ酪酸イソブチル、及びプロピオン酸ブチル等が挙げられる。
アルコール系溶剤、アミド系溶剤、エーテル系溶剤、及び炭化水素系溶剤としては、米国特許出願公開2016/0070167A1号明細書の段落[0715]~[0718]に開示された溶剤を使用できる。
上記の溶剤は、複数混合してもよいし、上記以外の溶剤又は水と混合してもよい。現像液全体としての含水率は、50質量%未満が好ましく、20質量%未満がより好ましく、10質量%未満が更に好ましく、実質的に水分を含まないことが特に好ましい。
有機系現像液に対する有機溶剤の含有量は、現像液の全量に対して、50~100質量%が好ましく、80~100質量%がより好ましく、90~100質量%が更に好ましく、95~100質量%が特に好ましい。
有機系現像液は、必要に応じて公知の界面活性剤を適当量含有していてもよい。
界面活性剤の含有量は現像液の全量に対して、通常0.001~5質量%であり、0.005~2質量%が好ましく、0.01~0.5質量%がより好ましい。
有機系現像液は、上述した酸拡散制御剤を含有していてもよい。
現像方法としては、例えば、現像液が満たされた槽中に基板を一定時間浸漬する方法(ディップ法)、基板表面に現像液を表面張力によって盛り上げて一定時間静止する方法(パドル法)、基板表面に現像液を噴霧する方法(スプレー法)、又は一定速度で回転している基板上に一定速度で現像液吐出ノズルをスキャンしながら現像液を吐出しつづける方法(ダイナミックディスペンス法)等が挙げられる。
アルカリ水溶液を用いて現像を行う工程(アルカリ現像工程)、及び有機溶剤を含有する現像液を用いて現像する工程(有機溶剤現像工程)を組み合わせてもよい。これにより、中間的な露光強度の領域のみを溶解させずにパターン形成が行えるので、より微細なパターンを形成できる。
(iii)現像工程の後に、リンス液を用いて洗浄する工程(リンス工程)を含むことが好ましい。
アルカリ現像液を用いた現像工程の後のリンス工程に用いるリンス液は、例えば純水を使用できる。純水は、界面活性剤を適当量含有していてもよい。この場合、現像工程又はリンス工程の後に、パターン上に付着している現像液又はリンス液を超臨界流体により除去する処理を追加してもよい。更に、リンス処理又は超臨界流体による処理の後、パターン中に残存する水分を除去するために加熱処理を行ってもよい。
有機溶剤を含有する現像液を用いた現像工程の後のリンス工程に用いるリンス液は、パターンを溶解しないものであれば特に制限はなく、一般的な有機溶剤を含有する溶液を使用できる。リンス液としては、炭化水素系溶剤、ケトン系溶剤、エステル系溶剤、アルコール系溶剤、アミド系溶剤、及びエーテル系溶剤からなる群より選択される少なくとも1種の有機溶剤を含有するリンス液を用いることが好ましい。
炭化水素系溶剤、ケトン系溶剤、エステル系溶剤、アルコール系溶剤、アミド系溶剤、及びエーテル系溶剤の具体例としては、有機溶剤を含有する現像液において説明したものと同様のものが挙げられる。
この場合のリンス工程に用いるリンス液としては、1価アルコールを含有するリンス液がより好ましい。
リンス工程で用いられる1価アルコールとしては、直鎖状、分岐鎖状、又は環状の1価アルコールが挙げられる。具体的には、1-ブタノール、2-ブタノール、3-メチル-1-ブタノール、tert―ブチルアルコール、1-ペンタノール、2-ペンタノール、1-ヘキサノール、4-メチル-2-ペンタノール、1-ヘプタノール、1-オクタノール、2-ヘキサノール、シクロペンタノール、2-ヘプタノール、2-オクタノール、3-ヘキサノール、3-ヘプタノール、3-オクタノール、4-オクタノール、及びメチルイソブチルカルビノールが挙げられる。炭素数5以上の1価アルコールとしては、1-ヘキサノール、2-ヘキサノール、4-メチル-2-ペンタノール、1-ペンタノール、3-メチル-1-ブタノール、及びメチルイソブチルカルビノール等が挙げられる。
各成分は、複数混合してもよいし、上記以外の有機溶剤と混合して使用してもよい。
リンス液中の含水率は、10質量%以下が好ましく、5質量%以下がより好ましく、3質量%以下が更に好ましい。含水率を10質量%以下とすることで、良好な現像特性が得られる。
リンス液は、界面活性剤を適当量含有していてもよい。
リンス工程においては、有機系現像液を用いる現像を行った基板を、有機溶剤を含有するリンス液を用いて洗浄処理する。洗浄処理の方法は特に限定されないが、例えば、一定速度で回転している基板上にリンス液を吐出しつづける方法(回転塗布法)、リンス液が満たされた槽中に基板を一定時間浸漬する方法(ディップ法)、又は基板表面にリンス液を噴霧する方法(スプレー法)等が挙げられる。中でも、回転塗布法で洗浄処理を行い、洗浄後に基板を2,000~4,000rpm(revolution per minute)の回転数で回転させ、リンス液を基板上から除去することが好ましい。また、リンス工程の後に加熱工程(Post Bake)を含むことも好ましい。この加熱工程によりパターン間及びパターン内部に残留した現像液及びリンス液が除去される。リンス工程の後の加熱工程において、加熱温度は通常40~160℃であり、70~120℃が好ましく、70~95℃がより好ましく、加熱時間は通常10秒~3分であり、30秒~90秒が好ましい。
本発明の感活性光線性又は感放射線性樹脂組成物、及び、本発明のパターン形成方法において使用される各種材料(例えば、レジスト溶剤、現像液、リンス液、反射防止膜形成用組成物、又はトップコート形成用組成物等)は、金属成分、異性体、及び残存モノマー等の不純物を含まないことが好ましい。上記の各種材料に含まれるこれらの不純物の含有量としては、1ppm以下が好ましく、100ppt(parts per trillion)以下がより好ましく、10ppt以下が更に好ましく、実質的に含まないこと(測定装置の検出限界以下であること)が特に好ましい。
上記各種材料から金属等の不純物を除去する方法としては、例えば、フィルターを用いた濾過が挙げられる。フィルター孔径としては、ポアサイズ10nm以下が好ましく、5nm以下がより好ましく、3nm以下が更に好ましい。フィルターの材質としては、ポリテトラフロロエチレン製、ポリエチレン製、又はナイロン製のフィルターが好ましい。フィルターは、有機溶剤であらかじめ洗浄したものを用いてもよい。フィルター濾過工程では、複数種類のフィルターを直列又は並列に接続して用いてもよい。複数種類のフィルターを使用する場合は、孔径及び/又は材質が異なるフィルターを組み合わせて使用してもよい。また、各種材料を複数回濾過してもよく、複数回濾過する工程が循環濾過工程であってもよい。フィルターとしては、日本国特許出願公開第2016-201426号明細書(特開2016-201426)に開示されるような溶出物が低減されたものが好ましい。
フィルター濾過のほか、吸着材による不純物の除去を行ってもよく、フィルター濾過と吸着材を組み合わせて使用してもよい。吸着材としては、公知の吸着材を用いることができ、例えば、シリカゲル若しくはゼオライト等の無機系吸着材、又は活性炭等の有機系吸着材を使用できる。金属吸着剤としては、例えば、日本国特許出願公開第2016-206500号明細書(特開2016-206500)に開示されるものが挙げられる。
また、上記各種材料に含まれる金属等の不純物を低減する方法としては、各種材料を構成する原料として金属含有量が少ない原料を選択する、各種材料を構成する原料に対してフィルター濾過を行う、又は装置内をテフロン(登録商標)でライニングする等してコンタミネーションを可能な限り抑制した条件下で蒸留を行う等の方法が挙げられる。各種材料を構成する原料に対して行うフィルター濾過における好ましい条件は、上記した条件と同様である。
上記の各種材料は、不純物の混入を防止するために、米国特許出願公開第2015/0227049号明細書、日本国特許出願公開第2015-123351号明細書(特開2015-123351)等に記載された容器に保存されることが好ましい。
本発明のパターン形成方法により形成されるパターンに、パターンの表面荒れを改善する方法を適用してもよい。パターンの表面荒れを改善する方法としては、例えば、米国特許出願公開第2015/0104957号明細書に開示された、水素を含有するガスのプラズマによってパターンを処理する方法が挙げられる。その他にも、日本国特許出願公開第2004-235468号明細書(特開2004-235468)、米国特許出願公開第2010/0020297号明細書、Proc. of SPIE Vol.8328 83280N-1“EUV Resist Curing Technique for LWR Reduction and Etch Selectivity Enhancement”に記載されるような公知の方法を適用してもよい。
また、上記の方法によって形成されたパターンは、例えば日本国特許出願公開第1991-270227号明細書(特開平3-270227)及び米国特許出願公開第2013/0209941号明細書に開示されたスペーサープロセスの芯材(Core)として使用できる。
[収容容器]
現像液及びリンス液に使用し得る有機溶剤(「有機系処理液」ともいう)としては、収容部を有する、化学増幅型又は非化学増幅型レジスト膜のパターニング用有機系処理液の収容容器に保存されたものを使用することが好ましい。この収容容器としては、例えば、収容部の、有機系処理液に接触する内壁が、ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂、及び、ポリエチレン-ポリプロピレン樹脂のいずれとも異なる樹脂、又は、防錆・金属溶出防止処理が施された金属から形成された、レジスト膜のパターニング用有機系処理液の収容容器であることが好ましい。この収容容器の上記収容部に、レジスト膜のパターニング用有機系処理液として使用される予定の有機溶剤を収容し、レジスト膜のパターニング時において、上記収容部から排出したものを使用することができる。
上記の収容容器が、更に、上記の収容部を密閉するためのシール部を有している場合、このシール部も、ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂、及び、ポリエチレン-ポリプロピレン樹脂からなる群より選択される1種以上の樹脂とは異なる樹脂、又は、防錆・金属溶出防止処理が施された金属から形成されることが好ましい。
ここで、シール部とは、収容部と外気とを遮断可能な部材を意味し、パッキンやOリングなどを好適に挙げることができる。
ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂、及び、ポリエチレン-ポリプロピレン樹脂からなる群より選択される1種以上の樹脂とは異なる樹脂は、パーフルオロ樹脂であることが好ましい。
パーフルオロ樹脂としては、四フッ化エチレン樹脂(PTFE)、四フッ化エチレン・パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体(PFA)、四フッ化エチレン-六フッ化プロピレン共重合樹脂(FEP)、四フッ化エチレン-エチレン共重合体樹脂(ETFE)、三フッ化塩化エチレン-エチレン共重合樹脂(ECTFE)、フッ化ビニリデン樹脂(PVDF)、三フッ化塩化エチレン共重合樹脂(PCTFE)、フッ化ビニル樹脂(PVF)等を挙げることができる。
特に好ましいパーフルオロ樹脂としては、四フッ化エチレン樹脂、四フッ化エチレン・パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体、四フッ化エチレン-六フッ化プロピレン共重合樹脂を挙げることができる。
防錆・金属溶出防止処理が施された金属における金属としては、炭素鋼、合金鋼、ニッケルクロム鋼、ニッケルクロムモリブデン鋼、クロム鋼、クロムモリブデン鋼、マンガン鋼等を挙げることができる。
防錆・金属溶出防止処理としては、皮膜技術を適用することが好ましい。
皮膜技術には、金属被覆(各種メッキ),無機被覆(各種化成処理,ガラス,コンクリート,セラミックスなど)および有機被覆(さび止め油,塗料,ゴム,プラスチックス)の3種に大別されている。
好ましい皮膜技術としては、錆止め油、錆止め剤、腐食抑制剤、キレート化合物、可剥性プラスチック、ライニング剤による表面処理が挙げられる。
中でも、各種のクロム酸塩、亜硝酸塩、ケイ酸塩、燐酸塩、オレイン酸、ダイマー酸、ナフテン酸等のカルボン酸、カルボン酸金属石鹸、スルホン酸塩、アミン塩、エステル(高級脂肪酸のグリセリンエステルや燐酸エステル)などの腐食抑制剤、エチレンジアンテトラ酢酸、グルコン酸、ニトリロトリ酢酸、ヒドロキシエチルエチオレンジアミン三作酸、ジエチレントリアミン五作酸などのキレート化合物及びフッ素樹脂ライニングが好ましい。特に好ましいのは、燐酸塩処理とフッ素樹脂ライニングである。
また、直接的な被覆処理と比較して、直接、錆を防ぐわけではないが、被覆処理による防錆期間の延長につながる処理方法として、防錆処理にかかる前の段階である「前処理」を採用することも好ましい。
このような前処理の具体例としては、金属表面に存在する塩化物や硫酸塩などの種々の腐食因子を、洗浄や研磨によって除去する処理を好適に挙げることができる。
収容容器としては具体的に以下を挙げることができる。
・Entegris社製 FluoroPurePFA複合ドラム(接液内面;PFA樹脂ライニング)
・JFE社製 鋼製ドラム缶(接液内面;燐酸亜鉛皮膜)
また、本発明において用いることができる収容容器としては、特開平11-021393号公報[0013]~[0030]、及び特開平10-45961号公報[0012]~[0024]に記載の容器も挙げることができる。
本発明の有機系処理液は、静電気の帯電、引き続き生じる静電気放電に伴う薬液配管や各種パーツ(フィルター、O-リング、チューブなど)の故障を防止する為、導電性の化合物を添加しても良い。導電性の化合物としては特に制限されないが、例えば、メタノールが挙げられる。添加良は特に制限されないが、好ましい現像特性を維持する観点で、10質量%以下が好ましく、更に好ましくは、5質量%以下である。薬液配管の部材に関しては、SUS(ステンレス鋼)、或いは帯電防止処理の施されたポリエチレン、ポリプロピレン、又はフッ素樹脂(ポリテトラフルオロエチレン、パーフロオロアルコキシ樹脂など)で被膜された各種配管を用いることができる。フィルターやO-リングに関しても同様に、帯電防止処理の施されたポリエチレン、ポリプロピレン、又はフッ素樹脂(ポリテトラフルオロエチレン、パーフロオロアルコキシ樹脂など)を用いることができる。
なお、一般的に、現像液およびリンス液は、使用後に配管を通して廃液タンクに収容される。その際、リンス液として炭化水素系溶媒を使用すると、現像液中に溶解したレジストが析出し、ウェハ背面や、配管側面などに付着することを防ぐために、再度、レジストが溶解する溶媒を配管に通す方法がある。配管に通す方法としては、リンス液での洗浄後に基板の背面や側面などをレジストが溶解する溶媒で洗浄して流す方法や、レジストに接触させずにレジストが溶解する溶剤を配管を通るように流す方法が挙げられる。
配管に通す溶剤としては、レジストを溶解し得るものであれば特に限定されず、例えば上述した有機溶媒が挙げられ、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(PGMEA)、プロピレングリコールモノエチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノプロピルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノブチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテルプロピオネート、プロピレングリコールモノエチルエーテルプロピオネート、エチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテル(PGME)、プロピレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノプロピルエーテル、プロピレングリコールモノブチルエーテル、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、2-ヘプタノン、乳酸エチル、1-プロパノール、アセトン、等を用いることができる。中でも好ましくは、PGMEA、PGME、シクロヘキサノンを用いることができる。
[フォトマスク]
また、本発明は、上記したパターン形成方法を用いて作製されたフォトマスクにも関する。上記したパターン形成方法を用いて作成されたフォトマスクは、ArFエキシマレーザー等で用いられる光透過型マスクであっても、EUVを光源とする反射系リソグラフィーで用いられる光反射型マスクであってもよい。
〔電子デバイスの製造方法〕
また、本発明は、上記したパターン形成方法を含む、電子デバイスの製造方法にも関する。本発明の電子デバイスの製造方法により製造された電子デバイスは、電気電子機器(例えば、家電、OA(Office Automation)関連機器、メディア関連機器、光学用機器、及び通信機器等)に、好適に搭載される。
以下に実施例に基づいて本発明を更に詳細に説明する。以下の実施例に示す材料、使用量、割合、処理内容、及び処理手順等は、本発明の趣旨を逸脱しない限り適宜変更することができる。したがって、本発明の範囲は以下に示す実施例により限定的に解釈されるべきものではない。
<酸拡散制御剤>
使用した酸拡散制御剤の構造を以下に示す。また、酸拡散制御剤の分子量とともに、酸拡散制御剤のハンセン溶解度パラメーター(SP値)についても記載する。
酸拡散制御剤のハンセン溶解度パラメーター(HSP)は、ハンセン溶解度パラメーター計算ソフト;HSPiP バージョン4.1.07(Hansen-Solubility.com)を用いて算出した。
酸拡散制御剤を2種以上有する場合、各酸拡散制御剤のHSPを混合比(質量比)に基づいて加重平均することによって、酸拡散制御剤のHSPを求める。
Figure 0007335963000070
Figure 0007335963000071
Figure 0007335963000072
Figure 0007335963000073
Figure 0007335963000074
<樹脂(A)>
使用した樹脂A-1~A-9について以下に示す。各樹脂の繰り返し単位の構造及びその含有量(モル比率)、重量平均分子量(Mw)、分散度(Mw/Mn)、及び樹脂(A)のハンセン溶解度パラメーター(SP値)も示す。
なお、樹脂(A)の重量平均分子量(Mw)及び分散度(Mw/Mn)はGPC(キャリア:テトラヒドロフラン(THF))により測定した(ポリスチレン換算量である)。また、繰り返し単位の含有量は、13C-NMR(nuclear magnetic resonance)により測定した。
酸の作用により現像液に対する溶解性が変化する樹脂(樹脂(A))を構成する各繰り返し単位のハンセン溶解度パラメーターをハンセン溶解度パラメーター計算ソフト;HSPiP バージョン4.1.07(Hansen-Solubility.com)を用いて算出し、各繰り返し単位のハンセン溶解度パラメーターを二乗した値に各繰り返し単位の重量比を掛け合わせたものの、平方根をとることで算出した。なお、各繰り返し単位のハンセン溶解度パラメーターは各繰り返し単位に対応するモノマーのハンセン溶解度パラメーターであり、上記計算ソフトで求める。具体的には、上記式(A)に基づいて求めた。
本発明の組成物が2種類以上の酸の作用により現像液に対する溶解性が変化する樹脂を含有する場合、各酸の作用により現像液に対する溶解性が変化する樹脂のHSP(A)を混合比(質量比)に基づいて加重平均することによって、酸の作用により現像液に対する溶解性が変化する樹脂のHSP(A)を求める。
Figure 0007335963000075
Figure 0007335963000076
<光酸発生剤>
使用した光酸発生剤の構造を以下に示す。Buは、n-ブチル基を表し、tBuは、t-ブチル基を表す。
Figure 0007335963000077
Figure 0007335963000078
使用した界面活性剤を下記に示す。
Figure 0007335963000079
E-2: メガファックR-41(DIC(株)製)
E-3: KF-53(信越化学工業(株)製)
E-4: メガファックF176(DIC(株)製)
E-5: メガファックR08(DIC(株)製)
使用した添加剤を下記に示す。
Figure 0007335963000080
使用した溶剤を下記に示す。
S-1:プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(PGMEA)
S-2:プロピレングリコールモノメチルエーテル(PGME)
S-3:乳酸エチル
S-4:3-エトキシプロピオン酸エチル
S-5:2-ヘプタノン
S-6:3-メトキシプロピオン酸メチル
S-7:酢酸3-メトキシブチル
S-8:酢酸ブチル
<感活性光線性又は感放射線性樹脂組成物の調製>
下記表3に示した各成分を、下記表3に記載した含有量(質量%)で混合し、下記表3に記載の固形分濃度(質量%)の溶液を得た。次いで、得られた溶液を、3μmのポアサイズを有するポリエチレンフィルターで濾過することにより、感活性光線性又は感放射線性樹脂組成物(レジスト組成物)res-1~res-36、res-R1~res-R4を調製した。なお、レジスト組成物において、固形分とは、溶剤以外の全ての成分を意味する。得られたレジスト組成物を、実施例及び比較例で使用した。
下記表3において、溶剤以外の各成分の含有量(質量%)は、全固形分に対する含有比率を意味する。下記表3には用いた溶剤の使用量(質量部)を記載した。
下記表3において、CR-1、CR-2、及びCR-3は、本発明の酸拡散制御剤ではないが、便宜的に、酸拡散制御剤の欄に記載している。
また、表3において、樹脂(A)に対する酸拡散制御剤の質量比率も記載する。なお、SP値の単位は、「MPa0.5」である。
Figure 0007335963000081
Figure 0007335963000082
〔パターン形成及び各種評価〕
<パターン形成(実施例1~24、26~36、比較例1~4)(KrF-ポジ)>
東京エレクトロン(株)製スピンコーター「ACT-8」を用いて、ヘキサメチルジシラザン処理を施したSi基板(Advanced Materials Technology社製(以下、「基板」ともいう。))上に、反射防止層を設けることなく、上記で調製したレジスト組成物を塗布し、150℃にて60秒間加熱乾燥(PB)を行い、膜厚5μmのレジスト膜を形成した。
このレジスト膜に対し、縮小投影露光及びポジ型現像をした後のスペースパターンが250nm、ピッチが1000nmとなるような、ラインアンドスペースパターンを有するマスクを介して、KrFエキシマレーザースキャナー(ASML製、PAS5500/850C波長248nm)を用いて、NA=0.68、σ=0.60の露光条件でパターン露光した。照射後に130℃、60秒ベーク(PEB)し、2.38質量%テトラメチルアンモニウムハイドロオキサイド(TMAH)水溶液を用いて60秒間浸漬した後、30秒間、水でリンスして乾燥して、スペースサイズ250nm、ピッチ1000nmのラインアンドスペースパターンを形成した。
上記マスクを介して露光し、形成されるラインアンドスペースパターンが、パターンの高さ5μmを100%とした時に10%にあたる高さ0.5μm位置でのスペースサイズが250nm、ピッチが1000nmとなるような露光量を最適露光量とし、この最適露光量を感度(mJ/cm)とした。スペースパターン幅の測定は走査型電子顕微鏡(SEM:Scanning Electron Microscope)(株式会社日立ハイテクノロジーズ製9380II)社製9380I)を用いた。
上記手順により、基板と基板表面に形成されたパターンとを有する評価用パターンウェハ(I)を得た。
<パターン形成(実施例25)(KrF-ネガ)>
東京エレクトロン(株)製スピンコーター「ACT-8」を用いて、ヘキサメチルジシラザン処理を施したSi基板(Advanced Materials Technology社製(以下、「基板」ともいう。))上に、反射防止層を設けることなく、上記で調製したレジスト組成物を塗布し、150℃にて60秒間加熱乾燥(PB)を行い、膜厚5μmのレジスト膜を形成した。
このレジスト膜に対し、縮小投影露光及びネガ型現像をした後のスペースパターンが250nm、ピッチが1000nmとなるような、ラインアンドスペースパターンを有するマスクを介して、KrFエキシマレーザースキャナー(ASML製、PAS5500/850C波長248nm)を用いて、NA=0.68、σ=0.60の露光条件でパターン露光した。照射後に130℃、60秒ベーク(PEB)し、酢酸ブチルを用いて60秒間浸漬した後、30秒間、4-メチル-2-ペンタノールでリンスして乾燥して、ラインアンドスペースパターンを形成した。
上記マスクを介して露光し、形成されるラインアンドスペースパターンが、パターンの高さ5μmを100%とした時に10%にあたる高さ0.5μm位置でのスペースサイズが250nm、ピッチが1000nmとなるような露光量を最適露光量とし、この最適露光量を感度(mJ/cm)とした。スペースパターン幅の測定は走査型電子顕微鏡(SEM:Scanning Electron Microscope)(株式会社日立ハイテクノロジーズ製9380II)社製9380I)を用いた。
上記手順により、基板と基板表面に形成されたパターンとを有する評価用パターンウェハ(II)を得た。
<性能評価>
得られた評価用パターンウェハ用いて、パターンの性能評価を実施した。
(パターンの断面形状の評価)
上記評価用パターンウェハ(I)、(II)の各々の製造の際に、レジスト膜厚を高さ方向の90%に相当する4.5μm位置でのスペースサイズも同時に測定し、高さ90%位置での線幅と、高さ10%位置(上記の高さ0.5μm位置に相当)での線幅の差分((高さ10%位置での線幅)-(高さ90%位置での線幅))の絶対値をCD-Biasとして定義した。
CD-Biasの値が大きくなるほど、形状はトップ部が開いた形状又は底部が開いた形状になり、CD-Biasの値が小さくなるほど、形状は矩形となる。
CD-Biasの値は、以下の指標を用いて評価した。A、B、Cであれば、実用上問題がない。
A:50nm未満
B:50nm以上100nm未満
C:100nm以上150nm未満
D:150nm以上
得られた結果を表4に示す。また、酸拡散制御剤のハンセン溶解度パラメーターと上記樹脂のハンセン溶解度パラメーターの差の絶対値(△SP値)(MPa0.5)も記載する。
Figure 0007335963000083
Figure 0007335963000084
表4の結果から、実施例のレジスト組成物は、厚膜のレジスト膜の形成に用いられた場合において、パターンの断面形状の矩形性に優れることが分かった。
本発明によれば、厚膜の感活性光線性感放射線性膜から断面形状のアスペクト比が非常に高い(例えば、5以上)パターンを形成する場合においても、断面形状の矩形性に非常に優れたパターンを形成可能な感活性光線性又は感放射線性樹脂組成物、上記感活性光線性又は感放射線性樹脂組成物により形成される感活性光線性又は感放射線性膜、上記感活性光線性又は感放射線性樹脂組成物を用いたパターン形成方法、及び電子デバイスの製造方法を提供することができる。
本発明を詳細にまた特定の実施態様を参照して説明したが、本発明の精神と範囲を逸脱することなく様々な変更や修正を加えることができることは当業者にとって明らかである。
本出願は、2019年8月29日出願の日本特許出願(特願2019-157442)に基づくものであり、その内容はここに参照として取り込まれる。

Claims (12)

  1. 酸の作用により現像液に対する溶解性が変化する樹脂、
    活性光線又は放射線の照射により酸を発生する化合物、及び
    酸拡散制御剤を含む感活性光線性又は感放射線性樹脂組成物であって、
    前記組成物が、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテル、乳酸エチル、3-エトキシプロピオン酸エチル、2-ヘプタノン、3-メトキシプロピオン酸メチル、酢酸3-メトキシブチル、及び酢酸ブチルからなる群より選ばれる少なくとも1種の溶剤を含み、
    前記酸拡散制御剤の分子量が200以上であり、前記酸拡散制御剤が下記一般式(Q-1)又は下記一般式(Q-2)で表される化合物であり、
    前記酸拡散制御剤のハンセン溶解度パラメーターが15~30MPa0.5であり、
    前記酸拡散制御剤のハンセン溶解度パラメーターと前記樹脂のハンセン溶解度パラメーターの差の絶対値が、5MPa0.5以下である、感活性光線性又は感放射線性樹脂組成物。
    Figure 0007335963000085

    一般式(Q-1)中、
    ~Rは、それぞれ独立に水素原子又は置換基を表す。R~Rが結合して環構造(但し、芳香環構造を除く)を形成してもよい。
    Xqは、-NR-、-S-、又は-O-を表す。Rは水素原子又は1価の有機基を表す。
    一般式(Q-2)中、
    、Rは、それぞれ独立に置換基を表す。
    Xrは、-NRN1-、-S-、又は-O-を表す。RN1は水素原子又は1価の有機基を表す。
    pは0~4の整数を示す。また、pが2以上の場合、複数のRが結合して環構造を形成してもよい。
  2. 前記樹脂が、アセタール構造を有さない請求項1に記載の感活性光線性又は感放射線性樹脂組成物。
  3. ~R、及びRの少なくとも一つが、下記一般式(Q-3)で表される基である、請求項1又は2に記載の感活性光線性又は感放射線性樹脂組成物。
    Figure 0007335963000086

    一般式(Q-3)中、Rは、水素原子又は置換基を表す。
    mは、1以上の整数を表す。
    pは、1以上の整数を表す。ただし、mとpは異なる整数を表す。
    m1は、1以上の整数を表す。
    p1は、0以上の整数を表す。
    *は、結合手を表す。
  4. ~R、RN1の少なくとも一つが、下記一般式(Q-3)で表される基である、請求項1又は2に記載の感活性光線性又は感放射線性樹脂組成物。
    Figure 0007335963000087

    一般式(Q-3)中、Rは、水素原子又は置換基を表す。
    mは、1以上の整数を表す。
    pは、1以上の整数を表す。ただし、mとpは異なる整数を表す。
    m1は、1以上の整数を表す。
    p1は、0以上の整数を表す。
    *は、結合手を表す。
  5. ~R、及びRの少なくとも一つが、下記一般式(Q-4)又は下記一般式(Q-5)で表される基である、請求項1~3のいずれか1項に記載の感活性光線性又は感放射線性樹脂組成物。
    Figure 0007335963000088

    一般式(Q-4)中、
    は、水素原子又は置換基を表す。
    nは、1以上の整数を表す。
    *は、結合手を表す。
    一般式(Q-5)中、
    は、水素原子又は置換基を表す。
    n1は、0以上の整数を表す。
    n2は、1以上の整数を表す。
    *は、結合手を表す。
  6. ~R、RN1の少なくとも一つが、下記一般式(Q-4)又は下記一般式(Q-5)で表される基である、請求項1~2、4のいずれか1項に記載の感活性光線性又は感放射線性樹脂組成物。
    Figure 0007335963000089

    一般式(Q-4)中、
    は、水素原子又は置換基を表す。
    nは、1以上の整数を表す。
    *は、結合手を表す。
    一般式(Q-5)中、
    は、水素原子又は置換基を表す。
    n1は、0以上の整数を表す。
    n2は、1以上の整数を表す。
    *は、結合手を表す。
  7. 以下の式で表される、前記樹脂に対する前記酸拡散制御剤の質量比率が、0.1以下である、請求項1~6のいずれか1項に記載の感活性光線性又は感放射線性樹脂組成物。
    質量比率=(酸拡散制御剤の含有量)/(樹脂の含有量)
  8. 前記活性光線又は放射線の照射により酸を発生する化合物の含有量が、前記組成物の全固形分を基準として、20質量%未満である、請求項1~7のいずれか1項に記載の感活性光線性又は感放射線性樹脂組成物。
  9. 前記組成物の固形分濃度が10質量%以上である、請求項1~8のいずれか1項に記載の感活性光線性又は感放射線性樹脂組成物。
  10. 前記酸拡散制御剤のハンセン溶解度パラメーターが18MPa0.5以上22MPa0.5以下である、請求項1~9のいずれか1項に記載の感活性光線性又は感放射線性樹脂組成物。
  11. 支持体上に、請求項1~10のいずれか1項に記載の感活性光線性又は感放射線性樹脂組成物によって、感活性光線性又は感放射線性膜を形成する工程、
    前記感活性光線性又は感放射線性膜に活性光線又は放射線を照射する工程、及び、
    前記活性光線又は放射線が照射された感活性光線性又は感放射線性膜を、現像液を用いて現像する工程、を有するパターン形成方法。
  12. 請求項11に記載のパターン形成方法を含む電子デバイスの製造方法。
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