JP7335652B2 - 標的システム - Google Patents
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Description
本開示は、標的システムに関し、特に、より正確に着弾位置や着弾速度などを検出することができるようにした標的システムに関する。
従来より、プラスチック製の弾丸(以下、BB弾(Ball Bullet)と称する)を低圧の圧縮空気などで発射する機構を備えたトイガンであるソフトエアガンを使用して、BB弾が標的に着弾したときの着弾位置の精密さを競う射的競技が行われている。例えば、標的が描かれた標的紙にBB弾を貫通させることにより、標的紙上の着弾位置を特定することができる。
また、特許文献1には、画像表示装置の画面を覆うように配置された透明シートの四隅にマイクロホンを取り付け、その透明シートに弾が当たったときの衝撃音をマイクロホンによって検出することで、透明シート上の着弾位置を算出する装置が開示されている。また、この装置では、弾を回収する機構が備えられていない。
しかしながら、上述したような特許文献1に開示されている装置は、透明シートの四隅に取り付けられたマイクロホンが、玩具の銃から発射される際の発射音を検知してしまい、着弾位置を正確に計算することは困難であった。即ち、この装置は、マイクロホンが透明シートの表側に配置される構成となっており、発射音の検知を防止するためにマイクロホンを密閉するような構成とすることができないため、マイクロホンが発射音を検知し易い構成となっていた。このため、玩具の銃から発射される際の発射音と、透明シートに弾が当たったときの衝撃音とを区別して処理することが困難であることより、発射音に基づいて着弾を検出するという誤動作が発生することがあった。
本開示は、このような状況に鑑みてなされたものであり、発射音などに基づく誤動作を防止して、より正確に着弾位置や着弾速度などを検出することができるようにするものである。
本開示の一側面の標的システムは、飛翔物体の標的となる標的板と、前記飛翔物体の反発を抑制する軟質の部材により形成される前記標的板が前記飛翔物体の衝突を撓むことによって受け止める際に、開口に張った膜のような振動が可能となるように前記標的板を固定する筐体と、少なくとも前記標的板および前記筐体により囲まれる空間に配置され、前記飛翔物体が前記標的板に衝突する際に発生する衝撃音を検出する検出部とを有する標的装置を備え、前記空間は、少なくとも前方の開口部が前記標的板により覆われており、前記飛翔物体を発射するときの標的となる標的画像とともに、その標的画像に対する前記飛翔物体の着弾位置に応じた前記飛翔物体の着弾を表す画像がプロジェクタにより前記標的板に投影される。
本開示の一側面においては、標的装置は、飛翔物体の標的となる標的板と、飛翔物体の反発を抑制する軟質の部材により形成される標的板が飛翔物体の衝突を撓むことによって受け止める際に、開口に張った膜のような振動が可能となるように標的板を固定する筐体と、少なくとも標的板および筐体により囲まれる空間に配置され、飛翔物体が標的板に衝突する際に発生する衝撃音を検出する検出部とを有しており、その空間は、少なくとも前方の開口部が標的板により覆われている。そして、飛翔物体を発射するときの標的となる標的画像とともに、その標的画像に対する飛翔物体の着弾位置に応じた飛翔物体の着弾を表す画像がプロジェクタにより標的板に投影される。
本開示の一側面によれば、発射音などに基づく誤動作を防止して、より正確に着弾位置や着弾速度などを検出することができる。
以下、本技術を適用した具体的な実施の形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。
図1は、本技術を適用した標的装置の一実施の形態の構成例を示す斜視図である。
図1に示されている標的装置11は、ソフトエアガンにより標的装置11に向かって発射されたBB弾12を回収する回収機構、および、BB弾12が着弾した際の着弾位置や着弾弾速などを検出するための検出信号を出力する機能を備える。図1では、BB弾12の経路が一点鎖線の矢印で示されており、標的装置11に対してBB弾12が向かってくる側(図1の右下側)を、標的装置11の前面側とし、その反対側(図1の左上側)を標的装置11の背面側とする。
また、標的装置11の背面側には、BB弾12を発射するときの標的となる標的紙が配置される他、例えば、標的紙と同様の標的画像を表示する表示部(例えば、後述する図9の外部モニタ112や、図10のモニタ部122など)が配置される。そして、標的装置11越しに標的に向かって発射されたBB弾12は、標的装置11の内部で反射したり転がったりした後、標的装置11を正面から見て左方に配置されている回収ケース13に回収される。
図1に示すように、標的装置11は、筐体21、前面板22、背面板23、標的板24、捕集板25、排出口ノズル26、音響センサ27-1乃至27-4、および信号処理基板28を備えて構成される。
筐体21は、上面板21a、右側面板21b、左側面板21c、および下面板21dを組み付けることで上下面および左右側面が構成され、前面および背面が開口した矩形の筒形状となっている。上面板21aは、筐体21の上側の面を構成する板状の部材であり、右側面板21bは、筐体21の右側の面を構成する板状の部材である。また、左側面板21cは、筐体21の左側の面を構成する板状の部材であり、下面板21dは、筐体21の下側の面を構成する板状の部材である。このように、筐体21が、上面板21a、右側面板21b、左側面板21c、および下面板21dを組み付ける構造とすることで、例えば、標的装置11を省スペースで保管することができる。
前面板22は、筐体21の前方の開口部における下辺近傍を覆うように、筐体21に取り付けられる板状の部材である。
背面板23は、筐体21の後方の開口部の全面を覆うように、筐体21に取り付けられる透明な板状の部材である。
標的板24は、例えば、標的装置11の背面側に配置される標的に向かってソフトエアガンにより発射されたBB弾12の衝突を受け止める透明な板状の部材である。例えば、標的板24には、衝撃に対して所定の可塑性を有する材質(復元の遅い材質)が用いられ、具体的には、厚み2.0mmの軟質の塩化ビニル樹脂が用いられる。このような材質を用いることで、標的板24がBB弾12の衝突を受け止める際、ゆっくりと元の形状に戻るため、BB弾12の反発を抑制することができる。そして、標的板24は、全体的に平坦となるように、即ち、撓みが生じないように、上下端および左右端が筐体21の内面に対して固定される。また、標的板24は、筐体21の上側から下側に向かうに従い正面側から背面側に向かう傾斜角度(例えば、図2のAに示すように垂直に対して前方に10°程度の傾斜角度)を有するように、筐体21の内側に配置される。
捕集板25は、筐体21の内部であって、標的板24の前面側の空間であり、かつ、筐体21の前方の開口部の下端(前面板22の上端面)よりも下方の空間に配置され、全体的に、背面側に向かって下るとともに、左面側に向かって下るような傾斜を有するように固定される。
排出口ノズル26は、筐体21の左側面板21cに形成される排出口(後述する図2のAの排出口34)を覆うように、左側面板21cの外面に取り付けられ、排出口を通過したBB弾12を回収ケース13に向かって案内する。
音響センサ27-1乃至27-4は、例えば、BB弾12が標的板24に着弾したときに、標的板24が振動することなどによって発生する衝撃音を検出し、検出した衝撃音の振幅の変化に従った音響信号を信号処理基板28に供給する。また、音響センサ27-1乃至27-4は、図1に示すように、標的板24の背面側の近傍であって、それぞれ標的板24の四隅に近い位置となるように、筐体21の内側に固定される。例えば、音響センサ27-1は、左側面板21cの内側を向く面の上端近傍に配置され、音響センサ27-2は、右側面板21bの内側を向く面の上端近傍に配置される。また、音響センサ27-3は、左側面板21cの内側を向く面の下端近傍に配置され、音響センサ27-4は、右側面板21bの内側を向く面の下端近傍に配置される。
ここで、音響センサ27-1乃至27-4が配置される標的板24の背面側に設けられる空間29は、標的板24により前面側が閉鎖され、筐体21により上下および左右が閉鎖され、背面板23により背面側が閉鎖されている。即ち、音響センサ27-1乃至27-4は、筐体21、背面板23、および標的板24によって外部から閉鎖されている閉鎖的な空間29に配置される。
信号処理基板28は、下面板21dと捕集板25との間の空間に配置される。そして、信号処理基板28は、BB弾12が標的板24に着弾したときに音響センサ27-1乃至27-4から出力される音響信号に対して信号処理を施し、BB弾12が標的板24に着弾した際の着弾位置や着弾弾速などを検出するための検出信号を出力する。
例えば、信号処理基板28は、音響信号を増幅して全波整流し、その振幅のピーク値を保持したピークホールド信号、および、ピークホールド信号を積分して得られる信号が基準値以上となったタイミングを示す衝撃音検出時刻信号を、検出信号として出力する。そして、信号処理基板28は、後述する図9のパーソナルコンピュータ111、または、図10のノート型パーソナルコンピュータ121に、検出信号を供給する。
以上のように標的装置11は構成されており、標的装置11に向かって発射されたBB弾12は、図1において一点鎖線で示されるように、標的板24に衝突する。この際、標的板24は、上述したように衝撃に対して所定の可塑性を有しており、標的板24の衝撃力に応じた面積が着弾点を中心に極浅いすり鉢状に凹むことによってBB弾12の衝突による衝撃が吸収される。以下、適宜、標的板24および捕集板25の衝撃吸収材33(後述する図2参照)が、このように凹むことを撓むと称する。このように標的板24により衝突による衝撃が吸収されたBB弾12は、捕集板25に向かって落下し、捕集板25の傾斜に従って標的装置11内で背面側および左面側に向かって転がった後、左側面板21cの排出口から排出されて、排出口ノズル26を通過して回収ケース13に回収される。
このように、標的装置11は、標的板24がBB弾12の衝撃を吸収することができ、捕集板25に向かってBB弾12が落下するように構成されているので、BB弾12が筐体21の外部に飛び出ることなく、確実に、BB弾12を回収することができる。
また、標的装置11は、上述したように、音響センサ27-1乃至27-4が閉鎖的な空間29に配置されており、閉鎖的な空間29における音響環境は定常的なものとなる。このため、標的装置11では、音響センサ27-1乃至27-4が、より再現性の高い衝撃音を検出すること、即ち、BB弾12の着弾位置および着弾速度が同一であれば、ほぼ同一の衝撃音を検出することができる。
つまり、標的装置11は、閉鎖的な空間29に対して、後方の開口部が背面板23により覆われ、かつ、前方の開口部が標的板24により覆われる構成となっている。これにより標的装置11では、開口に張った膜の振動によって音を出す楽器(例えば、太鼓やティンパニなど)のように、BB弾12が標的板24に衝突する際の振動によって再現性のある衝撃音が発生する。
従って、例えば、音響センサ27-1乃至27-4は、標的板24の所定箇所にBB弾12が着弾するとき、同一の着弾条件(着弾位置、着弾速度、および弾重量)に対して常に、同一の衝撃音を検出することができる。これにより、音響センサ27-1乃至27-4から出力される音響信号に基づいて、BB弾12が着弾した標的板24上の位置である着弾位置や、標的板24に着弾した際のBB弾12の速度である着弾弾速(または、標的板24に着弾した際のBB弾12のエネルギー)などを、非常に正確に検出することができる。
さらに、標的装置11では、音響センサ27-1乃至27-4が閉鎖的な空間29に配置されることにより、例えば、ソフトエアガンによりBB弾12を発射する際の発射音が音響センサ27-1乃至27-4により検出されることを回避することができる。例えば、音響センサ27-1乃至27-4が開放的な空間に配置されている場合には、音響センサ27-1乃至27-4によりソフトエアガンの発射音が検出されてしまう。この場合、音響センサ27-1乃至27-4から出力される音響信号から発射音を除外する処理が必要であり、着弾位置や着弾速度などを正確に算出することは困難であった。
これに対し、標的装置11は、音響センサ27-1乃至27-4がソフトエアガンの発射音を検出し難い構成となっていることより、音響センサ27-1乃至27-4から出力される音響信号から発射音を除外する処理が不要になる。従って、音響センサ27-1乃至27-4から出力される音響信号に基づいて、BB弾12の着弾位置や着弾速度などを正確に算出することができる。
また、標的装置11は、楽器の膜のように機能する標的板24を用いることで、例えば、より剛性の高いポリカーボネート板やアクリル板などを標的板に利用した構成と比較して、音響センサ27-1乃至27-4が正確に衝撃音を検出することができる。即ち、ポリカーボネート板やアクリル板などを標的板に利用した構成では、標的板自身を伝達する振動が検出されることがあり、衝撃音の正確な検出が困難になると想定される。これに対し、標的装置11では、標的板24自身を伝達する振動は減衰してしまうため、音響センサ27-1乃至27-4は、標的板24の振動によって空気中を伝達する衝撃音を正確に検出することができる。
さらに、標的装置11は、より剛性の高いポリカーボネート板やアクリル板などを標的板に利用した構成と比較して衝撃音を低減させる(静かになる)ことができるという効果を奏することができる。ところで、衝撃音が低減することによって発射音が相対的に大きくなる結果、発射音に基づく誤動作が増加することが懸念される。しかしながら、標的装置11は、上述したように、音響センサ27-1乃至27-4が閉鎖的な空間29に配置される構成となっていることより、発射音などの外乱を遮断する効果に加えて、衝撃音が閉鎖的な空間29に閉じ込められることによって3倍に上昇した音圧を計測する効果を得ることができる。これにより、例えば、発射音などの外乱に基づく誤動作を防止する外乱遮断効果について、特許文献1に開示されている装置と比較して概算すると、音響センサ27-1乃至27-4が配置される空間を閉鎖的にすることで3倍程度、その閉鎖的な空間に衝撃音を閉じ込めることによる音圧上昇で3倍程度の外乱遮断効果があると想定され、これらを総合的にみて9倍程度の外乱遮断効果を期待することができる。また、音響センサ27-1乃至27-4が閉鎖的な空間29に配置される構成とすることで、BB弾12が音響センサ27-1乃至27-4に衝突することがなく、そのような衝突によって音響センサ27-1乃至27-4が故障することも回避される。
また、標的装置11では、閉鎖的な空間29に音響センサ27-1乃至27-4を配置することで、ソフトエアガンの発射音以外にも、周囲の音による外乱を排除することができる。例えば、筐体21から背面板23を取り外して、開放的な空間に音響センサ27-1乃至27-4を配置した構成と比較して、閉鎖的な空間29に音響センサ27-1乃至27-4を配置した構成では、音響センサ27-1乃至27-4が衝撃音を測定する測定感度が向上(例えば、約3倍程度)することになる。これにより、例えば、ゲインを低下させることに伴ってノイズ耐性が向上することや、着弾位置との距離による音響センサ27-1乃至27-4ごとの検出値の差が縮小することになり、音響信号に基づく測定精度を向上させることができる。なお、空間29は、外部からの音をある程度遮断することができる程度であればよく、外部と完全に遮断された密閉空間とは異なり、多少の隙間があってもよい。もちろん、空間29が外部から完全に遮断されている状態であれば、より好適である。
ところで、標的板24で反射した後に捕集板25に向かって落下するBB弾12は、捕集板25において、ある程度の跳ね返りがあることが想定されるので、捕集板25は、BB弾12の跳ね返りを抑制するように構成されている。
図2を参照して、捕集板25の構造について説明する。
図2には、標的装置11の下部を拡大した概略的な構成例が示されている。図2のAは、標的装置11を左側から見た構成例であり、図2のBは、標的装置11を前側から見た構成例であり、図2のCは、標的装置11を右側から見た構成例である。
図2のAおよび図2のCに示すように、捕集板25は、前面板22から背面板23に向かって傾斜角度6.0°で下る傾斜部分を有し、捕集板25の後端近傍の所定範囲(例えば、後端から10mmの範囲)の部分は、前後に向かう傾斜のない形状となっている。つまり、捕集板25は、前方側の傾斜部分が、後端近傍の所定範囲の部分に対して角度6.0°となるような曲げ加工が施されて形成される。また、図2のBに示すように、捕集板25は、右側面板21bから左側面板21cに向かって傾斜角度2.7°で下る傾斜となるように、筐体21に固定される。このように、捕集板25は、後端近傍に前後に向かう傾斜のない部分を設けることによって、右側面板21bから左側面板21cに向かって、BB弾12が良好に転がることができるように形成される。
そして、捕集板25は、このような曲げ加工が施された板部材31に、材質の異なる衝撃吸収材32および33が積層されて構成される。例えば、板部材31には、厚み0.6mmの鉄製の薄板が用いられ、衝撃吸収材32には、厚み3.0mmのウレタン製のスポンジが用いられ、衝撃吸収材33には、厚み2.0mmの軟質の塩化ビニル樹脂が用いられる。このように、例えば、板部材31および衝撃吸収材33の間に、ウレタン製のスポンジが用いられる衝撃吸収材32を配置することで、板部材31に対して衝撃吸収材33が浮いている状態となり、BB弾12が落下してくるエネルギーを、衝撃吸収材33が撓むことで吸収することができる。具体的には、厚み2.0mmの軟質の塩化ビニル樹脂(硬度♯570)の衝撃吸収材33に0.3J程度までのBB弾12が着弾したときの衝撃吸収材33に発生する凹みは3mm以内であり、標的板24への衝突でエネルギーが減衰したBB弾12のエネルギーが0.3J以下になることは確実であるから、捕集板25がBB弾12の衝撃を十分に吸収することができることが確認された。
即ち、このような積層構造とすることで、捕集板25は、標的板24で反射して落下するBB弾12のエネルギーを吸収し、BB弾12の跳ね返りを抑制することができるので、BB弾12は、捕集板25の傾斜に従って転がることになる。また、捕集板25が背面側に向かって下るように傾斜していることにより、BB弾12が捕集板25で跳ね返ったとしても、BB弾12は背面側に向かうことになり、筐体21の前方の開口部から外部に飛び出ることは防止される。なお、標的板24での衝突でエネルギーが減衰したBB弾12にも回転は残ることより、その回転によってBB弾12が斜め下に跳んだり、捕集板25の上を激しく転げまわったりすることがある。これに対し、捕集板25の周囲は、右側面板21b、左側面板21c、前面板22、および標的板24により全て囲まれていることより、捕集板25の上を転げまわるBB弾12が前方の開口部から外に飛び出すことは防止される。
従って、標的装置11は、筐体21内の限られた空間で、BB弾12を確実に回収することができる。これにより、標的装置11を、小型化することができ、製造コストの低減を図ることができる。例えば、標的装置11の筐体21は、正面側から見て、高さ25.3cmおよび幅38.6cm程度のサイズで設計される。また、標的装置11は、前面板22の高さを4.3cm程度と低く抑えることができ、正面から見て前面板22により隠れる領域において、BB弾12を捕集することができるとともに、信号処理基板28を配置することができる。このようにBB弾12の捕集に要する領域(捕集領域)の高さを低く抑えることにより、例えば、図10を参照して後述するようなノート型パーソナルコンピュータ121を利用した使用方法を可能とすることができる。
また、図2のAおよび図2のBに示すように、左側面板21cには、BB弾12を外部に排出するための開口部34が形成されている。開口部34は、捕集板25の厚みを考慮して開口され、捕集板25の後端部分の左端が下面板21dに接した状態で、開口部34の下側の端部が捕集板25の厚みだけ下面板21dから高くなる位置に形成される。また、開口部34の背面側の端部は、標的板24の正面側を向く面と略一致するように形成される。
このように開口部34は形成されており、捕集板25の傾斜に従って、背面側および左面側に向かって転がったBB弾12は、開口部34から排出され、図1を参照して上述したように、排出口ノズル26を通過して回収ケース13に回収される。
なお、図2のAおよび図2のCに示すように、板部材31の前面側の端部は、下方に向かって曲げられる曲げ加工が施されており、この曲げ形状によって板部材31に撓みが発生することが防止されている。また、図2のAに示すように、板部材31の左下後端は、下面板21dに当接するように配置され、標的板24は、垂直に対して傾斜角度10°となるように固定される。
次に、図3乃至図6を参照して、標的装置11の詳細な構成について説明する。
図3には、標的装置11の正面図が示されており、図4には、標的装置11の左側面図が示されており、図5には、標的装置11の右側面図が示されており、図6には、図5におけるA-A矢視図が示されている。
図3乃至図6に示すように、標的装置11では、標的板24の四辺を固定する固定部材41a乃至41dを用いて、筐体21の内部に標的板24が平面的に取り付けられる。
固定部材41aは、上面板21aの内面に左右方向に延在するように取り付けられ、固定部材41bは、右側面板21bの内面に標的板24の傾斜角度に沿って延在するように取り付けられる。固定部材41cは、左側面板21cの内面に標的板24の傾斜角度に沿って延在するように取り付けられ、固定部材41dは、下面板21dの内面に左右方向に延在するように取り付けられる。
例えば、図5に示すように、固定部材41bには2箇所のネジ穴が形成されており、固定部材41bは、右側面板21bの外側からネジを利用して、右側面板21bの内面に対して取り付けられる。なお、図5に示すように、右側面板21bには、信号処理基板28と接続される信号ケーブルを接続するためのコネクタ43が配置されている。
また、図4に示すように、固定部材41cには2箇所のネジ穴が形成されており、固定部材41cは、左側面板21cの外側からネジを利用して、左側面板21cの内面に対して取り付けられる。同様に、固定部材41aおよび41dにもネジ穴(図示せず)が形成されており、それぞれ上面板21aおよび下面板21dの外側からネジを利用して取り付けられる。
そして、標的板24の上辺は、固定部材41aに対して筐体21の前方からネジを利用して固定される。同様に、標的板24の右辺は、固定部材41bに対して筐体21の前方からネジを利用して固定され、標的板24の左辺は、固定部材41cに対して筐体21の前方からネジを利用して固定される。また、標的板24の下辺は、固定部材41dに対して筐体21の後方からネジを利用して固定される。
また、標的装置11では、上面板21aの前端部分が内側に向かって傾斜面を形成するように折り曲げられることによって、上面板21aの前端に折り曲げ部42aが形成される。上面板21aの折り曲げ部42aは、例えば、標的装置11を前方から見たときに固定部材41aが隠れるように形成される。
同様に、右側面板21bの前端部分が内側に向かって傾斜面を形成するように折り曲げられることによって、前方から見て固定部材41bが隠れるように、右側面板21bの前端に折り曲げ部42bが形成される。また、左側面板21cの前端部分が内側に向かって傾斜面を形成するように折り曲げられることによって、前方から見て固定部材41cが隠れるように、左側面板21cの前端に折り曲げ部42cが形成される。
このように、標的装置11では、筐体21の前方の開口部の上側および左右側に、折り曲げ部42a乃至42cが形成されることによって、固定部材41a乃至41cに対して直接的にBB弾12が衝突することを回避することができる。また、折り曲げ部42a乃至42cは、筐体21の内側に向かって傾斜面を形成しており、折り曲げ部42a乃至42cにBB弾12が衝突した場合、筐体21の内部に向かって反射することになり、そのBB弾12を標的装置11において回収することができる。
以上のように、標的装置11は、標的板24の四辺が固定部材41a乃至41dにより固定され、筐体21内の空間に標的板24が張られるように配置されることで、標的板24にBB弾12が衝突すると、標的板24が撓むような構造となっている。これにより、標的装置11では、BB弾12の運動エネルギーを標的板24により有効に吸収することができる。さらに、上述したように、標的板24の前方側の下方に捕集板25を配置することで、標的装置11は、最小のスペースで確実にBB弾12を回収することができる。
次に、図7を参照して、音響センサ27について説明する。
図7に示すように、音響センサ27は、基板51の一端に固定されており、基板51の他端には、信号処理基板28に音響信号を伝送するケーブル(図示せず)を接続するためのコネクタ52が固定されている。そして、基板51は、スペーサ54を介して筐体21に対し、2個のネジ55-1および55-2と2個のナット56-1および56-2とを利用して固定される。
また、音響センサ27に対して、所定の厚みの膜により構成される感度調整用減衰層53が取り付けられている。音響センサ27に感度調整用減衰層53を取り付けることにより、音響センサ27に届く衝撃音を減衰することで、音響センサ27の感度を調整することができる。
従って、標的装置11では、BB弾12が標的板24に着弾する際に発生する衝撃音の音量が、音響センサ27により検出可能な音量の範囲内となるように、感度調整用減衰層53の厚みを調整することにより、音響センサ27が、衝撃音を確実に検出することができる。例えば、標的板24の中央にBB弾12が着弾したときの衝撃音の平均レベルが、音響センサ27により検出可能な音量の範囲内の中央になるように、感度調整用減衰層53の厚みを調整することで、より良好に衝撃音を検出することができる。これにより、標的装置11では、音響センサ27により確実に衝撃音を検出することができ、着弾位置や着弾速度などをより正確に検出可能な検出信号を出力することができる。
次に、図8を参照して、排出口ノズル26について説明する。
排出口ノズル26は、例えば、厚み0.6mmの鉄板が折り曲げられて形成され、左側面板21cに形成される開口部34と同程度の内寸法を有する矩形の筒形状に形成される。また、排出口ノズル26が左側面板21cに取り付けられる側の端部は、排出口ノズル26の長さ方向に向かって開口しており、反対側となる端部には、先端に向かうに従い下方に傾斜する傾斜面26aが形成され、その端部側の排出口ノズル26の下面に開口部26bが形成されている。
従って、左側面板21cの開口部34を通過したBB弾12は、図8の一点鎖線で示されるように、筒形状の排出口ノズル26内を通過して、傾斜面26aにより下方に向かって反射して開口部26bから排出される。
このように、標的装置11では、排出口ノズル26を設けることにより、例えば、開口部34を通過するまでにBB弾12の勢いが十分に減速されていなくても、傾斜面26aに反射して下方に向かうので、回収ケース13によりBB弾12を確実に回収することができる。
次に、図9は、標的装置11を備えた標的システムの第1の構成例を示す図である。
図9に示すように、標的システム101は、パーソナルコンピュータ111と同様の画面を表示する外部モニタ112が、標的装置11の背面側に配置されて構成される。また、標的装置11の右側面板21bに配置されるコネクタ43に信号ケーブル113が接続可能とされ、信号ケーブル113を介して、パーソナルコンピュータ111および標的装置11が接続される。また、パーソナルコンピュータ111および外部モニタ112は、映像ケーブル114を介して接続される。
また、標的装置11には、標的装置11の配置位置を高さ方向に調整可能なアジャスタを有する複数の脚部116が取り付けられており、標的装置11は、複数の脚部116により、外部モニタ112の画面の位置に合わせた高さとなるように配置される。このように、標的装置11は、複数の脚部116により、外部モニタ112が載置される平面から持ち上げられた状態とされており、標的装置11の下方の空間にBB弾12が入り込まないように保護する保護板117が標的装置11の前方の脚部116に取り付けられる。
そして、外部モニタ112には、BB弾12を発射するときの標的となる標的画像115が表示され、透明な標的板24および背面板23を介して、標的装置11の正面側から標的画像115が視認可能とされている。
なお、図9の表示例では、外部モニタ112には、標的画像115の右側に操作や得点などの射撃結果が掲載されるスコアボードが表示されており、ユーザは、射撃中に視線を大きく外すことなく射撃結果を確認することができ、例えば、パーソナルコンピュータ111で射撃結果を確認するよりも利便性を向上させることができる。なお、例えば、外部モニタ112においてユーザが不必要なものを非表示にしたり、標的画像115を外部モニタ112の全体に表示することができる。また、小型の標的画像が移動して表示されるムービングターゲットでは、できるだけ広い範囲を標的画像が動き回るように、外部モニタ112の画面全体を標的画像が移動する方が好適である。
また、標的システム101では、標的装置11の音響センサ27-1乃至27-4から出力される音響信号が信号処理基板28により信号処理が施されて検出信号としてパーソナルコンピュータ111に供給される。パーソナルコンピュータ111は、射的用のアプリケーションソフトウェアを実行することにより、信号処理基板28から供給される検出信号に基づいた演算を行う。例えば、パーソナルコンピュータ111は、BB弾12が着弾した標的板24上の位置である着弾位置や、標的板24に着弾した際のBB弾12の速度である着弾弾速、標的板24に着弾した際のBB弾12のエネルギーなどを算出する。
例えば、パーソナルコンピュータ111は、信号処理基板28から検出信号として供給される衝撃音検出時刻信号に基づいて、BB弾が標的板24に着弾した着弾位置を算出する。また、パーソナルコンピュータ111は、信号処理基板28から検出信号として供給されるピークホールド信号に基づいて、BB弾が標的板24に着弾した際の弾速およびエネルギーを算出する。そして、パーソナルコンピュータ111は、外部モニタ112に表示される標的画像115における着弾位置に対応して、BB弾12が着弾した箇所を示す着弾マーク(図11参照)を、着弾を検出するたびに表示する。また、パーソナルコンピュータ111は、着弾位置に基づいた得点、および、BB弾12の着弾弾速やエネルギーなどを外部モニタ112の標的画像115の右側のスコアボードに表示する。また、外部モニタ112に表示されるスコアボードには、経過時間および得点だけが表示されるようにしてもよい。
このように、標的システム101では、射的を行うたびに標的画像115に着弾マークが表示されるので、ユーザは、よりリアルで臨場感のある射的を体験することができ、次の射的の照準修正を自然に行うことができる。また、標的システム101では、着弾位置に基づいた得点、および、BB弾12の着弾弾速やエネルギーなどを外部モニタ112に表示することで、よりユーザの利便性を高めることができる。なお、着弾弾速およびエネルギーのいずれか一方だけを求めて表示されるようにしてもよい。
次に、図10は、標的装置11を備えた標的システムの第2の構成例を示す図である。
図10に示すように、標的システム101Aは、ノート型パーソナルコンピュータ121のモニタ部122が標的装置11の背面側に配置され、ノート型パーソナルコンピュータ121のキーボード部123が標的装置11の下方に配置されて構成される。また、標的装置11の右側面板21bに配置されるコネクタ43に信号ケーブル(図示せず)が接続可能とされ、その信号ケーブルを介して、ノート型パーソナルコンピュータ121および標的装置11が接続される。また、標的システム101Aでは、ノート型パーソナルコンピュータ121のキーボード部123の前方に保護板117を配置することができるように、前方に延長した脚部118が用いられる。
そして、標的システム101Aにおいても、図9の標的システム101と同様に、ノート型パーソナルコンピュータ121が射的用のアプリケーションソフトウェアを実行することにより、信号処理基板28から供給される検出信号に基づいた演算を行うことができる。そして、ノート型パーソナルコンピュータ121のモニタ部122に、標的画像115における着弾位置に着弾マークを表示したり、着弾位置に基づく得点を表示したり、BB弾12の着弾弾速やエネルギーなどを表示したりすることができる。
なお、図10の表示例では、モニタ部122には、標的画像115の右側に操作や得点などの射撃結果が掲載されるスコアボードが表示されており、例えば、スコアボードを非表示にして、標的画像115をモニタ部122の全体に表示することができる。この場合、操作や得点確認に困ることを回避するために、スコアボードのみを独立したサブウインドウで表示させることができる。例えば、サブモニタや、タブレットPC、スマートフォンなどにスコアボードを表示させることで、ユーザは、手元で射撃結果を確認することができ、より利便性を向上させることができる。
また、例えば、標的画像115がモニタ部122の半分以上を占めるように大きく表示されていることより、ワイヤレスマウスなどを利用して、操作可能距離(例えば、10m程度)以内で標的システム101Aから離れた位置から操作を行うことができる。具体的には、標的画像115を左クリックする操作を行うと競技スタートとし、競技スタートした状態で標的画像115を再び左クリックすると競技停止とするような操作を採用することができる。また、標的画像115を右クリックすると標的画像115をモニタ部122の全画面表示とし、全画面表示となっている状態で標的画像115を再び右クリックすると標的画像115を縮小してスコアボードなどを表示する状態(図10に示すような表示状態)とするような操作を採用することができる。または、競技スタートを待機している状態でBB弾12が標的板24に衝突したことが検出されると、競技スタートとするような操作を採用してもよい。
以上のように構成される標的システム101および101Aにおいて、標的装置11の閉鎖的な空間29に音響センサ27-1乃至27-4が配置されている。従って、パーソナルコンピュータ111およびノート型パーソナルコンピュータ121は、標的装置11の信号処理基板28から出力される検出信号を用いて、より正確に、BB弾12の着弾位置や着弾速度などを算出することができる。
なお、本実施の形態では、標的装置11の背面側に、図9の外部モニタ112や図10のモニタ部122などが配置される構成について説明したが、例えば、位置算出や表示などの処理を信号処理基板28でも可能とし、標的装置11をパーソナルコンピュータ111などと接続しなくても単独で動作可能として、標的装置11に、液晶パネルなどの薄型の表示部を内装または固定してもよく、その表示部を、背面板23の代わりに筐体21に装着する構成とすることができる。あるいは、背面板23を設けた状態で、表示部を背面板23の背後に固定する構成としてもよい。さらに、例えば、標的装置11から背面板23を取り外して、標的装置11の背面部に接するように表示部を配置することで、その表示部を利用して閉鎖的な空間29を構成するようにしてもよい。このように、標的装置11に対する表示部の設置方法は、上述した実施の形態に限定されることはない。
また、標的装置11は、タブレット型のパーソナルコンピュータを筐体21の背面側に設置(内装または装着)する構成としてもよく、そのタブレット型のパーソナルコンピュータに、標的画像115およびスコアボードを表示することができる。この場合、例えば、図9に示したようなパーソナルコンピュータ111との接続を必要とする構成ではなく、標的装置11単独で動作可能な標的システムを実現することができる。
そして、単独で動作可能な構成とした標的装置11では、ユーザは、スマートフォンや眼鏡型端末、専用のリモートコントローラ、パーソナルコンピュータなどを使用し、無線LAN(Local Area Network)等を利用してワイヤレスで操作を行うことができる。これにより、標的装置11を利用する際、より利便性を向上させることができる。
また、標的システム101では、着弾点、着弾速度、またはエネルギーの少なくとも一つに応じて、任意の音声(例えば、着弾音、破壊音、悲鳴、楽曲など)を出力するスピーカなどの出力部を備えることができる。さらに、それらの音声は、着弾速度またはエネルギーの少なくとも一方に基づく音量で出力部から出力することができる。これにより、標的システム101を用いた射撃に対する遊戯性を高めることができる。また、着弾点に応じた得点を音声により読み上げることができる。これにより、ユーザは、標的画像115から目を離すことなく、得られた得点を知ることができる。
さらに、標的画像115を表示する表示方法についても、液晶パネルのような表示部に限定されることはない。例えば、背面板23または標的板24に不透明な板を用いたり、白色等の塗料を塗布したり、白色等の布等を貼ったり或いは背面板23の前や後に配置したりして、プロジェクタにより標的画像115を投影する方法を採用することができる。
ここで、図11を参照して、標的システム101および101Aにおける着弾位置の検出結果について説明する。
図11のAには、筐体21に背面板23が固定されて閉鎖的な空間29に音響センサ27-1乃至27-4が配置された状態における着弾位置の算出結果を表す標的画像115Aが示されている。図11のBには、筐体21から背面板23が外され、例えば、筐体21から20mm離れた位置に背面板23が配置された状態とされた開放的な空間に音響センサ27-1乃至27-4が配置された状態における着弾位置の検出結果を表す標的画像115Bが示されている。
図11のAおよび図11のBは、例えば、所定の高さを維持するようにソフトエアガンを固定し、標的装置11に対して左側から右側に順番に一定間隔(例えば、1cm間隔)で順次、標的装置11に向かってBB弾12を発射したときの着弾位置が示されている。例えば、図11のAの表示例では、1番目の着弾位置から33番目までの着弾位置が、それぞれの数字を付した丸印により着弾マークにより示されている。また、図11のBの表示例では、4番目の着弾位置から28番目までの着弾位置が、それぞれの数字を付した丸印により着弾マークにより示されている。
図11のAに示すように、閉鎖的な空間29に音響センサ27-1乃至27-4が配置された状態では、標的画像115Aの全体に亘って着弾位置は、ほぼ一定の高さで横方向に一列に並ぶ結果となっている。即ち、所定の高さを維持するように固定されたソフトエアガンからBB弾12を発射した結果、所定の誤差範囲内で、標的画像115A上の一定の高さとなるように着弾位置が算出されている。
これに対し、図11のBに示すように、筐体21および背面板23の間に20mmの隙間が設けられた開放的な空間に音響センサ27-1乃至27-4が配置された状態では、全体的に着弾位置は上下方向にバラツキがある結果となっている。特に、標的画像115Bでは、4番目から27番目までの着弾を検出することができた一方、左右端付近において着弾を正確に検出することができない結果、つまり、1番目から3番目、および29番目から33番目までの着弾を検出することができず、28番目の着弾を誤検出した結果となっている。
例えば、標的システム101および101Aでは、標的板24の全面に亘って所定の間隔(例えば、1cm間隔)でBB弾12の射撃を繰り返し、その結果得られた測定データのデータベースを参照することにより、BB弾12の着弾位置や着弾弾速を計測する演算が行われる。そのため、測定データを得るときの衝突音と、BB弾12の着弾位置や着弾弾速を計測する際の衝突音とで、再現性を確保することが重要となる。従って、標的装置11では、音響環境は定常的なものとなる閉鎖的な空間29に音響センサ27-1乃至27-4を配置する構成とすることで、より良好な再現性を得ることができる。
以上のように、標的システム101および101Aは、閉鎖的な空間29に音響センサ27-1乃至27-4を配置する構成によって、開放的な空間に音響センサ27-1乃至27-4が配置された構成と比較して、着弾位置の測定精度を向上させることができる。同様に、着弾弾速についても、閉鎖的な空間29に音響センサ27-1乃至27-4を配置する構成によって、測定精度を向上させることができる。
ところで、音速は気温に応じて変化することより、標的装置11は、温度センサを備える構成とすることができる。この構成では、信号処理基板28は、温度センサにより検出される温度情報に基づいて音速を補正し、その補正後の音速を用いて着弾点を算出することで、より高精度に着弾位置を求めることができる。ここで、標的装置11が備える温度センサを、例えば、音響センサ27-1乃至27-4と同様に閉鎖的な空間29に配置することで、空間29内の音速を正確に用いることができ、音響センサ27-1乃至27-4により検出される衝撃音に基づいた着弾位置を正確に測定することができる。また、例えば、音響センサ27-1乃至27-4の感度が温度の影響を受ける場合には、温度センサにより検出される温度情報に基づいて音響センサ27-1乃至27-4の増幅度を補正することで、着弾位置や着弾速度、エネルギーなどの測定精度のさらなる向上を図ることができる。
なお、上述した本実施の形態では、標的装置11において、標的板24が垂直に対して傾斜するように固定されているが、標的板24は必ずしも傾斜して固定されていなくてもよい。例えば、標的板24を傾斜させることで、BB弾12が下方に向かって反射され、BB弾12を回収し易くすることができる。これに対し、例えば、標的板24が垂直に固定されていても、標的板24で反射したBB弾12が外部に飛び出ることがない程度に、筐体21の前後方向の幅を十分に確保することで、BB弾12を確実に回収することができる。さらに、本実施の形態では、4個の音響センサ27-1乃至27-4を用いた構成について説明したが、音響センサ27の個数は4個に限定されるものではない。例えば、3個や6個、8個など、標的装置11のサイズまたは形状に応じて、着弾位置などを適切に測定可能な個数の音響センサ27を用いることができる。
なお、本明細書において、システムとは、複数の装置により構成される装置全体を表すものである。また、本発明の実施の形態は、上述した実施の形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において種々の変更が可能である。
例えば、本発明は、ソフトエアガンにより発射されたBB弾12の標的となる標的システム101に限定されることはなく、標的に対して飛翔物体を当てる任意の競技や遊戯、具体的には、ダーツ、吹き矢などの標的システムに適用してもよい。この場合、ダーツや吹き矢が命中した命中位置を正確に検出することができ、着弾マークの代わりにダーツや吹き矢の矢を標的画像上の命中位置に表示すればよい。また、当然ながら、BB弾に代わるダーツや吹き矢の矢が標的板24に刺さらないようにその先端を丸める必要がある。なお、このような飛翔物体を使用する場合には、捕集板25に替えて、標的板24で跳ね返った飛翔物体を捕集するためのカゴなどの捕集部を設けることができる。
さらに、標的板24の強度を増せば、本発明は、トイガン(ソフトエアガン)よりも着弾時のエネルギーが強い実銃(空気銃等)の標的システムにも適用することも可能である。
11 標的装置, 12 BB弾, 13 回収ケース, 21 筐体, 21a 上面板, 21b 右側面板, 21c 左側面板, 21d 下面板, 22 前面板, 23 背面板, 24 標的板, 25 捕集板, 26 排出口ノズル, 27 音響センサ, 28 信号処理基板, 31 板部材, 32および33 衝撃吸収材, 34 開口部
Claims (1)
- 飛翔物体の標的となる標的板と、
前記飛翔物体の反発を抑制する軟質の部材により形成される前記標的板が前記飛翔物体の衝突を撓むことによって受け止める際に、開口に張った膜のような振動が可能となるように前記標的板を固定する筐体と、
少なくとも前記標的板および前記筐体により囲まれる空間に配置され、前記飛翔物体が前記標的板に衝突する際に発生する衝撃音を検出する検出部と
を有する標的装置を備え、
前記空間は、少なくとも前方の開口部が前記標的板により覆われており、
前記飛翔物体を発射するときの標的となる標的画像とともに、その標的画像に対する前記飛翔物体の着弾位置に応じた前記飛翔物体の着弾を表す画像がプロジェクタにより前記標的板に投影される
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