以下、本発明を適用した具体的な実施の形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。
<本発明の実施の形態である標的装置の第1の構成例>
図1は、本発明の実施の形態である標的装置の第1の構成例を示す斜視図である。
この標的装置11は、ソフトエアガンを用いた射撃の標的を表示する機構、標的装置11に対して射撃されたBB弾12を回収する回収機構、BB弾12が着弾した際の着弾点や着弾速度などを検出するための検出信号を出力する機能などを備える。
図1における一点鎖線の矢印は、射撃されたBB弾12の経路の一例を示しており、標的装置11に対してBB弾12が向かってくる側(図1の右下側)を、標的装置11の前面側とし、その反対側(図1の左上側)を標的装置11の背面側とする。
標的装置11の背面側には、標的を表す画像(以下、標的画像と称する)を表示するLCD(liquid crystal display)などから成るディスプレイ30が備わる。そして、標的装置11の奥に見える標的画像に対して射撃されたBB弾12は、ディスプレイ30の前面側に設けられた透明な標的板24に当たり、標的装置11の内部で反射したり転がったりした後、標的装置11を前面側から見て左方に配置されている回収ケース13に回収される。
図示するように、標的装置11は、筐体21、前面板22、背面板23、標的板24、捕集板25、排出口ノズル26、音響センサ27−1乃至27−4、信号処理基板28、およびディスプレイ30を備える。
筐体21は、上面板21a、右側面板21b、左側面板21c、および下面板21dを組み付けることで上下面および左右側面が構成され、前面および背面が開口した矩形の筒形状となっている。上面板21aは、筐体21の上側の面を構成する板状の部材であり、右側面板21bは、筐体21の右側の面を構成する板状の部材である。また、左側面板21cは、筐体21の左側の面を構成する板状の部材であり、下面板21dは、筐体21の下側の面を構成する板状の部材である。
前面板22は、筐体21の前方の開口部における下辺近傍を覆うように、筐体21に取り付けられる板状の部材である。
背面板23は、筐体21の後方の開口部の全面を覆うように、筐体21に取り付けられる透明な板状の部材である。
標的板24は、ディスプレイ30に表示された標的画像を透過させるとともに、その標的画像に向かってソフトエアガンにより発射されたBB弾12の衝突を受け止め得る板状の部材から成り、全体的に平坦となるように、即ち、撓みが生じないように、上下端および左右端が筐体21の内面に対して前面側から固定される。例えば、標的板24には、衝撃に対して所定の可塑性を有する材質(復元速度が緩やかな材質)の部材(具体的には、厚み2.0mmの軟質の塩化ビニル樹脂など)が用いられる。このような材質の部材を用いることで、BB弾12が標的板24に着弾したとき、ゆっくりと元の形状に復元するので、標的装置11の外部に及ぶような跳弾の発生を抑止することができる。また、上述したように、標的板24を前面側から取り付けるようにしたので、ディスプレイ30および背面板23を取り外すことなく、標的板24を容易に交換することができる。
背面板23および標的板24を透明な部材で構成することにより、ユーザは、ディスプレイ30に表示される標的画像を標的装置11の前面側から視認することができる。
捕集板25は、筐体21の内部であって、標的板24の前面側の空間であり、かつ、筐体21の前方の開口部の下端(前面板22の上端面)よりも下方の空間に配置され、全体的に、背面側に向かって下るとともに、左面側に向かって下るような傾斜を有するように固定される。
排出口ノズル26は、筐体21の左側面板21cに形成されるBB弾の排出口を覆うように、左側面板21cの外面に取り付けられ、排出口から出たBB弾12を回収ケース13に導く。
音響センサ27−1乃至27−4は、例えば、BB弾12が標的板24に着弾したときに生じる衝撃音を取得し、取得した衝撃音の振幅の変化に従った音響信号を信号処理基板28に供給する。
音響センサ27−1乃至27−4の配置については、標的板24の背面側であって、それぞれ標的板24の四隅に近い位置となるように、筐体21の内側に固定される。例えば、音響センサ27−1は、左側面板21cの内側を向く面の上端近傍に配置され、音響センサ27−2は、右側面板21bの内側を向く面の上端近傍に配置される。また、音響センサ27−3は、左側面板21cの内側を向く面の下端近傍に配置され、音響センサ27−4は、右側面板21bの内側を向く面の下端近傍に配置される。以下、音響センサ27−1乃至27−4をまとめて音響センサ27と称する。なお、本実施の形態では4個の音響センサ27−1乃至27−4を用いた構成について説明したが、音響センサ27の個数は4個に限定されるものではない。例えば、3個や6個、8個など、標的装置11のサイズまたは形状に応じて、着弾位置などを適切に測定可能な個数の音響センサ27を用いることができる。
音響センサ27が配置される空間は、標的板24により前面側が閉鎖され、筐体21により上下および左右が閉鎖され、背面板23により背面側が閉鎖されている。即ち、音響センサ27は、筐体21、背面板23、および標的板24によって外部から閉鎖されている閉空間29に配置される。
ここで、閉空間29は、完全な密閉空間とされるのではなく、開口部が適切に設けられた構成となっている。このように、閉空間29が、開口部によって部分的に開口された構成とすることで、完全に開放的なものではなく、かつ、完全に閉鎖的なものとも異なって、衝撃音を適切に反響させつつ、圧力の上昇が適度に抑制されるものとなっている。従って、標的装置11では、このような略閉鎖的な閉空間29に対する空気の出入りが開口部を介して容易に行われることより、例えば、BB弾12が標的板24に衝突することによる閉空間29の内部における圧力の上昇が適度に抑制される。
これにより、例えば、BB弾12の着弾によって標的板24が撓むことで閉空間29の容積が急激に減少しても、開口部を介して適切に空気が排出されることで、BB弾12が着弾した際の閉空間29内の圧力の上昇を適度に抑制することができる。このため、音響センサ27による衝撃音の取得を安定的に行うことができる。従って、標的装置11は、音響センサ27から出力される音響信号に基づいて求められる着弾位置や着弾速度のバラツキが抑制される結果、着弾位置や着弾速度の検出精度を向上させることができる。
信号処理基板28は、下面板21dと捕集板25との間の空間に配置される。そして、信号処理基板28は、BB弾12が標的板24に着弾したときに音響センサ27から出力される音響信号に対して所定の信号処理を施すことにより、BB弾12が標的板24に着弾したときの着弾点や着弾弾速などを検出するための検出信号を出力する。
信号処理基板28による所定の信号処理では、音響信号を増幅して全波整流し、その振幅のピーク値を保持したピークホールド信号、および、ピークホールド信号を積分して得られる信号が基準値以上となったタイミングを示す衝撃音検出時刻信号を、検出信号として出力する。この検出信号は、後述する図2のPC15に供給される。
以上のように構成されている標的装置11においては、射撃されたBB弾12が標的板24に着弾し、その衝撃力に応じて標的板24の面積が着弾点を中心に極浅いすり鉢状に凹むことによってBB弾12の衝突による衝撃が吸収される。このように標的板24により着弾の衝撃が吸収されたBB弾12は、捕集板25に向かって落下し、捕集板25の傾斜に従って標的装置11内で背面側および左面側に向かって転がった後、左側面板21cの排出口から排出されて、排出口ノズル26を通過して回収ケース13に回収される。
このように、標的装置11は、標的板24がBB弾12の衝撃を吸収することができ、捕集板25に向かってBB弾12が落下するように構成されているので、筐体21の外部にまで及ぶ跳弾を生じさせることなく、確実、かつ、容易にBB弾12を回収することができる。
また、標的装置11の音響センサ27は、音響環境が定常的な閉空間29に配置されている。このため、音響センサ27は、より再現性の高い衝撃音を取得できる。換言すれば、音響センサ27は、BB弾12の着弾点および着弾速度が同一であれば、ほぼ同一の衝撃音を取得することができる。
つまり、標的装置11は、閉空間29に対して、後方の開口部が背面板23により覆われ、かつ、前方の開口部が標的板24により覆われる構成となっている。これにより標的装置11では、開口に張った膜の振動によって音を出す楽器(例えば、太鼓やティンパニなど)のように、BB弾12が標的板24に衝突する際の振動によって再現性のある衝撃音が発生する。
従って、例えば、音響センサ27では、標的板24の所定の箇所にBB弾12が着弾するとき、同一の着弾条件(着弾位置、着弾速度、および弾重量)に対して、常に同一の衝撃音が取得される。これにより、音響センサ27から出力される音響信号に基づいて、BB弾12が着弾した標的板24上の位置である着弾点や、標的板24に着弾した際のBB弾12の速度である着弾弾速や、標的板24に着弾した際のBB弾12のエネルギを高い精度で検出することができる。
さらに、音響センサ27が閉空間29に配置されることにより、例えば、ソフトエアガンからBB弾12が撃ち出されたときの発射音が音響センサ27により取得されることを回避することができる。これにより、音響センサ27から出力される音響信号から、発射音の成分を除去する処理が不要になるので、BB弾12の着弾点などをその分だけ速やかに演算できる。また、着弾点などの演算精度を高めることができる。
<標的システムの構成例>
次に、図2を参照して、標的装置11を用いた標的システムの構成例について説明する。
図2に示すように、標的システム14は、標的装置11およびPC(Personal Computer)15により構成される。
ユーザは、PC15を手元に設置し、標的装置11の信号処理基板28とPC15とを信号ケーブル16により接続し、ディスプレイ30とPC15とを映像ケーブル17により接続する。なお、例えば、標的装置11およびPC15、並びに、ディスプレイ30およびPC15は、ワイヤレス通信により接続されるように構成してもよい。
そして、ユーザは、PC15を操作して、PC15の表示部に操作画面(例えば、後述する図3)を表示させ、ディスプレイ30に標的画像(例えば、後述する図9乃至図13)を表示させる。その後、ユーザは、ソフトエアガンの銃身18を標的装置11に向け、銃身18に沿って可動可能に固定されている照準器19を覗き込んで、ディスプレイ30に表示される標的画像に対して照準を合わせて射撃を行うことができる。
ここで、上述したように、銃身18の軸線と照準器19の光軸とのパララックスや、距離によって異なるBB弾の落下量などに応じて、照準器19により狙った位置と、BB弾12が着弾する位置とに照準誤差が発生することになる。例えば、20〜30mに照準を調整したソフトエアガンを用いて、5m程度の距離に設置された標的装置11に対して射的を行っても、狙った位置にBB弾12を着弾させることはできない。
そこで、標的システム14は、BB弾12が標的板24に着弾することにより検出される検出信号に基づいて求められる着弾位置に対して、ターゲットパネル51に表示させる着弾マークの表示位置を補正する照準補正処理を行うことができる。これにより、標的システム14は、20〜30mに照準を調整したソフトエアガンを用いて照準器19の調整を行うことなく、容易に、5m程度の距離に設置された標的装置11の狙った位置に着弾マークを表示させることができる。
さらに、標的システム14は、BB弾12が標的板24に着弾したことを検出した検出タイミングから、その着弾位置に応じた着弾マークを表示する表示タイミングまでの時間を遅延させる着弾遅延処理を行うことができる。これにより、標的システム14は、例えば、標的装置11を5m程度の距離に設置したときに、BB弾12が15〜25mを飛ぶ時間だけ着弾マークの表示を遅延させることで、BB弾12が20〜30mを飛んで着弾したときと同様の感覚をユーザに与えることができる。
このような照準補正処理および着弾遅延処理についての設定は、PC15の表示部に表示される操作画面を利用して行うことができる。
次に、図3は、PC15の表示部に表示される操作画面の一例を示す図である。
図3に示す操作画面50には、ターゲットパネル51、スコアパネル52、弾速計パネル53、コマンドパネル54、スコアボード55、照準補正設定操作部56、X方向補正量入力部57、Y方向補正量入力部58、着弾遅延設定操作部59、および遅延量入力部60が表示される。
ターゲットパネル51には、標的システム14を用いて射的競技を行う際に、選択された標的画像が表示され、図3の例では、標準ターゲットが表示されている。また、ターゲットパネル51には、BB弾12が標的板24に着弾することにより検出される検出信号に基づいて求められる着弾位置に応じた着弾マークが表示され、図3の例では、着弾マークが5カ所に表示されている。
スコアパネル52には、ターゲットパネル51に表示される標的画像を用いた射的競技に応じたスコアが表示される。例えば、図3の例では、BB弾12の着弾が検出された回数、BB弾12がターゲットに着弾した回数、BB弾12の着弾位置に応じた得点および総合得点、並びに、持ち時間が表示されている。
弾速計パネル53には、BB弾12が標的板24に着弾したときのエネルギおよび弾速が表示される。また、弾速計パネル53には、1秒間にBB弾12の着弾を検出した回数であるサイクル回数、予め入力された弾径および弾重量が表示される。
コマンドパネル54は、ターゲットパネル51に表示される標的画像を用いた射的競技に応じた各種の設定項目の入力に用いられる。
スコアボード55には、BB弾12の着弾を検出するごとに、スコア、中心からの着弾位置に向かう方向、着弾を検出した時刻、エネルギ、および弾速が表示される。
照準補正設定操作部56は、着弾マークの表示位置を補正量に従って補正する照準補正処理の有効または無効を設定するときに操作される。例えば、照準補正設定操作部56は、チェックボックスのGUIであり、照準補正処理を有効にする操作が行われるとチェックマークが表示され、照準補正処理を無効にする操作が行われるとチェックマークが非表示となる。
X方向補正量入力部57およびY方向補正量入力部58には、照準補正設定操作部56に対して照準補正処理を有効にする操作が行われたときに、照準補正処理で用いるX軸方向およびY軸方向の補正量が入力される。例えば、X方向補正量入力部57およびY方向補正量入力部58は、テキスト入力ボックスのGUIであり、PC15のキーボードを利用して直接的に数値を入力したり、上下ボタンを操作したりすることで、X軸方向およびY軸方向の補正量をそれぞれ入力することができる。
着弾遅延設定操作部59には、着弾マークの表示を遅延量に従って遅延させる着弾遅延処理の有効または無効を設定するときに操作される。例えば、着弾遅延設定操作部59は、チェックボックスのGUIであり、着弾遅延処理を有効にする操作が行われるとチェックマークが表示され、照準補正処理を無効にする操作が行われるとチェックマークが非表示となる。
遅延量入力部60には、着弾遅延設定操作部59に対して着弾遅延処理を有効にする操作が行われたときに、着弾遅延処理で用いる遅延量が入力される。例えば、遅延量入力部60は、テキスト入力ボックスのGUIであり、PC15のキーボードを利用して直接的に数値を入力したり、上下ボタンを操作したりすることで、遅延量を入力することができる。例えば、ユーザは、実際の競技を行う際の標的までの距離と、標的システム14を使用する際の標的装置11までの距離との差に基づいて、実際の競技を行う際の着弾するタイミングに一致するように遅延量を求めて、遅延量入力部60に入力する。
このような操作画面50がPC15の表示部に表示され、ユーザは、照準補正処理の有効または無効の設定や、着弾遅延処理の有効または無効の設定、補正量および遅延量の入力を行うことができる。
例えば、ユーザは、銃身18と照準器19との中心の間隔を測定し、その測定値を照準補正処理の補正量としてY方向補正量入力部58に入力することができる。これにより、標的装置11まで至近距離(例えば、1m程度)である場合には、銃身18と照準器19との中心の間隔が、殆どそのまま照準誤差として現れるため、その照準誤差を補正して、狙った位置に一致するように着弾位置を表示することができる。
また、標的システム14では、照準補正処理で用いられる補正量を、X方向補正量入力部57およびY方向補正量入力部58を利用して入力する他、例えば、複数の着弾マークからグルーピング(即ち、複数の着弾マークから集弾性能を計測)するグルーピング機能を利用して入力することができる。
図4を参照して、グルーピング機能を利用した補正量の入力について説明する。
図4Aは、グルーピングする複数の着弾マークにおいて最も離れた着弾マークどうしの中間点をグルーピングセンタとしたときのグルーピング機能を説明する図である。図4Bは、グルーピングする複数の着弾マークから求められる平均位置をグルーピングセンタとしたときのグルーピング機能を説明する図である。
また、図4において、左側には、ターゲットパネル51に表示される標的画像および着弾マークが示されており、右側には、グルーピング機能を実行するときに操作画面50に重畳して表示されるグルーピング設定画面61が示されている。
例えば、グルーピング機能を実行すると、グルーピングセンタ62およびグルーピング円63が標的画像に表示される。グルーピングセンタ62は、図4Aに示すような、グルーピングする複数の着弾マークにおいて最も離れた着弾マークどうしの中間位置(弾痕間)、または、図4Bに示すような、グルーピングする複数の着弾マークから求められる平均位置を示し、いずれか一方を選択することができる。グルーピング円63は、グルーピングする複数の着弾マークにおいて最も離れた着弾マークどうしを結ぶ直線を直径とした円を示す。
例えば、標的の中心を狙って所定回数の射的が繰り返して行われ、検出される所定数(図4の例では12)の着弾位置をグルーピングして計測されるグルーピングセンタ62の標的の中心に対する差(偏差)を、照準補正処理で用いる補正値として使用することができる。特に、グルーピングセンタ62として、グルーピングする複数の着弾マークから求められる平均位置(図4B)を選択した場合には、このような補正値を求めるグルーピングを繰り返し行うことで、より正確に照準誤差を補正することができる。
また、標的システム14では、グルーピングセンタ62として中間位置および平均位置のどちらを使用するかを、グルーピング設定画面61を利用して指定することができる。また、グルーピング設定画面61を利用して、グルーピング円63の表示または非表示、グルーピング円63を表示する色、グルーピングの対象とする着弾マークの数である対象弾数を指定することができる。
また、グルーピング設定画面61には、グルーピング円63の直径、および、標的の中心からグルーピングセンタ62までのX方向およびY方向へのズレ量を表す偏差の値が表示される。そして、グルーピング設定画面61の照準補正に適用ボタンに対する操作が行われると、この偏差の値の反数(中心からのズレ量に対し、足すと0になる数値)を、照準補正処理で用いるX軸方向およびY軸方向の補正量に適用することができる。即ち、グルーピング設定画面61に表示されている偏差の値の反数が、図3のX方向補正量入力部57およびY方向補正量入力部58に入力される。このように、グルーピング設定画面61に偏差の値が表示されるとともに、X方向補正量入力部57およびY方向補正量入力部58に偏差の値の反数が表示されるが、少なくともいずれか一方が提示されていれば、ユーザは、ズレ量を認識することができる。
このように、標的システム14では、グルーピング機能を利用して、標的の中心を狙った射的を行い、複数のBB弾12の着弾が検出され、それらの着弾位置のグルーピングセンタ62が求められる。そして、標的の中心に対するグルーピングセンタ62のX軸方向およびY軸方向への偏差の値の反数を、照準補正処理で用いる補正量に適用することができる。これにより、グルーピングセンタ62に着弾した場合、偏差が0になるように着弾位置が補正されるようになる。
従って、例えば、ユーザは、標的の中心を狙って数発の射的を行い、それらの着弾マークに対するグルーピングを行って、グルーピング設定画面61の照準補正に適用ボタンに対する操作を行うだけで、補正量を適用した照準補正処理による着弾位置の補正を行うことができる。例えば、グルーピングを行って照準器19を調整する際にも、照準器19を実際に動かす前に、調整の効果を予め試すことができる。
また、操作画面50の照準補正設定操作部56において照準補正処理を有効に設定してある場合、グルーピング設定画面61の照準補正に適用ボタンに対する操作を行うと、グルーピングセンタ62と標的の中心との偏差が、そのまま補正量に用いられるのではなく、補正量には偏差が加算された値に修正される。従って、この場合、標的の中心を狙ってグルーピングを行い、グルーピング設定画面61の照準補正に適用ボタンに対する操作を行うと、補正量をさらに補正することができるので、同様の手順を繰り返すことにより、非常に正確な照準補正処理を行うことができる。
なお、この場合、グルーピングセンタ62として平均位置を選択すると、上記の手順を繰り返すことにより、グルーピングセンタの位置が的中心に収斂するので、より有効である。また、例えば、一定弾数が着弾する度に照準補正に適用ボタンに対する操作を自動的に行うような機能を設けてもよい。これにより、的の中心を狙って撃つという基本的な練習を繰り返すだけで限りなく正確な照準補正が可能となる。さらに、例えば、より多くの弾数(例えば、100発)の射的を行った後に、照準補正に適用ボタンに対する操作を1回だけ行うようにしてもよく、この場合にも非常に正確な照準補正を行うことができる。
さらに、例えば、照準器19の照準調整を行う際のクリック数(回す角度)を、照準器19のようなスコープのように偏差の値から計算することができるとき、照準器19の照準調整を、グルーピング設定画面61に表示されるX方向およびY方向の偏差値の反数(グルーピングセンタ62の標的の中心に対する差を0にする数値)に基づいて計算して動かすことにより、一度で正確に行うことができる。つまり、標的システム14は、このような偏差を表示するだけでも、ユーザが照準器19の照準調整を行う際に利用することができるというメリットを有する。なお、図4に示すような数値によって偏差を表示する他、例えば、照準を合わせるのに必要なクリック数を算出して提示したり、音声などを利用して偏差をユーザに提示したりしてもよい。また、X方向の偏差とY方向の偏差との両方を表示する他、いずれか一方だけを表示してもよい。
<着弾検出表示処理部の構成例>
図5は、着弾検出表示処理部の機能的な構成例を示すブロック図である。
図5に示すように、着弾検出表示処理部71は、着弾位置検出部72、着弾マーク表示部73、補正量算出部74、補正量取得部75、および設定適用部76を備えて構成される。
着弾位置検出部72には、標的装置11の信号処理基板28から出力される検出信号が供給される。そして、着弾位置検出部72は、検出信号に基づいて、BB弾12が標的板24に着弾した着弾位置を検出し、その着弾位置を着弾マーク表示部73に供給する。
着弾マーク表示部73は、着弾位置検出部72により検出された着弾位置に基づいた表示位置で、ディスプレイ30に着弾マークを表示する。このとき、着弾マーク表示部73は、照準補正処理が有効に設定されている場合、補正量に従って着弾位置を補正した表示位置に着弾マークを表示する。一方、着弾マーク表示部73は、照準補正処理が無効に設定されている場合、着弾位置に一致させた表示位置で着弾マークを表示する。
同様に、着弾マーク表示部73は、着弾遅延処理が有効に設定されている場合、BB弾12が標的板24に着弾したことを検出した検出タイミングから、遅延量に従って遅延させた表示タイミングで、着弾マークを表示する。一方、着弾マーク表示部73は、着弾遅延処理が無効に設定されている場合、表示タイミングを検出タイミングから遅延させることなく、例えば、最短の処理時間で、着弾マークを表示する。
補正量算出部74は、図4を参照して説明したように、グルーピング機能を利用して補正量を入力する際に、その補正量を算出する処理を行う。例えば、補正量算出部74は、グルーピング機能の一機能、即ち、グルーピングセンタ62を求める機能を利用して実現することができる。
補正量取得部75は、補正量算出部74により算出された補正量、または、図3のX方向補正量入力部57およびY方向補正量入力部58を利用して入力された補正量を取得し、取得した補正量を設定適用部76に供給する。また、補正量取得部75は、遅延量入力部60を利用して入力された遅延量を取得し、取得した遅延量を設定適用部76に供給する。
設定適用部76は、照準補正設定操作部56に対するユーザの操作に従って、照準補正処理の有効または無効を、着弾マーク表示部73に対して設定する。そして、設定適用部76は、着弾マーク表示部73に対して照準補正処理を有効に設定する場合、補正量取得部75により取得された補正量を着弾マーク表示部73に供給する。同様に、設定適用部76は、着弾遅延設定操作部59に対するユーザの操作に従って、着弾遅延処理の有効または無効を、着弾マーク表示部73に対して設定する。そして、設定適用部76は、着弾マーク表示部73に対して着弾遅延処理を有効に設定する場合、補正量取得部75により取得された遅延量を着弾マーク表示部73に供給する。
以上のように着弾検出表示処理部71は構成されており、着弾マーク表示部73は、設定適用部76による設定に従って、照準補正処理を有効または無効にして着弾マークを表示したり、着弾遅延処理を有効または無効にして着弾マークを表示したりすることができる。
<着弾検出表示処理部が実行する処理>
次に、図6乃至図8を参照して、着弾検出表示処理部71において実行される処理について説明する。
図6は、着弾検出表示処理を説明するフローチャートである。
例えば、標的装置11の信号処理基板28から出力される検出信号が着弾位置検出部72に供給されると処理が開始され、ステップS11において、着弾位置検出部72は、検出信号に基づいて、BB弾12が標的板24に着弾した着弾位置を算出する。そして、着弾位置検出部72は、算出した着弾位置を着弾マーク表示部73に供給する。
ステップS12において、着弾マーク表示部73は、照準補正処理が有効および無効のどちらに設定されているかを判定し、照準補正処理が有効に設定されていると判定した場合、処理はステップS13に進む。
ステップS13において、着弾マーク表示部73は、ステップS11で着弾位置検出部72から供給された着弾位置に対して、照準補正処理を有効に設定(例えば、後述する図8のステップS33)したときに設定適用部76から供給された補正量を適用した表示位置を算出する。
ステップS14において、着弾マーク表示部73は、着弾遅延処理が有効および無効のどちらに設定されているかを判定し、着弾遅延処理が有効に設定されていると判定した場合、処理はステップS15に進む。
ステップS15において、着弾マーク表示部73は、着弾遅延処理を有効に設定(例えば、後述する図8のステップS37)したときに設定適用部76から供給された遅延量に従った表示タイミングまで待機し、表示タイミングとなると処理はステップS16に進む。
一方、ステップS12において照準補正処理が無効に設定されていると判定された場合、または、ステップS14において着弾遅延処理が無効に設定されていると判定された場合、処理はステップS16に進む。
ステップS16において、着弾マーク表示部73は、着弾位置検出部72により検出された着弾位置に基づいた表示位置に、着弾マークを表示する。このとき、着弾マーク表示部73は、ステップS13において表示位置を算出している場合、その表示位置に着弾マークを表示する。ステップS16の処理後、着弾検出表示処理は終了される。
図7は、グルーピング機能を利用した補正量算出処理を説明するフローチャートである。
例えば、ユーザが、グルーピング機能を実行するように図2のPC15を操作すると処理が開始され、ステップS21において、補正量算出部74は、図4に示したようなグルーピング設定画面61をPC15の表示部に表示する。
ステップS22において、補正量算出部74は、グルーピング設定画面61に対する設定に従って、グルーピングセンタ62が平均位置および弾痕間のどちらに設定されているかを判定する。
ステップS22において、補正量算出部74が、グルーピングセンタ62が平均位置に設定されていると判定した場合、処理はステップS23に進む。ステップS23において、補正量算出部74は、グルーピングの対象とする対象弾数の着弾マークから求められる平均位置を、グルーピングセンタ62として算出する。
一方、ステップS22において、補正量算出部74が、グルーピングセンタ62が弾痕間に設定されていると判定した場合、処理はステップS24に進む。ステップS24において、補正量算出部74は、グルーピングの対象とする対象弾数の着弾マークにおいて最も離れた着弾マークどうしの中間位置を、グルーピングセンタ62として算出する。
ステップS23またはS24の処理後、処理はステップS25に進み、補正量算出部74は、ステップS23またはS24で算出したグルーピングセンタ62を、照準補正処理で用いる補正量に適用するか否かを判定する。例えば、補正量算出部74は、図4のグルーピング設定画面61に表示される照準補正に適用ボタンに対する操作が行われると、グルーピングセンタ62を補正量に適用すると判定する。
ステップS25において、補正量算出部74が、グルーピングセンタ62を補正量に適用すると判定した場合、処理はステップS26に進み、補正量算出部74は、ステップS23またはS24で算出したグルーピングセンタ62として求められた偏差の値の反数を、照準補正処理で用いる補正量として補正量取得部75に供給する。
ステップS26の処理後、または、ステップS25でグルーピングセンタ62を補正量に適用しないと判定された場合、補正量算出処理は終了される。
図8は、照準補正および着弾遅延の設定適用処理を説明するフローチャートである。
例えば、図3の操作画面50がPC15の表示部に表示されると処理が開始され、ステップS31において、設定適用部76は、照準補正設定操作部56に対するユーザの操作に従って、照準補正処理が有効および無効のどちらに設定されているかを判定する。
ステップS31において、設定適用部76が、照準補正処理が有効に設定されていると判定した場合、処理はステップS32に進む。ステップS32において、設定適用部76は、補正量取得部75から補正量を取得する。例えば、補正量取得部75は、上述した図7のステップS26で供給されたグルーピングセンタ62として求められた偏差の値の反数、または、図3のX方向補正量入力部57およびY方向補正量入力部58に入力されている値を、補正量として設定適用部76に供給する。
ステップS33において、設定適用部76は、ステップS32で取得した補正量を着弾マーク表示部73に供給するとともに、着弾マーク表示部73に対して照準補正処理が有効となるように設定する。
一方、ステップS31において、設定適用部76が、照準補正処理が無効に設定されていると判定した場合、処理はステップS34に進む。ステップS34において、設定適用部76は、着弾マーク表示部73に対して照準補正処理が無効となるように設定する。
ステップS33またはS34の処理後、処理はステップS35に進み、設定適用部76は、着弾遅延設定操作部59に対するユーザの操作に従って、着弾遅延処理が有効および無効のどちらに設定されているかを判定する。
ステップS35において、設定適用部76が、着弾遅延処理が有効に設定されていると判定した場合、処理はステップS36に進む。ステップS36において、設定適用部76は、補正量取得部75から遅延量を取得する。例えば、補正量取得部75は、図3の遅延量入力部60に入力されている値を、遅延量として設定適用部76に供給する。
ステップS37において、設定適用部76は、ステップS36で取得した遅延量を着弾マーク表示部73に供給するとともに、着弾マーク表示部73に対して着弾遅延処理が有効となるように設定する。
一方、ステップS35において、設定適用部76が、着弾遅延処理が無効に設定されていると判定した場合、処理はステップS38に進む。ステップS38において、設定適用部76は、着弾マーク表示部73に対して着弾遅延処理が無効となるように設定する。
ステップS37またはS38の処理後、照準補正および着弾遅延の設定適用処理は終了される。
<標的画像の表示例>
次に、図9乃至図13を参照して、図1のディスプレイ30に表示される標的画像について説明する。
図9には、標的システム14を利用して、5枚のターゲットを用いた射的競技を行うときにディスプレイ30に表示される標的画像の一例が示されている。例えば、ディスプレイ30には、図3の操作画面50と同様に、ターゲットパネル51、スコアパネル52、および弾速計パネル53が表示される。
ターゲットパネル51には、5枚のターゲットT1乃至T5が、それぞれ異なるサイズおよび配置位置で表示される。また、ターゲットパネル51では、ターゲットT1乃至T5の背景に、任意の画像を選択して表示させることができ、図9の例では、体育館などのように、実際の射的競技を行う場所に類似した画像が表示されている。
また、ターゲットT1乃至T5のサイズおよび配置位置は、実際の射撃競技におけるターゲットの配置の奥行き方向の距離などに応じて設定することができる。例えば、実際の射撃競技で手前側に配置されるターゲットは、サイズが大きく、かつ、配置位置が下側となるように表示され、実際の射撃競技で奥側に配置されるターゲットは、サイズが小さく、かつ、配置位置が上側となるように表示される。
また、この射的競技では、ターゲットT1乃至T5のうちの、最後に射的すべきストップターゲットが指定されており、図9の例では、ターゲットT5がストップターゲットとして指定されている。
そして、コマンドパネルのスタートボタンの押下、または、標的板24に対する最初の着弾が検出されるとタイマーが始動し、ターゲットT5に対する着弾が検出されると、タイマーが停止して、図9の下側に示すように、タイマーにより計時されたタイムが表示される。但し、ターゲットT1乃至T4のいずれかを撃ち漏らしてストップターゲットであるターゲットT5を撃ってしまうと、撃ち漏らしたターゲットの1つにつき3秒のペナルティが加算される。
また、標的システム14では、ターゲットパネル51に表示されるターゲットT1乃至T5のサイズを任意に設定することができる。例えば、実際の射的競技においてユーザからターゲットまでの距離と、標的システム14を利用して射的を行うときのユーザから標的装置11までの距離とに応じて、ターゲットパネル51に表示されるターゲットT1乃至T5のサイズを設定する。つまり、標的システム14を利用して射的を行うときのユーザから標的装置11までの距離が、実際の射的競技においてユーザからターゲットまでの距離の1/6であるとき、ターゲットパネル51に表示されるターゲットT1乃至T5のサイズを、実際のターゲットの1/6に設定する。
これにより、ターゲットパネル51に表示されるターゲットT1乃至T5をユーザが見たときの大きさと、実際の射的競技においてユーザがターゲットを見るときの大きさとを、ほぼ同じ大きさにすることができる。従って、ユーザは、標的システム14を利用して、よりリアルな練習を行うことができる。
このとき、実際の射的競技における距離に基づいて照準調整を行っているソフトエアガンを利用し、その1/6の距離で標的装置11に対する射的を行うと、ターゲットの大きさは、ほぼ同じ大きさに見えても、照準誤差が発生してしまったら、有益な練習を行うことはできない。このとき、標的システム14では、上述したような照準補正処理を有効に設定することで、標的装置11までの距離に応じた補正量を用いることで、実際の着弾位置には照準誤差があったとしても、その照準誤差をなくすように着弾マークを表示することができる。従って、標的システム14では、非常に有益な練習を行うことができる。
なお、標的システム14では、着弾マークのサイズも任意に設定することができるが、上述したような距離に応じて着弾マークのサイズを設定した場合には、着弾マークが小さくなり過ぎて視認性が悪化することになる。そこで、標的システム14では、着弾マークを大きく表示することが好ましい。
例えば、図10には、図9と同様のターゲットパネル51が示されており、実際の射的競技における距離と同様の大きさで着弾マークが表示され、その着弾マークの視認性を高めるための確認用着弾マークが表示されている。図10において、確認用着弾マークは、グレーのハッチングが施された円形で示されており、確認用着弾マークと同心円の小さな丸が、実際の射的競技における距離と同様の大きさで表示される着弾マークを示している。
このように、着弾マークと確認用着弾マークとを二重の円形で表示することで、着弾マークの視認性を高めることができるとともに、ターゲットに着弾しているか否かを判定するための着弾マークを正確に確認することができる。即ち、確認用着弾マークを表示するだけでは、ターゲットに着弾しているか否かを、画面上で正確に確認することは困難である。
なお、例えば、確認用着弾マークを半透明表示としてもよい。このように、着弾マークおよび確認用着弾マークの表示サイズの入力や、確認用着弾マークの表示または非表示の設定、確認用着弾マークの透明度の入力などは、PC15の表示部に表示される操作画面に対して行うことができる。さらに、図10には図示しないが、図9に示したような着弾を検出した順番を示す数字を着弾マークおよび確認用着弾マークとともに表示してもよい。
また、標的システム14では、ターゲットT1乃至T5の表示位置や形状などのパターンを任意に設定することができる。そして、標的システム14では、予め登録されているパターンを指定するだけで、そのパターンで配置されたターゲットT1乃至T5をターゲットパネル51に表示することができる。
例えば、図11には、ターゲットT1乃至T5の表示位置や形状ごとに、8種類のパターンが示されている。
図11に示すように、円形または四角形のターゲットを適宜配置したり、ストップターゲットを任意の位置に配置したりすることができる。
例えば、実際の射的競技では、これらのターゲットの配置位置を変更するのに手間を要するが、標的システム14では、予め登録されているパターンを選択するだけで、容易に、ターゲットT1乃至T5の配置を変更することができる。
次に、図12には、標的システム14を利用して、ムーバ競技を行うときにディスプレイ30に表示される標的画像の一例が示されている。例えば、ディスプレイ30には、図3の操作画面50と同様に、ターゲットパネル51、スコアパネル52、および弾速計パネル53が表示される。
例えば、ムーバ競技では、図12の上側に示すように、ターゲットパネル51の略中央に水平方向に沿ってラインLが表示され、ラインLの上側に接するようにムーバターゲットMTが表示される。そして、ムーバ競技が開始されると、ムーバターゲットMTはラインLに沿って水平方向の左右に移動し、ユーザは、その移動するムーバターゲットMTを標的として射的を行うことができる。
また、ムーバターゲットMTの表示位置にBB弾12が着弾したことが検出されると、図12の下側に示すように、その表示位置に固定的なターゲット影MT’が表示される。
例えば、本来では10mの距離で行うべき競技を、標的装置11まで3.3mの距離で行う場合、弾速を80m/sとすると、10mの弾の飛翔時間は10/80=0.125秒であるのに対し、3.3mの飛翔時間は3.3/80=0.041秒となる。即ち、実際の競技より0.084秒も速く着弾が検出されることになる。
このため、ムーバターゲットMTの幅が60mmであって、ムーバターゲットMTが1mの距離を5 秒で移動する場合、ディスプレイ30に、ムーバターゲットMTの幅が20mmであって、ムーバターゲットMTが330mmの距離を5秒で移動するように設定することで、ユーザから見て、実際の競技と同等の条件で練習することができる。
そして、上述したように、実際の競技より0.084秒も速く着弾が検出されることより、330/5×0.084=5.54(mm)だけ、ムーバターゲットMTの進行方向の前方にずれた位置に着弾することになる。そこで、標的システム14では、着弾遅延処理で用いる遅延量を0.084秒に設定することで、着弾を検出したタイミングから0.084秒遅れた後に(ムーバターゲットMTが進行方向に移動後)、着弾マークを表示することができる。これにより、ユーザが、ムーバターゲットMTの移動を予測して狙った先に、着弾マークを表示することができる。
なお、標的システム14は弾速計機能を備えていることより、例えば、射撃距離を設定するだけで、ムーバターゲットMTの表示サイズおよび弾径を自動的に設定し、着弾時の弾速から着弾遅延処理で用いる遅延量を求めることができる。つまり、標的システム14は、遅延量入力部60に遅延量を入力しなくても、射撃距離を設定するだけで、適切な遅延量を求めて着弾遅延処理を実行することができる。
なお、図示しないが、ムーバ競技においても、図9の標的画像と同様に、ムーバターゲットMTの背景に表示される画像を任意に選択することができる。
次に、図13には、標的システム14を利用して、プレート競技を行うときにディスプレイ30に表示される標的画像の一例が示されている。例えば、ディスプレイ30には、図3の操作画面50と同様に、ターゲットパネル51、スコアパネル52、および弾速計パネル53が表示される。
図13に示すように、ターゲットパネル51にはターゲットT1乃至T8が表示され、そのうちターゲットT6乃至T8は、ドーナッツ状の遮蔽物であるジャマーJにより遮られている。例えば、1枚のターゲットTに対して1発の射的を行ってターゲットT1乃至T5に着弾させ、ターゲットT6乃至T8については、ジャマーJに着弾した瞬間に競技が終了となる。
このようなプレート競技においても、図9を参照して上述したように、ターゲットT1乃至T8のサイズを、標的装置11までの距離に応じて設定することで、よりリアルな練習を行うことができる。
以上のように、標的システム14では、様々な競技を、よりリアルに行うことができ、照準器を調整することなく照準誤差に対応することで、より有益な練習を行うことができる。
<本発明の実施の形態である標的装置の第2の構成例>
図14は、本発明の実施の形態である標的装置の第2の構成例を示す斜視図である。
例えば、図1に示されている標的装置11は、所定のモニタサイズのディスプレイ30に合わせた大きさで構成されている。従って、例えば、ユーザが所有しているディスプレイのモニタサイズが標的装置11の大きさと異なる場合、ユーザは、標的装置11の大きさに合ったディスプレイ30を入手する必要があった。そのため、所定のモニタサイズのディスプレイ30に合わせた大きさの標的装置11であっても、様々なモニタサイズのディスプレイを組み合わせて使用することができるようにすることで、ユーザの利便性を向上させることができる。
そこで、以下では、任意のモニタサイズのディスプレイ30と組み合わせて使用することができる標的装置11Aの構成について説明する。
図14に示すように、標的装置11Aは、標的画像を表示するディスプレイ30の前面側に配置され、図1の標的装置11と同様に、BB弾12が着弾した際の着弾点や着弾速度などを検出するための検出信号を出力する機能を備える。
図14における一点鎖線の矢印は、射撃されたBB弾12の経路の一例を示しており、標的装置11Aに対してBB弾12が向かってくる側(図14の右下側)を、標的装置11Aの前面側とし、その反対側(図14の左上側)を標的装置11Aの背面側とする。そして、ディスプレイ30に表示される標的画像に対して射撃されたBB弾12は、標的装置11Aの標的板123が撓むことによって衝突の勢いが吸収された後、標的装置11の手前側の下方に配置される捕集マット130に落下して、散らばることなく回収される。
ここで、捕集マット130には、例えば、ボア生地やパイル生地などのように、BB弾12の落下の衝撃を吸収し、かつ、BB弾12が跳ね返らないような低反発性(ゆっくりと元の形状に戻る性質)を備えたものを使用することが好適である。例えば、表面に毛などの柔らかい突起や凹凸などがある捕集マット130を使用することにより、捕集マット130上に落下したBB弾12が転がることが防止され、より確実にBB弾12の飛散を防止することができる。また、捕集マット130上に散らばったBB弾12を回収する際には、例えば、捕集マット130の両端を持ち上げて前後に窄めることにより、捕集マット130の中央にBB弾12が集まり、容易に回収することができる。より好適には、いわゆるマイクロファイバータオルの厚手のものを二つ折りにして使用することによって、BB弾12が散らばることなく完全に回収可能であることが確認された。
また、後述するようにロール状に丸められた標的装置11Aを収納可能な大きさの袋状の捕集マット130を採用した場合には、例えば、標的装置11Aの搬送時に、捕集マット130により標的装置11を保護することができる。もちろん、捕集マット130は、袋状のものに限定されることはない。なお、BB弾12が散らばることなく回収することができればよく、例えば、箱形状の捕集トレー(図示せず)などを標的装置11Aの手前側に配置してもよい。
図14に示すように、標的装置11Aは、上辺固定部材121、下辺固定部材122、標的板123、背面板124、側部支持部材125および126、音響センサ127−1乃至127−4、並びに、コントロールユニット128を備えて構成される。
上辺固定部材121は、例えば、標的装置11Aを側面から見た断面形状がコ字状の部材であって、標的板123および背面板124の横幅とほぼ同じ長さの部材である。また、上辺固定部材121は、標的板123および背面板124の上辺に沿った細長い形状とされ、標的板123および背面板124の上辺に対して、所定のピッチ間隔で複数本のネジを用いて固定される。
下辺固定部材122は、上辺固定部材121と同様の形状であって、標的板123および背面板124の下辺に対して固定される。
標的板123は、ディスプレイ30に表示された標的画像を透過させる透明な部材であって、標的画像に向かってソフトエアガンにより発射されたBB弾12の衝突を撓むことによって受け止めることができる軟質なシート状の部材が用いられる。例えば、標的板123には、衝撃による変形に対する復元速度が緩やかな材質として、厚み1.5mmの軟質の塩化ビニル樹脂などを使用することが好ましい。また、標的板123は、ディスプレイ30の前方において略垂直となるように張った状態で全体的に平坦となるように、即ち、撓みが生じないように平面的に、上辺が上辺固定部材121の前面側の側面に固定されるとともに、下辺が下辺固定部材122の前面側の側面に固定される。
背面板124は、標的板123と同様の透明で軟質なシート状の部材、例えば、厚み1.5mmの軟質の塩化ビニル樹脂などが使用され、標的板123の背面側(ユーザから見てディスプレイ30側)に配置される。即ち、背面板124は、標的板123と同様に平面的に、上辺が上辺固定部材121の背面側の側面に固定されるとともに、下辺が下辺固定部材122の背面側の側面に固定される。
このように、上辺固定部材121および下辺固定部材122の前面側の側面に標的板123が固定されるとともに、上辺固定部材121および下辺固定部材122の背面側の側面に背面板124が固定される。これにより、標的板123と背面板124との間には、上辺固定部材121の上面の幅および下辺固定部材122の下面の幅に応じた間隔の空間129が設けられる。空間129は、左右側方が開口しており、図1を参照して上述した標的装置11の閉空間29と同様に、音響センサ127が衝撃音の取得を安定的に行うことができるようにするという効果を奏することができる。
側部支持部材125および126は、全長に亘って側面にネジが形成された棒状の部材(いわゆる寸切りボルト)であり、標的板123および背面板124の縦幅よりも若干長くなるように形成される。また、標的装置11Aを正面から見て、側部支持部材125は、上辺固定部材121および下辺固定部材122の左側端部を支持し、側部支持部材126は、上辺固定部材121および下辺固定部材122の右側端部を支持する。
例えば、側部支持部材125および126の上部のネジには、上辺固定部材121を挟み込むように2個のナット(図示せず)が螺合され、側部支持部材125および126の下部のネジには、下辺固定部材122を挟み込むように2個のナット(図示せず)が螺合される。これにより、上辺固定部材121および下辺固定部材122の両端部が支持される。ここで、図示しないナットの位置を調整することにより、上辺固定部材121および下辺固定部材122の間隔を調整して、標的板123および背面板124にある程度のテンションが掛かった状態にすることができる。
また、上辺固定部材121および下辺固定部材122を、ナットを利用して支持する構造にすることで、容易に、側部支持部材125および126を取り外すことができる。そして、上辺固定部材121および下辺固定部材122から側部支持部材125および126を取り外した状態で、例えば、下辺固定部材122を軸として標的板123および背面板124を巻き取り可能とすることができる。このように、標的装置11Aをロール状に丸めた状態とすることで、可搬性や収納性などを向上させることができる。
音響センサ127−1乃至127−4は、図1の音響センサ27−1乃至27−4と同様に、BB弾12が標的板123に着弾したときに生じる衝撃音を取得し、取得した衝撃音の振幅の変化に従った音響信号をコントロールユニット128に供給する。
音響センサ127−1乃至127−4の配置については、標的板123の背面側であって、それぞれ標的板123の四隅に近く、衝撃音の取得に最適な位置となるように、標的板123および背面板124に挟まれた空間129内に固定される。例えば、音響センサ127−1は、上辺固定部材121の下側を向く面の左端近傍に配置され、音響センサ127−2は、上辺固定部材121の下側を向く面の右端近傍に配置される。また、音響センサ127−3は、下辺固定部材122の上側を向く面の左端近傍に配置され、音響センサ127−4は、下辺固定部材122の上側を向く面の右端近傍に配置される。なお、以下適宜、音響センサ127−1乃至127−4それぞれを区別する必要がない場合、単に、音響センサ127と称する。
このように、音響センサ127は、所定の間隔で平行に固定される標的板123および背面板124に挟まれた空間129に配置されており、標的板123および背面板124の間で衝撃音が共鳴することによって、安定的な音響信号を取得することができる。
なお、本実施の形態では4個の音響センサ127−1乃至127−4を用いた構成について説明するが、音響センサ127の個数は4個に限定されるものではない。例えば、3個や6個、8個など、標的装置11Aのサイズまたは形状に応じて、着弾位置などを適切に測定可能な個数の音響センサ127を用いることができる。例えば、6個の音響センサ127を用いる場合には、四隅に加え、上辺中央および下辺中央にも音響センサ127が配置される。
コントロールユニット128は、図1を参照して上述した信号処理基板28を収納し、上辺固定部材121の上側面の中央に対して取り付けられ、音響センサ127−1乃至127−4から出力される音響信号を入力するための信号線(図示せず)が接続される。また、コントロールユニット128には、図2のPC15に接続される信号ケーブル16が接続される。
さらに、標的装置11Aは、自立支持部材131および132、並びに、補助固定板133乃至136を取り付けることにより、自立させた状態で使用することができる。
自立支持部材131および132は、側部支持部材125および126と同様に、全長に亘って側面にネジが形成された棒状の部材(いわゆる寸切りボルト)である。
補助固定板133は、側部支持部材125および自立支持部材131の上端部分を連結するための板状の部材であり、補助固定板134は、側部支持部材126および自立支持部材132の上端部分を連結するための板状の部材である。補助固定板135は、側部支持部材125および自立支持部材131の下端部分を連結するための板状の部材であり、補助固定板136は、側部支持部材126および自立支持部材132の下端部分を連結するための板状の部材である。
このように、自立支持部材131および132は、補助固定板133乃至136の長さに応じた間隔で、側部支持部材125および126から離れた位置に配置される。これにより、標的装置11Aは、側部支持部材125および126、並びに、自立支持部材131および132による4点で、例えば、テーブル上などに自立することができる。
このように標的装置11Aは構成されており、ディスプレイ30に表示される標的画像を標的として着弾位置の正確さを競う射的競技に使用することができる。即ち、標的装置11Aは、BB弾12が標的板123に着弾したときの衝撃音を音響センサ127−1乃至127−4により検出し、その検出信号に基づいて求められる着弾位置に基づいて、正確に、ディスプレイ30に着弾マークを表示することができる。
ここで、例えば、32インチワイドのモニタサイズのディスプレイ30を使用する場合、標的装置11Aは、32インチワイドに応じた大きさの標的板123を用いて構成される。そして、標的装置11Aを、32インチワイドのディスプレイ30に装着すると、ディスプレイ30の上辺に沿うように上辺固定部材121が配置されるとともに、ディスプレイ30の下辺に沿うように下辺固定部材122が配置される。
従って、この場合、標的板123における検出可能領域の中心と、ディスプレイ30の表示領域の中心とは、ほぼ一致するように重なった状態となる。ここで、標的板123における検出可能領域とは、標的板123の背後に上辺固定部材121および下辺固定部材122が設けられる範囲以外の領域であって、BB弾12の着弾によって標的板123が自由に振動することが可能な領域である。
このとき、標的装置11Aは、BB弾12が着弾したときの衝撃音から求められる着弾位置の座標を、ディスプレイ30に着弾マークを表示する際の座標として用いることで、標的板123に対してBB弾12が実際に着弾した着弾位置に重なるように着弾マークを表示することができる。
一方、32インチワイドに対応する大きさの標的装置11Aは、32インチワイド以下の小型のディスプレイ30と組み合わせて使用してもよい。ところが、標的装置11Aより小型のディスプレイ30を、標的装置11Aの背面側に配置した構成では、標的板123における検出可能領域の中心とディスプレイ30の表示領域の中心とが一致しないことがあり、標的板123の中央から離れた位置に標的画像が表示されてしまう。そのため、BB弾12が着弾したときの衝撃音から求められる着弾位置の座標を、ディスプレイ30に着弾マークを表示する際の座標として用いた場合、標的板123に対してBB弾12が実際に着弾した着弾位置とは異なる位置に着弾マークが表示される。
そこで、標的装置11Aは、標的板123における検出可能領域の中心に対してズレているディスプレイ30に表示される標的画像の中心の位置を、ディスプレイ30に着弾マークを表示する際の表示位置を補正するセンタ補正量として設定するセンタ設定処理を行う必要がある。このセンタ設定処理には、上述したような照準補正処理を適用することができる。例えば、センタ設定処理では、標的板123における検出可能領域の中心に対するディスプレイ30に表示される標的画像の中心の位置が、上述したような偏差として求められ、その偏差の値の反数がセンタ補正量として設定される。
そして、標的装置11Aは、ディスプレイ30に着弾マークを表示する際に、センタ設定処理で設定されたセンタ補正量で、BB弾12が着弾したときの衝撃音から求められる着弾位置に対応する着弾マークの表示位置を補正する。これにより、標的装置11Aは、小型のディスプレイ30と組み合わせて使用しても、標的板123に対してBB弾12が実際に着弾した着弾位置に略一致するように、ディスプレイ30に着弾マークを表示することができる。
<標的装置の使用例>
図15には、例えば、32インチワイドに対応する大きさの標的装置11Aを、それよりも小型の19.5インチワイドのディスプレイ30と組み合わせて使用する構成の一例が示されている。
図15に示すように、標的装置11Aを正面から見たとき、ユーザは、透明な標的板123および背面板124を介して、標的装置11Aの背面側に配置されているディスプレイ30に表示される標的画面151を視認することができる。
また、図15では、標的画面151が、ディスプレイ30に全画面表示されている状態が示されている。標的画面151では、ターゲットパネル51Aが中央に配置され、ターゲットパネル51Aの左側に縦長のスコアパネル52Aが配置され、ターゲットパネル51Aの右側に縦長の弾速計パネル53Aが配置される表示レイアウトとなっている。
このようなディスプレイ30に対する標的画面151の表示は、図2のPC15が備えるサブディスプレイの機能を利用することができる。
例えば、ユーザの手元に設置されているPC15の表示部には、図3を参照して説明したような操作画面50と同様の操作画面50A(図17参照)が表示されており、ユーザは、操作画面50Aに対して各種の操作を行うことができる。そして、ユーザが、標的画面151の表示を指示する操作を行うと、操作画面50Aに対するサブウィンドウとして、標的画面151が操作画面50A上に重なるように表示される。続いて、ユーザは、操作画面50A上の標的画面151をドラッグする操作を行って、PC15のサブディスプレイとして機能するディスプレイ30へ移動させる。その後、ユーザが、標的画面151の全画面表示を指示する操作を行うことで、標的画面151がディスプレイ30に全画面表示される。
ここで、図15に示す例では、標的装置11Aを正面から見たときに、標的装置11Aの全体に対して右下側にディスプレイ30は配置されており、標的板123の中央からズレた位置に標的画像が表示されている。このように、標的板123の中央からズレた位置に標的画像が表示されていても、標的装置11Aは、ディスプレイ30のモニタ仕様を設定し、センタ設定処理を行うことにより、ディスプレイ30の大きさに合わせて表示される標的画面151を標的として射的を行い、ターゲットパネル51Aの表示範囲内に着弾マークを正確に表示することができる。
例えば、ディスプレイ30のモニタ仕様は、図16に示すようなサイズ設定画面161を利用して設定することができる。
例えば、ユーザは、サイズ設定画面161に対し、ディスプレイ30の表示領域の大きさを表すモニタサイズを入力することができる。また、PC15は、サブディスプレイとして用いるディスプレイ30のドット数(横方向の画素の数×縦方向の画素の数)を検出することができ、ディスプレイ30のモニタ仕様としてサイズ設定画面161に表示することができる。図16の例では、ディスプレイ30のモニタサイズは、19.5インチと入力され、ディスプレイ30のドット数は、1600×900と検出されている。
そして、PC15は、ディスプレイ30のモニタサイズと、ディスプレイ30のドット数とに基づいて、ディスプレイ30の解像度、並びに、ディスプレイ30の表示領域の幅寸法および高さ寸法を認識し、ディスプレイ30のモニタ仕様としてサイズ設定画面161に表示することができる。このとき、PC15は、ディスプレイ30のドット数と、ディスプレイ30の表示領域の対角寸法とに基づいて、ディスプレイ30の解像度(例えば、dpi:dots per inch)を算出した後、幅寸法および高さ寸法を算出することができる。
ここで、ディスプレイ30として、どのモニタを対象に設定するかは、標的画面151がサブウィンドウとして表示されているかどうかで異なるものとなる。例えば、標的画面151がサブウィンドウとして表示されている場合には、サブウィンドウが置かれた画面のドット数を検出して、サイズ設定画面161にドット数を表示することができる。一方、標的画面151がサブウィンドウとして表示されていない場合には、操作画面50Aを表示しているモニタのドット数を検出して、操作画面50のターゲットパネル51Aに対する射的を行ったときに着弾マークが正確に表示されるように設定することができる。そして、サイズ設定画面161のOKボタンに対する操作が行われると、サイズ設定画面161を用いたモニタ仕様が設定される。
なお、画面全体に表示されないようなドット数がサイズ設定画面161において選択されている場合、モニタサイズおよびドット数から計算により求められる幅寸法および高さ寸法は、実際のディスプレイ30の表示領域の幅寸法および高さ寸法とは異なるものとなる。この場合、実際のディスプレイ30の表示領域の幅寸法および高さ寸法に一致するように、サイズ設定画面161に対する操作を行って、幅寸法および高さ寸法の設定値を変更することができ、この変更に応じて、PC15は、変更に対応した解像度を再計算して設定する。
また、標的装置11Aと組み合わせて用いるディスプレイ30のモニタサイズを変更すると、ディスプレイ30の表示領域に収まる大きさで表示されるようにターゲットパネル51の表示倍率が自動的に調整される。例えば、実際の射的競技で使用される標準ターゲットの大きさを100%としたとき、モニタサイズが19.5インチのディスプレイ30の表示領域に収まる大きさで表示されるように、ターゲットパネル51の表示倍率は、61.9%に調整される。即ち、サイズ設定画面161の「モニタサイズ」の変更が、「標的サイズ」に自動的に反映される。なお、サイズ設定画面161の「標的サイズ」を変更しても、「モニタサイズ」には反映されない。
例えば、より小型のディスプレイ30を使用したときに、ユーザは、ディスプレイ30の表示領域に収まるような小さなターゲットパネル51ではなく、実際の射的競技で使用される標準ターゲットと同じ大きさでターゲットパネル51を表示したいことがある。この場合、サイズ設定画面161の「標的サイズ」を100%に変更することで、ターゲットパネル51の一部分が、実際の射的競技で使用される標準ターゲットと同じ大きさで、ディスプレイ30に表示される。
なお、例えば、標的装置11Aは、ディスプレイ30に表示されるターゲットパネル51を標的として用いる他、標的を印刷した標的紙を背面板124に貼着して、射的を行うことができる。この場合、標的マークは、図2のPC15の表示部に表示される操作画面50Aのターゲットパネル51Aにのみ表示される。
このとき、標的紙の大きさに応じて標的を縮小または拡大して印刷することができ、その縮小または拡大される倍率を、サイズ設定画面161の「標的サイズ」に設定することで、標的紙とターゲットパネル51Aとの対応関係を一致させることができる。例えば、32インチワイドのディスプレイ30に収まる大きさで表示されるターゲットパネル51を、A4用紙に縮小して印刷する場合、その縮小される倍率は39%となる。なお、一般的に、32インチワイドと称されているテレビジョン受像機のモニタサイズは31.5インチであり、31.5インチがモニタサイズのデフォルト値として設定されている。そして、サイズ設定画面161の「標的サイズ」を39%に設定してOKボタンに対する操作を行うことで、そのA4サイズの標的紙と、操作画面50Aのターゲットパネル51Aとの対応関係を一致させて使用することができる。
ここで、ディスプレイ30の表示領域の幅寸法および高さ寸法やドット数などは、サイズ設定画面161を利用してユーザにより手動で設定してもよい。また、ディスプレイ30の位置や標的紙の位置なども、ユーザにより手動で設定してもよい。なお、ディスプレイ30の仕様または設定によって、ディスプレイ30の表示領域より外側にターゲットパネル51が出てしまう場合でも、ディスプレイ30の表示領域の幅寸法および高さ寸法を大きめに設定したり、ターゲットパネル51のサイズを小さめに設定したりするなどして、対応することができる。このようなディスプレイ30の表示領域とターゲットパネル51のサイズとの関係は、それらを微調整した上で、ディスプレイ30の解像度を認識し、センタ設定処理を行うことで対応することができる。
次に、センタ設定処理について、図17を参照して説明する。
図17に示す操作画面50Aには、上述した図3の操作画面50と同様に、ターゲットパネル51A、スコアパネル52A、弾速計パネル53A、コマンドパネル54、スコアボード55、照準補正設定操作部56、X方向補正量入力部57、Y方向補正量入力部58、着弾遅延設定操作部59、および遅延量入力部60が表示される。
なお、図3の操作画面50では、ターゲットパネル51の上側に横長のスコアパネル52が表示され、ターゲットパネル51の下側に横長の弾速計パネル53が表示される表示レイアウトとなっていた。これに対し、操作画面50Aでは、図15の標的画面151と同様に、ターゲットパネル51Aの左側に縦長のスコアパネル52Aが配置され、ターゲットパネル51Aの右側に縦長の弾速計パネル53Aが配置される表示レイアウトとなっている。
例えば、ユーザは、センタ設定処理を行うとき、ターゲットセンタ補正画面171の表示を指示する操作を行って、操作画面50Aに対するサブウィンドウとして、ターゲットセンタ補正画面171が操作画面50A上に重なるように表示される。そして、ユーザは、ターゲットセンタ補正画面171を表示させた状態で、図15に示すように表示されている標的画面151のターゲットパネル51Aの中心に向かって、所定数のBB弾12の射的を行う。
このとき、図15に示すように、標的画面151のターゲットパネル51Aのセンタ位置が、標的板123の中心に対して右下方向にある場合、図17に示すように、操作画面50Aのターゲットパネル51Aのセンタ位置に対して右下に所定数の着弾マークが表示されることになる。そして、これらの着弾マークに対して、上述の図4を参照して説明したようなグルーピング円63、および、グルーピングする複数の着弾マークから求められる平均位置であるグルーピングセンタ62(図示せず、図4参照)が表示される。
さらに、ターゲットセンタ補正画面171には、図4のグルーピング設定画面61と同様に、グルーピング円63の直径の円、および、ターゲットパネル51Aのセンタ位置からグルーピングセンタ62(図4参照)までのX方向およびY方向へのズレ量を表す偏差が表示される。そして、ターゲットセンタ補正画面171の適用(センターを補正する)ボタンに対する操作が行われると、この偏差の値の反数が、BB弾12が着弾したときの衝撃音から求められる着弾位置に基づいて表示される着弾マークの表示位置を補正するセンタ補正量として設定される。即ち、ターゲットセンタ補正画面171に表示されている偏差の値の反数が、システムがターゲットパネル51Aのセンタへの着弾を標的板123のセンタへの着弾と認識するための補正値として、システムに設定される。
このように、標的装置11Aは、グルーピング機能を利用して、標的の中心を狙った射的を行い、複数のBB弾12の着弾を検出し、それらの着弾位置のグルーピング円63のグルーピングセンタ62を求めることができる。そして、標的板123における検出可能領域の中心に対するグルーピング円63のグルーピングセンタ62のX軸方向およびY軸方向のズレ量の反数を、検出された着弾位置に基づいて表示される着弾マークの表示位置に対するセンタ補正量として用いることができる。これにより、センタ設定処理において求められたグルーピング円63のグルーピングセンタ62に着弾した場合、偏差が0になるように着弾位置が補正されるようになる。
従って、例えば、ユーザは、標的の中心を狙って数発の射的を行い、それらの着弾マークに対するグルーピングを行って、ターゲットセンタ補正画面171の適用ボタン(センターを補正する)に対する操作を行うだけで、実際の着弾位置に一致するように、着弾マークを表示させることができる。
なお、BB弾12の着弾位置が、ターゲットパネル51Aの範囲から外れている場合には、ターゲットパネル51Aにはグルーピング円63は表示されない。
<着弾検出表示処理部の構成例>
図18は、標的装置11Aよりも小型のディスプレイ30を用いる際に、上述したようなセンタ設定処理を行う機能を備えた着弾検出表示処理部の機能的な構成例を示すブロック図である。
図18に示す着弾検出表示処理部71Aは、上述の図5に示す着弾検出表示処理部71と同様に、着弾位置検出部72、着弾マーク表示部73、補正量算出部74、補正量取得部75、および設定適用部76を備えている。これに加え、着弾検出表示処理部71Aは、サイズ設定処理部77およびセンタ設定処理部78を備えて構成されている。
サイズ設定処理部77は、上述の図16を参照して説明したようにサイズ設定画面161を利用して入力されるディスプレイ30の表示領域の大きさを表すモニタサイズを取得する。さらに、サイズ設定処理部77は、標的画面151がサブウィンドウとして表示されているディスプレイ30のドット数(横方向の画素の数×縦方向の画素の数)を検出することができる。そして、サイズ設定処理部77は、ディスプレイ30のモニタサイズおよびドット数に基づいて、ディスプレイ30の解像度を認識し、ディスプレイ30の表示領域の幅寸法および高さ寸法を求め、モニタ仕様として着弾マーク表示部73に設定することができる。
また、サイズ設定処理部77は、ディスプレイ30のモニタサイズに基づいて、上述の図16を参照して説明したように、ターゲットパネル51の表示倍率を求めて、サイズ設定画面161に表示することができる。さらに、サイズ設定処理部77は、サイズ設定画面161に対する操作が行われてターゲットパネル51の表示倍率の変更が行われた場合、その表示倍率に合わせてターゲットパネル51がディスプレイ30に表示されるように設定を行う。そして、サイズ設定処理部77は、ターゲットパネル51の表示倍率を、着弾マーク表示部73に設定することができる。
センタ設定処理部78には、上述の図17のターゲットセンタ補正画面171が表示されているとき、音響センサ27により取得される衝撃音に基づいて着弾位置検出部72により検出された着弾位置が供給される。そして、センタ設定処理部78は、標的板123における検出可能領域の中心に対するディスプレイ30に表示される標的画像の中心の位置を、着弾位置検出部72から供給される着弾位置に基づいて表示される着弾マークの表示位置に対するセンタ補正量として、着弾マーク表示部73に設定する。
例えば、センタ設定処理部78は、補正量算出部74と同様に、上述のグルーピング機能を利用して、センタ補正量を求めることができる。即ち、センタ設定処理部78は、標的の中心を狙った射的を所定回数繰り返して行われることで所定数のBB弾12の着弾が検出され、それらの着弾位置のグルーピングセンタ62を求めて、標的の中心に対するグルーピングセンタ62のX軸方向およびY軸方向への偏差の値の反数を、センタ補正量として算出する。これにより、着弾マーク表示部73は、センタ補正量に従って着弾マークの表示位置を補正することができる。
以上のように着弾検出表示処理部71Aは構成されており、センタ設定処理部78が、センタ補正量を着弾マーク表示部73に設定することで、着弾マーク表示部73は、標的板123に対してBB弾12が実際に着弾した着弾位置に略一致するように、ディスプレイ30に着弾マークが表示することができる。
ところで、上述したセンタ設定処理では、標的板123に対してBB弾12が実際に着弾した着弾位置と、ディスプレイ30に表示させる着弾マークの表示位置との位置合わせの基準点として、標的板123における検出可能領域の中心とディスプレイ30の表示領域の中心とを用いるとして説明を行っている。その他、この位置合わせの基準点として、標的板123における検出可能領域の任意の位置と、その任意の位置に対応するディスプレイ30の表示領域における所定の位置などを用いることもできる。要するに、基準点を一度設定しておくと、標的板123とディスプレイ30との位置関係が変わらなければ、BB弾12の着弾位置に略一致するように着弾マークを表示することができる。
または、この位置合わせを行わせるために、標的板123における検出可能領域の左下端部に、ディスプレイ30の表示領域の左下端部が一致するように、ディスプレイ30を配置させてもよい。この場合、BB弾12の着弾位置を検出する際の基準点を、標的板123における検出可能領域の左下端部とし、ディスプレイ30に着弾マークを表示させる際の基準点を、ディスプレイ30の表示領域の左下端部とする。このように基準点を設定することによって、標的板123に対してBB弾12が実際に着弾した着弾位置と、ディスプレイ30に表示させる着弾マークの表示位置とを対応付けることができる。
このように、この位置合わせの基準は、標的板123における検出可能領域の中心とディスプレイ30の表示領域の中心とを用いるのに限定されることはない。
ここで、様々なモニタサイズのディスプレイ30を組み合わせて標的装置11Aを使用する際における最も重要な点は、標的装置11Aと組み合わせて使用するディスプレイ30の解像度(単位長さ当たりのドット数)を認識することである。即ち、着弾マーク表示部73は、ディスプレイ30の解像度が設定されることによって、BB弾12の着弾位置と着弾マークの表示位置との対応付けを行うことができ、衝突位置に対応する表示位置となるように衝突マークを表示することができる。
上述したように、サイズ設定処理部77は、ディスプレイ30のドット数(横方向の画素の数×縦方向の画素の数)を検出することができる。ところが、同一のドット数であっても、様々なモニタサイズ(例えば、21.5インチ、23.6インチ、23.8インチ、24インチなど)のディスプレイ30が存在する。そのため、ディスプレイ30のドット数だけでは、ディスプレイ30の解像度を特定することができず、BB弾12の着弾位置と着弾マークの表示位置とを対応付けることができない。
そこで、図16のサイズ設定画面161を利用してユーザがディスプレイ30のモニタサイズを入力することで、サイズ設定処理部77は、ディスプレイ30のドット数に従って、ディスプレイ30の解像度を認識することができる。例えば、1インチ当たりのドット数である解像度dpiは、ディスプレイ30の画素が方眼状に並んでいると仮定すると、横方向のドット数wおよび縦方向のドット数hを用いて、次の式(1)に従って算出される。
そして、この解像度dpiから、例えば、1mm当たりのドット数(=dpi/25.4)を求めることで、着弾位置(単位:mm)を表示位置に対応させることができ、この逆数がドットピッチ(単位:mm)となる。従って、このドットピッチに横方向のドット数および縦方向のドット数を乗算することで、ディスプレイ30の表示領域の幅寸法および高さ寸法(mm)も求められる。
このように、サイズ設定処理部77は、ディスプレイ30の解像度を認識して、ディスプレイ30の表示領域の幅寸法および高さ寸法とともに、ディスプレイ30の解像度を、モニタ仕様として着弾マーク表示部73に設定する。
これにより、着弾マーク表示部73は、どのようなモニタサイズのディスプレイ30であっても、ディスプレイ30の解像度に基づいて、着弾位置検出部72により検出されたBB弾12の着弾位置に、着弾マークを正確に表示することができる。即ち、BB弾12の着弾位置を検出する際の基準点とディスプレイ30に着弾マークを表示させる際の基準点とが一致していれば、着弾マーク表示部73は、ディスプレイ30の解像度に基づいて、その基準点に対するBB弾12の着弾位置を、着弾マークを表示する際の表示位置として用いることで、BB弾12の着弾位置に一致するように着弾マークを表示することができる。
<ノート型のPCの使用例>
図19には、標的装置11Aにおいて、ディスプレイ30に替えて、ノート型のPC15の表示部を標的として使用する使用例が示されている。
標的装置11Aは、上述したように、ディスプレイ30をPC15のサブディスプレイとして用いる他、ディスプレイ30を使用せずに、図19に示すように、PC15の表示部を背面側に配置して使用することができる。なお、実際の使用時には、PC15のキーボード部分を覆うように、図14に示した捕集マット130が掛けられた状態となる。
このように、標的装置11Aよりも小型の表示部を備えたPC15を使用する場合にも、ターゲットセンタ補正画面171を用いてターゲットセンタ補正を行うことで、着弾位置に略一致するように着弾マークを表示することができる。
なお、ユーザは、PC15に対する操作を直接的に行う他、例えば、PC15と無線通信を介して接続されたタブレットPC(図示せず)を利用して、遠隔的に、PC15に対する操作を行うようにしてもよい。
以上のように、ユーザは、標的装置11Aに対して任意の位置に、様々なサイズのディスプレイ30を配置して射的を行うことができる。このとき、上述したように、標的装置11Aを正面から見たときの標的板123の中心に、ターゲットパネル51Aの中心が一致するようにディスプレイ30が設置されていなくても、BB弾12の着弾位置に略一致するように着弾マークを表示することができる。
なお、32インチの大きさで構成された標的装置11Aに対し、32インチ以上のモニタサイズのディスプレイ30を使用した場合でも、上述のセンタ設定処理を行うことで、BB弾12の着弾位置に略一致するように着弾マークを表示することができる。ただし、この場合、標的装置11Aよりも外側の部分となるディスプレイ30に対し、BB弾12に対する保護を行うことが好ましい。
また、ディスプレイ30の中心が、ターゲットパネル51Aの中心とする必要はないが、BB弾12の着弾位置を検出するシステムの中心としてディスプレイ30の中心が設定されるので、別の標的が選択されるなど設定を変更したときにはズレが発生することが想定される。そのため、ディスプレイ30の中心と、ターゲットパネル51Aの中心とを一致させた状態で、上述したようなディスプレイ30のモニタ仕様を設定することが望ましい。
また、上述した照準補正処理、着弾遅延処理、およびセンタ設定処理は、BB弾12を使用した射的システムの他、レーザ光や赤外線などを使用した光学的な射的システムにも適用することができる。このような光学的な射的システムにおいても、即ち、標的に対する光線銃等の銃身18の位置や向きなどを光学的に検出し、撃発時における銃口の向きと位置に応じて着弾位置を特定するシステムにおいても、射的競技は、人間が光線銃等を手に持って行うものであるから、銃身18がぶれてしまうのは仕方がない。そのため、上述したようなグルーピング機能を利用して照準調整を行うことは、光学的な射的システムにおいても有効である。
なお、上述のフローチャートを参照して説明した各処理は、必ずしもフローチャートとして記載された順序に沿って時系列に処理する必要はなく、並列的あるいは個別に実行される処理(例えば、並列処理あるいはオブジェクトによる処理)も含むものである。また、プログラムは、1つのCPUにより処理されるものであっても良いし、複数のCPUによって分散処理されるものであっても良い。
また、上述した一連の処理(情報処理方法)は、ハードウエアにより実行することもできるし、ソフトウエアにより実行することもできる。一連の処理をソフトウエアにより実行する場合には、そのソフトウエアを構成するプログラムが、専用のハードウエアに組み込まれているコンピュータ、または、各種のプログラムをインストールすることで、各種の機能を実行することが可能な、例えば汎用のパーソナルコンピュータなどに、プログラムが記録されたプログラム記録媒体からインストールされる。なお、通信により取得されたプログラムがインストールされてもよい。
図20は、上述した一連の処理をプログラムにより実行するコンピュータのハードウエアの構成例を示すブロック図である。
コンピュータにおいて、CPU(Central Processing Unit)201,ROM(Read Only Memory)202,RAM(Random Access Memory)203は、バス204により相互に接続されている。
バス204には、さらに、入出力インタフェース205が接続されている。入出力インタフェース205には、キーボード、マウス、マイクロホンなどよりなる入力部206、ディスプレイ、スピーカなどよりなる出力部207、ハードディスクや不揮発性のメモリなどよりなる記憶部208、ネットワークインタフェースなどよりなる通信部209、磁気ディスク、光ディスク、光磁気ディスク、或いは半導体メモリなどのリムーバブルメディア211を駆動するドライブ210が接続されている。
以上のように構成されるコンピュータでは、CPU201が、例えば、記憶部208に記憶されているプログラムを、入出力インタフェース205及びバス204を介して、RAM203にロードして実行することにより、上述した一連の処理が行われる。
コンピュータ(CPU201)が実行するプログラムは、例えば、磁気ディスク(フレキシブルディスクを含む)、光ディスク(CD-ROM(Compact Disc-Read Only Memory),DVD(Digital Versatile Disc)等)、光磁気ディスク、もしくは半導体メモリなどよりなるパッケージメディアであるリムーバブルメディア211に記録して、あるいは、ローカルエリアネットワーク、インターネット、デジタル衛星放送といった、有線または無線の伝送媒体を介して提供される。
そして、プログラムは、リムーバブルメディア211をドライブ210に装着することにより、入出力インタフェース205を介して、記憶部208にインストールすることができる。また、プログラムは、有線または無線の伝送媒体を介して、通信部209で受信し、記憶部208にインストールすることができる。その他、プログラムは、ROM202や記憶部208に、あらかじめインストールしておくことができる。
なお、本実施の形態は、上述した実施の形態に限定されるものではなく、本開示の要旨を逸脱しない範囲において種々の変更が可能である。
例えば、標的に対して飛翔物体を当てる任意の競技や遊戯、具体的には、ダーツ、吹き矢などの標的システムに適用してもよい。この場合、弾痕マークの代わりにダーツや吹き矢の矢を標的画像上に表示すればよい。また、当然ながら、BB弾に代わるダーツや吹き矢の矢が標的板24に刺さらないようにその先端を丸める必要がある。さらに、標的板24の強度を増せば、本発明は、トイガン(ソフトエアガン)よりも着弾時のエネルギが強い実銃(空気銃等)の標的システムにも適用することも可能である。