JP2023090615A - 標的システム - Google Patents

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Abstract

【課題】標的システムの機能性の向上を図る。【解決手段】標的システムの標的板45が、第1の固定部材41および第2の固定部材42が規定位置に配置された状態で、所定の形状を維持し、第1の固定部材41および第2の固定部材42が規定位置から取り外された状態で、第1の固定部材41および第2の固定部材42のうち少なくとも一方を軸として巻き取り可能に構成され、第1の支持部材41および第2の支持部材42は、それぞれ第1の固定部材41および第2の固定部材42に対して支持するか否かを選択可能に取り付けられる。本技術は、例えば、BB弾を射撃できるソフトエアガンの標的システムに適用できる。【選択図】図3

Description

特許法第30条第2項適用申請有り ウェブサイトの掲載日 令和4年4月29日 ウェブサイトのアドレス http://eitech.co.jp/sub17.html
本開示は、標的システムに関し、特に、より機能性の向上を図ることができるようにした標的システムに関する。
従来、プラスチック製の弾丸(以下、BB(Ball Bullet)弾と称する)を低圧の圧縮空気などで発射する機構を備えたトイガンであるソフトエアガンを使用して標的を射撃し、標的にBB弾が着弾したときの着弾位置に応じて得られるスコアを競う射撃競技が行われている。このような射撃競技では、BB弾の着弾位置を正確に検出することが重要である。
そこで、本願出願人は、シート状の標的板にBB弾が着弾したときに発生する衝撃波を検出することで、標的板に着弾したBB弾の着弾位置や着弾速度、エネルギーなどを正確に算出することができる標的システムを提案している(例えば、特許文献1参照)。
また、本願出願人は、標的システムにおいて、標準ターゲットの中心部分を覆うように付箋紙を貼付し、その付箋紙の中心を狙ってソフトエアガンにより射撃を行うことにより、着弾点の補正を行う第1のキャリブレーション処理を開示している(例えば、特許文献2参照)。
特開2014-25677号公報 特開2016-90170号公報
ところで、従来の標的システムよりも、より可搬性や収納性などを高めることや、補正を容易に行えるようにすることなど、さらなる機能性の向上が求められている。
本開示は、このような状況に鑑みてなされたものであり、より機能性の向上を図ることができるようにするものである。
本開示の一側面の標的システムは、標的に向かって飛翔する飛翔物体の衝突を撓むことによって受け止め、前記飛翔物体の反発を抑制する軟質の部材により構成される標的板と、前記飛翔物体が前記標的板に衝突する際に発生する衝撃音を検出する複数の検出部と、前記標的板の第1の辺に対して固定され、前記第1の辺に沿った形状の第1の固定部材と、前記標的板の前記第1の辺に対向する第2の辺に対して固定され、前記第2の辺に沿った形状の第2の固定部材と、前記第1の固定部材および前記第2の固定部材の一方の端部近傍を支持する第1の支持部材と、前記第1の固定部材および前記第2の固定部材の他方の端部近傍を支持する第2の支持部材とを備え、前記標的板は、前記第1の固定部材および前記第2の固定部材が規定位置に配置された状態で、所定の形状を維持し、前記第1の固定部材および前記第2の固定部材が規定位置から取り外された状態で、前記第1の固定部材および前記第2の固定部材のうち少なくとも一方を軸として巻き取り可能に構成され、前記第1の支持部材および前記第2の支持部材は、それぞれ前記第1の固定部材および前記第2の固定部材に対して支持するか否かを選択可能に取り付けられる。
本開示の一側面においては、標的システムは、標的に向かって飛翔する飛翔物体の衝突を撓むことによって受け止め、飛翔物体の反発を抑制する軟質の部材により構成される標的板と、飛翔物体が標的板に衝突する際に発生する衝撃音を検出する複数の検出部と、標的板の第1の辺に対して固定され、第1の辺に沿った形状の第1の固定部材と、標的板の第1の辺に対向する第2の辺に対して固定され、第2の辺に沿った形状の第2の固定部材と、第1の固定部材および第2の固定部材の一方の端部近傍を支持する第1の支持部材と、第1の固定部材および第2の固定部材の他方の端部近傍を支持する第2の支持部材とを備える。そして、標的板は、第1の固定部材および第2の固定部材が規定位置に配置された状態で、所定の形状を維持し、第1の固定部材および第2の固定部材が規定位置から取り外された状態で、第1の固定部材および第2の固定部材のうち少なくとも一方を軸として巻き取り可能に構成され、第1の支持部材および第2の支持部材は、それぞれ第1の固定部材および第2の固定部材に対して支持するか否かが選択可能に取り付けられている。
本開示の一側面によれば、より機能性の向上を図ることができる。
なお、ここに記載された効果は必ずしも限定されるものではなく、本開示中に記載されたいずれかの効果であってもよい。
本技術を適用した標的システムの一実施の形態の構成例を示す図である。 標的装置の構成例を示す図である。 支持部材の取り付け構造について説明する図である。 信号処理基板の機能的な構成を説明するブロック図である。 増幅度設定画面の表示例を示す図である。 詳細設定画面の表示例を示す図である。 黒点圏の表示サイズが変更可能な標的画像の表示例を示す図である。 標的装置の第2の構成例を示す側面図である。 BB弾が飛び散らないように標的装置を使用する使用例を説明する図である。 標的紙を使用した標的装置の使用例を説明する図である。 標的紙を使用した標的装置の使用例を説明する図である。
以下、本技術を適用した具体的な実施の形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。
<標的システムの構成例>
図1は、本技術を適用した標的システムの一実施の形態の構成例を示す図である。
図1に示すように、標的システム11は、標的装置12、表示装置13、およびノートブック型パーソナルコンピュータ(以下、ノートPC(Personal Computer)と称する)14を備えて構成される。
例えば、標的装置12は、表示装置13の前方に配置され、ノートPC14は、射撃を行うユーザの手元に配置される。そして、標的システム11では、標的装置12およびノートPC14が、通信ケーブル15を介して接続されており、表示装置13およびノートPC14が、映像ケーブル16を介して接続されている。なお、これらがワイヤレスで接続される構成を採用してもよい。
例えば、標的システム11では、ユーザがノートPC14の本体部21を操作して、射撃を行う際の標的を表す標的画像TをノートPC14の表示部22に表示させるとともに、映像ケーブル16を介して、表示装置13にも標的画像Tを表示させることができる。
そして、ユーザがソフトエアガン31の銃口を標的システム11に向けて標的画像Tを狙って射撃を行うと、ソフトエアガン31から発射されたBB弾32は、図1に示す一点鎖線に沿って飛んだ後、標的装置12に着弾する。このとき、標的システム11では、標的装置12にBB弾32が着弾した着弾位置が検出され、その着弾位置を示す着弾マークPが標的画像Tに重畳して表示される。
また、標的システム11では、標的装置12の前方の下側に捕集トレイ17が配置されている。そして、BB弾32が標的装置12に着弾したとき、標的装置12の標的板45(図2参照)が撓むことによってBB弾32の衝突の勢いが吸収され、BB弾32は捕集トレイ17に落下する。これにより、標的装置12に着弾したBB弾32を散らばらせることなく捕集トレイ17によって回収することができる。
このように標的システム11は構成されており、ソフトエアガン31から発射されたBB弾32が標的装置12に着弾した着弾位置を検出する検出機能、および、標的装置12に着弾したBB弾32を捕集トレイ17で回収する回収機能を備えている。
なお、標的システム11は、ノートPC14に替えて、タブレット端末やスマートフォンなどを備えた構成としてもよく、ノートPC14に対する操作を、タブレット端末やスマートフォンなどに対して行うようにしてもよい。また、標的装置12のコントロールユニット47(図2参照)に、操作部を設けたり表示装置13への出力機能を設けたりすることによって、標的装置12が単体で使用できるようにしてもよい。
<標的装置の構成例>
図2および図3を参照して、標的装置12の構成例について説明する。
図2に示すように、標的装置12は、上辺固定部材41、下辺固定部材42、支持部材43、支持部材44、標的板45、音響センサ46-1乃至46-4、および、コントロールユニット47を備えて構成される。また、表示装置13の表面には、保護板51が装着されており、保護板51が標的装置12の一部を構成していてもよい。例えば、保護板51は、標的板45の背面側に配置され、硬質の部材により構成される板(背面板とも称する)を用いることができる。
上辺固定部材41は、例えば、断面形状がコ字状の部材であって、標的板45の横幅とほぼ同じ長さの部材である。また、上辺固定部材41は、標的板45の上辺に沿った細長い形状とされ、標的板45の上辺に対して、所定のピッチ間隔で複数本のネジを用いて固定される。もちろん、ネジ以外の固定方法で標的板45を上辺固定部材41に固定してもよく、例えば、標的板45の上端部を、細長い板状の部材で上辺固定部材41に挟み込むような固定方法等を採用してもよい。
下辺固定部材42は、上辺固定部材41と同様の形状であって、標的板45の下辺に対して固定される。
支持部材43および支持部材44は、標的板45の縦幅とほぼ同じ長さの棒状の部材である。図2に示すように標的装置12を正面から見て、支持部材43は、上辺固定部材41と下辺固定部材42との左側端部を支持し、支持部材44は、上辺固定部材41と下辺固定部材42との右側端部を支持する。例えば、支持部材43および支持部材44は、上辺固定部材41と下辺固定部材42とに対して支持するか否かを選択可能に取り付けられており、その取り付け構造については、図3を参照して後述する。
標的板45は、表示装置13に表示された標的画像Tを透過させる透明な部材であって、標的画像Tに向かってソフトエアガン31により発射されたBB弾32の衝突を撓むことによって受け止めることができる軟質なシート状の部材が用いられる。例えば、標的板45には、衝撃による変形に対する復元速度が緩やかな材質として、厚み3.0mmの軟質の塩化ビニル樹脂などを使用することが好ましい。また、標的板45は、表示装置13の前方において略垂直となるように張った状態で全体的に平坦となるように、即ち、撓みが生じないように平面的に、上辺が上辺固定部材41の前面側の側面に固定されるとともに、下辺が下辺固定部材42の前面側の側面に固定される。
なお、標的板45のサイズを大きく形成して、標的板45によって標的装置12の周囲を保護するようにしてもよい。例えば、標的板45の横幅を上辺固定部材41および下辺固定部材42の長さよりも長くして、左右の横方向に広い範囲を標的板45で覆うようにすることで、標的装置12の側部を保護することができる。また、標的板45の上辺を上辺固定部材41より高くして、上方向に広い範囲を標的板45で覆うようにすることで、標的装置12の上部やコントロールユニット47を保護することができる。また、標的板45の下辺を上辺固定部材41より低くして、下方向に広い範囲を標的板45で覆うようにすることで、標的装置12の下部を保護することができる。
音響センサ46-1乃至46-4は、例えば、BB弾32が標的板45に着弾したときに生じる衝撃音を取得し、取得した衝撃音の振幅の変化に従った音響信号をコントロールユニット47に供給する。
音響センサ46-1乃至46-4の配置については、標的板45の背面側であって、それぞれ標的板45の四隅に近い位置となるように、標的板45および保護板51に挟まれた空間内に固定される。例えば、音響センサ46-1は、上辺固定部材41の下側を向く面の左端近傍に配置され、音響センサ46-2は、上辺固定部材41の下側を向く面の右端近傍に配置される。また、音響センサ46-3は、下辺固定部材42の上側を向く面の左端近傍に配置され、音響センサ46-4は、下辺固定部材42の上側を向く面の右端近傍に配置される。ただし、音響センサ46-1乃至46-4は、外部音の影響を避け、適切に衝撃音が共鳴する範囲に配置する必要があり、それぞれ右端または左端から最低でも20mm以上内側に配置することが好適である。なお、以下適宜、音響センサ46-1乃至46-4それぞれを区別する必要がない場合、単に、音響センサ46と称する。また、この空間の端が閉じていて外部音の影響を受けない場合でも、反射音の影響を避けるためには20mm以上内側に音響センサ46を配置することが好適である。
このように、音響センサ46は、標的板45および保護板51に挟まれた空間に配置されており、標的板45および保護板51の間で衝撃音が共鳴することによって、安定的な音響信号を取得することができる。また、音響センサ46が配置される空間は、標的板45および保護板51が所定の一定間隔で互いに平行に配置されることによって設けられ、少なくとも一部が外部に開放される構成、図示する例では、左側方および左側方が外部に開放される構成となっている。なお、音響センサ46は、標的板45から背面側に向かう一定間隔の空間内に配置されていればよい。例えば、音響センサ46が配置される空間は、保護板51を設けずに、標的板45および表示装置13によって挟まれた空間としてもよいし、標的板45の背面側に配置されるように標的装置12に背面板(図示せず)を取り付けて、標的板45および背面板によって挟まれた空間としてもよい。
なお、本実施の形態では4個の音響センサ46-1乃至46-4を用いた構成について説明するが、音響センサ46の個数は4個に限定されるものではない。例えば、3個や6個、8個など、標的装置12のサイズまたは形状に応じて、着弾位置などを適切に測定可能な個数の音響センサ46を用いることができる。例えば、6個の音響センサ46を用いる場合には、四隅に加え、上辺中央および下辺中央にも音響センサ46が配置される。
コントロールユニット47は、上辺固定部材41の上側面の中央に固定されており、音響センサ46-1乃至46-4から出力される音響信号を入力するための信号線(図示せず)が接続される。コントロールユニット47には、BB弾32が標的板45に着弾したときに音響センサ46-1乃至46-4から出力される音響信号に対して所定の信号処理を施す信号処理基板が収納される。この信号処理基板は、音響センサ46-1乃至46-4から出力される音響信号に基づいて、BB弾32が標的板45に着弾したときの着弾位置や着弾速度などを検出するための検出信号(図4を参照して後述するピークホールド信号および衝撃音検出時刻信号)を出力する。そして、コントロールユニット47に接続される通信ケーブル15(図1)を介して、コントロールユニット47に収納された信号処理基板から出力される検出信号がノートPC14(図1)に供給される。
このように、標的装置12は、標的板45の上辺を上辺固定部材41で固定するとともに、標的板45の下辺を下辺固定部材42で固定して、支持部材43および支持部材44によって上辺固定部材41と下辺固定部材42との両端近傍を支持するように構成される。これにより、標的装置12は、上辺固定部材41および下辺固定部材42で上辺および下辺を引っ張るようにテンションを掛けた状態で標的板45に撓みが生じないように、標的板45が全体的に平坦な形状を維持することができる構成となっている。この状態で、表示装置13の前方で標的板45が略垂直となるように標的装置12が配置され、BB弾32の着弾位置を検出するのに使用される。
そして、標的装置12では、支持部材43および支持部材44の取り付け構造が、上辺固定部材41と下辺固定部材42とを支持している状態(図2に示す状態)と、上辺固定部材41と下辺固定部材42との支持が解除された状態とが選択可能となるように構成される。
例えば、標的装置12の使用時には、支持部材43および支持部材44によって上辺固定部材41と下辺固定部材42とを支持している状態として、標的板45が平面的に張った形状を維持することができる。この状態で、標的装置12を表示装置13に装着すると、上辺固定部材41は、表示装置13の上辺に沿った規定位置に配置され、下辺固定部材42は、表示装置13の下辺に沿った規定位置に配置される。一方、例えば、標的装置12の収納時には、標的装置12を表示装置13から取り外し、支持部材43および支持部材44による上辺固定部材41と下辺固定部材42との支持が解除された状態として、上辺固定部材41または下辺固定部材42に巻き取られるように標的板45をロール状の形状にすることができる。
図3を参照して、支持部材43および支持部材44の取り付け構造について説明する。
図3の上側には、支持部材43および支持部材44によって上辺固定部材41と下辺固定部材42とを支持している状態の標的装置12の概略的な構成が示されている。図3の下側には、支持部材43および支持部材44による上辺固定部材41と下辺固定部材42との支持が解除された状態の標的装置12の概略的な構成が示されている。
支持部材43は、一方の端部が、ヒンジ部材61-1を介して上辺固定部材41の左端近傍に固定され、他方の端部が、ラッチ部材62-1によって下辺固定部材42の左端近傍に対して係止されるような取り付け構造となっている。同様に、支持部材44は、ヒンジ部材61-2を介して上辺固定部材41の右端近傍に固定され、他方の端部が、ラッチ部材62-2によって下辺固定部材42の右端近傍に対して係止されるような取り付け構造となっている。
従って、標的装置12は、ラッチ部材62-1による下辺固定部材42に対する支持部材43の係止を外すとともに、ラッチ部材62-2による下辺固定部材42に対する支持部材44の係止を外すことで、支持部材43および支持部材44による上辺固定部材41と下辺固定部材42との支持を解除することができる。
そして、図3の下側に示すように、支持部材43は、ヒンジ部材61-1の回転軸を中心に上辺固定部材41に対して折り畳むことで、上辺固定部材41と略平行な状態とすることができる。同様に、支持部材44は、ヒンジ部材61-2の回転軸を中心に(図示する矢印の方向に向かって)折り畳むことで、上辺固定部材41と略平行な状態とすることができる。
このように、標的装置12は、支持部材43および支持部材44を折り畳んだ後に、上辺固定部材41または下辺固定部材42を軸として標的板45を巻き付けたロール状にすることが可能な構成となっている。このような構成とすることにより、標的装置12は、上辺固定部材41および下辺固定部材42の長さの筒状の形態とすることで、持ち運ぶことや収納することが容易になり、可搬性や収納性などの点で、より利便性を向上させることができる。
なお、標的装置12は、支持部材43および支持部材44が上辺固定部材41と下辺固定部材42とに対して支持するか否かを選択可能に取り付けられる構造であれば、図3に示すようなヒンジ部材61およびラッチ部材62を利用した取り付け構造に限定されることはない。即ち、ヒンジ部材61およびラッチ部材62以外の部材を利用して、上辺固定部材41に対して支持部材43および支持部材44を折り畳むことができるような構造としたり、上辺固定部材41および下辺固定部材42に対して支持部材43および支持部材44を着脱可能な構造としたりしてもよい。
また、標的システム11では、表示装置13の表示面に対して保護板51が直接的に貼り付けられる構成としてもよい。その他、表示装置13の表示面の外側のベゼルに対して保護板51の外周部分の少なくとも一部分(例えば、上辺部分のみ、或いは上辺部分および下辺部分)を両面テープなどで貼着することで、保護板51が表示装置13の表示面から浮いた(例えば、2~3mm離れた)状態とする構成とすることが好適である。例えば、表示装置13に掛けるための金具を保護板51の上部に付ける方法や、表示装置13に引っかかるように保護板51の上部を曲げる方法、表示装置13に対して保護板51の上部をテープ留めする方法、表示装置13のベゼルに保護板51を両面テープで貼着する方法など、様々な方法で、表示装置13に保護板51を取り付けることができる。
そして、標的システム11では、標的装置12を使用しないときには、表示装置13から標的装置12を取り外して収納し、保護板51は表示装置13に取り付けられた状態のままとすることができる。例えば、保護板51の材質として、厚み2mmのPET(Polyethylene terephthalate)樹脂を用いた場合には、透明度および強度の点で問題なく、表示装置13の視聴に支障が生じることはない。なお、保護板51の材質として、ポリカーボネートを用いても、表示装置13の視聴に支障が生じることはない。
なお、表示装置13のサイズに合わせた保護板51を使用していれば、標的装置12のサイズは表示装置13よりも小さくてもよい。具体的には、ユーザが既に所有しているテレビジョン受像機を表示装置13として利用することができる。例えば、32インチサイズの標的装置12を、64インチサイズの表示装置13の前方に配置して、標的装置12よりも外側が保護板51で保護されるような使用も可能である。この場合、表示装置13の表示面の1/4の表示領域に標的画像Tが表示されるように表示制御を行って、標的画像Tの表示位置に合わせて標的装置12を配置して使用することができる。
このように、表示装置13に対して常に保護板51を取り付けておくことで、表示装置13の表示面に誤ってBB弾32が射撃されることを回避し、より安全性を高めることができる。もちろん、表示装置13のサイズよりも大きな保護板51を取り付けてもよく、より広範囲を保護板51で保護することができるとともに、より広い保護板51を用いることで標的板45との間の空間の端部まで衝撃音が共鳴し、より広範囲で着弾位置を正確に検出することが可能となる。
<標的システムの補正機能>
図4および図5を参照して、標的システム11における補正機能について説明する。
標的システム11は、標的板45に着弾したBB弾32の着弾位置、着弾速度、およびエネルギーの検出精度を向上させるために、音響センサ46-1乃至46-4の増幅度のバランスを調整することを目的とした補正機能を備えている。
例えば、標的システム11では、音響センサ46-1乃至46-4から略等距離(以下、装置中心と称する)の位置に標的画像Tを表示し、基準温度(例えば、25℃)で基準の威力のソフトエアガン31を用いて標的画像Tの中心部を射撃して、BB弾32の着弾によって音響センサ46-1乃至46-4から出力される音響信号の信号強度が一致して略同一の所定の値になるように、事前に、それらの音響信号に対する増幅度を調整する補正が必要となる。従来、BB弾32の装置中心への着弾において音響信号どうしの信号強度にズレが生じないようにするために、BB弾32の射撃と増幅度の調整とを繰り返して行う作業が必要となり、その作業は容易ではなかった。また、この補正を標的システム11の出荷時に行っても、標的システム11を使用していくうちに部品の経年変化などによってズレが生じてしまうことがある。
そこで、標的システム11は、BB弾32を装置中心に射撃するだけで、補正を容易に行う機能を備えて構成されている。
図4には、コントロールユニット47が備える信号処理基板71の機能的な構成を説明するブロック図が示されている。
図4に示すように、信号処理基板71は、増幅器72、フィルタ73、増幅度調整部74、全波整流回路75、ピークホールド回路76、積分回路77、比較器78、基準電圧供給回路79、および演算処理回路80を備えて構成される。また、増幅度調整部74は、オペアンプ81およびデジタルポテンショメータ82により構成される。
例えば、標的板45にBB弾32が着弾すると、音響センサ46により検出された音響信号が増幅器72に入力される。なお、増幅器72から比較器78までの各ブロックは、音響センサ46-1乃至46-4それぞれに対して設けられるが、図4では、1つの音響センサ46から出力される音響信号に対して信号処理を施すのに必要なブロックのみが示されている。
増幅器72は、音響センサ46から供給される音響信号を増幅し、フィルタ73に供給する。
フィルタ73は、例えば、HPF(High-Pass Filter)およびLPF(Low-Pass Filter)が組み合わされたバンドパスフィルタであり、増幅器72により増幅された音響信号から所定の帯域の周波数成分の信号を通過させる。フィルタ73により音響信号の周波数範囲を限定することは、音響センサ46-1乃至46-4それぞれから入力される音響信号の時間差および振幅の検出精度を向上させるのに有効である。
増幅度調整部74は、フィルタ73を通過した音響信号を増幅して全波整流回路75に供給する。また、増幅度調整部74は、ノートPC14からの制御に従って増幅度を個別に変更することができる。そして、標的システム11では、標的画像Tの中心部にBB弾32が着弾したときに、音響センサ46-1乃至46-4から入力される音響信号の振幅が、それぞれ略同一の基準値になるように、個々の増幅度調整部74の増幅度を自動的に調整することができる。このとき、標的画像Tの中心部は、音響センサ46-1乃至46-4から略等しい位置となるように表示装置13に表示される。これにより、BB弾32の着弾位置の検出結果(着弾マークPの表示位置)が正確に求められる。
例えば、図示するように、増幅度調整部74は、オペアンプ81の非反転入力端子に、フィルタ73を通過した音響信号が入力され、オペアンプ81の反転入力端子に、オペアンプ81の出力端子から出力される音響信号がデジタルポテンショメータ82を介して入力されるような回路構成となっている。そして、後述する図5の増幅度設定画面91を参照して説明するように、デジタルポテンショメータ82に対して設定されるDP設定値によって、増幅度調整部74の増幅度が調整される。
全波整流回路75は、増幅度調整部74から供給される音響信号を全波整流してピークホールド回路76に供給する。
ピークホールド回路76は、全波整流回路75から供給される音響信号のピーク値を保持し、そのピーク値を示すピークホールド信号を積分回路77および演算処理回路80に供給する。また、ピークホールド回路76は、演算処理回路80による制御に従って、保持しているピーク値をリセットすることができる。
積分回路77は、ピークホールド回路76から供給されるピークホールド信号の電圧値を積分することにより、ピークホールド信号を滑らかに増加する電圧信号に変換して、比較器78に供給する。
比較器78は、積分回路77から供給される信号の電圧値と、基準電圧供給回路79から供給される基準電圧の電圧値とを比較し、その比較結果を示す比較結果信号を演算処理回路80に供給する。例えば、比較器78は、積分回路77から供給される信号の電圧値が基準電圧の電圧値未満である場合には、比較結果として「0」を出力し、積分回路77から供給される信号の電圧値が基準電圧の電圧値以上である場合には、比較結果として「1」を出力する。
基準電圧供給回路79は、演算処理回路80による制御に従った基準電圧を比較器78に供給する。
演算処理回路80には、音響センサ46-1乃至46-4それぞれの音響信号に対して、上述したような信号処理が施されることで得られるピークホールド信号および比較結果信号が供給される。
演算処理回路80は、例えば、フリーランニングカウンタおよびAD(Analog to Digital)コンバータを備えたマイクロコンピュータにより構成される。そして、演算処理回路80は、音響センサ46-1乃至46-4の音響信号から得られるピークホールド信号、および、音響センサ46-1乃至46-4の音響信号から得られる比較結果信号に基づいた演算処理を行う。
例えば、演算処理回路80は、フリーランニングカウンタのインプットキャプチャ機能によって、音響センサ46-1乃至46-4の音響信号から得られる比較結果信号が「0」から「1」に変化したときのカウント値を、衝撃波検出時刻T1乃至T4としてキャプチャして、ノートPC14に出力する。この衝撃波検出時刻T1乃至T4は、音響センサ46-1乃至46-4の音響信号に基づいて着弾が検出された検出時刻をそれぞれ表す。
また、演算処理回路80は、音響センサ46-1乃至46-4の音響信号から得られるピークホールド信号をADコンバータによってAD変換したピークホールド値を、ノートPC14に出力する。なお、温度による補正を行う場合、演算処理回路80は、演算処理回路80に接続された温度センサ(図示せず)から出力される温度データをノートPC14に出力する。
例えば、ノートPC14が実行する射的用のアプリケーションプログラムは、信号処理基板71から供給される衝撃波検出時刻T1乃至T4に基づいて、最初に着弾を検出した時刻に対する差分を示す検出時間差Δt1乃至Δt4を求める。なお、検出時間差Δt1は、常に0である。ここで、検出時間差Δt1乃至Δt4は、BB弾32の着弾位置と、その着弾位置に最近傍の音響センサ46との間の間隔に対する伝搬経路長の差に比例する。このことに基づいて、射的用のアプリケーションプログラムは、着弾位置と音響センサ46-1乃至46-4それぞれとの間の距離を、検出時間差Δt1乃至Δt4から求めることができ、それらの距離から着弾位置を特定することができる。
次に、増幅度調整部74の増幅度を自動的に設定する手順について説明する。ここでは、増幅度調整部74のデジタルポテンショメータ82が8ビット(即ち、256段階に設定可能)である場合について説明する。
まず、標的画像Tの中心部にBB弾32が着弾したときに検出される音響信号の振幅を、所定の基準振幅で除算することで、検出値と基準値との比率rを算出する。次に、デジタルポテンショメータ82に設定されている現在のDP設定値d0から、現在の増幅度A0を計算式(A0=1+d0(256-d0))に従って算出する。そして、現在の増幅度A0を、検出値と基準値との比率rで除算することで、最適な増幅度A1(=A0/r)を求める。また、最適な増幅度Aにするために必要なデジタルポテンショメータ82の中央値(256/2)からの増減量xを計算式(x=128×(A1-2)/A1)に従って算出する。その後、デジタルポテンショメータ82の中央値に増減量xを加算した値を、新たなDP設定値(=128+x)としてデジタルポテンショメータ82に設定して、デジタルポテンショメータ82の増幅度を変更する。
標的システム11では、このような手順に従って、ノートPC14がプログラムを実行することによって、デジタルポテンショメータ82の増幅度を自動的に設定することが可能となっている。
図5に示す増幅度設定画面91は、標的画像Tの中心部に対する複数回の射撃を行って、デジタルポテンショメータ82の増幅度を自動調整するときに、ノートPC14の表示部22に表示される。
例えば、増幅度設定画面91に表示されるモード選択GUIに対する操作が行われて「自動」が選択されると、音響センサ46-1乃至46-4から出力されるS1~S4検出値(それぞれの音響信号の振幅)が、基準値入力GUIに対して入力された基準値(図示する例では、400)になるように、それぞれ対応するデジタルポテンショメータ82の増幅度が自動設定される。
そして、増幅度設定画面91において自動モードが選択されている場合、BB弾32の着弾ごとにデジタルポテンショメータ82の増幅度が自動設定される。従って、増幅度設定画面91に表示されるS1~S4検出値は、これより1つ前のBB弾32が着弾したときに自動的に調整されたデジタルポテンショメータ82の増幅度により検出された値であるものの、略正確に基準値になるように自動的に調整されている。
図示するように、S1~S4検出値がほぼ基準値となった状態で、増幅度設定画面91に表示される設定ボタンGUIに対する操作が行われると、デジタルポテンショメータ82の増幅度の調整が完了される。例えば、基準の威力のソフトエアガン31があれば、増幅度設定画面91を表示させて、標的画像Tの中心部に何発かのBB弾32を射撃して、設定ボタンGUIに対する操作を行うだけで、デジタルポテンショメータ82の増幅度が最適な状態に設定される。
なお、増幅度設定画面91の基準値設定GUIに対する操作を行うことで、ソフトエアガン31の威力に応じて基準値を変更することができ、基準の威力のソフトエアガン31でなくてもデジタルポテンショメータ82の増幅度の設定を行うことができる。
また、基準値および検出値は、標的板45にBB弾32が着弾したときの衝撃音が音響センサ46-1乃至46-4により検出された音響信号の振幅であり、BB弾32の弾速に比例する。従って、基準値および検出値を「弾速」に変更することで、ユーザ側でもデジタルポテンショメータ82の増幅度の設定を行い易くすることができる。なお、増幅度設定画面91に表示されるモード選択GUIによって「手動」が選択されると、音響センサ46-1乃至46-4に対する増幅度を、各々のスピンボックス(S1設定値~S4設定値)を操作して設定ボタンGUIに対する操作を行うことによって、自由に設定することができる。
<標的システムの黒点圏サイズの変更機能>
図6および図7を参照して、標的システム11における黒点圏サイズの変更機能について説明する。
例えば、エアライフル(実銃としての空気銃)を使用して、10m先に固定された標的に向けて精密射撃を行って、着弾点の精度を競う種目で用いられる標的(以下、10mエアライフル標的と称する)が、ISSF(International Shooting Sport Federation)ゼネラルテクニカルルールで定められている。例えば、10mエアライフル標的は、標的の中心の10点圏を白点(0.5mm)とし、その白点より外側の9点圏(5.5mm)から4点圏(30.5mm)を黒色の円形(以下、黒点圏と称する)とし、さらに外側の3点圏(35.5mm)から1点圏(45.5mm)は白色の円形とするように定められている。
ところで、10mエアライフル標的を表示装置13に表示し、ソフトエアガンを用いて競技と同じ条件で精密射撃を行っても、ソフトエアガンの命中精度が、競技用のエアライフルの命中精度よりも大幅に劣るため、着弾点の精度が低下してしまう。このため、標的システム11でソフトエアガンを使用した場合に、射手(ユーザ)の実力よりも低い点数が出てしまうことがあり、射手の実力通りの点数を出せるような機能を標的システム11に備えることが求められる。
例えば、ライフルの精密射撃競技では、エアライフルおよびソフトエアガンのどちらでも、照準器として、一般的にマイクロサイト(ピープサイト)が使用される。この照準器を使用する場合、10m先の標的も100m先の標的も単なる黒丸としか認識することができない。
そこで、標的システム11は、黒点圏(標的画像の中央における一定の円形の領域であって、黒色で表示される円形の黒色領域)の表示サイズを、標的画像の全体の表示サイズとは別に変更して表示装置13に表示させる機能を備えて構成される。つまり、10mエアライフル標的のように標的の全体の大きさおよび黒点圏の大きさが定められていることより、従来の標的システム11では、それらの大きさの割合に従い、標的画像の表示サイズの変更に伴って黒点圏の表示サイズが変更されるように構成されていた。
これに対し、標的システム11は、標的画像の表示サイズを変更することなく、黒点圏の表示サイズのみを変更することができる。例えば、標的システム11は、標的画像の表示サイズをデフォルトサイズに対する割合で変更するとともに、黒点圏の表示サイズをデフォルトサイズに対する割合で変更するようにして、それぞれが連動しないように表示サイズを設定することができるようにしてもよい。
図6に示す詳細設定画面92は、10mエアライフル標的を表示する際の各種の設定を行うときに、ノートPC14の表示部22に表示される。例えば、黒点圏サイズ設定GUIを利用して、デフォルトサイズの黒点圏の大きさ(標的の全体の大きさに対してルールに従った割合の黒点圏の大きさ)に対する割合を設定することで、黒点圏の表示サイズを変更することができる。図示する例では、黒点圏の表示サイズは100%と設定されており、この場合、標的の全体の大きさに対してルールに従った割合となる大きさの表示サイズで黒点圏が表示される。
図7のAには、詳細設定画面92の黒点圏サイズ設定GUIで100%と設定された標的画像の表示例が示されている。図示するように、黒点圏の表示サイズが100%に設定された場合、9点圏から4点圏までが黒点圏として表示される。
図7のBには、詳細設定画面92の黒点圏サイズ設定GUIで50%と設定された標的画像の表示例が示されている。図示するように、黒点圏の表示サイズが50%に設定された場合、9点圏から略7点圏の近傍までが黒点圏として表示される。
このように、黒点圏の表示サイズを変更する機能を備えることで、標的システム11は、黒点圏の表示サイズをデフォルトサイズのままとし、例えば、距離10mでのバラつきが12mmの円内に収まるソフトエアガンであれば、標的画像の表示サイズを12mm拡大することで、エアライフルの射撃を行う感覚のままでソフトエアガンの射撃を行うことができる。これにより、標的システム11でソフトエアガンを使用した場合に、射手(ユーザ)の実力通りの点数、即ち、エアライフルで射撃を行ったときと同程度の点数が出るようになり、より良好な練習ができることになる。
また、黒点圏の表示サイズを50%に設定して、表示装置13から5m離れた距離からマイクロサイト(ピープサイト)で標的画像を見た場合には、標的から10m離れた距離からデフォルトサイズの標的を見たのと同様の大きさで黒点圏が見えることになる。この場合にも、標的画像の表示サイズを、距離5mでのBB弾のバラつきを考慮したものに変更することで、エアライフルで射撃を行ったときと同程度の点数がでるような練習ができることになる。
このように、標的までの距離ごとにライフルの精度の差を吸収できる標的画像の表示サイズと黒点圏の表示サイズとの組み合わせが異なることより、標的システム11は、それぞれの組み合わせに対応することができるように、黒点圏の表示サイズが変更可能に構成される。なお、図6に示したような割合(パーセンテージ)で黒点圏の表示サイズを設定できるようにする他、黒点圏の表示サイズを標的画像の表示サイズとは独立して設定できるようにしてもよい。
また、標的システム11が備えるグルーピング計測機能(複数の着弾位置から集弾性能を計測する機能)によって計測された計測値を標的画像の表示サイズに加えることによって、自動的に、黒点圏の表示サイズに適した標的画像の表示サイズ(着弾位置のバラつきに応じた大きさ)を設定できるようにしてもよい。なお、グルーピング計測機能については、本願出願人により出願済みの特開2016-90170および特開2017-120175に詳細に開示されている。
なお、標的システム11では、詳細設定画面92を利用して、黒点圏の領域として表示される色(以下、領域色と称する)を任意に設定することができる。即ち、標的システム11は、黒色の領域色に限定されることなく、任意の領域色で黒点圏となる円形の領域を表示することができる。
<標的システムの校正方法>
次に、標的システム11における校正方法について説明する。
まず、上述した特許文献2で開示されている第1のキャリブレーション処理と同様に、標的画像の中心部分に貼付した第1の付箋紙の中心を狙ってソフトエアガンにより射撃を行って、第1の着弾点に対する補正を行う。
次に、標的画像の中心から水平方向の左右どちらかに50mm以上(より好ましくは100~200mm程度)離れた位置に貼付した第2の付箋紙を狙ってソフトエアガンにより射撃を行って、第1のキャリブレーション処理と同様に、第2の着弾点に対する補正を行う。
このとき、第2の付箋紙を貼付する位置の目印となる目印マークを表示装置13に表示するとともに、「ここに付箋紙を貼って撃ってください」というメッセージを表示装置13に表示することで、より正確に、第2の着弾点に対する補正を行うことができる。
そして、標的システム11は、第2の着弾点について第1のキャリブレーション処理が行われたのが標的画像の中心から50mm以上離れた位置であった場合、「位置補正係数を変更します。宜しいですか?」というダイアログボックスをノートPC14の表示部22に表示する。これに応じて、ユーザが、ダイアログボックスのGUIボタン「はい」に対する操作を行うと、標的システム11は、第2の着弾点における弾痕マークのX方向の移動量を、標的画像の中心と第2の着弾点との距離で割った値(なお、この値に定数を掛けてもよい)を、位置補正係数から増減することにより、位置補正係数のズレを補正する処理を行う。ここで、この値を位置補正係数から増減するとき、弾痕マークを標的画像の中心に近づけるときはマイナスとし、弾痕マークを標的画像の中心から遠ざけるときはプラスとする。なお、第1の着弾点に対する補正が済んだ状態であれば、その後いつでも何度でも第2の着弾点に対する補正を行うだけで、位置補正係数のズレを補正する処理を行うことは可能である。
このように、標的システム11は、水平方向に離れた所定の2カ所の射撃を行って、着弾位置と弾痕マークとのズレがないかどうか確認して、ズレがあったときには、弾痕マークの表示位置に対する校正を行う機能、即ち、位置補正の基本係数を補正する校正方法を備えることができる。この校正方法は、水平方向に離れた2カ所でなくてもよく、垂直方向に離れた2カ所でもよい。例えば、横長の表示装置13を用いる場合には、この2カ所の間の距離を確保し易いことより、水平方向に離れた2カ所の射撃を行うことが好適である。
また、水平方向に離れた2カ所の射撃を行って位置補正の基本係数を補正する際に、位置補正係数を全計測値に掛けていることより、X方向およびY方向の全体の補正が行われる。もちろん、X方向とY方向とで、それぞれ位置補正係数を設けて、X方向とY方向とを個別に補正するようにしてもよい。この場合、横長の表示装置13を使用するとき、最も合理的なのは、標的画像の中心との距離がX方向の方が大きければ、X方向のズレ補正量に基づいてX方向およびY方向の位置補正係数を変更し、標的画像の中心との距離がY方向の方が大きければ、Y方向のズレ補正量に基づいてY方向の位置補正係数を変更することである。もちろん、縦長の表示装置13を使用するときには、Y方向を優先することになる。
さらに、標的システム11は、標的画像の中心から外側へのズレが大きくなる様な構成であったとしても、例えば、着弾点と標的画像の中心との距離に応じてズレを補正した位置補正係数を一度算出し、その位置補正係数を計測値に掛けて再計算することによって、正確な着弾点を算出することができる。
<標的装置の第2の構成例>
図8を参照して、標的装置12の第2の構成例について説明する。
例えば、標的システム11は、表示装置13の画面を覆うように保護板51で保護し、表示装置13に対して標的装置12を装着(または、表示装置13の前方に標的装置12を配置)した状態で、上述したような射撃を行うのに利用される。また、標的システム11を利用して射撃を行わない場合には、表示装置13から標的装置12を取り外して、通常のディスプレイ(例えば、テレビジョン受像機やパーソナルコンピュータのモニタなど)として表示装置13を使用することができる。
このように、表示装置13を通常のディスプレイとして使用することができる構成とすることで、標的システム11の低コスト化および省スペース化を図ることができる。なお、表示装置13に標的装置12を装着した状態では表示画面が暗く感じることや標的板45の汚れが目立つことなどがあり、標的装置12を取り外した状態で表示装置13を通常のディスプレイとして使用することが多いと想定される。
ところで、保護板51で保護されていない表示装置13に対して装着可能となるように標的装置12が構成されている場合、保護板51で表示装置13が保護されていない状態で、標的システム11を利用した射撃が行われてしまうことが懸念される。つまり、この場合、表示装置13に対して直接的にBB弾32が着弾する可能性があり、表示装置13がBB弾32によって損傷してしまう恐れがある。
そこで、表示装置13が保護板51で保護されていない状態では、表示装置13に対して標的装置12を装着することができない構造とすることで、標的システム11の安全性を高めることができる。または、保護板51で保護されていない状態の表示装置13に対して標的装置12を装着することが、容易ではなく不便と感じるような構造であってもよい。即ち、表示装置13に対して標的装置12を装着するためには、保護板51の装着が必須である(または、保護板51を用いて容易に装着可能となる)構造を採用することで、標的システム11を利用した射撃を行うときには、表示装置13が保護板51によって必ず保護されている状態とすることができる。これにより、表示装置13に対して直接的にBB弾32が着弾することを防止して、表示装置13の損傷を回避することができる。
図8の左側には、表示装置13に対して保護板51が装着された状態が示されており、図8の右側には、保護板51で保護されている表示装置13に対して標的装置12Aが装着された状態が示されている。
保護板51には、通常のディスプレイとして表示装置13を利用しても表示画面に影響がないように透明度が高く、薄くても強度のある板状の部材が採用される。例えば、保護板51として、厚み2mmのPET(Polyethylene terephthalate)樹脂を採用することで、保護板51を装着したままであっても表示装置13を通常のディスプレイとして良好に使用することができる。また、表示装置13に対する操作を基本的にリモートコントローラーで行うことで、表示装置13よりも多少大きめの保護板51を装着しても、通常のディスプレイとしての利用に支障が生じることはない。
また、保護板51の上辺には、保護板51を表示装置13に装着するためのL字部材101が固定されている。例えば、L字部材101は、図示するように側面から見て、2つの面が略90°の角度で折り曲げられたL字形状をしており、保護板51に対して固定される面を垂直面と称し、垂直面に対して折り曲げられた面を水平面と称する。そして、L字部材101は、垂直面が保護板51の裏面(図8の右側を向く面)に固定されたときに、水平面が保護板51から離れる方向に延在するように、保護板51に対して固定される。
L字部材101の水平面の下面には、高さ調整板102が貼り付けられており、高さ調整板102の下面には、ストッパ板103が貼り付けられている。また、L字部材101の水平面の端部近傍には、標的装置12Aの装着に利用される穴104が設けられている。なお、L字部材101に設けられる穴104は、表示装置13に標的装置12を装着するたびに、表示装置13に対する標的装置12の位置がズレてしまうのを防止するための機能も備えている。
高さ調整板102は、表示装置13に対する保護板51の高さ方向の位置を調整するための板状の部材であり、例えば、所定の厚みのゴム板を必要枚数だけ重ね合わせて固定した状態で用いることができる。つまり、高さ調整板102を構成するゴム板の枚数を変更することで、表示装置13に対する保護板51の高さ方向の位置を調整することができる。
ストッパ板103は、表示装置13の上面の奥行き方向の長さに応じた間隔を設けて、L字部材101の垂直面から離れた位置に設けられる。つまり、ストッパ板103は、保護板51を表示装置13に対して装着する際に、高さ調整板102を表示装置13の上面に載置したときに、表示装置13の上面の背面側に当接する位置となるように高さ調整板102に対して貼り付けられる。
このように、保護板51の上辺にL字部材101を固定して高さ調整板102およびストッパ板103を設けて構成される係止部によって、表示装置13の上部にストッパ板103を係止させるように、表示装置13に対して保護板51を装着することができる。
また、保護板51の下辺を、両面テープ105を利用して表示装置13の表面のベゼル部分に貼り付けて、表示装置13に対して保護板51が左右にズレないように固定するようにしてもよい。例えば、両面テープ105は、上部との高さ合わせのために、L字部材101の厚みと同程度の厚み2mmのスポンジテープを3cm程度の長さで使用して、表示装置13を正面から見て右下端近傍および左下端近傍に貼り付けることが好ましい。
一方、標的装置12Aは、図8の右側に示すように、上辺固定部材41の上面に対して、上辺固定部材41から後方(図8の右方向)に向かって延在するように固定板106が固定されており、固定板106に対してコントロールユニット47が搭載された構成となっている。そして、固定板106の端部近傍には、L字部材101の水平面に設けられている穴104と同じ寸法の穴が設けられている。固定板106に設けられている穴は、標的装置12Aを保護板51の表面に当接させた状態でL字部材101の水平面に固定板106を載置したときに、穴104に対応する個所に形成される。
従って、標的装置12Aを保護板51の表面に当接させるようにL字部材101の水平面に固定板106を載置して、L字部材101の穴104と固定板106の穴とを一致させた状態で固定ピン107を差し込むことで、表示装置13に対して標的装置12Aを装着することができる。なお、固定ピン107を利用するような構造の他、L字部材101の穴104に対応するような凸部を固定板106の下面に設けて、その凸部をL字部材101の穴104に差し込むことで標的装置12Aを装着するような篏合構造を採用してもよい。または、L字部材101に穴104を設けるのに替えて凹部を設けてもよく、この凹部に対して、固定ピン107を嵌め込んだり、固定板106の下面に設けた凸部を嵌め込むような篏合構造を利用したりしてもよい。また、L字部材101に対して所定の間隔で複数の穴104に設けて、複数個の固定ピン107を使用したり、図示しない篏合構造を利用したりすることで、標的装置12Aを装着するようにしてもよい。
このように、標的システム11は、保護板51に対して固定ピン107を利用して固定するように標的装置12Aが構成されており、即ち、表示装置13に対して直接的に固定することができない(または、表示装置13に対して直接的に固定するのは不便となる)ように標的装置12Aが構成されており、保護板51が装着されていない状態の表示装置13には標的装置12Aを装着することができない構造となっている。つまり、標的装置12Aは、保護板51によって保護された状態の表示装置13に対してのみ装着可能となるように構成されている。従って、標的システム11を利用した射撃を行うときには、保護板51で表示装置13を必ず保護している状態とすることができ、標的システム11の安全性を高めることができる。
また、標的システム11では、保護板51として透明度の高い部材を用いることで、保護板51を取り外さなくても表示装置13を通常のディスプレイとして使用することができる。これにより、保護板51を装着していない状態の表示装置13に対して直接的にBB弾32が着弾する可能性を回避することができ、表示装置13がBB弾32によって損傷してしまうことを防止することができる。
さらに、標的システム11では、表示装置13に対して装着される標的装置12Aの位置に応じて、表示装置13による表示位置と標的装置12Aによる検出位置との中心を位置合わせする設定(以下、センター位置設定と称する)が必要となる。例えば、従来、表示装置13から標的装置12を取り外すと、表示装置13に対して標的装置12を装着するたびにセンター位置設定を行わなければいけなかった。
これに対し、表示装置13に対して固定的に保護板51を装着した状態とすることで、表示装置13に対して標的装置12Aが装着される位置が固定されることになるため、表示装置13に対して標的装置12Aを装着するたびにセンター位置設定を行う必要がなくなる。つまり、標的装置12Aは、上述したように固定ピン107を利用して表示装置13に対して装着される構造であるので、表示装置13に対して常に同じ位置となるように装着することができる。このため、表示装置13に対して標的装置12Aを装着するたびに、表示装置13による表示位置と標的装置12Aによる検出位置との中心が常に一致することになるため、センター位置設定を行う必要がない。
このように、標的システム11は、表示装置13から標的装置12Aを取り外すこと、および、表示装置13に対して標的装置12Aを装着することを容易に行うことができ、その際にセンター位置設定を行う必要がないため、より利便性を高めることができる。また、標的システム11は、表示装置13に保護板51を常に装着した状態としておくことができるので、より安全性を高めることができる。
なお、標的装置12Aは、標的板45の背面側に配置されるように背面板(図示せず)を取り付けた構成としてもよい。つまり、背面板を備えた標的装置12Aを、保護板51により保護された状態の表示装置13に対して装着することができる。
また、上述した実施の形態では、標的システム11を利用した射撃を行う際に、表示装置13の向きを横長にした状態で用いているが、表示装置13の向きを縦長にした状態で用いてもよい。例えば、上述したように係止させるような装着方法ではなく、保護板51の上辺および下辺を(または側部も)表示装置13に対して固定的に装着させるとともに、標的装置12Aの上辺および下辺を(または側部も)保護板51に対して固定的に装着させる装着方法を採用する。これにより、例えば、縦横回転が可能なスタンドに対して表示装置13を取り付けることで、表示装置13を容易に横向きまたは縦向きにすることができる。
また、図9に示すように、保護板51の上辺の中央にL字部材101を設けるだけでなく、保護板51の上辺の左端近傍にL字部材101Lを設けるとともに、保護板51の上辺の右端近傍にL字部材101Rを設ける構成とすることができる。同様に、標的装置12Aは、上辺固定部材41の上面の中央に固定板106を設けるだけでなく、上辺固定部材41の上面の左端近傍に固定板106Lを設けるとともに、上辺固定部材41の上面の右端近傍に固定板106Rを設けることができる。そして、L字部材101および固定板106を固定ピン107で固定し、L字部材101Lおよび固定板106Lを固定ピン107Lで固定し、L字部材101Rおよび固定板106Rを固定ピン107Rで固定することで、表示装置13に対して標的装置12Aを安定的に装着することができる。
図9は、BB弾32が飛び散らないように標的装置12Aを使用する使用例について説明する図である。
図9に示すように、標的装置12Aには、標的装置12Aの前面側の四隅から、それぞれ前方に向かって延在するような4本の支柱111乃至114を取り付けることができる。そして、支柱111乃至114には、標的装置12Aを正面から見たときに、標的装置12Aの手前側の空間の外周を囲うように布115を張り渡すことができる。
このような標的装置12Aを使用してBB弾32の射撃を行う場合、標的板45に衝突して落下するBB弾32を、布115の下部分(支柱113と支柱114との間の部分)が撓んで受け止めることができる。また、標的板45に衝突して左右に跳ね返ってしまうようなBB弾32も、布115の右部分または左部分で受け止めて落下させることができる。従って、標的装置12Aは、BB弾32が飛び散ることを防止し、図示するように、布115の下部分にBB弾32を集めることができるので、BB弾32の回収を容易に行うことができる。
例えば、布115を支柱111乃至114に縫い付ける構成とした場合、布115や支柱111乃至114を無くしてしまうことを防止することができる。また、この場合、支柱111乃至114に布115を巻き付けておくことによって、布115に皺が生じることを防止することもできる。また、この場合、支柱111乃至114だけが標的装置12Aの前方に飛び出すようなことが回避される(支柱111乃至114の間に布115が必ず張り渡されることになる)ため、安全性の向上を図ることができる。
さらに、支柱111乃至114に対して布115がズレることがないように(例えば、支柱111乃至114に穴を開けるなどして)縫い付ける構成とした場合、例えば、支柱111乃至114を適宜回転させて、上部分および左右部分では布115にテンションが掛かったように張ったような状態とする一方で、下部分では布115が弛むような状態とすることで、BB弾32を回収するのに好適となるように布115を張り渡すことができる。また、この場合、標的装置12Aの向きが縦長または横長のいずれであっても下部分の布115だけを弛ませることができ、より好適に布115を張り渡すことができる。
また、下部分および左右部分にだけ布115を配置するような構成や、2本の支柱113および支柱114だけを取り付けて下部分にのみ布115を配置するような構成を採用してもよい。もちろん、図示するように標的装置12Aの手前側の空間の外周を囲うように布115を配置する構成を採用する方がBB弾32を回収する確率が高くなるものの、それ以外の構成を採用した場合には、低コスト化を図ることや取り扱いの簡便化を図ることができる。
なお、例えば、折り畳み可能な構造の支柱111乃至114を標的装置12Aの前面側に取り付ける構成とすることで、利便性の向上を図ることができる。また、布115として、一般的な織物を使用する他、例えば、樹脂フィルムなどの他の素材を使用してもよい。
<標的システムの計測機能>
標的システム11が備える計測機能について説明する。
例えば、標的システム11は、図1に示したように、ユーザの手元にノートPC14を配置した状態で利用され、ソフトエアガン31がBB弾32を発射する際の発射音を、ノートPC14に内蔵されたマイクロフォンで検出することができる。そして、ノートPC14(の演算処理部)は、マイクロフォンが捕らえたBB弾32の発射音から求められる発射タイミング(発射音の信号の波形が立ち上がったタイミング)、および、音響センサ46-1乃至46-4から供給される音響信号から求められるBB弾32が標的板45に着弾した着弾タイミング(音響信号の波形が立ち上がったタイミング)を入力として、以下のような演算処理を行うことができる。
即ち、ノートPC14は、発射タイミングを示す時刻T0と着弾タイミングを示す時刻T1との時間差、および、音速cに基づいて、BB弾32の飛翔時間Tfを算出することができる。例えば、ソフトエアガン31の位置からマイクロフォンまでの距離SmをノートPC14に設定することで、ノートPC14は、次の式(1)に従って、BB弾32の飛翔時間Tfを算出することができる。
Figure 2023090615000002
そして、ソフトエアガン31の位置から標的装置12の標的板45(着弾面)までの距離SをノートPC14に設定することで、ノートPC14は、次の式(2)に従って、BB弾32の飛翔時間Tfに基づいて、BB弾32の平均弾速Vを算出することができる。
Figure 2023090615000003
さらに、BB弾32の重量MをノートPC14に設定することで、ノートPC14は、次の式(3)に従って、BB弾32の平均弾速Vに基づいて、BB弾32の平均エネルギーEを算出することができる。
Figure 2023090615000004
これにより、標的システム11は、BB弾32の飛翔時間Tfや、平均弾速V、平均エネルギーEなどを、表示装置13やノートPC14の表示部22などに表示して、ユーザに提示することができる。
なお、ソフトエアガン31がBB弾32を発射する際の発射音は、ノートPC14に内蔵されたマイクロフォンで検出する他、外付けのマイクロフォンで検出するようにしてもよい。例えば、標的装置12に対してマイクロフォンを装着してもよいし、ソフトエアガン31に対してマイクロフォンを装着してもよい。または、ソフトエアガン31に衝撃センサを装着して、ソフトエアガン31がBB弾32を発射したタイミングを衝撃センサにより検出してもよい。
また、例えば、BB弾32の重量Mごとに、ソフトエアガン31からの距離ごとの弾速減衰率を示すテーブルを用意しておくことで、ノートPC14は、BB弾32が標的板45に着弾したときの弾速およびエネルギーを推定することができる。さらに、ノートPC14は、BB弾32が発射されてから着弾するまでの距離や時間ごとに弾速およびエネルギーを計算して、その計算結果を示すグラフを表示することができる。なお、標的システム11が、BB弾32の着弾時の弾速を計測する機能を備えている場合、平均弾速Vおよび距離Sのみから、ソフトエアガン31によるBB弾32の発射時の弾速を計算して表示することができる。
<標的紙を使用した標的装置の使用例>
図10および図11を参照して、標的紙を使用した標的装置12の使用例について説明する。なお、図10および図11において図示は省略されているが、標的装置12を単独で自立させるための脚部が標的装置12に取り付けられている。
図1に示したように、標的装置12は、表示装置13に標的画像Tを表示させてBB弾32を射撃するような使用の他、図10に示すように、標的が描かれた標的紙121を標的板45の裏側に配置して使用することができる。例えば、上述したように表示装置13に対して標的装置12を装着させて使用する場合には、表示装置13と標的板45との間に間隔がある。このため、標的装置12に対して斜め方向から射撃を行うときにユーザから見て、BB弾32が着弾すると想定される標的上の着弾位置と、BB弾32が実際に着弾する標的板45の着弾位置との間にズレ(以下、視差ズレと称する)が生じてしまう。
そこで、図10に示すように、標的板45の裏面に標的紙121を貼り付けることで、標的装置12に対して斜め方向から射撃を行ったときでも視差ズレを最小にすることができる。なお、標的板45の表面に標的紙121を配置した場合には視差ズレをゼロにすることができるが、この場合、標的紙121が破けてしまうため、標的板45の裏面に標的紙121を配置することが好ましい。具体的には、厚み3mmの標的板45の裏面に、厚み0.09mmの普通紙からなる標的紙121を貼り付けて、エネルギーが0.9Jのソフトエアガン31でBB弾32を射撃しても標的紙121が破れないことが確認された。このとき、標的装置12による着弾位置の計測を良好に行うことができた。
なお、標的板45の裏面に対して標的紙121を貼り付け(即ち、標的板45の裏面から0mmで)なくても、標的装置12に対して斜め方向から射撃を行ったときに生じる視差ズレが気にならない程度であれば、標的板45の裏面から離れた位置に標的紙121を配置してもよい。例えば、標的板45の裏面から40mm以内の位置に標的紙121を配置することが好適である。このように、標的板45の裏面から標的紙121を離すことで、標的紙121が破けてしまうことを確実に回避することができる。
図11には、標的装置12を縦置きで設置して、標的123が描かれた標的紙122を、支持部材43および支持部材44に対して環状に取り付けて使用する使用例が示されている。
例えば、標的紙122は、支持部材43および支持部材44の間隔の2倍以上の長さとなるように複数枚の普通紙を繋ぎ合わせ、一方の端部を支持部材43の手前側から奥側に渡し、他方の端部を支持部材44の手前側から奥側に渡して、それらの端部どうしを繋いで環状にした状態で使用される。このように支持部材43および支持部材44を利用することで、標的板45の裏面から5mm程度離れた位置に、標的紙122を配置することができる。
そして、このような使用例では、環状の標的紙122を回転させることで、標的123の位置を上下方向に調整することができる。また、図示しないが、複数種類の標的123が標的紙122に描かれている場合、環状の標的紙122を回転させて標的123の位置を上下方向に移動させることで、所望の種類の標的123を利用した射撃を行うことができる。または、両側から巻き取るように標的紙122を構成して、複数の標的123を選べるようにしてもよい。
なお、標的紙121および標的紙122として、一般的な紙の使用に限定されることはない。例えば、ポリエチレンフィルムなどのような薄い膜状の樹脂に標的を描いた標的フィルムを使用してもよい。ただし、紙を使用した場合と比較してポリエチレンフィルムを使用した場合には、音響センサ46により計測される音響信号の振幅が低下することが想定されるため、着弾位置などの計測への影響を考慮すると紙を使用する方が好ましい。また、ポリエチレンフィルムは紙と比較して耐久性が高いため、標的板45の表面に標的フィルムを貼り付けた場合、BB弾32の着弾位置によって凹むことはあるが容易に破れてしまうことはない。従って、ある程度の寿命はあるものの、標的板45の表面に標的フィルムを貼り付けて使用することができる。
例えば、このような使用例においても、標的装置12を利用してBB弾32の着弾位置を良好に検出することができ、ユーザは、手元に配置したノートPC14の表示部22でBB弾32の着弾位置を確認することができる。
なお、本実施の形態は、上述した実施の形態に限定されるものではなく、本開示の要旨を逸脱しない範囲において種々の変更が可能である。また、本明細書に記載された効果はあくまで例示であって限定されるものではなく、他の効果があってもよい。
11 標的システム, 12 標的装置, 13 表示装置, 14 ノートPC, 15 通信ケーブル, 16 映像ケーブル, 17 捕集トレイ, 21 本体部, 22 表示部, 31 ソフトエアガン3, 32 BB弾, 41 上辺固定部材, 42 下辺固定部材, 43および44 支持部材, 45 標的板, 46 音響センサ, 47 コントロールユニット, 51 保護板, 61 ヒンジ部材, 62 ラッチ部材, 71 信号処理基板, 72 増幅器, 73 フィルタ, 74 増幅度調整部, 75 全波整流回路, 76 ピークホールド回路, 77 積分回路, 78 比較器, 79 基準電圧供給回路, 80 演算処理回路, 81 オペアンプ, 82 デジタルポテンショメータ, 91 増幅度設定画面, 92 詳細設定画面

Claims (14)

  1. 標的に向かって飛翔する飛翔物体の衝突を撓むことによって受け止め、前記飛翔物体の反発を抑制する軟質の部材により構成される標的板と、
    前記飛翔物体が前記標的板に衝突する際に発生する衝撃音を検出する複数の検出部と、
    前記標的板の第1の辺に対して固定され、前記第1の辺に沿った形状の第1の固定部材と、
    前記標的板の前記第1の辺に対向する第2の辺に対して固定され、前記第2の辺に沿った形状の第2の固定部材と、
    前記第1の固定部材および前記第2の固定部材の一方の端部近傍を支持する第1の支持部材と、
    前記第1の固定部材および前記第2の固定部材の他方の端部近傍を支持する第2の支持部材と
    を備え、
    前記標的板は、
    前記第1の固定部材および前記第2の固定部材が規定位置に配置された状態で、所定の形状を維持し、
    前記第1の固定部材および前記第2の固定部材が規定位置から取り外された状態で、前記第1の固定部材および前記第2の固定部材のうち少なくとも一方を軸として巻き取り可能に構成され、
    前記第1の支持部材および前記第2の支持部材は、それぞれ前記第1の固定部材および前記第2の固定部材に対して支持するか否かを選択可能に取り付けられる
    標的システム。
  2. 前記第1の支持部材および前記第2の支持部材は、それぞれ一方の端部がヒンジ部材を介して前記第1の固定部材に固定され、それぞれ他方の端部がラッチ部材を介して前記第2の固定部材に対して係止される取り付け構造となっている
    請求項1に記載の標的システム。
  3. 前記標的板の背面側に配置され、硬質の部材により構成される背面板をさらに備え、
    複数の前記検出部は、前記標的板と前記背面板との間における一定間隔の空間内に配置される
    請求項1に記載の標的システム。
  4. 前記背面板は、前記標的となる標的画像を表示する表示装置の表示面の全面を覆うように前記表示装置に取り付けられる
    請求項3に記載の標的システム。
  5. 前記背面板の外周部分の少なくとも一部分を前記表示装置のベゼルに対して貼着することで、前記背面板が前記表示装置に取り付けられる
    請求項4に記載の標的システム。
  6. 標的に向かって飛翔する飛翔物体の衝突を撓むことによって受け止め、前記飛翔物体の反発を抑制する軟質の部材により構成される標的板と、
    前記標的板から背面側に向かう一定間隔の空間内に配置され、前記飛翔物体が前記標的板に衝突する際に発生する衝撃音を検出する複数の検出部と、
    複数の前記検出部から出力される前記衝撃音の振幅の変化に従った音響信号に対して、前記飛翔物体が前記標的板に衝突した衝突位置を検出するための信号処理を行う信号処理部と
    を備え、
    前記信号処理部は、複数の前記検出部から出力される前記音響信号に対する増幅度を、それぞれ調整する複数の増幅度調整部を有し、
    前記増幅度調整部は、複数の前記検出部から略等しい位置に前記飛翔物体が衝突したときの増幅後の前記音響信号の振幅が基準値と略同一となるように増幅度を自動的に調整する
    標的システム。
  7. 標的に向かって飛翔する飛翔物体の衝突を撓むことによって受け止め、前記飛翔物体の反発を抑制する軟質の部材により構成される標的板と、
    前記標的板から背面側に向かう一定間隔の空間内に配置され、前記飛翔物体が前記標的板に衝突する際に発生する衝撃音を検出する複数の検出部と、
    前記標的となる標的画像を表示する表示装置と
    を備え、
    前記標的画像の中央における一定の円形の領域であって、任意の領域色で表示される円形の領域の表示サイズを、前記標的画像の全体の表示サイズとは別に変更して前記表示装置に表示させる機能を備える
    標的システム。
  8. 標的に向かって飛翔する飛翔物体の衝突を撓むことによって受け止め、前記飛翔物体の反発を抑制する軟質の部材により構成される標的板と、
    前記標的板から背面側に向かう一定間隔の空間内に配置され、前記飛翔物体が前記標的板に衝突する際に発生する衝撃音を検出する複数の検出部と、
    前記標的となる標的画像を表示する表示装置と
    を備え、
    所定の2カ所に対して前記飛翔物体を衝突させることで、衝突した位置に応じて前記表示装置に表示されるマークの表示位置に対する校正を行う機能を備える
    標的システム。
  9. 標的となる標的画像を表示する表示装置の画面を覆うように、前記表示装置に対して装着される保護板と、
    前記標的に向かって飛翔する飛翔物体の衝突を撓むことによって受け止め、前記飛翔物体の反発を抑制する軟質の部材により構成される標的板、および、前記飛翔物体が前記標的板に衝突する際に発生する衝撃音を検出する複数の検出部を有する標的装置と
    を備え、
    前記標的装置は、前記保護板によって保護された状態の前記表示装置にのみ装着可能に構成される
    標的システム。
  10. 前記保護板の上辺には、前記保護板を前記表示装置の上部に対して係止するための係止部が固定されており、
    前記標的装置は、前記係止部に設けられている穴または凹部を利用して前記保護板に対して固定される
    請求項9に記載の標的システム。
  11. 前記標的装置の前面側の四隅から、それぞれ前方に向かって延在するような4本の支柱を前記標的装置に取り付け、
    4本の前記支柱に対して、前記標的装置を正面から見たときに、前記標的装置の手前側の空間の外周を囲うように布が張り渡される
    請求項9に記載の標的システム。
  12. 標的に向かって飛翔する飛翔物体の衝突を撓むことによって受け止め、前記飛翔物体の反発を抑制する軟質の部材により構成される標的板、および、前記飛翔物体が前記標的板に衝突する際に発生する衝撃音を検出する複数の検出部を有する標的装置と、
    前記飛翔物体が発射された発射音から求められる発射タイミングを検出する発射検出部と、
    前記発射タイミング、および、前記衝撃音から求められる前記飛翔物体が前記標的板に衝突した衝突タイミングを入力として演算処理を行う演算処理部と
    を備え、
    前記演算処理部は、
    前記発射タイミングと前記衝突タイミングとの時間差、音速、および、前記飛翔物体の発射位置から前記発射検出部までの距離に基づいて、前記飛翔物体の飛翔時間を演算し、
    前記飛翔物体の飛翔時間、前記飛翔物体の発射位置から前記標的板までの距離に基づいて、前記飛翔物体の平均速度を演算し、
    前記飛翔物体の平均速度、および、前記飛翔物体の重量に基づいて、前記飛翔物体の平均エネルギーを演算して、
    それらの演算結果を提示する
    標的システム。
  13. 標的に向かって飛翔する飛翔物体の衝突を撓むことによって受け止め、前記飛翔物体の反発を抑制する軟質の部材により構成される標的板、および、前記飛翔物体が前記標的板に衝突する際に発生する衝撃音を検出する複数の検出部を有する標的装置と、
    前記標的板の裏面側に配置され、前記標的が描かれた標的紙と
    を備える標的システム。
  14. 前記標的紙は、前記標的板の裏面に貼り付けられ、または、前記標的板の裏面から40mm以内に配置される
    請求項13に記載の標的システム。
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