JP7335471B1 - 切断機の材料供給装置 - Google Patents

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Abstract

材料を複数の送りローラで供給する切断機において、送りローラを駆動するのにチェーン、ベルト等の回転伝達機構を使用しない、切断機の材料供給装置を提供する。通常の負荷では、減速機付モータ６の出力軸６２の回転が、駆動軸５、スリーブ５１、摩擦板４１、４１を介して送りローラ４に伝達され、棒材３１が切断機１に送り込まれる。送りローラ４に過負荷が作用すると、送りローラ４が摩擦板４１、４１との間で滑りのために相対回転し、減速機付モータ６の出力軸６２に作用する過負荷を防止することができる。【選択図】図３

Description

本発明は、丸棒状の鋼材等を切断するときに使用するものであり、送りローラによる切断機の材料供給装置に関する。更に詳しくは、この材料供給装置において、送りローラをダイレクトにモータで駆動する切断機の材料供給装置に関する。
自動車部品等を製造するとき、鍛造用の素材として、丸棒状の鋼材を切断したものが用いられている。このとき丸棒の切断を剪断で行う専用の切断機が用いられており、この切断機に連続的に丸棒を供給する供給装置が知られている。本出願人は、切断機に丸棒を軸線方向に供給するために、丸棒をストッカーから１本毎に分離した後、これを断面形状がＶ字状の送りローラ装置に載せて、丸棒の軸線方向に送るものを提案した（特許文献１）。このローラ装置は、丸棒の長さ方向（軸線方向）に配置された複数の送りローラを有し、この複数の送りローラを１台のモータで駆動するためにチェーンで連結されて駆動するものである。一方、産業機械において、モータで負荷を回転駆動する場合、モータと減速機を一体構造にして、コンパクトにした減速機付モータが知られ用いられている。減速機を使用することにより、重量物でも送れるように、低速回転で高トルク回転の出力が効率的に得られる。
特開平５－２４６４３号
複数の送りローラを１台のモータで駆動するためには、チェーン等で送りローラを連動させる必要があり、動力伝達構造としては複雑になり、粉塵が多い環境等ではメンテナンスも煩雑に行う必要がある。また、作業者の安全確保という観点からもチェーン、ベルト等の回転伝達機構がないものが望ましい。しかしながら、丸棒切断のために起動、停止、加速等を頻繁に繰り返す切断機において、各送りローラの駆動を夫々ローラ回転駆動モータに置き換えたとしても、丸棒の慣性、モータ等の慣性により、無理な負荷がかかり、出力の小さい減速機付モータであれば減速機内部のギヤを破損する。
本発明は、このような背景で開発されたものであり、以下の目的を達成するものである。
本発明の目的は、材料を複数の送りローラで供給する切断機において、送りローラを駆動するのにチェーン、ベルト等の回転伝達機構を使用しない、切断機の材料供給装置を提供することにある。
本発明の他の目的は、材料を複数の送りローラで供給する切断機において、ダイレクトに送りローラをモータ駆動するものにおいて、材料移送の慣性によるモータの出力軸に作用する過負荷を防止できる、切断機の材料供給装置を提供するものである。
本発明は、前記課題を解決するために、次の手段を採る。
即ち、本発明１の切断機の材料供給装置は、架台と、前記架台に回転可能に軸支され、棒材を切断する切断機に前記棒材を軸線方向に送るための複数の送りローラが配置された切断機の材料供給装置において、前記送りローラの駆動軸に、出力軸が直接連結されている送りローラ回転駆動モータと、前記送りローラの駆動軸と前記出力軸との間に介在され、前記送りローラ回転駆動モータの出力トルクを制限する過負荷保護装置とからなり、前記送りローラ回転駆動モータは、インバータ制御装置により、起動、停止及び回転速度が制御され、かつ前記送りローラ回転駆動モータの回転を減速する減速機を備えた減速機付モータであることを特徴とする。
本発明２の切断機の材料供給装置は、本発明１において、前記過負荷保護装置は、前記送りローラの側面と前記送りローラの駆動軸との間に、相対回転可能に配置され、バネにより前記側面に押圧する摩擦板を備えていることを特徴とする。
本発明３の切断機の材料供給装置は、本発明１又は２において、前記減速機付モータに対応して前記架台に固定された回り止め板と、前記回り止め板に固定され、前記減速機付モータの減速機の貫通孔に係合して前記減速機を回り止めする回り止めピンとを備えたことを特徴とする。
本発明の切断機の材料供給装置は、送りローラに過負荷トルクが作用すると、過負荷保護装置が作動して、送りローラ回転駆動モータの出力軸に作用する過負荷を防止することが可能となる。
図１は、本発明の材料供給装置を備えた切断機の全体正面図である。 図２は、図１の材料供給装置の減速機付モータ部分を示す拡大正面図である。 図３は、図２のＡ－Ａ断面図である。 図４は、本発明の材料供給装置の制御ブロック図である。
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。図１は本発明の材料供給装置を備えた切断機の全体正面図、図２は図１の材料供給装置の減速機付モータの部分を拡大した拡大正面図、図３は図２のＡ－Ａ断面図である。図１に示すように、本発明の材料供給装置を備えた切断機は、切断機１と、切断機１に長尺材料を送り込む材料供給装置２と、材料供給装置２に棒材（長尺材料）３１を供給する棒材ストッカ３とから構成されている。棒材ストッカ３は複数の棒材３１を貯留し、その中の棒材３１を１本単位で材料供給装置２に供給する。材料供給装置２は、複数の送りローラ４の回転により棒材３１を切断機１に送り込み、切断機１は棒材３１を所定の寸法に切断する。材料供給装置２に配置され、取り付けられた送り機上センサ２６は、材料供給装置２上にある棒材３１の有無を検知し、材料供給装置２の動作を制御する。切断機１は、例えばレバープレスであって、駆動する大歯車の１回転で揺動運動するレバーによってラムが上下運動し、固定刃に対して可動刃が押し下げられて、棒材３１を所定の寸法（軸線方向長さ）に切断するものである。
図１から図３に示すように、材料供給装置２の架台２１には７個の送りローラ４が回転可能に軸支され、本例では全ての個々の送りローラ４の駆動軸５に、減速機付モータ６の減速機６１の出力軸６２が直接連結されている。出力軸６２は中空で、出力軸６２の中空孔６４に駆動軸５の右端を挿入した後、駆動軸５の右端をキー６３で出力軸６２に固定している。架台２１には個々の減速機付モータ６に対応した位置に、固定ボルト２２で三角形の回り止め板２３の下端が固定されている。回り止め板２３の上端には２本の回り止めピン２４、２４が締め付け固定されている。即ち、固定ボルト２２の中心線から同じ半径位置に、回り止めピン２４、２４が配置されている。回り止めピン２４、２４は、減速機６１に形成された２個の貫通孔（図３の左右方向に貫通している）６５、６５に各々挿入されて、架台２１に対して減速機６１を回り止めしている。減速機６１の架台２１への固定が回り止めだけのため、駆動軸５に対する減速機付モータ６の芯出し作業が不要になり、減速機付モータ６の取り付けや交換作業が容易になる。また、芯出し、固定作業が簡単にできることから、チェーン駆動のような既存の材料供給装置２でも後付けによる改良も容易にできる。
図３に示すように、駆動軸５の両端は、架台２１、２１の上面に軸受けブロック２５、２５によって回転可能に軸支されている。駆動軸５の中央部には、中空円筒状のスリーブ５１がキー５２で固定されている。送りローラ４の両側面とスリーブ５１との間には、円盤状の２枚の摩擦板４１、４１が相対回転可能に配置されている。向かって右側（図示上）の摩擦板４１は、スリーブ５１のフランジ５３と送りローラ４の右側面（図示上）との間に挟み込まれている。向かって左側（図示上）の摩擦板４１は、押圧板５４と送りローラ４の左側面（図示上）との間に挟み込まれている。押圧板５４は、送りローラ４の側面の等角度位置に配置された複数の圧縮バネ５５で、左側の摩擦板４１を押し付けられている。押圧板５４の押し付け力は、スリーブ５１の外周にねじ込まれたダブルナット５６、５６によって適度に調節されている。送りローラ４の円筒状の中空孔４２とスリーブ５１の外周面５７との間には、オイレスブッシュ４３が挿入されていて、送りローラ４をスリーブ５１の外周面５７に対して相対回転可能に軸支している。従って、通常の負荷では、減速機付モータ６の出力軸６２の回転は、駆動軸５、スリーブ５１、摩擦板４１、４１を介して、送りローラ４に伝達され、棒材３１が切断機１に送り込まれる。しかし、送りローラ４に過負荷が作用すると、スリーブ５１は回転するが、送りローラ４の側面が摩擦板４１、４１との間で相対回転し、減速機付モータ６の出力軸６２に作用する過負荷を防止することが可能となる。
図４は、本発明の材料供給装置２の制御ブロック図である。切断機１のラムを駆動する大歯車の回転角度信号に合わせて、材料供給装置２の制御装置７１は、７台の誘導モータである減速機付モータ６の起動、停止、回転速度の制御等を１台のインバータ制御装置７２を使って制御する。制御装置７１には、送り機上センサ２６の棒材検出信号、棒材ストッカ３のセンサー（図示せず。）からの棒材供給信号が入力される。本発明の実施の形態の材料供給装置２は、切断機１のトン数（切断機が加圧できる能力）に応じて切断速度が３０～６０個／ｍｉｎなので、極めて短時間（１～２秒）に減速機付モータ６は起動、停止を繰り返す。減速機付モータ６の減速機６１は、モータに停止指令しても惰性で回転するため、切断機１の切断時の衝撃で棒材３１が送りローラ４に押し付けられ、送りローラ４に毎回急ブレーキをかけるような外力が働く。本実施の形態の材料供給装置２では、送りローラ４に過負荷が作用すると、送りローラ４が摩擦板４１、４１との間で相対回転する。従って、減速機付モータ６の回転中、停止中、惰性回転中を問わず、摩擦板４１、４１の摩擦力で減速機６１から送りローラ４への動力遮断と、送りローラ４から減速機６１への過負荷を防止することが可能となる。
［他の実施の形態］
以上、本発明の実施の形態を説明したが、本発明はこの実施の形態に限定されることはない。前述した実施の形態では、送りローラはスリーブを介して駆動軸に回転可能に軸支されているが、駆動軸に送りローラを直接回転可能に軸支してもよい。また、減速機付モータ６のモータは、誘導モータであったが、減速機を付いていない、回転を制御できるものであれば、永久磁石を用いた同期モータであってもよい。更に、上記実施の形態の減速付モータ６の出力は、摩擦板４１、４１を介して、送りローラ４に伝達されるものであった。即ち、摩擦板４１、４１と送りローラ４の側面との摩擦で伝達するトルクを制御していた。しかしながら、このトルク制御は、この摩擦機構に限定されない、伝達軸の外周に形成された凹部と、この凹部に嵌まった鋼球をバネで押圧する構造であるトルクリミッタと呼ばれているものであっても良い（例えば、特開５５－１０７１２４号参照。）。更に、上記実施の形態では、送りローラ４の全ての駆動軸５に減速機付モータ６を配置したものであったが、棒材３１の長さ等によって、必ずしも全てに配置する必要はない。
１…切断機
２…材料供給装置
２１…架台
２２…固定ボルト
２３…回り止め板
２４…回り止めピン
２５…軸受けブロック
２６…送り機上センサ
３…棒材ストッカ
３１…棒材（長尺材料）
４…送りローラ
４１…摩擦板
４２…中空孔
４３…オイレスブッシュ
５…駆動軸
５１…スリーブ
５２…キー
５３…フランジ
５４…押圧板
５５…圧縮バネ
５６…ダブルナット
５７…外周面
６…減速機付モータ
６１…減速機
６２…出力軸
６３…キー
６４…中空孔
６５…貫通孔
７１…制御装置
７２…インバータ制御装置

Claims (3)

  1. 架台と、
    前記架台に回転可能に軸支され、棒材を切断する切断機に前記棒材を軸線方向に送るための複数の送りローラが配置された切断機の材料供給装置において、
    前記送りローラの駆動軸に、出力軸が直接連結されている送りローラ回転駆動モータと、
    前記送りローラの駆動軸と前記出力軸との間に介在され、前記送りローラ回転駆動モータの出力トルクを制限する過負荷保護装置とからなり、
    前記送りローラ回転駆動モータは、インバータ制御装置により、起動、停止及び回転速度が制御され、かつ前記送りローラ回転駆動モータの回転を減速する減速機を備えた減速機付モータである
    ことを特徴とする切断機の材料供給装置。
  2. 請求項１に記載の切断機の材料供給装置において、
    前記過負荷保護装置は、前記送りローラの側面と前記送りローラの駆動軸との間に、相対回転可能に配置され、バネにより前記側面に押圧する摩擦板を備えている
    ことを特徴とする切断機の材料供給装置。
  3. 請求項１又は２に記載の切断機の材料供給装置において、
    前記減速機付モータに対応して前記架台に固定された回り止め板と、
    前記回り止め板に固定され、前記減速機付モータの減速機の貫通孔に係合して前記減速機を回り止めする回り止めピンとを備えた
    ことを特徴とする切断機の材料供給装置。
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