JP7333739B2 - マンドレル装置 - Google Patents

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本発明は、後端が固定端とされたシャフト中心線を中心とするマンドレルシャフトと、このマンドレルシャフトの先端側の外周部にシャフト中心線の半径方向に間隔をあけて配設されたマンドレル中心線を中心とする円筒状のマンドレル本体と、マンドレル本体をシャフト中心線回りに回転可能にマンドレルシャフトに支持するベアリング機構とを備え、例えば飲料缶の有底円筒状の缶体における胴部外周面の印刷装置に用いられるマンドレル装置に関するものである。
このようなマンドレル装置として、特許文献1には、長軸(シャフト中心線)と、近位端(後端)と、遠位端(先端)とを有する細長のマンドレルシャフトと、マンドレルシャフトの周りに回転自在に配置されており、マンドレルシャフトの長軸の周りを、同心状に回転するように構成された中空で細長のマンドレル(マンドレル本体)と、マンドレルとマンドレルシャフトの間に配置されており、マンドレルをマンドレルシャフトに回転自在に結合するベアリングアセンブリ(ベアリング機構)とを備えており、ベアリングアセンブリは、ほぼマンドレルシャフトの長軸上に配置された仮想枢転中心を規定し、ベアリングアセンブリによってのみ、マンドレルシャフトとマンドレルが結合されているものが記載されている。
特許第5701980号公報
ところで、飲料缶においては缶体の胴部の長さが長いものが近年流通するようになってきており、このような胴部の長い飲料缶に印刷を施す際に缶体を支持するマンドレル装置においても、マンドレル本体の長さの長いものが用いられている。ところが、そのようなマンドレル装置では、印刷圧をマンドレル中心線方向に渡って均一とすることが難しく、印刷圧のばらつきによってインキの潰れ方が缶体の上部と下部や周方向で異なったり、缶体の位置によって印刷がかすれたりすることがある。
この点、特許文献1に記載されたマンドレル装置においては、上記ベアリング機構によってマンドレルシャフトのシャフト中心線上に配置された仮想枢転中心を規定することにより、マンドレル本体を枢転させて印刷圧の均一化を図っている。しかしながら、マンドレル本体には太さ(外径)にばらつきがあるのに対し、特許文献1に記載されたマンドレル装置においては、このベアリング機構がマンドレルシャフトの先端部に配設されているだけであるため、マンドレル本体の太さのばらつきによる印刷圧のばらつきを抑制することは困難であった。
本発明は、このような背景の下になされたもので、マンドレル本体の長さによる印刷圧のばらつきは勿論、マンドレル本体の太さによる印刷圧のばらつきも抑制して、胴部の長さが長い缶体に対してもインキの潰れ方を均一とするとともに印刷のかすれを防ぐことが可能なマンドレル装置を提供することを目的としている。
上記課題を解決して、このような目的を達成するために、本発明は、後端部が固定端とされたシャフト中心線を中心とするマンドレルシャフトと、このマンドレルシャフトの先端側の外周部に上記シャフト中心線の半径方向に間隔をあけて配設されたマンドレル中心線を中心とする円筒状のマンドレル本体と、上記マンドレル本体を上記シャフト中心線回りに回転可能に支持するベアリング機構とを備えたマンドレル装置であって、上記ベアリング機構は、上記マンドレルシャフトの先端部に配設されて上記マンドレル中心線を上記シャフト中心線に対して傾斜させつつ上記マンドレル本体を上記シャフト中心線およびマンドレル中心線回りに回転可能に支持する第1のベアリングと、この第1のベアリングよりも後端側の上記マンドレル本体の内周部に配設されて上記マンドレルシャフトの外周面と上記シャフト中心線の径方向外周側に間隔をあけた第2のベアリングとを備えていることを特徴とする。
このように構成されたマンドレル装置において、ベアリング機構のうち第1のベアリングは、マンドレルシャフトの先端部に配設されてマンドレル中心線をシャフト中心線に対して傾斜させつつマンドレル本体をシャフト中心線およびマンドレル中心線回りに回転可能に支持する、いわゆる自動調芯式のベアリングであって、この第1のベアリングによってマンドレル中心線方向の先端部が支持されることにより、マンドレル本体は、後端側の第2のベアリングとマンドレルシャフトとの間隔の範囲内でマンドレル中心線がシャフト中心線に対して傾斜可能とされて、シャフト中心線回りに回転可能に支持される。
このため、胴部が長い缶体に対応したマンドレル中心線方向の長さが長いマンドレル本体でも、この長さに起因する印刷圧のばらつきを抑制することができ、インキの潰れ方が缶体の上部と下部や周方向で異なったり、缶体の位置によって印刷がかすれたりするのを防ぐことができる。
一方、この第1のベアリングよりも後端側のマンドレル本体の内周部には、マンドレルシャフトの外周面とシャフト中心線の径方向外周側に間隔をあけて第2のベアリングが配設されており、上述のようにマンドレル中心線がシャフト中心線に対して傾斜して、この第2のベアリングがマンドレルシャフトの外周面に当接したマンドレル本体は、シャフト中心線方向先端側の第1のベアリングと、シャフト中心線方向後端側の第2のベアリングとによりマンドレル中心線の両端部で支持される。
従って、このようにマンドレル本体がマンドレル中心線方向の両端部で支持されることにより、マンドレル本体の太さ(外径)のばらつきによる印刷圧のばらつきも抑制することができる。このため、上記構成のマンドレル装置によれば、このマンドレル本体の太さ(外径)のばらつきによる印刷圧のばらつきに起因するインキの潰れ方の不均一や印刷のかすれも防ぐことができ、缶体の胴部外周面に印刷を行う場合でも均一で鮮明な印刷を施すことが可能となる。
ここで、上述のようにマンドレルシャフトの先端部に配設されてマンドレル中心線をシャフト中心線に対して傾斜させつつマンドレル本体を上記シャフト中心線およびマンドレル中心線回りに回転可能に支持する自動調芯ベアリングである上記第1のベアリングとしては、外輪の軌道面がマンドレル中心線上に中心を有する凹球面状とされた自動調芯式のボールベアリングとされるのが望ましい。
一方、マンドレル本体を外径や長さが異なるものと交換する場合には、第1、第2のベアリングごと交換前のマンドレル本体をマンドレルシャフトからシャフト中心線方向の先端側に抜き外し、第1、第2のベアリングが取り付けられた交換後のマンドレル本体をシャフト中心線方向先端側から挿入してマンドレルシャフトに取り付け直すことになる。そして、この交換後のマンドレル本体の挿入し易さを考慮すると、上記第2のベアリングはニードルベアリングであることが望ましい。
以上説明したように、本発明によれば、マンドレル本体の長さによる印刷圧のばらつきと、マンドレル本体の太さによる印刷圧のばらつきとを抑制することができ、胴部の長さが長い缶体に対してもインキの潰れ方を均一とするとともに印刷のかすれを防ぐことが可能となって均一で鮮明な印刷を行うことができる。
本発明の一実施形態を示す断面図である。 図1に示す実施形態において、マンドレル中心線がシャフト中心線に対して図中反時計回り方向に傾斜する状態を示す図である。 図1に示す実施形態において、マンドレル中心線がシャフト中心線に対して図中時計回り方向に傾斜する状態を示す図である。
図1~図3は、本発明の一実施形態を示すものである。本実施形態において、マンドレルシャフト1は、シャフト中心線Oを中心とする多段円筒状に形成されており、その後端部(図1~図3において右端部)1aは、缶体の印刷装置におけるタレットT等にアダプタ2を介して取り付けられて固定される固定端とされる。
この後端部1aよりも先端側において、マンドレルシャフト1には外径が最も大きいフランジ部1bが形成されており、このフランジ部1bから先端側(図1~図3において左側)に向かうに従いマンドレルシャフト1の外径は段階的に小さくなってゆく。そして、マンドレルシャフト1の最も小径となる先端部1cには、本実施形態におけるベアリング機構の第1のベアリングであるボールベアリング3を介して、マンドレル本体4が取り付けられている。
このマンドレル本体4は、マンドレル中心線Lを中心とした概略円筒状に形成されており、その外径は、印刷装置によって胴部外周面に印刷が施される缶体の胴部の内周部に嵌め入れ可能な大きさとされている。また、マンドレル本体4の内周部には、マンドレル中心線L方向の先端側と後端側とにベアリング取付部4a、4bが形成されており、このうち先端側のベアリング取付部4aに、上記ボールベアリング3の外輪3aが取り付けられる。
このボールベアリング3は、上述したように自動調芯式のボールベアリングであり、上記先端側のベアリング取付部4aに取り付けられる円環状の外輪3aと、この外輪3aの内周に収容されてマンドレルシャフト1の先端部1cに取り付けられる内輪3bと、これら外輪3aと内輪3bの間に回転可能に介装される複数(多数)のボール3cとを備えている。
このようなボールベアリング3は、内輪3bの内周部にマンドレルシャフト1の先端部1cが嵌め入れられた上で、マンドレルシャフト1の先端側からマンドレルシャフト1の内周部にねじ込まれるクランプボルト5の頭部5aが内輪3bをマンドレルシャフト1の後端側に押圧して先端部1cの後端側の段差面1dに押し付けることにより、取り付けられる。
内輪3bの外周面には、内輪3bをマンドレルシャフト1の先端部1cに取り付けた状態でシャフト中心線O方向に間隔をあけて並ぶ2条の断面凹円弧状の軌道溝3dが、シャフト中心線O回りに周回するように形成されている。複数(多数)のボール3cは、これらの軌道溝3dに列をなすように配設される。
これに対して、外輪3aの内周面は、シャフト中心線O上に中心Cを有する凹球面状に形成された軌道面3eとされており、内輪3bの軌道溝3dに配設された2列のボール3cに摺接可能とされている。従って、外輪3aは、内輪3bがマンドレルシャフト1の先端部1cに取り付けられた状態で、ボール3cが転がることにより、マンドレル本体4と一体にシャフト中心線O回りに回転可能に支持されるとともに、上記中心Cを中心としてマンドレル中心線Lがシャフト中心線Oに対して傾斜するようにも支持される。
一方、マンドレル本体4の後端側のベアリング取付部4bに取り付けられるベアリング機構の第2のベアリングは、本実施形態ではニードルベアリング6とされている。本実施形態におけるニードルベアリング6は、マンドレル本体4の後端側のベアリング取付部4bの内周部に取り付けられる外輪6aと、この外輪6aの内周に収容される内輪6bと、これら外輪6aと内輪6bとの間に介装される複数(多数)の針状コロ6cとを備えており、マンドレルシャフト1の上記フランジ部1bよりも先端側に間隔をあけて配設されている。
針状コロ6cは、その中心軸がマンドレル中心線Lと平行となるように配設され、この中心軸回りに回転可能に外輪6aと内輪6bとの間に介装されている。従って。このように針状コロ6cが回転することにより、外輪6aがマンドレル本体4の後端側のベアリング取付部4bに取り付けられたニードルベアリング6は、内輪6bがマンドレル中心線L回りに回転可能とされる。そして、この内輪6bの内周面は、マンドレルシャフト1のフランジ部1bよりも先端側の外周面に対して、シャフト中心線Oとマンドレル中心線Lとが同軸に配置された状態で、図1~図3に示すようにシャフト中心線Oの径方向外周側に間隔をあけている。
このような構成のマンドレル装置は、印刷を施される缶体の内周部にマンドレル本体4の先端部が嵌め入れられることによって缶体を支持し、印刷されるインキが塗布された印刷版の外周面に缶体の外周面が押圧されるとともに、この印刷版の回転と同期して反対向きに缶体とマンドレル本体4とがマンドレル中心線L回りに回転させられることにより、缶体の外周面に印刷を施す。
そして、このように構成されたマンドレル装置においては、上記ベアリング機構のうち第1のベアリングが、マンドレルシャフト1の先端部に配設されてマンドレル中心線Oをシャフト中心線Lに対して傾斜させつつ、マンドレル本体4をシャフト中心線Oおよびマンドレル中心線L回りに回転可能に支持する、自動調芯式のボールベアリング3とされている。
すなわち、マンドレル本体4は、この第1のベアリング(ボールベアリング3)によってマンドレル中心線L方向の先端部が支持されることにより、後端側の第2のベアリング(ニードルベアリング6)とマンドレルシャフト1との間隔の範囲内で、図2および図3に矢線で示すようにマンドレル中心線Lがシャフト中心線Oに対して上記中心Cを中心に回転して傾斜するように、シャフト中心線O回りに回転可能に支持される。
このため、胴部が長い缶体に対応してマンドレル本体4のマンドレル中心線L方向の長さが長くされている場合であっても、マンドレル本体4を介して缶体の胴部をマンドレル中心線L方向に均一に押圧して、この長さに起因する印刷圧のばらつきを抑制することが可能となる。これにより、インキの潰れ方が缶体の上部と下部や周方向で異なったり、缶体の位置によって印刷がかすれたりするのを防ぐことができる。
一方、この第1のベアリングよりも後端側のマンドレル本体4の内周部には、マンドレルシャフト1の外周面とシャフト中心線Oの径方向外周側に間隔をあけて、第2のベアリングであるニードルベアリング6が配設されている。そして、上述のようにマンドレル中心線Lがシャフト中心線Oに対して傾斜して、このニードルベアリング6がマンドレルシャフト1の外周面に当接した状態で、マンドレル本体4は、シャフト中心線O方向先端側の第1のベアリング(ボールベアリング3)と、シャフト中心線O方向後端側のニードルベアリング6とにより、マンドレル中心線Lの両端部においてマンドレル中心線L回りに回転可能に支持される。
このため、このようにマンドレル本体4がマンドレル中心線L方向の両端部で支持されることにより、マンドレル本体4を安定して回転させて印刷版に押圧させることが可能となり、マンドレル本体4のマンドレル中心線Lにおける太さ(外径)にばらつきがあっても、このマンドレル本体4の太さのばらつきによる印刷圧のばらつきも抑制することができる。
従って、上述のように構成されたマンドレル装置によれば、マンドレル本体4の長さのばらつきによる印刷圧のばらつきに加えて、このマンドレル本体4の太さのばらつきによる印刷圧のばらつきも抑制することができ、インキの潰れ方が不均一となったり、印刷のかすれが生じたりするのも一層確実に防ぐことができるので、缶体の胴部外周面に印刷を行う場合に均一で鮮明な印刷を施すことが可能となる。
また、本実施形態では上述のように、マンドレルシャフト1の先端部1cにおいて、マンドレル本体4をシャフト中心線O回りに回転可能に支持するとともに、マンドレル中心線Lが上記中心Cを中心にシャフト中心線Oに対して傾斜可能に支持するベアリング機構の第1のベアリングが、自動調芯式のボールベアリング3とされている。
従って、マンドレル本体4を安定して、マンドレル中心線Lがシャフト中心線Oに対して傾斜させることが可能となるので、上述のように胴部が長い缶体に対応してマンドレル本体4のマンドレル中心線L方向の長さが長くされていても、確実に印刷圧のばらつきを抑制することが可能となる。
一方、このようなマンドレル装置では、マンドレル本体4をマンドレル中心線Lの長さが異なるものや外径の異なるものに交換する場合には、クランプボルト5をマンドレルシャフト1のから取り外して、ボールベアリング3ごと交換前のマンドレル本体4をマンドレルシャフト1から先端側に抜き出し、次いで交換後のマンドレル本体4をボールベアリング3ごとマンドレルシャフト1に先端側から挿入してボールベアリング3をクランプボルト5によりマンドレルシャフト1の先端部1cに取り付ける。
この挿入の際、本実施形態では、マンドレル本体4の後端側に取り付けられる第2のベアリングがニードルベアリング6であり、図1~図3に示すように先端側の第1のベアリングであるボールベアリング3よりもマンドレル中心線L方向の長さが長く、またマンドレル中心線Lに対する径方向の厚さが薄くされているので、後端側から挿入されるマンドレル本体4を挿入し易くすることができ、マンドレル本体4の交換作業を短時間で容易に行うことが可能となる。
1 マンドレルシャフト
1a マンドレルシャフト1の後端部
1b マンドレルシャフト1のフランジ部
1c マンドレルシャフト1の先端部
3 ボールベアリング(ベアリング機構の第1のベアリング)
4 マンドレル本体
4a、4b ベアリング取付部
5 クランプボルト
6 ニードルベアリング(ベアリング機構の第2のベアリング)
O シャフト中心線
L マンドレル中心線
C マンドレル中心線Lのシャフト中心線Oに対する傾斜の中心

Claims (3)

  1. 後端部が固定端とされたシャフト中心線を中心とするマンドレルシャフトと、このマンドレルシャフトの先端側の外周部に上記シャフト中心線の半径方向に間隔をあけて配設されたマンドレル中心線を中心とする円筒状のマンドレル本体と、上記マンドレル本体を上記シャフト中心線回りに回転可能に支持するベアリング機構とを備えたマンドレル装置であって、
    上記ベアリング機構は、上記マンドレルシャフトの先端部に配設されて上記マンドレル中心線を上記シャフト中心線に対して傾斜させつつ上記マンドレル本体を上記シャフト中心線およびマンドレル中心線回りに回転可能に支持する第1のベアリングと、この第1のベアリングよりも後端側の上記マンドレル本体の内周部に配設されて上記マンドレルシャフトの外周面と上記シャフト中心線の径方向外周側に間隔をあけた第2のベアリングとを備えていることを特徴とするマンドレル装置。
  2. 上記第1のベアリングはボールベアリングであることを特徴とする請求項1に記載のマンドレル装置。
  3. 上記第2のベアリングはニードルベアリングであることを特徴とする請求項1または請求項2に記載のマンドレル装置。
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JP2014034986A (ja) 2012-08-07 2014-02-24 Showa Aluminum Kan Kk 印刷用マンドレル

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