JP7333240B2 - 鋼構築物の防食構造とその施工方法 - Google Patents
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Description
鋼構築物を構成する鉄鋼材と、この鉄鋼材の表面に塗布する導電性接着剤と、この導電性接着剤を間に置いて前記鉄鋼材に固定的に取り付けたマグネシウム板と、このマグネシウム板を覆い且つこのマグネシウム板の表面積よりも広い範囲に亘り配置するガーゼ状の網目構造を有するポリエステル製繊維の平織布帛と、この布帛にビチューメン系のカバーをさらに重ねて備えた前記鉄鋼材のための防食構造において、
前記導電性接着剤と前記マグネシウム板とを挟み且つ前記表面の上に配置した可撓性のある前記布帛、および、前記カバーが前記鉄鋼材に固定してあり、
前記布帛が前記マグネシウム板に由来して生成されたマグネシウムイオンを担持しており、そして、
前記担持した前記布帛が前記鉄鋼材の前記表面に重畳されており、
前記マグネシウム板の表面積よりも広く且つ前記重畳された範囲に亘って前記鉄鋼材の前記表面を不動態化して防食することを特徴とする防食構造、である。
鋼構築物を構成する鉄鋼材と、この鉄鋼材の表面を覆い且つ重ねて配置するガーゼ状の網目を有するポリエステル製繊維の平織布帛と、水酸化マグネシウム剤と、前記平織布帛にビチューメン系のカバーをさらに重ねて備えた前記鉄鋼材のための防食構造において、
可撓性のある前記平織布帛の前記網目が1mm角メッシュの細目構造を有し、
前記細目構造が前記水酸化マグネシウム剤を担持して、
前記担持した水酸化マグネシウム剤が前記鉄鋼材の前記表面に重畳されて、
前記平織布帛を拡げた前記鉄鋼材の前記表面に亘って前記重畳された前記表面を不動態化して防食することを特徴とする防食構造、である。
防食対象の鋼構築物を準備する工程と、前記鋼構築物の外表面にマグネシウム板を取り付けるための取付接着の可否を判断する工程と、前記外表面の中で少なくとも防食対象範囲を素地調整する工程と、マグネシウムイオンあるいは水酸化マグネシウムを担持する網状織布基体を準備する工程と、前記網状織布基体を前記外表面に保持するためにプライマーを準備する工程と、前記素地調整を行った鋼表面および前記網状織布基体を覆うカバーを準備する工程と、前記カバーをさらに覆うための仕上げ剤を準備する工程とを有し、
前記取付接着の可否を判断する工程の後に、下記(1)あるいは(2)の工程にしたがって前記鋼構築物の防食構造を提供する施工方法であり、
(1)の工程として、前記素地調整を行った鋼表面に前記マグネシウム板を接着する場合には、前記マグネシウム板を、導電性ポリマーを介して前記素地調整の行われた鋼表面に接着し、および、前記マグネシウム板と異なる第2のマグネシウム板の使用可否を判断して下記(1-1)工程あるいは(1-2)工程のいずれかを選定し、
(1-1)工程として、前記第2のマグネシウム板を用いない場合、前記網状織布基体が前記マグネシウム板の少なくとも一部を覆うと共に前記素地調整の行われた鋼表面を直接に覆ってから、前記マグネシウム板および前記網状織布基体を挟むようにして前記鋼表面を覆う前記カバーを前記鋼構築物の外表面に固定し、そして、前記カバーの外側に前記仕上げ剤を塗布する工程、
(1-2)工程として、前記第2のマグネシウム板を用いる場合、前記網状織布基体は前記マグネシウム板および前記第2のマグネシウム板との間に在る前記鋼表面に沿って配設し、さらに、前記網状織布基体が前記マグネシウム板および前記第2のマグネシウム板の少なくとも一部を覆ってから、前記マグネシウム板および前記第2のマグネシウム板並びに前記網状織布基体を挟むようにして、前記鋼表面を覆う前記カバーを前記鋼構築物の外表面に固定し、そして、前記カバーの外側に前記仕上げ剤を塗布する工程、
(2)の工程として、前記素地調整を行った鋼表面に前記マグネシウム板を接着しない場合には、水酸化マグネシウムを担持した前記網状織布基体を前記素地調整の行われた鋼表面に沿って配設し、前記水酸化マグネシウムを担持した前記網状織布基体を挟むようにして、前記鋼表面を覆う前記カバーを前記鋼構築物の外表面に固定し、そして、前記カバーの外側に前記仕上げ剤を塗布する工程、
を有する施工方法、である。
柔軟性のある網目状基体で鋼材表面を覆い、犠牲剤の水酸化マグネシウム水溶液が鉛直方向で落下せず、網目状基体で支えることの可能性について次の検証を行なった。まず、比較試験のための網布をつけた試験片と網布をつけない試験片を図1に示す試験体として準備した。以下、詳細に説明する。
被試験体は、JFEスチール(株)製STKR400、サイズ60mm角柱、一般構造用角型鋼管(JISG3466)を用いて、表面の素地調整st3を行った。
水酸化マグネシウムは、45mm×45mmのマグネシウム板を鋼管周囲に4枚を導電性接着剤で接着させ、表面をビチューメンゴムが主成分の保護カバーで覆い、その上から塩分濃度5%(重量パーセント)の塩水を常時流し、マグネシウムから水酸化マグネシウムを生成させ鋼管の被試験体表面に供給した。
網目状基体は2種類用意して作用効果の比較を行う。
第1のサンプルは、材質をポリエステル繊維100%(化学物質名 ポリエチレンテレフタレート)とする粗目網目状ネット(繊維直径1mm、メッシュの大きさ10mm×5mm)を試料番号1に適用する。
第2のサンプルは、材質をポリエステル繊維100%(化学物質名 ポリエチレンテレフタレート)とする細目網目状ガーゼ(繊維直径0.3mm、メッシュの大きさを1mm×1mm)を試料番号2に適用する。
これらの網目状基体はそのサイズを約60mm×60mmの大きさに切断して被試験体に巻付けた。なお比較のために網目状基体を用いない被試験体も準備する。
図2は被試験体の構成概略図である。被試験体12には導電性接着剤14(株式会社ビション開発製、型式 常温タイプ)でマグネシウム板16(権田金属株式会社製、型式AZ61研磨板、サイズ45mm×45mm×2mm)を貼り付け、その外側を網目状基体18で覆う。この網目状基体18はマグネシウム16の接着範囲24から外側に引き延ばしてあり、被試験体12とボルト32とナット30で接合した第2の被試験体13まで拡げてある。2つの被試験体12、13を接合するボルトナット30、32部はマグネシウム板16が取り付け不可能の特異形状部22になる。そして、この網目状基体18の担持機能を確認するために、第1の被試験体12の端末部分24から第2の被試験体13まで網目状基体18を拡げ、防食範囲26を確認するために作成した。
温度15℃、湿度80%RH環境雰囲気の下で、塩分濃度(質量濃度)が5%の塩水滴下を14日間継続して、その後、さらに14日間に亘り雰囲気温度15℃、相対湿度40%の大気中に放置した。図3は網布による水酸化マグネシウムの保持機能を検証するための実験写真であり、実際の滴下試験中の状態を示す。
表1は網布が水酸化マグネシウムを担持して防錆効果を現すことを検証した実験結果のまとめである。各行に4種類の試料を対比して並べた。ここで、試料番号1は網目状基体として粗目網布を用いた場合、試料番号2は網目状基体として細目網布を用いた場合、試料番号3と4はそれぞれ比較試料である。また、各列では(1)被試験体へのMgペレットの取り付け有無、(2)被試験体表面への水酸化マグネシウムの供給の有無、(3)被試験体表面に水酸化マグネシウムを保持させる網布の有無、(4)試験環境に放置後の試験体表面の錆の発生状態の観測評価、(5)試験後の表面の状態を表わす写真、そして実際の写真を図4~図6に示す。なお、図4は網布を巻きつけない場合の試験片の状態と水酸化マグネシウムの供給がない場合の試験片の状態を示す実験写真である。図5は粗目の網布の場合の試験片の状態を示す実験写真である。図6は細目の網布の場合の試験片の状態を示す実験写真である。
試料番号4は防錆対策がないので当然ながら激しい腐食が発生している。そして試料番号3は水酸化ナトリウムを供給し且つ犠牲陽極のマグネシウム板を貼り付けてあるにもかかわらず、凹凸のある特異形状部22では腐食が発生しており水酸化マグネシウムの供給だけでは防食効果が不足していることが判る。そして粗い目の網目状基体を用いた試料番号1では、試料番号3のような腐食は見られないので、水酸化マグネシウムの防食効果は認められる。さらに目の細かい試料番号2では、特異形状部22および端末部分24、さらに第2の被試験体13に至るまで全く腐食が認められない。すなわち、試料番号2は試料番号1よりも、防食効果が大きいことが明らかである。
試料番号2では被試験体の鋼材表面を被覆する白色物質が図7に示すX線回折データから水酸化マグネシウムであると同定されて、この白色部分は図6に示すように水素イオン指数が9~10のアルカリ性であった。このような現象に対して、従来技術に相当する試料番号3ではマグネシウム板の犠牲陽極の効果が特異形状部22まで拡がっていないが、網目状基体を用いることで図2の防食範囲26まで防食効果範囲が広がっている。すなわち、網目状基体を用いることで、従来以上に防食範囲を広げることができ、実質的にエレクトロコーティングの作用を鋼材表面に提供していることが明らかになった。後述するがこの現象は図8のプールベ線図からも理解できる。
マグネシウム板による犠牲防食で生成された水酸化マグネシウムのアルカリ効果をガーゼ状の布で鉄表面に伝達もしくは保持し、鉄表面に防食効果のある不動態保護被膜を鉄自身に生じさせ、アルカリ効果を布で保持させることで保護被膜を破壊させないことを目的としている。通常、犠牲防食は図8に示す腐食域(A点:自然電位)にある鉄に犠牲防食材を接続することにより不活性の領域(図8中の1:防食電位)まで電位を下げることを目的としている。この場合は、犠牲防食材が消耗しきると元の腐食域(A点)にもどるため、犠牲防食材は再施工しなければならない。しかしながら、本発明は犠牲陽極の消耗に伴いアルカリ性を示す水酸化マグネシウムが副生成物として残存するため、この副生成物により図8中のA点から3の点まで移動する。すなわち、図8中の3に示す点は黒錆もしくは透明で光沢のある皮膜つまり不動態が発生しそれが維持される点であるため防食効果を維持できることになる。
犠牲陽極であるマグネシウム板は水酸化マグネシウムを生成して鋼表面の不動態化として作用するが、この生成物を鋼表面で安定に担持する網目状基体がこの担体として機能できるかを確認する必要がある。このような網目状基体の網布が水酸化マグネシウムを担持可能であることの検証として次の実施例を示す。図9は第1実施例で効果を確認した表1の細目の網目状基体(試料番号2)の検証である。
第2実施例は、実験経過に従って試験手順(図9の項1から項5まで)を説明する。
項番1では、鋼板(JFEスチール株式会社製、型式 熱延鋼板SS400 JISG3101 サイズ160mm×120mm×4.5mm)の面に導電性接着剤(株式会社ビジョン開発製、型式 常温タイプ)を用いてマグネシウム板(権田金属工業株式会社製、型式AZ61研磨板、サイズ100mm×70mm×2.0mm)を接着後、表1中の試料番号2に適用した細目網目状基体(ガーゼ)と同質のものを取り付ける。なお、比較のために、網目状基体を使用しないサンプル(A-1)も作成した。
項番2では、その細目網目状基体の上側にビチューメン系カバーを取り付け後、写真に示すようなマトリックス状の切り込みを入れてマグネシウム板を直線状に露出させた後、塩水(質量濃度5%塩水)を浸したトレイ中に浸漬させて、マグネシウム板を反応させる。
項番3では、3日間の浸漬でマグネシウムイオンを発生させる。網目状基体のないA-1サンプルは水素ガスとマグネシウムイオンが流出しているが、網目状基体も用いたA-2サンプルは水酸化マグネシウムがガーゼ内に残っていることが観察される。
項番4で、網目状基体をマグネシウム板から外してみると、網目状基体のないA-1サンプルは水酸化マグネシウムが担持されていないが、網目状基体も用いたA-2サンプルは水酸化マグネシウム塊が観察される。
項番5では、実験トレイの水溶液をビーカーに移してコロイド状に白濁沈殿した水酸化マグネシウム水和物の量を目視で比較すると、網目状基体のないA-1サンプルは水酸化マグネシウムが多く流出し、網目状基体も用いたA-2サンプルは水酸化マグネシウムの流出は少ないことが観察された。
図9の実験で得られたコロイド白濁沈殿物はX線回折による分析を行った。その結果、この物質は図7に示すように塩分を含む水酸化マグネシウムであることを同定した。すなわち、細目網目状基体はマグネシウム板由来のマグネシウムイオンを担持し且つ供給していることになる。
図9に示した実験で得られた水酸化マグネシウムは、後述の網目状基体が担持する生成物の確認実験として、実施例2のガーゼに付着した水酸化マグネシウムの塊とPHを示す図10のAを見ても分かる通り、細目の網目状基体(ガーゼ)は水酸化マグネシウムの流出を阻害して十分なアルカリ供給源となっていることがわかる。またその際に図10のBに示すように、生成物(水酸化マグネシウム)のpHは10.5となっており、不動態域にとどまるのに十分なアルカリ度を示している。
図11、12は、被防食体になる被防食鋼材12の外面に導電性接着剤14を塗布し、さらにマグネシウム板16を貼り付け、その廻りで水酸化マグネシウムを担持する網目状基体18を備えるために、その板の外側を実施例2で適用した細目の網目状基体18で覆う。この網目状基体18は被防食鋼材12の外面に届くまで延ばして、さらに被防食鋼材の防食効果を得る範囲まで広げてもよい。少なくとも図11、12中に示す符号19に示すように鋼材表面上に沿って裾状に拡げることができる。そして、さらに網目状基体18の外側には、実施例2の適用カバーであるビチューメン系カバーを防食カバーとした防水カバー20を設ける。この防水カバー20の取り付け範囲は、網目状基体18を十分に覆うように取り付ける。この防水カバー20の内部にある網目状基体18を設けた空間には、外部から電解質溶液が浸透し得る使用環境で捕捉し得る親水性溶媒を充填する。この網目状基体18および防水カバー20の被防食鋼材への固定は、この網目状基体18の上面を除いて防食範囲を囲む状態で専用プライマーを用い接着する。この防食範囲を囲む専用プライマーの接着によって防食範囲での防食効果を得ることができる。なお、ここで用いるマグネシウム板は第2実施例で実験的に適用したマグネシウム板にこだわるものではなく、犠牲陽極材として広く市販されている流電陽極用標準品のうちアルカリ性の腐食生成物が生じるものであれば適用可能である。
本発明の構造体が被防食構造として有効であることを確認するために暴露試験を行った。
被試験試料は一般構造用鋼管(JFEスチール社製STK4002B/JISG3444、長さ約350mm、外形直径約60mm)を用いて、表面の素地調整st3を行なった。
試験試料1~3は、本発明の図11に示す構造を鋼管の中央部に設け、ガーゼ状網目状基体の下端側の一部を防水カバーから露出させて鋼管に巻き付けてある。
試験試料4~5は、比較試料として亜鉛を犠牲陽極材とした亜鉛テープ(亜鉛粉末を添加したアクリル系粘着剤の薄手テープ(亜鉛ベースシートタイプ)で厚み0.1mm、幅25mm)を2回巻き付け、試験試料1~3と同じく鋼管の中央部に設けた。
試験試料6は、鋼管地肌のままで、黒皮のみとした。
試験条件は、上記の試験試料1~6は鋼管の中央部から上部を地表に出し、反対の下部を地中に埋設する。なおこの試験には、日本国内に広く分布する弱酸性の褐色森林土を試験土壌として使用した。
図13は暴露試験に使用した試験試料と暴露試験後の試料の状態を写真で示すものである。この中で図13のEは試験前の試料1~6、図13のDは暴露試験中の状態であり、試料の下側を試験土壌に約5カ月間埋設し、図13のFは試験後の試料1~6を土壌から引き出した状態を示している。試験試料の特徴と試験結果は表2にまとめ、暴露試験中の大気環境の温度・湿度を図14に示す。この試験中の大気雰囲気は、凡そ温度が変化幅約15℃程度/1日、湿度は約50%RHである。
図13のA、B、Cはそれぞれ本発明の構造体、亜鉛テープ使用体、鋼材地肌のままで土壌放置の暴露試験を行った鋼管外周面と内周面の状態を写真で示す。これらの写真から、亜鉛テープを巻き付けた例(図13のB)は地肌(図13のC)のままに比べて防食効果が認められるが、本発明構造を適用した鋼管が最も腐食程度が軽く、概ね鋼管初期の表面状態を維持している。この暴露実験で本発明の防食効果が従来技術である亜鉛テープ巻き付け手段に比べて優れた防食効果を得ることが確認できる。より詳しく説明すると、防食未施工の鋼管は管の左側の土中(3%塩水含む)で赤錆が、外面、内面を問わず全面的に発生し、内面の錆は土と一体化して水洗後も残存した(図13のC)。本発明構造の施工をした鋼管はその構造のおおよそ半分程度に損耗しているが、土中の配管(表面処理無しの黒皮状態)に目立った錆は発生していない(図13のA)。比較として使用した亜鉛テープ巻き施工をした鋼管は、防食未施工の鋼管よりも少ないものの外面、内面共に赤錆の発生が見られ、また、亜鉛テープの一部が溶損した(図13のB)。
この暴露試験では図10に示す傍証も行い、防食効果の定性的考察を試みる。
図10において防食効果が確認された理由は図8のプールベ線図から次のように理解できる。被試験体の鋼管に接合した本発明構造はマグネシウム板を犠牲電極として、鋼管が不活性領域となり保護される(A→1)。そして、図10-Aに示す水酸化マグネシウムが生成されることで周囲のpHをアルカリ化させる(A→3)。図10-Bに示すアルカリ化した土壌中では鋼管が不動態領域となり保護される。この試験では、マグネシウム面に布を貼り、布の一端が外部と接続されているため、水酸化マグネシウムが土壌中に浸透して土壌がアルカリ化した。アルカリ化による防食効果範囲は、同じ容器内にある他の非防食管が十分腐食しているため、防食を施した鋼管の周囲に留まると考えられる。一方、亜鉛めっきテープは、塩水の存在する箇所での効果が期待できず、本発明構造よりも発錆の多い結果となった。そして、図10-Aを見て分かる通り、ガーゼ状網目状基体により水酸化マグネシウムの流出が阻害され十分なアルカリ供給源となっていることがわかる。また、水酸化マグネシウムである生成物のpHは10.5となっており、不動態域にとどまるのに十分なアルカリ度と言える。また、ガーゼ状網目状基体は別の意味で図8に示す符号1の不活性域でも効果を発揮し、マグネシウムの隙間部に施工することによって、その部分の電位を下げる効果があることが判り、ガーゼ状網目状基体の副次的な効果が認められた。
前述第1実施例で明らかにした1mm×1mm細目メッシュのガーゼ状網目状基体を利用した第3の実施例について説明する。第3実施例は2つのマグネシウム板の間にその網目状基体を配置し、マグネシウム板を置かない領域においても防食効果を得る構造を提供する。これは前述の実施例を応用した構造であり図15にその防食構造体の断面図を示す。すなわち、図15は本願発明の第3実施例の構造になる。被防食鋼材12の表面に第2実施例と同じく導電性接着剤14を介して2つのマグネシウム板16を55mmの中間部30を設け、両板の中間を開けて夫々に貼る。そして、この2枚のマグネシウム板の間を含めマグネシウム板を網目状基体18、さらに防水カバー20で覆い、マグネシウム板の範囲24のみならず、ガーゼ18のみの中間域30を含め防食範囲26での防錆を得る構造である。
第3実施例は、試験準備の手順(図16の項1から項3まで)を初めに説明する。
順番1において、
項番(1-4)では鋼板(JFEスチール株式会社製、型式 熱延鋼板SS400 JISG3101 サイズ160mm×120mm×4.5mm)を準備する。
項番(1-1)、(1-2)では、鋼板の面に導電性接着剤(株式会社ビジョン開発製、型式 常温タイプ)を用いて2枚のマグネシウム板(権田金属工業株式会社製、型式AZ61研磨板、サイズ20mm×70mm×2.0mm)を接着する。
項番(1-3)では、導電性接着剤を延長して塗布しバツ印を付け鉄材を露出させる。
順番2において、
項番(2-1)では表1中の試料番号2に適用した細目網目状基体(ガーゼ)と同質のものを取り付けたサンプル(B-1)を作成する。なお、比較のためにガーゼを付けない試験片も作成(写真省略)(B-2)する。
順番3において、
項番(3-1)ではビチューメン系の外装材を貼り付け鉄材の露出に合わせバツ印の切り欠きを付ける。
実験は塩水を使用して行うが、経過手順(図17の項4から項6まで)に従って説明する。
順番4において、
項番(4-1)では5%の塩水を噴霧し、2日経過させる。
項番(4-2)ではリトマス試験紙を接触させるとガーゼのある試験片(B-1)は、pH10程度となる。
項番(4-3)ではリトマス試験紙を接触させるとガーゼのない試験片(B-2)は、pH7程度となる。
順番5において、
項番(5-1)ではガーゼのある試験片の自然電位を測定すると、バツ印の中心で完全防食電位(-1.159V)になっていることを確認した。
順番6において、
項番(6-1)では防水カバー(図15の符号20)外装材をめくるとバツ印に噴霧した塩水がマグネシウム板(図15の符号16)に到達し生成物である水酸化マグネシウムが全体に均等に行き届いていることがわかる。
図15に示す構造の実証実験を行った結果、図18に示すように、マグネシウム板(7-1)の端部から100mm程度まで5%塩水含浸のガーゼ(7-3)の下側では鉄板(7-2)の表面に錆の発生がない(7-4)ことを確認した。
図18の以上の実験結果から、項番(7-1)で確認できたようにマグネシウム板を全面に貼らなくても100mm~200mm程度の隙間までならば、そして少なくとも100mmの間隙であれば、その間を複数のマグネシウム板の間にして、細目網目状基体(ガーゼ)を貼付することにより防食効果を発揮出来ることがわかる。この理由はガーゼに担持されているイオン化傾向の強いマグネシウムイオンが齎す効果といえる。
これによりマグネシウム板の削減が可能となりコストダウンが可能になる。さらに、マグネシウム板を取り付けるために素地調整程度st3程度の錆取りを行う必要があるとしても、ガーゼの裏面部は錆取りなどの作業を省略して低コスト化を図ることが可能である。
また、橋梁の添接板のように鋼板を重ね合わせた構造の場合、経年的な隙間腐食が発生する場合は塗装では防食が不可能であるが、マグネシウム板を添接板の平面に導電性接着剤で接着し、そこから添接板の側面にマグネシウム板からガーゼを展張させることで隙間部への電解質の経路入口を覆い、隙間部の防食電位を維持させることが可能となる。
また、防食のためのマグネシウム板の接着は被防食体に導電性接着剤で防食範囲全体に密着させる必要があるが、被防食体が外的要因(気温など)により変形した場合はマグネシウム板が防食対象物から剥離する可能性は否めない。このため、マグネシウム板を変形の影響を軽減できる小片として作成し、そのマグネシウム板の間をガーゼで補完することにより防食材に可撓性を持たせることが可能となる。
前述で説明した本発明の応用例として図19が挙げられる。図19は重ね合わせた2つの被防食鋼材12、13がボルト32・ナット30で互いに接合してある。被防食鋼材12の外面に導電性接着剤14を塗布し、さらにマグネシウム板16を貼り付ける。この例ではマグネシウム板16は片方の鋼材12に接合してあるが、両鋼材の夫々に配置することもできる。例えば腐食の激しい湾岸の飛沫干満帯等では複数の犠牲陽極材より防食効果を高めることができる。このマグネシウム板16を含みその廻りには生成された水酸化マグネシウムの担体として及びマグネシウムイオンの担持や供給を行う網目状基体18を備えるように、その板の外側を実施例2で適用した細目の網目状基体18で覆う。そして、さらに網目状基体18の外側には図11、12と同様に防水カバー20を設けている。ここで用いるガーゼ状の網目状基体18はポリエステル繊維であり、防水カバー20は加水分解抵抗性および紫外線抵抗性を持つビチューメン系カバーの防食カバーである。この図19に示す重ね合わせ鋼板の端面35は、犠牲防食の弱点になる隙間構造であるが、図19の構造ではマグネシウム板で生成するマグネシウムイオンのガーゼによる端面部分への浸透と柔軟な網目状基体18および防水カバー20で鋼材断面のみならず締結ボルトあるいは端部の鋼材異形部の特異形状表面であっても、あるいは山形鋼や溝形鋼や凹凸のある異形鋼材であっても、網目状基体の防食電位伝達補完効果(前述第3実施例での被試験体の実験経過を説明した段落に記載の項番5-1でその効果を確認)とその形状に合わせて網目状基体18がマグネシウムイオンを担持や供給する担体として作用するので防食効果を上げることができる。なお、この図19ではマグネシウム板を1枚で示してあるが図15に示すような複数のマグネシウム板を利用することもできる。
鋼構築物の中で隙間部分は防食難易度の高い箇所になるが、本発明がこの隙間構造に対しても有効であることを検証する。図20、図21は鋼板の面合わせで接合する隙間部分での検証結果である。使用した鋼材は第3実施例と同じSS鋼であり、この平板(1.6mm×100mm×50mm)を重ね合わせて隙間部分を作る。そして、全体をガーゼで覆った上から防食カバーで包み込み、5ccの3%塩水を隙間部に向けて注入して経過観察を行った。なお、比較基準としてマグネシウム板を用いないサンプルAを同様に準備する(図20の上段、対比写真1)。なお、検証対象のサンプルBは第3実施例と同じ型式でサイズを約50mm×50mmとしたマグネシウム板を用いて3セット準備し、第1セットを1週間後に分解、第2セットを2週間後に分解、第3セットを1カ月後に分解して隙間面の腐食状態を観察した。この結果、3セットともに図20の対比写真2に示すように隙間面の腐食は視認されなかった。この実験の過程で得られた事実は、図21の上欄に示すように電位測定器の計測から隙間部分の防食電位が保たれていることと、図21の中欄に示すように分解した隙間面がアルカリ性になっていることと、使用したマグネシウム板が図21の下欄に示すように犠牲材になっていることが明らかである。すなわち、図20、図21に示す実験結果は、マグネシウムイオンが隙間部へ浸透して防食の作用効果を得ることを表している。
図22はマグネシウム板を利用することなく、マグネシウムの腐食生成物である水酸化マグネシウムを防食材として利用する構造体である。図22は、被防食体になる被防食鋼材12の外面に水酸化マグネシウム38を担持する網目状基体18を備える。ここで用いる水酸化マグネシウム38は市販されているものを利用できる。網目状基体18が水酸化マグネシウム38を担持できることは既に述べたとおりである。この水酸化マグネシウム38を担持する網目状基体18は、図11の構造に利用したポリエステル製ガーゼでよい。そして防食範囲26の全体に亘り被防食鋼材12の表面全体に配置し、その後、ビチューメン系防水カバー20で覆い、専用プライマーで被防食鋼材12の表面に固定する。
上記の本発明構造体において、本願発明の構造が犠牲陽極として作用する期間は、期待効果が約20年有の従来型マグネシウム密着手段に比べ、本願発明の担体構造の効果でより長い期待年月になるが、それでも保守点検は必要になる。このためには網目状基体18の水素イオン指数管理が欠かせない。そのため本発明構造にはpH測定用の検出構造も備えている。
本発明に適用する網目状基体は、ポリエチレンテレフタレート系の親水性ポリエステル繊維を用いる。その繊維には、凹凸表面や中空繊維等の形状吸水タイプ、あるいはヒドロキシ基やカルボキシ基等の反応基を付加した分子構造にするものもあるが、本発明にはいずれの構造でも適用可能である。また繊維の形状として上記第1実施例の説明では、(1)粗目ガーゼとして繊維直径1mm、メッシュの大きさ10mm×5mm、および、(2)細目ガーゼとして繊維直径0.3mm、メッシュの大きさ1mm×1mmを用いて説明したが、少なくとも水酸化マグネシウムが流出しないより細目のメッシュガーゼを利用してもよい。
鋼構造物のための防食構造として図11、図15、図19および図22を説明したが、本願発明の構造概念を適用可能な構造は、上記の構造に限られるものではない。すなわち、防食を目的とする鉄鋼構造の表面において、塗布した水酸化マグネシウムの担体として、あるいは生成されたマグネシウムイオンを担持するガーゼ状のポリエステル製網目構造基体を鋼表面の防食範囲全面に亘って拡げて、それを添わせる作業を行う。そしてそれに続き、その基体をビチューメン系カバーで覆い、鋼構造物に固定できる作業が可能である限り、凹凸のある複雑形状の鋼材に対しても適用作業が可能な作業工法にもなる。
図23は本発明の各種防食構造の選定工程を従来の施工方法と対比して説明する工程フローである。この図で四角枠は作業工程を、菱枠は条件を決めるために点線枠で囲む選択工程を意味し、矢印で示す図23中のフロー線(51、53、55、57、59)は工程順のステップ流れ(S1~S15)を示す。初めに、防食対象構築物の確認(S1)後、マグネシウム板の採用可否を判断し(S2)、これを利用する場合はマグネシウム板の取り付け範囲のみの防食(S3)であればフロー線51に従い素地調整(S4)、マグネシウム貼り付け部(S4)とサイズ(S5)を決めて貼り付け(S6)と加圧(S7)後、プライマー塗布(S10)、防食カバー(S11)、中塗り(S12)、上塗り(S13)の順序で従来工法を実施する。しかし、マグネシウム板の貼り付け面積より広い範囲に生成する水酸化マグネシウムの作用範囲を広げるフロー線53を選択(S3)した場合は、マグネシウム板を被防食鋼材に貼り付け固定後(S7)、網状織布基体のガーゼでマグネシウム板を覆いながら(図23中のフロー線55)、マグネシウム板よりも広範囲で鋼表面を覆い(S8、S9)。防食範囲の周囲にプライマー塗布後(S10)、従来工程と同様に仕上げを行うことで図11に示す防食構造を得ることができる。そして、マグネシウム板の節約を図り小さなマグネシウム板を利用するフロー線57を選択(S8)した場合には、複数のマグネシウム板の間を網状織布基体で覆い(S15)、防食範囲の周囲にプライマー塗布後(S10)、フロー線57に従い、仕上げ工程(S11,S12,S13)を行って図15に示す防食構造を得ることになる。そしてさらに、マグネシウム板を利用せず水酸化マグネシウムを利用する場合はフロー線59に従い、水酸化マグネシウムを網状織布基体に担持(S14)させて、被防食鋼表面に貼り付け(S15)、防食範囲の周囲にプライマー塗布後(S10)、やはり仕上げ工程(S11,S12,S13)を行い図22の防食構造を完成させる。
14・・・導電性接着剤
16・・・マグネシウム板
18・・・網目状基体
20・・・防水カバー、防食カバー
24・・・マグネシウム板を貼る範囲
26・・・被防食体の防食範囲
Claims (1)
- 鋼構築物を構成する鉄鋼材と、この鉄鋼材の表面に塗布する導電性接着剤と、この導電性接着剤を間に置いて前記鉄鋼材に固定的に取り付けたマグネシウム板と、このマグネシウム板を覆い且つこのマグネシウム板の表面積よりも広い範囲に亘り前記表面の少なくとも一部を直接に覆って配置するガーゼ状の網目構造を有するポリエステル製繊維の平織布帛と、この布帛を覆うようにビチューメン系のカバーをさらに重ねて備えた前記鉄鋼材のための防食構造において、
前記導電性接着剤と前記マグネシウム板とを挟み且つ前記表面の上に配置した可撓性のある前記布帛、および、前記カバーが前記範囲を囲むようにして前記鉄鋼材に固定してあり、
前記布帛が前記マグネシウム板および塩分含有水溶液に由来して生成されたマグネシウムイオンを担持しており、そして、
前記担持した前記布帛が前記鉄鋼材の前記表面に重畳されており、
前記マグネシウム板の表面積よりも広く且つ前記重畳された範囲に亘って前記鉄鋼材の前記表面を不動態化して防食することを特徴とする防食構造。
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