JP7331856B2 - 鉛蓄電池 - Google Patents

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Description

本発明は、鉛蓄電池に関する。
鉛蓄電池は、車載用、産業用等、様々な用途で広く使用されている。例えば車載用の鉛蓄電池は、セルモータ駆動用電源や車内電気機器用電源として用いられている。
鉛蓄電池においては、各種性能を改善するために、負極活物質に対してカーボン等の添加剤が添加されており、電解液にもナトリウムイオン等の添加剤が添加されていることが一般的である(特許文献1、2参照)。特許文献1には、リグニンスルホン酸ナトリウム塩、硫酸バリウム及びオイルファーネスブラックが負極活物質に添加された鉛蓄電池が提案されている。特許文献2には、0.03~0.27mol/Lの範囲のアルミニウムイオンと、0.03~0.28mol/Lの範囲のナトリウムイオンとを含有する電解液を用いた鉛蓄電池が提案されている。
特開2008-152955号公報 特開2016-115396号公報
自動車等に用いられる鉛蓄電池においては、厳しい環境下で使用した場合であっても、寿命が長いことが重要である。しかし、特に高温で過充電が繰り返される場合、正極集電体の腐食が進行することなどにより、鉛蓄電池の寿命は短くなる。従来の鉛蓄電池は、このような高温過充電寿命が十分ではない。
一方、自動車の燃費向上を目的として、エンジンのアイドリングを停止するシステムが普及しつつある。これらのシステムを採用した自動車では、鉛蓄電池の充電状態(SOC)は、従来の場合に比較して、低い範囲で制御される傾向にある。このため、鉛蓄電池が中間SOCで使用されることが多くなる。鉛蓄電池が中間SOCで使用されると、その後の電気容量が十分に回復し難いという不都合を有する。中間SOCで使用されるアイドリングストップシステムに使用される鉛蓄電池における充電受入性を改善する技術として、従来から、電解液中にAlイオンを添加することや、負極活物質に高比表面積のカーボンを添加することなどが提案されている。しかしながら、市場にアイドリングストップ車が上市及び販売されると、以下の新しい課題が顕在化してきた。すなわち、車両販売店等で長期在庫されているアイドリングストップ車や、週一回又は月一回程度の短距離走行のアイドリングストップ車では、過放電又は深放電による容量回復性が不十分となり、想定外に早期に寿命に至ることがある。
本発明は、以上のような事情に基づいてなされたものであり、その目的は、高温過充電寿命が長く、過放電又は深放電後の容量回復性も十分である鉛蓄電池を提供することである。
上記課題を解決するためになされた本発明の一態様は、鉛及びカーボンブラックを含む負極合剤を有する負極、並びにナトリウムイオンを含む電解液を備え、上記カーボンブラックのDBP吸油量が170mL/100g以下であり、上記電解液におけるナトリウムイオンの含有量が0mmol/L超30mmol/L以下である鉛蓄電池である。
本発明によれば、高温過充電寿命が長く、過放電又は深放電後の容量回復性も十分である鉛蓄電池を提供することができる。
図1は、本発明の実施形態に係る鉛蓄電池の外観と内部構造を示す、一部を切り欠いた分解斜視図である。
本発明の一実施形態に係る鉛蓄電池は、鉛及びカーボンブラックを含む負極合剤を有する負極、並びにナトリウムイオンを含む電解液を備え、上記カーボンブラックのDBP吸油量が170mL/100g以下であり、上記電解液におけるナトリウムイオンの含有量が0mmol/L超30mmol/L以下である鉛蓄電池である。
当該鉛蓄電池は、高温過充電寿命が長く、過放電又は深放電後の容量回復性も十分である。この理由は定かではないが、以下の理由が推測される。負極合剤に含有させるカーボンブラックとしてDBP吸油量が小さいものを用い、かつ電解液中のナトリウムイオン含有量を少なくすることで、高温環境下における充電時の過充電電気量が抑えられる。このような当該鉛蓄電池においては、積算過充電電気量が抑制されるため、正極集電体の腐食が生じ難くなり、高温下での過充電寿命が長くなっていると推測される。また、当該鉛蓄電池においては、電解液にナトリウムイオンが含有されていることにより、過放電又は深放電後の容量回復性も十分なものとなっている。さらに、当該鉛蓄電池は、充放電に伴う電解液の減少量も少なく、充電受入性も良好である。
本明細書において、DBP吸油量は、JIS K 6217-4に準拠して測定された値とする。また、各成分の含有量は、満充電状態(SOC100%)における含有量とする。鉛蓄電池を満充電状態にする充電条件は以下の通りである。液式(ベント式)電池の場合、25℃、水槽中、0.2Cで2.5V/セルに達するまで定電流充電をおこなった後、さらに0.2Cで2時間、定電流充電を行う。制御弁式(密閉式)電池の場合、25℃、気槽中、0.2C、2.23V/セルの定電流定電圧充電を行い、定電圧充電時の充電電流が1mC以下になった時点で充電を終了する。なお、1Cは、電池の公称容量を1時間で放電する電流値であり、例えば公称容量が30Ahの電池であれば1Cは30Aである。
上記カーボンブラックの上記鉛に対する含有量が、0.01質量%以上0.6質量%以下であることが好ましい。カーボンブラックの含有量を上記範囲とすることで、高温環境下における充電時の過充電電気量がより適度になり、高温過充電寿命がより改善される。さらに、上記カーボンブラックの上記鉛に対する含有量が、0.1質量%以上0.4質量%以下であることがより好ましい。この場合、高温過充電寿命や過放電又は深放電後の容量回復性がより良好なものとなる。
上記負極合剤が硫酸バリウムをさらに含み、上記硫酸バリウムの上記鉛に対する含有量が、0.5質量%以上10質量%以下であることが好ましい。さらに、上記硫酸バリウムの上記鉛に対する含有量が、2質量%以上10質量%以下であることがより好ましい。このような量の硫酸バリウムを負極合剤に含有させることで、高温過充電寿命や過放電又は深放電後の容量回復性がより良好なものとなる。上記硫酸バリウムの上記鉛に対する含有量が、0.5質量%以上4質量%以下であることも好ましい。この場合、高温過充電寿命や過放電又は深放電後の容量回復性が良好であることに加え、電解液の減少量を低減することができる。
<鉛蓄電池>
以下、本発明の一実施形態に係る鉛蓄電池について詳説する。本発明の一実施形態に係る鉛蓄電池は、負極としての負極板と、正極としての正極板と、電解液とを備える。負極板と正極板との間にはセパレータが配置される。負極板、正極板及びセパレータは、電解液中に浸漬している。当該鉛蓄電池は、液式鉛蓄電池でもよく、制御弁式鉛蓄電池でもよいが、液式鉛蓄電池であることが好ましい。
(負極板)
負極板は、負極集電体と負極合剤とを具備する。負極合剤は、負極集電体に保持されている。
(負極集電体)
負極集電体は、通常、格子板状である。負極集電体は、鉛(Pb)又は鉛合金の鋳造により形成してもよく、鉛又は鉛合金シートを加工して形成してもよい。加工方法としては、エキスパンド加工や打ち抜き(パンチング)が挙げられる。
負極集電体に用いられる鉛合金は、Pb-Sb系合金、Pb-Ca系合金、Pb-Ca-Sn系合金等が挙げられる。これらの鉛又は鉛合金は、更に、添加元素として、Ba、Ag、Al、Bi、As、Se、Cu等の元素を含んでもよい。負極集電体は、組成の異なる鉛合金層を有してもよく、鉛合金層は複数でもよい。
(負極合剤)
負極合剤は、鉛及びカーボンブラックを含む。
鉛は、負極活物質として機能する成分であり、通常、負極合剤における主成分である。負極合剤に占める鉛の含有量は、例えば90質量%以上99.99質量%以下とすることができる。負極合剤中の鉛の一部又は全部は、硫酸鉛等として存在していてもよい。
カーボンブラックは、炭素を主成分とする粒子として負極合剤中に存在する。負極合剤に含まれるカーボンブラックのDBP吸油量の上限は、170mL/100gであり、160mL/100gが好ましく、150mL/100gがより好ましいこともあり、140mL/100gがさらに好ましいこともある。カーボンブラックのDBP吸油量を上記上限以下とすることで、高温過充電寿命がより長くなり、電解液の減少量は低減する傾向にある。カーボンブラックのDBP吸油量の下限としては、例えば50mL/100gであり、80mL/100gが好ましく、120mL/100gがより好ましいこともあり、140mL/100gがさらに好ましいこともある。カーボンブラックのDBP吸油量を上記下限以上とすることで、カーボンブラックの導電性が高まることなどにより、過放電又は深放電後の容量回復性、充電受入性等が向上する傾向にある。
負極合剤中におけるカーボンブラックの、鉛(100質量%)に対する含有量の下限としては、0.01質量%が好ましく、0.05質量%がより好ましいこともあり、0.1質量%がさらに好ましいこともあり、0.2質量%がよりさらに好ましいこともある。カーボンブラックの含有量を上記下限以上とすることで、カーボンブラックによる負極合剤の導電性が高まることなどにより、過放電又は深放電後の容量回復性や充電受入性が向上する傾向にある。カーボンブラックの鉛(100質量%)に対する含有量の上限としては、0.6質量%が好ましく、0.5質量%がより好ましく、0.4質量%、0.3質量%又は0.2質量%がさらに好ましいこともある。カーボンブラックの含有量を上記上限以下とすることで、高温環境下における充電時の過充電電気量がより十分に抑えられることなどにより、高温過充電寿命がより改善される傾向にある。
カーボンブラックは、DBP吸油量が170mL/100g以下のものである限り特に限定されず、種々のカーボンブラックが用いられる。カーボンブラックとしては、例えばファーネスブラック、チャンネルブラック、サーマルブラック、アセチレンブラック、ケッチェンブラック等が挙げられる。これらは、単独で用いてもよく、また、2種以上併用してもよい。
カーボンブラックのDBP吸油量は、DBP吸油量の異なる2種以上の市販のカーボンブラックを混合することなどにより所望する値に調整することができる。
負極合剤は、硫酸バリウムをさらに含むことが好ましい。硫酸バリウムを含むことにより、粗大な硫酸鉛の結晶が成長するのを抑制し、過充電寿命、過放電又は深放電後の容量回復性、充電受入性等を改善することができる。
負極合剤中における硫酸バリウムの鉛(100質量%)に対する含有量の下限としては、0.5質量%が好ましく、1質量%がより好ましく、1.5質量%がさらに好ましく、2質量%がよりさらに好ましい。硫酸バリウムの含有量を上記下限以上とすることで、上述した硫酸バリウムの効果をより十分に発揮させることができる。硫酸バリウムの鉛(100質量%)に対する含有量の上限としては、10質量%が好ましく、5質量%がより好ましく、4質量%がさらに好ましく、3質量%がよりさらに好ましいことがある。硫酸バリウムの含有量を上記上限以下とすることで、電解液の減少量が低減される傾向にある。
硫酸バリウムは、通常、粒子として負極合剤中に存在する。硫酸バリウムの平均一次粒子径の下限としては、例えば0.1μmであり、0.2μmが好ましい。また、この平均一次粒子径の上限としては、1μmであり、0.5μmが好ましい。このような粒径の硫酸バリウムを用いることで、上述した硫酸バリウムを含有させることによる効果がより十分に発揮される。なお、硫酸バリウムの平均一次粒子径は、負極合剤の拡大写真において、20個の硫酸バリウムの一次粒子を任意に選択し、選択された粒子の粒子径を平均化することにより求める値とする。粒子径は、拡大写真で確認できる硫酸バリウムの一次粒子の投影面積と同面積の相当円の直径である。
負極合剤には、その他、必要に応じて、カーボンブラック以外の炭素質材料、リグニン等の他の添加剤を含有させることができる。
(負極の製造方法)
負極板は、未化成の負極板を化成処理することにより得られる。未化成の負極板は、通常、負極活物質の原料となる一酸化鉛を主成分とする鉛粉末を用いて作製される。具体的には、負極集電体に負極合剤ペーストを充填し、常法に従って熟成及び乾燥することにより未化成の負極板を作製する。負極合剤ペーストは、例えば、一酸化鉛を主成分とする鉛粉末に添加剤としてカーボンブラックとリグニンと硫酸バリウムとを所定の比率で混合した後、水と50%希硫酸を所定の比率で混合することにより得ることができる。未化成の負極板の熟成及び乾燥は、室温より高温かつ高湿度で行うことが好ましい。
得られた未化成の負極板を化成処理することにより、鉛粉末が海綿状鉛となった負極板が得られる。化成は、鉛蓄電池の電槽内の硫酸を含む電解液中に、未化成の負極板を含む極板群を浸漬させた状態で、極板群を充電することにより行うことができる。ただし、化成は、鉛蓄電池又は極板群の組み立て前に行ってもよい。化成により、海綿状鉛が生成し、負極板として用いることができる。
(正極板)
正極板は、ペースト式、クラッド式等に分類できる。
ペースト式正極板は、通常、格子板状の正極集電体と、正極合剤とを具備する。正極合剤は、正極集電体に保持されている。正極集電体は、負極集電体と同様に形成すればよく、鉛又は鉛合金の鋳造や、鉛又は鉛合金シートの加工により形成することができる。
クラッド式正極板は、複数の多孔質のチューブと、各チューブ内に挿入される芯金と、芯金が挿入されたチューブ内に充填される正極合剤と、複数のチューブを連結する連座とを具備する。
正極集電体に用いる鉛合金としては、耐食性及び機械的強度の点で、Pb-Ca系合金、Pb-Ca-Sn系等が好適である。正極集電体は、組成の異なる鉛合金層を有してもよく、鉛合金層は複数でもよい。芯金には、Pb-Sb系合金を用いることが好ましい。
正極合剤は、正極活物質(通常、二酸化鉛又は硫酸鉛)を含む。正極合剤は、正極活物質に加え、必要に応じて、硫酸スズ、鉛丹などの添加剤を含んでもよい。
未化成のペースト式正極板は、負極板の場合と同様に、正極集電体に、常法によって得られた正極合剤ペーストを充填し、熟成及び乾燥することにより得られる。正極合剤ペーストは、鉛粉、添加剤、水、硫酸等を混練することで調製することができる。その後、未化成の正極板を化成する。クラッド式正極板は、芯金が挿入された多孔質なガラスチューブに鉛粉又はスラリー状の鉛粉を充填し、複数のチューブを連座で結合することにより形成される。
(電解液)
電解液は、硫酸を含む水溶液である。この電解液は、ナトリウムイオンを含む。電解液におけるナトリウムイオンの含有量の上限としては、30mmol/Lであり、20mmol/Lが好ましく、15mmol/L又は10mmol/Lがより好ましいこともある。ナトリウムイオンの含有量を上記上限以下とすることで、過充電寿命を改善することができる。また、電解液の減液量も低減し、充電受入性も向上する傾向にある。一方、電解液におけるナトリウムイオンの含有量は、0mmol/L超であればよいが、この含有量の下限としては、0.1mmol/Lが好ましく、1mmol/Lがより好ましく、3mmol/Lがさらに好ましい。ナトリウムイオンの含有量を上記下限以上とすることで、過放電又は深放電後の容量回復性がより十分なものとなる。
ナトリウムイオンは、例えば硫酸ナトリウム、炭酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウム等の塩として電解液に添加することで、電解液に含有させることができる。
電解液には、ナトリウムイオン以外の金属イオンがさらに含有していてもよい。但し、電解液におけるナトリウムイオン以外の金属イオンの合計含有量の上限としては、70mmol/Lが好ましいことがあり、50mmol/Lがより好ましいことがあり、20mmol/Lがさらに好ましいこともある。
電解液は、必要に応じてゲル化させていてもよい。ゲル化の程度は、特に限定されない。流動性を有するゾルからゲル状態の電解液を用いてもよく、流動性を有さないゲル状態の電解質を用いてもよい。満充電状態の鉛蓄電池における電解液の20℃における比重の下限は、例えば1.25g/cmであり、1.28g/cmが好ましい。一方、この比重の上限は、例えば1.35g/cmであり、1.32g/cmが好ましい。
(セパレータ)
セパレータには、不織布シート、微多孔膜等が用いられる。負極板と正極板との間に介在させるセパレータの厚さや枚数は、極間距離に応じて適宜選択すればよい。不織布シートは、ポリマー繊維やガラス繊維を主体とするシートであり、例えば60質量%以上が繊維成分で形成されている。一方、微多孔膜は、例えばポリマー粉末、シリカ粉末及びオイルを含む組成物をシート状に押し出し成形した後、オイルを抽出して細孔を形成することにより得られる。セパレータを構成する材料は、耐酸性を有するものが好ましく、ポリマー成分としては、ポリエチレン、ポリプロピレン等のポリオレフィンが好ましい。
(用途)
当該鉛蓄電池は、高温過充電寿命が長く、過放電又は深放電後の容量回復性も十分である。従って、当該鉛蓄電池は、自動車用等、一般的な鉛蓄電池が使用される各種用途に幅広く用いることができる。特に、多数の充放電が繰り返され、十分な過充電寿命や容量回復性等が要求されるアイドリングストップ車用として好適に用いることができる。
図1に、本発明の実施形態に係る鉛蓄電池の一例の外観を示す。鉛蓄電池1は、極板群11、電解液(図示せず)及びこれらを収容する電槽12を具備する。電槽12内は、隔壁13により、複数のセル室14に仕切られている。各セル室14には、極板群11が1つずつ収納されている。電槽12の開口部は、負極端子16及び正極端子17を具備する蓋15で密閉されている。蓋15には、セル室毎に液口栓18が設けられている。補水の際には、液口栓18を外して補水液が補給される。液口栓18は、セル室14内で発生したガスを電池外に排出する機能を有してもよい。
極板群11は、それぞれ複数枚の負極板2及び正極板3を、セパレータ4を介して積層することにより構成されている。ここでは、負極板2を収容する袋状セパレータ4を示すが、セパレータの形態は特に限定されない。電槽12の一方の端部に位置するセル室14では、複数の負極板2を並列接続する負極棚6が貫通接続体8に接続され、複数の正極板3を並列接続する正極棚5が正極柱7に接続されている。正極柱7は蓋15の外部の正極端子17に接続されている。電槽12の他方の端部に位置するセル室14では、負極棚6に負極柱9が接続され、正極棚5に貫通接続体8が接続される。負極柱9は蓋15の外部の負極端子16と接続されている。各々の貫通接続体8は、隔壁13に設けられた貫通孔を通過して、隣接するセル室14の極板群11同士を直列に接続している。
本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、上記態様の他、種々の変更、改良を施した態様で実施することができる。例えば、上記実施形態においては、正極及び負極をそれぞれ正極板及び負極板として説明したが、正極及び負極は、それぞれ板状に限定されるものではない。
以下、実施例によって本発明をさらに具体的に説明するが、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
<実施例1>
(1)未化成の負極板の作製
一酸化鉛を主成分とする鉛粉末に、添加剤としてDBP吸油量が100mL/100gのカーボンブラックと、平均一次粒子径が0.3μmの硫酸バリウムと、質量平均分子量が6000のリグニンとを所定の比率で混合した。この混合物にさらに水と50%希硫酸とを所定の比率で加えて混練し、負極合剤ペーストを得た。負極合剤ペーストを、Pb-Ca-Sn合金製のエキスパンド格子の網目部に充填し、熟成及び乾燥し、未化成の負極板を得た。
カーボンブラックは、化成後に満充電した鉛蓄電池の負極合剤における鉛に対する含有量が0.3質量%になるように、負極合剤ペーストに配合した。また、硫酸バリウムは、化成後に満充電した鉛蓄電池の負極合剤における鉛に対する含有量が2.1質量%になるように、負極合剤ペーストに配合した。
(2)未化成の正極板の作製
原料の一酸化鉛を主成分とする鉛粉と水と50%希硫酸とを所定の比率にて混合して、正極合剤ペーストを得た。正極合剤ペーストを、Pb-Ca-Sn合金製のエキスパンド格子の網目部に充填し、常法に従って熟成及び乾燥し、未化成の正極板を得た。
(3)電解液の調製
水に硫酸及び硫酸ナトリウムと炭酸ナトリウムとの混合物を添加し、ナトリウムイオンの含有量が5mmol/Lの電解液を調製した。
(4)鉛蓄電池の作製
未化成の負極板を、ポリエチレン製の微多孔膜で形成された袋状セパレータに収容し、未化成の負極板7枚と未化成の正極板6枚を同極同士の極板を集合溶接して極板群を形成した。極板群をポリプロピレン製の電槽に収容して、極板群を直列で溶接をし、電解液を注液して電槽内で化成を施し、実施例1の液式の鉛蓄電池を組み立てた。
<実施例2~26及び比較例1~25>
用いたカーボンブラックのDBP吸油量、並びにカーボンブラック、硫酸バリウム及びナトリウムイオンの含有量を表1に記載の通りとしたこと以外は実施例1と同様にして、実施例2~26及び比較例1~25の鉛蓄電池を組み立てた。なお、カーボンブラックのDBP吸油量は、DBP吸油量の異なる市販のカーボンブラックを単独で、または複数種を混合することにより調整した。
[評価]
<過充電寿命>
各鉛蓄電池に対して、JIS-D-5301(2006)に沿って高温過充電寿命試験を行った。但し、軽負荷寿命試験より鉛蓄電池の劣化モードを市場の実態に合わせるため、25A放電の放電時間を240秒間から60秒間に変更した。具体的には以下の手順により行った。
1)75℃の雰囲気下で、25A×60秒間の放電と、14.8V×600秒間の充電とを480サイクル繰り返した。
2)75℃の雰囲気下で56時間放置した後、コールドクランキング電流で30秒間放電した。
3)75℃の雰囲気下で鉛蓄電池の重量を測定し、電解液の上限ラインまで補水を行い、再度重量を測定した。
4)75℃の雰囲気下で24時間放置した。
5)上記3)のコールドクランキング電流放電時の放電電圧が7.2V未満になるまで上記1)~4)を繰り返した。上記放電電圧が7.2V未満になったときの上記1)~4)の繰り返し回数を高温過充電寿命の指標とした。
<減液量>
上記高温過充電寿命試験で、試験開始時から寿命時までの累積補水量を減液量とした。
<充電受入性>
各鉛蓄電池に対して、JIS-D-5301(2006)に沿って充電受入性試験を行った。具体的には以下の手順により行った。
1)25℃の雰囲気下で、7.2A×2.5時間放電した。
2)0℃雰囲気下で12時間放置した後、14.4V×10分間充電し、充電開始10分後の充電電流値を充電受入性の指標とした。
<過放電後の容量回復性>
各鉛蓄電池に対して、以下の手順により過放電後の容量回復性の試験を行った。
1)25℃の雰囲気下で、7.2Aの放電電圧が10.5Vになるまで放電した。
2)40℃の雰囲気下で10wの負荷を取り付け、14日間放置した。
3)負荷を取り外し、さらに14日間放置した。
4)25℃雰囲気下で、15.0V×4時間充電した。
5)-15℃雰囲気下で16時間放置した後、高率放電電流で放電電圧が6.0Vになるまで放電した。高率放電電流による放電の持続時間を過放電後の容量回復性の指標とした。
各評価結果を表1に示す。なお、各評価結果は、比較例22を基準(100%)とした相対値とて示す。
Figure 0007331856000001
表1に示されるように、実施例1~実施例26の鉛蓄電池は、比較例22と比べていずれも過充電寿命が110%以上であり、かつ過放電後の容量回復性が85%以上であり、高温での過充電寿命が長く、過放電後の容量回復性も十分な結果となった。これに対し、電解液におけるナトリウムイオンの含有量が30mmol/L超、又はカーボンブラックのDBP吸油量が170mL/100g超である比較例2、3、5、6、8、9、13~16、18~25の鉛蓄電池は、過充電寿命が短い結果となった。また、ナトリウムイオンを含まない電解液を用いた比較例1、4、7、10~12、17及び20の鉛蓄電池は、過放電後の容量回復性が悪い結果となった。
本発明の鉛蓄電池は、自動車、バイク、電動車両(フォークリフトなど)、産業用蓄電装置などの電源として用いられ、特にアイドリングストップ車用の電源として好適に用いられる。
1 鉛蓄電池
2 負極板
3 正極板
4 セパレータ
5 正極棚
6 負極棚
7 正極柱
8 貫通接続体
9 負極柱
11 極板群
12 電槽
13 隔壁
14 セル室
15 蓋
16 負極端子
17 正極端子
18 液口栓

Claims (5)

  1. 鉛及びカーボンブラックを含む負極合剤を有する負極、並びに
    ナトリウムイオンを含む電解液
    を備え、
    上記カーボンブラックのDBP吸油量が50mL/100g以上170mL/100g以下であり、
    上記電解液におけるナトリウムイオンの含有量が0mmol/L超30mmol/L以下であり、
    上記カーボンブラックの上記鉛に対する含有量が、0.01質量%以上0.6質量%以下である鉛蓄電池。
  2. 上記カーボンブラックの上記鉛に対する含有量が、0.1質量%以上0.4質量%以下である請求項の鉛蓄電池。
  3. 上記負極合剤が硫酸バリウムをさらに含み、
    上記硫酸バリウムの上記鉛に対する含有量が、0.5質量%以上10質量%以下である請求項1または2の鉛蓄電池。
  4. 上記硫酸バリウムの上記鉛に対する含有量が、2質量%以上10質量%以下である請求項の鉛蓄電池。
  5. 上記硫酸バリウムの上記鉛に対する含有量が、0.5質量%以上4質量%以下である請求項の鉛蓄電池。
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