JP7331307B2 - 電子機器部品製造工程用の粘着性積層体及びそれを用いた電子機器部品の製造方法 - Google Patents

電子機器部品製造工程用の粘着性積層体及びそれを用いた電子機器部品の製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、電子機器部品製造工程用の粘着性積層体及びそれを用いた電子機器部品の製造方法に関する。
近年、電子機器部品の小型化が進んだため、電子機器部品の製造過程では、粘着シート上に各種電子機器部品を仮固定し、各種の工程(例えば、各部品の形状に打ち抜く工程)を行った後に、粘着シートから電子機器部品を剥離する工程が行われている。
上記工程において用いられる電子機器部品を仮固定する粘着シートは、「工程用シート」等と呼ばれ、各種の電子機器部品の製造に用いられている。
上述した工程用シートを用いた電子機器部品の製造工程では、工程の中で帯電が生じる場合がある。帯電が生じた場合、電子機器部品が破壊される可能性がある。特に、近年は電子機器部品の小型化が進んでいるため、帯電により電子機器部品が破壊されるリスクは増大している。
帯電による電子機器部品の破壊を防止する手段として、例えば、特許文献1の手段が提案されている。
特開2006-299120号公報
特許文献1は、低湿度環境下でも帯電防止性を発揮することを目的として、イオン性液体を含有する樹脂シートを提案している。
しかし、特許文献1の実施例の表面抵抗率の値から分かるように、イオン性液体では表面抵抗率を十分に下げることができず帯電防止性が不足するため、小型化した精密な電子機器部品が破壊されるリスクを払拭できない。また、電子機器部品の製造工程では150℃超の高温に晒されることがあるが、イオン性液体はこのような高熱では液状化してしまう。
帯電防止性及び耐熱性に優れる工程用シートとして、銅薄膜を有する工程用シートが考えられる。しかし、かかる工程用シートは透明性に劣るため、透過光を利用したシート端部の位置合わせ(アライメント)ができない等の不都合を生じ、生産性を向上できない。
また、近年、導電材として汎用的に用いられているITO及びATO等の透明金属薄膜は、透明性という観点では問題ないが、150℃超の高温に晒されると導電性(≒帯電防止性)が低下するという問題がある。
本発明者らは、上記課題を解決すべく鋭意研究した結果、導電性繊維を用いることにより、帯電防止性、耐熱性及び透明性に優れた電子機器部品製造工程用の粘着性積層体が得られることを見出し、これを解決するに至った。
本発明は、以下の[1]、[2]を提供することを目的とする。
[1]基材及び粘着剤層を有する積層体であって、前記基材と前記粘着剤層との間、又は、前記基材の前記粘着剤層とは反対側の面上に、導電性繊維を含む導電層を有してなり、前記積層体のJIS K7361-1:1997に規定する全光線透過率が30%以上である、電子機器部品製造工程用の粘着性積層体。
[2]下記工程(1)~(3)を順に行う電子機器部品の製造方法。
(1)上記[1]に記載の電子機器部品製造工程用の粘着性積層体の粘着剤層上に電子機器部品を配置して仮固定する工程。
(2)150℃超で加熱する工程。
(3)仮固定した粘着剤層と電子機器部品とを剥離する工程。
本発明の電子機器部品製造工程用の粘着性積層体は、帯電防止性、耐熱性及び透明性を良好にすることができる。また、本発明の電子機器部品の製造方法は、工程中に高熱環境に晒されたり、帯電が生じたりする場合であっても、安定した品質の電子機器部品を簡易に製造することができる。
本発明の電子機器部品製造工程用の粘着性積層体の一実施形態を示す断面図である。 本発明の電子機器部品製造工程用の粘着性積層体の他の実施形態を示す断面図である。
[電子機器部品製造工程用の粘着性積層体]
本発明の電子機器部品製造工程用の粘着性積層体は、基材及び粘着剤層を有する積層体であって、前記基材と前記粘着剤層との間、又は、前記基材の前記粘着剤層とは反対側の面上に、導電性繊維を含む導電層を有してなり、前記積層体のJIS K7361-1:1997に規定する全光線透過率が30%以上であるものである。
以下、本発明の実施の形態を説明する。なお、以下、「電子機器部品製造工程用の粘着性積層体」のことを「粘着性積層体」と略称する場合がある。また、本明細書において、透明性とは特に断りのない限り「着色透明」を含むものとする。
図1及び図2は、本発明の粘着性積層体100の実施の形態を示す断面図である。
図1の粘着性積層体100は、基材10の一方の面に粘着剤層20を有し、基材10の粘着剤層20とは反対側の面上に、導電性繊維31を含む導電層30を有している。また、図2の粘着性積層体100は、基材10の一方の面に粘着剤層20を有し、基材10と粘着剤層20との間に、導電性繊維31を含む導電層30を有している。
<基材>
基材としては、光透過性及び耐熱性を備えるものが好ましく、具体的には、ポリアミド、ポリイミド、ポリフェニレンサルファイド、液晶ポリマー、ポリアリレート、ポリスルホン、ポリエーテルスルホン、ポリエーテルエーテルケトン、ポリエーテルイミド及びポリアミドイミドから選ばれる1種以上の樹脂から形成されてなるプラスチックフィルムが好ましい。また、これらの中でも、いわゆるスーパーエンジニアプラスチックと呼ばれる、ポリイミド、ポリフェニレンサルファイド、液晶ポリマー、ポリアリレート、ポリスルホン、ポリエーテルスルホン、ポリエーテルエーテルケトン、ポリエーテルイミド及びポリアミドイミドから選ばれる1種以上の樹脂から形成されてなるプラスチックフィルムがより好ましい。特に、ポリイミドフィルムは汎用性が高い点で好ましい。なお、ポリイミドフィルムは、着色透明なものと無色透明なものとがあるが、汎用性の高い着色透明のものが好ましい。
基材は、粘着性積層体の透明性を良好にするため、JIS K7361-1:1997に規定する全光線透過率が30%以上であることが好ましく、60%以上であることがより好ましく、90%以上であることがさらに好ましい。
また、基材は、紫外線及び/又は赤外線を透過するものであることが好ましい。基材が紫外線及び/又は赤外線を透過することにより、粘着剤層の構成の選択幅を広げることができる。具体的には、基材が紫外線及び/又は赤外線を透過する場合、後述する粘着剤層として、(A)のタイプはもちろんのこと、(B)のタイプの何れにも用いることができる。
紫外線透過性を有するとは、波長300~380nmの分光透過率の平均が30%以上であることをいう。波長300~380nmの分光透過率の平均は50%以上であることが好ましい。
赤外線透過性を有するとは、波長1000~1100nmの分光透過率の平均が30%以上であることをいう。波長1000~1100nmの分光透過率の平均は50%以上であることが好ましく、60%以上であることがより好ましく、70%以上であることがさらに好ましい。
なお、本明細書において、波長300~380nmの分光透過率の平均、及び、波長1000~1100nmの分光透過率の平均とは、測定波長を1.0nm間隔とした際の各波長の透過率の平均値を意味する。分光透過率の測定条件は、2度視野として、光源はD65を用いることが好ましい。
基材の片面又は両面には、接着性向上のために、コロナ放電処理、酸化処理等の物理的処理を施してもよい。
なお、基材にいわゆる易接着層を形成した場合、基材と導電層との接着性は向上できるが、導電層の形成時に導電性繊維が易接着層に入り込むことなどによって導電性が低下する場合がある。また、基材の粘着剤層とは反対側の面に導電層を有する場合には、易接着層の存在によって導電層の表面から粘着剤層表面までの距離が増加するため、粘着剤層表面の帯電防止性が低下しやすくなる。このため、基材上には易接着層を有さないことが好ましい。
基材の厚みは10~50μmであることが好ましく、15~40μmであることがより好ましく、20~30μmであることがさらに好ましい。
基材の厚みを10μm以上とすることにより取り扱い性を良好にすることができる。また、基材の厚みを50μm以下とすることにより、基材の粘着剤層側とは反対側の面に導電層を有する場合でも、粘着剤層表面の帯電防止性を良好にしやすくすることができ、工程時(特に、粘着剤層と電子機器部品とを剥離する工程)の帯電によって、電子機器部品が破壊されることを抑制しやすくできる。
基材及び粘着剤層の厚みは、厚み測定装置(製品名「デジマチックインジケーターIDF-130」、ミツトヨ社製)を用いて任意の10箇所の厚みを測定し、その平均値を算出することにより求めることができる。
<粘着剤層>
粘着剤層は、電子機器部品を製造する任意の工程において電子機器部品を仮固定する役割を有する。また、仮固定した粘着剤層と電子機器部品とは、最終的には剥離可能である必要がある。このような役割、機能を果たす粘着剤層としては、例えば、以下の(A)、(B)のタイプが挙げられる。
(A)工程内で電子機器部品が浮き上がったり剥がれたりしない程度の初期粘着力を有し、かつ、電子機器部品を剥離可能な程度の粘着力を有する粘着剤層。
(B)電子機器部品に対して強固な初期粘着力を有するが、熱、光等のエネルギーによって粘着剤層と電子機器部品との間の密着性が低下し、電子機器部品が剥離可能となる粘着剤層。
(A)のタイプの粘着剤層は、工程を通して粘着力を低く抑えた粘着剤層である。このような粘着剤層としては、例えば、粘着性を有する樹脂と、硬化性樹脂及び/又は硬化剤等の硬化成分とを含む組成物を塗布し、予め硬化成分を硬化させたものが挙げられる。粘着力は、粘着性を有する樹脂の種類や、粘着性を有する樹脂と硬化成分との割合によって調整できる。
(A)のタイプの粘着剤層は、基材が紫外線及び/又は赤外線を透過するか否かに関わらず、電子機器部品を仮固定し、かつ最終的に電子機器部品を剥離できる点で好適である。
(A)のタイプの粘着剤層に用いられる粘着性を有する樹脂としては、アクリル系樹脂、ポリエステル系樹脂、シリコーン系樹脂、ゴム系樹脂等が挙げられる。
(A)のタイプの粘着剤層に用いられる硬化性樹脂としては、エポキシ系樹脂、メラミン樹脂等が挙げられる。(A)のタイプの粘着剤層に用いられる硬化剤は、粘着性を有する樹脂の種類によって異なるが、例えば、イソシアネート系硬化剤、アミン系硬化剤等が挙げられる。
(A)のタイプの粘着剤層の具体例としては、アクリル樹脂と、エポキシ熱硬化性樹脂と、エポキシ熱硬化性樹脂を硬化させるための硬化剤とを含む組成物から形成される粘着剤層が挙げられる。該粘着剤層は、工程内で電子機器部品が浮き上がったり剥がれたりしない程度の粘着力を有し、かつ、電子機器部品を剥離可能な程度の粘着力を有し、さらには、耐熱性にも優れる点で好適である。
アクリル樹脂は、(メタ)アクリル酸エステルを主成分とするアクリル樹脂を好適に使用できる。なお、本明細書において、(メタ)アクリル酸とは、アクリル酸および/またはメタクリル酸をいうものとする。
(メタ)アクリル酸エステルとしては、メチルエステル、エチルエステル、プロピルエステル、イソプロピルエステル、ブチルエステル、イソブチルエステル、s-ブチルエステル、t-ブチルエステル、ペンチルエステル、イソペンチルエステル、ヘキシルエステル、ヘプチルエステル、オクチルエステル、2-エチルヘキシルエステル、イソオクチルエステル、ノニルエステル、イソノニルエステル、デシルエステル、イソデシルエステル、ウンデシルエステル、ドデシルエステル、トリデシルエステル、テトラデシルエステル、ヘキサデシルエステル、オクタデシルエステル、エイコシルエステル等の(メタ)アクリル酸アルキルエステル;シクロペンチルエステル、シクロヘキシルエステル等の(メタ)アクリル酸シクロアルキルエステル;等が挙げられる。
また、アクリル樹脂は、(メタ)アクリル酸エステル以外のモノマーを含むものであってもよい。
アクリル樹脂の質量平均分子量は、粘着性、耐熱性及び塗工適性の観点から、10万~200万の範囲であることが好ましく、より好ましくは20万~100万の範囲である。
なお、質量平均分子量は、ポリスチレン標準試料を用いてGPC(ゲルパーミエーションクロマトグラフィー)により測定することができる。
エポキシ熱硬化性樹脂は、少なくとも1つ以上のエポキシ基またはグリシジル基を有するプレポリマーであって、硬化剤との併用により架橋重合反応により硬化し得るものであれば、特に制限なく使用することができる。
エポキシ熱硬化性樹脂は、エポキシ当量が100~2000g/eq.の範囲内にあるものを使用することが好ましい。エポキシ当量を100g/eq.以上とすることにより、架橋密度が高くなりすぎることによる粘着性の低下を抑制でき、エポキシ当量を2000g/eq.以下とすることにより、粘着剤層の耐熱性を良好にしやすくできる。なお、エポキシ当量は、JIS K7236:2001に準拠した方法により測定した1グラム当量のエポキシ基を含む樹脂のグラム数である。
エポキシ熱硬化性樹脂の質量平均分子量は、アクリル樹脂との相溶性の観点からは、一般的には300~5000の範囲内のものを好適に使用することができる。粘着剤層の耐久性等の観点からは、上記範囲内において高分子量のものを使用することがより好ましい。
エポキシ樹脂は種々のタイプのものが挙げられるが、ビフェニル骨格、ビスフェノール骨格及びスチルベン骨格等の剛直構造を主鎖に持つエポキシ樹脂が好ましく、より好ましくは、ビスフェノール型エポキシ樹脂、特に好ましくは、ビスフェノールA型エポキシ樹脂である。
ビスフェノールA型エポキシ樹脂は、ビスフェノール骨格の繰り返し単位の数によって、常温で液体のものと、常温で固体のものが存在する。主鎖の炭素数が1~3のビスフェノールA型エポキシ樹脂は常温で液体であり、主鎖の炭素数が2~10のビスフェノールA型エポキシ樹脂は常温で固体である。このような比較的低分子量のビスフェノールA型エポキシ樹脂は結晶性があり、常温で結晶化して固体のものであっても融点以上の温度になると、急速に融解して低粘度の液状に変化する。このような比較的低分子量のビスフェノールA型エポキシ樹脂は、硬化の際に架橋密度が高くなるため、硬化性が高く、吸湿性(自由体積が小さくなるため)が小さくなる特徴もある。常温で固体のビスフェノールA型エポキシ樹脂としては、機械的強度および耐熱性の観点から、ガラス転移温度が50~150℃の範囲にあるものが好ましい。具体的には、常温で液体である主鎖が1~3のビスフェノールA型エポキシ樹脂としては、ジャパンエポキシレジン社製、JER828が、常温で固体である主鎖が2~10のビスフェノールA型エポキシ樹脂としては、ジャパンエポキシレジン社製、JER1001などが例示できる。
エポキシ熱硬化性樹脂は、アクリル樹脂に対して20~60質量%の範囲で含まれていることが好ましく、30~50質量%であることがより好ましい。
エポキシ熱硬化性樹脂の配合量を上記の範囲とすることにより、初期粘着力が高くなり過ぎることを抑制し、かつ、高温環境下に置かれた場合であっても粘着力を維持でき、糊残りの少ない粘着剤層とすることができる。具体的には、エポキシ熱硬化性樹脂の配合量を20質量%以上とすることにより、初期粘着力が高くなり過ぎることを抑制するとともに、高温環境下で粘着力が増加することを抑制できる。また、エポキシ熱硬化性樹脂の配合量を60質量%以下とすることにより、初期粘着力(タック)の低下によって、粘着剤層上に電子機器部品を仮固定しにくくなることを抑制できる。
エポキシ熱硬化性樹脂を硬化させるための硬化剤としては、アミン系硬化剤、酸無水物系硬化剤及びフェノール系硬化剤等の反応型硬化剤、イミダゾール系硬化剤及びカチオン系硬化剤等のエポキシ樹脂を単独で硬化させる硬化剤が挙げられる。これらの中でも、エポキシ樹脂の骨格由来の性能を期待でき、添加量が少なくてもエポキシ樹脂を硬化させ得る、イミダゾール系硬化剤及びカチオン系硬化剤等のエポキシ樹脂を単独で硬化させる硬化剤が好ましい。
硬化剤の配合量が少ないと、硬化不足により所望の粘着性を得にくくなる。一方、硬化剤の配合量が過剰になると、粘着剤組成物の保存安定性が低下したり、エポキシ熱硬化性樹脂の硬化密度が高くなり過ぎて所望の粘着性を得にくくなる。例えば、エポキシ樹脂を単独で硬化させる硬化剤を使用する場合は、エポキシ熱硬化性樹脂に対して1~20質量%の範囲で硬化剤を配合することが好ましく、また、エポキシ樹脂と反応する硬化剤を使用する場合は、エポキシ熱硬化性樹脂のエポキシ当量に対して0.7~1.2の割合となるように硬化剤を配合することが好ましい。
(B)のタイプの粘着剤層は、粘着剤層上に電子機器部品を配置する段階では高い粘着力を有し、電子機器部品を強固に固定できる一方で、熱、光等のエネルギーによって、粘着剤層と電子機器部品との間の密着性が低下するものである。
粘着剤層の粘着力を低下させるには、例えば、下記(i)、(ii)の手段が挙げられる。
(i)粘着剤層を構成する組成物として、熱及び/又は光により架橋硬化が進行する組成物を用いる。
(ii)粘着剤層中に、粘着剤組成物及び熱膨張性粒子(マイクロカプセル)を含有させる。
(i)の手段では、粘着剤層に対して加熱及び/又は光照射し、組成物の架橋硬化を進行させることにより、粘着剤層の粘着力を低下させ、粘着剤層と電子機器部品とを剥離可能にするものである。
(i)の手段において、粘着剤層を構成する組成物としては、熱硬化性樹脂組成物、可視光線硬化性樹脂組成物及び電離放射線硬化性樹脂組成物から選ばれる1種以上を含むことが好ましい。これらの中でも、取り扱い性に優れるとともに、架橋硬化の進行が速く、かつ、高温に晒される工程においても粘着力を低下させにくい電離放射線硬化性樹脂組成物が好ましい。また、耐熱性を有する基材として汎用性の高いポリイミドは、紫外線を殆ど透過せず、電子線で構造が変化する場合がある。このため、基材としてポリイミドを用いる場合において(i)の手段を採用する場合は、該組成物としては、熱硬化性樹脂組成物又は可視光線硬化性樹脂組成物を用いることが好ましい。
なお、粘着剤層を構成する組成物中には、熱硬化性樹脂組成物、可視光線硬化性樹脂組成物及び電離放射線硬化性樹脂組成物の他に、初期粘着力を調整するための粘着性樹脂を含有していてもよい。
(i)の手段の可視光線硬化性樹脂組成物は、例えば、特開2005-306949号公報、特開2003-313216号公報、特開2002-30105号公報等に記載されているものを用いることができる。
(i)の手段の電離放射線硬化性樹脂組成物としては特に限定されず、例えば、特開2002-203816号公報、特開2003-142433号公報、特開2005-19607号公報、特開2005-279698号公報、特開2006-35277号公報、特開2006-111659号公報等に記載されているものを用いることができる。
(ii)の手段では、粘着剤層を加熱し、熱膨張粒子を発泡及び/又は膨張させ、粘着剤層と電子機器部品との接触面積を少なくすることにより、粘着剤層と電子機器部品とを剥離可能にするものである。
(ii)の手段で用いる粘着剤組成物としては特に限定されず、粘着性を有する、アクリル系樹脂、ポリエステル系樹脂、シリコーン系樹脂及びゴム系樹脂等が挙げられる。
熱膨張性粒子としては、イソブタン、プロパン、ペンタンなどの加熱により容易にガス化して膨張する物質を、弾性を有する殻内に内包させた微粒子が挙げられる。弾性を有する殻は、熱溶融性物質や熱膨張により破壊する物質で形成される場合が多い。該殻を形成する物質としては、塩化ビニリデン-アクリロニトリル共重合体、ポリビニルアルコール、ポリビニルブチラール、ポリメチルメタクリレート、ポリアクリロニトリル、ポリ塩化ビニリデン及びポリスルホン等が挙げられる。このような熱膨張性粒子としては、松本油脂製薬社製の商品名「マイクロスフェア」が挙げられる。
粘着剤層の厚みは、2~20μmであることが好ましく、5~15μmであることがより好ましく、7~13μmであることがさらに好ましい。
粘着剤層の厚みを2μm以上とすることにより、電子機器部品を仮固定する程度の粘着力を確保しやすくできる。また、粘着剤層の厚みを20μm以下とすることにより、粘着剤層表面の帯電防止性を良好にしやすくすることができ、工程時(特に、粘着剤層と電子機器部品とを剥離する工程)の帯電によって、電子機器部品が破壊されることを抑制しやすくできる。
<導電層>
導電層は、導電性繊維を含む層であり、基材と粘着剤層との間、又は、基材の粘着剤層とは反対側の面上に形成される。
導電性繊維とは、導電性を有し、かつ長さが太さ(例えば直径)に比べて十分に長い形状を持つものであり、例えば、概ね長さが太さの5倍以上のものは導電性繊維に含まれるものとする。
導電層を、導電性繊維を含む層とすることにより、導電性が良好となり、粘着剤層表面の表面抵抗率を下げることができ、帯電によって電子機器部品が破壊されることを抑制できる。
また、本実施形態の導電層は透明性を良好にできる。電子機器部品の製造工程では、透過光を利用して粘着性積層体の端部の位置合わせをすることがあるが、導電層が透明性に優れることにより、透過光を利用した端部の位置合わせがしやすい点で好ましい。また、粘着剤層に仮固定する電子機器部品は光を通さないものが多いため、粘着剤層が上述した(B)のタイプである場合、熱(赤外線)、光(紫外線、電子線等の電離放射線放射線)は、基材の粘着剤層とは反対側から照射される。この際、本実施形態の導電層は、熱(赤外線)、光(紫外線、電子線等の電離放射線放射線)を透過しやすい点で好ましい。
また、本実施形態の導電層は耐熱性を良好にできる。電子機器部品の製造工程では150℃超の高熱に晒される場合があるが、本実施形態の導電層は、かかる高熱環境下においても導電性が低下することを抑制できる点で好ましい。
導電層は、基材上に直接設けられていることが好ましい。「直接設けられている」とは、基材と導電層との間に下地層等の他の層が存在することなく、導電層が基材の一方の面に直接接触していることを意味する。導電層が基材に直接設けられているか否かは、走査型電子顕微鏡(SEM)を用いて、1000~50万倍にて、基材と導電層との界面周辺の断面を観察することにより確認することができる。なお、下地層には、巻き取り時の貼り付き防止のために易滑剤等の粒子を含むことがあるので、基材と導電層の間に粒子が存在することでも、下地層の有無を確認できる。
導電層は、表面から電気的に導通可能に構成されている。導電層30の表面30Aとは、導電層30の基材10とは反対側の面のことをいう。
導電層30が表面30Aから電気的に導通可能に構成されていれば、導電層30は、導電性繊維31に加えて、カバー樹脂32等の他の成分を含有していてもよい。
導電層の表面から電気的に導通可能であるか否かは、導電層の表面抵抗率を測定することによって判断することが可能である。具体的には、JIS K7194:1994(導電性プラスチックの4深針法による抵抗率試験方法)に準拠して、接触式抵抗率計(製品名「ロレスタGP MCP-T610型」、三菱化学アナリテック社製、端子形状:ESP)を用いて導電層の表面における表面抵抗率をランダムに10箇所測定し、測定した10箇所の表面抵抗率の平均値が1.0×10Ω/□未満であれば、導電層の表面から電気的な導通が得られていると判断できる。なお、後述するように、大部分の導電性繊維は導電層の膜厚の半分の位置HLより基材側に存在しているが、その他の導電性繊維は基材側に存在している導電性繊維上に積み重なることにより、導電層の膜厚の半分の位置HLから表面側にも存在し、また導電層の表面にも存在しているので、導電層は、表面から電気的に導通可能となっている。
導電層30は、図1に示されるように導電性繊維31が導電層30の膜厚の半分の位置HLより基材10側に偏在していることが好ましい。導電性繊維が導電層の膜厚の半分の位置HLより基材側に偏在しているか否かは、以下のようにして判断するものとする。
まず、走査型電子顕微鏡(SEM)、走査透過型電子顕微鏡(STEM)、または透過型電子顕微鏡(TEM)を用い、1000~50万倍にて導電層の断面写真を10箇所撮影する。各断面写真において導電層の膜厚の半分の位置を求める。そして、断面写真に現れている導電性繊維がこの半分の位置よりも基材側に存在するか否かを判断する。ここで、導電性繊維がこの半分の位置に跨っている場合には、この位置から基材側に存在している導電性繊維の部分およびこの位置から表面側に存在している導電性繊維の部分を導電性繊維の面積比に基づいて分ける。そして、この断面写真から求めた導電層の膜厚の半分の位置より基材側に位置する導電性繊維の存在割合が55%以上である場合を、導電性繊維が導電層の膜厚の半分の位置より基材側に偏在していると判断する。上記断面写真から求めた導電層の膜厚の半分の位置より基材側に位置する導電性繊維の存在割合は70%以上が好ましく、80%以上がより好ましい。
導電性繊維が導電層の膜厚の半分の位置HLより基材側に偏在している場合には、導電層の表面から電気的に導通可能となっているので、導電層の厚み方向において導電性繊維同士が接触している。
導電層の膜厚の半分の位置HLより基材側においては、導電層の平面方向(2次元方向)に導電性繊維同士が接触することによってネットワーク構造(網目構造)を形成していることが好ましい。導電性繊維がネットワーク構造を形成することによって、少量の導電性繊維であっても、効率良く導電経路を形成することができる。
一部の導電性繊維は導電層の表面に露出していることが好ましい。なお、導電性繊維が導電層に固定される程度に導電性繊維の一部が露出していればよく、導電性繊維が導電層の表面から突出している場合も導電性繊維が導電層の表面に露出している場合に含まれる。
導電性繊維の繊維径は200nm以下であることが好ましい。導電性繊維の繊維径を200nm以下とすることにより、ヘイズが高くなることを抑制できる。導電性繊維の繊維径のより好ましい下限は導電性の観点から10nm以上であり、導電性繊維の繊維径のより好ましい範囲は15nm以上180nm以下である。
導電性繊維の繊維長は1μm以上であることが好ましい。導電性繊維の繊維長を1μm以上とすることにより、導電性を良好にすることができる。導電性繊維の繊維長の好ましい上限は光透過性の観点から500μm以下である。
導電性繊維の繊維長は3μm以上300μm以下であることがより好ましく、10μm以上30μm以下であることがさらに好ましい。
導電性繊維の繊維径は、例えば、透過型電子顕微鏡(TEM)を用い、1000~50万倍にて50本の導電性繊維の繊維径を測定し、その50本の導電性繊維の繊維径の平均値として求めるものとする。導電性繊維の繊維長は、例えば、走査型電子顕微鏡(SEM)を用い、1000~50万倍にて50本の導電性繊維の繊維長を測定し、その50本の導電性繊維の繊維長の平均値として求めるものとする。
導電性繊維としては、導電性炭素繊維、金属繊維及び金属被覆合成繊維からなる群から選ばれる少なくとも1種であることが好ましい。
導電性炭素繊維としては、例えば、気相成長法炭素繊維(VGCF)、カーボンナノチューブ、ワイヤーカップ、ワイヤーウォール等が挙げられる。
金属繊維としては、例えば、ステンレススチール、鉄、金、銀、アルミニウム、ニッケル、チタン等を細く、長く伸ばす伸線法、又は、切削法により作製された繊維が使用できる。
また、金属被覆合成繊維としては、例えば、アクリル繊維に金、銀、アルミニウム、ニッケル、チタン等をコーティングした繊維等が挙げられる。
導電性繊維は、1種を単独で、又は2種以上を組み合わせて用いることができる。中でも、低ヘイズ値と低抵抗とを両立する観点からは、導電性繊維は金属繊維であることが好ましく、銀繊維であることがより好ましい。導電性繊維が銀繊維であると、より高いレベルでの透明性と低抵抗率とを達成することができる。
カバー樹脂は、導電層の表面から電気的な導通が得られる程度に導電性繊維を覆うことによって、導電層からの導電性繊維の脱離を防ぎ、かつ導電層の耐久性や耐擦傷性を向上させるために、必要に応じて導電層に含有させるものである。
上述したように一部の導電性繊維が、導電層の表面に露出していないと、導電層の表面から電気的な導通が得られないおそれがあるので、カバー樹脂は、一部の導電性繊維が導電層の表面から露出するように導電性繊維を覆っていることが好ましい。一部の導電性繊維が導電層の表面に露出するように導電性繊維をカバー樹脂で覆うためには、例えば、カバー樹脂の膜厚を調整すればよい。すなわち、カバー樹脂の膜厚が厚すぎると、全ての導電性繊維がカバー樹脂に埋もれてしまうことによって、一部の導電性繊維が導電層の表面に露出しなくなってしまい、導電層の表面から電気的な導通が得られないおそれがある。また、カバー樹脂の膜厚が薄すぎると、導電層からの導電性繊維の脱離、導電層の耐久性の悪化、耐擦傷性の低下が生じるおそれがあり、さらに導電性繊維が、全体として、導電層中において導電層の膜厚の半分の位置より基材側に偏在しなくなるおそれがある。このため、カバー樹脂の膜厚を適度な厚みに調節することが好ましい。
カバー樹脂の膜厚は、10nm以上300nm未満であることが好ましく、50nm以上200nm以下であることがより好ましい。
カバー樹脂の膜厚は、走査型電子顕微鏡(SEM)、走査透過型電子顕微鏡(STEM)、または透過型電子顕微鏡(TEM)を用いて1000~50万倍にて撮影された導電層の断面写真からランダムに10箇所厚みを測定し、測定された10箇所の厚みの平均値とする。
カバー樹脂は、光透過性を有する樹脂であれば特に限定されず使用することができ、重合性化合物の重合体(硬化物、架橋物)を含むものが挙げられる。カバー樹脂は、重合性化合物の重合体の他、溶剤乾燥型樹脂を含んでいてもよい。重合性化合物としては、電離放射線重合性化合物および/または熱重合性化合物が挙げられる。
電離放射線重合性化合物は、1分子中に電離放射線重合性官能基を少なくとも1つ有するものである。本明細書における「電離放射線重合性官能基」とは、電離放射線照射により重合反応し得る官能基である。電離放射線重合性官能基としては、例えば、(メタ)アクリロイル基、ビニル基、アリル基等のエチレン性不飽和基が挙げられる。なお、「(メタ)アクリロイル基」とは、「アクリロイル基」および「メタクリロイル基」の両方を含む意味である。また、電離放射線重合性化合物を重合する際に照射される電離放射線としては、可視光線、紫外線、X線、電子線、α線、β線、およびγ線が挙げられる。
電離放射線重合性化合物としては、電離放射線重合性モノマー、電離放射線重合性オリゴマー、または電離放射線重合性プレポリマーが挙げられ、これらを適宜調製して、用いることができる。電離放射線重合性化合物としては、電離放射線重合性モノマーと、電離放射線重合性オリゴマーまたは電離放射線重合性プレポリマーとの組み合わせが好ましい。
電離放射線重合性モノマーとしては、例えば、2-ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2-ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2-エチルヘキシル(メタ)アクリレート等の水酸基を含むモノマーや、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、テトラエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、テトラメチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、トリメチロールエタントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールジ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、グリセロール(メタ)アクリレート等の(メタ)アクリル酸エステル類が挙げられる。
電離放射線重合性オリゴマーとしては、2官能以上の多官能オリゴマーが好ましく、電離放射線重合性官能基が3つ(3官能)以上の多官能オリゴマーが好ましい。上記多官能オリゴマーとしては、例えば、ポリエステル(メタ)アクリレート、ウレタン(メタ)アクリレート、ポリエステル-ウレタン(メタ)アクリレート、ポリエーテル(メタ)アクリレート、ポリオール(メタ)アクリレート、メラミン(メタ)アクリレート、イソシアヌレート(メタ)アクリレート、エポキシ(メタ)アクリレート等が挙げられる。
電離放射線重合性プレポリマーは、重量平均分子量が1万を超えるものであり、重量平均分子量としては1万以上8万以下が好ましく、1万以上4万以下がより好ましい。重量平均分子量が8万を超える場合は、粘度が高いため塗工適性が低下してしまい、得られるカバー樹脂の外観が悪化するおそれがある。多官能プレポリマーとしては、ウレタン(メタ)アクリレート、イソシアヌレート(メタ)アクリレート、ポリエステル-ウレタン(メタ)アクリレート、エポキシ(メタ)アクリレート等が挙げられる。
熱重合性化合物は、1分子中に熱重合性官能基を少なくとも1つ有するものである。本明細書における「熱重合性官能基」とは、加熱により同じ官能基同士または他の官能基との間で重合反応し得る官能基である。熱重合性官能基としては、水酸基、カルボキシル基、イソシアネート基、アミノ基、環状エーテル基、メルカプト基等が挙げられる。
熱重合性化合物としては、特に限定されず、例えば、エポキシ化合物、ポリオール化合物、イソシアネート化合物、メラミン化合物、ウレア化合物、フェノール化合物等が挙げられる。
溶剤乾燥型樹脂は、熱可塑性樹脂等、塗工時に固形分を調整するために添加した溶剤を乾燥させるだけで、被膜となるような樹脂である。溶剤乾燥型樹脂を添加した場合、カバー樹脂を形成する際に、塗液の塗布面の被膜欠陥を有効に防止することができる。溶剤乾燥型樹脂としては特に限定されず、一般に、熱可塑性樹脂を使用することができる。
熱可塑性樹脂としては、例えば、スチレン系樹脂、(メタ)アクリル系樹脂、酢酸ビニル系樹脂、ビニルエーテル系樹脂、ハロゲン含有樹脂、脂環式オレフィン系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリアミド系樹脂、セルロース誘導体、シリコーン系樹脂及びゴム又はエラストマー等を挙げることができる。
熱可塑性樹脂は、非結晶性で、かつ有機溶媒(特に複数のポリマーや硬化性化合物を溶解可能な共通溶媒)に可溶であることが好ましい。特に、透明性や耐候性という観点から、スチレン系樹脂、(メタ)アクリル系樹脂、脂環式オレフィン系樹脂、ポリエステル系樹脂、セルロース誘導体(セルロースエステル類等)等が好ましい。
導電層は、反応抑制剤を含むことが好ましい。
反応抑制剤は、カバー樹脂用組成物の塗布後に、導電性繊維と、雰囲気下の物質等(雰囲気の硫黄、酸素、ハロゲン。あるいは、導電層と粘着剤層とが接する場合には粘着剤層を構成する材料)との反応による導電性低下を抑制するためのものである。
反応抑制剤としては、例えば、ベンゾアゾール系化合物、トリアゾール系化合物、テトラゾール系化合物、イソシアヌル酸系化合物、アニリン系化合物等の窒素含有化合物等が挙げられる。反応抑制剤として用いられる窒素含有化合物としては、例えば、1-アミノベンゾアゾール、5-メチルベンゾトリアゾール、1,2,3-ベンゾトリアゾール、1-メチル-1H-テトラゾール-5-アミン、DL-α-トコフェロール、1-オクタデカンチオール、2-メルカプト-5-(トリフルオロメチル)ピリジン、イソシアヌル酸ジアリル、イソシアヌル酸ジアリルプロピル、6-アニリノ-1,3,5-トリアジン-2,4-ジチオール、チオシアヌル酸、3,5-ジメチル-1H-1,2,4-トリアゾール、4-(1,2,4-トリアゾール-1-イルメチル)アニリン、6-(ジブチルアミノ)-1,3,5-トリアジン-2,4-ジチオール、4-(1,2,4-トリアゾール-1-イル)アニリン、2-メチルチオ-ベンゾチアゾール、1-フェニル-5-メルカプト-1H-テトラゾール、5-メルカプト-1-メチルテトラゾール、5-(メチルチオ)-1H-テトラゾール、5-アミノ-1H-テトラゾール、1-(2-ジメチルアミノエチル)-5-メルカプトテトラゾール、1-(2-ジメチルアミノエチル)-5-メルカプトテトラゾール、1-(4-ヒドロキシフェニル)-5-メルカプト-1H-テトラゾール、3-アミノ-5-メルカプト-1,2,4-トリアゾール、3,5-ジアミノ-1,2,4-トリアゾールが挙げられる。
導電層中の反応抑制剤の含有量は、0.01質量%以上10質量%以下であることが好ましい。反応抑制剤の含有量を0.01質量%以上とすることにより、導電性繊維が雰囲気下の物質と反応することを抑制できる。また、反応抑制剤の含有量を10質量%以下とすることにより、導電性繊維と反応抑制剤との反応が導電性繊維の表面のみならず内部まで進行し、導電性が低下することを抑制できる。
導電層の表面における表面抵抗率は、1.0×10Ω/□未満であることが好ましく、1000Ω/□以下であることがより好ましく、100Ω/□以下であることがさらに好ましく、60Ω/□以下であることがよりさらに好ましい。
導電層の表面抵抗率が1.0×10Ω/□以上となると、導電層の表面からの電気的な導通が不十分となり、粘着剤層表面の帯電防止性を良好にできない場合がある。
表面抵抗率は、JIS K7194:1994(導電性プラスチックの4深針法による抵抗率試験方法)に準拠して、抵抗率計(製品名「ロレスタGP MCP-T610型」、三菱化学アナリテック社製、端子形状:ESP)を用いて、測定することができる。表面抵抗率は、導電層の表面の表面抵抗率をランダムに10箇所測定し、測定した10箇所の表面抵抗率の平均値とする。
導電層の膜厚は、10nm以上300nm未満であることが好ましく、50nm以上200nm以下であることがより好ましい。
導電層の膜厚は、走査型電子顕微鏡(SEM)、走査透過型電子顕微鏡(STEM)、または透過型電子顕微鏡(TEM)を用いて1000~50万倍にて撮影された導電層の断面写真からランダムに10箇所厚みを測定し、測定された10箇所の厚みの平均値とする。
導電層の表面から粘着剤層の表面までの距離は、粘着剤層表面の帯電防止性を良好にする観点から、50μm以下であることが好ましく、40μm以下であることがより好ましい。粘着剤層の表面とは、粘着剤層の基材とは反対側の面のことをいう。
<その他の層>
本発明の粘着性積層体は、上述した基材、粘着剤層及び導電層以外の層を含んでいてもよい。
例えば、粘着性積層体の取り扱い性を向上するために、粘着剤層上に離型フィルムを有していてもよい。また、図1の構成の粘着性積層体の場合、導電層を保護するために、導電層上に剥離可能な保護フィルムを有していてもよい。
また、図1の構成の粘着性積層体の場合、導電層の基材とは反対側の面に第2粘着剤層を有していてもよい。また、図2の構成の粘着性積層体の場合、基材の導電層とは反対側の面に第2粘着剤層を有していてもよい。第2粘着剤層は、例えば、電子機器部品の製造に用いられる装置等に対して粘着性積層体を固定するために用いられる。
<物性>
本発明の粘着性積層体は、JIS K7361-1:1997に規定する全光線透過率が30%以上であることを要する。
粘着性積層体の全光線透過率が30%未満の場合、透過光を利用した粘着性積層体の端部の位置合わせが困難となり、作業性を良好にすることができない。
粘着性積層体の全光線透過率は60%以上であることが好ましく、90%以上であることがより好ましい。
なお、全光線透過率の光入射面、並びに、後述するヘイズ及び分光透過率の光入射面は、粘着性積層体の粘着剤層とは反対側の面とする。また、全光線透過率、ヘイズ及び分光透過率は、ランダムに10箇所測定した平均値とする。
本発明の粘着性積層体は、JIS K7136:2000に規定するヘイズが15%以下であることが好ましく、12%以下であることがより好ましく、10%以下であることがさらに好ましい。
粘着性積層体のヘイズを15%以下とすることにより、透過光を利用した粘着性積層体の端部の位置合わせをしやすくでき、作業性を良好にすることができる。
本発明の粘着性積層体は、波長300~380nmの分光透過率の平均が30%以上であることが好ましく、50%以上であることがより好ましい。
粘着剤層を構成する組成物として紫外線により架橋硬化が進行する組成物を用いた場合、波長300~380nmの分光透過率の平均を30%以上とすることにより、粘着剤層の粘着力を低下させる際に要する紫外線の照射量を削減することができる。
本発明の粘着性積層体は、波長1000~1100nmの分光透過率の平均が30%以上であることが好ましく、50%以上であることがより好ましく、60%以上であることがさらに好ましく、70%以上であることがよりさらに好ましい。
粘着剤層を構成する組成物として熱により架橋硬化が進行する組成物を用いた場合、波長1000~1100nmの分光透過率の平均を30%以上とすることにより、粘着剤層の粘着力を低下させる際に要する赤外線の照射量を削減することができる。なお、波長1000~1100nmは、汎用的なレーザーの中心波長が概ね含まれる範囲で設定したものである。
また、粘着剤層が熱膨張性粒子(マイクロカプセル)を含有する場合、波長1000~1100nmの分光透過率の平均を30%以上とすることにより、熱膨張粒子を発泡及び/又は膨張させ、粘着剤層と電子機器部品とを剥離可能とするまでに要する赤外線の照射量を削減することができる。
[電子機器部品の製造方法]
本発明の電子機器部品の製造方法は、下記工程(1)~(3)を順に行う電子機器部品の製造方法である。
(1)上述した本発明の電子機器部品製造工程用の粘着性積層体の粘着剤層上に電子機器部品を配置して仮固定する工程。
(2)150℃超で加熱する工程。
(3)仮固定した粘着剤層と電子機器部品とを剥離する工程。
工程(1)において、粘着剤層上に電子機器部品を配置して仮固定する工程は、粘着剤層の粘着性を利用して行われる。通常、工程(1)では加熱は行わず、常温付近(15~25℃)で工程を実施する。
電子機器部品としては、半導体ウエハ、半導体チップ(ダイシングされた半導体ウエハ)等が挙げられる。
工程(2)は150℃超で加熱する工程である。このような工程としては、半田付け、焼成(例えば、導電性微粒子分散液を塗布して配線パターンを形成した後に行う焼成)、半導体チップの封止(溶融した樹脂による半導体チップの封止)等が挙げられる。また、粘着剤層の粘着力を低下させるための加熱も工程(2)に該当し得る。
導電材として汎用的に用いられているITO及びATO等の透明金属薄膜は150℃超の高温に晒されると導電性(≒帯電防止性)が低下するという問題があるが、本発明で用いる粘着性積層体は、150℃超の高温に晒されても導電性が低下しない点で好適である。
なお、工程(2)の加熱温度は250℃以下であることが好ましく、210℃以下であることがより好ましい。
工程(2)の加熱時間は、如何なる目的で加熱するかにより異なるため一概にはいえないが、通常、10分~120分程度である。
工程(3)では、仮固定した粘着剤層と電子機器部品とを剥離する。本発明で用いる粘着性積層体は、工程(2)を経ても、低い表面抵抗率を維持できるため、工程(3)で生じる剥離帯電によって電子機器部品が破壊されることを抑制できる。
粘着剤層が上述した(B)の(i)のタイプの光架橋タイプの場合、工程(2)の後に、基材の粘着剤層とは反対側から可視光、紫外線等の光を照射して、粘着剤層と電子機器部品との間を剥離しやすくすることが好ましい。
また、粘着剤層が上述した(B)の(i)の熱架橋タイプの場合、及び、上述した(B)の(ii)のタイプの場合において、工程(2)の後に粘着力が十分に低下していない場合には、基材の粘着剤層とは反対側から赤外線を照射して、粘着剤層と電子機器部品との間を剥離しやすくすることが好ましい。
本発明で用いる粘着性積層体は、赤外線や光を透過しやすいため、粘着剤層が上述した(B)のタイプであっても、粘着剤層と電子機器部品との間を剥離しやすくできる点で好適である。
本発明の電子機器部品の製造方法は、さらに、透過光を利用した端部の位置合わせ工程を有していてもよい。
本発明で用いる粘着性積層体は、全光線透過率が高いため、透過光を利用した端部の位置合わせがしやすい点で好適である。
以下、本発明を実施例により具体的に説明するが、本発明は以下の例に限定されるものではない。
1.測定
実施例及び比較例で得られた電子機器部品製造工程用の粘着性積層体について、下記の測定を行った。結果を表1に示す。
1-1.表面抵抗率(初期)
接触式の抵抗率計(製品名「ロレスタGP MCP-T610型」、三菱化学アナリテック社製、端子形状:ESP)を用いて、JIS K7194:1994(導電性プラスチックの4深針法による抵抗率試験方法)に従って、製造直後の粘着性積層体の導電層側の表面抵抗率を測定した。表面抵抗率はランダムに10箇所測定し、測定した10箇所の表面抵抗率の平均値とした。なお、測定時には離型ポリエステルフィルムは剥離し、測定雰囲気は、温度は23℃±5℃、湿度50%±10%とした。
1-2.表面抵抗率(耐熱試験後)
粘着性積層体の離型ポリエステルフィルムを剥離した後、210℃で70分間加熱処理した。加熱処理した粘着性積層体の導電層側の表面抵抗率を、1-1と同様にして測定した。
1-3.銀繊維の偏在
実施例の粘着性積層体において、走査透過型電子顕微鏡(STEM)により断面写真を10箇所撮影し、これらの断面写真から、導電層を探し、導電層の半分の位置HLの透明基材側と、その反対側にある銀繊維の断面の面積をそれぞれ計算して、導電層の膜厚の半分の位置よりポリエチレンテレフタレートフィルム側に存在している銀繊維の存在割合を求めた。走査透過型電子顕微鏡における断面写真の撮影の際には、加速電圧を30Vとし、エミッションを10μAとし、またコントラストおよび明るさを各層が見分けられるよう適宜調節した。
1-4.全光線透過率
ヘイズメーター(製品名「HM-150」、村上色彩技術研究所製)を用いて、JIS K7361-1:1997に従って、実施例の粘着性積層体の全光線透過率を測定した。全光線透過率は、粘着性積層体全体で測定し、また10回測定して得られた値の平均値とした。なお、測定時には離型ポリエステルフィルムは剥離した。
1-5.ヘイズ
ヘイズメーター(製品名「HM-150」、村上色彩技術研究所製)を用いて、JIS K7136:2000に従って、実施例の粘着性積層体の全光線透過率を測定した。全光線透過率は、粘着性積層体全体で測定し、また10回測定して得られた値の平均値とした。なお、測定時には離型ポリエステルフィルムは剥離した。
1-6.分光透過率
分光光度計(島津製作所製、商品名:UV-2450)を用いて、実施例の粘着性積層体の波長300~380nm、及び、波長1000~1100nmの分光透過率を1.0nm間隔で測定し、300~380nmの分光透過率の平均、及び1000~1100nmの分光透過率の平均を算出した。分光透過率の測定条件は、2度視野として、光源はD65を用いた。なお、測定時には離型ポリエステルフィルムは剥離した。
2.銀繊維含有組成物の調製
還元剤としてエチレングリコール(EG)を、形態制御剤兼保護コロイド剤としてポリビニルピロリドン(PVP:平均分子量130万、アルドリッチ社製)を使用し、下記に示した核形成工程と粒子成長工程とを分離して粒子形成を行い、銀繊維含有組成物を調製した。
<核形成工程>
反応容器内で160℃に保持したEG液100mLを攪拌しながら、硝酸銀のEG溶液(硝酸銀濃度:1.0モル/L)2.0mLを、一定の流量で1分間かけて添加した。その後、160℃で10分間保持しながら銀イオンを還元して銀の核粒子を形成した。反応液は、ナノサイズの銀微粒子の表面プラズモン吸収に由来する黄色を呈しており、銀イオンが還元されて銀の微粒子(核粒子)が形成されたことを確認した。続いて、PVPのEG溶液(PVP濃度:3.0×10-1モル/L)10.0mLを一定の流量で10分間かけて添加した。
<粒子成長工程>
上記核形成工程を終了した後の核粒子を含む反応液を、攪拌しながら160℃に保持し、硝酸銀のEG溶液(硝酸銀濃度:1.0×10-1モル/L)100mLと、PVPのEG溶液(PVP濃度:3.0×10-1モル/L)100mLを、ダブルジェット法を用いて一定の流量で120分間かけて添加した。この粒子成長工程において、30分毎に反応液を採取して電子顕微鏡で確認したところ、核形成工程で形成された核粒子が時間経過に伴ってワイヤ状の形態に成長しており、粒子成長工程における新たな微粒子の生成は認められなかった。最終的に得られた銀繊維の繊維径および繊維長を測定したところ、銀繊維の繊維径は30nmであり、繊維長は15μmであった。銀繊維の繊維径は、透過型電子顕微鏡(TEM)を用い、1000~50万倍にて50本の導電性繊維の繊維径を測定し、その50本の導電性繊維の繊維径の平均値として求めた。また、銀繊維の繊維長は、走査型電子顕微鏡(SEM)を用い、1000~50万倍にて50本の導電性繊維の繊維長を測定し、その50本の導電性繊維の繊維長の平均値として求めた。なお、以下の銀繊維の繊維径および繊維長も同様にして求めた。
<脱塩水洗工程>
粒子成長工程を終了した反応液を室温まで冷却した後、分画分子量0.2μmの限外濾過膜を用いて脱塩水洗処理を施すとともに、溶媒をエタノールに置換した。そして、液量を100mLまで濃縮して銀繊維分散液を得た。最後に、銀繊維濃度が0.1質量%となり、かつ希釈後のアノンの溶剤比率が30質量%となるようにエタノールとアノンで希釈し、銀繊維含有組成物を得た。
3.カバー樹脂用組成物の調製
下記に示す組成となるように各成分を配合して、カバー樹脂用組成物を得た。
<カバー樹脂用組成物>
・ペンタエリスリトールトリアクリレートとペンタエリスリトールテトラアクリレートとの混合物(製品名「KAYARAD-PET-30」、日本化薬社製):5質量部
・重合開始剤(製品名「イルガキュア184」、BASFジャパン社製):0.25質量部
・メチルエチルケトン:70質量部
・シクロヘキサノン:24.75質量部
4.粘着剤層組成物の調製
モノマー単位として、メチルアクリレート、2-エチルヘキシルアクリレート、アクリル酸、2-ヒドロキシエチルアクリレートをそれぞれ質量基準で50:40:0.5:9.5の割合で含むアクリル共重合体樹脂(質量平均分子量20万、ガラス転移温度6℃)を用いた。このアクリル共重合体樹脂の酢酸エチル溶液(固形分35質量%)を100質量部と、液状エポキシ樹脂(ビスフェノールA型エポキシ樹脂、エポキシ当量:190g/eq.、分子量:370、商品名:jER828、三菱化学会社製)を14質量部と、硬化剤として2-エチル-4-メチルイミダゾール(商品名:キャアゾール2E4MZ、四国化成社製)を0.35質量部とを、トルエンおよびメチルエチルケトンの混合溶媒(商品名:KT-11,質量比1:1、DICグラフィクス社製)に溶解させ、ディスパーにて回転数500rpmで30分間撹拌した後、常温で気泡がなくなるまで放置することにより粘着剤組成物を得た。
5.粘着性積層体の作製
[実施例1]
片面にシリコーン剥離剤による離型処理が施されている厚さ38μmのポリエステルフィルム(商品名:SP-PET-01、三井化学東セロ社製)の易剥離処理面上に、上記「4」で得られた粘着剤組成物をアプリケータを用いて全面塗工した後、乾燥オーブンにより110℃で1分間乾燥し、厚さ10μmの粘着剤層を形成した。形成した粘着剤層の面に、厚さ25μmのポリイミドフィルム(商品名:カプトン100H、東レ・デュポン社製)をラミネートし、60℃で120時間養生した。
次いで、ポリイミドフィルムの粘着剤層を有する面とは反対側の面に、銀繊維含有組成物を付着量が10mg/mとなるように直接塗布した。次いで、塗布した銀繊維含有組成物1に対して、0.5m/sの流速で50℃の乾燥空気を15秒間流通させた後、さらに10m/sの流速で70℃の乾燥空気を30秒間流通させて銀繊維含有組成物中の分散媒を蒸発させることにより、ポリイミドフィルムの下地層が形成されていない面に、銀繊維を直接配置させた。
次いで、銀繊維を覆うようにカバー樹脂用組成物を塗布し、塗膜を形成した。そして、形成した塗膜に対して、0.5m/sの流速で50℃の乾燥空気を15秒間流通させた後、さらに10m/sの流速で70℃の乾燥空気を30秒間流通させて乾燥させることにより塗膜中の溶剤を蒸発させ、紫外線を積算光量が100mJ/cmになるように照射して塗膜を硬化させることにより、膜厚が100nmのカバー樹脂を形成し、実施例1の粘着性積層体を得た。
[比較例1]
片面にシリコーン剥離剤による離型処理が施されている厚さ38μmのポリエステルフィルム(商品名:SP-PET-01、三井化学東セロ社製)の易剥離処理面上に、上記「4」で得られた粘着剤組成物をアプリケータを用いて全面塗工した後、乾燥オーブンにより110℃で1分間乾燥し、厚さ10μmの粘着剤層を形成した。形成した粘着剤層の面に、厚さ25μmのポリイミドフィルム(商品名:カプトン100H、東レ・デュポン社製)をラミネートし、60℃で120時間養生した。
次いで、ポリイミドフィルムの粘着剤層を有する面とは反対側の面に、導電剤としてATOを含む導電層塗布液を塗布、乾燥し、厚み5μmの導電層を形成し、比較例1の粘着性積層体を得た。
表1の結果から、実施例1の粘着性積層体は、帯電防止性、耐熱性及び透明性が良好であることが確認できる。なお、実施例1において耐熱試験後に導電層の表面抵抗率が低下しているのは、加熱処理の際にポリイミド基材の抵抗が若干変化したことが影響していると考えられる。
一方、比較例1の粘着性積層体は、耐熱試験後に表面抵抗率が増加しており、耐熱性が不十分であることが確認できる。
10:基材
20:粘着剤層
30:導電層
31:導電性繊維
32:カバー樹脂
100:電子機器部品製造工程用の粘着性積層体

Claims (6)

  1. 基材及び粘着剤層を有する積層体であって、前記基材の前記粘着剤層とは反対側の面上に、導電性繊維を含む導電層を有してなり、前記基材と前記粘着剤層とが接してなり、前記積層体のJIS K7361-1:1997に規定する全光線透過率が30%以上63%以下である、電子機器部品製造工程用の粘着性積層体。
  2. 前記積層体の波長1000~1100nmの分光透過率の平均が30%以上である、請求項1に記載の電子機器部品製造工程用の粘着性積層体。
  3. 前記基材が、ポリアミド、ポリイミド、ポリフェニレンサルファイド、液晶ポリマー、ポリアリレート、ポリスルホン、ポリエーテルスルホン、ポリエーテルエーテルケトン、ポリエーテルイミド及びポリアミドイミドから選ばれる1種以上の樹脂から形成されてなる請求項1又は2に記載の電子機器部品製造工程用の粘着性積層体。
  4. 前記導電性繊維が銀繊維である請求項1~3の何れか1項に記載の電子機器部品製造工程用の粘着性積層体。
  5. 前記積層体の前記導電層表面のJIS K7194:1994に規定する表面抵抗率が1.0×10Ω/□未満である請求項1~4の何れか1項に記載の電子機器部品製造工程用の粘着性積層体。
  6. 下記工程(1)~(3)を順に行う電子機器部品の製造方法。
    (1)請求項1~5の何れか1項に記載の電子機器部品製造工程用の粘着性積層体の粘着剤層上に電子機器部品を配置して仮固定する工程。
    (2)150℃超で加熱する工程。
    (3)仮固定した粘着剤層と電子機器部品とを剥離する工程。
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