JP7328566B2 - 再生耐火原料の製造方法 - Google Patents
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Description
用語「耐火れんが」の定義は、JIS R2001-1985に従う。すなわち「耐火れんが」とは、「窯炉その他高温で使用する構造物の構築に適する種々の形を持った耐火物」である。また、用語「炭素含有耐火れんが」は、上記のように定義される耐火れんがのうち炭素を含有するものを表す。
細粒化工程は、炭素含有耐火れんがを細粒化して細粒化れんがを得る工程である。
熱処理工程は、細粒化れんがを酸化性気体の存在下において加熱して、再生耐火原料を得る工程である。ここで、得られる再生耐火原料の炭素含有量は、1質量%以下である。
分級工程は、再生耐火原料をふるい分けして目開き1mmのふるいを通過する成分を除去する工程である。分級工程は、たとえば、目開き1mmのふるいを設置した公知のふるい分け装置を用いて熱処理工程において得られた再生耐火原料をふるい分けし、ふるいの上に残った成分のみを再生耐火原料として採取する方法により実施しうる。分級工程を実施すると、再生耐火原料として骨材としての使用に適した粒度のものが得られうる。加えて、不純物を好適に除去しうる。
その他の構成に関しても、本明細書において開示された実施形態は全ての点で例示であって、本発明の範囲はそれらによって限定されることはないと理解されるべきである。当業者であれば、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、適宜改変が可能であることを容易に理解できるであろう。したがって、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で改変された別の実施形態も、当然、本発明の範囲に含まれる。
(炭素含有耐火れんが)
実施例および比較例の各例における出発原料として、マグネシアカーボン質(MgO-C)、スピネルカーボン質(SP-C)、マグネシアスピネルカーボン質(MgO-SP-C)、アルミナカーボン質(Al2O3-C)、およびアルミナ炭化珪素カーボン質(Al2O3-SiC-C)から選択される一種類の炭素含有耐火れんがを用いた。なお、後掲の表では、炭素含有耐火れんがの種類を上記かっこ書の記号で示している。また、各例で用いた炭素含有耐火れんがの炭素含有量についても、後掲の表に記載している。なお、いずれの例においても、鉄鋼製造プロセスにおいて使用した後の炭素含有耐火れんがを用いた。
実施例16以外の各例では、細粒化工程を、粉砕装置を用いる方法によって実施した。後掲の表では「粉砕」と表示している。実施例16では、細粒化工程を、水和反応を利用する方法、すなわち炭素含有耐火れんがを水と接触させた後に露天に放置する方法によって実施した。放置する期間は1ヶ月間とした。後掲の表では「水和反応」と表示している。
実施例5以外の各例では、熱処理工程を、ロータリーキルンを用いて実施した。後掲の表では「RK」と表示している。実施例5では、熱処理工程を、シャフトキルンを用いて実施した。後掲の表では「SK」と表示している。また、各例について、熱処理工程における加熱温度および加熱時間を、後掲の表に示している。
各例において得られた再生耐火原料の組成を、後掲の表に示している。炭素(C)の含有量は、JIS R 2011:2007に従って特定した。各金属酸化物(MgO、CaO、Al2O3)の含有量は、JIS R 2212-4:2006またはJIS R 2216:2005に従って特定した。炭化珪素(SiC)の含有量は、JIS R 2011:2007に従って特定した。なお、実施例および比較例の各例において、後掲の表に記載されている各成分の含有量の合計が100質量%に満たない場合があるが、これは、微量の他成分が含まれるためである。かかる他成分としては、Fe2O3、Cr2O3、およびTiO2が例示される。
(加熱温度の比較)
表1には、加熱温度を1100~1500℃の間で変化させた例を示した。加熱温度を1200℃以上とした実施例1~4では、得られた再生耐火原料の炭素含有量が0.45~0.82質量%であり、炭素含有量が十分に低減された再生耐火原料が得られたといえる。一方、加熱温度を1100℃とした他は実施例1~4と同様の条件で試験を行った比較例1では、得られた再生耐火原料の炭素含有量が4.0質量%であった。なお、実施例5に示すように、シャフトキルンを用いて熱処理工程を実施した場合も、炭素含有量が十分に低減された再生耐火原料が得られた。
表2には、加熱時間を0.3時間(18分)~5時間の間で変化させた例を示した。なお、比較のため実施例1を再掲している。いずれの実施例でも、得られた再生耐火原料の炭素含有量が0.74~1.0質量%であり、炭素含有量が十分に低減された再生耐火原料が得られたといえる。なお、加熱時間を長くするほど、炭素含有量がより低減される傾向が見られた。
表3には、出発原料とする炭素含有耐火れんがの種類が異なる例を示した。なお、比較のため実施例1を再掲している。いずれの種類の炭素含有耐火れんがを用いた場合も、得られた再生耐火原料の炭素含有量が0.50~0.91質量%であり、炭素含有量が十分に低減された再生耐火原料が得られたといえる。なお、各例において得られた再生耐火原料は、出発原料として使用した炭素含有耐火れんがの種類に対応する成分を含んでいた。たとえば、スピネルカーボン質の炭素含有耐火れんがを出発原料とした実施例9では、スピネル由来の成分(マグネシア(MgO)およびアルミナ(Al2O3))を主たる成分とする再生耐火原料が得られた。
表4には、出発原料とする炭素含有耐火れんがの炭素含有量が異なる例を示した。なお、比較のため実施例1を再掲している。炭素含有耐火れんがの炭素含有量が15~60質量%の実施例1および実施例13~15のいずれにおいても、炭素含有量が十分に低減された再生耐火原料が得られた。
表5には、細粒化工程の実施方法が異なる例を示した。なお、比較のため実施例1を再掲している。粉砕装置を用いる方法によって細粒化を行った実施例1、および、水和反応を利用する方法によって細粒化を行った実施例16の双方において、炭素含有量が十分に低減された再生耐火原料が得られた。
表6には、細粒化工程で得られる細粒化れんがの最大粒子径が異なる例を示した。なお、比較のため実施例1を再掲している。最大粒子径が10~30mmの実施例17、実施例1、および実施例18のいずれにおいても、炭素含有量が十分に低減された再生耐火原料が得られた。
Claims (7)
- 炭化アルミニウムを含む炭素含有耐火れんがを常温下で細粒化して細粒化れんがを得る細粒化工程と、
前記細粒化れんがを酸化性気体の存在下において加熱して、再生耐火原料を得る熱処理工程と、を含み、
前記細粒化工程は、前記炭素含有耐火れんがを水と接触させることを含む工程であり、
前記熱処理工程における加熱温度は、1200℃以上であり、
前記再生耐火原料の炭素含有量は1質量%以下である、再生耐火原料の製造方法。 - 前記細粒化工程において得られる前記細粒化れんがの最大粒子径は、20mm以下である請求項1に記載の再生耐火原料の製造方法。
- 前記熱処理工程における加熱時間は、30分以上である請求項1または2に記載の再生耐火原料の製造方法。
- 前記再生耐火原料をふるい分けして目開き1mmのふるいを通過する成分を除去する分級工程をさらに含む請求項1~3のいずれか一項に記載の再生耐火原料の製造方法。
- 前記細粒化工程に供される前記炭素含有耐火れんがの炭素含有量は、50質量%以下である請求項1~4のいずれか一項に記載の再生耐火原料の製造方法。
- 前記熱処理工程を、ロータリーキルンを用いて実施する請求項1~5のいずれか一項に記載の再生耐火原料の製造方法。
- 前記細粒化工程に供される前記炭素含有耐火れんがはマグネシアを含み、
前記再生耐火原料はマグネシアを含む請求項1~6のいずれか一項に記載の再生耐火原料の製造方法。
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