JP2024013030A - 再生耐火原料の製造方法および耐火物の製造方法 - Google Patents

再生耐火原料の製造方法および耐火物の製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】従来技術に比べて低温度の熱処理によって再生耐火原料の炭素含有量を十分に低減できる再生耐火原料の製造方法、および、かかる再生耐火原料を原料とする耐火物の製造方法、を提供する。【解決手段】炭素含有耐火れんがを細粒化して細粒化れんがを得る細粒化工程と、細粒化れんがを、外熱式ロータリーキルン中で、酸化性気体の存在下において加熱して、再生耐火原料を得る熱処理工程と、を含み、熱処理工程における加熱温度が850℃以上1000℃以下であり、熱処理工程における加熱時間が4時間以上である。【選択図】なし

Description

本発明は、再生耐火原料の製造方法および耐火物の製造方法に関する。
資源の有効利用を目的に炭素含有耐火物のリサイクルが進められている。たとえば特開平3-75255号公報(特許文献1)は、黒鉛含有耐火物を内熱式ロータリーキルン中で加熱して、当該鉛含有耐火物中の耐火組成物を抽出する方法を開示している。
特開平3-75255号公報
特許文献1による方法は、内部加熱バーナーの燃焼ガスを熱源に使用しているため、処理容器内部の酸素分圧を高くできない。そのため処理温度を高くしなければ再生耐火原料の炭素含有量を十分に低減できなかった。
本発明が解決しようとする課題は、従来技術に比べて低温度の熱処理によって再生耐火原料の炭素含有量を十分に低減できる再生耐火原料の製造方法、および、かかる再生耐火原料を原料とする耐火物の製造方法、を提供することにある。
本発明に係る再生耐火原料の製造方法は、炭素含有耐火れんがを細粒化して細粒化れんがを得る細粒化工程と、前記細粒化れんがを、外熱式ロータリーキルン中で、酸化性気体の存在下において加熱して、再生耐火原料を得る熱処理工程と、を含み、前記熱処理工程における加熱温度が850℃以上1000℃以下であり、前記熱処理工程における加熱時間が4時間以上であることを特徴とする。
また、本発明に係る耐火物の製造方法は、炭素含有耐火れんがを細粒化して細粒化れんがを得る細粒化工程と、前記細粒化れんがを、外熱式ロータリーキルン中で、酸化性気体の存在下において加熱して、再生耐火原料を得る熱処理工程と、前記再生耐火原料を原料として耐火物を製造する耐火物製造工程と、を含み、前記熱処理工程における加熱温度が850℃以上1000℃以下であり、前記熱処理工程における加熱時間が4時間以上であることを特徴とする。
これらの構成によれば、熱処理工程における加熱温度を、内熱式ロータリーキルンを使用する従来技術に比べて低く抑えながらも、炭素含有量を十分に低減した再生耐火原料が得られる。
以下、本発明の好適な態様について説明する。ただし、以下に記載する好適な態様例によって、本発明の範囲が限定されるわけではない。
本発明に係る再生耐火原料の製造方法は、一態様として、前記再生耐火原料の炭素含有量が1質量%以下であることが好ましい。
この構成によれば、幅広い用途の耐火物の原料として使用しうる再生耐火原料が得られる。
本発明に係る再生耐火原料の製造方法は、一態様として、前記炭素含有耐火れんがの炭素含有量が50質量%以下であることが好ましい。
この構成によれば、得られる再生耐火原料の炭素含有量を低減しやすい。
本発明に係る再生耐火原料の製造方法は、一態様として、前記細粒化工程が、前記炭素含有耐火れんがを粉砕すること、および、前記炭素含有耐火れんがを水と接触させること、の少なくとも一つを含むことが好ましい。
この構成によれば、汎用的な方法で容易に細粒化工程を実施しうる。
本発明に係る耐火物の製造方法は、一態様として、前記再生耐火原料を、JIS Z8801-1に規定される公称目開き300μmのふるいを通過しない第一成分と、前記ふるいを通過する第二成分と、に分級する分級工程をさらに含み、前記耐火物製造工程において、前記第一成分を原料として定形耐火物を製造することが好ましい。
この構成によれば、再生耐火原料のうち比較的純度が高い成分を用いて耐火物を製造できるので、一般的に高い純度を要求される定形耐火物の製造を好適に実施できる。
本発明に係る耐火物の製造方法は、一態様として、前記再生耐火原料を、JIS Z8801-1に規定される公称目開き300μmのふるいを通過しない第一成分と、前記ふるいを通過する第二成分と、に分級する分級工程をさらに含み、前記耐火物製造工程において、前記第二成分を原料として不定形耐火物を製造することが好ましい。
この構成によれば、熱処理工程により得られた再生耐火原料中のうち比較的純度が低い第二成分を、純度の要求水準が低い用途に消費することで、得られた再生耐火原料の全部を有効に活用しうる。
本発明のさらなる特徴と利点は、以下の例示的かつ非限定的な実施形態の説明によってより明確になるであろう。
本発明に係る再生耐火原料の製造方法および耐火物の製造方法の実施形態について説明する。本実施形態に係る再生耐火原料の製造方法は、細粒化工程、熱処理工程、および分級工程を含み、炭素含有耐火れんがを出発原料として再生耐火原料を製造する方法である。また、本実施形態に係る耐火物の製造方法は、細粒化工程、熱処理工程、および分級工程と、これらの工程を経て得られた再生耐火原料を原料として耐火物を製造する耐火物製造工程と、を含み、炭素含有耐火れんがを出発原料として耐火物を製造する方法である。
〔炭素含有耐火れんが〕
用語「耐火れんが」の定義は、JIS R2001-1985に従う。すなわち「耐火れんが」とは、「窯炉その他高温で使用する構造物の構築に適する種々の形を持った耐火物」である。また、用語「炭素含有耐火れんが」は、上記のように定義される耐火れんがのうち炭素を含有するものを表す。
炭素含有耐火れんがは、金属酸化物および炭素を含む。炭素含有耐火れんがは、含有する金属酸化物の種類によって分類され、たとえば、マグネシアカーボン質、スピネルカーボン質、マグネシアスピネルカーボン質、アルミナカーボン質、アルミナ炭化珪素カーボン質などの種類が例示される。本実施形態に係る再生耐火原料の製造方法において出発原料とする炭素含有耐火れんがとしては、上記に例示した種類のものを含む任意の炭素含有耐火れんがを用いることができる。
炭素含有耐火れんがの炭素含有量が50質量%以下であると、炭素含有量1質量%以下の再生耐火原料が得られやすいため、好ましい。炭素含有耐火れんがの炭素含有量は、50質量%以下であることがより好ましく、25質量%以下であることがさらに好ましい。炭素含有耐火れんがの炭素含有量の下限は特に限定されないが、たとえば、炭素含有耐火れんがの炭素含有量は15質量%以上でありうる。
炭素含有耐火れんがは、典型的には、金属酸化物を含む原料である耐火物原料と、炭素を含む原料である炭素原料と、その他の任意の添加物(結合剤、添加剤など)とを混練して得られる配合物を成形し、さらにこれを熱処理して得られる。ここで得られる炭素含有耐火れんがの種類は、選択される耐火物原料(金属酸化物)に対応したものになる。耐火物原料および炭素原料は、粉末で提供されることが一般的であるが、これに限定されない。得られた炭素含有耐火れんがは、たとえば鉄鋼製造プロセスにおいて溶融金属と接する箇所に幅広く使用され、使用される箇所に応じて適切な種類の炭素含有耐火れんがが選択される。
本実施形態に係る再生耐火原料の製造方法において出発原料とする炭素含有耐火れんがとして、使用後の炭素含有耐火れんがを用いることができる。ここで、使用後の炭素含有耐火れんがとは、上記に例示する方法で製造された後に、鉄鋼製造プロセスなどにおいて使用された履歴を有する炭素含有耐火れんがをいう。使用後の炭素含有耐火れんがには、当該炭素含有耐火れんがが使用されたプロセスおよび箇所に由来する金属やスラグなどが付着している場合がある。したがって、本実施形態に係る再生耐火原料の製造方法は、炭素含有耐火れんがに付着している金属およびスラグの少なくとも一つを除去する除去工程を含みうる。使用後の炭素含有耐火れんがを出発原料として再生耐火原料を得ることは、使用後の炭素含有耐火れんがを再利用する方法としての意義を有する。
前述したように、本実施形態に係る再生耐火原料の製造方法において出発原料とする炭素含有耐火れんがの種類は任意であるが、単一の種類の炭素含有耐火れんがを用いることが好ましい。この場合は再生耐火原料を単一種類の耐火物原料として得られ、再生耐火原料をれんがの原料として利用しやすくなるためである。したがって、本実施形態に係る再生耐火原料の製造方法は、炭素含有耐火れんがを種類ごとに分類する分類工程を含みうる。
たとえば、マグネシアを含む炭素含有耐火れんが(マグネシアカーボン質の炭素含有耐火れんが)を出発原料とすることが好ましい。これは、マグネシアを含む炭素含有耐火れんがを出発原料とすれば、マグネシアを含む再生耐火原料を得ることができるため、天然由来のマグネシア原料の使用量を抑制しうるためである。特に日本国では、マグネシア原料の多くを輸入に頼っているため、天然由来のマグネシア原料の使用量を抑制することが望まれている。また、マグネシアカーボン質の炭素含有耐火れんがを従来技術によって再生すると、得られる再生耐火原料に含まれるマグネシアの比率が出発原料に比して低い(マグネシア収率が低い)場合があったが、本実施形態に係る再生耐火原料の製造方法によれば、比較的高い収率でマグネシアを再生できる。
また、アルミナ炭化珪素カーボン質の炭素含有耐火れんがを出発原料とすることも好ましい。この場合は、アルミナ原料と炭化珪素原料との混合物を含む再生耐火原料が得られる。
〔細粒化工程〕
細粒化工程は、炭素含有耐火れんがを細粒化して細粒化れんがを得る工程である。
細粒化工程を実施する方法は、炭素含有耐火れんがを細粒化しうる方法である限りにおいて任意の方法を用いることができる。細粒化工程は、たとえば、炭素含有耐火れんがを粉砕することを含みうる。この場合、ジョークラッシャーなどの公知の粉砕装置を用いて炭素含有耐火れんがを粉砕する。
細粒化工程に供される炭素含有耐火れんがが炭化アルミニウムを含む場合、細粒化工程は、炭素含有耐火れんがを水と接触させることを含みうる。炭化アルミニウムを含む炭素含有耐火れんがを水と接触させると、炭化アルミニウムが水和により膨張するため、炭素含有耐火れんがの内部から炭素含有耐火れんがの構造が破壊される。この場合、炭素含有耐火れんがを水と接触させたのちに露天に放置すると、炭素含有耐火れんがが自然に崩壊する。このように、炭素含有耐火れんがを水と接触させることによって、炭素含有耐火れんがを細粒化しうる。この場合、粉砕装置などの機械を用いる場合に比べて、細粒化工程において消費するエネルギーを低減しうる。
なお、炭化アルミニウムを含む炭素含有耐火れんがは、たとえば、添加物として金属アルミニウムを含む炭素含有耐火れんがを鉄鋼製造プロセスに使用したときに生じうる。これは、使用中の加熱によって金属アルミニウムと炭素との反応が進行して炭化アルミニウムを生ずるためである。
細粒化工程において、得られる細粒化れんがの最大粒子径が35mm以下となるように条件を設定すると、炭素の酸化が進みやすくなるので好ましい。最大粒子径の調整は、上記に例示したような細粒化の方法の条件設定によって実現してもよいし、上記に例示したような方法で細粒化したれんがから粒子径が35mmを超える成分を取り除く方法によって実現してもよい。後者の方法は、たとえばJIS Z8801-1に規定される公称目開き31.5mmのふるいを用いて実施しうる。細粒化工程において得られる細粒化れんがの最大粒子径は、35mm以下であることがより好ましく、10mm以下であることがさらに好ましい。細粒化工程において得られる細粒化れんがの最大粒子径の下限は特に限定されないが、たとえば5mm以上でありうる。
〔熱処理工程〕
熱処理工程は、細粒化れんがを酸化性気体の存在下において加熱して、再生耐火原料を得る工程である。ここで、得られる再生耐火原料の炭素含有量は、1質量%以下である。
本実施形態では、外熱式ロータリーキルンを用いて熱処理工程を実施する。ロータリーキルンは、熱処理の対象物を収容したレトルト(容器)を回転させながら加熱して、当該対象物に熱を加えて熱処理を実現する装置である。ロータリーキルンは加熱装置の態様によって外熱式と内熱式に分類される。外熱式はレトルトを加熱することによって間接的に対象物に熱を与える方式であり、内熱式はレトルト内の対象物に対してバーナーの炎などを直接に当てて熱を与える方式である。本実施形態では前者の外熱式ロータリーキルンを用いることで、レトルト内の温度分布が均一になるので、設定温度を低くしても再生耐火原料の炭素含有量を十分に低減できる。
また、ロータリーキルンは、熱処理の対象物を供給する態様によって、回分式と連続式とに分類される。回分式は、各回の熱処理の間に対象物の出し入れを行わない方式であり、各回に所定の量の対象物を処理する。連続式は、運転中のレトルトにおいて新たな対象物の供給と熱処理された対象物の排出とを可能にした方式であり、熱処理を連続的に行う。本実施形態では回分式および連続式のいずれの外熱式ロータリーキルンも使用できるが、連続式の装置を用いると、熱処理工程を連続的に実施でき、再生耐火原料の製造方法全体の効率が向上しうるため好ましい。
本実施形態では、熱処理工程における加熱温度は850℃以上1000℃以下である。外熱式ロータリーキルンは一般的に、レトルトの内温を測定する温度測定装置と、当該温度測定装置によって測定される内温が所定の設定温度になるように加熱装置を制御する制御装置と、を備えており、加熱温度とは制御装置に入力される設定温度をいう。
細粒化れんがを850℃以上の温度で加熱することによって、細粒化れんがに含まれる炭素を二酸化炭素に好適に変換できるので、炭素を系外に除去しうる。これによって、得られる再生耐火原料の炭素含有量を1質量%以下に低減しうる。また、加熱温度を1000℃以下とすることによって、レトルトが変形しにくい条件で操業できるので、装置の故障が生じにくい。加熱温度は、900℃以下であることが好ましい。なお、内熱式ロータリーキルンを用いる従来の方法では、加熱温度(加熱装置の設定温度)を1400℃超にする必要があったが、本実施形態態では加熱温度を1000℃以下に留めても十分な熱処理を実現できる。
本実施形態では、熱処理工程における加熱時間は、4時間以上である。4時間以上の加熱を行うことで、再生耐火原料の炭素含有量を1質量%以下に低減しうる。加熱時間の上限は特に限定されないが、たとえば16時間以下でありうる。加熱時間を短くすることが熱処理工程に要するエネルギーの低減に資するためである。加熱時間は、10時間以下であることが好ましく、8時間以下であることがより好ましい。ただし、細粒化れんがの粒度、熱処理工程の温度および雰囲気、ならびに、熱処理工程に用いる外熱式ロータリーキルンの仕様(形状、材質など)、などの諸条件に応じて、得られる再生耐火原料の炭素含有量を1質量%以下にするに足る加熱時間は変化するため、実際の実施条件に応じて加熱時間を適宜設定するべきである。
熱処理工程において得られる再生耐火原料の炭素含有量を、1質量%以下とすることが好ましく、0.7質量%以下とすることがより好ましい。また、得られる再生耐火原料の炭素含有量の下限は特に限定されないが、たとえば0.1質量%以上でありうる。
熱処理工程に供される酸化性気体は、好ましくは酸素を含む気体であり、たとえば空気でありうる。したがって熱処理工程は、空気中において細粒化れんがを加熱する工程として実施されうる。なお、空気に代えて酸素富化した雰囲気中で細粒化れんがを加熱してもよい。この場合、空気中で細粒化れんがを加熱する場合に比べて酸化反応が進行しやすくなるため、熱処理工程の所要時間を短縮しうる。また、外熱式ロータリーキルンを用いることで、細粒化れんがを加熱する雰囲気を酸素富化した雰囲気に維持しやすいため、本実施形態では酸素富化した雰囲気とする利益が特に大きい。
〔分級工程〕
分級工程は、再生耐火原料をふるい分けして、ふるいを通過しない第一成分とふるいを通過する第二成分とに分級する工程である。分級工程は、たとえば、JIS Z8801-1に規定される公称目開き300μmのふるいを設置した公知のふるい分け装置を用いて実施されうる。
分級工程において得られる第一成分は、比較的高純度であり、骨材としての使用に好適である。したがって第一成分は、高い純度を要求される耐火物、たとえば定形耐火物の原料として使用されうる。
一方、分級工程によって得られる第二成分は、灰分等を含むため比較的純度が低い。したがって第二成分は、要求される純度の水準が比較的低い汎用の耐火物、たとえば不定形耐火物の原料として使用されうる。
また、分級工程において、再生耐火原料を複数の級に分級してもよい。この場合、所定の粒子径区分に分級された再生耐火原料が得られるので、再生耐火原料を耐火物原料として用いる際に目的に応じて使い分けやすくなる。
なお、本発明に係る再生耐火原料の製造方法において、分級工程を設けるか否かは任意である。
〔耐火物製造工程〕
耐火物製造工程は、再生耐火原料を原料として耐火物を製造する工程である。ここで用いられる方法は、上記の再生耐火原料の製造方法(細粒化工程および熱処理工程、ならびに任意の分級工程)により得られた再生耐火原料を用いる他は、耐火物の製造方法として公知の方法を採用しうる。
ただし、製造する耐火物が定形耐火物である場合は、上記の分級工程を設けて、第一成分を原料として耐火物製造工程を実施することが好ましい。上記の通り、第一成分は比較的純度が高いため、一般的に高い純度を要求される定形耐火物の原料としての使用に耐えうるからである。
また、製造する耐火物が不定形耐火物である場合は、上記の分級工程を設けて、第二成分を原料として耐火物製造工程を実施することが好ましい。本実施形態では熱処理工程において再生耐火原料中の炭素含有量を十分に低減してあるので、その中で比較的純度が低い第二成分といえども、不定形耐火物の原料としての使用には耐えうるからである。熱処理工程により得られた再生耐火原料中のうち比較的純度が低い第二成分を、純度の要求水準が低い用途に消費することで、得られた再生耐火原料の全部を有効に活用しうる。
〔その他の実施形態〕
その他の構成に関しても、本明細書において開示された実施形態は全ての点で例示であって、本発明の範囲はそれらによって限定されることはないと理解されるべきである。当業者であれば、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、適宜改変が可能であることを容易に理解できるであろう。したがって、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で改変された別の実施形態も、当然、本発明の範囲に含まれる。
以下では、実施例を示して本発明をさらに説明する。ただし、以下の実施例は本発明を限定しない。
〔試験条件〕
(炭素含有耐火れんが)
実施例および比較例の各例における出発原料として、マグネシアカーボン質(MgO-C)、スピネルカーボン質(SP-C)、マグネシアスピネルカーボン質(MgO-SP-C)、アルミナカーボン質(Al-C)、およびアルミナ炭化珪素カーボン質(Al-SiC-C)から選択される一種類の炭素含有耐火れんがを用いた。なお、後掲の表では、炭素含有耐火れんがの種類を上記かっこ書の記号で示している。また、各例で用いた炭素含有耐火れんがの炭素含有量についても、後掲の表に記載している。なお、いずれの例においても、鉄鋼製造プロセスにおいて使用した後の炭素含有耐火れんがを用いた。
(細粒化工程)
実施例17以外の各例では、細粒化工程を、粉砕装置を用いる方法によって実施した。後掲の表では「粉砕」と表示している。実施例17では、細粒化工程を、水和反応を利用する方法、すなわち炭素含有耐火れんがを水と接触させた後に露天に放置する方法によって実施した。放置する期間は1ヶ月間とした。後掲の表では「水和反応」と表示している。
(熱処理工程)
実施例は、熱処理工程を、外熱式ロータリーキルンを用いて実施した。比較例1、2では、熱処理工程を、内熱式ロータリーキルンを用いて実施した。また、各例について、熱処理工程における加熱温度および加熱時間を、後掲の表に示している。
(再生耐火原料の組成)
各例において得られた再生耐火原料の組成を、後掲の表に示している。炭素(C)の含有量は、JIS R2011:2007に従って特定した。各金属酸化物(MgO、CaO、Al)の含有量は、JIS R2212-4:2006またはJIS R2216:2005に従って特定した。炭化珪素(SiC)の含有量は、JIS R2011:2007に従って特定した。なお、実施例および比較例の各例において、後掲の表に記載されている各成分の含有量の合計が100質量%に満たない場合があるが、これは、微量の他成分が含まれるためである。かかる他成分としては、Fe、Cr、およびTiOが例示される。
〔試験結果〕
(加熱方式および加熱温度の比較)
表1に、加熱方式、加熱温度、加熱時間が再生耐火原料の炭素含有量に与える影響を示す。実施例1は回分式の外熱式ロータリーキルンを使用した例であり、850℃、8時間の処理条件で再生耐火原料の炭素含有量を1質量%以下とすることができた。比較例1は、回分式の内熱式ロータリーキルンを使用した例であり、炭素含有量を1質量%以下とするために、実施例1~3より高い加熱温度および実施例1~3より長い加熱時間の条件を要した。なお、比較例2は、回分式の内熱式ロータリーキルンを使用し、加熱時間を実施例1~3と同じ8時間にした例であるが、この場合は得られた再生耐火原料の炭素含有量が多かった。
実施例1~3および比較例3は回分式の外熱式ロータリーキルンを使用し、加熱時間を8時間に固定して加熱温度を600~1000℃の間で変化させた例である。加熱温度を850℃以上1000℃以下とした実施例1~3は、得られた再生耐火原料の炭素含有量が1質量%以下であり、炭素含有量が十分に低減された再生耐火原料が得られた。一方、加熱温度を600℃とした比較例3は、再生耐火原料の炭素含有量を十分には低減できなかった。
なお、表1および以降の全ての表において、再生耐火原料の成分(質量%単位)について、有効数字2桁で記載している。
表1:外熱式と内熱式との比較
Figure 2024013030000001
(加熱時間の比較)
表2に、加熱時間を0.3~20時間の間で変化させた例を示した。なお、実施例1を再掲している。いずれの実施例でも、得られた再生耐火原料の炭素含有量を1質量%以下とすることができた。一方、加熱時間が0.3時間の比較例4は、再生耐火原料の炭素含有量を十分には低減できなかった。
表2:加熱時間の比較
Figure 2024013030000002
(炭素含有耐火れんがの種類の比較)
表3に、出発原料とする炭素含有耐火れんがの種類が異なる例を示した。なお、実施例1は既出の実施例1と同一であるが、表3では炭素以外の構成成分の含有量についても記載している。いずれの種類の炭素含有耐火れんがを用いた場合も、得られた再生耐火原料の炭素含有量を1質量%以下とすることができた。なお、各例において得られた再生耐火原料は、出発原料として使用した炭素含有耐火れんがの種類に対応する成分を含んでいた。たとえば、スピネルカーボン質の炭素含有耐火れんがを出発原料とした実施例10では、スピネル由来の成分(マグネシア(MgO)およびアルミナ(Al))を主たる成分とする再生耐火原料が得られた。
表3:炭素含有耐火れんがの種類の比較
Figure 2024013030000003
(炭素含有耐火れんがの炭素含有量の比較)
表4に、出発原料とする炭素含有耐火れんがの炭素含有量が異なる例を示した。なお、実施例1は既出の実施例1と同一であるが、表4では出発原料の炭素含有量についても記載している。いずれの例においても、出発原料に比べて炭素含有量を低減した再生耐火原料を得ることができた。ただし、炭素含有量が特に小さい(1質量%以下)の再生耐火原料を経済的に有利な加熱処理時間で得る観点で、炭素含有量が50質量%以下の出発原料を用いることが好ましい(実施例1および13~15)。
表4:炭素含有耐火れんがの炭素含有量の比較
Figure 2024013030000004
(細粒化工程の実施方法の比較)
表5には、細粒化工程の実施方法が異なる例を示した。なお、実施例1は既出の実施例1と同一であるが、表5では細粒化工程の実施方法についても記載している。粉砕装置を用いる方法によって細粒化を行った実施例1、および、水和反応を利用する方法によって細粒化を行った実施例17の双方において、炭素含有量が十分に低減された再生耐火原料が得られた。
表5:細粒化工程の実施方法の比較
Figure 2024013030000005
(細粒化れんがの最大粒子径の比較)
表6には、細粒化工程で得られる細粒化れんがの最大粒子径が異なる例を示した。なお、実施例1は既出の実施例1と同一であるが、表6では細粒化れんがの最大粒子径についても記載している。実施例18および19は、実施例1と同じ出発原料を用いており、したがって出発原料の炭素含有量は、実施例1、18、および19のいずれも15質量%である。いずれの例においても、出発原料に比べて炭素含有量を低減した再生耐火原料を得ることができた。
表6:細粒化れんがの最大粒子径の比較
Figure 2024013030000006
本発明は、たとえば、使用後の炭素含有耐火れんがを再利用して再生耐火原料を製造する方法に利用できる。

Claims (7)

  1. 炭素含有耐火れんがを細粒化して細粒化れんがを得る細粒化工程と、
    前記細粒化れんがを、外熱式ロータリーキルン中で、酸化性気体の存在下において加熱して、再生耐火原料を得る熱処理工程と、を含み、
    前記熱処理工程における加熱温度が850℃以上1000℃以下であり、
    前記熱処理工程における加熱時間が4時間以上である再生耐火原料の製造方法。
  2. 前記再生耐火原料の炭素含有量が1質量%以下である請求項1に記載の再生耐火原料の製造方法。
  3. 前記炭素含有耐火れんがの炭素含有量が50質量%以下である請求項1に記載の再生耐火原料の製造方法。
  4. 前記細粒化工程が、前記炭素含有耐火れんがを粉砕すること、および、前記炭素含有耐火れんがを水と接触させること、の少なくとも一つを含む請求項1~3のいずれか一項に記載の再生耐火原料の製造方法。
  5. 炭素含有耐火れんがを細粒化して細粒化れんがを得る細粒化工程と、
    前記細粒化れんがを、外熱式ロータリーキルン中で、酸化性気体の存在下において加熱して、再生耐火原料を得る熱処理工程と、
    前記再生耐火原料を原料として耐火物を製造する耐火物製造工程と、を含み、
    前記熱処理工程における加熱温度が850℃以上1000℃以下であり、
    前記熱処理工程における加熱時間が4時間以上である耐火物の製造方法。
  6. 前記再生耐火原料を、JIS Z8801-1に規定される公称目開き300μmのふるいを通過しない第一成分と、前記ふるいを通過する第二成分と、に分級する分級工程をさらに含み、
    前記耐火物製造工程において、前記第一成分を原料として定形耐火物を製造する請求項5に記載の耐火物の製造方法。
  7. 前記再生耐火原料を、JIS Z8801-1に規定される公称目開き300μmのふるいを通過しない第一成分と、前記ふるいを通過する第二成分と、に分級する分級工程をさらに含み、
    前記耐火物製造工程において、前記第二成分を原料として不定形耐火物を製造する請求項5に記載の耐火物の製造方法。
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