JP7326962B2 - 車両の制御装置および制御方法 - Google Patents

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Description

本開示は、電動機で走行する車両の走行を制御する技術に関する。
従来から、車両においては、電動機を含む電子機器の異常を検出した場合に、安全側の制御をおこなうフェイルセーフ処理を実行する技術が知られている。例えば、下記の特許文献1には、自己診断により、車両のアクチュエータを制御するマイクロコンピュータの異常発生を監視し、異常を検出したときに、アクチュエータを安全状態に移行ささせるフェイルセーフ処理を実行する技術が開示されている。
特開2016-147585号公報
電動機によって走行する車両には、電動機の誤動作の発生を抑制するために、車両の加速時や減速時に電動機の制御信号の異常を検出した場合に、フェイルセーフ処理が実行されるものがある。電動機の制御の信頼性を高めるために、そうした電動機の制御信号の異常を検出して適切に対策することについては、なお一層の改良が求められている。
本開示は、例えば、以下の形態として実現することが可能である。
本開示の一形態は、電動機(20)の駆動力により走行する車両(10)の走行を制御する制御装置(100)として提供される。この形態の制御装置は、アクセル開度に応じて、前記電動機に発生させる目標トルク(Tt)を決定し、前記目標トルクでの前記電動機の駆動を指令する制御信号を出力する車両制御部(110)と、前記アクセル開度に応じて監視トルク(Ttw)を決定し、前記目標トルクと前記監視トルクの正負が一致していない条件を含む判定条件が満たされたときに、前記電動機のフェイルセーフ処理の実行を指令する監視部(120)と、を備える。
この形態の制御装置によれば、目標トルクと監視トルクの正負が反転しているか否かを判定することにより、電動機の回転方向の誤制御につながるような制御信号の異常の発生を簡易に検出でき、その異常に適切に対策することができる。よって、電動機の制御の信頼性を高めることができる。
制御装置を搭載する車両の構成を示す概略図。 制御装置の機能的構成を示す概略ブロック図。 車両制御部の機能的構成を示す概略ブロック図。 監視部の機能的構成を示す概略ブロック図。 制御装置が実行する制御処理のフローを示す説明図。 目標トルク決定処理のフローを示す説明図。 要求トルクマップの一例を示す説明図。 監視トルク決定処理のフローを示す説明図。 監視トルクマップの一例を示す説明図。 加速制御監視処理のフローを示す説明図。 上限閾値マップの一例を示す説明図。 検出時間マップの一例を示す説明図。 減速制御監視処理のフローを示す説明図。 下限閾値マップの一例を示す説明図。 第1実施形態の符号反転監視処理のフローを示す説明図。 第2実施形態の符号反転監視処理のフローを示す説明図。
1.第1実施形態:
図1を参照する。第1実施形態における制御装置100は、車両10に搭載されて用いられている。制御装置100は、車両10の走行を制御する車両制御部110と、車両制御部110の制御信号を監視する監視部120と、を備える。車両制御部110と監視部120の詳細については後述する。なお、他の実施形態では、制御装置100は、後述する電動機制御部21の少なくとも一部の機能を含んでいてもよい。
車両10は、電動機20を備え、電動機20が発生する駆動力を車輪11に伝達して走行する。第1実施形態では、電動機20は、発電機としても機能する電動発電機であり、例えば、三相交流モータによって構成される。第1実施形態では、車両10は、電動機20の駆動力のみによって走行する電気自動車として構成されている。なお、車両10は、電気自動車に限定されない。他の実施形態では、車両10は、電動機20とともに駆動力を発生する内燃機関を備えるハイブリッド自動車やプラグインハイブリッド自動車によって構成されてもよく、発電機としての機能を有していない電動機を備える電気自動車によって構成されてもよい。
車両10は、さらに、電動機制御部21と、アクセル開度センサ31と、車速センサ32と、シフトポジションセンサ33と、走行モードスイッチ34と、を備えている。電動機制御部21は、図示しないインバータを備え、制御装置100の制御下において、電動機20の駆動を制御する。第1実施形態では、電動機制御部21は電動機20による発電を制御する機能も有する。
電動機制御部21は、制御装置100によって設定される後述の目標トルクTtに従って、電動機20にトルクを発生させる。電動機制御部21は、目標トルクTtが正のときには、電動機20に、車両10を前進させる正方向の回転によるトルクを、目標トルクTtの絶対値に応じた大きさで出力させる。また、電動機制御部21は、目標トルクTtが負のときには、電動機20に、車両10を後進させる負方向の回転によるトルクを、目標トルクTtの絶対値に応じた大きさで出力させる。
第1実施形態では、電動機制御部21は、目標トルクTtが0[N・m]のときには、車両10にクリープ現象を生じさせるトルクを電動機20に出力させる。このトルクは、パーキングブレーキや運転者のブレーキ操作によって打ち消される程度に小さい。以下、このトルクを「クリープトルク」とも呼ぶ場合がある。
アクセル開度センサ31は、運転者によるアクセルペダルの操作を検出する。本明細書では、アクセルペダルの操作を単に「アクセル操作」とも呼ぶ。アクセル開度センサ31は、アクセルペダルの踏み込み量を検出するセンサであり、アクセルペダルの踏み込み量を検出し、その検出結果を示す信号を、アクセル開度Accとして制御装置100に出力する。以下の説明において、「アクセルオフ」は、アクセルペダルが踏み込まれていないアクセル開度Acc=0度である状態を意味し、「アクセルオン」は、アクセルペダルが踏み込まれて、アクセル開度Acc>0度である状態を意味する。
アクセル開度センサ31から出力されるアクセル開度Accは、車両10の加速度を制御する車両10に対する加速指令に相当する。なお、加速指令としてのアクセル開度Accは、アクセル開度センサ31から出力されなくてもよい。アクセル開度Accは、例えば、車両10の自動運転機能や運転支援機能を実現するためのプログラムが、車両10の走行を制御するために、制御装置100に出力するものとしてもよい。
車速センサ32は、車両10の速度である車速Vの検出に用いられるセンサであり、検出結果を示す信号を制御装置100に出力する。第1実施形態では、車速センサ32は、各車輪11に設けられており、車輪11の回転速度を検出する。第1実施形態では、車速センサ32が出力する信号は、車輪11の回転速度に比例する電圧値または車輪11の回転速度に応じた間隔を示すパルス波である。制御装置100は、車速センサ32からの検出信号を用いて、車両10の速度である車速Vを算出する。なお、制御装置100は、車速センサ32の出力信号を用いて、制御装置100の走行距離等の情報も取得することができる。
シフトポジションセンサ33は、運転者によって機械的に移動されるシフトレバーの位置を検出するセンサであり、その検出結果を示す信号であるシフトポジション信号SPを制御装置100に出力する。制御装置100は、シフトレバーの位置に応じて車両10の走行ステータスを切り替える。シフトレバーの位置は、例えば、車両10を前進させる際のドライブDや、車両10を後退させる際の後進R、ギヤへの駆動力の伝達を遮断する際のニュートラルN、車両10を駐停車させる際のパーキングPを含む。シフトレバーの位置は、その他に、車両10の移動を規制するブレーキBや、運転者によるギヤチェンジのマニュアル操作を受け付けるようにするマニュアルMなどが含まれてもよい。制御装置100は、運転者によるシフトレバーの機械的な移動により、車両10の走行状態を切り替える。なお、車両10では、シフトポジション信号SPは、シフトレバーの移動によらず、電気的なスイッチ操作によって切り替えられるように構成されていてもよい。
走行モードスイッチ34は、運転者が電動機20によって出力されるトルクの出力特性を切り替えるためのスイッチである。走行モードスイッチ34において選択・設定された走行モードMoは制御装置100に出力される。第1実施形態では、車両10の走行モードとしては、例えば、トルクの大きさよりも燃費を重視するエコモードや、燃費よりもトルクの大きさを重視するスポーツモード、燃費とトルクの大きさとをバランスさせるノーマルモードなどがある。
図2を参照する。制御装置100の車両制御部110は、アクセル開度Accによって表される車両10に対する加速指令に応じて、電動機20に発生させる目標トルクTtを決定する。第1実施形態では、車両制御部110は、アクセル開度Accに加えて、車速Vと、シフトポジション信号SPと、走行モードMoと、を用いて目標トルクTtを決定する。目標トルクTtを決定する工程の詳細は後述する。車両制御部110は、その目標トルクTtでの電動機20の駆動を指令する制御信号を、電動機制御部21と監視部120とに出力する。
監視部120は、アクセル開度Accによって表される車両10に対する加速指令に応じて監視トルクTtwを決定する。第1実施形態では、監視部120は、アクセル開度Accに加えて、車速Vと、シフトポジション信号SPと、を用いて監視トルクTtwを決定する。監視部120は、その監視トルクTtwと、車両制御部110が決定した目標トルクTtとを用いて、車両制御部110から電動機制御部21に出力される制御信号の異常の有無を判定する機能を有する。監視トルクTtwを決定する工程および制御信号の異常を検出する工程の詳細については後述する。
監視部120は、判定により、制御信号の異常を検出した場合には、電動機20のフェイルセーフ処理の実行を指令するフェイルセーフ信号FSSを電動機制御部21に出力する。第1実施形態では、電動機20のフェイルセーフ処理では、電動機20の出力トルクが、車両10にクリープ現象を生じさせる予め定められたクリープトルクTcr[N・m]または0[N・m]に設定される。電動機20のフェイルセーフ処理では、電動機20に接続されている電力線に設けられているリレーが遮断されてもよい。
電動機制御部21は、通常は、車両制御部110からの制御信号に従って、目標トルクTtを設定する電動機制御信号MGSを電動機20に出力する。電動機20は、目標トルクTtに従って駆動する。電動機制御部21は、監視部120からフェイルセーフ信号FSSを受け付けたときには、上記のフェイルセーフ処理の実行を指令する電動機制御信号MGSを電動機20に出力する。電動機20は、目標トルクTtでの駆動を中断し、フェイルセーフ処理の実行を開始する。
図3を参照する。車両制御部110は、少なくとも1つの中央処理装置(CPU)111と、メモリ112と、入出力インタフェース113と、バス114と、を備えている。CPU111、メモリ112および入出力インタフェース113は、バス114を介して双方向通信可能に接続されている。CPU111は、単体のCPUであってもよいし、各プログラムを実行する複数のCPUであってもよい。あるいは、CPU111は、複数のプログラムを同時実行可能なマルチコアタイプのCPUであってもよい。メモリ112は、例えば、RAMなど、CPU111による読み書きが可能な記憶素子によって構成される。車両制御部110は、CPU111がメモリ112にプログラムや命令を読み込んで実行することによって、制御装置100の走行を制御するための種々の機能を発揮する。
後述する目標トルク決定処理の実行の際には、車両制御部110のCPU111は、ROMなどの図示しない不揮発的かつ読み出し専用の記憶装置に予め格納されている目標トルク算出プログラムP1をメモリ112に読み出して実行する。また、車両制御部110のCPU111は、その目標トルク決定処理において、目標トルクTtを決定するために、メモリ112に、前述の図示しない記憶装置に予め格納されている要求トルクマップM1を読み出して用いる。なお、要求トルクマップM1は使用されるときにメモリ112に読み出されればよい。
入出力インタフェース113には、上述したアクセル開度センサ31、車速センサ32、シフトポジションセンサ33、走行モードスイッチ34、電動機制御部21および監視部120がそれぞれ信号線を介して接続されている。目標トルク決定処理では、CPU111は、入出力インタフェース113を介して、アクセル開度Acc、車速V、シフトポジション信号SP、および、走行モードMoの入力を受け付ける。また、CPU111は、目標トルク決定処理で決定された目標トルクTtを、入出力インタフェース113を介して、電動機制御部21および監視部120に出力する。
図4を参照する。監視部120は、少なくとも1つの中央処理装置(CPU)121と、メモリ122と、入出力インタフェース123と、バス124と、を備えている。CPU121、メモリ122および入出力インタフェース123は、バス124を介して双方向通信可能に接続されている。CPU121は、単体のCPUであってもよいし、各プログラムを実行する複数のCPUであってもよい。あるいは、CPU121は、複数のプログラムを同時実行可能なマルチコアタイプのCPUであってもよい。メモリ122は、例えばRAMなど、CPU121による読み書きが可能な記憶素子によって構成される。監視部120は、CPU121がメモリ122にプログラムや命令を読み込んで実行することによって、車両制御部110が電動機制御部21に出力する制御信号を監視するための種々の機能を発揮する。
監視部120は、CPU121が、ROMなどの図示しない不揮発的かつ読み出し専用の記憶装置に予め格納されている監視プログラムP2をメモリ122に読み出して実行することにより、後述する監視トルク決定処理や種々の監視処理を実行する。また、監視部120のCPU121は、監視トルク決定処理において、監視トルクTtwを決定するために、メモリ122に、前述の図示しない記憶装置に予め格納されている監視トルクマップM2を読み出して用いる。また、CPU121は、後述する種々の監視処理において、前述の記憶装置に予め格納されている上限閾値マップMPαや、下限閾値マップMPβ、検出時間マップMPtをメモリ122に読み出して用いる。なお、各マップM2,MPα,MPβ,MPtはそれぞれ、使用されるときにメモリ122に読み出されればよく、それぞれが同時にメモリ122に読み出されなくてもよい。
入出力インタフェース123には、上述したアクセル開度センサ31、車速センサ32、シフトポジションセンサ33、車両制御部110および電動機制御部21がそれぞれ信号線を介して接続されている。監視トルク決定処理や種々の監視処理では、CPU121は、入出力インタフェース123を介して、目標トルクTt、アクセル開度Acc、車速V、シフトポジション信号SPの入力を受け付ける。また、CPU121は、種々の監視処理においてフェイルセーフ処理の実行を決定した場合には、入出力インタフェース123を介して、電動機制御部21にフェイルセーフ信号FSSを出力する。
図5を参照する。制御装置100は、車両10の起動中に、図5に示す制御処理のフローを予め定められた制御周期で繰り返し実行する。この制御処理は、車両10が起動され、車両10が通常の運転状態にある間に実行される。ステップS10では、車両制御部110が目標トルク決定処理を実行し、ステップS20では、監視部120が監視トルク決定処理を実行する。ステップS30,S40,S50ではそれぞれ、監視部120が加速制御監視処理、減速制御監視処理、および、符号反転監視処理を実行する。以下、各ステップS10~S50の処理のフローを順に説明する。
図6を参照する。目標トルク決定処理では、車両制御部110は、検出されているアクセル開度Accに応じて電動機20の目標トルクTtを決定する。ステップS100では、車両制御部110は、アクセル開度Accと、車速Vと、走行モードMoと、を取得する。ステップS102では、車両制御部110は、アクセル開度Accと、車速Vと、走行モードMoと、図7に示す要求トルクマップM1とを用いて要求トルクTaを取得する。
要求トルクマップM1には、入力されるアクセル開度Accに対して一意に要求トルクTaが出力される関係が設定されている。車両制御部110は、要求トルクマップM1を用いて、アクセル開度Accに対する要求トルクTaを取得する。要求トルクTaは0以上の値として得られる。
第1実施形態では、要求トルクマップM1におけるアクセル開度Accに対する要求トルクTaの関係は、走行モードMoに応じて切り替えられるため、同じアクセル開度Accであっても、走行モードMoが異なると要求トルクTaは異なる値に設定される。図7の要求トルクマップM1の例では、走行モードMoがスポーツモードの場合の関係を示す特性線L1が実線で示され、走行モードMoがエコモードの場合の関係を示す特性線L2が一点鎖線で示されている。図7では、便宜上、走行モードMoがノーマルモードの場合の関係を示す特性線の図示は省略されている。特性線L1および特性線L2はいずれも、アクセル開度Accが大きいほど要求トルクTaが大きくなる関係を示している。特性線L1では、アクセル開度Accが大きいほど、アクセル開度Accに対する要求トルクTaの増加率が小さくなる。特性線L2では、アクセル開度Accが大きいほど、アクセル開度Accに対する要求トルクTaの増加率が大きくなる。
第1実施形態では、要求トルクTaは、車速Vに応じた値に設定される。第1実施形態では、要求トルクマップM1は、設定されている関係が車速Vに応じて補正されて用いられる。他の実施形態では、要求トルクマップM1には、アクセル開度Accと要求トルクTaとの関係を示す特性線が車速Vごとに設定されていてもよい。あるいは、車速Vごとの複数の要求トルクマップM1が予め準備され、車速Vに応じて選択的に用いられてもよい。
図6のステップS104では、車両制御部110は、シフトポジション信号SPを用いてシフトレバーの位置を判定するシフト判定を実行する。車両制御部110は、シフトポジション信号SPが後進R以外である場合、つまり、SP≠Rである場合には、ステップS106において、目標トルクTtを、要求トルクTaに設定する。車両制御部110は、シフトポジション信号SPが後進Rである場合、つまり、SP=Rである場合には、ステップS108において、目標トルクTtを、要求トルクTaの正負を反転させた値-Taに設定する。上述したように、車両制御部110は、決定された目標トルクTtを電動機制御部21と監視部120とに出力する。これにより、図5に示すステップS10の目標トルク決定処理が終了し、ステップS20の監視トルク決定処理が開始される。
図8を参照する。監視トルク決定処理では、監視部120によって、アクセル開度Accに応じて監視トルクTtwが決定される。ステップS110では、監視部120は、アクセル開度Accと、車速Vとを取得する。ステップS112では、監視部120は、アクセル開度Accと、車速Vと、図9に示す監視トルクマップM2とを用いて監視要求トルクTawを算出する。
監視トルクマップM2には、入力されるアクセル開度Accに対して一意に監視要求トルクTawが出力される関係が設定されている。監視部120は、監視トルクマップM2を用いて、アクセル開度Accに対する監視要求トルクTawを取得する。監視要求トルクTawは0以上の値として得られる。図9に示す監視トルクマップM2の例では、アクセル開度Accに対する監視要求トルクTawの関係は、図7の要求トルクマップM1におけるスポーツモードの特性線L1に相当する特性線L1wによって表されている。特性線L1wは、アクセル開度Accが大きいほど要求トルクTaが大きくなる関係を示している。特性線L1wでは、アクセル開度Accが大きいほど、アクセル開度Accに対する要求トルクTaの増加率が小さくなる。
図9では、参考のために、図7の要求トルクマップM1におけるエコモードの特性線L2に相当する特性線L2wを破線で図示してある。第1実施形態では、走行モードMoがエコモードであっても、要求トルクマップM1におけるスポーツモードの特性線L1に相当する特性線L1wで表される関係を用いて、アクセル開度Accに対する監視要求トルクTawが取得される。そのため、走行モードMoが異なっていても、アクセル開度Accに対して得られる監視要求トルクTawは同じである。ここで、図7に示す要求トルクマップM1において、スポーツモードの特性線L1で表される関係は、アクセル開度Accに対して得られる要求トルクTaの値が最も大きくなる関係である。よって、スポーツモードの特性線L1に相当する特性線L1wで表される関係を用いて得られる監視要求トルクTawは、走行モードMoにかかわらず、常に要求トルクTa以上の値に設定される。
第1実施形態では、監視要求トルクTawは、車速Vに応じた値に設定される。第1実施形態では、監視トルクマップM2は、設定されている関係が車速Vに応じて補正されて用いられる。他の実施形態では、監視トルクマップM2には、アクセル開度Accと監視要求トルクTawとの関係を示す特性線が車速Vごとに設定されていてもよい。あるいは、車速Vごとの複数の監視トルクマップM2が予め準備されており、車速Vに応じて選択的に用いられてもよい。
図8のステップS114では、監視部120は、シフトポジション信号SPを用いてシフトレバーの位置を判定するシフト判定を実行する。監視部120は、シフトポジション信号SPが後進R以外である場合、つまり、SP≠Rである場合には、ステップS116において、監視トルクTtwを、監視要求トルクTawに設定する。監視部120は、シフトポジション信号SPが後進Rである場合、つまり、SP=Rである場合には、ステップS118において、監視トルクTtwを、監視要求トルクTawの正負を反転させた値-Tawに設定する。以上により、図5に示すステップS20の監視トルク決定処理が終了し、ステップS30の加速制御監視処理が開始される。なお、監視部120は、検出されている加速指令やブレーキ指令に基づいて、車両10が加速中ではないことが検出されている場合には、ステップS30の加速制御監視処理をスキップしてもよい。
図10を参照する。加速制御監視処理は、車両10を加速させるときの制御信号の異常を監視部120が検出して対処する処理である。ステップS200では、監視部120は、車速Vに応じて上限閾値αを設定する。監視部120は、車速Vと、図11に示す上限閾値マップMPαと、を用いて上限閾値αを取得して設定する。上限閾値αは、目標トルクTtと監視トルクTtwとの許容できる誤差範囲の上限を示す予め実験的に定められた境界値である。
上限閾値マップMPαには、車速Vに対して上限閾値αが一意に定まる関係が設定されている。上限閾値マップMPαによれば、上限閾値αは0より大きい値として得られる。また、上限閾値マップMPαによれば、入力される車速Vが大きいほど出力される上限閾値αが大きくなる。また、上限閾値マップMPαの関係では、車速Vが大きいほど車速Vに対する上限閾値αの変化率が小さくなる。
ステップS205では、監視部120は、アクセル開度Accに応じて検出時間tを設定する。監視部120は、アクセル開度Accと、図12に示す検出時間マップMPtと、を用いて検出時間tを取得して設定する。検出時間tは、制御信号の異常が継続して検出されることが許容される時間の限界値を示す。検出時間tは、0より大きい値として得られる。図12に示す第1実施形態の検出時間マップMPtの例では、検出時間マップMPtには、アクセル開度Accが大きいほど検出時間tが小さくなる特性線Ltで示されている関係が設定されている。これにより、異常が検出されている間の車速の増大を抑制できる。また、第1実施形態の検出時間マップMPtでは、アクセル開度Accが数度程度の領域では、検出時間tの減少割合が比較的大きい。これにより、例えば、わずかなアクセル操作がされただけのときに制御信号の異常が誤検出されることが抑制される。また、第1実施形態の検出時間マップMPtでは、アクセル開度Accが、数度程度より大きくなったときには、検出時間tの減少割合が著しく小さくなり、アクセル開度Accに対して、検出時間tがあまり減少しなくなる。これにより、ハーフスロットルやパーシャルスロットルが多用された場合でも、制御信号の異常を、安定した精度で検出することが可能である。なお、加速制御監視処理で取得された検出時間tは、後述する減速制御監視処理においても用いられる。
ステップS210では、監視部120は、目標トルクTtから監視トルクTtwを減算した差分が上限閾値α以上であるか否かを判定する。Tt-Ttw≧αである場合には、ステップS212において、カウンタCに1が加算される。カウンタCは、初期値が0であり、加速制御監視処理が所定の実行周期で繰り返されている間に、制御信号の異常が連続して検出された回数を表す変数である。監視部120は、Tt-Ttw≧αである場合には、車両10の加速時における制御信号の異常が検出されたと判定して、カウンタCをインクリメントする。
ここで、図9を参照する。図9には、特性線L1wを+αだけシフトさせた上限境界線BUが示されている。第1実施形態の加速制御監視処理において、監視部120が制御信号の異常を検出するのは、目標トルクTtが上限境界線BUより上の領域である加速ハザード領域に含まれる場合である。
上述したように、監視トルクマップM2を用いて取得される監視要求トルクTawは、特性線L1wが表すスポーツモードに対応する関係を用いて取得される。そのため、監視要求トルクTawは、現在の走行モードMoにかかわらず、常にスポーツモードで得られる要求トルクTa以上の値に設定される。この理由は、走行モードMoがスポーツモードであるときがフェイルセーフ処理の対象となるような制御信号の異常が生じる可能性が最も高く、スポーツモードを基準に判定を行った方が望ましいためである。
図10のステップS210において、Tt-Ttw<αである場合には、ステップS214において、カウンタCに0が代入される。監視部120は、Tt-Ttw<αである場合には、車両10の加速時における制御信号の異常は継続して検出されていないと判定して、カウンタCを初期化する。
ステップS220では、監視部120は、カウンタCが、ステップS205で取得した検出時間t以上であるか否かを判定する。上記のように、カウンタCは、制御信号の異常が所定の周期で連続して繰り返し検出された回数を示しており、制御信号の異常が継続されている時間を表している。つまり、C≧tであることは、車両10の加速時における制御信号の異常が許容できる時間を越えて継続されていることを示している。そのため、C≧tである場合には、監視部120は、ステップS210とステップS220の条件を含む加速時判定条件が満たされたものとして、ステップS230で、フェイルセーフ処理の実行を決定する。監視部120は、電動機制御部21に、フェイルセーフ処理の実行を指令するフェイルセーフ信号FSSを出力して、加速制御監視処理を終了する。電動機制御部21は、電動機20にフェイルセーフ処理の実行を指令する電動機制御信号MGSを出力する。これにより、車両10の通常の運転状態が中断されるため、図5の制御処理は途中で終了することになる。
一方、ステップS220において、C<tである場合には、監視部120はそのまま加速制御監視処理を終了する。この場合には、車両10の加速制御の際における制御信号の異常が、対処が必要なほど継続して検出されていないと判定できるためである。この後、監視部120は、図5に示すステップS40の減速制御監視処理の実行を開始する。なお、監視部120は、検出されている加速指令やブレーキ指令に基づいて、車両10が減速中であることが検出されている場合には、ステップS40の減速制御監視処理をスキップしてもよい。
図13を参照する。減速制御監視処理は、車両10を減速させるときの制御信号の異常を監視部120が検出して対処する処理である。ステップS300では、監視部120は、車速Vに応じて下限閾値βを設定する。監視部120は、車速Vと、図14に示す下限閾値マップMPβと、を用いて下限閾値βを取得して設定する。下限閾値βは、減速時における目標トルクTtの許容できる下限を示す予め実験的に定められた境界値である。
下限閾値マップMPβには、車速Vに対して下限閾値βが一意に定まる関係が設定されている。下限閾値マップMPβによれば、下限閾値βは0より小さい値として得られる。また、下限閾値マップMPβによれば、入力される車速Vが大きいほど出力される下限閾値βが小さくなる。また、下限閾値マップMPβの関係では、車速Vが大きいほど車速Vに対する下限閾値βの変化率が小さくなる。
ステップS305では、監視部120は、検出時間tを取得する。第1実施形態では、監視部120は、加速制御監視処理で取得した検出時間tを減速制御監視処理においても用いる。なお、加速制御監視処理の実行をスキップしている場合には、監視部120は、加速制御監視処理のステップS205と同様に、検出時間マップMPtを用いて、アクセル開度Accに応じた検出時間tを設定する。
ステップS310では、監視部120は、目標トルクTtが下限閾値β以下であるか否かを判定する。Tt≦βである場合には、ステップS312において、カウンタCに1が加算される。つまり、監視部120は、Tt≦βである場合には、車両10の減速時における制御信号の異常が検出されたと判定して、カウンタCをインクリメントする。
図7を参照する。図7には、下限閾値βに相当するトルクを示す下限境界線BLが示されている。第1実施形態の減速制御監視処理において、監視部120が制御信号の異常を検出するのは、目標トルクTtが下限境界線BLより下の領域である減速ハザード領域に含まれる場合である。減速制御監視処理では、下限境界線BLは、車速Vに応じて定まり、アクセル開度Accにかかわらず一定である。
一方、図13に示すステップS310において、Tt>βである場合には、ステップS314において、カウンタCに0が代入される。監視部120は、Tt>βである場合には、車両10の減速時における制御信号の異常は継続して検出されていないと判定して、カウンタCを初期化する。
ステップS320では、監視部120は、カウンタCが、ステップS305で取得した検出時間t以上であるか否かを判定する。C≧tであることは、車両10の減速時における制御信号の異常が許容できる検出時間tを越えて継続されていることを示している。そのため、C≧tである場合には、監視部120は、ステップS310の条件とステップS320の条件とを含む減速時判定条件が満たされたものとして、ステップS330で、フェイルセーフ処理の実行を決定する。監視部120は、電動機制御部21に、フェイルセーフ処理の実行を指令するフェイルセーフ信号FSSを出力して、減速制御監視処理を終了する。電動機制御部21は、電動機20にフェイルセーフ処理の実行を指令する電動機制御信号MGSを出力する。これにより、車両10の通常の運転状態が中断されるため、図5の制御処理は途中で終了することになる。
一方、ステップS320においてC<tである場合には、監視部120はそのまま加速制御監視処理を終了する。この場合には、車両10の減速制御の際における制御信号の異常が、対処が必要なほど継続して検出されていないと判定できるためである。この後、監視部120は、図5に示すステップS50の符号反転監視処理の実行を開始する。
図15を参照する。符号反転監視処理は、車両制御部110から電動機制御部21に出力される目標トルクTtの正負が反転する制御信号の異常の発生を、監視部120が検出して対処する処理である。目標トルクTtの正負の反転は、例えば、車両制御部110と電動機制御部21との間の通信エラーなどによって生じ得る。
ステップS410では、監視部120は、シフトポジション信号SPを用いてシフトレバーの位置を判定するシフト判定を実行する。シフトポジション信号SPが後進Rである場合と後進R以外である場合とで判定条件が切り替わるためである。
監視部120は、シフトポジション信号SPが後進R以外である場合、つまり、SP≠Rである場合には、ステップS420において、目標トルクTtが予め定められた判定閾値γを負にした値である-γより小さいか否かを判定する。判定閾値γは、予め定められたクリープトルクTcr[N・m]に相当する値であり、正の値である。判定閾値γは、クリープトルクTcr[N・m]に相当する値の代わりに、0[N・m]が設定されてもよい。
ステップS420において、Tt<-γである場合には、目標トルクの正負が反転して、シフトポジション信号SPが後進Rではないのにもかかわらず、目標トルクが負になっている可能性がある。そこで、監視部120は、ステップS422において監視トルクTtwの正負を判定して、目標トルクが負になっていることが制御信号の異常によるものであるか否かを検証する。監視部120は、ステップS422において、監視トルクTtwが判定閾値γより大きいか否かを判定する。
ステップS422において、Ttw>γである場合には、目標トルクと監視トルクTtwの正負が一致しない。そのため、この場合には、監視部120は、目標トルクの正負が反転する制御信号の異常が発生しているものとして、ステップS424において、カウンタCFDに1を加算する。カウンタCFDは、初期値が0であり、符号反転監視処理が所定の実行周期で繰り返されている間に、目標トルクTtの正負の反転が連続して検出された回数を表す変数である。以上のように、SP≠Rであるときには、監視部120は、Tt<―γ、かつ、Ttw>γである場合に、電動機制御部21に出力される目標トルクTtの正負が反転する制御信号の異常が検出されたと判定して、カウンタCFDをインクリメントする。
一方、ステップ420においてTt<-γではなかった場合には、監視部120は、目標トルクの正負は反転していないものとして、ステップS426において、カウンタCFDに0を代入し、カウンタCFDを初期化する。また、ステップ422においてTtw>γではなかった場合、目標トルクが負の値であっても、監視トルクTtwと正負が一致する。この場合には、目標トルクが電動機20の制御上、適切に負の値に設定されていると考えられる。そのため、監視部120は、目標トルクの正負は反転していないものとして、ステップS426において、カウンタCFDに0を代入し、カウンタCFDを初期化する。
ステップS410のシフト判定において、シフトポジション信号SPが後進Rである場合、つまり、SP=Rである場合には、監視部120は、ステップS430において、目標トルクTtが判定閾値γより大きいか否かを判定する。ステップS430においてTt>γである場合には、目標トルクの正負が反転して、シフトポジション信号SPが後進Rであるのにもかかわらず、目標トルクが正になっている可能性がある。そこで、監視部120は、ステップS432において監視トルクTtwの正負を判定して、目標トルクが正になっていることが制御信号の異常によるものであるか否かを検証する。監視部120は、ステップS432において、監視トルクTtwが判定閾値γより大きいか否かを判定する。
ステップS432において、Ttw<-γである場合には、目標トルクと監視トルクTtwの正負が一致しない。そのため、この場合には、監視部120は、目標トルクの正負が反転する制御信号の異常が発生しているものとして、ステップS434において、カウンタCFDに1を加算する。以上のように、SP=Rであるときには、監視部120は、Tt>γ、かつ、Ttw<-γである場合に、電動機制御部21に出力される目標トルクTtの正負が反転する制御信号の異常が検出されたと判定して、カウンタCFDをインクリメントする。
一方、ステップ430においてTt>γではなかった場合には、監視部120は、目標トルクの正負は反転していないものとして、ステップS436において、カウンタCFDに0を代入し、カウンタCFDを初期化する。また、ステップ432においてTtw<-γではなかった場合、目標トルクが正の値であっても、監視トルクTtwと正負が一致する。この場合には、目標トルクが電動機20の制御上、適切に正の値に設定されていると考えられる。そのため、監視部120は、目標トルクの正負は反転していないものとして、ステップS436において、カウンタCFDに0を代入し、カウンタCFDを初期化する。
ステップS440では、監視部120は、カウンタCFDが予め定められた検出時間tc以上であるか否かを判定する。上記のように、カウンタCFDは、目標トルクTtの正負の反転が生じる制御信号の異常が所定の制御周期で連続して繰り返し検出された回数を示しており、そうした異常が継続されている時間を表している。つまり、CFD≧tcであることは、目標トルクTtの正負の反転が生じる制御信号の異常が許容できる時間を越えて継続されていることを示している。
CFD≧tcである場合には、監視部120は、ステップS420,S422の条件、または、ステップS430,S432の条件と、ステップS440の条件とを含む判定条件が満たされたとして、ステップS450でフェイルセーフ処理の実行を決定する。監視部120は、電動機制御部21に、フェイルセーフ処理の実行を指令するフェイルセーフ信号FSSを出力して、符号反転監視処理を終了する。電動機制御部21は、電動機20にフェイルセーフ処理の実行を指令する電動機制御信号MGSを出力する。これにより、車両10の通常の運転状態が中断されるため、図5の制御処理は終了する。
ステップS440において、CFD≧tcではない場合には、監視部120は、符号反転監視処理を終了し、図5に示す制御処理のフローをステップS10から再度開始する。なお、第1実施形態では、ステップS440での判定条件である検出時間tcは、1より小さい数に設定される。これによって、1回でも目標トルクTtの正負が反転する異常が検出されたときに、ステップS450においてフェイルセーフ処理の実行が決定される。
以上のように、第1実施形態の制御装置100によれば、符号反転監視処理によって、電動機20の目標トルクTtの正負が反転している制御信号の異常を、目標トルクTtと監視トルクTtwとを用いた簡易な判定方法で、適切に検出することができる。また、符号反転監視処理では、目標トルクTtと監視トルクTtwの正負が一致していない条件を含む判定条件が満たされたときに、電動機20のフェイルセーフ処理の実行が決定される。これにより、電動機制御部21に出力される目標トルクTtの正負が反転する制御信号の異常に対して適切に対処され、運転者の操作に反して電動機20の回転方向が逆に制御されるような不具合の発生を回避できる。よって、電動機20の制御の信頼性を高めることができる。
第1実施形態の制御装置100は、車両10の加速時には、少なくとも、Tt-Ttwが車速Vに応じた上限閾値α以上となる条件を含む判定条件が満たされた場合に電動機制御部21に電動機20のフェイルセーフ処理の実行を指令する。よって、車両10が、加速指令に対して想定されているのより大きい加速をすることが抑制される。また、第1実施形態の制御装置100は、車両10の減速時に、目標トルクTtが車速Vに応じた下限閾値βよりも小さくなる条件を含む判定条件が満たされた場合に、電動機制御部21に電動機20のフェイルセーフ処理の実行を指令する。よって、車両10が運転者に異常な重力加速度の負荷を与えるような減速をすることが抑制される。第1実施形態の制御装置100によれば、加速制御監視処理および減速制御監視処理に加えて、符号反転監視処理が実行される。そのため、例えば、車両10がクリープトルクTcrで走行している場合などに、加速制御監視処理や減速制御監視処理では検出されなかったような目標トルクTtの正負の反転による制御信号の異常を、符号反転監視処理によって精度よく検出することが可能である。
2.第2実施形態:
図16を参照する。第2実施形態における符号反転監視処理は、ステップS400,S402が追加されている点以外は、第1実施形態の符号反転処理と同様である。第2実施形態における制御装置100およびそれを備える車両10の構成は、以下において、特に説明しない限り、第1実施形態で図1~図4を参照して説明した構成とほぼ同じである。
第2実施形態の符号反転監視処理では、制御装置100の監視部120は、まず、ステップS400において、車速Vが0[km/h]であるか否かを判定する。車速Vが0[km/h]である場合には、監視部120は、ステップS402において、加速指令がされていないアクセルオフの状態、つまり、Acc=0であるか否かを判定する。監視部120は、アクセルオフの状態である場合には、ステップS410以降の処理を、第1実施形態で説明したのと同様に実行する。ステップS400において、車速Vが0[km/h]ではない場合、または、ステップS402において、加速指令が検出されている場合には、監視部120は、符号反転監視処理をそのまま終了する。
以上のように、第2実施形態の制御装置100によれば、車速Vが0[km/h]であり、かつ、加速指令がされていないときに、目標トルクTtの正負が反転しているか否かの判定が実行される。これにより、例えば、電動機20に発電させているときの目標トルクTtについて、本来の値から正負が反転していると誤判定されてしまうことが抑制される。よって、目標トルクTtの正負が反転する制御信号の異常の発生をより適切に、より精度よく、検出することができる。その他に、第2実施形態の制御装置100および制御装置100によって実現される車両10の制御方法によれば、上記の第1実施形態で説明したのと同様な種々の作用効果を奏することができる。
3.他の実施形態:
上記の各実施形態で説明した種々の構成は、例えば、以下のように改変することも可能である。以下に説明する他の実施形態はいずれも、上記の各実施形態と同様に、開示を実施するための形態の一例として位置づけられる。
・他の実施形態1:
上記の各実施形態において、加速制御監視処理と減速制御監視処理の少なくとも一方は実行されなくてもよい。
・他の実施形態2:
上記の各実施形態において、車両制御部110は、走行モードMoに応じた制御の切り替えを実行しなくてもよい。また、車両制御部110は、エコモードやスポーツモード、ノーマルモードとは異なるモードでの走行が可能に構成されていてもよい。
・他の実施形態3:
上記の各実施形態でのフェイルセーフ処理の実行が決定される判定条件としては、図10のステップS220の条件、図13のステップS320の条件、および、図15および図16のステップS440の条件は省略されてもよい。
4.その他:
本開示の技術は、車両の制御方法や制御システム以外の種々の形態で実現することも可能である。例えば、車両の制御装置や、それを備える車両、交通管理システム、前記の制御方法を実現するためのコンピュータプログラム、そのコンピュータプログラムが記録された記憶媒体形態で実現することができる。
本開示に記載の制御部及びその手法は、コンピュータプログラムにより具体化された、一つ乃至、複数の機能を実行するようにプログラムされたプロセッサ及びメモリを構成することによって提供された専用コンピュータにより実現されてもよい。あるいは、本開示に記載の制御部及びその手法は、一つ以上の専用ハードウェア論理回路によってプロセッサを構成することによって提供された専用コンピュータにより実現されてもよい。もしくは、本開示に記載の制御部及びその手法は、一つ、乃至、複数の機能を実行するようにプログラムされたプロセッサ及びメモリと一つ以上のハードウェア論理回路によって構成されたプロセッサとの組み合わせにより構成された一つ以上の専用コンピュータにより、実現されてもよい。また、コンピュータプログラムは、コンピュータにより実行されるインストラクションとして、コンピュータ読み取り可能な非遷移有形記録媒体に記憶されていてもよい。
本開示の技術は、上述の実施形態や他の実施形態に限られるものではなく、その趣旨を逸脱しない範囲において種々の構成で実現することができる。例えば、発明の概要の欄に記載した各形態中の技術的特徴に対応する実施形態中の技術的特徴は、上述の課題の一部又は全部を解決するために、あるいは、上述の効果の一部又は全部を達成するために、適宜、差し替えや、組み合わせを行うことが可能である。また、その技術的特徴が本明細書中に必須ではないと説明されているものに限らず、その技術的特徴が本明細書中に必須であると説明されていなければ、適宜、削除することが可能である。
10…車両、20…電動機、100…制御装置、110…車両制御部、120…監視部、Tt…目標トルク、Ttw…監視トルク

Claims (6)

  1. 電動機(20)の駆動力により走行する車両(10)の走行を制御する制御装置(100)であって、
    アクセル開度(Acc)に応じて前記電動機に発生させる目標トルク(Tt)を決定し、前記目標トルクでの前記電動機の駆動を指令する制御信号を出力する車両制御部(110)と、
    前記アクセル開度に応じて監視トルク(Ttw)を決定し、前記目標トルクと前記監視トルクの正負が一致していない条件を含む判定条件が満たされたときに、前記電動機のフェイルセーフ処理の実行を指令する監視部(120)と、
    を備える、制御装置。
  2. 請求項1記載の制御装置であって、
    前記監視部は、前記車両の速度が0であり、かつ、前記アクセル開度が0であるときに、前記目標トルクと前記監視トルクの正負が一致しているか否かの判定を実行する、制御装置。
  3. 請求項1または請求項2記載の制御装置であって、
    前記監視部は、前記車両が加速しているときには、前記目標トルクから前記監視トルクを減算した値が前記車両の速度に応じて予め定められた上限閾値(α)以上となる条件を含む加速時判定条件が満たされた場合に、前記電動機のフェイルセーフ処理の実行を指令する、制御装置。
  4. 請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の制御装置であって、
    前記監視部は、前記車両が減速しているときには、前記目標トルクが前記車両の速度に応じて予め定められた下限閾値(β)以下をとなる条件を含む減速時判定条件が満たされた場合に、前記電動機のフェイルセーフ処理の実行を指令する、制御装置。
  5. 車両であって、
    前記車両の走行に用いられる駆動力を発生する電動機と、
    請求項1から請求項4のいずれか一項に記載の制御装置と、
    を備える、車両。
  6. 電動機の駆動力により走行する車両の制御方法であって、
    アクセル開度に応じて前記電動機の目標トルクを決定する工程と、
    前記アクセル開度に応じて監視トルクを決定し、前記目標トルクと前記監視トルクの正負が一致していない条件を含む判定条件が満たされた場合に、前記電動機のフェイルセーフ処理を実行する工程と、
    を備える、制御方法。
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