JP6503849B2 - 車両の制御装置 - Google Patents

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Description

本発明は、車両に搭載された複数の駆動源を制御する車両の制御装置に関する発明である。
近年、低燃費、低排気エミッションの社会的要請から車両の駆動源としてエンジンとモータジェネレータとを搭載したハイブリッド車が注目されている。このようなハイブリッド車においては、駆動源に異常が生じた場合の対策として、例えば、特許文献1(特開2005−291435号公報)に記載されたものがある。このものは、モータジェネレータが故障した場合にはエンジンの動力で車両を駆動できるようにクラッチ等を制御し、エンジンが故障した場合にはモータジェネレータの動力で車両を駆動できるようにクラッチ等を制御することで、エンジンとモータジェネレータのうちの一方が故障した場合でも他方の動力で走行できるようにしている。
特開2005−291435号公報
しかし、上記特許文献1の技術は、車両の駆動源に異常が生じた場合の対策であり、駆動源やクラッチを制御するための制御回路に異常(例えば演算異常)が生じた場合については、全く考慮されていない。このため、車両の駆動源等を制御するための制御回路に異常が生じた場合に、駆動源の指令トルク等を演算できなくなって車両を走行させることができなくなる可能性がある。
そこで、本発明が解決しようとする課題は、車両の駆動源等を制御するための制御回路に異常が生じた場合でも車両を走行させることができる車両の制御装置を提供することにある。
上記課題を解決するために、本発明は、車両に搭載された複数の駆動源(10〜12)又は複数の駆動源と一つ以上のクラッチ(C1〜C4)を制御対象とし、車両の要求駆動トルクを演算して該要求駆動トルクに基づいて駆動源毎に指令トルクを演算するメイン制御回路(24)と、制御対象(10〜12,C1〜C4)のうちそれぞれ対応する制御対象を制御する複数のサブ制御回路(25〜29)とを備えた車両の制御装置において、メイン制御回路に異常が生じた場合に、サブ制御回路のうち一つの特定のサブ制御回路(25〜29)が要求駆動トルクを演算して該要求駆動トルクに基づいて駆動源のうち少なくとも一つの指令トルクを演算するようにしたものである。メイン制御回路とサブ制御回路と制御対象は、メイン制御回路を含む第1の制御系統と特定のサブ制御回路を含む第2の制御系統とにグループ分けされ、メイン制御回路に異常が生じた場合に、特定のサブ制御回路が要求駆動トルクを演算して第2の制御系統の駆動源の指令トルクを演算し、第2の制御系統のサブ制御回路が第2の制御系統の制御対象を制御し、特定のサブ制御回路に異常が生じた場合に、メイン制御回路が要求駆動トルクを演算して第1の制御系統の駆動源の指令トルクを演算し、第1の制御系統のサブ制御回路が第1の制御系統の制御対象を制御する。
この構成では、車両の要求駆動トルクや駆動源の指令トルクを演算するメイン制御回路に異常が生じた場合には、メイン制御回路に代わって、特定のサブ制御回路が要求駆動トルクを演算して駆動源の指令トルクを演算することができ、特定のサブ制御回路の指令に基づいてサブ制御回路が駆動源やクラッチを制御することができる。これにより、メイン制御回路に異常が生じた場合でも、駆動源やクラッチを制御して車両を走行させることができる。
図1は本発明の実施例1におけるハイブリッド車の駆動制御システムの概略構成を示す図である。 図2は実施例1の異常時制御ルーチンの処理の流れを示すフローチャートである。 図3は実施例2のハイブリッド車の駆動制御システムの概略構成を示す図である。 図4は実施例3のハイブリッド車の駆動制御システムの概略構成を示す図である。 図5は実施例4のハイブリッド車の駆動制御システムの概略構成を示す図である。 図6は実施例5のハイブリッド車の駆動制御システムの概略構成を示す図である。
以下、本発明を実施するための形態を具体化した幾つかの実施例を説明する。
本発明の実施例1を図1及び図2に基づいて説明する。
まず、図1に基づいてハイブリッド車の駆動制御システムの概略構成を説明する。
車両の駆動源(動力源)として内燃機関であるエンジン10と第1のモータジェネレータ(以下「第1のMG」と表記する)11と第2のモータジェネレータ(以下「第2のMG」と表記する)12が搭載されている。エンジン10の出力軸(クランク軸)と第1のMG11の回転軸と第2のMG12の回転軸とが動力分割機構13(例えば遊星ギヤ機構)を介して連結されると共に、第2のMG12の回転軸が減速ギヤ機構14等を介して車軸15に連結され、この車軸15に車輪16が連結されている。
図示されていないが、第1のMG11を駆動する第1のインバータと第2のMG12を駆動する第2のインバータがそれぞれバッテリに接続され、各MG11,12がそれぞれインバータを介してバッテリと電力を授受するようになっている。
また、アクセルセンサ17によってアクセル開度(アクセルペダルの操作量)が検出され、シフトセンサ18によってシフトレバーの操作位置が検出される。更に、ブレーキセンサ19によってブレーキ操作(又はブレーキ操作量)が検出され、車速センサ20によって車速が検出される。また、バッテリセンサ21によってバッテリ電圧が検出される。これらの車両の状態を検出する各種のセンサ17〜21の出力信号は、後述するハイブリッドコントローラ24と第2のMGコントローラ27の両方に入力される。
ハイブリッドコントローラ24は、車両全体を総合的に制御するコンピュータであり、上述した各種のセンサ17〜21の出力信号を読み込んで、車両の運転状態を検出する。このハイブリッドコントローラ24は、エンジン10を制御するエンジンコントローラ25と、第1のインバータを制御して第1のMG11を制御する第1のMGコントローラ26と、第2のインバータを制御して第2のMG12を制御する第2のMGコントローラ27との間で制御信号やデータ信号を送受信する。ハイブリッドコントローラ24は、各コントローラ25〜27によって車両の運転状態に応じてエンジン10と第1及び第2のMG11,12等を制御する。
システムの正常時に、ハイブリッドコントローラ24は、各種のセンサ17〜21の出力信号等に基づいて車両の要求駆動トルクを演算して、この要求駆動トルクに基づいてエンジン指令トルク(エンジン10の指令トルク)と第1MG指令トルク(第1のMG11の指令トルク)と第2MG指令トルク(第2のMG12の指令トルク)を演算する。そして、ハイブリッドコントローラ24は、エンジン指令トルクをエンジンコントローラ25へ出力し、第1MG指令トルクを第1のMGコントローラ26へ出力し、第2MG指令トルクを第2のMGコントローラ27へ出力する。
また、エンジンコントローラ25は、エンジン指令トルクに基づいてエンジン10を制御し、第1のMGコントローラ26は、第1MG指令トルクに基づいて第1のMG11を制御し、第2のMGコントローラ27は、第2MG指令トルクに基づいて第2のMG12を制御する。
本実施例1では、ハイブリッドコントローラ24が特許請求の範囲でいうメイン制御回路に相当し、エンジンコントローラ25と第1及び第2のMGコントローラ26,27が特許請求の範囲でいうサブ制御回路に相当する。
ところで、もし、ハイブリッドコントローラ24に異常(例えば演算異常)が生じた場合には、ハイブリッドコントローラ24では、要求駆動トルクや指令トルクを正常に演算できなくなる可能性がある。
そこで、本実施例1では、ハイブリッドコントローラ24に異常が生じた場合に、第2のMGコントローラ27が、各種のセンサ17〜21の出力信号等に基づいて車両の要求駆動トルクを演算して、この要求駆動トルクに基づいて第2MG指令トルクを演算するようにしている。この第2のMGコントローラ27が特許請求の範囲でいう特定のサブ制御回路に相当する。これにより、ハイブリッドコントローラ24に異常が生じた場合でも、第2のMG12を制御して車両を走行させることが可能となる。
具体的には、コントローラ24〜27、エンジン10、第1及び第2のMG11,12が、独立した二つの制御系統である第1の制御系統と第2の制御系統とにグループ分けされている。第1の制御系統は、ハイブリッドコントローラ24を含む制御系統であり、ハイブリッドコントローラ24とエンジンコントローラ25と第1のMGコントローラ26とエンジン10と第1のMG11等からなる。一方、第2の制御系統は、第2のMGコントローラ27を含む制御系統であり、第2のMGコントローラ27と第2のMG12等からなる。
第1の制御系統のハイブリッドコントローラ24に異常が生じた場合には、第2の制御系統で車両を駆動して走行する。この場合、第2の制御系統の第2のMGコントローラ27が、ハイブリッドコントローラ24を停止した後、各種のセンサ17〜21の出力信号等に基づいて要求駆動トルクを演算して、この要求駆動トルクに基づいて第2MG指令トルクを演算する。また、第2のMGコントローラ27が第2MG指令トルクに基づいて第2のMG12を制御する。これにより、第2のMG12の動力で車両を駆動して走行させるEV走行を行う。
一方、第2の制御系統の第2のMGコントローラ27に異常が生じた場合には、第1の制御系統で車両を駆動して走行する。この場合、第1の制御系統のハイブリッドコントローラ24が、第2のMGコントローラ27を停止した後、各種のセンサ17〜21の出力信号等に基づいて要求駆動トルクを演算して、この要求駆動トルクに基づいてエンジン指令トルクと第1MG指令トルクを演算する。そして、ハイブリッドコントローラ24が、エンジン指令トルクをエンジンコントローラ25へ出力し、第1MG指令トルクを第1のMGコントローラ26へ出力する。また、エンジンコントローラ25がエンジン指令トルクに基づいてエンジン10を制御し、第1のMGコントローラ26が第1MG指令トルクに基づいて第1のMG11を制御する。これにより、エンジン10及び/又は第1のMG11の動力(エンジン10と第1のMG11の両方又はいずれか一方の動力)で車両を駆動して走行させる直行走行を行う。
また、第1の制御系統の第1のMGコントローラ26(又はエンジンコントローラ25)に異常が生じた場合には、第2の制御系統で車両を駆動して走行する。この場合、第1の制御系統のハイブリッドコントローラ24が、第1のMGコントローラ26(又はエンジンコントローラ25)を停止した後、各種のセンサ17〜21の出力信号等に基づいて要求駆動トルクを演算して、この要求駆動トルクに基づいて第2MG指令トルクを演算し、この第2MG指令トルクを第2のMGコントローラ27へ出力する。また、第2のMGコントローラ27が第2MG指令トルクに基づいて第2のMG12を制御する。これにより、第2のMG12の動力で車両を駆動して走行させるEV走行を行う。
以上説明した本実施例1のコントローラ異常時の制御は、図2の異常時制御ルーチンに従って実行される。以下、このルーチンの処理内容を説明する。
図2の異常時制御ルーチンでは、まず、ステップ101で、コントローラ24〜27の異常診断を、例えば、次の(1) 〜(4) のうちの少なくとも一つの方法で行う。
(1) コントローラがロックステップマイコン(二つのコアが互いの動作を監視するデュアルロックステップコアを有するマイコン)で構成され、二つのコアの演算結果が合致しないと信号を出力しない仕様の場合には、信号が出力されていないこと検出したときに異常と判定する。
(2) コントローラの内部に自己監視部を設け、この自己監視部でコントローラの異常の有無を判定する。
(3) コントローラの外部に監視部を設け、この監視部でROMチェックやRAMチェック等を行ってコントローラの異常の有無を判定する。
(4) 第2のMGコントローラ27でハイブリッドコントローラ24の情報を監視して異常の有無を判定する。
尚、コントローラ24〜27の異常診断方法は、上記(1) 〜(4) の方法に限定されず、適宜変更しても良い。
この後、ステップ102に進み、ハイブリッドコントローラ24の異常か否かを判定する。このステップ102で、ハイブリッドコントローラ24の異常と判定された場合には、ステップ103に進み、第2のMGコントローラ27でハイブリッドコントローラ24を停止する。
この後、ステップ104に進み、第2のMGコントローラ27で、各種のセンサ17〜21の出力信号等に基づいて要求駆動トルクを演算して、この要求駆動トルクに基づいて第2MG指令トルクを演算する。
この後、ステップ105に進み、第2のMGコントローラ27で第2MG指令トルクに基づいて第2のMG12を制御する。これにより、第2のMG12の動力で車両を駆動して走行させるEV走行を行う。この際、車両の駆動トルクを一定値に維持するようにしても良いし、運転者の操作(アクセル開度等)に応じて駆動トルクを変化させるようにしても良い。
一方、上記ステップ102で、ハイブリッドコントローラ24の異常ではないと判定された場合には、ステップ106に進み、第2のMGコントローラ27の異常か否かを判定する。
このステップ106で、第2のMGコントローラ27の異常と判定された場合には、ステップ107に進み、ハイブリッドコントローラ24で第2のMGコントローラ27を停止する。
この後、ステップ108に進み、ハイブリッドコントローラ24で、各種のセンサ17〜21の出力信号等に基づいて要求駆動トルクを演算して、この要求駆動トルクに基づいてエンジン指令トルクと第1MG指令トルクを演算し、エンジン指令トルクをエンジンコントローラ25へ出力し、第1MG指令トルクを第1のMGコントローラ26へ出力する。
この後、ステップ109に進み、エンジンコントローラ25でエンジン指令トルクに基づいてエンジン10を制御し、第1のMGコントローラ26で第1MG指令トルクに基づいて第1のMG11を制御する。これにより、エンジン10及び/又は第1のMG11の動力で車両を駆動して走行させる直行走行を行う。
一方、上記ステップ106で、第2のMGコントローラ27の異常ではないと判定された場合には、ステップ110に進み、第1のMGコントローラ26(又はエンジンコントローラ25)の異常か否かを判定する。
このステップ110で、第1のMGコントローラ26(又はエンジンコントローラ25)の異常と判定された場合には、ステップ111に進み、ハイブリッドコントローラ24で第1のMGコントローラ26(又はエンジンコントローラ25)を停止する。
この後、ステップ112に進み、ハイブリッドコントローラ24で、各種のセンサ17〜21の出力信号等に基づいて要求駆動トルクを演算して、この要求駆動トルクに基づいて第2MG指令トルクを演算し、この第2MG指令トルクを第2のMGコントローラ27へ出力する。
この後、ステップ113に進み、第2のMGコントローラ27で第2MG指令トルクに基づいて第2のMG12を制御する。これにより、第2のMG12の動力で車両を駆動して走行させるEV走行を行う。この際、車両の駆動トルクを一定値に維持するようにしても良いし、運転者の操作(アクセル開度等)に応じて駆動トルクを変化させるようにしても良い。
以上説明した本実施例1では、ハイブリッドコントローラ24に異常が生じた場合に、第2のMGコントローラ27が、各種のセンサ17〜21の出力信号等に基づいて車両の要求駆動トルクを演算して、この要求駆動トルクに基づいて第2MG指令トルクを演算するようにしている。このようにすれば、ハイブリッドコントローラ24に異常が生じた場合には、ハイブリッドコントローラ24に代わって、第2のMGコントローラ27が要求駆動トルクを演算して第2MG指令トルクを演算することができ、その第2MG指令トルクに基づいて第2のMGコントローラ27が第2のMG12を制御することができる。これにより、ハイブリッドコントローラ24に異常が生じた場合でも、第2のMG12を制御して車両を走行させることができる。
更に、本実施例1では、ハイブリッドコントローラ24と第2のMGコントローラ27の両方に、車両の状態を検出する各種のセンサ17〜21の出力信号が入力されるようにしている。このようにすれば、ハイブリッドコントローラ24に異常が生じた場合でも、センサ17〜21の出力信号を、異常なハイブリッドコントローラ24を介さずに、直接、第2のMGコントローラ27に入力することができる。これにより、ハイブリッドコントローラ24に異常が生じた場合でも、第2のMGコントローラ27がセンサ17〜21の出力信号に基づいて要求駆動トルクや指令トルクを確実に演算することができる。
また、本実施例1では、コントローラ24〜27、エンジン10、第1及び第2のMG11,12を、ハイブリッドコントローラ24を含む第1の制御系統と、第2のMGコントローラ27を含む第2の制御系統とにグループ分けしている。
そして、第1の制御系統のハイブリッドコントローラ24に異常が生じた場合には、第2の制御系統の第2のMGコントローラ27が、要求駆動トルクを演算して第2MG指令トルクを演算し、この第2MG指令トルクに基づいて第2のMG12を制御するようにしている。このようにすれば、第1の制御系統のハイブリッドコントローラ24に異常が生じた場合には、第2の制御系統で車両を駆動して走行させることができる。
一方、第2の制御系統の第2のMGコントローラ27に異常が生じた場合には、第1の制御系統のハイブリッドコントローラ24が要求駆動トルクを演算してエンジン指令トルクと第1MG指令トルクを演算し、エンジンコントローラ25がエンジン指令トルクに基づいてエンジン10を制御し、第1のMGコントローラ26が第1MG指令トルクに基づいて第1のMG11を制御するようにしている。このようにすれば、第2の制御系統の第2のMGコントローラ27に異常が生じた場合には、第1の制御系統で車両を駆動して走行させることができる。
また、第1の制御系統の第1のMGコントローラ26(又はエンジンコントローラ25)に異常が生じた場合には、第1の制御系統のハイブリッドコントローラ24が要求駆動トルクを演算して第2MG指令トルクを演算し、第2のMGコントローラ27が第2MG指令トルクに基づいて第2のMG12を制御するようにしている。このようにすれば、第1の制御系統の第1のMGコントローラ26(又はエンジンコントローラ25)に異常が生じた場合には、第2の制御系統で車両を駆動して走行させることができる。
尚、第1の制御系統の第1のMGコントローラ26(又はエンジンコントローラ25)に異常が生じた場合に、第2の制御系統の第2のMGコントローラ27が、要求駆動トルクを演算して第2MG指令トルクを演算し(図2のステップ112a参照)、この第2MG指令トルクに基づいて第2のMG12を制御するようにしても良い。このようにしても、第1の制御系統の第1のMGコントローラ26(又はエンジンコントローラ25)に異常が生じた場合に、第2の制御系統で車両を駆動して走行させることができる。
また、上記実施例1では、第1の制御系統と第2の制御系統とにグループ分けするようにしたが、これに限定されず、グループ分けをしないようにしても良い。そして、ハイブリッドコントローラ24に異常が生じた場合に、エンジンコントローラ25と第1のMGコントローラ26と第2のMGコントローラ27のうちの一つが、特定のサブ制御回路として機能して、要求駆動トルクを演算してエンジン指令トルクと第1及び第2MG指令トルクを演算するようにしても良い。この場合、エンジンコントローラ25がエンジン指令トルクに基づいてエンジン10を制御し、第1のMGコントローラ26が第1MG指令トルクに基づいて第1のMG11を制御し、第2のMGコントローラ27が第2MG指令トルクに基づいて第2のMG12を制御するようにしても良い。
次に、図3を用いて本発明の実施例2を説明する。但し、前記実施例1と実質的に同一部分には同一符号を付して説明を省略又は簡略化し、主として前記実施例1と異なる部分について説明する。
前記実施例1では、車両の駆動源としてエンジン10と二つのMG11,12が搭載されていたが、本実施例2では、図3に示すように、車両の駆動源としてエンジン10と一つのMG12が搭載されている。エンジン10の動力を車輪16に伝達する動力伝達系に、MG12の回転軸が動力伝達可能に連結されている。更に、エンジン10とMG12との間に、動力伝達を断続するための第1のクラッチC1が設けられ、MG12と車軸15との間に、動力伝達を断続するための第2のクラッチC2が設けられている。
ハイブリッドコントローラ24は、エンジンコントローラ25と、MGコントローラ27と、第1及び第2のクラッチC1,C2を制御するT/Mコントローラ28との間で制御信号やデータ信号を送受信し、各コントローラ25,27,28によってエンジン10とMG12とクラッチC1,C2等を制御する。
システムの正常時に、ハイブリッドコントローラ24(メイン制御回路)は、各種のセンサ17〜21(図1参照)の出力信号等に基づいて車両の要求駆動トルクを演算して、この要求駆動トルクに基づいてエンジン指令トルクとMG指令トルクと第1及び第2クラッチ指令値を演算する。そして、ハイブリッドコントローラ24は、エンジン指令トルクをエンジンコントローラ25へ出力し、MG指令トルクをMGコントローラ27へ出力し、第1及び第2クラッチ指令値をT/Mコントローラ28へ出力する。
また、エンジンコントローラ25(サブ制御回路)は、エンジン指令トルクに基づいてエンジン10を制御し、MGコントローラ27(サブ制御回路)は、MG指令トルクに基づいてMG12を制御する。更に、T/Mコントローラ28(サブ制御回路)は、第1クラッチ指令値に基づいて第1のクラッチC1を制御し、第2クラッチ指令値に基づいて第2のクラッチC2を制御する。
ハイブリッドコントローラ24に異常が生じた場合には、MGコントローラ27が特定のサブ制御回路として機能する。この場合、MGコントローラ27が、ハイブリッドコントローラ24を停止した後、各種のセンサ17〜21の出力信号等に基づいて車両の要求駆動トルクを演算して、この要求駆動トルクに基づいてエンジン指令トルクとMG指令トルクと第1及び第2クラッチ指令値を演算する。そして、MGコントローラ27が、エンジン指令トルクをエンジンコントローラ25へ出力し、第1及び第2クラッチ指令値をT/Mコントローラ28へ出力する。
また、エンジンコントローラ25がエンジン指令トルクに基づいてエンジン10を制御し、MGコントローラ27がMG指令トルクに基づいてMG12を制御する。更に、T/Mコントローラ28が、第1クラッチ指令値に基づいて第1のクラッチC1を制御し、第2クラッチ指令値に基づいて第2のクラッチC2を制御する。この際、通常よりも制限された速度(低速又は一定速度)で走行することが好ましい。
以上説明した本実施例2では、ハイブリッドコントローラ24に異常が生じた場合に、ハイブリッドコントローラ24に代わって、MGコントローラ27が要求駆動トルクを演算してエンジン指令トルクとMG指令トルクと第1及び第2クラッチ指令値を演算するようにしている。これにより、ハイブリッドコントローラ24に異常が生じた場合でも、各コントローラ25,27,28でエンジン10とMG12と第1及び第2のクラッチC1,C2を制御して車両を走行させることができる。
尚、ハイブリッドコントローラ24に異常が生じた場合に、エンジンコントローラ25とT/Mコントローラ28のうちの一方が、特定のサブ制御回路として機能して、要求駆動トルクを演算してエンジン指令トルクとMG指令トルクと第1及び第2クラッチ指令値を演算するようにしても良い。
次に、図4を用いて本発明の実施例3を説明する。但し、前記実施例2と実質的に同一部分には同一符号を付して説明を省略又は簡略化し、主として前記実施例2と異なる部分について説明する。
本実施例3では、図4に示すように、第1のT/Mコントローラ28(サブ制御回路)が第1のクラッチC1を制御し、第2のT/Mコントローラ29(サブ制御回路)が第2のクラッチC2を制御する。但し、第1のT/Mコントローラ28は、第2のクラッチC2を制御する機能も備えている。
また、本実施例3では、コントローラ24,25,27〜29、エンジン10、MG12、第1及び第2のクラッチC1,C2が、独立した二つの制御系統である第1の制御系統と第2の制御系統とにグループ分けされている。以下、グループ分けが異なる二つのパターン(第1のパターンと第2のパターン)について説明する。
[第1のパターン]
第1の制御系統は、ハイブリッドコントローラ24とエンジンコントローラ25と第1のT/Mコントローラ28とエンジン10と第1及び第2のクラッチC1,C2等からなる。一方、第2の制御系統は、MGコントローラ27と第2のT/Mコントローラ29とMG12と第2のクラッチC2等からなる。つまり、第2のクラッチC2は、第1の制御系統と第2の制御系統の両方に属する。
第1の制御系統のハイブリッドコントローラ24に異常が生じた場合には、第2の制御系統で車両を駆動して走行する。この場合、第2の制御系統のMGコントローラ27が、特定のサブ制御回路として機能して、ハイブリッドコントローラ24を停止した後、要求駆動トルクを演算してMG指令トルクと第2クラッチ指令値を演算し、第2クラッチ指令値を第2のT/Mコントローラ29へ出力する。或は、第2の制御系統の第2のT/Mコントローラ29が、特定のサブ制御回路として機能して、ハイブリッドコントローラ24を停止した後、要求駆動トルクを演算してMG指令トルクと第2クラッチ指令値を演算し、MG指令トルクをMGコントローラ27へ出力するようにしても良い。
また、MGコントローラ27がMG指令トルクに基づいてMG12を制御し、第2のT/Mコントローラ29が第2クラッチ指令値に基づいて第2のクラッチC2を制御(係合)する。これにより、MG12の動力で車両を駆動して走行させる。このようにすれば、第1の制御系統のハイブリッドコントローラ24に異常が生じた場合には、第2の制御系統で車両を駆動して走行させることができる。
一方、第2の制御系統のMGコントローラ27(又は第2のT/Mコントローラ29)に異常が生じた場合には、第1の制御系統で車両を駆動して走行する。この場合、第1の制御系統のハイブリッドコントローラ24が、MGコントローラ27(又は第2のT/Mコントローラ29)を停止した後、要求駆動トルクを演算してエンジン指令トルクと第1及び第2クラッチ指令値を演算する。そして、ハイブリッドコントローラ24が、エンジン指令トルクをエンジンコントローラ25へ出力し、第1及び第2クラッチ指令値を第1のT/Mコントローラ28へ出力する。
また、エンジンコントローラ25がエンジン指令トルクに基づいてエンジン10を制御する。更に、第1のT/Mコントローラ28が、第1クラッチ指令値に基づいて第1のクラッチC1を制御(係合)し、第2クラッチ指令値に基づいて第2のクラッチC2を制御(係合)する。これにより、エンジン10の動力で車両を駆動して走行させる。このようにすれば、第2の制御系統のMGコントローラ27(又は第2のT/Mコントローラ29)に異常が生じた場合には、第1の制御系統で車両を駆動して走行させることができる。
[第2のパターン]
第1の制御系統は、ハイブリッドコントローラ24とMGコントローラ27と第2のT/Mコントローラ29とMG12と第2のクラッチC2等からなる。一方、第2の制御系統は、エンジンコントローラ25と第1のT/Mコントローラ28とエンジン10と第1及び第2のクラッチC1,C2等からなる。つまり、第2のクラッチC2は、第1の制御系統と第2の制御系統の両方に属する。
第1の制御系統のハイブリッドコントローラ24に異常が生じた場合には、第2の制御系統で車両を駆動して走行する。この場合、第2の制御系統のエンジンコントローラ25が、特定のサブ制御回路として機能して、ハイブリッドコントローラ24を停止した後、要求駆動トルクを演算してエンジン指令トルクと第1及び第2クラッチ指令値を演算し、第1及び第2クラッチ指令値を第1のT/Mコントローラ28へ出力する。或は、第2の制御系統の第1のT/Mコントローラ28が、特定のサブ制御回路として機能して、ハイブリッドコントローラ24を停止した後、要求駆動トルクを演算してエンジン指令トルクと第1及び第2クラッチ指令値を演算し、エンジン指令トルクをエンジンコントローラ25へ出力するようにしても良い。
また、エンジンコントローラ25がエンジン指令トルクに基づいてエンジン10を制御する。更に、第1のT/Mコントローラ28が、第1クラッチ指令値に基づいて第1のクラッチC1を制御(係合)し、第2クラッチ指令値に基づいて第2のクラッチC2を制御(係合)する。これにより、エンジン10の動力で車両を駆動して走行させる。このようにすれば、第1の制御系統のハイブリッドコントローラ24に異常が生じた場合には、第2の制御系統で車両を駆動して走行させることができる。
一方、第2の制御系統のエンジンコントローラ25(又は第1のT/Mコントローラ28)に異常が生じた場合には、第1の制御系統で車両を駆動して走行する。この場合、第1の制御系統のハイブリッドコントローラ24が、エンジンコントローラ25(又は第1のT/Mコントローラ28)を停止した後、要求駆動トルクを演算してMG指令トルクと第2クラッチ指令値を演算する。そして、ハイブリッドコントローラ24が、MG指令トルクをMGコントローラ27へ出力し、第2クラッチ指令値を第2のT/Mコントローラ29へ出力する。
また、MGコントローラ27がMG指令トルクに基づいてMG12を制御し、第2のT/Mコントローラ29が第2クラッチ指令値に基づいて第2のクラッチC2を制御(係合)する。これにより、MG12の動力で車両を駆動して走行させる。このようにすれば、第2の制御系統のエンジンコントローラ25(又は第1のT/Mコントローラ28)に異常が生じた場合には、第1の制御系統で車両を駆動して走行させることができる。
以上説明した本実施例3では、第2のクラッチC2が第1の制御系統と第2の制御系統の両方に属するようにしている。これにより、第1の制御系統に異常が生じた場合には、第2の制御系統で第2のクラッチC2を制御して車両を走行させることができ、第2の制御系統に異常が生じた場合には、第1の制御系統で第2のクラッチC2を制御して車両を走行させることができる。
次に、図5を用いて本発明の実施例4を説明する。但し、前記実施例1と実質的に同一部分には同一符号を付して説明を省略又は簡略化し、主として前記実施例1と異なる部分について説明する。
本実施例4では、図5に示すように、エンジン10の出力軸と第1のMG11の回転軸と第2のMG12の回転軸と車軸15が動力伝達装置30を介して連結されている。この動力伝達装置30には、第1〜第3の遊星ギヤ機構31〜33と第1〜第4のクラッチC1〜C4等が設けられている。第3及び第4のクラッチC3,C4は、固定端(例えば動力伝達装置30のハウジング等)に連結されたクラッチであり、ブレーキと呼ばれることもある。
ハイブリッドコントローラ24は、エンジンコントローラ25と、第1及び第2のMGコントローラ26,27と、第1〜第4のクラッチC1〜C4を制御するT/Mコントローラ28との間で制御信号やデータ信号を送受信し、各コントローラ25〜28によってエンジン10とMG11,12とクラッチC1〜C4等を制御する。
システムの正常時に、ハイブリッドコントローラ24(メイン制御回路)は、各種のセンサ17〜21(図1参照)の出力信号等に基づいて車両の要求駆動トルクを演算して、この要求駆動トルクに基づいてエンジン指令トルクと第1及び第2MG指令トルクと第1〜第4クラッチ指令値を演算する。そして、ハイブリッドコントローラ24は、エンジン指令トルクをエンジンコントローラ25へ出力し、第1MG指令トルクを第1のMGコントローラ26へ出力し、第2MG指令トルクを第2のMGコントローラ27へ出力し、第1〜第4クラッチ指令値をT/Mコントローラ28へ出力する。
また、エンジンコントローラ25(サブ制御回路)は、エンジン指令トルクに基づいてエンジン10を制御し、第1のMGコントローラ26(サブ制御回路)は、第1MG指令トルクに基づいて第1のMG11を制御し、第2のMGコントローラ27(サブ制御回路)は、第2MG指令トルクに基づいて第2のMG12を制御する。更に、T/Mコントローラ28(サブ制御回路)は、第1クラッチ指令値に基づいて第1のクラッチC1を制御し、第2クラッチ指令値に基づいて第2のクラッチC2を制御し、第3クラッチ指令値に基づいて第3のクラッチC3を制御し、第4クラッチ指令値に基づいて第4のクラッチC4を制御する。
ハイブリッドコントローラ24に異常が生じた場合には、第2のMGコントローラ27が特定のサブ制御回路として機能する。この場合、第2のMGコントローラ27が、ハイブリッドコントローラ24を停止した後、各種のセンサ17〜21の出力信号等に基づいて車両の要求駆動トルクを演算して、この要求駆動トルクに基づいてエンジン指令トルクと第1及び第2MG指令トルクと第1〜第4クラッチ指令値を演算する。そして、第2のMGコントローラ27が、エンジン指令トルクをエンジンコントローラ25へ出力し、第1MG指令トルクを第1のMGコントローラ26へ出力し、第1〜第4クラッチ指令値をT/Mコントローラ28へ出力する。
また、エンジンコントローラ25がエンジン指令トルクに基づいてエンジン10を制御し、第1のMGコントローラ26が第1MG指令トルクに基づいて第1のMG11を制御し、第2のMGコントローラ27が、第2MG指令トルクに基づいて第2のMG12を制御する。更に、T/Mコントローラ28が、第1クラッチ指令値に基づいて第1のクラッチC1を制御し、第2クラッチ指令値に基づいて第2のクラッチC2を制御し、第3クラッチ指令値に基づいて第3のクラッチC3を制御し、第4クラッチ指令値に基づいて第4のクラッチC4を制御する。この際、通常よりも制限された速度(低速又は一定速度)で走行することが好ましい。
以上説明した本実施例4では、ハイブリッドコントローラ24に異常が生じた場合に、ハイブリッドコントローラ24に代わって、第2のMGコントローラ27が要求駆動トルクを演算してエンジン指令トルクと第1及び第2MG指令トルクと第1〜第4クラッチ指令値を演算するようにしている。これにより、ハイブリッドコントローラ24に異常が生じた場合でも、各コントローラ25〜28でエンジン10と第1及び第2のMG12と第1〜第4のクラッチC1〜C4を制御して車両を走行させることができる。
尚、ハイブリッドコントローラ24に異常が生じた場合に、エンジンコントローラ25と第1のMGコントローラ26とT/Mコントローラ28のうちの一つが、特定のサブ制御回路として機能して、要求駆動トルクを演算してエンジン指令トルクと第1及び第2MG指令トルクと第1〜第4クラッチ指令値を演算するようにしても良い。
次に、図6を用いて本発明の実施例5を説明する。但し、前記実施例4と実質的に同一部分には同一符号を付して説明を省略又は簡略化し、主として前記実施例4と異なる部分について説明する。
本実施例5では、図6に示すように、第1のT/Mコントローラ28(サブ制御回路)が第1及び第3のクラッチC1,C3を制御し、第2のT/Mコントローラ29(サブ制御回路)が第2及び第4のクラッチC2,C4を制御する。但し、第1のT/Mコントローラ28は、第2のクラッチC2を制御する機能も備えている。
また、本実施例5では、コントローラ24〜29、エンジン10、第1及び第2のMG11,12、第1〜第4のクラッチC1〜C4が、独立した二つの制御系統である第1の制御系統と第2の制御系統とにグループ分けされている。
第1の制御系統は、ハイブリッドコントローラ24とエンジンコントローラ25と第1のMGコントローラ26と第1のT/Mコントローラ28とエンジン10と第1のMG11と第1〜第3のクラッチC1〜C3等からなる。一方、第2の制御系統は、第2のMGコントローラ27と第2のT/Mコントローラ29と第2のMG12と第2及び第4のクラッチC2,C4等からなる。つまり、第2のクラッチC2は、第1の制御系統と第2の制御系統の両方に属する。
第1の制御系統のハイブリッドコントローラ24に異常が生じた場合には、第2の制御系統で車両を駆動して走行する。この場合、第2の制御系統の第2のMGコントローラ27が、特定のサブ制御回路として機能して、ハイブリッドコントローラ24を停止した後、要求駆動トルクを演算して第2MG指令トルクと第2及び第4クラッチ指令値を演算し、第2及び第4クラッチ指令値を第2のT/Mコントローラ29へ出力する。或は、第2の制御系統の第2のT/Mコントローラ29が、特定のサブ制御回路として機能して、ハイブリッドコントローラ24を停止した後、要求駆動トルクを演算して第2MG指令トルクと第2及び第4クラッチ指令値を演算し、第2MG指令トルクを第2のMGコントローラ27へ出力するようにしても良い。
また、第2のMGコントローラ27が第2MG指令トルクに基づいて第2のMG12を制御し、第2のT/Mコントローラ29が、第2クラッチ指令値に基づいて第2のクラッチC2を制御(係合)し、第4クラッチ指令値に基づいて第4のクラッチC4を制御(係合)する。これにより、第2のMG12の動力で車両を駆動して走行させる。このようにすれば、第1の制御系統のハイブリッドコントローラ24に異常が生じた場合には、第2の制御系統で車両を駆動して走行させることができる。
一方、第2の制御系統の第2のMGコントローラ27(又は第2のT/Mコントローラ29)に異常が生じた場合には、第1の制御系統で車両を駆動して走行する。この場合、第1の制御系統のハイブリッドコントローラ24が、第2のMGコントローラ27(又は第2のT/Mコントローラ29)を停止した後、要求駆動トルクを演算してエンジン指令トルクと第1MG指令トルクと第1〜第3クラッチ指令値を演算する。そして、ハイブリッドコントローラ24が、エンジン指令トルクをエンジンコントローラ25へ出力し、第1MG指令トルクを第1のMGコントローラ26へ出力し、第1〜第3クラッチ指令値を第1のT/Mコントローラ28へ出力する。
また、エンジンコントローラ25がエンジン指令トルクに基づいてエンジン10を制御し、第1のMGコントローラ26が第1MG指令トルクに基づいて第1のMG11を制御する。更に、第1のT/Mコントローラ28が、第1クラッチ指令値に基づいて第1のクラッチC1を制御(係合)し、第2クラッチ指令値に基づいて第2のクラッチC2を制御(係合)し、第3クラッチ指令値に基づいて第3のクラッチC3を制御(係合)する。これにより、エンジン10及び/又は第1のMG11の動力で車両を駆動して走行させる。このようにすれば、第2の制御系統の第2のMGコントローラ27(又は第2のT/Mコントローラ29)に異常が生じた場合には、第1の制御系統で車両を駆動して走行させることができる。
以上説明した本実施例5では、第2のクラッチC2が第1の制御系統と第2の制御系統の両方に属するようにしている。これにより、第1の制御系統に異常が生じた場合には、第2の制御系統で第2のクラッチC2を制御して車両を走行させることができ、第2の制御系統に異常が生じた場合には、第1の制御系統で第2のクラッチC2を制御して車両を走行させることができる。
尚、上記実施例5では、第1の制御系統と第2の制御系統とにグループ分けする際に、第2のMG12の動力で走行可能なグループと、エンジン10及び/又は第1のMG11の動力で走行可能なグループとにグループ分けするようにしている。しかし、これに限定されず、例えば、各T/Mコントローラ28,29で制御するクラッチを適宜変更して、第1のMG11の動力で走行可能なグループと、エンジン10及び/又は第2のMG12の動力で走行可能なグループとにグループ分けするようにしても良い。或は、エンジン10及び/又は第1のMG11の動力で走行可能なグループと、エンジン10及び/又は第2のMG12の動力で走行可能なグループとにグループ分けするようにしても良い。
また、上記各実施例1〜5では、エンジンとMGを駆動源とするハイブリッド車に本発明を適用したが、これに限定されず、複数のエンジンを駆動源とする車両や複数のMGを駆動源とする車両(電気自動車)に本発明を適用しても良い。
11…エンジン(駆動源)、11,12…MG(駆動源)、17…アクセルセンサ、18…シフトセンサ、19…ブレーキセンサ、20…車速センサ、21…バッテリセンサ、24…ハイブリッドコントローラ(メイン制御回路)、25…エンジンコントローラ(サブ制御回路)、26,27…MGコントローラ(サブ制御回路)、28,29…T/Mコントローラ(サブ制御回路)、C1〜C4…クラッチ

Claims (5)

  1. 車両に搭載された複数の駆動源(10〜12)又は複数の駆動源と一つ以上のクラッチ(C1〜C4)を制御対象とし、前記車両の要求駆動トルクを演算して該要求駆動トルクに基づいて前記駆動源毎に指令トルクを演算するメイン制御回路(24)と、前記制御対象(10〜12,C1〜C4)のうちそれぞれ対応する制御対象を制御する複数のサブ制御回路(25〜29)とを備えた車両の制御装置において、
    前記メイン制御回路に異常が生じた場合に、前記サブ制御回路のうち一つの特定のサブ制御回路(25〜29)が前記要求駆動トルクを演算して該要求駆動トルクに基づいて前記駆動源のうち少なくとも一つの指令トルクを演算し、
    前記メイン制御回路と前記サブ制御回路と前記制御対象は、前記メイン制御回路を含む第1の制御系統と前記特定のサブ制御回路を含む第2の制御系統とにグループ分けされ、
    前記メイン制御回路に異常が生じた場合に、前記特定のサブ制御回路が前記要求駆動トルクを演算して前記第2の制御系統の駆動源の指令トルクを演算し、前記第2の制御系統のサブ制御回路が前記第2の制御系統の制御対象を制御し、
    前記特定のサブ制御回路に異常が生じた場合に、前記メイン制御回路が前記要求駆動トルクを演算して前記第1の制御系統の駆動源の指令トルクを演算し、前記第1の制御系統のサブ制御回路が前記第1の制御系統の制御対象を制御することを特徴とする車両の制御装置。
  2. 前記メイン制御回路と前記特定のサブ制御回路の両方に、前記車両の状態を検出するセンサ(17〜21)の出力信号が入力されることを特徴とする請求項1に記載の車両の制御装置。
  3. 前記制御対象のうち一部の制御対象(C2)が前記第1の制御系統と前記第2の制御系統の両方に属することを特徴とする請求項に記載の車両の制御装置。
  4. 前記第1の制御系統のサブ制御回路に異常が生じた場合に、前記メイン制御回路が前記要求駆動トルクを演算して前記第2の制御系統の駆動源の指令トルクを演算し、前記第2の制御系統のサブ制御回路が前記第2の制御系統の制御対象を制御することを特徴とする請求項又はに記載の車両の制御装置。
  5. 前記第1の制御系統のサブ制御回路に異常が生じた場合に、前記特定のサブ制御回路が前記要求駆動トルクを演算して前記第2の制御系統の駆動源の指令トルクを演算し、前記第2の制御系統のサブ制御回路が前記第2の制御系統の制御対象を制御することを特徴とする請求項又はに記載の車両の制御装置。
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