以下、添付図面を参照して本発明の実施形態を説明する。まず、本実施形態に係るウェーハ加工装置によって加工可能なウェーハの構成例について説明する。図1(A)は、ウェーハ11を示す斜視図である。
ウェーハ11は、例えば円盤状に形成されたシリコンウェーハであり、表面11aと、裏面11bと、表面11a及び裏面11bと接続された外周縁11cとを備える。ウェーハ11は、互いに交差するように格子状に配列された複数の分割予定ライン(ストリート)13によって複数の領域に区画されており、この領域の表面11a側にはそれぞれ、IC(Integrated Circuit)、LSI(Large Scale Integration)等のデバイス15が形成されている。
なお、ウェーハ11の材質、形状、構造、大きさ等に制限はない。例えばウェーハ11は、シリコン以外の半導体(GaAs、InP、GaN、SiC等)、ガラス、セラミックス、樹脂、金属等の材料によって形成されていてもよい。また、デバイス15の種類、数量、形状、構造、大きさ、配置等にも制限はない。
図1(B)は、ウェーハ11の一部を拡大して示す斜視図である。複数のデバイス15はそれぞれ、デバイス15の表面で露出し、他の配線、電極、デバイス等に接続される複数の接続電極17を備える。また、分割予定ライン13によって区画された複数の領域の内部にはそれぞれ、ウェーハ11の厚さ方向に沿って埋め込まれデバイス15と接続された柱状の金属電極(ビア電極、貫通電極)19が形成されている。例えば金属電極19は、接続電極17と接続される。
金属電極19はそれぞれ、デバイス15からウェーハ11の裏面11b側に向かって配置されており、その高さはウェーハ11の厚さ未満である。そのため、金属電極19はウェーハ11の裏面11bで露出しておらず、ウェーハ11の内部に埋没した状態となっている。なお、金属電極19の材質に制限はない。例えば、銅、タングステン、アルミニウム等によって金属電極19が形成される。
ウェーハ11を分割予定ライン13に沿って分割することにより、デバイス15と、デバイス15に接続された金属電極19とをそれぞれ備える複数のデバイスチップが得られる。ウェーハ11の分割には、例えば切削装置が用いられる。切削装置は、ウェーハ11を保持するチャックテーブルと、ウェーハ11を切削する円環状の切削ブレードが装着されるスピンドル(回転軸)とを備える。切削ブレードをスピンドルの先端部に装着した状態でスピンドルを回転させると、切削ブレードが回転する。
ウェーハ11を切削装置のチャックテーブルによって保持した状態で、切削ブレードを回転させ、分割予定ライン13に沿ってウェーハ11に切り込ませる。これにより、ウェーハ11が切削され、複数のデバイスチップに分割される。
また、ウェーハ11の分割の前又は後に、ウェーハ11の裏面11b側に対して研削加工や研磨加工を施してウェーハ11を薄化し、金属電極19をウェーハ11の裏面11b側で露出させる。これにより、ウェーハ11に形成されたデバイス15と、ウェーハ11の裏面11b側に配置された他のデバイスとを、金属電極19を介して接続することが可能となる。この金属電極19は、複数のデバイスチップが積層されたパッケージデバイスを製造する際、積層されたデバイス同士を接続するための貫通電極として機能する。
ウェーハ11の薄化には、例えば、ウェーハ11に対して研削加工及び研磨加工を施すことが可能なウェーハ加工装置が用いられる。図2は、ウェーハ加工装置2を示す斜視図である。
ウェーハ加工装置2は、ウェーハ加工装置2を構成する各構成要素を支持する基台4を備える。基台4の上面の前端側には開口4aが形成されており、この開口4a内には、ウェーハ11を搬送する搬送ユニット(搬送機構)6が設けられている。また、開口4aのさらに前方の領域には、複数のウェーハ11を収容可能なカセット8が載置されるカセット載置台4bと、複数のウェーハ11を収容可能なカセット10が載置されるカセット載置台4cとが設けられている。
開口4aの斜め後方には、位置合わせ機構(アライメント機構)12が設けられている。位置合わせ機構12は、カセット8から搬送ユニット6によって搬送(搬出)されたウェーハ11を所定の位置に合わせて配置する。
位置合わせ機構12に隣接する位置には、ウェーハ11を保持して旋回する搬送ユニット(搬送機構)14が設けられている。搬送ユニット14は、その下面側にウェーハ11の上面側を吸着する吸着パッドを備えており、位置合わせ機構12によって位置合わせが行われたウェーハ11を保持して後方に搬送する。
搬送ユニット14の後方には、円盤状のターンテーブル16が設けられている。ターンテーブル16は、モータ等の回転駆動源(不図示)に連結されており、Z軸方向(鉛直方向、上下方向)に概ね平行な回転軸の周りを回転する。ターンテーブル16の上面には、ウェーハ11を保持する4個のチャックテーブル(保持テーブル)18が概ね等角度間隔に配置されている。ただし、ターンテーブル16上に配置されるチャックテーブル18の数に制限はない。
ターンテーブル16は、平面視で反時計回り(矢印αで示す方向)に回転し、各チャックテーブル18を搬送位置A、粗研削位置B、仕上げ研削位置C、研磨位置D、搬送位置Aの順に位置付ける。また、チャックテーブル18はそれぞれ、モータ等の回転駆動源(不図示)に連結されており、Z軸方向に概ね平行な回転軸の周りで回転する。搬送ユニット14は、位置合わせ機構12上に配置されたウェーハ11を吸着パッドで吸着保持し、搬送位置Aに位置付けられたチャックテーブル18に搬送する。
チャックテーブル18の上面は、ウェーハ11を保持する保持面を構成する。チャックテーブル18の保持面は、チャックテーブル18の内部に形成された流路(不図示)を介して、エジェクタ等の吸引源(不図示)に接続されている。ウェーハ11をチャックテーブル18上に配置し、チャックテーブル18の保持面に吸引源の負圧を作用させると、ウェーハ11がチャックテーブル18によって吸引保持される。
粗研削位置Bの後方及び仕上げ研削位置Cの後方(ターンテーブル16の後方)にはそれぞれ、柱状の支持構造20が配置されている。支持構造20の前面側には、Z軸移動機構22が設けられている。Z軸移動機構22は、Z軸方向に概ね平行に配置された一対のZ軸ガイドレール24を備え、一対のZ軸ガイドレール24には板状のZ軸移動プレート26がスライド可能な状態で装着されている。
Z軸移動プレート26の後面側(裏面側)にはナット部(不図示)が設けられており、このナット部には、Z軸ガイドレール24と概ね平行に配置されたZ軸ボールネジ28が螺合されている。Z軸ボールネジ28の一端部には、Z軸パルスモータ30が連結されている。Z軸パルスモータ30でZ軸ボールネジ28を回転させると、Z軸移動プレート26がZ軸ガイドレール24に沿ってZ軸方向に移動する。
粗研削位置Bの上方に配置されたZ軸移動プレート26の前面側(表面側)には、ウェーハ11の粗研削を行う加工ユニット(研削ユニット)32aが設けられている。一方、仕上げ研削位置Cの上方に配置されたZ軸移動プレート26の前面側(表面側)には、ウェーハ11の仕上げ研削を行う加工ユニット(研削ユニット)32bが設けられている。
加工ユニット32a,32bはそれぞれ、Z軸移動プレート26に固定された円筒状のハウジング34を備える。ハウジング34には、回転軸を構成するスピンドル36が回転可能な状態で収容されており、スピンドル36の下端部(先端部)はハウジング34から露出している。
加工ユニット32aに備えられたスピンドル36の下端部には、ウェーハ11の粗研削を行うための研削ホイール38aが装着されている。また、加工ユニット32bに備えられたスピンドル36の下端部には、ウェーハ11の仕上げ研削を行うための研削ホイール38bが装着されている。研削ホイール38a,38bはそれぞれ、アルミニウム、ステンレス等の金属材料で形成された円筒状の基台を備える。この基台の下面側には、複数の直方体状の研削砥石が基台の外周に沿って環状に配列されている。
例えば研削砥石は、ダイヤモンド、cBN(cubic Boron Nitride)等でなる砥粒を、メタルボンド、レジンボンド又はビトリファイドボンド等の結合材で固定することにより形成される。研削砥石の材質、形状、構造、大きさ等に制限はなく、研削ホイール38a,38bが備える研削砥石の数も任意に設定できる。ただし、研削ホイール38bが備える研削砥石の砥粒の平均粒径は、研削ホイール38aが備える研削砥石の砥粒の平均粒径よりも小さい。
スピンドル36の上端側(基端側)には、モータ等の回転駆動源(不図示)が接続されており、研削ホイール38a,38bはこの回転駆動源から伝わる力によって回転する。また、加工ユニット32a,32bの内部には、純水等の研削液を供給するための研削液供給路(不図示)が設けられている。研削液は、ウェーハ11に研削加工を施す際に、ウェーハ11に向かって供給される。
搬送位置Aに配置されたチャックテーブル18に搬送されたウェーハ11は、加工ユニット32a,32bによって研削される。具体的には、まず、ターンテーブル16の回転により、ウェーハ11を保持したチャックテーブル18が粗研削位置Bに位置付けられる。そして、チャックテーブル18と研削ホイール38aとをそれぞれ回転させた状態で加工ユニット32aを下降させ、研削ホイール38aが備える研削砥石をウェーハ11の上面側に接触させる。これにより、ウェーハ11の上面側に対して粗研削が施される。
次に、ターンテーブル16の回転により、粗研削が施されたウェーハ11を保持したチャックテーブル18が仕上げ研削位置Cに位置付けられる。そして、チャックテーブル18と研削ホイール38bとをそれぞれ回転させた状態で加工ユニット32bを下降させ、研削ホイール38bが備える研削砥石をウェーハ11の上面側に接触させる。これにより、ウェーハ11の上面側に対して仕上げ研削が施される。
研磨位置Dの側方(ターンテーブル16の側方)には、柱状の支持構造40が配置されている。支持構造40の表面側(ターンテーブル16側)には、XZ軸移動機構42が設けられている。XZ軸移動機構42は、X軸方向と概ね平行に配置された一対の第1ガイドレール44を備え、一対の第1ガイドレール44には板状の第1移動プレート46がスライド可能な状態で装着されている。
第1移動プレート46の裏面側にはナット部(不図示)が設けられており、このナット部には、第1ガイドレール44と概ね平行に配置された第1ボールネジ48が螺合されている。また、第1ボールネジ48の一端部には、第1パルスモータ50が連結されている。第1パルスモータ50で第1ボールネジ48を回転させると、第1移動プレート46が第1ガイドレール44に沿ってX軸方向に移動する。
第1移動プレート46の表面側(ターンテーブル16側)には、Z軸方向と概ね平行に配置された一対の第2ガイドレール52が設けられている。一対の第2ガイドレール52には、板状の第2移動プレート54がスライド可能な状態で装着されている。第2移動プレート54の裏面側にはナット部(不図示)が設けられており、このナット部には、第2ガイドレール52と概ね平行に配置された第2ボールネジ56が螺合されている。
第2ボールネジ56の一端部には、第2パルスモータ58が連結されている。第2パルスモータ58で第2ボールネジ56を回転させると、第2移動プレート54が第2ガイドレール52に沿ってZ軸方向に移動する。そして、第2移動プレート54の表面側(ターンテーブル16側)には、ウェーハ11を研磨する加工ユニット(研磨ユニット)60が設けられている。
加工ユニット60は、第2移動プレート54に固定された円筒状のハウジング62を備える。ハウジング62には、回転軸を構成するスピンドル64が回転可能な状態で収容されており、スピンドル64の下端部はハウジング62から露出している。スピンドル64の下端部には、ウェーハ11を研磨するための円盤状の研磨パッド66が装着されている。また、スピンドル64の上端側(基端側)には、モータ等の回転駆動源(不図示)が接続されている。研磨パッド66は、この回転駆動源から伝わる力によって回転する。
また、加工ユニット60の内部には、研磨液を供給するための研磨液供給路(不図示)が設けられている。研磨液は、ウェーハ11に研磨加工を施す際に、ウェーハ11に向かって供給される。
研磨パッド66は、ウェーハ11と接触してウェーハ11を研磨する研磨層を備える。研磨層は、例えば不織布や発泡ウレタンに砥粒(固定砥粒)を分散させることによって形成される。砥粒としては、例えば粒径が0.1μm以上10μm以下程度のシリカを用いることができる。ただし、砥粒の粒径や材質等はウェーハ11の材質等に応じて適宜変更される。
研磨層に砥粒が含まれる場合には、砥粒を含まない研磨液が用いられる。研磨液としては、例えば、水酸化ナトリウムや水酸化カリウム等が溶解したアルカリ溶液や、過マンガン酸塩等の酸性液を用いることができる。また、研磨液として純水を用いることもできる。一方、研磨層には砥粒が含まれていなくてもよい。この場合、砥粒(遊離砥粒)が分散された薬液(スラリー)が研磨液として供給される。薬液の材料、砥粒の材質、砥粒の粒径等は、ウェーハ11の材質等に応じて適宜選択される。
なお、ウェーハ11の研磨時、ウェーハ11及び研磨パッド66には研磨液が供給されなくてもよい。この場合、ウェーハ11は乾式研磨によって加工される。
加工ユニット32a,32bによって研削されたウェーハ11は、さらに加工ユニット60によって研磨される。具体的には、まず、ターンテーブル16の回転により、ウェーハ11を保持したチャックテーブル18が研磨位置Dに位置付けられる。そして、チャックテーブル18と研磨パッド66とをそれぞれ回転させた状態で加工ユニット60を下降させ、研磨パッド66が備える研磨層をウェーハ11の上面側に接触させる。これにより、ウェーハ11の上面側が研磨される。
また、基台4上には、箱型のカバー68が設けられている。カバー68は、ターンテーブル16と、粗研削位置B、仕上げ研削位置C、研磨位置Dに配置されたチャックテーブル18とを覆うように配置されている。このカバー68を設けることにより、加工によって発生する屑(加工屑)や加工液(研削液、研磨液)の飛散が防止される。
カバー68の上面68a側には、加工ユニット32a,32bの下端側、及び、加工ユニット60の下端側が挿入される、複数の円形の開口が形成されている。この開口により、加工ユニット32a,32b、加工ユニット60とカバー68との接触が回避される。また、カバー68の下面側には、チャックテーブル18が挿入される開口部68bが設けられている。ターンテーブル16が回転すると、搬送位置Aに配置されていたチャックテーブル18は、開口部68bの内部で粗研削位置B、仕上げ研削位置C、研磨位置Dに順に位置付けられた後、再度搬送位置Aに配置される。
搬送ユニット14に隣接する位置には、加工ユニット32a,32b及び加工ユニット60によって加工されたウェーハ11を保持して旋回する搬送ユニット(搬送機構)70が設けられている。搬送ユニット70は、その下面側にウェーハ11の上面側を吸着する吸着パッドを備えており、搬送位置Aに配置されたチャックテーブル18上に配置されたウェーハ11を保持して前方に搬送する。
搬送ユニット70の前方側、且つ開口4aの後方側には、搬送ユニット70によって搬送されたウェーハ11を洗浄する洗浄ユニット(洗浄機構)72が配置されている。洗浄ユニット72によって洗浄されたウェーハ11は、搬送ユニット6によって搬送され、カセット10に収容される。
なお、ウェーハ加工装置2を構成する各構成要素(搬送ユニット6、位置合わせ機構12、搬送ユニット14、ターンテーブル16、チャックテーブル18、Z軸移動機構22、加工ユニット32a,32b、XZ軸移動機構42、加工ユニット60、搬送ユニット70、洗浄ユニット72等)はそれぞれ、コンピュータ等によって構成される制御ユニット(制御部)74に接続されている。制御ユニット74によって、各構成要素の動作が制御される。
制御ユニット74には、オペレータに所定の情報を報知する報知ユニット(報知部)76が接続されている。報知ユニット76は、例えば制御ユニット74によって点灯が制御される警告ランプや、所定の情報を表示可能なディスプレイ等によって構成される。
上記のウェーハ加工装置2によって、ウェーハ11の研削加工及び研磨加工が行われる。例えば、図1(A)及び図1(B)に示すウェーハ11の裏面11b側が研削、研磨され、ウェーハ11が薄化される。
ここで、金属電極19(図1(B)参照)が埋め込まれたウェーハ11の裏面11b側をウェーハ加工装置2で加工することによって、金属電極19をウェーハ11の裏面11b側で露出させると、金属電極19が研削ホイール38a,38b又は研磨パッド66と接触して、金属電極19を構成する金属が飛散する。この飛散した金属がウェーハ11に付着すると、ウェーハ11の内部に金属イオンが取り込まれ、ウェーハ11に形成されたデバイス15の動作不良を引き起こす恐れがある。
そのため、金属電極19を露出させる際は、まず、金属電極19が露出する直前までウェーハ11をウェーハ加工装置2で加工して薄化し、その後、プラズマエッチング等を用いて金属電極19を露出させる。これにより、研削ホイール38a,38bや研磨パッド66と金属電極19との接触が回避され、金属の飛散が防止される。
しかしながら、ウェーハ11の加工のばらつき等により、ウェーハ11の研削量や研磨量が予め設定された値よりも大きくなることがある。また、ウェーハ11に埋め込まれた全て又は一部の金属電極19が想定よりも長く形成されていたり、各金属電極19の一部が部分的に長く形成されていたりすることがある。この場合、ウェーハ11に研削加工又は研磨加工を施すと、ウェーハ11に埋め込まれた金属電極19が意図せずウェーハ11から露出することがある。この場合、金属電極19と研削ホイール38a,38b又は研磨パッド66とが接触し、金属が研削ホイール38a,38b、研磨パッド66、ウェーハ11等に付着するとともに、金属でなる加工屑がウェーハ加工装置2の内部で飛散する。
金属電極19がウェーハ11から露出した状態でウェーハ加工装置2の動作(ウェーハ11の加工、搬送等)が継続されると、金属の飛散量が増大するとともに、ウェーハ加工装置2が備える搬送ユニット等によって金属が運ばれ、金属がウェーハ加工装置2の内部の全体に広がる恐れがある。この場合、ウェーハ加工装置2を部品単位に分解して洗浄する大掛かりなオーバーホールが必要となる。その結果、ウェーハ加工装置2のメンテナンスに多大な労力とコストが費やされ、ウェーハ11の加工効率も低下する。
そこで、本実施形態に係るウェーハ加工装置2は、ウェーハ11から金属電極19が露出しているか否かを検査する検査ユニット(検査手段)を備える。そして、検査ユニットによってウェーハ11から金属電極19が露出していることが検出されると、加工ユニット32a,32b及び加工ユニット60によるウェーハ11の加工と、搬送ユニット6,14,70によるウェーハ11の搬送とが中止される。これにより、金属電極19を構成する金属の飛散や、該金属のウェーハ加工装置2内部での拡散が抑制される。
図2に示すウェーハ加工装置2には、4つの検査ユニット(検査手段)78a,78b,78c,78dが設けられている。検査ユニット78a,78b,78c,78dはそれぞれ、ウェーハ11から金属電極19が露出しているか否かを検査する。
例えば、検査ユニット78a,78b,78c,78dはそれぞれ、ウェーハ11を撮像するカメラ(撮像ユニット)と、カメラによって取得されたウェーハ11の画像に基づいて金属電極19の露出の有無を判定する判定ユニットとを備える。
カメラは、ウェーハ11を撮像して、ウェーハ11の画像を取得する。そして、カメラによって取得されたウェーハ11の画像は、判定ユニットに出力される。ウェーハ11から金属電極19が露出している場合、カメラによって取得された画像には、金属電極19が露出している領域と露出していない領域とで濃淡の差が生じる。そして、判定ユニットは、例えばウェーハ11の画像に対して所定の画像処理を施し、画像の濃淡に基づいて金属電極19の露出の有無を判別する。
例えば、判定ユニットは、カメラによって取得された画像と、金属電極19が露出していない状態のウェーハ11が表された参照用画像とを用いたパターンマッチングによって、金属電極19の露出の有無を判別する。また、判定ユニットは、カメラによって取得された画像を白と黒に二値化し、黒表示又は白表示の領域の有無又は面積に基づき、金属電極19の露出の有無を判別してもよい。さらに、判定ユニットは、カメラによって取得された画像の濃淡を多値化し、画像の階調を示す値と予め設定された閾値とを比較することにより、金属電極19の露出の有無を判別してもよい。これらの処理が行われる場合、判定ユニットは画像処理部として機能する。
また、判定ユニットは、カメラでウェーハ11を撮像する際にウェーハ11に向かって光を照射し、ウェーハ11を照らす光源を備えていてもよい。そして、光源は、互いに波長が異なる複数の光を照射可能に構成されていてもよい。例えば光源は、波長が異なる2種類の光(第1の光及び第2の光)を照射する。
ウェーハ11に照射される光の波長が変化すると、ウェーハ11に対する光の透過率が変化し、カメラの受光量が変化する。これにより、ウェーハ11の裏面11b側の厚さ(ウェーハ11の裏面11bから金属電極19までの距離)に対する撮像の感度が調整され、カメラによって取得された画像に金属電極19が表示されるために必要なウェーハ11の裏面11b側の厚さが変化する。その結果、金属電極19の露出が検出される条件が変更される。
例えば、第1の光の波長は、ウェーハ11の裏面11bから金属電極19の先端までの距離が10μm以下である場合に金属電極19が画像に表示されるように設定される。また、第2の光の波長は、ウェーハ11の裏面11bから金属電極19の先端までの距離が5μm以下である場合に金属電極19が画像に表示されるように設定される。ただし、光源から照射される光の数及び波長に制限はなく、任意に設定できる。
上記の判定ユニットは、制御ユニット74の一部であってもよいし、制御ユニット74とは別途構成されていてもよい。判定ユニットが制御ユニット74とは独立して設けられる場合には、判定ユニットは制御ユニット74に接続される。そして、検査ユニット78a,78b,78c,78dによる検査の結果、すなわち、ウェーハ11で金属電極が露出しているか否かの情報は、制御ユニット74に出力される。
なお、検査ユニット78a,78b,78c,78dは、ウェーハ11から金属電極19が露出しているか否かを検査することが可能であれば、その構成及び機能に制限はない。例えば、検査ユニット78a,78b,78c,78dは、ウェーハ11に向かってレーザービームを照射し、レーザービームがウェーハ11で反射した場合の反射光の強度と金属電極19で反射した場合の反射光の強度との違いに基づいて、金属電極19の露出の有無を判別してもよい。
検査ユニット78a,78b,78c,78dによって金属電極19がウェーハ11から露出していることが検出された場合、制御ユニット74は、ウェーハ加工装置2の動作を中断させる。具体的には、制御ユニット74は、ウェーハ加工装置2の構成要素(搬送ユニット6、位置合わせ機構12、搬送ユニット14、ターンテーブル16、チャックテーブル18、Z軸移動機構22、加工ユニット32a,32b、XZ軸移動機構42、加工ユニット60、搬送ユニット70、洗浄ユニット72等)の動作を制御し、ウェーハ11の処理(加工、搬送等)を中止させる。
なお、制御ユニット74によって処理が中止される構成要素は適宜選択できる。例えば、制御ユニット74は、加工ユニット32a,32b及び加工ユニット60と、カセット8,10とチャックテーブル18との間でウェーハ11を搬送する搬送ユニット(搬送ユニット6,14,70)とを選択して、これらの構成要素による処理を中止させることができる。
具体的には、制御ユニット74は、金属電極19がウェーハ11から露出していることが検出されると、一対のZ軸移動機構22とXZ軸移動機構42とを制御し、加工ユニット32a,32b及び加工ユニット60を即座に上昇させる。これにより、研削ホイール38a,38b及び研磨パッド66がウェーハ11から遠ざかり、加工ユニット32a,32b及び加工ユニット60によるウェーハ11の加工が中止される。また、制御ユニット74は、搬送ユニット6,14,70にウェーハ11の搬送を中止させる。
さらに、制御ユニット74は、検査ユニットによる検査の結果を報知ユニット76に報知させる。具体的には、検査ユニット78a,78b,78c,78dのいずれかによって金属電極19の露出が検出されると、制御ユニット74は報知ユニット76の動作を制御し、ウェーハ11から金属電極19が露出していることを報知ユニット76に報知させる。例えば、報知ユニット76が警告ランプである場合、制御ユニット74は警告ランプを点灯させる。また、報知ユニット76がディスプレイである場合、制御ユニット74は金属電極19が露出している旨をディスプレイに表示させる。
検査ユニット78aは、チャックテーブル18の上方で、且つ、搬送位置Aと粗研削位置Bとの間の領域と重畳する位置に配置されている。そして、検査ユニット78aは、ウェーハ11を保持したチャックテーブル18が搬送位置Aから粗研削位置Bに移動する際に、ウェーハ11を観察し、ウェーハ11から金属電極19が露出しているか否かを検査する。
検査ユニット78bは、粗研削位置Bに配置されたチャックテーブル18の上方に配置されている。具体的には、検査ユニット78bは、粗研削位置Bに配置されたチャックテーブル18の保持面と重畳し、且つ、研削ホイール38aとは重畳しない位置に配置されている。検査ユニット78bは、加工ユニット32aによって加工されているウェーハ11を観察し、ウェーハ11から金属電極19が露出しているか否かを検査する。
検査ユニット78cは、仕上げ研削位置Cに配置されたチャックテーブル18の上方に配置されている。具体的には、検査ユニット78cは、仕上げ研削位置Cに配置されたチャックテーブル18の保持面と重畳し、且つ、研削ホイール38bとは重畳しない位置に配置されている。検査ユニット78cは、加工ユニット32bによって加工されているウェーハ11を観察し、ウェーハ11から金属電極19が露出しているか否かを検査する。
検査ユニット78dは、洗浄ユニット72の上端部に配置されている。ウェーハ11が搬送ユニット6によって洗浄ユニット72からカセット10に搬送される際、ウェーハ11は検査ユニット78dの下方を通過する。そして、検査ユニット78dは、ウェーハ11が洗浄ユニット72からカセット10に移動する際に、搬送ユニット6によって保持されたウェーハ11を観察し、ウェーハ11から金属電極19が露出しているか否かを検査する。
検査ユニット78a,78dはそれぞれ、ウェーハ11の全体を観察可能であることが好ましい。例えば、検査ユニット78a,78dは、ウェーハ11の全体を撮像可能なカメラを備える。これにより、搬送位置Aから粗研削位置Bに移動するウェーハ11の全体、及び、洗浄ユニット72からカセット10に移動するウェーハ11の全体に対して、金属電極19の露出の有無を判別できる。
一方、検査ユニット78b,78cは、研削加工中にチャックテーブル18とともに回転するウェーハ11の検査を行う。そのため、検査ユニット78b,78cは、チャックテーブル18によって保持されたウェーハ11の一部(例えば、ウェーハ11の半径分に相当する範囲)が観察可能であればよい。チャックテーブル18を回転させながら検査ユニット78b,78cでウェーハ11を観察することにより、ウェーハ11の全体に対して金属電極19の露出の有無を判別できる。
、
また、検査ユニット78a,78b,78cはそれぞれ、図2に示すようにカバー68の外側に設けられていることが好ましい。これにより、カバー68によって検査ユニット78a,78b,78cへの加工液や加工屑の付着が抑制される。この場合、カバー68の材質は、検査ユニット78a,78b,78cがカバー68を介してウェーハ11を検査可能となるように適宜選択される。例えばカバー68は、透明な部材(ガラス、プラスチック等)でなる。
なお、カバー68の近傍には、カバー68の検査ユニット78a,78b,78cと重なる領域を洗浄する洗浄部(洗浄手段、不図示)が設けられていてもよい。例えば洗浄部として、カバー68を洗浄するための洗浄ブラシや、カバー68に付着した異物を洗い流すための液体(純水等)を供給する洗浄液供給ノズル等を用いることができる。検査ユニット78a,78b,78cによるウェーハ11の検査が行われる前に、洗浄部によってカバー68を洗浄することにより、検査の精度を向上させることができる。ただし、検査ユニット78a,78b,78cはそれぞれ、カバー68の内側(開口部68bの内部)に配置されていてもよい。
なお、ウェーハ加工装置2に設置される検査ユニットの数及び位置に制限はない。例えば、カセット載置台4bと位置合わせ機構12との間、又は、位置合わせ機構12の上側に、検査ユニットが設けられていてもよい。この検査ユニットは、ウェーハ11がカセット8から位置合わせ機構12に搬送される途中、又は、ウェーハ11が位置合わせ機構12に配置された際に、ウェーハ11の検査を行う。これにより、金属電極19が露出した状態のウェーハ11が搬送ユニット14によって搬送され、搬送ユニット14等に金属が付着することを防止できる。
また、搬送ユニット14及び搬送ユニット70の先端部に検査ユニットが装着されていてもよい。この場合、搬送ユニット14又は搬送ユニット70でウェーハ11を保持する際に、ウェーハ11の検査を実施できる。
また、搬送位置Aと研磨位置Dとの間、又は、搬送位置A上に検査ユニットが設けられていてもよい。この検査ユニットは、研磨加工が施されたウェーハ11が、研磨位置Dから搬送位置Aに移動する途中、又は、ウェーハ11が搬送位置Aに位置付けられた際に、ウェーハ11の検査を行う。これにより、金属電極19が露出した状態のウェーハ11が搬送ユニット70によって搬送され、搬送ユニット70等に金属が付着することを防止できる。
また、洗浄ユニット72の近傍には、洗浄後のウェーハ11を検査する検査ユニットが設けられていてもよい。この検査ユニットは、例えばウェーハ11の被加工領域の全体を撮影可能なカメラを備え、洗浄後のウェーハ11がカセット10に収容される前にウェーハ11の被加工領域を撮像する。この撮像によって取得されたウェーハ11の画像は、研削加工及び研磨加工によって被加工領域に生じた傷(スクラッチ)のサイズの確認等にも用いることができる。
次に、ウェーハ加工装置2の具体的な動作例について説明する。図3は、ウェーハ加工装置2を模式的に示す平面図である。なお、図3ではウェーハ加工装置2の一部の構成要素の図示を省略している。
まず、カセット載置台4b上に設置されたカセット8から、ウェーハ11を搬送ユニット6によって位置合わせ機構12に搬送し、ウェーハ11の位置合わせを行う。そして、搬送ユニット14(図2参照)によってウェーハ11を位置合わせ機構12から搬送位置Aに配置されたチャックテーブル18上に搬送し、このチャックテーブル18によってウェーハ11を吸引保持する。
次に、ターンテーブル16を回転させ、ウェーハ11を保持するチャックテーブル18を粗研削位置Bに配置する。このとき、検査ユニット78aの下方を通過するウェーハ11の検査が検査ユニット78aによって行われ、ウェーハ11から金属電極19が露出しているか否かが確認される。その後、加工ユニット32aによってウェーハ11が所定の厚さになるまで研削される(粗研削)。なお、加工ユニット32aによる加工が行われている間に、他のウェーハ11が搬送位置Aに配置されたチャックテーブル18上に搬送される。
加工ユニット32aによるウェーハ11の研削中に、検査ユニット78bによってウェーハ11の検査が行われる。具体的には、チャックテーブル18を回転させながら検査ユニット78bが備えるカメラでウェーハ11を連続して撮像することにより、ウェーハ11の全体の画像が取得される。そして、この画像に基づいて金属電極19の露出の有無が判別される。
次に、ターンテーブル16を回転させ、粗研削が行われたウェーハ11を保持するチャックテーブル18を仕上げ研削位置Cに配置する。そして、加工ユニット32bによってウェーハ11が所定の厚さになるまで研削される(仕上げ研削)。なお、加工ユニット32bによる加工が行われている間に、粗研削位置Bに配置されたチャックテーブル18によって保持されたウェーハ11が加工ユニット32aによって研削されるとともに、他のウェーハ11が搬送位置Aに配置されたチャックテーブル18上に搬送される。
加工ユニット32bによるウェーハ11の研削中に、検査ユニット78cによってウェーハ11の検査が行われる。具体的には、チャックテーブル18を回転させながら検査ユニット78cが備えるカメラでウェーハ11を連続して撮像することにより、ウェーハ11の全体の画像が取得される。そして、この画像に基づいて金属電極19の露出の有無が判別される。
次に、ターンテーブル16を回転させ、仕上げ研削が行われたウェーハ11を保持するチャックテーブル18を研磨位置Dに配置する。そして、加工ユニット60によってウェーハ11が所定の厚さになるまで研磨される。なお、加工ユニット60による加工が行われている間に、粗研削位置B、仕上げ研削位置Cに配置されたチャックテーブル18によって保持されたウェーハ11がそれぞれ、加工ユニット32a,32bによって研削される。さらに、他のウェーハ11が搬送位置Aに配置されたチャックテーブル18上に搬送される。
次に、ターンテーブル16を回転させ、研磨加工が行われたウェーハ11を保持するチャックテーブル18を搬送位置Aに配置する。そして、搬送位置Aに配置されたウェーハ11が、搬送ユニット70(図2参照)によって洗浄ユニット72に搬送され、洗浄される。なお、このとき、粗研削位置B、仕上げ研削位置Cに配置されたチャックテーブル18によって保持されたウェーハ11がそれぞれ、加工ユニット32a,32bによって研削される。また、研磨位置Dに配置されたチャックテーブル18によって保持されたウェーハ11が、加工ユニット60によって研磨される。
洗浄ユニット72によってウェーハ11の洗浄が行われた後、ウェーハ11は搬送ユニット6によってカセット10に搬送される。なお、ウェーハ11が洗浄ユニット72から搬送される際、ウェーハ11は搬送ユニット6によって保持された状態で、検査ユニット78dの下方を通過する。このとき、検査ユニット78dによってウェーハ11の検査が行われ、ウェーハ11から金属電極19が露出しているか否かが確認される。その後、ウェーハ11は搬送ユニット6によってカセット10に収容される。
ウェーハ11がカセット8から搬出されてからカセット10に搬入されるまでの間に、検査ユニット78a,78b,78c,78dのいずれかによってウェーハ11から金属電極19が露出していることが検出されると、制御ユニット74は、ウェーハ加工装置2の動作を中断させる。これにより、金属電極19を構成する金属の、ウェーハ加工装置2の内部での飛散及び拡散が抑制される。
また、報知ユニット76は金属電極19がウェーハ11から露出していることを報知する(例えば、警告ランプの点灯)。これにより、オペレータはウェーハ加工装置2で加工中のウェーハ11から金属電極19が露出していることを認識できる。
次に、ウェーハ加工装置2を用いたウェーハ11の加工方法の具体例について説明する。ここでは、図1(A)及び図1(B)に示すウェーハ11の裏面11b側に研削加工及び研磨加工を施し、金属電極19がウェーハ11の裏面11b側で露出する直前までウェーハ11を薄化する加工について説明する。
ウェーハ加工装置2でウェーハ11を加工する際は、まず、ウェーハ11の表面11a側に保護部材(保護シート)21を貼付する。図4(A)は保護部材21が貼付されたウェーハ11を示す斜視図であり、図4(B)は保護部材21が貼付されたウェーハ11を示す断面図である。保護部材21としては、例えば、樹脂等でなりウェーハ11と概ね同径の円形に形成された、フィルム状のテープが用いられる。この保護部材21によって、ウェーハ11の表面11a側に形成された複数のデバイス15が覆われ、保護される。
図5は、ウェーハ11の一部を拡大して示す断面図である。ウェーハ11の内部には、デバイス15に接続された金属電極19が埋め込まれている。また、金属電極19とウェーハ11との間には、絶縁層23が金属電極19を覆うように形成されている。この絶縁層23によって、ウェーハ11と金属電極19とが絶縁されている。絶縁層23は、例えば、熱酸化法やCVD(Chemical Vapor Deposition)法を用いて形成された酸化珪素等でなる絶縁膜によって構成される。なお、絶縁層23は、複数の絶縁膜を積層して構成されていてもよい。
次に、ウェーハ加工装置2を用いて、ウェーハ11の裏面11b側に研削加工及び研磨加工を施す。ウェーハ加工装置2によるウェーハ11の加工の詳細は前述の通りである。ウェーハ11の裏面11b側を研削、研磨する場合には、ウェーハ11は表面11a側がチャックテーブル18(図2、図3参照)の保持面と対向し、裏面11b側が上方に向かって露出するように、チャックテーブル18上に配置される。
具体的には、まず、加工ユニット32aによってウェーハ11の裏面11b側が研削され、ウェーハ11の粗研削が行われる。続いて、加工ユニット32bによってウェーハ11の裏面11b側が研削され、ウェーハ11の仕上げ研削が行われる。その後、加工ユニット60によってウェーハ11の裏面11b側が研磨される。
図6は、加工後のウェーハ11を示す断面図である。加工ユニット32a,32bによるウェーハ11の研削量と、加工ユニット60によるウェーハ11の研磨量とは、金属電極19がウェーハ11の裏面11b側で露出しない範囲で設定される。これにより、金属電極19が研削、研磨されることを回避し、金属電極19を構成する金属が飛散してウェーハ11やウェーハ加工装置2の内部に付着することを防止できる。
そして、ウェーハ11をウェーハ加工装置2で加工した後、ウェーハ11の裏面11b側に対してプラズマエッチング等を施すことにより、金属電極19をウェーハ11の裏面11b側で露出される。これにより、デバイス15を他のデバイス等と接続するためのビア電極(貫通電極)が形成される。
ただし、加工ユニット32a,32bや加工ユニット60によるウェーハ11の加工のばらつきに等より、ウェーハ11が設定値よりも多く研削又は研削されることがある。その結果、ウェーハ加工装置2によるウェーハ11の加工中に、ウェーハ11に埋め込まれた金属電極19が意図せずウェーハ11の裏面11bで露出することがある。
図7は、金属電極19が露出した状態のウェーハ11を示す断面図である。ウェーハ加工装置2に備えられた検査ユニット78a,78b,78c,78d(図2、図3参照)は、金属電極19が図7に示すようにウェーハ11の裏面11b側で露出しているか否かを検査する。そして、検査ユニット78a,78b,78c,78dのいずれかによって金属電極19が露出していることが検出されると、制御ユニット74(図2参照)は直ちにウェーハ加工装置2の動作を中断する。
以上の通り、本実施形態に係るウェーハ加工装置2は、ウェーハ11から金属電極19が露出しているか否かを検査する検査ユニット78a,78b,78c,78dと、ウェーハ加工装置2の構成要素(加工ユニット、搬送ユニット等)の動作を制御する制御ユニット74と、を備える。そして、検査ユニット78a,78b,78c,78dによってウェーハ11から金属電極19が露出していることが検出された場合に、制御ユニット74はウェーハ加工装置2の構成要素による処理(加工、搬送等)を停止させる。
上記のウェーハ加工装置2を用いると、ウェーハ11の加工によってウェーハ11から金属電極19が意図せず露出した場合にも、金属電極19を構成する金属の飛散や、該金属のウェーハ加工装置2内部での拡散を抑制することができる。これにより、ウェーハ11及びウェーハ加工装置2の汚染が防止されるとともに、ウェーハ加工装置2のメンテナンス(オーバーホール等)に要する労力及びコストが低減される。
なお、上記では一例として、ウェーハ11に埋め込まれデバイス15に接続された金属電極19が、ウェーハ11の裏面11b側で露出しているか否かが検査される例について説明した。ただし、ウェーハ11の構造に制限はなく、研削加工又は研磨加工が施される際に所定の金属電極の露出が懸念される他のウェーハ11をウェーハ加工装置2によって加工してもよい。
その他、上記実施形態に係る構造、方法等は、本発明の目的の範囲を逸脱しない限りにおいて適宜変更して実施できる。