JP7325208B2 - 棚ラベル用擬似接着シート - Google Patents

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Description

本発明は、棚ラベル用擬似接着シートに関する。
商品等を陳列する棚(陳列棚)に並べた商品の名称、価格、又は規格等の商品等情報を表示する表示媒体として、棚ラベルが挙げられる。
陳列棚に陳列する商品の種類が変更されたり、商品の売価が変更がされたりする際には、変更後の情報が印字された棚ラベルを作製して、陳列棚に付す作業が行われる。
棚ラベルの構成としては、例えば、厚紙に商品等情報を印字した厚紙ラベルが挙げられる。この厚紙ラベルは、次のように作製される。まず、ラベル形状に応じたミシン目をシート状の厚紙に設け、ミシン目で区切られた各ラベルの領域に商品等情報を印字する。各ラベルをミシン目に沿って切り離すことで厚紙ラベルが得られる。この厚紙ラベルは、比較的、簡易な構成であるため、従来、棚ラベルとして幅広く使用されている。
また、他の棚ラベルの構成としては、粘着剤層と、商品等情報が印字された表面基材と、を有する粘着ラベルが挙げられる。このような粘着ラベルも、比較的、簡易な構成であるため、従来、棚ラベルとして幅広く使用されている。例えば、特許文献1には、商品の情報を印字可能なラベル基材と、前記ラベル基材の裏面に塗布した粘着剤層と、を有する商品の陳列棚に貼り付ける棚ラベルが記載されている。
特開2001-222227号公報
前述の厚紙ラベルの場合、ミシン目に沿ってラベルを切り離すと、ラベルの端部にバリが生じて、意匠性が低下する。また、厚紙ラベルのバリが、陳列棚への取り付けを妨げて、作業性が低下する。
また、前述の粘着ラベルの場合、陳列棚に対して粘着剤層が貼着される。粘着ラベルの貼り付け位置がずれた場合、粘着ラベルを剥がして、新しいラベルを貼り直す必要が生じる。粘着ラベルを剥がした陳列棚に粘着剤層が残る不具合(糊残りと称する場合がある。)が生じるおそれもある。さらに、商品等の入れ替えの際には、粘着ラベルを剥がす作業が必要である。
本発明の目的は、意匠性に優れると共に、商品等の入れ替え時に、陳列棚に取り付け易く、かつラベル交換し易い、棚ラベルを製造するための棚ラベル用擬似接着シートを提供することである。
本発明の一態様によれば、棚ラベルの製造に用いられる棚ラベル用擬似接着シートであって、
ラベル用基材と、支持基材と、前記ラベル用基材及び前記支持基材の間に含まれる擬似接着層と、を有し、
前記ラベル用基材は、印刷可能なラベル用基材表面を有し、
前記擬似接着層は、前記支持基材に擬似接着し、かつ、前記ラベル用基材に接着し、
前記支持基材と前記擬似接着層との界面が擬似接着界面であり、
前記擬似接着界面で前記支持基材から剥離した前記ラベル用基材及び前記擬似接着層を含む積層体の柔軟度は、2mN以上であり、
前記ラベル用基材及び前記擬似接着層を含む積層体の柔軟度は、ガーレー式柔軟度試験機を用いてTAPPIスタンダード(T543pm-84)に準じて測定され、
前記ラベル用基材を前記棚ラベルの形状に区画する切込みが、前記ラベル用基材表面側から、前記ラベル用基材及び前記擬似接着層を貫通し、かつ前記支持基材を貫通していない深さで形成され、
前記切込みによって区画された前記ラベル用基材及び前記擬似接着層は、前記棚ラベルとして、前記擬似接着界面で前記支持基材から剥離可能である、
棚ラベル用擬似接着シートが提供される。
本発明の一態様に係る棚ラベル用擬似接着シートにおいて、前記ラベル用基材と前記擬似接着層との間に接着層をさらに有し、
前記擬似接着層は、前記ラベル用基材に前記接着層を介して接着し、かつ、前記支持基材に擬似接着し、
前記支持基材と前記擬似接着層との界面が前記擬似接着界面であり、
前記擬似接着界面で前記支持基材から剥離した前記ラベル用基材、前記接着層及び前記擬似接着層を含む積層体の柔軟度は、2mN以上であり、
前記ラベル用基材、前記接着層及び前記擬似接着層を含む積層体の柔軟度は、ガーレー式柔軟度試験機を用いてTAPPIスタンダード(T543pm-84)に準じて測定され、
前記ラベル用基材を前記棚ラベルの形状に区画する切込みが、前記ラベル用基材表面側から、前記ラベル用基材、前記接着層及び前記擬似接着層を貫通し、かつ前記支持基材を貫通していない深さで形成され、
前記切込みによって区画された前記ラベル用基材、前記接着層及び前記擬似接着層は、前記棚ラベルとして、前記擬似接着界面で前記支持基材から剥離可能である、ことが好ましい。
本発明の一態様に係る棚ラベル用擬似接着シートにおいて、
前記擬似接着層は、前記ラベル用基材の前記ラベル用基材表面とは反対側の面に、直接、接着し、かつ、前記支持基材に擬似接着し、
前記支持基材と前記擬似接着層との界面が前記擬似接着界面である、ことが好ましい。
本発明の別の一態様によれば、棚ラベルの製造に用いられる棚ラベル用擬似接着シートであって、
ラベル用基材と、支持基材と、前記ラベル用基材及び前記支持基材の間に含まれる擬似接着層と、を有し、
前記ラベル用基材は、印刷可能なラベル用基材表面を有し、
前記擬似接着層は、前記ラベル用基材に擬似接着し、かつ前記支持基材に接着し、
前記ラベル用基材と前記擬似接着層との界面が擬似接着界面であり、
前記擬似接着界面で前記擬似接着層から剥離した前記ラベル用基材の柔軟度は、2mN以上であり、
前記ラベル用基材の柔軟度は、ガーレー式柔軟度試験機を用いてTAPPIスタンダード(T543pm-84)に準じて測定され、
前記ラベル用基材を前記棚ラベルの形状に区画する切込みが、前記ラベル用基材表面側から、前記ラベル用基材を貫通し、かつ前記支持基材を貫通していない深さで形成され、
前記切込みによって区画された前記ラベル用基材は、前記棚ラベルとして、前記擬似接着界面で前記擬似接着層から剥離可能である、
棚ラベル用擬似接着シートが提供される。
本発明の別の一態様に係る棚ラベル用擬似接着シートにおいて、
前記支持基材と前記擬似接着層との間に接着層をさらに有し、
前記擬似接着層が前記支持基材に前記接着層を介して接着し、かつ、前記ラベル用基材に擬似接着して、
前記ラベル用基材と前記擬似接着層との界面が前記擬似接着界面である、
棚ラベル用擬似接着シート。
本発明のいずれかの態様に係る棚ラベル用擬似接着シートにおいて、ガーレー式柔軟度試験機を用いてTAPPIスタンダード(T543pm-84)に準じて測定される前記棚ラベル用擬似接着シートの柔軟度は、100mN以下である、ことが好ましい。
本発明のいずれかの態様に係る棚ラベル用擬似接着シートにおいて、前記支持基材の坪量は、60g/m以上、350g/m以下である、ことが好ましい。
本発明のいずれかの態様に係る棚ラベル用擬似接着シートにおいて、前記擬似接着層の擬似接着力は、200mN/50mm以上、2,000mN/50mm以下である、ことが好ましい。
本発明のいずれかの態様によれば、意匠性に優れると共に、商品等の入れ替え時に、陳列棚に取り付け易く、かつラベル交換し易い、棚ラベルを製造するための棚ラベル用擬似接着シートを提供できる。
(A)は、陳列棚に本発明の第1実施形態に係る棚ラベルが取り付けられた状態の一例を示す斜視図であり、(B)は、(A)の断面図である。 本発明の第1実施形態に係る棚ラベルが複数形成された棚ラベル用擬似接着シートの平面図である。 (A)は、本発明の第1実施形態に係る棚ラベルが複数形成された棚ラベル用擬似接着シートの一部断面図であり、(B)は、当該棚ラベル用擬似接着シートから棚ラベルを剥がす方法を説明する断面図である。 本発明の第1実施形態に係る棚ラベルが複数枚、剥がされた後の棚ラベル用擬似接着シートの平面図である。 本発明の第2実施形態に係る棚ラベルが複数形成された棚ラベル用擬似接着シートの一部断面図であり、(B)は、当該棚ラベル用擬似接着シートから棚ラベルを剥がす方法を説明する断面図である。 本発明の第3実施形態に係る棚ラベルが複数形成された棚ラベル用擬似接着シートの一部断面図であり、(B)は、当該棚ラベル用擬似接着シートから棚ラベルを剥がす方法を説明する断面図である。
本発明に係る棚ラベル用擬似接着シートについて、複数の実施形態を例に挙げて説明する。ただし、本発明は、これら実施形態に何ら限定されない。
[第1実施形態]
図1の(A)には、本実施形態に係る棚ラベル1が陳列棚100に取り付けられた状態の一例を示す斜視図が示され、図1の(B)には、図1(A)で示された棚ラベル1の取付部の断面図が示されている。
本実施形態に係る棚ラベル1は、棚ラベル用擬似接着シートを用いて作製できる。
図1(A)及び図1(B)に示すように、陳列棚100には、棚ラベル1を保持するための保持ケース200が取り付けられている。保持ケース200は、棚ラベル1を挟んで保持できる構造を有する。棚ラベル1を保持ケース200に入れ込むことで、棚ラベル1は、陳列棚100に取り付けられる。棚ラベル1の一部は、図1(A)及び図1(B)に示すように、保持ケース200からはみ出していてもよい。このようにはみ出していることで、棚ラベル1を保持ケース200から取り出し易い。
陳列棚に棚ラベルを取り付ける態様は、図1(A)及び図1(B)に示す態様に限定されない。例えば、陳列棚自体が、棚ラベルを保持可能な構造を有していてもよい。
<棚ラベル用擬似接着シート>
図2には、棚ラベル用擬似接着シートLS1の平面図が示されている。棚ラベル用擬似接着シートLS1は、表面側にラベル用基材10を有する。ラベル用基材10は、切込みCによって、5列×5行の計25個の棚ラベル1の形状に対応する領域に区分されている。ラベル用基材10に、商品等情報が印字されることで棚ラベル1が得られる。ラベル用基材10は、矩形状に形成されている。
本実施形態においては、図2に示すように、最上段の5つのラベル用基材10に商品等情報が印字されており、2段目から5段目のラベル用基材10には印字されていない。このように、陳列棚へ入れ替える商品に合わせて必要な分だけ、棚ラベル用擬似接着シートLS1のラベル用基材10に商品等情報を印字して棚ラベル1を作製すればよい。
図3(A)には、棚ラベル用擬似接着シートLS1の断面概略図が示されている。図3(B)には、棚ラベル用擬似接着シートLS1から棚ラベル1を剥がす方法を説明する断面図が示されている。
棚ラベル用擬似接着シートLS1は、ラベル用基材10と、支持基材20と、擬似接着層30と、接着層40と、を有する。擬似接着層30は、ラベル用基材10と支持基材20との間に設けられており、支持基材20に、直接、接している。接着層40は、ラベル用基材10と擬似接着層30との間に設けられており、ラベル用基材10に接している。さらに、擬似接着層30と接着層40とが接している。
棚ラベル用擬似接着シートLS1においては、擬似接着層30と支持基材20とが擬似接着している。支持基材20と擬似接着層30との界面が擬似接着界面Aである。さらに、擬似接着層30は、接着層40を介してラベル用基材10に剥離不能に接着している。
本明細書においては、「擬似接着」とは、特定の条件(例えば、材料の組合せ及び温度範囲)で貼合させた一方の層と他方の層との擬似接着界面において剥離でき、剥離後には再接着性及び再粘着性を示さない態様の接着をいう。
本実施形態に係る棚ラベル用擬似接着シートLS1の場合、一方の層としての支持基材20と、他方の層としての擬似接着層30と、の擬似接着界面Aにおいて剥離可能である。剥離後の支持基材20の擬似接着界面A側表面、及び擬似接着層30の擬似接着界面A側表面は、再接着性及び再粘着性を示さない。
また、本明細書においては、単に「接着」とは、特定の条件(例えば、接着層による接着)で貼合させた一方の層と他方の層との接着界面において、擬似接着界面で剥離する際に必要な剥離力では、一方の層と他方の層とを剥離不能に接合している態様を示す。
本実施形態に係る棚ラベル用擬似接着シートLS1の場合、一方の層としてのラベル用基材10と、他方の層としての擬似接着層30は、接着層40を介して接着しており、擬似接着界面Aにおいて支持基材20と擬似接着層30とを剥離する際に必要な剥離力では剥離不能である。
本実施形態に係る棚ラベル用擬似接着シートLS1において、擬似接着界面Aで支持基材20から剥離したラベル用基材10、接着層40及び擬似接着層30からなる積層体50の柔軟度は、2mN以上である。この積層体50の柔軟度は、ガーレー式柔軟度試験機を用いてTAPPIスタンダード(T543pm-84)に準じて測定される。積層体50の柔軟度は、ラベル用基材10のMD方向及びCD方向のいずれかの方向において小さい方の値が2mN以上であればよい。
積層体50の柔軟度は、3mN以上であることが好ましく、4mN以上であることがより好ましい。
積層体50の柔軟度は、18mN以下であることが好ましく、15mN以下であることがより好ましく、12mN以下であることがさらに好ましい。
本実施形態に係る棚ラベル用擬似接着シートLS1において、積層体50の柔軟度が2mN以上であるので、棚ラベル1の剛性が十分であり、保持ケース200に棚ラベル1を挿し込む作業が確実に行える。
なお、積層体50の柔軟度は、棚ラベル1の形状に区画するための後述する切込みCが形成されていない状態で測定した値である。
図3(A)に示すように、ラベル用基材10を棚ラベル1の形状に区画する切込みCは、ラベル用基材10の表面側から、ラベル用基材10及び擬似接着層30を貫通し、支持基材20を貫通していない深さで形成されている、例えば、切込みCは、擬似接着層30と支持基材20との擬似接着界面Aまで到達し、支持基材20には入り込んでいなくてもよい。または、切込みCの深さは、支持基材20まで入り込んでいてもよいが、支持基材20を打ち抜かない程度の深さで形成されていればよい。切込みCは、ミシン目のように不連続に切り込まれているのではなく、棚ラベル1の外郭形状に沿って連続的に切り込まれている。切込みCによって区画されたラベル用基材10、接着層40及び擬似接着層30からなる積層体50は、棚ラベル1として、擬似接着界面Aで支持基材20から剥離可能である。
棚ラベル用擬似接着シートLS1の柔軟度は、100mN以下であることが好ましい。棚ラベル用擬似接着シートLS1の柔軟度は、ガーレー式柔軟度試験機を用いてTAPPIスタンダード(T543pm-84)に準じて測定される。棚ラベル用擬似接着シートLS1の柔軟度は、ラベル用基材10のMD方向及びCD方向のいずれかの方向において大きい方の値が100mN以下であることが好ましい。
棚ラベル用擬似接着シートLS1の柔軟度は、80mN以下であることがより好ましく、60mN以下であることがさらに好ましい。
棚ラベル用擬似接着シートLS1の柔軟度は、10mN以上であることが好ましく、12mN以上であることがより好ましく、14mN以上であることがさらに好ましい。
本実施形態に係る棚ラベル用擬似接着シートLS1の柔軟度が100mN以下であるので、棚ラベル用擬似接着シートLS1のシート屈曲性が十分であり、さまざまな印刷機で印刷する際でも通紙性に優れる。
(ラベル用基材)
ラベル用基材10は、印刷用紙として使用される基材の中から適宜選択される。
ラベル用基材10は、印刷可能なラベル用基材表面11を有する。ラベル用基材10は、商品等情報を表示する情報表示用基材である。
ラベル用基材10としては、印刷可能なラベル用基材表面11を有していれば、特に限定されない。ラベル用基材10としては、例えば、紙類、樹脂フィルム、及び合成紙、並びにこれらを2層以上積層した積層シート等が挙げられる。
ラベル用基材10として用いることのできる紙類としては、例えば、インクジェットプリンター用紙、レーザープリンター用紙、感熱紙、クラフト紙、上質紙、グラシン紙、パーチメント紙、レーヨン紙、コート紙、及び合成繊維紙が挙げられる。
ラベル用基材10として用いることのできる樹脂フィルムとしては、例えば、ポリエステル系樹脂、ポリ塩化ビニル系樹脂、ポリ塩化ビニリデン系樹脂、及びポリオレフィン系樹脂のフィルムが挙げられる。
ラベル用基材10は、紙類及び合成紙からなる紙基材であることが好ましく、インクジェットプリンター用紙、レーザープリンター用紙、感熱紙、クラフト紙、又は上質紙であることがより好ましい。
ラベル用基材10の厚さは、棚ラベル1の用途に応じて適宜選択される。ラベル用基材10の厚さは、取扱性の観点から、50μm以上、300μm以下であることが好ましく、80μm以上、250μm以下であることがより好ましく、100μm以上、230μm以下であることがさらに好ましい。
ラベル用基材10が紙基材である場合、ラベル用基材10の坪量は、取扱性の観点から、80g/m以上、250g/m以下であることが好ましく、100g/m以上、220g/m以下であることがより好ましい。
(支持基材)
支持基材20は、棚ラベル用擬似接着シートLS1において、ラベル用基材10、接着層40及び擬似接着層30を支持する部材である。
支持基材20としては、ラベル用基材10と同様の基材を用いることができる。なお、支持基材20に印字する必要がない場合は、ラベル用基材10のような印刷可能な基材表面を有していなくてもよい。
支持基材20は、紙基材であることが好ましく、上質紙であることがより好ましい。
支持基材20が紙基材である場合、支持基材20の坪量は、60g/m以上、350g/m以下であることが好ましく、70g/m以上、330g/m以下であることがより好ましく、70g/m以上、330g/m以下であることがさらに好ましい。
支持基材20の坪量が60g/m以上であれば、支持基材20自体に剛性があるため、複数の棚ラベル1を剥離した後でも、棚ラベル用擬似接着シートLS1の取り扱い性が良好であり、さらに、棚ラベル用擬似接着シートLS1のカールも抑制できる。
支持基材20の坪量が350g/m以下であれば、棚ラベル用擬似接着シートLS1を印刷機に投入し易く、印刷機内を通過させ易い。
(擬似接着層)
本実施形態に係る擬似接着層30は、支持基材20に、直接、積層されている。擬似接着層30は、接着層40を介して、ラベル用基材10に接着されている。
擬似接着層30の支持基材20に対する擬似接着力は、200mN/50mm以上、2000mN/50mm以下である。
擬似接着層30の支持基材20に対する擬似接着力は、250mN/50mm以上であることが好ましく、350mN/50mm以上であることがより好ましい。
擬似接着層30の支持基材20に対する擬似接着力は、1000mN/50mm以下であることが好ましく、600mN/50mm以下であることがより好ましい。
擬似接着層30の支持基材20に対する擬似接着力が200mN/50mm以上であれば、棚ラベル用擬似接着シートLS1に切込みCを入れた際に、擬似接着層30と支持基材20との擬似接着界面Aで剥離して、ラベル用基材10が浮いてしまうことを抑制できる。
擬似接着層30の支持基材20に対する擬似接着力が2000mN/50mm以下であれば、棚ラベル1を支持基材20から剥離し易い。例えば、図3(B)に示すように棚ラベル用擬似接着シートLS1を撓ませることにより、棚ラベル1は撓みに追従せずに、棚ラベル1の角が支持基材20から剥がれ、棚ラベル用擬似接着シートLS1から棚ラベル1をさらに剥がし易くなる。
擬似接着層30の支持基材20に対する擬似接着力は、後述する実施例に記載の方法により測定できる。
擬似接着層30は、熱可塑性樹脂を含有することが好ましく、実質的に熱可塑性樹脂のみから形成されることが好ましい。擬似接着層30が、実質的に熱可塑性樹脂のみから構成されるとは、擬似接着層30の全質量に対して80質量%以上が、熱可塑性樹脂で構成されていることをいう。擬似接着層30は、擬似接着層30の全質量に対して熱可塑性樹脂を85質量%以上含有することが好ましく、90質量%以上含有することがより好ましく、95質量%以上含有することがさらに好ましい。なお、擬似接着層30中の熱可塑性樹脂の含有量を「実質的に」と規定するのは、擬似接着層30の製造に用いる原料に含まれている可能性がある不純物、又は擬似接着層の製造過程で混入する可能性がある不純物が、意図せず、擬似接着層30に含まれる場合があるためである。
擬似接着層30が含有する熱可塑性樹脂としては、例えば、エチレン-アクリル系共重合体樹脂、スチレン系樹脂、アクリル系樹脂、ポリエステル系樹脂、酢酸ビニル樹脂、ポリウレタン系樹脂、アクリル酸エステル共重合体樹脂、ポリエチレン、エチレン-酢酸ビニル共重合体樹脂、ポリプロピレンなどのポリオレフィン系樹脂、スチレン-ブタジエン共重合体樹脂、天然ゴム系樹脂及び塩化ビニリデン系樹脂等が挙げられる。擬似接着層30は、熱可塑性樹脂を1種含んでいてもよいし、2種以上含んでいてもよい。
擬似接着層30が含有する熱可塑性樹脂としては、ポリオレフィン系樹脂であることが好ましい。ポリオレフィン系樹脂は、オレフィンモノマーに由来の構成単位を少なくとも有する重合体である。
オレフィンモノマーは、炭素数2以上、8以下のオレフィンであることが好ましい。炭素数2以上、8以下のオレフィンとしては、例えば、エチレン、プロピレン、ブチレン、イソブチレン及び1-ヘキセン等が挙げられる。
本実施形態の一態様において、上記オレフィンモノマーは、炭素数2以上、4以下のオレフィンであるエチレン、プロピレン及びブチレンからなる群から選択される少なくともいずれかのモノマーであることがより好ましく、炭素数2以上、3以下のオレフィンであるエチレン及びプロピレンからなる群から選択される少なくともいずれかのモノマーであることが更に好ましい。
ポリオレフィン系樹脂は、オレフィンモノマー1種を単独で用いた重合体でもよいし、2種以上のオレフィンモノマーを併用した共重合体でもよい。
ポリオレフィン系樹脂としては、例えば、ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂(PP)、ポリブテン樹脂(PB)、エチレン-プロピレン共重合体、オレフィン系エラストマー(TPO)、エチレン-酢酸ビニル共重合体(EVA)、エチレン-メタクリル酸メチル共重合体(EMMA)、エチレン-プロピレン-(5-エチリデン-2-ノルボルネン)等のオレフィン系三元共重合体等が挙げられる。ポリオレフィン系樹脂は、ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂(PP)及びポリブテン樹脂(PB)からなる群から選択される少なくともいずれかの樹脂であることが好ましく、ポリエチレン樹脂及びポリプロピレン樹脂(PP)からなる群から選択される少なくともいずれかの樹脂であることがより好ましい。
ポリエチレン樹脂としては、例えば、超低密度ポリエチレン(VLDPE、密度:880kg/m以上、910kg/m未満)、低密度ポリエチレン(LDPE、密度:910kg/m以上、915kg/m未満)、中密度ポリエチレン(MDPE、密度:915kg/m以上、942kg/m未満)、高密度ポリエチレン(HDPE、密度:942kg/m以上)、及び直鎖状ポリエチレン等が挙げられる。
ポリオレフィン系樹脂における、炭素数2以上、4以下のオレフィンに由来する構成単位の含有量は、オレフィン系樹脂の全構成単位(100質量%)に対して、50質量%以上、100質量%以下であることが好ましく、60質量%以上、100質量%以下であることがより好ましく、70質量%以上、100質量%以下であることがさらに好ましく、80質量%以上、100質量%以下であることがよりさらに好ましく、90質量%以上、100質量%以下であることがさらになお好ましい。
擬似接着層30は、熱可塑性樹脂としてのポリオレフィン系樹脂を1種含んでいてもよいし、2種以上含んでいてもよい。
支持基材20が紙基材である場合、紙基材との良好な擬似接着性を実現するという観点、及び紙基材への熱圧着が容易であるとの観点から、擬似接着層30が含有する熱可塑性樹脂は、ポリエチレン系樹脂及びポリプロピレン系樹脂の少なくともいずれかであることが好ましい。
本実施形態に係る擬似接着層30は、本実施形態の効果を損なわない範囲で、添加剤を含有してもよい。添加剤としては、例えば、酸化防止剤、滑剤、紫外線吸収剤、着色剤、及びアンチブロッキング剤等が挙げられる。擬似接着層30が添加剤を含有する場合、添加剤は、1種でもよいし、2種以上でもよい。
擬似接着層30が、添加剤を含有する場合、添加剤の含有量は、熱可塑性樹脂100質量部に対して、0.0001質量部以上、20質量部以下であることが好ましく、0.0005質量部以上、15質量部以下であることがより好ましく、0.001質量部以上、10質量部以下であることがさらに好ましい。
擬似接着層30の厚さは、特に限定されない。擬似接着層30の厚さは、5μm以上、50μm以下であることが好ましく、5μm以上、40μm以下であることがより好ましく、10μm以上、40μm以下であることがさらに好ましく、10μm以上、30μm以下であることがよりさらに好ましい。
(接着層)
接着層40は、擬似接着層30とラベル用基材10とを接着できれば、特に限定されない。接着層40を構成する材料としては、例えば、熱可塑性樹脂が挙げられる。
接着層40は、熱可塑性樹脂を含有することが好ましく、実質的に熱可塑性樹脂のみから形成されることが好ましい。接着層40が、実質的に熱可塑性樹脂のみから構成されるとは、接着層40の全質量に対して80質量%以上が、熱可塑性樹脂で構成されていることをいう。接着層40は、接着層40の全質量に対して熱可塑性樹脂を85質量%以上含有することが好ましく、90質量%以上含有することがより好ましく、95質量%以上含有することがさらに好ましい。なお、接着層40中の熱可塑性樹脂の含有量を「実質的に」と規定するのは、接着層40の製造に用いる原料に含まれている可能性がある不純物、又は擬似接着層の製造過程で混入する可能性がある不純物が、意図せず、接着層40に含まれる場合があるためである。
接着層40と擬似接着層30との接着力を確保するという観点から、接着層40を構成する熱可塑性樹脂は、擬似接着層30を構成する熱可塑性樹脂と同系統の樹脂であることが好ましい。例えば、擬似接着層30にポリオレフィン系樹脂を用いる場合、接着層40にもポリオレフィン系樹脂を用いることが好ましく、擬似接着層30にポリエチレン系樹脂を用いる場合は、接着層40にもポリエチレン系樹脂を用いることが好ましい。
(棚ラベル)
本実施形態に係る棚ラベル用擬似接着シートLS1から得られる棚ラベル1は、商品等情報が印字されたラベル用基材10と、擬似接着層30と、ラベル用基材10と擬似接着層30とを接着する接着層40と、を含む積層構造を有する。棚ラベル1は、棚ラベル用擬似接着シートLS1におけるラベル用基材10、接着層40及び擬似接着層30からなる積層体50を切込みCによって区画して、擬似接着界面Aで支持基材20から剥離することで得られる。
前述の通り、ラベル用基材10と擬似接着層30とを接着する接着層40とからなる積層体50の柔軟度が2mN以上であるため、この積層体50と同様の積層構造を有する棚ラベル1は、剛性があり、陳列棚に棚ラベル1を取り付け易い。また、棚ラベル用擬似接着シートLS1を撓ませると、棚ラベル1は撓みに追従せずに、棚ラベル1の角が支持基材20から剥がれるので、棚ラベル1を棚ラベル用擬似接着シートLS1から剥がし易くなり、陳列棚100への取り付け作業効率が向上する。また、棚ラベル1に剛性があるため、片手でも取り扱い易く、陳列棚100への取り付け作業効率が向上する。
<棚ラベル用擬似接着シートの製造方法>
本実施形態に係る棚ラベル用擬似接着シートLS1は、例えば、以下の工程P1、工程P2及び工程P3を含む製造方法によって、製造できる。
・工程P1
工程P1は、ラベル用基材10と接着層40とを積層する工程である。
・工程P2
工程P2は、工程P1においてラベル用基材10に積層された接着層40へ擬似接着層30をさらに積層する工程である。
・工程P3
工程P3は、工程P2において接着層40に積層された擬似接着層30へ支持基材20をさらに積層する工程である。
まず、工程P1について説明する。
ラベル用基材10の上に接着層40を積層する方法は、特に限定されない。
接着層40を構成する材料が熱可塑性樹脂である場合、棚ラベル用擬似接着シートLS1の製造方法は、接着層40を構成する材料を含む接着層材料をラベル用基材10の上に溶融押出する工程(第1溶融押出工程)を含む。接着層材料を溶融押出する方法としては、例えば、Tダイを用いる方法が挙げられる。ラベル用基材10が紙基材である場合、通常、当該紙基材へ溶融した接着層材料を溶融押出することで、紙基材と接着層材料とが密着する。ラベル用基材10と接着層40との密着性を向上させる観点から、ラベル用基材10の接着層40を積層させる面(ラベル用基材表面11とは反対側の面)に表面改質処理を施した後に、接着層40を積層することが好ましい。表面改質処理としては、例えば、オゾン処理、コロナ処理及びアンカーコート処理等が挙げられる。
次に、工程P2について説明する。
接着層40の上に擬似接着層30を積層する方法は、特に限定されない。
擬似接着層30を構成する材料が熱可塑性樹脂である場合、棚ラベル用擬似接着シートLS1の製造方法は、擬似接着層30を構成する材料を含む擬似接着層材料を接着層40の上に溶融押出する工程(第2溶融押出工程)を含む。擬似接着層材料を溶融押出する方法としては、例えば、Tダイを用いる方法が挙げられる。
擬似接着層30と接着層40と密着性を向上させる観点から、前述の通り、擬似接着層30と接着層40とは、同系統の材料(同系統の熱可塑性樹脂)で形成されることが好ましい。
棚ラベル用擬似接着シートLS1の生産速度を向上させる観点から、工程P1及び工程P2を同時に実施することが好ましい。工程P1及び工程P2を同時に実施する方法としては、例えば、多層Tダイを用いて、接着層材料と擬似接着層材料とを溶融共押出する方法等が挙げられる。
次に、工程P3について説明する。
工程P3では、支持基材20を擬似接着層30側の面に積層する。支持基材20を積層する方法は、特に限定されない。例えば、支持基材20が紙基材である場合は、押出された溶融状態の擬似接着層材料に紙基材を貼り合せる方法が挙げられる。支持基材20を貼り合わせる工程を支持基材貼合工程と称する場合がある。工程P3では、工程P2で溶融押出された擬似接着層材料が冷却して固化する前に支持基材20を積層することが好ましい。
工程P1、工程P2及び工程P3によって製造された棚ラベル用擬似接着シートLS1には、切込みCを入れる。切込みCを入れる工程を切込加工工程と称する場合がある。ロール状のラベル用基材10を用いて工程P1、工程P2及び工程P3を実施する場合、切込みCを入れる前、又は切込みCを入れた直後に、ロール状からシート状にカットする工程(シートカット工程と称する場合がある。)を実施することが好ましい。切込加工工程及びシートカット工程は、1台の装置で同時に行われることが好ましい。
切込加工工程では、例えば、棚ラベル1の外郭形状に沿った刃型を使用する。刃型を用いる場合、支持基材20を打抜かないようにラベル用基材10から擬似接着層30まで、切込みを入れる。切込加工工程では、刃型を用いる方法の他に、レーザー加工法により切込みを形成してもよい。
切込みCは、支持基材20が打抜かれて棚ラベル1が棚ラベル用擬似接着シートLS1から脱落しない程度、支持基材20に入り込んでいてもよい。
なお、切込みCを形成した後、個々の棚ラベル1の外部は、余白部に相当する。余白部を支持基材20から取り除くこともできる。ただし、棚ラベル1を剥離した後の棚ラベル用擬似接着シートLS1の剛性を維持する観点から、余白部は、取り除かず、支持基材20に擬似接着させておくことが好ましい。棚ラベル1の剥離後の棚ラベル用擬似接着シートLS1の剛性が維持されていれば、新たに商品等情報を印刷する際のシート取り扱い性が優れる。
<棚ラベルの使用方法>
図3(B)には、棚ラベル用擬似接着シートLS1から棚ラベル1を剥がす方法を説明する断面図が示されている。
棚ラベル1は、製造した棚ラベル用擬似接着シートLS1のラベル用基材10のラベル用基材表面11に商品等情報を印字することで得られる。このように、商品等情報がまだ印字されていない棚ラベル用擬似接着シートLS1に対して最初に印字する工程を第1印字工程と称する場合がある。
商品等情報を印字する方法は、特に限定されず、ラベル用基材10の印字適性に応じて印字方法を選択することが好ましい。例えば、ラベル用基材10がインクジェットプリンター用紙であれば、インクジェットプリント法で印字することが好ましく、レーザープリンター用紙であれば、レーザープリント法で印字することが好ましい。
棚ラベル1は、擬似接着層30と支持基材20との擬似接着界面Aで剥離することで得られる。例えば、図3(B)に示すように、棚ラベル用擬似接着シートLS1を撓ませることにより、棚ラベル1は撓みに追従せずに、棚ラベル1の角が支持基材20から剥がれる。そのため、棚ラベル1を容易に剥離できる。
図1(A)及び図1(B)に示すように、商品等情報を視認できるように、剥離した棚ラベル1を保持ケース200に差し込んで、陳列棚100に取り付ける。棚ラベル1を交換する際は、保持ケース200から棚ラベル1を取り出して、新たな商品等情報が印字された別の棚ラベルを保持ケース200に差し込んで陳列棚100に取り付ける。
図4には、複数の棚ラベル1が剥離された後の棚ラベル用擬似接着シートLS1の平面図が示されている。
図2に示されていた棚ラベル用擬似接着シートLS1の最上段に形成された5枚の棚ラベル1は、既に剥離されており、支持基材20の擬似接着層30と擬似接着していた部分が露出している。この支持基材20の露出部分20aを図4に示す。また、図4では、上から2段目の5枚のラベル用基材10に、図2とは異なる商品等情報が印字されて、5枚の棚ラベル1aが形成されている。棚ラベル1aも、棚ラベル1と同様の積層構造を有するため、棚ラベル1aの特性も、棚ラベル1と同様である。
棚ラベル1aを形成するには、棚ラベル1が剥離済みの棚ラベル用擬似接着シートLS1を用いて、2段目の5枚のラベル用基材10に商品等情報を印字すればよい。このように、棚ラベル用擬似接着シートLS1に2回目の印字をする工程を、第2印字工程と称する場合がある。さらに棚ラベルが必要になった時点で、3回目以降の印字工程を実施すればよい。
(本実施形態の効果)
本実施形態よれば、棚ラベル用擬似接着シートLS1に切込みCを入れて棚ラベル1を作製できる。従来の厚紙ラベルのようにミシン目に沿ってラベルを切り離さないので、バリが生じ難く、棚ラベル1は、意匠性に優れる。また、棚ラベル1にはバリが発生し難いので、棚ラベル1は、保持ケース200へ差し込み易く、陳列棚100へ取り付け易い。
本実施形態によれば、棚ラベル1は、ラベル用基材10の裏面側に擬似接着層30を有する。棚ラベル1の擬似接着層30は、支持基材20との擬似接着界面Aで剥離され、擬似接着層30は、再粘着性及び再接着性を有さない。そのため、従来の粘着ラベルのように、陳列棚100への糊残りが発生しない。また、従来の粘着ラベルでは、貼り付け位置がずれた場合に、粘着ラベルの貼り直し又は陳列棚100に残った粘着剤層の除去が必要であったが、棚ラベル1によれば、取り付け位置を再調整する必要すらない。
さらに、本実施形態によれば、ラベル用基材10、接着層40及び擬似接着層30からなる積層体50の柔軟度が2mN以上である。そのため、積層体50と同様の積層構造を有する棚ラベル1には剛性があり、陳列棚100に棚ラベル1を取り付け易い(例えば、保持ケース200へ差し込み易い)。また、棚ラベル用擬似接着シートLS1を撓ませると、棚ラベル1は撓みに追従せずに、棚ラベル1の角が支持基材20から剥がれ、棚ラベル用擬似接着シートLS1から棚ラベル1を剥がし易くなる。棚ラベル1が剥がし易くなることで、陳列棚100への取り付け作業効率が向上する。また、棚ラベル1に剛性があるため、片手でも取り扱い易く、陳列棚100への取り付け作業効率が向上する。
以上のとおり、本実施形態に係る棚ラベル用擬似接着シートLS1によれば、意匠性に優れると共に、商品等の入れ替え時に、陳列棚100に取り付け易く、かつラベル交換し易い、棚ラベル1を製造できる。
[第2実施形態]
次に、本発明の第2実施形態について説明する。
第2実施形態においては、棚ラベル用擬似接着シートの積層構造が第1実施形態に係る棚ラベル用擬似接着シートLS1と相違し、棚ラベルの剥離界面も第1実施形態に係る棚ラベル1と相違する。
以下の説明では、第1実施形態との相違に係る部分を主に説明し、重複する説明については省略又は簡略化する。第1実施形態と同様の構成には同一の符号を付して説明を省略又は簡略化する。
<棚ラベル用擬似接着シート>
図5(A)には、本実施形態に係る棚ラベル用擬似接着シートLS2の断面概略図が示されている。図5(B)には、棚ラベル用擬似接着シートLS2から棚ラベル2を剥がす方法を説明する断面図が示されている。
棚ラベル用擬似接着シートLS2は、ラベル用基材10と、支持基材20と、擬似接着層30と、接着層40と、を有する。
棚ラベル用擬似接着シートLS2における擬似接着層30は、第1実施形態とは異なり、ラベル用基材10と接着層40との間に設けられており、ラベル用基材10に、直接、接している。
棚ラベル用擬似接着シートLS2における接着層40は、擬似接着層30と支持基材20との間に設けられており、支持基材20に、直接、接している。
棚ラベル用擬似接着シートLS2においては、擬似接着層30とラベル用基材10との界面が擬似接着界面A1であり、この界面で擬似接着している。さらに、擬似接着層30は、接着層40を介して支持基材20に剥離不能に接着している。
棚ラベル用擬似接着シートLS2においては、ラベル用基材10を棚ラベル2の形状に区画する切込みCが、ラベル用基材10表面側から、ラベル用基材10を貫通し、かつ支持基材20を貫通していない深さで形成されている。本実施形態においては、図5(A)に示すように、切込みCが支持基材20の途中まで入っているが、切込みCは、ラベル用基材10を貫通する深さで形成されていればよく、擬似接着層30の途中までの深さで形成されていてもよい。
図5(B)に示すように、棚ラベル用擬似接着シートLS2においては、切込みCによって区画されたラベル用基材10単体が、棚ラベル2として、擬似接着界面A1で擬似接着層30から剥離される。そのため、第2実施形態に係る棚ラベル2は、棚ラベル2の形状に区画されたラベル用基材10単体で構成される。
本実施形態に係るラベル用基材10の柔軟度は、陳列棚への取り付け作業及び交換作業の効率を向上させる観点から、所定の柔軟度を有する。本実施形態に係る棚ラベル用擬似接着シートLS2で使用するラベル用基材10の柔軟度は、2mN以上である。ラベル用基材10の柔軟度は、ガーレー式柔軟度試験機を用いてTAPPIスタンダード(T543pm-84)に準じて測定される。ラベル用基材10の柔軟度は、MD方向及びCD方向のいずれかの方向において小さい方の値が2mN以上であればよい。
ラベル用基材10の柔軟度は、3mN以上であることが好ましく、4mN以上であることがより好ましい。
ラベル用基材10の柔軟度は、18mN以下であることが好ましく、15mN以下であることがより好ましく、12mN以下であることがさらに好ましい。
本実施形態に係るラベル用基材10の柔軟度が2mN以上であるので、ラベル用基材10を切込みCで区画して得られる棚ラベル2にも剛性がある。そのため、実質的にラベル用基材10からなる棚ラベル2であっても、陳列棚100に取り付け易い。また、棚ラベル用擬似接着シートLS2を撓ませると、第1実施形態と同様、棚ラベル2は撓みに追従せずに、棚ラベル2の角が支持基材20から剥がれ、棚ラベル用擬似接着シートLS2から棚ラベル2を剥がし易くなる。棚ラベル2が剥がし易くなることで、陳列棚100への取り付け作業効率が向上する。また、棚ラベル2にも剛性があるため、片手でも取り扱い易く、陳列棚100への取り付け作業効率が向上する。
また本実施形態に関わる棚ラベル用擬似接着シートLS2の柔軟度は、100mN以下であることが好ましい。棚ラベル用擬似接着シートLS2の柔軟度は、ガーレー式柔軟度試験機を用いてTAPPIスタンダード(T543pm-84)に準じて測定される。棚ラベル用擬似接着シートLS2の柔軟度は、ラベル用基材10のMD方向及びCD方向のいずれかの方向において大きい方の値が100mN以下であることが好ましい。
棚ラベル用擬似接着シートLS2の柔軟度は、80mN以下であることがより好ましく、60mN以下であることがさらに好ましい。
棚ラベル用擬似接着シートLS2の柔軟度は、10mN以上であることが好ましく、12mN以上であることがより好ましく、14mN以上であることがさらに好ましい。
本実施形態に係る棚ラベル用擬似接着シートLS2の柔軟度が100mN以下であるので、棚ラベル用擬似接着シートLS2のシートの屈曲性が十分であり、さまざまな印刷機で印刷する際でも通紙性に優れる。
棚ラベル用擬似接着シートLS2における擬似接着層30のラベル用基材10に対する擬似接着力は、200mN/50mm以上、2000mN/50mm以下である。
擬似接着層30のラベル用基材10に対する擬似接着力は、250mN/50mm以上であることが好ましく、350mN/50mm以上であることがより好ましい。
擬似接着層30のラベル用基材10に対する擬似接着力は、1000mN/50mm以下であることが好ましく、600mN/50mm以下であることがより好ましい。
擬似接着層30のラベル用基材10に対する擬似接着力が200mN/50mm以上であれば、棚ラベル用擬似接着シートLS2に切込みCを入れた際に、擬似接着層30とラベル用基材10との擬似接着界面A1で剥離して、ラベル用基材10が浮いてしまうことを抑制できる。
擬似接着層30のラベル用基材10に対する擬似接着力が2000mN/50mm以下であれば、棚ラベル2を擬似接着層30から剥離し易い。例えば、棚ラベル用擬似接着シートLS2を撓ませることにより、棚ラベル2は撓みに追従せずに、棚ラベル2の角が支持基材20から剥がれ、棚ラベル用擬似接着シートLS2から棚ラベル2を剥がし易くなる。
擬似接着層30のラベル用基材10に対する擬似接着力は、後述する実施例に記載の方法により測定できる。
接着層40は、擬似接着層30と支持基材20とを接着できれば、特に限定されない。
棚ラベル用擬似接着シートLS2を構成するラベル用基材10、支持基材20、擬似接着層30及び接着層40は、第2実施形態においてこれまで説明した事項以外について、それぞれ第1実施形態で説明したラベル用基材10、支持基材20、擬似接着層30及び接着層40と同様である。
棚ラベル用擬似接着シートLS2は、第1実施形態における工程P1、工程P2及び工程P3で用いたラベル用基材10と支持基材20とを入れ替えて、ラベル用基材10に擬似接着層30を積層すれば、その他の点は、第1実施形態と同様にして製造できる。
(本実施形態の効果)
本実施形態に係る棚ラベル用擬似接着シートLS2によれば、第1実施形態と同様、意匠性に優れると共に、商品等の入れ替え時に、陳列棚100に取り付け易く、かつラベル交換し易い、棚ラベル2を製造できる。
[第3実施形態]
次に、本発明の第3実施形態について説明する。
第3実施形態においては、棚ラベル用擬似接着シートの積層構造が第1実施形態に係る棚ラベル用擬似接着シートLS1と相違する。
以下の説明では、第1実施形態との相違に係る部分を主に説明し、重複する説明については省略又は簡略化する。第1実施形態と同様の構成には同一の符号を付して説明を省略又は簡略化する。
<棚ラベル用擬似接着シート>
図6(A)には、本実施形態に係る棚ラベル用擬似接着シートLS3の断面概略図が示されている。図6(B)には、棚ラベル用擬似接着シートLS3から棚ラベル3を剥がす方法を説明する断面図が示されている。
棚ラベル用擬似接着シートLS3は、ラベル用基材10と、支持基材20と、擬似接着層30と、を有する。棚ラベル用擬似接着シートLS3は、第1実施形態及び第2実施形態とは異なり、接着層40を有さない。
棚ラベル用擬似接着シートLS3における擬似接着層30は、第1実施形態とは異なり、ラベル用基材10と支持基材20との間に設けられており、支持基材20に、直接、接している。棚ラベル用擬似接着シートLS3における擬似接着層30は、接着層40を介さずに、ラベル用基材10に接している。
棚ラベル用擬似接着シートLS3においては、擬似接着層30と支持基材20との界面が擬似接着界面A2であり、この界面で擬似接着している。さらに、擬似接着層30は、ラベル用基材10に剥離不能に接着している。
棚ラベル用擬似接着シートLS3においては、ラベル用基材10を棚ラベル3の形状に区画する切込みCが、ラベル用基材10表面側から、ラベル用基材10を貫通し、かつ支持基材20を貫通していない深さで形成されている。本実施形態においては、図6(A)に示すように、切込みCが支持基材20の途中まで入っているが、切込みCは、ラベル用基材10及び擬似接着層30を貫通する深さで形成されていればよく、支持基材20の途中までの深さで形成されていてもよい。
図6(B)に示すように、棚ラベル用擬似接着シートLS3において、擬似接着界面A2で支持基材20から剥離したラベル用基材10及び擬似接着層30からなる積層体51の柔軟度は、2mN以上である。この積層体51の柔軟度は、ガーレー式柔軟度試験機を用いてTAPPIスタンダード(T543pm-84)に準じて測定される。積層体51の柔軟度は、ラベル用基材10のMD方向及びCD方向のいずれかの方向において小さい方の値が2mN以上であればよい。
積層体51の柔軟度は、3mN以上であることが好ましく、4mN以上であることがより好ましい。
積層体51の柔軟度は、18mN以下であることが好ましく、15mN以下であることがより好ましく、12mN以下であることがさらに好ましい。
本実施形態に係る棚ラベル用擬似接着シートLS3において、積層体51の柔軟度が2mN以上であるので、棚ラベル3の剛性が十分であり、保持ケース200に棚ラベル3を挿し込む作業が確実に行える。
なお、積層体51の柔軟度は、棚ラベル3の形状に区画するための後述する切込みCが形成されていない状態で測定した値である。
棚ラベル用擬似接着シートLS3における擬似接着層30の支持基材20に対する擬似接着力も、第1実施形態に係る擬似接着層30と同様の範囲であり、擬似接着力の好ましい範囲も第1実施形態と同様であり、擬似接着力を所定範囲に規定することで奏する効果も第1実施形態と同様である。
棚ラベル用擬似接着シートLS3は、第1実施形態及び第2実施形態とは異なり接着層40を有さない。そのため、擬似接着層30とラベル用基材10とを接着するために、例えば、ラベル用基材10の擬似接着層30を積層させる面に表面改質処理が施されていることが好ましい。表面改質処理としては、例えば、オゾン処理、コロナ処理及びアンカーコート処理等が挙げられる。アンカーコート処理としては、例えば、ラベル用基材10の擬似接着層30が積層される面にアンカーコート層を形成する処理が挙げられる。この場合、ラベル用基材10と擬似接着層30とをアンカーコート層を介して接着させ、擬似接着層30と支持基材20との界面で擬似接着させることが好ましい。アンカーコート層の形成に用いる材料としては、例えば、ポリエチレンイミン等が挙げられる。
棚ラベル用擬似接着シートLS3を構成するラベル用基材10、支持基材20及び擬似接着層30は、第3実施形態においてこれまで説明した事項以外について、それぞれ第1実施形態で説明したラベル用基材10、支持基材20及び擬似接着層30と同様である。
棚ラベル用擬似接着シートLS3は、第1実施形態における工程P1を実施せずに、工程P2で用いた擬似接着層材料をラベル用基材10に擬似接着層30として積層すれば、その他の点は、第1実施形態と同様にして製造できる。なお、擬似接着層30とラベル用基材10とを接着させるために、ラベル用基材10へ擬似接着層30を積層させる前に、予め、前述の表面改質処理をラベル用基材10の表面に施しておくことが好ましい。
本実施形態に係る棚ラベル用擬似接着シートLS3から得られる棚ラベル3は、商品等情報が印字されたラベル用基材10及び擬似接着層30を含む積層構造を有する。棚ラベル3は、棚ラベル用擬似接着シートLS3におけるラベル用基材10及び擬似接着層30からなる積層体51を切込みCによって区画して、擬似接着界面A2で支持基材20から剥離することで得られる。
(本実施形態の効果)
本実施形態に係る棚ラベル用擬似接着シートLS3によれば、第1実施形態と同様、意匠性に優れると共に、商品等の入れ替え時に、陳列棚100に取り付け易く、かつラベル交換し易い、棚ラベル3を製造できる。
〔実施形態の変形〕
本発明は、前記実施形態に限定されない。本発明は、本発明の目的を達成できる範囲での変形及び改良等を含むことができる。
前記実施形態では、棚ラベル用擬似接着シートに形成される棚ラベルの数が25個である場合を例に挙げて説明したが、本発明においては、棚ラベルの数は、25に限定されない。
前記実施形態では、例えば、図2に示すように、棚ラベル1同士が所定の間隔を有して配置されるように切込みCが形成されている態様を例に挙げて説明したが、本発明はこのような態様に限定されない。例えば、棚ラベルと棚ラベルとの間に間隔を設けずに、互いに隣接するように切込みを形成してもよい。複数の棚ラベル同士が隣接するように切込みを形成すれば、棚ラベル用擬似接着シートの面内により多くの棚ラベルを形成できるので、棚ラベルの製造コストを低減できる。
また、第1印字工程及び第2印字工程において5枚の棚ラベルを作製する態様を例に挙げて説明したが、本発明は、このような態様に限定されない。それぞれの印字工程においては、陳列棚へ入れ替える商品に合わせて必要な分だけ印字すればよい。
前記実施形態では、ラベル用基材及び棚ラベルの形状が矩形である場合を例に挙げて説明したが、本発明においては、ラベル用基材及び棚ラベルの形状は、矩形に限定されず、その他の多角形(三角形及び五角形等)、円形、楕円形、及び不定形等が挙げられる。
前記第3実施形態では、接着層40を有さない態様として、棚ラベル用擬似接着シートLS3を例に挙げて説明したが、接着層40を有さない他の態様としては、例えば、擬似接着層30とラベル用基材10とが擬似接着界面で擬似接着し、擬似接着層30と支持基材20とが接着した棚ラベル用擬似接着シートも挙げられる。
以下、実施例を挙げて本発明をさらに詳細に説明する。本発明はこれら実施例に何ら限定されない。
[棚ラベル用擬似接着シートの作製]
以下に示す実施例及び比較例に係るシートを作製した。シート構成は、表1及び表2にも示す。なお、いずれの実施例及び比較例においても、ラベル用基材に相当する部材は、A4サイズの部材を用いた。
(実施例1)
接着層材料としてのポリエチレン樹脂を280℃で溶融してTダイから押し出し、厚さ12μmの接着層を、ラベル用基材としてのインクジェット用紙の裏面に形成した。次に、接着層の上に、擬似接着層材料としてのポリエチレン樹脂を280℃で溶融して押出して、厚さ15μmの擬似接着層を形成した。さらに、溶融して押出した擬似接着層材料に、支持基材としての坪量80gの上質紙を貼り合わせて、棚ラベル用擬似接着シートを作製した。棚ラベル用擬似接着シートのインクジェット用紙側から、ラベル形状(縦2.5cm×横5.0cm)のサイズの切込みを入れた。
インクジェット用紙としては、坪量157g/mのNPiフォームNEXT-IJ<135>(日本製紙株式会社製)を用いた。「NPiフォーム」は、日本製紙株式会社の登録商標である。
接着層材料としてのポリエチレン樹脂には、LC605Y(日本ポリエチレン株式会社製)を用いた。
擬似接着層材料としてのポリエチレン樹脂には、LC8001(日本ポリエチレン株式会社製)を用いた。
(実施例2)
実施例1に係る棚ラベル用擬似接着シートの製造においてインクジェット用紙の裏面へオゾン処理を施し、オゾン処理後のインクジェット用紙の裏面に、擬似接着層材料としてのポリエチレン樹脂を280℃で溶融して押出して、厚さ15μmの擬似接着層を形成したこと以外は、実施例1と同様にして、実施例2に係る棚ラベル用擬似接着シートを作製した。
(実施例3)
実施例1に係る棚ラベル用擬似接着シートの製造においてインクジェット用紙に代えて、レーザープリンター用紙を用いたこと以外は、実施例1と同様にして実施例3に係る棚ラベル用擬似接着シートを作製した。
実施例3ではレーザープリンター用紙として、坪量128g/mのNPiコートEカタメン127.9G(日本製紙株式会社製)を用いた。
(実施例4)
実施例1に係る棚ラベル用擬似接着シートの製造においてインクジェット用紙に代えて、坪量128g/mのインクジェット用紙(NPiフォームIJ<110>(日本製紙株式会社製))を用いたこと以外は、実施例1と同様にして実施例4に係る棚ラベル用擬似接着シートを作製した。
(実施例5)
実施例1に係る棚ラベル用擬似接着シートの製造においてインクジェット用紙に代えて、坪量121g/mのインクジェット用紙(NPiフォームNEXT-IJα<104>)を用いたこと以外は、実施例1と同様にして実施例5に係る棚ラベル用擬似接着シートを作製した。
(実施例6)
実施例1に係る棚ラベル用擬似接着シートの製造においてインクジェット用紙に代えて、坪量156g/mのインクジェット用紙(王子エフテックス株式会社製 マシュマロCoC)を用いたこと以外は、実施例1と同様にして実施例6に係る棚ラベル用擬似接着シートを作製した。
(実施例7)
実施例1に係る棚ラベル用擬似接着シートの製造においてインクジェット用紙に代えて、坪量104g/mのインクジェット用紙(王子エフテックス株式会社製 マシュマロCoC)を用いたこと以外は、実施例1と同様にして実施例7に係る棚ラベル用擬似接着シートを作製した。
(実施例8)
実施例1に係る棚ラベル用擬似接着シートの製造においてインクジェット用紙に代えて、坪量209g/mのインクジェット用紙(王子エフテックス株式会社製 マシュマロCoC)を用いたこと以外は、実施例1と同様にして実施例8に係る棚ラベル用擬似接着シートを作製した。
(実施例9)
接着層材料としてのポリエチレン樹脂を280℃で溶融してTダイから押し出し、支持基材としての上質紙(坪量80g)の上に、厚さ12μmの接着層を形成した。次に、接着層の上に、擬似接着層材料としてのポリエチレン樹脂を280℃で溶融して押出して、厚さ15μmの擬似接着層を形成した。さらに、溶融して押出した擬似接着層材料に坪量157g/mのインクジェット用紙の裏面を貼り合わせて、棚ラベル用擬似接着シートを作製した。棚ラベル用擬似接着シートのインクジェット用紙側から、ラベル形状(縦2.5cm×横5.0cm)のサイズの切込みを入れた。
インクジェット用紙としては、NPiフォームNEXT-IJ<135>(日本製紙株式会社製)を用いた。
接着層材料としてのポリエチレン樹脂には、LC605Y(日本ポリエチレン株式会社製)を用いた。
擬似接着層材料としてのポリエチレン樹脂には、LC8001(日本ポリエチレン株式会社製)を用いた。
(比較例1)
坪量156g/mのインクジェット用紙(王子エフテックス株式会社製 マシュマロCoC)の裏面へエマルション粘着剤(トーヨーケム株式会社製 オリバインBPW6111A)を塗布した。「オリバイン」は、東洋インキSCホールディングス株式会社の登録商標である。粘着剤の塗布量は、20g/mとした。粘着剤面に剥離紙を貼り合わせ、粘着シートを作製した。粘着シートのインクジェット用紙側から、ラベル形状(縦2.5cm×横5.0cm)のサイズの切込みを入れた。
(比較例2)
坪量156g/mのインクジェット用紙(王子エフテックス株式会社製 マシュマロCoC)にラベル形状(縦2.5cm×横5.0cm)のサイズになるようにミシン目を入れ、比較例2に係るシートを得た。
(比較例3)
実施例1に係る棚ラベル用擬似接着シートの製造においてインクジェット用紙に代えて、坪量64g/mの上質紙を用いたこと以外は、実施例1と同様にして比較例3に係る棚ラベル用擬似接着シートを作製した。
Figure 0007325208000001
Figure 0007325208000002
[棚ラベル用擬似接着シート等の評価]
作製した棚ラベル用擬似接着シート等(実施例1~9に係る棚ラベル用擬似接着シート、比較例1に係る粘着シート、比較例2に係るシート及び比較例3に係る棚ラベル用擬似接着シート)について、以下の通り評価した。評価結果は、表3に示す。
(疑似接着力評価)
実施例1~8並びに比較例3に係るシートにおいては、擬似接着層と支持基材との界面で擬似接着性を示し、実施例9に係るシートにおいては、ラベル用基材と擬似接着層との界面で擬似接着性を示した。これに対し、比較例1及び比較例2に係るシートは、擬似接着性を示す構成ではない。
作製した棚ラベル用擬似接着シート等から幅50mmの試験片を作製した。試験片を次のように引張試験機で把持及び固定した。
実施例1、3~8並びに比較例3に係る棚ラベル用擬似接着シートから作製した試験片については、擬似接着層と支持基材との界面で剥離して、ラベル用基材、接着層及び擬似接着層からなる積層体を把持し、支持基材を固定した。
実施例2に係る棚ラベル用擬似接着シートから作製した試験片については、擬似接着層と支持基材との界面で剥離して、ラベル用基材及び擬似接着層からなる積層体を把持し、支持基材を固定した。
実施例9に係る棚ラベル用擬似接着シートから作製した試験片については、擬似接着層とラベル用基材との界面で剥離して、ラベル用基材を把持し、擬似接着層、接着層及び支持基材からなる積層体を固定した。
比較例1に係る粘着シートから作製した試験片については、粘着剤層と支持基材との界面で剥離して、ラベル用基材及び粘着剤層からなる積層体を把持し、支持基材を固定した。
比較例2に係るシートから作製した試験片については、擬似接着性を示す構成ではないので、擬似接着力を測定しなかった。
上記のように把持及び固定した試験片について、剥離速度:300mm/min、剥離角度:180°の条件で、試験片を擬似接着界面で剥離した。この剥離で必要とされた力(引き剥がし力)の大きさを測定し、測定された引き剥がし力を擬似接着力とした。擬似接着力の単位は、mN/50mmである。
(柔軟度)
柔軟度は、ガーレー式柔軟度試験機を用いて、TAPPIスタンダード T543pm-84に準じて測定した。柔軟度は、ラベル用基材としての紙基材のMD方向及びCD方向について、それぞれ測定した。
実施例1、3~8並びに比較例3に係る棚ラベル用擬似接着シートについては、擬似接着層と支持基材との界面で剥離して、ラベル用基材、接着層及び擬似接着層からなる積層体の柔軟度を測定した。
実施例2に係る棚ラベル用擬似接着シートについては、擬似接着層と支持基材との界面で剥離して、ラベル用基材及び擬似接着層からなる積層体の柔軟度を測定した。
実施例9に係る棚ラベル用擬似接着シートについては、擬似接着層とラベル用基材との界面で剥離して、ラベル用基材の柔軟度を測定した。
比較例1に係る粘着シートについては、粘着剤層と支持基材との界面で剥離して、ラベル用基材及び粘着剤層からなる積層体の柔軟度を測定した。
比較例2に係るシートについては、ラベル用基材の柔軟度を測定した。
なお、柔軟度は、切込みを入れずに剥離した積層体又はラベル用基材について測定した。
さらに、実施例1~9、及び比較例1~3の棚ラベル用擬似接着シート等の柔軟度を上記と同様にして測定した。
(意匠性)
作製した棚ラベル用擬似接着シート等から得た棚ラベルの外観を確認し、バリが生じていない場合を「A」と評価し、バリが生じている場合を「B」と評価した。
(作業性)
1mmの隙間を有するプラスチック製のケースに棚ラベルを挿入する際の作業性を評価した。棚ラベル用擬似接着シート等から2.5cm×5.0cmの棚ラベルを得て、プラスチックケースの幅1mmの隙間へ挿入する際の作業し易さを官能評価した。挿入し易く作業性が良好だった場合を「A」と判定し、挿入し難く作業性が低い場合を「B」と判定した。
(糊汚れ)
棚ラベル用擬似接着シート等から得た棚ラベルを陳列棚に取り付け、その後、棚ラベルを陳列棚から取外した時に、陳列棚に糊残りが生じているか目視で確認した。
(再使用性)
A4サイズの棚ラベル用擬似接着シート等から2.5cm×5.0cmのサイズの棚ラベルを5つ剥離して、棚ラベルを剥離後の棚ラベル用擬似接着シート等をプリンターの給紙トレイに挿入し、再度印刷できるかを評価した。再度印刷でき、プリンターからシートが排出された場合を「A」と判定し、給紙できなかったり、排紙できなかったり、再度印刷できなかった場合を「B」と判定した。
Figure 0007325208000003
実施例1~9に係る棚ラベル用擬似接着シートによれば、棚ラベルの構造と対応する、実施例1~8に係る積層体並びに実施例9に係るラベル用基材の柔軟度が2mN以上であったため、棚ラベルにも剛性があって、作業性が良好であった。また、実施例1~9に係る棚ラベル用擬似接着シートによれば、棚ラベルにバリが生じず意匠性に優れており、棚ラベル剥離後の棚ラベル用擬似接着シートを用いて再印刷も可能であり再使用性も優れていた。
そのため、実施例1~9に係る棚ラベル用擬似接着シートによれば、意匠性に優れると共に、商品等の入れ替え時に、陳列棚に取り付け易く、かつラベル交換し易い、棚ラベルを製造できる。
比較例1に係る粘着シートから得た棚ラベルは、ラベル用基材の裏面に粘着剤層を有するため、プラスチックケースの隙間に挿入し難く作業性が低く、陳列棚に貼り付けた場合には糊残りが生じた。
比較例2に係るシートは、ミシン目によって各棚ラベルが区分けされているため、棚ラベルをシートから切り取ると、棚ラベルにバリが生じた。バリが生じたので、プラスチックケースへ挿入し難かった。また、比較例2に係るシートから、棚ラベルを5枚切り取ると、シートサイズも小さくなり、剛性も低下するので、再使用性が低下した。
比較例3に係る棚ラベル用擬似接着シートから得た棚ラベルは、柔軟度が、1mN未満であり、剛性が低く、プラスチックケースに挿入し難く、作業性が低かった。
1…棚ラベル、10…ラベル用基材、11…ラベル用基材表面、1a…棚ラベル、2…棚ラベル、20…支持基材、3…棚ラベル、30…擬似接着層、40…接着層、50…積層体、51…積層体、A…擬似接着界面、A1…擬似接着界面、A2…擬似接着界面、LS1…棚ラベル用擬似接着シート、LS2…棚ラベル用擬似接着シート、LS3…棚ラベル用擬似接着シート。

Claims (4)

  1. 保持ケースに差し込んで使用される棚ラベルの製造に用いられる棚ラベル用擬似接着シートであって、
    ラベル用基材と、支持基材と、前記ラベル用基材及び前記支持基材の間に含まれる擬似接着層と、を有し、
    前記ラベル用基材と前記擬似接着層との間に接着層をさらに有し、
    前記ラベル用基材は、印刷可能なラベル用基材表面を有し、
    前記擬似接着層と前記接着層とが接しており、
    前記擬似接着層は、前記支持基材に擬似接着し、かつ、前記ラベル用基材に前記接着層を介して接着し、
    前記支持基材と前記擬似接着層との界面が擬似接着界面であり、
    前記擬似接着界面で前記支持基材から剥離した前記ラベル用基材、前記接着層及び前記擬似接着層を含む積層体の柔軟度は、2mN以上であり、
    前記ラベル用基材、前記接着層及び前記擬似接着層を含む積層体の柔軟度は、ガーレー式柔軟度試験機を用いてTAPPIスタンダード(T543pm-84)に準じて測定され、
    前記ラベル用基材を前記棚ラベルの形状に区画する切込みが、前記ラベル用基材表面側から、前記ラベル用基材、前記接着層及び前記擬似接着層を貫通し、かつ前記支持基材を貫通していない深さで形成され、
    前記切込みによって区画された前記ラベル用基材、前記接着層及び前記擬似接着層は、前記棚ラベルとして、前記擬似接着界面で前記支持基材から剥離可能である、
    棚ラベル用擬似接着シート。
  2. 請求項1に記載の棚ラベル用擬似接着シートにおいて、
    ガーレー式柔軟度試験機を用いてTAPPIスタンダード(T543pm-84)に準じて測定される前記棚ラベル用擬似接着シートの柔軟度は、100mN以下である、
    棚ラベル用擬似接着シート。
  3. 請求項1又は請求項に記載の棚ラベル用擬似接着シートにおいて、
    前記支持基材の坪量は、60g/m以上、350g/m以下である、
    棚ラベル用擬似接着シート。
  4. 請求項1から請求項のいずれか一項に記載の棚ラベル用擬似接着シートにおいて、
    前記擬似接着層の擬似接着力は、200mN/50mm以上、2,000mN/50mm以下である、
    棚ラベル用擬似接着シート。
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