JP7325122B2 - 光吸収素子、光吸収体、及び光吸収素子の製造方法 - Google Patents
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Description
前記渦巻構造は、基点部と、該基点部から延びている線状部とを含み、
前記基点部を通る軸を基準軸とし、該基準軸から放射状に延びる方向を径方向として、
前記線状部は、前記基準軸を回りながら、且つ、前記基点部から前記径方向の外側へ移行しながら、前記基点部から渦巻き状に延びている。
前記光吸収素子は、金属材料により形成された渦巻構造を備え、
前記渦巻構造は、基点部と、該基点部から延びている線状部とを含み、
前記基点部を通る軸を基準軸とし、該基準軸から放射状に延びる方向を径方向として、
前記線状部は、前記基準軸を回りながら、且つ、前記基点部から前記径方向の外側へ移行しながら、前記基点部から渦巻き状に延びており、
被処理体の表面に、金属材料で形成され渦巻き状のパターンを有する渦巻き金属層を形成し、該渦巻き金属層は、前記基点部に相当する基点層部と、前記線状部に相当する線状層部を含む。
(光吸収素子の構成)
図1Aは、本発明の第1実施形態による光吸収素子10の構造を示す。図1Bは、図1Aの1B-1B矢視図である。光吸収素子10は、広波長域の光を吸収する。当該広波長域は、可視光(およそ波長380nm)から遠赤外光(波長およそ1mm)までの範囲の全部もしくは一部もしくはいくつかの部分を含んでよい。例えば、当該広波長域は、可視光域の波長域(すなわち、380nm~810nm)の一部または全部を含んでよい。また、当該広波長域は、可視光域の波長域の一部または全部に加えて、又は、可視光域の波長域の一部または全部の代わりに、赤外線の波長域(810nm~1mm)の一部を更に含んでよい。ここで、赤外線の波長域の一部は、近赤外線の波長域(0.76μm~2.5μmの波長域)を含んでよい。
図2は、本発明の第1実施形態による、光吸収素子10の製造方法を示すフローチャートである。図3A~図3Jは、第1実施形態による製造方法の説明図である。
(光吸収素子の構成)
図5Aは、本発明の第1実施形態による光吸収素子10の構造を示す。図5Bは、図1Aの5B-5B矢視図である。第2実施形態による光吸収素子10において、以下で説明しない点は、第1実施形態による光吸収素子10と同じである。
図6は、本発明の第2実施形態による、光吸収素子10の製造方法を示すフローチャートである。図7A~図7Kは、第2実施形態による製造方法の説明図である。
図9Aは、本発明の実施形態による光吸収体20の構成を示す。図9Bは、図9Aの9B-9B矢視図である。光吸収体20は、多数の光吸収素子10と、これらの光吸収素子10を支持する素子支持面5aを有する。
また、以下の変更例1~9のいずれかを単独で採用してもよいし、変更例1~9の2つ以上を任意に組み合わせて採用してもよい。この場合、以下で述べない点は、上述と同じである。
図11Aと図11Bは、渦巻構造3の他の形態を示す模式図である。図11Aと図11Bは、光吸収素子10を、基準軸Cの方向から見た図である。
図11Cは、渦巻構造3の他の形態を示す模式図である。図11Cは、光吸収素子10を、基準軸Cの方向から見た図である。
本発明の実施形態による光吸収体20について、その素子支持面5a(支持体5の表面5a)への直線偏光の入射角を変化させ、この直線偏光の偏光方向を変えながら、光吸収体20の光吸収率を測定した。測定結果によると、光の入射角と偏光方向によらず、入射光の各波長において、光の吸収率は一定であった。
図1Aと図5Aでは、渦巻構造3と、グラウンドとしての金属層7又は金属層21とは、互いに分離しているが、渦巻構造3の線状部3bの一部(例えば基点部3a側と反対側の先端部)が金属層7に接触していてもよい。
図12は、光吸収体20の他の形態を示す図である。上述した図9Aにおいて、支持体5と、支持体5の素子支持面5a上に配置された多数の光吸収素子10を1組の光吸収構成とする。この場合に、複数組の光吸収構成を、図12のように積層したものを光吸収体20としてもよい。図12において、基体部5cは透明な材料で形成されていてよい。このように複数組(例えば多数組)の構成を積層することにより、光吸収体20の光吸収率を更に高めることができる。
[変更例6]
図5Aと図9Aにおいて、周辺金属層部7aは、表面5aの全体に広がっていなくてもよく、渦巻構造3の近傍においてのみ存在していてもよい。
また、図7Hにおいて、金属層21は、基板19の表面全体に広がっていなくてもよく、渦巻構造3の近傍においてのみ存在していてもよい。
図1Aや図5Aでは、線状部3bは、基点部3aから延びる過程で、基準軸Cを回りながら、次第に支持体5の表面5aに近づいていったが、本発明は、これに限定されない。例えば、線状部3bは、基点部3aから延びる過程で、基準軸Cを回りながら、次第に支持体5の表面5aから離れていってもよい。例えば、被処理体5A又は5Bの表面5aを鉛直下方に向けた状態で、ステップS3又はS300を行うことにより、線状部3bは、重力で、基点部3aから延びる過程で、基準軸Cを回りながら、次第に表面5aから離れるようになる。
上述の光吸収体20において、各光吸収素子10の渦巻構造3は、互いに同じ径方向寸法を有していた。しかし、素子支持面5a上に配置される多数の渦巻構造3の径方向寸法には、複数種類が存在していてもよい。この構成で、より広範囲の波長域の光を吸収できることが期待される。
第1実施形態において、光吸収素子10の基点部3aと線状部3bは、被処理体5A(支持体5)に結合された状態にあってもよい。例えば、上述の第1実施形態の製造方法において、ステップS3~S5を省略し、図3Eと図3Fに示す構造が本発明による光吸収素子であってもよい。この場合、図3Eと図3Fにおいて、渦巻き金属層15は、本発明による光吸収素子の渦巻構造を成す。すなわち、渦巻き金属層15の基点層部15aは、当該渦巻構造の基点部を成し、渦巻き金属層15の線状層部15bは、当該渦巻構造の線状部を成す。
3a 基点部
3b 線状部
5 支持体
5a 表面(素子支持面)
5b 突出部
5c 基体部
7 金属層
7a 渦巻き金属層部
7b 周辺金属層部
8 保護層
5A,5B 被処理体(基板)
10 光吸収素子
11 レジスト層
13 渦巻き溝
15 渦巻き金属層(第2の金属層)
15a 基点層部
15b 線状層部
16 金属層(第2の金属層)
17 保護層
19 基板(非金属層)
20 光吸収体
21 金属層(第1の金属層)
23 犠牲槽
30 光学機器
30a 対象面
41 不連続箇所
C 基準軸
Claims (20)
- 光を吸収するための光吸収素子であって、
金属材料により形成された渦巻構造と、
当該渦巻構造を支持する支持体と、を備え、
前記渦巻構造は、基点部と、該基点部から延びている線状部とを含み、
前記基点部を通る軸を基準軸とし、該基準軸から放射状に延びる方向を径方向として、
前記線状部は、前記基準軸を回りながら、且つ、前記基点部から前記径方向の外側へ移行しながら、前記基点部から渦巻き状に延びており、
前記支持体は、前記基準軸と平行な軸方向に前記基点部から離間している表面と、当該表面から突出して前記基点部に結合している突出部とを有し、
前記突出部における前記表面側の部分において、前記表面に沿った方向における当該部分の寸法は、前記基点部側へ移行するにつれて小さくなっている、光吸収素子。 - 光を吸収するための光吸収素子であって、
金属材料により形成された渦巻構造と、
当該渦巻構造を支持する支持体と、を備え、
前記渦巻構造は、基点部と、該基点部から延びている線状部とを含み、
前記基点部を通る軸を基準軸とし、該基準軸から放射状に延びる方向を径方向として、
前記線状部は、前記基準軸を回りながら、且つ、前記基点部から前記径方向の外側へ移行しながら、前記基点部から渦巻き状に延びており、
前記支持体は、前記基準軸と平行な軸方向に前記基点部から離間している表面と、当該表面から突出して前記基点部に結合している突出部とを有し、
前記基点部は、前記表面の側を向く面を有し、当該面は、前記基点部と前記突出部との結合箇所を囲むように当該結合箇所から前記径方向の外側に延びている、光吸収素子。 - 光を吸収するための光吸収素子であって、
金属材料により形成された渦巻構造と、
当該渦巻構造を支持する支持体と、を備え、
前記渦巻構造は、基点部と、該基点部から延びている線状部とを含み、
前記基点部を通る軸を基準軸とし、該基準軸から放射状に延びる方向を径方向として、
前記線状部は、前記基準軸を回りながら、且つ、前記基点部から前記径方向の外側へ移行しながら、前記基点部から渦巻き状に延びており、
前記線状部は、前記基点部との結合位置から先端まで不連続的に延びている、光吸収素子。 - 前記線状部は、前記基準軸を回りながら、且つ、前記基点部から前記径方向の外側および前記軸方向へ移行しながら、前記基点部から渦巻き状に延びている、請求項1又は2に記載の光吸収素子。
- 前記基点部の径方向寸法は、前記線状部の前記径方向の太さよりも大きい、請求項1~3のいずれか一項に記載の光吸収素子。
- 前記渦巻構造は渦巻き透明層を有し、前記線状部は、当該渦巻き透明層上に形成されており、
前記光吸収素子は、前記渦巻構造を支持する支持体を備え、
前記基準軸と平行な方向を軸方向として、
該支持体は、前記線状部及び前記渦巻き透明層から前記軸方向に離間している表面と、該表面から突出して前記基点部に結合している突出部とを有する、請求項3に記載の光吸収素子。 - 前記支持体の前記表面の全体が、金属材料で形成されている、請求項1、2、又は6に記載の光吸収素子。
- 前記光吸収素子は、380nmから1mmまでの範囲の全部もしくは一部もしくはいくつかの部分を含む波長域の光を吸収する、請求項1~7のいずれか一項に記載の光吸収素子。
- 前記光吸収素子は、可視光から遠赤外光までの範囲の全部もしくは一部もしくはいくつかの部分を含む波長域の光を吸収する、請求項1~7のいずれか一項に記載の光吸収素子。
- 請求項1~9のいずれか一項に記載の光吸収素子と、
前記光吸収素子を支持する素子支持面と、を有し、
前記素子支持面には、多数の前記光吸収素子が配置されている、光吸収体。 - 光を吸収するための光吸収素子と、前記光吸収素子を支持する素子支持面と、を有する光吸収体であって、
前記光吸収素子は、金属材料により形成された渦巻構造を備え、
前記渦巻構造は、基点部と、該基点部から延びている線状部とを含み、
前記基点部を通る軸を基準軸とし、該基準軸から放射状に延びる方向を径方向として、
前記線状部は、前記基準軸を回りながら、且つ、前記基点部から前記径方向の外側へ移行しながら、前記基点部から渦巻き状に延びており、
前記素子支持面には、多数の前記光吸収素子が配置されており、
前記光吸収体は、光学機器において光の反射または迷光を抑制するための黒色面を形成している、光吸収体。 - 請求項1又は2に記載の光吸収素子と、前記光吸収素子を支持する素子支持面と、を有する光吸収体であって、
前記素子支持面には、多数の前記光吸収素子が配置されており、
前記素子支持面は、各前記支持体の前記表面を形成しており、
前記光吸収体は、連続する広波長域の光を80%以上の吸収率で吸収し、当該広波長域の幅は、500nm以上、1000nm以上、1500nm以上、2000nm以上、又は2500nm以上である、光吸収体。 - 前記光吸収素子は、380nmから1mmまでの範囲の全部もしくは一部もしくはいくつかの部分を含む波長域の光を吸収する、請求項12に記載の光吸収体。
- 前記光吸収素子は、可視光から遠赤外光までの範囲の全部もしくは一部もしくはいくつかの部分を含む波長域の光を吸収する、請求項12に記載の光吸収体。
- 光を吸収するための光吸収素子の製造方法であって、
前記光吸収素子は、金属材料により形成された渦巻構造を備え、
前記渦巻構造は、基点部と、該基点部から延びている線状部とを含み、
前記基点部を通る軸を基準軸とし、該基準軸から放射状に延びる方向を径方向として、
前記線状部は、前記基準軸を回りながら、且つ、前記基点部から前記径方向の外側へ移行しながら、前記基点部から渦巻き状に延びており、
(A)被処理体の表面に、金属材料で形成され渦巻き状のパターンを有する渦巻き金属層を形成し、該渦巻き金属層は、前記基点部に相当する基点層部と、前記線状部に相当する線状層部を含み、
(B)前記(A)の後、前記被処理体の前記表面のうち露出面を等方的に除去していくエッチング処理を行うことにより、前記被処理体において、前記線状層部から、前記基準軸と平行な軸方向に離間している新たな表面と、該表面から突出して前記基点層部に結合された突出部を形成する、光吸収素子の製造方法。 - 光を吸収するための光吸収素子の製造方法であって、
前記光吸収素子は、金属材料により形成された渦巻構造を備え、
前記渦巻構造は、基点部と、該基点部から延びている線状部とを含み、
前記基点部を通る軸を基準軸とし、該基準軸から放射状に延びる方向を径方向として、
前記線状部は、前記基準軸を回りながら、且つ、前記基点部から前記径方向の外側へ移行しながら、前記基点部から渦巻き状に延びており、
(A)被処理体の表面に、金属材料で形成され渦巻き状のパターンを有する渦巻き金属層を形成し、該渦巻き金属層は、前記基点部に相当する基点層部と、前記線状部に相当する線状層部を含み、
前記(A)では、
(A1)前記被処理体の表面に、レジスト層を形成し、
(A2)前記レジスト層の表面に、渦巻きパターンで電子ビームを照射し、
(A3)現像液により、レジスト層において電子ビームが当てられた渦巻きパターンの部分を溶解させ、これにより、前記渦巻きパターンの溝を形成し、
(A4)前記溝の底面と残存する前記レジスト層の表面に、金属層を形成し、
(A5)残っている前記レジスト層を溶かすことにより、前記渦巻きパターンの前記金属層を前記渦巻き金属層として形成する、光吸収素子の製造方法。 - 前記被処理体は、第1の金属層と該金属層上に形成された犠牲槽を有し、
前記(A)では、
(a1)前記犠牲槽の表面に、レジスト層を形成し、
(a2)前記レジスト層の表面に、渦巻きパターンで電子ビームを照射し、
(a3)現像液により、レジスト層において電子ビームが当てられた渦巻きパターンの部分を溶解させ、これにより、前記渦巻きパターンの溝を形成し、
(a4)前記溝の底面と残存する前記レジスト層の表面に、第2の金属層を形成し、
(a5)残っている前記レジスト層を溶かすことにより、前記渦巻きパターンの前記第2の金属層を前記渦巻き金属層として形成し、
前記(B)における前記新たな表面は、前記第1の金属層の表面である、請求項15に記載の光吸収素子の製造方法。 - 前記被処理体は、非金属材料で形成された基板である、請求項16に記載の光吸収素子の製造方法。
- 前記光吸収素子は、380nmから1mmまでの範囲の全部もしくは一部もしくはいくつかの部分を含む波長域の光を吸収する、請求項15~18のいずれか一項に記載の光吸収素子の製造方法。
- 前記光吸収素子は、可視光から遠赤外光までの範囲の全部もしくは一部もしくはいくつかの部分を含む波長域の光を吸収する、請求項15~18のいずれか一項に記載の光吸収素子の製造方法。
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