JP7325080B2 - 接合手段及び部材の接合方法 - Google Patents

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Description

本発明は、複数の部材を接合する接合手段、特に、二つの被接合部材同士を接合面に垂直の方向に接近させて互いを接合するのに適した接合手段に関する。
特許文献1には、一方の部材に固定され押し棒を有する雌窯と、他方の部材に固定され割れ目を有する雄ピンとにより構成される継手が記載されている。この継手では、雄ピンの内部に設けられた楔を押し棒が押し込むことにより雄ピンが押し広げられて雌窯の内面に押しつけられて固定されるように構成されている(特許文献1の段落0031~0033、図2)。又、特許文献1には、上記と同様の構成であるが楔を押し棒の先端に設けた継手も記載されている(特許文献1の段落0043、図5)。
特許文献2には、一方の部材に固定され挿入孔を有する雌部材と、他方の部材に固定され切断線を有する雄部材とにより構成される継手が記載されている。この継手では、雄部材の先端に円錐体をセットした状態で挿入口に押し込むと円錐体の先端が雌部材の天板により押圧されることにより円錐体が雄部材を押し広げる。雄部材は円錐体と雌部材の内面の間に摩擦により固定される(特許文献2の段落0008、0010、図4)。
特開2010-236348号公報 特開2015-172320号公報 特開2009-114746号公報
特許文献1に記載された傾斜したボルトによる継手では、二つの部材が正確に位置決めされた状態を維持しながらボルトの締結をしなければならず、施工が煩雑であるという問題があった。又、形状が複雑で製造コストが高いという問題があった。
特許文献2、3に記載された継手を用いると、二つの部材の接合面を対向させた状態から接合面と垂直方向に動かすことで二つの部材を接合することができるから、傾斜したボルトを用いた場合に比べると施工性が良い。しかし、形状が複雑で製造コストが高いという問題があった。
また、特許文献2、3に記載された継手は、雌部材の内側で雄部材の一部が広げられることで、雄部材が雌部材から分離不可となる構造となっているが、このような構造では雄部材と雌部材との互いの軸心が不一致になっている偏心の状態や、雄部材の軸心が雌部材の軸心に対して傾斜した偏角の状態で、雄部材が雌部材に挿入される場合、挿入不可となったり、雄部材に想定していない曲げ負荷が掛かって屈曲したり、折損したりする虞があり、適切な接合状態を得ることができないという問題があった。
そこで、本発明では、接合荷重が小さく施工性が良好で低コストにして製造性に優れると共に、偏心や偏角等の挿入位置ズレを吸収して適切な接合状態を得ることができる接合手段等を提供することを目的とする。
上記課題を解決するための本発明の接合手段は、受容部材と、上記受容部材に挿入される挿入部材とを具える接合手段であって、上記挿入部材は、上記受容空間に挿入される挿入部と、該挿入部の外側に設けられる挿入係合部とを有し、上記受容部材は、上記挿入部材を挿入可能な開口部と、該開口部に連通した受容空間と、上記受容空間内に配設され、上記挿入部が挿入可能で且つ内側に上記挿入係合部と係合可能な内側係合部を設けた係合体と、を有し、上記受容空間内で、上記係合体の傾きを案内する案内部を構成し、上記挿入係合部と、上記内側係合部とは、上記挿入部材の挿入方向に対して略垂直な方向に、所定の干渉量を有する関係に設定され、上記受容部材に上記挿入部材が挿入された際、上記係合体の一部又は全体が変位及び/又は変形して上記係合体の内部に上記挿入部を挿入可能とし、上記挿入部が所定の位置まで挿入された状態では上記内側係合部と上記挿入係合部とが係合することを特徴とする。
また、本発明の接合手段は、前記受容部材が前記挿入部材の外径よりも大径で、且つ前記係合体の外周径の曲率半径よりも小径である前記開口部を画成する内フランジ部を有し、前記案内部は、上記内フランジ部の前記係合体と対向して略球面状を成す座面と、前記係合体の上記内フランジ部と対向して上記内フランジ部の座面に略沿う略球面状を成す端面とで構成されることを特徴とする。
また、本発明の接合手段は、前記受容部材が前記挿入部材の外径よりも大径で、且つ前記係合体の外周径の曲率半径よりも小径である前記開口部を画成する内フランジ部を有し、前記係合体と上記内フランジ部との間に、一つ以上の調整部材を配設し、上記調整部材と前記係合体との間、又は上記調整部材と上記内フランジ部との間に前記案内部を構成することを特徴とする。
また、本発明の接合手段は、前記案内部が前記内フランジ部の前記部材と対向する略球面状を成すフランジ側球面と、前記調整部材の前記内フランジ部と対向する上記フランジ側球面に略沿う略球面状を成す部材側球面とで構成されることを特徴とする。
また、本発明の接合手段は、前記案内部が前記調整部材の前記係合体と対向して略球面状を成す部材側球面と、前記係合体の前記調整部材と対向して前記部材側球面に略沿う略球面状を成す係合体側球面とで構成されることを特徴とする。
また、本発明の接合手段は、前記調整部材として、前記内フランジ部側に位置する第一調整部材と、前記係合体側に位置する第二調整部材とを配設し、上記第一調整部材は、上記第二調整部材と対向する面が略球面状を成し、上記第二調整部材は、前記係合体に対向する一方の面がテーパ状を成し、上記第一調整部材に対向する他方の面が、上記第一調整部材の面に略沿った略球面状を成すことを特徴とする。
また、本発明の接合手段は、前記調整部材として、前記内フランジ部側に位置する第一調整部材と、前記係合体側に位置する第二調整部材とを配設し、上記第一調整部材は、上記内フランジ部と対向する面が略球面状を成し、上記第二調整部材は、前記係合体に対向する一方の面がテーパ状を成すことを特徴とする。
また、本発明の接合手段は、前記係合体が前記第二調整部材の前記テーパ状を成す面に重なり得るテーパ状の端面を有することを特徴とする。
また、本発明の接合手段は、前記係合体が軸方向に複数に分割された分割体から成ることを特徴とする。
また、本発明の接合手段は、複数の前記分割体を径方向に付勢することにより、前記係合体を拡径可能に保持する付勢手段を有することを特徴とする。
また、本発明の接合手段は、前記付勢手段が複数の分割体を径方向及び/又は軸方向に付勢することにより前記係合体を拡径可能に位置規制することを特徴とする。
また、本発明の接合手段は、前記付勢手段が前記分割体の、該付勢手段の軸方向に略沿った相対位置を規制する規制部を有することを特徴とする。
また、本発明の接合手段は、前記受容部材が前記係合体を径方向に所定の偏心間隙量だけ偏心自在に収容可能な径の前記受容空間を有することを特徴とする。
また、本発明の部材の接合方法は、前記何れかの接合手段を用いることを特徴とする。
本発明によれば、著しく低コストで製造可能で且つ極低荷重で接合可能でありながら高荷重の引き抜き強度を発現でき、偏心や偏角等の挿入位置ズレを吸収可能で、施工性の良好な接合手段及び部材の接合方法を提供することができる。
本実施形態の継手を示す図である。 本実施形態の継手を示す断面図である。 受容部材の構成を示す図である。 囲繞部の端面を示す図である。 係合体を示す断面図である。 巻きバネを示す図である。 係合体を構成している分割体を示す図である。 傾斜追従板を示す図である。 継手による部材の接合方法を示す図である。 継手により接合した部材を示す図である。 係合体の変位を示す図である。 挿入部材の傾斜に追従して傾斜する係合体を示す図である。 他の係合体を示す図である。 係合体及び傾斜追従板を示す図である。 係合体及び傾斜追従板を示す図である。 係合体、拡径防止板、傾斜追従板を示す図である。 係合体の拡径を防止し得る傾斜追従板を示す図である。 係合体、拡径防止板、傾斜追従板を示す図である。 本発明のシールドへの適用例を示す図である。 本発明の木製品への適用例を示す図である。 係合部を軸方向に付勢するばね部材を示す図である。 規制部を有する巻きバネを巻き付けた係合体を示す図である。
次に本実施形態に係る継手1について説明する。図1は本実施形態の継手1を示す図、図2は本実施形態の継手1を示す断面図である。継手1は第一部材に埋設される受容部材10と、第二部材に埋設される挿入部材20とを備えている。受容部材10の内部には、受容空間13が設けられ、受容空間13の接合面側は円形の開口部15となっている。挿入部材20は開口部15から受容部材10に挿入され、受容部材10に対して挿入部材20が抜け出さないように係合され固定される。
なお、受容部材10と挿入部材20の材料は、所望の強度、製造コスト、第一部材と第二部材が使用される環境条件等に応じて種々のものを使用することができ、例えば、金属、合成樹脂、木、紙、ガラス、セラミックス、ゴムなど適宜の材料を用いて適宜の製造方法で形成することが可能である。
図3は受容部材10の構成を示す図であり、受容部材10は、囲繞部11と端部部材12を有し、接合面側の端面が接合面101aと一致するように全体が第一部材101に埋設される。
挿入部材20は、受容空間13に挿入される挿入部22と、挿入部22に接合される連接部24とを有する。
受容部材10の囲繞部11は、円柱状の受容空間13を有する筒体により成る。囲繞部11は、接合面101a側に開口部15を有し、開口部15に対し軸方向反対側の他端部の内周面に雌ねじ部11aを有する。囲繞部11の一端には、径方向内側に突出する内フランジ部16が設けられ、内フランジ部16によって開口部15の大きさが画定される。
ここでは、開口部15は、挿入部22を挿通可能な大きさに形成される。より具体的には、開口部15は、内周径Daが受容空間13の内周径Dbよりも小さく、挿入部22の外径Dcよりも大きくなるように設定される。また開口部15の内周径Daは、後述する係合体30の外周径の曲率半径よりも小径に設定される。
これにより挿入部材20の挿入部22は、開口部15を介して受容空間13に挿入することが可能となる。
囲繞部11の内部には、略円筒形状の係合体30と傾斜追従板40とが遊嵌される。即ち、囲繞部11の受容空間13には、係合体30と傾斜追従板(調整部材)40とが配設されており、このとき傾斜追従板40は、内フランジ部16と係合体30との間に配される。
端部部材12は、囲繞部11とは別体のアンカーや鉄筋等の部材であって、囲繞部11に対して着脱自在にねじ嵌合される。即ち、端部部材12は、一端側に雄ねじ加工された雄ねじ部12aを有し、囲繞部11の雌ねじ部11aにねじ嵌合される。端部部材12を囲繞部11に接合することで、受容空間13の接合面から遠い側である奥側が端部部材12によって閉塞され、端部部材12の一端面が受容空間13の端面を形成する。
挿入部材20の挿入部22は、断面円形形状を有し、外周面(外側)に挿入係合部26を有する。挿入係合部26は、その外周面に軸方向に垂直な係合面と、先端側に向かって縮径するように傾斜した傾斜面が繰り返し形成され係合面部とによって構成される。即ち挿入係合部26は、軸方向に沿う断面形状が三角形で挿入部22の外周面から突出する形状を有する。また挿入係合部26は、挿入部22の軸方向に間隔をあけずに複数、周方向には全周に亘って設けられている。
挿入部22の先端は、挿入案内用の傾斜面22aを有する円錐台形状に加工されており、挿入部材20を螺進させるための工具である例えば六角レンチが挿入される孔部28が先端中央に設けられている。勿論、挿入部22と連接部24は一体に形成して一部材としてもよく、別体で形成しておいて溶接等によって一体的に設けてもよい。
連接部24は、挿入部22とは別体のアンカーや鉄筋等の部材であって、挿入部22側の端部に雌ねじ孔を有しており、第二部材102に埋設される。また連接部24は、挿入部22に対して着脱可能にねじ嵌合される。即ち、連接部24の雌ねじ孔に、雄ねじ加工された挿入部22の一端部がねじ嵌合される。また、挿入部材20は、連接部24を埋設した際、挿入部22が接合面102aから突出するように配設される。
囲繞部11の開口部15は、螺合により連結される端部部材12と囲繞部11の軸心位置を中心とする円形に形成される。また、開口部15の周囲には、挿入される挿入部材20の先端部を中心方向に案内するための円錐状のガイド面18が設けられている。
囲繞部11の内フランジ部16は、囲繞部11の周壁に対して略垂直に設けられるが、周壁と連続するコーナー部を直角に立ち上げたコーナー部には応力が集中するので、コーナー部を曲面で連続させることにより、コーナー部に集中する応力を分散させて耐久性の向上を図るようにしている。勿論、これに限らず、内フランジ部16をテーパ状に形成して、内周面が略円錐状、或いは凸状、凹状等の湾曲状の形態を成すように構成してもよい。
内フランジ部16は、囲繞部11の軸方向に沿った受容空間13側に略球面状の案内面(座面)16aを具える。また、内フランジ部16には、図4に示す平面視において、端部部材12に対して螺合により連結される囲繞部11を螺進させるための工具を挿入可能な係合凹状部315が開口部15から外周に向かって放射状に形成されている。係合凹状部315は、囲繞部11等をコンクリートに埋設する作業時に、型枠内で生コンを流したときに係合凹状部315内に流入するのを防止するために、外周縁まで連通していない溝又は孔とするのがよい。
図5は係合体を示す断面図であり、係合体30は、それぞれ断面が扇形状の三個の分割体321を巻きバネ(付勢部材)34により外周側を弾発的に押圧して位置規制することにより一体化した略円筒形状の筒体から成る。係合体30の軸方向の両端面の形状は、平面形状である。また係合体30の内周面(内側)には、挿入係合部26と係合可能な内側係合部32が設けられている。
巻きバネ34は、三個の分割体321を周方向に並べて成る円筒の外径よりも小さな内径の略円筒形状に形成されており、弾発力に抗して拡径された状態で三個の分割体321が収納配置されることにより、三個の分割体321に巻設状態に配置される。尚、拡径時にのみ弾発的な付勢力が作用するように構成する場合には、三個の分割体321の外径と巻きバネ34の外径は、概ね一致する設定としてもよい。
巻きバネ34は、例えば、図6(A)の端面図、図6(B)の側面図に示すように、板状のバネ材を側縁部がオーバラップするように円筒形状に湾曲させてなり、一方の側縁部を内向きに折り曲げた係止片36を有している。なお、巻きバネ34は、分割体321に巻き付けた際に側縁部がオーバラップすると、間隙が異径化してしまう上、分割体321の外周に作用する押圧力のバランスが悪化する。従って巻きバネ34は、分割体321に巻き付けた状態では図5に示すように拡径して端部が重ならないようにしてある。
巻きバネ34が巻き付けられた三個の分割体321は、係止片36により周回方向に位置規制された状態で外周側が弾発的に押圧され位置規制され、巻きバネ34の弾発力に抗して拡径可能に一体化された略円筒形状の筒体からなる係合体30を構成する。
ここで、係合体30を構成する三個の分割体321は、図7(A)の端面図、図7(B)の横断面図に示すように、基本的に中心角が略120°の扇形の断面形状を有するものであって、周方向に円筒が三分割された構成であるが、これに限定されるものではなく、二分割であっても、四以上に分割されていてもよい。なおここでの分割体321は、係止片36の厚みt相当分だけ円周方向の長さを短く設定、即ち縮寸している。
係止片36の厚みt相当分の縮寸量は、図5に示す係合体30では、三個の分割体321の内の一つだけ縮寸されるようにしている。厚みt相当分の縮寸量を等分に分配して三個の分割体321を全て縮寸することにより、中心角を一致させるようにしても良い。
板状のバネ材を側縁部を全長に亘って折り曲げた係止片36を採用する場合には、三個の分割体321の内の少なくとも一個の中心角を120°よりも小さくする必要があるが、板状のバネ材の側縁部の全長の一部分を折り曲げた係止片36とすれば、係止片36による周回り方向の位置規制機能を確保することができる。この場合、少なくとも一個以上の分割体321に係止片36に対応する溝を形成すればよく、三個の分割体321の全てを基本的な中心角が120°の扇形の断面形状を有するものとすることができる。勿論、巻きバネ34の周方向の端部の係止片36は、必ずしも設ける必要はなく、設けない場合には、巻きバネ34に対する分割体の配置の位相決めがやや困難になるが、分割体321の中心角は120°に設定することも可能である。
巻きバネ34を巻き付けることで一体化して係合体30となる三個の分割体321は、内側係合部32を構成するための、係合面部321Aを有する。係合面部321Aは、挿入部材20の挿入部22の外形に略一致し、各係合面部321Aが組み合わせたとき、各係合面部321Aによって囲繞された空間が収容空間321Bとして形成される。係合面部321Aは、軸方向に垂直な係合面と、接合面側から奥側に向かって縮径するように傾斜した傾斜面とを繰り返し配設して形成される。
図8は傾斜追従板40を示す図であり、図8(A)は側断面図、図8(B)は端面図である。傾斜追従板40は、剛性を有する円形の板であって中央部に挿通孔42を有している。挿通孔42は、挿入部材20を必要十分な間隙を以って挿通可能な大きさで開口する。傾斜追従板40の外径は、開口部15の内周径Daよりも大きく設定される。傾斜追従板40は、受容空間13内において、係合体30と内フランジ部16との間に配設される。
また、傾斜追従板40は、係合体30に対向する一端面を平面とし、内フランジ部16に対向する他端面を略球面状の球面40aとする。また、球面40aは、内フランジ部16の案内面16aに相当する曲率半径、或いは案内面16aよりも大きい曲率半径の球面とする。
図2に戻って、囲繞部11は、受容空間13内に係合体30及び傾斜追従板40を収納した状態で端部部材12に対して螺合される。係合体30及び傾斜追従板40は、外径が開口部15の内周径Daよりも大きく設定される。これにより、係合体30及び傾斜追従板40は、軸方向に端部部材12と内フランジ部16との間で所定の変位量で変位し得るように収納される。
また、係合体30及び傾斜追従板40は、互いに平面状の端面同士を当接させて受容空間13内に収納され、受容空間13は、少なくとも傾斜追従板40が案内面16aに沿って摺動し得、且つ球面40aが案内面16aに当接する状態を維持し得るように、軸直交方向(径方向)の傾斜追従板40に対する間隙の大きさが設定される。
また、係合体30は、その外径よりも大きな内周径Dbの受容空間13に収納されているため、受容空間13内で軸直交方向に移動自在即ち偏心自在に配設される。また係合体30は、傾斜追従板40に対して平面状の端面同士を摺接させて配設されており、傾斜追従板40に当接する状態を維持しながら、端面に沿った方向に摺動し得る。
係合体30は、収容空間321Bの開口に、挿入部22の軸心を係合体30の軸心と一致するように挿入部22の径方向位置を案内するセンタリング案内用の、挿入方向に向かって縮径する案内面(傾斜面30a)を有するものとする。これにより、挿入部22の挿入により、挿入部22の軸心と係合部30の軸心とが自発的に一致し、挿入部材20の挿入位置誤差を吸収し得るように構成されている。ここで、係合体30の案内面は、挿入の向きに沿って縮径する円錐状の傾斜面30aを成すように設けられているが、特に限定されるものではなく、例えば、湾曲した傾斜を成すものであってもよい。
次に図9を参照して、継手1による部材の接合方法について説明する。ここでは受容部材10が埋設された既設の第一部材101に、挿入部材20が埋設された第二部材102を接合するものとして説明する。
まず図9(A)に示すように、第一部材101の接合面101aと第二部材102の接合面102aが平行で、且つ受容部材10の軸心と挿入部材20の軸心とがほぼ一致するように配置する。
第二部材102を図9(B)の矢印Aに示す接合面101a、102aに垂直な方向に移動させ、挿入部材20の挿入部22を開口部15を介し、係合体30の収容空間321Bに挿入する。
係合体30は、巻きバネ34が巻き付けられた三個の分割体321により、巻きバネ34の弾発力に抗して拡径可能に一体化された円筒形状の筒体として構成されるので、挿入部材20の挿入部22が係合体30の収容空間321B内に挿入されることで拡径する。即ち、巻きバネ34の弾発力による弾発的な締め付け力によって位置規制される上記三個の分割体321は、挿入部材20の挿入部22が係合体30の収容空間321Bに挿入されると、内側係合部32の係合面部321Aが挿入係合部26の係合面部と干渉することにより、巻きバネ34の弾発力による弾発的な締め付け力に抗して移動する。これにより係合体30は、拡径した状態になる。また、挿入係合部26の係合面部の頂点が内側係合部32の係合面部321Aの頂点を超え、互いの凹凸同士が嵌ったとき、挿入係合部26と内側係合部32との干渉が解除されるので、三個の分割体321が巻きバネ34によって弾発的な締付け力により戻り、係合体30は、縮径した状態になる。
即ち、挿入係合部26は、挿入部22の外周面から突出する長さに相当する干渉量で、内側係合部32に対して干渉するが、係合体30を成す三個の分割体321の内の一個又は全てが変位することで、係合体30の内部に挿入可能となる。
このように、上記三個の分割体321Aは、上記巻きバネ34の弾発力による弾発的な締め付け力により戻って縮径した状態になる。その結果、図10に示すように、挿入部材20の挿入部22の先端を係合体30の収容空間321Bの奥の終端位置まで極めて小さな挿入荷重(例えば、0.3kN以下)によって容易に挿入することができる。
係合体30に挿入された挿入部22は、挿入係合部26の軸方向に垂直な係合面が係合体30の軸方向に垂直な係合面に当接して軸方向に係合し、係合体30に対して引き抜き不可の状態となる。即ち、挿入部材20に対して引き抜き方向の力が付加されても、挿入係合部26の係合面と、係合体30の係合面とが当接、係合して挿入部材20の係合体30からの引き抜きが規制される。
このように、継手1によれば、受容部材10が埋設された第一部材101の接合面101aと挿入部材20が埋設された第二部材102の接合面102aが対向するように配置し、両部材を接合面に垂直な方向に相対的に移動し、接合面101aと接合面102aを当接させるだけで容易に第一部材101と第二部材102を接合することができる。
また、収容空間321Bの奥の終端位置まで先端が挿入された挿入部材20の挿入部22は、係合体30が巻きバネ34の弾発力により外周面が弾発的に位置規制された縮径状態となることにより、挿入係合部26が係合体30の係合面部321Aに確実に係合される。
また、囲繞部11の受容空間13内には、係合体30が径方向に移動自在即ち偏心自在に配設されるので、係合体30は、傾斜面30aが挿入部材20の先端部の挿入に伴い、その軸心が挿入部材20の軸心と一致する径方向の位置が案内される。即ち、挿入部22の先端に設けられた傾斜面22aと係合体30の傾斜面30aとが接触することで、係合体30は、その傾斜面30aが傾斜面22aに案内され、挿入部材20に対して軸心が一致するように径方向に移動し得る。
例えば、図11(A)に示すように係合体30が受容空間13内で左端に寄っている場合に挿入部22を挿入したとき、図11(B)に示す受容空間13の右側において、挿入部22の先端の傾斜面22aと係合体30の傾斜面30aとが接触する。結果、係合体30は、挿入部22の進入に伴い、傾斜面30aが傾斜面22によって押圧され、軸心が挿入部22の軸心と一致する向きに押圧され移動する。従って係合体30は、挿入部材20に対して互いの軸心が不一致である偏心の状態であっても偏心が吸収され、図11(C)に示すように、挿入部22と軸心を一致させた位置に移動する。
受容部材10における囲繞部11は、内フランジ部16の係合凹状部315に工具を係合させ、端部部材12の軸心回りの順方向に囲繞部11を回転させることにより螺進させて、端部部材12に螺合することができる。
また、受容空間13内に係合体30を収納した状態で、端部部材12に螺合される囲繞部11は、係合凹状部315に工具を係合させ、端部部材12の軸心回り逆方向に囲繞部11を回転させることにより螺退させて端部部材12から、取り外すこともできる。
上記のように、囲繞部11を端部部材12から取り外し可能とすることで、工事現場や工場等において、受容部材10をプレキャストによるコンクリート体に埋設した後で、囲繞部11内に収納した係合体30が破損していた場合や逆向に配設されていた場合等の不具合が発見された場合にも、内フランジ部16の外表面が、挿入部材20の挿入完了前であれば、露出しているので、挿入部材20の挿入作業を中止して、受容部材10における囲繞部11を端部部材12から取り外して、係合体30を交換するなどの対策をとることができる。
なお、放射状に形成された係合凹状部315に代えて、内フランジ部16の開口部15の回りに同心円上に複数の係合凹状部を半径方向に分散させて設けるようにしてもよい。又、係合凹状部の代わりに溝や丸い穴等の工具に適合した各種形状の凹部を設けるようにしても良い。
また、内フランジ部16と係合体30との間に傾斜追従板40を配設したことで、係合体30が傾斜追従板40と共に受容空間内で軸心に対して傾斜することが可能となる。即ち傾斜追従板40の球面40aと内フランジ部16の案内面16aとが当接し、球面40aが案内面16aに対して摺動したとき、傾斜追従板40の軸心が受容空間13の軸心に対して傾斜する。係合体30は、その端面を傾斜追従板40の端面に当接させているので、傾斜追従板40に追従するように傾斜する。
ここで図12は、挿入部材の傾斜に追従して傾斜する係合体を示す図であり、(A)は、挿入部材20の軸心が受容部材10の軸心に対して傾斜している偏角の状態を示し、(B)は、挿入部材20の挿入に伴って傾斜した係合体30を示している。
図12(A)に示すように、挿入部材20の軸心が係合体30及び傾斜追従板40の軸心に対して偏角の状態にあるとき、係合体30及び傾斜追従板40は、挿入部22の挿通に伴い、偏角を吸収するように各々の軸心を挿入部材20の軸心と一致する傾斜位置まで変位する。
即ち、傾斜追従板40は、図12(B)に示すように、球面40aが案内面16aに沿って摺動し、各々の軸心が挿入部材20の軸心と一致して挿入部材20の挿通を妨げない姿勢に傾斜する。また係合体30は、傾斜追従板40と端面同士を当接させているので、傾斜追従板40と同様に挿入部材20の挿通を妨げない姿勢に傾斜する。
このように傾斜追従板40の球面40aと案内面16aとの間には、受容空間13内で係合体30の傾きを案内する案内部が形成される。これによって係合体30及び傾斜追従板40は、偏角を吸収して挿入部材20を挿通可能な傾斜位置となるまで変位する。なお係合体30は、傾斜追従板40と互いに平面状の端面同士を当接させているだけなので、傾斜追従板40の傾斜に影響されることなく、傾斜追従板40に対し係合体30の径方向に沿った相対変位が可能である。
以上、説明したように、傾斜追従板40を内フランジ部16と係合体30の間に配設することで、受容部材10に対し傾斜した挿入部材20が挿入される場合、その傾斜に追従するように、即ち偏角を吸収するように傾斜追従板40と共に係合体30が傾斜する。また、係合体30の端面が略全面で傾斜追従板40の端面に接触しているので、係合体30は、端面が傾斜追従板40に片当たりすることが無い。従って、係合体30が挿入部材20の引き抜き方向に沿った荷重を受けても、端面全面が傾斜追従板40に接触して万遍なく均等に支持されることで、荷重伝達が均一となり、確実に本来の強度を発揮することができる。
なお、上述の実施形態においては、傾斜追従板40を設けた場合を例に説明したが、これに限定されるものではなく、傾斜追従板を省いた構成としてもよい。例えば、図13に示すように、係合体30の内フランジ部16の案内面16aに対向する面を球面50とすれば、球面50と案内面16aとの間に案内部を形成することができる。従って、係合体30は、内フランジ部16に当接しながら、挿通部材20の傾斜に追従して傾斜し得る。
また、上述の実施形態においては、球面40aと案内面16aとを当接させ、傾斜追従板40が内フランジ部16に対して摺動することで係合体30が傾斜し得る構成としたが、係合体30と傾斜追従板40とが互いに球面同士で当接し、係合体30が傾斜追従板40に対して摺動して傾斜し得る構成としてもよい。
例えば、図14に示すように、傾斜追従板40において、凹球面44を係合体30に対向する側に設け、該凹球面44に対向する係合体30の端面を凸状の球面52とし、凹球面44と球面52との間で案内部を形成する。従って、受容部材10に対し軸心が傾いた挿入部材20を挿入する際、挿入部材20の傾斜に追従するように、係合体30と傾斜追従板40との当接状態を維持して係合体30が傾斜する。係合体30は、端面全面が傾斜追従板40に接触するので係合体30と傾斜追従板40間で荷重伝達が均一となり、確実に本来の強度を発揮可能となる。
なお、この場合の内フランジ部16と傾斜追従板40とは、互いに対向する面を平面状とし、傾斜追従板40が内フランジ部16に当接しながら、受容空間13内で径方向(傾斜追従板40の軸心に直交する方向)に沿って摺動し得るものとする。
なお、内フランジ部16の案内面16a及び傾斜追従板40の球面40aの曲率半径は、特に限定されるものではなく、適宜設定し得るが、継手1においては、受容部材10に対し挿入部材20の傾斜が大きくなる程、適切な接合状態が得られないことから、具体的に少なくとも1.5°の偏角、より好ましくは2°程度の偏角を吸収できるように案内面16a、球面40aの曲率半径を設定する。
また、各々の球面形状は、互いの球面が当接し得るものであれば凸状であっても凹状であってもよい。例えば図15に示すように、案内面16aを傾斜追従板40側に突出する凸状の球面形状とし、球面40aを凹状であって案内面16aと重なり合う凹球面形状としてもよい。
なお、上述した実施形態においては、係合体30と傾斜追従板40、係合体30と内フランジ部16、内フランジ部16と傾斜追従板40等の各部材同士を単に当接するように配設する構成として説明したが、これに限らず、部材同士の各接触面の表面に微細凹凸を設けたり、部材間にオイルやグリス等を介在させたりすることで、摺動性を向上させるように構成してもよい。
また、上述した実施形態においては、巻きバネ34によって三個の分割体321を一体化したが、更に分割体321同士の相対位置を所定位置に調整し得る第二調整部材としての拡径防止板を配設してもよい。例えば図16(A)に示す拡径防止板70は、係合体30と傾斜追従板40との間に配設する。拡径防止板70は、挿通部材20が挿通可能な形状(例えば、中空円板形状)を有し、係合体30と対向する一方の面をテーパ状乃至凹曲面状の凹面72とし、傾斜追従板40に対向する他方の面を平面状とする。傾斜追従板40は、拡径防止板70に対向する端面を平面形状とする。
また、係合体30は、拡径防止板70に対向する端面を、凹面72と重なり合うテーパ状乃至凸曲面状の凸面60とする。従って、凸面60が凹面72に密着、即ち凸面60が凹面72に嵌ることで各分割体321の離間向きの変位が規制され、係合体30は、拡径が規制される。
このように、係合体30には板バネ34の弾性力に加え、図16(B)に示すように凸面60が凹面72に圧接可能に当接することで、より強固に拡径防止の効果を得ることができる。
また、拡径防止板の代わりに、傾斜追従板40の係合体30に対向する端部に係合体30の拡径を規制する規制面を設けても好い。具体的には図17に示すように、傾斜追従板40は、係合体30の凸面60に対向する面が、凹状のテーパ形状を成す規制面40bとする。このような傾斜追従板40によっても、係合体30の拡径防止の効果を得ることができる。
また、拡径防止板70の形状は、少なくともテーパ状の凹面72を有するものであれば、その形状は適宜設定し得る。例えば、拡径防止板70は、図18に示すように傾斜追従板40と対向する端部に球面74を有してもよい。その場合、傾斜追従板40は、内フランジ部16に対向する端部を平面状であって、球面74に対向する端部に球面40aを有する。拡径防止板70の球面74と傾斜追従板40の球面40aとは、互いに当接し得るように、一方を凸状の球面(図18においては球面74)、他方を凹状の球面(図18においては球面40a)とする。
なお、図13に示す係合体30の球面50を、内フランジ部16の球面状の案内面16aに重ね合わせるように押圧し当接させても、係合体30の拡径防止の効果を得ることができる。即ち、球面50が凸形状であって、案内面16aが凹形状であることから、係合体30に案内面16a側に押し付ける荷重が付加されたとき、各分割体321には、球面50を介して係合体30の軸心側に向かう力が作用する。従って、係合体30の球面50を直接的に内フランジ部16に押し付けて当接させた場合には、拡径防止の効果を得ることができる。
図19に、本発明の継手1を地中にトンネルを構築するシールド工法に適用した例を示す。シールド工法においては、工場等で製作したセグメント201、202を周方向に接合してリング203を製作し、このリング203を軸方向に順次接続してトンネル200を構築する。セグメント202は、最後に接合されるセグメントで、台形状となっている。
図20に、本発明の継手1を木製の本棚に適用した例を示す。本棚210は、鉛直方向に配置される二枚の側板211の間に、一枚の天板212と複数の棚板213を配置した構造となっている。図20では短い直線で記号的に示した側板211と天板212の継手214及び側板211と棚板213の継手215に本発明を好適に用いることができる。木材等の部材に挿入部材と受容部材を固定する方法としては、例えば、挿入部材又は受容部材を収容できる大きさの切欠を設けて、挿入部材又は受容部材を接着剤等で固定することができる。或いは挿入部材又は受容部材の外周に鬼目ナットを形成して、木材等に打ち込むこともできる。
上述した実施形態において、継手を適用する第一部材及び第二部材の材質、形状には限定がなく、接合面同士を当接させて接合する場合であればどのような部材にも適用することができる。第一部材及び第二部材の材質としては、例えば、コンクリート、セラミックス、金属、合成樹脂、木材等に適用することができる。第一部材及び第二部材の形状としては、例えば、板状、柱状、ブロック状等の同種のもの同士或いは異なる種類の部材の接合に適用することができる。図19、20で例示したシールドセグメント及び本棚の他にも、プレキャストコンクリート部材一般、家具一般、建材、住宅フレーム材、各種機械等のあらゆる物品に適用することができる。
なお、上述した実施形態において、係合体が複数の分割体からなるものとしたが、勿論これに限定されるものではなく、一つの部材からなる係合体の全体(又は一部)を変形させて係合体内部に挿入部を挿入可能とするものであってもよい。また、係合体は、少なくとも、挿入部の挿入時には弾性変形し得、挿入部が所定の位置(例えば最奥)まで挿入された状態で、内側係合部と挿入係合部とが係合するように、形状が元に戻るものであれば、適宜形状は設定し得る。例えば、係合体は、筒形状の外周の一部に一つ以上のスリットを設けた形状等としてもよい。
また、上述した実施形態において、図21に示すように、付勢部材としての係合体30を軸方向に付勢するコイルばね様のばね部材80を、受容空間13内の端部部材12の端面に配設し、開口部15側に向かって係合体30を押圧してもよい。このように付勢された係合体30は、内フランジ部16側に押し付けられることで、初期位置が所定箇所となるように位置規制することができる。なお、ばね部材と巻きバネとを兼ねた付勢部材を設けてもよく、例えばコイルばねを係合体30に巻き付け、且つ端部部材12の端面に固定させて配設することで、係合体30を軸方向及び径方向に付勢するようにしてもよい。なお、ばね部材80は、少なくとも係合体30を付勢するものであれば、コイルばね以外の皿ばね、板ばね等であってもよい。
また、上述した実施形態において、巻きバネは三個の分割体を一体化して係合体を形成可能であれば、その形状は適宜設定し得る。例えば、巻きバネの挿入部材20の挿入向きに沿った下流側の周端に、分割体同士の軸方向に沿う相対位置の変位を規制する規制部を形成してもよい。
ここで図22は規制部を有する巻きバネを巻き付けた係合体を示し、(a)は平面図、(b)は側断面図である。巻きバネ34の規制部90は、巻きバネ34の一方の周端において、径方向内側に向かって突出させて形成される。図22においては、規制部90を断続的に複数形成しているが、勿論規制部90の数は適宜設定し得るものである。また、規制部90は、巻きバネ34の周端に沿って連続的に形成されていてもよい。このような規制部90は、図22(b)に示すように各分割体321の一端面に当接し、これによって分割体321は、係合体30の軸方向に沿った位置が規制される。従って三個の分割体321は、互いに軸方向に沿った相対位置の変位が規制され、挿入部材20の挿入に伴う分割体321同士の相対位置の位置ズレを防止することができる。
勿論、規制部を設ける箇所は、周端に限定されるものではない。例えば規制部は、巻きバネの軸方向の中間位置の内周面に設定して凹状及び/又は凸状として、これに対応させて分割体の外周面に凸状及び/又は凹状の係合部を設ければ、規制部を分割体の外周面に係合させるように構成してもよいことは言うまでもない。
1…継手 10…受容部材 11…囲繞部 12…端部部材 13…受容空間 15…開口部 16…内フランジ部 16a…案内面 18…ガイド面 20…挿入部材 22…挿入部 22a…傾斜面 24…連接部 26…挿入係合部 28…孔部 30…係合体 30a…傾斜面 34…巻きバネ 36…係止片 40…傾斜追従板 40a…球面 40b…規制面 42…挿通孔 44…凹球面 50,52…球面 60…凸面 70…拡径防止板 72…凹面 74…球面 102…第二部材 102a…接合面 101…第一部材 101a…接合面 200…トンネル 201、202…セグメント 203…リング 210…本棚 211…側板 212…天板 213…棚板 315…係合凹状部 321…分割体 321A…係合面部 321B…収容空間。

Claims (12)

  1. 受容部材と、上記受容部材に挿入される挿入部材とを具える接合手段であって、
    上記挿入部材は、挿入部と、該挿入部の外側に設けられる挿入係合部とを有し、
    上記受容部材は、上記挿入部材を挿入可能な開口部と、該開口部に連通した受容空間と、上記受容空間内に配設され、上記挿入部が挿入可能で且つ内側に上記挿入係合部と係合可能な内側係合部を設けた係合体と、を有し、
    上記係合体は、上記受容空間内で偏心自在に配設され、
    上記受容空間内で、上記係合体の傾きを案内する案内部を構成し、
    上記挿入係合部と、上記内側係合部とは、上記挿入部材の挿入方向に対して略垂直な方向に、所定の干渉量を有する関係に設定され、
    上記受容部材に上記挿入部材が挿入された際、上記係合体の一部又は全体が変位及び/又は変形して上記係合体の内部に上記挿入部を挿入可能とし、
    上記挿入部が所定の位置まで挿入された状態では上記内側係合部と上記挿入係合部とが係合し、
    上記受容部材は、上記挿入部材の外径よりも大径で、且つ上記係合体の外周径の曲率半径よりも小径である上記開口部を画成する内フランジ部を有し、
    上記案内部は、上記内フランジ部の上記係合体と対向して略球面状を成す座面と、上記係合体の上記内フランジ部と対向して上記内フランジ部の座面に略沿う略球面状を成す端面とで構成されることを特徴とする接合手段。
  2. 受容部材と、上記受容部材に挿入される挿入部材とを具える接合手段であって、
    上記挿入部材は、挿入部と、該挿入部の外側に設けられる挿入係合部とを有し、
    上記受容部材は、上記挿入部材を挿入可能な開口部と、該開口部に連通した受容空間と、上記受容空間内に配設され、上記挿入部が挿入可能で且つ内側に上記挿入係合部と係合可能な内側係合部を設けた係合体と、を有し、
    上記受容空間内で、上記係合体の傾きを案内する案内部を構成し、
    上記挿入係合部と、上記内側係合部とは、上記挿入部材の挿入方向に対して略垂直な方向に、所定の干渉量を有する関係に設定され、
    上記受容部材に上記挿入部材が挿入された際、上記係合体の一部又は全体が変位及び/又は変形して上記係合体の内部に上記挿入部を挿入可能とし、
    上記挿入部が所定の位置まで挿入された状態では上記内側係合部と上記挿入係合部とが係合し、
    前記受容部材は、前記挿入部材の外径よりも大径で、且つ前記係合体の外周径の曲率半径よりも小径である前記開口部を画成する内フランジ部を有し、
    前記係合体と上記内フランジ部との間に、一つ以上の調整部材を配設し、
    上記調整部材と前記係合体との間、又は上記調整部材と上記内フランジ部との間に前記案内部を構成し、
    前記案内部は、
    前記内フランジ部の前記調整部材と対向する略球面状を成すフランジ側球面と、
    前記調整部材の前記内フランジ部と対向する上記フランジ側球面に略沿う略球面状を成す部材側球面とで構成されることを特徴とする接合手段。
  3. 受容部材と、上記受容部材に挿入される挿入部材とを具える接合手段であって、
    上記挿入部材は、挿入部と、該挿入部の外側に設けられる挿入係合部とを有し、
    上記受容部材は、上記挿入部材を挿入可能な開口部と、該開口部に連通した受容空間と、上記受容空間内に配設され、上記挿入部が挿入可能で且つ内側に上記挿入係合部と係合可能な内側係合部を設けた係合体と、を有し、
    上記受容空間内で、上記係合体の傾きを案内する案内部を構成し、
    上記挿入係合部と、上記内側係合部とは、上記挿入部材の挿入方向に対して略垂直な方向に、所定の干渉量を有する関係に設定され、
    上記受容部材に上記挿入部材が挿入された際、上記係合体の一部又は全体が変位及び/又は変形して上記係合体の内部に上記挿入部を挿入可能とし、
    上記挿入部が所定の位置まで挿入された状態では上記内側係合部と上記挿入係合部とが係合し、
    前記受容部材は、前記挿入部材の外径よりも大径で、且つ前記係合体の外周径の曲率半径よりも小径である前記開口部を画成する内フランジ部を有し、
    前記係合体と上記内フランジ部との間に、一つ以上の調整部材を配設し、
    上記調整部材と前記係合体との間、又は上記調整部材と上記内フランジ部との間に前記案内部を構成し、
    前記案内部は、
    前記調整部材の前記係合体と対向して略球面状を成す部材側球面と、
    前記係合体の前記調整部材と対向して前記部材側球面に略沿う略球面状を成す係合体側球面とで構成されることを特徴とする接合手段。
  4. 受容部材と、上記受容部材に挿入される挿入部材とを具える接合手段であって、
    上記挿入部材は、挿入部と、該挿入部の外側に設けられる挿入係合部とを有し、
    上記受容部材は、上記挿入部材を挿入可能な開口部と、該開口部に連通した受容空間と、上記受容空間内に配設され、上記挿入部が挿入可能で且つ内側に上記挿入係合部と係合可能な内側係合部を設けた係合体と、を有し、
    上記受容空間内で、上記係合体の傾きを案内する案内部を構成し、
    上記挿入係合部と、上記内側係合部とは、上記挿入部材の挿入方向に対して略垂直な方向に、所定の干渉量を有する関係に設定され、
    上記受容部材に上記挿入部材が挿入された際、上記係合体の一部又は全体が変位及び/又は変形して上記係合体の内部に上記挿入部を挿入可能とし、
    上記挿入部が所定の位置まで挿入された状態では上記内側係合部と上記挿入係合部とが係合し、
    前記受容部材は、前記挿入部材の外径よりも大径で、且つ前記係合体の外周径の曲率半径よりも小径である前記開口部を画成する内フランジ部を有し、
    前記係合体と上記内フランジ部との間に、一つ以上の調整部材を配設し、
    上記調整部材と前記係合体との間、又は上記調整部材と上記内フランジ部との間に前記案内部を構成し、
    前記調整部材として、前記内フランジ部側に位置する第一調整部材と、前記係合体側に位置する第二調整部材とを配設し、
    上記第一調整部材は、上記第二調整部材と対向する面が略球面状を成し、
    上記第二調整部材は、
    前記係合体に対向する一方の面がテーパ状を成し、
    上記第一調整部材に対向する他方の面が、上記第一調整部材の面に略沿った略球面状を成すことを特徴とする接合手段。
  5. 受容部材と、上記受容部材に挿入される挿入部材とを具える接合手段であって、
    上記挿入部材は、挿入部と、該挿入部の外側に設けられる挿入係合部とを有し、
    上記受容部材は、上記挿入部材を挿入可能な開口部と、該開口部に連通した受容空間と、上記受容空間内に配設され、上記挿入部が挿入可能で且つ内側に上記挿入係合部と係合可能な内側係合部を設けた係合体と、を有し、
    上記受容空間内で、上記係合体の傾きを案内する案内部を構成し、
    上記挿入係合部と、上記内側係合部とは、上記挿入部材の挿入方向に対して略垂直な方向に、所定の干渉量を有する関係に設定され、
    上記受容部材に上記挿入部材が挿入された際、上記係合体の一部又は全体が変位及び/又は変形して上記係合体の内部に上記挿入部を挿入可能とし、
    上記挿入部が所定の位置まで挿入された状態では上記内側係合部と上記挿入係合部とが係合し、
    前記受容部材は、前記挿入部材の外径よりも大径で、且つ前記係合体の外周径の曲率半径よりも小径である前記開口部を画成する内フランジ部を有し、
    前記係合体と上記内フランジ部との間に、一つ以上の調整部材を配設し、
    上記調整部材と前記係合体との間、又は上記調整部材と上記内フランジ部との間に前記案内部を構成し、
    前記調整部材として、前記内フランジ部側に位置する第一調整部材と、前記係合体側に位置する第二調整部材とを配設し、
    上記第一調整部材は、上記内フランジ部と対向する面が略球面状を成し、
    上記第二調整部材は、前記係合体に対向する一方の面がテーパ状を成すことを特徴とする接合手段。
  6. 前記係合体は、前記第二調整部材の前記テーパ状を成す面に重なり得るテーパ状の端面を有することを特徴とする請求項4又は5に記載の接合手段。
  7. 前記係合体は、軸方向に複数に分割された分割体から成ることを特徴とする請求項1乃至6の何れかに記載の接合手段。
  8. 複数の前記分割体を径方向に付勢することにより、前記係合体を拡径可能に保持する付勢手段を有することを特徴とする請求項7記載の接合手段。
  9. 前記付勢手段は、複数の分割体を径方向及び/又は軸方向に付勢することにより前記係合体を拡径可能に位置規制することを特徴とする請求項8記載の接合手段。
  10. 前記付勢手段は、前記分割体の、該付勢手段の軸方向に略沿った相対位置を規制する規制部を有することを特徴とする請求項9記載の接合手段。
  11. 前記受容部材は、前記係合体を径方向に所定の偏心間隙量だけ偏心自在に収容可能な径の前記受容空間を有することを特徴とする請求項1乃至10の何れかに記載の接合手段。
  12. 請求項1乃至請求項11の何れか1項に記載の接合手段を用いることを特徴とする部材の接合方法。
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