JP2021177062A - 水硬性固化体埋設型補強用鋼棒継手構造 - Google Patents

水硬性固化体埋設型補強用鋼棒継手構造 Download PDF

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Abstract

【課題】水硬性固化体埋設型補強用鋼棒の所望の軸方向位置に容易に水硬性固化体埋設型補強用鋼棒継手構造を位置決め並びに確実な固定が可能で且つ水硬性固化体埋設型補強用鋼棒同士の連結性が向上し且つ引抜き強度及び押込み強度を向上させる手段を提供する。【解決手段】軸方向に沿って水硬性固化体埋設型補強用鋼棒を挿通可能な挿通孔を有し、内周を水硬性固化体埋設型補強用鋼棒のリブに係合させて水硬性固化体埋設型補強用鋼棒を接続する水硬性固化体埋設型補強用鋼棒継手構造20であって、内周には、軸方向に列設され、リブに係合し得る係合凸24部と、軸方向に向って上係合凸部に交番し、リブを嵌合可能に凹設される少なくとも一種類以上の凹状部26と、係合凸部及び凹状部に周方向に隣接し、リブと非係合の大径面22と、を有し、凹状部にリブを嵌合させ、水硬性固化体埋設型補強用鋼棒の軸方向の変位を規制する。【選択図】図5

Description

本発明は、水硬性固化体埋設型補強用鋼棒継手構造に関するものである。
従来、水硬性固化体製の構造物を構築する際には、水硬性固化体に埋設する水硬性固化体埋設型補強用鋼棒を長尺にする必要が生じるが、水硬性固化体埋設型補強用鋼棒の長さは輸送上の制約等から制限があり、長尺化するために現場で接合していた。水硬性固化体埋設型補強用鋼棒の接合には継手が用いられ、継手の両端開口に水硬性固化体埋設型補強用鋼棒を挿入することで、水硬性固化体埋設型補強用鋼棒を連結している(例えば、特許文献1参照)。
なお、水硬性固化体埋設型補強用鋼棒としては例えば、特許文献2を挙げることが出来、断面略円形の水硬性固化体埋設型補強用鋼棒の外周面の一部に長手方向が互いに平行な突条を水硬性固化体埋設型補強用鋼棒の軸方向全長に亘って略等間隔に多数、列設した物例えば、特許文献3参照等が用いられる。
特開2018−178365号公報 特許1227542号公報 特開昭56−135658号公報
上述した特許文献1に記載された継手は、鋼棒を遊嵌している鋼棒収容部の内部に硬化性充填材の充填を行う必要があるので、工事現場での硬化性充填材運搬や混練等の作業が発生して作業負担が大きくなってしまう。また、鋼棒収容部に鋼棒を遊嵌した状態で継手の長手方向の中央部に設けられた注入孔から硬化性充填材の充填を行っているが、充填時に継手の長手方向の両端の開口から硬化性充填材が漏出して満充させることが出来ないことから、継手の両端にはナットを締め付けて継手の両端開口を閉塞する必要がある。これらの事柄から所要部品数や作業の手間が増えてしまうという課題や、継手に挿入される両鋼棒同士の軸心を揃えることに手間が掛かってしまうことなど、多くの課題がある。
また、上述した特許文献2に記載された物や特許文献3に記載された物等の水硬性固化体埋設型補強用鋼棒は、水硬性固化体埋設時において水硬性固化体の付着性に難があるとされている。
本発明は、上記問題点に鑑みて本発明者の鋭意研究により成されたものであり、簡易な構造によって、水硬性固化体埋設型補強用鋼棒の所望の軸方向位置に容易に水硬性固化体埋設型補強用鋼棒継手構造を位置決め固定可能で且つ水硬性固化体埋設型補強用鋼棒同士の連結性が向上し且つ水硬性固化体に対する埋設状態における引抜き強度を向上する手段を提供することを目的とする。
本発明の水硬性固化体埋設型補強用鋼棒継手構造は、水硬性固化体埋設型補強用鋼棒を軸方向に沿って挿通可能な挿通孔を有し、内周を水硬性固化体埋設型補強用鋼棒のリブに係合させて該水硬性固化体埋設型補強用鋼棒を接続する水硬性固化体埋設型補強用鋼棒継手構造であって、上記内周には、上記軸方向に列設され、上記リブに係合し得る係合凸部と、軸方向に向って上記係合凸部に交番し、上記リブを嵌合可能に凹設される少なくとも一種類以上の凹状部と、上記係合凸部及び上記凹状部に周方向に隣接し、上記リブと非係合の大径面と、を有し、上記凹状部に上記リブを嵌合させ、上記水硬性固化体埋設型補強用鋼棒の軸方向の変位を規制することを特徴とする。
また、本発明の水硬性固化体埋設型補強用鋼棒継手構造は、前記凹状部が、非螺旋形状を成し、上記非螺旋形状は、径方向視で軸方向を対称軸として対称形状、非対称形状の何れかであることを特徴とする。
また、本発明の水硬性固化体埋設型補強用鋼棒継手構造は、前記非螺旋形状が、軸方向に列設される対称形状及び非対称形状を成し、対称形状と非対称形状の配列が混成構造であることを特徴とする。
また、本発明の水硬性固化体埋設型補強用鋼棒継手構造は、前記対称形状が、周方向の両端が閉塞端であり、前記水硬性固化体埋設型補強用鋼棒継手構造の本体は、内部空間を拡張可能とする拡張部を有し、上記拡張部は、前記リブを前記内周に受容している状態と、前記挿通孔を拡張させて前記内周に前記リブを受容する過程状態との間で遷移可能とすることを特徴とする。
また、本発明の水硬性固化体埋設型補強用鋼棒継手構造は、前記拡張部が、弾性変形機構及び/又は径方向の分離機構を有することを特徴とする。
また、本発明の水硬性固化体埋設型補強用鋼棒継手構造は、前記非対称形状の前記凹状部が、周方向の一端が開放端であり、上記開放端側から前記リブを受容し得ることを特徴とする。
また、本発明の水硬性固化体埋設型補強用鋼棒継手構造は、前記非対称形状の前記凹状部が、周方向の他端が閉塞端であり、上記閉塞端によって前記リブの周方向の変位を規制し得ることを特徴とする。
また、本発明の水硬性固化体埋設型補強用鋼棒継手構造は、前記凹状部が、螺旋形状を成し、前記係合凸部の径方向端部が面状、凸曲面状又は鋭角状を成すものであることを特徴とする。
また、本発明の水硬性固化体埋設型補強用鋼棒継手構造は、螺旋形状を成す前記凹状部が、仮想的に設定された螺旋経路に沿って連続的又は断続的に形成されることを特徴とする。
また、本発明の水硬性固化体埋設型補強用鋼棒継手構造は、螺旋形状を成す凹状部が、連続的に形成され、軸方向の一端から中途部分にかけて徐々に、又は段階的に凹状部の幅が狭くなるように構成されることを特徴とする。
また、本発明の水硬性固化体埋設型補強用鋼棒継手構造は、前記挿通孔が、軸方向視で、上記水硬性固化体埋設型補強用鋼棒の軸方向視の外形に略相似又は近似の孔形状を有することを特徴とする。
また、本発明の水硬性固化体埋設型補強用鋼棒継手構造は、前記挿通孔が、軸方向視で、略長円形状又は略楕円形状の孔形状を有することを特徴とする。
また、本発明の水硬性固化体埋設型補強用鋼棒継手構造は、前記挿通孔が、二面幅部を有し、対向する二面幅部の相対する両端間が所定の曲率半径の凸状を成す弧によって繋がった内周面により成ることを特徴とする。
また、本発明の水硬性固化体埋設型補強用鋼棒継手構造は、前記挿通孔が、軸方向の一端から中途部分における第一範囲と、軸方向の他端から上記中途部分における第二範囲とで断面積が異なることを特徴とする。
また、本発明の水硬性固化体埋設型補強用鋼棒継手構造は、軸方向の一端から中途部分までの前記凹状部を螺旋形状とし、他端から上記中途部分までの前記凹状部を非螺旋形状とすることを特徴とする。
また、本発明の水硬性固化体埋設型補強用鋼棒継手構造は、少なくとも軸方向の一端に水硬性固化体埋設型補強用鋼棒との相対回転を防止する相対回転防止部材を設けることを特徴とする。
また、本発明の水硬性固化体埋設型補強用鋼棒継手構造は、少なくとも軸方向の一端に水硬性固化体埋設型補強用鋼棒との軸方向に対する相対変位を防止する相対変位防止部材を設けることを特徴とする。
また、本発明の水硬性固化体埋設型補強用鋼棒継手構造は、軸方向端部に剛結構造を設け、上記剛結構造は、水硬性固化体埋設型補強用鋼棒との相対回転を防止する相対回転防止部材と水硬性固化体埋設型補強用鋼棒に対する相対変位を防止する相対変位防止部材とを有することを特徴とする。
また、本発明の水硬性固化体埋設型補強用鋼棒継手構造は、前記相対回転防止部材が、前記水硬性固化体埋設型補強用鋼棒を囲繞し且つ係合孔に内挿されることを特徴とする。
また、本発明の水硬性固化体埋設型補強用鋼棒継手構造は、前記相対回転防止部材が、係合孔の内周に係合する係合面と、軸方向視で前記水硬性固化体埋設型補強用鋼棒の外形に略相当する非円形状の水硬性固化体埋設型補強用鋼棒挿通孔と、有し、前記水硬性固化体埋設型補強用鋼棒挿通孔に前記水硬性固化体埋設型補強用鋼棒が相対回転不可の状態で嵌り得、前記係合面が上記係合孔の内周に係合することを特徴とする。
また、本発明の水硬性固化体埋設型補強用鋼棒継手構造は、前記相対変位防止部材が、前記水硬性固化体埋設型補強用鋼棒のリブに係合し、軸方向の変位が規制されることを特徴とする。
また、本発明の水硬性固化体埋設型補強用鋼棒継手構造は、前記相対変位防止部材が、前記水硬性固化体埋設型補強用鋼棒が挿通し得、内周面に螺旋溝を有する孔部を有することを特徴とする。
また、本発明の水硬性固化体埋設型補強用鋼棒継手構造は、前記相対回転防止部材と前記相対変位防止部材との当接部には、前記相対回転防止部材と前記相対変位防止部材との相対回転を防止する相対回転防止機構が設けられることを特徴とする。
また、本発明の水硬性固化体埋設型補強用鋼棒継手構造は、本体の長手方向における適宜の中間位置には、前記水硬性固化体埋設型補強用鋼棒の挿入深さを視認可能とする内外に貫通した確認孔を有することを特徴とする。
また、本発明の水硬性固化体埋設型補強用鋼棒継手構造は、前記確認孔が、前記長手方向の中央部を示す中央位置示唆手段を有することを特徴とする。
また、本発明の水硬性固化体埋設型補強用鋼棒継手構造は、前記確認孔が、孔形状が前記長手方向の中央部に相当する箇所をくびれさせたくびれ部を有し、該くびれ部が前記中央位置示唆手段を成すことを特徴とする。
また、本発明の水硬性固化体埋設型補強用鋼棒継手構造は、前記確認孔が、光透過性を有する部材によって閉塞されることを特徴とする。
本発明によれば、簡易な構造によって、水硬性固化体埋設型補強用鋼棒の所望の軸方向位置に容易に水硬性固化体埋設型補強用鋼棒継手構造を位置決め固定可能で且つ水硬性固化体埋設型補強用鋼棒同士の連結性が向上し且つ水硬性固化体に対する埋設状態における引抜き強度を向上することができる。
本実施形態の水硬性固化体埋設型補強用鋼棒を示し、(a)は正面図、(b)はA−A線断面図である。 本実施形態の水硬性固化体埋設型補強用鋼棒のリブを示す図である。 水硬性固化体埋設型補強用鋼棒を示す断面図である。 リブの他の形状例を示し、(a)は側面図、(b)は正面図、(c)は断面図である。 本実施形態の水硬性固化体埋設型補強用鋼棒継手構造を示し、(a)は平面図、(b)は断面図である。 水硬性固化体埋設型補強用鋼棒継手構造を示す断面図である。 リブの凹状部への進入を模式的に示し、(a)は凹状部への進入前の位置を示す図、(b)は凹状部に嵌合したときの位置を示す図である。 先端部の形状例を示す図である。 水硬性固化体埋設型補強用鋼棒継手構造の他の内周形状例を示す図である。 リブの凹状部への進入を模式的に示し、(a)は進入前の位置を示す図、(b)は凹状部に嵌合したときの位置を示す図である。 回転防止部材を示す斜視図である。 水硬性固化体埋設型補強用鋼棒継手構造の他の例を示し、(a)は平面図、(b)は正面図、(c)は(b)のA−A断面図である。 薄肉部の弾性変形によって幅を拡げたスリットを示す図である。 水硬性固化体埋設型補強用鋼棒継手構造の他の例を示す斜視図である。 スリットが拡がり得る範囲を示す図である。 水硬性固化体埋設型補強用鋼棒継手構造の一部を成す部分体を示し、(a)は斜視図、(b)は連結部側の外周面を示す図である。 部分体によって構成される水硬性固化体埋設型補強用鋼棒継手構造を示す斜視図である。 水硬性固化体埋設型補強用鋼棒継手構造の他の例を示す斜視図である。 水硬性固化体埋設型補強用鋼棒継手構造による二本の水硬性固化体埋設型補強用鋼棒の連結を示す図である。 非螺旋形状の凹状部、螺旋形状の凹状部を有する水硬性固化体埋設型補強用鋼棒継手構造を示し、(a)は斜視図、(b)は正面図、(c)は(b)のA−A断面図である。 水硬性固化体埋設型補強用鋼棒継手構造に係合する相対回転防止部材を示し、(a)は斜視図、(b)は側面図、(c)は断面図である。 相対変位防止部材を示し、(a)は斜視図、(b)は側面図、(c)は断面図である。 水硬性固化体埋設型補強用鋼棒継手構造と水硬性固化体埋設型補強用鋼棒との接続を示す図である。 相対回転防止部材と相対変位防止部材の設置を示す図である。 相対回転防止部材の他の例を示す図である。 筒状部材を示す図である。 筒状部材を連結させて成る水硬性固化体埋設型補強用鋼棒継手構造を示す図である。 リブの他の形状例を示すものであり、(a)は斜視図、(b)は平面図、(c)は側面図である。
以下に本発明の水硬性固化体埋設型補強用鋼棒同士を接続する水硬性固化体埋設型補強用鋼棒継手構造の実施形態について図面を参照して説明する。水硬性固化体埋設型補強用鋼棒継手構造は、全体には筒状部材を成す部材によって構成されるものであって、端部に挿入される水硬性固化体埋設型補強用鋼棒と接続されるものであり、両端部にそれぞれ水硬性固化体埋設型補強用鋼棒を挿入することで、水硬性固化体埋設型補強用鋼棒同士を連結させるものである。従って、水硬性固化体埋設型補強用鋼棒継手構造には、水硬性固化体埋設型補強用鋼棒と係合するための構造等を有する。
図1は、本実施形態の水硬性固化体埋設型補強用鋼棒1を示し、(a)は正面図、(b)はA−A断面図である。図2は、本実施形態の水硬性固化体埋設型補強用鋼棒1のリブ4を示す側面図である。水硬性固化体埋設型補強用鋼棒1は、長尺状を成す鋼製の部材であり、水硬性固化体を補強する目的として水硬性固化体に埋設されるものである。水硬性固化体埋設型補強用鋼棒1は、軸心を挟んで相対する所定の二領域に存する縮径面2と、軸方向に列設されて径方向外向きに突出するリブ4と、軸方向に向かってリブ4に交番して凹設される凹径面6とを有する。なお、水硬性固化体埋設型補強用鋼棒1は鋼材等、適宜材料によって構成され得る。
縮径面2は、軸方向に延在しており、該領域の周方向中央部に向かって軸からの半径が漸次縮小するように形成される。縮径面2は、例えば、水硬性固化体埋設型補強用鋼棒1に形成される二面幅等があり得る。
凹径面6は、軸心からの距離が縮径面2における軸心からの距離の範囲内となるように設定される。例えば、凹径面6は、縮径面2の周方向中央部又は両端部等における半径に相当する距離となるように、軸心からの距離を設定し得る。
リブ4は、図2に示すように、径方向端部に先端部10を有する。先端部10を成す稜線12は、軸直角方向に延び、周方向に沿った両端が縮径面2に向って延設される。また、リブ4は、互いに異なる法線方向に向く四つの面14a〜14dを有する。また、これらの四つの面14a〜14dは、それぞれ水硬性固化体埋設型補強用鋼棒1の軸心周りに想定される仮想の螺旋面に沿ったものとして設けられる。
四つの面14a〜14dは、水硬性固化体埋設型補強用鋼棒1の外周面を仮想の平面に展開(展開状態)にしたときに略四角錐形状を成す。ここで四つの面14a〜14dの内、図2に示す向きにおける左上を面14a、左下を面14b、右上を面14c、右下を面14dとする。
面14aと面14bとの間、及び面14cと面14dとの間の境界となる稜線12は、軸直角方向に延び、両端が縮径面2に向っている。また、面14a〜14dは、縮径面2側に位置する周方向端部に向って水硬性固化体埋設型補強用鋼棒1の軸方向に縮小した形状、即ち幅が縮小した形状を有する。従ってリブ4は、周方向端部が先鋭の先端部10を成している。
なお、先端部10は、断面形状が略鋭角状又は略鈍角状或いは、略円弧状を成すものであってもよく若しくは微小平坦面状であってもよいが、好ましくは、微小円弧状とすれば、製造し易く、損傷し難く出来て良い上、後述するように水硬性固化体埋設型補強用鋼棒継手構造との嵌合性を向上させることが出来て良い。
また、リブ4及び凹径面6は、軸心を挟んで相対する二領域に設けられており、各領域でリブ4同士及び凹径面6同士の軸方向位置が段違いに設定される。即ち、軸心を挟んで一方の領域のリブ4の位置には、他方の領域の凹径面6が配される。また一方の領域の凹径面6の位置には、他方の領域のリブ4が配される。勿論、リブ4及び凹径面6同士の軸方向位置が一致するように設定してもよい。
また、リブ4は、中央部で最も径方向外向きに突出し、周方向端部に向って径方向の突出長さが漸次縮小する。即ち、図1(b)に示す水硬性固化体埋設型補強用鋼棒1の軸心からリブ4の突出長さが最長の点までを半径とした仮想円Cよりも内側にリブ4の稜線12が配される。また、リブ4は、周方向端部が縮径面2に接続し、縮径面2と略面一の端面4aを有する。
リブ4の縮径面2との接続は、例えば、図3(a)に示すようにリブ4の周方向端部で曲線13a形状に稜線12を設定して接続させてもよく、図3(b)に示すようにリブ4の周方向端部で直線13b形状に稜線12を設定して接続させてもよい。
また、図4は、リブ4の他の形状を示し、(a)は側面図、(b)は正面図、(c)は(a)のB−B断面図であり、リブ4は、図4に示すように周方向端部で径方向の突出長さが略零となるように設定してもよい。このとき、リブ4は略一定の割合で突出長さが漸減するように設定される。
勿論、リブ4の突出長さは周方向に沿って漸次縮小する形状に限定されるものではなく、中央部から周方向端部に亘る所定領域で略一定な形状であってもよいが、周方向端部において稜線12を上記曲線13a或いは直線13b状に設定して縮径面2に接続させるものとする。
また、リブ4の先端部は、周方向の両端部分であって、四つの面14a〜14dを軸を中心とする回転方向に向かってそれぞれ延長して成る仮想延長面に囲繞される湾曲した細身の三角錐空間領域より小さく各々設定される、3次曲面状表面を有する略三角錐形状を成してもよい。即ち、リブ4の周方向の両端部分は、面14a〜面14dよりも径方向内側に位置するように、軸直交方向の突出長さが漸次縮小する3次曲面状表面を成し得る。また、この3次曲面状表面は、略三角錐形状を成し得るが、勿論、湾曲面状ともなり得る。また、リブ4は、両端部分が縮径面2に接続しない形状、即ち縮径面2に対し周方向に離間し得る長さを有するものであってもよい。
ここで図28は、リブ4の他の形状例を示すものであり、(a)は斜視図、(b)は平面図、(c)は側面図である。軸直交方向の突出高さが漸次縮小する三次曲面状表面を有するリブ4は、図28に示す周方向において中央部分のリブ係止部150と、先端部152との間に境界部分151を有するものがあり得る。また、リブ4は、径方向に突出する高さが、中央部で最も高くて先端部152に向かって漸次縮小して縮径面2に最も近い箇所で略零に近づく形状に設定される。
具体的にリブ4は、リブ係止部150の中央部から先端部152に向かって突出高さが漸次縮小するように、周方向に沿って略山形に傾斜している形状を有し、境界部分151よりも先端部152側の傾斜がリブ係止部150における傾斜よりも急勾配となる。また、リブ係止部150は、後述する凹状部26に軸方向に係合し、リブ4の剪断強度の維持のために突出高さの縮小が、先端部152と比して緩やかに設定される。
上述したように、特許文献2に記載された物や特許文献3に記載された物等の水硬性固化体埋設型補強用鋼棒は、水硬性固化体埋設時において水硬性固化体の付着性が悪いという問題があるが、本発明の水硬性固化体埋設型補強用鋼棒1によれば、上記リブ4のように四つの面14a〜14dを有する形状や、図28に示すリブ係止部150及び先端部152を有する形状とすることで、水硬性固化体付着性を向上させることができると共に、後述する水硬性固化体埋設型補強用鋼棒継手構造20に対し、リブ4を容易に螺合させることができる。
また、水硬性固化体埋設時における引き抜き強度を向上させるためにリブ4の突出高さを大きく設定することが有り得る。しかし、リブ4の突出高さを大きくすると縮径面2までリブ4が延在し得る他、縮径面2に隣接する位置でリブ4が縮径面2よりも径方向外側に突出し得る。従って、縮径面2を形成するため、リブ4を切削する等の加工が必要となる。これに対し、図28に示す形状のリブ4であれば、境界部分151間のリブ係止部150と先端部152とで、傾斜の勾配を異ならせたことで、引き抜き強度を維持しつつ、量産性を向上させることができる。
従って、リブ係止部150及び先端部152を具えるリブ4を有する水硬性固化体埋設型補強用鋼棒1であれば、水硬性固化体埋設型補強用鋼棒1を量産する際において意図した形状を、高精度に形成し続けることができる。また、リブ4は先端部10(152)を有することで、後述する水硬性固化体埋設型補強用鋼棒継手構造20の凹状部26に嵌合し易くなって接続性を向上させることができる。
次に水硬性固化体埋設型補強用鋼棒継手構造20について説明する。水硬性固化体埋設型補強用鋼棒継手構造20は、二本の水硬性固化体埋設型補強用鋼棒1を連結させる継手であり、軸方向に貫通した挿通孔によって両端が開口し、且つ水硬性固化体埋設型補強用鋼棒1を囲繞し得る内周形状を有するものである。
図5は、本実施形態の水硬性固化体埋設型補強用鋼棒継手構造20を示し、(a)は平面図、(b)は断面図である。水硬性固化体埋設型補強用鋼棒継手構造20は、水硬性固化体埋設型補強用鋼棒1を囲繞する内周面を有する。内周面には、軸心を挟んで相対する位置に配された大径面22、大径面22に対して周方向に隣接する係合凸部24及び凹状部26が配される。
大径面22は、軸心からの距離が略等距離で且つ水硬性固化体埋設型補強用鋼棒1を囲繞したときに、リブ4よりも径方向外側に位置するように設定される。即ち、リブ4に略非接触状態となるように、リブ4よりも大径の半径が設定される。なお、大径面22は、軸心からの距離が略等距離に限定されるものではなく、少なくともリブ4に非接触状態であれば軸心からの距離が周方向に沿って変わるように設定してもよい。
係合凸部24は、大径面22よりも径方向内側に突出して周方向に延在し、軸方向に複数列設される。また、係合凸部24は、水硬性固化体埋設型補強用鋼棒1を囲繞したときに、縮径面2よりも径方向外側に位置するように軸心からの距離が設定される。
凹状部26は、係合凸部24に対して相対的に凹形状を有する窪みであり、軸方向に向って係合凸部24に交番して配される。凹状部26は、所定の相対位置において底部が少なくともリブ4よりも径方向外側に配されるように、深さが設定される。即ち、凹状部26は、軸心からの距離が略等距離となるように深さを設定してもよく、且つ大径面2と略連続面を成すように連設させ得る。勿論、凹状部26は、大径面22よりも軸心からの距離が長くなるように深さを設定してもよい。
また、凹状部26は、径方向視で、軸方向に平行な対称軸に対して非対称形状を有する。即ち、周方向一端(図5(b)における左端)が拡幅した開放端28となり、他端(図5(b)における右端)に向かって徐々に縮幅すると共に、他端がリブ4の周方向の変位を規制する閉塞端となる。ここでは他端側に凹状部26の底面から径方向に突出する壁状のストッパ29を配設することで、閉塞端を形成している。また、ストッパ29は、少なくとも、リブ4の周方向の変位を規制するように、径方向の突出長さが設定される。
また、水硬性固化体埋設型補強用鋼棒1のリブ4及び凹径面6に対応するように、係合凸部24及び凹状部26は、軸心を挟んで相対する二領域に配設されており、一領域の係合凸部24と他領域の係合凸部24とは互いに軸方向位置が段違いになるように設定される。勿論、この係合凸部24及び凹状部26は、互いに軸方向位置が段違いにならないように係合凸部24の対向位置に係合凸部24を、凹状部26の対向位置に凹状部26を設けて、リブ4同士が軸方向における同位置に設けられて成る水硬性固化体埋設型補強用鋼棒1の設定に対応させてもよい。
ここで、図6は水硬性固化体埋設型補強用鋼棒継手構造20を示す断面図であって径方向に相離間して対向する二領域の係合凸部24と凹状部26の位置関係を示している。図6に示すように、左側に位置する一方の領域の係合凸部24に対し、右側に位置する他方の領域には凹状部26が配設され、一方の領域の凹状部26に対し、他方の領域には係合凸部24が配設される。
従って、水硬性固化体埋設型補強用鋼棒1のリブ4及び凹径面6と同様に、係合凸部24及び凹状部26を段違いにすることで、各凹状部26に水硬性固化体埋設型補強用鋼棒1のリブ4が嵌合し得る。なお、水硬性固化体埋設型補強用鋼棒1が、軸心を挟んで相対する二領域でリブ4及び凹径面6同士の軸方向位置を一致させた形状の場合は、係合凸部24及び凹状部26の軸方向位置を一致させるものとする。
次に、水硬性固化体埋設型補強用鋼棒1と水硬性固化体埋設型補強用鋼棒継手構造20とを接続させる手順について説明する。先ず、水硬性固化体埋設型補強用鋼棒継手構造20の挿通孔に水硬性固化体埋設型補強用鋼棒1を挿入する。その際、水硬性固化体埋設型補強用鋼棒1の縮径面2を水硬性固化体埋設型補強用鋼棒継手構造20の係合凸部24及び凹状部26に対向した位置に合わせる。このとき、水硬性固化体埋設型補強用鋼棒1は、水硬性固化体埋設型補強用鋼棒継手構造20に接触せずに軸方向に沿って挿入し得る。即ち、縮径面2は、係合凸部24よりも径方向内側に、リブ4は大径面22よりも径方向内側に位置するため、水硬性固化体埋設型補強用鋼棒1を水硬性固化体埋設型補強用鋼棒継手構造20への接触を避けて挿入し得、軸方向に変位させ得る。
水硬性固化体埋設型補強用鋼棒1を挿入した後、水硬性固化体埋設型補強用鋼棒継手構造20を水硬性固化体埋設型補強用鋼棒1に対して周方向に相対回転させ、水硬性固化体埋設型補強用鋼棒継手構造20に水硬性固化体埋設型補強用鋼棒1を固定する。ここで図7は、リブ4の凹状部26への進入を模式的に示し、(a)は凹状部26への進入前の位置を示す図、(b)は凹状部26に嵌合したときの位置を示す図である。なお、図7は水硬性固化体埋設型補強用鋼棒継手構造20の内周面を正面側に示しており、リブ4の面14a〜14dが凹状部26に対向することから、不図示の水硬性固化体埋設型補強用鋼棒1が紙面手前側に位置し、リブ4の稜線12等を点線で図示し、面14a〜14dが紙面奥側に向かって凹状部26に対向する状態を示す。
水硬性固化体埋設型補強用鋼棒継手構造20は、図7(a)に示すリブ4が開放端28から凹状部26内に進入するように所定の回転向きに相対回転する。また水硬性固化体埋設型補強用鋼棒継手構造20は、図7(b)に示すリブ4が凹状部26に嵌り且つリブ4の進行方向先端部が凹状部26の閉塞端に当接する位置まで相対回転される。
水硬性固化体埋設型補強用鋼棒継手構造20は、係合凸部24間にリブ4が進入したとき、水硬性固化体埋設型補強用鋼棒1に対する軸方向の変位が規制される。即ち、水硬性固化体埋設型補強用鋼棒継手構造20に対して、水硬性固化体埋設型補強用鋼棒1を引抜き向き及び押込み向きの何れの向きに対しても水硬性固化体埋設型補強用鋼棒継手構造20と水硬性固化体埋設型補強用鋼棒1との相対変位が規制される。更に水硬性固化体埋設型補強用鋼棒継手構造20は、閉塞端にリブ4が当接したとき、上記水硬性固化体埋設型補強用鋼棒1に対する所定の回転向きに沿った周方向の変位が規制される。従って、水硬性固化体埋設型補強用鋼棒1が水硬性固化体埋設型補強用鋼棒継手構造20に対して接続されて固定される。
なお、水硬性固化体埋設型補強用鋼棒1のリブ4は先端部10が先鋭形状を成し、水硬性固化体埋設型補強用鋼棒継手構造20の凹状部26の開放端28を拡幅した形状としたので、水硬性固化体埋設型補強用鋼棒継手構造20を回転させた際に係合凸部24がリブ4に引掛ってしまうことを抑止し、凹状部26にリブ4を嵌合させ易くすることができる。
また、リブ4の先端部10を図4に示すように更に先鋭化させれば、より引っ掛かり無くリブ4を凹状部26に嵌合し易くなり好ましい。また、係合凸部24が周方向端部に面を有している限り、先端部10を先鋭状にしても、リブ4と係合凸部24とが接触し、水硬性固化体埋設型補強用鋼棒継手構造20の水硬性固化体埋設型補強用鋼棒1に対する相対回転が規制される可能性がある。
そのため、図8(a)に示すように開放端28を更に大きく拡幅、即ち軸方向に大きく拡開した誘い込み形状とし、且つ係合凸部24の周方向端部を先鋭にすることが好ましい。更に、図8(b)に示すように先端部10及び係合凸部24の周方向端部をそれぞれ先鋭形状とすることがより好ましい。これにより端部同士が接触することが無くなり、よりリブ4が凹状部26に対して自動的に案内されることで嵌合し易くなって、水硬性固化体埋設型補強用鋼棒1と水硬性固化体埋設型補強用鋼棒継手構造20との接続を容易に行うことができる。
なお、水硬性固化体埋設型補強用鋼棒継手構造20を水硬性固化体埋設型補強用鋼棒1に対し、相対回転させることで接続を行うが、凹状部26に開放端28を形成しているため、水硬性固化体埋設型補強用鋼棒継手構造20が逆回転可能な状態となっている。水硬性固化体埋設型補強用鋼棒継手構造20が逆回転した場合は水硬性固化体埋設型補強用鋼棒1と水硬性固化体埋設型補強用鋼棒継手構造20との接続が解除されてしまう。
そこで、水硬性固化体埋設型補強用鋼棒1と水硬性固化体埋設型補強用鋼棒継手構造20との間に逆回転防止構造を設けてもよい。例えば、リブ4に対する凹状部の形状を変えることで逆回転防止構造を形成し得る。ここで、図9は水硬性固化体埋設型補強用鋼棒継手構造20の他の内周形状例を示す径方向視の図であり、例えば、凹状部30の軸方向長さ(幅)を開放端32側で縮小、即ち、凹状部30の開放端32を、中途部分よりも狭幅にして、逆回転防止構造を形成することができる。
その場合に、開放端32の幅をリブ4の最大幅(周方向中央部の幅)よりも小さく設定する。なお、開放端32の幅とリブ4の最大幅との差は、リブ4及び/又は係合凸部24を弾性変形させてリブ4が凹状部30に進入し得る程度に設定する。
図10はリブ4の凹状部30への進入を模式的に示すものであり、(a)は凹状部30への進入前の位置を示す図、(b)は凹状部30に嵌合したときの位置を示す図である。図10において、紙面奥側に存する面14a、14bの凡その位置を点線と対応する符合によって示している。図10(a)に示すようにリブ4の面14a、14bが凹状部30の開放端32側で係合凸部24に当接するが、その抵抗に抗して押し込むことで面14a、14b及び/又は係合凸部24を弾性変形させ、図10(b)に示すように凹状部30にリブ4を進入させる。
このように凹状部30にリブ4を嵌合させることで、水硬性固化体埋設型補強用鋼棒継手構造20が水硬性固化体埋設型補強用鋼棒1に対して接続のときの回転方向と逆向きのトルク等が作用しても、リブ4が凹状部30から外れるためには面14c、14d及び/又は係合凸部24を弾性変形させる程度の大きさのトルクを加える必要があり、結果、逆回転防止構造が形成される。
また、逆回転防止構造は、水硬性固化体埋設型補強用鋼棒1及び水硬性固化体埋設型補強用鋼棒継手構造20とは別体の部材によって成してもよい。例えば、水硬性固化体埋設型補強用鋼棒1を水硬性固化体埋設型補強用鋼棒継手構造20に固定したとき、水硬性固化体埋設型補強用鋼棒1の縮径面2が水硬性固化体埋設型補強用鋼棒継手構造20の大径面22に対向し、縮径面2と大径面22との間に隙間が生じる。そこで図11に示すような、穴穿きの異形の外形を有するプレート形状を成し、穴44の周囲にプレート面に略直交方向に立設されるスペーサ部42を具える回転防止部材40によって縮径面2と大径面22との隙間を埋めてもよい。
具体的には、スペーサ部42の先端が水硬性固化体埋設型補強用鋼棒継手構造20に対向する向きで、穴44に水硬性固化体埋設型補強用鋼棒1を挿通させて回転防止部材40を水硬性固化体埋設型補強用鋼棒継手構造20の端面に接触或いは接近させてスペーサ部42を縮径面2と大径面22との間に挿入して隙間を埋める。これによって、リブ4が凹状部30から退避する向きに相対変位し得るように水硬性固化体埋設型補強用鋼棒継手構造20を回転させようとしても、スペーサ部42によってリブ4の相対変位を規制、即ち、水硬性固化体埋設型補強用鋼棒継手構造20の回転を規制できる。
なお、回転防止部材40を配設する場合は、例えば、回転防止部材40を挟んで水硬性固化体埋設型補強用鋼棒継手構造20に対向する位置で、水硬性固化体埋設型補強用鋼棒1にナットを螺合させてスペーサ部42の脱離を防止してもよい。また、スペーサ部42は基端側から先端側に向って薄厚化させた所謂くさび状としたり、立設面の外表を凹凸状として係合性を向上させてもよい。この場合、水硬性固化体埋設型補強用鋼棒継手構造20の大径面にも、対応する凹凸形状を設けてもよい。
また、このような回転防止部材は、従来の水硬性固化体埋設型補強用鋼棒と水硬性固化体埋設型補強用鋼棒継手であって、水硬性固化体埋設型補強用鋼棒と水硬性固化体埋設型補強用鋼棒継手とを螺合させたときに、水硬性固化体埋設型補強用鋼棒と水硬性固化体埋設型補強用鋼棒継手との間で軸方向に間隙が生じるものに対して適用することが可能である。
また、回転防止部材40は、その異形に設定された外形部を、水硬性固化体埋設型補強用鋼棒継手構造20の軸方向端部に設けられた異形に受容可能とする受容部に嵌合可能とすることで、回転防止部材40の水硬性固化体埋設型補強用鋼棒継手構造20に対する相対回転をより一層強く防止するように構成してもよい。
また、水硬性固化体埋設型補強用鋼棒継手構造20は、リブ4が周方向に変位して凹状部26に進入するように凹状部26が開放端28を有する形状としたが、リブ4が径方向から凹状部26内に嵌るように水硬性固化体埋設型補強用鋼棒継手構造の形状を設定してもよい。
具体的に、図12は、水硬性固化体埋設型補強用鋼棒継手構造50の他の例を示し、(a)は平面図、(b)は正面図、(c)は(b)のA−A断面図である。水硬性固化体埋設型補強用鋼棒継手構造50の凹状部56は、径方向視で略楕円形状、略長円形状、略唇形状、略ラグビーボール形状、略卵形状、略菱形状等の軸方向に平行な対称軸に対して対称な形状を有する。即ち、周方向両端が閉塞した閉塞端を成し、且つリブ4の径方向視における形状と相似又は近似形状を有する。勿論、水硬性固化体埋設型補強用鋼棒継手構造50において、内周面の内、大径面22及び凹状部56を除く部分にはリブ4が当接するものである。
また、水硬性固化体埋設型補強用鋼棒継手構造50は、スリット52、薄肉部54、確認孔58を有する。スリット52は、凹状部56に対して90°位相をずらした箇所(大径面22を配した箇所)で軸方向に延在する。薄肉部54は、軸心を挟んでスリット52に対向し、大径面22の一部の肉厚を薄くすることにより、内部空間を拡張し得るように弾性変形可能に形成される。スリット52及び薄肉部54は、水硬性固化体埋設型補強用鋼棒継手構造50の内周面により画定される内部空間を拡張するための拡張部として機能するものである。
確認孔58は、水硬性固化体埋設型補強用鋼棒継手構造50の内外に貫通して内部を視認可能とする。また確認孔58は、水硬性固化体埋設型補強用鋼棒継手構造50の軸方向の略中央部を中心に少なくとも軸方向に沿う所定範囲内の視認に必要な大きさで開口する。
水硬性固化体埋設型補強用鋼棒継手構造50は、薄肉部54が弾性変形していない初期状態では、水硬性固化体埋設型補強用鋼棒1を挿通させた状態で水硬性固化体埋設型補強用鋼棒1に対して相対回転させてリブ4が大径面22に対向する位置から周方向に変位したとき、内周面がリブ4に干渉して相対回転が規制され得る。このとき、図13に示す矢印に沿ってスリット52の幅が拡げられるように、薄肉部54を撓ませ、弾性変形させれば、水硬性固化体埋設型補強用鋼棒継手構造50の挿通孔を拡径させ得、水硬性固化体埋設型補強用鋼棒1のリブ4と水硬性固化体埋設型補強用鋼棒継手構造50の係合凸部との軸方向における干渉が緩和される。従って、内周面とリブ4とが非干渉の状態となって、水硬性固化体埋設型補強用鋼棒継手構造50が水硬性固化体埋設型補強用鋼棒1に対して相対回転し得るので、凹状部56にリブ4が嵌合する。
なお、上記スリット52は、少なくとも水硬性固化体埋設型補強用鋼棒継手構造50の周方向一部を切欠いたものであればよく、適宜設定し得る。例えば、図14に示すようにアリ溝形状のスリット52を設けてもよい。アリ溝形状のスリット52の場合、スリット52の拡がり得る範囲を規制することが出来る。即ち、図15(a)に示すように、アリ溝形状の凹部100に凸部102を遊嵌させることで、図15(b)に示すように凹部100に嵌る凸部102が周方向に変位可能に位置し、スリット52の拡がる範囲を規制することができる。このスリット52の拡大範囲の規制としては、水硬性固化体埋設型補強用鋼棒継手構造50の内周に対する水硬性固化体埋設型補強用鋼棒1のリブ4の受容過程における相互の当接が解除され、且つ、リブ4と水硬性固化体埋設型補強用鋼棒継手構造50の係合凸部との軸方向にける干渉が残存して完全に解除されない程度とする。こうすることで、水硬性固化体埋設型補強用鋼棒1と水硬性固化体埋設型補強用鋼棒継手構造50とを相対回転可能としながらも互いを引抜くことは不可とすることが可能となる。
また、薄厚部54の撓みでスリット52が拡がり且つ水硬性固化体埋設型補強用鋼棒継手構造の挿通孔の断面積を大きくし、内部空間を拡張させたが、内部空間を拡張するための構成は、適宜設定し得、径方向に分離可能な複数の部分体を拡張部として機能させるようにしてもよい。但し、部分体同士を略一体的に支持し、且つ径方向及び/又は周方向に変位させ得る別部材や機構等を要する。
ここで、図16は水硬性固化体埋設型補強用鋼棒継手構造の一部を成す部分体60を示し、(a)は斜視図、(b)は連結部側の外周面を示す図である。部分体60は、水硬性固化体埋設型補強用鋼棒継手構造を径方向に半割にした略半筒形状であって、一対の部分体60によって水硬性固化体埋設型補強用鋼棒継手構造を構成するものである。
部分体60は、周方向端面がアリ溝形状を成す凹部62a、凸部62bを軸方向に複数列設した連結部62を有する。また、部分体60は、内周面側に凹状部56を有する。即ち、連結部62側の部分体60の内周面は、大径面22の一部を成す面となる。
図17は、部分体によって構成される水硬性固化体埋設型補強用鋼棒継手構造を示す斜視図であり、部分体60a、60bは、互いの連結部62を連結、即ち一方の凸部を他方の凹部に、また一方の凹部を他方の凸部に嵌合させることで水硬性固化体埋設型補強用鋼棒継手構造50を構成し得る。このように構成した水硬性固化体埋設型補強用鋼棒継手構造50は、上記したように、アリ溝形状の凹部に凸部を遊嵌させることで、径方向の変位量を設定し得る。結果、部分体60a、60bは、水硬性固化体埋設型補強用鋼棒継手構造50を成すように互いに連結しつつ径方向に変位し得、内部空間の大きさ、或いは内部空間の直径等を可変とし、拡張させることができる。
なお、水硬性固化体埋設型補強用鋼棒継手構造は、二つの部分体によって構成されるものに限定するものではなく、三つ以上の部分体によって構成してもよい。また部分体同士は、連結部を設ける以外に、別体の弾性部材によって連結させてもよい。例えば、複数の部分体を継手状に並べてCリングや巻きバネ等のよう弾性部材で部分体を囲繞するようにしてもよい。或いは、水硬性固化体埋設型補強用鋼棒継手構造の内部空間を拡大させる拡張部としては、周方向における適宜の二箇所以上に、周方向に弾性変形可能で軸方向に沿った弾性部を設けて、拡径可能に構成してもよい。このようにしても、部分体同士を径方向に分離させることができる。
以上、説明したように、凹状部を対称形状とすることでも水硬性固化体埋設型補強用鋼棒継手構造と水硬性固化体埋設型補強用鋼棒とを接続することができ、水硬性固化体埋設型補強用鋼棒の所望の軸方向位置に容易に水硬性固化体埋設型補強用鋼棒継手構造を位置決め固定可能で且つ水硬性固化体埋設型補強用鋼棒同士の連結性が向上し且つ固化前の水硬性固化体に収容した水硬性固化体埋設型補強用鋼棒継手構造と水硬性固化体埋設型補強用鋼棒の、固化した水硬性固化体に対する埋設状態における引抜き強度を向上することができる。また、凹状部が対称形状であれば、凹状部にリブを嵌合させた後、水硬性固化体埋設型補強用鋼棒に対する水硬性固化体埋設型補強用鋼棒継手構造の相対回転が規制され、凹状部からリブが外れることが防止される。結果、水硬性固化体埋設型補強用鋼棒継手構造と水硬性固化体埋設型補強用鋼棒との接続をより強固にすることができる。
なお、水硬性固化体埋設型補強用鋼棒継手構造の外形形状は、特に限定されるものではないが、水硬性固化体埋設型補強用鋼棒に対して相対回転させるためのトルクを印加し易くするために少なくとも、二面幅を有する形状とするとよい。また、図18に示すような六角筒状の水硬性固化体埋設型補強用鋼棒継手構造20等、水硬性固化体埋設型補強用鋼棒継手構造は星形等を含め、多角形状の外形を有するものであってもよい。勿論、水硬性固化体埋設型補強用鋼棒継手構造は、円筒形状で、軸方向の一部が二面幅を有する形状でもよく、また軸方向の一部だけが多角形状となったものであってもよい。
また、確認孔58は、水硬性固化体埋設型補強用鋼棒継手構造の長手方向の中央部を示唆する中央位置示唆手段を有してもよい。具体的には、図18に示すように、水硬性固化体埋設型補強用鋼棒継手構造の軸方向の略中央部に相当する箇所の開口を狭幅としたくびれ部分58aを設ける。これによって、水硬性固化体埋設型補強用鋼棒継手構造の両端それぞれに水硬性固化体埋設型補強用鋼棒を挿通させたときに、各水硬性固化体埋設型補強用鋼棒の位置を視認可能とすると共に、水硬性固化体埋設型補強用鋼棒継手構造の軸方向中央部に対する各水硬性固化体埋設型補強用鋼棒の位置の把握を同時に且つ容易に行うことができる。
ここで、図19を参照して水硬性固化体埋設型補強用鋼棒継手構造20による二本の水硬性固化体埋設型補強用鋼棒1a、1bの連結について説明する。先ず、図19(a)に示す水硬性固化体埋設型補強用鋼棒継手構造20の軸方向における一端側に水硬性固化体埋設型補強用鋼棒1aを挿入し、水硬性固化体埋設型補強用鋼棒継手構造20を水硬性固化体埋設型補強用鋼棒1a側に変位させる。このとき、水硬性固化体埋設型補強用鋼棒継手構造20の内周面において、大径面22が水硬性固化体埋設型補強用鋼棒1aのリブ4に対向している。
また、水硬性固化体埋設型補強用鋼棒継手構造20の軸方向における他端面が、水硬性固化体埋設型補強用鋼棒1aの軸方向における端面と略面一乃至該端面が多少外部に露出するように、水硬性固化体埋設型補強用鋼棒継手構造20の水硬性固化体埋設型補強用鋼棒1aに対する軸方向位置が設定される。水硬性固化体埋設型補強用鋼棒継手構造20は、図19(b)の矢印で示す時計回りに小角だけ回転、即ち、凹状部26にリブ4が多少嵌合するように、水硬性固化体埋設型補強用鋼棒1aに対して相対回転されて仮止めされる。
水硬性固化体埋設型補強用鋼棒継手構造20と、水硬性固化体埋設型補強用鋼棒1bとの軸心の位置合わせや、水硬性固化体埋設型補強用鋼棒継手構造20に仮止めされた水硬性固化体埋設型補強用鋼棒1a、水硬性固化体埋設型補強用鋼棒1b同士のリブの位相合わせ等を行う。また、水硬性固化体埋設型補強用鋼棒継手構造20の他端と水硬性固化体埋設型補強用鋼棒1bの端面とを隣接させ、水硬性固化体埋設型補強用鋼棒継手構造20の水硬性固化体埋設型補強用鋼棒1aに対する仮止め状態を解除する。即ち、水硬性固化体埋設型補強用鋼棒継手構造20を水硬性固化体埋設型補強用鋼棒1aに対して反時計回りに回転させ軸方向に相対変位し得る状態にする。
次に、水硬性固化体埋設型補強用鋼棒継手構造20を、軸方向における他端部側に水硬性固化体埋設型補強用鋼棒1bが挿通するように水硬性固化体埋設型補強用鋼棒1aに対して軸方向に相対変位させる。即ち、水硬性固化体埋設型補強用鋼棒継手構造20の他端部側に水硬性固化体埋設型補強用鋼棒1bが挿入されるように、水硬性固化体埋設型補強用鋼棒継手構造20を水硬性固化体埋設型補強用鋼棒1b側に向けて変位させる。結果、図19(c)に示すように、水硬性固化体埋設型補強用鋼棒1bを、水硬性固化体埋設型補強用鋼棒1aを挿入したのと逆向きに相対変位させて、水硬性固化体埋設型補強用鋼棒継手構造20に対して挿入することができる。
このとき、図19(c)に示すように水硬性固化体埋設型補強用鋼棒継手構造20の外周には、確認孔58を設けているため、確認孔58を通して水硬性固化体埋設型補強用鋼棒1a、1bの端部の位置を把握できる。また確認孔58にくびれ部分58aによって軸方向中央部の位置が把握し得、水硬性固化体埋設型補強用鋼棒継手構造20内における、各水硬性固化体埋設型補強用鋼棒1a、1bの軸方向位置を略正確に把握することが出来る。
そして、図19(d)に示すように、水硬性固化体埋設型補強用鋼棒継手構造20を水硬性固化体埋設型補強用鋼棒1a、1bに対して時計回りに回転させることで、水硬性固化体埋設型補強用鋼棒継手構造20を介して水硬性固化体埋設型補強用鋼棒1a、1bを連結することができる。
水硬性固化体埋設型補強用鋼棒継手構造の凹状部が、非対称形状又は対称形状であるものとして説明したが、勿論、非対称形状の凹状部と、対称形状の凹状部とを軸方向に列設させてもよく、そのときの凹状部の配列は、非対称形状のものと対称形状のものとを交互に並べてもよく、複数の非対称形状の中で数個おきに対称形状の凹状部を配する等、適宜の組合せ配列とする混成構造としてもよい。
勿論、凹状部は、非対称形状及び対称形状のような非螺旋形状に限定されるものではなく、螺旋形状であってもよい。また、螺旋形状は、連続的に延在するものであってもよく、仮想的な螺旋経路に沿って断続的に略螺旋形状の凹状部を配したものであってもよい。そして螺旋形状の凹状部にリブを嵌合させて螺旋の方向に沿ってリブを相対的に変位させるようにしてもよい。この場合の螺旋形状は、凹状部の内周面がリブ4の面14a、14dに摺接し得ることで、リブ4の変位の方向を案内する、所謂右螺旋状の螺旋溝に設定される。勿論、凹状部の内周面が面14b、14cに摺接してリブ4の変位の方向を案内する、所謂左螺旋状の螺旋溝に設定しても良いことは言うまでもない。結果、水硬性固化体埋設型補強用鋼棒継手構造は、水硬性固化体埋設型補強用鋼棒に対する相対回転によって軸方向に変位させることができる。
なお、凹状部が螺旋形状の場合において、係合凸部の径方向端部の形状は適宜設定し得、例えば面状、凸曲面状、鋭角状、先鋭状等から設定することができる。また、螺旋形状を成す凹状部は、溝の幅形状を、軸方向の一端から中途部分にかけて徐々に、又は段階的に狭くなるように構成する等、螺旋を成す溝形状を適宜設定し得るものである。
なお、水硬性固化体埋設型補強用鋼棒継手構造は、非螺旋形状の凹状部と、螺旋形状の凹状部の両方を有してもよい。図20は非螺旋形状の凹状部、螺旋形状の凹状部を有する水硬性固化体埋設型補強用鋼棒継手構造70を示し、(a)は斜視図、(b)は正面図、(c)は(b)のA−A断面図である。水硬性固化体埋設型補強用鋼棒継手構造70は、軸方向の中途部分を境界に、一端側には非螺旋形状の凹状部72aを配し、他端側には螺旋形状の凹状部72bを配する。
勿論、このような凹状部の混成構造にあっては、非螺旋形状の領域と螺旋形状の領域との境界部分は直接繋がった構造の他、適宜の間隔を存した構造としてもよいことは言うまでもない。
また、水硬性固化体埋設型補強用鋼棒継手構造70は、両端部に係合孔74を有する。係合孔74は、水硬性固化体埋設型補強用鋼棒継手構造70の挿通孔の端部に位置し、内周面が開口に向けて拡がるテーパ形状を有する。また係合孔74の内周面には、軸方向に沿った平目ローレットが形成される。なお、係合孔74は、水硬性固化体埋設型補強用鋼棒1との間で後述する相対回転防止部材80が介在し得るように、水硬性固化体埋設型補強用鋼棒継手構造70の挿通孔よりも拡径した孔形状に設定される。
尚、ここでの係合孔74は、テーパ形状としているが、必ずしもテーパ形状である必要はなく、ストレート状であっても湾曲状や曲線状を成すものであってもよいが、寸法誤差等の吸収を図る場合には、テーパ形状であることが好ましい。
図21は、水硬性固化体埋設型補強用鋼棒継手構造70に係合する相対回転防止部材80を示し、(a)は斜視図、(b)は側面図、(c)は断面図である。相対回転防止部材80は、略リング状を成す本体部82と、フランジ部84とを有する。なお、ここではフランジ部84を設けた構成としているが、これは必ずしも必要なものではない。また、相対回転防部材80は、水硬性固化体埋設型補強用鋼棒1を囲繞する内周面86を有する。
本体部82は、係合孔74に係合し得る外形形状を有する。即ち、本体部82の外周面は、係合孔74の内周面に対応させた、フランジ部84側から徐々に縮径するテーパ形状を有する。また、本体部82の外周面には、軸方向に沿った平目ローレットが形成される。尚、本体部82の外周形状は、テーパ形状に限らず、ストレート形状や湾曲形状、曲線状等に設定することが可能であり、好ましくは係合孔74に対応した形状とする。
また、軸方向に沿った平目ローレットは、必ずしも平目状に限定されるものではなく、係合孔74に設けた回転防止のための手段に対して係合して相対回転を防止することが出来るものであれば適宜設定し得るものである。
フランジ部84は、本体部82よりも外径が大きく設定され、軸方向における端面には周方向に沿って複数の凹凸84aが形成される。この凹凸84aは、好ましくは鋸歯形状を成し、凹凸84aが延びる方向、即ち稜線が延びる方向が相対回転防止部材80の半径方向に沿うように設定されることが好ましい。結果、フランジ部84の端面の凹凸84aは、軸心から放射状に延びる。
内周面86は、水硬性固化体埋設型補強用鋼棒1の縮径面2に非接触でリブ4に干渉し得る一対の干渉面86aと、リブ4に対して間隔を空けて対向する一対の非接触面86bとにより構成される。即ち、内周面86の干渉面86aと非接触面86bとは、周方向に沿って交互に配される。即ち、内周面86に画定される孔は、軸方向視の形状が水硬性固化体埋設型補強用鋼棒1の軸方向の外形に略相当させた非円形状の水硬性固化体埋設型補強用鋼棒挿通孔として機能し得る。
相対回転防止部材80は、水硬性固化体埋設型補強用鋼棒継手構造70と水硬性固化体埋設型補強用鋼棒1との間に介在したとき、水硬性固化体埋設型補強用鋼棒継手構造70が水硬性固化体埋設型補強用鋼棒1に対して相対回転するのを規制し得る。具体的には、予め相対回転防止部材80を水硬性固化体埋設型補強用鋼棒1の外周面を囲繞させた状態で配する。このとき水硬性固化体埋設型補強用鋼棒挿通孔には、水硬性固化体埋設型補強用鋼棒1が相対回転不可の状態で嵌る。
次に、水硬性固化体埋設型補強用鋼棒継手構造70の両端側からそれぞれに水硬性固化体埋設型補強用鋼棒1を挿通させると共に、凹状部72a、72bにリブ4を嵌合させる。相対回転防止部材80は、軸方向に沿って水硬性固化体埋設型補強用鋼棒継手構造70側にスライドすることで、係合孔74に内挿される。そして本体部82の平目ローレットと、水硬性固化体埋設型補強用鋼棒継手構造70の係合孔74の平目ローレットとが周方向に係合する。即ち、互いの平目ローレットの凹凸同士を合わせて周方向に係合する。
これにより、相対回転防止部材80は、水硬性固化体埋設型補強用鋼棒1と水硬性固化体埋設型補強用鋼棒継手構造70の各々に対して周方向に係合する。即ち、本体部82の外周の平目ローレットが、係合孔74の平目ローレットに周方向に係合する。一方で内周面86の干渉面86aが、水硬性固化体埋設型補強用鋼棒1の縮径面2に対向する位置から周方向に変位するときに、リブ4に干渉するため、結果、内周面86が水硬性固化体埋設型補強用鋼棒1に対して周方向に係合する。
次に、図22は、相対変位防止部材90を示し、(a)は斜視図、(b)は側面図、(c)は断面図である。相対変位防止部材90は、外形が略六角形状を成し、水硬性固化体埋設型補強用鋼棒1を囲繞し得る孔90aが貫通した中空部材で、内周面に連続した螺旋溝部92を有する。また、相対変位防止部材90は、フランジ状の一端部を有し、軸方向における一端面には周方向に沿って複数の凹凸部94が形成される。凹凸部94は、上記のフランジ部84の凹凸84aに係合し得る適宜の形状で起伏して構成されるが、ここでは鋸刃形状を成し且つ軸心から放射状に延びるように設定される。
従って、相対回転防止部材80と相対変位防止部材90とが当接する箇所では、凹凸84aと凹凸部94とが、両部材80、90の相対回転を防止する相対回転防止機構として機能する。
螺旋溝部92は、水硬性固化体埋設型補強用鋼棒1のリブ4を嵌合させ得るように螺旋の向き等が設定される。勿論、螺旋の向きは適宜設定し得るが、ここでは螺旋溝部92の螺旋の向きを凹状部72bの螺旋と逆向きの左螺旋状に設定する。螺旋溝部92にリブ4を嵌合させることでリブ4に係合して軸方向変位を規制するが、相対変位防止部材90自体を回転させたときは、水硬性固化体埋設型補強用鋼棒1に対して軸方向に変位可能である。
上述した相対回転防止部材80、相対変位防止部材90を組み合わせた剛結構造による水硬性固化体埋設型補強用鋼棒継手構造70と水硬性固化体埋設型補強用鋼棒1との連結について説明する。なお、水硬性固化体埋設型補強用鋼棒継手構造70には、二本の水硬性固化体埋設型補強用鋼棒1a、1bが挿通し、一方の水硬性固化体埋設型補強用鋼棒1aのリブ4が凹状部72aに嵌合し、他方の水硬性固化体埋設型補強用鋼棒1bのリブ4が右螺旋の凹状部72bに嵌合する。
この場合、先ず、他方の水硬性固化体埋設型補強用鋼棒1bの接続から行う。具体的には、水硬性固化体埋設型補強用鋼棒1bを水硬性固化体埋設型補強用鋼棒継手構造70の他端(図23における上端)の開口に位置させて凹状部72bをリブ4に嵌合し得るように位置合わせを行う。次に、図23(a)に示すように、水硬性固化体埋設型補強用鋼棒継手構造70を水硬性固化体埋設型補強用鋼棒1bに対し右方向に相対回転させたとき、水硬性固化体埋設型補強用鋼棒1bが水硬性固化体埋設型補強用鋼棒継手構造70内部に向けて相対変位する。即ち、水硬性固化体埋設型補強用鋼棒継手構造70の回転により、凹状部72bに嵌合しているリブ4が螺旋の方向に案内され、結果、水硬性固化体埋設型補強用鋼棒1bが螺旋に沿う向きに相対変位し、凹状部72bに沿った最奥部に移動する。
次に一方の水硬性固化体埋設型補強用鋼棒1aの接続を行う。具体的には、図23(b)に示すように水硬性固化体埋設型補強用鋼棒継手構造70の軸方向における一端部側から挿通孔に水硬性固化体埋設型補強用鋼棒1aを挿し、確認孔58によって水硬性固化体埋設型補強用鋼棒1aの深さ位置を確認しながら挿入する。このとき水硬性固化体埋設型補強用鋼棒1aの縮径面2を水硬性固化体埋設型補強用鋼棒継手構造70の凹状部72aに対向した位置に合わせる。そして、図23(c)に示すように、水硬性固化体埋設型補強用鋼棒継手構造70を、水硬性固化体埋設型補強用鋼棒1aに対して反時計回りに所定角度、ここでは約90°だけ相対回転することによって凹状部72a内にリブ4が進入、嵌合して水硬性固化体埋設型補強用鋼棒継手構造70と水硬性固化体埋設型補強用鋼棒1aとが軸方向に係合する。
次に相対回転防止部材80の設置を行う。具体的には、図24(a)に示すように、予め水硬性固化体埋設型補強用鋼棒1a(1b)に挿設された相対回転防止部材80を、水硬性固化体埋設型補強用鋼棒1a(1b)を囲繞した状態のまま水硬性固化体埋設型補強用鋼棒継手構造70側にスライドさせて係合孔74に内挿させる。
また、相対回転防止部材80に先んじて予め水硬性固化体埋設型補強用鋼棒1a(1b)に左方向に螺設された相対変位防止部材90を、相対回転防止部材80側に進行する向き、即ち水硬性固化体埋設型補強用鋼棒1a(1b)に対して左方向に相対回転させる。これによってフランジ部84端面の凹凸84aと凹凸部94とが近接、当接して互いの凹凸同士が係合する。
このように相対回転防止部材80、相対変位防止部材90を組み合わせることによって、より強固に水硬性固化体埋設型補強用鋼棒1と水硬性固化体埋設型補強用鋼棒継手構造70とを接続することができる。即ち、相対回転防止部材80は、内周が水硬性固化体埋設型補強用鋼棒1に対して周方向に係合し、外周が水硬性固化体埋設型補強用鋼棒継手構造70に対して周方向に係合するので、水硬性固化体埋設型補強用鋼棒継手構造70及び水硬性固化体埋設型補強用鋼棒1の内、一方が他方に対して相対的に回転するときに、相対回転防止部材80によって回転を規制する。従ってリブ4が凹状部72a、72bに嵌合した状態を強固に維持することができる。また、相対変位防止部材90を相対回転防止部材80よりも軸方向の外側に配したので、相対回転防止部材80が係合孔74から軸方向に脱抜することを確実に防止することができる。
また、相対変位防止部材90は、水硬性固化体埋設型補強用鋼棒1に対して周方向に容易に変位し得るが、フランジ部84と凹凸部94とが周方向に係合することで、相対変位防止部材90が水硬性固化体埋設型補強用鋼棒継手構造70から離間し得る向きに回転するのを防止し、相対回転防止部材80と相対変位防止部材90とが強固に固定される。従って、水硬性固化体埋設型補強用鋼棒1に、水硬性固化体埋設型補強用鋼棒継手構造70、相対回転防止部材80、相対変位防止部材90が略一体化して非常に強固に接続させることが可能となり、従来必須とされた流動性の硬化性充填材等の注入を不要とすることが可能である。
なお、上述した確認孔は、少なくとも水硬性固化体埋設型補強用鋼棒継手構造内部の水硬性固化体埋設型補強用鋼棒を視認可能であれば、例えば透明なフィルムや、透明な樹脂材等の光透過性を有する部材によって閉塞されていてもよい。
なお、相対回転防止部材80は、本体部を筒形状としたが、径方向に弾性変形し得る形状としてもよい。例えば図25に示すように、本体部82に軸方向に沿って延びるスリット部87を形成してもよい。スリット部87は、周方向に沿って所定間隔毎に形成したり、図25(b)に示すように、非接触面86bの一部を軸方向に沿って切り欠くように形成したりしてもよい。またスリット部87は、図25(c)に示すように本体部82を周方向に広く形成してもよい等、大きさや数は適宜設定し得るものである。
このようなスリット部87を形成することで、本体部82は内側に撓むように弾性変形及び又は塑性変形し得、より強固に水硬性固化体埋設型補強用鋼棒1に密着させることができる。即ち、本体部82がスリット部87により、外周面が周方向に断続的に分かれることで、各々が弾性変形及び/又は塑性変形し易くなる。また本体部82が径方向内向きに弾性変形及び/又は塑性変形した場合、本体部82の内周面が水硬性固化体埋設型補強用鋼棒1の外周面に密接して径方向内向きに押圧する。結果、相対回転防止部材80を水硬性固化体埋設型補強用鋼棒1に対してより強固に固定させることができる。また、本体部82の外周面は、係合孔74の内周面に対応させたテーパ形状としたが、係合孔74のテーパ形状と異なるテーパ形状等とすることで、係合孔74の内周面から径方向内向きに押圧されるように形状を設定してもよい。具体的には、係合孔74のテーパ角よりも僅かに緩やかなテーパ角で且つ本体部82の軸方向先端の外径が、係合孔74の最奥部の内径を超えるような形状とすれば、本体部82が係合孔74内への進入に伴って徐々に係合孔74の内周面から押圧されるため、確実に径方向内向きに弾性変形して水硬性固化体埋設型補強用鋼棒1に強固に密着させることができる。
また、水硬性固化体埋設型補強用鋼棒継手構造は、軸方向における一端部と両端部とで異なる径の水硬性固化体埋設型補強用鋼棒を挿通し得る構成を有していても良い。即ち、水硬性固化体埋設型補強用鋼棒継手構造が直径の異なる水硬性固化体埋設型補強用鋼棒同士を連結させるためのものであってもよく、その場合は軸方向の一端部側から中途部分に至る第一範囲の断面積や径と、軸方向の他端部側から中途部分に至る第二範囲の断面積や径とが異なるように構成してもよい。
また、水硬性固化体埋設型補強用鋼棒継手構造は、一部材で構成されるものに限定されるものではなく、複数部材によって構成してもよい。例えば、図26に示すように軸方向に分割された二つの筒状部材110、120によって水硬性固化体埋設型補強用鋼棒継手構造130を構成してもよい。
筒状部材110は、軸方向における一端部に水硬性固化体埋設型補強用鋼棒1が挿通し得る開口を有し、他端部の外周面には螺旋溝により成る連結部112が配される。また図26(b)に示すように、筒状部材110の内周面には、軸心を挟んで相対する位置に配された大径面22、大径面22に対して周方向に隣接する係合凸部24及び凹状部26が配される。
筒状部材120は、軸方向における一端部に水硬性固化体埋設型補強用鋼棒1が挿通し得る開口を有し、他端部に囲繞部122を有する。囲繞部122は、内周面によって連結部112を囲繞し得るように大径形状を成し、且つ連結部112の螺旋溝に嵌る螺旋状に延在する螺旋凸部が内周面に設けられている。
また筒状部材110の内周面には、軸心を挟んで相対する位置に配された大径面22、大径面22に対して周方向に隣接する係合凸部24及び凹状部26が配される。
筒状部材110、120は、連結部112を囲繞部122にねじ込み接続されることで水硬性固化体埋設型補強用鋼棒継手構造130を構成するものである(図27参照)。勿論、筒状部材110、120を連結する構造は、これに限定されるものではなく、これら筒状部材110、120が相対回転可能且つ軸方向の相対変位を規制するように連結されていればよく、例えば、第三の部材等を用いて連結する構成としてもよいことは言うまでもない。
このような水硬性固化体埋設型補強用鋼棒継手構造130を構成すれば、軸方向における両端それぞれに水硬性固化体埋設型補強用鋼棒1、1を挿通する際に、水硬性固化体埋設型補強用鋼棒1、1同士の位相ズレによる接続の不備を吸収することができる。即ち、水硬性固化体埋設型補強用鋼棒1、1同士でリブ4の位置が異なる場合、一方の水硬性固化体埋設型補強用鋼棒1のリブ4に凹状部26を嵌合させても、他方の水硬性固化体埋設型補強用鋼棒1のリブ4を凹状部26に嵌合しない虞があるが、これを吸収して防止することができる。具体的には、筒状部材110、120のいずれか一方を少なくとも小角(90°未満)回動させれば、確実に筒状部材11、120が共に、挿入される水硬性固化体埋設型補強用鋼棒1のリブ4を凹状部26に嵌合させることができる。
1…水硬性固化体埋設型補強用鋼棒 2…縮径面 4…リブ 4a…端面 6…凹径面 10…先端部 12…稜線 14a〜14d…面 20…水硬性固化体埋設型補強用鋼棒継手構造 22…大径面 24…係合凸部 26…凹状部 28,32…開放端 29…ストッパ 40…回転防止部材 42…スペーサ部 44…穴 52…スリット 58…確認孔 60…部分体 74…係合孔 80…相対回転防止部材 82…本体部 84…フランジ部 90…相対変位防止部材 92…螺旋溝部 94…凹凸部。

Claims (27)

  1. 水硬性固化体埋設型補強用鋼棒を軸方向に沿って挿通可能な挿通孔を有し、内周を水硬性固化体埋設型補強用鋼棒のリブに係合させて該水硬性固化体埋設型補強用鋼棒を接続する水硬性固化体埋設型補強用鋼棒継手構造であって、
    上記内周には、上記軸方向に列設され、上記リブに係合し得る係合凸部と、
    軸方向に向って上記係合凸部に交番し、上記リブを嵌合可能に凹設される少なくとも一種類以上の凹状部と、
    上記係合凸部及び上記凹状部に周方向に隣接し、上記リブと非係合の大径面と、を有し、
    上記凹状部に上記リブを嵌合させ、上記水硬性固化体埋設型補強用鋼棒の軸方向の変位を規制することを特徴とする水硬性固化体埋設型補強用鋼棒継手構造。
  2. 前記凹状部は、非螺旋形状を成し、
    上記非螺旋形状は、径方向視で軸方向を対称軸として対称形状、非対称形状の何れかであることを特徴とする請求項1記載の水硬性固化体埋設型補強用鋼棒継手構造。
  3. 前記非螺旋形状は、軸方向に列設される対称形状及び非対称形状を成し、対称形状と非対称形状の配列が混成構造であることを特徴とする請求項2記載の水硬性固化体埋設型補強用鋼棒継手構造。
  4. 前記対称形状は、周方向の両端が閉塞端であり、
    前記水硬性固化体埋設型補強用鋼棒継手構造の本体は、内部空間を拡張可能とする拡張部を有し、
    上記拡張部は、前記リブを前記内周に受容している状態と、前記挿通孔を拡張させて前記内周に前記リブを受容する過程状態との間で遷移可能とすることを特徴とする請求項2又は3記載の水硬性固化体埋設型補強用鋼棒継手構造。
  5. 前記拡張部は、弾性変形機構及び/又は径方向の分離機構を有することを特徴とする請求項4記載の水硬性固化体埋設型補強用鋼棒継手構造。
  6. 前記非対称形状の前記凹状部は、周方向の一端が開放端であり、上記開放端側から前記リブを受容し得ることを特徴とする請求項2又は3記載の水硬性固化体埋設型補強用鋼棒継手構造。
  7. 前記非対称形状の前記凹状部は、周方向の他端が閉塞端であり、上記閉塞端によって前記リブの周方向の変位を規制し得ることを特徴とする請求項6記載の水硬性固化体埋設型補強用鋼棒継手構造。
  8. 前記凹状部は、螺旋形状を成し、
    前記係合凸部の径方向端部が面状、凸曲面状又は鋭角状を成すものであることを特徴とする請求項1記載の水硬性固化体埋設型補強用鋼棒継手構造。
  9. 螺旋形状を成す前記凹状部は、仮想的に設定された螺旋経路に沿って連続的又は断続的に形成されることを特徴とする請求項8記載の水硬性固化体埋設型補強用鋼棒継手構造。
  10. 螺旋形状を成す凹状部は、連続的に形成され、軸方向の一端から中途部分にかけて徐々に、又は段階的に凹状部の幅が狭くなるように構成されることを特徴とする請求項8記載の水硬性固化体埋設型補強用鋼棒継手構造。
  11. 前記挿通孔は、軸方向視で、上記水硬性固化体埋設型補強用鋼棒の軸方向視の外形に略相似又は近似の孔形状を有することを特徴とする請求項1乃至10の何れかに記載の水硬性固化体埋設型補強用鋼棒継手構造。
  12. 前記挿通孔は、軸方向視で、略長円形状又は略楕円形状の孔形状を有することを特徴とする請求項1乃至8の何れかに記載の水硬性固化体埋設型補強用鋼棒継手構造。
  13. 前記挿通孔は、二面幅部を有し、対向する二面幅部の相対する両端間が所定の曲率半径の凸状を成す弧によって繋がった内周面により成ることを特徴とする請求項11記載の水硬性固化体埋設型補強用鋼棒継手構造。
  14. 前記挿通孔は、軸方向の一端から中途部分における第一範囲と、軸方向の他端から上記中途部分における第二範囲とで断面積が異なることを特徴とする請求項1乃至13の何れかに記載の水硬性固化体埋設型補強用鋼棒継手構造。
  15. 軸方向の一端から中途部分までの前記凹状部を螺旋形状とし、他端から上記中途部分までの前記凹状部を非螺旋形状とすることを特徴とする請求項1記載の水硬性固化体埋設型補強用鋼棒継手構造。
  16. 少なくとも軸方向の一端に水硬性固化体埋設型補強用鋼棒との相対回転を防止する相対回転防止部材を設けることを特徴とする請求項1乃至15の何れかに記載の水硬性固化体埋設型補強用鋼棒継手構造。
  17. 少なくとも軸方向の一端に水硬性固化体埋設型補強用鋼棒との軸方向に対する相対変位を防止する相対変位防止部材を設けることを特徴とする請求項1乃至15の何れかに記載の水硬性固化体埋設型補強用鋼棒継手構造。
  18. 軸方向端部に剛結構造を設け、
    上記剛結構造は、水硬性固化体埋設型補強用鋼棒との相対回転を防止する相対回転防止部材と水硬性固化体埋設型補強用鋼棒に対する相対変位を防止する相対変位防止部材とを有することを特徴とする請求項1乃至15の何れかに記載の水硬性固化体埋設型補強用鋼棒継手構造。
  19. 前記相対回転防止部材は、前記水硬性固化体埋設型補強用鋼棒を囲繞し且つ係合孔に内挿されることを特徴とする請求項16又は18記載の水硬性固化体埋設型補強用鋼棒継手構造。
  20. 前記相対回転防止部材は、係合孔の内周に係合する係合面と、
    軸方向視で前記水硬性固化体埋設型補強用鋼棒の外形に略相当する非円形状の水硬性固化体埋設型補強用鋼棒挿通孔と、を有し、
    上記水硬性固化体埋設型補強用鋼棒挿通孔に前記水硬性固化体埋設型補強用鋼棒が相対回転不可の状態で嵌り得、上記係合面が上記係合孔の内周に係合することを特徴とする請求項16、請求項18又は請求項19記載の水硬性固化体埋設型補強用鋼棒継手構造。
  21. 前記相対変位防止部材は、前記水硬性固化体埋設型補強用鋼棒のリブに係合し、軸方向の変位が規制されることを特徴とする請求項17又は18記載の水硬性固化体埋設型補強用鋼棒継手構造。
  22. 前記相対変位防止部材は、前記水硬性固化体埋設型補強用鋼棒が挿通し得、内周面に螺旋溝を有する孔部を有することを特徴とする請求項17、18又は21記載の水硬性固化体埋設型補強用鋼棒継手構造。
  23. 前記相対回転防止部材と前記相対変位防止部材との当接部には、前記相対回転防止部材と前記相対変位防止部材との相対回転を防止する相対回転防止機構が設けられることを特徴とする請求項18記載の水硬性固化体埋設型補強用鋼棒継手構造。
  24. 本体の長手方向における適宜の中間位置には、前記水硬性固化体埋設型補強用鋼棒の挿入深さを視認可能とする内外に貫通した確認孔を有することを特徴とする請求項1乃至23の何れかに記載の水硬性固化体埋設型補強用鋼棒継手構造。
  25. 前記確認孔は、前記長手方向の中央部を示す中央位置示唆手段を有することを特徴とする請求項24記載の水硬性固化体埋設型補強用鋼棒継手構造。
  26. 前記確認孔は、孔形状が前記長手方向の中央部に相当する箇所をくびれさせたくびれ部を有し、該くびれ部が前記中央位置示唆手段を成すことを特徴とする請求項25記載の水硬性固化体埋設型補強用鋼棒継手構造。
  27. 前記確認孔は、光透過性を有する部材によって閉塞されることを特徴とする請求項24乃至26の何れかに記載の水硬性固化体埋設型補強用鋼棒継手構造。




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