JP2021113391A - 多条ねじ継手、継手付き鋼管、構造体、構造体の施工方法、多条ねじ継手の設計方法及び製造方法 - Google Patents

多条ねじ継手、継手付き鋼管、構造体、構造体の施工方法、多条ねじ継手の設計方法及び製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】嵌合間違いを排除できる多条ねじ継手、継手付き鋼管、構造体、構造体の施工方法、多条ねじ継手の設計方法及び製造方法を提供する。【解決手段】多条ねじ継手1は、鋼管3、9の端部に取り付けられ、雄ねじ5を有する内側継手管7と雌ねじ11を有する外側継手管13からなり、内側継手管7及び外側継手管13のねじが、3条以上の多条ねじであって、以下に規定する要件を満たす。(1)形状の異なる2以上、ねじ条数以下の種類のねじを備えること。(2)全てのねじ山及びねじ底は、ピッチが同じであること。(3)各種類のねじが複数条ある場合において、同一種類同士のねじであって隣り合うもの同士の位置を直線で結んで形成される直線又は多角形が、直線は管の中心を通ること、多角形はその重心が管の中心と一致すること、という条件を全ての直線及び多角形が満たすものを除くこと。【選択図】図1

Description

本発明は、3条以上の雄ねじを有する内側継手管と、3条以上の雌ねじを有する外側継手管からなる多条ねじ継手、該多条ねじ継手を取り付けた継手付き鋼管、該継手付き鋼管が複数連結されてなる構造体、構造体の施工方法、及び多条ねじ継手の設計方法及び製造方法に関する。
構造物の基礎や地滑りの抑止などに利用される鋼管による構造体(例えば、鋼管杭、鋼管矢板、鋼管矢板を連結した鋼管矢板壁、鋼管柱、鋼管梁等)は、施工の条件により必要な長さが数十mに及ぶ場合がある。一方、これら鋼管による構造体を施工現場まで搬送する際は、交通制限により長尺のものを搬送できない。そのため、搬送可能な長さである数mづつ運び、施工現場において施工(打設を含む)途中で接合される。
鋼管による構造体を施工現場で接合する方法として、特許文献1に開示されたようなねじ継手が利用される。ねじ継手は接合対象となる鋼管のそれぞれの端部に取り付けられ、施工現場で回転嵌合させることによって鋼管を接合して鋼管による構造体を施工する。
特許文献1に開示のねじ継手は、ねじ部を多条ねじとすることで、嵌合に必要な回転量を低減させ、嵌合時間の低減や施工性の向上を実現できる。特に、隣接する鋼管同士を連結する連結継手を有する鋼管矢板用の鋼管にねじ継手を適用する場合、連結継手の回転半径内にある他の鋼管矢板が干渉することがあるため、嵌合に必要な回転量を低減することは有効である。
特開平10−311028号公報
ねじ継手を鋼管矢板用の鋼管に適用する場合、上側の鋼管と下側の鋼管の連結継手の位置が、上下の鋼管の嵌合完了時点で同じ位置にある必要がある。この点、多条ねじ継手の場合、ねじ条数分だけねじ山の先端部が存在し、ねじ条数と同数の嵌合開始位置が存在する。このため、嵌合完了時に正しい位置となる嵌合開始位置から嵌合を開始する必要がある。そこで、多条ねじ継手には正しい嵌合開始位置に位置合わせマークが設けられている。
ねじ継手を鋼管矢板用の鋼管に適用する場合、位置合わせマークに合わせて嵌合を開始することにより、嵌合完了時に上下の連結継手位置が一致する。
しかし、位置合わせマークを設けても、ヒューマンエラーによる嵌合開始位置の間違いを完全には排除できず、仮に、間違った嵌合開始位置から嵌合が開始されると、嵌合完了時点で上下の連結継手位置が不一致となり、嵌合開始位置が誤りであったことが分かる。
この場合、嵌合完了したものを、再度逆回転して嵌合を外して、嵌合位置合わせを行って再度嵌合することになり、工事の進行を遅らす原因やねじ部の傷つきによる嵌合不良の原因となる。
本発明はかかる課題を解決するためになされたものであり、嵌合間違いを排除できる多条ねじ継手、該多条ねじ継手を取り付けた継手付き鋼管、該継手付き鋼管が複数連結されてなる構造体、構造体の施工方法、及び多条ねじ継手の設計方法及び製造方法を提供することを目的としている。
(1)本発明に係る多条ねじ継手は、鋼管の端部に取り付けられ、雄ねじを有する内側継手管と雌ねじを有する外側継手管からなり、前記内側継手管及び前記外側継手管のねじが、3条以上の多条ねじである多条ねじ継手であって、前記多条ねじを構成するねじが、以下に規定する要件を満たすことを特徴とするものである。
(1−1)形状の異なる2以上、ねじ条数以下の種類のねじを備えること。
(1−2)全てのねじ山及びねじ底は、ピッチが同じであること。
(1−3)各種類のねじが複数条ある場合において、同一種類同士のねじであって隣り合うもの同士の位置を直線で結んで形成される直線又は多角形が、直線は管の中心を通ること、多角形はその重心が管の中心と一致すること、という条件を全ての直線及び多角形が満たすものを除くこと。
(2)また、上記(1)に記載のものにおいて、全てのねじ山とねじ底の継手軸方向隙間が同じに設定されていることを特徴とするものである。
(3)また、上記(1)又は(2)に記載のものにおいて、形状の違いは、ねじ山及びこれに対応するねじ底の高さ、幅、角度のいずれか又は複数が異なることであることを特徴とするものである。
(4)本発明に係る継手付き鋼管は、上記(1)乃至(3)のいずれかに記載の多条ねじ継手における内側継手管と外側継手管を、一端と他端に取り付けてなることを特徴とするものである。
(5)本発明に係る構造体は、上記(1)乃至(3)のいずれかに記載の多条ねじ継手と、前記多条ねじ継手で連結された複数の鋼管とを備えることを特徴とするものである。
(6)本発明に係る構造体の施工方法は、上記(5)に記載の構造体の施工方法であって、連結対象となる継手付き鋼管の一方の回転を拘束した状態で、他方の継手付き鋼管の多条ねじ継手を前記一方の継手付き鋼管の多条ねじ継手に位置合わせして回転嵌合することを特徴とするものである。
(7)本発明に係る多条ねじ継手の設計方法は、鋼管の端部に取り付けられ、雄ねじを有する内側継手管と雌ねじを有する外側継手管からなり、前記内側継手管及び前記外側継手管のねじが、3条以上の多条ねじである多条ねじ継手の設計方法であって、前記多条ねじを構成するねじが、以下に規定する要件を満たすように設計することを特徴とするものである。
(7−1)形状の異なる2以上、ねじ条数以下の種類のねじによって構成すること。
(7−2)全てのねじ山及びねじ底は、ピッチを同じに設定すること。
(7−3)各種類のねじが複数条ある場合において、同一種類同士のねじであって隣り合うもの同士の位置を直線で結んで形成される直線又は多角形が、直線は管の中心を通ること、多角形はその重心が管の中心と一致すること、という条件を全ての直線及び多角形が満たすものを除くこと。
(8)本発明に係る多条ねじ継手の製造方法は、鋼管の端部に取り付けられ、雄ねじを有する内側継手管と雌ねじを有する外側継手管からなり、前記内側継手管及び前記外側継手管のねじが、3条以上の多条ねじである多条ねじ継手の製造方法であって、
前記多条ねじを構成するねじが、以下に規定する要件を満たすことを特徴とするものである。
(8−1)形状の異なる2以上、ねじ条数以下の種類のねじを形成すること。
(8−2)全てのねじ山及びねじ底は、ピッチを同じに形成すること。
(8−3)各種類のねじが複数条ある場合において、同一種類同士のねじであって隣り合うもの同士の位置を直線で結んで形成される直線又は多角形が、直線は管の中心を通ること、多角形はその重心が管の中心と一致すること、という条件を全ての直線及び多角形が満たすものを除くこと。
本発明に係る多条ねじ継手においては、上記のように構成されることにより、特定の対応するねじ山とねじ底が嵌合可能な状態でないと嵌合することができず、誤嵌合を確実に防止することができる。
本実施の形態に係る多条ねじ継手の嵌合前の状態の側面図である。 本実施の形態に係る多条ねじ継手の嵌合完了時の状態の側面を内部を透視して示す図である。 8条のねじ継手を上部から見た場合の雄ねじ、雌ねじの嵌合開始位置の概念図である。 多条ねじ継手が正しい位置で嵌合している状態の一部を拡大して示す図であって、図4(a)は種類Aのねじ形状の嵌合状態であり、図4(b)は種類Bのねじ形状の嵌合状態である。 図4に示した多条ねじ継手が誤った位置で嵌合しようとしたときに嵌合できなくなることを説明するための説明図である。 3条ねじの場合に1か所のみから嵌合できる多条ねじ継手を上部から見た場合の嵌合開始位置の概念図である。 4条ねじの場合に1か所のみから嵌合できる多条ねじ継手を上部から見た場合の嵌合開始位置の概念図である。 5条ねじの場合に1か所のみから嵌合できる多条ねじ継手を上部から見た場合の嵌合開始位置の概念図である。 4条ねじの場合に要件3が課される多条ねじ継手を上部から見た場合の嵌合開始位置の概念図である。 図9(b)に示した多条ねじ継手が複数か所から嵌合できることを説明するための説明図である。 要件3が課される場合において、1か所のみから嵌合できる5条の多条ねじ継手を上部から見た場合の嵌合開始位置の概念図である。 要件3が課される場合において、複数か所から嵌合できる6条の多条ねじ継手を上部から見た場合の嵌合開始位置の概念図である。 要件3が課される場合において、複数か所から嵌合できる8条の多条ねじ継手を上部から見た場合の嵌合開始位置の概念図である。 ねじ形状の他の態様1を説明する説明図であって、図14(a)は種類Aのねじ形状の嵌合状態であり、図14(b)は種類Cのねじ形状の嵌合状態である。 図14に示した多条ねじ継手が誤った位置で嵌合しようとしたときに嵌合できなくなることを説明するための説明図である。 ねじ形状の他の態様2を説明する説明図であって、図16(a)は種類Aのねじ形状の嵌合状態であり、図16(b)は種類Dのねじ形状の嵌合状態である。 図16に示した多条ねじ継手が誤った位置で嵌合しようとしたときに嵌合できなくなることを説明するための説明図である。
本実施の形態に係る多条ねじ継手1は、図1、図2に示すように、上側の鋼管3の端部に取り付けられ、雄ねじ5を有する内側継手管7と、下側の鋼管9の端部に取り付けられ、雌ねじ11を有する外側継手管13からなり、内側継手管7及び外側継手管13のねじが、3条以上の多条ねじである多条ねじ継手1であって、多条ねじを構成するねじが、以下に規定する要件を満たすことを特徴とするものである。
形状の異なる2以上、ねじ条数以下の種類のねじを備えること(要件1)。
全てのねじ山及びねじ底は、ピッチが同じであること(要件2)。
各種類のねじが複数条ある場合において、同一種類同士のねじであって隣り合うもの同士の位置を直線で結んで形成される直線又は多角形が、直線は管の中心を通ること、多角形はその重心が管の中心と一致すること、という条件を全ての直線及び多角形が満たすものを除くこと(要件3)。
以下に、多条ねじ継手1の各構成を詳細に説明する。
<鋼管>
鋼管3、9は、杭を構成するものであり、図中上側の鋼管3が上杭を、下側の鋼管9が下杭を構成する。
本実施の形態では、上側の鋼管3に雄ねじ5を有する内側継手管7が溶接により固定され、下側の鋼管9に雌ねじ11を有する外側継手管13が溶接により固定されている。
もっとも、内側継手管7を下側の鋼管9に固定し、外側継手管13を上側の鋼管3に固定するようにしてもよい。
<内側継手管、外側継手管>
内側継手管7は、3条以上の多条ねじからなる雄ねじ5が形成されている。また、外側継手管13は、内側継手管7と同じ条数の3条以上の多条ねじからなる雌ねじ11が形成されている。
そして、内側継手管7及び外側継手管13が備えた多条ねじは、ねじ山5a、11a及びこれに対応するねじ底11b、5b(種類A)と、ねじ山5as、11as及びこれに対応するねじ底11bs、5bs(種類B)(右上がりの斜線で示した部分)と、ねじ山5ass、11ass及びこれに対応するねじ底11bss、5bss(種類C)(右下がりの斜線で示した部分)の、それぞれ形状の異なる3種類のねじを有しており(要件1)、全てのねじ山及びねじ底はピッチが同じに設定されている(要件2)。
要件3は各種類のねじが複数条ある場合に課される要件であり、本例の場合、3種類のねじのうち、種類B及び種類Cのねじは1条のみであるので要件3は課されない。よって、図1及び図2に示した例は本発明の要件を満たすものである。なお、要件3が課される例については後述する。
以上のように構成された本実施の形態の多条ねじ継手1においては、内側継手管7と外側継手管13における、同形状のねじの嵌合開始位置が一致していないと回転嵌合することができない。換言すれば、同形状のねじの嵌合開始位置が一致する場合のみ、図2に示すように、回転嵌合することができる。
この点を、図3に示す8条ねじを例にあげて、具体的に説明する。
図3は、8条のねじ継手を上部から見た場合の雄ねじ5及び雌ねじ11のねじ開始位置の概念図である。図中、黒丸印は種類Aのねじの嵌合開始位置、星印は種類Bのねじの嵌合開始位置、白丸印は種類Cのねじの嵌合開始位置を示している。
図3(a)は、全てのねじが種類Aのものであり、雄ねじ5と雌ねじ11は黒丸印の位置が一致していれば嵌合を開始することができる。すなわち、ねじ条数と同数の8か所の位置で嵌合が可能である。
図3(b)及び図3(c)は、図1、図2と同様に、ねじ形状がA、B、Cの3種類で、種類Aが6条、種類B、種類Cが1条ずつ形成されたものである。この場合、図3(b)に示すように、同形状のねじの嵌合開始位置が全ての条で一致したときにのみ、嵌合を開始することができる。一方、図3(c)に示すように、いずれかの条で異なる形状のねじの嵌合開始位置が相対するときには、嵌合を開始することができない。
まず、図3(b)のように同形状のねじの嵌合開始位置がそれぞれ一致して嵌合したときの状態について、下記に示す形状の異なる2種類のねじを例にあげて説明する。
図4は、形状の異なる2種類のねじの一例として、ねじ山5a、11a及びこれに対応するねじ底11b、5b(種類A)と、ねじ山5as、11as及びこれに対応するねじ底11bs、5bs(種類B)の高さが異なるものを示している。
図4(a)は、種類Aのねじ山5a、11a及びねじ底11b、5bが適切に嵌合している状態であり、一例として、この適切に嵌合する雌ねじ11のねじ山11aの高さhは4.0mmで、雄ねじ5のねじ底5bとの間の径方向のクリアランスc1は0.5mmとする。
また、図4(b)は、種類Bのねじ山5as、11as、ねじ底11b、5bsが適切に嵌合している状態であり、一例として、雌ねじ11のねじ山11asの高さHは2.0mmで、雄ねじ5のねじ底5bsとの間のクリアランスC1は0.5mmとする。
なお、ねじピッチPは種類Aのねじ形状のもの、及び、種類Bのねじ形状のものも共に10mmである。ねじピッチPとは、ある1条における雄ねじ5のねじ底の端から次の1条の雄ねじ5のねじ底の始まる位置までの軸方向の距離、あるいは、ある1条の雌ねじ11のねじ山の端から次の1条のねじ山の始まる位置までの軸方向の距離である。
1条ねじの場合には、ねじピッチは、1回転したときにねじが進む距離を意味するが、多条ねじにおいては、ねじの条数によって1回転したときの進む距離が異なることから、一定の距離としてのねじピッチを定義できないので、上記のように定義している。
図4(a)及び図4(b)に示すように、雄ねじ5と雌ねじ11の各条が、それぞれ同じ種類同士で対応していれば嵌合開始することができ、雄ねじ5を有する内側継手管7と雌ねじ11を有する外側継手管13を回転嵌合することができる。
次に、図3(c)のように、異なる形状のねじの嵌合開始位置が相対して嵌合を開始することができない状態について、図5を用いて説明する。
図5は、図4に示した種類Aと種類Bのねじが嵌合しようとしたときの状態を示している。種類Aと種類Bのように、ねじ山及びねじ底の高さが異なるねじが嵌合しようとすると、図5に示すように、種類Bである雄ねじ5のクリアランスC1を含めて2.5mmのねじ底5bs(H+C1)のところに、種類Aの雌ねじ11であるねじ高さhが4.0mmのねじ山11aが位置することになり、干渉して嵌合を開始することができない。
したがって、雄ねじ5と雌ねじ11のいずれかの条が、異なる種類のねじと相対していると嵌合開始することができないので、雄ねじ5を有する内側継手管7と雌ねじ11を有する外側継手管13を回転嵌合することができない。
なお、種類Aのねじと種類Bのねじが嵌合できないようにするには、ねじ山の高さの差がクリアランスc1以上ある必要がある。例えば、種類Bのねじ山5as、11asの高さH、種類Bのねじ底5bs、11bsとねじ山11as、5asのクリアランスC1、種類Aのねじ山5a、11aの高さh、種類Aのねじ底5b、11bとねじ山11a、5aのクリアランスc1との関係は、h>H+C1又はH>h+c1の関係となる。
なお、図3では、3種類のねじ形状が形成されている8条ねじを例に説明したが、本発明はその限りでない。ねじ形状の種類の数は2以上、ねじ条数以下(要件1)であればよく、また、他の条数の多条ねじにおいても同様である。その例を以下に示す。なお、各例は全てのねじ山及びねじ底はピッチが同じに設定されているものとする(要件2)。
まず、図1〜図3と同様に、「各種類のねじが複数条ある場合」に該当せず、要件3が課されない例を図6〜図8に示す。
図6は、3条のねじ継手を上部から見た場合の雄ねじ5のねじ開始位置の概念図である(雌ねじ11も同形状であるため図示を省略。以下、同様)。図6(a)は、ねじ形状が3種類の例であり、図6(b)は、ねじ形状が2種類の例である。同じマークが付されている条は同じねじ形状であることを示し、異なるマークが付されている条は異なるねじ形状であることを示している。また中心にある十字は管の中心15を示している。
さらに、同一種類(同じマーク)のねじが複数条ある場合においては、同一種類の中で隣り合うもの同士を直線で結び、該直線によって多角形が形成される場合にはその重心を示す(多角形の重心17)。後述する図7〜図13においても同様である。
図6(a)に示した例は、3条の各種類のねじ形状がすべて異なり、1条ずつしかないので、要件3は課されない。
図6(b)に示した例は、黒丸印のねじ形状は2条あるが、星印のねじ形状が1条しかないので、要件3は課されない。
よって、図6に示した例はいずれも、3条全てのねじ形状が一致できるのは回転方向のうち1か所のみであるので、その1か所でのみ嵌合開始することができる。
図7は、4条のねじ継手を上部から見た場合の雄ねじ5のねじ開始位置の概念図である。図7(a)はねじ形状が4種類、図7(b)はねじ形状が3種類の例である。
図7(a)及び図7(b)は、図6(a)及び図6(b)同様、1条のみ形成されているねじ形状があるので、要件3は課されない。
よって、図7に示した例はいずれも、4条全てのねじ形状が一致できるのは回転方向のうち1か所のみであるので、その1か所でのみ嵌合開始することができる。
図8は、5条のねじ継手を上部から見た場合の雄ねじ5のねじ開始位置の概念図である。図8(a)はねじ形状が5種類、図8(b)はねじ形状が4種類、図8(c)はねじ形状が3種類の例である。
図8(a)〜図8(c)は、図6及び図7同様、1条のみ形成されているねじ形状があるので、要件3は課されない。
よって、図8に示した例はいずれも、5条全てでねじ形状が対応するのは回転方向のうち1か所のみであるので、その1か所でのみ嵌合開始することができる。
次に、「各種類のねじが複数条ある場合」に該当し、「同一種類同士のねじであって隣り合うもの同士の位置を直線で結んで形成される直線又は多角形が、直線は管の中心を通ること、多角形はその重心が管の中心と一致すること、という条件を全ての直線及び多角形が満たすものを除くこと」という要件3が課される例を以下に示し、これついて詳しく説明する。
図9は、4条のねじ継手を上部から見た場合の雄ねじ5のねじ開始位置の概念図であり、ねじ形状が2種類の例である。図9(a)、図9(b)ともに、黒丸印と星印のねじが2条ずつ形成されているので要件3が課される場合に該当する。
図9(a)は、同一種類のねじを結ぶ直線(黒丸印を結ぶ直線と星印を結ぶ破線)はいずれも管の中心15を通っていないので、要件3を満たすものである。
したがって、図9(a)に示す例は、要件1〜3を全て満たし、4条全てのねじ形状が一致できるのは回転方向のうち1か所のみであるので、その1か所でのみ嵌合開始することができる。
一方、図9(b)は、同一種類のねじを結ぶ直線がいずれも管の中心15を通っているので、要件3を満たしていないものである。この場合、回転方向のうち複数の箇所で嵌合開始することができる。これについて図10を用いて説明する。
図10に、図9(b)の雄ねじ5と、それに対応する雌ねじ11を示す。図10において、雄ねじ5と雌ねじ11に付した矢印は位置合わせマークを示している。図10(a)は、正しい嵌合開始位置の状態であり、位置合わせマークが一致している。図10(b)は、雌ねじ11を図10(a)の状態から180度回転させた状態であり、位置合わせマークは一致していない。しかし、図10(b)の状態でも4条全てでねじ形状が一致することとなり、嵌合開始することができる。
このように、要件3を満たしていない場合には、回転方向のうち複数の箇所で嵌合が可能となり、正しい位置以外からの嵌合を排除することができない。
図9(a)と同様に、要件3を満たす他の例を図11に示す。図11は、5条のねじ継手を上部から見た場合の雄ねじ5のねじ開始位置の概念図であり、ねじ形状が2種類の例である。図11に示した例は、5条のうち黒丸印の3条と星印の2条がそれぞれ同一種類のねじ形状である。そして、黒丸印を結ぶ直線によって形成される多角形の重心17は管の中心15と一致しておらず、また、星印を結ぶ破線も管の中心15を通っていないので、要件3を満たしている。
もっとも、図9(a)及び図11のように、同一種類のねじを結ぶ直線または多角形が複数あるような場合には、全ての直線及び多角形の重心17が管の中心15から外れている必要はなく、外れるものが少なくとも一つあれば、要件3を満たすことができる。
次に、図9(b)と同様に、要件3を満たさない他の例を図12及び図13に示す。図12及び図13は、6条及び8条のねじ継手を上部から見た場合の雄ねじ5のねじ開始位置の概念図である。図12及び図13に示した例は、同一種類のねじを結ぶ直線または直線からなる多角形の全てにおいて、管の中心15を通る、又は、管の中心15と多角形の重心17が一致しているので、要件3を満たしていない。
したがって、図12及び図13の例は、図10で説明したように、雄ねじ5と雌ねじ11のねじ形状が一致する嵌合可能な位置が、回転方向のうち複数か所存在するので、正しい位置以外からの嵌合を排除することができない。
以上のように、本実施の形態に係る多条ねじ継手は、多条ねじを構成するねじが、ねじ形状が異なってピッチが同じものを複数種類有し、さらに、複数か所で嵌合可能とならないように形成されているので、正しい位置以外では嵌合開始できず、誤嵌合を確実に防止することができる。
すなわち、同一種類の対応する条の嵌合開始位置のいずれかに、位置合わせマークを付けておけば、正しい嵌合位置であれば回転嵌合することができ、仮に、ヒューマンエラーによって位置合わせが誤った場合には、嵌合開始ができない。このため、嵌合開始位置が誤りであることが直ぐに分かり、誤嵌合によって、回転嵌合をやり直す場合に比較すると施工効率を向上させることができる。
なお、図4及び図5の説明では、ねじ山及びこれに対応するねじ底の高さを他と異なるように設定することで、種類の異なるねじ形状を形成したものであったが、本発明はこれに限られるものではなく、要するにその他のねじと嵌合できないねじ形状を形成すればよく、ねじ形状を他のねじ形状と異なるようにする態様は、例えば、以下に説明する他の態様1、2等が挙げられる。
<他の態様1>
他の態様1は、種類Cのねじ山5ass、11ass及びこれに対応するねじ底11bss、5bssが、種類Aのねじ山5a、11a及びねじ底11b、5bと、ねじピッチは同じであり、ねじ幅が異なるものである。これについて図14、図15に基づいて説明する。
図14(a)は、種類Aのねじ山5a、11a、ねじ底11b、5bを示しており、適切に嵌合している状態である。一例として、この適切に嵌合する雌ねじ11のねじ幅wは3.4mmで、雄ねじ5のねじ底5bとの間の軸方向のクリアランスc2は0.5mmとする。
また、図14(b)は、種類Cのねじ山5ass、11ass、ねじ底11bss、5bssを示しており、適切に嵌合している状態である。一例として、この種類Cの雌ねじ11のねじ幅Wは2.4mmで、雄ねじ5のねじ底5bsとの間の軸方向のクリアランスC2は0.7mmとする。
なお、ねじピッチPは種類A、C共に10mmである。
図14(b)に示すように、種類Cの対応するねじ山5ass、11assとねじ底11bss、5bss同士であれば嵌合することができ、雄ねじ5を有する内側継手管7と雌ねじ11を有する外側継手管13を嵌合させることができる。
しかし、種類Aのねじと種類Cのねじが嵌合しようとすると、図15に示すように、種類Cである雄ねじ5のクリアランスC2を含めて3.1mm(W+C2)のねじ底5bssのところに、種類Aの雌ねじ11であるねじ幅wが3.4mmのねじ山11aが位置することになり、干渉して内側継手管7と外側継手管13の嵌合を開始することができない。
なお、種類の異なるねじが嵌合できないようにするには、ねじ山の幅の差がクリアランスc2以上ある必要がある。例えば、種類Cのねじ山5ass、11assの幅W、種類Cのねじ底11bss、5bssとねじ山5ass、11assのクリアランスC2、種類Aのねじ山5a、11aの幅w、種類Aのねじ底11b、5bとねじ山5a、11aのクリアランスc2との関係は、w>W+C2又はW>w+c2の関係となる。
<他の態様2>
他の態様2は、種類Dのねじ山5asss、11asss及びこれに対応するねじ底11bsss、5bsssは、種類Aのねじ山5a、11a及びねじ底11b、5bと、ピッチは同じであり、ねじ角度が異なるものである。これについて図16、図17に基づいて説明する。なお、ねじ角度が異なるとは、ねじ山における両側のフランク角が異なる場合、片側のフランク角が異なる場合の両方を含む意味である。
図16(a)は、種類Aのねじ山5a、11a、ねじ底11b、5bを示しており、適切に嵌合している状態である。一例として、この適切に嵌合する雌ねじ11のねじ山11a及び雄ねじ5のねじ底5bの図中下側のフランク角αは略10°とする。その結果、雌ねじ11のねじ幅wは3.4mmで、雄ねじ5のねじ底5bとの間の軸方向のクリアランスc2は0.5mmになっている。
また、図16(b)は、種類Dのねじ山5asss、11asss、ねじ底11bsss、5bsssを示しており、適切に嵌合している状態である。一例として、この種類Dの雌ねじ11のねじ山11asss及び雄ねじ5のねじ底5bsssの図中下側のフランク角βは約20°とする。その結果、雌ねじ11のねじ幅Wは2.2mmで、雄ねじ5のねじ底5bsとの間の軸方向のクリアランスC2は0.6mmとなっている。
なお、ねじピッチPは種類A、D共に10mmである。
図16(b)に示すように、種類Dの対応するねじ山5asss、11asssとねじ底11bsss、5bsss同士であれば嵌合することができ、雄ねじ5を有する内側継手管7と雌ねじ11を有する外側継手管13を嵌合させることができる。
しかし、種類Aのねじと種類Dのねじが嵌合しようとすると、図17に示すように、種類Dの雄ねじ5のねじ底5bsssのところに、種類Aの雌ねじ11のねじ山11aが位置すると、フランク角の違いから、両者が干渉して嵌合することができず、内側継手管7と外側継手管13を嵌合させることができない。
なお、本発明においても、嵌合開始の目安がある方がよく、位置合わせマークを設けることが好ましい。位置合わせマークを設けていても、ヒューマンエラーにより誤嵌合が生ずる場合があるが、本発明を適用することで、このようなヒューマンエラーを確実に防止できる。
また、本発明におけるねじ形状の変更は、切削刃や切削プログラムの変更により、従来の切削工程を大幅に増やすことなく製作することができるので、本発明は低コストでねじの誤嵌合を防止できるものであると言える。
なお、上記の例では平行ねじ(ねじ山が円筒の外面又は内面にあるねじ)を対象としていたが、テーパねじ(ねじ山が円すいの外面又は内面にあるねじ)の場合にも適用可能であり、テーパねじにおいても問題なく誤嵌合を防止することができる。
なお、大径で上部から手前側を覗かなければ外側継手管13側の嵌合位置を確認できないような場合には、外側継手管13のねじ山を他と異なるようにすることで上部から目視的な嵌合位置の判別がしやすくなる。
なお、上記の他の形態1において、種類Cのねじ山とこれに対応するねじ底の軸方向クリアランス(隙間)Cが0.7mmで、種類Aのねじ山とこれに対応するねじ底の継手軸方向隙間cが0.5mmの例を示し、また、他の形態2においては、種類Dのねじ山とこれに対応するねじ底の軸方向クリアランス(隙間)Cが0.6mmで、種類Aのねじ山とこれに対応するねじ底の継手軸方向隙間cが0.5mmの例を示した。
しかしながら、本発明の多条ねじ継手は構造体を構成する鋼管の端部に取り付けられるものであり、荷重が作用した際に、軸方向で全てのねじ山が均等に当接して荷重伝達できるのがより好ましい。
そのため、種類C及び種類Dのねじ山とこれに対応するねじ底の軸方向クリアランス(隙間)Cと、種類Aのねじ山とこれに対応するねじ底の継手軸方向隙間cが同じであることがより好ましい。これは、ひとつの多条ねじに異なるねじ形状が3種類以上ある場合にも同様に、全てのねじ山とねじ底の継手軸方向隙間が同じに設定されているのが好ましい。
また、上記の実施の形態では、鋼管の端部に取り付ける多条ねじ継手を説明したが、この多条ねじ継手は予め工場等において、鋼管杭、鋼管矢板、鋼管柱、鋼管梁等を構成する鋼管の端部に溶接等によって取り付けることで、継手付き鋼管を構成することができる。
なお、上記の実施の形態では、鋼管は、管軸方向と直交する断面形状が円である円筒形のもので説明をしたが、これに限定されない。例えば、管軸方向と直交する断面形状が矩形である角形鋼管も本発明の鋼管に含まれる。
そして、施工現場等において、複数の継手付き鋼管の多条ねじ継手を連結することで、鋼管杭、鋼管矢板、鋼管矢板を連結した鋼管矢板壁、鋼管柱、鋼管梁等の構造体を形成することができる。つまり、これら構造体は、上記の実施の形態で説明した多条ねじ継手とこれら多条ねじ継手で連結された複数の鋼管とを備えている。
これら構造体を形成するに際して、連結対象となる一方の継手付き鋼管の回転を拘束した状態で、他方の継手付き鋼管の多条ねじ継手を前記一方の継手付き鋼管の多条ねじ継手に位置合わせして回転嵌合するようにすればよい。
例えば、構造体が鋼管杭又は鋼管矢板の場合には、一方の継手付き鋼管を先に地中に打設して、他方の継手付き鋼管を接合し、さらに打設することを繰り返せばよい。
また例えば、構造体が鋼管矢板壁の場合には、一方の連結継手を備える継手付き鋼管を、既に地中にある別の継手付き鋼管の隣に連結継手で接続しながら、先ず地中に打設して、他方の継手付き鋼管を接合し、連結継手の位置を合わせてから、さらに打設することを繰り返せばよい。
このとき、継手付き鋼管を地中に打設する方法については特に限定されず、中堀り杭工法、鋼管ソイルセメント杭工法、回転杭工法、振動工法、打撃工法等のいずれの工法も適用できる。
そして、本発明の多条ねじ継手は、誤嵌合を確実に防止できるので、鋼管矢板等のように回転嵌合完了時に上下の鋼管矢板の連結継手位置が異なることがなく、回転嵌合のやり直し等がなくなり、施工効率が向上する。
また、上記の説明では、物の発明として多条ねじ継手を説明したが、当該多条ねじ継手は以下のような設計方法によって設計される。
鋼管の端部に取り付けられ、雄ねじを有する内側継手管と雌ねじを有する外側継手管からなり、前記内側継手管及び前記外側継手管のねじが、3条以上の多条ねじである多条ねじ継手の設計方法であって、
前記多条ねじを構成するねじが、以下に規定する要件を満たすように設計する。
形状の異なる2以上、ねじ条数以下の種類のねじによって構成すること(要件4、先の要件1に相当する)。
全てのねじ山及びねじ底は、ピッチを同じに設定すること(要件5、先の要件2に相当する)。
各種類のねじが複数条ある場合において、同一種類同士のねじであって隣り合うもの同士の位置を直線で結んで形成される直線又は多角形が、直線は管の中心を通ること、多角形はその重心が管の中心と一致すること、という条件を全ての直線及び多角形が満たすものを除くこと(要件6、先の要件3に相当する)。
また、物の発明として説明した多条ねじ継手は以下のような製造方法によって製造される。
鋼管の端部に取り付けられ、雄ねじを有する内側継手管と雌ねじを有する外側継手管からなり、前記内側継手管及び前記外側継手管のねじが、3条以上の多条ねじである多条ねじ継手の製造方法であって、
前記多条ねじを構成するねじが、以下に規定する要件を満たす。
形状の異なる2以上、ねじ条数以下の種類のねじを形成すること(要件7、先の要件1に相当する)。
全てのねじ山及びねじ底は、ピッチを同じに形成すること(要件8、先の要件2に相当する)。
各種類のねじが複数条ある場合において、同一種類同士のねじであって隣り合うもの同士の位置を直線で結んで形成される直線又は多角形が、直線は管の中心を通ること、多角形はその重心が管の中心と一致すること、という条件を全ての直線及び多角形が満たすものを除くこと(要件9、先の要件3に相当する)。
1 多条ねじ継手
3 上側の鋼管
5 雄ねじ
5a ねじ山(種類A)
5b ねじ底(種類A)
5as ねじ山(種類B)
5bs ねじ底(種類B)
5ass ねじ山(種類C)
5bss ねじ底(種類C)
5asss ねじ山(種類D)
5bsss ねじ底(種類D)
7 内側継手管
9 下側の鋼管
11 雌ねじ
11a ねじ山(種類A)
11b ねじ底(種類A)
11as ねじ山(種類B)
11bs ねじ底(種類B)
11ass ねじ山(種類C)
11bss ねじ底(種類C)
11asss ねじ山(種類D)
11bsss ねじ底(種類D)
13 外側継手管
15 管の中心
17 多角形の重心

Claims (8)

  1. 鋼管の端部に取り付けられ、雄ねじを有する内側継手管と雌ねじを有する外側継手管からなり、前記内側継手管及び前記外側継手管のねじが、3条以上の多条ねじである多条ねじ継手であって、
    前記多条ねじを構成するねじが、以下に規定する要件を満たすことを特徴とする多条ねじ継手。
    (1)形状の異なる2以上、ねじ条数以下の種類のねじを備えること。
    (2)全てのねじ山及びねじ底は、ピッチが同じであること。
    (3)各種類のねじが複数条ある場合において、同一種類同士のねじであって隣り合うもの同士の位置を直線で結んで形成される直線又は多角形が、直線は管の中心を通ること、多角形はその重心が管の中心と一致すること、という条件を全ての直線及び多角形が満たすものを除くこと。
  2. 全てのねじ山とねじ底の継手軸方向隙間が同じに設定されていることを特徴とする請求項1に記載の多条ねじ継手。
  3. 形状の違いは、ねじ山及びこれに対応するねじ底の高さ、幅、角度のいずれか又は複数が異なることであることを特徴とする請求項1又は2に記載の多条ねじ継手。
  4. 請求項1乃至3のいずれかに記載の多条ねじ継手における内側継手管と外側継手管を、一端と他端に取り付けてなることを特徴とする継手付き鋼管。
  5. 請求項1乃至3のいずれかに記載の多条ねじ継手と、前記多条ねじ継手で連結された複数の鋼管とを備えることを特徴とする構造体。
  6. 請求項5に記載の構造体の施工方法であって、連結対象となる継手付き鋼管の一方の回転を拘束した状態で、他方の継手付き鋼管の多条ねじ継手を前記一方の継手付き鋼管の多条ねじ継手に位置合わせして回転嵌合することを特徴とする構造体の施工方法。
  7. 鋼管の端部に取り付けられ、雄ねじを有する内側継手管と雌ねじを有する外側継手管からなり、前記内側継手管及び前記外側継手管のねじが、3条以上の多条ねじである多条ねじ継手の設計方法であって、
    前記多条ねじを構成するねじが、以下に規定する要件を満たすように設計することを特徴とする多条ねじ継手の設計方法。
    (4)形状の異なる2以上、ねじ条数以下の種類のねじによって構成すること。
    (5)全てのねじ山及びねじ底は、ピッチを同じに設定すること。
    (6)各種類のねじが複数条ある場合において、同一種類同士のねじであって隣り合うもの同士の位置を直線で結んで形成される直線又は多角形が、直線は管の中心を通ること、多角形はその重心が管の中心と一致すること、という条件を全ての直線及び多角形が満たすものを除くこと。
  8. 鋼管の端部に取り付けられ、雄ねじを有する内側継手管と雌ねじを有する外側継手管からなり、前記内側継手管及び前記外側継手管のねじが、3条以上の多条ねじである多条ねじ継手の製造方法であって、
    前記多条ねじを構成するねじが、以下に規定する要件を満たすことを特徴とする多条ねじ継手の製造方法。
    (7)形状の異なる2以上、ねじ条数以下の種類のねじを形成すること。
    (8)全てのねじ山及びねじ底は、ピッチを同じに形成すること。
    (9)各種類のねじが複数条ある場合において、同一種類同士のねじであって隣り合うもの同士の位置を直線で結んで形成される直線又は多角形が、直線は管の中心を通ること、多角形はその重心が管の中心と一致すること、という条件を全ての直線及び多角形が満たすものを除くこと。
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